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特許7418622荷物ピッキングスケジューリングシステム、方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】荷物ピッキングスケジューリングシステム、方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
B65G1/137 F
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022579118
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2021095277
(87)【国際公開番号】W WO2022007514
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】202010652845.4
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518231921
【氏名又は名称】北京極智嘉科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リウ,カイ
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特表2022-533784(JP,A)
【文献】特開2020-40762(JP,A)
【文献】特表2022-523083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御センタと、ユーザが所持する端末と、搬送機器とを含む荷物ピッキングスケジューリングシステムであって、
前記制御センタが、各荷物ピッキング待ち注文に含まれるピッキング待ち荷物に基づいて、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所を特定し、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所について、各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置に基づいて、各ユーザ及び各搬送機器が該格納場所に到達する経路をそれぞれ計画し、
前記制御センタが、記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果に基づいて、各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文を特定し、
前記制御センタが、計画した各経路及び各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定し、各候補タスクに含まれるユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻をそれぞれ特定し、
前記制御センタが、特定された各候補タスクの荷物ピッキング時刻の前後順に基づいて、各候補タスクのうちから目標タスクを特定し、前記目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び前記目標タスクを実行する搬送機器に前記目標タスクを送信し、
前記制御センタが、搬送機器に送信された目標タスクに基づいて、前記目標タスクのピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を前記搬送機器に割り当て、記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果を更新し、
前記端末が、自端末の所在する位置を監視して前記制御センタに送信し、前記制御センタから送信された目標タスクを受信してユーザに前記目標タスクの実行を提示し、
前記搬送機器が、自機器の所在する位置を監視して前記制御センタに送信し、受信された前記目標タスクに基づいて格納場所まで走行して荷物ピッキングを実行する、荷物ピッキングスケジューリングシステム。
【請求項2】
前記制御センタは、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所について、該格納場所で荷物ピッキングが行われるピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を特定し、前記荷物ピッキング待ち注文が搬送機器に割り当てられた場合、該搬送機器が該格納場所に到達する経路及び各ユーザが該格納場所に到達する経路に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定し、前記荷物ピッキング待ち注文がいずれの搬送機器にも割り当てられていない場合、計画した各経路に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御センタは、前記目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び前記目標タスクを実行する搬送機器に前記目標タスクを送信した後、前記目標タスクの格納場所の位置に基づいて、前記端末及び前記搬送機器の初期位置を記憶する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御センタは、各端末について、該端末に実行待ち目標タスクがない場合、該端末の現在位置を該端末の初期位置として取得し、該端末に実行待ち目標タスクがある場合、記憶されている該端末の初期位置を取得し、各搬送機器について、該搬送機器に実行待ち目標タスクがない場合、該搬送機器の現在位置を該搬送機器の初期位置として取得し、該搬送機器に実行待ち目標タスクがある場合、記憶されている該搬送機器の初期位置を取得する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御センタは、各候補タスクについて、該候補タスクに含まれるユーザと搬送機器がそれぞれ対応する経路に基づいて、ユーザが走行にかかる時間及び搬送機器が走行にかかる時間を特定し、ユーザが走行にかかる時間及びユーザが端末の初期位置から出発する時刻に基づいて、ユーザ到達時刻を特定し、搬送機器が走行にかかる時間及び搬送機器が初期位置から出発する時刻に基づいて、搬送機器到達時刻を特定し、ユーザ到達時刻及び搬送機器到達時刻に基づいて、ユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻を特定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御センタは、各端末について、該端末に実行待ち目標タスクがない場合、現在時刻をユーザが該端末の初期位置から出発する時刻とし、該端末に実行待ち目標タスクがある場合、該端末の実行待ち目標タスクの実行完了時刻を、ユーザが該端末の初期位置から出発する時刻として特定し、
各搬送機器について、該搬送機器に実行待ち目標タスクがない場合、現在時刻を該搬送機器が初期位置から出発する時刻とし、該搬送機器に実行待ち目標タスクがある場合、該搬送機器の実行待ち目標タスクの実行完了時刻を、該搬送機器が初期位置から出発する時刻として特定する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御センタは、各搬送機器について、該搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該搬送機器の残りの収納空間を特定し、該搬送機器の残りの収納空間が未割り当ての荷物ピッキング待ち注文に必要となる収納空間よりも小さい場合、該搬送機器に未割り当ての荷物ピッキング待ち注文に対応する目標タスクを割り当てない、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記端末又は前記搬送機器は、格納場所に到達すると、監視したユーザ操作に基づいて、荷物ピッキングの完了を確認し、前記制御センタに目標タスク実行完了の情報を送信し、
前記制御センタは、受信した目標タスク実行完了の情報に基づいて、ピッキング待ち荷物を更新する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムは、測位基地局をさらに含み、
前記測位基地局は、各端末と通信し、各端末の位置を特定し、特定された各端末の位置を前記制御センタに送信するために用いられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記搬送機器は、収集した環境情報に基づいて自機器の位置を特定し、前記制御センタに送信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
各荷物ピッキング待ち注文に含まれるピッキング待ち荷物に基づいて、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所を特定するステップと、
荷物ピッキングを実行すべき各格納場所について、各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置に基づいて、各ユーザ及び各搬送機器が該格納場所に到達する経路をそれぞれ計画するステップと、
記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果に基づいて、各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文を特定するステップと、
計画した各経路及び各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定し、各候補タスクに含まれるユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻をそれぞれ特定するステップと、
特定された各候補タスクの荷物ピッキング時刻の前後順に基づいて、各候補タスクのうちから目標タスクを特定し、ユーザ及び搬送機器が前記目標タスクを実行するように、前記目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び前記目標タスクを実行する搬送機器に前記目標タスクを送信し、前記目標タスクのピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を前記搬送機器に割り当て、記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果を更新するステップと、を含む、荷物ピッキングスケジューリング方法。
【請求項12】
計画した各経路及び各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定するステップは、
荷物ピッキングを実行すべき各格納場所について、該格納場所で荷物ピッキングが行われるピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を特定するステップと、
前記荷物ピッキング待ち注文が搬送機器に割り当てられた場合、該搬送機器が該格納場所に到達する経路及び各ユーザが該格納場所に到達する経路に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定するステップと、
前記荷物ピッキング待ち注文がいずれの搬送機器にも割り当てられていない場合、計画した各経路に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定するステップと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び前記目標タスクを実行する搬送機器に前記目標タスクが送信された後、前記目標タスクの格納場所の位置に基づいて、前記端末及び前記搬送機器の初期位置を記憶するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置に基づいて、各ユーザ及び各搬送機器が該格納場所に到達する経路を計画するステップの前に、前記方法は、
各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置を特定するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置を特定するステップは、
各端末について、該端末に実行待ち目標タスクがない場合、該端末の現在位置を該端末の初期位置として取得し、該端末に実行待ち目標タスクがある場合、記憶されている該端末の初期位置を取得するステップと、
各搬送機器について、該搬送機器に実行待ち目標タスクがない場合、該搬送機器の現在位置を該搬送機器の初期位置として取得し、該搬送機器に実行待ち目標タスクがある場合、記憶されている該搬送機器の初期位置を取得するステップと、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
各候補タスクに含まれるユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻をそれぞれ特定するステップは、
各候補タスクについて、該候補タスクに含まれるユーザと搬送機器がそれぞれ対応する経路に基づいて、ユーザが走行にかかる時間及び搬送機器が走行にかかる時間を特定するステップと、
ユーザが走行にかかる時間及びユーザが端末の初期位置から出発する時刻に基づいて、ユーザ到達時刻を特定するステップと、
