(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】ピクセル情報の決定
(51)【国際特許分類】
H04N 23/745 20230101AFI20240112BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240112BHJP
G06T 5/50 20060101ALI20240112BHJP
H04N 23/76 20230101ALI20240112BHJP
【FI】
H04N23/745
A61B5/00 M
G06T5/50
H04N23/76
(21)【出願番号】P 2022576021
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(86)【国際出願番号】 EP2021064899
(87)【国際公開番号】W WO2021249857
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-12-09
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ブールキン ヤニク パルリアン ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】パレロ ジョナサン アランブラ
(72)【発明者】
【氏名】ダモダラン マシヴァナン
(72)【発明者】
【氏名】フェルハーフェン リエコ
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-189521(JP,A)
【文献】特開2019-106588(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0154024(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/745
A61B 5/00
G06T 5/50
H04N 23/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間的に変調された照明によって照らされた被写体の、第1の画像フレーム、第2の画像フレーム及び第3の画像フレームを取得する少なくとも2つのイメージングデバイスを含むイメージングシステムによって取得される第1の画像フレーム、第2の画像フレーム、及び第3の画像フレームの少なくとも一部に対応するピクセル強度値を受信するステップであって、前記第1の画像フレームと前記第2の画像フレームとの間の取得開始時間の時間遅延は、前記第1の画像フレーム及び前記第2の画像フレームの取得中に時間のオーバーラップがあるような時間遅延であり、前記第2の画像フレームと前記第3の画像フレームとの間の取得開始時間の時間遅延は、前記第2の画像フレーム及び前記第3の画像フレームの取得中に時間のオーバーラップがあるような時間遅延であり、前記第1の画像フレームと前記第2の画像フレームとの間の取得開始時間の時間遅延と前記第2の画像フレームと前記第3の画像フレームとの間の取得開始時間の時間遅延とは前記時間的に変調された照明の変調時間に基づいており、前記
時間遅延は、前記
イメージングシステムが各画像フレームを取得するイメージング時間と、前記時間的に変調された照明の前記変調時間とのタイミング関係が、異なる空間的強度変調パターンが前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム及び前記第3の画像フレームの各々に記録されるようなものであるように、オーバーラップした取得時間内の時間で部分的に取得される画像フレームの数で、前記変調時間を割ったものに相当する、受信するステップと、
前記被写体の修正された画像を構築するための修正されたピクセル強度値を決定するステップであって、前記決定は、
各異なる対の組み合わせに対するピクセル強度値を決定するために、
前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームの各異なる対の組み合わせの受信した前記ピクセル強度値間の差であって、前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム及び前記第3の画像フレームの各々が取得されたときにある周囲照明の影響を低減する当該差と、
前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームの各々に現れる空間的強度変調パターンを相殺するために、各異なる対の組み合わせに対して決定されたピクセル強度値の組み合わせとに基づいている、決定するステップと、
を含む、コンピュータ実施方法。
【請求項2】
前記被写体の前記修正された画像を構築するための前記修正されたピクセル強度値は、
各異なる対の組み合わせの各対応するピクセルに対して得られるピクセル強度値を作るために、前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームのうちの各異なる対の組み合わせから対応するピクセルのピクセル強度値を差し引くことであって、当該差し引くことは、前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームの各々が取得されたときにある周囲照明の影響を低減する当該差し引くことと、
前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームの各々に現れる前記空間的強度変調パターンを相殺するために、各異なる対の組み合わせの前記得られるピクセル強度値を二乗し、各二乗したピクセル強度値を加算することと
に基づいて決定される、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項3】
前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームの間の前記空間的強度変調パターンの位相シフトが等しく、前
記被写体の前記修正された画像M
ACを構築するための前記修正されたピクセル強度値は、式
【数1】
に基づいて決定され、
ここで、I
1は前記第1の画像フレームのピクセル強度値を示し、I
2は前記第2の画像フレームのピクセル強度値を示し、I
3は前記第1の画像フレームのピクセル強度値を示す、請求項1又は2に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項4】
前記イメージングデバイスのうちの1つを使用して、前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームのうちの少なくとも1つを取得し、前記イメージングデバイスのうちの少なくとも1つの他のイメージングデバイスを使用して、前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームのうちの少なくとも1つの他の画像フレームを取得する、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項5】
前記イメージングシステムに前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームを取得させるステップをさらに含む、請求項3又は4に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項6】
前記時間的に変調された照明の変調パラメータの指示を受信するステップと、前記指示に基づいて前記イメージングシステムの動作パラメータを決定するステップと、前記動作パラメータに従って前記イメージングシステムを動作させるステップと、を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項7】
前記時間的に変調された照明の変調周波数、及び/又は前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームに関連付けられたフレームレートは、前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームの前記空間的強度変調パターン間の位相シフトが同じになるように設定されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項8】
前記修正されたピクセル強度値を決定するステップの前に、前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレーム内の前記被写体の位置が同じかどうかを識別するステップと、前記画像フレームのうちの少なくとも1つの画像フレームにおける前記被写体の位置の前記画像フレームのうちの少なくとも1つの他の画像フレームと比較した差が閾値を超える場合、前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームの各々における前記被写体の前記位置が同じであるように、前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームのうちの少なくとも1つにおいて、画像シフト操作を実施するステップと、を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項9】
前記イメージングシステムは、前記イメージングシステムが各画像フレームを取得する前記イメージング時間と、前記時間的に変調された照明の前記変調時間との前記タイミング関係によるモードで動作し、前記モードは、
