(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】アンテナアセンブリ及び電子装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 23/00 20060101AFI20240112BHJP
H01Q 19/10 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H01Q23/00
H01Q19/10
(21)【出願番号】P 2022540345
(86)(22)【出願日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 CN2020128393
(87)【国際公開番号】W WO2022099545
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2022-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】515034703
【氏名又は名称】広州視源電子科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU SHIYUAN ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.6,4th Yunpu Road,Huangpu District,Guangzhou,Guangdong P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】▲どん▼ ▲氷▼▲潔▼
(72)【発明者】
【氏名】洪 国▲鋒▼
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-235826(JP,A)
【文献】特開2017-224904(JP,A)
【文献】特開平02-270406(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0174314(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 23/00
H01Q 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナアセンブリであって、
誘電体基板と、
前記誘電体基板の表面に設けられるアンテナユニットと、
前記誘電体基板の表面に設けられ、前記アンテナユニットに接続される無線周波数チップと、
前記アンテナユニットとは反対する前記誘電体基板の表面に設けられ、かつ前記アンテナユニットを覆う金属シールドと
を含
み、
前記誘電体基板にはコプレーナ導波路伝送ラインが設けられ、前記無線周波数チップは、前記コプレーナ導波路伝送ラインを介して前記アンテナユニットに接続されており、
前記コプレーナ導波路伝送ラインは、コプレーナ導波路フィーダーと、前記コプレーナ導波路フィーダーの両側に位置するコプレーナ導波路グランドとを含み、前記アンテナユニットは、前記コプレーナ導波路フィーダーを介して前記無線周波数チップに接続され、前記アンテナユニットは、前記コプレーナ導波路グランドを介して接地され、
前記アンテナユニットは、第1のアンテナユニットと第2のアンテナユニットを含み、前記無線周波数チップは第1の無線周波数チップを含み、前記コプレーナ導波路フィーダーは、第1のコプレーナ導波路フィーダーと第2のコプレーナ導波路フィーダーを含み、
前記第1のアンテナユニット及び前記第2のアンテナユニットは、前記第1の無線周波数チップの同じ側に位置し、前記第1のアンテナユニットは、前記第2のアンテナユニットと前記第1の無線周波数チップの間に位置し、前記第1のアンテナユニットは、前記第1のコプレーナ導波路フィーダーを介して前記第1の無線周波数チップに接続され、前記第2のアンテナユニットは、前記第2のコプレーナ導波路フィーダーを介して前記第1の無線周波数チップに接続されることを特徴とするアンテナアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のコプレーナ導波路フィーダー及び前記第2のコプレーナ導波路フィーダーの両方にインピーダンス整合回路が設けられている
ことを特徴とする請求項
1に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項3】
前記第1のアンテナユニットと前記第2のアンテナユニットの間には隔絶グランドが設けられている
ことを特徴とする請求項
1に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のコプレーナ導波路フィーダーは、前記第1のアンテナユニットの前記第1の無線周波数チップに近い側に位置し、且つ前記誘電体基板の下端と垂直であり、前記コプレーナ導波路グランドは、前記第1のコプレーナ導波路フィーダーの両側に位置する第1のコプレーナ導波路グランドを含み、
前記第1のアンテナユニットは、前記第1のコプレーナ導波路フィーダーに垂直な第1のフィードブランチと第1の短絡ブランチを含み、前記第1の短絡ブランチ及び前記第1のフィードブランチは、長さが等しく、且つ間隔を空けて平行に配置され、前記第1の短絡ブランチは、前記第1のコプレーナ導波路グランドに接続され、前記第1のフィードブランチは、前記第1のコプレーナ導波路フィーダーに接続され、前記第1の短絡ブランチは、第1のブランチを介して前記第1のコプレーナ導波路フィーダーから離れた前記第1のフィードブランチの一端に接続され、前記第1の短絡ブランチと前記第1のフィードブランチの間にはL字形ブランチがさらに設けられ、前記L字形ブランチの一端は、前記第1の短絡ブランチに垂直に接続され、前記L字形ブランチの他端は、前記第1のブランチに垂直に接続され、
前記第1の短絡ブランチには第1の寄生ブランチがさらに設けられ、前記第1の寄生ブランチは、前記第1の短絡ブランチに垂直であり、且つ前記第1のブランチと間隔を空けて平行に配置され、前記第1の寄生ブランチは、前記第1のコプレーナ導波路フィーダーから離れた前記第1の短絡ブランチの一端から前記誘電体基板の下端へ延伸する
ことを特徴とする請求項
1に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項5】
前記第2のコプレーナ導波路フィーダーは、前記誘電体基板の下端と平行であり、前記コプレーナ導波路グランドは、前記第2のコプレーナ導波路フィーダーの両側に位置する第2のコプレーナ導波路グランドをさらに含み、
