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特許7418723工業アプリケーションのための特殊ワイヤレス・ネットワーク構成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】工業アプリケーションのための特殊ワイヤレス・ネットワーク構成
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/70 20180101AFI20240115BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20240115BHJP
   G16Y 10/25 20200101ALI20240115BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20240115BHJP
【FI】
H04W4/70
H04W16/28 130
G16Y10/25
G16Y40/30
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021526212
(86)(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 US2019042339
(87)【国際公開番号】W WO2020018748
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】62/701,202
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521025599
【氏名又は名称】ドゥードゥル ラボズ (エスジー) ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パリク、ニメシュ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】マスカリク、クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ガン、メン フアン
(72)【発明者】
【氏名】ドー、アーロン ビン タン
(72)【発明者】
【氏名】ガーグ、サメール
(72)【発明者】
【氏名】ブンデルリッヒ、シモン
【審査官】石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0188254(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0157250(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
G16Y 10/25
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信システムであって、
ユーザと対話するための通信インターフェース、
コンピューター、センサー、及びスマートデバイスの装置間での通信を利用する所定の工業アプリケーションために選択された、アプリケーション固有動作周波数帯域及びアプリケーション固有チャネル・サイズを与えるために、ソフトウェア定義された制御を利用する多入力多出力(MIMOトランシーバであって、前記MIMOトランシーバが、前記所定の工業アプリケーションのために性能を最適化するために、選択されたIEEE802.11動作パラメータを修正するようにさらに構成され、修正のために利用可能なIEEE802.11動作パラメータのグループが、少なくとも、送信電力、受信機感度、ネットワーク・アーキテクチャ、通信レンジ、ACKタイミング・ウィンドウを含む、MIMOトランシーバ、及び
前記MIMOトランシーバに結合されたMIMOアンテナ構成
を含む、制御ステーションと、
少なくとも1つの工業用デバイスであって、
MIMOアンテナ構成、
前記制御ステーションMIMOトランシーバの修正がされた特性を整合させるために、ソフトウェア定義された制御を利用するMIMOトランシーバ、
前記少なくとも1つの工業用デバイスに関連するコマンドを決定するための前記MIMOトランシーバによって受信された信号に応答するプロセッサ、
前記プロセッサに応答して、前記少なくとも1つの工業用デバイスの活動を開始し、前記コマンドに応答して前記少なくとも1つの工業用デバイスによって収集されたデータを受信するための制御ユニット
を含む、前記少なくとも1つの工業用デバイスと
を備え
前記少なくとも1つの工業用デバイスMIMOトランシーバが、前記収集されたデータを前記ワイヤレス通信システムの制御ステーションに送信するようにさらに構成された、ワイヤレス通信システム。
【請求項2】
修正のために利用可能なIEEE802.11動作パラメータの前記グループが、レイテンシ、双方向制御プロトコル、ビデオ送信レートをさらに含む、請求項1に記載のワイヤレス通信システム。
【請求項3】
少なくとも1つの工業用デバイスが、前記制御ユニットからの命令に応答して、前記制御ステーションへの送信のための要求されたデータをキャプチャするための周辺構成要素をさらに備える、請求項1に記載のワイヤレス通信システム。
【請求項4】
前記周辺構成要素が、ビデオ・カメラを備える、請求項3に記載のワイヤレス通信システム。
【請求項5】
前記周辺構成要素が、複数のセンサーを備える、請求項4に記載のワイヤレス通信システム。
【請求項6】
前記制御ステーションのMIMOトランシーバが、RFモデムに結合されたフロントエンド・サブシステムを備え、前記フロントエンド・サブシステムが、前記RFモデムの出力の周波数帯域シフトを行う、請求項1に記載のワイヤレス通信システム。
【請求項7】
前記制御ステーションのMIMOトランシーバが、ソフトウェア定義された指定された周波数帯域において動作する特殊帯域トランシーバを備え、前記特殊帯域トランシーバが、前記指定された周波数帯域のソフトウェア定義されたチャネル・サイズ制御を行うための関連する処理デバイスに結合された、請求項1に記載のワイヤレス通信システム。
【請求項8】
前記制御ステーションのMIMOトランシーバが、処理及び送受信機能を含む一体化されたインテリジェント無線モジュールを備える、請求項1に記載のワイヤレス通信システム。
【請求項9】
前記ソフトウェア定義されたチャネル・サイズが、約1.25MHz~40MHzのレンジ内の選択された値であるように構成され、前記ソフトウェア定義されたチャネル・サイズの選択が、前記所定の工業アプリケーションの属性に基づいて決定される、請求項1に記載のワイヤレス通信システム。
【請求項10】
前記ソフトウェア定義された動作周波数帯域が、少なくとも900MHz ISM帯域と、3.5GHz CBRS帯域と、TVWS帯域とを含む特殊周波数帯域のグループから選択される、請求項1に記載のワイヤレス通信システム。
【請求項11】
前記制御ステーション及び前記少なくとも1つの工業用デバイスが、MIMOトポロジーにおいて構成され、信号送信のためにCOFDM符号化を利用する、請求項1に記載のワイヤレス通信システム。
【請求項12】
前記制御ステーションと前記少なくとも1つの工業用デバイスとの間のアップリンク・チャネルが、コマンド及び制御信号の送信における低レイテンシを維持するためにURLLCチャネルとして構成された、請求項1に記載のワイヤレス通信システム。
【請求項13】
