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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、サーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20240115BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240115BHJP
【FI】
G06Q50/30
G16Y10/40
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022000414
(22)【出願日】2022-01-05
(62)【分割の表示】P 2020011639の分割
【原出願日】2015-02-26
(65)【公開番号】P2022040210
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2022-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001759
【氏名又は名称】弁理士法人よつ葉国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 元成
(74)【代理人】
【識別番号】100168468
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 曜
(74)【代理人】
【識別番号】100166176
【弁理士】
【氏名又は名称】加美山 豊
(72)【発明者】
【氏名】谷口 友彦
【審査官】星野 昌幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-032889(JP,A)
【文献】特開2008-217204(JP,A)
【文献】特開2010-044471(JP,A)
【文献】特開2004-199189(JP,A)
【文献】特開2007-164554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16Y 10/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1端末と第2端末と通信し、乗物の手配に関する手配情報を送信するサーバによって実行されるプログラムであって、
前記乗物の手配の依頼に関する第1依頼情報と、前記第1端末の第1ユーザに関する第1ユーザ情報とを前記第1端末から前記サーバの通信部によって受信し、前記乗物の手配の依頼に関する第2依頼情報と、前記第2端末の第2ユーザに関する第2ユーザ情報とを前記第2端末から前記通信部によって受信することと、
前記第1ユーザ情報に基づいて、前記第1ユーザの第1信用情報を前記サーバの制御部によって取得し、前記第2ユーザ情報に基づいて、前記第2ユーザの第2信用情報を前記制御部によって取得することと、
前記第1信用情報と前記第2信用情報とに基づき、前記乗物の前記手配情報の送信に関する順番を決定する処理を前記制御部によって行うこと前記サーバによって実行させるためのプログラム
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記制御部によって決定された前記順番に基づき、前記第1端末と前記第2端末に前記手配情報を送信する制御を前記制御部によって行うこと前記サーバによって実行させるためのプログラム
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記第1信用情報が前記第2信用情報より高い場合、前記第1端末に前記手配情報を送信する制御を前記制御部によって行うこと前記サーバによって実行させるためのプログラム
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムであって、
前記第1信用情報が前記第2信用情報より高い場合、前記手配情報の送信の順番待ちを知らせる待ち通知を前記第2端末に送信する制御を前記制御部によって行うこと前記サーバによって実行させるためのプログラム
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記第1信用情報は、前記第1ユーザの前記乗物の手配を行うサービスの利用実績の情報を含む、プログラム
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムであって、
前記利用実績の情報は、前記第1端末が前記第1依頼情報を前記サーバに送信した後で、前記乗物を前記第1ユーザがキャンセルしたことに関する情報を含む、プログラム
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のプログラムであって、
前記利用実績の情報は、前記乗物の手配先の場所に前記第1ユーザが遅刻したことに関する情報を含む、プログラム
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記第1信用情報または前記第2信用情報は、前記乗物の運賃の支払いに関する情報を含む、プログラム
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記サーバは、第1サーバと第2サーバとを含み、
前記第1サーバは、前記制御部を含み、
前記第1サーバは、前記制御部によって、前記第1信用情報または前記第2信用情報を前記第2サーバから取得する、プログラム
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記手配情報は、前記第1端末の位置情報、前記第2端末の位置情報、前記乗物の現在位置、前記乗物の運行経路情報、および交通情報の少なくとも1つに基づいて、送信される、プログラム
【請求項11】
少なくとも第1端末と第2端末と通信し、乗物の手配に関する手配情報を送信するサーバの情報処理方法であって、
前記乗物の手配の依頼に関する第1依頼情報と、前記第1端末の第1ユーザに関する第1ユーザ情報とを前記第1端末から前記サーバの通信部によって受信し、前記乗物の手配の依頼に関する第2依頼情報と、前記第2端末の第2ユーザに関する第2ユーザ情報とを前記第2端末から前記通信部によって受信することと、
前記第1ユーザ情報に基づいて、前記第1ユーザの第1信用情報を前記サーバの制御部によって取得し、前記第2ユーザ情報に基づいて、前記第2ユーザの第2信用情報を前記制御部によって取得することと、
前記第1信用情報と前記第2信用情報とに基づき、前記乗物の前記手配情報の送信に関する順番を決定する処理を前記制御部によって行うこととを含む。
【請求項12】
少なくとも第1端末と第2端末と通信し、乗物の手配に関する手配情報を送信するサーバであって、
前記乗物の手配の依頼に関する第1依頼情報と、前記第1端末の第1ユーザに関する第1ユーザ情報とを前記第1端末から受信し、前記乗物の手配の依頼に関する第2依頼情報と、前記第2端末の第2ユーザに関する第2ユーザ情報とを前記第2端末から受信する通信部と、
前記第1ユーザ情報に基づいて、前記第1ユーザの第1信用情報を取得し、前記第2ユーザ情報に基づいて、前記第2ユーザの第2信用情報を取得する制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1信用情報と前記第2信用情報とに基づき、前記乗物の前記手配情報の送信に関する順番を決定する処理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タクシーやハイヤーなどの輸送サービスを利用する際に適用される輸送手配システム、輸送手配方法、輸送手配サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が任意の目的地を指定して輸送サービスを受ける交通手段としてタクシーが利用されている。従来、利用者がタクシーを利用するには、タクシー会社に直接電話をして乗物の配送を依頼するか、駅前や街頭のタクシー乗り場まで移動してタクシーに乗車する、或いは路上で直接乗車の申し込みをするなどの方法がとられていた。
