(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】コイル用の搬送ユニットおよび複数の搬送ユニットを備えるアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B65D 85/00 20060101AFI20240112BHJP
B65D 30/10 20060101ALI20240112BHJP
B65D 19/24 20060101ALI20240112BHJP
B65D 71/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B65D85/00 301
B65D30/10 W
B65D30/10 H
B65D19/24 A
B65D71/00 200
(21)【出願番号】P 2022549913
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2020054686
(87)【国際公開番号】W WO2021164889
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】520223538
【氏名又は名称】サンコ・テクスタイル・アイレットメレリ・サナーイ・ベ・ティジャレット・アノニム・シルケティ
【氏名又は名称原語表記】SANKO TEKSTIL ISLETMELERI SANAYI VE TICARET ANONIM SIRKETI
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コヌコグル,ハカン
(72)【発明者】
【氏名】アイドゥン,グーカン
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/149170(WO,A1)
【文献】実開昭48-022090(JP,U)
【文献】実開昭50-085539(JP,U)
【文献】特開2017-074985(JP,A)
【文献】実開昭60-054519(JP,U)
【文献】特表2018-501046(JP,A)
【文献】特開2003-292028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/00
B65D 30/10
B65D 19/24
B65D 71/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコイル(3,3’)を搬送するための搬送ユニット(15)であって、
パレット(7)と、
前記パレット(7)上に層状に積層された複数のバッグ(1)とを備え、
前記バッグ(1)の各々は、撚り糸または細糸または糸の複数のコイル(3,3’)を収容し、前記コイル(3,3’)は、第1の層(4)内に配置されており、前記第1の層(4)内の各コイル(3,3’)の中心(5)の軸方向が前記パレット(7)の延在方向に略垂直になるように、前記第1の層(4)内の前記コイル(3,3’)の前記中心(5)が互いに平行に配置され、前記延在方向は、前記パレットが地面に立設される場合の前記パレットの水平方向であ
り、
前記パレット(7)は、下面(10)において平坦な底部(8)によって構成され、その突出部(11)は、前記底部の前記下面(10)と前記パレット(7)が立設されている表面との間に空隙が構成されるように突出しており、フォークリフトのフォークが前記パレット(7)を持ち上げて搬送することができる前記パレット(7)であって、
前記突出部(11)の1つ以上は、台座として機能する前記突出部(11)が前記パレット(7)上に保管された前記コイル(3,3’)の重量を抑えるように適合されるように、アコーディオン状の巻回を有し、
前記パレット(7)は、プラスチック材料から、特に単体として作られていて、
前記パレット(7)は、前記コイル(3,3’)なしで他のパレットと積層されると、前記他のパレットの下面が前記パレット(7)の上面に直接接触して位置し、前記他のパレットのそれぞれの突出部が前記パレットの前記突出部の裏側凹部内に突出するように適合され、
1つの搬送ユニット(15)内のバッグ(1)の隣接する層の間に中間シートが設けられておらず、
前記搬送ユニット(15)の1つまたは複数のバッグ(1)の最終層の上に中間シート(13)が設けられ、前記中間シート(13)は、前記搬送ユニット(15)の上に載置されたさらに別の搬送ユニット(15)のための支持面として機能し、