前記イメージングシステムの前記イメージング時間が前記変調時間よりも長いロールシャッタモード、又は
前記イメージング時間が前記変調時間よりも短いグローバルシャッタモードである、請求項1から8のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項10】
前記ピクセル強度値を受信するステップは、前記被写体の少なくとも1つの追加画像の少なくとも一部に対応するピクセル強度値を受信するステップをさらに含み、前記第3の画像フレームと前記少なくとも1つの追加画像フレームとの間の前記取得開始時間の前記時間遅延は、前記第3の画像フレーム及び前記少なくとも1つの追加画像フレームの取得中に時間のオーバーラップがあるような時間遅延であり、
前記第3の画像フレームと前記少なくとも1つの追加画像フレームとの間の前記時間遅延は前記時間的に変調された照明の前記変調時間に基づいており、
前記
時間遅延は、前記
イメージングシステムが各画像フレームを取得するイメージング時間と、前記時間的に変調された照明の前記変調時間とのタイミング関係が、異なる空間的強度変調パターンが前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、前記第3の画像フレーム及び前記少なくとも1つの追加画像フレームの各々に記録されるようなものであるように、オーバーラップした取得時間内の時間で部分的に取得される画像フレームの数で、前記変調時間を割ったものに相当し、
前記修正されたピクセル強度値は、
各異なる対の組み合わせに対するピクセル強度値を決定するために、前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、前記第3の画像フレーム及び前記少なくとも1つの追加画像フレームの各異なる対の組み合わせの受信した前記ピクセル強度値間の差であって、前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、前記第3の画像フレーム及び前記少なくとも1つの追加画像フレームの各々が取得されたときにある周囲照明の影響を低減する当該差と、
前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、前記第3の画像フレーム及び前記少なくとも1つの追加画像フレームの各々に現れる空間的強度変調パターンを相殺するために、各異なる対の組み合わせに対して決定されたピクセル強度値の組み合わせとに基づいている、
請求項1から9のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項11】
命令を保存している有形機械可読媒体であって、前記命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1から10のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法を実施させる、有形機械可読媒体。
【請求項12】
処理回路を含む装置であって、前記処理回路は、
時間的に変調された照明によって照らされた被写体の、第1の画像フレーム、第2の画像フレーム及び第3の画像フレームを取得する少なくとも2つのイメージングデバイスを含むイメージングシステムによって取得される第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の少なくとも一部に対応するピクセル強度値を受信する受信モジュールであって、前記第1の画像フレームと前記第2の画像フレームとの間の取得開始時間の時間遅延は、前記第1の画像フレーム及び前記第2の画像フレームの取得中に時間のオーバーラップがあるような時間遅延であり、前記第2の画像フレームと前記第3の画像フレームとの間の取得開始時間の時間遅延は、前記第2の画像フレーム及び前記第3の画像フレームの取得中に時間のオーバーラップがあるような時間遅延であり、前記第1の画像フレームと前記第2の画像フレームとの間の取得開始時間の時間遅延と前記第2の画像フレームと前記第3の画像フレームとの間の取得開始時間の時間遅延とは前記時間的に変調された照明の変調時間に基づいており、前記
時間遅延は、前記
イメージングシステムが各画像フレームを取得するイメージング時間と、前記時間的に変調された照明の前記変調時間とのタイミング関係が、異なる空間的強度変調パターンが前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム及び前記第3の画像フレームの各々に記録されるようなものであるように、オーバーラップした取得時間内の時間で部分的に取得される画像フレームの数で、前記変調時間を割ったものに相当する、受信モジュールと、
前記被写体の修正された画像を構築するための修正されたピクセル強度値を決定する決定モジュールであって、前記決定は、
各異なる対の組み合わせに対するピクセル強度値を決定するために、
前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームの各異なる対の組み合わせの受信した前記ピクセル強度値間の差であって、前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム及び前記第3の画像フレームの各々が取得されたときにある周囲照明の影響を低減する当該差と、
前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームの各々に現れる空間的強度変調パターンを相殺するために、各異なる対の組み合わせに対して決定されたピクセル強度値の組み合わせとに基づいている、決定モジュールと、
を含む、装置。
【請求項13】
前記第1の画像フレーム、前記第2の画像フレーム、及び前記第3の画像フレームの少なくとも一部に対応する前記ピクセル強度値を取得する前記イメージングシステム、及び/又は前記時間的に変調された照明を提供する照明ユニットをさらに含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記イメージングシステムは、前記イメージングシステムが各画像フレームを取得する前記イメージング時間と、前記時間的に変調された照明の前記変調時間との前記タイミング関係によるモードで動作し、前記モードは、
前記イメージングシステムの前記イメージング時間が前記変調時間よりも長いロールシャッタモード、又は
前記イメージング時間が前記変調時間よりも短いグローバルシャッタモードである、請求項12又は13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の設定におけるイメージングで使用するための方法、装置、及び有形機械可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
邪魔にならない測定及びモニタリングの分野における関心のあるトピックは、パーソナルケア及びヘルスアプリケーション用のスキンセンシングに関する。皮膚の定量化や、検出するには小さすぎたり、気付くにはかすかすぎたり、追跡するには遅すぎたりする情報をユーザに提供し得る皮膚の特徴のモニタリングを可能にするスキンセンシングシステムが開発されている。ユーザにとって許容範囲内の結果を出すには、このようなスキンセンシングシステムは、スキンセンシングを実行する際に、感度と特異性を提供する必要がある。このようなスキンセンシングシステムによって測定される測定値が、堅牢で信頼性の高いものであることが証明されるならば、ユーザはこれらのスキンセンシングシステムに信頼を構築することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
イメージングベースのスキンセンシングシステムは、周囲照明の変動などの制御が困難なパラメータによって影響を受ける可能性のある情報を決定する必要がある。例えばユーザの自宅などの特定の非制御環境は、未定義の周囲照明、及び/又は変動する可能性のある周囲照明を特徴とする。このような非制御環境では、ユーザの皮膚の誤った測定につながる可能性があり、これは、ユーザが許容できない結果や信頼できない結果を招く可能性がある。一部のイメージングベースのスキンセンシングシステムで使用される一部のカメラ(スマートフォンのカメラなど)のイメージング性能は、イメージングデータが予測不可能又は信頼できないように変動する可能性がある。
【0004】
イメージングベースのスキンセンシングシステムは、ユーザの皮膚及び/又は周囲の照明条件に関する特定の情報を決定するために、様々な画像処理手法を実施できる。ユーザとイメージングシステム間の相対的な動きが、特定の画像処理手法を実施する際にエラーを引き起こす可能性がある。
【0005】
