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特許7418550ウェアラブルデバイスにおける双方向無線充電のための方法、装置、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】ウェアラブルデバイスにおける双方向無線充電のための方法、装置、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/80 20160101AFI20240112BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240112BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20240112BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J7/00 301D
H02J50/12
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2022508936
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-18
(86)【国際出願番号】 US2020045188
(87)【国際公開番号】W WO2021030141
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】62/885,891
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジア,リアン
(72)【発明者】
【氏名】フアン,ジェ-ウォン
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204597504(CN,U)
【文献】特開2016-181953(JP,A)
【文献】国際公開第2018/103021(WO,A1)
【文献】特開2017-050939(JP,A)
【文献】登録実用新案第3190075(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0259914(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104935062(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0073337(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/80
H02J 7/00
H02J 50/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコイルを含む本体と、第2のコイルを含むアクセサリとを含む、ウェアラブルデバイスであって、
前記本体は、前記アクセサリに取り付けられるように適合され、
前記第1のコイルは、
充電器から電力を受信し、
前記電力を誘導的に前記アクセサリに送信し、
前記第2のコイルからデータを受信するように構成され、
前記第2のコイルは、前記第1のコイルまたは前記充電器から前記電力を誘導的に受信するように構成され、
前記本体は、1つ以上の第1のコントローラをさらに含み、前記1つ以上の第1のコントローラは、
前記ウェアラブルデバイスが着用されていることを、前記第1のコイルを通して受信された前記データが示すかどうかを判断し、
前記ウェアラブルデバイスが着用されていないことを、前記第1のコイルを通して受信された前記データが示す場合、電力の送信を停止するように前記第1のコイルを制御するように構成される、ウェアラブルデバイス。
【請求項2】
前記本体は、第1の電力管理回路をさらに含み、前記第1の電力管理回路は、
無線充電規格に従って電力を送信するように前記第1のコイルを制御し、
無線通信規格に従ってデータを送信するために、前記第1のコイルを通して送信された前記電力を変調するように構成され、
前記アクセサリは、第2の電力管理回路をさらに含み、前記第2の電力管理回路は、
前記無線充電規格に従って前記第1のコイルを通して送信された前記電力を受信するように前記第2のコイルを制御し、
前記無線通信規格に従って前記第1のコイルを通して送信された前記データを受信するように前記第2のコイルを制御するように構成される、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項3】
前記無線充電規格と前記無線通信規格とは同じ規格である、請求項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項4】
前記同じ規格は、Qi規格または近距離無線通信(NFC)規格のうちの1つである、請求項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項5】
前記第1の電力管理回路は、周波数偏移変調(FSK)または振幅偏移変調(ASK)のうちの1つによって、前記第1のコイルを通して送信された前記電力を変調するように構成される、請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項6】
前記第1の電力管理回路はさらに、
前記無線通信規格に従って前記第2のコイルからデータを受信するように前記第1のコイルを制御するように構成される、請求項のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項7】
記1つ以上の第1のコントローラはさらに、前記第1のコイルを通して送信される前記データを生成するように構成される、請求項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項8】
前記1つ以上の第1のコントローラはさらに、
前記第1のコイルを通して送信された前記電力が前記アクセサリの1つ以上の要件を満たすことを、前記第1のコイルを通して受信された前記データが示すかどうかを判断し、
前記第1のコイルを通して送信された前記電力が前記アクセサリの前記1つ以上の要件を満たさないことを、前記第1のコイルを通して受信された前記データが示す場合、電力の送信を停止するように前記第1のコイルを制御するように構成される、請求項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項9】
前記第1の電力管理回路はさらに、
前記無線充電規格に従って電力を受信するように前記第1のコイルを制御するように構成される、請求項~8のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項10】
前記第2の電力管理回路はさらに、
前記無線通信規格に従ってデータを送信するために、前記第2のコイルを通して受信された前記電力を変調するように構成される、請求項~9のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項11】
前記第2の電力管理回路は、振幅偏移変調(ASK)または負荷変調のうちの1つによって、前記第2のコイルを通して受信された前記電力を変調するように構成される、請求項10に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項12】
1つ以上の第2のコントローラをさらに含み、前記1つ以上の第2のコントローラは、
前記第2のコイルを通して送信される前記データを生成し、
前記第2のコイルを通して受信された前記データを受信するように構成される、請求項10または11に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項13】
前記1つ以上の第2のコントローラはさらに、
前記第1のコイルが充電器によって充電されていることを、前記第2のコイルを通して受信された前記データが示すかどうかを判断し、
前記第1のコイルが充電器によって充電されていることを、前記第2のコイルを通して受信された前記データが示す場合、前記第1のコイルを通して送信された前記電力を受信することを停止するように前記第2のコイルを制御するように構成される、請求項12に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項14】
前記1つ以上の第2のコントローラはさらに、
前記第1のコイルが充電器によって充電されていることを、前記第2のコイルを通して受信された前記データが示すかどうかを判断し、
前記第1のコイルが充電器によって充電されていることを、前記第2のコイルを通して受信された前記データが示す場合、前記充電器によって送信された電力を受信することを停止するように前記第2のコイルを制御するように構成される、請求項12に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項15】
前記第2の電力管理回路はさらに、受信された前記電力の電圧をしきい値電圧と比較するように構成され、
前記1つ以上の第2のコントローラは、受信された前記電力の前記電圧と前記しきい値電圧との比較に基づいて、前記第2のコイルを通して送信される前記データを生成するように構成される、請求項12~14のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項16】
前記ウェアラブルデバイスが着用されているかどうかを示すデータを生成するように構成された1つ以上のセンサをさらに含み、
前記1つ以上の第2のコントローラはさらに、
前記ウェアラブルデバイスが着用されていることを、前記1つ以上のセンサからの前記データが示すかどうかを判断し、
前記ウェアラブルデバイスが着用されていないという判断に基づいて、電力を受信することを停止するように前記第2のコイルを制御するように構成される、請求項12~15のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項17】
前記第2の電力管理回路はさらに、
前記無線充電規格に従って電力を送信するように前記第2のコイルを制御するように構成される、請求項~16のいずれか1項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項18】
第1のコイルを含む本体と、第2のコイルを含むアクセサリとを含む、ウェアラブルデバイスであって、
前記本体は、前記アクセサリに取り付けられるように適合され、
前記第1のコイルは、
充電器から誘導的に電力を受信し、
前記電力を誘導的に前記アクセサリに送信するように構成され、
前記第2のコイルは、
前記第1のコイルまたは前記充電器から前記電力を誘導的に受信し、