搬送機器が走行にかかる時間及び搬送機器が初期位置から出発する時刻に基づいて、搬送機器到達時刻を特定するステップと、
ユーザ到達時刻及び搬送機器到達時刻に基づいて、ユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻を特定するステップと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
ユーザが端末の初期位置から出発する時刻を特定するステップは、
各端末について、該端末に実行待ち目標タスクがない場合、現在時刻をユーザが端末の初期位置から出発する時刻とし、該端末に実行待ち目標タスクがある場合、該端末の実行待ち目標タスクの実行完了時刻を、ユーザが端末の初期位置から出発する時刻として特定するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
搬送機器が初期位置から出発する時刻を特定するステップは、
各搬送機器について、該搬送機器に実行待ち目標タスクがない場合、現在時刻を搬送機器が初期位置から出発する時刻とし、該搬送機器に実行待ち目標タスクがある場合、該搬送機器の実行待ち目標タスクの実行完了時刻を、搬送機器が初期位置から出発する時刻として特定するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
各搬送機器について、該搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該搬送機器の残りの収納空間を特定するステップと、
該搬送機器の残りの収納空間が未割り当ての荷物ピッキング待ち注文に必要となる収納空間よりも小さい場合、該搬送機器に未割り当ての荷物ピッキング待ち注文に対応する目標タスクを割り当てないステップと、をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
各荷物ピッキング待ち注文に含まれるピッキング待ち荷物に基づいて、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所を特定する特定モジュールと、
荷物ピッキングを実行すべき各格納場所について、各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置に基づいて、各ユーザ及び各搬送機器が該格納場所に到達する経路をそれぞれ計画する経路計画モジュールと、
記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果に基づいて、各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文を特定し、計画した各経路及び各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定し、各候補タスクに含まれるユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻をそれぞれ特定するタスクマッチングモジュールと、
特定された各候補タスクの荷物ピッキング時刻の前後順に基づいて、各候補タスクのうちから目標タスクを特定し、ユーザ及び搬送機器が前記目標タスクを実行するように、前記目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び前記目標タスクを実行する搬送機器に前記目標タスクを送信し、前記目標タスクのピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を前記搬送機器に割り当て、記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果を更新するタスク割り当てモジュールと、を含む、荷物ピッキングスケジューリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、倉庫保管・物流の技術分野に関し、特に、荷物ピッキングスケジューリングシステム、方法及び装置に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本開示は、2020年7月8に中国特許局に出願した出願番号202010652845.4、出願の名称「荷物ピッキングスケジューリングシステム、方法及び装置」の中国特許の優先権を主張し、その全ての内容が参照によって本開示に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
現在、物流業界の高速発展に伴い、どのように倉庫内の荷物のピッキング効率を高めて、注文から納品までの時間を短縮するかは、倉庫保管・物流業界で早急に解決すべき重要な課題となる。
【0004】
手動で荷物をピッキングする従来の方法では、作業者は荷物ピッキングを実行すべき注文中の荷物に基づいて、順番に荷物の所在する格納場所を見つけて荷物をピッキングする必要があり、作業者の荷物ピッキング経路は最適化する余地が小さいため、手動で荷物をピッキングする時、作業者は格納場所間の移動に多大な時間を費やしている。
【0005】
従来技術では、作業者が移動に費やしている時間を減らすために、知能倉庫の解決手段がよく採用されており、倉庫に搬送機器を追加して手動による荷物ピッキングを補助することで、倉庫内の荷物ピッキング効率を高める。知能倉庫の解決手段には一般的に2つの種類がある。1つは特製のレール付きの棚上で荷物を搬送機器(例えばロボット)によって移動してピッキングし、ピッキングされた荷物を搬送機器によってピッキング領域まで運び、その後手動又は他の機器で後続のプロセスを行うことである。もう1つは搬送機器(例えばAGV)によって棚をピッキング領域まで搬送し、その後手動又は他の機器で後続のプロセスを行うことである。
【0006】
しかし上記2種類の解決手段は、いずれも搬送機器の作動要件に適合するように、倉庫の棚を改造する必要があるため、従来の倉庫では、搬送機器と作業者の協働による荷物ピッキングの実現にはコストが高く、よって、従来の倉庫は手動で荷物をピッキングするという従来の方法を採用し続けざるを得ないことが多かった。
【発明の概要】
【0007】
本明細書の実施例で提供される荷物ピッキングスケジューリングシステム、方法及び装置は、手動による荷物ピッキングには作業者が広範囲を移動する必要があるため、荷物ピッキング効率が低くて柔軟性に欠けるという従来技術に存在している問題を部分的に解決するためのものである。
【0008】
本明細書の実施例は下記の技術的解決手段を採用する。
【0009】
本明細書で提供される荷物ピッキングスケジューリングシステムは、制御センタと、ユーザが所持する端末と、搬送機器とを含み、
前記制御センタが、各荷物ピッキング待ち注文に含まれるピッキング待ち荷物に基づいて、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所を特定し、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所について、各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置に基づいて、各ユーザ及び各搬送機器が該格納場所に到達する経路をそれぞれ計画し、
前記制御センタが、記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果に基づいて、各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文を特定し、
前記制御センタが、計画した各経路及び各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定し、各候補タスクに含まれるユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻をそれぞれ特定し、
前記制御センタが、特定された各候補タスクの荷物ピッキング時刻の前後順に基づいて、各候補タスクのうちから目標タスクを特定し、前記目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び前記目標タスクを実行する搬送機器に前記目標タスクを送信し、
前記制御センタが、搬送機器に送信された目標タスクに基づいて、前記目標タスクのピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を前記搬送機器に割り当て、記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果を更新し、
前記端末が、自端末の所在する位置を監視して前記制御センタに送信し、前記制御センタから送信された目標タスクを受信してユーザに前記目標タスクの実行を提示し、
前記搬送機器が、自機器の所在する位置を監視して前記制御センタに送信し、受信された前記目標タスクに基づいて格納場所まで走行して荷物ピッキングを実行する。
【0010】
選択的に、前記制御センタは、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所について、該格納場所で荷物ピッキングが行われるピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を特定し、前記荷物ピッキング待ち注文が搬送機器に割り当てられた場合、該搬送機器が該格納場所に到達する経路及び各ユーザが該格納場所に到達する経路に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定し、前記荷物ピッキング待ち注文がいずれの搬送機器にも割り当てられていない場合、計画した各経路に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定する。
【0011】
選択的に、前記制御センタは、前記目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び前記目標タスクを実行する搬送機器に前記目標タスクを送信した後、前記目標タスクの格納場所の位置に基づいて、前記端末及び前記搬送機器の初期位置を記憶する。
【0012】
選択的に、前記制御センタは、各端末について、該端末に実行待ち目標タスクがない場合、該端末の現在位置を該端末の初期位置として取得し、該端末に実行待ち目標タスクがある場合、記憶されている該端末の初期位置を取得し、各搬送機器について、該搬送機器に実行待ち目標タスクがない場合、該搬送機器の現在位置を該搬送機器の初期位置として取得し、該搬送機器に実行待ち目標タスクがある場合、記憶されている該搬送機器の初期位置を取得する。
【0013】
選択的に、前記制御センタは、各候補タスクについて、該候補タスクに含まれるユーザと搬送機器がそれぞれ対応する経路に基づいて、ユーザが走行にかかる時間及び搬送機器が走行にかかる時間を特定し、ユーザが走行にかかる時間及びユーザが端末の初期位置から出発する時刻に基づいて、ユーザ到達時刻を特定し、搬送機器が走行にかかる時間及び搬送機器が初期位置から出発する時刻に基づいて、搬送機器到達時刻を特定し、ユーザ到達時刻及び搬送機器到達時刻に基づいて、ユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻を特定する。
【0014】
選択的に、前記制御センタは、各端末について、該端末に実行待ち目標タスクがない場合、現在時刻をユーザが端末の初期位置から出発する時刻とし、該端末に実行待ち目標タスクがある場合、該端末の実行待ち目標タスクの実行完了時刻を、ユーザが端末の初期位置から出発する時刻として特定し、
各搬送機器について、該搬送機器に実行待ち目標タスクがない場合、現在時刻を搬送機器が初期位置から出発する時刻とし、該搬送機器に実行待ち目標タスクがある場合、該搬送機器の実行待ち目標タスクの実行完了時刻を、搬送機器が初期位置から出発する時刻として特定する。
【0015】
選択的に、前記制御センタは、各搬送機器について、該搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該搬送機器の残りの収納空間を特定し、該搬送機器の残りの収納空間が未割り当ての荷物ピッキング待ち注文に必要となる収納空間よりも小さい場合、該搬送機器に未割り当ての荷物ピッキング待ち注文に対応する目標タスクを割り当てない。
【0016】
選択的に、前記端末又は前記搬送機器は格納場所に到達すると、監視したユーザ操作に基づいて、荷物ピッキングの完了を確認し、前記制御センタに目標タスク実行完了の情報を送信し、
前記制御センタは、受信した目標タスク実行完了の情報に基づいて、ピッキング待ち荷物を更新する。
【0017】
選択的に、前記システムは、測位基地局をさらに含み、
前記測位基地局は、各端末と通信し、各端末の位置を特定し、特定された各端末の位置を前記制御センタに送信するために用いられる。
【0018】
選択的に、前記搬送機器は、収集した環境情報に基づいて自機器の位置を特定し、前記制御センタに送信する。
【0019】
本明細書で提供される荷物ピッキングスケジューリング方法は、
各荷物ピッキング待ち注文に含まれるピッキング待ち荷物に基づいて、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所を特定するステップと、
荷物ピッキングを実行すべき各格納場所について、各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置に基づいて、各ユーザ及び各搬送機器が該格納場所に到達する経路をそれぞれ計画するステップと、