本明細書に説明する態様又は実施形態は、特定の設定でのイメージングの向上に関する。本明細書に説明する態様又は実施形態は、被写体(ユーザなど)とイメージングシステム間に相対的な動きがある場合に特定の画像処理手法に関連付けられる1つ以上の問題を除去できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、方法が説明される。本方法はコンピュータ実装方法である。本方法は、時間的に変調された照明によって照らされた被写体の第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の少なくとも一部に対応するピクセル情報を受信するステップを含む。第1の画像、第2の画像、及び第3の画像はイメージングシステムによって取得される。第1の画像と第2の画像と第3の画像との間の取得開始時間の時間遅延は、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の取得中に時間のオーバーラップがあるような時間遅延である。本方法はさらに、被写体の修正された画像を構築するための修正されたピクセル情報を決定するステップを含む。決定された修正されたピクセル情報は、受信したピクセル情報における周囲照明の影響を低減するために、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の受信したピクセル情報間の差に基づいている。決定された修正されたピクセル情報はさらに、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の各々に現れる空間的強度変調パターンを相殺するために、受信したピクセル情報の組み合わせに基づいている。空間的強度変調パターンは、イメージングシステムが各画像を取得するイメージング時間と、時間的に変調された照明の変調時間とのタイミング関係に起因する。
【0007】
第1の態様に関連するいくつかの実施形態について以下に説明する。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1の画像と第2の画像と第3の画像との間の取得開始時間の時間遅延は、時間的に変調された照明の変調時間に基づいている。取得開始時間の時間遅延は、変調時間を画像の数で割ったものに相当する。
【0009】
いくつかの実施形態では、イメージングシステムは、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像を取得する少なくとも2つのイメージングデバイスを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、イメージングデバイスのうちの1つは、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像のうちの少なくとも1つを取得するために使用され、イメージングデバイスのうちの少なくとも1つの他のイメージングデバイスは、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像のうちの少なくとも1つの他の画像を取得するために使用される。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、イメージングシステムに第1の画像、第2の画像、及び第3の画像を取得させるステップを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、時間的に変調された照明の変調パラメータの指示を受信するステップと、指示に基づいてイメージングシステムの動作パラメータを決定するステップと、動作パラメータに従ってイメージングシステムを動作させるステップとを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、時間的に変調された照明の変調周波数、及び/又は第1の画像、第2の画像、及び第3の画像に関連付けられたフレームレートは、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の空間的強度変調パターン間の位相シフトが同じになるように設定されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、修正されたピクセル情報を決定するステップの前に、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像内の被写体の位置が同じかどうかを識別するステップを含む。上記画像のうちの少なくとも1つの画像における被写体の位置の上記画像のうちの少なくとも1つの他の画像と比較した差が閾値を超える場合、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の各々における被写体の位置が同じであるように、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像のうちの少なくとも1つにおいて、画像シフト操作を実施するステップを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、被写体の修正された画像を構築するための修正されたピクセル情報は、受信したピクセル情報における周囲照明の影響を低減するために、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像のうちの異なる対の組み合わせのピクセル情報を差し引き、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の各々に現れる空間的強度変調パターンを相殺するために、受信したピクセル情報を組み合わせることによって決定される。
【0016】
いくつかの実施形態では、イメージングシステムは、イメージングシステムが各画像を取得するイメージング時間と、時間的に変調された照明の変調時間とのタイミング関係によるモードで動作する。モードは、イメージングシステムのイメージング時間が変調時間よりも長いロールシャッタモード、又は、イメージング時間が変調時間よりも短いグローバルシャッタモードである。
【0017】
いくつかの実施形態では、データを受信するステップは、被写体の少なくとも1つの追加画像の少なくとも一部に対応するピクセル情報を受信するステップをさらに含み、第1の画像と第2の画像と第3の画像と少なくとも1つの追加画像との間の取得開始時間の時間遅延は、第1の画像、第2の画像、第3の画像、及び少なくとも1つの追加画像の取得中に時間のオーバーラップがあるような時間遅延である。修正されたピクセル情報は、受信したピクセル情報における周囲照明の影響を低減するために、第1の画像、第2の画像、第3の画像、及び少なくとも1つの追加画像の受信したピクセル情報間の差と、第1の画像、第2の画像、第3の画像、及び少なくとも1つの追加画像の各々に現れる空間的強度変調パターンを相殺するために、受信したピクセル情報間の組み合わせとに基づいている。
【0018】
第2の態様では、有形機械可読媒体が説明される。本有形機械可読媒体は、命令を保存し、この命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに第1の態様又は任意の関連する実施形態による方法を実施させる。
【0019】
第3の態様では、装置が説明される。装置は処理回路を含む。処理回路は、受信モジュールと、決定モジュールとを含む。受信モジュールは、時間的に変調された照明によって照らされた被写体の第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の少なくとも一部に対応するピクセル情報を受信する。第1の画像、第2の画像、及び第3の画像はイメージングシステムによって取得される。第1の画像と第2の画像と第3の画像との間の取得開始時間の時間遅延は、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の取得中に時間のオーバーラップがあるような時間遅延である。決定モジュールは、被写体の修正された画像を構築するための修正されたピクセル情報を決定する。決定された修正されたピクセル情報は、受信したピクセル情報における周囲照明の影響を低減するために、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の受信したピクセル情報間の差に基づいている。決定された修正されたピクセル情報はさらに、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の各々に現れる空間的強度変調パターンを相殺するために、受信したピクセル情報の組み合わせに基づいている。空間的強度変調パターンは、イメージングシステムが各画像を取得するイメージング時間と、時間的に変調された照明の変調時間とのタイミング関係に起因する。
【0020】
第3の態様に関連するいくつかの実施形態について以下に説明する。
【0021】
いくつかの実施形態では、上記の装置はさらに、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の少なくとも一部に対応するピクセル情報を取得するイメージングシステム、及び/又は時間的に変調された照明を提供する照明ユニットをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、イメージングシステムは少なくとも2つのイメージングデバイスを含む。イメージングシステムは、イメージングシステムが各画像を取得するイメージング時間と、時間的に変調された照明の変調時間とのタイミング関係によるモードで動作する。モードは、イメージングシステムのイメージング時間が変調時間よりも長いロールシャッタモード、又は、イメージング時間が変調時間よりも短いグローバルシャッタモードである。
【0023】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明する実施形態から明らかになり、また、当該実施形態を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の例示的な実施形態を、例としてのみ、次の図面を参照して以下に説明する。