前記第2のアンテナユニットは、四角形状の本体を含み、前記本体には、前記第2のコプレーナ導波路グランドまで延伸する第2の短絡ブランチと、前記第2のコプレーナ導波路フィーダーまで延伸する第2のフィードブランチとが設けられ、前記第2の短絡ブランチ及び前記第2のフィードブランチは、間隔を空けて平行に配置され、前記第2の短絡ブランチは、前記第1の無線周波数チップから離れて配置され、前記第2のフィードブランチは、前記第1の無線周波数チップに近く配置され、
前記本体には、前記本体から前記第1のアンテナユニットへ延伸する第2のブランチ及び第3のブランチがさらに設けられ、前記第2のブランチ及び前記第3のブランチは、間隔を空けて平行に配置され、前記第2のブランチは、前記第2のコプレーナ導波路フィーダーに近く配置され、前記第3のブランチは、前記第2のコプレーナ導波路フィーダーから離れて配置され、
前記第3のブランチには第2の寄生ブランチが設けられ、前記第2の寄生ブランチは、前記第3のブランチの前記第2のコプレーナ導波路フィーダーから離れた側に位置し、且つ前記第3のブランチと間隔を空けて平行に配置され、前記第2の寄生ブランチは、前記本体から離れた前記第3のブランチの一端から前記本体へ延伸する
ことを特徴とする請求項
4に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項6】
前記第2のコプレーナ導波路フィーダーは、前記誘電体基板の下端に平行であり、
前記第2のアンテナユニットは、四角形状の本体を含み、前記第2のコプレーナ導波路フィーダーから離れた前記本体の一端における2つの隅のそれぞれに、第2のブランチ及び第3のブランチが設けられ、前記第2のブランチは、前記本体の前記第1の無線周波数チップから離れた側に位置し、前記第3のブランチは、前記本体の前記第1の無線周波数チップに近い側に位置し、前記第2のブランチは、前記第2のコプレーナ導波路フィーダーに平行であり、且つ前記本体から、前記本体から離れて延伸し、前記第3のブランチは前記第2のコプレーナ導波路フィーダーに垂直であり、且つ前記第2のコプレーナ導波路フィーダーへ延伸し、
前記本体から離れた前記第2のブランチの一端には、前記第2のコプレーナ導波路フィーダーへ延伸する第4のブランチが設けられ、前記第4のブランチにはL字形フィーダーがさらに設けられ、前記L字形フィーダーは、前記第4のブランチと前記本体の間に位置し、前記L字形フィーダーは、一端が前記第4のブランチに接続され、他端が前記第2のコプレーナ導波路フィーダーに接続され、
前記第2のコプレーナ導波路フィーダーに近い前記第3のブランチの一端には第2の寄生ブランチが設けられ、前記第2の寄生ブランチは、前記第2のコプレーナ導波路フィーダーに近い前記第3のブランチの一端から、前記第1の無線周波数チップから離れて延伸し、前記第2の寄生ブランチは、前記第2のブランチに平行である
ことを特徴とする請求項
4に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項7】
前記アンテナユニットは、第3のアンテナユニットと第4のアンテナユニットをさらに含み、前記無線周波数チップは、第2の無線周波数チップをさらに含み、前記コプレーナ導波路フィーダーは、第3のコプレーナ導波路フィーダーと第4のコプレーナ導波路フィーダーをさらに含み、
前記第2の無線周波数チップは、前記第1の無線周波数チップの前記第1のアンテナユニットから離れた側に位置し、前記第3のアンテナユニット及び前記第4のアンテナユニットは、前記第2の無線周波数チップの前記第1の無線周波数チップから離れた側に位置し、前記第3のアンテナユニットは前記第2の無線周波数チップと前記第4のアンテナユニットの間に位置し、前記第3のアンテナユニットと前記第1のアンテナユニットは、互いに鏡像であり、前記第4のアンテナユニットと前記第2のアンテナユニットは、互いに鏡像であり、前記第3のアンテナユニットは、前記第3のコプレーナ導波路フィーダーを介して前記第2の無線周波数チップに接続され、前記第4のアンテナユニットは、前記第4のコプレーナ導波路フィーダーを介して前記第2の無線周波数チップに接続される
ことを特徴とする請求項
1~
6のいずれか1項に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項8】
前記アンテナユニットは、第3のアンテナユニットと第4のアンテナユニットをさらに含み、前記無線周波数チップは、第2の無線周波数チップをさらに含み、前記コプレーナ導波路フィーダーは、第3のコプレーナ導波路フィーダーと第4のコプレーナ導波路フィーダーをさらに含み、
前記第2の無線周波数チップは、前記第1の無線周波数チップの前記第1のアンテナユニットから離れた側に位置し、前記第3のアンテナユニット及び前記第4のアンテナユニットは、前記第2の無線周波数チップと前記第1の無線周波数チップの間に位置し、前記第3のアンテナユニットは、前記第1のアンテナユニットと同様な構造であり、前記第4のアンテナユニットは、前記第2のアンテナユニットと同様な構造であり、前記第3のアンテナユニットは、前記第2の無線周波数チップと前記第4のアンテナユニットの間に位置し、前記第3のアンテナユニットは、前記第3のコプレーナ導波路フィーダーを介して前記第2の無線周波数チップに接続され、前記第4のアンテナユニットは、前記第4のコプレーナ導波路フィーダーを介して前記第2の無線周波数チップに接続される
ことを特徴とする請求項
1~
6のいずれか1項に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項9】
前記誘電体基板にはマイクロストリップ伝送ラインが設けられ、前記アンテナユニットは、マイクロストリップ伝送ラインを介して前記無線周波数チップに接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項10】
前記マイクロストリップ伝送ラインにはインピーダンス整合回路が設けられる
ことを特徴とする請求項
9に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項11】
前記アンテナユニット及び前記無線周波数チップは、前記誘電体基板の同じ側の表面に設けられる
ことを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項12】
前記アンテナユニット及び前記無線周波数チップは、前記誘電体基板の異なる側の表面に設けられる
ことを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項13】
