(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】無線通信装置、無線通信システム、および無線通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20240115BHJP
H04W 76/45 20180101ALI20240115BHJP
H04W 4/06 20090101ALI20240115BHJP
H04W 4/10 20090101ALI20240115BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W76/45
H04W4/06
H04W4/10
H04M11/00 302
(21)【出願番号】P 2020020623
(22)【出願日】2020-02-10
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田之上 洋
(72)【発明者】
【氏名】山本 恭久
【審査官】新井 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-324872(JP,A)
【文献】国際公開第2013/125175(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信側無線通信装置から送信された応答要求信号を含む伝達情報を、通信部を介して取得する取得部と、
前記伝達情報を出力部に出力させる出力制御部と、
前記出力制御部が前記出力部に前記伝達情報を出力させた場合、前記応答要求信号に対する応答信号を、前記通信部を介して管理装置に送信する通信制御部と、
を備え、
前記伝達情報には、前記伝達情報の内容に応じた情報識別子が付加されており、
前記出力制御部は、前記取得部が前記応答信号に対する受信完了通知を前記管理装置から取得した
後に、前記受信完了通知に対応した
第1の伝達情報と同一の前記情報識別子が付加された
第2の伝達情報を
前記管理装置から受信した場合、前記第2の伝達情報を前記出力部に出力しない、
無線通信装置。
【請求項2】
前記管理装置から取得した複数の前記受信完了通知に対応した前記第1の伝達情報または前記第2の伝達情報の前記情報識別子を含む受信履歴情報
を記憶部に記憶する記憶制御部を
さらに備え、
前記出力制御部は、前記取得部が
前記管理装置から取得した
前記第2の伝達情報に付加された情報識別子が前記受信履歴情報に含まれる場合には
前記第2の伝達情報を前記出力部へ出力せず、
前記第2の伝達情報に付加された情報識別子が前記受信履歴情報に含まれない場合には
前記第2の伝達情報を前記出力部へ出力する、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の無線通信装置と、
前記無線通信装置に対して前記伝達情報を送信する管理装置と、
を含み、
前記管理装置は、送信側無線通信装置が送信した前記
第1の伝達情報を、前記無線通信装置に対して
前記第2の伝達情報として所定時間の間繰り返し送信する、
無線通信システム。
【請求項4】
前記管理装置は、
前記無線通信装置から前記第1の伝達情報または前記第2の伝達情報に対する前記応答信号を管理通信部で受信し、
所定の時間を経過した場合、またはグループ通信の所定の台数の前記無線通信装置から応答信号受信した場合に、前記伝達情報の送信の完了通知を前記送信側無線通信装置に
前記管理通信部で送信する、
請求項3に記載の無線通信システム。
【請求項5】
送信側無線通信装置から送信された応答要求信号を含む伝達情報を、通信部を介して取得するステップと、
前記伝達情報を出力部に出力させるステップと、
前記出力部に前記伝達情報を出力させた場合、前記応答要求信号に対する応答信号を、前記通信部を介して管理装置に送信するステップと、
を含み、
前記伝達情報には、前記伝達情報の内容に応じた情報識別子が付加されており、
前記伝達情報を出力部に出力させるステップでは、前記応答信号に対する受信完了通知を前記管理装置から取得した
後に、前記受信完了通知に対応した
第1の伝達情報と同一の前記情報識別子が付加された
第2の伝達情報を
前記管理装置から受信した場合、前記第2の伝達情報を前記出力部に出力しない、
無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信装置、無線通信システム、および無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信においては、複数の端末装置間でグループ通信を行うことがある。例えば、特許文献1には、グループ通信を用いて、親機が子機の点呼を取ることのできる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、グループに属する端末装置の存在を確認することができる。しかしながら、特許文献1では、文字情報および音声情報を含む所定の伝達情報を、グループに属する構成員の全員に適切に伝達することを考慮していない。この場合、伝達情報の送信側は、グループの構成員の全員が伝達情報を受信したことを確認するまで、同じ情報を繰り返し送信することになる。そのため、受信側は、同じ伝達情報を繰り返し受信することになるため、煩わしいと感じる可能性がある。
【0005】