前記バッグ(1)と前記パレット(7)とは、前記パレット(7)の前記延在方向に略垂直な方向で前記搬送ユニット(15)を周方向に取り囲む固定ベルト(16)によって、一緒に固定されている、
搬送ユニット(15)。
【請求項2】
前記バッグ(1)は、その中に収容される前記コイル(3,3’)を自己支持構造に保持し、前記バッグは、略固定された幾何学形状を有する前記コイル(3,3’)を保持する前記バッグ(1)によって画定される安定したバッグアセンブリ
を設けられるように、前記バッグ(1)の内側の前記コイル(3,3’)に対して近接して位置していることを特徴とする、請求項1に記載の搬送ユニット(15)。
【請求項3】
前記バッグ(1)の少なくとも1つは、コイル(3,3’)の少なくとも2つの層(4,4’)を収容し、前記コイル(3,3’)の前記少なくとも2つの層(4,4’)の各層(4,4’)は、複数のコイル(3,3’)によって構成され、前記第1の層(4)の前記コイルの前記中心(5)は、前記第1の層(4)に直接隣接する前記コイル(3,3’)の前記少なくとも2つの層(4,4’)のうちの第2の層(4)の前記コイルの前記中心と略同軸に配置されていることを特徴とする、請求項
1または2に記載の搬送ユニット(15)。
【請求項4】
前記コイル(3,3’)の前記層(4,4’)の間および/または前記バッグ(1)内に、さらに別の支持層および/または分離層が設けられていないことを特徴とする、請求項
3に記載の搬送ユニット(15)。
【請求項5】
前記コイル(3,3’)を含む前記バッグ(1)は、前記パレットの上側から見ると矩形を画定するように、前記バッグ(1)内の前記コイル(3,3’)の前記第1および/または前記第2の層(4,4’)に、前記バッグ(1)の長手方向において、前記バッグ(1)の横方向と比較してより多くのコイルが設けられ、前記バッグ(1)の前記長手方向は、前記バッグの前記横方向よりも長いことを特徴とする、請求項
3または
4に記載の搬送ユニット(15)。
【請求項6】
前記バッグ(1)は、コイル(3)の前記第1の層(4)および/またはコイル(3’)の第2の層(4’)の側面に隣接する側に開口部(2)を有することを特徴とする、請求項1から
5のいずれか1項に記載の搬送ユニット(15)。
【請求項7】
前記バッグ(1)は単一の開口バッグであり、前記バッグは、バッグ端部を巻き上げることによって、および前記バッグ端部を巻き上げた後に得られる前記バッグのそれぞれの角耳部(6,6’)の各々をロープで縛ることによって、前記開口部(2)を有する端部において閉じられていることを特徴とする、請求項
6に記載の搬送ユニット(15)。
【請求項8】
前記バッグ(1)が閉じられる前記バッグ(1)のそれぞれの角耳部(6,6’)は、前記バッグ(1)を前記パレット(7)から取り外すためにユーザによって把持されるように適合されていることを特徴とする、請求項
7に記載の搬送ユニット(15)。
【請求項9】
前記パレット(7)上の前記バッグ(1)の少なくとも1つの層に、前記バッグ(1)の少なくとも2つの列が設けられ、各列は、少なくとも1つのバッグ(1)で構成され、前記パレット(7)上で積層方向にバッグ(1)の少なくとも2つより多い層、特にバッグ(1)の4つの層が設けられていることを特徴とする、請求項1から
8のいずれか1項に記載の搬送ユニット(15)。
【請求項10】
前記バッグ(1)は、プラスチック材料、特に織られたプラスチック材料から作られていることを特徴とする、請求項1から
9のいずれか1項に記載の搬送ユニット(15)。
【請求項11】
請求項1から1
0のいずれか1項に記載の複数の搬送ユニット(15)を備えるアセンブリであって、前記搬送ユニット(15)は一列に設けられ、搬送ユニット(15)の第1の層が構成されるように、搬送ユニット(15)の少なくとも2列が水平方向に隣接して載置され、前記搬送ユニット(15)の前記第1の層上に、前記搬送ユニット(15)の第1の層と同じ構成を有する搬送ユニット(15)の少なくとも第2の層が載置されることを特徴とする、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
説明
本発明は、複数のコイルを搬送するための搬送ユニット、および複数の本発明の搬送ユニットを備えるアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