前記第1のコイルからデータを受信するように構成され、
前記アクセサリは、1つ以上の第2のコントローラをさらに含み、前記1つ以上の第2のコントローラは、
前記第1のコイルが充電器によって充電されていることを、前記第2のコイルを通して受信された前記データが示すかどうかを判断し、
前記第1のコイルが充電器によって充電されていることを、前記第2のコイルを通して受信された前記データが示す場合、前記第1のコイルを通して送信された前記電力を受信することを停止するように前記第2のコイルを制御するように構成される、ウェアラブルデバイス。
【請求項19】
第1のコイルを含む本体と、第2のコイルを含むアクセサリとを含む、ウェアラブルデバイスであって、
前記本体は、前記アクセサリに取り付けられるように適合され、
前記第1のコイルは、
充電器から誘導的に電力を受信し、
前記電力を前記アクセサリに誘導的に送信するように構成され、
前記第2のコイルは、
前記第1のコイルまたは前記充電器から前記電力を誘導的に受信し、
前記第1のコイルからデータを受信するように構成され、
前記アクセサリは、1つ以上の第2のコントローラをさらに含み、前記1つ以上の第2のコントローラは、
前記第1のコイルが充電器によって充電されていることを、前記第2のコイルを通して受信された前記データが示すかどうかを判断し、
前記第1のコイルが充電器によって充電されていることを、前記第2のコイルを通して受信された前記データが示す場合、前記充電器によって送信された前記電力を受信することを停止するように前記第2のコイルを制御するように構成される、ウェアラブルデバイス。
【請求項20】
第1のコイルを含む本体と、第2のコイルを含むアクセサリとを含む、ウェアラブルデバイスであって、
前記本体は、前記アクセサリに取り付けられるように適合され、
前記第1のコイルは、
充電器から誘導的に電力を受信し、
前記電力を前記アクセサリに誘導的に送信するように構成され、
前記第2のコイルは、前記第1のコイルまたは前記充電器から前記電力を誘導的に受信するように構成され、
前記ウェアラブルデバイスは、前記ウェアラブルデバイスが着用されているかどうかを示すデータを生成するように構成された1つ以上のセンサをさらに含み、
前記アクセサリは、1つ以上の第2のコントローラをさらに含み、前記1つ以上の第2のコントローラは、
前記ウェアラブルデバイスが着用されていることを、前記1つ以上のセンサからの前記データが示すかどうかを判断し、
前記ウェアラブルデバイスが着用されていないという判断に基づいて、電力を受信することを停止するように前記第2のコイルを制御するように構成される、ウェアラブルデバイス。
【請求項21】
1つ以上のプロセッサが、充電器から電力を受信し、前記電力をウェアラブルデバイスのアクセサリに誘導的に送信するように前記ウェアラブルデバイスの本体内のコイルを制御するステップを含み、前記本体は前記アクセサリに取り付けられるように適合され、さらに、
前記1つ以上のプロセッサが、前記アクセサリ内のコイルからデータを受信するように前記本体内の前記コイルを制御するステップと、
前記1つ以上のプロセッサが、前記本体内の前記コイルまたは前記充電器から誘導的に電力を受信するように前記アクセサリ内の前記コイルを制御するステップと
前記1つ以上のプロセッサが、前記ウェアラブルデバイスが着用されていることを、前記本体内の前記コイルを通して受信された前記データが示すかどうかを判断するステップと、
前記ウェアラブルデバイスが着用されていないことを、前記本体内の前記コイルを通して受信された前記データが示す場合、電力の送信を停止するように前記本体内のコイルを制御するステップとを含む、方法。
【請求項22】
1つ以上のプロセッサが、充電器から誘導的に電力を受信し、前記電力をウェアラブルデバイスのアクセサリに誘導的に送信するように前記ウェアラブルデバイスの本体内のコイルを制御するステップを含み前記本体は前記アクセサリに取り付けられるように適合され、さらに、
前記1つ以上のプロセッサが、前記本体内の前記コイルまたは前記充電器から前記電力を誘導的に受信するようにおよび前記本体内の前記コイルからデータを受信するように、記アクセサリ内のコイルを制御するステップと
前記1つ以上のプロセッサが、前記本体内の前記コイルが充電器によって充電されていることを、前記アクセサリ内の前記コイルを通して受信された前記データが示すかどうかを判断するステップと、
前記1つ以上のプロセッサが、前記本体内の前記コイルが充電器によって充電されていることを、前記アクセサリ内の前記コイルを通して受信された前記データが示す場合、前記本体内の前記コイルを通して送信された前記電力を受信することを停止するように前記アクセサリ内の前記コイルを制御するステップとを含む、方法。
【請求項23】
1つ以上のプロセッサが、充電器から誘導的に電力を受信し、前記電力をウェアラブルデバイスのアクセサリに誘導的に送信するように前記ウェアラブルデバイスの本体内のコイルを制御するステップを含み前記本体は前記アクセサリに取り付けられるように適合され、さらに、
前記1つ以上のプロセッサが、前記本体内の前記コイルまたは前記充電器から前記電力を誘導的に受信するようにおよび前記本体内の前記コイルからデータを受信するように、記アクセサリ内のコイルを制御するステップと
前記1つ以上のプロセッサが、前記本体内の前記コイルが充電器によって充電されていることを、前記アクセサリ内の前記コイルを通して受信された前記データが示すかどうかを判断するステップと、
前記1つ以上のプロセッサが、前記本体内の前記コイルが充電器によって充電されていることを、前記アクセサリ内の前記コイルを通して受信された前記データが示す場合、前記充電器によって送信された前記電力を受信することを停止するように前記アクセサリ内の前記コイルを制御するステップとを含む、方法。
【請求項24】
1つ以上のプロセッサが、充電器から誘導的に電力を受信し、前記電力をウェアラブルデバイスのアクセサリに誘導的に送信するように前記ウェアラブルデバイスの本体内のコイルを制御するステップを含み前記本体は前記アクセサリに取り付けられるように適合され、さらに、
前記1つ以上のプロセッサが、前記本体内の前記コイルまたは前記充電器から前記電力を誘導的に受信するように、記アクセサリ内のコイルを制御するステップと
前記1つ以上のプロセッサが、前記ウェアラブルデバイスに設けられた1つ以上のセンサから生成されたデータを受信するステップと、
前記1つ以上のプロセッサが、前記ウェアラブルデバイスが着用されていることを、前記1つ以上のセンサからの前記データが示すかどうかを判断するステップと、
前記1つ以上のプロセッサが、前記ウェアラブルデバイスが着用されていないという判断に基づいて、電力を受信することを停止するように前記アクセサリの前記コイルを制御するステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、「ウェアラブルデバイスにおける双方向無線充電のための方法、装置、およびシステム」(METHODS, APPARATUS AND SYSTEM FOR BIDIRECTIONAL WIRELESS CHARGING IN WEARABLE DEVICES)と題された、2019年8月13日に出願された米国仮出願第62/885,891号の出願日の利益を主張する。当該仮出願の開示は、ここに引用により援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
スマートウォッチおよびスマート眼鏡などのウェアラブルデバイスは、他のパーソナルコンピューティングデバイスと同様の多くの機能を提供し得る。いくつかのウェアラブルデバイスは、それらが着用者に近接しているため、心拍数および体温モニターといった、従来のコンピューティングデバイスによって通常提供されない追加の機能を提供し得る。ウェアラブルデバイスが小さいフォームファクタを有する場合、そのような追加の機能性を実現することは、スペース制約に起因して特に難易度が高くなり得る。
【0003】
ウェアラブルデバイスは、容易な携帯性のために設計されることが多い。たとえば、それらには、着用者によって着用されるように適合されたウォッチバンドまたは眼鏡フレームなどのアクセサリが設けられ得る。そのようなアクセサリは、純粋に機械的であることが多い。なぜなら、アクセサリに電子コンポーネントを含めることは多くの点で難しくなり得るためである。たとえば、スマートウォッチのウォッチバンドに電子コンポーネントを含めることは、ウォッチバンドのサイズおよび/または重量を増加させるかもしれず、スマートウォッチの携帯性または魅力を減少させる。電子コンポーネントに電力を供給するためのバッテリーが、ウォッチバンドの重量および/またはサイズをさらに増加させるかもしれない。さらに、ワイヤまたは接触ピンなどの電気的接続部がスマートウォッチのウォッチ本体内の電子コンポーネントとウォッチバンド内の電子コンポーネントとの間に設けられることになっている場合、および、電気的接続部を露出させるためにウォッチ本体とウォッチバンドとが切り離され得る場合、そのような電気的接続部は、スマートウォッチの防水能力を制限するかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】この開示の局面に従った例示的なウェアラブルデバイスを示す図である。
図2】この開示の局面に従った、充電器によって充電されている例示的なウェアラブルデバイスを示す図である。
図3】この開示の局面に従った例示的な無線充電および通信システムを示す回路図である。
図4A】この開示の局面に従った周波数変調を示す例示的な波形図である。
図4B】この開示の局面に従った振幅変調を示す例示的な波形図である。
図4C】Qi規格に従った周波数偏移変調状態の例示的な表である。
図5】この開示の局面に従った別の例示的な無線充電および通信システムを示す回路図である。
図6A】この開示の局面に従った振幅変調を示す例示的な波形図である。
図6B】この開示の局面に従った負荷変調を示す例示的な波形図である。
図7】この開示の局面に従った別の例示的な無線充電および通信システムを示す回路図である。
図8】この開示の局面に従った別の例示的な無線充電および通信システムを示す回路図である。
図9】この開示の局面に従った例示的なシステムのブロック図である。
図10】この開示の局面に従った例示的なフロー図である。
図11】この開示の局面に従った別の例示的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
詳細な説明
概略
