(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
A62B 18/02 20060101AFI20240112BHJP
A62B 7/10 20060101ALI20240112BHJP
A41D 13/11 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A62B18/02 C
A62B7/10
A41D13/11 Z
(21)【出願番号】P 2022554479
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(86)【国際出願番号】 KR2021002911
(87)【国際公開番号】W WO2021182847
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0030239
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】キム,テジュン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジョンテク
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ソホ
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0092363(KR,A)
【文献】特開2010-012280(JP,A)
【文献】特開2016-087376(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0388715(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0111389(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1783804(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 7/00-33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクであって、
ユーザの顔に密着し、ユーザの鼻と口の前方に空気が収容される内部空間を形成し、外部空気が前記内部空間へ流入する通路を提供する流入部が形成されるマスク本体;
前記マスク本体に装着され、外部空気をユーザの鼻と口へ強制流動させるものの、側面に垂直な方向への空気流動のための第1流路が形成される空気浄化モジュール;を備えてな
り、
前記空気浄化モジュールは、
前記空気浄化モジュールの外観を形成するケースと、
前記ケースの一部分を覆うカバーと、
前記ケースの内部に位置し、外部から流入する空気をろ過するフィルタと、
前記ケースの内部に位置し、前記フィルタの内側に存在するファンと、を備え、
前記カバーは、
前記カバーの外側に膨らんでいるように曲率を形成する曲面部と、
前記曲面部の枠から前記フィルタと平行な方向に伸びる平面部と、を備えることを特徴とする、マスク。
【請求項2】
前記流入部は、一つ以上のホールを備え、
前記空気浄化モジュールを通過した空気は、前記一つ以上のホールを介して前記内部空間へ流入することを特徴とする、請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記マスク本体は、前記流入部の下に配置される吐出部を備え、
前記吐出部は、一方向に空気を流動させることによって、内部空気を外部空間へ吐き出すことを特徴とする、請求項2に記載のマスク。
【請求項4】
前記ケースは、
前記ケースの一面において前記マスク本体の中央線方向に下向き傾斜を形成し、前記マスク本体の流入部に連結される連結部を含むことを特徴とする、請求項
1に記載のマスク。
【請求項5】
前記連結部の内部には、前記フィルタ及び前記ファンを通過した外部空気が前記内部空間へ流入する第2流路が形成されることを特徴とする、請求項
4に記載のマスク。
【請求項6】
前記カバーと前記フィルタとの間の間隔は、前記曲面部の中心において最も大きく形成されることを特徴とする、請求項
1に記載のマスク。
【請求項7】
前記曲面部と前記フィルタとの間には、前記第1流路を介して流入した外部空気が前記曲面部に沿って流動する空間であるエアポケットが形成されることを特徴とする、請求項
1に記載のマスク。
【請求項8】
前記カバーは、
前記平面部において前記カバーの内側へ突出して、前記ケースと締結することによって前記カバーを固定させる突出部を更に備え、
前記突出部により前記ケースに脱着可能なことを特徴とする、請求項
1に記載のマスク。
【請求項9】
前記突出部の第1方向の長さは、前記カバーの第1方向の長さより短いことを特徴とする、請求項
8に記載のマスク。
【請求項10】
前記ケースは、前記突出部を収容する陥没部を備え、
前記突出部の第2方向の長さは、前記陥没部の深さより長いことを特徴とする、請求項
8に記載のマスク。
【請求項11】
マスクであって、
ユーザの顔に密着し、ユーザの鼻と口の前方に空気が収容される内部空間を形成し、外部空気が前記内部空間へ流入する通路を提供する第1流入部及び第2流入部が形成されるマスク本体と、
前記マスク本体の一側に装着され、外部空気をユーザの鼻と口へ強制流動させるものの、側面に垂直な方向への空気流動のための第1a流路が形成される第1空気浄化モジュールと、
前記マスク本体の他側に装着され、外部空気をユーザの鼻と口へ強制流動させるものの、側面に垂直な方向への空気流動のための第1b流路が形成される第2空気浄化モジュールと、を備えてな
り、
前記第1空気浄化モジュールは、
前記第1空気浄化モジュールの外観を形成する第1ケースと、
前記第1ケースの一部分を覆う第1カバーと、
前記第1ケースの内部に位置し、外部から流入する空気をろ過する第1フィルタと、
前記第1ケースの内部に位置し、前記第1フィルタの内側に存在する第1ファンと、を備え、
前記第1カバーは、
前記第1カバーの外側に膨らんでいるように曲率を形成する第1曲面部と、
前記第1曲面部の枠から前記第1フィルタと平行な方向に伸びる第1平面部と、を備えることを特徴とする、マスク。
【請求項12】
前記第2空気浄化モジュールは、前記マスク本体の中央線を基準に前記第1空気浄化モジュールと左右対称に配置されることを特徴とする、請求項
11に記載のマスク。
【請求項13】
前記第1ケースは、前記第1ケースの一面において前記マスク本体の中央線方向に下向き傾斜を形成し、前記第1流入部に連結される第1連結部を備え、