【0003】
これに対し、携帯電話など移動体通信手段の普及により、利用者の端末装置からタクシーの手配を希望する旨の連絡を受け、乗物を手配するシステムが提案されている。
【0004】
例えば、利用者の端末装置からタクシーの依頼情報が送信されたとき、この依頼情報を受けて複数の手配支援業者のサーバから旅客輸送条件提示情報が送信され、これらの旅客輸送条件提示情報が利用者の端末装置に送信される、タクシーについての手配支援システムが開示されている(特許文献1)。また、総合管理システムが利用者端末から送信された情報を基にタクシーの経路探索を行い、料金算出を行って利用者端末に返信する問合せ手段と、問合せ手段に対し利用者端末から申し込まれた申込情報を、総合管理システムが手配管理システムに転送するタクシー申込み手段と、タクシー申込み手段からの申込情報に対し手配管理システムがタクシー割当を行い、乗車場所に最も近いタクシーを手配する手配手段とを有するタクシー手配システムが開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-227672号公報
【文献】特開2007-052729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
利用者の端末装置とネットワークを介して通信接続されるタクシー手配支援サービスは、タクシー会社毎に、または提携するタクシー会社グループ毎に、複数のタクシー手配支援サービスがされているため、利用者は複数の手配支援サービスを比較検討しないと、最も利便性の高いタクシーの手配を受けることができない可能性がある。すなわち、利用者は利便性の高いタクシーの手配を受けるために、複数のタクシー手配サービスにアクセスし、比較・検討する必要があり、そのために時間と労力が必要となる。
【0007】
このような問題に鑑み本発明は、乗物の手配を希望するときに、手配可能な乗物の検索を一元的かつ横断的に実行することのできる技術を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態は、利用者の依頼に応じ、利用者を輸送する乗物の手配を支援する手配支援サーバであって、利用者の端末装置から乗物の手配依頼と共に手配先の位置情報を含む依頼情報を受信する第1の受信部と、依頼情報を複数の手配運用サーバに送信する第1の送信部と、複数の手配運用サーバのそれぞれから手配可能な乗物の情報を手配可能情報として受信する第2の受信部と、手配可能情報を送信する第2の送信部とを有している。
【0009】
本発明の一実施形態は、利用者の依頼に応じ利用者を輸送する乗物の手配を支援する方法であって、利用者の端末装置から乗物の手配依頼と共に手配先の位置情報を含む依頼情報を受信した手配支援サーバが、依頼情報を、複数の手配運用サーバに送信し、複数の手配運用サーバのそれぞれから手配可能な乗物の情報を、手配可能情報として受信し、手配可能情報を端末装置に送信する乗物の手配支援方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、利用者が、手配支援サーバに乗物の手配を依頼することで、1回の依頼で複数の事業者に乗物の手配をしたものと、同等の結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る乗物の手配に関する申し込みを受け付け、手配可能な乗物に関する情報の提供を行うことのできる手配支援サーバと、利用者の端末装置、手配運用サーバの関係を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る乗物の手配に関する申し込みを受け付け、手配可能な乗物に関する情報の提供を行うことのできる手配支援サーバと、利用者の端末装置、手配運用サーバの関係を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る乗物の手配に関する申し込みを受け付け、手配可能な乗物に関する情報の提供を行うことのできる手配支援サーバと、利用者の端末装置、旅客輸送事業者の関係を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る手配支援サーバ102の機能的構成を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る手配支援サーバの一構成例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る手配支援サーバの一構成例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る乗物の手配に関する申し込みを受け付け、手配可能な乗物に関する情報の提供を行うときの処理の流れを示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る手配可能情報を選択するときの処理の流れを説明するフローチャートを示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る利用者を特定の指標に基づいて評価するときの処理の流れを説明するフローチャートを示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る乗物の手配に係る支援サービスを受ける際に端末装置に表示されるインターフェースの一例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係る乗物の手配に係る支援サービスを受ける際に端末装置に表示されるインターフェースの一例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に係る乗物の手配に係る支援サービスを受ける際に端末装置に表示されるインターフェースの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0013】
[手配支援サーバとシステムの概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る乗物(Vehicle)の手配に関する申し込みを受け付
け、手配可能な乗物に関する情報の提供を行うことのできるシステムを示す。このシステムは、手配支援サーバ102、手配運用サーバ104を含んで構成されている。手配支援サーバ102は、利用者の端末装置106と情報の送受信を行う。また、手配支援サーバ
102は、複数の手配運用サーバ104と情報の送受信を行う。すなわち、本システムは、端末装置106が直接、乗物の手配に関するサービスを提供可能な手配運用サーバ104と通信を行うのではなく、手配支援サーバ102が利用者に対する一元的な支援を行う機能を有している。
【0014】
なお、本発明において「乗物」とは、主に人や物を乗せて移動や輸送をするための交通機関としての機器又は道具、若しくは家畜等を指し、狭義には原動機付車両、鉄道車両、船舶、航空機の1つ以上を指していう。本発明の位置実施形態において、乗物として自動車が適用され、旅客輸送事業者が使用する自動車の一例としてタクシーが適用されるものとする。
【0015】
