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特許7418684マッチングシステム、マッチング方法、マッチングサーバ及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】マッチングシステム、マッチング方法、マッチングサーバ及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240115BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023132675
(22)【出願日】2023-08-16
【審査請求日】2023-08-18
(31)【優先権主張番号】P 2023115816
(32)【優先日】2023-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・公開日、公開した場所1.令和5年6月19日、公開したウェブサイトのアドレス:https://samansa.me/2.令和5年6月19日、公開したウェブサイトのアドレス:https://prtimes.jp/main/html/rd/p・000000010.000085703.html3.令和5年7月13日、公開した放送番組及びウェブサイトのアドレス:ABEMAヒルズ、https://abema.tv/video/episode/89-71_s10_p5185
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523449241
【氏名又は名称】サマンサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠 剛毅
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第2120936(KR,B1)
【文献】特表2021-518588(JP,A)
【文献】特開2022-104885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクターの特徴データに基づき、各キャラクターを構成するキャラクターデータであって、キャラクターの画像データと、キャラクターのプロフィールデータと、キャラクターの行動スケジュールデータと、キャラクターのライフイベントデータとを含むキャラクターデータを生成し、
前記ライフイベントデータに基づき、前記画像データ、前記プロフィールデータ、前記行動スケジュールデータ及び/又は前記ライフイベントデータを更新する
キャラクター生成部と、
前記行動スケジュールデータに基づき、キャラクターがサービス利用可能なタイミングであることを判断すると、前記キャラクターのステータスをアクティブにするスケジューリング部と、
前記キャラクターのステータスがアクティブであるとき、
キャラクターに対するマッチングが成立していない利用者を選択し、
前記利用者より端末装置を介して登録された利用者プロフィール情報に基づき、前記キャラクターから前記利用者に「気になる」を送信するか否かを判断し、
前記キャラクターから前記利用者に「気になる」を送信し、且つ、前記利用者から前記キャラクターに「気になる」が送信されると、前記キャラクターと前記利用者とのマッチングを成立させる
マッチング部と、
を具備するマッチングシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のマッチングシステムであって、
前記マッチングは、仮想的なキャラクターと、人間である利用者との恋愛マッチングである
マッチングシステム。
【請求項3】
請求項に記載のマッチングシステムであって、
前記画像データは、人間の外観を有するキャラクターの静止画及び/又は人間の外観を有し人間の動作をするキャラクターの動画を表示するための画像データである
マッチングシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のマッチングシステムであって、
前記キャラクターのステータスがアクティブであるとき、前記利用者より端末装置を介して、マッチングが成立した前記キャラクターと前記利用者とのコミュニケーションを行うコミュニケーション部
をさらに具備するマッチングシステム。
【請求項5】
請求項に記載のマッチングシステムであって、
マッチングが成立した前記キャラクターと前記利用者とのコミュニケーション履歴から、前記キャラクターから前記利用者に対する好感度を評価し、
前記好感度に基づき、前記キャラクターから前記利用者に対する行動パターンを更新する
評価部
をさらに具備するマッチングシステム。
【請求項6】
請求項に記載のマッチングシステムであって、
前記評価部は、さらに、前記キャラクターから前記利用者に対する前記好感度に基づき、前記キャラクターから前記利用者と異なる利用者に対する行動パターンを更新する
マッチングシステム。
【請求項7】
請求項に記載のマッチングシステムであって、
前記行動パターンは、コミュニケーションを行うか否か、コミュニケーションの頻度、コミュニケーションのタイミング及び/又はコミュニケーションのタイムラグを含む
マッチングシステム。
【請求項8】
請求項に記載のマッチングシステムであって、
前記評価部は、マッチングが成立した前記キャラクターから前記利用者に対する好感度が閾値以上である場合、前記利用者とだけコミュニケーションを行い、前記利用者及び他の利用者の端末装置に、前記利用者とだけコミュニケーションを行い他の利用者とはコミュニケーションを行わないことを示すフィードバックを出力する
マッチングシステム。
【請求項9】
請求項に記載のマッチングシステムであって、
前記コミュニケーション部は、マッチングが成立した前記キャラクターと前記利用者とが双方向にテキストメッセージを、前記端末装置に表示されるメッセージ画面上で送受信するメッセージング部を有し、
前記メッセージング部は、少なくとも、キャラクターデータと、前記利用者プロフィール情報と、前記キャラクターと前記利用者とのコミュニケーション履歴とから、前記キャラクターから前記利用者に対するメッセージを生成し、前記端末装置にテキストメッセージとして出力する
マッチングシステム。
【請求項10】
請求項に記載のマッチングシステムであって、
前記コミュニケーション部は、マッチングが成立した前記キャラクターと前記利用者とが双方向に音声メッセージを送受信する音声通話部を有し、
前記音声通話部は、少なくとも、キャラクターデータと、前記利用者プロフィール情報と、前記キャラクターと前記利用者とのコミュニケーション履歴とから、前記キャラクターから前記利用者に対するメッセージを生成し、前記端末装置に音声メッセージとして出力する
マッチングシステム。
【請求項11】
請求項に記載のマッチングシステムであって、