本開示は、無線充電および通信システムを有するウェアラブルデバイスを提供する。無線充電および通信システムは、ウェアラブルデバイスの2つのコンポーネント間の双方向無線通信および/または無線充電を可能にし得る。たとえば、ウェアラブルデバイスは、ウォッチ本体またはスマート眼鏡ディスプレイなどの本体と、本体に取付けられるように適合された、ウォッチバンドまたは眼鏡フレームなどのアクセサリとを含んでいてもよい。本体とは、主な電子コンポーネントまたは機能性の多くを含む、ウェアラブルデバイスの部分であってもよく、一方、アクセサリとは、電子コンポーネントまたは機能性の残りを含む、ウェアラブルデバイスの部分であってもよい。ウェアラブルデバイスの本体は、電力を誘導的に送信および/または受信するように構成された第1のコイルを含んでいてもよく、ウェアラブルデバイスのアクセサリは、同様に電力を誘導的に送信および/または受信するように構成された第2のコイルを含んでいてもよい。たとえば、電力は、電磁波として送信されてもよい。
【0006】
ウェアラブルデバイスの本体およびウェアラブルデバイスのアクセサリは各々、無線充電規格に従って電力を送信および/または受信するようにそれぞれのコイルを制御するように構成されたそれぞれの電力管理回路を含んでいてもよい。たとえば、無線充電規格は、Qi規格、近距離無線通信(Near-Field Communication:NFC)規格、または別の規格であってもよい。
【0007】
ウェアラブルデバイスの本体およびアクセサリ内の電力管理回路はさらに、データを無線で送信するために、送信または受信された電力を変調するように構成されてもよい。たとえば、ウェアラブルデバイスの本体およびアクセサリは、双方向通信のために構成されてもよい。この点に関して、本体からアクセサリへデータを送信することは、第1のタイプの変調を介してもよく、一方、アクセサリから本体へデータを送信することは、第1のタイプの変調とは異なる第2のタイプの変調を介してもよい。変調の例示的なタイプは、振幅変調、周波数変調、負荷変調など、およびそれらの組合せを含む。データ送信のための送信電力の変調に代えて、または加えて、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)モジュールなどの追加の通信モジュールが、無線データ送信のために使用されてもよい。
【0008】
ウェアラブルデバイスの本体およびアクセサリは各々、電力送信および/または受信を制御するためのコントローラを含んでいてもよい。たとえば、ウェアラブルデバイスが着用されている場合、本体のバッテリー内の電荷が予め定められたしきい値を満たす場合、本体が現在充電されていない場合などにのみ、本体内のコントローラは、アクセサリを充電すると決定してもよい。別の例として、送信電力がアクセサリの要件を満たさないことを、アクセサリから受信されたデータが示す場合、本体内のコントローラは、アクセサリを充電しないと決定してもよい。同様に、ウェアラブルデバイスが着用されている場合、アクセサリのバッテリー内の電荷が予め定められたしきい値を下回る場合、本体が現在充電されていない場合などにのみ、アクセサリ内のコントローラは、本体から電力を受け入れると決定してもよい。
【0009】
ここに説明される特徴は、無線デバイスの本体とアクセサリとの間の双方向無線充電および通信能力を提供するため、有利である。無線充電および通信は、アクセサリが無線で充電され得るため、たとえばアクセサリにバッテリーを追加せずにアクセサリに追加コンポーネントを含めることによって、より多くの機能性が著しい重量または体積を追加することなくウェアラブルデバイスに組み込まれることを可能にする。無線充電および通信は、ウェアラブルデバイスの本体とモジュール式のアクセサリとの間の電気的接続部に対する必要性を減少させるかまたは排除することができ、それは、防水または耐水能力を向上させ得る。ウェアラブルデバイスの本体とアクセサリとの間の無線通信は、ここに説明されるような本体および/またはアクセサリのさまざまなステータスに基づいた、スマートで効率的な充電を可能にし得る。無線経由の(over-the-air:OTA)ソフトウェア更新も、無線通信によって行なわれてもよく、それは、ユーザにさらなる利便性を提供し得る。なぜなら、ウェアラブルデバイスは、着用または使用されている間に更新され得るためである。また、ウェアラブルデバイスの本体とモジュール式のアクセサリとの間の無線通信は、ユーザプロファイルをモジュール式のアクセサリ内の無線周波数識別(Radio Frequency Identification:RFID)とリンクすることによって、容易なカスタマイズおよびセキュリティオプションを提供し得る。
【0010】
例示的なシステム
図1は、例示的なウェアラブルデバイスを示す。この例では、ウェアラブルデバイスはスマートウォッチ100である。しかしながら、ウェアラブルデバイスは、ペンダントや、スマート眼鏡、スマートヘルメットなどの頭部装着型ディスプレイといった、さまざまなウェアラブルデバイスのうちのいずれであってもよいということが理解されるべきである。
【0011】
スマートウォッチ100はウォッチ本体110を含む。図示された例ではウォッチ本体110は形状が円形であるが、ウォッチ本体110は、矩形、正方形、楕円形、多角形、任意の形状などといった、あらゆる形状であってもよい。ウォッチ本体110のハウジングは、金属、プラスチック、ガラス、セラミック、もしくは、これらのまたは他の材料の任意の組合せといった、さまざまな材料から作られてもよい。図1には図示されていないものの、図9に関連して以下に説明されるように、ウォッチ本体110は複数の電子コンポーネントおよび/または機械的コンポーネントを含んでいてもよく、それらは、マイク、カメラ、タッチスクリーンなどのユーザ入力、ディスプレイ、スピーカ、触覚部(haptics)などの出力デバイス、1つ以上のプロセッサ、メモリ、1つ以上のセンサ、無線充電および通信システム、クロックなどを含んでいてもよい。
【0012】
電力を無線で受信および/または送信するために、ウォッチ本体110は、充電コイル120などの1つ以上の充電コイルを含んでいてもよい。たとえば、充電コイル120は、充電器から電力を誘導的に受信するように構成されてもよい。充電コイル120はさらに、バッテリーなどの1つ以上のエネルギー貯蔵部を含む、ウォッチ本体110内部のコンポーネントに、電力を供給するように構成されてもよい。たとえば、電気的接続部が、充電コイル120とウォッチ本体110内部のコンポーネントとの間に設けられてもよい。充電コイル120はまた、スマートウォッチ100のアクセサリ内のまたはアクセサリ上のコンポーネントといった、スマートウォッチ100の他のコンポーネントに、電力を誘導的に供給するように構成されてもよい。
【0013】
スマートウォッチ100は、モジュール式のウォッチバンド130といった、1つ以上のアクセサリを含んでいてもよい。ウェアラブルデバイスが異なるデバイスである他の例では、デバイスの本体は眼鏡またはペンダントであってもよく、それは、眼鏡フレームまたはネックレスなどのアクセサリにモジュール式に取付けられるように統合または適合されてもよい。ウォッチバンド130は、金属、ゴム、ナイロン、綿、プラスチック、ガラス、セラミック、もしくは、これらのまたは他の材料の任意の組合せといった、さまざまな材料から作られてもよい。ウォッチバンド130は、人の手首のまわりに着用されるように適合されてもよい。たとえば、図示されるように、ウォッチバンド130はストラップ140を含む。ストラップ140は、着用者の手首のまわりにしっかりした快適なフィット性を提供するように調節されてもよい。他の例では、ウォッチバンドは、よりゆったりしたフィット性のためなどのブレスレット、または、別のタイプの取付け機構であってもよい。
【0014】
ウォッチバンド130はさらに、スマートウォッチ100のウォッチ本体110をウォッチバンド130に固定するように適合されたレセプタクル150を含んでいてもよい。たとえば、ウォッチ本体110を収容するために、レセプタクル150は、ウォッチ本体110と同様の形状を有していてもよい。さらに、レセプタクル150は、溝、フック、ロック、ねじ、ピン、磁石などといった形状構成を含んでいてもよく、それらは、しっかりした取付けを保証するためにウォッチ本体110の形状構成と連結してもよい。この例ではレセプタクル150が図示されているが、他の例では、ウォッチバンド130は、ウォッチバンド130をウォッチ本体110に直接固定する、ピン、ねじ、フック、ロックなどといった他の機械的形状構成を含んでいてもよい。
【0015】
スマートウォッチ100のフォームファクタを減少させるために、および/または、ウォッチ本体110のフォームファクタを増加させずに追加のコンポーネントを含めるために、ウォッチバンド130は、電子コンポーネントおよび/または機械的コンポーネントを含むように構成されてもよい。たとえば、電子コンポーネント160が、ストラップ140内部に位置付けられて図示されている。これに代えて、またはこれに加えて、これらの電子コンポーネントは、レセプタクル150内部に位置付けられてもよい。電子コンポーネント160は、ウォッチ本体110内のコンポーネントから、および他のデバイスとの間でデータを転送および/または受信するための無線通信システムを含んでいてもよい。いくつかの例では、ウォッチバンド130に設けられた電子コンポーネント160は、心拍数または体温センサ、スマートウォッチ100が着用されているかどうかを検出するためのIRまたは容量性センサ、触覚フィードバックなどといった、着用者の皮膚により近接した状態でより良好に動作するものであってもよい。電子コンポーネント160はさらに、無線周波数識別(RFID)デバイスといった、識別および/または認証デバイスを含んでいてもよく、それは、ユーザプロファイルまたはアカウントにリンクされてもよい。たとえば、ユーザプロファイルまたはアカウントは、ユーザ嗜好および他のユーザデータといった情報を含んでいてもよい。
【0016】
ウォッチバンド130はまた、電力を無線で受信および/または供給するための充電コイル170を含んでいてもよい。たとえば、充電コイル170は、充電器から電力を誘導的に受信するように構成されてもよい。充電コイル170はまた、スマートウォッチ100のウォッチ本体110から充電コイル120などを介して電力を誘導的に受信するように構成されてもよい。充電コイル120と充電コイル170との整列を保証するために、充電コイル170は、ウォッチ本体110がレセプタクル150に固定されると2つの充電コイル120および170が互いと整列するように、ウォッチバンド130のレセプタクル150に位置付けられてもよい。ウォッチバンド130の充電コイル170は、電子コンポーネント160に電力を供給するように構成されてもよい。この点に関して、ウォッチバンド130は、充電コイル170を電子コンポーネント160に接続する電気的接続部180を含んでいてもよい。