前記第1連結部の内部には、前記第1フィルタ及び前記第1ファンを通過した外部空気が前記内部空間へ流入する第2a流路が形成されることを特徴とする、請求項
11に記載のマスク。
【請求項14】
前記第1カバーと前記第1フィルタとの間の間隔は、前記第1曲面部の中心において最も大きく形成されることを特徴とする、請求項
11に記載のマスク。
【請求項15】
前記第1曲面部と前記第1フィルタとの間には、前記第1a流路を介して流入した外部空気が前記第1曲面部に沿って流動する空間である第1エアポケットが形成されることを特徴とする、請求項
11に記載のマスク。
【請求項16】
前記第1カバーは、前記第1平面部において前記第1カバーの内側に突出して、前記第1ケースと締結することによって、前記第1カバーを固定させる第1突出部を更に備え、
前記第1突出部の第1方向の長さは、前記第1カバーの第1方向の長さより短いことを特徴とする、請求項
11に記載のマスク。
【請求項17】
前記第1ケースは、前記第1突出部を収容する第1陥没部を備え、
前記第1突出部の第2方向の長さは、前記第1陥没部の深さより長いことを特徴とする、請求項
16に記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は、ファンを備えたマスクに関し、さらに詳細には、空気をフィルタに均等に通過させるための空気浄化モジュールを含むマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
急激な産業化と、自動車などによる排気ガスの増加によって大気汚染が深刻になっている。このような大気汚染を発生させる汚染物質(以下、異物という)は、呼吸器疾患、心臓疾患の原因となる。
【0003】
特に、微細ほこりと黄砂は、人の呼吸器に流入して各種の疾病を引き起こす等、現代を生きていく人に致命的な悪影響を及ぼしている。
【0004】
微細ほこりは、我々の目に見えない程度に細くて小さなほこり粒子であり、亜硫酸ガス、窒素酸化物、鉛、オゾン、一酸化炭素などと共に数多くの大気汚染物質を含み、このような排出原因は、自動車または工場から発生する人為的な発生と砂風ほこりの黄砂、火山灰、山火事によるほこりなどの自然的な発生に区分され、このように発生する微細ほこりを人が吸い込むと、肺胞まで奥深く浸透して各種の呼吸器疾患ぜんそく、頭痛、アトピーなどを誘発するようになり、特に足弱が持続的に吸い込むと、免疫機能を落として肺疾患で死亡に至る問題点がある。
【0005】
このような問題のため、最近では、空気中の異物をろ過するための手段として、 保護具(一例として、保健用マスク)の需要が増加しつつある。このような保護具は、一般に、マスク本体と、前記マスク本体に収容され、口と鼻をカバーするフィルタと、前記マスクの本体に付いている耳掛け用バンドを含む。ユーザは、前記保護具を着用することによって、空気中の異物から呼吸器を保護することができる。
【0006】
通常の場合、異物ろ過性能が向上したフィルタであるほど、呼吸のためのより大きな肺活量が求められる。そのため、異物ろ過性能に比例してマスク着用者の呼吸が不便になるという問題があった。
【0007】
このような問題を解決するために、大韓民国特許第10-1783804号公報(登録日:2017年09月26日)には、マスク本体と、前記マスク本体の内部に収容されるフィルタと、前記マスク本体の内部に空気を流動させる送風ファンが含まれる「空気浄化フィルタ装置が付着されたマスク」が開示される。
【0008】
一方、このような従来のマスクは、フィルタの抵抗により送風ファンの風量が減少する問題点がある。現在販売されるマスクは、このような問題点を克服するための方法として、ファンを高いrpmで回転させる方法と流路を最適化するために多孔性流路を適用するか、または吸込面積を増加させる方法を提示した。
【0009】
しかしながら、マスクの体積感を減らすためにファンとフィルタとの間の間隔は狭めた状態で、ファンを高いrpmで回転させると、流動の不均一性によりフィルタのすべての面積を効率的に使用できないという問題点がある。ファンの終わり部分において流動が集中し、これによってフィルタの枠部分が集中的に使用されて非効率的である。
【0010】
また、流路の最適化のために、
図1aのガイドベーン11または
図1bの多孔性流路12を適用するとしてもいくつかの問題点がある。まず、多孔性流路12の場合、流動の吸込が不均一であることにより乱流騒音が発生できる。また、多量の孔を介して空気が流入するから、空気流入に制限が存在する。ガイドベーン11を介して吸込面積を拡張させる場合、流量は増加できるが、吸込面積が拡張された分だけに遮音効果は消えるという問題点がある。
【0011】
そのため、ガイドベーン11または多孔性流路12を採用せずに、ファンを介して流動を均一な状態で吸い込むことができるマスクの開発が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
大韓民国特許第10-1783804号公報(2017.09.26)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本開示内容が解決しようとする課題は、ファンを高いrpmで回転させても均一な吸込流動を発生させるマスクを提供することにある。
【0014】
また、本開示内容が解決しようとする課題は、ファンを含んでも体積感が少ないマスクを提供することにある。
【0015】
また、本開示内容が解決しようとする課題は、ファンを含んでも少ない騒音を発生させるマスクを提供することにある。
【0016】
本開示内容の課題は、以上言及した課題に制限されず、言及していないさらに他の課題は、以下の記載により当業者にとって明確に理解されうるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を達成するために、本開示内容の一側面によるマスクは、ユーザの顔に密着し、ユーザの鼻と口の前方に空気が収容される内部空間を形成し、外部空気が前記内部空間へ流入する通路を提供する流入部が形成されるマスク本体と、前記マスク本体に装着され、外部空気をユーザの鼻と口へ強制流動させるものの、側面に垂直な方向への空気流動のための第1流路が形成される空気浄化モジュールとを含む(備える;構成する;構築する;設定する;包接する;包含する;含有する)。
【0018】
また、本開示内容によるマスクは、空気浄化モジュールの外観を形成するケースと、前記ケースの一部分を覆うカバーと、前記ケースの内部に位置し、外部から流入する空気をろ過するフィルタと、前記ケースの内部に位置し、前記フィルタの内側に存在するファンとからなる空気浄化モジュールを含む。
