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特許7418574非燃焼系エアロゾル供給システム用の構成部品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】非燃焼系エアロゾル供給システム用の構成部品
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20240112BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240112BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/20
【請求項の数】 50
(21)【出願番号】P 2022531414
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 GB2020053064
(87)【国際公開番号】W WO2021105722
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】1917516.5
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ウッドマン、トム
(72)【発明者】
【氏名】アビ アウン、ワリド
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-522873(JP,A)
【文献】特表2017-506502(JP,A)
【文献】国際公開第2019/106040(WO,A1)
【文献】特表2019-519224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
囲まれた容積を画定し、入り口開口部と、出口開口部と、入り口開口部と出口開口部の間で囲まれた容積を通って画定された空気流経路とを含む本体を含み、
この本体は、隆起部と溝が交互に配置された構造を含み、当該構造を支持する支持要素を含み、前記交互に配置された構造の隆起部と溝は波形シート上に形成されており、エアロゾル発生材が前記囲まれた容積内に前記支持要素から間隔を空けて設けられている非燃焼系エアロゾル供給システム用の構成部品。
【請求項2】
構成部品はエアロゾル供給システムの部品であることを特徴とする請求項1記載の構成部品。
【請求項3】
構成部品はエアロゾル発生材を含む別個の要素を収容するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の構成部品。
【請求項4】
本体はチェンバーを含み、チェンバーの1つの面は支持要素を含むことを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載の構成部品。
【請求項5】
支持要素はチェンバーの内面であることを特徴とする請求項記載の構成部品。
【請求項6】
支持要素は、隆起部と溝のそれぞれが実質的に同じ面になるように実質的に平面であることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載の構成部品。
【請求項7】
エアロゾル発生材は支持要素とチェンバーの対向する面の間に設けられていることを特徴とする請求項4又は請求項4に従属する請求項5又は6いずれか1項記載の構成部品。
【請求項8】
支持要素とエアロゾル発生材の間の前記間隔は、約1mm、約2mm、約3mm、約4mmまたは少なくとも約5mmであることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1記載の構成部品。
【請求項9】
隣接する溝の高さに対する隆起部の高さは、4.5~5mm、2.5~3mm、3.5~4mm、1.1~1.5mm、0.5~1mmまたは約0.5~0.75mmであることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載の構成部品。
【請求項10】
隣接する隆起部間の間隔は、少なくとも約1.7mm、少なくとも約2.3mm、少なくとも約3.3mm、少なくとも約6.4mm、少なくとも約7.8mmまたは少なくとも約9.2mmであることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載の構成部品。
【請求項11】
隆起部の頂点とエアロゾル発生材との間の間隔は、5mm未満、4mm未満、2mm未満または1.5mm未満であることを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載の構成部品。
【請求項12】
隆起部と溝は、使用時に物品を通る空気流の方向に実質的に平行に延びるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載の構成部品。
【請求項13】
隆起部と溝は、使用時に物品を通る空気流の方向に実質的に垂直に延びるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載の構成部品。
【請求項14】
波形シートは紙、ボール紙、プラスチックまたは箔から形成されていることを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載の構成部品。
【請求項15】
支持要素は紙、ボール紙、箔、プラスチックまたは積層材から形成されていることを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載の構成部品。
【請求項16】
隣接する隆起部と溝の間隔は、隆起部と溝が延びる方向に実質的に一定であることを特徴とする請求項1乃至15いずれか1項記載の構成部品。
【請求項17】
隣接する隆起部と溝の間隔は、隆起部と溝が延びる方向と垂直な方向に実質的に一定であることを特徴とする請求項1乃至15いずれか1項記載の構成部品。
【請求項18】
隣接する隆起部と溝の間隔は、隆起部と溝が延びる方向に不均一であることを特徴とする請求項1乃至15又は17いずれか1項記載の構成部品。
【請求項19】
隣接する隆起部と溝の間隔は、隆起部と溝が延びる方向と垂直な方向に不均一であることを特徴とする請求項1乃至16いずれか1項記載の構成部品。
【請求項20】
隆起部と溝は、隆起部が隆起部が延びる方向に分岐するように構成されていることを特徴とする請求項17または18記載の構成部品。
【請求項21】
隣接する隆起部間の間隔は、隆起部と溝が延びる方向に垂直な方向に大きくなっていることを特徴とする請求項16または17記載の構成部品。
【請求項22】
隆起部と隣接する溝の断面外形は、正弦曲線、S形状、V形状または半円で表されることを特徴とする請求項1乃至21いずれか1項記載の構成部品。
【請求項23】
隆起部と溝は、支持要素の全長を延びていないことを特徴とする請求項1乃至22いずれか1項記載の構成部品。
【請求項24】
支持要素は、隆起部と溝からなる構造の無い少なくとも1つの領域を含むことを特徴とする請求項1乃至23いずれか1項記載の構成部品。
【請求項25】
前記領域の長さは、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mmまたは少なくとも5mmであることを特徴とする請求項24記載の構成部品。
【請求項26】
構成部品は第2の支持要素を含み、チェンバーの第2の面は、この第2の支持要素を含むことを特徴とする請求項乃至25いずれか1項記載の構成部品。
【請求項27】
、2、3、4または5つの入り口開口部を含むことを特徴とする請求項1乃至26いずれか1項記載の構成部品。
【請求項28】
チェンバーの少なくとも2つの面またはチェンバーの少なくとも3つの面は、入り口開口部を含むことを特徴とする請求項乃至27いずれか1項記載の構成部品。
【請求項29】
1、2または3つの出口開口部を含むことを特徴とする請求項1乃至28いずれか1項記載の構成部品。
【請求項30】
気体通気性材料体が閉じた容積内に設けられていることを特徴とする請求項1乃至29いずれか1項記載の構成部品。
【請求項31】
気体通気性材料体は、エアロゾル発生材に隣接して配置されていることを特徴とする請求項30に記載の構成部品。
【請求項32】
気体通気性材料体は、エアロゾル発生材の下流に配置されていることを特徴とする請求項30または31に記載の構成部品。
【請求項33】
エアロゾル発生材は、非晶質固体を含むことを特徴とする請求項1乃至32いずれか1項記載の構成部品。
【請求項34】
非晶質固体はキャリアー要素に積層されていることを特徴とする請求項33記載の構成部品。
【請求項35】
キャリアー要素は、紙、ボール紙または箔であることを特徴とする請求項34記載の構成部品。
【請求項36】
非晶質固体にはミシン目が設けられていることを特徴とする請求項33乃至35いずれか1項記載の構成部品。
【請求項37】
非晶質固体は、非晶質固体材料からなる単独のシートとして設けられていることを特徴とする請求項33乃至36いずれか1項記載の構成部品。
【請求項38】
非晶質固体は、非晶質固体材料からなる複数の個別の要素として設けられていることを特徴とする請求項33乃至37いずれか1項記載の構成部品。
【請求項39】
各個別の要素は別々の組成の非晶質固体材料を含むことを特徴とする請求項38記載の構成部品。
【請求項40】
キャリアー要素は、非晶質固体材料からなる各要素の間にミシン目が設けられていることを特徴とする請求項34又は請求項34に従属する請求項35乃至39いずれか1項記載の構成部品。
【請求項41】
空気が流れる方向に垂直に測定される空気流経路の断面積は、1つ以上の入り口開口部および/または1つ以上の出口開口部のうちの少なくとも1つの断面積より大きいことを特徴とする請求項1乃至40いずれか1項記載の構成部品。