【0017】
いくつかの例では、ウォッチバンド130は、1つ以上のバッテリーといった、1つ以上のエネルギー貯蔵ユニットを含んでいてもよい。そのため、ウォッチバンド130が充電器またはウォッチ本体110によって充電されていない場合でも、バッテリーは電力を電子コンポーネント160に供給してもよい。他の例では、着用者にとってウォッチバンド130がかさばったり重くなることを避けるために、または、電子コンポーネント160がウォッチ本体110に取付けられずに機能することが不必要かもしれない場合には、ウォッチバンド130はエネルギー貯蔵ユニットを含んでいなくてもよい。たとえば、電子コンポーネント160は、ウォッチ本体110とともに着用されている場合にのみ機能するよう意図された心拍数および体温センサを含んでいてもよく、ウォッチ本体110は、これらのセンサからのデータに基づいて情報を分析し表示してもよい。
【0018】
ウォッチ本体110およびウォッチバンド130はモジュール式であるため、スマートウォッチ100は、ウォッチバンド130を別のウォッチバンドと置き換えることによってカスタマイズされてもよい。たとえば、別のウォッチバンドは、ウォッチバンド130の電子コンポーネント160とは異なる一組の電子コンポーネントを含んでいてもよい。このため、ウォッチ本体110のコンポーネントを変更することなく、スマートウォッチ100の機能性が変更されてもよい。また、ウォッチバンドがRFIDデバイスなどの識別および/または認証デバイスを含む場合、スマートウォッチ100は、RFIDにリンクされたユーザプロファイルにおける嗜好に基づいてカスタマイズされてもよい。さらに、識別および/または認証特徴は、たとえば、ウォッチ本体110が、ウォッチバンド130内のRFIDに関連付けられたユーザのユーザデータにアクセスすることのみを許可することによって、向上したデータセキュリティを提供し得る。
【0019】
加えて、無線充電および通信能力は、スマートウォッチ100の防水または耐水特徴を向上させ得る。たとえば、ウォッチ本体110およびウォッチバンド130は双方とも無線充電および/または通信能力を含み得るため、ワイヤまたは接触ピンなどの電気的接続部が、ウォッチ本体110とウォッチバンド130との間で必要とされなくてもよい。そのため、ウォッチ本体110がウォッチバンド130から切り離されても、ウォッチ本体110の電子コンポーネントおよび充電コイル120と、ウォッチバンド130の電子コンポーネント160および充電コイル170とは、露出されたワイヤまたは接触ピンを通して、汚れまたは水などの汚染物質にさらされないかもしれない。たとえば、ウォッチ本体110の電子コンポーネントおよび充電コイル120は、ウォッチ本体110のハウジング内に完全に包み込まれてもよく、一方、ウォッチバンド130の電子コンポーネント160および充電コイル170は、レセプタクル150またはストラップ140の材料内に完全に包み込まれてもよい。
【0020】
図2は、充電器によって充電されている例示的なウェアラブルデバイスを示す。この例では、ウェアラブルデバイスは図1のスマートウォッチ100であり、充電器は無線充電器200である。充電器200は、誘導を通して、たとえば充電コイル210を通して電力を送信するように構成されてもよい。たとえば、充電されるために、スマートウォッチ100などの充電コイルを有するデバイスは、充電コイル120が充電コイル210と整列するように、充電器200の表面220上に位置付けられてもよい。充電器200自体は、電力コンセントに接続するためのケーブル230といった、電源への接続部を含んでいてもよい。
【0021】
充電器200は、多くのやり方のうちのいずれかでスマートウォッチ100を充電してもよい。たとえば、充電器200は、充電コイル210を介して、ウォッチ本体110の充電コイル120に電力を誘導的に送信してもよく、ウォッチバンド130がウォッチ本体110に取付けられている場合、充電コイル120は次に、ウォッチバンド130の充電コイル170に電力を誘導的に送信してもよい。いくつかの例では、ウォッチ本体110は、スマートウォッチ100が着用されている場合にのみ、ウォッチバンド130を充電するように構成されてもよい。これは、ウォッチバンド130がバッテリーを含まない場合にあてはまり得る。なぜなら、エネルギー貯蔵部がなければ、着用されていない場合にウォッチバンド130を充電することは無駄かもしれないためである。ウォッチバンド130がバッテリーを含む例では、充電器200は、充電コイル210を介して、ウォッチ本体110の充電コイル120とウォッチバンド130の充電コイル170との双方に同時に電力を誘導的に送信してもよい。これに代えて、充電器200は、充電コイル210を介して、ウォッチバンド130の充電コイル170に電力を誘導的に送信してもよく、充電コイル170は次に、ウォッチ本体110の充電コイル120に電力を送信してもよい。
【0022】
図3は、図1のスマートウォッチ100などのウェアラブルデバイスのための例示的な無線充電および通信システム300を示す。システム300は、ウェアラブルデバイスの本体およびアクセサリからのコンポーネントを含む。たとえば、システム300は、ウォッチ本体110内のさまざまなコンポーネントと、ウォッチバンド130内のさまざまなコンポーネントとを示す。この例では、システム300は、Qi規格に従って電力を無線で送信/受信し、通信するように構成される。
【0023】
図示されるように、ウォッチ本体110は、ウォッチバンド130への無線電力送信を可能にするように構成された電力管理回路310を含む。たとえば、電力管理回路310は、電力管理集積回路(Power Management Integrated Circuit:PMIC)などの集積回路チップであってもよい。電力管理回路310は、ウォッチ本体110内のバッテリーまたは接続部などのエネルギー源から電力コンセントへの、ある電圧(Vin)での入来電力を受信するように構成されてもよい。たとえば、電力管理回路310は、ウォッチ本体110のバッテリーからDC電流を受信し、Qi規格に基づいてDC電流を交流電磁場を有する交流電流(alternating current:AC)に変換し、電力330をもたらしてもよい。電力330は次に、ウォッチ本体110のコイル120によって交流電磁場としてウォッチバンド130に送信されてもよい(太い矢印によって示される)。
【0024】
また、図示されるように、ウォッチバンド130も、ウォッチ本体110からの無線電力送信を可能にするように構成された電力管理回路360を含む。この点に関して、電力管理回路360も、PMICなどの集積回路チップであってもよい。たとえば、ウォッチ本体110の充電コイル120からの交流電磁場の形をした送信電力330は、ウォッチバンド130の充電コイル170によって受信されてもよく、充電コイル170はさらに、受信電力を電力管理回路360に送信してもよい。たとえば、電力管理回路360は、交流電磁場の形をした受信電力330を、電子コンポーネント160および1つ以上のコントローラ370といったウォッチバンド130の電子コンポーネントによって必要とされるある電圧(Vout)を有するDC電流に変換してもよい。いくつかの例では、電力管理回路360はさらに、送信電力330がウォッチバンド130の要件を満たすかどうかを判断してもよい。たとえば、電力管理回路360は、送信電力330の電圧をしきい値電圧と比較し、送信電力330の電圧がしきい値電圧の所定範囲内にあるかどうかを判断してもよい。
【0025】
電力送信のさまざまな局面を制御するために、スマートウォッチ100のウォッチ本体110およびウォッチバンド130は各々、コントローラ320およびコントローラ370といった1つ以上のコントローラをそれぞれ含んでいてもよい。コントローラ320は、電力送信を管理するために、電力管理回路310と、およびコントローラ370と通信するように構成されてもよい。たとえば、コントローラ320は、ウォッチ本体110および/またはウォッチバンド130のエネルギーステータス、ウォッチ本体110および/またはウォッチバンド130が現在充電されているかどうか、ウォッチ本体110による送信電力330がしきい値電圧などのウォッチバンド130の要件を満たすかどうか、などといった多くのパラメータのうちのいずれかに基づいて、ウォッチバンド130への電力送信を開始するべきかまたは停止するべきかを判断してもよい。同様に、コントローラ370は、電力受信を管理するために、電力管理回路360と、およびコントローラ320と通信するように構成されてもよい。たとえば、コントローラ370も、ウォッチ本体110および/またはウォッチバンド130のエネルギーステータス、ウォッチ本体110および/またはウォッチバンド130が現在充電されているかどうか、ウォッチ本体110から受信された送信電力330がしきい値電圧などのウォッチバンド130の要件を満たすかどうか、などといった多くのパラメータのうちのいずれかに基づいて、電力送信を受け入れるべきかどうかを判断してもよい。
【0026】
コントローラ320および370は各々、他の機能性を提供するために、無線で互いへデータを送信し、および/または、互いからデータを受信するように構成されてもよい。たとえば、ソフトウェア更新を受信すると、コントローラ320は、コントローラ370のソフトウェアを更新するために、ソフトウェア更新に関連するデータを無線で送信するように構成されてもよい。これは、ソフトウェア更新をインストールするためだけにスマートウォッチ100を別の所にセットするようユーザに要求することなく、スマートウォッチ100がユーザによって着用され使用されている間に無線経由の(OTA)更新を可能にする。別の例として、コントローラ320は、ウォッチバンド130の電子コンポーネント160に触覚効果などの出力を生成するよう指示するために、信号をコントローラ370に無線で送信してもよい。コントローラ320はまた、心拍数、体温、ウォッチバンド130が着用されていることを示す光/キャパシタンス測定値などを含み得る、電子コンポーネント160によって測定されたセンサデータといった、コントローラ370からのデータを無線で受信してもよい。この点に関して、コントローラ370は、図示されるように電子コンポーネント160と通信するように構成されてもよく、コントローラ320は、ウォッチ本体110の電子コンポーネントと通信するように構成されてもよい。
【0027】