本開示は、情報を適切に伝達することのできる無線通信装置、無線通信システム、および無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る無線通信装置は、送信側無線通信装置から送信された応答要求信号を含む伝達情報を、通信部を介して取得する取得部と、前記伝達情報を出力部に出力させる出力制御部と、前記出力制御部が前記出力部に前記伝達情報を出力させた場合、前記応答要求信号に対する応答信号を、前記通信部を介して管理装置に送信する通信制御部と、を備え、前記伝達情報には、前記伝達情報の内容に応じた情報識別子が付加されており、前記出力制御部は、前記取得部が前記応答信号に対する受信完了通知を前記管理装置から取得した後に、前記受信完了通知に対応した第1の伝達情報と同一の前記情報識別子が付加された第2の伝達情報を前記管理装置から受信した場合、前記第2の伝達情報を前記出力部に出力しない。
【0007】
本開示の一態様に係る無線通信システムは、本開示の一態様に係る無線通信装置と、前記無線通信装置に対して前記伝達情報を送信する管理装置と、を含み、前記管理装置は、送信側無線通信装置が送信した前記第1の伝達情報を、前記無線通信装置に対して前記第2の伝達情報として所定時間の間繰り返し送信する。
【0008】
本開示の一態様に係る無線通信方法は、送信側無線通信装置から送信された応答要求信号を含む伝達情報を、通信部を介して取得するステップと、前記伝達情報を出力部に出力させるステップと、前記出力部に前記伝達情報を出力させた場合、前記応答要求信号に対する応答信号を、前記通信部を介して管理装置に送信するステップと、を含み、前記伝達情報には、前記伝達情報の内容に応じた情報識別子が付加されており、前記伝達情報を出力部に出力させるステップでは、前記応答信号に対する受信完了通知を前記管理装置から取得した後に、前記受信完了通知に対応した第1の伝達情報と同一の前記情報識別子が付加された第2の伝達情報を前記管理装置から受信した場合、前記第2の伝達情報を前記出力部に出力しない。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、情報を適切に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る無線通信システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る無線通信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る無線通信システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る送信側の無線通信装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る受信側の無線通信装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態に係る管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本開示に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含む。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0012】
[無線通信システム]
図1を用いて、実施形態に係る無線通信システムについて説明する。
図1は、実施形態に係る無線通信システムの構成の一例を示す図である。
【0013】
図1に示すように、無線通信システム1は、無線通信装置10aと、無線通信装置10bと、無線通信装置10cと、無線通信装置10dと、無線通信装置10eと、管理装置20と、基地局装置30とを含む。無線通信システム1は、例えば、業務用無線通信システムである。無線通信システム1は、5台の無線通信装置を含むが、本開示はこれに限定されない。
【0014】
無線通信装置10a~無線通信装置10eは、同一のグループに属している。無線通信装置10a~無線通信装置10eは、それぞれの間でグループ通信を実行する。無線通信装置10aは、送信側の無線通信装置であるものとする。無線通信装置10b~無線通信装置10eは、受信側の無線通信装置であるものとする。
図1に示す例では、無線通信装置10a~無線通信装置10eの5台の無線通信装置が示されているが、本開示はこれに限られない。無線通信システム1に含まれる無線通信装置の数には特に制限はない。無線通信装置10a~無線通信装置10eを総称して、無線通信装置10と呼ぶこともある。
【0015】
管理装置20は、無線通信装置10a~無線通信装置10eを同一のグループに属する無線通信装置として管理する。管理装置20は、無線通信装置10a~無線通信装置10e間のグループ通信に関する各種の情報を管理する。管理装置20は、有線または無線のネットワークを介して、基地局装置30と接続されている。
【0016】
基地局装置30は、通信可能エリアとして通信エリアRを形成する。無線通信装置10a~無線通信装置10eは、基地局装置30を介して、通信エリアR内に存在する同一のグループに属する無線通信装置とグループ通信を実行する。無線通信装置10a~無線通信装置10eは、基地局装置30を介さずに、直接的にグループ通信を行ってもよい。
【0017】