IEEE802.11の標準の下で構成されたフレームの選択されたパラメータが、URLLCを達成するために無効にされる、請求項12に記載のワイヤレス通信システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの工業用デバイスが、無人車両を備える、請求項1に記載のワイヤレス通信システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの工業用デバイスが、ロボティック・デバイスを備える、請求項1に記載のワイヤレス通信システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの工業用デバイスが、複数の工業用デバイスを備え、すべての工業用デバイスが、同じアプリケーション固有周波数帯域内で動作し、同じチャネル・サイズを使用する、請求項1に記載のワイヤレス通信システム。
【請求項17】
アプリケーション固有動作周波数帯域及びアプリケーション固有チャネル・サイズを介して、プライベート・ワイヤレス通信ネットワークにおいて複数の工業用デバイスとの通信を行うための制御ステーションであって、前記制御ステーションは、
前記複数の工業用デバイスを動作させるためのユーザからのコマンド及び制御信号を受信するための通信インターフェースと、
前記アプリケーション固有動作周波数帯域及び前記アプリケーション固有チャネル・サイズに送信及び受信を同調させるために、ソフトウェア定義された制御を利用するトランシーバであって、前記トランシーバが、前記アプリケーション固有動作周波数帯域及び前記アプリケーション固有チャネル・サイズにおいてアップリンク・コマンド及び制御信号を生成するための送信要素と、前記複数の工業用デバイスから送信されたダウンリンク動作データを復元するための受信機要素とを含む、トランシーバと、
前記生成されたアップリンク・コマンド及び制御信号をブロードキャストし、戻りダウンリンク動作データ信号を受信するためのアンテナ・モジュールと
を備える、制御ステーション。
【請求項18】
関連がある動作パラメータのセットのプロファイルによって定義された特定の工業アプリケーションのための標準IEEE802.11プロトコルに基づいてプライベート・ワイヤレス通信ネットワークをプロビジョニングする方法であって、前記方法は、
100MHz~100GHzのレンジ内で標準WiFi動作周波数帯域をターゲット帯域に周波数シフトすることであって、前記ターゲット帯域が、前記特定の工業アプリケーションのために好ましいものとして識別される、周波数シフトすることと、
ャネル・サイズを、前記標準IEEE802.11プロトコルにおいて定義された標準20/40/80/160MHzから、前記特定の工業アプリケーションのデータ・スループットをサポートするのに十分な所定の値に縮小することと、
前記特定の工業アプリケーションに関連する前記関連がある動作パラメータの前記プロファイルをカスタマイズすることであって、関連がある動作パラメータの前記セットが、レイテンシ、双方向制御プロトコル、ビデオ送信レート、送信電力、受信機感度、ネットワーク・アーキテクチャ、通信レンジ、ACKタイミング・ウィンドウからなるIEEE802.11パラメータのグループから選択される、前記プロファイルをカスタマイズすることと
を含む、方法。
【請求項19】
関連がある動作パラメータの前記セットが、レイテンシ、ネットワーク・アーキテクチャ、及び通信レンジのうちの1つ又は複数を含み、前記カスタマイズするステップが、
制御ステーションから少なくとも数km延長するために、必要とされる通信レンジを定義することと、
前記ネットワーク・アーキテクチャをメッシュ・トポロジーとして定義することと、
制御ステーションにおいてコマンド及び制御チャネルを超高信頼低レイテンシ・チャネル(URLLC)として構成することと
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記URLLCを構成することが、ソフトウェア再試行、ハードウェア再試行、フレーム・アグリゲーション、及びHT機能というリンク設定のうちの1つ又は複数を無効にすることを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ネットワーク・アーキテクチャの前記メッシュ・トポロジーが、ノードツーノード送信においてスループットを維持するためにマルチ周波数メッシュ・ネットワークとして実装される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
関連がある動作パラメータの前記セットが、ビデオ送信レート、通信レンジ、及びACK再送信のうちの1つ又は複数を含み、前記カスタマイズするステップが、
制御ステーションから少なくとも20km延長するために、必要とされる通信レンジを定義することと、
ビデオ送信レートを最適化するために、ビデオ・パケット再試行の回数を、IEEE802.11において定義された標準から、3以下の値に減少させることと、
前記ACKタイミング・ウィンドウを、IEEE802.11において定義された前記値から、前記定義された通信レンジのために適切な値に延長することと
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記周波数シフトされた周波数帯域において動作し、COFDM変調方式を使用して作成された信号を通信するために所定の中心周波数及びチャネル・サイズを利用するように、制御ステーションにおいてMIMOトランシーバを構成することであって、前記構成が、前記標準IEEE802.11動作パラメータを修正するために、ソフトウェア定義された技法を使用することによって実行される、MIMOトランシーバを構成することと、
前記周波数シフトされた周波数帯域において動作し、前記所定の中心周波数及びチャネル・サイズを利用するために、前記制御ステーションとのネットワーク化通信において複数の工業用デバイスを構成することと
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年7月20日に出願され、参照により本明細書に組み込まれる、米国仮出願第62/701,202号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、工業アプリケーションのために好適な特殊ワイヤレス通信構成に関し、より詳細には、特定の環境のニーズに対処するために標準IEEE802.11プロトコルを修正するためのアプリケーション固有のソフトウェア定義された動作パラメータに関する。
【背景技術】
【0003】
最適なワイヤレス接続性に対するニーズの多様なセットがある。基準の特定のセット(たとえば、レンジ、電力、速度)を最適化するために多くの技術が開発されてきた。図1は、主要なワイヤレス技術の各々についての例示的な好ましい利用を示す。各ワイヤレス・デバイス/アプリケーションが、データ・スループット、レイテンシ、レンジ、モビリティ、電力などに関して、それ自体の要件を有することを理解することは比較的簡単である。明らかに、異なる使用事例のすべてを満たす技術は1つもない。
【0004】