手配支援サーバ102は、利用者の端末装置106と接続可能な状態に置かれている。手配支援サーバ102と端末装置106との接続、および手配支援サーバ102と手配運用サーバ104との接続は、公衆電話回線、インターネット等の電気通信回線を介して接続される。また、他の形態として、通信回線の一部又は全部に、端末装置の近距離無線通信機能を用いた、端末間無線通信ネットワークが含まれていてもよい。なお、近距離無線通信は、メガヘルツからギガヘルツの高周波の電波を利用した無線通信であり、数メートルから数十メートルの範囲内で通信を行うものをいう。近距離無線通信は、電波源から放出された電波を受信して通信機器の固有情報や電波源と通信機器との距離などの各種情報を伝達する通信である。近距離無線通信として、例えば、ビーコン(Beacon)やRFID(Radio Frequency Identifier)やBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)や超音波通信(Smart Sonic Communication)が挙げられる。
【0016】
図1において、手配支援サーバ102は、利用者の端末装置106と通信を行い、乗物の依頼情報の受信、乗物の手配可能情報の送信、利用者からの乗物の確定申込情報の受信を行い、手配運用サーバ104に対しては利用者の依頼情報の送信、手配可能情報の受信、乗物の確定申込情報の送信を行う機能を有するサーバである。
【0017】
なお、本発明の一実施形態において「依頼情報」とは、利用者から乗物の手配についての依頼に関する情報であって、利用者の氏名等の識別情報、乗物の手配を依頼する先の位置情報等を含む。また、「手配可能情報」とは、利用者の依頼に対し手配可能な乗物の情報をいう。また、「確定情報」とは、利用者の申し込みに対し、旅客輸送事業者等が乗物の提供について受諾した旨の情報をいう。
【0018】
手配運用サーバ104は、旅客輸送事業者108の乗物110を識別し、利用者から依頼があったとき、乗物の手配を運用し支援するサーバである。手配運用サーバ104は、それ自体でも利用者の依頼を受信して、乗物の手配情報を提供する機能を有するものであってもよい。
【0019】
利用者の端末装置106は、手配支援サーバ102とは別にソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、「SNS」ともいう。)を提供するSNSサーバ112と接続され、SNSから情報通信サービスの提供を受け、当該サービスを利用することのできるものであることが好ましい。手配支援サーバ102は、SNSサーバ112と連係し、利用者に関する情報(利用者情報)を取得することが可能な状態とされていてもよい。手配支援サーバ102がSNSサーバ112と連係することにより、利用者の特性に応じた乗物の手配に係るサービスを提供することが可能となる。なお、利用者情報には、利用者の端末装置106に固有の情報、利用者の個人情報、利用者と他の利用者との関係を示す情報等が含まれているものとする。ここで、手配支援サーバ102とSNSサーバ112は、物理的又は機能的に分離されたものに限定されず、手配支援サーバ102にSNSサーバの機能が含まれていてもよく、SNSサーバ112に手配支援サーバの機能が含まれてい
てもよい。
【0020】
<手配支援サーバ>
手配支援サーバ102は、端末装置106から乗物の手配に関する依頼情報を受信する。また、手配支援サーバ102は、手配運用サーバ104から送信された、手配可能な乗物の位置情報、手配可能な乗物の旅客輸送事業者名、手配可能な台数等の情報(以下、「手配可能情報」ともいう。)を端末装置106に送信する。図1では、手配支援サーバ102が1台の端末装置106と接続される態様が示されている。しかし本発明の一実施形態はこれに限定されず、手配支援サーバ102は任意の数の端末装置106と同時多発的に接続されてもよい。
【0021】
手配支援サーバ102は、端末装置106から地理的な位置情報、利用者が希望する乗物の台数、手配を希望する場所、手配を希望する日時等に関する依頼情報を取得する。手配支援サーバ102は、手配運用サーバ104に対し、利用者から取得した依頼情報を送信し、旅客輸送事業者が提供可能な乗物について問い合わせをする。また、手配支援サーバ102は、手配運用サーバ104から手配可能情報を取得し、その取得した情報を利用者の端末装置106に送信する。
【0022】
手配支援サーバ102は、複数の手配運用サーバ104と接続されていることが好ましい。図1は、手配支援サーバ102が、第1の手配運用サーバ104aと第2の手配運用サーバ104bと接続されている態様を示す。しかし、本発明の一実施形態はこれに限定されず、手配支援サーバ102は、2以上の手配運用サーバ104と接続されていてもよい。手配支援サーバ102が複数の手配運用サーバ104と通信可能な状態に置かれていることにより、複数の旅客輸送事業者の中から適切な乗物の手配を利用者に提供することが可能となる。
【0023】
手配支援サーバ102は、端末装置106から送信された位置情報に基づいて、手配運用サーバ104の接続先を選択する機能を有していてもよい。すなわち、手配運用サーバ104が手配可能な地域が制限される場合、手配支援サーバ102は、乗物の手配先を示す位置情報に基づいて、その地域において手配可能な手配運用サーバ104を選択する。
【0024】
例えば、図2で示すように、手配支援サーバ102は、旅客輸送サービスが提供される地域に対応して、その地域に属する手配運用サーバ104を選択する。例えば、手配支援サーバ102は、端末装置106aから送信された位置情報が地域Aを示しているとき、その地域Aで乗物の手配をすることのできる複数の手配運用サーバ104a(図2で示す例では、手配支援サーバ102a1~102a3)を選択する。手配運用サーバ104は同一地域を対象とする旅客輸送事業者108a(図2で示す例では、旅客輸送事業者108a1~108a3)に属する乗物の中に手配可能な乗物が存在するか否かを検索する。
【0025】
同様に、端末装置106bから送信された位置情報が地域Bを示しているとき、その地域Bをカバーする第2の手配運用サーバ104b(図2で示す例では、手配支援サーバ102b1~102b3)を選択し、利用者の依頼情報を送信する。また、端末装置106cから送信された位置情報が地域Cを示しているとき、その地域Cをカバーする手配運用サーバ104c(図2で示す例では、手配支援サーバ102c1~102c3)を選択し、利用者の依頼情報を送信する。
【0026】
手配支援サーバ102には、手配運用サーバ104が、その手配支援サービスを提供可能な地域ごとにクループ化して登録されていてもよい。手配運用サーバ104が手配支援サービスを提供可能な地域とは、現実に手配運用サーバ104が設置されている場所に限定されず、当該地域において乗物の手配について支援をすることのできる地域であればよ
い。
【0027】
図2において、地域A、地域B及び地域Cとして例示される地域の区分は、地理的な区分として市町村ごとの区分、ある都市を複数に分割する区分、国内の一地方に対応する区分、国際的な範囲において独立国又は行政管轄地域として区別される区分、などが含まれる。
【0028】
図1で示すように、手配支援サーバ102は、依頼情報に対し手配運用サーバ104から手配可能情報を取得する。手配可能情報には、手配可能な複数の乗物が含まれている場合、どの乗物に関する手配情報を利用者に提供するか、選択する機能を有していてもよい。また、この手配可能情報は、複数の手配運用サーバ104から、それぞれ提供されてもよい。手配支援サーバ102は、複数の手配可能情報の中から、適当な手配可能情報を選択し、利用者に提供する機能を有していてもよい。
【0029】
また、手配支援サーバ102は、手配可能情報を受けた利用者が乗物の申し込みをしたとき、その申込情報を、端末装置106を介して受信する。手配運用サーバ104は申込情報を受信すると、該当する乗物又は旅客輸送事業者に申込の通知をする。この通知は、手配運用サーバ104に対して行うことができる。手配運用サーバ104は、乗物又は旅客輸送事業者から申込の受諾を受けると、申込が成立したことを通知する情報(以下、「確定情報」ともいう。)を手配支援サーバ102に送信する。手配支援サーバ102は確定情報を受信し、その情報を端末装置106に送信する。端末装置106は確定情報を受信し、その内容を画面表示等により利用者に通知する。