この点に関して、電力管理回路310は、ウォッチ本体110のコントローラ320からウォッチバンド130のコントローラ370へといった、ウォッチ本体110とウォッチバンド130との間の無線通信を可能にするために、送信電力を変調するように構成されてもよい。たとえば、電力管理回路310は、データをウォッチバンド130に送信するために、コイル120での送信電力330の交流磁場の周波数を調節するように構成されてもよい。変調は、Qi通信規格に従って周波数変調信号を生成してもよい。これは、LC回路またはタンク回路によって、当該回路の等価キャパシタンスを調節することなどによって達成されてもよい。たとえば、図示されるように、LC回路は、インダクタンスを提供するための充電コイル120と、キャパシタンスを提供するためのキャパシタ340とによって形成されてもよい。ここではデータを搬送するために変調された電力330は次に、コイル120を介してウォッチバンド130のコイル170に送信されてもよい。
【0028】
同様に、ウォッチバンド130側では、電力管理回路360は、ウォッチバンド130のコントローラ370からウォッチ本体110のコントローラ320へといった、ウォッチバンド130とウォッチ本体110との間の通信を可能にするために、受信電力を変調するように構成されてもよい。たとえば、電力管理回路360は、データをウォッチ本体110に送信するために、コイル170によって受信された送信電力330の交流磁場の振幅を調節するように構成されてもよい。変調は、Qi通信規格に従って振幅変調信号を生成してもよい。これも、LC回路またはタンク回路によって、当該回路の等価キャパシタンスを調節することなどによって達成されてもよい。たとえば、図示されるように、LC回路は、インダクタンスを提供するための充電コイル170と、キャパシタンスを提供するためのキャパシタ390および392とによって形成されてもよい。充電コイル170およびキャパシタ390は、電力転送のための主要LCタンク回路を形成してもよく、ここでキャパシタ390は、受信電力330からDC成分を除去してもよい。キャパシタ392のための等価キャパシタンスは、振幅変調信号を生成するために調節されてもよい。ここではデータを搬送するために変調された電力330は次に、データがウォッチバンド130からウォッチ本体110へ送信されることを可能にしてもよい。
【0029】
そのため、送信電力330は、ウォッチ本体110からウォッチバンド130へ、および、ウォッチバンド130からウォッチ本体110へという双方の方向に送信されるデータを搬送してもよい。データのこの双方向送信におけるあらゆる対立を避けるために、送信電力330は、任意の所与の時間に、ウォッチ本体110またはウォッチバンド130のどちらか一方だけによって変調されてもよい。ウォッチ本体110およびウォッチバンド130は、任意の適切なタイプのスケジューリングに従って、交代でデータを互いへ送信してもよい。
【0030】
図4Aおよび図4Bは、周波数変調および振幅変調の例をそれぞれ示す。図4Aおよび図4Bの局面は、正確な比率で描かれていない場合がある。図4Aは、周波数偏移変調(frequency-shift keying:FSK)による変調を示す。たとえば、スマートウォッチ100のウォッチ本体110のコントローラ320は、ウォッチバンド130に送信されるデータ410を有していてもよい。コントローラ320からのデータ410は、図示されるような方形波などの波形を有していてもよく、ここで、ハイ信号には論理「1」が割り当てられ、ロー信号には論理「0」が割り当てられる。このデータ410は、別の信号を変調することによって送信されてもよい。たとえば、信号は、充電コイル120を通して送信された電力330であってもよく、それは、特定の周波数「f0」を有するAC信号であってもよい。データ410を送信するために、電力信号330は、その周波数を変更することによって変調されてもよい。たとえば、電力信号330は、データ410におけるハイ信号が送信される場合には第1の周波数「f1」で変調され、データ410におけるロー信号が送信される場合には第2の周波数「f2」で変調されて、変調信号430をもたらしてもよい。また、変調信号430によって示されるように、この例では、第1の周波数f1は、第2の周波数f2よりも高くてもよい。
【0031】
例示を簡単にかつ明瞭にするために、図4Aは、f1とf2との比較的大きい差を示す。しかしながら、Qi規格に従う場合、f1とf2との差はもっと小さくてもよい。たとえば、図4Cは、Qi規格に従ったFSKのための例示的な周波数差を有する表470を示す。表を参照して、FSKのために使用される周波数は、より小さい変調深さ(より小さい周波数差)とより大きい変調深さ(より大きい周波数差)との間で調節され得る。また、FSKのために使用される周波数は、より高い周波数がハイ信号のために変調されるか、またはロー信号のために変調されるかに依存して、負または正の極性を有し得る。たとえば、図4Aにおける変調電力信号430が3という負の変調深さで変調される場合、周波数はそれぞれ、f1=fop=145kHz、f2=fmod=139kHzであってもよく、差は6kHzである。
【0032】
図4Bは、振幅偏移変調(amplitude-shift keying:ASK)による変調を示す。たとえば、スマートウォッチ100のウォッチバンド130のコントローラ370は、ウォッチ本体110に送信されるデータ440を有していてもよい。コントローラ370からのデータ440も、方形波などの波形を有していてもよい。このデータ440は、充電コイル170を通して受信された電力330などの別の信号を変調することによって送信されてもよく、それは、特定の振幅「A0」を有するAC信号であってもよい。データ440を送信するために、電力信号330は、その振幅を変更することによって変調されてもよい。たとえば、電力信号330は、データ440におけるハイ信号が送信される場合には第1の振幅「A1」で変調され、データ440におけるロー信号が送信される場合には第2の振幅「A2」で変調されて、変調信号460をもたらしてもよい。また、変調信号460によって示されるように、この例では、第1の振幅A1は、第2の振幅A2よりも高くてもよい。
【0033】
FSKと同様に、Qi規格に従ったASKのために使用される振幅も、小さい深さ(小さい差)と大きい深さ(大きい差)との間で調節され得る。ASKのために使用される振幅はまた、より高い振幅がハイ信号のために変調されるか、またはロー信号のために変調されるかに依存して、負または正の極性を有し得る。
【0034】
図4Aおよび図4Bはこのように、ウォッチ本体110とウォッチバンド130との間の双方向無線通信を実現する一例を示す。同じ電力330を変調することにより、データは、コントローラ320からコントローラ370へ送信されるだけでなく、コントローラ370からコントローラ320へ送信され得る。これは、異なる方向に送信されたデータのために2つの異なるタイプの変調を使用することによって達成される。充電および通信双方のために同じ送信電力および同じ無線規格を使用することにより、コンポーネントの数を減少させることができる。たとえば、Qiのために構成された1つのPMICを、追加のPMICまたは通信モジュールを必要とすることなく、ウォッチ本体110およびウォッチバンド130の各々に含めることができる。Qi規格に従ったこの例では、FSKは、ウォッチ本体110からウォッチバンド130へ送信されたデータのために使用され、ASKは、ウォッチバンド130からウォッチ本体110へ送信されたデータのために使用されるが、他の規格に従った他の例では、ASKが、ウォッチ本体110からウォッチバンド130へ送信されたデータのために使用されてもよく、FSKが、ウォッチバンド130からウォッチ本体110へ送信されたデータのために使用されてもよい。さらに別の例では、これに代えて、またはこれに加えて、他のタイプの変調が使用されてもよい。
【0035】
図5は、図1のスマートウォッチ100などのウェアラブルデバイスのための別の例示的な無線充電および通信システム500を示す。システム500は、図3と同様であってそのようなものとして標記される多くの特徴を含む。たとえば、システム500も、ウォッチ本体110およびウォッチバンド130のためのコンポーネント、充電コイル120および充電コイル170、および電子コンポーネント160を含む。システム300とシステム500との違いをここに説明する。たとえば、電力管理回路510、560およびコントローラ520、570はそれぞれ、電力管理回路310、360およびコントローラ320、370と同様に構成され得るが、ここでは、電力管理回路510、560およびコントローラ520、570は、NFC規格に従って電力を無線で送信し、通信するように構成されてもよい。
【0036】
NFC規格に従って送信された電力530は、Qi規格に従った送信された電力330とは異なる特性を有し得る。たとえば、NFC規格に従った送信電力の電圧および/または電流は、Qi規格に従った送信電力の電圧および/または電流よりも低いかもしれない。例として、NFC規格に従った送信電力の振幅は典型的には0.5W~1Wであるかもしれず、一方、Qi規格に従った送信電力の振幅は典型的には5W~15Wであるかもしれない。別の例として、NFC規格に従った送信電力の周波数は典型的には13.56MHzであるかもしれず、一方、Qi規格に従った送信電力の周波数は典型的には87kHz~205kHzであるかもしれない。
【0037】
さらに、電力530はまた、データを送信するために、Qi規格とは異なる態様で、NFC規格に従って変調され得る。たとえば、電力管理回路510は、データをウォッチバンド130に送信するために、コイル120を通して送信された電力530の交流電磁場の振幅を調節するように構成されてもよい。変調は、NFC通信規格に従って振幅変調信号を生成してもよい。これは、LC回路またはタンク回路によって達成されてもよい。たとえば、図示されるように、LC回路は、インダクタンスを提供するための充電コイル120と、キャパシタンスを提供するためのキャパシタ540とによって形成されてもよい。ここではデータを搬送するために変調された電力530は次に、コイル120を介してウォッチバンド130のコイル170に送信されてもよい。
【0038】
