(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】超音波トランスデューサアレイ
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20240112BHJP
G01S 7/521 20060101ALI20240112BHJP
H04R 17/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A61B8/00
G01S7/521 A
H04R17/00 332Y
(21)【出願番号】P 2022525820
(86)(22)【出願日】2020-10-27
(86)【国際出願番号】 EP2020080113
(87)【国際公開番号】W WO2021089364
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-03-01
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ハーメルマン ポール クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】コレン アレクサンダー フランシスカス
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-170445(JP,A)
【文献】特開2004-154376(JP,A)
【文献】特開2011-050758(JP,A)
【文献】特表2018-523340(JP,A)
【文献】特許第4799795(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
H04R 17/00-17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々がそれぞれの視野を有する複数のトランスデューサ要素を有する超音波トランスデューサアレイであって、前記超音波トランスデューサアレイは、前記トランスデューサ要素のそれぞれの前記視野の収束をもたらす曲面を有する物体の周りに配置することができ、前記トランスデューサ要素は、それぞれの前記視野の収束を打ち消すように、前記曲面の曲率と反対になるように前記超音波トランスデューサアレイ上に配置されるか、又は配置することができ、前記トランスデューサ要素のそれぞれの方位が調整され、前記トランスデューサ要素は、状態を液体から固体に変化できる
酢酸ナトリウム液体内に配置されていて、それぞれの前記方位は酢酸ナトリウム液体がアクチュエータにより結晶化核が形成されて固体に変化することによって、それぞれの前記方位を固定することができる
、超音波トランスデューサアレイ。
【請求項2】
前記超音波トランスデューサアレイが前記物体の周りに配置される場合、前記トランスデューサ要素が配置される角度と反対のそれぞれの傾斜角度の下で、前記超音波トランスデューサアレイに、前記トランスデューサ要素が配置される、請求項1に記載の超音波トランスデューサアレイ。
【請求項3】
請求項2に記載の超音波トランスデューサアレイのセットであって、前記セットは、
第1のそれぞれの傾斜角度の下で、第1の超音波トランスデューサアレイに配置された第1のトランスデューサ要素を有する第1の超音波トランスデューサアレイと、
第2のそれぞれの傾斜角度の下で、第2の超音波トランスデューサアレイに配置された第2のトランスデューサ要素を有し、前記第2のそれぞれの傾斜角度の各々は、前記第1のそれぞれの傾斜角度の対応する傾斜角度よりも大きい、第2の超音波トランスデューサアレイとを備えた、超音波トランスデューサアレイのセット。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の超音波トランスデューサアレイ、又は、請求項3に記載の超音波トランスデューサアレイのセットと、
前記超音波トランスデューサアレイによって、又は前記超音波トランスデューサアレイの前記セットから選択された超音波トランスデューサアレイによって獲得された超音波エコー信号を、受信して処理するプロセッサとを備えた、超音波システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のトランスデューサ要素を有する超音波トランスデューサアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