本コイルは、織物産業で使用される撚り糸、細糸、糸または任意の他の材料撚り糸のコイルである。これらのコイルはボビンとも呼ばれる。具体的に、ボビンは、材料撚り糸が巻回されるスピンドル/コアでもある。この場合、コイルおよびボビンという用語は、別段の指示がない限り、コイル状の撚り糸ユニットと同義に使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スピンドル/コア上に設けられたコイルの複数の層を分離する中間シートが、DE 35 091 09 A1に開示されている。中間シートはプラスチック材料で作られ、スピンドル/コアが保持される凹部を有する。スピンドルが凹部に固定されている間、コイルの下側面は、中間シートに形成された支持面によって支持されている。
【0004】
コイルを搬送するための複数の異なる配置が、今日使用されている。しかしながら、コイル自体が重く、複数のコイルが一緒に搬送されることが多いので、取り扱いが容易で、搬送負荷を最大化可能な配置を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この問題は、請求項1に記載の搬送ユニットによって解決される。
搬送ユニットは、パレットと、パレット上に層状に積層された複数のバッグとを備える。搬送ユニットは、このユニットに収容される複数のコイルを搬送するためのものである。バッグの各々は、第1の層内に配置された複数のコイルを収容し、第1の層内の各コイルの中心の軸方向がパレットの延在方向に略垂直になるように、第1の層内のコイルの中心が互いに平行に配置されている。パレットが地面に立設されている場合、パレットの延在方向は、パレットの水平方向に対応し得る。
【0006】
したがって、バッグは、基本的に非可撓性のサブユニットまたは所定の幾何学形状を有するサブユニットを提供する。各バッグによって画定されるこれらのサブユニットは、たとえば、バッグ内のコイルの層が互いに対して平行であるような方向に、パレット上に互いに積層されている。
【0007】
この配置は、特定の自己支持効果をもたらす一方で、それぞれのバッグはまた、ユーザによる取り扱いが容易である。
【0008】
バッグがその中に収容されたコイルを自己支持構造で保持することが有益である。たとえば、バッグは、コイルを保持し、かつ略固定幾何学形状を有する安定したバッグアセンブリが提供されるように、バッグの内側のコイルに近接して置かれている。コイルは、その周囲面が互いに接触し得る平坦な層内に配置されるので、それぞれのコイルは、層として1つのバッグ内に取り付けることができ、バッグは、層状配置を固定するために特定の安定化効果をもたらし得る。
【0009】
さらに別の発展形態によれば、パレットと層状に積層された複数のバッグとから構成される1つの搬送ユニット内のバッグのそれぞれの隣接する層の間に、中間シートが設けられていない。パレット上に互いに積層された隣接するバッグはそれらの外面で互いに直接接触するという利点がある。少なくとも第1の層内に複数のコイルを閉じ込めるバッグは、自己支持効果をもたらすので、バッグのそれぞれの隣接する層を、互いに直接接触して互いの上に詰むことが可能である。
【0010】
さらに別の発展形態によれば、中間シートが、搬送ユニットの1つまたは複数のバッグの最終層の上に設けられ得る。この中間シートは、それぞれの搬送ユニットの上に配置されるさらに別の搬送ユニット(パレットの層に積層された複数のバッグを含むパレット)のための支持面として機能し得る。
【0011】
バッグがパレット上に層状に積層される場合、アセンブリが1つ以上の固定ベルトによって、一緒に固定または保持されることが有利であると示されている。固定ベルトは、パレットの延在方向に略垂直な方向において、それぞれの搬送ユニットを周方向に取り囲み得る。固定ベルトは、パレットの下側に巻き付けられてもよく、それぞれのバッグは、パレット上に層状に配置され、中間シートは、設けられている場合、1つまたは複数のバッグの最終層の上に載置されている。互いに隣接して平行に配置された2つまたは3つまたはそれ以上の固定ベルトが設けられてもよい。
【0012】
さらに別の発展形態によれば、搬送ユニットの1つ以上の、好ましくはすべてのバッグは、コイルの少なくとも2つの層を含んでもよく、各層は複数のコイルで構成されている。第1の層のコイルの中心は、第2の層のコイルのそれぞれの中心と略同軸に配置されている。コイルの2つまたは3つまたは4つまたは5つまたはそれ以上の層が、1つの/各々のバッグ内に設けられ得る。各バッグ内のコイルのそれぞれの層は、バッグによって形成されるサブユニットのレンガ状構成がもたらされるように、比較的非可撓性の構造を提供する。