【請求項42】
1つ以上の入り口開口部の合計断面積は、空気が流れる方向に垂直に測定される空気流経路の断面積より小さいことを特徴とする請求項41記載の構成部品。
【請求項43】
1つ以上の出口開口部の合計断面積は、空気が流れる方向に垂直に測定される空気流経路の断面積より小さいことを特徴とする請求項41または42記載の構成部品。
【請求項44】
構成部品は直方体であることを特徴とする請求項1乃至43いずれか1項記載の構成部品。
【請求項45】
請求項1乃至44いずれか1項記載の構成部品と、構成部品のエアロゾル発生材を加熱するための非燃焼系エアロゾル供給デバイスとを含むシステム。
【請求項46】
構成部品は、前記非燃焼系エアロゾル供給デバイスの部品として含まれていることを特徴とする請求項45記載のシステム。
【請求項47】
構成部品は、前記非燃焼系エアロゾル供給デバイスと共に使用する物品として含まれていることを特徴とする請求項45記載のシステム。
【請求項48】
物品は、開口した消耗品として含まれていることを特徴とする請求項47記載のシステム。
【請求項49】
物品に含まれているエアロゾル発生材は、支持体配置されていることを特徴とする請求項47又は48記載のシステム。
【請求項50】
前記非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、前記支持体表面の少なくとも一部に係合するように構成されていることを特徴とする請求項49記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非燃焼系エアロゾル供給システム用の構成部品および構成部品を含む非燃焼系エアロゾル供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコ、シガーなどの喫煙品は使用時にタバコを燃やし、煙を発生させる。これとは別の喫煙品は、燃やさずに基材から化合物を放出することによって吸入可能なエアロゾルまたは蒸気を生成する。これらの物品は、非燃焼系喫煙品またはエアロゾル供給システムと言われている。そのような物品は、エアロゾルが通過してユーザーの口に届くようにするマウスピースを共通して含んでいる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様は非燃焼系エアロゾル供給システム用の構成部品を提供し、本構成部品は囲まれた容積を画定する本体を含み、この本体は、入り口開口部と、出口開口部と、囲まれた容積を通る入り口開口部と出口開口部の間に画定された空気流経路とを含み、本体は、隆起部と溝が交互に配置された構造を含む支持要素を含む。
【0004】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の構成部品を含む非燃焼系エアロゾル供給システムを提供し、構成部品は物品であり、エアロゾル発生材が囲まれた容積内に設けられており、非燃焼系エアロゾル供給デバイスをさらに含む。
【0005】
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様による構成部品を含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスと、エアロゾル発生材を含む物品とを含むシステムを提供する。
【0006】
本発明の概念の任意の特徴は従属請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の実施態様を添付図面を参照して説明する。
図1】非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための構成部品(例えば物品)の斜視図であり、物品は、入り口開口部と出口開口部を含む。
図2図1のA-A’線に沿った非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための構成部品(例えば物品)の側部断面図であり、構成部品は、隆起部と溝からなる構造と、エアロゾル発生材とを含む支持要素を含む物品である。
図3】非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための構成部品(例えば物品)の側部断面図であり、この例では構成部品は、第1の支持要素と、第2の支持要素とを含む。
図4a】非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための構成部品(例えば物品)の側部断面図であり、この例では構成部品は、構成部品は隆起部と溝からなる構造を含む支持要素を含む物品を含む。
図4b図1のB-B’線に相当する線に沿った図4aの構成部品(例えば物品)の側部断面図である。
図5a】非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための別の構成部品(例えば物品)の側部断面図であり、この例では構成部品は、複数の個別の要素として設けられたエアロゾル化可能な材料を含む。
図5b図1のAB面に相当する面においての図6に示す非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための構成部品(例えば物品)の水平断面図である。
図6】非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための別の構成部品(例えば物品)の側部断面図であり、この例では構成部品は隆起部と溝からなる不均一な構造を含む物品を含む。
図7図1のAB面に相当する面においての非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための別の構成部品(例えば物品)の下断面図であり、この例では支持要素が分岐した隆起部と溝を含む。
図8】別の構造の隆起部と溝とを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイス用の別の構成部品(例えば物品)の断面図である。
図9】別の構造の隆起部と溝とを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイス用の別の構成部品(例えば物品)の断面図である。
図10】非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための別の構成部品(例えば物品)の側部断面図であり、この例では構成部品は繊維性材料体を含む物品を含む。
図11】隆起部と溝からなる構造を含むチェンバーを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイス用の物品の斜視図である。
図12図11に示したデバイスチェンバー401に挿入するための物品10’の水平断面図である。
図13図11に示したデバイスチェンバー401に挿入するための別の物品10’’の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書中では「供給システム」なる用語はユーザーに少なくとも1つの物質を供給するシステムを包含することを意図し、次のものを含む、
紙巻きタバコ、シガリロ、シガーおよびパイプまたは手巻きまたは自作紙巻きタバコ用タバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替え品または他の喫煙材をベースにしているかに関係無く)などの燃焼系エアロゾル供給システム、
電子タバコ、タバコ加熱製品、エアロゾル発生材の組み合わせを使用してエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムなどのエアロゾル発生材を燃焼させずにエアロゾル発生材から化合物を放出する非燃焼系エアロゾル供給システム、および
トローチ、ガム、パッチ、パッチ吸入可能な粉を含む物品およびスヌースまたはモイストスヌースを含む経口タバコなどの経口製品を含むがこれらに限定されないユーザーにニコチンを含むまたは含まない上記少なくとも1つの物質を経口的、経鼻的、経皮的または別の方法で供給するエアロゾルを含まない供給システム。
【0009】
本開示では「燃焼系」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システム(またはまたはその構成要素)の構成エアロゾル発生材をユーザーへ供給しやすくするために燃焼させるまたは燃やすシステムである。
【0010】
本開示では「非燃焼系」エアロゾル供給システムは、ユーザーへの少なくとも1つの物質の送出を容易にするために、エアロゾル供給システム(またはその構成要素)の構成エアロゾル発生材を燃焼させないまたは燃やさないシステムである。
【0011】
一部の実施態様では送出システムは、非燃焼系エアロゾル供給システム、例えば電動非燃焼系エアロゾル供給システムである。
【0012】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、ベイピング装置または電子ニコチン送出システム(END)としても知られる電子タバコであるが、エアロゾル発生材中のニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。
【0013】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、エアロゾル発生材加熱システムであり、非燃焼加熱システムとしても知られている。このようなシステムの一例は、タバコ加熱システムである。