前記コミュニケーション部は、マッチングが成立した前記キャラクターと前記利用者とが双方向に音声メッセージ及び動画データを送受信するビデオチャット部を有し、
前記ビデオチャット部は、
少なくとも、キャラクターデータと、前記利用者プロフィール情報と、前記キャラクターと前記利用者とのコミュニケーション履歴とから、前記キャラクターから前記利用者に対するメッセージを生成し、前記端末装置に音声メッセージとして出力し、
前記メッセージに基づき、前記キャラクターの感情を判定し、前記感情に基づき前記キャラクターの動画を生成し、前記端末装置に、前記音声メッセージと同期して前記キャラクターの動画を出力する
マッチングシステム。
【請求項12】
請求項に記載のマッチングシステムであって、
前記コミュニケーション部は、マッチングが成立した前記キャラクターと前記利用者とが仮想的にデートするデート部を有し、
前記デート部は、
前記キャラクターから前記利用者をデートに誘うメッセージを生成し、前記端末装置にテキストメッセージとして出力し、
前記端末装置を介して前記利用者がデートを承諾すると、前記デートを構成するイベントを予約し、前記イベントの情報は、前記キャラクターから前記利用者に対するコミュニケーションに利用される
マッチングシステム。
【請求項13】
請求項に記載のマッチングシステムであって、
前記コミュニケーション部は、マッチングが成立した前記キャラクターと前記利用者とが仮想的にセルフィー動画又は静止画を撮影するセルフィー撮影部を有し、
前記セルフィー撮影部は、前記キャラクターの動画を生成し、前記端末装置の撮影画面に、前記キャラクターの動画を表示してAR画像を生成させる
マッチングシステム。
【請求項14】
請求項に記載のマッチングシステムであって、
前記コミュニケーション部は、
マッチングが成立した前記利用者から前記キャラクターに、前記端末装置に表示されるメッセージ画面上で、ギフトを送信し、
送信されたギフトを示す画像を前記キャラクターのプロフィールページに表示する
ギフト送信部
をさらに具備するマッチングシステム。
【請求項15】
請求項に記載のマッチングシステムであって、
前記コミュニケーション部は、
マッチングが成立した前記キャラクターから前記利用者に、前記端末装置に表示されるメッセージ画面上でギフトのリンクを送信するギフト受信部
をさらに具備するマッチングシステム。
【請求項16】
請求項に記載のマッチングシステムであって、
前記コミュニケーション部は、
各キャラクターが画像とテキストを投稿し、利用者が前記投稿に対してアクションすることが可能なミニブログ部をさらに有し、
前記ミニブログ部は、少なくとも、キャラクターデータに基づく前記キャラクターのステータスに基づきテキスト及び画像を生成し、前記端末装置に出力する
マッチングシステム。
【請求項17】
コンピュータによって、
キャラクターの特徴データに基づき、各キャラクターを構成するキャラクターデータであって、キャラクターの画像データと、キャラクターのプロフィールデータと、キャラクターの行動スケジュールデータと、キャラクターのライフイベントデータとを含むキャラクターデータを生成するステップと、
前記ライフイベントデータに基づき、前記画像データ、前記プロフィールデータ、前記行動スケジュールデータ及び/又は前記ライフイベントデータを更新するステップと、
前記行動スケジュールデータに基づき、キャラクターがサービス利用可能なタイミングであることを判断すると、前記キャラクターのステータスをアクティブにするステップと、
前記キャラクターのステータスがアクティブであるとき、
キャラクターに対するマッチングが成立していない利用者を選択するステップと、
前記利用者より端末装置を介して登録された利用者プロフィール情報に基づき、前記キャラクターから前記利用者に「気になる」を送信するか否かを判断するステップと、
前記キャラクターから前記利用者に「気になる」を送信し、且つ、前記利用者から前記キャラクターに「気になる」が送信されると、前記キャラクターと前記利用者とのマッチングを成立させるステップと
を実行する
マッチング方法。
【請求項18】
キャラクターの特徴データに基づき、各キャラクターを構成するキャラクターデータであって、キャラクターの画像データと、キャラクターのプロフィールデータと、キャラクターの行動スケジュールデータと、キャラクターのライフイベントデータとを含むキャラクターデータを生成し、
前記ライフイベントデータに基づき、前記画像データ、前記プロフィールデータ、前記行動スケジュールデータ及び/又は前記ライフイベントデータを更新する
キャラクター生成部と、
前記行動スケジュールデータに基づき、キャラクターがサービス利用可能なタイミングであることを判断すると、前記キャラクターのステータスをアクティブにするスケジューリング部と、
前記キャラクターのステータスがアクティブであるとき、
キャラクターに対するマッチングが成立していない利用者を選択し、
前記利用者より端末装置を介して登録された利用者プロフィール情報に基づき、前記キャラクターから前記利用者に「気になる」を送信するか否かを判断し、
前記キャラクターから前記利用者に「気になる」を送信し、且つ、前記利用者から前記キャラクターに「気になる」が送信されると、前記キャラクターと前記利用者とのマッチングを成立させる
マッチング部と、
を具備するマッチングサーバ。
【請求項19】
キャラクターの特徴データに基づき、各キャラクターを構成するキャラクターデータであって、キャラクターの画像データと、キャラクターのプロフィールデータと、キャラクターの行動スケジュールデータと、キャラクターのライフイベントデータとを含むキャラクターデータを生成し、
前記ライフイベントデータに基づき、前記画像データ、前記プロフィールデータ、前記行動スケジュールデータ及び/又は前記ライフイベントデータを更新する
キャラクター生成部と、
前記行動スケジュールデータに基づき、キャラクターがサービス利用可能なタイミングであることを判断すると、前記キャラクターのステータスをアクティブにするスケジューリング部と、
前記キャラクターのステータスがアクティブであるとき、
キャラクターに対するマッチングが成立していない利用者を選択し、
前記利用者より端末装置を介して登録された利用者プロフィール情報に基づき、前記キャラクターから前記利用者に「気になる」を送信するか否かを判断し、
前記キャラクターから前記利用者に「気になる」を送信し、且つ、前記利用者から前記キャラクターに「気になる」が送信されると、前記キャラクターと前記利用者とのマッチングを成立させる
マッチング部
としてマッチングサーバのプロセッサを動作させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マッチングシステム、マッチング方法、マッチングサーバ及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