図1を検討すると、(IEEE802.11標準に基づく)ユビキタスWi-Fiは、認可フリー、高速ワイヤレスLAN(WLAN:wireless LAN)カテゴリーのための争う余地がない選択肢であることは明らかである。Bluetooth及びIEEE802.15.4のいくつかの変形態が、短距離、低データ・レート・アプリケーションのために検討されているが、LoRA、SIGFOX及びNB-IoTは、超長距離、低電力、低スループットのセンサー接続性アプリケーションのための候補として議論される。研究及び開発の現在の分野は、工業用モノのインターネット(IIoT:Industrial Internet of Things)のための様々なワイヤレス接続性オプションに関連する。様々な定義の主題として、「モノのインターネット」(IoT:Internet of Things)は、一般に、1つの「スマート」デバイスが人間の干渉なしに(すなわち、マシンツーマシン(M2M))別の「スマート」デバイスと通信することが可能であるという提案に関連する。スマート・オブジェクトは、環境がどのくらい複雑であり得るかにかかわらず、それらの現在の環境へのそれらの応答を合わせることがますます可能である。「工業用」IoT(IIoT)は、センサー、コンピュータ、及びスマート・デバイスが一緒に稼働する必要がある製造/工業環境においてM2Mに焦点を当てられた、IoTの特殊な、また多産な部分であると考えられる。LTE及び5G公衆ネットワークは、アクセスが容易であるので、IIoTアプリケーションのための候補として、ますます検討される。しかしながら、これらの公衆セルラー・ネットワークは必要な価格性能比を与えない。すなわち、公衆ネットワークは意図的に多数のユーザの間で共有されるので、それらは、比較的低速度、低QoS、及び高レイテンシを呈し、たいていの場合、毎月発生する高い料金でしか利用可能でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、IIoTに関連する様々なアプリケーション/環境の多様なニーズに対処するワイヤレス通信アーキテクチャのニーズが残っている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術に残っているニーズは、工業アプリケーション(IIoTなど)のために好適な特殊ワイヤレス通信構成に関し、より詳細には、特定の環境のニーズに対処するために(一般に様々なWiFi用途のために実装される)標準IEEE802.11プロトコルを修正することによって与えられる、アプリケーション固有のソフトウェア定義された動作パラメータの実装に関する、本発明によって対処される。
【0007】
本発明の原理によれば、ワイヤレス通信のための様々な工業アプリケーションは、ますます高速(現在1ギガビット・レートを超える)で比較的大きいサイズのチャネルのユビキタスWiFiパフォーマンス・ドライバによって最良にはサービスされないことがあることがわかっている。むしろ、工業アプリケーションは、(数kmsの程度、或いは最大20kms以上の)送信レンジ、雑音の多い環境における通信、及び信頼性などの特徴に優先順位を付ける傾向がある。したがって、本発明は、特に、工業アプリケーションの特定のニーズに対処するために1次コアIEEE802.11機能を拡張することと、ケースバイケースで、各個々のアプリケーションのニーズを最も満たすプライベート通信ネットワークを構成することとを対象とする。たとえば、高速で移動する無人車両のネットワークの制御は制御ステーションと各車両との間の低レイテンシ通信を必要とする。監視、公共安全など、機密性の高いアプリケーションでは、特定の暗号化技法を利用する必要がある。多数の干渉源があるウェアハウス通信アプリケーションでは、適切な信号コーディングが必須である。したがって、すべての考えられるIIoTアプリケーションのための「万能(one-size-fits-all)」ワイヤレス通信ソリューションは実行可能な手法ではない。
【0008】
本発明の様々な実施例では、より新しいWiFiシステムに関連する超高スループットは工業アプリケーションのための重要なパラメータではないので、IEEE802.11標準における20/40/80/160MHzの従来のチャネル・サイズの代わりに、比較的小さいチャネル・サイズ(たとえば、1.25MHzほどの小ささであり、他の企図されるチャネル・サイズは、たとえば3~5MHzの程度である)を利用することによって、システム及び方法が実装される。小さいサイズのチャネルの使用から導出される様々な恩恵について、以下で詳細に説明する。チャネル・サイズのほかに、本発明の様々な実施例は、特に、制御ステーションと工業用デバイス(ノード)との間に確立されるアップリンク及びダウンリンク・チャネルのプロパティを定義する。通信の意味で「ノード」として定義されるような通信機能を含む「工業用デバイス」は、たとえば、無人車両(たとえば、ドローン、地上ローバ)、ロボティック・デバイス、セキュリティ・デバイス、工業用センサーなどを含む。「工業用デバイス」のこれらの場合、制御ステーションは、現場において展開されるこれらのデバイス(たとえば、ドローン、無人地上車両、採掘車両など)にコマンドを送信するために使用されるので、制御ステーションから個々のデバイスへのアップリンク・コマンド及び制御通信のための「超高信頼低レイテンシ・チャネル」(URLLC:Ultra Reliable Low Latency Channel)構成を実装することは、優先順位が高い。さらに、(自己復元と自己形成の両方を含む)マルチ周波数メッシュ・ネットワーク・アーキテクチャの利用は、基地局から所与のノードへの単一の「ホップ」における見通し内(line-of-sight)送信が問題である、工業アプリケーションの通信レンジを延長する能力を促進し、また、メッシュ・ネットワークを通す異なる経路を介して同じコマンド/制御メッセージを送信することが可能であることによって信頼性を改善する。
【0009】
好ましい実施例では、本発明は、制御ステーションと各工業用デバイス/ノードとの間のいくつかの動作パラメータを交換するために、双方向プロトコルを利用する。たとえば、米国のFCCによる最近実装された「共有スペクトル」要件は、これらの特定のスペクトルにおいて送信を開始する前に、中央当局に「チャネル」及び「送信電力」許可を要求することを、プロバイダに要求している。双方向プロトコルは、所与のチャネル及び送信電力のための許可を取得している制御ステーションが、次いで、そのプライベート通信ネットワーク内の他のノード(工業用デバイス)とこの情報を共有する(必要に応じて、チャネル割当てと電力レベルとを更新する)ことが可能であるように、本発明的構成において利用される。
限定はしないが、「ACK」タイミング・ウィンドウ、送信電力制御、チャネル選択、証明モードなどを含む、追加のパラメータにおける他の調整も、以下で詳細に説明するように、特定の工業アプリケーションのために個々に合わせられ得る。
【0010】
別の言い方をすれば、本発明は、以下で「ブロードバンド工業用インターネット」(BII:Broadband Industrial Internet)システム・アーキテクチャと時々呼ぶ、異なる工業アプリケーションの多様なニーズを満たすために動作パラメータに関して合わせることが可能である「アプリケーション固有の」ワイヤレス通信システムを提案する。
【0011】
本発明のBIIシステム・アーキテクチャは、長レンジ、高スループット通信のためのギャップを埋めるものとして企図される。以下で詳細に説明するように、IEEE802.11標準の恩恵を維持しながら、耐干渉性のロバストなワイヤレス・ブロードバンド通信を達成するために、様々な物理及びMACレイヤ・パラメータが、各特定の工業アプリケーションのためにBIIアーキテクチャにおいて個々に制御される。さらに、(本発明者らの同時係属出願第15/986,913号に記載されているように、ソフトウェア制御の周波数シフトを介して)定義された通信リンクを別の帯域に周波数シフトする機能を活用することによって、隣接するチャネルとの干渉が回避される。
【0012】