【0025】
【
図1】
図1は、一実施形態による特定の設定でのイメージングを向上させる方法を示す。
【
図2】
図2は、一実施形態による特定の設定でのイメージングを向上させるためのシステムの概略図である。
【
図3a-3b】
図3は、2つの実施形態によるイメージングシステムの概略図である。
【
図4】
図4は、一実施形態による、本明細書に説明する特定の方法を実施するためのシステムの概略図である。
【
図5a-5b】
図5は、2つの実施形態によるイメージングシステムの概略図である。
【
図6】
図6は、一実施形態による特定の設定でのイメージングを向上させる方法を示す。
【
図7】
図7は、一実施形態による特定の設定でのイメージングを向上させるための機械可読媒体の概略図である。
【
図8】
図8は、一実施形態による特定の設定でのイメージングを向上させるための装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
特定の設定では、周囲照明が特定のイメージングベースのスキンセンシングシステムの性能に影響を与える可能性がある。イメージングシステムによって取得された画像は、被写体とイメージングシステムとの間の相対な動きによって生じるアーチファクトの影響を受けている場合がある。この相対的な動きは、被写体が同じ位置に簡単に留まることができないこと、及び/又はイメージングシステムを含むデバイスを被写体が持っていて、被写体はイメージングシステムを安定させ続けることが難しいことが原因であり得る。デバイスの例には、スマートフォン、タブレット、スマートミラー、又は被写体の画像若しくは画像を表現するものを表示できる他のデバイスなどのスマートデバイスが含まれる。
【0027】
この相対的な動きは、被写体の連続した一連の画像が画像フレーム内の異なる位置に被写体を示す及び/又は一連の画像において被写体の外観を歪める可能性があることを意味する。したがって、本明細書に説明する実施形態は、周囲照明の補正、正規化、及び/又は連続画像間の周囲照明変動の影響の低減など、特定の画像処理手法を実行するときに、この相対的な動きの影響を低減するやり方を提供する。
【0028】
図1は、特定の設定でのイメージングを向上させる方法100(例えばコンピュータ実施方法)を示している。方法100は、ユーザデバイスなどのコンピュータ、又はサーバ若しくはクラウドベースのサービス(例えばユーザデバイスと通信的に結合されている)によって実施される。
【0029】
方法100は、ステップ102において、時間的に変調され照明によって照らされた被写体の第1の画像、第2の画像、及び第3の画像(イメージングシステムによって取得される)の少なくとも一部に対応するピクセル情報(例えばピクセル強度値などの「データ」又は「強度データ」)を受信することを含む。第1の画像と第2の画像と第3の画像との間の取得開始時間の時間遅延は、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の取得中に時間のオーバーラップがあるような時間遅延である。
【0030】
第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の画像取得(例えば以下で詳しく説明するイメージングシステムによる)中、これらの画像の一部が、この方法100を実施するコンピュータによって受信される。例えばロールシャッタモードで動作するイメージングシステムによって画像が取得される実施形態では、画像の一部が取得されてコンピュータに送信され、画像の後続の部分が取得されてコンピュータに送信される前に処理される。つまり、方法100の残りの実施を容易にするために、画像フレーム全体を取得する必要はない。ただし、場合によっては、方法100の残りを実施する前に画像全体が取得されることもある。
【0031】
以下で詳しく説明するように、照明ユニットが時間的に変調された照明を提供する。照明ユニットは、方法100を実施する同じコンピュータによって制御されてもされなくてもよい。時間的に変調された照明は、時間の関数として強度が変化する被写体用の照明を提供する。例えば時間的に変調された照明は、経時的な照明強度レベルの正弦変動など、周期的に変化する照明強度レベルを有する。
【0032】
各画像の全体的な取得時間は、イメージングシステムのイメージングデバイスのフレームレートによって規定される。例えば一部のイメージングデバイスは30fpsのフレームレートで動作するため、各フレームが30ms以上で取得される。他のイメージングデバイスの中には、異なるフレームレートで動作するものもある。特定のイメージングデバイスでは、高いフレームレート(例えば30fpsを超える)が達成され、相対的な動きに起因する取得画像におけるアーチファクトを低減するが、フレームあたりの露光時間が短くなるため、得る光が少なく(これは画質に影響する可能性がある)、及び/又はこれらのイメージングデバイスは、フレームレートが低い他のイメージングデバイスよりも、比較的高価である及び/又は実施が複雑な場合がある。逆に、特定のイメージングデバイスでは、より低いフレームレート(30fps未満など)が達成され、相対的な動きに起因する取得画像におけるアーチファクトを増加させるが、フレームあたりの露光時間が長くなるため、フレームレートの高いイメージングデバイスと比較して画質が向上する場合がある。
【0033】
後続の各画像の取得開始時間の遅延が各画像の全体的な取得時間よりも小さい場合、イメージングシステムは、事実上高いフレームレートで動作する一方で、適切な画質も提供する(各画像の露光時間が、画像に十分な光を得るのに依然として十分な長さであるため)。例えば各画像の取得に30msかかる場合、第1の画像の取得は、時間t=0(ゼロ)msから開始される。第2の画像の取得は、時間t=0の後、30ms未満の時間(例えば、t=5ms、又は別の適切な時間)から開始される。第3の画像の取得は、時間t=0の後、30ms未満の時間(例えば、t=10ms、又は別の適切な時間)から開始される。したがって、第2の画像及び第3の画像の各々の取得は、第1の画像が取得されている間に開始される。さらに、第3の画像の取得は、第2の画像が取得されている間に開始される。例えば、40msの時間フレーム内に3枚の画像が取得される場合(上記の例のように)、実効フレームレートは3/40ms=75fpsになる(つまり、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の取得がオーバーラップしない30fpsではなく)。したがって、高いフレームレートが達成される一方で、露光時間が十分に長く、適切な画質を達成できる。
【0034】
以下でより詳細に説明するように、イメージングシステムは、ステップ102で説明されたように、少なくとも第1の画像、第2の画像、及び第3の画像を時間遅延で取得して、高いフレームレートを達成する一方で、適切な画質も提供する。
【0035】
方法100はさらに、ステップ104において、被写体の修正された画像(本明細書では「周囲補正された画像」と呼ぶ)を構築するための修正されたピクセル情報(ピクセル強度値など)を決定することを含む。修正されたピクセル情報は、受信したピクセル情報における周囲照明の影響を低減するために、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の受信したピクセル情報間の差に基づいている。修正されたピクセル情報はさらに、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の各々に現れる空間的強度変調パターンを相殺するために、受信したピクセル情報の組み合わせに基づいている。空間的強度変調パターンは、イメージングシステムが各画像を取得するイメージング時間と、時間的に変調された照明の変調時間とのタイミング関係に起因する。つまり、ステップ104は、光源によって引き起こされる周囲照明の影響を低減するために、被写体の画像(即ち、「修正された画像」)の推定強度分布(即ち、「修正されたピクセル情報」)を決定する。推定強度分布の決定は、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の各々における空間的強度変調パターンに基づいている。
【0036】
空間的強度変調パターンは、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の各々において観察される。空間的強度変調パターンは、時間的に変調された照明によって、画像の取得中に時間の経過に伴って照明レベルに変化がもたらされた結果である(例えばいくつかの実施形態では、これはイメージングデバイスの異なる空間的部分が、これらの空間的部分をスキャンしている間に、変化する照明レベルを検出することをもたらすロールシャッタ効果が原因であり得る)。例えばイメージングデバイスの特定の空間的部分が、照明ユニットによって提供される照明レベルが高い特定の時間に、比較的高い照明レベルを記録し、イメージングデバイスの別の空間的部分が、照明ユニットによって提供される照明レベルが低い同じフレーム内の後の時間に、比較的低い照明レベルを記録する。
【0037】