【0030】
手配支援サーバ102は、利用者の端末装置106と、乗物の手配を支援する手配運用サーバ104との間で、依頼情報、手配可能情報、申込情報、確定情報を送受信し、手配運用サーバ104との間で仲介する機能を有する。
【0031】
<端末装置>
図1において、利用者の側に属する端末装置106は、通信機能を有する電子装置であればよく、例えば、携帯電話、スマートホン、タブレット型端末、PDA(Personal Digital Assistants)、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末(腕時計型端末など)
などが含まれる。また、端末装置106は、存在位置を地理的に特定する位置情報取得機能を有していることが好ましい。存在位置を特定する機能は、例えば、GPS(Global Positioning System)によって実現される。端末装置106は、位置情報取得機能を有す
ることで、利用者が乗物の依頼を手配支援サーバ102に通知するとき、利用者の現在位置情報も同時に含めることができる。
【0032】
上述のように、手配支援サーバ102は、端末装置106から送信された現在位置情報に基づいて、利用者に旅客輸送サービスを提供するために適した手配運用サーバ104を選択する。すなわち、利用者の現在位置に応じて、旅客輸送サービスが提供可能な事業者の乗物に関する情報を、当該利用者に提供することができる。また、利用者が乗物の手配先を住所情報によって指定したとき、手配運用サーバ104はその手配先で手配支援サービスを提供可能な手配運用サーバ104を選択する。
【0033】
また、利用者の端末装置106は、SNSサーバ112と電気通信回線を介して接続されている。利用者は、SNSサーバ112から情報通信サービスの提供を受け、他の利用者とSNSを介して会話をしたり、情報の交換をしたり、ツイート等によりメッセージ等を発信することができる。利用者は、SNSサーバ112が提供するコミュニケーションサービスに登録して、他の利用者と「友人」としての関係を構築しコミュニティーに参加することができる。さらに、利用者は、SNSサーバ112が提供する課金サービスを利
用して、SNS上で提供される商品又はサービスを購入することができる。
【0034】
なお、SNSサーバ112に登録される利用者とその「友人」とは、所定のコミュニケーションサービスにおいて相互により築かれた交流可能な関係をいうものとする。互いに承認された人的関係とは、単にお互いの存在を認識しているだけではなく、例えば、一方のユーザが送信した友だちの関係を構築するリクエストに対して、他方のユーザが承認することで構築された関係を含むものとする。
【0035】
SNSサーバ112は、利用者の識別番号、暗証番号、端末装置の固有情報、サービスの利用実績情報、友人関係情報等の個人情報を保持している。手配支援サーバ102は、SNSサーバ112が有する個人情報の一部又は全部を共有できるようにされていてもよい。例えば、手配支援サーバ102とSNSサーバ112は、利用者の識別情報(ユーザID、ニックネーム、パスワード、端末装置の機器固有情報等)、友人関係情報を共有するように、相互にデータの交換が行われてもよい。手配支援サーバ102は、このような利用者情報をSNSサーバ112と共有することにより、利用者の特性に応じた乗物の手配に係るサービスを提供することができる。
【0036】
なお、図1では、一つのSNSサーバ112が示されているが、本発明の一実施形態はこれに限定されない。手配支援サーバ102は複数のSNSサーバ112と連係していてもよい。それにより、手配支援サーバ102は、利用者に関する多様な情報を取得することが可能となる。
【0037】
<手配運用サーバ>
手配運用サーバ104は、手配支援サーバ102と電気通信回線又は他のネットワークと接続されて双方通信を行うことが可能とされている。また、手配運用サーバ104は、手配支援サーバ102を介さずに利用者の端末装置106と通信を行い、それ自体で乗物の手配に係る手配サービスを提供する機能を有するものであってもよい。しかしながら、本発明の一実施形態によれば、手配運用サーバ104が手配支援サーバ102と接続されていることで、より多くの利用者から乗物の依頼情報を取得することが可能となる。すなわち、手配運用サーバ104に登録されていない利用者からの乗物の依頼情報であっても、手配支援サーバ102を介して取得することが可能となる。
【0038】
手配運用サーバ104は、管轄下にある旅客輸送事業者108の乗物110の位置情報及び空車情報を把握し、利用者からの依頼情報に対する手配可能情報を生成する。乗物110の位置情報及び空車情報は、旅客輸送事業者108から提供されるものであってもよい。手配運用サーバ104は、手配支援サーバ102から、利用者の依頼情報を受信すると、その依頼情報に基づいて手配可能な乗物を検索する。また、手配可能な乗物を旅客輸送事業者108に問い合わせをしてもよい。
【0039】
利用者から送信された依頼情報には、利用者を識別する情報、乗物の手配先の位置情報(利用者の位置情報)、乗物の必要台数、乗車希望時間等のうち、少なくとも一つが含まれている。手配運用サーバ104は、乗物の手配先の位置情報に基づいて手配可能情報を自己が有する乗物情報の中から検索し、手配可能情報を生成する機能を有する。この乗物情報には、乗物の位置情報、空車情報などが含まれる。乗物情報は、旅客輸送事業者108から適時提供されるものであってもよい。
【0040】
また、手配可能情報の生成は、手配運用サーバ104が、旅客輸送事業者108のサーバから乗物110に関する情報を取得することにより行うことができる。例えば、手配運用サーバ104が、一つ又は複数の旅客輸送事業者108のサーバに対し、利用者の申込み情報を送信し、その応答を受信することで実効されてもよい。
【0041】
手配運用サーバ104は、手配可能情報を生成すると、その情報を手配支援サーバ102に送信する。上記のように、手配可能情報には、手配可能な乗物の位置情報、手配可能な乗物の旅客輸送事業者名、手配可能な台数等の情報が含まれている。
【0042】
手配運用サーバ104は、手配支援サーバ102から利用者の申込情報を受信すると、該当する乗物又は旅客輸送事業者に申し込みがあった旨の通知をする。また、手配運用サーバ104は、乗物又は旅客輸送事業者から申込受諾の通知を受けたとき、申し込みが確定した旨の確定情報を手配支援サーバ102に通知する。
【0043】
このように、手配運用サーバ104は、手配支援サーバ102と乗物又は旅客輸送事業者との間の仲介をする機能を有している。
【0044】
<旅客輸送事業者>
旅客輸送事業者108は、乗物を用いて利用者(旅客)を輸送するサービスを提供する。旅客輸送サービスに使用される乗物110としては、代表的には自動車であるが、船舶、航空機、人力車両などであってもよい。旅客輸送事業者が自動車を使用して行う旅客輸送事業としては、代表的にはタクシー事業であり、その他ハイヤー事業、バス事業等であってもよい。また、旅客輸送事業者108が運転代行サービス事業であってもよい。
【0045】
乗物110は、現在位置を特定する機能を有していることが好ましい。この現在位置を特定する機能は、例えば、乗物に搭載されるGPS機能によって実現される。このGPS機能は乗物110に付属するナビゲーションシステムの一部として機能するものであってもよい。乗物110に位置情報取得機能が設けられていることで、旅客輸送事業者108は、乗物110の位置を把握し、適切な手配情報を手配運用サーバ104に提供することができる。ここで、現在地を特定する機能は運転手の端末装置にあってもよく、それにより同様の効果を得ることができる。
【0046】