本発明の例示的な実施例は、制御ステーションと、制御ステーションからのコマンドに応答する少なくとも1つの「工業用デバイス」とを備えるワイヤレス通信システムの形態をとる。制御ステーション自体は、ユーザと対話するための通信インターフェースと、特定の工業アプリケーションのために選択されたアプリケーション固有動作周波数帯域及びアプリケーション固有チャネル・サイズを与えるために、ソフトウェア定義された制御を利用するMIMOトランシーバとを含む。MIMOトランシーバは、特定の工業アプリケーションのために性能を最適化するために、選択されたIEEE802.11動作パラメータを修正するように構成され、修正のために利用可能なIEEE802.11動作パラメータのグループは、少なくとも、送信電力、受信機感度、ネットワーク・アーキテクチャ、通信レンジ及びACKタイミング・ウィンドウを含む。MIMO構成されたアンテナ構成は制御ステーションに含まれる。相応して、少なくとも1つの工業用デバイスは、制御ステーションとの適切な送信のためのMIMOアンテナ構成をも含む。少なくとも1つの工業用デバイスは、制御ステーションMIMOトランシーバの特性を整合させるために、ソフトウェア定義された制御を利用するMIMOトランシーバと、工業用デバイスに関連するコマンドを決定するためのMIMOトランシーバによって受信された信号に応答するプロセッサと、少なくとも1つの工業用デバイスの活動を開始し、コマンドに応答して工業用デバイスによって収集されたデータを受信するための(プロセッサに応答する)制御ユニットとをさらに備え、工業用デバイスMIMOトランシーバは、収集されたデータを制御ステーションに送信するようにさらに構成される。
【0013】
本発明の別の例示的な実施例は、関連がある動作パラメータのセットのプロファイルによって定義された特定の工業アプリケーションのための標準IEEE802.11プロトコルに基づいて、プライベート・ワイヤレス通信ネットワークをプロビジョニングする方法の形態をとる。本方法は、100MHz~100GHzのレンジ内で標準WiFi動作周波数帯域をターゲット帯域に周波数シフトすることであって、ターゲット帯域が特定の工業アプリケーションのために好ましいものとして識別される、周波数シフトすることと、チャネル・サイズを、IEEE802.11において定義された標準20/40/80/160MHzサイズから、特定の工業アプリケーションのデータ・スループットをサポートするのに十分な所定の値に縮小することと、特定の工業アプリケーションに関連する関連がある動作パラメータのプロファイルをカスタマイズすることであって、関連がある動作パラメータのセットが、レイテンシ、双方向制御プロトコル、ビデオ送信レート、送信電力、受信機感度、ネットワーク・アーキテクチャ、通信レンジ、ACKタイミング・ウィンドウからなるIEEE802.11パラメータのグループから選択される、プロファイルをカスタマイズすることとを含む。
【0014】
本発明の他の及びさらなる態様及び利点は、以下の説明の過程で、添付の図面を参照することによって明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】データレンジ対信号レンジの関数としてプロットされた、様々なワイヤレス通信サービス提供の描写である。
図2】従来の先行技術2×2MIMOアーキテクチャを示す図である。
図3】ソフトウェア定義されたチャネル割当て及び関係するパラメータによって許可される、(たとえば)100MHz~100GHzにわたる、本発明によるBIIの例示的な動作レンジを示す図である。
図4】特に、標準RFモデムの出力を別の動作周波数帯域に周波数シフトするために、ソフトウェア定義されたフロントエンド・サブシステム・モジュールを使用することに基づいて、無人空中車両(UAV/ドローン)の制御など、工業アプリケーションのために構成されたこの特定の例における、本発明の例示的なアプリケーション固有BIIシステムのブロック図である。
図5】システム中のノード間の信頼できる接続を構成するために、IEEE802.11のMIMO及びCOFDM属性を利用して、ソフトウェア定義された動作帯域周波数選択及びチャネル・サイズを与えるために、コンピュータ制御「特殊帯域」トランシーバを使用するこのケースにおける、アプリケーション固有BIIシステムの代替実施例のブロック図である。
図6】完全一体化代替例を作成するために、特殊帯域トランシーバをもつ一般的なモジュール内に処理機能を組み込んだこのケースにおける、本発明のまた別の実施例のブロック図である。
図7】本発明に従って形成された例示的なアプリケーション固有プライベート・ネットワークの通信レンジを延長するための、ノード間のホッピングの利用を示す簡略図である。
図8】本発明に従って形成されたアプリケーション固有通信ネットワーク内で使用される、例示的な制御ステーションと工業用デバイス(たとえば、無人車両、ロボティック・デバイスなど)との間のアップリンク・チャネル及びダウンリンク・チャネルにおける周波数ダイバーシティの利用を示す簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のワイヤレス、ブロードバンドWAN技術は、ユビキタスWi-Fiの最先端の多入力多出力(MIMO)性能を活用し、その使用を所望の周波数帯域に拡張し、それにより、特定の工業環境において信頼性と高スループットと(たとえば、比較的長いレンジ(kms)にわたる、又は無線干渉などの複数の発生源をもつウェアハウスなど、雑音の多いロケーションにおける、信頼できる動作)を必要とするアプリケーションのためのプライベート・ワイヤレス・ネットワークを実装するためのコスト効果的なソリューションを与える。この発明的ワイヤレス技術を以下で「工業用インターネットのためのブロードバンド」、又は単にBIIと呼ぶ。
【0017】
そのコアにおいて、BIIは、ワイヤレス通信のためのIEEE802.11標準において指定されているものと同じMIMO/COFDM技術を使用する。「多入力多出力」を指す「MIMO」は、複数の送信アンテナを介して複数のワイヤレス信号を送るために単一の送信機を利用する。関連する受信機も複数のアンテナ要素を利用し、その組合せが、マルチパス伝搬を活用することによって、同じ無線チャネルを介して2つ以上のデータ信号を同時に送信及び受信することを可能にする。図2は2×2MIMO構成を示す。このマルチ信号MIMO構成は、両方の方向に送信されるワイヤレス信号のための符号化方式として、コーディングされた直交周波数分割多重(COFDM:coded orthogonal frequency division multiplexing)の好ましい使用と結合される。COFDMは、高いレベルのマルチパス伝搬と、送信機構成要素と受信機構成要素との間の可変遅延とを処理するその能力でよく知られている変調方式であり、工業用無線通信アプリケーションの動的態様は、このタイプの符号化を使用することによって役立つ。
【0018】
本発明の原理によれば、MIMO物理的トポロジーを維持し、COFDM変調を使用しながら、特定の工業アプリケーションのために耐干渉性でロバストなワイヤレス通信を達成するために、IEEE802.11標準の様々な物理パラメータ及びMACレイヤ・パラメータが微調整される。特に、本発明のBIIアーキテクチャは、ソフトウェア定義された動作周波数帯域選択、チャネル・サイズ及び中心周波数のための拡張を組み込んでいる。BII波形は任意の周波数帯域において動作することが可能である。この周波数フレキシビリティは、発明的方法論が様々な国において使用されること、並びに、任意の工業固有の周波数帯域において展開されることを可能にする。その上、帯域選択とともに利用可能な周波数アジリティは、非常に多くの失敗が検出される場合に送信成功率とチャネル再割当てとをリアルタイムで監視することを可能にする。チャネル・サイズは、たとえば、当技術分野でよく知られているダウンクロッキング技法を使用することによって調整され得る。
【0019】