前記金属シールドの底部から前記アンテナユニットまでの距離は、前記アンテナユニットが放射する電磁波の波長の1/4である
ことを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項14】
電子装置であって、
表示画面と、前記表示画面の周辺に設けられる額縁と、請求項1~
13のいずれか1項に記載のアンテナアセンブリとを含み、前記アンテナアセンブリは、前記電子装置内に位置し、且つ前記額縁に接続され、前記アンテナアセンブリにおいて誘電体基板の金属シールドが設けられていない面は前記額縁に向かい合っている
ことを特徴とする電子装置。
【請求項15】
前記額縁は下額縁を含み、前記アンテナアセンブリは、前記下額縁に取り外し可能に接続され、前記アンテナアセンブリにおいて誘電体基板の金属シールドが設けられていない面は前記下額縁の底面に向かい合っている
ことを特徴とする請求項
14に記載の電子装置。
【請求項16】
前記下額縁の底面には、前記アンテナアセンブリに正対する逃し孔が設けられる
ことを特徴とする請求項
15に記載の電子装置。
【請求項17】
前記逃し孔を覆う装飾部材をさらに含む
ことを特徴とする請求項
16に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナの技術分野に関し、特にアンテナアセンブリ及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の進歩に伴い、無線通信技術は多くの電子装置に応用されており、電子装置における無線データ伝送機能は無線周波数デバイスのサポートを必要とし、無線周波数デバイスの性能は電子装置がサポートできる通信モード及び受信信号の強度の安定性を直接決定する。
【0003】
アンテナは無線周波数デバイスにおいて電磁波を送受信するためのユニットとして機能しており、しかし、機器全体においては、電源、表示画面、マザーボードにおける通信モジュールや配線等のデバイスの干渉を受けるため、アンテナは電磁波を効率的に放射することができず、また、アンテナが全方向に放射する電磁波も表示画面の性能を干渉して画面のフラッシュを引き起こしたり、電子装置のその他の電子デバイスを干渉したりすることがある。
【0004】
従来技術では、アンテナ以外の干渉源をシールドすることが多く、例えば、電源、マザーボード、放射モジュールなどのデバイスはシールドされているが、干渉ノイズはアンテナと無線周波数チップの間の同軸伝送ラインにも干渉し、又は干渉ノイズは機器全体の金属製バックカバーを通じて反射、屈折して、最終的にアンテナに影響を与え、これにより、アンテナが放射干渉を受けるような問題を根本的に解決することができず、アンテナ以外のデバイスに金属製シールドを追加すると、組立コストの増大を招くことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、従来技術ではアンテナが放射干渉を受ける、組立コストが高いという問題を解決するアンテナアセンブリ及び電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明の実施例は以下の技術案を採用する。
【0007】
第1の態様では、誘電体基板と、前記誘電体基板の表面に設けられるアンテナユニットと、前記誘電体基板の表面に設けられ、前記アンテナユニットに接続される無線周波数チップと、前記誘電体基板の前記アンテナユニットと反対する表面に設けられ、且つ前記アンテナユニットを覆う金属シールドとを含むアンテナアセンブリを提供する。
【0008】
第2の態様では、本発明の実施例は、表示画面と、前記表示画面の周辺に設けられる額縁と、第1の態様に記載のアンテナアセンブリの少なくとも1つとを含み、前記アンテナアセンブリは前記電子装置内に位置し、且つ前記額縁に接続され、前記アンテナアセンブリにおいて誘電体基板の金属シールドが設けられていない面は前記額縁に向かい合っている電子装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施例に係るアンテナアセンブリは、アンテナユニットと無線周波数チップが同一の誘電体基板に設けられ、且つ金属シールドが設けられたものであり、ます、該金属シールドは、アンテナユニットとは反対する誘電体基板の表面に設けられ、かつアンテナユニットを覆い、これにより、電子装置の他の電子デバイスがアンテナユニットに与える電磁干渉を金属シールドで遮断することができ、次に、アンテナユニットと無線周波数チップが同一の誘電体基板に設けられることにより、アンテナユニットと無線周波数チップとを同軸ケーブルで接続することを回避し、これにより、アンテナユニットが電磁干渉を受けるような問題を根本的に解決し、アンテナユニットの放射性能を確保し、さらに、金属シールドが、アンテナユニットとは反対する誘電体基板の表面に設けられ、アンテナアセンブリが電子装置全体に取り付けられると、アンテナユニットが金属シールドへ放射する電磁波は金属シールドで遮断され、アンテナユニットが放射する電磁波は電子装置外へ放射され、このように、アンテナユニットが放射する電磁波は表示画面を干渉して表示画面のフラッシュを引き起こすことも、電子装置全体の内部の他の電子デバイスを干渉することもなく、最後に、電子装置の他の電子デバイスについてシールドを設ける必要がなく、電子装置の製造コストが低下する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、図面及び実施例をもって本発明をさらに詳細に説明する。
【
図1】本発明の実施例に係るアンテナアセンブリの全体構造模式図である。
【
図2】本発明の実施例に係るアンテナアセンブリの分解構造模式図である。
【
図3】本発明の実施例におけるアンテナユニットと金属シールドの位置の模式図である。
【
図4】本発明の実施例におけるアンテナユニットと伝送ラインとの接続の模式図である。
【
図5】本発明の別の実施例におけるアンテナユニットと伝送ラインとの接続の模式図である。
【
図6】本発明のさらに別の実施例におけるアンテナユニットと伝送ラインとの接続の模式図である。
【
図7】本発明のさらなる実施例におけるアンテナユニットと伝送ラインとの接続の模式図である。
【
図8】本発明における電子装置の正面構造模式図である。
【
図9】本発明における電子装置の裏面構造模式図である。
【
図10】本発明の実施例におけるアンテナアセンブリを取り付ける箇所の部分分解模式図である。
【
図12】
