(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】ウォーキングスルー防疫装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/14 20060101AFI20240112BHJP
A61L 2/10 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A61L2/14
A61L2/10
(21)【出願番号】P 2023501320
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(86)【国際出願番号】 KR2021007211
(87)【国際公開番号】W WO2022010114
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0085170
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516289650
【氏名又は名称】コリア エアポーツ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジンオ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミョンウン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジェホ
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2012-0026151(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1571157(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0076163(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0026050(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0090961(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0113324(KR,A)
【文献】特開昭56-148354(JP,A)
【文献】特開2012-081215(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2023/0100199(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00
A61L 9/00
B64F 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口および出口を設け、内部に乗客が移動する通行空間を提供するハウジングと、
前記入口に設けられ、前記ハウジング内部にプラズマを提供する第1プラズマ提供部、および前記ハウジング内部にUVを照射する第1UV照射部を含む第1殺菌部と、
前記出口に設けられ、前記ハウジング内部にプラズマを提供する第2プラズマ提供部、および前記ハウジング内部にUVを照射する第2UV照射部を含む第3殺菌部と、
前記ハウジング内部の前記第1殺菌部と前記第3殺菌部との間に設けられ、前記第1および第3殺菌部よりも陰圧の空間に形成される第2殺菌部と、を備える、
ウォーキングスルー防疫装置。
【請求項2】
前記第1UV照射部および前記第2UV照射部は、UVを発生させるLEDを含むことを特徴とする、
請求項1に記載のウォーキングスルー防疫装置。
【請求項3】
前記第1プラズマ提供部は、前記第2プラズマ提供部から提供されるプラズマよりも低温プラズマを発生させることを特徴とする、
請求項1に記載のウォーキングスルー防疫装置。
【請求項4】
前記第1殺菌部および前記第3殺菌部は、プラズマの温度を調節する温度制御部を含むことを特徴とする、
請求項3に記載のウォーキングスルー防疫装置。
【請求項5】
前記第2殺菌部は、前記ハウジングの上部に設けられ、前記ハウジングにエアを吹き込む送風ファン、および前記ハウジングの下部に位置して前記ハウジングの内部エアを吸い込む吸引モジュールを含むことを特徴とする、
請求項1に記載のウォーキングスルー防疫装置。
【請求項6】
前記第2殺菌部は、前記ハウジングの側面に設けられ、前記ハウジング内部にエアを吹き込む側面ファンをさらに含むことを特徴とする、
請求項5に記載のウォーキングスルー防疫装置。