記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果に基づいて、各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文を特定するステップと、
計画した各経路及び各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定し、各候補タスクに含まれるユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻をそれぞれ特定するステップと、
特定された各候補タスクの荷物ピッキング時刻の前後順に基づいて、各候補タスクのうちから目標タスクを特定し、ユーザ及び搬送機器が前記目標タスクを実行するように、前記目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び前記目標タスクを実行する搬送機器に前記目標タスクを送信し、前記目標タスクのピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を前記搬送機器に割り当て、記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果を更新するステップと、を含む。
【0020】
選択的に、計画した各経路及び各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定するステップは、具体的に、
荷物ピッキングを実行すべき各格納場所について、該格納場所で荷物ピッキングが行われるピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を特定するステップと、
前記荷物ピッキング待ち注文が搬送機器に割り当てられた場合、該搬送機器が該格納場所に到達する経路及び各ユーザが該格納場所に到達する経路に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定するステップと、
前記荷物ピッキング待ち注文がいずれの搬送機器にも割り当てられていない場合、計画した各経路に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定するステップと、を含む。
【0021】
選択的に、前記方法は、
前記目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び前記目標タスクを実行する搬送機器に前記目標タスクを送信した後、前記目標タスクの格納場所の位置に基づいて、前記端末及び前記搬送機器の初期位置を記憶するステップをさらに含む。
【0022】
選択的に、各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置に基づいて、各ユーザ及び各搬送機器が該格納場所に到達する経路を計画する前に、前記方法は、
各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置を特定するステップをさらに含む。
【0023】
選択的に、各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置を特定するステップは、具体的に、
各端末について、該端末に実行待ち目標タスクがない場合、該端末の現在位置を該端末の初期位置として取得し、該端末に実行待ち目標タスクがある場合、記憶されている該端末の初期位置を取得するステップと、
各搬送機器について、該搬送機器に実行待ち目標タスクがない場合、該搬送機器の現在位置を該搬送機器の初期位置として取得し、該搬送機器に実行待ち目標タスクがある場合、記憶されている該搬送機器の初期位置を取得するステップと、を含む。
【0024】
選択的に、各候補タスクに含まれるユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻をそれぞれ特定するステップは、具体的に、
各候補タスクについて、該候補タスクに含まれるユーザと搬送機器がそれぞれ対応する経路に基づいて、ユーザが走行にかかる時間及び搬送機器が走行にかかる時間を特定するステップと、
ユーザが走行にかかる時間及びユーザが端末の初期位置から出発する時刻に基づいて、ユーザ到達時刻を特定するステップと、
搬送機器が走行にかかる時間及び搬送機器が初期位置から出発する時刻に基づいて、搬送機器到達時刻を特定するステップと、
ユーザ到達時刻及び搬送機器到達時刻に基づいて、ユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻を特定するステップと、を含む。
【0025】
選択的に、ユーザが端末の初期位置から出発する時刻を特定するステップは、具体的に、
各端末について、該端末に実行待ち目標タスクがない場合、現在時刻をユーザが端末の初期位置から出発する時刻とし、該端末に実行待ち目標タスクがある場合、該端末の実行待ち目標タスクの実行完了時刻を、ユーザが端末の初期位置から出発する時刻として特定するステップを含む。
【0026】
選択的に、搬送機器が初期位置から出発する時刻を特定するステップは、具体的に、
各搬送機器について、該搬送機器に実行待ち目標タスクがない場合、現在時刻を搬送機器が初期位置から出発する時刻とし、該搬送機器に実行待ち目標タスクがある場合、該搬送機器の実行待ち目標タスクの実行完了時刻を、搬送機器が初期位置から出発する時刻として特定するステップを含む。
【0027】
選択的に、前記方法は、
各搬送機器について、該搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該搬送機器の残りの収納空間を特定するステップと、
該搬送機器の残りの収納空間が未割り当ての荷物ピッキング待ち注文に必要となる収納空間よりも小さい場合、該搬送機器に未割り当ての荷物ピッキング待ち注文に対応する目標タスクを割り当てないステップと、をさらに含む。
【0028】
選択的に、前記方法は、
端末又は搬送機器から送信された目標タスク実行完了の情報を受信し、ピッキング待ち荷物を更新するステップをさらに含み、
前記目標タスク実行完了の情報は、端末又は搬送機器によって監視したユーザ操作に基づいて送信される。
【0029】
本明細書で提供される荷物ピッキングスケジューリング装置は、
各荷物ピッキング待ち注文に含まれるピッキング待ち荷物に基づいて、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所を特定する特定モジュールと、
荷物ピッキングを実行すべき各格納場所について、各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置に基づいて、各ユーザ及び各搬送機器が該格納場所に到達する経路をそれぞれ計画する経路計画モジュールと、
記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果に基づいて、各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文を特定し、計画した各経路及び各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定し、各候補タスクに含まれるユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻をそれぞれ特定するタスクマッチングモジュールと、
特定された各候補タスクの荷物ピッキング時刻の前後順に基づいて、各候補タスクのうちから目標タスクを特定し、ユーザ及び搬送機器が前記目標タスクを実行するように、前記目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び前記目標タスクを実行する搬送機器に前記目標タスクを送信し、前記目標タスクのピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を前記搬送機器に割り当て、記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果を更新するタスク割り当てモジュールと、を含む。
【0030】
選択的に、前記タスクマッチングモジュールは、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所について、該格納場所で荷物ピッキングが行われるピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を特定し、前記荷物ピッキング待ち注文が搬送機器に割り当てられた場合、該搬送機器が該格納場所に到達する経路及び各ユーザが該格納場所に到達する経路に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定し、前記荷物ピッキング待ち注文がいずれの搬送機器にも割り当てられていない場合、計画した各経路に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定する。
【0031】
選択的に、前記タスク割り当てモジュールは、前記目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び前記目標タスクを実行する搬送機器に前記目標タスクを送信した後、前記目標タスクの格納場所の位置に基づいて、前記端末及び前記搬送機器の初期位置を記憶する。
【0032】
選択的に、前記経路計画モジュールは、各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置に基づいて、各ユーザ及び各搬送機器が該格納場所に到達する経路を計画する前に、各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置を特定する。
【0033】
選択的に、前記経路計画モジュールは、各端末について、該端末に実行待ち目標タスクがない場合、該端末の現在位置を該端末の初期位置として取得し、該端末に実行待ち目標タスクがある場合、記憶されている該端末の初期位置を取得し、各搬送機器について、該搬送機器に実行待ち目標タスクがない場合、該搬送機器の現在位置を該搬送機器の初期位置として取得し、該搬送機器に実行待ち目標タスクがある場合、記憶されている該搬送機器の初期位置を取得する。
【0034】
選択的に、前記タスクマッチングモジュールは、各候補タスクについて、該候補タスクに含まれるユーザと搬送機器がそれぞれ対応する経路に基づいて、ユーザが走行にかかる時間及び搬送機器が走行にかかる時間を特定し、ユーザが走行にかかる時間及びユーザが端末の初期位置から出発する時刻に基づいて、ユーザ到達時刻を特定し、搬送機器が走行にかかる時間及び搬送機器が初期位置から出発する時刻に基づいて、搬送機器到達時刻を特定し、ユーザ到達時刻及び搬送機器到達時刻に基づいて、ユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻を特定する。
【0035】
選択的に、前記タスクマッチングモジュールは、各端末について、該端末に実行待ち目標タスクがない場合、現在時刻をユーザが端末の初期位置から出発する時刻とし、該端末に実行待ち目標タスクがある場合、該端末の実行待ち目標タスクの実行完了時刻を、ユーザが端末の初期位置から出発する時刻として特定する。
【0036】
選択的に、前記タスクマッチングモジュールは、各搬送機器について、該搬送機器に実行待ち目標タスクがない場合、現在時刻を搬送機器が初期位置から出発する時刻とし、該搬送機器に実行待ち目標タスクがある場合、該搬送機器の実行待ち目標タスクの実行完了時刻を、搬送機器が初期位置から出発する時刻として特定する。
【0037】
選択的に、前記タスク割り当てモジュールは、各搬送機器について、該搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該搬送機器の残りの収納空間を特定し、該搬送機器の残りの収納空間が未割り当ての荷物ピッキング待ち注文に必要となる収納空間よりも小さい場合、該搬送機器に未割り当ての荷物ピッキング待ち注文に対応する目標タスクを割り当てない。
【0038】
選択的に、前記タスク割り当てモジュールは、端末又は搬送機器から送信された目標タスク実行完了の情報を受信し、ピッキング待ち荷物を更新し、前記目標タスク実行完了の情報は、端末又は搬送機器によって監視したユーザ操作に基づいて送信される。
【0039】
本明細書の実施例が採用する上記少なくとも1つの技術的解決手段は下記の有益な効果を達成できる。
【0040】