これは、画像全体において他の領域よりも比較的高い照明レベルを有する特定の領域を示すことを意味し、これが「空間的強度変調パターン」を表していると考えられる。このパターンの例を以下に示す。画像取得の相対的なタイミング(即ち、「タイミング関係」)、画像取得レート、及び時間的に変調された照明の変調周波数によって、空間的強度変調パターンは後続の画像間で異なる。したがって、場合によっては、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像はそれぞれ異なる空間的強度変調パターンを有する。この情報から、光源(例えば電球、日光など、照明ユニットとは異なる光源)による周囲照明の影響を低減する画像(即ち、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像に基づいて構築された周囲補正画像又は周囲補償画像)の強度分布を推定できる。つまり、空間的強度変調パターンは、イメージングシステムが各画像を取得するイメージング時間と、時間的に変調された照明の変調時間とのタイミング関係に起因する。ステップ104に関連して述べたように、受信したピクセル情報の組み合わせによって、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の各々に現れる空間的強度変調パターンが相殺される一方で、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の受信したピクセル情報間の差によって、受信したピクセル情報における周囲照明の影響が低減される。
【0038】
本明細書に説明する特定の方法(例えば方法100)では、周囲補正(又は正規化)された画像を比較的短い捕捉時間で得ることができ、これにより、対処されなければ周囲照明の影響の低減に悪影響を及ぼす相対的な動きによるアーチファクトを低減できる。各画像で捕捉された光の量は、以下により詳細に説明する周囲光の低減、補正、又は正規化を容易にするための適切な画質を提供するのに十分である。
【0039】
上記の時間的に変調された照明の手法を使用した周囲光の低減、正規化、又は補正の場合、周囲光除去の品質は、相対的な動きによって影響を受ける。本明細書に説明する特定の実施形態によれば、比較的高速な画像取得時間が達成され、この結果、スキンセンシングアプリケーションに有用な画質で、相対的な動きに堅牢な周囲光の低減、補正、又は正規化がもたらされる。
【0040】
図2は、特定の実施形態によるイメージングを向上させる例示的なシステム200を示している。システム200は、上記の方法100や下記の方法600など、本明細書に説明する特定の方法を少なくとも部分的に実施できる。
【0041】
システム200は、被写体202によって使用され、イメージングシステム204と照明ユニット206とを含む。イメージングシステム204を使用して、方法100で参照された画像を取得する。照明ユニット206を使用して、時間的に変調された照明を提供する。イメージングシステム204及び/又は照明ユニット206は、上記のようなユーザデバイスに実装できる。したがって、いくつかの例では、別々のユーザデバイスがイメージングシステム204と照明ユニット206とを含んでいてもよいし、別の例では、同じユーザデバイスがイメージングシステム204及び照明ユニット206を含んでいてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、イメージングシステム204は、被写体202の表面と相互作用する単一又は複数の光源を検出できる画像又はビデオを捕捉する少なくとも2つのイメージングデバイス(例えばロールシャッタモードのカメラ)を含む。少なくとも2つのイメージングデバイスのフレームレートは、互いに類似している。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも2つのイメージングデバイスのイメージング軸が実質的に同一線上にある。
【0043】
システム200はさらに、コンピュータ208を含む(例えばユーザデバイスに実装される処理回路、又は本明細書に説明する特定の方法を実施するためにサーバ若しくはクラウドベースのサービスを含む)。したがって、コンピュータ208は、イメージングシステム204及び照明ユニット206と通信可能に結合して、これらのコンポーネントとの間で情報を送受信する。例えばコンピュータ208は、イメージングシステム204から第1の画像、第2の画像、及び第3の画像に対応するデータを受信する。このデータは、コンピュータ208の処理回路によって処理されるか、及び/又はメモリ(例えばコンピュータ208のメモリであるか又はコンピュータ208の処理回路がアクセス可能)に保存される。いくつかの実施形態では、コンピュータ208はイメージングシステム204及び/又は照明ユニット206の動作を制御する。いくつかの実施形態では、コンピュータ208は、照明パラメータ(例えば照明ユニット206の動作パラメータ)及び/又は検出パラメータ(例えばイメージングシステム204の動作パラメータ)を制御し、捕捉した画像又はビデオを保存及び/又は処理するためのコントローラを含む。
【0044】
図3a~
図3bは、2つの実施形態による、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像を取得するための(例えば
図2に示すシステム200の)2つの異なるイメージングシステム304a及び304bを概略的に示している。
【0045】
図3aのイメージングシステム304aは、第1のイメージングデバイス310a及び第2のイメージングデバイス310bを含む。これらの2つのイメージングデバイス310a~310bをトリガして、画像間に時間遅延がある画像の取得を開始する一方で、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像のうちの少なくとも2つの画像間に時間オーバーラップを依然として提供する。
図3aのタイムラインに、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像(図ではそれぞれ「1」、「2」、「3」のラベルが付いている)の取得タイミングを示している。取得の開始時に、第1のイメージングデバイス310aを使用して第1の画像「1」が得られる。第1の画像の全体の取得時間(例えば
図3aのボックス「1」の「長さ」を参照)よりも短い時間遅延の後、第2のイメージングデバイス310bを使用して第2の画像「2」が得られる。第2の画像の全体の取得時間(例えば
図3aのボックス「2」の「長さ」を参照)よりも短い別の時間遅延の後、第1のイメージングデバイス310aを使用して(即ち、第1の画像「1」の取得を完了した後に)第3の画像「3」が得られる。
【0046】
上記の実装形態における2つのイメージングデバイス310a、310bを使用すると、単一のイメージングデバイスを使用する場合よりも、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像を短時間で取得できる。したがって、イメージングシステム304aを使用して実効フレームレートを高めることができる。この例では、第2の画像「2」の取得開始時間は、第1の画像「1」の取得中の中間点にある。例えば第1の画像「1」の取得時間が30msの場合、第2の画像「2」の取得は、第1の画像「1」の取得を開始してから15ms後に開始される。同様に、第2の画像「2」に対して第3の画像「3」の取得が開始される。このタイミング設定は、他の実施形態では異なっていてもよい。例えば第2の画像「2」は、第1の画像「1」の取得開始に対して異なる時間遅延で取得され(例えば中間点の前又は後)、同様に、第2の画像「2」に対して第3の画像「3」が取得される。
【0047】
図3bのイメージングシステム304bは、
図3aのイメージングシステム304aと同様のやり方で実装できる。ただし、イメージングシステム304bは、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像をそれぞれ取得するための第1のイメージングデバイス310a、第2のイメージングデバイス310b、及び第3のイメージングデバイス310cを含む。したがって、第3のイメージングデバイス310cは、第1のイメージングデバイス310aが第1の画像「1」の取得を完了する前に、第3の画像「3」の取得を開始できる。
図3aのイメージングシステム304aと比較して、イメージングシステム304bはより高速な実効フレームレートを提供する。
【0048】
したがって、いくつかの実施形態では、イメージングシステムは、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像を取得する少なくとも2つのイメージングデバイスを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのイメージングデバイスは、ロールシャッタモードで動作するイメージングデバイス(即ち、ロールシャッタカメラ)を含む。これらのイメージングデバイスは、スマートフォンなどの一部のデバイスにあるものと同様に、互いに非常に近くに配置される。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのイメージングデバイスは、グローバルシャッタモードで動作するイメージングデバイスを含む。
【0049】
さらに、いくつかの実施形態では、イメージングデバイスのうちの1つは、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像のうちの少なくとも1つを取得するために使用され、イメージングデバイスのうちの少なくとも1つの他のイメージングデバイスは、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像のうちの少なくとも1つの他の画像を取得するために使用される。