図10におけるA部の下額縁の逃し孔の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明によって解決される技術的課題、採用される技術案、及び達成される技術的効果をより明確にするために、以下、図面を参照して本発明の実施例の技術案をさらに詳細に説明するが、説明される実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力を必要とせずに取得する他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0012】
本発明の説明において、特に明示的な規定及び限定がない限り、用語「連結」、「接続」、「固定」は、広義に理解すべきであり、例えば、固定的な接続、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、機械的な接続、又は電気的な接続であってもよく、直接連結、中間媒体を介した間接的な連結、又は2つの要素の内部の連通又は2つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、本発明における上記の用語の具体的な意味は、具体的な場合に応じて理解され得る。
【0013】
本発明では、特に明示的な規定及び限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にある場合、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触すること、又は、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触するのではなく、これらの間の追加の特徴を介して接触することを含んでもよい。さらに、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」、及び「より上」にある場合、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあることを含むか、又は単に第1の特徴の水平面からの高さが第2の特徴より高いことを示す。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」、及び「より下」にある場合、第1の特徴が第2の特徴の真下及び斜め下にあることを含むか、又は単に第1の特徴の水平面からの高さが第2の特徴よりも低いことを示す。
【0014】
図1及び
図2に示すように、本発明の実施例に係るアンテナアセンブリは、誘電体基板1と、アンテナユニット2と、無線周波数チップ4と、金属シールド3とを含み、アンテナユニット2及び無線周波数チップ4は誘電体基板1の表面に設けられ、アンテナユニット2は伝送ラインを介して無線周波数チップ4に接続されており、金属シールド3は、アンテナユニット2とは反対する誘電体基板1の表面に設けられる。
【0015】
誘電体基板1はアンテナアセンブリのPCB板であってもよく、アンテナユニット2は電磁波を放射する部であってもよく、アンテナユニット2は誘電体基板1の表面に印刷されて所定の形状を有する金属シート、例えば誘電体基板1の表面に印刷された各種形状の銅シートであってもよく、アンテナユニット2は伝送ラインを介して無線周波数チップ4に電気的に接続され、例えばアンテナユニット2及び無線周波数チップ4は誘電体基板1に印刷された伝送ラインを介して電気的に接続されてもよい。金属シールド3は、ステンレス鋼、亜鉛めっき鋼板等の金属材質を打ち抜いたカバーであってもよく、アンテナユニット2を覆い、アンテナユニット2が電磁波を放射、受信するための開口が設けられるようにしてもよい。
【0016】
図3に示すように、本発明の実施例では、アンテナユニット2は電磁波を全方向に放射することができ、アンテナアセンブリが全体として誘電体基板1のアンテナユニット2が設けられた側(
図3のF側)で電磁波を放射することは最終的に要求され、
図3に示すように、金属シールド3は、アンテナユニット2とは反対する誘電体基板1の表面に設けられ、かつアンテナユニット2を覆ってもよく、このように、アンテナユニット2が放射する電磁波は誘電体基板1のアンテナユニット2が設けられた側(
図3のF側)へ放射され、アンテナユニット2が金属シールド3へ放射した電磁波は金属シールド3で遮断され、これにより、金属シールド3は、アンテナユニット2による電磁波放射に影響を与えずに、他の電子デバイスによるアンテナユニット2への電磁干渉、及びアンテナユニット2が電磁波を放射する際に他の電子デバイスへ与える電磁干渉を回避することができ、また、アンテナユニット2及び無線周波数チップ4は同一の誘電体基板1に設けられ、このため、アンテナユニット2及び無線周波数チップ4を同軸ケーブルで接続する必要がなく、アンテナユニット2に同軸ケーブルが使用されると電磁干渉を受けるという問題を根本的に解決し、さらに、他の電子デバイスにシールドを追加する必要がないため、シールドの使用や装着の工程が少なくなり、電子装置の製造コストが低下する。
【0017】
本発明の実施例に係るアンテナアセンブリは、アンテナユニットと無線周波数チップが同一の誘電体基板に設けられ、且つ金属シールドが設けられたものであり、ます、該金属シールドは、アンテナユニットとは反対する誘電体基板の表面に設けられ、かつアンテナユニットを覆い、これにより、電子装置の他の電子デバイスがアンテナユニットに与える電磁干渉を金属シールドで遮断することができ、次に、アンテナユニットと無線周波数チップが同一の誘電体基板に設けられることにより、アンテナユニットと無線周波数チップとを同軸ケーブルで接続することを回避し、これにより、アンテナユニットが電磁干渉を受けるような問題を根本的に解決し、アンテナユニットの放射性能を確保し、さらに、金属シールドが、アンテナユニットとは反対する誘電体基板の表面に設けられ、アンテナアセンブリが電子装置全体に取り付けられると、アンテナユニットが金属シールドへ放射する電磁波は金属シールドで遮断され、アンテナユニットが放射する電磁波は電子装置外へ放射され、このように、アンテナユニットが放射する電磁波は表示画面を干渉して表示画面のフラッシュを引き起こすことも、電子装置全体の内部の他の電子デバイスを干渉することもなく、最後に、電子装置の他の電子デバイスについてシールドを設ける必要がなく、電子装置の製造コストが低下する。
【0018】