旅客輸送事業者108は、自己が保有する乗物110の位置情報及び運行情報を取得し、その情報を手配運用サーバ104に提供してもよい。旅客輸送事業者108と乗物110との間の情報交換は、通信回線を経由して取得される。この通信回線を経由した情報通信は、上述のGPS機能を利用した車載器によって行われる。また、この通信回線を経由した情報通信は、旅客輸送事業者108と乗物110の運転手との無線通信によって行われるものであってもよい。
【0047】
<他の実施形態>
図1では、手配支援サーバ102が手配運用サーバ104と接続されて、利用者の端末装置106に乗物の手配を行うに際して支援を行う態様を示す。しかし、旅客輸送事業者108が、手配運用サーバ104が提供するサービスを代替する機能を有していてもよい。図3は、手配支援サーバ102と旅客輸送事業者108とが接続され、乗物の手配に関する申し込みを受け付け、手配可能な乗物に関する情報の提供を行うことのできるシステムの他の一形態を示す。手配支援サーバ102は、端末装置106から乗物110の依頼情報を取得し、旅客輸送事業者にその依頼情報を送信し、手配可能な乗物情報を一元的に取得可能な機能を有している。
【0048】
このように、本発明の一実施形態によれば、手配支援サーバが、複数の手配運用サーバ104と連係することにより、乗物の手配を依頼する利用者は、1回の依頼で複数の事業者に乗物の手配をしたものと、同等の結果を得ることができる。すなわち、利用者は、複数の乗物手配サービスの提供サイトに個々にアクセスして、最適な乗物の手配を検索しなくても、手配支援サーバにアクセスすることで包括的な乗物の検索をし、乗物の手配に係
る手配サービスの提供を受けることができる。
【0049】
[手配支援サーバの機能構成]
図4は、本発明の一実施形態に係る手配支援サーバ102の機能的構成を示す。手配支援サーバ102は、第1の受信部116、第1の送信部118、第2の受信部120及び第2の送信部122を含んでいる。
【0050】
すなわち、利用者の依頼に応じ、利用者を輸送する乗物の手配を支援する手配支援サーバ102は、利用者の端末装置106から乗物の手配依頼と共に手配先の位置情報を含む依頼情報を受信する第1の受信部(依頼情報、申込情報の受信部)と、依頼情報を複数の手配運用サーバに送信する第1の送信部(依頼情報、申込情報の送信部)と、複数の手配運用サーバから手配可能な乗物の位置情報を含む手配可能情報を受信する第2の受信部(手配可能情報処理、確定情報の受信部)と、手配可能情報を送信する第2の送信部(手配可能情報処理、確定情報の送信部)と、を含んでいる。
【0051】
第1の受信部116は、利用者の端末装置106から乗物の依頼情報を受信する。依頼情報には、利用者の識別情報(氏名、ニックネーム、ID番号、パスワード、電話番号、クレジットカード情報、メールアドレス、住所、年齢、性別等のいずれか一つ又は複数)、乗物の手配場所を指定する地理的な位置情報、乗物の台数、手配時間等の情報が乗物含まれている。
【0052】
手配先を指定する位置情報は、利用者の現在位置の情報の他に、利用者が指定する手配先であってもよい。利用者の現在位置は、端末装置106のGPS機能によって得られた情報であって、例えば緯度及び経度情報が用いられる。また、利用者が端末装置106に入力した住所(地番名)に関する情報であってもよい。利用者は、端末装置106が取得する位置情報の他に、利用者の意思で入力する地番名等の住所情報を用いて、乗物110の手配先を指定することができる。
【0053】
第1の送信部118は、依頼情報を、一つ又は複数の手配運用サーバ104に送信する機能を有する。第1の送信部118は、依頼情報に含まれる位置情報から乗物の手配先を特定し、その地域に乗物を手配できる手配運用サーバ104を選択して送信してもよい。第1の送信部118が送信する依頼情報には、手配先の位置情報、乗物の台数、手配時間等の情報が含まれている。
【0054】
第2の受信部120は、複数の手配運用サーバ104から送信された手配可能な乗物の手配情報(手配可能情報)を受信する。手配可能情報には、手配可能な乗物の現在位置、手配先への予想到着時間、手配可能台数、旅客輸送事業者の名称等が含まれている。第2の受信部120は、複数の手配運用サーバ104から受信した複数の手配情報を対応する依頼情報と関連付けて第2の送信部に出力する機能を有する。
【0055】
第2の送信部122は、手配可能情報を利用者の端末装置106に出力する機能を有する。第2の送信部122は、複数の手配可能情報を端末装置106に送信するとき、手配可能候補として、乗物の位置情報の他に、手配先までの予想到着時間、旅客輸送事業者の情報、運転手情報等が含まれていてもよい。
【0056】
端末装置106は、第2の送信部122から手配可能情報を受信する。端末装置106の画面には、その手配可能情報が表示される。例えば、地図の表示と共に手配可能な乗物の位置が表示される。利用者は手配可能情報として表示される一つ又は複数の手配可能な乗物を選択し申し込みの意思表示をする。
【0057】
第1の受信部116は、端末装置106からの申込情報を受信する。第1の送信部118は、この申込情報を該当する手配運用サーバ104に送信する。旅客輸送事業者108は、手配運用サーバ104から申込情報を受信し、申し込み確定の情報(確定情報)を返信する。
【0058】
手配支援サーバ102の第2の受信部120は、手配運用サーバ104から確定情報を受信する機能を有する。第2の送信部122は確定情報を端末装置106に送信する機能を有する。端末装置106は、契約が成立した旨の表示をする。
【0059】
図4に示すように、手配支援サーバ102が端末装置106からの依頼情報を、複数の手配運用サーバ104に送信する機能、複数の手配運用サーバ104から手配可能な乗物に関する手配可能情報を受信する機能を有することで、利用者は1回の申し込みで複数の手配運用サーバにアクセスしたことと同等の利益を得ることができる。
【0060】
図5は、手配支援サーバ102の一態様を示す。手配支援サーバ102は、接続先設定部124を含んでいてもよい。接続先設定部124は、第1の受信部116が依頼情報を受信したとき、依頼情報に含まれる現在位置情報又は手配先指定情報から乗物の手配先を特定し、その地域に乗物を手配できる手配運用サーバ104を選択する。
【0061】
接続先設定部124は、複数の手配運用サーバ104のそれぞれに対し、データベースに登録された乗物の手配可能地域を読み出し、依頼情報に含まれる手配先の位置情報と対比して、乗物の手配に係る手配サービスの提供が可能な手配運用サーバ104を選択する。或いは、乗物の手配に係るサービスを提供する複数の事業者のそれぞれについて、当該事業者がサービス可能な地域をデータベースに登録しておき、依頼情報に含まれる手配先の位置情報と対比して、複数の事業者の中から対応する地域でサービスを提供できる事業者を選択し、該当事業者の乗物の手配運用サーバを選択する。
【0062】
第1の送信部118は、接続先設定部124で選択された手配運用サーバ104に依頼情報を送信する。接続先設定部124は、複数の手配運用サーバ104を選択することができ、第1の送信部118は、複数の手配運用サーバ104に対して依頼情報を送信することができる。
【0063】
また、図5に示すように、手配支援サーバ102は選択部126を含んでいてもよい。選択部126は、第2の受信部120が手配運用サーバ104から手配可能情報を受信したとき、当該手配可能情報を評価し、利用者の特性に合わせて配信する機能を有する。第2の受信部120が受信する手配可能情報には、手配可能な乗物の位置情報が含まれ、さらに事業者情報、運転手情報等が付加されていてもよい。乗物の位置情報は、乗物の現在位置を示す情報であり、時間と共に変化する情報である。一方、事業者情報は旅客輸送事業者を識別する情報である。
【0064】