【0019】
前記ケースは、前記ケースの一面において前記マスク本体の中央線方向に下向き傾斜を形成し、前記マスク本体の流入部に連結される連結部を含む。
【0020】
前記連結部の内部には、フィルタ及びファンを通過した外部空気が内部空間へ流入する第2流路が形成される。
【0021】
前記カバーは、前記カバーの外側に膨らんでいるように曲率を形成する曲面部を含み、カバーとフィルタとの間の間隔は、前記曲面部の中心において最も大きく形成される。
【0022】
前記曲面部とフィルタとの間には、第1流路を介して流入した外部空気が前記曲面部に沿って流動する空間であるエアポケットが形成される。
【0023】
また、前記カバーは、曲面部の枠からフィルタと平行な方向に伸びる平面部を含み、前記平面部において前記カバーの内側へ突出して、ケースと締結することによって前記カバーを固定させる突出部をさらに含む。
【0024】
前記突出部の第1方向の長さは、前記カバーの第1方向の長さより短いことを特徴とする。
【0025】
また、前記ケースは、突出部を収容する陥没部を含み、前記突出部の第2方向の長さは、前記陥没部の深さより長いことを特徴とする。
【0026】
前記課題を達成するために、本開示内容のさらに他の側面によるマスクは、ユーザの顔に密着し、ユーザの鼻と口の前方に空気が収容される内部空間を形成し、外部空気が前記内部空間へ流入する通路を提供する第1流入部及び第2流入部が形成されるマスク本体と、前記マスク本体の一側に装着され、外部空気をユーザの鼻と口へ強制流動させるものの、側面に垂直な方向への空気流動のための第1a流路が形成される第1空気浄化モジュールと、前記マスク本体の他側に装着され、外部空気をユーザの鼻と口へ強制流動させるものの、側面に垂直な方向への空気流動のための第1b流路が形成される第2空気浄化モジュールとを含む。
【0027】
また、本開示内容によるマスクは、マスク本体の中央線を基準に第1空気浄化モジュールと左右対称に配置される第2空気浄化モジュールを含む。
【0028】
その他、実施の形態の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0029】
本開示内容によれば、次のような効果が一つあるいはそれ以上である。
【0030】
第1に、側面に垂直な方向に形成された第1流路を介して空気を吸い込むことで、空気吸込時の騒音が減る効果がある。
【0031】
第2に、カバーが曲面部を形成してカバーとフィルタとの間に流動空間であるエアポケットが存在することによって、吸い込まれる空気の流動を均一にする効果がある。
【0032】
第3に、吸込流動の不均一を解消することによって、カバーとフィルタとの間の圧力を減少する効果がある。
【0033】
第4に、これにより、フィルタの面積を効率的に使用することができ、結局、フィルタの耐久性が向上することができる。
【0034】
第5に、薄いファンを使用しても高rpmで回転させることができるから、空気浄化モジュールの体積感を減らすことができる。
【0035】
本開示内容の効果は、以上言及した効果制限されず、言及していないさらに他の効果は、請求の範囲の記載により当業者にとって明確に理解されうるものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図2】本開示内容の一実施の形態によるマスクを示す図である。
【
図3】本開示内容の一実施の形態によるマスク本体を示す図である。
【
図4】本開示内容の一実施の形態による空気浄化モジュールの断面図である。
【
図5a】本開示内容のマスクに適用されるカバーを示す図である。
【
図5b】本開示内容のマスクに適用されるカバーを示す図である。
【
図6】本開示内容のさらに他の実施の形態によるカバーを示す図である。
【
図7】本開示内容の一実施の形態によるエアポケットが形成されることを示す図である。
【
図8a-8d】本開示内容の一実施の形態によって呼吸する際の空気の流れを示す図である。
【
図9】本開示内容の一実施の形態による騒音減少効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本開示内容の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付図面と共に詳細に後述されている実施の形態を参照すれば明確になるはずである。しかしながら、本開示内容は、以下に開示される実施の形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態により具現化されることができ、但し本実施の形態は、本開示内容の開示が完全になるようにし、本開示内容が属する技術分野における通常の知識を有した者に発明の範ちゅうを完全に知らせるために提供されるものであり、本開示内容は、請求項の範ちゅうにより定義されるだけである。明細書全般にわたって同じ参照番号で表示された部分は、同じ構成要素を示す。
【0038】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは、図示のように一つの構成要素と他の構成要素との相関関係を容易に述べるために使用されることができる。空間的に相対的な用語は、図示の方向に加えて使用時または動作時構成要素の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図示の構成要素をひっくり返す場合、他の構成要素の「下(below)」または「下(beneath)」と述べられた構成要素は、他の構成要素の「上(above)」に置かれれることができる。したがって、例示的な用語である「下」は、下と上の方向をすべて含むことができる。構成要素は、他の方向にも配向されることができ、これにより空間的に相対的な用語は、配向によって解析されることができる。
【0039】
本明細書で使用された用語は、実施の形態を説明するためのもので、本開示内容を限定するものではない。本明細書において、単数形は、文句において特に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使用される「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」と言及された構成要素、ステップ及び/または動作は、一つ以上の他の構成要素、ステップ及び/または動作の存在又は追加を排除しない。