本発明の好適な実施例では、アンテナユニット2の数は1つ又は2つ以上としてもよく、アンテナユニット2はマイクロストリップ伝送ラインやコプレーナ導波路伝送ラインを介して無線周波数チップ4に接続されてもよく、ここで、マイクロストリップ伝送ラインはマイクロ波帯域幅の狭い回路に適用でき、且つ回路構造が簡単であり、誘電体基板の加工プロセス、銅層の厚さや厚さのばらつきに低感度であり、製造コストが低い。接地コプレーナ導波路伝送ラインは干渉抵抗性が良好であり、高周波帯域では放射損失が低く、また良好な高次モード抑制を実現でき、このため、接地コプレーナ導波路伝送ラインは30GHz以上の高周波帯の伝送に適用できる。
【0019】
好ましくは、マイクロストリップ伝送ラインやコプレーナ導波路伝送ラインにはインピーダンス整合回路がさらに設けられてもよく、例えばπ形の整合回路が設けられてもよい。インピーダンス整合回路が設けられることにより、アンテナアセンブリの周波数オフセットが発生した場合周波数を調整することができ、またアンテナアセンブリとアクティブデバイスを整合して、アンテナアセンブリ全体の放射性能を向上させることもできる。
【0020】
別の好適な実施例では、アンテナユニット2及び無線周波数チップ4は誘電体基板1の異なる表面に設けられてもよく、無線周波数チップ4は金属ビアを介して伝送ラインに接続されてもよく、このように、誘電体基板1の両面の空間を十分に利用して無線周波数チップ4及びアンテナユニット2を配置することができ、誘電体基板1の面積を小さくし、そして、電子装置全体の空間が限られるので、アンテナユニット2及び無線周波数チップ4が誘電体基板1の同一面に配置できない場面に適用できる。
【0021】
もちろん、アンテナユニット2及び無線周波数チップ4は誘電体基板1の同一面に設けられてもよく、無線周波数チップ4のピンは、誘電体基板1に金属ビアを設ける必要をせずに伝送ラインに直接接続されてもよく、このように、誘電体基板1の製造コストを低下させるとともに、電子装置全体において空間が限られるのでアンテナユニット2及び無線周波数チップ4が誘電体基板1の同一面に設けられる場面に適用できる。実際の適用では、当業者が実際のニーズに応じてアンテナユニット2及び無線周波数チップ4を同一面や異なる面に設けることができ、本発明の実施例では、これについて限定しない。
【0022】
実際の適用では、金属シールド3は溶接、スナップやねじなどにより誘電体基板1に接続されてもよく、好適には、金属シールド3の電磁シールド性能を向上させるために金属シールド3と誘電体基板1との接触面に導電配線を設けてもよい。
【0023】
1つの好適な実施例では、金属シールド3の底部からアンテナユニット2までの距離はアンテナユニット2が放射する電磁波の1/4波長であり、
図3に示すように、L=λ/4であり、ここで、Lは金属シールド3の底部からアンテナユニット2までの距離、λは電磁波の波長であり、このようにして、アンテナユニット2が放射する電磁波は金属シールド3の底部に到達すると反射されて伝播方向を変更し、反射されるごとに電磁波の位相が180°反転し、1/4波長経路に対応する電磁波の位相変化が90°であり、2つの1/4経路が2回変化すると位相が合計180°になり、また1回反射されることによっても電磁波の位相が180°反転し、このように、電磁波の位相が360°反転し、反射されてからアンテナユニット2に到達する電磁波の位相はアンテナユニット2が正方向に放射する位相と一致し、これにより、指向放射の效果が果たされる。
【0024】
以下、アンテナユニット2の数が2つであり、伝送ラインとしてコプレーナ導波路伝送ラインが使用される場合を例として本発明の実施例におけるアンテナユニット2の構造及び伝送ラインの配線を説明する。
【0025】
図4及び
図5に示すように、一例では、誘電体基板1のアンテナユニット2が設けられた面にコプレーナ導波路伝送ライン5が設けられ、アンテナユニット2はコプレーナ導波路伝送ライン5を介して第1の無線周波数チップ41に接続され、コプレーナ導波路伝送ライン5はコプレーナ導波路フィーダー(51、53)とコプレーナ導波路フィーダー(51、53)の両側に位置するコプレーナ導波路グランド(52、54)とを含み、アンテナユニット2はコプレーナ導波路フィーダー(51、53)を介して第1の無線周波数チップ41に接続され、コプレーナ導波路グランド(52、54)は誘電体基板1に設けられた金属層、例えば銅であってもよく、好ましくは、コプレーナ導波路グランド(52、54)は一体に接続され、かつコプレーナ導波路グランド(52、54)は誘電体基板1の金属ビア8を介して誘電体基板1の他方の面に対する地面7に接続され、コプレーナ導波路グランド(52、54)が地面7に接続されるための金属ビア8は実際の状況に応じて設けられてもよく、本発明の実施例では、これについて限定しない。
【0026】
図4及び
図5に示すように、1つの好適な例では、アンテナユニット2は第1のアンテナユニット21と第2のアンテナユニット22を含み、コプレーナ導波路フィーダーは第1のコプレーナ導波路フィーダー51と第2のコプレーナ導波路フィーダー53を含み、コプレーナ導波路グランドは第1のコプレーナ導波路フィーダー51の両側に位置する第1のコプレーナ導波路グランド52と、第2のコプレーナ導波路フィーダー53の両側に位置する第2のコプレーナ導波路グランド54とを含み、第1のコプレーナ導波路フィーダー51及び第2のコプレーナ導波路フィーダー53の両方にインピーダンス整合回路が設けられる。
【0027】
図4及び
図5に示すように、第1のアンテナユニット21及び第2のアンテナユニット22は第1の無線周波数チップ41の同じ側に位置し、第1のアンテナユニット21は第2のアンテナユニット22と第1の無線周波数チップ41の間に位置し、第1のアンテナユニット21は第1のコプレーナ導波路フィーダー51を介して第1の無線周波数チップ41に接続され、第1のアンテナユニット21は第1のコプレーナ導波路グランド52を介して接地し、第2のアンテナユニット22は第2のコプレーナ導波路フィーダー53を介して第1の無線周波数チップ41に接続され、第2のアンテナユニット22が接地する必要がある場合、第2のアンテナユニット22は第2のコプレーナ導波路グランド54を介して接地してもよい。
【0028】
なお、第1の無線周波数チップ41及びアンテナユニット2が誘電体基板1の同一面に設けられる場合、第1の無線周波数チップ41のピンは第1のコプレーナ導波路フィーダー51、第2のコプレーナ導波路フィーダー53に直接接続されてもよく、第1の無線周波数チップ41及びアンテナユニット2が誘電体基板1の異なる面に設けられる場合、第1の無線周波数チップ41のピンは、金属ビアを介して第1のコプレーナ導波路フィーダー51、第2のコプレーナ導波路フィーダー53に接続されてもよい。
【0029】