無線通信システム1は、例えば、山や川などの行楽地において使用される。この場合、無線通信装置10aは、例えば、行楽地の管理者などによって使用される送信側の無線通信装置となる。この場合、無線通信装置10aは、固定局であってもよいし、移動局であってもよい。無線通信装置10b~無線通信装置10eは、行楽地を訪れた人に管理者などによって渡される受信側の無線通信装置となる。この場合、無線通信装置10b~無線通信装置10eは、移動局となる。
【0018】
無線通信装置10aは、無線通信装置10b~無線通信装置10eに対して音声や文字を含む伝達情報を送信する。無線通信装置10aは、所定の条件を満たすまで、無線通信装置10b~無線通信装置10eに対して伝達情報を繰り返し送信する。無線通信装置10aが送信する伝達情報には、応答要求信号(Ack:Acknowledgement)が含まれる。無線通信装置10aは、所定の条件を満たした場合に、送信の完了通知(グループ通信完了通知)を受信する。
【0019】
無線通信装置10b~無線通信装置10eは、伝達情報を受信すると、伝達情報をユーザに対して出力する。無線通信装置10b~無線通信装置10eは、伝達情報をユーザに伝達した後、応答要求信号に対する応答信号(Ack)を無線通信装置10aに対して送信する。無線通信装置10b~無線通信装置10eは、自動的に応答信号を送信してもよいし、ユーザの操作に従って応答信号を送信してもよい。無線通信装置10b~無線通信装置10eは、自動的に応答信号を送信する場合、無線通信装置ごとの応答信号の衝突が考えられるが、例えば、無線通信装置ごとに送信のタイミングをランダムにずらす機能を用いて、応答信号が衝突する確率を減少させるとよい。無線通信装置10b~無線通信装置10eは、応答信号に対する完了通知を無線通信装置10aから受信する。無線通信装置10b~無線通信装置10eは、受信完了通知を受信した後、同一の伝達情報の出力を停止する。
【0020】
図2を用いて、実施形態に係る無線通信装置の構成について説明する。
図2は、無線通信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図2に示すように、無線通信装置10は、通信部11と、操作部12と、出力部13と、記憶部14と、制御部15と、を備える。
【0022】
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)や通信回路等によって実現される。通信部11は、例えば、無線通信網で他の無線通信装置および基地局装置30などに接続されている。通信部11は、送信部111と、受信部112とを備える。
【0023】
送信部111は、無線通信網を介して、通信制御部153の制御に従って他の無線通信装置などに対して各種の情報を送信する。受信部112は、無線通信網を介して、通信制御部153の制御に従って他の無線通信装置などから各種の情報を受信する。すなわち、通信部11は、無線通信網を介して、通信制御部153の制御に従って他の無線通信装置等との間で各種の情報の送受信を行う。
【0024】
操作部12は、ユーザから各種の操作を受け付ける。操作部12は、例えば、他の無線通信装置に対して伝達情報を送信するための操作を受け付ける。操作部12は、例えば、他の無線通信装置に対して応答信号を送信するための操作を受け付ける。操作部12は、例えば、無線通信装置10に設けられた物理的なスイッチやタッチパネルなどで構成される。物理的なスイッチは、例えば、無線通信装置10の電源スイッチおよびPTT(Push to Talk)ボタンを含む。本実施形態では、例えば、ユーザがPTTボタンを押下することで、グループ通信が開始される。操作部12は、ユーザによる発話を入力として受け付けてもよい。この場合、操作部12は、無線通信装置10に設けられているマイクなどの音声入力装置で構成されてよい。
【0025】
出力部13は、各種の情報を出力する。出力部13は、各種の情報を表示する。出力部13は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイ等を含むディスプレイで構成される。出力部13は、例えば、他の無線通信装置から受信した伝達情報を表示する。出力部13は、音声を出力する機能を有してもよい。出力部13は、例えば、音声を出力するスピーカーで構成されてよい。この場合、出力部13は、他の無線通信装置から受信した伝達情報などを音声で出力する。
【0026】
記憶部14は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部14は、例えば、無線通信装置10が受信した伝達情報の履歴に関する履歴情報を記憶している。
【0027】
図3を用いて、記憶部14が記憶している受信履歴情報について説明する。
図3は、受信履歴情報の一例を示す表である。
【0028】
図3に示すように、受信履歴情報は、例えば、「日時」と、「伝達情報」と、「情報識別子」と、「グループ識別子」といった項目を含む。
【0029】
「日時」は、伝達情報を受信した日時である。「伝達情報」は、伝達情報の内容である。「情報識別子」は、伝達情報を識別するための識別子である。「グループ識別子」は、グループ通信を行うグループを識別するための識別子である。
【0030】
図3に示す例では、例えば、「2019/11/6 10:35:02」に、伝達情報として「AAA」を受信したことが示されている。「AAA」の情報識別子は「001」であり、「G1」のグループによるグループ通信で送信された伝達情報であることが示されている。