恋愛は人生における楽しみの1つであるが、出会いがないなどの理由で恋愛をしたくてもできない人がいる。これを解決する方法として、インターネットで男女が出会う恋愛マッチングサービスが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2009-541844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、恋愛マッチングサービスの利用には厳しい年齢確認や本人確認、利用していることを他の利用者に知られてしまうリスクなど、利用者を遠ざける要素が複数存在する。また、恋愛の疑似体験をしたい場合であっても、既婚者や恋人がいる場合のマッチングサービスの利用は倫理的に推奨されない。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本開示の目的は、個々の利用者の事情に関わらず利用可能であり、且つ、人間同士の恋愛マッチングと近似し違和感のない恋愛マッチングサービスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態は、利用者の端末装置を介して複数のキャラクターと複数の利用者とのマッチングを行うマッチング部を具備するマッチングシステムに関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態に係るマッチングシステムの構成を示す。
図2】利用者情報登録部が実行する利用者情報登録GUIを示す。
図3】ユーザインターフェース部により利用者の端末装置に提供されるGUIの例を示す。
図4】ユーザインターフェース部により利用者の端末装置に提供されるGUIの例を示す。
図5】ユーザインターフェース部により利用者の端末装置に提供されるGUIの例を示す。
図6】ユーザインターフェース部により利用者の端末装置に提供されるGUIの例を示す。
図7】キャラクター生成部の構成を示す。
図8】スケジューリング部の構成を示す。
図9】キャラクターのスケジュールの例を示す。
図10】マッチング部、評価部及びメッセージング部の構成を示す。
図11】メッセージ交換のGUIの一例を示す。
図12】音声通話部の構成を示す。
図13】ビデオチャット部の構成を示す。
図14】デート部の構成を示す。
図15】セルフィー撮影のGUIの一例を示す。
図16】利用者がキャラクターにギフトを送信する場合のGUIの一例を示す。
図17】利用者がキャラクターからギフトを受信する場合のGUIの一例を示す。
図18】ミニブログ部の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0009】
本実施形態のマッチングシステムは、人間とAIキャラクターとの間で恋愛マッチングを成立させることで、人間である利用者に対して、AIキャラクターとの疑似的な恋愛を提供することを図る。
【0010】
本実施形態のマッチングシステムは、人間とAIキャラクターとの恋愛マッチングシステムサービスを実現する。従来、恋愛マッチングシステムは登録した人間同士がプロフィール情報を参照しあい、双方が気に入った場合にメッセージを送り合うことができる仕組みである。一方、本実施形態のマッチングシステムは、データセットやAIにより作成した擬似的な人物(キャラクター)と人間(利用者)との恋愛のマッチングおよびマッチング後のコミュニケーションを可能とする。
【0011】
利用者は、スマートフォン、PC、ヘッドマウントディスプレイ等の端末装置を使って、ダウンロードアプリケーションソフトウェアやウェブブラウザを介してマッチングシステムが提供する恋愛マッチングサービスにアクセスし、端末装置の画面上でAIキャラクターとの恋愛マッチングを行う。利用者は、生身の人間として端末装置の画面を閲覧してもよい。あるいは、利用者は、仮想空間内で自らがアバターとなり、アバターとAIキャラクターとの恋愛マッチングを行ってもよく、これも人間とAIキャラクターとの恋愛マッチングと言える。
【0012】
本実施形態のマッチングシステムは、多数の新しい恋愛対象(キャラクター)が続々と恋愛マッチングサービスに参加し、時間の流れとともにキャラクターの状態(感情、属性等)が変化していく仕組みを実現する。これにより人間同士の恋愛マッチングサービスの体験に近づくことができるのと同時に、恋愛マッチングサービスにおける課題の1つであるネットワーク外部性(利用者が少ないから恋愛対象が少ない、恋愛対象が少ないから新規登録者が集まらず利用者が増えない、という問題)の解決にもつながり得る。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態に係るマッチングシステムの構成を示す。
【0014】
マッチングシステム1は、マッチングサーバのプロセッサが各種の情報処理プログラムを実行することにより、ユーザインターフェース部100、利用者情報登録部200、キャラクター生成部300、スケジューリング部400、マッチング部500、評価部600、コミュニケーション部700として動作する。コミュニケーション部700は、メッセージング部800、音声通話部710、ビデオチャット部720、デート部730、セルフィー撮影部740、ギフト送信部750、ギフト受信部760、ミニブログ部770を含む。マッチングシステム1は、端末装置2に対するサーバ・クライアントシステムを実現するマッチングサーバとして機能する。端末装置2は、エンドユーザである利用者のスマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。
【0015】
図2は、利用者情報登録部が実行する利用者情報登録GUIを示す。
【0016】
利用者情報登録部200は、利用者情報登録GUI201を端末装置2に表示させる。
【0017】
利用者は、恋愛マッチングシステム上で利用者自身とキャラクターとが疑似的な恋愛をするための準備として利用者情報210をテキスト入力する。利用者情報210は、ニックネーム202、利用者プロフィール情報203を少なくとも含み、血液型等の属性204をさらに含んでもよい。ニックネーム202は、キャラクターからの呼称となる。利用者が保存ボタン205を操作すると、利用者情報210が保存される(図1)。
【0018】
図3図4図5及び図6は、ユーザインターフェース部により利用者の端末装置に提供されるGUIの例を示す。
【0019】
図3の(A)に示す様に、ユーザインターフェース部100は、利用者の端末装置2に複数のキャラクターの画像とプロフィールテキストの一部を表示する。このキャラクターは、キャラクター生成部300により作成され、作成方法は後で説明する。利用者は、キャラクターの一覧からこれから疑似恋愛の対象としたいキャラクターを探し、気になるキャラクターを一覧から選択する。
【0020】