図4及び
図5に示すように、本発明の一例では、第1のコプレーナ導波路フィーダー51は、第1のアンテナユニット21の第1の無線周波数チップ41に近い側に位置し、且つ誘電体基板1の下端に垂直である。第1のアンテナユニット21は、第1のコプレーナ導波路フィーダー51に垂直な第1のフィードブランチ211と第1の短絡ブランチ212を含み、第1の短絡ブランチ212及び第1のフィードブランチ211は長さが等しく、且つ間隔を空けて平行に配置され、第1の短絡ブランチ212は第1のコプレーナ導波路グランド52に接続され、第1のフィードブランチ211は第1のコプレーナ導波路フィーダー51に接続され、第1の短絡ブランチ212は、第1のブランチ213を介して第1のコプレーナ導波路フィーダー51から離れた第1のフィードブランチ211の一端に接続され、第1の短絡ブランチ212と第1のフィードブランチ211の間にはL字形ブランチ214がさらに設けられ、L字形ブランチ214の一端は第1の短絡ブランチ212に垂直に接続され、L字形ブランチ214の他端は第1のブランチ213に垂直に接続され、第1の短絡ブランチ212には第1の寄生ブランチ215がさらに設けられ、第1の寄生ブランチ215は第1の短絡ブランチ212に垂直であり、且つ第1のブランチ213と間隔を空けて平行に配置され、第1の寄生ブランチ215は、第1のコプレーナ導波路フィーダー51から離れた第1の短絡ブランチ212の一端から誘電体基板の下端へ延伸する。
【0030】
なお、
図4及び
図5を参照して第1のアンテナユニット21の構造を例示的に説明したが、実際の適用では、当業者は任意の構造の第1のアンテナユニット21を設けてもよく、本発明の例は第1のアンテナユニット21の構造を限定するものではなく、第1のアンテナユニット21とコプレーナ導波路伝送ラインとの接続方式についても限定しない。
【0031】
図4に示すように、1つの好適な例では、第2のコプレーナ導波路フィーダー53は誘電体基板1の下端に平行であり、ここで、該下端は、方形誘電体基板1のいずれの辺であってもよく、
図4に示すように、誘電体基板1は矩形であり、矩形の長辺は下端となる。
【0032】
図4には、第2のアンテナユニット22は四角形状の本体221を含み、本体221には、第2のコプレーナ導波路グランド54まで延伸する第2の短絡ブランチ222、及び第2のコプレーナ導波路フィーダー53まで延伸する第2のフィードブランチ223が設けられ、第2の短絡ブランチ222及び第2のフィードブランチ223は間隔を空けて平行に配置され、第2の短絡ブランチ222は第1の無線周波数チップ41から離れて配置され、第2のフィードブランチ223は第1の無線周波数チップ41に近く配置され、本体221には、本体221から第1のアンテナユニット21へ延伸する第2のブランチ224及び第3のブランチ225がさらに設けられ、第2のブランチ224及び第3のブランチ225は間隔を空けて平行に配置され、第2のブランチ224は第2のコプレーナ導波路フィーダー53に近く配置され、第3のブランチ225は第2のコプレーナ導波路フィーダー53から離れて配置され、第3のブランチ225には第2の寄生ブランチ226が設けられ、第2の寄生ブランチ226は、第3のブランチ225の第2のコプレーナ導波路フィーダー53から離れた側に位置し、且つ第3のブランチ225に間隔を空けて平行に配置され、第2の寄生ブランチ226は、本体221から離れた第3のブランチ225の一端から本体221へ延伸する。
【0033】
図5に示すように、別の例では、第2のコプレーナ導波路フィーダー53は誘電体基板1の下端に平行であり、第2のアンテナユニット22は四角形状の本体221を含み、第2のコプレーナ導波路フィーダー53から離れた本体221の一端の2つの隅のそれぞれに、第2のブランチ224及び第3のブランチ225が設けられ、第2のブランチ224は、本体221の第1の無線周波数チップ41から離れた側に位置し、第3のブランチ225は本体221の第1の無線周波数チップ41に近い側に位置し、第2のブランチ224は第2のコプレーナ導波路フィーダー53に平行であり、且つ本体221から、本体221から離れて延伸し、第3のブランチ225は、第2のコプレーナ導波路フィーダー53に垂直であり、且つ第2のコプレーナ導波路フィーダー53へ延伸する。本体221から離れた第2のブランチ224の一端に、第2のコプレーナ導波路フィーダー53へ延伸する第4のブランチ227が設けられる。第4のブランチ227にはL字形フィーダー228がさらに設けられ、L字形フィーダー228は第4のブランチ227と本体221の間に位置し、L字形フィーダー228の一端は第4のブランチ227に接続され、他端は第2のコプレーナ導波路フィーダー53に接続される。第2のコプレーナ導波路フィーダー53に近い第3のブランチ225の一端に第2の寄生ブランチ226が設けられ、第2の寄生ブランチ226は、第2のコプレーナ導波路フィーダー53に近い第3のブランチ225の一端から、第1の無線周波数チップ41から離れた第3のブランチ225の一端へ延伸し、且つ第2の寄生ブランチ226は第2のブランチ224に平行である。
【0034】
なお、
図4及び
図5を参照して第2のアンテナユニット22の構造を例示的に説明したが、実際の適用では、当業者は任意の構造の第2のアンテナユニット22を設けてもよく、例えば、第2のアンテナユニット22は第1のアンテナユニット21と同様な構造であってもよく、本発明の例は第2のアンテナユニット22の構造を限定するものではない。
【0035】
図4及び
図5に示すように、好ましい一実施例では、第1のアンテナユニット21と第2のアンテナユニット22の間には隔絶グランド6がさらに設けられ、隔絶グランド6の一端はコプレーナ導波路グランド(52、54)に接続され、他端は誘電体基板1の金属ビア8を介して誘電体基板1の他方の面に対する地面7に接続され、隔絶グランド6によれば、第1のアンテナユニット21と第2のアンテナユニット22の隔離の度合いが向上し得る。
【0036】
以上、アンテナユニット2が2つのアンテナユニットを含み、伝送ラインがコプレーナ導波路伝送ラインである場合を例としてアンテナユニット2の構造、伝送ラインの構造や配線を説明したが、実際の適用では、当業者は実際のニーズに応じてアンテナユニット2の数を設定したり、異なる構造のアンテナユニット及びレイアウトの異なる伝送ラインを設けたりすることができ、本発明の実施例はアンテナユニットの数、構造を限定せず、伝送ラインの構造や配線方式についても限定しない。
【0037】
図6には本発明で例示する別のアンテナアセンブリの模式図が示されており、本発明の実施例に係るアンテナアセンブリは、