IIoTアプリケーションは、要求がより厳しくなっているので、より洗練されたネットワーキング機能を必要とする。単一のワイヤレス・ネットワーキング・ソリューションを利用することを試みる代わりに、本発明のBII手法は、各アプリケーションのために最も好適な関数セットを作成するために、以下で説明するソフトウェア定義されたパラメータを使用する、アプリケーション固有のワイヤレス通信構成の作成を可能にする。特に、これらのパラメータは、チャネル・サイズ、レイテンシ制御、ビデオ・ストリーミング要件、マルチ周波数メッシュ・ネットワーキング、動作パラメータを通信するための双方向プロトコル、ACKタイミング・ウィンドウの調整、送信電力調整、動的チャネル選択、自動化されたテスト・モード機能などから選択される、様々な組合せを含む。周波数シフト、帯域フィルタ処理、及びチャネル・フィルタ処理を行う能力と結合されたとき、本発明によって与えられるコアIEEE802.11機能へのこれらの拡張は、パラメータのアプリケーション固有のセットが異なる工業アプリケーションのために定義されることを可能にする。以下のパラグラフは、様々な工業アプリケーションのための最適化されたワイヤレス通信ソリューションを与えるために本発明に従って修正されたパラメータ/拡張に関する追加の詳細を与える。
【0020】
チャネル・サイズに関して、標準IEEE802.11 20/40/80/160MHzチャネル・サイズから1.25MHzほどの小ささのチャネル・サイズを作成するために、様々なダウンクロッキング/アンダークロッキング技法が使用され得る(後述のように、フレキシブルな、小さいチャネル・サイズを定義する能力は、以前はアクセス可能でなかった周波数帯域においてIIoTワイヤレス通信ネットワークを実装する可能性を開く)。
ワイヤレス通信ネットワークのための様々な工業アプリケーションは、比較的「低い」スループット要件(たとえば、ストリーミング・ビデオの送信のために使用される、1~100Mbpsの程度のデータ・スループット)を有する限り、小さいチャネル・サイズで十分である(実際、標準チャネル・サイズを使用する帯域幅のかなりの部分を「浪費」するよりもスペクトル効率的である)。小さいチャネル・サイズを使用すると、したがって、より多くのチャネルが所与の帯域における使用のために利用可能になり、チャネル間の干渉の機会が減り、ネットワークがより多くの工業用デバイス(すなわち、「ノード」)をサポートすることが可能になる。また、チャネル・サイズが小さくなると、受信機感度が高くなり、通信レンジが拡張される。たとえば、1.25MHzチャネルは、20MHzの「標準」WiFiチャネル・サイズよりも約16倍長いレンジを有する。上述のように、より小さいチャネル・サイズはまた、標準のより大きいサイズのWiFiチャネルを採用することができないであろういくつかの帯域(6MHzの最大チャネル・サイズを有する「TVホワイト・スペース」、TVWS帯域、など)を利用する可能性を開く。
【0021】
実際、本発明の重要な態様は、送信のために使用される周波数帯域と、選択された帯域のフレキシブルなチャネル・サイズの両方が、ソフトウェア定義された要素であることである。本発明者らの同時係属出願15/986,913は、周波数シフトを行うための例示的な手法を詳細に記載しており、これは参照により本明細書に組み込まれる。本発明のBIIシステムによって構成されるアプリケーション固有の波形は、図3に示されているように、たとえば100MHzと100GHzとの間の周波数帯域において動作することができる。
【0022】
チャネル・サイズ自体は、1.25MHz(一般に利用可能でない狭い帯域)と(たとえば)約40MHzの広い帯域との間のどこかの値を有するようにさらに本発明に従ってソフトウェア定義され、チャネル・サイズの選択は特定のアプリケーションのスループット要件に基づく。ビット・コーディング・レートを自動調整することと結合された、チャネル・サイズを定義する能力は、BIIシステムの各アプリケーション固有の実装が、スペクトル効率的であり、そのアプリケーションのための可能な最大の信号対雑音比(SNR)において動作することを可能にする。以下で説明するように、いくつかの国際市場は、少量の利用可能なスペクトルしか有しない。チャネル・サイズを収縮させる能力は、これらの市場においてIIoTアプリケーションのためのワイヤレス通信構成を作成する可能性を開く。
【0023】
本発明者らの同時係属出願において詳細に記載されているように、他の帯域への周波数シフトは、標準WiFi周波数を、しばしば「ターゲット帯域」と呼ばれる別の(ソフトウェア定義された)帯域にシフトするために、外部ヘテロダイン・ミキサを使用することによって行われ得る。ターゲット帯域における干渉を回避するために追加の帯域・フィルタが含まれ得る。比較的長いレンジは、送信RF電力を増幅し、受信機損失を補償するために低雑音増幅器(LNA)のセットを使用することによって達成される。比較的長い距離(たとえば、数キロメートル)にわたって通信リンクを維持する能力は、航空、公共安全、鉱業、農業などの分野において、多くのIIoTアプリケーションのために重要である。
【0024】
いくつかのフレーム/パケット・プロトコルを無効にすることによって、発明的BIIアーキテクチャの様々な工業アプリケーションにおいて、選択された通信のレイテンシを著しく低減することが可能であることがわかっている。たとえば、急速に移動している車両は、車両の動作を監督する制御ステーションからの、信頼できる低レイテンシの「コマンド及び制御」通信を必要とする。本発明によれば、様々なデフォルトWiFi設定は比較的短い「コマンド及び制御」メッセージの送信のために最適でないことを理解することによって、レイテンシは従来技術の標準よりも著しく低減され、したがって、これらの設定を無効にすると、送信されるメッセージ長が短くなる。結果として、制御ステーションと各車両(ノード)との間のアップリンク・チャネルは、以下のリンク設定、すなわち、ソフトウェア再試行、ハードウェア再試行、フレーム・アグリゲーション、HT機能、特定のMCS(及びレガシー)レートのうちの1つ又は複数を無効にするによって、「超高信頼低レイテンシ・チャネル」(URLLC:Ultra Reliable Low Latency Channel)送信チャネルとして構成される。たいていの工業アプリケーションでは信頼性が重要であるので、マルチパス送信、前方誤り訂正、及びACK再送信に関係するMIMOの態様は、この目的で容易に利用可能である。
【0025】
本発明のBIIアプリケーション固有のワイヤレス通信システムは、メッシュ・ネットワーク中のノード間のいくつかの動作パラメータを交換するための双方向プロトコルを実装する。有利には、IEEE802.11において定義されているフレーム・パケットは、フレーム・ビーコン中にメッセージを含める機構を含む。そのように定義されているが、これらのビーコン・メッセージはまれにしか使用されない。したがって、この先在する機能における選択された周波数シフトされた帯域及び選択された帯域のチャネル・サイズに関するソフトウェア定義された情報を送信することによって、BIIシステムは、その機能を、所与のIIoTアプリケーション内で通信し得る他のワイヤレス・ノードに効率的にブロードキャストする。
【0026】