【0040】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されうるが、前記構成要素は、前記用語により限定されない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するための目的としてのみ使用される。
【0041】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されているか」、または「接続されている」と言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されている場合もありうるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されなければならない。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか、または「直接接続されて」いると言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないと理解されなければならない。
【0042】
単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0043】
別に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本開示内容が属する技術分野における通常の知識を有した者にとって一般に理解されるものと同じ意味を有する。また、一般的な辞書に定義された用語は、明示的に定義されない限り、理想的にまたは過度に解析されない。
【0044】
図面において各構成要素の厚さやサイズは、説明の便宜及び明確性のために誇張、省略または概略的に示された。また、各構成要素のサイズと面積は、実際サイズや面積を全面的に反映するものではない。
【0045】
一般に、以下の説明において使用される構成要素に対する接尾語「モジュール」及び「~部」は、明細書作成の容易さだけが考慮されて付与されるか、または混用されるものであって、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。
【0046】
以下、添付図面を参照して、本開示内容の好ましい実施の形態を説明すれば、以下のとおりである。
図1a及び
図1bは、従来のマスクを示す図である。
【0047】
上述のように、従来のマスクは、
図1aのガイドベーン11または
図1bの多孔性流路12を適用して流路の最適化を試みたが、流動の吸込が不均一であることにより、乱流騒音が発生する等の問題点が依然として存在する。
【0048】
したがって、本開示内容の一実施の形態によるマスク10は、ガイドベーン11または多孔性流路12を適用せずに、流動を均一な状態で吸い込むことができる空気浄化モジュール100を含むことができる。
【0049】
図2は、本開示内容の一実施の形態によるマスクを示す図である。
【0050】
図2に示すように、マスク10は、ユーザの顔に密着するマスク本体20及び前記マスク本体20に装着される空気浄化モジュール100を含むことができる。
【0051】
マスク本体20は、ユーザの顔に密着して、ユーザの鼻と口の前方に空気が収容される内部空間を形成できる。マスク本体20には、外部空気が前記内部空間へ流入する通路を提供する流入部22が形成されることができる。また、マスク本体20には、空気浄化モジュール100が装着される装着部21が形成されることができる。マスク本体20には、内部空気が外部空間へ吐き出される通路を提供する吐出部25が形成されることができる。
【0052】
流入部22は、一つ以上のホール23を含むことができる。空気浄化モジュール100を通過した空気は、前記一つ以上のホール23を介して内部空間へ流入することができる。流入部22の下には、吐出部25が位置できる。吐出部25は、一方向に空気を流動させることによって、内部空気を外部空間へ吐き出すことができる。
【0053】
吐出部25は、一つ以上存在できる。吐出部25は、一方向に空気を流動させることができる。すなわち、吐出部25は、マスク本体20の内部空気を外部空間へ吐き出すことができる。しかしながら、外部空気は、吐出部25を介してマスク本体20の内部空間へ流入することができない。例えば、吐出部25には、チェックバルブが備えられることができる。
【0054】
空気浄化モジュール100は、外部空気をユーザの鼻と口へ強制流動させることができる。このとき、空気浄化モジュール100は、空気浄化モジュール100の側面に垂直な方向へ外部空気を強制流動させることができる。空気浄化モジュール100には、空気の流動のための第1流路が形成されることができる。
空気浄化モジュール100は、一つ以上存在できる。
【0055】
空気浄化モジュール100が一つ存在する場合、マスク本体20の一側に装着されることができ、前記マスク本体20の一側は、ユーザがマスク10を着用した時にユーザ顔の左側または右側でありうる。
【0056】
空気浄化モジュール100が二つ存在する場合、空気浄化モジュール100は、マスク本体20の一側に装着される第1空気浄化モジュール101、及びマスク本体20の他側に装着される第2空気浄化モジュール102を含むことができる。この場合、前記マスク本体20の一側は、ユーザがマスク10を着用した時にユーザ顔の左側または右側でありうる。前記マスク本体20の他側は、ユーザがマスク10を着用した時にユーザ顔の右側または左側でありうる。
【0057】
空気浄化モジュール100が二つ存在する場合、マスク本体20には、外部空気が前記内部空間へ流入する通路を提供する第1流入部及び第2流入部が形成されることができる。第1空気浄化モジュール101を介してろ過された空気は、第1流入部を介して内部空間へ流入することができる。第2空気浄化モジュール102を介してろ過された空気は、第2流入部を介して内部空間へ流入することができる。
【0058】
マスク本体20は、第1流入部の下に配置される第1吐出部を含むことができる。マスク本体20は、第2流入部の下に配置される第2吐出部を含むことができる。第1吐出部及び第2吐出部は、一方向に空気を流動させることによって、内部空気を外部空間へ吐き出すことができる。すなわち、ユーザの呼気時、内部空気は、第1吐出部または第2吐出部のうち、少なくとも一つを介して外部空間へ吐き出されることができる。
【0059】
第1空気浄化モジュール101には、外部空気をユーザの鼻と口へ強制流動させるものの、側面に垂直な方向への空気流動のための第1a流路が形成されることができる。
【0060】