図4又は
図5に示す第1のアンテナユニット21、第2のアンテナユニット22及び第1の無線周波数チップ41に加えて、第3のアンテナユニット23と第4のアンテナユニット24をさらに含み、無線周波数チップ4は第2の無線周波数チップ42をさらに含み、コプレーナ導波路フィーダーは第3のコプレーナ導波路フィーダー55と第4のコプレーナ導波路フィーダー56をさらに含み、ここで、第2の無線周波数チップ42は、第1の無線周波数チップ41の第1のアンテナユニット21から離れた側に位置し、第3のアンテナユニット23及び第4のアンテナユニット24は、第2の無線周波数チップ42の第1の無線周波数チップ41から離れた側に位置し、第3のアンテナユニット23は第2の無線周波数チップ42と第4のアンテナユニット24の間に位置し、第3のアンテナユニット23と第1のアンテナユニット21は互いに鏡像であり、第4のアンテナユニット24と第2のアンテナユニット22は互いに鏡像であり、第3のアンテナユニット23は第3のコプレーナ導波路フィーダー55を介して第2の無線周波数チップ42に接続され、第4のアンテナユニット24は第4のコプレーナ導波路フィーダー56を介して第2の無線周波数チップ42に接続され、ここで、互いに鏡像になるとは、第3のアンテナユニット23と第1のアンテナユニット21が構造上互いに鏡像であり、第4のアンテナユニット24と第2のアンテナユニット22が構造上互いに鏡像になることを指し得る。もちろん、第3のアンテナユニット23及び第4のアンテナユニット24の構造は他の構造としてもよく、本発明の実施例では、これについて限定しない。
【0038】
本発明の実施例に係るアンテナアセンブリは、第1のアンテナユニット21、第2のアンテナユニット22、第3のアンテナユニット23、第4のアンテナユニット24、第1の無線周波数チップ41、及び第2の無線周波数チップ42を含み、第2の無線周波数チップ42は、第1の無線周波数チップ41の第1のアンテナユニット21から離れた側に位置し、第3のアンテナユニット23及び第4のアンテナユニット24は、第2の無線周波数チップ42の第1の無線周波数チップ41から離れた側に位置し、第3のアンテナユニット23は第2の無線周波数チップ42と第4のアンテナユニット24の間に位置し、一方、アンテナアセンブリは第1組のアンテナ(第1のアンテナユニット21と第2のアンテナユニット22)と、第2組のアンテナユニット(第3のアンテナユニット23と第4のアンテナユニット24)を含み、これにより、無線AP機能(Access Point、無線アクセスポイント)が達成され、さらに、第1組のアンテナ(第1のアンテナユニット21と第2のアンテナユニット22)と第2組のアンテナユニット(第3のアンテナユニット23と第4のアンテナユニット24)との中間には2つの無線周波数チップ(第1の無線周波数チップ41と第2の無線周波数チップ42)があるので、2組のアンテナの距離が大きくなり、2組のアンテナの隔離の度合いが高くなり、アンテナアセンブリ全体の面積が減少する。
【0039】
図7には本発明の実施例に係る別のアンテナアセンブリの模式図が示されており、本発明の実施例に係るアンテナアセンブリは、
図4又は
図5に示す第1のアンテナユニット21、第2のアンテナユニット22及び第1の無線周波数チップ41に加えて、第3のアンテナユニット23と第4のアンテナユニット24をさらに含み、無線周波数チップ4は第2の無線周波数チップ42をさらに含み、コプレーナ導波路フィーダーは第3のコプレーナ導波路フィーダー55と第4のコプレーナ導波路フィーダー56をさらに含み、ここで、第2の無線周波数チップ42は第1の無線周波数チップ41の第1のアンテナユニット21から離れた側に位置し、第3のアンテナユニット23及び第4のアンテナユニット24は第2の無線周波数チップ42と第1の無線周波数チップ41の間に位置し、第3のアンテナユニット23は第1のアンテナユニット21と同様な構造であり、第4のアンテナユニット24は第2のアンテナユニット22と同様な構造であり、第3のアンテナユニット23は第2の無線周波数チップ42と第4のアンテナユニット24の間に位置し、第3のアンテナユニット23は第3のコプレーナ導波路フィーダー55を介して第2の無線周波数チップ42に接続され、第4のアンテナユニット24は第4のコプレーナ導波路フィーダー56を介して第2の無線周波数チップ42に接続される。もちろん、第3のアンテナユニット23及び第4のアンテナユニット24の構造は他の構造としてもよく、本発明の実施例では、これについて限定しない。
【0040】
本発明の実施例に係るアンテナアセンブリは、第1のアンテナユニット21、第2のアンテナユニット22、第3のアンテナユニット23、第4のアンテナユニット24、第1の無線周波数チップ41及び第2の無線周波数チップ42を含み、第2の無線周波数チップ42は、第1の無線周波数チップ41の第1のアンテナユニット21から離れた側に位置し、第3のアンテナユニット23及び第4のアンテナユニット24は、第2の無線周波数チップ42と第1の無線周波数チップ41の間に位置し、一方、アンテナアセンブリは、第1組のアンテナ(第1のアンテナユニット21と第2のアンテナユニット22)と第2組のアンテナユニット(第3のアンテナユニット23と第4のアンテナユニット24)を含み、これにより、無線AP機能(Access Point、無線アクセスポイント)が達成され、さらに、第1組のアンテナ(第1のアンテナユニット21と第2のアンテナユニット22)と第2組のアンテナユニット(第3のアンテナユニット23と第4のアンテナユニット24)の間の距離を大きくすることにより2組のアンテナの隔離の度合いを向上させることができ、誘電体基板の面積が増大するので、アンテナアセンブリを取り付ける空間が限られない場面に適用できる。
【0041】
図8~
図10に示すように、本発明の実施例は電子装置100を提供し、該電子装置100は、表示画面101と、表示画面101の周辺に設けられる額縁102と、本発明の例で提供される少なくとも1つのアンテナアセンブリ103とを含み、アンテナアセンブリ103は電子装置100内に位置し、且つ額縁102に接続され、ここで、アンテナアセンブリ103において誘電体基板の金属シールドが設けられていない面は額縁102に向かい合っており、即ち、アンテナアセンブリ103は電子装置100の外部へ電磁波を放射する。
【0042】