特に、このBII「制御プロトコル」は、現在FCCによって提案されている共有スペクトル・アプリケーションにおいて有利である。これらの状況では、FCCは、いくつかの認可帯域(たとえば、3.5GHz市民帯域無線サービス(CBRS:Citizen’s Band Radio Service)帯域及びサブGHz TVWS帯域)中の追加のスペクトル帯域を解放しており、それにより認可ユーザと無認可ユーザとの間で周波数帯域を「共有」する。エンティティは、これらの「共有」周波数を使用するために、最初に、FCCによって管理される中央データベースから特定の周波数において(及び指定された最大電力で)通信するための許可を取得しなければならない。本発明によれば、したがって、制御ステーションは、識別されたチャネル及び送信電力についての許可を取得し、その後、この情報をネットワーク中のすべての他のノード(すなわち、工業用デバイス)に効率的な様式で通信し得る。
【0027】
所与の工業アプリケーションのために修正され得る他のパラメータ/拡張は、通信自体の態様を制御することに関連する。たとえば、ACK送信のための「タイミング・ウィンドウ」は、「長レンジ」環境において動作する工業アプリケーションのために修正され得ることが企図される。従来のWiFiアプリケーションでは、ACKタイミング・ウィンドウは、約200メートルの送信レンジに適応するように構成される。明らかに、選択された工業アプリケーションのための10kmのレンジは、著しくより長いウィンドウを必要とし、本発明のシステムは、リモートに位置するノードからのACK応答の飛行時間が、それが制御ステーションに到達するのに十分であることを保証するために、このタイミング・ウィンドウが調整されることを可能にする。
【0028】
本発明の例示的なアプリケーション固有のプライベート通信ネットワーク中のノード(工業用デバイス)は、さらに、ネットワーク中の近隣ノードからの受信信号電力(受信信号強度インジケータ(RSSI:Received Signal Strength Indicator))を常時監視し、必要に応じて「電力調整」コマンドを送るように構成され得る。他のノードの極近傍内のノードは、良好な通信を維持するために、このようにして「ちょうど十分な」電力を送信し、隣接するノードによって受信される雑音を低減することによってネットワーク品質を改善する。制御ステーションはまた、割り当てられた周波数帯域内のすべての利用可能なチャネルにわたって走査し、干渉が最小であるチャネルを選択し、動作環境が変化するにつれてチャネル選択を更新する(上記で説明したように、チャネル更新はネットワーク中のすべてのノードに送信される)ように構成され得る。
【0029】
網羅的なリスティングではないが、本発明に従って形成されたアプリケーション固有のワイヤレス通信システムを使用することによって恩恵を受け得るIIoTシステムの例示的なタイプは、航空、防衛、無人車両(空中及び/又は地上)、公共安全、エネルギー・システム(油、ガス又は電気)、及び「農業」(鉱業及び林業を含む)を含む。これらの各々は、その実装に固有である要件のセットを含み、本発明による物理及びMACレイヤ・パラメータを微調整する能力は、したがって、各ケースのための最適な解決策を与える。
【0030】
たとえば、無人空中車両(UAV、ドローンとも呼ばれる)とのワイヤレス通信を行うことは、一般的な明確な「見通し線」(LOS)を利用することができ、これは、したがって、少量のマルチパス反射のみを呈し、小さいチャネル・サイズを使用して信頼できる通信を容易に行い得る。比較的長い距離にわたる通信を維持する能力は重要であり得るので、発明的BIIアーキテクチャの小さいチャネル・サイズ(或いは、異なる帯域にシフトされる動作周波数)は、基地局と所与のドローンとの間の使用可能なレンジを拡張する。さらに、ドローンへのアップリンク接続は、低レイテンシで信頼できる必要があり、上記で説明したURLLC機能を利用することは、したがって、本出願のために好適である。
【0031】
でこぼこの地勢にわたって配設される複数の車両、機器、及び人員からなる現場作業(たとえば、鉱業、エネルギー、農業)では、一定の信頼できる接続性を与える通信システムが優先事項である。ここでは、高電力の長距離リンクを優先させるようにBIIシステムを構成することが、他の考慮事項に優先する。
【0032】
前述のように、COFDMチャネル・サイズを調整するためにダウンクロッキング技法が使用され得、帯域幅は、一般に、特定のアプリケーションのスループット要件のために定義される。COFDMビット・レートを自動調整することと結合された、チャネル・サイズを定義する能力は、発明的BIIシステムがスペクトル効率的であり、可能な最大のSNRにおいて動作することを可能にする。実際、これらの拡張は多くの新しい可能性を開き、BIIを万能なワイヤレス技術にする。
【0033】
図4は、特に「無人空中車両」(UAV:unmanned aerial vehicle)アプリケーションのために構成された、BII通信システム10の例示的な実装のブロック図である。以下で詳細に説明するように、本出願は、1つ又は複数のUAV14(ドローンなど)の動きと動作とを制御するために使用される「地上」制御ステーション12(又は場合によっては、メッシュ・トポロジーにおいてネットワーク化された複数の制御ステーション)からなり、UAVは、時々以下で「工業用デバイス」又は「ノード」とも呼ばれる。需要の高まりによって刺激されて、UAV製造業者は、レンジ及び機能に関してそれらのシステムの性能を急速に改善している。しかしながら、これらのシステムが長い距離から又は雑音の多い環境において十分な機能を維持することを可能にする通信波形を見つけることに問題が残っている。本出願にとって重要な項目は、順不同で、たいてい「ニアLOS」(NrLOS:near-LOS)環境における比較的小型/軽量及び長レンジの通信機能、並びに、とりわけ、周波数アジリティ、拡張機能、暗号化の使用を含む。
【0034】
図4に示されている本発明の特定の実施例において、制御ステーション12は、従来のRFモデム18とアンテナ20との間の「アプリケーション固有」インターフェースとして機能するフロントエンド・サブシステム(FES:front-end subsystem)16を利用するように構成される。この例では、FES16は、このアプリケーションのための割り当てられた帯域への(ソフトウェア定義された)従来のWiFi帯域から離れた周波数帯域シフトを行う。FES16はまた、「ダウンクロッキング」などソフトウェアベースの技法を使用することによって関連するチャネル・サイズを定義する。動作中、システム・ユーザは、通信インターフェース22を介して制御ステーション12内のコンピュータ処理システム24にコマンドを入力することによって特定のUAV14(たとえば、UAV14-1)の動作を制御することが可能である。
【0035】
たとえば、ユーザは、UAV14-1に、ユーティリティ・サブステーションにおいて送電線の検査を実行させることを望むことがある。ユーザは、この動作のための適切なコマンドを入力し、UAV14-1を、検査を実行するための工業用デバイスとして識別する。コンピュータ処理システム24は、UAV14-1のIDを認識し、RFモデム18を通してコマンドをFES16に転送する。上述のように、FES16は、UAV14-1と通信するために選択された特定の動作周波数及びチャネル・サイズを定義するようにソフトウェアによって構成され、ユーザからの制御コマンドは、次いで、選択された動作周波数においてUAV14-1に送信される(含まれているアンテナ構成を介してRF信号波として送信される)。本発明のこの特定の実施例の態様は、フロントエンド・サブシステム16が、UAV14-1と最良に通信するために、必要とされる周波数シフト及びチャネル・サイズ決定を(ソフトウェアを介して)実行するように機能することである。
【0036】