図3の(B)に示す様に、ユーザインターフェース部100は、選択されたキャラクターのプロフィールページを端末装置2に表示する。キャラクターのプロフィールページは、画像(顔写真)とプロフィール情報をまとめたページである。プロフィールページには、「気になる」を送信するためのボタンが表示される。「気になる」は、利用者からキャラクターに好意を伝えるサインである。利用者は、プロフィールページの内容を参考に、特定のキャラクターとコミュニケーションを取りたいと感じたら、そのキャラクターのプロフィールページに表示される「気になる」ボタンを押下する。例えば、利用者は、1日当たり7人のキャラクターに「気になる」を送ることができる。
【0021】
利用者が特定のキャラクターに「気になる」を送信する。すると、図3の(C)に示す様に、ユーザインターフェース部100は、そのキャラクターのプロフィールページに、「気になる」を送信したこと、マッチングの説明、続けて別の気になるキャラクターを探せることを示す情報が表示される。
【0022】
図4の(A)において(図3の(B)と同様)利用者が「気になる」を送信した後は、図4の(B)に示す様に、ユーザインターフェース部100は、そのキャラクターのプロフィールページに表示されている「気になる」ボタンに代えて「気になる済み」が表示する。
【0023】
図4の(C)に示す様に、ユーザインターフェース部100は、利用者が1日に送れる「気になる」の上限(例えば、7/7)に達すると、次に「気になる」を送れるようになるまでの時間が表示する。
【0024】
利用者が「気になる」を送信したキャラクターから、利用者も「気になる」を受信すると、利用者とキャラクターとの間でマッチングが成立する。あるいは逆順で、利用者が「気になる」を受信したキャラクターに対して、利用者も「気になる」を送信すると、利用者とキャラクターとの間でマッチングが成立する。現時点での利用者とキャラクターとのマッチングは、独占排他的な1対1の間柄ではない。即ち、1人の利用者は、複数のキャラクターとマッチング関係を成立することができる。同様に、1人のキャラクターは、複数の利用者とマッチング関係を成立することができる。
【0025】
図5の(A)に示す様に、利用者とキャラクターとの間でマッチングが成立すると、ユーザインターフェース部100は、利用者の端末装置2に表示されるキャラクターのプロフィールページに、メッセージボタンを表示する。メッセージボタンは、利用者がこのキャラクターとメッセージを送受信できることを示す。
【0026】
図3の(D)に示す様に、利用者がメッセージボタンを操作すると、ユーザインターフェース部100は、そのキャラクターとメッセージを送受信するための画面を、利用者の端末装置2に表示する。ユーザインターフェース部100は、マッチングが成立したキャラクターと利用者とがメッセージを送受信する他にも、各種のコミュニケーション(後述)を行うためのコミュニケーションインターフェースを利用者に提供する。
【0027】
その後、マッチングが成立した利用者とキャラクターとのコミュニケーションが進む。すると、ある1人の利用者とある1人のキャラクターとのコミュニケーションが発展し、1対1で親密になるとする。
【0028】
すると、図5の(B)に示す様に、当該利用者以外の利用者の端末装置2に表示される当該キャラクターのプロフィールページには、「すでに他のユーザと親密なため気になるやメッセージはできません」と表示される。この場合には、マッチング前の利用者から当該キャラクターに「気になる」を送ることができない。また、マッチングが成立した利用者であっても、当該キャラクターにメッセージを送ることができなくなる。
【0029】
一方、図5の(C)に示す様に、当該利用者(当該キャラクターと親密になった利用者)の端末装置2に表示される当該キャラクターのプロフィールページには、「あなたは選ばれました!あなただけがメッセージはできます」と表示される。この場合には、当該利用者だけが当該キャラクターにメッセージを送ることができる。これは、当該キャラクターが、恋人ができたため仮想的にマッチングサービスから退会した状況である。
【0030】
さらに、図6に示す様に、当該利用者(当該キャラクターと親密になった利用者)の端末装置2に表示されるメッセージ一覧ページには、「あなただけ」と表示される。これにより、利用者は、自分だけが特定のキャラクターとコミュニケーションを取れるというフィードバックを得る。
【0031】
次に、このようなキャラクターの生成と、キャラクターの振る舞いを説明する。
【0032】
図7は、キャラクター生成部の構成を示す。
【0033】
キャラクター生成部300は、イベントスケジューラ301によりキャラクター新規作成イベントが実行されると、仮想的なキャラクターを構成するキャラクターデータを新規作成する。キャラクターは擬似的にマッチングサービスに新規登録される。言い換えれば、キャラクターの新規作成とは、人間同士の恋愛マッチングサービスにおける、利用者の新規登録と同等の行動をキャラクターに実施させる処理である。
【0034】
先ず、キャラクター生成部300は、キャラクターの特徴データ302を参照する。キャラクターの特徴データ302は、多くのバリエーションを持つキャラクターの属性を示す特徴データ(容姿、年齢、趣味、職業等)であり、例えば、メタデータで表現される。キャラクター生成部300は、キャラクターの特徴データ302に基づき、仮想的なキャラクター309を構成するキャラクターデータ310を生成する。
【0035】
具体的には、キャラクター生成部300は、キャラクターの特徴データ302に基づき、画像生成命令文303を生成し、生成した画像生成命令文303を画像生成AI304に入力する。画像生成AI304は、キャラクターの特徴データ302に基づく画像生成命令文303に従って、人間の外観を有するキャラクター309の静止画を表示するための画像データを生成する。キャラクター生成部300は、キャラクター309の静止画を表示するための画像データを動画生成AI305に入力する。動画生成AI305は、人間の外観(容姿)を有し人間の動作をするキャラクター309の動画を表示するための画像データを生成する。
【0036】
キャラクター生成部300は、キャラクターの特徴データ302に基づき、プロフィール生成命令文306を生成し、生成したプロフィール生成命令文306をテキスト生成AI307に入力する。テキスト生成AI307は、キャラクターの特徴データ302に基づくプロフィール生成命令文306に従って、キャラクター309のプロフィールデータ312を生成する。プロフィールデータ312は、マッチングサービスのプロフィールページにプロフィールのテキストを表示するために使用される。
【0037】
キャラクター生成部300は、キャラクターの特徴データ302に基づき、キャラクター309の行動スケジュールデータ308を生成する。行動スケジュールデータ308は、キャラクター309がどのような行動を取るかを定義する毎日の分刻みのスケジュールを示す。言い換えれば、行動スケジュールデータ308は、キャラクターの普段の日常的な行動のスケジュールを決めるデータである。例えば、キャラクター309の職業が会社員であり、趣味がスキーの場合、平日は基本的に9:00~18:00までは職場で業務をしており、日によっては退勤時間が前後し、退勤後に友達と遊びに行く日もあれば家に帰って静かに過ごす日もある。休日は家で過ごすこともあれば外出することもあるが、特に冬場は趣味のスキーに時間を費やすことが多い。キャラクター生成部300は、このような行動のパターンを定義する。