US3780725号は、複数の超音波ビームが、妊娠中の母親の子宮に異なる角度で伝送される胎児心拍監視システムを開示している。複数の受信トランスデューサは、胎児及び/又は子宮壁から反射される信号を受信するために異なる角度で傾斜しており、反射信号の周波数は、胎児の心臓の動きの速度に対応する量だけ、伝送信号の周波数とは異なる。結果として生じるドップラ胎児心臓動き信号からの速度計算のシステムが採用され、これは周波数領域技法を利用する。心拍数信号は、ダイオード復調器と低周波バンドパスフィルタとを使用して、ドップラ心臓動き信号から抽出される。
【0003】
US2018/130457号は、キャリア上に複数の超音波トランスデューサ要素を備えた超音波アレイを開示し、前記キャリアは、例えば電気活性ポリマ又は光学応答性ポリマのように、電磁刺激に応答して調整可能な形状を有する材料のアクチュエータ構成をさらに搬送する。
【0004】
US2003/135135号は、三次元的な曲面を有する物体の広い領域(範囲)を、超音波で容易に照射することができる超音波照射装置が提示されることを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
とりわけ、本発明の目的は、改良された超音波トランスデューサアレイを提供することである。本発明は、独立請求項によって定義される。有利な実施形態は、従属請求項に定義される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様は、各々がそれぞれの視野を有する複数のトランスデューサ要素を有する超音波トランスデューサアレイを提供し、超音波トランスデューサアレイは、トランスデューサ要素のそれぞれの視野の収束をもたらす曲面を有する物体の周りに配置することができ、トランスデューサ要素は、それぞれの視野の収束を打ち消すように、曲面の曲率と反対になるように超音波トランスデューサアレイ上に配置されるか、又は配置することができる。ここで、「周り」という概念は、必ずしも「周りすべて」を意味する訳ではなく、意味するところは、胎児の監視目的で、トランスデューサ要素が、妊娠中の女性の腹の内側を指すように、トランスデューサアレイが、例えば、腹の上部のような物体の曲面に沿って配置されることである。
【0007】
本発明は、先行技術の構成では、母体の腹部の曲率によって、超音波の伝播は、皮膚表面に対して垂直のみであるので、すべての個々の超音波トランスデューサ要素が、母体の腹部の同じ領域に向けられるという認識に基づく。これは、適用される超音波トランスデューサアレイの全体視野(FOV)を制限する。また、複数のトランスデューサ要素の超音波ビームが、大幅に重なる可能性があり、これは、高レベルの音響線量(安全上のリスク)に至る恐れがある。この発明の実施形態では、トランスデューサ要素は、母体の腹部の曲率を補正し、大きな全体FOVを作成するために、特定の傾斜角度の下で超音波トランスデューサアレイに埋め込まれる。ここでは、十分かつ完全な補正は必要とされず、したがって、「打ち消す」という概念を理解する必要があり、様々なトランスデューサ要素がトランスデューサアレイに配置されるそれぞれの傾斜角度が、トランスデューサアレイを物体の曲面に配置することによって生じる正味の角度を減らすようであれば十分であるので、過小補正又は過大補正が許容される。したがって、「反対の角度」及び「曲面の曲率と反対」という概念も、まったく同じ絶対値を有する(結果として生じる)角度として理解されるべきではない。
【0008】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかであり、参照して解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】先行技術の超音波トランスデューサアレイを示す図である。
【
図2】本発明による超音波トランスデューサアレイの実施形態を示す図である。
【
図3】可撓性トランスデューサアレイにおける個々のトランスデューサ要素の傾斜角度の方位成分及び仰角成分を示す図である。
【
図4】超音波トランスデューサアレイ及びプロセッサを備えた超音波システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、複数のトランスデューサ要素TEを有する先行技術の超音波トランスデューサアレイTを示し、この実施形態では、5つのトランスデューサ要素TEによって形成され、各々がそれぞれの視野FOV-1、FOV-2、FOV-3、FOV-4、FOV-5を有し、円錐状の視野の中心軸を表す矢印によって概略的に示されている。