荷物ピッキング待ち注文に含まれる各ピッキング待ち荷物について、ピッキング待ち荷物の所在する格納場所の位置、各ユーザが所持する端末の初期位置、各搬送機器の初期位置に基づいて、ユーザ及び搬送機器が該格納場所に到達する経路を計画し、次に、決定された各経路計画及び割り当て済みの荷物ピッキング待ち注文に基づいて、ユーザ及び搬送機器をマッチングしていくつかの候補タスクを特定し、各候補タスクの荷物ピッキング時刻を特定し、その後、各候補タスクの荷物ピッキング時刻の前後順に基づいて、各候補タスクのうちから目標タスクを特定し、ユーザと搬送機器が協働して荷物ピッキングを実行するように、該目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び該目標タスクを実行する搬送機器に該目標タスクを送信する。搬送機器及びユーザの経路計画と割り当て済みの荷物ピッキング待ち注文によって、いくつかの候補タスク及びその荷物ピッキング時刻を特定することで、ピッキング待ち荷物のうちから、最も時間がかからないピッキング待ち荷物を見つけて荷物ピッキングを実行することが可能になる。一方では、ユーザは特定の荷物ピッキング待ち注文を追跡して荷物ピッキングを実行する必要はなく、端末により受信された目標タスクに基づいて、任意の荷物ピッキング待ち注文に含まれる最寄りのピッキング待ち荷物に対して荷物ピッキングを実行することができる。他方では、搬送機器の優位性が十分に利用されることで、搬送機器は常時同一のユーザと協働して荷物ピッキングを実行することなく、効率を最大化する方式で、目標タスクに指定された格納場所に到達して異なるユーザと協働して荷物ピッキングを実行し、搬送機器の制限が減少する。該スケジューリングシステムによって、従来の倉庫を改造することなく、ユーザの荷物ピッキングをする際の移動にかかる時間を減らし、荷物ピッキング効率の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本開示の実施例の技術的解決手段をより明瞭に説明するために、以下において、実施例に用いられる図面について簡単に説明し、ここの図面は明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、これらの図面は本開示に合致する実施例を示し、明細書と共に本開示の技術的解決手段を説明するために用いられる。以下の図面はただ本開示の一部の実施例を示すため、範囲を限定するものと見なしてはならなく、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の関連図面に想到し得ることを理解すべきである。
図1】従来の倉庫の構造模式図である。
図2】従来の種々の知能倉庫の構造模式図である。
図3】本明細書の実施例で提供される荷物ピッキングスケジューリングシステムの模式図である。
図4a】本明細書の実施例で提供される経路計画の模式図である。
図4b】本明細書の実施例で提供される経路計画の模式図である。
図5】本明細書の実施例で提供される計画経路のマッチングにより特定された候補タスクの模式図である。
図6】本明細書の実施例で提供される荷物ピッキングスケジューリングの手順模式図である。
図7】本明細書の実施例で提供される荷物ピッキングスケジューリング装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本明細書の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下において、本明細書の具体的な実施例及び対応する図面を参照しながら本願の技術的解決手段を明確に、完全に説明し、当然ながら、説明される実施例は本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本明細書における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要することなく得られた他の全ての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0043】
従来の倉庫の構造は図1に示されるとおり、ユーザは具体的には倉庫の荷物ピッキング作業者であり、通常はカート又は荷車を携えて、配布された荷物ピッキング待ち注文に含まれるピッキング待ち荷物に基づいて、倉庫内の対応する格納場所を順番に訪れて荷物をピッキングする。一般的に、荷物ピッキング経路の最適化がないため、ユーザは各格納場所間の移動に多大な時間をかける必要がある。一方、1つの荷物ピッキング待ち注文について1つのユーザのみが荷物ピッキングを行うため、該荷物ピッキング待ち注文に含まれる各ピッキング待ち荷物が倉庫内で分散して格納されている場合、ユーザは、荷物ピッキング経路が最適化されても、長い距離を歩いて順番に荷物をピッキングする必要がある。図1中のユーザAを例にし、割り当てられた注文1に含まれる4つのピッキング待ち荷物がそれぞれ倉庫の4つの隅部に位置し、この場合、荷物ピッキングを完了するには、ユーザは少なくとも順に上記4つの隅部の位置まで移動する必要がある。
【0044】
また、現在、搬送機器とユーザが協働して荷物をピッキングする方法もあるが、これらの方法はユーザにより移動されるカート又は荷車を自走可能な搬送機器に置き換えただけであり、依然としてユーザは搬送機器に追従して荷物ピッキング待ち注文に含まれる各ピッキング待ち荷物の格納場所を順番に訪れて荷物ピッキングを実行する必要があり、実際には、カート又は荷車の移動にかかるユーザの体力消耗が減少するだけであり、荷物ピッキング効率が向上していない。
【0045】
従来の一般的な知能倉庫は図2に示されるとおり、搬送機器はピッキング待ち荷物の所在する棚に基づいて、棚を荷物ピッキング領域まで搬送し、その後、荷物ピッキング領域内のユーザは棚から荷物をピッキングし、迅速な荷物ピッキングを実現している。しかし、このような知能倉庫用の棚は従来の倉庫用の棚ではなく、倉庫に対する大幅なアップグレードや改造が必要であり、コストが高い。
【0046】
以下において、図面を参照しながら本願の各実施例で提供される技術的解決手段を詳細に説明する。
【0047】
図3は、本明細書の実施例で提供される荷物ピッキングスケジューリングシステムの模式図であり、該システムは、制御センタ100、ユーザが所持する端末102、及び搬送機器104を含む。
【0048】
該制御センタ100は、各搬送機器104が異なる格納場所に到達するように遠隔制御し、及び各端末102に目標タスクを送信し、端末を所持するユーザに、格納場所まで到達して搬送機器104と協働して荷物ピッキングを実行して、荷物ピッキングを完了すること(即ち、本明細書に記載の目標タスク)を指示するために用いられる。該制御センタ100は、具体的にはサーバのような倉庫内で荷物ピッキングスケジューリングを行うための機器であってもよく、独立した1台の機器又は複数の機器からなる分散サーバであってもよく、本明細書はこれについて限定しない。本明細書において、荷物ピッキングとは、注文の要件に応じて倉庫の格納場所から注文に必要となる荷物をピッキングするプロセスをいう。荷物ピッキング待ち注文とは、含まれる荷物のピッキングがなされていない注文をいう。ピッキング待ち荷物とは、荷物ピッキング待ち注文に含まれる、荷物ピッキングがなされていない荷物をいう。
【0049】
端末102はユーザが所持する端末であり、具体的には携帯電話、タブレットコンピュータ等の機器であってもよく、本明細書では限定しない。該端末102は、自端末の所在する位置を監視して制御センタ100に送信し、制御センタ100から送信される目標タスクを受信してユーザに目標タスクの実行を提示するために用いられる。ユーザは倉庫内の荷物ピッキング作業者であり、該端末102により指示される実行すべき目標タスクに基づいて、格納場所まで到達して倉庫内の搬送機器104と協働して荷物ピッキングを実行する。具体的に荷物をピッキングする際に、ユーザは端末102を介して目標タスクに含まれる情報に基づいて、ピッキングすべきピッキング待ち荷物、ピッキング待ち荷物の数、ピッキング待ち荷物の所在する格納場所等の情報を確認し、格納場所から対応するピッキング待ち荷物をピッキングして搬送機器104上に置いて目標タスクを完了することができる。
【0050】
搬送機器104は倉庫内でユーザと協働して荷物ピッキングを実行する機器である。前述したように、該搬送機器104はユーザがピッキングしたピッキング待ち荷物を置くために用いられるため、該搬送機器104にはピッキング荷物を置くための領域が設けられてもよく、例えば、搬送機器104上に複数の予備格納箱が設けられてもよく、又は搬送機器104内にユーザがピッキングした荷物を収めるための収納コンパートメントが設けられてもよく、搬送機器104が具体的にどのように荷物を収めるかについて本明細書は限定しない。
【0051】
該搬送機器104は、自機器の所在する位置を監視し、監視した自機器の所在する位置を制御センタ100に送信し、受信した制御センタ100から送信される目標タスクに基づいて、格納場所まで走行するために用いられ、その後、ユーザは格納場所におけるピッキング待ち荷物をピッキングして該搬送機器104に置いて、受信した目標タスクを完了する。
【0052】
また、該搬送機器104及び該端末102はいずれも従来の比較的成熟した測位技術を用いて、自身の位置を特定することができ、当然ながら、具体的にどのような方式でどのように測位するかは必要に応じて設定することができ、本明細書はこれについて限定しない。
【0053】
図3から分かるように、制御センタ100は搬送機器104及び端末102に目標タスクを送信し、目標タスクを受信した搬送機器104は、破線に沿って格納場所まで到達し、端末102により指示される目標タスクに基づいて破線に沿って該格納場所まで到達したユーザと格納場所で荷物ピッキングを実行する。
【0054】
理解の便宜上、本明細書において制御センタ100が目標タスクを特定して搬送機器104及び端末102に送信するプロセスを例にして説明する。
【0055】
本明細書において、該制御センタ100は、各荷物ピッキング待ち注文について、該荷物ピッキング待ち注文に含まれる各ピッキング待ち荷物をそれぞれ1つの独立した荷物ピッキングタスクとし、各搬送機器104及び各ユーザ荷物ピッキングが走行すべき経路を計画することで、いくつかの候補タスクを特定し、その後、各候補タスクの荷物ピッキング効率を特定することで、候補タスクから実行すべき目標タスクを特定することができる。
【0056】
具体的に、まず、該制御センタ100は、各荷物ピッキング待ち注文を取得し、各荷物ピッキング待ち注文に含まれるピッキング待ち荷物に基づいて、荷物ピッキングを実行すべき各ピッキング待ち荷物の所在する格納場所を特定することができる。特定された各格納場所は、ユーザと搬送機器104が協働して荷物ピッキングを実行すべき位置であるため、各格納場所を各独立した荷物ピッキングタスクのスケジューリング先とすることができる。該制御センタ100は目標タスクを送信することで、搬送機器104とユーザが該格納場所まで到達して荷物ピッキングを実行するようにスケジューリングする必要がある。
【0057】
その後、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所を特定した後、該制御センタ100は、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所について、各端末102の初期位置に基づいて、各ユーザが該格納場所に到達する経路をそれぞれ計画し、及び各搬送機器104の初期位置に基づいて、各搬送機器104が該格納場所に到達する経路をそれぞれ計画することができる。従来の倉庫において、荷物ピッキングは時間が最もかかるステップであり、異なる格納場所間の移動にかかる時間こそ、荷物ピッキング効率に最も影響を与える因子である。したがって、本明細書において、該制御センタ100は従来の最短経路計画方法を用いて、各初期位置から各格納場所までの経路を決定することができる。これにより、後続プロセスによって、移動に時間が最もかからない候補タスクを目標タスクとして選択することができる。
【0058】
次に、該制御センタ100は、記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果に基づいて、各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文を特定することができ、荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果をどのように記憶するかについては、本明細書は後続で説明する。また、全ての荷物ピッキング待ち注文が搬送機器に割り当てられたわけではなく、荷物ピッキング待ち注文に含まれるピッキング待ち荷物のピッキングがなされていない場合、又は目標タスクのピッキング対象として搬送機器に送信されていない場合、該荷物ピッキング待ち注文はいずれの搬送機器にも割り当てられていない注文に該当する。該制御センタ100は荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果を特定した後、引き続いて各格納場所について、計画した該格納場所までの各経路及び各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定することができる。制御センタ100は、つまり、1台の搬送機器104と1つのユーザが同一の格納場所まで到達して荷物ピッキングを実行するようにスケジューリングし、したがって、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定するプロセスは、決定された搬送機器の対応する経路と決定されたユーザの対応する経路を組み合わせるプロセスと見なしてもよく、特定された候補タスクには、どの搬送機器104がどのような経路でどの格納場所に到達するか、及びどの端末102を所持するユーザがどのような経路で該格納場所まで到達するかが含まれる。
【0059】
その後、該制御センタ100は、各候補タスクについて、該候補タスクに含まれるユーザと搬送機器104が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻を特定することができる。
【0060】