同様に、ウォッチバンド130側では、電力管理回路560は、ウォッチバンド130のコントローラ570からウォッチ本体110のコントローラ520へといった、ウォッチバンド130とウォッチ本体110との間の通信を可能にするために、受信電力を変調するように構成されてもよい。たとえば、電力管理回路560は、データをウォッチ本体110に送信するために、コイル170を通して受信された電力530の交流電磁場の負荷を調節するように構成されてもよい。変調は、NFC通信規格に従って負荷変調信号を生成してもよい。変調は、異なる周波数で追加の負荷を生成してもよく、それらは、NFC通信規格に従って電力530に追加される。これは、LC回路またはタンク回路によって達成されてもよい。たとえば、図示されるように、ダイオード594およびキャパシタ592は、変調信号によって搬送されたデータを復号するために、AC-DC変換を行なうための、また、ウォッチ本体110から受信された変調信号の振幅を求めるためのピーク検出回路を形成してもよい。抵抗器596およびスイッチ598は、ウォッチバンド130からウォッチ本体110へデータを送信するために使用されてもよく、ここでスイッチ598は、搬送波周波数(たとえばNFCのスイッチング周波数である13.56MHzよりも低い、423kHzなどの周波数)でスイッチングされてもよい。この負荷変動は、ウォッチ本体110上で電力管理回路510によって、たとえば充電コイル120およびキャパシタ540を通して検出されてもよい。
【0039】
図6Aおよび図6Bは、振幅変調および負荷変調の例をそれぞれ示す。図6Aおよび図6Bの局面は、正確な比率で描かれていない場合がある。図6Aおよび図6Bはこのように、ウォッチ本体110とウォッチバンド130との間の双方向通信を可能にする別の例示的なやり方を示す。同じ電力信号530を変調することにより、データは、コントローラ520からコントローラ570へ送信されるだけでなく、コントローラ570からコントローラ520へ送信され得る。しかしながら、NFC規格に従ったこの例では、ASKが、ウォッチ本体110からウォッチバンド130へ送信されたデータのために使用され、負荷変調が、ウォッチバンド130からウォッチ本体110へ送信されたデータのために使用される。他の規格に従った他の例では、負荷変調が、ウォッチ本体110からウォッチバンド130へ送信されたデータのために使用されてもよく、ASKが、ウォッチバンド130からウォッチ本体110へ送信されたデータのために使用されてもよい。さらに別の例では、これに代えて、またはこれに加えて、他のタイプの変調が使用されてもよい。
【0040】
図6AはASK変調を示し、それは、図4Bに示される例示的な変調と同様に示される。たとえば、データ610は、電力信号530の振幅A0’を変調することによって送信されてもよく、データ610におけるハイ信号を送信する場合には振幅A3で変調された信号をもたらし、データ610におけるロー信号を送信する場合には振幅A4で変調された信号をもたらしてもよい。しかしながら、この例では、データ610は、ウォッチ本体110からウォッチバンド130へ送信された振幅変調信号である。
【0041】
図6Bは負荷変調を示し、それは、図示されるように、上述のASKおよびFSKの双方とは異なっている。たとえば、ウォッチバンド130のコントローラ570からウォッチ本体110へデータ640を送信するために、特定の周波数f0’と特定の振幅A0’とを有し得る電力信号530は変調されてもよい。電力信号530は、送信電力の周波数f0’とは異なる負荷周波数f3と、データ640におけるハイ信号が送信される場合には第1の負荷振幅A5、データ640におけるロー信号が送信される場合には第2の振幅A6とを有する負荷信号を追加することによって変調されてもよい。また、変調電力信号660によって示されるように、負荷周波数f3(たとえば13.45MHz)は、周波数f0’(たとえば423kHz)よりも高くてもよい。A5およびA6はそれぞれ、A3およびA4と同じであっても異なっていもよい。
【0042】
図3および図5における例は、1つの規格を無線電力送信および無線データ送信の双方のために使用するが、他の例では、無線電力送信および無線データ送信のために異なる規格が使用されてもよい。たとえば、無線電力送信は、より高いレベルの電力が送信されることを可能にするプロトコルを使用していてもよく、一方、無線データ送信は、より大量のデータが送信されることを可能にするプロトコルを使用していてもよい。たとえば、Qi規格およびNFC規格は、最大数十mWのオーダーであり得るブルートゥース規格よりも多い量である、数百ミリワットのオーダーであり得る電力が送信されることを可能にし得る。他方、ブルートゥース規格は、数百ビット/秒のオーダーであり得るQi規格およびNFC規格よりも大量である、メガビット/秒のオーダーといったデータが送信されることを可能し得る。そのため、無線充電および通信システムは、電力および/またはデータ転送の効率を増加させるために、2つ以上の規格の組合せを使用して設計されてもよい。図7および図8は各々、無線電力送信および無線データ送信のために2つのタイプの信号が使用される例示的なシステムを示す。
【0043】
たとえば、図7は、図1のスマートウォッチ100などのウェアラブルデバイスのための例示的な無線充電および通信システム700を示す。システム700は、図3と同様であってそのようなものとして標記される多くの特徴を含む。たとえば、システム700も、ウォッチ本体110およびウォッチバンド130のためのコンポーネント、充電コイル120および充電コイル170、電子コンポーネント160、および、Qi規格を使用して電力を送信するために構成された電力管理回路310、360を含む。システム300とシステム700との違いをここに説明する。
【0044】
たとえば、コントローラ720、770はそれぞれ、コントローラ320、370と同様に構成され得るが、ここでは、コントローラ720、770は、ブルートゥース規格を使用して通信するように構成されてもよい。電力730は依然として、ウォッチ本体110およびウォッチバンド130から送信され得るが、電力730は、データを送信するために変調されない。むしろ、データ750が、ウォッチ本体110内のブルートゥース通信モジュール710と、ウォッチバンド130内のブルートゥース通信モジュール740との間で送信される。例として、ブルートゥース通信モジュール710および740は各々、ブルートゥースチップセットであってもよい。さらに、図示されるように、ブルートゥース通信モジュール710および740は、双方向通信のために構成されてもよい。
【0045】
図8は、図1のスマートウォッチ100などのウェアラブルデバイスのための別の例示的な無線充電および通信システム800を示す。システム800は、図5と同様であってそのようなものとして標記される多くの特徴を含む。たとえば、システム800も、ウォッチ本体110およびウォッチバンド130のためのコンポーネント、充電コイル120および充電コイル170、電子コンポーネント160、および、NFC規格を使用して電力を送信するために構成された電力管理回路510、560を含む。しかしながら、コントローラ820、870はそれぞれ、コントローラ520、570と同様に構成され得るが、ここでは、コントローラ820、870は、図7における例と同様に、ブルートゥース規格を使用して通信するように構成されてもよい。たとえば、電力830が、変調されることなくウォッチ本体110およびウォッチバンド130から送信されてもよく、データ850が、ウォッチ本体110内のブルートゥース通信モジュール810と、ウォッチバンド130内のブルートゥース通信モジュール840との間で送信される。さらに、図示されるように、ブルートゥース通信モジュール810および840は、双方向通信のために構成されてもよい。
【0046】
図7および図8は各々、ブルートゥース信号が無線データ送信のために使用され、別の規格が無線電力送信のために使用される例示的なシステムを示すが、他の組合せが可能であってもよい。たとえば、Qi規格が無線電力送信のために使用されてもよく、一方、NFC規格が無線データ送信のために使用されてもよく、または、その逆であってもよい。さらに、図3図5図7、および図8における例は、Qi規格、NFC規格、またはブルートゥース規格を使用する無線電力送信および無線データ送信を示すが、他の例では、Airfuel-A4WPプロトコルなどの異なる規格が、無線電力送信および無線データ送信のために使用されてもよい。
【0047】
図9は、ここに説明される特徴が実現され得るウェアラブルデバイスの機能ブロック図である。たとえば、ウェアラブルデバイスは、ウォッチ本体110とウォッチバンド130とを含むスマートウォッチ100であってもよい。それは、ここに説明される特徴の開示または有用性の範囲を限定するものとして考えられるべきでない。たとえば、図示されるように、ウォッチ本体110は、汎用コンピューティングデバイスに典型的に存在する、1つ以上のプロセッサ112と、メモリ114と、他のコンポーネントとを含んでいてもよく、ウォッチバンド130も同様に、汎用コンピューティングデバイスに典型的に存在する、1つ以上のプロセッサ132と、メモリ134と、他のコンポーネントとを含んでいてもよい。
【0048】
メモリ114、134は、1つ以上のプロセッサ112、132によって実行され得る命令116、136を含む、1つ以上のプロセッサ112、132によってアクセス可能な情報を格納することができる。メモリ114、134はまた、プロセッサ112、132によって検索され、操作され、または格納され得るデータ118、138を含み得る。メモリは、プロセッサによってアクセス可能な情報を格納することができる任意の非一時的なタイプのもので、たとえば、ハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、CD-ROM、書込み可能メモリ、および読出し専用メモリなどであり得る。
【0049】
命令116、136は、1つ以上のプロセッサによって直接実行される任意の一組の命令(マシンコードなど)、または間接的に実行される任意の一組の命令(スクリプトなど)であり得る。その点に関して、「命令」、「アプリケーション」、「ステップ」、および「プログラム」という用語は、ここでは言い換え可能に使用され得る。命令は、プロセッサによる直接処理のためにオブジェクトコードフォーマットで、もしくは、オンデマンドで解釈されるかまたは予めコンパイルされるスクリプトまたは独立したソースコードモジュールの集合を含む任意の他のコンピューティングデバイス言語で格納され得る。命令の機能、方法、およびルーチンを、以下により詳細に説明する。
【0050】
データ118、138は、命令116、136に従って、1つ以上のプロセッサ112、132によって検索され、格納され、または修正され得る。たとえば、ここに説明される主題は、どの特定のデータ構造によっても限定されないが、データは、コンピュータレジスタに、多くの異なるフィールドおよびレコードを有する表としてのリレーショナルデータベースに、またはXML文書に格納され得る。データはまた、2進値、ASCII、またはユニコードなどであるもののそれらに限定されない、任意のコンピューティングデバイス読取可能フォーマットでフォーマット化され得る。さらに、データは、数、説明文、専用コード、ポインタ、他のネットワーク場所にあるような他のメモリに格納されたデータへの参照、または、関連データを計算するための機能によって使用される情報といった、関連情報を識別するのに十分な任意の情報を含み得る。