【0014】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、エアロゾル発生材の組み合わせを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムであり、その1種以上の材料を加熱することができる。エアロゾル発生材のそれぞれは、例えば、固体、液体、またはゲルの形体であり、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。一部の実施態様ではハイブリッドシステムは、液体またはゲルのエアロゾル発生材および固体のエアロゾル発生材を含む。固体エアロゾル発生材は、例えばタバコまたは非タバコ製品を含んでもよい。
【0015】
通常は非燃焼系エアロゾル供給システムは、非燃焼系エアロゾル供給デバイスと、非燃焼系エアロゾル供給デバイスと使用するための消耗品とを含んでもよい。
【0016】
一部の実施態様では本開示は、エアロゾル発生材を含み、非燃焼系エアロゾル発生デバイスに使用するように構成された消耗品に関する。これらの消耗品は、時には本開示を通して物品と言う。
【0017】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システム、例えばその非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、動力源と、コントローラとを含んでもよい。動力源は、例えば電源または発熱動力源であってもよい。一部の実施態様では発熱動力源は、炭素基材を含み、これは動力を熱の形体で発熱動力源に近接したエアロゾル発生材または熱伝導材に分配するように励起される。
【0018】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、消耗品を収容するための領域と、エアロゾル発生器と、エアロゾル発生領域、ハウジング、マウスピース、フィルターおよび/またはエアロゾル変性剤とを含んでもよい。
【0019】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための消耗品は、エアロゾル発生材と、エアロゾル発生材貯蔵領域と、エアロゾル発生材移送部品と、エアロゾル発生器と、エアロゾル発生領域と、ハウジングと、ラッパーと、フィルターと、マウスピースおよび/またはエアロゾル変性剤とを含んでもよい。
【0020】
一部の実施態様では供給される物質は、エアロゾル発生材またはエアロゾル化されることを意図していない材料であってもよい。必要に応じて、いずれかの材料は、1つ以上の活性成分、1つ以上の風味料、1つ以上のエアロゾル形成材および/または1つ以上の他の機能性材を含んでもよい。
【0021】
一部の実施態様では供給される物質は、活性物質を含む。
【0022】
本発明で使用する活性物質は生理反応を達成するまたは高めることを意図した材料である生理的に活性な材料である。活性物質は、例えば栄養補助食品、向知性薬、向精神薬から選択されてもよい。活性物質は、自然に発生したものまたは合成で得られたものであってもよい。活性物質は、例えばニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、BまたはB12またはCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、またはこれらの成分、派生物または混合物を含んでもよい。活性物質は、タバコ、大麻または他の植物の成分、派生物または抽出物の1つ以上を含んでもよい。
【0023】
一部の実施態様では活性物質はニコチンを含む。一部の実施態様では活性物質は、カフェイン、メラトニンまたはビタミンB12を含む。
【0024】
本明細書で説明するように活性物質は植物またはその成分、派生物または抽出物を含むまたはそれらから派生したものであってもよい。ここで言う「植物」なる用語は抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種、花、果実、花粉、殻、さやなどの植物から派生したあらゆる材料を含むがこれらに限定されない。これとは別に材料は、植物に天然に存在する、または合成して得られる活性化合物を含んでもよい。材料は液体、気体、固体、粉体、塵、粉砕された粒子、粒、ペレット、小片、ストリップ、シートなどの形体であってもよい。植物の例としてはタバコ、ユーカリ、トウシミキ、オオアサ、ココア、大麻、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カミツレ、亜麻、ショウガ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、リコリス(甘草)、抹茶、マテ茶、オレンジの皮、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、チョウジ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、月桂樹の葉、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモン果皮、ミント、ビャクシン、ニワトコの花、バニラ、ヒメコウジ、シオガマギク、クルクマ、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、橙花、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、桑、朝鮮人参、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブまたはこれらのあらゆる組み合わせがある。ミントは次のミント種から選択されてもよい、ハッカ、モロッコミント、エジプトミント、ペパーミント、オーデコロンミント、キャンディミント、カーリーミント、ケンタッキーカーネルミント、ホースミント、パイナップルミント、ペニーロイヤルミント、イングリッシュスペアミントおよびマルバハッカ。
【0025】
一部の実施態様では活性物質は、活性物質は植物またはその成分、派生物または抽出物の1つ以上を含むまたはそれらから派生したものであってもよく、植物はタバコである。
【0026】
一部の実施態様では活性物質は、植物またはその成分、派生物または抽出物の1つ以上を含むまたはそれらから派生したものであってもよく、植物はユーカリ、トウシミキ、ココアおよびオオアサから選択される。
【0027】
一部の実施態様では植物またはその成分、派生物または抽出物の1つ以上を含むまたはそれらから派生したものであってもよく、植物はルイボスおよびウイキョウから選択される。
【0028】
一部の実施態様では物質は、風味料を含む。
【0029】
本明細書中で使用する「風味料」および「風味剤」なる用語は、各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味、匂いまたは他の体性感覚刺激を生じさせるために使用される。それらは自然発生の風味材料、植物、植物の抽出物、合成によって得られた材料またはそれを組み合わせたもの(例えば、タバコ、大麻、リコリス(甘草)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、チョウジ、メイプル、抹茶、メンソール、ニホンハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドスパイス、アジアスパイス、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ダイオウ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、桑、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、マツ、ハチミツエキス、バラ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、橙花、サクランボ花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピメント、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、オオアサ、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油、ユーカリ、トウシミキ、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、マテ茶、オレンジの皮、バラ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、ビャクシン、ニワトコの花、バジル、ローリエの葉、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモン果皮、ミント、シオガマギク、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物または息消臭剤などのその他の添加剤を含む。それらは、模倣物、合成または天然の成分またはそれらのブレンドであってもよい。それらは、例えば油などの液体、粉などの固体または気体などのあらゆる好適な形体であってもよい。
【0030】
一部の実施態様では風味料はメンソール、スペアミントおよび/またはペパーミントを含む。一部の実施態様では風味料はキュウリ、ブルーベリー、柑橘類および/またはレッドベリーの風味成分を含む。一部の実施態様では風味料はオイゲノールを含む。一部の実施態様では風味料はタバコから抽出された風味成分を含む。一部の実施態様では風味料は大麻から抽出された風味成分を含む。
【0031】
一部の実施態様では風味料は、感覚惹起剤を含んでもよく、これはアロマまたは味覚神経に加えてまたは代わりに通常第5脳神経(三叉神経)の刺激によって化学的に誘発そして認識され、それらは加熱、冷却、ヒリヒリ感、しびれ感を与える薬剤を含んでもよい。好適な熱作用剤は、バニリルエチルエーテルであるが、これに限定されず、好適な冷却剤はオイカリプトール、WS-3であるが、これらに限定されない。
【0032】