図1の下部に示すように、超音波トランスデューサアレイTが、妊婦の腹部の皮膚Sに沿って湾曲している場合、視野FOV-1~FOV-5は収束して、円錐が重なる。その結果、超音波トランスデューサアレイTの全体視野が狭くなり、錐体が重なる場所では、超音波圧力(音響線量)が比較的高くなり、胎児に使用するのに望ましいよりもさらに高くなる可能性がある。
【0011】
分娩前及び分娩中の胎児の心拍数を監視することは、胎児の健康状態を評価するための標準的な方法である。胎児の心拍数を測定するための最も一般的な技術は、ドップラ超音波に基づいている。胎児の心拍数を確実に監視するには、適用される超音波トランスデューサの全体視野FOVに胎児の心臓を配置する必要がある。臨床診療では、胎児が動き、その結果、胎児の心臓が、超音波ビームから出て、信号が長く頻繁に失われる。可撓性多要素超音波トランスデューサアレイTは、母体の腹部に巻き付けることができ、様々な胎児の心臓の場所について胎児の心拍数を継続的に監視する潜在力を有し、双子又は三つ子を監視する可能性を有する。
図1に示す可撓性超音波トランスデューサアレイTの欠点は、母体の腹部の曲率によって、超音波の伝播が、皮膚表面に対して垂直な超音波のみであるため、すべての個々のトランスデューサ要素TEが、母体の腹部の同じ領域に向けられることである。これは、適用された超音波トランスデューサアレイTの全体視野FOVを制限する。この発明では、母体の腹部の曲率を補正し、大きな全体視野FOVを作成するために、特定の傾斜角度の下で、トランスデューサ要素TEを、超音波トランスデューサアレイTに埋め込むことを提案する。
【0012】
図2は、本発明による超音波トランスデューサアレイTの実施形態を示す。ここで、
図2の上部に示される超音波トランスデューサアレイTの静止状態では、様々なトランスデューサ要素TEは、
図2の下部に示すように、妊婦の腹部の皮膚Sの周りに超音波トランスデューサアレイTを曲げた結果得られる視野FOV-1、FOV-2、FOV-3、FOV-4、FOV-5の収束を打ち消すように、事前に傾斜される。
図2にスケッチされた理想的な状況では、視野FOV-1~FOV-5は、完全に平行になっており、実際には、呼吸及び/又は赤ちゃんの動きの結果として表面が変動する個々の女性の腹部の事前傾斜と曲率との関係に応じて、依然として収束又は発散する。したがって、請求項は、それに応じて、現実をカバーするように理解する必要がある。
【0013】
図3は、可撓性トランスデューサアレイ内の個々のトランスデューサ要素の傾斜角度の方位成分及び仰角成分を示す。2つの傾斜角度を使用すると、2方向への腹部の曲率を補正できる。複数のトランスデューサ要素TEは、超音波トランスデューサアレイTの全体視野(FOV)を拡大するために、例えば、円形パターンに配置される。
【0014】
したがって、本発明の実施形態では、圧電トランスデューサ要素(PZT)などの複数の超音波トランスデューサ要素TEが、可撓性超音波トランスデューサアレイTに埋め込まれる。超音波トランスデューサアレイTの可撓性基板は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などのシリコンから、又は、可撓性となることができ適切な音響特性を有する他の任意の材料から、作製することができる。PDMSは、可撓性があり、人間の組織と同様の音響特性を有するシリコンであるため、多くの生物医学的超音波アプリケーションで使用される。母体の腹部に配置されたときにトランスデューサ要素TEがすべて同じ方向を向くのを防ぐために、トランスデューサ要素TEは、特定の傾斜角度θ=[θeθa]で超音波トランスデューサアレイTに埋め込まれ、θe及びθaは、それぞれ仰角及び方位角である。仰角及び方位角で、2次元超音波トランスデューサアレイT内のトランスデューサ要素TEを傾ける(
図3を参照)ことにより、2つの方向に沿った腹部の曲率を補正することができる。
【0015】