選択部126は、運行情報取得部128によって、乗物の現在位置から手配先までの経路情報、経路の渋滞情報等の交通情報等と取得する。選択部126は、事業者情報取得部132によって旅客輸送事業者に関する情報を取得する。旅客輸送事業者は、接客サービス、運転マナー、乗物品質等、旅客に対するサービスの質が事業者ごとに差が生じているのが通常である。このようなサービスの質は旅客の印象によって評価が異なる。事業者情報取得部132は、このような旅客による事業者の評価情報を事業者支援サーバ114から取得してもよい。選択部126は、利用者情報取得部130によって利用者の利用実績情報、利用者本人の信用情報、利用者の友人の信用情報を取得する。利用者情報取得部130は、これら利用者情報の基礎となる情報をSNSサーバ112から取得してもよい。
【0065】
選択部126は、運行情報を用いて、複数の手配可能情報の中から、利用者に適した手配可能情報を選択することができる。例えば、乗物の現在位置と手配先の距離的関係のみでなく、運行経路、道路状況を考慮して、最も速く手配できる手配可能情報に優先順位を付けて、利用者に提供することができる。また、旅客輸送事業者情報に基づいて、顧客評価が高く、サービスの質が高い旅客輸送事業者を選択することができる。
【0066】
選択部126は、利用者情報に基づいて、手配可能情報を端末装置106に送信するときの優先順位を付ける機能を有する。例えば、同一地域で複数の利用者からの乗物の依頼情報が競合した場合、選択部は複数の利用者に対し優先順位を付けて手配可能情報を配信するように設定する機能を有する。
【0067】
選択部は、旅客輸送事業者に関する情報、運行情報、利用者情報に基づいて、手配可能情報を評価することにより、利用者に適切な手配可能情報を提供することができる。例えば、旅客輸送サービスに優れた旅客輸送事業者が提供する乗物を手配することができる。また、利用者が指定する手配先に、交通状況に応じて適切な範囲にある乗物に関する手配可能情報を提供することができる。また、利用実績の高い利用者に優先して、手配可能情報を提供することができる。
【0068】
図6は、このような選択部126の機能構成の詳細を示す。選択部126は、運行情報、事業者情報、利用者情報を評価する評価部134を含んでいる。図6では、評価部134が、運行情報評価部136、事業者情報評価部138、利用者情報評価部140と連係して、評価を行う構成が示されている。
【0069】
運行情報評価部136は、乗物位置情報と、運行情報取得部128が取得した経路情報、交通情報に基づいて、乗物の手配可能時間を評価する。上記のように、乗物の現在位置と手配先の距離的関係のみでなく、運行経路、道路状況(渋滞情報)を考慮して、複数の乗物の中から最適な乗物を選定する。事業者情報評価部138は、旅客輸送事業者の輸送サービス情報、輸送実績、運転手評価情報により、複数の旅客輸送事業者の中から評価の高い旅客輸送事業者を選択する。
【0070】
利用者情報評価部140は、利用者の利用実績(乗物手配の利用実績等)、利用者本人情報、利用者の友人情報等を用いて利用者の評価を行う。利用者本人情報は、利用者本人の信用情報が含まれている。また、利用者友人情報は、一つ又は複数のSNS上で利用者(本人)が友人として登録している他の利用者との関係情報である。なお、利用者本人と友人との関係情報は、SNSサーバ112から当該情報を取得することが可能な場合に入手され得る。
【0071】
利用者本人の信用情報は、利用者の利用実績、支払い実績等の他、旅客輸送事業者から提供された利用者のマナーに関する情報が含まれていてもよい。例えば、乗物の手配を申し込みした後で、無断でキャンセルした場合には、利用者の信用度を低下させる情報として記憶される。また、利用者の運賃支払いの決済が何らかの原因で遅れた場合にも、利用者の信用情報を低下させる要因として作用する。一方、利用者の利用実績が多い場合、支払い金額の累計が多い場合、他のサービスを利用している件数が多い場合には、それらの情報は利用者の信用情報が高くなる要因として作用する。
【0072】
利用者情報評価部140は、利用者本人の信用情報と同じ情報を用いて、他の利用者についてもそれぞれ評価する機能を有している。利用者友人情報は、利用者(本人)が友人として登録している他の利用者との関係情報に基づいて、利用者の友人の信用度を評価する。利用者情報評価部140は、利用者本人の信用度と利用者の友人の信用度を総合して評価することが可能である。利用者情報評価部140は、上記のような要因に基づいて利
用者本人の信用度を点数化して評価してもよい。
【0073】
手配支援サーバ102は、選択部126が、複数の手配可能乗物の中から適した乗物を、運行情報から選択する機能、旅客輸送事業者を評価して選択する機能を有することにより、利用者に適した乗物の手配情報を提供することができる。すなわち、選択部126が、乗物の現在位置と手配先(例えば、端末委装置106の現在位置情報)の位置情報のみでなく、経路情報や交通情報に基づいて手配可能な乗物を選択することにより、利用者に適切な手配可能情報を提供することができる。選択部126が、評価値の高い旅客輸送事業者が提供する乗物についての手配可能情報を選択することにより、間接的に利用者に高いサービスを提供することができる。また、利用者の信用度を評価する機能を有することにより、乗物の依頼が複数の利用者で競合した場合でも、各利用者に適した乗物の手配可能情報を提供することができる。選択部126は、利用者の信用度を、利用実績のみでなく、SNSサーバ112を介して取得される利用者の友人に対する信用度を加えて評価することで、より信頼性の高い本人評価をすることができる。このとき、利用者の友人情報をSNSサーバ112から取得することにより、利用者に負担をかけることなく簡便に友人関係の情報を取得することができる。
【0074】
[手配支援サーバとシステムの動作]
図7は、本発明の一実施形態に係る乗物の手配に関する申し込みを受け付け、手配可能な乗物に関する情報の提供を行うことのできるシステムの処理の流れを示す図である。本システムは、手配支援サーバ102が手配運用サーバ104及び端末装置106と協働することで機能を発揮する。以下の説明では、図1で示す構成において、手配支援サーバ102が、端末装置106からの依頼情報を受信して、第1の手配運用サーバ104a及び第2の手配運用サーバ104bと通信を行い、乗物の手配を支援する処理の流れを説明する。なお、以下の説明では、適宜端末装置の画面表示(インターフェース)を参照して、本システムの動作を説明する。
【0075】
利用者は、乗物の手配を希望するとき、端末装置106を操作し手配支援サーバ102にアクセスする。端末装置106には、手配支援サーバ102を介して乗物の手配に係る支援サービス(以下、「本サービス」ともいう。)を受けるために、アプリケーションプログラムがインストールされている。
【0076】
図10は、端末装置106にインストールされているアプリケーションプログラムを起動した後に、画面に表示されるインターフェースの一例を示す。図10に示すインターフェース142は、SNSサーバ112が提供するSNSサービスにおけるサービス選択画面である。利用者は、この選択画面の中から本サービスの提供を受けるためのアイコン144にタップする等の所定の動作によって選択する。それにより、本サービスを受けるためのアプリケーションプログラムが起動する。
【0077】
アプリケーションプログラムが起動すると、図11で示すようなインターフェース146が表示される。インターフェース146には、現在位置とその周辺の地図を示す画面が表示される。インターフェース146には、現在位置表示148が示され、確認ボタン150が表示される。利用者は、画面上の確認ボタン150をタップ又はドロップ等の操作をすることにより、乗物の手配希望場所を指定することができる。また、インターフェース146の地図画面上には、現在位置148の周辺で手配可能な乗物の存在が表示される。
【0078】
なお、利用者は現在位置に乗物の手配を希望しない場合には、インターフェース146に表示される地図をスライドさせて、地図上に表示される別の場所をタップする等の操作により、乗物の手配希望先を指定することができる。あるいは、インターフェース146