【0051】
1つ以上のプロセッサ112、132は、市販のCPUといった任意の従来のプロセッサであり得る。これに代えて、プロセッサは、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)または他のハードウェアベースのプロセッサといった専用コンポーネントであり得る。必要ではないものの、ウォッチ本体110および/またはウォッチバンド130は、映像を復号すること、映像フレームを画像と一致させること、映像をゆがめること、ゆがめられた映像を符号化することなどといった特定のコンピューティングプロセスをより速くまたはより効率的に行なうための専門ハードウェアコンポーネントを含んでいてもよい。例として、1つ以上のプロセッサ112は、図3のコントローラ320、図5のコントローラ520、図7のコントローラ720、または図8のコントローラ820を含んでいてもよい。同様に、1つ以上のプロセッサ132は、図3のコントローラ370、図5のコントローラ570、図7のコントローラ770、または図8のコントローラ870を含んでいてもよい。
【0052】
図9は、ウォッチ本体110およびウォッチバンド130のプロセッサ、メモリ、および他の要素が同じブロック内にあることを機能的に示しているが、プロセッサ、コンピュータ、コンピューティングデバイス、またはメモリは実際には、同じ物理的ハウジング内に格納される場合も格納されない場合もある複数のプロセッサ、コンピュータ、コンピューティングデバイス、またはメモリを含み得る。たとえば、メモリは、ウォッチ本体110および/またはウォッチバンド130のハウジングとは異なるハウジングに位置するハードドライブまたは他の記憶媒体であり得る。したがって、プロセッサ、コンピュータ、コンピューティングデバイス、またはメモリへの言及は、並列に動作する場合も動作しない場合もあるプロセッサ、コンピュータ、コンピューティングデバイス、またはメモリの集合への言及を含むと理解されるであろう。
【0053】
さらに、図9に示すように、ウォッチ本体110およびウォッチバンド130は、1つ以上のユーザ入力、たとえばユーザ入力111、131をそれぞれ含んでいてもよい。たとえば、ユーザ入力は、機械的アクチュエータ、ソフトアクチュエータ、周辺デバイス、センサ、および/または他のコンポーネントを含んでいてもよい。ユーザは、ユーザ入力111、131を使用して、ウェブページまたは電子メールを開くこと、メッセージを書くこと、表示または音声機能性を制御すること、心拍数または体温を監視するためのセンサを制御すること、GPSによって位置を特定することなどのように、スマートウォッチ100と相互作用することが可能であってもよい。
【0054】
ウォッチ本体110およびウォッチバンド130は、1つ以上の出力デバイス、たとえば出力デバイス113、133をそれぞれ含んでいてもよい。たとえば、出力デバイスは、1つ以上のスピーカ、トランスデューサまたは他の音声出力、ユーザディスプレイ、非視覚的で聞こえない情報をユーザに提供する触覚インターフェイスまたは他の触覚フィードバックを含んでいてもよい。たとえば、出力デバイス113、133におけるディスプレイは、テキスト、グラフィックス、映像などといった視覚的情報をユーザに表示してもよい。別の例として、出力デバイス113、133におけるスピーカは、音楽を再生したり、ナビゲーション案内または他の案内のために、マルチメディアファイルのために、音声通話のために、翻訳された発話などのために音声を放出するために使用されてもよい。さらに、出力デバイス113、133における触覚部または触覚フィードバックは、振動などによる、非視覚的で聞こえないアラートを生成するために使用されてもよい。いくつかの例では、触覚部または触覚フィードバックは、着用されるとウォッチ本体110よりもユーザとより密接に接触し得るウォッチバンド130の出力デバイス133に含まれていてもよく、このため、より効果的であり得る。
【0055】
ウォッチ本体110およびウォッチバンド130は、1つ以上のセンサ、たとえばセンサ115、135をそれぞれ含んでいてもよい。たとえば、センサは、視覚センサ、音声センサ、タッチセンサなどを含んでいてもよい。センサはまた、慣性測定ユニット(Inertial Measurement unit:IMU)などの運動センサを含んでいてもよい。いくつかの例によれば、IMUは、3軸加速度計などの加速度計、および、3軸ジャイロスコープなどのジャイロスコープを含んでいてもよい。センサはさらに、気圧計、振動センサ、熱センサ、無線周波数(RF)センサ、磁力計、大気圧センサ、心拍数センサ、体温センサを含んでいてもよい。追加のまたは異なるセンサも採用されてもよい。いくつかの例では、心拍数センサまたは体温センサといった、ユーザの生理学的状態を測定するセンサが、着用されるとウォッチ本体110よりもユーザとより密接に接触し得るウォッチバンド130のセンサ135に含まれていてもよく、このため、より正確な測定値を生成し得る。別の例として、IRまたは容量性センサといった、スマートウォッチ100が着用されているかどうかを検出するセンサも、ウォッチバンド130のセンサ135に含まれていてもよく、それはまた、ユーザへの近接性に起因して、より正確な検出を生成し得る。
【0056】
情報を互いから取得し、情報を互いへおよび他の遠隔デバイスへ送信するために、ウォッチ本体110およびウォッチバンド130は各々、通信システムを含んでいてもよい。これらの通信システムはそれぞれ、充電および通信システム117、137の一部であってもよい。この点に関して、充電および通信システム117、137は各々、無線充電および通信システム300、500、700、または800を含んでいてもよい。図示された例では、充電および通信システム117、137は、データを送信するために電力信号を変調するように構成された電力管理回路310、360と、Qi規格に基づいてデータを送信および/または受信することを制御するコントローラ320、370とを有する、無線充電および通信システム300を含む。別々のものとして図示されているが、コントローラ320、370はそれぞれ、プロセッサ112、132の一部であってもよい。他の例では、これに代えて、充電および通信システム117、137は、NFC規格に従ってデータを送信および/または受信するように構成された電力管理回路510、560およびコントローラ520、570、もしくはこれに代えて、ブルートゥース規格に従ってデータを送信および/または受信するように構成されたコントローラ720、770およびブルートゥース通信モジュール710、740などを含んでいてもよい。
【0057】
これらの通信システムを使用して、ウォッチ本体110およびウォッチバンド130は、互いと、および/または、他のデバイス(図示せず)と通信してもよい。通信システムは、無線ネットワーク接続、無線アドホック接続、および/または有線接続を可能にしてもよい。通信システムを介して、ウォッチ本体110およびウォッチバンド130は、無線リンクなどの通信リンクを確立してもよい。通信システムは、セルラー、LTE、4G、WiFi、GPSおよび他のネットワーク化アーキテクチャを介して、通信をサポートするように構成されてもよい。通信システムは、ブルートゥース(登録商標)、ブルートゥースLE、近距離無線通信(NFC)規格、Qi規格、および非ネットワーク化無線構成をサポートするように構成されてもよい。通信システムは、ラップトップ、タブレット、スマートフォンまたは他のデバイスからデータおよび/または電力を受信するための、たとえばUSB、マイクロUSB、USBタイプCまたは他のコネクタといった有線接続をサポートしてもよい。
【0058】
電力を受信および/または送信するために、ウォッチ本体110およびウォッチバンド130は各々、充電システムを含んでいてもよい。これらの充電システムはそれぞれ、充電および通信システム117、137の一部であってもよい。この点に関して、充電および通信システム117、137は各々、無線充電および通信システム300、500、700、または800を含んでいてもよい。充電および通信システム117、137は各々、1つ以上のエネルギー貯蔵部、たとえばエネルギー貯蔵部119、139を含んでいてもよい。図示された例では、充電および通信システム117、137は、電力を誘導的に送信および/または受信するように構成された電力管理回路310、360と、Qi規格に基づいて、ならびに、バッテリーまたは充電ステータスなどの他のパラメータに基づいて送信および/または受信を制御するコントローラ320、370とを有する、無線充電および通信システム300を含む。別々のものとして図示されているが、コントローラ320、370はそれぞれ、プロセッサ112、132の一部であってもよい。他の例では、これに代えて、充電および通信システム117、137は、NFC規格に従ってデータを送信および/または受信するように構成された電力管理回路510、560およびコントローラ520、570などを含んでいてもよい。
【0059】
図示されていないが、ウォッチ本体110および/またはウォッチバンド130はまた、他の追加コンポーネントを含んでいてもよい。たとえば、ウォッチ本体110および/またはウォッチバンド130は、位置決定モジュールを含んでいてもよく、それは、GPSチップセットまたは他の位置決めシステムコンポーネントを含んでいてもよい。ウォッチ本体110および/またはウォッチバンド130の物理的位置を計算するかまたは他のやり方で推定するために、センサからの情報、および/または、遠隔デバイス(たとえば無線基地装置または無線アクセスポイント)から受信または決定されたデータからの情報が、位置決定モジュールによって採用され得る。別の例として、ウォッチ本体110および/またはウォッチバンド130は各々、1つ以上の内部クロックを含んでいてもよい。これらの内部クロックはタイミング情報を提供してもよく、それは、コンピューティングデバイスによって実行されるアプリおよび他のプログラムのための時間測定、ならびに、コンピューティングデバイス、センサ、入力/出力、GPS、通信システムなどによる基本動作のために使用され得る。
【0060】
例示的な方法
上述の例示的なシステムに加えて、例示的な方法をここで説明する。そのような方法は、上述のシステム、それらの変形、または、異なる構成を有するさまざまなシステムのうちのいずれかを使用して行なわれてもよい。以下の方法に関与する動作は、説明された順序通りに行なわれる必要がないということが理解されるべきである。むしろ、さまざまな動作は、異なる順序で、または同時に扱われてもよく、動作は追加または省略されてもよい。