エアロゾル発生材は、例えば加熱、照射または何らかの他の方法で励起された際にエアロゾルを発生することができる材料である。エアロゾル発生材は、例えば活性物質および/または風味剤を含んでも含まなくてもよい固体、液体またはゲルの形体であってもよい。一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、「非晶質固体」を含んでもよく、これはこれとは別に「モノリシック固体」(即ち、非繊維性)とも言われる。一部の実施態様では非晶質固体は乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、その内部に液体などの流体を保持する固体材料である。一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、約50wt%、60wt%または70wt%の非晶質固体から、約90wt%、95wt%または100wt%の非晶質固体を含む。
【0033】
エアロゾル発生材は、ここではエアロゾル化可能な材料を言う場合もある。
【0034】
エアロゾル発生材は、1つ以上の活性物質および/または風味料、1つ以上のエアロゾル形成材および必要であれば1つ以上の他の機能材を含んでもよい。
【0035】
エアロゾル形成材は、エアロゾルを形成できる1つ以上の成分を含んでもよい。一部の実施態様ではエアロゾル形成材は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、酢酸ベンジルフェニル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、および炭酸プロピレンのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0036】
他の実施態様ではエアロゾル形成剤は、1,3-ブタンジオールなどの1つ以上の多価アルコール、グリセロールモノ、ジまたはトリアセテートなどの多価アルコールのエステルおよび/またはドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなどのモノ、ジまたはポリカルボン酸の脂肪族エステルを含む。
【0037】
1つ以上の機能材は、pHレギュレーター、着色剤、保存料、バインダー、充填材、安定剤および/または酸化防止剤のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0038】
エアロゾル発生材は、基材を形成するためにキャリアー上または内にあってもよい。キャリアーは、例えば紙、ボール紙、板紙、厚紙、再生材、プラスチック材、セラミック材、複合材料、ガラス、金属または金属合金であってもあるいは含んでもよい。一部の実施態様ではサセプタはキャリアーを含む。一部の実施態様ではサセプタは、上記材料に埋め込まれている。一部の別の実施態様ではサセプタは材料の一方または両側にある。
【0039】
消耗品は、一部またはすべてが使用中にユーザーによって消費されることを意図したエアロゾル発生材を含むまたはそのような発生材からなる物品である。消耗品は、エアロゾル発生材貯蔵領域、エアロゾル発生材移送構成部品、エアロゾル発生領域、ハウジング、ラッパー、マウスピース、フィルターおよび/またはエアロゾル変性剤などの1つ以上の他の構成部品を含んでもよい。また消耗品は、使用時にエアロゾル発生材がエアロゾルを発生するように熱を放射するヒーターなどのエアロゾル発生器を含んでもよい。ヒーターは、例えば燃焼系材、電気伝導によって加熱可能な材料またはサセプタを含んでもよい。
【0040】
サセプタは、交番磁界などの変動磁場の侵入によって加熱可能な材料である。サセプタは、導電性材料であってもよく、変動磁場の侵入によって加熱材の誘導加熱を生じさせるようにしてもよい。加熱材は、導電性材料であってもよく、変動磁場の侵入によって加熱材の磁気ヒステリシス加熱を生じさせるようにしてもよい。サセプタは、導電性および磁力の両方によるものであってもよく、これにより加熱材は両方の加熱機構で加熱可能になる。変動磁場を発生させるように構成されている装置を本明細書では磁場発生器と言う。
【0041】
エアロゾル発生器は、アロゾル発生材からエアロゾルを発生させるように構成された装置である。一部の実施態様ではエアロゾル発生器は、エアロゾル発生材を熱エネルギーに晒し、エアロゾルを形成するためにエアロゾル発生材から1つ以上の揮発性物質を放出するように構成されたヒーターである。一部の実施態様ではエアロゾル発生器は、熱することなくエアロゾル発生材からエアロゾルを発生させるように構成されている。例えば、エアロゾル発生器は、振動、高圧力または静電エネルギーのうちの1つ以上にエアロゾル発生材を晒すように構成してもよい。
【0042】
本明細書中では「エアロゾル化可能な材料」なる用語は、加熱すると揮発成分を、典型的にはエアロゾルの形体で供する材料を含む。「エアロゾル化可能な材料」は非タバコ含有材またはタバコ含有材であってもよい。「エアロゾル化可能な材料」は、例えばタバコ自体、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコまたはタバコ代替え品の内の1つ以上を含んでもよい。エアロゾル化可能な材料は、挽いたタバコ、刻みラグタバコ、押し出しタバコ、再生タバコ、再生エアロゾル化可能な材料、液体、ゲル、固体、非晶質固体、ゲル化シート、粉、ビーズ、顆粒または凝集物の形体であってもよい。「エアロゾル化可能な材料」は製品によってニコチンを含むまたは含まない他の非タバコ製品を含んでもよい。「エアロゾル化可能な材料」は、1つ以上のグリセロールまたはプロピレングリコールなどの湿潤剤を含んでもよい。
【0043】
非晶質固体は約0.015mm~約1.0mmの厚さを有する場合がある。好適には厚さは、約0.05mm、0.1mmまたは0.15mm~約0.5mmまたは0.3mmの範囲内であってもよい。本発明者は0.2mmの厚さの材料が特に適しているということを発見した。非晶質固体は、2つ以上の層を含んでもよく、本明細書に記載の厚さはこれらの層の合計の厚さを意味する。
【0044】
本明細書で規定した厚さは、材料の平均厚さである。場合によっては非晶質固体の厚さは、25%、20%、15%、10%、5%または1%以内で変化してもよい。
【0045】
場合によっては非晶質固体は1~60wt%のゲル化剤を含んでもよく、これらの重量は乾式重量基準で計算される。
【0046】
好適には非晶質固体は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%または25wt%~約60wt%、50wt%、45wt%、40wt%、35wt%、30wt%または27wt%のゲル化剤を含んでもよい(全て乾式重量基準で計算して)。例えば、非晶質固体は、1~50wt%、5~40wt%、10~30wt%または15~27wt%のゲル化剤を含んでもよい。
【0047】
ゲル化剤は、セルロース系ゲル化剤、非セルロース系ゲル化剤、グァーガム、アカシアゴムおよびそれらの混合物から選択される1つ以上の化合物を含んでもよい。
【0048】
一部の実施態様ではセルロース系ゲル化剤は、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0049】
一部の実施態様ではゲル化剤は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース、グァーガムまたはアカシアゴムのうちの1つ以上を含む(またはである)。
【0050】
一部の実施態様ではゲル化剤は、寒天、キサンタンガム、アラビアゴム、グァーガム、イナゴマメゴム、ペクチン、カラギーナン、デンプン、アルギン酸塩、およびこれらの組み合わせを含む1つ以上の非セルロース系ゲル化剤を含む(またはである)が、これらに限定されない。好ましい実施態様では非セルロース系ゲル化剤は、アルギン酸塩または寒天である。
【0051】
一部の実施態様ではゲル化剤は親水コロイドを含む。一部の実施態様ではゲル化剤はアルギン酸塩類、ペクチン類、スターチ(および派生物)、セルロース類(および派生物)、ゴム、シリカまたはシリコーン化合物、クレー、ポリビニルアルコールおよびこれらの組み合わせから選択される1つ以上の化合物を含む。例えば一部の実施態様ではゲル化剤はアルギン酸塩類、ペクチン類、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、グァーガム、カラギーナン、アガロース、アカシアゴム、ヒュームドシリカ、PDMS、ケイ酸ナトリウム、カオリンおよびポリビニルアルコールの内の1つ以上を含む。場合によってはゲル化剤はアルギン酸塩および/またはペクチンを含み、非晶質固体の形成の際に硬化剤(カルシウム源などの)と混ぜてもよい。場合によっては非晶質固体はカルシウムで架橋したアルギン酸塩および/またはカルシウムで架橋したペクチンを含んでもよい。
【0052】
一部の実施態様ではゲル化剤は、アルギン酸塩を含み、アルギン酸塩は、非晶質固体のの10~30wt%の量(乾式重量基準で計算して)で非晶質固体に含まれる。一部の実施態様ではアルギン酸塩は非晶質固体に含まれる唯一のゲル化剤である。他の実施態様ではゲル化剤はアルギン酸塩と、少なくとも1つのペクチンなどのさらなるゲル化剤を含む。
【0053】
一部の実施態様では非晶質固体はカラギーナンを含むゲル化剤を含んでもよい。
【0054】