具体的に、該制御センタ100はまず、該候補タスクに含まれるユーザと搬送機器104がそれぞれ対応する経路に基づいて、ユーザが対応する経路に沿って格納場所まで到達する走行にかかる時間、及び該搬送機器104が対応する経路に沿って格納場所まで到達する走行にかかる時間を特定することができる。ユーザが走行にかかる時間は、予め設定されたユーザ平均移動速度及びユーザの対応する経路の長さに基づいて特定でき、同様に、搬送機器104が走行にかかる時間も同様の方法で特定できる。次に、ユーザが走行にかかる時間及びユーザが端末の初期位置から出発する時刻に基づいて、ユーザ到達時刻を特定し、搬送機器104が走行にかかる時間及び搬送機器104が初期位置から出発する時刻に基づいて、搬送機器104の到達時刻を特定する。その後、ユーザ到達時刻及び搬送機器104の到達時刻に基づいて、ユーザと搬送機器104が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻を特定する。ユーザ出発時刻と搬送機器104の出発時刻が異なる場合があり、両方の走行にかかる時間も異なるため、協働して荷物ピッキングを実行する搬送機器104とユーザの一方が先に格納場所まで到達し、他方が後に格納場所まで到達するのは一般的であるが、両方とも格納場所に到達した場合にのみ荷物ピッキングの実行が可能である。そこで、該制御センタ100は、ユーザ到達時刻及び搬送機器104の到達時刻のうちの最も遅い時刻に基づいて、ユーザと搬送機器104が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻を特定することができる。
【0061】
その後、制御センタ100は各候補タスクの荷物ピッキング時刻を特定した後、特定された各候補タスクの荷物ピッキング時刻の前後順に基づいて、各候補タスクのうちから目標タスクを特定することができる。具体的に、該制御センタ100は搬送機器104とユーザが協働して各格納場所で荷物ピッキングを実行するのに対応する全ての候補タスクを特定したため、候補タスクの荷物ピッキング時刻が早いほど、搬送機器104とユーザが荷物ピッキング前の移動にかかる時間が少なく、荷物ピッキング効率が高いことになり、したがって、制御センタ100は荷物ピッキング時刻が最も早い候補タスクを目標タスクとする。
【0062】
例えば、ある搬送機器104とあるユーザがたまたまある格納場所の前に位置し、1つのピッキング待ち荷物がちょうど該格納場所にあると仮定すると、ユーザがすぐにピッキングできるため、該搬送機器104及び該ユーザが該格納場所で該ピッキング待ち荷物をピッキングするのに対応する候補タスクのかかる時間が最も少なく、この場合、制御センタ100は該候補タスクを目標タスクとして特定することができる。
【0063】
最後に、制御センタ100は特定された目標タスクに基づいて、該目標タスクを実行するユーザが所持する端末102及び該目標タスクを実行する搬送機器104に該目標タスクを送信することができる。また、制御センタ100は、目標タスクのピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を該搬送機器104に割り当てると決定し、記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果を更新することもできる。説明すべきことは、該荷物ピッキング待ち注文を搬送機器104に割り当てることが前記プロセスにおいて決定された場合、荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果を更新しなくてもよい点である。
【0064】
搬送機器104は、受信した目標タスクに基づいて、目標タスクに対応する、荷物ピッキングを実行すべきピッキング待ち荷物の所在する格納場所まで走行し、荷物ピッキングを実行するためにユーザを待つことができる。ユーザは、制御センタ100から送信される目標タスクを所持する端末102によって受信し、そしてどの格納場所に行って荷物ピッキングを実行すべきかを端末102によって確認し、該格納場所まで移動して搬送機器104と協働して荷物ピッキングを実行することができる。
【0065】
また、本明細書で提供されるスケジューリングシステムにおいて、該搬送機器104には、例えばタッチパネルのようなユーザが操作するコントロールパネルが設けられてもよい。ユーザが格納場所でピッキング待ち荷物を搬送機器104上にピッキングした後、該ユーザは、該搬送機器104及び該ユーザが引き続いて次のタスクを実行できるようになっていることを制御センタ100が確認するように、該コントロールパネルを介して制御センタ100に目標タスク実行完了の情報を送信することもできる。
【0066】
具体的に、搬送機器104は、監視したユーザ操作に基づいて、荷物ピッキングが完了し、現在実行中の目標タスクの実行が完了したことを確認して、制御センタ100に該目標タスク実行完了の情報を送信することができる。制御センタ100は、受信した目標タスク実行完了の情報に基づいて、荷物ピッキングが完了したピッキング待ち荷物を特定し、残りの荷物ピッキングを実行すべきピッキング待ち荷物を更新することができる。
【0067】
あるいは、ユーザは自身が所持す端末102を操作することで、制御センタ100に目標タスク実行完了の情報を送信することもでき、この場合、端末102は、監視したユーザ操作に基づいて、荷物ピッキングが完了し、現在実行中の目標タスクの実行が完了したことを確認して、制御センタ100に該目標タスク実行完了の情報を送信することができる。
【0068】
当然、異常事態により、目標タスクが完了できない場合、ユーザは、搬送機器104又は自身が所持する端末102を介して制御センタ100に目標タスク実行失敗の情報を送信してもよい。この場合、制御センタ100は、まず該目標タスクのピッキングすべき荷物が一時的にピッキングできないことを確認し、異常が排除されたことを確認した後、目標タスクを再度特定する際に、改めて該荷物をピッキング待ち荷物とし、該ピッキング待ち荷物に対応する各候補タスクを特定することができる。
【0069】
図3に示すシステムによれば、制御センタは、荷物ピッキング待ち注文に含まれる各ピッキング待ち荷物について、ピッキング待ち荷物の所在する格納場所の位置、各ユーザが所持する端末の初期位置、各搬送機器の初期位置に基づいて、ユーザ及び搬送機器が該格納場所に到達する経路を計画し、次に、決定された各経路計画及び割り当て済みの荷物ピッキング待ち注文に基づいて、ユーザ及び搬送機器をマッチングしていくつかの候補タスクを特定し、各候補タスクの荷物ピッキング時刻を特定し、その後、各候補タスクの荷物ピッキング時刻の前後順に基づいて、各候補タスクのうちから目標タスクを特定し、ユーザと搬送機器が協働して荷物ピッキングを実行するように、該目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び該目標タスクを実行する搬送機器に該目標タスクを送信することができる。搬送機器及びユーザの経路計画と割り当て済みの荷物ピッキング待ち注文によって、いくつかの候補タスク及びその荷物ピッキング時刻を特定することで、ピッキング待ち荷物のうちから、最も時間がかからないピッキング待ち荷物を見つけて荷物ピッキングを実行することが可能になる。一方では、ユーザは特定の荷物ピッキング待ち注文を追跡して荷物ピッキングを実行する必要はなく、端末により受信された目標タスクに基づいて、任意の荷物ピッキング待ち注文に含まれる最寄りのピッキング待ち荷物に対して荷物ピッキングを実行することができる。他方では、搬送機器の優位性が十分に利用されることで、搬送機器は常時同一のユーザと協働して荷物ピッキングを実行することなく、効率を最大化する方式で、目標タスクに指定された格納場所に到達して異なるユーザと協働して荷物ピッキングを実行し、搬送機器の制限が減少する。該スケジューリングシステムによって、従来の倉庫を改造することなく、ユーザの荷物ピッキングをする際の移動にかかる時間を減らし、荷物ピッキング効率の向上を実現することができる。
【0070】
また、本明細書において、該制御センタ100は、搬送機器104及び端末102に目標タスクを送信した後、目標タスクの特定を継続して目標タスクを実行する搬送機器104及び端末102にそれを送信するように、目標タスクを特定するプロセスを繰り返してもよい。
【0071】
また、該制御センタ100は送信した各目標タスクについて、該目標タスク実行完了の情報を受信する前に、該目標タスクを実行する搬送機器104及び端末102に目標タスクを再び送信しなくてもよい。つまり、実行待ち目標タスクを持っている搬送機器104及び端末102について、搬送機器104及び端末102による目標タスクの実行が完了するまで、該制御センタ100は経路計画を再びしなくてもよい。つまり、制御センタ100は搬送機器104及び端末102を、現在実行待ち目標タスクを持っていないものと、実行待ち目標タスクを持っているものの2種類に分けてから、現在実行待ち目標タスクを持っていない搬送機器104及び端末102により実行される候補タスクのみを目標タスクとして選択してもよい。
【0072】
しかし、そうすると、制御センタ100が目標タスクを特定する際の選択可能な余地が小さくなることがあるため、本明細書は、搬送機器104及び端末102が実行待ち目標タスクを持っているか否かによって、制御センタ100が目標タスクを特定する際の選択可能な余地が制限されることのない別のスケジューリングシステムをさらに提供する。つまり、各搬送機器104及び各端末について、荷物ピッキングの実行中か否かに関わらず、荷物ピッキングを実行可能な可能性が考慮される。
【0073】
上記プロセスを実現するために、該制御センタ100は、目標タスクを実行中の搬送機器104及び端末102について、割り当てられた目標タスクを実行完了した後の位置を予測して初期位置とし、経路を計画する必要があり、そして割り当てられた目標タスクを実行完了した後の時間を予測して、候補タスクを実行する場合の荷物ピッキング時刻を特定する必要がある。
【0074】
以下において、初期位置の特定及び荷物ピッキング時刻の特定についてそれぞれ説明する。
【0075】
本明細書で提供される荷物ピッキングスケジューリングシステムにおいて、制御センタ100が目標タスクを送信した後、目標タスクを受信した搬送機器104及び目標タスクを受信した端末102を所持するユーザは、移動して目標タスクを実行する必要があり、この時、制御センタ100は、全てのピッキング待ち荷物のピッキングが完了するまで、倉庫内の搬送機器104とユーザが絶え間なく協働して荷物ピッキングを実行するように、引き続いて残りのピッキング待ち荷物に基づいて、目標タスクを特定する上記プロセスを繰り返し、決定された目標タスクを順に送信する必要がある。当然、一般的に、倉庫内の荷物は絶え間なく出入庫されているため、実際には、荷物ピッキングスケジューリングの段階にあるプロセスは停止することがない。
【0076】
目標タスクの実行にかかる時間は、一般的に制御センタ100が目標タスクを特定する時間よりも長いため、一定の時間後に、制御センタ100が再度荷物ピッキングを実行すべき各格納場所を特定し、目標タスクの特定を繰り返す際には、各端末102及び各搬送機器104はいずれも過去に送信された目標タスクの実行中である場合が発生し得る。そこで、該制御センタ100は送信された目標タスクに基づいて、各端末102及び各搬送機器104の初期位置を特定することができる。
【0077】
具体的に、該制御センタ100は目標タスクを送信した後、該目標タスクの格納場所の位置を、該目標タスクを実行する搬送機器104及びユーザが所持する端末102の初期位置として記憶することができる。
【0078】
さらに、各端末102について、制御センタ100が該端末102に複数の目標タスクを繰り返し送信する時、制御センタ100は毎回該端末102に目標タスクを送信した後、直近に送信された目標タスクに基づいて、記憶されている該端末102の初期位置を更新することができる。同様に、各搬送機器104についても、該制御センタ100は同様の方法で記憶されている初期位置を更新することができる。
【0079】
さらに、制御センタ100は目標タスク実行完了の情報を受信した後、初期位置として記憶されている該目標タスクの格納場所の位置を削除し、リアルタイムに特定される端末102の位置及び搬送機器104の位置に基づいて初期位置を特定することができる。
【0080】
例えば、仮に端末xについて、制御センタ100は目標タスク1を送信した後、目標タスク1の格納場所の位置Aを該端末xの初期位置として記憶することができ、その後再度端末xに目標タスク2を送信した後、目標タスク2の格納場所の位置Bに基づいて、該端末xの初期位置を位置Bに更新し、続いて目標タスク1実行完了の情報を受信した時、現在記憶されている初期位置は目標タスク2の格納場所の位置であるため、記憶されている初期位置を削除しない。目標タスク2実行完了の情報を受信した時に、記憶されている端末xの初期位置を削除し、端末x現在の所在する位置を初期位置とする。
【0081】
具体的に、該制御センタ100は各端末102及び各搬送機器104の初期位置を特定する際に、各端末102について、該端末102に実行待ち目標タスクがない場合、該端末102の現在位置を該端末102の初期位置として取得し、該端末102に実行待ち目標タスクがある場合、記憶されている該端末102の初期位置を取得する。
【0082】
各搬送機器104について、該搬送機器104に実行待ち目標タスクがない場合、該搬送機器104の現在位置を該搬送機器104の初期位置として取得し、該搬送機器104に実行待ち目標タスクがある場合、記憶されている該搬送機器104の初期位置を取得する。
【0083】