【0038】
キャラクター生成部300は、キャラクターの画像データ(静止画、動画)と、キャラクターのプロフィールデータ312と、キャラクターの行動スケジュールデータとを含むデータセットであるキャラクターデータ310を生成し、不揮発性の記憶装置に格納する。
【0039】
また、キャラクター生成部300は、イベントスケジューラ301によりキャラクター情報更新イベントが実行されると、ライフイベントデータ311に基づき、キャラクター309のキャラクターデータ310を更新する。ライフイベントデータ311は、キャラクターデータ310に基づいて作成され、キャラクター309毎にユニークである。ライフイベントデータ311は、例えば、誕生日、転職するタイミング、趣味の変遷等、定期的なイベントや不定期のライフイベントを示す。言い換えれば、ライフイベントデータ311は、キャラクターのプロフィール等を更新するきっかけになるデータである。キャラクター生成部300がキャラクター309のキャラクターデータ310を更新すると、具体的には、キャラクター309の容姿の画像データやプロフィールデータ312が更新される。これにより、時間の流れに応じて、キャラクター309の外観やプロフィールが変化していく。
【0040】
図8は、スケジューリング部の構成を示す。
【0041】
スケジューリング部400は、キャラクターがあたかも生活しているように振る舞うように、キャラクター309の行動パターンをスケジューリングする。具体的には、スケジューリング部400は、キャラクター309の行動を促すスケジューラ401が処理を開始すると、キャラクター生成部300が生成したキャラクターデータ310を参照する。スケジューリング部400は、キャラクターデータ310から、キャラクター309の行動スケジュールデータ308を参照する。スケジューリング部400は、行動スケジュールデータに基づき、キャラクター309がサービス利用可能なタイミングであることを判断すると(ステップS401)、キャラクター309のステータスをアクティブにする(ステップS402)。キャラクター309のステータスをアクティブにすると、利用者に対してメッセージを送るなどの行動をとる処理を実行することができる。一方、スケジューリング部400は、キャラクター309がサービス利用可能なタイミングでないと判断すると、キャラクター309のステータスをアクティブにしない(ステップS403)。
【0042】
キャラクター309がサービス利用可能なタイミング(ステップS401)とは、休憩中や電車移動中など、人間であればメッセージの返信などの行為が行える状態の時間帯である。キャラクター309が疑似的にそのような行動をとっている最中のみ、キャラクターはサービス上で行動できる。一方、キャラクター309がサービス利用可能なタイミングでない(ステップS403)とは、人間であればメッセージの返信などの行為が行えない状態の時間帯であり、例えば、睡眠中、仕事中、入浴中等である。これにより、例えば、会社員であるキャラクターが平日の昼間にメッセージを送る、といったアンリアルな矛盾を排除しより現実に近い形でキャラクターとコミュニケーションを取ることができる。
【0043】
この様に、キャラクター309の行動スケジュールデータ308は利用者とのコミュニケーションの一要素となり、利用者とのコミュニケーションをとるタイミングに影響を及ぼす。例えば、業務時間中に利用者に対してメッセージなどの行動を取る確率は低くなり、逆に、プライベートに過ごしている時間の利用者に対しての行動確率は高くなる。
【0044】
図9は、キャラクターのスケジュールの例を示す。
【0045】
(A)に示す様に、キャラクター309が学生である場合、授業の間の昼休み、アルバイトの休憩時間、帰宅後就寝まではサービス利用可能なタイミングと判断され、ステータスがアクティブとなる。一方、授業中、アルバイト時間の大部分、就寝後睡眠中はサービス利用不可能なタイミングと判断される。
【0046】
(B)に示す様に、キャラクター309が看護師である場合、夜勤がある日は、午前及び出勤前、夜勤の休憩時間はサービス利用可能なタイミングと判断され、ステータスがアクティブとなる。一方、仮眠中、食事中、夜勤時間の大部分はサービス利用不可能なタイミングと判断される。
【0047】
(C)に示す様に、キャラクター309がアパレル店員である場合、早番出勤の日は、早番勤務中の休憩時間、終業後に友達と会っている最中は友達がトイレに行っているタイミング、帰宅後はサービス利用可能なタイミングと判断され、ステータスがアクティブとなる。一方、勤務時間の大部分、友達と会っている時間の大部分、食事中はサービス利用不可能なタイミングと判断される。
【0048】
図10は、マッチング部、評価部及びメッセージング部の構成を示す。
【0049】
特定のキャラクター309のステータスがアクティブであるとき(ステップS402)、マッチング部500と、評価部600と、コミュニケーション部700は、この特定のキャラクターについて、以下の処理を行う。
【0050】
マッチング部500は、特定のキャラクターに対するマッチングが成立していない任意の利用者を選択する。マッチングが成立していないとは、キャラクター及び利用者の双方共に「気になる」を送っていない状態である。マッチング部500は、選択した利用者の利用者情報210を読み出す(ステップS501)。マッチング部500は、少なくとも利用者情報210に含まれる利用者プロフィール情報203に基づき、テキスト生成AIを用いて、一般的にみてこのプロフィールを見たら好感を抱くか抱かないかの数値、即ち、利用者の第一印象を示す数値を算出する(ステップS502)。この数値は第一印象の好感度に相当する。マッチング部500は、数値に基づき(例えば、数値が閾値より高いか否かを判断することにより)、キャラクターから利用者に「気になる」を送信するか否かを判断する。
【0051】
マッチング部500は、利用者の第一印象の好感度が低ければ(数値が閾値以下であれば)、当該キャラクターから当該利用者に「気になる」を送信せず、別の利用者を選択してこの新たに選択した利用者に同様の処理を行う(ステップS503)。
【0052】
一方、マッチング部500は、利用者の第一印象の好感度が高ければ(数値が閾値より高ければ)、キャラクターから利用者に「気になる」を送信する(ステップS504)。すでに利用者からキャラクターにも「気になる」が送信済みであれば双方がメッセージを送受信できる状態(マッチ)に更新される。仮に、キャラクターから利用者に「気になる」を送信した時点で利用者からキャラクターに対する「気になる」が未送信であっても、以後任意のタイミングで利用者からキャラクターに対する「気になる」が送信されれば同様にマッチの状態となる。即ち、前後関係を不問として、利用者からキャラクターに「気になる」が送信されると、マッチング部500は、キャラクターと利用者とのマッチングを成立させる(ステップS505)(図3の(C))。