【0031】
「伝達情報」には、「AAA」、「BBB」、および「CCC」といったように概念的に示されている、実際には具体的な情報の内容が示される。例えば、「伝達情報」には、「大雨により川が増水しました。危険です。」といった内容が示される。
【0032】
受信履歴情報には、「日時」と、「伝達情報」と、「情報識別子」と、「グループ識別子」といった項目に加えて、伝達情報を送信した送信者を識別するための「送信者識別子」が含まれてよい。「送信者識別子」は、送信者の名前または予め付与された送信者が使用する無線通信装置の番号などでよい。また、管理装置が送信する受信完了通知を受信したか否かの情報も含まれてよい。受信側の無線通信装置は、受信履歴情報を参照することで同一の伝達情報を出力しない。
【0033】
再び
図2を参照する。制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、無線通信装置10の内部に記憶されたプログラムがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部15は、コントローラ(Controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部15は、ソフトウェアと、ハードウェアとの組み合わせで実現されてもよい。制御部15は、取得部151と、出力制御部152と、通信制御部153と、記憶制御部154とを備える。
【0034】
取得部151は、通信部11を介して、各種の情報を取得する。取得部151は、例えば、受信部112が受信した伝達情報を取得する。取得部151は、例えば、受信部112が受信した、受信完了通知およびグループ通信完了通知などを取得する。
【0035】
出力制御部152は、取得部151が取得した各種の情報を出力部13に出力させる。出力制御部152は、取得部151が取得した伝達情報を出力部13に出力させる。出力制御部152は、伝達情報が画像情報および文字情報などの場合には、出力部13に画像および文字などを表示させる。出力制御部152は、伝達情報が音声情報などの場合には、出力部13に音声などを出力させる。
【0036】
出力制御部152は、取得部151が取得した伝達情報の情報識別子に基づいて、伝達情報を出力部13に出力させるか否かを判定してよい。出力制御部152は、例えば、記憶部14に記憶された履歴情報に基づいて、伝達情報を出力部13に出力させるか否かを判定してよい。出力制御部152は、例えば、取得部151が取得した伝達情報と同一の情報識別子が付加された伝達情報を所定期間(例えば、3分以内)内に受信しているのであれば、取得部151が取得した伝達情報を出力部13に出力させない。出力制御部152は、例えば、取得部151が取得した伝達情報と同一の情報識別子が付加された伝達情報を所定期間内に受信していないのであれば、取得部151が取得した伝達情報を出力部13に出力させる。
【0037】
通信制御部153は、通信部11を制御して、他の無線通信装置との間で各種の情報の送受信を行う。通信制御部153は、例えば、無線通信装置10の電源がオフ状態からオン状態に切り替わった際に、属しているグループのグループ識別子と、電源がオン状態になった旨を示す装置情報を、管理装置20に対して送信する。通信制御部153は、無線通信装置10を識別するための送信者識別子を送信してもよい。
【0038】
通信制御部153は、無線通信装置10が送信側の無線通信装置となる場合には、例えば、操作部12により入力された伝達情報に情報識別子を付加しつつ他の無線通信装置および管理装置20などに送信する。通信制御部153は、受信側の無線通信装置となる場合には、例えば、出力制御部152が伝達情報を出力部13に出力させた後に、その伝達情報の応答要求信号に対する応答信号を管理装置20に対して送信する。
【0039】
記憶制御部154は、取得部151が取得した各種の情報を記憶部14に記憶する。記憶制御部154は、例えば、取得部151が取得した伝達情報を記憶部14に記憶する。記憶制御部154は、例えば、伝達情報を受信した日時と、伝達情報の内容と、情報識別子と、グループ識別子とを対応付けて記憶部14に記憶する。
【0040】
図4を用いて、実施形態に係る管理装置の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0041】
図4に示すように、管理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備える。
【0042】
通信部21は、例えば、NICや通信回路等によって実現される。通信部21は、ネットワークNWを介して、基地局装置30と接続されている。通信部21は、基地局装置30を介して、各種の情報の送受信を行う。通信部21は、送信部211と、受信部212とを備える。
【0043】
送信部211は、基地局装置30を介して、通信制御部233の制御に従って各無線通信装置に対して各種の情報を送信する。送信部211は、基地局装置30を介して、送信側の無線通信装置が送信した伝達情報を、受信側の各無線通信装置に対して送信する。送信部211は、基地局装置30を介して、送信側の無線通信装置が送信した伝達情報を、受信側の各無線通信装置に対して繰り返し送信する。繰り返す回数または繰り返す時間は、ユーザが任意に設定してよい。送信部211は、受信部212が受信側の無線通信装置から応答信号を受信した場合に、基地局装置30を介して、応答信号を送信した受信側の無線通信装置に対して受信完了通知を送信する。送信部211は、所定の条件を満たした場合に、基地局装置30を介して、伝達情報を送信した送信側の無線通信装置に対してグループ通信完了通知を送信する。