好適には非晶質固体は約5wt%、10wt%、15wt%または20wt%~約80wt%、70wt%、60wt%、55wt%、50wt%、45wt%、40wt%または35wt%(全て乾式重量基準で計算して)のエアロゾル発生剤を含んでもよい。エアロゾル発生剤は可塑剤として作用してもよい。例えば、非晶質固体は、5~60wt%、10~50wt%または20~40wt%のエアロゾル発生剤を含んでもよい。場合によってはエアロゾル発生剤は、エリトリトール、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、ソルビトールおよびキシリトールから選択される1つ以上の化合物を含む。場合によってはエアロゾル発生剤は、グリセロールを含む、実質的にグリセロールからなるまたはグリセロールからなる。本発明者は可塑剤の含有量が多すぎると、非晶質固体が水を吸収し、使用の際に適した消費経験を生じさせない材料になってしまうということを確認している。本発明者は、可塑剤の含有量が少なすぎると、非晶質固体は脆弱になり、壊れやすくなるということを確認している。
【0055】
場合によっては非晶質固体は、追加で活性物質を含む。例えば、場合によっては非晶質固体は、追加でタバコ材および/またはニコチンを含む。例えば、非晶質固体は、追加で粉末化タバコおよび/またはニコチンおよび/またはタバコ抽出物を含んでもよい。場合によっては非晶質固体は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%または25wt%~約70wt%、50wt%、45wt%または40wt%(乾式重量基準で計算して)の活性物質を含んでもよい。場合によっては非晶質固体は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%または25wt%~約70wt%、60wt%、50wt%、45wt%または40wt%(乾式重量基準で計算して)のタバコ材および/またはニコチンを含んでもよい。
【0056】
場合によっては非晶質固体は、タバコ抽出物などの活性物質を含む。場合によっては非晶質固体は、5~60wt%(乾式重量基準で計算して)のタバコ抽出物を含んでもよい。場合によっては非晶質固体は、約5wt%、10wt%、15wt%、20wt%または25wt%~約55wt%、50wt%、45wt%または40wt%(乾式重量基準で計算して)のタバコ抽出物を含んでもよい。例えば、非晶質固体は、5~60wt%、10~55wt%または25~55wt%のタバコ抽出物を含んでもよい。タバコ抽出物は非晶質固体が1wt%、1.5wt%、2wt%または2.5wt%~約6wt%、5wt%、4.5wt%または4wt%(乾式重量基準で計算して)のニコチンを含む濃度でニコチンを含んでもよい。場合によってはタバコ抽出物から得られるもの以外の非晶質固体のニコチンは存在しない。
【0057】
一部の実施態様では非晶質固体は、タバコ材を含まないが、ニコチンを含む。そのような一部の場合において、非晶質固体は、約1wt%、2wt%、3wt%または4wt%~約20wt%、15wt%、10wt%または5wt%(乾式重量基準で計算して)のニコチンを含んでもよい。例えば、非晶質固体は、1~20wt%または2~5wt%のニコチンを含んでもよい。
【0058】
エアロゾル発生材は、酸を含んでもよい。酸は有機酸であってもよい。これらの実施態様の一部において酸は、一塩基酸、二塩基酸および三塩基酸のうちの少なくとも1つであってもよい。一部のこのような実施態様では酸は、少なくとも1つのカルボン酸官能基を含んでもよい。一部のこのような実施態様では酸は、α-ヒドロキシ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸およびケト酸のうちの少なくとも1つであってもよい。一部のこのような実施態様では酸はα-ケト酸であってもよい。
【0059】
一部のこのような実施態様では酸は、コハク酸、乳酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、レブリン酸、酢酸、リンゴ酸、ギ酸、ソルビン酸、安息香酸、プロパン酸およびピルビン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0060】
好適な酸は乳酸である。他の実施態様では酸は安息香酸である。他の実施態様では酸は、無機酸であってもよい。これらの実施態様の一部において酸は、鉱酸であってもよい。一部のこのような実施態様では酸は、硫酸、塩酸、ホウ酸およびリン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。一部の実施態様では酸はレブリン酸である。
【0061】
酸を含有させることは、エアロゾル発生材がニコチンを含む実施態様において特に好ましい。そのような実施態様では酸が存在することによりエアロゾル発生材が形成されるスラリーにおいて溶解した種を安定させる。酸が存在することによりスラリーの乾燥時のニコチンの蒸発を減少させるまたは実質的に妨げ、これにより製造時のニコチンの損失を少なくする。
【0062】
場合によっては非晶質固体は、風味料を含んでもよい。好適には非晶質固体は、約60wt%以下、50wt%以下、40wt%以下、30wt%以下、20wt%以下、10wt%以下または5wt%以下の風味剤を含んでもよい。場合によっては非晶質固体は、少なくとも約0.5wt%、1wt%、2wt%、5wt%、10wt%、20wt%または30wt%の風味料(全て乾式重量基準で計算して)を含んでもよい。例えば、非晶質固体は、0.1~60wt%、1~60wt%、5~60wt%、10~60wt%、20~50wt%または30~40wt%の風味料を含んでもよい。場合によっては風味料(含まれるのであれば)は、メンソールを含む、メンソールから実質的になるまたはメンソールからなる。場合によっては非晶質固体は、風味料を含まない。
【0063】
場合によっては活性物質と風味料の合計含有量は、少なくとも約0.1wt%、1wt%、5wt%、10wt%、20wt%、25wt%または30wt%であってもよい。場合によっては活性物質と風味料の合計含有量は、約80wt%、70wt%、60wt%、50wt%または40wt%未満(全て乾式重量基準で計算して)であってもよい。
【0064】
一部の実施態様では非晶質固体はヒドロゲルであり、湿式重量基準で計算して約20wt%未満の水を含む。場合によってはヒドロゲルは、湿式重量基準で計算して(WWB)約15wt%未満、12wt%未満または10wt%未満の水を含んでもよい。場合によってはヒドロゲルは、少なくとも約1wt%、2wt%または少なくとも約5wt%の水を含んでもよい。非晶質固体は、湿式重量基準で計算して約1wt%~約15wt%または約5wt%~約15wt%の水を含む。好適には非晶質固体の水分量は、約5wt%、7wt%または9wt%~約15wt%、13wt%または11wt%(WWB)、最も好適には約10wt%である。
【0065】
非晶質固体はゲルから作製されてもよく、ゲルは追加で0.1~50wt%で含有される溶媒を含んでもよい。しかしながら、本発明者は、風味料が可溶な溶媒を含有させることでゲルの安定性が減少し、風味料がゲルから結晶化して出てしまうということを確認している。従って、場合によってはゲルは、風味料が溶ける溶媒を含まない。
【0066】
一部の実施態様では非晶質固体は、60wt%未満、例えば1wt%~60wt%または5wt%~50wt%または5wt%~30wt%または10wt%~20wt%の充填材を含む。
【0067】
他の実施態様では非晶質固体は20wt%未満、好適には10wt%未満または5wt%未満の充填材を含む。場合によっては非晶質固体は、1wt%未満の充填材を含み、場合によっては充填材を含まない。
【0068】
充填材は含まれるのであれば、炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムおよびモレキュラーシーブなどの好適な無機吸着剤の内の1つ以上を含んでもよい。充填材はウッドパルプ、セルロースおよびセルロース派生物などの1つ以上の有機充填材を含んでもよい。場合によっては非晶質固体は、1wt%未満の充填材を含み、場合によっては充填材を含まない。特に場合によっては非晶質固体は、チョークなどの炭酸カルシウムを含む。
【0069】
場合によっては非晶質固体は、ゲル化剤、エアロゾル発生剤、活性物質(タバコ材および/またはニコチン源などの)、水および選択的に風味料および/または活性物質(タバコ材および/またはニコチン源などの)から実質的になる、またはからなる。
【0070】
本発明による物品は、例えば矩形の閉じたチェンバーなどのあらゆる好適なフォーマットに作製してもよい。このフォーマットの物品は、例えば幅が10~40mmの範囲内、長さ40~100mmの範囲内そして深さが2~10mmの範囲内のあらゆる好適な寸法を有してもよい。
【0071】
本明細書で使用する「上流」および「下流」なる用語は、使用の際物品またはデバイスを介して引き込まれる主流煙エアロゾル発生材の方向に対して定義される相対的な用語である。
【0072】
本明細書で説明するフィラメント状のトウ材料はセルロースアセテート繊維トウを含んでもよい。フィラメント状のトウ材料は、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(1,4-ブタンジオールスクシナート)(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、スターチ系材料、紙、脂肪族ポリエステル材および多糖ポリマーまたはこれらを組み合わせたものなどの繊維を形成するために使用される他の材料を使用して形成してもよい。フィラメント状のトウ材料は、フィルター材がセルロースアセテートトウである場合、トリアセチンなどのフィルター材に適した可塑剤で可塑化してもよく、または可塑化されなくてもよい。トウは、「Y」字状または「X」字状などの他の断面、2.5~15の単糸繊度、例えば8.0~11.0の単糸繊度の繊維のデニール値および5,000~50,000、例えば10,000~40,000の総繊度値を有する繊維のようにあらゆる好適な仕様を使用することができる。
【0073】