UAV14-1(並びに例示的な工業用通信ネットワーク内で展開されるUAV14-2及び他のUAV)は、コマンド信号を復元するように機能する(同じ動作周波数帯域において動作し、同じチャネル・サイズを使用する)同様のフロントエンド・サブシステム16Uを含むものとして示されており、コマンド信号は、その後、含まれているコンピュータ処理ユニット24Uによって解釈される。ここで、「コマンド」は、UAV14-1を移動する/リダイレクトすること、並びにビデオ・ストリームを記録するようにUAV14-1に要求することなどの項目を含み得る。コンピュータ処理ユニット24Uは、したがって、UAV14-1の「飛行制御」を与えるように含まれているデバイス・コントローラ26に命令し、ユーティリティ・サブステーションにおいてビデオを記録するように含まれているカメラ28に命令する。ビデオは、その後、UAV14-1と制御ステーション12との間に作成されたダウンリンク・チャネルを介して送られる。一般に、各UAV(又は他のアプリケーションにおける工業用デバイス)は、カメラに加えて(又はその代わりに)1つ又は複数の周辺機器を含み得、周辺機器は、異なるタイプの環境センサー、又はネットワークのユーザ/オーナーのために有用な情報を収集するために適切な要素を含み得ることを理解されたい。
【0037】
本発明のこの特定の実施例は、制御ステーション中にRFモデムの出力(従来のWiFiでは、RFモデム出力は、ネットワークを介して送信される実際の信号である)においてフロントエンド・サブシステムを組み込むことによって、レガシーWiFiネットワークがアプリケーション固有のBIIシステムに変換されることを可能にする。
【0038】
たいていの現実世界のUAVアプリケーションは、「クリーンで、干渉フリーの、LOS環境」から遠く離れている。代わりに、これらのUAVアプリケーションは、常に変化するリンク状態により、重要なRFの課題になる傾向がある。たとえば、変動する方位、チルトアンドロール(tilt-and-roll)、マルチパス反射、アンテナ・シャドーイングなどの影響は、基地局と各個々のリモートUEとの間のリンク品質をすべて劇的に変化させ得る。
【0039】
IEEE802.11標準のコア・パラメータのうちの1つであるMIMO技術は、限定はしないが、パケットごとのレート適応、RF電力制御、畳み込み符号化、前方誤り訂正、ACK再送信、最大比合成(maximal ratio combining)、空間多重化、及び時空間ブロック・コーディングを含む先進機能のセットによって、これらの危険を軽減する。図2に関連して上記で説明したように、2×2MIMOアーキテクチャは、アンテナ・ダイバーシティを与え、したがって、UAVのロール及びピッチによって引き起こされる動的リンク状態に対処する。小さいチャネル・サイズを使用する能力は受信機を最適化する。高レベルの受信機感度及びSNRにより、システムは干渉を処理し、長距離において動作することが可能になる。
【0040】
図5は、BIIワイヤレス通信システム50が、UAVアプリケーションのこれらの特定の工業上の課題に対処するためにMIMO及びCOFDM機能を利用する、本発明の代替実施例を示す。この実施例では、システム50は、ソフトウェア定義された動作周波数とソフトウェア定義されたチャネル・サイズとを与える「特殊帯域」トランシーバ54を利用する制御ステーション52を備える。ユーザによって与えられた「コマンド及び制御」信号の形態での特殊帯域トランシーバ54への入力は、通信インターフェース56を介して、制御ステーション52の計算システム58に与えられる。特定のUAV60(たとえば、図5に示されているUAV60-1)のためのコマンドは、計算システム58によって認識され、特殊帯域トランシーバ54に転送される。特殊帯域トランシーバ54は、ネットワーク内のすべてのUAV60と通信するために選好される特定の動作周波数帯域及びチャネル・サイズを定義するためにソフトウェア制御を利用し、したがって、ユーザコマンドを定義された動作周波数においてUAV60-1に送信する(含まれているアンテナ構成を介してRF信号波として送信される)ように機能する。各UAV60はまた、特殊帯域トランシーバ54Uを含み、適切な動作周波数帯域及びチャネル・サイズのソフトウェア定義された割当てを使用する機能は、制御ステーションと各UAVとの間の信頼できる通信を与える。本発明のこの実施例の態様は、通信ネットワークのユーザが、異なる周波数帯域においてネットワークを動作させることを後で決定する場合、特殊帯域トランシーバ54Uは、異なる定義された周波数帯域において動作するように構成されたトランシーバの別のセットと単に「スワップ・アウト」され、本発明のこの特定の実施例とともにプラグアンドプレイ機能を与え得ることである。
【0041】
UAVアプリケーションにとっての別の優先事項は、通信システムのサイズと重量とを最小にする能力である。したがって、すべての通信ニーズを処理するためにUAV上で単一の「インテリジェント無線」を使用する能力は、現在必要とされているように、複数のデータ・リンクを使用する実装の複雑さを緩和する。図6は、本発明のまた別の実施例を示し、この場合、単一の無線構成要素が、制御ステーションと各UAVの両方の中に含まれ、UAVの動作を効果的に制御するために双方向通信を行う。ここで、システム70は、通信インターフェース76を介してユーザによって制御される、インテリジェントなプログラマブル特殊帯域トランシーバ74を含む、制御ステーション72を含む。各UAV78はまた、(アップリンク・チャネルを介して)制御ステーション82からコマンド及び制御信号を受信するとともに、収集されたデータ(すなわち、センサー・データ、一般にライブ・ストリーム・ビデオ)をダウンリンク・チャネル上で制御ステーション72に送信するために使用される、インテリジェント・トランシーバ74Uを含む。UAV78へのアップリンク「コマンド及び制御」は、低いレイテンシで大いに信頼でき(一般に、これのためにBIIシステムURLLCを使用する)、最高優先度レベルにおいて通信を行い、非常に雑音の多い環境においてさえも信頼できる通信を保証するRFパラメータを可能にする必要がある。
【0042】
所与のUAV78から制御ステーション72へのダウンリンクは、しばしば、大量のセンサー・データを搬送する。ストリーミング4Kビデオは約20Mbpsのスループットを必要とするが、低解像度ビデオの場合には約1Mbpsのスループットで十分である。これらのレートにおいて長い距離にわたって送信するために、最適化されたストリーミング・センサー・チャネルが使用され得る。本発明の原理によれば、1つの例示的な「最適化」されたチャネルは、失敗したパケットのための「再試行」の回数を制限するように意図的に構成される。標準WiFi送信は、失敗したパケットのための30回の再試行を利用することがデフォルトになっている。再試行のこの回数を(たとえば)5回未満、又はさらにはたった2回に減らすことによって、長い距離にわたる連続ストリーミング送信が達成されることがわかっている。本発明の工業アプリケーションの場合、ビデオ/センサー・データ送信における時々のパケット損失はあまり重要ではなく、通信レンジを拡張するために達成される恩恵は、時々のパケットの損失を補償して余りあることが決定されている。
【0043】
発明的BII技術はまた、自動送信電力制御(ATPC:Automatic Transmit Power Control)機能を実装し得る。ここで、送信機は、受信信号強度の指示を取得するために受信機をポーリングする。送信機は、相応してその送信電力を調整するために、この情報を使用することが可能である。結果として、送信機は適切な通信のためにちょうど十分な電力を使用しているので、「雑音汚染」が回避される。有利には、送信電力を制御する能力により、送信デバイスが近くのノードに通信しており、比較的低い送信機電力で十分である状況では、DC電力消費が下がる。この特徴は、1つ又は複数のUAVが任意の所与の時点において基地局の近くにあり得る可能性がある、UAV工業アプリケーションにおいて特に有用である。オンボード・バッテリー電力が制限されるので、DC電力保存はドローンのために重要である。