【0050】
図4は、第1の画像「1」、第2の画像「2」、及び第3の画像「3」が3つのイメージングデバイス310a、310b、及び310cで取得される
図3bのイメージングシステム304bを実装に基づいて、本明細書に説明する特定の方法を実施するシステムを概略的に示している。
図4に示す第1の画像、第2の画像、及び第3の画像は、上記の空間的強度変調パターンを特徴としている。これら3つの画像に対応するデータに基づいて、(例えば方法100のステップ104に従って)「周囲補正された」画像「4」を決定できる。
【0051】
前述のように、決定された修正されたピクセル情報は、受信したピクセル情報における周囲照明の影響を低減するために、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の受信したピクセル情報間の差に基づいている。決定された修正されたピクセル情報はさらに、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の各々に現れる空間的強度変調パターンを相殺するために、受信したピクセル情報の組み合わせに基づいている。
【0052】
いくつかの実施形態では、被写体の修正された画像を構築するための修正されたピクセル情報は、受信したピクセル情報における周囲照明の影響を低減するために、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像のうちの異なる対の組み合わせのピクセル情報を差し引き、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の各々に現れる空間的強度変調パターンを相殺するために、受信したピクセル情報を組み合わせることによって決定される。
【0053】
いくつかの実施形態では、イメージングシステムは、イメージングシステムが各画像を取得するイメージング時間と、時間的に変調された照明の変調時間とのタイミング関係によるモードで動作する。モードは、イメージングシステムのイメージング時間が変調時間よりも長いロールシャッタモードと、イメージング時間が変調時間よりも短いグローバルシャッタモードのいずれかである。どちらのモードでも、取得した各画像において空間的強度変調パターンが観察される。
【0054】
3つの画像の空間的強度変調パターン間の位相シフトが等しい場合(例えば上記の実施形態では120度)、例示的な次式に従って、周囲補正された画像M
ACの強度を推定できる:
【数1】
ここで、I
1は第1の画像の(ピクセル)強度値を示し、I
2は第2の画像の(ピクセル)強度値を示し、I
3は第3の画像の(ピクセル)強度値を示す。上記の式で示すように、周囲補正された画像(即ち、そのような画像を構築するための修正されたピクセル情報)は、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の受信したピクセル情報間の「差」(即ち、(I
1-I
2)など)と、受信したピクセル情報の「組み合わせ」(即ち、(I
1-I
2)
2+(I
2-I
3)
2+(I
1-I
3)
2)とに基づいて決定される。いくつかの実施形態では、各式(I
1-I
2)、(I
2-I
3)、及び(I
1-I
3)は、「対の組み合わせ」を指す。本明細書に説明するいくつかの実施形態では、少なくとも1つの「追加画像」(第1の画像、第2の画像、及び第3の画像に加えて)を参照する。したがって、上記の例示的な式は、取得される画像の数に応じて変更される。
【0055】
いくつかの実施形態では、時間的に変調された照明の変調時間(即ち、「照明フリッカ」)は、約15ms(即ち、70Hzの変調周波数の場合)である。第2のイメージングデバイスでは5ms、第3のイメージングデバイスでは10msの遅延で画像の捕捉をトリガすることにより、捕捉された第1の画像、第2の画像、及び第3の画像で得られる空間的強度変調パターンは120度の位相シフトを有することになる。
【0056】
したがって、いくつかの実施形態では、第1の画像と第2の画像と第3の画像との間の取得開始時間の時間遅延は、時間的に変調された照明の変調時間に基づいている。例えば70Hzを超える周波数で時間的に変調照明を提供する照明ユニットにより、変調時間が上記の実施形態よりも短い場合、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像間の時間遅延は上記の実施形態よりも少なくなる。
【0057】
いくつかの実施形態では、取得開始時間(つまり、第1の画像、第2の画像、第3の画像の取得開始時間)の間の時間遅延は、変調時間を画像の数で割ったものに相当する。したがって、上記の実施形態では、変調時間は約15msであり、3つの画像が取得される。したがって、この実施形態で使用する時間遅延は約5msである。
【0058】
いくつかの実施形態では、時間的に変調された照明の変調周波数、及び/又は第1の画像、第2の画像、及び第3の画像に関連付けられたフレームレートは、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の空間的強度変調パターン間の位相シフトが同じになるように設定されている。つまり、イメージングシステムの変調周波数及び/又はフレームレートは、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の間で位相シフトが同じになるように設定される。
【0059】
いくつかの実施形態では、(例えばステップ102の)データを受信することはさらに、被写体の少なくとも1つの追加画像(例えば少なくとも2つのイメージングデバイスのうちの1つによって取得された第4の画像、第5の画像など)の少なくとも一部に対応するデータを受信することを含む。第1の画像と第2の画像と第3の画像と少なくとも1つの追加画像との間の取得開始時間の時間遅延は、第1の画像、第2の画像、第3の画像、及び少なくとも1つの追加画像の取得中に時間のオーバーラップがあるような時間遅延である。(例えばステップ104の)修正されたピクセル情報を決定することは、受信したピクセル情報における周囲照明の影響を低減するために、第1の画像、第2の画像、第3の画像、及び少なくとも1つの追加画像の受信したピクセル情報間の差と、第1の画像、第2の画像、第3の画像、及び少なくとも1つの追加画像の各々に現れる空間的強度変調パターンを相殺するために、受信したピクセル情報間の組み合わせとに基づいている。イメージングデバイスによっては、4つ以上の画像を取得する(例えばこのようなイメージングシステムが適切に設定されているか、及び/又はそれらが3つ以上又は4つ以上のイメージングデバイスを含む場合)。
【0060】
いくつかの実施形態では、第1の画像と第2の画像と第3の画像と少なくとも1つの追加画像との間の取得開始時間の時間遅延は、時間的に変調された照明の変調時間に基づいている。取得開始時間の時間遅延は、変調時間を画像の数で割ったものに相当する。例えばイメージングシステムが上記の実施形態よりも多くの画像(例えば少なくとも4つの画像)を取得できる場合、第1の画像と第2の画像と第3の画像と第4の画像(又はそれ以上の画像)との間の取得時間の時間遅延は、同じ変調時間(即ち、15ms)について、上記の実施形態よりも少なくなる。
【0061】
図5a~
図5bは、イメージングデバイス510a、510b、510c(例えば
図3bのイメージングデバイス310a、310b、310cと同様)が実施するロールシャッタのスキャン方向の可能な方向付けを概略的に示している。ロールシャッタのスキャン方向は、各画像の空間的強度変調パターンが(
図5a~
図5bに示すように)同じ方向に「スキャン」するように、各イメージングシステムで同じになる。
図5aは、ロールシャッタのスキャン方向を垂直方向にして、水平方向に離れた位置に位置決めされた3つのイメージングデバイス510a、510b、510cを示している。
図5bは、ロールシャッタのスキャン方向を水平方向にして、垂直方向に離れた位置に位置決めされた3つのイメージングデバイス510a、510b、510cを示している。いくつかの実施形態では、イメージングデバイスは、ロールシャッタのスキャン方向と同じ(即ち、平行)方向に整列される。いくつかの実施形態では、イメージングデバイスは、ロールシャッタのスキャン方向に直角に交わる方向に整列される。
【0062】
イメージングデバイスの位置がロールシャッタのスキャン方向とは異なる方向にある場合、パターンの位相シフトが目的の被写体に対して120度に対応するように時間遅延が調整される。いくつかの実施形態では、ロールシャッタセンサのスキャン方向はセンサごとに異なる。
【0063】
図6は、特定の設定でのイメージングを向上させる方法600(例えばコンピュータ実施方法)を示している。方法600は、ユーザデバイスなどのコンピュータ、又はサーバ若しくはクラウドベースのサービス(例えばユーザデバイスと通信的に結合されている)によって実施される。方法600は、方法100のステップ102及びステップ104を含む。方法600の特定のステップは省略されてもよい、及び/又は
図6に示すステップは、示されている順序とは異なる順序で実施されてもよい。簡単にするために、方法600の実施を説明する際に、
図2のシステム200を参照する。
【0064】