【0013】
それぞれのコイルの層間および/またはバッグ内にさらに別の支持層または分離層が設けられないことがさらに有益である。これは、バッグ自体が搬送ユニットのための自己支持構造を提供することを意味する。
【0014】
さらに別の選択肢では、バッグの長手方向において、バッグの横方向と比較してより多くのコイルが、バッグ内のコイルの第1のおよび/または第2の層に設けられていることが示されている。したがって、コイルを含むバッグは、上面側から見ると長方形を画定する。バッグの長手方向は、バッグの横方向よりも大きい長さを有する。一例によれば、コイルの1つの層に縦方向に4つのコイルが設けられ、横方向に3つのコイルが設けられてもよい。
【0015】
さらに別の変形形態として、バッグは、コイルの第1の層および/または第2の層の側面に隣接する側に開口部を有し、バッグを、コイルのそれぞれの1つの層/複数の層にわたって引き出すことができ、かつ、開口部のそれぞれの側面で閉じることができるように、それぞれの第1のおよび/または第2の層は、そのそれぞれの開口部側からバッグ内に嵌合または移送することができる。
【0016】
バッグは、バッグ端部を巻き上げることによって、および巻き上げられた端部の領域においてバッグのそれぞれの角耳部の各々をロープで縛ることによって、開口部を有する端部において閉じることができる。そうすることによって、バッグが平坦に置かれ、コイルの1つまたは複数の層の配置の外面の周囲である程度伸張される状況をもたらすことができる。
【0017】
それぞれのバッグ端部を巻き上げてロープで縛ることによってバッグのそれぞれを閉じることに代わるものとして、バッグは、接着または溶接によって封止されてもよい。
【0018】
さらに別の変形形態によれば、バッグが閉じられるバッグのそれぞれの角耳部は、バッグをパレットから取り外すためにユーザによって把持されるように適合されている。したがって、バッグがパレット上のそれぞれの層に置かれている場合、それぞれのバッグがユーザによって容易に持ち上げられ得るように、角耳部が設けられているそれぞれの開口部側がすべて搬送ユニットの同じ側に置かれていることが有益である。
【0019】
さらに別の発展形態によれば、パレット上のバッグの1つの層において、バッグの少なくとも2つの列が設けられ、各列は少なくとも1つのバッグによって構成されている。特に、バッグの2つの列は、バッグの1つまたは各々の層に設けられ、バッグの各列に、1つの単一のバッグが設けられている。各層が同じ構造を有するバッグの2つより多い層を設けることが少なくとも有益である。したがって、パレットの積層方向に4つの層を有することが有益である。
【0020】
さらに別の発展形態によれば、パレットは平坦な底部によって構成されている。突出部は、底部の下面とパレットが立設されている表面との間に空隙が構成されるように、平坦な底部の下面に設けられ、フォークリフトのフォークは、パレットを持ち上げ、パレットを1つのそれぞれの位置から別の位置に搬送することができる。
【0021】
さらに別の発展形態によれば、パレットの1つ以上またはすべての突出部は、台座として機能する突出部がパレット上に格納されたコイルの重量を抑えるように適合されるように、アコーディオン状の巻回を有し得る。
【0022】
パレットは、プラスチック材料で作られてもよい、および/または、たとえば射出成形によって単体として作られてもよい。
【0023】
パレットは、コイルなしで他のパレットと積層されると、他のパレットの下面がパレットの上面に直接接触して位置し、他のパレットのそれぞれの突出部がパレットの突出部の裏側凹部内に突出しているような構成を有し得る。これによって、パレットがコイルを保管するために使用されない場合の空間を節約することが可能になる。
【0024】
バッグはプラスチック材料から作られてもよく、特に織られたプラスチック材料から作られてもよい。したがって、バッグを補強することができる。バッグは、ほこりまたは汚れまたは水がバッグ内に入ることができない構成を有してもよく、それゆえ、コイルは汚れたり濡れたりすることが防止される。
【0025】
さらに別の態様によれば、複数の前述の搬送ユニットを備えるアセンブリも提供される。搬送ユニットは一列に設けられてもよく、搬送ユニットの少なくとも2つの列が互いに隣接して載置されて、搬送ユニットの第1の層を構成する。搬送ユニットの第1の層上に、第1の層と同じ構造を有する搬送ユニットの第2の層が設けられてもよい。このそれぞれのアセンブリは、小型トラックまたは搬送コンテナの内部空隙内に設けられ得る。このそれぞれのアセンブリはまた、トラックの開口しているプレート上に設けられてもよい。