【0044】
受信部212は、基地局装置30を介して、通信制御部233の制御に従って各無線通信装置から各種の情報を受信する。受信部212は、基地局装置30を介して、各無線通信装置から、電源の状態と、属するグループのグループ識別子などの情報を含む装置情報を受信する。受信部212は、基地局装置30を介して、送信側の無線通信装置が送信した伝達情報を受信する。受信部212は、基地局装置30を介して、受信側の無線通信装置が送信した応答要求信号に対する応答信号を受信する。
【0045】
記憶部22は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部22は、例えば、無線通信装置を識別するための装置識別子と、属しているグループを識別するためのグループ識別子と、電源の状態を示す情報とを含む装置情報を記憶している。記憶部22は、例えば、各無線通信装置に対して送信した応答要求信号に対する応答信号の有無を示す情報を含む返信情報を記憶している。
【0046】
図5を用いて、記憶部22が記憶している装置情報について説明する。
図5は、装置情報の一例を示す表である。
【0047】
図5に示すように、装置情報は、「装置識別子」と、「グループ識別子」と、「電源状態」といった項目を含む。
【0048】
「装置識別子」は、無線通信装置を識別するための識別子である。無線通信装置10aでいえば、「装置識別子」は「D1」である。
【0049】
「グループ識別子」は、無線通信装置が属しているグループを識別するための識別子である。無線通信装置10aでいえば、「グループ識別子」は「G1」である。無線通信装置は、複数のグループに属していることもある。例えば、無線通信装置10bでいえば、「グループ識別子」は、「G1」および「G2」である。例えば、無線通信装置10eでいえば、「グループ識別子」は、「G1」、「G2」、および「G3」である。各無線通信装置が、属するグループの数に制限はない。
【0050】
「電源状態」は、無線通信装置の電源の状態を示す。「電源状態」は、無線通信装置の電源の状態がオンの場合には「オン」が示され、電源の状態がオフの場合には「オフ」が示される。無線通信装置10aでいえば、「電源状態」は「オン」である。
【0051】
図6を用いて、記憶部22が記憶している返信情報について説明する。
図6は、返信情報の一例を示す表である。
【0052】
図6に示すように、返信情報は、受信側の各無線通信装置について、「装置識別子」と、「応答信号」といった項目を含む。
【0053】
「応答信号」は、応答要求信号に対する応答信号の有無に関する情報が示される。管理装置20が、応答要求信号に対する応答信号を受信した場合には、「有」が示される。管理装置20が、応答要求信号に対する応答信号を受信しない場合には、「無」が示される。例えば、無線通信装置10bでいえば応答信号は「有」であり、無線通信装置10cでいえば応答信号は「無」である。
【0054】
再び
図4を参照する。制御部23は、例えば、CPUやMPU等によって、無線通信装置10の内部に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部23は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。制御部23は、ソフトウェアと、ハードウェアとの組み合わせで実現されてもよい。制御部23は、取得部231と、判定部232と、通信制御部233と、記憶制御部234とを備える。
【0055】
取得部231は、通信部21を介して、各種の情報を取得する。取得部231は、例えば、受信部212が受信した無線通信装置の装置情報を取得する。取得部231は、例えば、受信部212が受信した伝達情報を取得する。取得部231は、例えば、受信部212が受信した応答要求信号を取得する。取得部231は、その他の情報を取得してもよい。
【0056】
判定部232は、取得部231が通信部21を介して取得した情報に基づいて、各種の条件を判定する。判定部232は、例えば、取得部231が取得した装置情報に基づいて、各無線通信装置の電源の状態を判定する。判定部232は、例えば、記憶部22に記憶された装置情報に基づいて、各無線通信装置の電源の状態を判定する。判定部232は、例えば、記憶部22に記憶された、返信情報に基づいて、応答要求信号に対する応答信号の有無を判定する。
【0057】
通信制御部233は、通信部21を制御して、基地局装置30を介して、他の無線通信装置との間で各種の情報の送受信を行う。通信制御部233は、例えば、送信側の無線通信装置から受信した伝達情報を受信側の各無線通信装置に対して送信する。通信制御部233は、例えば、受信側の各無線通信装置に対して応答要求信号を送信する。通信制御部233は、例えば、送信側の無線通信装置に対してグループ通信完了通知を送信する。通信制御部233は、送信側および受信側の無線通信装置に対してその他の情報を送信してもよい。
【0058】