第1空気浄化モジュール101は、以下に後述する空気浄化モジュール100の説明が適用されることができる。すなわち、後述するカバー110、フィルタ120、ファン130、ケース140を含んで、各構成が含む下位構成は、第1カバー、第1フィルタ、第1ファン、第1ケース及びその下位構成と理解されることができる。
【0061】
第2空気浄化モジュール102には、外部空気をユーザの鼻と口へ強制流動させるものの、側面に垂直な方向への空気流動のための第1b流路が形成されることができる。
【0062】
第2空気浄化モジュール102は、第1カバー、第1フィルタ、第1ファン、第1ケース及びその下位構成に対応する第2カバー、第2フィルタ、第2ファン、第2ケース及びその下位構成を含むことができる。
【0063】
第2空気浄化モジュール102は、マスク本体20の中央線30を基準に第1空気浄化モジュール101と左右対称に配置されることができる。すなわち、第2カバー、第2フィルタ、第2ファン、第2ケース及びその下位構成は、中央線30を基準に第1カバー、第1フィルタ、第1ファン、第1ケース及びその下位構成と左右対称に配置されることができる。
【0064】
以下、第2カバー、第2フィルタ、第2ファン、第2ケース及びその下位構成に対する説明は省略するが、後述するカバー110、フィルタ120、ファン130、ケース140及び各構成が含む下位構成と役割及び機能が同じなので、本開示内容分野の通常の技術者にとって容易に理解されることができる。
【0065】
図3は、本開示内容の一実施の形態によるマスク本体を示す図である。
【0066】
図3に示すように、マスク本体20は、装着部21、流入部22及び吐出部25を含むことができる。
【0067】
マスク本体20は、装着部21を介して空気浄化モジュール100と結合できる。空気浄化モジュール100は、装着部21に装着されることができる。具体的に、空気浄化モジュール100は、ケース140を含み、前記ケース140の下端は、装着部21に装着されることができる。
【0068】
流入部22は、装着部21の中央線30方向の側面に存在できる。すなわち、装着部21がマスク本体20の右側の一側に存在する場合、流入部22は、装着部21の左側側面に存在できる。また、装着部21がマスク本体20の左側の一側に存在する場合、流入部22は、装着部21の右側の側面に存在できる。
【0069】
マスク本体20は、流入部22を介して空気浄化モジュール100と結合できる。空気浄化モジュール100の一部分は、流入部22に装着されることができる。具体的に、空気浄化モジュール100は、連結部145を含み、前記連結部145の一面は、流入部22に装着されることができる。
【0070】
一方、連結部145の他の一面は、ケース140と接触することで、連結部145は、ケース140と流入部22を連結できる。
【0071】
流入部22は、一つ以上のホールを含むことができる。
図3を参照すると、ホール23は、一つで示されているが、これに限定されるものではない。すなわち、流入部22は、複数のホールを含むことができる。
【0072】
ホール23は、ろ過された空気がマスク本体20の内部空間へ流入するための第2流路を形成できる。第2流路は、ファン130を通過した空気がケース140及び連結部145の内部空間を通過してホール23まで至る通路を意味できる。この場合、ホール23の大きさは、流入部22の大きさより小さくても良い。
【0073】
流入部22の下には、吐出部25が位置できる。吐出部25の位置は、ユーザの鼻または口の位置に対応できる。すなわち、吐出部25は、流入部22の下に位置することによって、ユーザが吐いた空気を外部空間へ効率的に吐き出すことができる。
【0074】
吐出部25は、一方向に空気を流動させることによって、内部空気を外部空間へ吐き出すことができる。このために、吐出部25には、チェックバルブが備えられることができる。チェックバルブは、内部空気が外部空間へ吐き出される時に開放され、外部空気が内部空間へ流入する時に閉められることができる。
【0075】
換言すれば、ユーザの吸気時、チェックバルブは閉められるので、外部空気は、空気浄化モジュール100を介して流入し、ユーザの呼気時、チェックバルブは開くので、内部空気は、吐出部25を介して外部空間へ吐き出されることができる。
【0076】
マスク本体20は、耳掛け部24をさらに含むことができる。マスク本体20は、マスク本体20の両側に各々形成されてユーザの耳に掛けることができる耳掛け部24を含むことができる。耳掛け部24は、マスク本体20をユーザの顔に密着させて固定させる役割をすることができる。
【0077】
図4は、本開示内容の一実施の形態による空気浄化モジュールの断面図である。
【0078】
図4に示すように、空気浄化モジュール100は、前記空気浄化モジュール100の外観を形成するケース140、前記ケース140の一部分を覆うカバー110、前記ケース140の内部に位置し、外部から流入する空気をろ過するフィルタ120、及び前記ケースの内部に位置し、前記フィルタの内側に存在するファン130を含むことができる。
【0079】
以下の明細書において、内側は、ユーザがマスクを着用した時、ユーザの顔方向またはマスクにより生成された内部空間方向を意味し、外側は、ユーザの顔反対方向または外部空間方向を意味する。
【0080】
ケース140は、空気浄化モジュール100の外観を形成し、ケース140の一面は開放されることができる。ケース140の開放された面を介してファン130とフィルタ120は積層されることができる。
【0081】
カバー110は、ケース140の一部分を覆うことができる。具体的に、カバー110は、ケース140の開放された面を覆うように配置されることができる。カバー110は、前記カバー110の外側に膨らんでいるように曲率を形成する曲面部111、及び前記曲面部111の枠からフィルタ120に平行な方向に伸びる平面部112を含むことができる。
【0082】
以下、カバー110についての詳細な説明は、
図5a及び
図5bにおいて後述する。
【0083】
フィルタ120は、ケース140の内部に位置してケース140に固定されることができる。フィルタ120は、第1流路を介して流入する空気から異物をろ過できる。フィルタ120は、異物をろ過するためのフィルタ部材を含むことができる。例えば、フィルタ部材は、網状のメッシュフィルタ(mash filter)、静電気を利用して異物をろ過する静電フィルタなどを含むことができる。
【0084】
フィルタ120は、ケース140から分離可能に装着されることができる。したがって、ユーザは、フィルタ120が汚染された場合、汚染されたフィルタ120を交替することができる。