【0053】
コミュニケーション部700は、キャラクターのステータスがアクティブであるとき、利用者より端末装置2を介して、マッチングが成立したキャラクターと利用者とのコミュニケーションを行う。人間同士のマッチングサービスと同様、利用者とキャラクターの間でお互いの好意である「気になる」を伝え合う行動を取って初めて、コミュニケーション部700は、利用者とキャラクターの双方向のコミュニケーションを実現する。コミュニケーション部700が実現するコミュニケーションには、例えば、メッセージング部800によるメッセージの交換等がある。コミュニケーション部700は、マッチングが成立したキャラクターと利用者との1対1のコミュニケーション履歴701を蓄積する。コミュニケーション履歴701は、双方向に送受信されたメッセージ履歴等を含む。コミュニケーション部700の動作の具体例は後述する。
【0054】
評価部600は、マッチングが成立したキャラクターと利用者とのコミュニケーション履歴701(メッセージ履歴等を含む)から、キャラクターから利用者に対する好感度を評価する。具体的には、評価部600は、現在までのメッセージ履歴等のコミュニケーション履歴701をもとに、テキスト生成AIに対して、一般的にみて、このやりとりをしている場合の当事者(キャラクター)の相手(利用者)への好感度を数値で推定させ(ステップ8)、その数値を好感度601として保存する(ステップS601)。
【0055】
評価部600は、好感度601に基づき、キャラクターから利用者に対する行動パターン602を更新する(ステップS602)。評価部は、さらに、キャラクターから当該利用者に対する好感度に基づき、キャラクターから当該利用者と異なる他の利用者に対する行動パターンを更新する。行動パターンは、コミュニケーションを行うか否か、コミュニケーションの頻度、コミュニケーションのタイミング及び/又はコミュニケーションのタイムラグを含む。
【0056】
具体的には、評価部600は、利用者に対する好感度601に応じて、当該キャラクターから利用者に対する発言内容やコミュニケーション(メッセージ送信等)の頻度を更新する。評価部600は、キャラクターが他の利用者とマッチングが成立している場合は、他の利用者に対するメッセージ送信の頻度を更新して、キャラクターの利用者に対する行動パターン602を更新する。
【0057】
図11は、メッセージ交換のGUIの一例を示す。
【0058】
(A)に示す様に、あるキャラクターにおいて、特筆して好感度が高い利用者がいない場合はマッチしている全ての利用者に対して比較的均等な返信速度(タイムラグ)でメッセージを送信する。
【0059】
一方、特定の利用者に対しての好感度が高い場合、キャラクターから特定の利用者へのメッセージ返信速度は他の利用者へのメッセージ返信速度に比べて高くなり(タイムラグが少ない)、利用者からのメッセージを受け取った直後に返信を返すことがある。その場合、(B)に示す様に、キャラクターが返信を作成中であることが明示されるため、利用者は、リアルタイムでのコミュニケーションをスムーズに開始できる。
【0060】
また、評価部600は、特定のキャラクターから特定の利用者に対する好感度601が非常に高ければ、当該キャラクターから当該利用者にのみメッセージを送り、他の利用者にはメッセージを送らないように、キャラクターの行動パターンを更新する。これにより、当該キャラクターは、例え他の利用者とのマッチが成立していても、以後、他の利用者にはメッセージを送ることがなくなり、当該利用者とのみメッセージを交換するようになる。これは人間同士の恋愛マッチングサービスでしばしば発生する「他の利用者と恋愛関係になったからサービスを退会する。そして恋愛関係になった利用者とは別の手段で連絡を取り合う」という状態と同等な状態である。
【0061】
評価部600は、マッチングが成立したキャラクターから利用者に対する好感度が閾値以上である場合、利用者とだけコミュニケーションを行い、利用者及び他の利用者の端末装置に、利用者とだけコミュニケーションを行い他の利用者とはコミュニケーションを行わないことを示すフィードバックを出力する。例えば、評価部600は、図5の(B)に示す様に、当該利用者以外に対しては、「すでに他のユーザと親密なため気になるやメッセージはできません」と表示する。一方、評価部600は、図5の(C)に示す様に、当該利用者(当該キャラクターと親密になった利用者)に対しては、「あなたは選ばれました!あなただけがメッセージはできます」と表示する。
【0062】
メッセージング部800は、キャラクターのステータスがアクティブであるとき、利用者より端末装置2を介して、マッチングが成立したキャラクターと利用者とのテキストメッセージ送受信を行う。
【0063】
メッセージング部800は、特定のキャラクターとマッチ済みの任意の利用者を選択し、当該キャラクターの利用者に対する好感度601を参照する(ステップS801)。メッセージング部800は、当該キャラクターの利用者に対する好感度601が低ければ(所定の閾値以下であれば)、メッセージを送信せず、別の利用者を選択してこの新たに選択した利用者に同様の処理を行う(ステップS802)。
【0064】
一方、メッセージング部800は、当該キャラクターの利用者に対する好感度601が十分高ければ(所定の閾値より高ければ)、メッセージを送信する処理へと進む(ステップS803)。メッセージング部800は、時事データ801、利用者情報210に含まれる利用者プロフィール情報203、キャラクターデータ310に含まれるキャラクター309のプロフィールデータ312、現在までのコミュニケーション履歴701(キャラクターと利用者とのメッセージ送受信履歴を含む)を基にメッセージ作成命令文802を生成する。メッセージング部800は、生成したメッセージ作成命令文802をテキスト生成AI803に入力して、テキスト生成AI803にメッセージを生成させる。生成されたメッセージは、他のサービスへのリンクや、画像などを含んでもよい。メッセージング部800は、生成されたメッセージを、端末装置2にテキストメッセージとして出力する。即ち、メッセージング部800は、端末装置2に表示されるメッセージ画面(図3の(D)参照)上で利用者に送信する(ステップS804)。これにより、マッチングが成立したキャラクターと利用者とが双方向にテキストメッセージを、端末装置2に表示されるメッセージ画面(図3の(D)参照)上で送受信することが可能となる。
【0065】