【0026】
上記セクションでは、搬送ユニット、および複数の上述の搬送ユニットを備えるアセンブリについて説明したが、上述の構造を有する搬送ユニットを生成するための方法も提供され得る。たとえば、コイルは、閉じられたバッグ内の1つまたは複数の層に配置されている。1つまたは複数のバッグは、パレット上に層状に積層されている。したがって、搬送ユニットおよびアセンブリのすべての前述の特徴はまた、方法に関連する処方において提供されてもよい。
【0027】
本発明はさらに詳細に、図面を参照して以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1a】2層のコイルが装着された開口しているバッグを示す図である。
【
図1b】2層のコイルが見えるようにバッグの端部に設けられた開口部を示す図である。
【
図1c】角耳部が設けられるように閉じられたバッグの側面図である。
【
図1d】角耳部が設けられるように閉じられたバッグの側面図である。
【
図1e】角耳部が設けられるように閉じられたバッグの側面図である。
【
図3】コイルを有するバッグを保管するために使用されない場合の複数のパレットの積層構成を示す図である。
【
図4c】コイルを有する1つのバッグがパレット上に保管される例を示す図である。
【
図4d】バッグ内のコイルの配置を示す上面図である。
【
図5a】複数の搬送ユニットが、それぞれのコイルが必要とされる目的地に搬送するために搬送装置上で組み合わされている状況を示す図である。
【
図5b】複数の搬送ユニットが、それぞれのコイルが必要とされる目的地に搬送するために搬送装置上で組み合わされている状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、1つの特定の実施形態を用いて本発明を説明する。しかしながら、本発明は本実施形態に限定されない。
【0030】
各バッグのコイル、各バッグのコイルの層、各バッグのコイルの列、各バッグの1つの列内のコイル、各パレット上のバッグの層、各パレット上のバッグの列、各パレット上の各列のバッグの数、1つの搬送配置を形成するユニットのパレットの数は、上記の例では特定の数を有するが、それぞれの数は、図示される例に対して、±1、±3、±4、±5、±6などの範囲でもよい。これは、たとえば、各バッグのコイルの2つの層の代わりに、1つまたは3つまたは4つの層が選択されてもよいことを意味する。また、各バッグが同数のコイルおよび列および層を含む必要はなく、各ユニットが同数のバッグおよびバッグの列などを含む必要はない。しかしながら、1つの搬送ユニットの各バッグは、少なくともコイルの数に関して同じ構造を有することが有益である。
【0031】
しかしながら、本発明は、最も広い意味において、特許請求の範囲における特徴によって定義される。請求項の範囲において定義される特徴および特定の実施形態の特徴のいずれも、他の特徴に密接に結び付けられておらず、それゆえ、独自の発明を構成し得る。
【0032】
図1aはバッグ1を示し、このバッグ内に、特定の例では、コイル3,3’の2つの層4,4’(たとえば、
図1b)が設けられている。それぞれのバッグは、底部側と反対側の片側のみに開口部2を有し、この開口部を通して、完全な層4,4’、およびこの特定の場合ではコイルの第1のおよび第2の層を1つのコイルアセンブリとして導入することができる。コイルアセンブリを挿入する間、それぞれのバッグは、自己支持構造を提供するように、コイルのそれぞれのアセンブリ上で特定の態様に伸張される。
【0033】
図1bは、バッグ1への開口部2を通る上面図を示す。そこから、2つの層4,4’が設けられ、各層が、バッグの横方向の3つのコイルと、バッグの長手方向の4つのコイル(見えない)とで構成されることを導き出すことができる。
【0034】
長手方向は、バッグの底部からバッグの開口部側への方向である。
各コイルは、それらの中心開口部5を有する(たとえば、
図4cおよび
図4d)。コイルの1つの層内のコイルのそれぞれの中心開口部5は、互いに平行であり、かつ互いに隣接しており、後続の層のコイルのそれぞれの中心開口部5は、第1の層のコイルのそれぞれの中心開口部5と同軸に配置されている。本例では、第1の層は符号4を有し、第2の層は符号4’を有する。
【0035】