いくつかの実施形態では、方法600はさらに、ステップ602において、イメージングシステム204に第1の画像、第2の画像、及び第3の画像を取得させることを含む。いくつかの実施形態では、4枚以上の画像が取得される。この場合、イメージングシステム204は、第1の画像、第2の画像、第3の画像、及び少なくとも1つの追加画像を取得する。
【0065】
いくつかの実施形態では、方法600は、ステップ604において、また、修正されたピクセル情報を決定する前に、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像内の被写体の位置が同じかどうかを識別することを含む。上記画像のうちの少なくとも1つの画像における被写体の位置の上記画像のうちの少なくとも1つの他の画像と比較した差が、閾値(画像間でシフトされる画像の特定の特徴のピクセル数の閾値など)を越える場合、方法600のステップ604は、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の各々における被写体の位置が同じであるように、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像のうちの少なくとも1つにおいて、画像シフト操作を実施することを含む。例えばイメージングデバイス間の距離、及び/又は被写体とイメージングシステム間の相対的な動きに起因して、(例えばステップ104における)周囲光補正を実行する前に、画像シフトを使用して画像を適切に再整列させる必要がある。
【0066】
しかし、いくつかの実施形態では、イメージングデバイス間の距離による画像シフト問題を回避するために、ビームスプリッタ又は他の光学配置(図示せず)を使用して、全く同じ画像を撮像するが、同じ光学的配置を使用して画像を受信する異なるイメージングデバイスで撮像する。
【0067】
いくつかの実施形態では、方法600は、ステップ606において、時間的に変調された照明の変調パラメータ(変調周波数や変調期間など)の指示を受信することと、指示に基づいてイメージングシステム204の動作パラメータ(フレームレート、画像取得開始時間など)を決定することと、動作パラメータに従ってイメージングシステム204を動作させることとを含む。例えばシステム200は、時間的に変調された照明の変調周波数の指示を決定又は受信し、それに応じてイメージングシステム204のイメージングデバイス間のフレームレート及び時間遅延を調整する。
【0068】
図7は、少なくとも1つのプロセッサ704によって実行されると、少なくとも1つのプロセッサ704に本明細書に説明する特定の方法(方法100又は方法600など)を実施させる命令702を保存している有形機械可読媒体700を概略的に示している。
【0069】
この実施形態では、命令702は、少なくとも1つのプロセッサ704に方法100のステップ102を実施させる命令706を含む。命令702はさらに、少なくとも1つのプロセッサ704に方法100のステップ104を実施させる命令708を含む。
【0070】
図8は、方法100及び/又は方法600など、本明細書に説明する特定の方法の実施に使用できる装置800を示している。装置800は、
図2のコンピュータ208など、
図2のシステム200に関連して説明した特徴に対応する機能を有しているモジュールを含む。
【0071】
装置800は処理回路802を含む。処理回路802は、時間的に変調され照明によって照らされた被写体の第1の画像、第2の画像、及び第3の画像(イメージングシステムによって取得される)の少なくとも一部に対応するピクセル情報を受信する受信モジュール804を含む。第1の画像と第2の画像と第3の画像との間の取得開始時間の時間遅延は、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の取得中に時間のオーバーラップがあるような時間遅延である。
【0072】
処理回路802はさらに、受信したピクセル情報における周囲照明の影響を低減するために、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の受信したピクセル情報間の差と、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の各々に現れる空間的強度変調パターンを相殺するために、受信したピクセル情報の組み合わせとに基づいて、被写体の修正された画像を構築するための修正されたピクセル情報を決定する決定モジュール806を含む。空間的強度変調パターンは、イメージングシステムが各画像を取得するイメージング時間と、時間的に変調された照明の変調時間とのタイミング関係に起因する。
【0073】
いくつかの実施形態では、装置800はさらに、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の少なくとも一部に対応するピクセル情報を取得するイメージングシステム(
図2のイメージングシステム204など)を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、装置800はさらに、時間的に変調された照明を提供する照明ユニット(
図2の照明ユニット206など)を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、イメージングシステム204、304は、少なくとも2つのイメージングデバイス(
図3bのイメージングデバイス310a、310b、310cなど)を含み、少なくとも2つのイメージングデバイスによって実施されるロールシャッタのスキャン方向は同じである。
【0076】
いくつかの実施形態では、イメージングシステム304は少なくとも2つのイメージングデバイス310a、310b、310cを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、イメージングシステム304は、イメージングシステムが各画像を取得するイメージング時間と、時間的に変調された照明の変調時間とのタイミング関係によるモードで動作する。モードは、イメージングシステムのイメージング時間が変調時間よりも長いロールシャッタモードと、イメージング時間が変調時間よりも短いグローバルシャッタモードのいずれかである。
【0078】
場合によっては、上記のモジュール(受信モジュール804及び/又は決定モジュール806など)のいずれかが、モジュールの機能を実施するための少なくとも1つの専用プロセッサ(特定用途向け回路(ASIC)及び/又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など)を含む。
【0079】
場合によっては、上記のモジュール(受信モジュール804及び/又は決定モジュール806など)は、命令を実施する少なくとも1つのプロセッサを含む。この命令は上記の少なくとも1つのプロセッサに上記のモジュールの機能を実施させる。このような例では、命令は少なくとも1つのプロセッサがアクセス可能な機械可読媒体(図示せず)に保存されている。いくつかの例では、モジュール自体が機械可読媒体を含む。いくつかの例では、機械可読媒体は、モジュール自体とは別のものである(例えばモジュールの少なくとも1つのプロセッサは機械可読媒体と通信してそこに保存されている命令にアクセスするために提供される)。
【0080】
本発明は、図面及び上記の説明に詳細に例示及び説明されているが、このような例示及び説明は、例示的又は模範的と見なされるべきであって、限定的と見なされるべきではない。本発明は、開示された実施形態に限定されない。
【0081】
1つの実施形態で説明される1つ以上の特徴を、別の実施形態で説明される特徴と組み合わせたり、置換したりすることができる。例えば
図1の方法100及び
図6の方法600は、(
図2~
図5を参照して)
図2のシステム200、機械可読媒体700、及び/又は装置800に関連して説明した特徴に基づいて変更されてもよく、また、その逆も可能である。
【0082】
本開示には、次の番号付きの項で定義される主題が含まれる。
【0083】
第1項:コンピュータ実施方法であって、
時間的に変調された照明によって照らされた被写体の第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の少なくとも一部に対応するデータを受信するステップであって、第1の画像と第2の画像と第3の画像との間の取得開始時間の時間遅延は、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の取得中に時間のオーバーラップがあるような時間遅延である、受信するステップと、
第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の各々における空間的強度変調パターンに基づいて、光源によって引き起こされる周囲照明の影響を低減するために、被写体の画像の推定強度分布を決定するステップと、を含む、コンピュータ実施方法。
【0084】
第2項:第1の画像と第2の画像と第3の画像との間の取得開始時間の時間遅延は、時間的に変調された照明の変調時間に基づいている、第1項に記載のコンピュータ実施方法。
【0085】
第3項:取得開始時間の時間遅延は、変調時間を画像の数で割ったものに相当する、第2項に記載のコンピュータ実施方法。
【0086】
第4項:イメージングシステムの少なくとも2つのイメージングデバイスを使用して画像を取得する、第1項から第3項のいずれかに記載のコンピュータ実施方法。
【0087】