特定のキャラクターと利用者との関係性が条件を満たした場合、コミュニケーション部700は、キャラクターに、「気になる」の送信や、メッセージ送受信の他の発展的な追加行動を許可する。特定のキャラクターと利用者との関係性が条件を満たすとは、例えば、マッチングが成立した後にキャラクターから利用者への好感度が所定の閾値を超えた場合や、利用者からキャラクターへのメッセージ送信頻度、返信速度(タイムラグ)、メッセージの内容が所定値を超えた場合等が挙げられる。以下、コミュニケーション部700による発展的な追加行動の具体例を説明する。発展的な追加行動の具体例として、音声通話、ビデオチャット、デート、セルフィー撮影、ギフト送信、ギフト受信が挙げられる。
【0066】
図12は、音声通話部の構成を示す。
【0067】
特定のキャラクターから特定の利用者に対しての好感度が高い場合や、特定の利用者が特定のキャラクターに対する条件を満たした場合、音声通話部710により、キャラクターから利用者に対する音声通話を行うことが可能になる。音声通話を許可された利用者は、人間同士の電話での通話と似た体験を、キャラクターを相手に実行することができる。
【0068】
利用者は、端末装置2から自分の声でメッセージを音声入力する。音声通話部710は、入力された音声データを、Voice to Text装置711を用いてテキストデータに変換する。音声通話部710は、変換されたテキストデータを、現在までのコミュニケーション履歴701に結合し(テキストデータとしてメッセージ履歴に結合してもよい)、コミュニケーション履歴701を更新する。音声通話部710は、更新後のコミュニケーション履歴701、時事データ801、利用者情報210に含まれる利用者プロフィール情報203、キャラクターデータ310に含まれるキャラクター309のプロフィールに基づき、メッセージ作成命令文712を生成する。音声通話部710は、生成したメッセージ作成命令文712をテキスト生成AI713に入力して、テキスト生成AI713に、利用者が入力した内容の回答となるテキストメッセージ714を生成させる。音声通話部710は、生成したテキストメッセージ714を、現在までのコミュニケーション履歴701に追加する(テキストデータとしてメッセージ履歴に追加してもよい)。音声通話部710は、生成したテキストメッセージ714を、Text to Voice装置715を用いて音声データに変換し、音声データとして端末装置2を介して利用者に出力する。音声通話部710は、この手順を繰り返すことで、マッチングが成立したキャラクターと利用者とが双方向に音声メッセージを送受信する音声通話を実現する。
【0069】
図13は、ビデオチャット部の構成を示す。
【0070】
特定のキャラクターから特定の利用者に対しての好感度が高い場合や、特定の利用者が特定のキャラクターに対する条件を満たした場合、ビデオチャット部720により、キャラクターから利用者に対するビデオチャットを行うことが可能になる。ビデオチャットとは利用者が端末装置2の画面に移るキャラクターの顔の動画を見ながら音声通話をできるものである。ビデオチャット部720は、マッチングが成立したキャラクターと利用者とが双方向に音声メッセージ及び動画データを送受信する。
【0071】
利用者は、端末装置2から自分の声でメッセージを音声入力する。ビデオチャット部720は、入力された音声データを、Voice to Text装置721を用いてテキストデータに変換する。ビデオチャット部720は、変換されたテキストデータを、現在までのコミュニケーション履歴701に結合し(テキストデータとしてメッセージ履歴に結合してもよい)、コミュニケーション履歴701を更新する。ビデオチャット部720は、更新後のコミュニケーション履歴701、時事データ801、利用者情報210に含まれる利用者プロフィール情報203、キャラクターデータ310に含まれるキャラクター309のプロフィールに基づき、メッセージ作成命令文722を生成する。ビデオチャット部720は、生成したメッセージ作成命令文722をテキスト生成AI723に入力して、テキスト生成AI723に、利用者が入力した内容の回答となるテキストメッセージ724を生成させる。ビデオチャット部720は、生成したテキストメッセージ724を、現在までのコミュニケーション履歴701に追加する(テキストデータとしてメッセージ履歴に追加してもよい)。ビデオチャット部720は、生成したテキストメッセージ724を、Text to Voice装置725を用いて音声データに変換し、音声データとして端末装置2を介して利用者に出力する。
【0072】
ビデオチャット部720は、メッセージに基づき、キャラクターの感情を判定し、感情に基づきキャラクターの動画を生成し、端末装置2に、音声メッセージと同期してキャラクターの動画を出力する。具体的には、テキスト生成AI723がテキストメッセージを作成する際、同期して、喜怒哀楽判定部726がキャラクター309の喜怒哀楽判定を行い、喜怒哀楽の種類によってキャラクター309の表情動画727を切り替える。例えば、利用者が冗談を言った場合、喜怒哀楽判定部726による喜怒哀楽判定は「楽」となり、笑顔の表情をとっている動画が端末装置2を介して利用者に出力される。これにより利用者はあたかもキャラクターとビデオチャットをしているような感覚でコミュニケーションを取ることができる。
【0073】
図14は、デート部の構成を示す。
【0074】
特定のキャラクターから特定の利用者に対しての好感度が高い場合や、特定の利用者が特定のキャラクターに対する条件を満たした場合、デート部730により、キャラクターから利用者に対する擬似的及び仮想的なデートの約束と実施を行うことが可能になる。
【0075】
利用者とキャラクターの会話(メッセージ送受信、音声通話、ビデオチャット)の流れからデートをすることになるとする。この場合、デート部730は、テキスト生成AI731を用いて、キャラクターから利用者をデートに誘うテキストメッセージ732を生成する。デートに誘うテキストメッセージ732は、デートを構成するイベント(映画、食事等)の日時と場所を提案するメッセージである。デート部730は、生成したテキストメッセージ732を、メッセージング部800、音声通話部710又はビデオチャット部720を介して、端末装置2に出力する。利用者は、端末装置2を介して、デートに承諾する返信を行う。
【0076】
スケジューラ733は、チケットや飲食店の予約API734を利用して、デートを構成するイベントを予約する。言い換えれば、スケジューラ733は、デートの日時と場所に該当する予約を実行する。例えば、キャラクターも利用者も映画鑑賞が共通の趣味である場合、キャラクターから利用者に対して、映画(イベント)を見に行くデートを提案する。このデートの提案が利用者により承諾された場合、スケジューラ733は予約API734を利用して映画チケットの予約を実行する。
【0077】