第1の層は、このそれぞれの例では、バッグ1がパレット7の上に置かれている場合、それぞれの下層であり、それぞれの第2の層4’は、第1の層4の上に置かれている層である。
【0036】
バッグ1内に、それぞれのコイル3,3’を支持するさらに別の支持シートまたは材料は設けられていない。しかしながら、コイル3,3’は各々、場合により別個のプラスチックバッグに詰められてもよい。それぞれのコイルはまた、各コイルが完全に梱包が解かれているバッグ内に収容されてもよい。それぞれのコイルは、中心開口部5を有してもよく、その中にスピンドルまたはシリンダが収容され、その周りに糸が巻回されている。
【0037】
本コイルは、織物産業で使用される撚り糸、細糸、糸または任意の他の材料撚り糸のコイルである。これらのコイルはボビンとも呼ばれる。具体的に、ボビンは、材料撚り糸が巻回されるスピンドル/コアでもある。この場合、コイルおよびボビンという用語は、別段の指示がない限り、コイル状撚り糸ユニットと同義に使用される。
【0038】
図1c、
図1d、
図1eは、開口部2が設けられたバッグの端部が、それぞれの角耳部6,6’が設けられるように丸められたバッグ1を示す。
【0039】
この角耳部6,6’において、それぞれのバッグは、結ばれて閉じられている。これは、ケーブルタイ状の要素のような別個の要素によって行われてもよい、またはそれぞれの角耳部は、(別個の要素ではなく)それら自体の材料で結ばれてもよい。
【0040】
それぞれのバッグ1が保管されるパレット7は、
図2a、
図2b、
図2cおよび
図3に示されている。
図2aは、パレット7の底部8の上面図を示す。底部8は上面9を有する。底部8の下面10から突出部11が突出している。底部8は、パレット7の上面9に直接設けられたバッグ1の第1の層のそれぞれの固定/固着を提供する、周方向に立設された縁部壁17を有する略タブ形状を有する。突出部11は、パレットが表面上に立つことができるように台座として機能し得る。
図2bは、
図2aの線bbに沿った断面を示し、
図2cは、
図2aの線ccに沿った断面を示す。
図2cに示す断面は、パレット7の横方向の断面であり、
図2bのそれぞれの断面は、パレット7の長手方向に沿った断面である。それぞれの突出部11の各々は、アコーディオン状の巻回を有する。これは、パレット7の上面9に加えられる荷重を抑える減衰要素として機能する。パレット7は矩形でもよく、
図2a、
図2bに示される寸法を有してもよい。測定値はミリメートル(mm)で与えられる。それぞれの寸法の各々は、さらに別の実施形態では、前述の図における所与の寸法の±20%、±10%の範囲で独立して変更されてもよく、それゆえ、パレットのそれぞれの寸法は、そのようなものとして発明を構成することができる。
【0041】
この場合、合計で9つの突出部11が設けられている。底部8の長手方向側方に、パレットの長手方向に延在する楕円形状を有する3つの楕円形の第1の突出部11’が設けられている。パレット7の横方向の略中央の線上に、3つの楕円形の第2の突出部11が設けられている。当該第2の突出部11’は、第1の突出部11’よりも大きな断面積を有する(
図2aの上面図を参照)。
【0042】
図3では、複数のパレット7が、特定の製品が積載されていない場合に互いに積層されることが示されている。この図に示されるように、パレット7は、コイル3,3’なしで他のパレットと積層されると、他のパレットの下面がパレット7の上面に直接接触して位置するように適合され、他のパレットのそれぞれの突出部は、パレットの突出部の裏側凹部内に突出している。パレットのこの特性により、パレットが使用されていない場合に空間を節約することができる。
【0043】
パレット自体は、複数の補強谷部18を有する。
図2aに示すように、この補強谷部は、パレットが作られているプラスチック材料を補強するための役割を果たす。任意の補強特徴を設けることができる。しかしながら、この場合、パレットは、突出部および補強谷部を含む一体部材である。
【0044】
パレットは、あらゆるプラスチック材料、特に、いわゆる射出成形可能なプラスチック材料で作ることができる。
【0045】
図4a、
図4bおよび
図4cから導き出せるように、下から上に積層されたバッグ1の複数の層が各パレット7上に設けられている。すなわち、
図4aに、搬送ユニット15をパレット7の横側から、したがって搬送ユニット15の横側から見た状況が示されている。
【0046】
バッグの4つの層が設けられるように、互いに積層された1つのバッグがある。