【0044】
図4図6はUAVアプリケーションのための特定の実施例を示すが、特定の工業アプリケーションに関連があるアプリケーション固有のソフトウェア定義されたパラメータとともに、同様の構成要素構成が他の工業アプリケーション(例示的な他の工業アプリケーションは、無人地上車両(UGV)、遠隔操作ロボット、セキュリティ/監視、軍隊などを含むのために利用され得ることを理解されたい。
【0045】
発明的BIIシステムは、信頼性、通信レンジなど、特定の工業上の要件に関する追加の利点を与えるために、さらにプロビジョニングされ得る。特に、(いくつかのネットワーク・トポロジー中で利用可能な)ノード間の通信を許可することは、さもなければ「見通し内」(LOS)機能が制限されていることがある所与の工業アプリケーションにおいて通信レンジをさらに拡張する。すなわち、所与の送信が1つのネットワーク・ノード(すなわち、UAV)から次のネットワーク・ノードにホップすることを可能にすることによって、制御ステーションは、リモートに位置する工業用デバイス(無人車両など)、又は「雑音の多い」製造ロケーションにあるロボティック・デバイスと通信することが可能である。図7は、この原理を示す簡略図であり、制御ステーション80が、UAV82(ネットワーク中の1つの識別されたノード)にコマンド/制御信号を送信することを試みている。この場合、UAV82は、たまたま制御ステーション80のLOSを越えて配置される。示されているネットワークは、追加のUAV/ノード82a及び82bをも含むものとして示されており、ノード82aは制御ステーション80の比較的極近傍にある。UAV82に宛てられたコマンド送信は、したがって、ノード82a及び82bを通して「ホッピング」され得、制御ステーション80からかなりの距離にあり得るUAV82によって確実に復元され得る。
【0046】
その上、本発明の原理によるソフトウェア定義された周波数シフト及びチャネル割当ての使用によって、発明的BIIシステムは、個々のノードが(冗長/自己修復(self-healing)目的のために周波数を再利用する機能とともに)アップリンク及びダウンリンクのための異なる周波数を使用して通信することを可能にする。周波数ダイバーシティの使用はネットワーク回復力(resiliency)をさらに改善することが知られている。図8は、制御ステーション90とUAV(ノード)92との間の送信における周波数ダイバーシティの適用を示す。
【0047】
BIIのMACは、そのフラットIPアーキテクチャをもつ機能豊富なIEEE802.11に完全に準拠する。MACレイヤは、限定はしないが、様々なワイヤレス・ネットワーク・トポロジーを実装するための、インフラストラクチャ、アドホック、及びメッシュ動作モードを含む、多数の高度なネットワーク特徴をサポートする。MACレイヤは、ワイヤレス・データ・セキュリティの懸念に対処するために256ビットAES暗号化をサポートする。さらに、MACレイヤは、遅延敏感なアプリケーションのためのレイテンシを低減するために、マルチメディア・トラフィック及びQoS機構のためのキューを与える。
【0048】
周波数帯域(及びチャネル・サイズ)シフトする能力の結果として、BIIは、本発明によれば、たとえば、(米国では902~928MHzにわたる)900MHz帯域において動作するように適応され得る。900MHzにおけるRF信号は、(2.4GHz又は5GHzにおいて動作する)それらの従来のWi-Fiカウンターパートよりも遠い距離を伝搬する能力を有するので、この特定の周波数帯域は多くのアプリケーションのために有利である。900MHz帯域は、「工業」、「科学」、及び「医学」を表す、ISM帯域と呼ばれる。より長いレンジは、透過と回折という2つの異なる機構を介して達成される。「透過」は、建築物壁、植生、及び他の障害物を透過する900MHz波の能力を指す。実際、900MHzにおいて動作する信号は複数の建築物壁を通って伝搬することができるので、この周波数帯域は、送信側と受信側との間の直接の「見通し線」(LOS)を有しないアプリケーションのための優れた選定になる。「回折」は、その伝搬方向への物体及び他の障害を迂回する900MHz波の能力を指す。これらの送信特性の結果として、900MHz帯域におけるブロードバンド通信は、レンジ、透過及びスループットの良好なバランスを達成するために大いに望ましい。
【0049】
900MHz帯域は、ITUのリージョン2及び世界中のいくつかの他の国では認可フリーである。米国では、FCC Part15で認定された無線は、この帯域での無認可の動作について許可されている。したがって、この認可フリー帯域において実装されたプライベートWBWANは、発明的BII技術を使用することによって、パブリック・セルラー・ネットワークの毎月発生するコストを回避する。
【0050】
周波数シフト、チャネル・サイズを定義/制御すること、及びビーコン・スタッフィング(beacon stuffing)を使用することの機能を組み合わせることによって、本発明のBIIシステムは、最先端のIEEE802.11技術の恩恵を、様々な工業のために予約された「共有スペクトル帯域」のいずれか1つにもたらすことが可能であり、ブロードバンド通信が実際的でなかった周波数帯域においてブロードバンド通信が使用されることを可能にする。
【0051】
米国では、上記で説明した900MHz ISM帯域のほかに、これらの共有スペクトル帯域のうちのいくつかは、3.5GHz CBRS帯域、連邦帯域、WMTS及びMedRadio帯域、情報収集をテレビ局にアップロードするための放送補助サービス及びローカルTV送信、NATO、DoD、及び連邦政府によって使用される4.4~5.0GHz帯域を含む。
【0052】
要約すると、最先端のRF性能を与える発明的BIIシステムの重要な特徴は、長レンジ及び高スループット、図3に示されている100MHz~100GHz周波数レンジにわたる利用可能性、困難なRF環境での改善されたリンク品質のための耐干渉性のCOFDM/MIMO、NrLOS妨害のための例外的なマルチパス性能、(動的環境においてリンク性能を最大にするための連続的なパケットごとの最適化とともに)BPSKから64QAMまでの適応無線変調、効率的なスペクトル再利用のためのフレキシブルなソフトウェア定義されたチャネル・サイズ、グローバル・アプリケーションのためのソフトウェア定義された動作周波数(及び周波数シフト)、双方向トラフィックのための時分割複信(TDD:time division duplexing)、ロバストなデータ送信のためのMIMO特徴、雑音の多いスペクトル問題に適応するための自動チャネル選択、動的アンテナ・ダイバーシティ、及びモバイル・アプリケーションのための高速ハンドオフを含む。
【0053】
ネットワーク性能に関して、本発明の原理に従って形成されたBIIワイヤレス通信システムは、「コマンド及び制御」のための超高信頼低レイテンシ・チャネル(URLLC)、並びに、同じ無線リンクを介した最適化されたビデオ・ストリーミング・チャネル、ユニキャスト・ビデオ・トラフィックとマルチキャスト・ビデオ・トラフィックの両方のためのエンドツーエンドIPアーキテクチャ、オーバージエア・データのための256ビットAES暗号化、マルチ周波数メッシュ、及び共有周波数帯域動作において中央周波数コーディネータと協調する能力の使用を可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8