【請求項7】
前記第2殺菌部は、前記第1殺菌部の空気が前記第3殺菌部に流入するのを遮断するように前記第2殺菌部内の空気圧を制御する陰圧制御部をさらに含むことを特徴とする、
請求項5に記載のウォーキングスルー防疫装置。
【請求項8】
前記入口側に設けられ熱画像の映像を撮影する熱画像カメラと、
前記熱画像カメラから測定される乗客の発熱量を出力する測定部と、をさらに備えることを特徴とする、
請求項1に記載のウォーキングスルー防疫装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の実施形態は、空港、港湾およびターミナルなどの旅客関門施設に設置されて乗客の身体および所持品を殺菌することができるウォーキングスルー防疫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2000年初からSARS(重症急性呼吸器症候群、サーズ)、AI(鳥インフルエン、Avian Influenza)、エボラ(Ebola)、マーズ(中東呼吸器症候群、MERS)などの伝染症の大流行事態が継続的に発生した。感染症の大流行を経ながら、世界中で膨大な人命被害と経済的損失を被るようになった。それだけではなく、最近のコロナ19ウイルス事態は人類に史上初有の伝染病危機に迫っており、これにより防疫の重要性がさらに浮上している状況である。
【0003】
一例として空港は、国家の最一線関門であり、感染病を流入および拡散させる媒介体の役割をする場所である。したがって、空港は徹底した検疫と防疫システムを備え、伝染症の伝播を遮断しなければならない。通常、空港利用の乗客が入国時および出国時に、出入国審査、税関、検疫地点には待ち行列が生じるようになる。多くの乗客が押し寄せるとき、このような地点では切りのない待ち行列が発生するようになり、空港内部の乗客の流動を管理するにあたって大きな問題を引き起こす可能性がある。しかし、防疫技術の限界、検疫の専担人材の不足により、伝染病の疑い者が、空港検疫段階で何の制裁を受けずに出国場および入国場を通過して感染病を社会に拡散させる結果を招いている。また、検疫の専担人材だけで行われる既存の防疫手続きは、比較的にかなりの時間がかかる欠点も存在する。
【0004】
このような状況では、空港利用の乗客と手荷物を自動的に防疫する装置を設置して検疫手続きを待つ乗客の待ち時間を減少させ、検疫の専担人材の負担を減らすことができる効果的な防疫システムが求められる実情である。
【0005】
なお、既存の検疫の専担人材が、直接に防疫を行う場合、検疫人材にも伝染される可能性がある。直接的な対面なしに防疫が可能な防疫システムが求められる実情である。
【0006】
なお、感染疾患を引き起こす感染源は、細菌、ウイルス、原生動物、真菌、寄生虫など多様な形態で存在し、各感染源ごとに最適の効率を出すことができる防疫方法が異なる場合がある。防疫を実施する際に特定の感染源にのみ重点を置けば、残りの感染源の伝播に適切に対応できない状況が発生することもできる。したがって、多様な感染源に対する防疫要件を一度に満たすことができる多段階防疫装置が必要であるが、現在まではこのような装置は存在しない。
【0007】
このような要求事項が必要な場所は空港に限定されない。同様の例として、港湾、鉄道駅、バスターミナルのような旅客関門施設が挙げられる。さらには、伝染病の大流行が起こったと判断される危機状況では、多くの人波が押し寄せる大規模のショッピングモール、マート、展示場およびコンサート場などのような多重利用施設もやはり設置の考慮対象となり得る。
【0008】
前述した背景技術は、発明者が本願の開示内容を導出する過程で保有または習得したものであり、必ずしも本出願前に一般公衆に公開された公知技術とはいえない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記した技術的問題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、複数の殺菌部を用いて旅客関門施設を通過する人と所持品を対象に防疫を行い、伝染性のある疾病を予防するウォーキングスルー防疫装置を提供することにある。
【0010】
実施形態で解決しようとする課題は、以上で言及した課題に限定されず、言及していない他の課題は、以下の記載から当業者には明らかに理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態によるウォーキングスルー防疫装置に対して説明する。
【0012】