記憶制御部234は、取得部151が取得した各種の情報を記憶部14に記憶する。記憶制御部154は、例えば、取得部231が取得した装置情報を記憶部22に記憶する。記憶制御部234は、例えば、取得部231が取得した応答信号を受信側の各無線通信装置に関連付けた返信情報として記憶部22に記憶する。記憶制御部234は、その他の情報を記憶部22に記憶してもよい。
【0059】
図7を用いて、実施形態に無線通信システムの処理の流れについて説明する。
図7は、実施形態に係る無線通信システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0060】
図7において、無線通信装置10aは、送信側の無線通信装置である。無線通信装置10bと、無線通信装置10cとは、受信側の無線通信装置である。
図7では、簡単のため、受信側の無線通信装置が2台である場合を説明する。
図7では、無線通信装置10a~無線通信装置10cで、グループ通信を行うものとする。
【0061】
無線通信装置10aは、電源の状態がオンになると、電源の状態がオンになったことを示す装置情報を管理装置20に送信する(ステップS10)。無線通信装置10bは、電源の状態がオンになると、電源の状態がオンになったことを示す装置情報を管理装置20に送信する(ステップS11)。無線通信装置10cは、電源の状態がオンになると、電源の状態がオンになったことを示す装置情報を管理装置20に送信する(ステップS12)。
【0062】
管理装置20は、無線通信装置10a~無線通信装置10cから受信した装置情報に基づいて、使用中の無線通信装置を認識する(ステップS13)。すなわち、管理装置20は、同一のグループに属する無線通信装置のうち、電源の状態がオンになった無線通信装置を認識する。
【0063】
無線通信装置10aは、伝達情報と応答要求信号とを管理装置20に対してグループ通信で送信する(ステップS14a)。無線通信装置10aは、伝達情報と応答要求信号とを無線通信装置10bに対してグループ通信で送信する(ステップS14b)。無線通信装置10aは、伝達情報と応答要求信号とを無線通信装置10cに対してグループ通信で送信する(ステップS14c)。ステップS14a~ステップS14cの処理は、同時に実行される。ステップS14bと、ステップS14cとにおいては、無線通信装置10aは、無線通信装置10bと無線通信装置10cとに対して伝達情報と、応答要求信号とを直接的に送信してもよいし、基地局装置30を介して送信してもよい。
【0064】
無線通信装置10bは、無線通信装置10aから受信した伝達情報を出力する(ステップS15)。無線通信装置10bは、応答要求信号に対する応答信号を管理装置20に対して送信する(ステップS16)。管理装置20は、応答信号に対する受信完了通知を無線通信装置10bに送信する(ステップS17)。
【0065】
管理装置20は、応答要求信号に対する返信のない無線通信装置を判定する(ステップS18)。
図7に示す例では、管理装置20は、無線通信装置10cを応答要求信号に対する返信のない無線通信装置であると判定する。
【0066】
管理装置20は、伝達情報と応答要求信号とを無線通信装置10bに対してグループ通信で送信する(ステップS19a)。管理装置20は、伝達情報と応答要求信号とを無線通信装置10cに対してグループ通信で送信する。ステップS19aと、ステップS19bとの処理は、同時に実行される。
【0067】
無線通信装置10cは、管理装置20から受信した伝達情報を出力する(ステップS20)。ここで、無線通信装置10bは、ステップS17で応答信号に対する受信完了通知を受信しているので、ステップS19aで受信した伝達情報を出力しない。無線通信装置10cは、応答要求信号に対する応答信号を管理装置20に送信する(ステップS21)。管理装置20は、応答信号に対する受信完了通知を無線通信装置10cに送信する。
【0068】
管理装置20は、応答要求信号に対する返信のない無線通信装置を判定する(ステップS23)。管理装置20は、応答要求信号に対する返信のない無線通信装置がないと判定すると、グループ通信完了通知を送信する(ステップS24)。そして、
図7の処理を終了する。
【0069】
なお、
図7において、無線通信装置10aは、ステップS14a~ステップS14bにおいて、複数の伝達情報を送信してもよい。この場合、管理装置20は、無線通信装置10bおよび無線通信装置10cに対して複数の伝達情報を繰り返し送信してもよい。そして、無線通信装置10bおよび無線通信装置10cは、管理装置20が繰り返し送信する伝達情報のうち、1度出力した伝達情報は出力せずに、出力をさせてない伝達情報を選択的に出力するようにしてもよい。
【0070】
[送信側の無線通信装置の処理]
図8を用いて、実施形態に係る送信側の無線通信装置の処理について説明する。
図8は、実施形態に係る送信側の無線通信装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0071】
無線通信装置10は、装置情報を送信する(ステップS101)。具体的には、通信制御部153は、無線通信装置10で電源の状態がオンになると、装置情報を管理装置20に送信する。そして、ステップS102に進む。
【0072】