傾斜角度θは、母体の腹部の曲率を補正するように選択する必要がある。母体の腹部の曲率は、在胎週数と母体の肥満度指数(BMI)とに依存する。母体の腹部は、半径r、つまり曲率κ=1/rの半球と見なすことができる。曲率κは、傾斜角度θを決定する。期間における平均的な母体の腹部の場合、球の半径は、r=25cm~40cmの範囲にある。腹部の曲率に正確に対応してトランスデューサ要素TEを傾けることは必須ではないことに留意されたい。トランスデューサ要素TEの事前傾斜は、母体腹部の平均曲率を常にある程度補正し、したがって、超音波トランスデューサアレイTのFOVを常に増加/改善する。
【0016】
別の実施形態では、万能の解決策を有する代わりに、超音波トランスデューサアレイTの異なるバージョンを、例えば、小、中、又は大の腹部に適合するように製造することができる。実生活において、介護者又は将来の母親によって手動で、又は例えばカメラ技術によって自動的に、腹部の曲率を決定することができる。最良の全体FOVのために、対応する事前傾斜されたトランスデューサ要素TEを備えた、最良のフィッティング可撓性超音波トランスデューサアレイTを選択できる。したがって、この実施形態では、ユーザは、超音波トランスデューサアレイTのセットを提供され、セットは、
第1のそれぞれの傾斜角度の下で、第1の超音波トランスデューサアレイTに配置された第1のトランスデューサ要素TEを有する第1の超音波トランスデューサアレイTと、
第2のそれぞれの傾斜角度の下で、第2の超音波トランスデューサアレイTに配置された第2のトランスデューサ要素TEを有する第2の超音波トランスデューサアレイTとを備え、第2のそれぞれの傾斜角度の各々は、第1のそれぞれの傾斜角度の対応する傾斜角度よりも大きい。
【0017】
さらに別の実施形態では、超音波トランスデューサアレイTが、妊婦の腹に配置されている間に、傾斜角度θを(方位角及び仰角の両方で)調整することができる。これは、液体又は超音波ゲルを用いて実施することができ、フローティングトランスデューサ要素Tは、例えば、加速度計、カメラ、光ファイバ曲率センサを使用して制御することができる1つ又は複数のアクチュエータによって移動される。フローティングトランスデューサ要素の位置は、例えば、結晶化核が(例えば、ClickHeat加熱パッドのように、機械的であるが、光や温度などの代替アクチュエータが考えられる)アクチュエータによって提供されると固体になる、酢酸ナトリウム液体に浮かんでいる場合、固定できる。それに加えて、傾斜角度θは、呼吸動作を補正するために、経時的に継続的に調整することができる。したがって、そのような実施形態では、ユーザには、トランスデューサ要素TEのそれぞれの方位を調整できる超音波トランスデューサアレイTと、好ましくは、状態を液体から固体に変化させる媒体であって、それによって、それぞれの方位を固定することができる媒体内に、トランスデューサ要素TEが配置される超音波トランスデューサアレイTとが提供される。
【0018】
図2は、可撓性アレイ内のトランスデューサ要素TEを事前に傾斜させる概念を示す。先行技術の
図1では、トランスデューサ要素TEは、トランスデューサアレイ表面に平行に埋め込まれ、したがって、位置決め後、すべてのトランスデューサ要素TEは、腹部の中心に向けられる。トランスデューサ要素TEを事前に傾斜させる(
図2を参照)ことにより、位置決め後、トランスデューサ要素TEは、皮膚表面に平行ではなくなり、これは、事前に傾斜されたトランスデューサ要素TEがない状況と比較して、より大きな視野の超音波処理を可能にし、それによって、胎児の心拍数の監視が、胎児の心臓の位置の変化に対して安定する。
【0019】
事前に傾斜されたトランスデューサ要素TEを使用することのさらなる利点は、それぞれの超音波ビームが重ならないことである。これにより、破壊的及び/又は建設的な干渉の発生、及び/又は時間内の複数の超音波ビームの蓄積が減少する。さらに、同じ場所を標的とする複数のトランスデューサ要素TEを有することは、必ずしも胎児心拍数の推定を改善する訳ではない。トランスデューサ要素TEを事前に傾斜させることにより、トランスデューサ要素TEの数を減らして大量の測定をカバーできるようになり、最終的にシステムのコストを低減する。
【0020】
本発明の別の実施形態では、事前に傾斜されたトランスデューサ要素TEを備えた超音波トランスデューサアレイTは、胎児全体を超音波処理するのに十分な大きさのFOVを生成することを可能にし、胎児の四肢の動きなどの胎児の動きを監視することを可能にする。
【0021】
有利なことに、トランスデューサ要素TEは、容量性マイクロ製造超音波トランスデューサ(CMUT)である。
【0022】