【0061】
図10は、スマートウォッチ100などのウェアラブルデバイスによって行なわれ得る例示的なフロー図を示す。特に、このフロー図は、スマートウォッチ100のウォッチ本体110などの、ウェアラブルデバイスの本体によって行なわれてもよい。たとえば、ウォッチ本体110内の無線充電および通信システム300または500のコンポーネント、たとえば、コントローラ320または520内の1つ以上のプロセッサが、図10のフロー図を行なうように構成されてもよい。
【0062】
図10を参照して、ブロック1010で、ウェアラブルデバイスの本体内のコイルが、無線充電規格に従って電力を送信するように、1つ以上のプロセッサによって制御されてもよい。たとえば、コントローラ320または520はそれぞれ、電力管理回路310または510を制御してもよく、それは次に、図3に示すようにQi規格に従って、または図5に示すようにNFC規格に従って電力を送信するように、コイル120を制御してもよい。
【0063】
ブロック1020で、本体内のコイルを通して送信された電力は、無線通信規格に従ってデータを送信するために、1つ以上のプロセッサによって変調される。たとえば、コントローラ320または520はそれぞれ、電力管理回路310または510を制御してもよく、それは次に、図3に示すようにQi規格に従って、または図5に示すようにNFC規格に従ってデータを送信するために、コイル120を通して送信された電力を変調してもよい。例示的なシステムに関して上述されたように、データは、ウォッチ本体110のエネルギーステータス、ウォッチ本体110の充電ステータス、ウォッチバンド130内の電子コンポーネント160のための命令などを含んでいてもよい。
【0064】
ブロック1030で、本体内のコイルは、無線通信規格に従ってウェアラブルデバイスのアクセサリ内のコイルからデータを受信するように、1つ以上のプロセッサによって制御される。たとえば、コントローラ320または520はそれぞれ、電力管理回路310または510を制御してもよく、それは次に、図3に示すようにQi規格に従って、または図5に示すようにNFC規格に従ってデータを受信するように、コイル120を制御してもよい。例示的なシステムに関して上述されたように、データは、ウォッチバンド130のエネルギーステータス、ウォッチバンド130の充電ステータス、ウォッチバンド130内の電子コンポーネント160によって測定された心拍数、体温、IR/容量性センサデータなどのセンサデータ、ウォッチバンド130内のRFIDデバイスからの識別/認証情報などを含んでいてもよい。
【0065】
ブロック1040で、アクセサリ内のコイルを通して受信されたデータに基づいて、本体内のコイルを通した電力送信が制御される。たとえば、スマートウォッチ100が着用されていることを、ウォッチバンド130から受信されたデータが示す場合にのみ、コントローラ320または520は、ウォッチバンド130を充電すると決定してもよく、このため、使用されない場合にウォッチバンド130を無駄に充電することを回避し得る。別の例として、ウォッチバンド130のバッテリーが予め定められたしきい値を満たす電荷を有することを、ウォッチバンド130から受信されたデータが示す場合、コントローラ320または52は、ウォッチバンド130を充電しないと決定してもよく、このため、必要ない場合にウォッチバンド130を無駄に充電することを回避し得る。さらに別の例として、送信電力がウォッチバンド130の要件を満たさないこと、たとえばしきい値電圧を満たさないことを、ウォッチバンド130から受信されたデータ、たとえばエラーメッセージが示す場合、コントローラ320または520は、ウォッチバンド130を充電しないと決定してもよい。
【0066】
図11は、スマートウォッチ100などのウェアラブルデバイスによって行なわれ得る別の例示的なフロー図を示す。特に、このフロー図は、スマートウォッチ100のウォッチバンド130などの、ウェアラブルデバイスのアクセサリによって行なわれてもよい。たとえば、ウォッチバンド130内の無線充電および通信システム300または500のコンポーネントが、図11のフロー図に従って電力およびデータを無線で受信および/または送信してもよい。
【0067】
図11を参照して、ブロック1110で、ウェアラブルデバイスのアクセサリ内のコイルが、無線充電規格に従って電力を受信するように、1つ以上のプロセッサによって制御されてもよい。たとえば、コントローラ370または570はそれぞれ、電力管理回路360または560を制御してもよく、それは次に、図3に示すようにQi規格に従って、または図5に示すようにNFC規格に従って電力を受信するように、コイル170を制御してもよい。
【0068】
ブロック1120で、アクセサリ内のコイルを通して受信された電力は、無線通信規格に従ってデータを送信するために、1つ以上のプロセッサによって変調される。たとえば、コントローラ370または570はそれぞれ、電力管理回路360または560を制御してもよく、それは次に、図3に示すようにQi規格に従って、または図5に示すようにNFC規格に従ってデータを送信するために、コイル170を通して受信された電力を変調してもよい。例示的なシステムに関して上述されたように、データは、ウォッチバンド130のエネルギーステータス、ウォッチ本体110から受信された電力がウォッチバンド130の要件を満たすかどうか、たとえばしきい値電圧を満たさないかどうかといったウォッチバンド130の充電ステータス、ウォッチバンド130内の電子コンポーネント160によって測定されたセンサデータ、RFIDデバイスからの識別/認証情報などを含んでいてもよい。
【0069】
ブロック1130で、アクセサリ内のコイルは、無線通信規格に従ってウェアラブルデバイスのアクセサリ内のコイルからデータを受信するように、1つ以上のプロセッサによって制御される。たとえば、コントローラ370または570はそれぞれ、電力管理回路360または560を制御してもよく、それは次に、図3に示すようにQi規格に従って、または図5に示すようにNFC規格に従ってデータを受信するように、コイル170を制御してもよい。例示的なシステムに関して上述されたように、データは、ウォッチ本体110のエネルギーステータス、ウォッチ本体110の充電ステータス、ウォッチバンド130の電子コンポーネント160のための命令などを含んでいてもよい。
【0070】
ブロック1140で、アクセサリ内のコイルを通して受信されたデータに基づいて、アクセサリ内のコイルを通した電力受信が制御される。たとえば、ウォッチ本体110内のバッテリー内の電荷が予め定められたしきい値を下回らないことを、ウォッチ本体110から受信されたデータが示す場合にのみ、コントローラ370または570は、ウォッチ本体110から電力を受け入れると決定してもよく、それにより、ウォッチ本体110からの電力の枯渇を回避し得る。別の例として、ウォッチ本体110が現在、充電器によって充電されていることを、ウォッチバンド130から受信されたデータが示す場合、コントローラ370または570は、ウォッチ本体110を充電しないと決定してもよく、このため、ウォッチ本体110の充電の減速を回避する。
【0071】
図10および図11はウェアラブルデバイスによる例示的な動作を示しているが、代替的なまたは追加の動作が可能であってもよい。たとえば、無線充電および通信システム700または800を有するスマートウォッチ100は、図10および図11と同様の無線充電および通信を行なってもよいが、通信はブルートゥース規格に従って行なわれてもよい。また、ウェアラブルデバイスの本体とアクセサリとの間で送信されたデータは、無線充電の管理に加えて、他の目的のために使用されてもよい。たとえば、例示的なシステムに関して上述されたように、識別/認証データが、カスタマイズおよび/またはセキュリティの目的のために、ウォッチ本体110とウォッチバンド130との間で送信されてもよい。ユーザへの出力を生成するために、センサデータおよび制御信号がウォッチ本体110とウォッチバンド130との間で送信されてもよい。たとえば、ウォッチバンド130の電子コンポーネント160によって測定された心拍数が、表示されるためにウォッチ本体110に送信されてもよい。別の例として、ユーザに知らせるための振動などの触覚出力を生成するために、制御信号がウォッチ本体110からウォッチバンド130へ送信されてもよい。
【0072】
この技術は、無線デバイスの本体とアクセサリとの間の双方向無線充電および通信能力を提供するため、有利である。無線充電および通信は、アクセサリが無線で充電され得るため、たとえばアクセサリにバッテリーを追加せずにアクセサリに追加コンポーネントを含めることによって、より多くの機能性が著しい重量または体積を追加することなくウェアラブルデバイスに組み込まれることを可能にする。無線充電および通信は、ウェアラブルデバイスの本体とモジュール式のアクセサリとの間の電気的接続部に対する必要性を減少させるかまたは排除することができ、それは、防水または耐水能力を向上させ得る。ウェアラブルデバイスの本体とアクセサリとの間の無線通信は、ここに説明されるような本体および/またはアクセサリのさまざまなステータスに基づいた、スマートで効率的な充電を可能にし得る。無線経由の(OTA)ソフトウェア更新も、無線通信によって行なわれてもよく、それは、ユーザにさらなる利便性を提供し得る。なぜなら、ウェアラブルデバイスは、着用または使用されている間に更新され得るためである。また、ウェアラブルデバイスの本体とモジュール式のアクセサリとの間の無線通信は、ユーザプロファイルをモジュール式のアクセサリ内の無線周波数識別(RFID)とリンクすることによって、容易なカスタマイズおよびセキュリティオプションを提供し得る。
【0073】
特に明記しない限り、前述の代替例は相互排他的ではなく、独特の利点を達成するためにさまざまな組合せで実現されてもよい。上述の特徴のこれらのおよび他の変形および組合せは、請求項によって定義される主題から逸脱することなく利用され得るため、実施形態の前述の説明は、請求項によって定義される主題の限定としてではなく例示として解釈されるべきである。加えて、ここに説明された例、および、「などの」、「含む」などと表現された節の提供は、請求項の主題を特定の例に限定するものとして解釈されるべきでない。むしろ、これらの例は、多くの可能な実施形態のうちのたった1つを示すよう意図されている。また、異なる図面における同じ参照番号は、同じかまたは同様の要素を識別することができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11