また、本明細書における荷物ピッキングスケジューリングシステムは、測位基地局106をさらに含んでもよく、該測位基地局106は複数設けられてもよく、具体的には必要に応じて設定でき、本明細書では限定しない。該測位基地局106は各端末102と通信し、各端末102の位置を特定し、特定された各端末102の位置を制御センタ100に送信するために用いられる。測位基地局106の具体的な測位方式についても本明細書は限定せず、例えばウルトラワイドバンド(Ultra Wide Band,UWB)技術で測位することができる。
【0084】
また、本明細書において、各荷物ピッキング待ち注文について、該荷物ピッキング待ち注文に含まれる各ピッキング待ち荷物を該当しない搬送機器104内にピッキングすることを回避するために、該制御センタ100は各ピッキング待ち注文について、該ピッキング待ち注文に含まれるいずれかのピッキング待ち荷物が初めて目標タスク内のピッキングすべき荷物として、搬送機器104に送信される際に、該ピッキング待ち注文を該搬送機器104に割り当てると決定し、ピッキング待ち注文の注文識別子と搬送機器104の機器識別子の対応関係を記憶する。
【0085】
したがって、候補タスクを特定する際に、該制御センタ100は、該格納場所で荷物ピッキングが行われるピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を特定することもでき、即ち、どの荷物ピッキング待ち注文に該ピッキング待ち荷物が含まれるかを特定することができる。
【0086】
該ピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文が搬送機器104に割り当てられたならば、該ピッキング待ち荷物に対する荷物ピッキングは該搬送機器104によりのみ実行可能であることになり、この場合、該制御センタ100は、図4aに示すように、該搬送機器104が該格納場所に到達する経路及び各ユーザが該格納場所に到達する経路に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザと搬送機器104をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定することができる。
【0087】
図4aから分かるように、ピッキング待ち注文0001に含まれるピッキング待ち荷物の各々に対応する荷物識別子は荷物0201、荷物0111、荷物0031であり、機器識別子E123の搬送機器104は該ピッキング待ち注文0001が割り当てられ、荷物識別子が荷物0201のピッキング待ち荷物が収められている。この場合、荷物識別子が荷物0111のピッキング待ち荷物に対応する格納場所(即ち図4a中のA位置)について、該制御センタ100は機器識別子E123の搬送機器104のみについて、A位置までの経路(即ち図4a中の破線)を計画し、さらに、各ユーザがA位置まで到達する経路(即ち図4a中の実線)を計画し、マッチングによっていくつかの候補タスクを特定することができる。
【0088】
該ピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文がいずれの搬送機器104にも割り当てられていないならば、いずれの搬送機器104も該格納場所まで到達して、荷物ピッキングタスクを実行できることになり、したがって制御センタ100は、図4bに示すように、計画した各経路に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行する各ユーザと各搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定することができる。
【0089】
図4bから分かるように、ピッキング待ち注文0001に含まれるピッキング待ち荷物の各々に対応する荷物識別子は荷物0201、荷物0111、荷物0031であり、対応する格納場所はそれぞれ図4b中のA位置、B位置及びC位置である。荷物識別子が荷物0201のピッキング待ち荷物に対応する格納場所を例にし、該制御センタ100は、各搬送機器104がA位置まで到達する経路(即ち図4b中の破線)を計画し、及び各ユーザがA位置まで到達する経路(即ち図4b中の実線)を計画し、マッチングによっていくつかの候補タスクを特定することができる。
【0090】
さらに、該制御センタ100は、各格納場所について、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定する際に、計画した各経路に基づいて、搬送機器104とユーザが該格納場所で荷物ピッキングを実行し得る候補タスクをマッチングすることができる。
【0091】
例えば、制御センタがA位置の格納場所について計画した各搬送機器104の対応する経路はそれぞれα1~αnであり、計画した各ユーザの対応する経路はそれぞれβ1~βmであり、ここで、nは荷物ピッキングを実行可能な搬送機器104が全部でn個あることを表し、mは荷物ピッキングを実行可能なユーザが全部でm人あることを表すと仮定すると、図5に示す順列組み合せに基づいて、いくつかの候補タスクを特定することができる。図5中の左側のノードは搬送機器104の対応する経路を表し、右側のノードはユーザの対応する経路を表し、ノード間の各結線はマッチングにより特定された1つの候補タスクを表す。
【0092】
本明細書において、制御センタ100は候補タスクの荷物ピッキング時刻を特定する必要がある時、制御センタ100は、各端末102について、該端末102に実行待ち目標タスクがない場合、現在時刻をユーザが該端末102の初期位置から出発する時刻とし、該端末102に実行待ち目標タスクがある場合、該端末102の実行待ち目標タスクの実行完了時刻を、ユーザが該端末102の初期位置から出発する時刻として特定する。
【0093】
実行待ち目標タスクの実行完了時刻とは、該端末102に割り当てられた全ての目標タスクが実行完了した時刻をいう。具体的には、割り当てられた目標タスクの荷物ピッキング時刻及び予め設定された荷物ピッキングにかかる平均時間に基づいて、全ての目標タスクが実行完了した時刻を特定することができる。
【0094】
例えば、端末xに送信される目標タスクは表1に示すものであると仮定する。
【表1】
【0095】
荷物ピッキングにかかる平均時間が1分であると仮定すると、該端末102の全ての目標タスクが実行完了した時刻は19:09となる。
【0096】
同様に、各搬送機器104について、該搬送機器104に実行待ち目標タスクがない場合は、現在時刻を搬送機器104が初期位置から出発する時刻とし、該搬送機器104に実行待ち目標タスクがある場合は、該搬送機器104の実行待ち目標タスクの実行完了時刻を、搬送機器104が初期位置から出発する時刻として特定する。
【0097】
また、本明細書において、搬送機器104の荷物を格納するための空間が限られているため、空き位置のない搬送機器104をスケジューリングしたことを回避するために、該制御センタ100は、各搬送機器について、該搬送機器104に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該搬送機器104の残りの収納空間を特定することができ、該搬送機器104の残りの収納空間が未割り当ての荷物ピッキング待ち注文に必要となる収納空間よりも小さい場合、該搬送機器104に未割り当ての荷物ピッキング待ち注文に対応する目標タスクを割り当てない。
【0098】
当然、各荷物ピッキング待ち注文について、該搬送機器104の残りの収納空間が荷物ピッキング待ち注文に必要となる収納空間を満たすならば、該荷物ピッキング待ち注文に含まれるピッキング待ち荷物の格納場所について経路を計画する際に、該搬送機器104の経路を計画すると決定できることが理解される。
【0099】
例えば、表2に示すように、現在荷物ピッキング待ち注文01~03があると仮定する。
【表2】
【0100】
ある搬送機器104の残りの収納空間が0.6m3であると仮定すると、制御センタ100は、格納場所Bまでの経路を計画することなく、該搬送機器104が初期位置から該格納場所A及び格納場所Cまで到達する経路を計画することができる。
【0101】
さらに、本明細書で提供される荷物ピッキングスケジューリングシステムにおいて、搬送機器104が割り当てられていない各荷物ピッキング待ち注文について、制御センタ100は、送信した目標タスクに基づいて荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果を特定する前に、予め現在各搬送機器104の位置、及び該荷物ピッキング待ち注文に含まれる各ピッキング待ち荷物の所在する格納場所の位置に基づいて、該荷物ピッキング待ち注文に仮割り当てされる搬送機器104を決定することができる。
【0102】
しかし、説明すべきことは、この時該荷物ピッキング待ち注文に仮割り当てされる搬送機器104は一時的に決定されたものに過ぎず、必ずしも後続で該搬送機器104により該荷物ピッキング待ち注文に対応するタスクを実行するわけではない点である。該荷物ピッキング待ち注文に含まれる各ピッキング待ち荷物に対応する候補タスクを特定する際に、他の各搬送機器104により候補タスクを実行する可能性を全て考慮してもよい。
【0103】
現在制御センタ100の稼働負荷が大きく、スケジューリングプロセスによる制御センタ100の算出リソースの占用を減少させたいならば、制御センタ100は、荷物ピッキング待ち注文に仮割り当てされる搬送機器104を予め決定した割り当て関係に基づいて、候補タスクを特定することができる。
【0104】
さらに、荷物ピッキング待ち注文に仮割り当てされる搬送機器104を決定するプロセスは、具体的には以下のいずれかの方式を採用し得る。
【0105】
制御センタ100は、荷物ピッキング待ち注文に含まれる各ピッキング待ち荷物の所在する格納場所の位置に基づいて、各格納場に対応する中心の位置を特定し、その後、各搬送機器104の現在位置と該中心位置との距離に基づいて、最も距離が近い搬送機器104を特定し、該荷物ピッキング待ち注文を特定された搬送機器104に一時的に割り当てる。
【0106】
あるいは、制御センタ100は荷物ピッキング待ち注文に含まれる各ピッキング待ち荷物の所在する格納場所の位置に基づいて、経路を計画し、倉庫内で各格納場所までの距離が同じである位置を特定し、その後、各搬送機器104の現在位置と該位置との距離に基づいて、最も距離が近い搬送機器104を特定し、該荷物ピッキング待ち注文を特定された搬送機器104に一時的に割り当てる。
【0107】
あるいは、制御センタ100は荷物ピッキング待ち注文に含まれる各ピッキング待ち荷物の所在する格納場所の位置に基づいて、経路を計画し、経路計画による経路全長に基づいて、倉庫内で各格納場所までの経路全長が最小となる位置を特定し、その後、各搬送機器104の現在位置と該位置との距離に基づいて、最も距離が近い搬送機器104を特定し、該荷物ピッキング待ち注文を特定された搬送機器104に一時的に割り当てる。
【0108】
図3に示すシステムをもとに、本明細書は、図6に示すように、荷物ピッキングスケジューリング方法をさらに提供する。
【0109】
図6は本明細書で提供される荷物ピッキングスケジューリングの手順模式図であり、倉庫内は制御センタ、棚、搬送機器及びユーザを含み、該荷物ピッキングスケジューリング手順は具体的に以下のステップを含んでもよい。
【0110】
S200で、各荷物ピッキング待ち注文に含まれるピッキング待ち荷物に基づいて、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所を特定する。
【0111】
本明細書において、制御センタは、荷物ピッキング待ち注文を特定し、その後、各荷物ピッキング待ち注文に含まれる各ピッキング待ち荷物に基づいて、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所を特定し、及び荷物ピッキングタスクを実行可能な搬送機器及びユーザの初期位置を特定することができる。
【0112】
S202で、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所について、各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置に基づいて、各ユーザ及び各搬送機器が該格納場所に到達する経路をそれぞれ計画する。
【0113】
本明細書において、各格納場所について、荷物ピッキングタスクを実行可能な搬送機器及びユーザの初期位置を特定した後、ユーザ及び搬送機器が該格納場所に到達する経路を計画して決定することができ、それによって、計画した経路に基づいて該格納場所での荷物ピッキングを実現できる種々の可能性を特定し、即ち、ユーザと搬送機器の様々な組合せが該格納場所でピッキング待ち荷物に対して荷物ピッキングを実行する可能性を特定することができる。
【0114】
S204で、記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果に基づいて、各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文を特定する。
【0115】
S206で、計画した各経路及び各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定し、各候補タスクに含まれるユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻をそれぞれ特定する。
【0116】