本明細書中では「タバコ材」なる用語は、タバコまたはその派生物または代替品を含むあらゆる材料を意味する。「タバコ材」なる用語はタバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品の内の1つ以上を含んでもよい。タバコ材は粉タバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押し出しされたタバコ、タバコ葉柄、再生タバコおよび/またはタバコ抽出物の内の1つ以上を含んでもよい。
【0074】
本明細書中で使用する「風味料」および「風味剤」なる用語は各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味や香りを製品に加えるのに用いることができる材料を指す。1つ以上の風味料を本明細書で説明したエアロゾル変性剤として使用することができる。
【0075】
このような材料としては抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、クローブ、メントール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエキス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ピメント、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油など)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物息消臭剤などのその他の添加剤などが挙げられる。これら材料は模造品、合成または天然成分であってもよく、またはこれらのブレンドであってもよい。これら材料は、例えば油、液体、粉末などの任意の好適な形態であってもよい。
【0076】
本開示では「燃焼系」エアロゾル供給システムは、ユーザーへの送出を容易にするために、エアロゾル供給システム(またはその構成要素)の構成エアロゾル化可能な材料を燃焼するシステムである。
【0077】
本開示では「非燃焼系」エアロゾル供給システムは、ユーザーへの送出を容易にするために、エアロゾル供給システム(またはその構成要素)の構成エアロゾル化可能な材料を燃焼させないまたは燃やさないシステムである。
【0078】
本明細書で図面において同等の特徴、物品または部材を示す場合には同じ参照番号が使用されている。
【0079】
本開示では非燃焼系エアロゾル供給システム用の「構成部品」は、非燃焼系エアロゾル供給デバイスの部品または非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するために提供される物品を意味する。
【0080】
図1は非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品10の斜視図である。物品10は、非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための消耗物品を含み、使い切られるまたは消費された時点で非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための別の物品10と交換できる交換可能な構成部品となることを意図されている。ここで言う非燃焼系エアロゾル供給システムは、非燃焼系エアロゾル供給デバイスと、これと組み合わせて使用される非燃焼系エアロゾル供給デバイス用の1つ以上の物品10、10’、10’’を含む。
【0081】
物品10は、入り口開口部3および出口開口部9(図1に示していない)を含むチェンバー4を含む。空気流経路が入り口開口部3と出口開口部9の間に画定されている。物品10は、複数の入り口開口部3を含む。
【0082】
本例では物品10は、チェンバーの端部面41に形成された3つの入り口開口部を含む。出口開口部9は、チェンバーの対向する端部面44(出口開口部9および端部面44は図1に示されていない)に形成されている。これとは別の実施態様では物品は、異なる数の入り口開口部、例えば1、2、3、4または5つの入り口開口部を含んでもよい。特定の実施態様において、端部面42の入り口開口部3に加えてさらに外気を空気流経路に導入するために入り口開口部を隣接面42および/または隣接面43などの隣接する面にも設けてもよい。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、空気流経路に垂直な面にさらに入り口開口部を設けることは物品を通る空気流により多くの乱流を生じさせると推定されている。このように乱流が多くなると物品内により多くの混合が生じる結果となり、そしてエアロゾルがユーザーによって吸入される際に知覚経験を結果として向上させることになる。
【0083】
本実施態様では入り口開口部3の大きさは一定である。しかしながら、これとは別の実施態様では1つ以上の入り口開口部の大きさを1つ以上の入り口開口部を選択的に閉じるために設けられた可動またはそうでなければ調節自在な要素によって変えてもよい。特定の実施態様において入り口および/または出口開口部または複数の入り口および/または出口開口部の断面積は、本体を通る空気流の流れの方向に垂直に測定した断面積より小さい。本体を通る空気流経路の断面積より小さい断面積を有する入り口および/または出口開口部を設けることで本体に入って出る拡散に対するバリアーを提供し、それによりエアロゾルと周囲空気の混合を制限する。この構成はユーザーに送出されるエアロゾル濃度の制御を向上させることを可能にする。
【0084】
チェンバー4は、任意の好適な寸法であればよい。例えば、チェンバー4は、40~120mm、好ましくは50~90mmまたはより好ましくは60~80mmの長さ(A-A’に沿った寸法において)を有してもよい。本例ではチェンバーの長さは、75mmである。チェンバーは、あらゆる好適な幅(B-B’に沿った寸法において)、好適には10~50mm、より好適には15~25mmの幅を有してもよい。本例ではチェンバーの幅を20mmである。またチェンバーは、あらゆる好適な高さ、例えば2~10mm、好ましくは3~6mm、より好ましくは3~5mmの範囲内の高さを有してもよい。この場合チェンバーの高さは4mmである。ここで説明した寸法は、チェンバーを形成する材料の厚さを無視したチェンバー容積を規定するためのチェンバーの内部寸法である。
【0085】
本例においてはチェンバー4は、ボール紙から形成されている。別の実施態様ではチェンバー4は、任意の好適な材料、例えば紙、箔またはプラスチック材または本明細書に記載の材料のいずれかからなる層を含む積層体から形成されてもよい。例えば、好適にはチェンバーは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのプラスチック材から形成してもよい。
【0086】
図2図1に示した物品10のA-A’線に沿った側部断面図である。入り口開口部3と出口開口部9の間の空気流経路が中空の矢印で示されている。この実施態様では空気流経路はチェンバーの上面4’に平行である。
【0087】
チェンバー4は、本例では非晶質固体材料7の層の形状のエアロゾル化可能な材料源を含む。別の実施態様ではエアロゾル化可能な材料は、本明細書で説明するような他の形状で供されてもよい。本例において非晶質固体材料7は、キャリアー材8に積層されており、このキャリアー材は、本例においてはアルミニウム箔のシートである。非晶質固体材料7とキャリアー8の層は、チェンバー4の下面4’’に配置されている。別の実施態様ではチェンバーの下面4’’は、それ自体がキャリアー材を含んでもよく、非晶質固体材料7は面4’’の内面に直に設けられてもよい。本例では非晶質固体材料7の層の幅は、7.4mmで、長さは65mmであるが、別の実施態様では非晶質固体材料シートの層は、それが設けられるチェンバー4の大きさに対して何らかの好適な寸法であればよい。
【0088】
波形材料からなるシートがチェンバー4の上面4’に取り付けられて、隆起部5aと溝5bからなる構造を形成している。隆起部5aと溝5bは共に波形5を含む。この場合波形5は、隆起部5aが等間隔であり、空気流の方向に垂直に物品を横断して延びるように配置されている。別の実施態様では隆起部と溝は、空気流の方向に対して平行または斜めなどの他の方向に延びるように構成されてもよく、および/またはあらゆる方向に不均一に間隔が空けられてもよい。そのような実施態様の例を本明細書でより詳しく説明している。本明細書で使用する「隆起部と溝からなる構造」なる用語は、少なくとも2つの隆起部を含む構造を意味する。
【0089】
本例においては隆起部5aと溝5bは、上面4’が波形のための支持体として作用するようにチェンバーの上面4’に取り付けられた波形ボール紙材シートに形成される。この実施態様ではこの支持体は、隆起部と溝のそれぞれが実質的に同じ面になるように実質的に平面的である。別の実施態様では隆起部と対応する溝は、材料を上面4’に堆積させるまたはエンボスなどの他の方法で形成してもよい。これとは別に隆起部5aと溝5bが形成される波形材のシートは、紙、箔またはプラスチックなどの異なる材料を含んでもよい。波形がアルミニウム箔などの金属材料に形成される実施態様では波形は、物品が好適なデバイスで使用される際に誘導によって加熱される。これは波形の面にエアロゾルが凝集することを減少させるという利点がある。
【0090】
チェンバーの上面4’に隆起部と溝を形成することでエアロゾル化可能な材料上のチェンバーの容積を小さくする。本発明者はエアロゾル化可能な材料上のチェンバー容積を小さくすることは物品からのエアロゾルの送出を向上させる結果になるということを発見した。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、このことはチェンバーを通る空気流の速度の増加および物品内のエアロゾルの冷却および縮合の減少に結果としてなると推定されている。