利用者が映画チケットを当日までキャンセルしなかった場合、デート部730は、このデートが実際に実現されたと判定し、この判定条件を基に、このデート内容(イベント)を体験データ735として保存する。体験データ735は、その後のコミュニケーション部700のコミュニケーション(メッセージ送受信、音声通話、ビデオチャット)に利用される。
【0078】
例えば、映画を見に行くデートの例では、映画のチケットがキャンセルされずに映画の上映時間を過ぎた場合や、利用者が現地に赴いたことを示す位置情報などのデータをもとに実際にその映画を見に行ったと判定し、擬似的に一緒に見たとされる映画の内容がコミュニケーションに追加される。このステップは利用者からキャラクターに対してデートを提案した場合においても同様に処理される。
【0079】
図15は、セルフィー撮影のGUIの一例を示す。
【0080】
特定のキャラクターから特定の利用者に対しての好感度が高い場合や、特定の利用者が特定のキャラクターに対する条件を満たした場合、セルフィー撮影部740により、キャラクターと利用者とのセルフィー撮影を行うことが可能になる。セルフィー撮影部740は、キャラクターの動画を生成し、端末装置2の撮影画面に、キャラクターの動画を表示してAR画像741を生成させる。利用者は端末装置2に付属のカメラを利用し、背景にオーバーレイで表示されたキャラクターのAR画像741と、利用者自身の撮影画像742とを含むセルフィー写真を撮ることができる。セルフィー撮影部740により、キャラクターと利用者とが仮想的にセルフィー動画又は静止画を撮影することができる。
【0081】
図16は、利用者がキャラクターにギフトを送信する場合のGUIの一例を示す。
【0082】
特定のキャラクターから特定の利用者に対しての好感度が高い場合や、特定の利用者が特定のキャラクターに対する条件を満たした場合、利用者はキャラクターにギフトを送信することができる。ギフト送信部750は、利用者からキャラクターに、端末装置2に表示されるメッセージ画面上で、ギフトを送信する。具体的には、ギフトは利用者がギフトリストから選択し、購入する。購入が完了したら送るキャラクターを選択してギフトを送信する。ギフト送信部750は、キャラクターがギフトを受け取ると、送信されたギフトを示す画像をキャラクターのプロフィールページに表示する。キャラクターのプロフィールページには、これまでに受け取ったギフトの一覧が表示される。
【0083】
図17は、利用者がキャラクターからギフトを受信する場合のGUIの一例を示す。
【0084】
特定のキャラクターから特定の利用者に対しての好感度が高い場合や、特定の利用者が特定のキャラクターに対する条件を満たした場合、キャラクターから利用者に対するギフトを送ることがある。ギフト受信部760は、キャラクターから利用者に、端末装置2に表示されるメッセージ画面上でギフトのリンクを送信する。ギフトはオンラインショップや実店舗で利用できるe-giftの形態、あるいは、恋愛マッチングサービス上で利用できるアバターやクーポンコードなどの形態で提供される。利用者は実際にこのギフトを利用することができる。
【0085】
図18は、ミニブログ部の構成を示す。
【0086】
キャラクターは自分のスケジュールをもとに、今日はどんな1日だったか、現在何をしているかを不特定多数の利用者に向けて(利用者を指定せずに)、ミニブログの形式で発信する。不特定多数の利用者はミニブログを確認したり、リアクションをすることによってキャラクターへの好感度を上げたり、コミュニケーションのきっかけとすることができる。ミニブログ部770は、各キャラクターが画像とテキストを投稿し、利用者が投稿に対してアクションすることが可能なミニブログを実現する。利用者からキャラクターの投稿に対するアクションも、利用者とキャラクターとのコミュニケーションの一環と言える。ミニブログ部770は、少なくともキャラクターデータ310に基づくキャラクター309のステータスに基づきテキスト及び画像を生成し、端末装置2にミニブログの形式で出力する。
【0087】
スケジューラ771は、定期的に、キャラクターデータ310から任意のキャラクター309の行動を定義するスケジュール情報308を抽出し時事データ801やキャラクターのプロフィールデータ312と合わせて現在のステータスを共有するテキストや画像を生成するための命令文772を作成する。例えば、「今日は14:00から友達と銀座に買い物に行く」というスケジュール情報308を利用する場合、時事データ801として本日の銀座の天気、キャラクター309のプロフィールデータ312としてキャラクターの容姿や食べ物の好みなどから、「キャラクターAが小雨がぱらつく銀座で買い物をした帰りにカフェでパンケーキを食べていることを報告する投稿」といった命令文772を作成する。画像生成AI773は命令文772から画像を生成し、テキスト生成AI774は命令文772からテキストを生成する。ミニブログ部770は、生成されたテキストと画像を組み合わせてミニブログ775の形式にまとめ、利用者が端末装置2を介して確認できる領域に出力する。任意の利用者はミニブログ775を閲覧したり、好意を示すアクション(「いいね」)を送信することで、キャラクターの好感度を上昇させたり、キャラクターとのコミュニケーションのきっかけを掴んだりできる。
【0088】
本実施形態により、個々の利用者の事情に関わらず利用可能な恋愛マッチングサービスを提供することができる。また、人間同士の恋愛マッチングと近似し違和感のない恋愛マッチングサービスを提供することができる。
【0089】
変形例として、本実施形態は、人間とAIキャラクターとの恋愛マッチングサービスに限定されず、人間とAIキャラクターとの様々な種類のマッチングサービスに適用可能である。また、人間とAIキャラクターとの恋愛マッチングや様々な種類のマッチングにおいては、人間の様相のキャラクターだけではなく、イラストやアニメキャラクターが相手になることもありうる。
【0090】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0091】
マッチングシステム1
端末装置2
ユーザインターフェース部100
利用者情報登録部200
キャラクター生成部300
スケジューリング部400
マッチング部500
評価部600
コミュニケーション部700
音声通話部710
ビデオチャット部720
デート部730
セルフィー撮影部740
ギフト送信部750
ギフト受信部760
ミニブログ部770
メッセージング部800
【要約】
【課題】個々の利用者の事情に関わらず利用可能な恋愛マッチングサービスを提供する。
【解決手段】本実施形態は、AIにより作成したキャラクターと人間とのマッチングシステム、AIにより作成したキャラクターと人間とのマッチング方法、AIにより作成したキャラクターと人間とのマッチングを実行する情報処理装置、AIにより作成したキャラクターと人間とのマッチングを情報処理装置に実行させる情報処理プログラムを提供する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18