の入力欄152をタップして入力モードを変更し、希望する住所をキー入力又は音声入力してもよい。
【0079】
乗物の手配先を確定させた後、確認ボタンをタップ等の操作を行うと、図12で示すようなインターフェース154が端末装置106に表示される。インターフェース154には、乗物の手配について依頼内容の確認をする内容が表示されている。表示内容としては、乗物の手配先の住所、旅客輸送事業者名、利用者名、支払方法等が表示される。利用者は、表示内容を確認し誤りがないことを確認する。利用者は、乗物の手配を依頼することについて意思表示をするために、提供内容に同意する確認ボタン156をタップ等の操作をし、依頼を確定させる。利用者の一連の操作によって乗物の手配が依頼されると、端末装置106からは、乗物の手配を依頼する情報(依頼情報)が送信される(S001)。依頼情報には、端末装置106の位置情報、利用者が希望する乗物の台数、手配を希望する場所、手配を希望する日時に関する情報が含まれている。
【0080】
手配支援サーバ102は、端末装置106から依頼情報を受信し、依頼情報に含まれる手配依頼地域を設定する(S002)。手配支援サーバ102は、当該位置情報(手配先位置手配情報)を基に、接続先の手配運用サーバを選択し、依頼情報を送信する(S003)。図7では、第1の手配運用サーバ104a及び第2の手配運用サーバ104bが、位置情報との関係で乗物の手配に係る手配支援サービスの提供可能地域内にあるものとする。
【0081】
第1に手配運用サーバ104aは、手配支援サーバ102から依頼情報を受信する(S004)。第1の手配運用サーバ104aは、依頼情報に基づいて、該当地域内にある手配可能な乗物の検索をする(S005)。そして、該当地域内にある手配可能な乗物を選択する(S006)。そして、手配可能な乗物が選択されると、第1に手配運用サーバ104aは、手配可能情報を送信する(S007)。ここで説明されるステップS004~ステップS007の処理は、第2の手配運用サーバ104bにおいても同様に実行される。
【0082】
なお、第1の手配運用サーバ104a及び第2の手配運用サーバ104bが検索する範囲は任意に設定されるものである。第1の手配運用サーバ104a及び第2の手配運用サーバ104bは、例えば、手配指定先を中心として半径5km以内にある手配可能な乗物を検索するように設定されていてもよい。
【0083】
手配支援サーバ102は、第1の手配運用サーバ104a及び第2の手配運用サーバ104bから受信した手配可能情報を受信して、その情報を端末装置106に送信する(S011)。例えば、手配可能情報が、第1の手配運用サーバ104a又は第2の手配運用サーバ104bの一方からしか送信されず、手配可能な乗物が一台しかないとき、手配支援サーバ102は、その手配可能情報を選定して端末装置106に送信する(S011)。
【0084】
一方、第1の手配運用サーバ104a及び第2の手配運用サーバ104bから複数の手配可能情報が送信され、手配可能な乗物が複数台あるとき、手配運用サーバ104は、その手配可能情報をそのまま端末装置106に送信してもよいし、複数の手配可能情報を解析して特定の手配可能情報を選択して端末装置106に送信してもよい。後者の場合、図5及び図6で説明した、手配支援サーバ102が備える選択部126の機能により、端末装置106に送信する手配可能情報を選択することができる。
【0085】
すなわち、第1の手配運用サーバ104a及び第2の手配運用サーバ104bから複数の手配可能情報を受信した手配支援サーバ102は、運行情報から手配可能な乗物を評価
し(S008)、事業者評価情報から当該乗物のサービス等の品質を評価し(S009)、利用者の信用度を評価する(S010)。
【0086】
端末装置106は、手配可能情報を受信すると、その内容を利用者が認識できるように何らかの態様で通知する(S012)。この通知は、端末装置106の画面表示として実行され得る。利用者は、端末装置106の画面表示に従って乗物の申し込みの意思表示をする。端末装置106は利用者の操作に従い、申込情報を手配支援サーバ102に送信する(S013)。手配支援サーバ102は申込情報を登録し、その申込情報を該当する手配運用サーバ104に送信する(S014)。図7では、手配支援サーバ102が第1の手配運用サーバ104aに申込情報を送信する例を示す。
【0087】
第1の手配運用サーバ104aは受信し(S015)、該当する乗物又は旅客輸送事業者に申込の通知をする(S016)。第1の手配運用サーバ104aは、乗物又は旅客輸送事業者から申し込みの受諾を受けると、申し込みが成立した確定情報を第1の手配支援サーバ102aに送信する(S017)。
【0088】
手配支援サーバ102は確定情報を登録し、その情報を端末装置106に送信する(S018)。端末装置106は確定情報を受信し、その内容を画面表示等により、利用者に通知する(S019)。
【0089】
利用者は、確定情報を受信した後は、手配指定場所で乗物の利用を開始し、目的地に到着した後は、旅客輸送事業者との間で、利用料をその場で決済してもよいし、旅客輸送事業者が配車支援サーバ102を運営する事業者に決済の代行を依頼してもよい。また、利用者は配車支援サーバ102と連係しているSNSサーバ112で登録されているSNSサイトの決済サービスを使って、利用料の支払いをしてもよい。
【0090】
このように、手配支援サーバ102は、利用者の端末装置106と、乗物の手配を支援する手配運用サーバ104との間で、依頼情報、確定情報を送受信する。手配支援サーバ102は、このような処理により、利用者に乗物の手配を行うことができる。また、利用者は端末装置106によって、手配支援サーバ102と通信を行うことにより、実質的に乗物を手配する複数の手配運用サーバ104に問い合わせをしたのと同等の結果を得ることができる。
【0091】
<手配可能情報の提供>
図7において、手配可能情報が複数存在した場合、運行情報(S008)、旅客輸送事業者評価情報(S009)により、特定の手配可能情報を選択し、または複数の手配可能情報に優先順位を付ける。図8は、手配可能情報を選択するときの処理の流れを説明するフローチャートを示す。
【0092】
手配可能情報には、手配可能な乗物の位置情報、手配可能な乗物の事業者名、手配可能な台数等の情報が含まれている。手配可能情報の評価は、乗物と手配指定場所との位置関係(距離)、旅客輸送事業者の評価情報に基づいて行われる。それに加え、利用者が特定の旅客輸送事業者を指定するときは、旅客輸送事業者の選定に当たってその指定情報を優先させてもよい。
【0093】
手配運用サーバ104は、複数の手配可能情報を受信する(S101)。手配可能情報には、少なくとも1台の手配可能な乗物が含まれている。そして、手配可能とされる複数の乗物の現在位置を比較評価し、手配指定場所に近い乗物の順番に優先順位が付けられる(S102)。この位置評価は、乗物と手配指定場所とを直線で結ぶ距離に基づいて行われてもよい。すなわち、この段階では実際の運行経路によらず、手配指定場所と乗物の位
置の直線関係で評価することで、該当する乗物を選別することができる。なお、この評価によって、手配指定場所を中心に所定範囲内に手配可能な乗物が存在しないと判断された場合、所定範囲内に手配可能な乗物が存在しないとして、利用者には待ち通知をするようにしてもよい(S107)。
【0094】
位置評価により選択された1以上の乗物は、現在位置から手配指定場所までの運行経路を、地図情報に基づいて解析される(S103)。手配可能な乗物について、現在位置から手配指定先までの経路が確定すると、その運行経路の交通情報を取得して運行に要する時間(アクセス時間)を解析する(S104)。すなわち、乗物の現在位置と手配指定場所との直線距離ではなく、実際に予想される運行経路と交通情報を加味して、予想される目的地(手配指定場所)までに要する時間(アクセス時間)を評価する。そして、評価結果が所定時間内であれば次の評価へ進む。また所定時間外であれば、所定時間内に到着不可であるとして、手配乗物可能な乗物がないものとして待ち通知(S107)を行うようにしてもよい。