ウォーキングスルー防疫装置は、入口と出口を設けて内部に乗客が移動する通行空間を提供するハウジングと、前記入口に設けられて前記ハウジング内部にプラズマを提供する第1プラズマ提供部および前記ハウジング内部にUVを照射する第1UV照射部を含む第1殺菌部と、前記出口に設けられて前記ハウジング内部にプラズマを提供する第2プラズマ提供部および前記ハウジング内部にUVを照射する第2UV照射部を含む第3殺菌部と、前記ハウジングで前記第1殺菌部と前記第3殺菌部との間に設けられて前記第1および前記第3殺菌部よりも陰圧空間に形成される第2殺菌部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
一実施形態によれば、前記第1UV照射部および前記第2UV照射部は、UVを発生するLEDを含み得る。
【0014】
一実施形態によれば、前記第1プラズマ提供部は、前記第2プラズマ発生部から提供されるプラズマよりも低温プラズマを発生させることができる。
【0015】
一実施形態によれば、前記第1殺菌部および前記第3殺菌部は、プラズマの温度を調節する温度制御部を含み得る。
【0016】
一実施形態によれば、前記第2殺菌部は、前記ハウジングの上部に設けられ、前記ハウジングにエアを吹き込む送風ファン、および前記ハウジングの下部に位置して前記ハウジングの内部エアを吸い込む吸引モジュールを含む。
【0017】
一実施形態によれば、前記第2殺菌部は、前記ハウジングの側面に設けられて前記ハウジング内部にエアを吹き込む側面ファンをさらに含み得る。
【0018】
一実施形態によれば、前記第2殺菌部は、前記第1殺菌部の空気(エア)が前記第3殺菌部に流入されることを遮断するように前記第2殺菌部内部の空気圧を制御する陰圧制御部をさらに含み得る。
【0019】
一実施形態によれば、前記入口側に設けられて画像の映像を撮影する熱画像カメラ、および前記熱画像カメラから測定される乗客の発熱量を出力する測定部を含み得る。
【発明の効果】
【0020】
以上で察して見たように、本実施形態によれば、複数の殺菌部を備えるため、旅客関門施設を通過する人と所持品を対象に防疫を行い、伝染症の流行を予防することができる。
【0021】
一実施形態によるウォーキングスルー防疫装置の効果は、以上で言及されたことに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から当業者に明らかに理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】一実施形態によるウォーキングスルー防疫装置の斜視図である。
【
図2】
図1のウォーキングスルー防疫装置における第2殺菌部の斜視図である。
【
図3】一実施形態によるウォーキングスルー防疫装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。しかしながら、実施形態には多様な変更を加えることができるため、特許出願の権利範囲はこのような実施形態によって制限または限定されるものではない。実施形態に対するすべての変更、均等物および代替物が権利範囲に含まれると理解されなければならない。
【0024】
実施形態で使用される用語は、単に説明するための目的に使用されるものであり、限定しようとする意図であると解釈されてはならない。単数の表現は、文脈上明らかに別の意味を示していると定義されない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、本明細書に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはそれらを組み合わせたもの存在や付加の可能性を予め排除しないと理解されなければならない。
【0025】
別の意味で定義されていない限り、技術的または科学的用語を含んで本明細書で使用されるすべての用語は、実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を有している。一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願の明細書で明確に定義されていない限り、理想的にまたは過度に形式的な意味として解釈されない。
【0026】
なお、添付図面を参照して説明するにあたって、参照符号にかかわらず同一の構成要素は同一の参照符号を付与し、これに対する重複される説明は省略する。実施形態を説明するにあたって、関連される公知技術の具体的な説明が実施形態の要旨を不必要に曖昧にすることができると判定される場合、その詳しい説明を省略する。
【0027】