第5項:イメージングデバイスのうちの1つを使用して、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像のうちの少なくとも1つを取得し、イメージングデバイスのうちの少なくとも1つの他のイメージングデバイスを使用して、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像のうちの少なくとも1つの他の画像を取得する、第4項に記載のコンピュータ実施方法。
【0088】
第6項:イメージングシステムに第1の画像、第2の画像、及び第3の画像を取得させるステップをさらに含む、第4項又は第5項に記載のコンピュータ実施方法。
【0089】
第7項:時間的に変調された照明の変調パラメータの指示を受信するステップと、指示に基づいてイメージングシステムの動作パラメータを決定するステップと、動作パラメータに従ってイメージングシステムを動作させるステップと、を含む、第4項から第6項のいずれか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【0090】
第8項:時間的に変調された照明の変調周波数、及び/又は第1の画像、第2の画像、及び第3の画像に関連付けられたフレームレートは、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の空間的強度変調パターン間の位相シフトが同じになるように設定されている、第1項から第7項のいずれかに記載のコンピュータ実施方法。
【0091】
第9項:推定強度分布を決定するステップの前に、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像内の被写体の位置が同じかどうかを識別するステップと、上記画像のうちの少なくとも1つの画像における被写体の位置の上記画像のうちの少なくとも1つの他の画像と比較した差が閾値を超える場合、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の各々における被写体の位置が同じであるように、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像のうちの少なくとも1つにおいて、画像シフト操作を実施するステップと、を含む、第1項から第8項のいずれかに記載のコンピュータ実施方法。
【0092】
第10項:データを受信するステップは、被写体の少なくとも1つの追加画像の少なくとも一部に対応するデータを受信するステップをさらに含み、第1の画像と第2の画像と第3の画像と少なくとも1つの追加画像との間の取得開始時間の時間遅延は、第1の画像、第2の画像、第3の画像、及び少なくとも1つの追加画像の取得中に時間のオーバーラップがあるような時間遅延であり、推定強度分布の決定は、第1の画像、第2の画像、第3の画像、及び少なくとも1つの追加画像の各々における空間的強度変調パターンに基づいている、第1項から第9項のいずれかに記載のコンピュータ実施方法。
【0093】
第11項:第1の画像と第2の画像と第3の画像と少なくとも1つの追加画像との間の取得開始時間の時間遅延は、時間変調された照明の変調時間に基づいており、取得開始時間の時間遅延は、変調時間を画像の数で割ったものに相当する、第10項に記載のコンピュータ実施方法。
【0094】
第12項:命令を保存している有形機械可読媒体であって、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに第1項から第11項までのいずれかに記載のコンピュータ実施方法を実施させる、有形機械可読媒体。
【0095】
第13項:処理回路を含む装置であって、処理回路は、
時間的に変調された照明によって照らされた被写体の第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の少なくとも一部に対応するデータを受信する受信モジュールであって、第1の画像と第2の画像と第3の画像との間の取得開始時間の時間遅延は、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の取得中に時間のオーバーラップがあるような時間遅延である、受信モジュールと、
第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の各々における空間的強度変調パターンに基づいて、光源によって引き起こされる周囲照明の影響を低減するために、被写体の画像の推定強度分布を決定する決定モジュールと、を含む、装置。
【0096】
第14項:第1の画像、第2の画像、及び第3の画像の少なくとも一部に対応するデータを取得するイメージングシステム、及び/又は時間的に変調された照明を提供する照明ユニットをさらに含む、第13項に記載の装置。
【0097】
第15項:イメージングシステムは、少なくとも2つのイメージングデバイスを含み、少なくとも2つのイメージングデバイスによって実施されるロールシャッタのスキャン方向は同じである、第14項に記載の装置。
【0098】
本開示における実施形態は、方法、システムとして、又は機械可読命令と処理回路との組み合わせとして提供することができる。このような機械可読命令は、コンピュータ可読プログラムコードを有する非一時的機械(例えばコンピュータ)可読記憶媒体(ディスクストレージ、CD-ROM、光学記憶装置などを含むが、これらに限定されない)に含まれている場合がある。
【0099】
本開示は、本開示の実施形態による方法、デバイス、及びシステムのフローチャート及びブロック図を参照して説明されている。上記のフローチャートは特定の実行順序を示しているが、実行順序は、図示されたものとは異なっていてもよい。1つのフローチャートに関連して説明されたブロックは、別のフローチャートのブロックと組み合わされてもよい。フローチャート及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図のブロックの組み合わせは、機械可読命令によって実現できることを理解されたい。
【0100】
機械可読命令は、例えば、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、組み込みプロセッサ、又は他のプログラム可能データ処理デバイスのプロセッサによって実行されて、説明及び図で説明されている機能を実現することができる。特に、プロセッサ若しくは処理回路、又はそのモジュールが、機械可読命令を実行することができる。したがって、システム200及び/又は装置800の機能モジュール(例えば受信モジュール806及び/又は決定モジュール808)及び本明細書に説明する他のデバイスは、メモリに保存されている機械可読命令を実行するプロセッサ又はロジック回路に組み込まれた命令に従って動作するプロセッサによって実施され得る。「プロセッサ」という用語は、CPU、処理ユニット、ASIC、ロジックユニット、又はプログラマブルゲートアレイなどを含むように広く解釈される。方法及び機能モジュールはすべて、1つのプロセッサによって実行されるか、又は複数のプロセッサに分割されてもよい。
【0101】
このような機械可読命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理デバイスを特定のモードで動作させることができるコンピュータ可読記憶装置に保存することもできる。
【0102】
このような機械可読命令はまた、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理デバイスにロードすることもできる。これにより、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理デバイスは、コンピュータ実装処理を生成するために一連の操作を実行する。したがって、コンピュータ又は他のプログラム可能デバイスで実行される命令は、フローチャート及び/又はブロック図のブロックで指定された機能を実現する。
【0103】
さらに、本明細書における教示内容は、コンピュータプログラム製品の形態で実装できる。コンピュータプログラム製品は、記憶媒体に保存されており、コンピュータデバイスに本開示の実施形態に記載される方法を実装させるための複数の命令を含む。
【0104】
1つの実施形態に関連して説明される要素又はステップは、別の実施形態に関連して説明される要素又はステップと組み合わせたり、置換したりすることができる。開示された実施形態の他の変形は、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求項に係る発明を実施する際に当業者によって理解され、実行され得る。特許請求の範囲において、「含む」という語は、他の要素やステップを排除するものではなく、単数形は複数を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載されているいくつかのアイテムの機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを意味するものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される、光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの任意の適切な媒体に格納又は配布することができるが、インターネット又はその他の有線若しくは無線通信システムを介してなど他の形式で配布することもできる。特許請求の範囲における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。