【0095】
なお、所定時間は任意に設定可能であり、例えば、15分、30分といったように所定の時間を指定することができる。この所定時間は、全利用者に一律に適用してもよいし、利用者ごとに設定されていてもよい。また、利用者が乗物を依頼するときの依頼情報の中に含め、手配毎に定めるようにしされていてもよい。
【0096】
利用者が、特定の旅客輸送事業者を指定しているときは、その要望を優先させてもよい。例えば、利用者が特定の旅客輸送事業者のみを希望する場合、手配可能な乗物の中から該当旅客輸送事業者の乗物を選択し(S105)、手配可能情報として提供する(S108)。一方、利用者が、指定した旅客輸送事業者以外の事業者を希望しない場合であって、該当乗物が存在あしない場合、指定条件を満たさないものとして待ち通知を出してもよい(S107)。
【0097】
旅客輸送事業者の評価情報に基づく解析は、複数の手配可能情報に対し複数の旅客輸送事業者が存在する場合、旅客輸送事業者同士を比較評価する。旅客輸送事業者の輸送サービスの品質、輸送実績(送迎時間の遅滞、事故件数、目的地までの遅延件数等)、運転手評価情報により、複数の旅客輸送事業者の中から評価の高い旅客輸送事業者を選択する(S106)。旅客輸送事業者の評価値は点数化して、所定水準以上であれば合格とし、利用者に手配可能情報を提供する(S108)。一方、旅客輸送事業者の評価値が所定水準以下であれば、不合格とし、手配可能な乗物が存在しないとして、利用者に待ち通知を出してもよい(S107)。
【0098】
なお、旅客輸送事業者の評価情報には、乗物を運転する運転手の評価情報を加えてもよい。運転手の顧客に対する接客態度、運転マナー等を顧客が評価した結果を加味して旅客輸送事業者の評価を行ってもよい。
【0099】
図8では、複数の手配可能情報の評価を、手配可能な乗物と手配指定先までの位置関係の評価、アクセス時間の評価、利用者指定情報による指定旅客輸送事業者の選別、旅客輸送事業者の評価値に基づく選別によって行う態様を示している。本発明の一実施形態は、複数の手配可能情報の評価をこれら全ての項目について行う必要はなく、一つ又は複数の項目の組み合わせによって実行されてもよい。例えば、複数の手配可能情報の評価を、手配可能な乗物と手配指定先までの位置関係及びアクセス時間を基準に行い、利用者指定情報による指定旅客輸送事業者の選別及び旅客輸送事業者の評価値に基づく選別は任意の付加事項とされていてもよい。
【0100】
いずれにしても、複数の手配可能情報を、乗物の位置情報や手配指定場所までの到着時
間といった客観的な指標と、旅客輸送事業者評価情報や旅客輸送事業者指定情報といった利用者の主観を交えた指標に基づいて評価することで、適切な乗物に関する手配可能情報を利用者に提供することが可能となる。
【0101】
<利用者の評価>
図7において、利用者の評価情報(S010)を行うことが示されている。利用者の評価情報は、乗物の手配が競合したときに、利用者の評価情報に基づいて優先的に手配をする利用者を選定する際に用いることができる。図9は、利用者を特定の指標に基づいて評価するときの処理の流れを説明するフローチャートを示す。
【0102】
手配運用サーバ104は、複数の利用者による、複数の手配可能情報を受信する(S201)。複数の利用者のそれぞれには、利用者情報が対応して記録されている。利用者情報は図5及び図6で説明したように手配支援サーバ102によって取得され、管理されている情報を含む。
【0103】
利用者情報には、利用者の利用実績(乗物手配の利用実績等)、利用者本人情報、利用者の友人情報等が含まれている。利用者本人情報は、利用者本人の信用情報が含まれている。また、利用者友人情報は、利用者が一つ又は複数のSNS上で利用者(本人)が友人として登録している他の利用者との関係情報である。
【0104】
まず、利用者本人の利用実績を評価する(S202)。ここで、利用実績とは、手配支援サーバ102を介して行われる、旅客輸送サービスの利用実績である。また、それに付随する他のサービスの利用実績が加味されていてもよい。ここでは、各利用者の利用実績に応じて順位付けが行われる。利用実績な少ない利用者、利用実績がある所定水準以下の利用者は、この評価において除外され次の手配検索までの待ち通知がされてもよい(S205)。例えば、利用者10人は乗物の手配で競合しているとき、利用実績に基づいて下位5人は除外されるように設定されていてもよい。
【0105】
次に、各利用者の信用情報を評価する(S203)。利用者本人の信用情報は、利用者の利用実績、支払い実績等の他、旅客輸送事業者から提供された利用者のマナーに関する情報が含まれていてもよい。例えば、乗物の手配を申し込みした後で無断キャンセルした場合、利用者は手配指定場所に遅刻した場合には、利用者の信用度を低下させる指標として評価値が設定される。また、利用者の運賃支払いの決済が何らかの原因で遅れた場合にも、利用者の信用情報を低下させる指標として評価値が設定される。このような指標に基づいて、評価値が相対的に低い利用者、または所定水準に満たない利用者は除外され次の手配検索までの待ち通知がされてもよい(S205)。
【0106】
利用者友人情報の評価は、利用者(本人)が友人として登録している他の利用者との関係情報に基づいて、利用者の友人の信用度を評価する(S204)。利用者友人情報の評価は、利用者本人の信用情報の評価と同じ基準を用いて、他の利用者についてもそれぞれ評価する。例えば、利用者の友人の評価値が高い場合には、その利用者本人の評価値も向上し、逆の場合には低下する。そして、評価値の高い利用者に優先して手配可能情報が提供される(S206)。一方、このような指標に基づいて、評価値が相対的に低い利用者、または所定水準に満たない利用者は除外され次の手配検索までの待ち通知がされてもよい(S205)。
【0107】
上記のような手順に従い、利用者本人の信用度と利用者の友人の信用度を総合して評価して、乗物の手配を順位化することができる。このような利用者本人及び利用者友人の評価により旅客輸送サービスを受ける側の優劣が選定されることにより、優良利用者の選別を行うことができる。また旅客輸送サービスを提供する側においては、利用者のマナー向
上を期待することができる。
【0108】
以上、説明したように、本発明の一実施形態によれば、利用者は手配支援サーバにアクセスするだけで、複数の手配運用サーバに対し一括して手配の依頼をしたことと同様の結果を得ることができる。また、手配支援サーバは、複数の手配運用サーバを一元的に統括することで、乗物の手配につき利用者に便宜を図ることができる。また、手配支援サーバは、利用者に乗物の手配可能情報を提供するときに、乗物の運行情報のみならず、旅客輸送事業者の評価情報、利用者の評価情報を加味することで、利用者に対し適した乗物を提供することができる。
【符号の説明】
【0109】
102・・・手配支援サーバ、104・・・手配運用サーバ、106・・・端末装置、108・・・旅客輸送事業者、110・・・乗物、112・・・SNSサーバ、114・・・事業者管理サーバ、116・・・第1の受信部、118・・・第1の送信部、120・・・第2の受信部、122・・・第2の送信部、124・・・接続先設定部、126・・・選択部、128・・・運行情報取得部、130・・・利用者情報取得部、132・・・事業者情報取得部、134・・・評価部、136・・・運行情報評価部、138・・・事業者情報評価部、140・・・利用者情報評価部
図1
図2
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図7
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図11
図12