なお、実施形態の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものだけであり、その用語によってその構成要素の本質、順番、順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載されている場合、その構成要素は他の構成要素に直接に連結または接続されてもよいが、各構成要素の間に別の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」されることもあると理解されるべきである。
【0028】
いずれか1つの実施形態に含まれる構成要素と、共通の機能を含む構成要素とは、他の実施形態において同じ名称を使用して説明することにする。反対の記載が示されていない限り、いずれか1つの実施形態に記載の説明は他の実施形態にも適用されることがあり、重複される範囲で具体的な説明は省略することにする。
【0029】
以下では、
図1~
図3を参照して、ウォーキングスルー防疫装置1に対して詳しく説明する。参考として、
図1は一実施形態によるウォーキングスルー防疫装置1の斜視図で、
図2は
図1のウォーキングスルー防疫装置1の「A」方向から見た第2殺菌部120の斜視図で、
図3は一実施形態によるウォーキングスルー防疫装置1の構成を示すブロック図である。
【0030】
図面を参照すると、ウォーキングスルー防疫装置1は、空港の入国場および出国場に設置・使用され得る。ウォーキングスルー防疫装置1は、乗客がウォーキングスルー防疫装置1の内部を歩いて通過するうち、低温プラズマおよび紫外線殺菌、エア殺菌、高温プラズマおよび紫外線殺菌を提供して多段階で殺菌することができる。ここで、ウォーキングスルー防疫装置1は、乗客だけでなく旅行者が所持する個人手荷物を含んでもよい。
【0031】
ウォーキングスルー防疫装置1は、ハウジング10と、第1殺菌部110と、第2殺菌部120と、第3殺菌部130と、を備える。
【0032】
ハウジング10は、入口100および出口140を設置し、トンネル形態を有し、内部に乗客が通過することができる通路を提供し、乗客が通過するうちに乗客および手荷物を殺菌することができるように複数の殺菌部を設置している。
【0033】
ここで、ハウジング10の形状は図面によって限定されるものではなく、直方体の筒形状をはじめとして実質的に多様な形状を有することができ、ハウジング10の形状および大きさは設置環境などを考慮して適切に適用され得る。
【0034】
第1殺菌部110は、ハウジング10の入口100に設けられ、ウォーキングスルー防疫装置1を通過する乗客を一次的に殺菌する。第1殺菌部110は、第1プラズマ提供部111、第1UV照射部112及び第1温度制御部113を含む。
【0035】
第1プラズマ提供部111は、第1殺菌部110に低温プラズマを提供する。ここで、第1プラズマ提供部111は、低温プラズマに含まれるイオンクラスタによって第1殺菌部110を殺菌する。また、第1プラズマ提供部111は、50℃以下の比較的低温で殺菌が進行されるため、乗客に不便を与えずに殺菌が可能であり、熱に脆弱な製品に対しても殺菌を進めることができる。
【0036】
ここで、第1プラズマ提供部111は、第1殺菌部110の側壁に設けられていると例示した。しかし、これは単に一例に過ぎず、第1プラズマ提供部111は第1殺菌部110の側壁だけでなく、第1殺菌部110が上部壁面または壁面全体を含んで設置される位置は、実質的に多様に変更され得る。
【0037】
第1UV照射部112は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を含む。
【0038】
第1UV照射部112は、殺菌力の強い短波長の紫外線を発生させる。第1UV照射部112は、短波長の紫外線を照射することにより、乗客および第1殺菌部110に存在する細菌、かび、微生物およびウイルスなどを効果的に殺菌することができる。
【0039】
ここで、第1UV照射部112は、第1殺菌部110の側壁に設けられていると例示した。しかし、これは単に一例に過ぎず、第1UV照射部112の位置や配列形態などは実質的に多様に変更され得る。
【0040】
参考として、プラズマ殺菌方式は、電荷を帯びた粒子が空気中で働いて細菌やウイルスなどを除去する間接的殺菌方式で、広い空間に対する持続的な殺菌効果がある。そしてUV殺菌方式は、短波長の紫外線が直接的に働く直接殺菌方式で、狭い空間に対する短期的殺菌効果がある。本実施形態によれば、第1殺菌部110は、プラズマを提供してUVを照射する2つの方式の殺菌を同時に行うことにより最適の殺菌効果を出すことができる。