本明細書において、後続のプロセス(例えば梱包、出庫)の作業がしやすいように、同一の荷物ピッキング待ち注文に含まれるピッキング待ち荷物は同一の搬送機器にピッキングする必要があり、したがって、該制御センタは、計画した各経路及び各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定することができる。また、割り当て済みの荷物ピッキング待ち注文について、同一の搬送機器によりのみ該荷物ピッキング待ち注文の残りのピッキング待ち荷物を収めることができるため、さらに、記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果に基づいて、各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文を特定する必要がある。
【0117】
また、該制御センタはさらに、各候補タスクについて、ユーザが初期位置から格納場所に到達するまでに要する時間、ユーザ出発時刻に基づいて、ユーザが格納場所まで到達する時刻を特定し、搬送機器が初期位置から格納場所に到達するまでに要する時間、搬送機器出発時刻に基づいて、搬送機器が格納場所まで到達する時刻を特定することができる。特定されたユーザが格納場所まで到達する時刻及び搬送機器が格納場所まで到達する時刻に基づいて、各候補タスクに含まれるユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻を特定する。
【0118】
これにより、後続で特定された大量の候補タスクのうちから、荷物ピッキング効率が高いタスクを目標タスクとして割り当てることができる。
【0119】
S208で、特定された各候補タスクの荷物ピッキング時刻の前後順に基づいて、各候補タスクのうちから目標タスクを特定し、ユーザ及び搬送機器が前記目標タスクを実行するように、前記目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び前記目標タスクを実行する搬送機器に前記目標タスクを送信し、前記目標タスクのピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を前記搬送機器に割り当て、記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果を更新する。
【0120】
本明細書において、制御センタは、各候補タスクの荷物ピッキング時刻を特定した後、特定された各候補タスクの荷物ピッキング時刻の前後順に基づいて、各候補タスクのうちから目標タスクを特定することができる。具体的に、該制御センタは搬送機器とユーザが協働して各格納場所で荷物ピッキングを実行するのに対応する全ての候補タスクを特定したため、候補タスクの荷物ピッキング時刻が早いほど、搬送機器とユーザが荷物ピッキング前の移動にかかる時間が少なく、荷物ピッキング効率が高いことになり、したがって、制御センタは荷物ピッキング時刻が最も早い候補タスクを目標タスクとする。
【0121】
制御センタは、特定された目標タスクに基づいて、該目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び該目標タスクを実行する搬送機器に該目標タスクを送信することができる。搬送機器は、受信した目標タスクに基づいて、目標タスクに対応する、荷物ピッキングを実行すべきピッキング待ち荷物の所在する格納場所まで走行し、荷物ピッキングを実行するためにユーザを待つことができる。ユーザは、制御センタから送信された目標タスクを所持する端末によって受信し、そしてどの格納場所に行って荷物ピッキングを実行すべきかを端末によって確認し、該格納場所まで移動して搬送機器と協働して荷物ピッキングを実行することができる。
【0122】
また、本明細書で提供されるスケジューリングシステムにおいて、該搬送機器には、例えばタッチパネルのようなユーザが操作するコントロールパネルが設けられてもよい。ユーザが格納場所でピッキング待ち荷物を搬送機器上にピッキングした後、該ユーザは、該搬送機器及び該ユーザが引き続いて次のタスクを実行できるようになっていることを制御センタが確認するように、該コントロールパネルを介して制御センタに目標タスク実行完了の情報を送信することができる。
【0123】
具体的に、搬送機器は、監視したユーザ操作に基づいて、荷物ピッキングが完了し、現在実行中の目標タスクの実行が完了したことを確認して、制御センタに該目標タスク実行完了の情報を送信することができる。制御センタは、受信した目標タスク実行完了の情報に基づいて、荷物ピッキングが完了したピッキング待ち荷物を特定し、残りの荷物ピッキングを実行すべきピッキング待ち荷物を更新することができる。
【0124】
あるいは、ユーザは自身が所持す端末を操作することで、制御センタに目標タスク実行完了の情報を送信することもでき、この場合、端末は、監視したユーザ操作に基づいて、荷物ピッキングが完了し、現在実行中の目標タスクの実行が完了したことを確認して、制御センタに該目標タスク実行完了の情報を送信することができる。
【0125】
当然、異常事態により、目標タスクが完了できない場合、ユーザは、搬送機器又は自身が所持する端末を介して制御センタに目標タスク実行失敗の情報を送信してもよい。この場合、制御センタは、まず該目標タスクのピッキングすべき荷物が一時的にピッキングできないことを確認し、異常が排除されたことを確認した後、目標タスクを再度特定する際に、改めて該荷物をピッキング待ち荷物とし、該ピッキング待ち荷物に対応する各候補タスクを特定することができる。
【0126】
該方法の詳細な実行プロセスは上記荷物ピッキングスケジューリングシステムにおいて、荷物ピッキングスケジューリング処理を実行するプロセスを参照すればよく、本明細書はここで詳細な説明を省略する。
【0127】
図6に示す方法をもとに、制御センタは、荷物ピッキング待ち注文に含まれる各ピッキング待ち荷物について、ピッキング待ち荷物の所在する格納場所の位置、各ユーザが所持する端末の初期位置、各搬送機器の初期位置に基づいて、ユーザ及び搬送機器が該格納場所に到達する経路を計画し、次に、決定された各経路計画及び割り当て済みの荷物ピッキング待ち注文に基づいて、ユーザ及び搬送機器をマッチングしていくつかの候補タスクを特定し、各候補タスクの荷物ピッキング時刻を特定し、その後、各候補タスクの荷物ピッキング時刻の前後順に基づいて、各候補タスクのうちから目標タスクを特定し、ユーザと搬送機器が協働して荷物ピッキングを実行するように、該目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び該目標タスクを実行する搬送機器に該目標タスクを送信することができる。搬送機器及びユーザの経路計画と割り当て済みの荷物ピッキング待ち注文によって、いくつかの候補タスク及びその荷物ピッキング時刻を特定することで、ピッキング待ち荷物のうちから、最も時間がかからないピッキング待ち荷物を見つけて荷物ピッキングを実行することが可能になる。一方では、ユーザは特定の荷物ピッキング待ち注文を追跡して荷物ピッキングを実行する必要はなく、端末により受信された目標タスクに基づいて、任意の荷物ピッキング待ち注文に含まれる最寄りのピッキング待ち荷物に対して荷物ピッキングを実行することができる。他方では、搬送機器の優位性が十分に利用されることで、搬送機器は常時同一のユーザと協働して荷物ピッキングを実行することなく、効率を最大化する方式で、目標タスクに指定された格納場所に到達して異なるユーザと協働して荷物ピッキングを実行し、搬送機器の制限が減少する。該スケジューリングシステムによって、従来の倉庫を改造することなく、ユーザの荷物ピッキングをする際の移動にかかる時間を減らし、荷物ピッキング効率の向上を実現することができる。
【0128】
図6に示す方法をもとに、本明細書は、図7に示すように、荷物ピッキングスケジューリング装置をさらに提供する。
【0129】
図7は、本明細書で提供される荷物ピッキングスケジューリング装置の構造模式図であり、該装置は具体的に、
各荷物ピッキング待ち注文に含まれるピッキング待ち荷物に基づいて、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所を特定する特定モジュール300と、
荷物ピッキングを実行すべき各格納場所について、各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置に基づいて、各ユーザ及び各搬送機器が該格納場所に到達する経路をそれぞれ計画する経路計画モジュール302と、
記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果に基づいて、各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文を特定し、計画した各経路及び各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定し、各候補タスクに含まれるユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻をそれぞれ特定するタスクマッチングモジュール304と、
計画した各経路及び各搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定し、各候補タスクに含まれるユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻をそれぞれ特定し、及び前記目標タスクのピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を前記搬送機器に割り当て、記憶されている荷物ピッキング待ち注文の割り当て結果を更新するタスク割り当てモジュール306と、を含んでもよい。
【0130】
選択的に、前記タスクマッチングモジュール304は、荷物ピッキングを実行すべき各格納場所について、該格納場所で荷物ピッキングが行われるピッキング待ち荷物の属する荷物ピッキング待ち注文を特定し、前記荷物ピッキング待ち注文が搬送機器に割り当てられた場合、該搬送機器が該格納場所に到達する経路及び各ユーザが該格納場所に到達する経路に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定し、前記荷物ピッキング待ち注文がいずれの搬送機器にも割り当てられていない場合、計画した各経路に基づいて、該格納場所で荷物ピッキングを実行するユーザ及び搬送機器をマッチングし、いくつかの候補タスクを特定する。
【0131】
選択的に、前記タスク割り当てモジュール306は、前記目標タスクを実行するユーザが所持する端末及び前記目標タスクを実行する搬送機器に前記目標タスクを送信した後、前記目標タスクの格納場所の位置に基づいて、前記端末及び前記搬送機器の初期位置を記憶する。
【0132】
選択的に、前記経路計画モジュール302は、各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置に基づいて、各ユーザ及び各搬送機器が該格納場所に到達する経路を計画する前に、各端末の初期位置及び各搬送機器の初期位置を特定する。
【0133】
選択的に、前記経路計画モジュール302は、各端末について、該端末に実行待ち目標タスクがない場合、該端末の現在位置を該端末の初期位置として取得し、該端末に実行待ち目標タスクがある場合、記憶されている該端末の初期位置を取得し、各搬送機器について、該搬送機器に実行待ち目標タスクがない場合、該搬送機器の現在位置を該搬送機器の初期位置として取得し、該搬送機器に実行待ち目標タスクがある場合、記憶されている該搬送機器の初期位置を取得する。
【0134】
選択的に、前記タスクマッチングモジュール304は、各候補タスクについて、該候補タスクに含まれるユーザと搬送機器がそれぞれ対応する経路に基づいて、ユーザが走行にかかる時間及び搬送機器が走行にかかる時間を特定し、ユーザが走行にかかる時間及びユーザが端末の初期位置から出発する時刻に基づいて、ユーザ到達時刻を特定し、搬送機器が走行にかかる時間及び搬送機器が初期位置から出発する時刻に基づいて、搬送機器到達時刻を特定し、ユーザ到達時刻及び搬送機器到達時刻に基づいて、ユーザと搬送機器が協働して該格納場所で荷物ピッキングを実行する時刻を特定する。
【0135】
選択的に、前記タスクマッチングモジュール304は、各端末について、該端末に実行待ち目標タスクがない場合、現在時刻をユーザが端末の初期位置から出発する時刻とし、該端末に実行待ち目標タスクがある場合、該端末の実行待ち目標タスクの実行完了時刻を、ユーザが端末の初期位置から出発する時刻として特定する。
【0136】
選択的に、前記タスクマッチングモジュール304は、各搬送機器について、該搬送機器に実行待ち目標タスクがない場合、現在時刻を搬送機器が初期位置から出発する時刻とし、該搬送機器に実行待ち目標タスクがある場合、該搬送機器の実行待ち目標タスクの実行完了時刻を、搬送機器が初期位置から出発する時刻として特定する。
【0137】
選択的に、前記タスク割り当てモジュール306は、各搬送機器について、該搬送機器に割り当てられた荷物ピッキング待ち注文に基づいて、該搬送機器の残りの収納空間を特定し、該搬送機器の残りの収納空間が未割り当ての荷物ピッキング待ち注文に必要となる収納空間よりも小さい場合、該搬送機器に未割り当ての荷物ピッキング待ち注文に対応する目標タスクを割り当てない。
【0138】