フィルタ120の内側には、ファン130が位置できる。
【0085】
ファン130は、ケース140の内部に位置してフィルタ120を通過した空気を吸い込むことができる。図示していないが、ファン130は、ファンモータを含むことができる。ファンモータは、ファン130の回転を駆動するモータでありうる。すなわち、ファンモータの作動によりファン130が回転すると、ファン130を介して外部空気が流入することができる。一方、実施の形態によって、ファンモータは回転して呼気が排出するようにファン130を駆動させることができる。
【0086】
ファン130の厚さは、基準厚より薄く設計されることができる。また、ファン130の回転速度は、フィルタ120の流動抵抗を克服するために基準回転速度より速く回転できる。例えば、基準回転速度は、8,000rpmでありうる。ファン130とフィルタ120との間の間隔は、基準間隔より小さくても良い。
【0087】
ファン130の回転速度は速いが、ファン130とフィルタ120との間の間隔が小さいと、ファン130を介して吸い込まれる空気の流速が一定部分のみに集中することができる。すなわち、フィルタ120のすべての面積を効率的に使用することができなくなる。しかしながら、フィルタ120とカバー110との間に本開示内容の一実施の形態によるエアポケットを形成するようになると、このような問題点を克服できる。
【0088】
ファン130は、遠心式ファンで構成されることができる。すなわち、ファン130は、フィルタ120でろ過された空気をファン130の垂直方向に吸い込み、ファン130の半径方向に吐き出すことができる。ファン130の半径方向には、連結部145が存在し、ファン130から吐き出された空気は、連結部145を介してマスク10の内部空間へ流入することができる。このような遠心式ファンを使用することによって、ファン130の厚さを減少させることができる。これによって、ケース140の厚さを減少させることができ、空気浄化モジュール100の体積及び重さを減少させることができる。
【0089】
ケース140は、フィルタ120が備えられる第1ケース141、ファン130が備えられる第2ケース142、及び第2ケース142とマスク本体20とを連結する連結部145を含むことができる。
【0090】
第1ケース141の内部には、フィルタ120が位置し、第1ケース141は、フィルタ120を固定できる。第1ケース141は、陥没部143が形成され、前記陥没部143を介してカバー110を固定または支持することができる。
【0091】
第2ケース142の内部には、ファン130が位置し、第2ケース142は、ファン130を固定できる。第2ケース142の一面には、連結ホール144が存在し、連結ホール144を介して連結部145に連結されることができる。
【0092】
以下の明細書において、第1ケース141及び第2ケース142に対した説明を区分しないが、後述するケース140についての説明は、第1ケース141及び第2ケース142共に適用されることができる。
【0093】
連結部145は、ケース140の一面からマスク本体20の中央線30の方向に下向き傾斜を形成できる。
図4を参照すると、連結部145は、曲面で下向き傾斜を形成するように示されているが、これに限定されるものではない。すなわち、連結部145は、平面で下向き傾斜を形成できる。
【0094】
連結部145は、マスク本体20の流入部22に連結されることができる。
【0095】
第2ケース142の一面には、連結ホール144が形成されることができる。ファン130を通過した空気は、連結ホール144を介して連結部145の内部に流入することができる。連結部145の内部には、フィルタ120及びファン130を通過した外部空気がマスク本体20の内部空間へ流入する経路である第2流路が形成されることができる。
【0096】
整理すると、フィルタ120を通過した空気は、ファン130の垂直方向へファン130に流入し、ファン130の半径方向に吐き出されて、連結ホール144、連結部145の内部空間及び流入部22のホール23を連結する第2流路を介して、マスク本体20の内部空間へ流入することができる。
【0097】
本開示内容の一実施の形態によるマスク10は、連結部145が中央線30の方向に形成されることによって、フィルタ120を介してろ過された空気をユーザの口と鼻に集中させることができる。すなわち、第2流路は、ろ過された空気の流れを導いてユーザに集中させることによって、ユーザ親和性を高める役割をすることができる。
【0098】
図5a及び
図5bは、本開示内容のマスクに適用されるカバーを示す図である。
【0099】
図5aは、カバー110の斜視図で、
図5bは、カバー110の上面図である。
【0100】
図5a及び
図5bを参照すると、カバー110は、前記カバー110の外側へ膨らんでいるように曲率を形成する曲面部111、及び前記曲面部111の枠からフィルタ120と平行な方向に伸びる平面部112を含むことができる。また、カバー110は、前記平面部112において前記カバー110の内側へ突出して、ケース140と締結することによって、前記カバー110を固定させる突出部113をさらに含むことができる。
【0101】
カバー110は、ケース140の開放された面を覆うように配置されるものの、ケース140と一定間隔分だけ離隔して配置されることができる。ケース140の内部には、ファン130とフィルタ120が順に積層されるので、結果的にカバー110は、フィルタ120と離隔して配置されることができる。カバー110とフィルタ120が離隔されることで、カバー110とフィルタ120との間の空間であるエアポケットが形成されることができる。
【0102】
曲面部111は、カバー110の一部分として、カバー110の外側に曲率を形成できる。カバー110とフィルタ120との間の距離は、曲面部111によって増加できる。すなわち、カバー110とフィルタ120との間の空間であるエアポケットは、曲面部111により広く形成されることができる。また、このようなエアポケットにより、フィルタ120は、空気を均一に吸い込むことができる。
【0103】
平面部112は、曲面部111を除いたカバー110の一部分でありうる。平面部112には、突出部113が形成されることができる。突出部113は、ケース140と締結してカバー110を固定させる役割をする構成であって、曲面部111に形成されることに比べて平面部112に形成されることによって、安定的にカバー110を固定させることができる。
【0104】