【0041】
第2殺菌部120は、ハウジング10内部で第1殺菌部110と第3殺菌部130との間に設けられ、第1殺菌部110を通過した乗客を2次的に殺菌し、エアを提供して殺菌する。
【0042】
第2殺菌部120は、送風ファン121、側面ファン122、吸引モジュール123および陰圧制御部124を含み得る。
【0043】
送風ファン121は、ハウジング10の上部に設けられ、乗客に向けて上部から下部にエアを噴射して、乗客や手荷物に付着されている埃や汚染物質を除去するようになる。
【0044】
側面ファン122は、ハウジング10の側壁に設けられ、乗客に向けてエアを噴射するようになる。
【0045】
吸引モジュール123は、ハウジング10の下部に設けられ、第2殺菌部120の内部からエアを吸い込んで外部に排出させる。
【0046】
第2殺菌部120は、送風ファン121および側面ファン122から発生するエアが乗客や手荷物に付着されている埃や汚染物質を除去し、乗客と手荷物から分離された塵埃および汚染物質を含むエアは、吸引モジュール123によって周囲に拡散されず、下部方向に吸い込まれて外部に排出される。
【0047】
図5には示されていないが、吸引モジュール123には、吸い込まれるエアから埃や汚染物質を除去するためのフィルタまたは集塵機が設けられてもよい。
【0048】
第2殺菌部120は、乗客の上部および側面にエアを噴射することにより、乗客と手荷物に付着されている埃や汚染物質をより効果的に除去することができる。そこで、第2殺菌部120は、内部環境およびエアの流れを考慮して最も効率的な気流を形成することができるように、上述した送風ファン121、側面ファン122および吸引モジュール123の位置が決定され得る。
【0049】
なお、第2殺菌部120は、送風ファン121および側面ファン122から噴射されるエアの流れが下部に向かうようにすることにより、空気力学的に第1殺菌部110と第3滅菌部130と分離される。
【0050】
陰圧制御部124は、第2殺菌部120の内部空気が第1殺菌部110および第3殺菌部130に流動されるのが防止できるように第2殺菌部120の内部を陰圧に維持する。
【0051】
陰圧制御部124は、第2殺菌部120の内部圧力を第1殺菌部110および第3殺菌部130の内部圧力より低く保つことにより、第2殺菌部120 内部空気が第1殺菌部110および第3殺菌部130に通り抜けるのを遮断することができる。
【0052】
第3殺菌部130は、ハウジング10の出口140に設けられ、ウォーキングスルー防疫装置1を通過する乗客を3次的に殺菌する。
【0053】
第3殺菌部130は、第2プラズマ提供部131、第2UV照射部132および第2温度制御部133を含み得る。
【0054】
第2プラズマ提供部131は、第3殺菌部130に高温プラズマを提供する。
【0055】
第2プラズマの温度は、第2温度制御部133によって調節可能である。ただし、第1プラズマよりは高温に保つことが防疫効果の面で効率的であり得る。ここで、第3殺菌部130は高温プラズマを提供することにより、プラズマの瞬間高温発熱によって滅菌効果を期待することができる。
【0056】
ここで、第2プラズマ提供部131は、第3殺菌部130の側壁に設けられていると例示した。しかし、これは一例に過ぎず、第2プラズマ提供部131は第3殺菌部130の側壁だけでなく、第3殺菌部130が上部壁面または壁面全体を含んで設けられる位置は、実質的に多様に変更され得る。
【0057】
第2UV照射部132は、発光ダイオード(LED)を含む。
【0058】
第2UV照射部132は、殺菌力の強い短波長の紫外線を発生させる。第2UV照射部132は、短波長の紫外線を照射することにより、乗客および第3殺菌部130に存在する細菌、かび、微生物およびウイルスなどを効果的に殺菌することができる。
【0059】
ここで、第2UV照射部132は、第3殺菌部130の側壁に設けられていると例示した。しかし、これは一例に過ぎず、第2UV照射部132の位置および配列形態などは、実質的に多様に変更され得る。
【0060】
第3殺菌部130は、高温プラズマとUVによる同時殺菌を通して第3殺菌部130を通過する対象体に存在する細菌、微生物および汚染された空気を最終的に殺菌および除去することができる。
【0061】
ウォーキングスルー防疫装置1は、入口100に熱画像カメラ20および測定部21が備えられる。
【0062】