選択的に、前記タスク割り当てモジュール306は、端末又は搬送機器から送信された目標タスク実行完了の情報を受信し、ピッキング待ち荷物を更新し、前記目標タスク実行完了の情報は、端末又は搬送機器によって監視したユーザ操作に基づいて送信される。
【0139】
勿論、ソフトウェアによる実現形態の他に、本明細書は、例えばロジックデバイス又はソフトウェアとハードウェアの組合せのような他の実現形態等で実現されてもよく、つまり、以下の処理プロセスの実行主体は各ロジックユニットに限定されず、ハードウェア又はロジックデバイスであってもよい。
【0140】
1990年代で、技術の改良は、ハードウェアの改良(例えば、ダイオード、トランジスタ、スイッチ等の回路構造の改良)であるか、ソフトウェアの改良(方法手順の改良)であるかを明確に区別することが可能であった。しかし、技術の発展に伴い、今日の方法手順の改良は既にハードウェア回路構造の直接改良と見なすことができていることが多い。設計者の殆どは改良された方法手順をハードウェア回路へプログラミングすることで対応するハードウェア回路構造を得ている。したがって、方法手順の改良はハードウェアエンティティモジュールで実現できないとはいえない。例えば、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device,PLD)(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA))はこのような集積回路であり、そのロジック機能はユーザによるデイバスへのプログラミングによって決定される。設計者は自らプログラミングして1つのデジタルシステムを1つのPLD上に「統合」するため、チップ製造者を雇って専用集積回路チップを設計及び製造する必要はない。また、今日では、集積回路チップを手動で製造する代わりに、このようなプログラミングは大抵、プログラム開発及び書き込みにおいて使用されるソフトウェアコンパイラと類似する「ロジックコンパイラ(logic compiler)」ソフトウェアを使用して実現され、コンパイル前の元のコードもハードウェア記述言語(Hardware Description Language,HDL)と呼ばれる特定のプログラミング言語で書き込まれなければならないが、HDLは1種類だけでなく複数種類存在し、例えばABEL(Advanced Boolean Expression Language)、AHDL(Altera Hardware Description Language)、Confluence、CUPL(Cornell University Programming Language)、HDCal、JHDL(Java Hardware Description Language)、Lava、Lola、MyHDL、PALASM、RHDL(Ruby Hardware Description Language)等が存在し、現在最も広範囲に使用されているのはVHDL(Very-High-Speed Integrated Circuit Hardware Description Language)及びVerilogである。方法手順を実現するハードウェア回路は、上記いくつかのハードウェア記述言語で該方法手順を少し論理的にプログラミングして集積回路にプログラミングするだけで、容易に取得可能であることも、当業者には自明であろう。
【0141】
コントローラは任意の適切な形態で実現可能であり、例を挙げると、コントローラは、例えばマイクロプロセッサ又はプロセッサ及び該(マイクロ)プロセッサにより実行可能なコンピュータ可読プログラムコード(例えばソフトウェア又はファームウェア)を記憶するコンピュータ可読媒体、ロジックゲート、スイッチ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、プログラマブルロジックコントローラ及び組み込み型マイクロコントローラの形式を採用してもよく、コントローラの例は、ARC 625D、Atmel AT91SAM、Microchip PIC18F26K20及びSilicone Labs C8051F320というマイクロコントローラを含むが、それらに限定されず、また、メモリコントローラはメモリの制御ロジックの一部として実現されてもよい。純コンピュータ可読プログラムコードの形態でコントローラを実現することに加えて、ロジックゲート、スイッチ、特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックコントローラ、及び組み込み型マイクロコントローラ等の形式で同じ機能をコントローラに実現させるように、方法ステップを論理的にプログラミングすることは十分実現可能であることも、当業者は理解していよう。したがって、このようなコントローラは、ハードウェアコンポーネントと見なすことが可能であり、様々な機能を達成するためにこれに含まれる装置もまた、ハードウェアコンポーネント内の構造として見なすことが可能である。あるいは、様々な機能を実現するための装置は、方法を実現するソフトウェアモジュールでありながらハードウェアコンポーネント内の構造であると見なすことですら可能である。
【0142】
上記実施例で述べられたシステム、装置、モジュール又はユニットは、具体的に、コンピュータチップ又はエンティティにより実現されてもよく、又はある機能を有する製品により実現されてもよい。典型的な実施機器はコンピュータである。具体的には、コンピュータは、例えばパソコン、ラップトップ型コンピュータ、セルラ電話、カメラ電話、スマートフォン、携帯情報端末、メディアプレイヤー、ナビゲーション機器、電子メール機器、ゲームコンソール、タブレット、ウェアラブル機器又はこれらの機器の任意組合せであってもよい。
【0143】
説明の便宜上、以上の装置は説明する際に機能に基づいて様々なユニットに分割してそれぞれ説明する。当然、本明細書は実施する際に各ユニットの機能を同一又は複数のソフトウェア及び/又はハードウェアで実現してもよい。
【0144】
本発明の実施例は方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供できることは、当業者に自明であろう。したがって、本発明は完全ハードウェア実施例、完全ソフトウェア実施例、又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形態を採用してもよい。また、本発明は、コンピュータ利用可能プログラムコードを含む1つ又は複数のコンピュータ利用可能記憶媒体(磁気ディスク記憶装置、CD-ROM、光学記憶装置等を含むが、それらに限定されない)上で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を採用してもよい。
【0145】
本発明は本発明の実施例に係る方法、機器(システム)、及びコンピュータプログラム製品の手順図及び/又はブロック図を参照して説明している。なお、手順図及び/又はブロック図におけるそれぞれの手順及び/又はブロック、並びに手順図及び/又はブロック図における手順及び/又はブロックの組合せはコンピュータプログラム命令によって実現できることを理解すべきである。これらのコンピュータプログラム命令は、機械を製造するために、共通コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサへ提供されてもよく、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令は、手順図の1つ又は複数の手順及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現する手段を創出する。
【0146】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置を特定の方式で動作させるように指導可能なコンピュータ可読メモリに記憶されてもよく、それによって該コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、手順図の1つ又は複数の手順及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現する命令手段を含む製品を創出する。
【0147】
これらのコンピュータプログラム命令はコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードすることにより、コンピュータ実行処理を生成するように、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置において一連の動作ステップを実行させるようにしてもよく、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置において実行される命令は手順図の1つ又は複数の手順及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0148】
典型的な構成において、計算機器は1つ又は複数のプロセッサ(CPU)、入力/出力インタフェース、ネットワークインタフェース及び内部メモリを含む。
【0149】
内部メモリはコンピュータ可読媒体のうちの非永続型メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び/又は読み取り専用メモリ(ROM)もしくはフラッシュメモリ(flash RAM)のような不揮発性内部メモリ等の形態を含み得る。内部メモリはコンピュータ可読媒体の例である。
【0150】
コンピュータ可読媒体は永続的及び非永続的、移動可能及び移動不能な媒体を含み、任意の方法又は技術によって、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムのモジュール又は他のデータであり得る情報の記憶を実現可能である。コンピュータの記憶媒体の例としては、相変化メモリ(PRAM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他の内部メモリ技術、携帯型コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光学メモリ、磁気カートリッジ型磁気テープ、磁気テープ磁気ディスクメモリ又は他の磁気記憶デバイス又は任意の他の非伝送媒体を含むが、これらに限定されず、それらはコンピュータ機器がアクセス可能な情報を記憶するために用いることができる。本明細書における定義によれば、コンピュータ可読媒体は、変調されたデータ信号及びキャリアのような一時的媒体(transitory media)を含まない。
【0151】
さらに説明すべきことは、用語「含む」、「からなる」又はその他のあらゆる変形は、非排他的包含を含むように意図され、それにより一連の要素を含むプロセス、方法、商品又は機器は、それらの要素のみならず、明示されていない他の要素、又はこのようなプロセス、方法、商品又は機器に固有の要素をも含む点である。特に断らない限り、語句「1つの……を含む」により限定される要素は、該要素を含むプロセス、方法、商品又は機器に別の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。
【0152】
本明細書の実施例は方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供できることは、当業者に自明であろう。したがって、本明細書は完全ハードウェア実施例、完全ソフトウェア実施例、又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形態を採用してもよい。また、本明細書は、コンピュータ利用可能プログラムコードを含む1つ又は複数のコンピュータ利用可能記憶媒体(磁気ディスク記憶装置、CD-ROM、光学記憶装置等を含むが、それらに限定されない)上で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を採用してもよい。
【0153】
本明細書はコンピュータにより実行されるコンピュータ実行可能命令の一般的なコンテキスト、例えばプログラムモジュールにおいて説明してもよい。一般的には、プログラムモジュールは特定のタスクを実行するか又は特定の抽象データ型を実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含んでもよい。本明細書は分散型コンピューティング環境において実施してもよく、これらの分散型コンピューティング環境において、タスクは通信ネットワークによって接続される遠隔処理機器により実行される。分散型コンピューティング環境において、プログラムモジュールは記憶機器を含むローカル及び遠隔計算システムの記憶媒体に存在してもよい。
【0154】
本明細書における各実施例はいずれも漸進的に説明され、各実施例間の同一又は類似の部分については相互に参照すればよく、各実施例は他の実施例との相違点を重点的に説明した。特に、システム実施例については、それは方法実施例に基本的に類似するので、説明は比較的簡単であり、関連部分は方法実施例の説明の一部を参照すればよい。
【0155】
以上は本明細書の実施例に過ぎず、本明細書を限定するものではない。当業者であれば、本明細書の様々な変更及び変化は可能である。本明細書の精神及び原理内に行われる修正、同等な取り替え、改良等は、いずれも本明細書の特許請求の範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
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図7