カバー110は、突出部113によりケース140に脱着が可能でありうる。ユーザは、フィルタ120の交替のために、カバー110を脱着でき、付着時突出部113は、カバー110をケース140に固定させることができる。また、突出部113は、カバー110を支持できる。
【0105】
図5aを参照すると、カバー110は、突出部113によりケース140と離隔し、離隔した空間を介して外部空気がケース140の内部に流入することができる。図示のように、カバー110が四角形のとき、外部空気は、カバー110の上下左右4面へ流入することができる。
【0106】
カバー110の上下左右4面は、空気浄化モジュール100の側面を意味できる。すなわち、外部空気は、側面を介して空気浄化モジュール100へ流入することができる。この場合、外部空気は、第1流路を介して空気浄化モジュール100へ流入することができる。第1流路は、外部空気が空気浄化モジュール100内に流入する経路を意味できる。
【0107】
具体的に、外部空気は、空気浄化モジュール100の外観を形成するケース140の側面に垂直な方向へ流入することができる。ケース140の側面は、空気浄化モジュール100の側面と同一であっても良い。したがって、空気浄化モジュール100には、ケース140とカバー110が離隔されることで、空気浄化モジュール100の側面に垂直な方向への空気流動のための第1流路が形成されることができる。
【0108】
第1流路は、前記第1流路を介した空気の流動を提供することによって、空気流動による騒音を低減させることができる。また、第1流路は、多孔性流路に比べて広い吸込面積を提供することによって、流量の損失及びそれによる圧力損失を減らすことができる。
【0109】
図5bを参照すると、第1方向500は、カバー110の縦方向(
図5bの上下方向)を意味できる。突出部113の第1方向の長さ510は、カバー110の第1方向の長さ520より短く形成されることができる。突出部113の第1方向の長さ510がカバー110の第1方向の長さ520と同一またはより長いと、カバー110の左右方向を介した空気の流動はふさがることができる。
【0110】
したがって、カバー110の第1方向の長さ520より短く形成された突出部113の第1方向の長さ510は、空気浄化モジュール100にとって、カバー110の上下左右4面方向の流動を発生させて、空気浄化の効率を上げることができる。
【0111】
図6は、本開示内容のさらに他の実施の形態によるカバーを示す図である。
【0112】
図6に示すように、カバー610は、円形でありうる。円形カバー610は、前記カバー610の外側に膨らんでいるように曲率を形成する曲面部611、及び前記曲面部611の枠からフィルタ120と平行な方向に伸びる平面部612を含むことができる。また、カバー610は、前記平面部612から前記カバー610の内側へ突出してケース140と締結することによって、前記カバー610を固定させる突出部613をさらに含むことができる。
【0113】
図6の円形カバー610は、形状だけが異なり、
図5aのカバー110の役割と同一でありうる。ただし、円形カバー610の場合、空気浄化モジュール100は、カバー610の隅に沿って全方向から外部空気を吸い込むことができるから、空気流動能力をさらに向上させることができる。
【0114】
したがって、
図5aのカバー110に対したすべての説明は、カバー110の上下左右4面に対する説明を除いては、
図6の原形カバー610にも適用されることができる。
【0115】
図7は、本開示内容の一実施の形態によるエアポケットが形成されることを示す図である。
【0116】
図7に示すように、エアポケット115は、カバー110とフィルタ120が離隔されることで、カバー110とフィルタ120との間の空間に形成されることができる。
【0117】
曲面部111は、カバー110の外側に曲率を形成できる。これにより、カバー110とフィルタ120との間の距離は、平面部112だけで構成されたカバーが位置する時より増加できる。
【0118】
カバー110とフィルタ120との間の間隔は、曲面部111の中心において最も大きく形成されることができる。すなわち、カバー110とフィルタ120との間の空間であるエアポケット115は、曲面部111により広く形成されることができる。外部空気は、平面部112とケース140との間の狭い空間を介して流入して、広く形成されたエアポケット115に到達することによって、圧力が低くなることができる。
【0119】
外部空気は、第1流路を介して流入して、圧力が低くなったエアポケット115の内部において曲面部111に沿って流動できる。外部空気は、曲面部111に沿って流動しながら、エアポケット115の内部において均一に広まることができる。均一に広まった外部空気は、ファン130の吸込力によりフィルタ120へ均一に流入することができる。
【0120】
すなわち、曲面部111が形成されたカバー110とフィルタ120が離隔されることで、カバー110とフィルタ120との間には、エアポケット115が形成され、前記エアポケット115へ流入した外部空気は、曲面部111に沿ってエアポケット115の内部において均一に広まることができる。これによって、フィルタ120は、外部空気を均一に吸い込むことができ、フィルタ120の全体面積を効率的に使用して、フィルタ120の性能及び耐久性が向上することができる。
【0121】
カバー110は、エアポケット115へ多くの空気を流入させるために、ケース140が離隔されることができる。カバー110には、多孔性流路が形成されないから、空気は、カバー110とケース140との間の空間である第1流路を介して流動できる。カバー110は、突出部113を含み、前記突出部113により支持されることによって、ケース140と離隔されることができる。
【0122】
ケース140は、突出部113を収容する陥没部143を含むことができる。具体的に、陥没部143は、第1ケース141に形成されることができる。突出部113は、陥没部143に締結されることができる。陥没部143は、突出部113を収容することによって、突出部113を固定させることができる。これによって、第1ケース141は、カバー110を固定させることができる。
【0123】
また、陥没部143は、突出部113を収容することによって、カバー110を支持することができる。突出部113は、陥没部143と締結されることによって、カバー110を支持することができる。この場合、カバー110とケース140が離隔されることができる。
【0124】
突出部113の第2方向の長さ710は、陥没部143の深さ720より長く形成されることができる。第2方向700は、内側方向(