無線通信装置10は、伝達情報と応答要求信号とを送信する(ステップS102)。具体的には、通信制御部153は、操作部12で受け付けた伝達情報に応答要求信号を付加して、送信側の無線通信装置10と管理装置20とに対して伝達情報と応答要求信号とを送信する。そして、ステップS103に進む。
【0073】
無線通信装置10は、グループ通信完了通知を受信する(ステップS103)。具体的には、通信制御部153は、管理装置20から送信されたグループ通信完了通知を受信する。そして、ステップS104に進む。
【0074】
無線通信装置10は、グループ通信完了通知を出力する(ステップS104)。具体的には、出力制御部152は、ステップS103で受信したグループ通信完了通知を出力部13に出力させる。そして、
図8の処理を終了する。
【0075】
[受信側の無線通信装置の処理]
図9を用いて、実施形態に係る受信側の無線通信装置の処理について説明する。
図9は、実施形態に係る受信側の無線通信装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS201の処理は、
図8に示すステップS101と同一の処理なので、説明を省略する。
【0077】
無線通信装置10は、伝達情報と応答要求信号を受信する(ステップS202)。具体的には、通信制御部153は、管理装置20から送信された伝達情報と応答要求信号とを受信する。そして、ステップS203に進む。
【0078】
無線通信装置10は、伝達情報を出力したか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、出力制御部152は、出力部13に伝達情報を出力させたか否かを判定する。伝達情報を出力したと判定した場合(ステップS203;Yes)、ステップS204に進む。一方、伝達情報を出力していないと判定された場合(ステップS203;No)、ステップS206に進む。
【0079】
ステップS203でYesと判定された場合、無線通信装置10は、応答信号を送信する(ステップS204)。具体的には、通信制御部153は、応答要求信号に対する応答信号を管理装置20に対して送信する。そして、ステップS205に進む。
【0080】
無線通信装置10は、受信完了通知を受信する(ステップS205)。具体的には、通信制御部153は、管理装置20から受信完了通知を受信する。そして、
図9の処理を終了する。
【0081】
ステップS203でNoと判定された場合、無線通信装置10は、伝達情報と応答要求信号とを再受信したか否かを判定する(ステップS206)。具体的には、通信制御部153は、管理装置20から伝達情報と応答要求信号とを再受信したか否かを判定する。伝達情報と応答要求信号とを再受信したと判定された場合(ステップS206;Yes)、ステップS207に進む。一方、伝達情報と応答要求信号とを再受信していないと判定された場合(ステップS206;No)、
図9の処理を終了する。
【0082】
ステップS206でYesと判定された場合、無線通信装置10は、伝達情報を出力した否かを判定する(ステップS207)。具体的には、出力制御部152は、出力部13に伝達情報を出力させたか否かを判定する。伝達情報を出力したと判定した場合(ステップS207;Yes)、ステップS204に進む。一方、伝達情報を出力していないと判定された場合(ステップS207;No)、ステップS206に進む。
【0083】
[管理装置の処理]
図10を用いて、実施形態に係る管理装置の処理について説明する。
図10は、実施形態に係る管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0084】
管理装置20は、装置情報を受信する(ステップS301)。具体的には、通信制御部233は、管理している各無線通信装置の電源の状態がオンになった場合に、電源の状態がオンである旨を示す装置情報を各無線装置から受信する。そして、ステップS302に進む。
【0085】
管理装置20は、使用中の無線通信装置を判定する(ステップS302)。具体的には、判定部232は、装置情報に基づいて、電源の状態がオンの状態の無線通信装置を判定する(ステップS302)。そして、ステップS303に進む。
【0086】
管理装置20は、伝達情報と応答要求信号とを取得する(ステップS303)。具体的には、取得部231は、送信側の無線通信装置が送信した伝達情報と応答要求信号を、基地局装置30を介して取得する。そして、ステップS304に進む。
【0087】
管理装置20は、応答信号を受信する(ステップS304)。具体的には、通信制御部233は、送信側の無線通信装置が送信した応答要求信号に対して、受信側の無線通信装置が送信した応答信号を受信する。そして、ステップS305に進む。
【0088】
管理装置20は、返信情報を更新する(ステップS305)。具体的には、記憶制御部234は、応答要求信号に対する応答信号の送信の有無に関する情報を示す記憶部22に記憶された返信情報を更新する。そして、ステップS306に進む。
【0089】
管理装置20は、受信完了通知を送信する(ステップS306)。具体的には、通信制御部233は、応答要求信号を送信した送信側の無線通信装置に対して受信完了通知を送信する。そして、ステップS307に進む。
【0090】