熱画像カメラ20および測定部21は、乗客がウォーキングスルー防疫装置1に進入する前に発熱量を測定し、測定された結果をリアルタイムで検疫官に提供することができる。例えば、現在世界的に大流行している新種のコロナウイルスの主な症状としては発熱症状がある。本実施形態では、熱画像カメラ20および測定部21を用いれば、該当する感染の疑い者がウォーキングスルー防疫装置1を通過した後に、別途に分類することにより、感染拡散されることを遮断することができる。さらに、感染の疑い者が入国または出国後に2次感染が進行するのを防ぐことができる。
【0063】
本実施形態によれば、ウォーキングスルー防疫装置1は、乗客が移動するうちに第1~第3殺菌部130を通過するにつれて、プラズマ、UV、エア噴射などをよって多段階で殺菌が進行される。さらに、ウォーキングスルー防疫装置1は、低温プラズマとUVを照射して1次殺菌し、エアを噴射して2次殺菌し、高温プラズマとUVを照射して3次殺菌することで効果的で強力な殺菌効果を期待することができる。なお、ウォーキングスルー方式により、検疫待ち時間なしに迅速かつ効率的に防疫を行うことができる。なお、ウォーキングスルー防疫装置1は、熱画像カメラ20および測定部21を通じて乗客に対する感染の有無を把握し、ウォーキングスルー防疫装置1が汚染される可能性を事前に遮断することができる。
【0064】
一方、ウォーキングスルー防疫装置1は、ハウジング10内部の防疫状態と乗客の流動人口数などを感知し、第1殺菌部110、第2殺菌部120、第3殺菌 部130の動作を制御する制御部(図示せず)が備えられる。制御部(図示せず)により、乗客の流動人口数などに応じてウォーキングスルー防疫装置1の動作を遠隔制御することができる。
【0065】
なお、ハウジング10は、複数の滅菌部が組み立ておよび分解可能に形成されていることから拡張可能に構成され得る。第1~第3殺菌部130が結合される部分には、連結される殺菌部を互いに連結するための連結部(図示せず)が設けられる。例えば、上述した実施形態のように、第1~第3殺菌部130を1つずつ組み立てた組立体において、第1殺菌部110の外側および第3殺菌部130の外側に存在する連結部(図示せず)を介して殺菌部を追加して構成することもできる。あるいは、第1~第3殺菌部130をそれぞれ2つ以上ずつ配置して組み立てることもできる。以外にも、必要によっては第1~第3殺菌部130の数を適切に追加および変更設置して運用可能である。
【0066】
なお、ウォーキングスルー防疫装置1は、下部にハウジング10の移動を可能にする車輪部(図示せず)が備えられる。例えば、ハウジング10の下部に車輪部(図示せず)が備えられており、設置の必要な位置に移動させてウォーキングスルー防疫装置1を設置することができる。
【0067】
本実施形態によれば、ウォーキングスルー防疫装置1はウォーキングスルー方式を用いるため、検疫待ち時間なしに迅速かつ効率的に防疫を行うことができる。
【0068】
なお、ウォーキングスルー防疫装置1は、複数の殺菌手段によって多段階で殺菌が行われるため、検疫の専担人材が直接殺菌を行う場合よりも殺菌効果に優れていることができ、特定の感染源に重点を置く防疫ではなく、多様な感染源を同時に防疫することができる。
【0069】
なお、熱画像カメラ20および測定部21によって、ウォーキングスルー防疫装置1に乗客が進入する前に、感染病の疑い者を事前に識別して防疫装置の進入を統制することができる。
【0070】
なお、組み立て可能なモジュール式で構成されており、伝染病の種類に応じて追加の構成も可能な拡張性を有し得る。
【0071】
なお、設置および撤去が簡単で移動が容易であるため、多様な環境の場所に適用することができる。
【0072】
一方、上述した実施形態では、ウォーキングスルー防疫装置1が、空港に適用される場合を例として説明したが、旅客関門施設だけでなく、多くの流動人口があるショッピングモール、マート、展示場およびコンサート場などのような多重利用施設にも設置および適用することができる。
【0073】
以上のように実施形態が仮に限定された図面によって説明されたが、該当する技術分野における通常の知識を有する者ならば、前記した内容に基づいて多様な技術的修正および変更を適用することができる。例えば、説明された技術が、説明された方法とは異なる順序で遂行されるか、および/または説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態で結合されるか若しくは組み合わせられる。他の構成要素または均等物によって代替または置換されるとしても、適切な結果が達成され得る。
【0074】
したがって、他の実装例、他の実施形態および特許請求の範囲と均等なものも、後述する特許請求の範囲に属する。