【0091】
隆起部5aと溝5bが波形材料のシートに波形5として形成される場合、隆起部5aと溝5bを合わせて「溝ひだ」とも言う場合がある。波形材シートは複数の溝ひだを含み、材料は、「溝ひだ高さ」および「溝ひだ出現率」なる用語で定義される。溝ひだ高さは、溝の最下点から対応する隆起部の最高点までの距離として定義される。溝ひだ高さは、隆起部とエアロゾル化可能な材料の間の望ましい距離で離すように選択され、例えばエアロゾル化可能な材料と隆起部の間の高さを3mm未満または2mm未満または好ましくは1.5mm未満、例えば1mmに減少させるために選択される。本例では溝ひだ高さは、2.5mm~3mmであり、チェンバー高さは、4mmである。波形の溝ひだと非晶質固体材料7によって形成された隆起部は、したがって約1mm~1.5mm離れている。
【0092】
これとは別の実施態様では溝ひだ高さは、4.5~5mmまたは3.5~4mmまたは1.1~1.5mmまたは0.75mmまたは0.5mmである。溝ひだ高さは、所定の範囲内の平均値であってもよく、あるいは波形材シート上の溝ひだ高さの範囲を決定する製作公差を含む目標高さとして与えられてもよい。
【0093】
溝ひだ出現率は、波形の幅の単位であり、溝ひだの数毎メートル(溝ひだ/m)として定義される。本例では溝ひだ出現率は、154溝ひだ/mである。しかしながら、別の例では溝ひだ出現率は、100溝ひだ/m~600溝ひだ/mまたは100~200溝ひだ/m、または200~300溝ひだ/mまたは200~400溝ひだ/m、好ましくは100~180溝ひだ/mの間で異なってもよい。本明細書で定義する溝ひだ高さおよび出現率の範囲は、本明細書で説明する他の方法にいずれかで形成される隆起部と溝からなる構造の高さおよび間隔に等しく適している。
【0094】
本例では波形5は、波形の無い領域14が入り口開口部3と出口開口部9に隣接チェンバーの各端部に設けられるようにチェンバーの端部面41、44まで延びていない。チェンバーの入り口および出口端部に波形の無い領域を設けることでこれらの領域で多量のエアロゾルの混合が生じ、使用時にエアロゾルをより一定に送出することができる。領域14は、あらゆる好適な長さ、例えば少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mmまたは少なくとも5mmの長さを有してもよい。本例では波形の無い領域14は、長さが5mmであり、チェンバーの両端面41、44から延びている。これとは別の実施態様では領域14は、端面44に隣接するチェンバーの下流端部のみに設けてもよい。これとは別にチェンバーの上流端の領域14は、チェンバーの下流端で領域14とは長さが異なってもよい。さらに別の実施態様では波形は、チェンバーの全長および/または全幅に沿って延びてもよい。
【0095】
波形5は、当業者に知られているあらゆる好適な外形を有してもよい。本例では波形5は、波形の隆起部が延びる方向に対して垂直な断面で見た際に正弦曲線または繰り返される「S」形状の波形外形を含む。これとは別の例ではV形状の外形または半円外形も使用してもよい。
【0096】
図3図1のA-A’線に相当する線に沿った別の物品20の側部断面図である。物品20は、波形6を画定する隆起部6aと溝6bを含む波形材の第2シートがチェンバーの下面4’’に設けられ、キャリアー材8と非晶質固体材料の層7が波形6の上に配置されていること以外は物品10と同じである。
【0097】
この例ではチェンバー4の高さは6mmである。溝ひだ寸法および波形5の外形および隆起部5aと非晶質固体材料7の離れ具合は図1の実施態様に関して説明したものと同じである。第2の波形6を収容するために追加のチェンバー高さが設けられている。しかしながら、これとは別の実施態様では第2の波形6および波形5の高さは、4mmの高さのチェンバー内に嵌まり、非晶質固体材料7と隆起部5aがほぼ1mm離れるように選択される。第2の波形6は、物品20に追加の構造的な支持を提供する。
【0098】
第2の波形6は、波形5で説明したような波形材のシートに形成される。波形6が形成される波形材シートは、チェンバーの端部面41から端部面44へと延び、チェンバー4の全長に沿って構造的に支持する。本例では波形6は波形5と同じ方向に延びている。しかしながら、別の例では波形材シートは、波形6が波形5に対して垂直に延びるように配置されてもよい。
【0099】
図4aは、図1のA-A’線に相当する線に沿った別の物品30の側部断面図である。物品30は、波形5が空気流の方向に平行に延び、実質的に端部面41から端部面44へとチェンバー4の全長に沿って延びるように配置されていること以外は物品10と同じである。
【0100】
波形5が空気流の方向に平行に延びている場合、隆起部5aと溝5bは、エアロゾルを出口開口部9の方へ案内する流路を効果的に形成する。このような波形によってチェンバー内をエアロゾルが案内されることの利点は、チェンバー内のエアロゾルの滞留時間を短くするということである。
【0101】
本例では入り口開口部3が空気が隆起部5aの高さの下でチェンバー4に入るように端部面41に設けられている。例えば、本例では溝ひだ高さは、2.5~3mmであり、入り口開口部3は、隆起部5aのレベルの下である端部面41の1mmの部分に設けられている。波形5のレベルの下に空気入り口開口部を設けることで波形5と上面4’の間の空間を介してチェンバー4内を通過する空気の量を減らすことができる。波形上を通過した空気とチェンバーに形成されたエアロゾルの混合によって出口開口部9を通ってユーザーに送出されるエアロゾルの望ましくない希釈および/または冷却が結果として生じる。
【0102】
図4bは図1のB-B’線に相当する線に沿った図4aに示した物品30の断面図である。図4bは隆起部5a非晶質固体材料7との間の離れ具合と本体4を通る空気流が案内される流路を効果的に形成する波形外形を示している。本実施態様では波形5は、隆起部5aと非晶質固体材料7が約1~1.5mm離れるように溝ひだ高さを有するが、別の実施態様では隆起部5aと非晶質固体材料は、それより短い距離を離れてもよく、あるいは接触してもよい。これとは別に非晶質固体材料が図5aおよび5bに示すように複数の個別の要素として設けられているいくつかの実施態様では隆起部5aは、キャリアー材8とは接触するが、非晶質固体材料と接触しない。
【0103】
図5aは非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための別の物品40の側部断面図である。物品40は、非晶質固体材料7がキャリアー材に積層された複数の個別の要素7a、7b、7cなどとして設けられていること以外は物品10と実質的に同じである。各個別の要素7a、7b、7cは、同じ非晶質固体材料を含んでもよく、あるいは各要素は、異なる組成の非晶質固体材料を含んでもよい。本例では各個別の要素は、同じ組成の非晶質固体材料を含む。
【0104】
本例では物品40は、実質的に矩形形状の非晶質固体材料からなる6つの個別の要素からなる列が設けられている。しかしながら、これとは別の実施態様では物品40には非晶質固体材料からなるあらゆる数の個別の要素、例えば2、3、4、5、6、7または8つの個別の要素を設けてもよく、これらは当業者には明確なあらゆる好適な形状および寸法のものであってもよい。
【0105】
図5bは図1のAB面に相当する方向における図5aに示した物品40の水平断面図である。この例ではキャリアー材8は非晶質固体材料からなる個別の要素間にミシン目が設けられている。特にキャリアー材8が金属箔を含む実施態様ではミシン目は、キャリアー材を横断する熱の伝導を妨げる。ミシン目は個別の要素間の熱移動に対するバリアーを供するのでミシン目11を設けることは各個別の要素を別々に熱するのが望ましい実施態様において有利になる。
【0106】
図6は非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための別の物品50の側部断面図である。物品50は、波形5が隆起部5aの間で不均一な間隔が設けられていること以外は物品10と実質的に同じである。この例ではチェンバー4の下流端部での隆起部5a間の間隔がチェンバー4の上流端での隆起部の間隔より大きくなるように隆起部間の間隔が空気流の方向に対して平行な方向に大きくなっている。しかしながら、別の実施態様ではチェンバー4の下流端部での隆起部5a間の間隔がチェンバー4の上流端での隆起部の間隔より小さくなるように隆起部間の間隔が空気流の方向に対して平行な方向に小さくなっている。
【0107】
図7図1のAB面に相当する方向における非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための別の物品60の下断面図である。物品60は、この例では隆起部5a空気流経路の方向に沿って分岐して延び、これによりチェンバー4の下流端の隣接する隆起部間の間隔がチェンバー4の上流端の隣接する間隔より大きくなっていること以外は物品30と実質的に同じである。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、チェンバー4の上流端の隣接する波形によって画定された流路の小さい容積は、チェンバーの下流端を介した流れと比較してチェンバーの上流端を介した空気流速度を結果として速くし、これにより上流端または下流端で発生するエアロゾルのチェンバー内の滞留時間が実質的に同じになり、結果としてエアロゾルをより一定に送出することになると推定されている。
【0108】
図8および9は非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための別の物品70、80の側部断面図である。物品70および80は、各物品が別の波形外形を含むこと以外は物品10と実質的に同じである。
【0109】