管理装置20は、応答信号の送信がない受信側の無線通信装置が有るか否かを判定する(ステップS307)。具体的には、判定部232は、記憶部22に記憶された返信情報に基づいて、応答信号の送信がない受信側の無線通信装置が有るか否かを判定する。応答信号の送信がない受信側の無線通信装置が無いと判定された場合(ステップS307;No)、ステップS308に進む。一方、応答信号の送信がない受信側の無線通信装置が有ると判定された場合(ステップS307;Yes)、ステップS309に進む。
【0091】
ステップS307でNoと判定された場合、管理装置20は、グループ通信完了通知を送信する(ステップS308)。具体的には、通信制御部233は、送信側の無線通信装置に対して、グループ通信完了通知を送信する。そして、
図10の処理を終了する。ステップS307では、応答信号の送信がない受信側の無線通信装置が有るか否かを判定したが、応答信号の送信がない受信側の無線通信装置の数が所定の数以下であるかを判定してもよい。
【0092】
ステップS307でYesと判定された場合、管理装置20は、伝達情報と、応答要求信号とを送信する(ステップS309)。具体的には、通信制御部233は、応答信号を送信していない受信側の無線通信装置に対して伝達情報と応答要求信号とを送信する。そして、ステップS310に進む。
【0093】
管理装置20は、応答信号を受信したか否かを判定する(ステップS310)。具体的には、通信制御部233は、ステップS309で送信した応答要求信号に対する応答信号を受信したか否かを判定する。応答信号を受信したと判定された場合(ステップS310;Yes)、ステップS305に進む。応答信号を受信していないと判定された場合(ステップS310;No)、ステップS311に進む。
【0094】
ステップS310でNoと判定された場合、管理装置20は、所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS311)。具体的には、判定部232は、所定の条件を満たすか否かを判定する。所定の条件は、所定時間が経過した場合、所定以上の割合の台数の受信側の無線通信装置から応答信号を受信している場合などを含む。所定の条件を満たすと判定された場合(ステップS311;Yes)、ステップS308に進む。一方、所定の条件を満たしていないと判定された場合(ステップS311;No)、ステップS309に進む。
【0095】
上述のとおり、本実施形態は、送信側の無線通信装置10aが送信した伝達情報に対する応答信号のない受信側の無線通信装置が有る場合には、伝達情報を繰り返し送信する。そのため、受信側の無線通信装置は、伝達情報を適切に受信することができる。これにより、本実施形態は、例えば、緊急性の高い情報をより適切に、受信側の無線通信装置に伝えることができる。
【0096】
本実施形態は、送信側の無線通信装置10aは伝達情報とともに、応答要求信号を受信側の無線通信装置に送信する。受信側の無線通信装置は、伝達情報を受信し出力した後、応答要求信号に応答信号を管理装置に送信する。そして、受信側の無線通信装置は、応答信号に対する受信完了通知を管理装置から受信する。受信側の無線通信装置は、受信完了通知を受信した後、送信側の無線通信装置が送信した伝達情報を受信したとしても、同一の伝達情報については、出力を停止する。これにより、本実施形態では、ユーザが一度確認した伝達情報については、出力されなくなるため、繰り返し伝達情報が表示されてしまう煩わしさを解消することができる。
【0097】
本実施形態は、送信側の無線通信装置10aは、複数の伝達情報を送信した場合には、受信側の無線通信装置は、1度表示したものは出力せずに、出力をさせてない伝達情報を選択的に出力する。これにより、本実施形態は、受信側の無線通信装置が複数の伝達情報を受信した場合であっても、繰り返し伝達情報が表示されてしまう煩わしさを解消することができる。
【0098】
[実施形態の変形例]
上述した実施形態では、送信側の無線通信装置10aは、文字情報および音声情報などを含む伝達情報を送信するものとして説明したが、本開示はこれに限られない。無線通信装置10aは、情報識別子のみを送信するようにしてもよい。この場合、各無線通信装置は、例えば、情報識別子に一対一で対応付けられた文字情報または音声情報などの伝達情報を内部に記憶していればよい。実施形態の変形例では、受信側の無線通信装置は、情報識別子を受信すると、受信した情報識別子に対応付けられた伝達情報を出力すればよい。そして、受信側の無線通信装置は、実施形態と同様に、一度出力した情報識別子に対応づけられた伝達情報を、出力を停止してよい。
【0099】
実施形態の変形例では、送信側の無線通信装置10aは、伝達情報を送信せずに、情報識別子を送信するのみで、実施形態と同様の効果を奏することができる。これにより、実施形態の変形例では、送信するデータの容量を少なくすることができる。これにより、実施形態の変形例では、効率的に回線を使用することができる。
【0100】
以上、本開示の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本開示が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0101】
1 無線通信システム
10 無線通信装置
11,21 通信部
111,211 送信部
112,212 受信部
12 操作部
13 出力部
14,22 記憶部
15,23 制御部
151,231 取得部
152 出力制御部
153,233 通信制御部
154,234 記憶制御部
20 管理装置
232 判定部
30 基地局装置