具体的には、表示画面101はLCD、LED、OLED等の表示画面のうちの1種であってもよく、額縁102は表示画面101の周辺を囲むフレームであってもよく、額縁102は表示画面101に垂直な方向において一定の厚さを有し、これにより、アンテナアセンブリ103は額縁102に取り付けられてもよく、1つの好適な実施例では、アンテナアセンブリ103の数は1つ又は2つ以上としてもよい。
【0043】
本発明の実施例に係る電子装置において、アンテナアセンブリのアンテナユニット及び無線周波数チップは同一の誘電体基板に設けられ、且つ金属シールドは設けられ、アンテナアセンブリは電子装置内に位置し、且つ額縁に接続され、アンテナアセンブリにおいて誘電体基板の金属シールドが設けられていない面は額縁に向かい合っており、まず、該金属シールドは誘電体基板のアンテナユニットと反対する表面に設けられ、かつアンテナユニットを覆い、これにより、電子装置の他の電子デバイスがアンテナユニットに与える電磁干渉を金属シールドで遮断することができ、次に、アンテナユニットと無線周波数チップが同一の誘電体基板に設けられることにより、アンテナユニットと無線周波数チップとを同軸ケーブルで接続することを回避し、これにより、アンテナユニットが電磁干渉を受けるような問題を根本的に解決し、アンテナユニットの放射性能を確保し、さらに、金属シールドが、アンテナユニットとは反対する誘電体基板の表面に設けられ、アンテナアセンブリが電子装置全体に取り付けられると、アンテナユニットが金属シールドへ放射する電磁波は金属シールドで遮断され、アンテナユニットが放射する電磁波は電子装置外へ放射され、このように、アンテナユニットが放射する電磁波は表示画面を干渉して表示画面のフラッシュを引き起こすことも、電子装置全体の内部の他の電子デバイスを干渉することもなく、最後に、電子装置の他の電子デバイスについてシールドを設ける必要がなく、電子装置の製造コストが低下する。
【0044】
さらに、アンテナアセンブリにおけるアンテナユニットの数は1つ又は複数としてもよく、アンテナユニット及び無線周波数チップは誘電体基板の同一の面又は異なる面に設けられてもよく、電子装置はアンテナアセンブリを取り付ける空間、放射性能や放射方向に応じてアンテナアセンブリを選択してもよい。
【0045】
図9~
図12に示すように、1つの好適な実施例では、電子装置100の額縁102は下額縁1021を含み、アンテナアセンブリ103は下額縁1021に取り外し可能に接続され、アンテナアセンブリ103において誘電体基板1の金属シールド3が設けられていない面は下額縁1021の底面に向かい合っている。具体的には、下額縁1021の材質は金属としてもよく、該下額縁1021の底面にはアンテナアセンブリ103に正対する逃し孔10211が設けられ、このようにして、アンテナアセンブリ103が下額縁1021に取り付けられると、アンテナアセンブリ103において誘電体基板1の金属シールド3が設けられていない面は該逃し孔10211に正対し、アンテナアセンブリ103におけるアンテナユニットは該逃し孔10211を介して電子装置100外へ電磁波を放射することが可能になる。もちろん、アンテナアセンブリ103は電子装置100の他の額縁に取り付けられてもよいし、例示的には、左額縁や右額縁に取り付けられてもよいし、アンテナアセンブリ103において誘電体基板1の金属シールド3が設けられていない面は表示画面101の正面と同方向であってもよく、本発明の実施例では、アンテナアセンブリ103の取り付け位置、向きのいずれについても限定しない。
【0046】
本発明の実施例に係るアンテナアセンブリは電子装置の下額縁に位置し、アンテナアセンブリにおいて誘電体基板1の金属シールドが設けられていない面は下額縁の底面に向かい合っており、これにより、下額縁での取り付け空間が十分であるため、アンテナアセンブリの取り付けが容易になる一方、電子装置の下額縁がユーザにより近く、アンテナアセンブリが下額縁に位置すると放射面積が広くなり、電子装置のワイヤレスネットワークのパフォーマンスが向上する。
【0047】
好ましくは、電子装置100は逃し孔10211を覆う装飾部材104をさらに含み、これよって、逃し孔10211からアンテナアセンブリ103の誘電体基板1を露出させることを回避し、電子装置100の外観を良好なものとする。
【0048】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「例」などを参照する説明は、該実施例又は例を参照して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上述の用語の概略的な記述は、必ずしも同じ実施例又は例を対象とするものではない。
【0049】
なお、本明細書は実施形態に従って説明されたが、各実施形態には1つの独立した技術案のみが含まれているわけではなく、明細書のこのような記述方式は単に明確にするために過ぎず、当業者は明細書を1つの全体とすべきであり、各実施例における技術案も適切に組み合わせて、当業者が理解できる他の実施形態を形成してもよい。
【0050】
以上、具体的な実施例を参照して本発明の技術的原理を説明した。これらの説明は、本発明の原理を解釈するために過ぎず、本発明の保護の範囲を何ら限定するものとして解釈することはできない。ここでの解釈に基づいて、当業者は、創造的な努力を必要とせずに本発明の他の具体的な実施形態を想到することができ、これらの形態はすべて本発明の保護の範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0051】
1、誘電体基板
2、アンテナユニット
21、第1のアンテナユニット
211、第1のフィードブランチ
212、第1の短絡ブランチ
213、第1のブランチ
214、L字形ブランチ
215、第1の寄生ブランチ
22、第2のアンテナユニット
221、本体
222、第2の短絡ブランチ
223、第2のフィードブランチ
224、第2のブランチ、225、第3のブランチ
226、第2の寄生ブランチ
227、第4のブランチ
228、L字形フィーダー
23、第3のアンテナユニット
24、第4のアンテナユニット
3、金属シールド
4、無線周波数チップ
41、第1の無線周波数チップ
42、第2の無線周波数チップ
5、コプレーナ導波路伝送ライン
51、第1のコプレーナ導波路フィーダー
52、第1のコプレーナ導波路グランド
53、第2のコプレーナ導波路フィーダー
54、第2のコプレーナ導波路グランド
55、第3のコプレーナ導波路フィーダー
56、第4のコプレーナ導波路フィーダー
6、隔絶グランド
7、地面
8、金属ビア
100、電子装置
101、表示画面
102、額縁
1021、下額縁
10211、逃し孔
103、アンテナアセンブリ
104、装飾部材