物品70はV形状の外形を有する波形を含み、物品80は、半円外形を有する波形を含む。
【0110】
図10は非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための別の物品90の側部断面図である。物品90は、チェンバー4が材料体12も含むこと以外物品10と同じである。本例では材料体12は、出口開口部9を含む端部面44に隣接し、当接するチェンバー4の下流端部に繊維性材料からなるプラグとして設けられている。本例では材料体12は、セルロースアセテートトウのプラグから形成されているが、別の実施態様では材料体12は、発泡またはスポンジ材などの別の材料または当業者に知られているようなあらゆる他の好適な材料から形成してもよい。これとは別の実施態様では材料体12は、非晶質固体材料上に配置されたまたは下面4’’とキャリアー材8の間に配置された層として設けられてもよい。
【0111】
本明細書に記載の物品10、20、30、40、50、60、70、80、90は、本明細書で説明した他の実施態様のいずれかからの任意の特徴または特徴の組み合わせを含んでもよい。
【0112】
いくつかの例では非晶質固体材料7の厚さは0.07mmである。これとは別の実施態様では非晶質固体材料は、本明細書に記載のあらゆる好適な厚さを有してもよい。好適にはこれらの実施態様のいずれにおいても非晶質固体は、約50μm~約200μmまたは約50μm~約100μm、または約60μm~約90μm、好適には約77μmの厚さを有する。
【0113】
キャリアー材がアルミニウム箔を含むいくつかの実施態様ではアルミニウム箔は、約6μmの厚さを有する層を含む。しかしながら、別の構成ではアルミニウム箔は、他の厚さ、例えば4μm~16μmの厚さであってもよい。
【0114】
別の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、チェンバー401を含んでもよい。チェンバー401は、非燃焼系エアロゾル供給システムの部品であってもよい。
【0115】
デバイスのチェンバー401は、チェンバー401がエアロゾル発生材を含まないということ以外は物品10を参照して本明細書で説明したようなチェンバー4の特徴を含んでもよい。チェンバー401は、エアロゾル発生材を含む物品10’を収容するように構成されている。チェンバー401は、例えば空気流が導かれる画定された容積を供するというチェンバー4に関連した利点を提供し、隆起部と溝からなる構成は、チェンバー401を通る空気流に望ましい乱流を増加させながら例えば製造上のさらなる利点を提供する。例えば、非燃焼系エアロゾル供給デバイスがチェンバー401を含む場合、本明細書で説明したような隆起部と溝からなる構成を含む本体に関連する利点は、隆起部と溝からなる構成は複数回製造する必要がなく、各消耗品と交換される必要がないので、物品10が隆起部と溝からなる構成を有する本体を含む場合と比較して安い製造コストによって達成される。
【0116】
非燃焼系エアロゾル供給デバイスがチェンバー401を含むいくつかの実施態様では物品10は、非燃焼系エアロゾル供給システムを供するために非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用されることを意図していない。このような実施態様ではチェンバー401は、物品10’を収容するように構成されている。物品10’は、チェンバー4内に設けられるエアロゾル発生材を参照して説明したようなキャリアー材8および非晶質固体材料と共通の多くの特徴を含み得るが、物品10’は、囲まれた容積を画定しないという点で異なる。物品10’は、代わりに物品10’がチェンバー401内に挿入された際にエアロゾル発生材がチェンバー401によって画定された容積の内側で空気と流体連通するように「開口した消耗品」構成の面にエアロゾル発生材を供する。
【0117】
図11は、非燃焼系エアロゾル供給デバイスの部品として使用するために好適なチェンバー401の斜視図である。チェンバー401は、チェンバー401がエアロゾル発生材を含まず、エアロゾル発生材を含む別個の消耗品10’に使用することが意図されている以外は本明細書で説明したチェンバー4と実質的に同じである。エアロゾル発生材に関連する上述のチェンバー4の特徴は、チェンバー401には当てはまらない。
【0118】
チェンバー401は、挿入開口部101を含み、これを介して物品10’が挿入される。
【0119】
本例では開口部は、チェンバー401の端部面41’にある。他の例では挿入開口部101は、チェンバーのいずれの面、例えば隣接する面42’、43’またはチェンバーの対向する端部面(図示せず)にあってもよい。挿入開口部101は、任意の好適な形状であればよい。挿入開口部101は、ある面の長さに沿って部分的にだけ延びてもよく、あるいはある面の長さ全体を横断して延びてもよい。挿入開口部101は、例えば挿入開口部が設けられている面の高さの半分、挿入開口部が設けられている面の高さの半分未満、例えば挿入開口部が設けられている面の高さの約3分の1の高さを有する。本例では面41’に設けられた挿入開口部101は、面41’の長さの約85%の長さを有し、面41’の高さの約4分の1の高さを有する。
【0120】
一部の例では入り口開口部101は、例えば開口部101の挿入のために構成された取り外し自在のキャップの使用によって封止可能にしてもよい。これとは別に物品の端部部分は、物品が挿入された際に開口部101を介してチェンバー内に侵入する外気を妨げるまたは制限するように開口部101を塞ぐように構成することができる。例えば、物品は、開口部101の高さより厚く構成された端部セクションを含んで、使用時に物品のその厚い端部セクションが物品全体がチェンバーに挿入するのを防ぎ、開口部101の上または下でチェンバー401の端部面と当接することによって外気の侵入に対するバリアーを提供するようにしてもよい。このような構成により取り除くためにユーザーが物品の端部セクションをつかみやすくなる。
【0121】
これとは別の実施態様(図示せず)ではチェンバー401は、挿入開口部101を含まなくてもよい。別例としてチェンバー401は、分離可能な部品、例えば2つの部分からなる部品に形成してもよく、その内の1つは物品10’を挿入しやすくするためにユーザーによって取り外し可能であってもよい。例えば、チェンバーの第1セクションは、隆起部と溝からなる構造を含み、チェンバーの第2セクションは、チェンバー401を形成するために第1セクションに取り外し自在に固定されるように構成されたカバーセクションを含んでもよい。一部の実施態様ではチェンバー401の分離可能な部分は、ヒンジ式に接続され、ユーザーがチェンバーを開けるようにしてもよい。
【0122】
チェンバー401は、あらゆる好適な材料から形成してもよい。例えば、チェンバー401は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのプラスチック材から形成してもよい。
【0123】
非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、ヒーターを含んでもよく、チェンバー401は、物品10’、10’’がヒーターに近接してまたは接触して保持されるように構成されてもよい。
【0124】
図12は、図11に示したデバイスチェンバー401に挿入するための物品10’の水平断面図である。物品10’は、キャリアー支持体80を含む。キャリアー支持体80は、物品10’がユーザーが簡単に扱えて、チェンバー401に挿入できるように物品10’に対して構造的に支持するように選択される。キャリアー支持体80に好適な材料は、硬質紙、ボール紙およびプラスチックなどである。一部の実施態様ではキャリアー支持体80は、積層材として提供されてもよい。例えば、キャリアー支持体80は、ボール紙に積層された箔層を含んでもよい。
【0125】
物品10’は、図5bを参照して説明したような非晶質固体材料からなる複数の個別の要素7a、7b、7cを含む。物品10’は、物品10’の1つ以上の縁部に延長された端部セクション81を含んでもよい。端部セクション81は、エアロゾル発生材を含まない。物品10’は、ユーザーが物品10’を簡単に掴んで、取り外せるように消耗品がチェンバーに完全に挿入された際に端部セクション81がチェンバー401の挿入開口部101の外側に延びるように構成されてもよい。
【0126】
図13図11に示したデバイスチェンバー401に挿入するための別の物品10’’の斜視図である。物品10’’は、図5bに関して説明したようなキャリアー材8をさらに含む。本例ではキャリアー材は、キャリアー支持体80に積層されている。本例ではキャリアー材8は消耗品の縁部まで延びていない。他の実施態様ではキャリアー材8は、キャリアー支持体80の全域に亘って延びてもよい。本例ではキャリアー材8は、図5に関連して説明したようなミシン目11を含む。キャリアー材8は、あらゆる好適な材料から形成されてもよい。キャリアー材8に特に好適な材料は誘導によって加熱するために好適な材料である。
【0127】
物品10’’は、チェンバー401の挿入開口部101の高さより大きい厚さを有するように構成された厚みのある端部セクション81’を含む。厚みのあるセクション81’は、物品の端部部分に接着された厚紙またはボール紙のセクションからなどあらゆる好適な方法で形成される。厚みのある端部セクションは、物品10’’がチェンバー401に挿入された際に入り口開口部101を通って侵入する外気に対してバリアーになるという図11に関連して説明した利点を提供する。
【0128】
本明細書に記載の種々の実施態様は、特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。これらの実施態様は単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13