図4は、(上述した)超音波トランスデューサアレイ110と、プロセッサ120とを備えた超音波システム100の概略図を示す。超音波トランスデューサアレイ110は、(上記のトランスデューサ要素TEに対応する)複数のトランスデューサ要素130を備え、対象者の身体140に適応するように適合される。複数のトランスデューサ要素130のうちの少なくとも2つの超音波トランスデューサ要素は、関心領域に対して異なる方位で、関心領域150から複数の超音波信号を獲得するように適合される。個々のトランスデューサ要素130は各々、超音波を送受信するように適合される。トランスデューサ要素130は、圧電トランスデューサ又はCMUTセルを備える。
【0023】
トランスデューサアレイ110は、いくつかの手法で、対象者の身体140に適応するように適合される。例えば、複数のトランスデューサ要素130は、可撓性シリコン層に埋め込まれる。
【0024】
言い換えれば、トランスデューサアレイ110は、トランスデューサ要素が、身体の表面と良好に接触することを確実にするために、対象者の身体140に適応するように適合される。さらに、トランスデューサ要素130の下に、トランスデューサ要素130と対象者との間に配置された材料層は、超音波伝播に適した適切な音響インピーダンスを有するように選択される。トランスデューサアレイ110は、例えば、トランスデューサ要素130を、対象者の身体の周りに巻き付けることができる布又はベルトに統合することによって、任意の適切な材料から作製できる。
【0025】
それに加えて、可撓性アレイを、完全に閉じる必要はない。例えば、個々の要素は、互いに対する要素のおおよその位置を画定する任意の可撓性コネクタ部品によって相互接続することができる。
【0026】
或いは、個々のトランスデューサ要素130は、皮膚に直接取り付けられる心電図(ECG)測定電極と同様の方式で、対象者の皮膚に直接取り付けられる。
【0027】
さらに、トランスデューサ要素130は、剛性プレート上に配置された7つの要素のトランスデューササブアレイによって形成され、その後、皮膚上に配置される。このようにして、これら複数のサブアレイを使用して、測定対象者の曲率に追従して、大きな領域をカバーすることができる。
【0028】
図4に示される例では、超音波システム100は、胎児の心拍を測定するために適用される。より具体的には、トランスデューサアレイ110は、胎児領域を超音波処理するために、母体の腹部に隣接して配置される。
【0029】
超音波トランスデューサアレイ110は、センサ160をさらに備えることができ、その場合、プロセッサ120は、センサ160の出力に基づいて、超音波トランスデューサアレイ110の曲率を決定するように適合される。センサ160は、歪みゲージ、加速度計、圧電センサ、及びカメラのうちの1つ又は複数を備える。例えば、カメラを使用して、アレイの曲率を、それに加えて、母体の腹部上のアレイの位置をも、決定することができる。
【0030】
プロセッサ120は、超音波トランスデューサアレイ110によって獲得された超音波エコー信号を受信して処理するように適合される。
【0031】
トランスデューサ要素(TE)が、それぞれの視野の収束を打ち消すように、曲面(S)の曲率と反対になるように超音波トランスデューサアレイ(T)上に配置されるか、又は配置することができる本発明は、参照により本明細書に組み込まれる、我々の以前の出願PCT/EP2019/060648(我々の参照番号2018P00415WO)のシステムを変更するために有利に使用される。
【0032】
上記の実施形態は、本発明を限定するのではなく、例示し、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの代替の実施形態を設計できることに留意されたい。特許請求の範囲では、括弧の間に配置された参照記号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈されないものとする。「備える」という用語は、特許請求の範囲に記載されているもの以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。単数形の要素は、要素が複数存在することを排除するものではない。いくつかの手段を列挙するデバイスの請求項では、これらの手段のいくつかは、1つの同じハードウェアのアイテムによって具現化される。相互に異なる従属項に記載されている手段は、組み合わせて有利に使用することができる。