図2cの上面図に示されるように、1つのバッグ1のみがパレット上に保管されている。
図1に示されるようなバッグ1の2つは、各々が1つのバッグから構成される2つの列がバッグの層の各々を画定するように、互いに隣接して保管可能である。具体例では、ベース層に2列のバッグ、第2層に2列のバッグ、第3層に2列のバッグ、および第4層に2列のバッグが設けられている。特に、バッグの各層のそれぞれの列が複数のバッグを有し得る場合がある。上下方向におけるバッグのそれぞれの層の数は、バッグの1つの層内のバッグのそれぞれの列の数より多くてもよい。
【0047】
パレット7およびバッグの4つの層のそれぞれのアセンブリの上に、さらに別の中間シート14が設けられている。この中間シート14は、プラスチック材料で作ることができる。中間シート14は、
図4a、
図4bまたは
図4cに示される搬送ユニットの上に載置される隣接する搬送ユニットを支持するための支持面として機能し得る。
【0048】
図4dおよび
図4eは、バッグ1内のコイル3,3’の構成を示す。この構成は、
図1a~
図1eに示す構成に対応する。1つのバッグ1内には合計で24個のコイルが設けられている。代替的な配置は、12~48の間の任意の数を設けることであってもよく、それぞれの数の各々は、1つのバッグ1に収容可能な数の範囲の上限または下限としてそれぞれ機能し得る。
【0049】
この場合、各層がバッグ1の横方向に3つのコイルを有し、バッグ1の長手方向に4つのコイルを有するコイルの2つの層が設けられている。代替的な配置は、1~9の任意の数の層を設けることであってもよく、それぞれの数の各々は、1つのバッグ1に収容可能な層の範囲の上限または下限としてそれぞれの役割を果たすことができる。
【0050】
開口部を有するバッグのそれぞれの側面は、少なくとも1つの搬送ユニットにおいてそれぞれの側面が互いに隣り合って載置されるように設けられてもよく、これによって、ユーザは、バッグ7をそれぞれの角耳部6,6’で引っ張るために、ユニットに対して立つ側面を変更する必要がない。
【0051】
図5aおよび
図5bは、
図4に示されるそれぞれの搬送ユニット7がトラック上に載置されている、すなわち、搬送ユニット7の2つの列がトラック上に載置されている状況を示し、トラック上の各列は17個のユニットを含む。17個のユニットのこれらの列のうちの2つがユニットの1つの層を構成し、この1つの層の上にユニットの第2の層が設けられている。
図5aのユニットの下層は、ユニットの上層よりも薄いように見える。これは、トラックの側壁がユニット内のバッグの下側の2つの層を見えなくすることによる。
【0052】
図5bのトラックの後側からの断面図は、搬送ユニット7、つまり、常に水平方向に隣り合う2つの搬送ユニット7と、隣り合う2つの搬送ユニット7の上にある2つの搬送ユニット7とが設けられていることを示す。
【0053】
図6a、
図6bおよび
図6cは、
図5aおよび
図5bの状況を示す概略図である。
図6aは、トラックの長手方向に沿った断面を示し、
図6bは、(バッグの層が見えない場合の)パレット7の上面図を示し、パレットは、(その上に保管されたバッグと共に)それぞれのアセンブリを画定し、その例が、請求項16において請求される。
【0054】
図6aは、
図6cの線aaに沿った断面を示し、
図6bは、
図6cの線aaに沿った断面を示す。
【0055】
以上、それぞれの具体例について説明してきたが、記載した要素(コイル、バッグ・・・)の数は必須ではない。
【0056】
概して、それぞれのバッグは自己支持構造をもたらし、この配置を搬送することが容易である。自己支持機能によって、必ずしも中間層を設ける必要がなくなり、それゆえ、全体的に、より高い負荷のコイルをパレット上に保管することができ、1台のトラックがより多くのコイルを搬送することができる。
【0057】
さらに別のそれぞれのパレットは、使用されていない場合、省スペース方式で保管され得る。バッグが角耳部を有するので、それぞれのバッグは、操作員によってそれぞれのパレットから容易に取り出すことができる。この配置は、搬送が容易で取り扱いが容易なシステムを提供し、出荷可能なコイルのそれぞれの負荷を増大させることができる。
【0058】
参照符号のリスト
1 バッグ、2 開口部、3,3’コイル、4,4’コイル層、5 中心開口部、6,6’ 角耳部、7パレット、8 底部、9 上面、10 下面、11 突出部、12 アコーディオン状の巻回、14 中間シート、15 搬送ユニット、16 固定ベルト、17 縁部壁、18 補強谷部。