図7において下の方向)を意味できる。突出部113の第2方向の長さ710と陥没部143の深さ720とが同一であると、カバー110とケース140とは接するようになり、第1流路がなくなるか、または狭くなって吸込流量が少なくなる。したがって、カバー110とケース140が離隔されるために、突出部113の第2方向の長さ710は、陥没部143の深さ720より一定水準以上長く形成され、十分な第1流路を確保することができる。
【0125】
図8a-
図8dは、本開示内容の一実施の形態によって呼吸時に空気の流れを示す図である。
【0126】
図8a-
図8dは、ユーザの吸気時における空気の移動経路を説明した図である。ユーザの呼気時には、別に示していないが、
図2または
図3の吐出部25を介して外部に吐き出されることができる。
【0127】
以下、
図8aないし
図8dは、ユーザの吸気時における空気の流れを基準として説明する。
【0128】
図8aに示すように、外部空気は、カバー110と第1ケース141との間に形成された第1流路を介して空気浄化モジュール100内に流入することができる(S810)。第1流路は、空気浄化モジュール100の側面に垂直な方向に形成されることができる。空気浄化モジュール100の側面方向は、ケース140の側面方向及びカバー110の側面方向と同一でありうる。
【0129】
空気浄化モジュール100が円形であると、第1流路は、空気浄化モジュール100の半径方向に形成されることができる。この場合、外部空気は、空気浄化モジュール100の側面に垂直な方向である前方向に流入することができる。
【0130】
空気浄化モジュール100が四角形であると、第1流路は、空気浄化モジュール100の側面の上下左右4面に垂直な方向に形成されることができる。この場合、外部空気は、空気浄化モジュール100の側面に垂直な方向に流入することができる。
【0131】
図8bに示すように、第1流路を介して流入した外部空気は、エアポケット115の内部において均一に広まることができる(S820)。エアポケット115は、カバー110とフィルタ120との間の空間に、カバー110の曲面部111により広く形成されることができる。外部空気は、圧力が低くなったエアポケット115の内部において、曲面部111に沿って均一に広まることができる。
【0132】
フィルタ120とファン130との間の間隔が小さくなるほど、空気浄化モジュール100の体積感及び重さが小さくなることができる。したがって、フィルタ120とファン130との間の間隔は、一定間隔以下に形成されることができる。
【0133】
しかしながら、フィルタ120とファン130との間の間隔が一定間隔以下である状態において、ファン130を8,000rpm以上の高rpmで回転させると、不均一な空気の流れが発生できる。エアポケット115は、このような不均一な空気の流れを防止できる。すなわち、エアポケット115は、カバー110とフィルタ120との間の圧力を下げることによって、均一な吸込流動を発生させることができる。
【0134】
図8cに示すように、エアポケット115を介して均一に広まった外部空気は、ファン130の回転力によりフィルタ120及びファン130へ均一に吸い込まれることができる(S830)。これにより、フィルタ120の全体面積を均一に使用することができ、フィルタ120の性能及び耐久性を向上させることができる。
【0135】
ファン130は、遠心式ファンを使用することができる。ファン130は、フィルタ120でろ過された空気をファン130の垂直方向へ吸い込み、ファン130の半径方向へ吐き出すことができる。具体的に、ファン130は、空気を連結ホール144の方向へ吐き出すことができる。このような遠心式ファンを使用することによって、ファン130の厚さを減少させることができる。これによって、ケース140の厚さを減少することができ、空気浄化モジュール100の体積及び重さを減少できる。
【0136】
図8dに示すように、ファン130の半径方向に吐き出された空気は、連結部145の内部空間に形成された第2流路を介してマスク本体20の内部空間へ流入することができる(S840)。
【0137】
ファン130の半径方向には、連結部145が存在できる。具体的に、連結部145は、ケース140の一面においてマスク本体20の中央線30方向に下向き傾斜を形成し、マスク本体20の流入部22に連結されることができる。ケース140の一面には、連結ホール144が形成されることができる。ファン130を通過した空気は、連結ホール144を介して連結部145の内部に流入し、流入部22のホール23を介してマスク本体20の内部空間へ流入することができる。
【0138】
図9は、本開示内容の一実施の形態による騒音減少効果を示す図である。
【0139】
図9に示すように、本開示内容の一実施の形態によるマスク10は、従来のファンを備えたマスクに比べて騒音発生を減少する効果がある。
【0140】
風量(LPM)に応じる騒音(dB)を測定すると、従来のファンを備えたマスクの場合(910)に比べて、マスク10の場合(920)に騒音が低減したことが分かる。従来のマスクの場合、流路を最適化するために、多孔性流路を適用する場合が多かった。この場合、流動吸込が不均一であるから、騒音が大きく発生する。
【0141】
本開示内容の一実施の形態によるマスク10は、多孔性流路を適用しないながら、第1流路を介して吸込面積を増やしながらも騒音発生を減らすことができる。また、カバー110に曲面部111を形成させることによって、カバー110とフィルタ120との間にエアポケット115を確保することができる。
【0142】
特に、フィルタ120とカバー110の中心は間隔が最も広く、好ましくは、 5mmのギャップが存在できる。このようなエアポケット115を介して、流動空間を平面形状のカバーよりさらに確保することができる。また、エアポケット115は、吸込流動の不均一さを解消でき、騒音減少及びフィルタ120とカバー110との間の圧力を減少する効果がある。
【0143】
以上、本開示内容の好ましい実施の形態に対して図示し説明したが、本発明は、上述した特定の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本開示内容の要旨から逸脱せずに当該発明が属する技術分野における通常の知識を有した者によって多様な変形実施が可能であることはもちろんで、このような変形実施は、本開示内容の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならない。