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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】殺虫エアゾール組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/06 20060101AFI20240115BHJP
   A01M 7/00 20060101ALI20240115BHJP
   A01N 53/04 20060101ALI20240115BHJP
   A01N 53/06 20060101ALI20240115BHJP
   A01N 53/08 20060101ALI20240115BHJP
   A01N 53/10 20060101ALI20240115BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
A01N25/06
A01M7/00 S
A01N53/04 510
A01N53/06 110
A01N53/08 100
A01N53/08 110
A01N53/10 210
A01P7/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018067048
(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公開番号】P2018172372
(43)【公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-03-26
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2017070170
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390000527
【氏名又は名称】住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石川 純
【合議体】
【審判長】阪野 誠司
【審判官】野田 定文
【審判官】宮崎 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-155774(JP,A)
【文献】特開平5-148102(JP,A)
【文献】特開平3-44305(JP,A)
【文献】特開2016-74645(JP,A)
【文献】特開2004-215662(JP,A)
【文献】特開2009-155290(JP,A)
【文献】特開2015-189704(JP,A)
【文献】特開平7-126107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01P
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ピレスロイド系殺虫成分、(B)12-ヒドロキシステアリン酸、(C)飽和脂肪族炭化水素系溶剤、および(D)噴射剤を含有する殺虫エアゾール組成物であって、
さらにアルコール成分としてエタノール、イソプロパノールおよびノルマルプロパノールからなる群より選択される少なくとも1種を含有し、
前記12-ヒドロキシステアリン酸の含有量が組成物全体量に対し0.05~3.0重量%であり、前記アルコール成分の含有量が組成物全体量に対し0.5~10重量%である
殺虫エアゾール組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の噴射剤がLPG又はジメチルエーテルの少なくとも1種を含有する殺虫エアゾール組成物。
【請求項3】
ピレスロイド系殺虫成分が、ベータ―シフルトリン、ビフェントリン、シペルメトリン、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、ペルメトリン、シラフルオフェン、トラロメトリン、モンフルオロトリンおよびシフェノトリンからなる群より選ばれる1種以上である請求項1~のいずれか1項に記載の殺虫エアゾール組成物。
【請求項4】
請求項1~のいずれか1項に記載の殺虫エアゾール組成物を用いたエアゾール剤。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の殺虫エアゾール組成物を噴霧することによって、害虫を駆除する害虫駆除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は殺虫エアゾール組成物、ならびに本発明組成物を用いたエアゾール剤、害虫駆除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
害虫を駆除するに際し、エアゾールを用いて害虫駆除組成物を噴霧することで害虫を駆除する方法が知られている。エアゾール組成物は、例えば、殺虫成分を石油系溶剤に溶解させて噴射剤とともにエアゾール缶に充填されるが、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソブチルやミスチリン酸ブチルといった高級脂肪酸エステルを併用することで、駆除効果の向上が図られている。(特許文献1、2)しかしながら、害虫駆除効果の面で未だ改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-139814号公報
【文献】特開2003-160418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、害虫駆除に優れる殺虫エアゾール組成物、本組成物を用いたエアゾール剤ならび害虫駆除方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討の結果、上記目的を達成するために以下の構成が優れた効果を奏することを見出した。
[1] (A)ピレスロイド系殺虫成分、(B)12-ヒドロキシステアリン酸、(C)飽和脂肪族炭化水素系溶剤、および(D)噴射剤を含有する殺虫エアゾール組成物。
[2](D)噴射剤がLPG又はジメチルエーテルの少なくとも1種を含有する[1]に記載の殺虫エアゾール組成物。
[3][1]または[2]に記載の害虫駆除組成物にさらにアルコール成分を含有する殺虫エアゾール組成物。
[4][1]~[3]のいずれかに記載の殺虫エアゾール組成物を用いたエアゾール剤
[5][1]~[3]のいずれかに記載の殺虫エアゾール組成物を噴霧することによって、害虫を駆除する害虫駆除方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の殺虫エアゾール組成物を用いることで、害虫を駆除することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に使用する殺虫成分の例としては、ピレスロイド系化合物が挙げられ、アクリナトリン、アレスリン、ベータ-シフルトリン、ビフェントリン、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、エンペントリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルバリネート、ハルフェンプロックス、イミプロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリン、レスメトリン、シグマ-サイパーメトリン、シラフルオフェン、テフルトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、テトラメトリン、d-テトラメトリン、モンフルオロトリン、シフェノトリン、アルファシペルメトリン、ゼータシペルメトリン、ラムダシハロトリン、ガンマシハロトリン、フラメトリン、タウフルバリネート、メトフルトリン、メパフルトリン、ジメフルトリン、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)ベンジル=2,2-ジメチル-3-[(1Z)-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペニル]シクロプロパンカルボキシレート)、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)ベンジル=2,2,3,3-テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(2-プロピニル)ベンジル=2,2,3,3-テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート等が挙げられる。これら殺虫成分については、1種を単独で用いても、または2種以上を併用してもよい。特に、ベーターシフルトリン、ビフェントリン、シペルメトリン、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、ペルメトリン、シラフルオフェン、トラロメトリン、モンフルオロトリン、シフェノトリン、が残効性の観点から好ましい。
【0008】
本発明組成物中において、殺虫成分の含有量は組成物全体量に対し0.01~3.0重量%である。0.01重量%未満の場合、十分な害虫に対する駆除効果が得られず、一方で3.0重量%を超えても格別メリットはない。
【0009】
本発明の殺虫エアゾール組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、ピレスロイド系化合物以外の殺虫成分を適宜含有させてもよい。ピレスロイド系化合物以外の殺虫成分の例としては、ネオニコチノイド系化合物、有機リン系化合物、カーバメート系化合物、IGR剤等が挙げられる。
【0010】
本発明組成物中において、12-ヒドロキシステアリン酸の含有量は、組成物全体量に対し0.05~3.0重量%である。12-ヒドロキシステアリン酸の含有量が本範囲内の場合、本発明害虫駆除組成物の害虫に対する駆除効果が優れる。
【0011】
本発明に使用する飽和脂肪族炭化水素系溶剤としては、特に限定されないが、ヘキサン、ケロシン、パラフィン、石油ベンジン等を用いることができる。これら溶剤については、1種を単独で用いてもまたは2種以上を併用してもよい
【0012】
本発明組成物中において、飽和脂肪族炭化水素系溶剤の含有量は、組成物全体量に対し20~80重量%である。20重量%以下だと、害虫に対する駆除効力の面で不十分となる。80重量%以上だと、エアゾールとしての適性な噴射力が維持出来なくなる。
【0013】
本発明に使用する噴射剤は、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)のうち、少なくとも1種を含有する。このうち、12-ヒドロキシステアリン酸の溶解性の点から、ジメチルエーテル(DME)が好ましい。
【0014】
本発明に使用する噴射剤としては、液化石油ガス(LPG)又はジメチルエーテルの他に、各種フルオロカーボン系噴射剤や、窒素ガスや炭酸ガスのような圧縮ガスを配合しても良い。
【0015】
本発明組成物中において、噴射剤の含有量は、組成物全体量に対し20~80重量%である。20重量%以下だと、エアゾールとしての適性な噴射力が維持出来なくなる。80重量%以上だと、引火爆発性が高まり危険性が増す。
【0016】
本発明の組成物には、さらにアルコール成分を配合することができる。アルコール成分として、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール等を用いることができる。アルコール成分を配合する場合、組成物全体量に対し0.5~10重量%である。
【0017】
エアゾール殺虫組成物は、エアゾール容器に充填することにより、エアゾール剤とすることができる。エアゾール容器としては特に限定はなく、例えば、耐圧容器、エアゾールバルブ、アクチュエーター等を備えた公知のエアゾール容器を用いることができる。
【0018】
本発明の害虫組成物のエアゾール剤は、害虫に直接噴霧して駆除するのはもちろんのこと、床面、壁面、ガラス面に接触した付着した害虫駆除組成物によって害虫を駆除することもできる。
【0019】
本発明のエアゾール殺虫組成物を用いて、以下の害虫を駆除することができる。
鱗翅目害虫:ノシメマダラメイガ等のメイガ類、イガ、コイガ等のヒロズコガ類等
双翅目害虫:アカイエカ、コガタアカ、イエカ、ネッタイイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のエーデス属、シナハマダラカ等のアノフェレス属、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ヒメイエバエ類、タネバエ、タマネギバエ等のハナバエ類、ショウジョウバエ類、オオキモンノミバエ等のノミバエ類、オオチョウバエ等のチョウバエ類、クロバネキノコバエ類、ブユ類、ヌカカ類等。
網翅目害虫:チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、トウヨウゴキブリ等。
膜翅目害虫:イエヒメアリ、クロヤマアリ、ルリアリ、アミメアリ、オオズアリ、ハキリアリ、ファイヤーアント、アルゼンチンアリ等のアリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類等。
隠翅目害虫:ネコノミ、イヌノミヒトノミ、ケオプスネズミノミ等。
シラミ目害虫:コロモジラミ、アタマジラミ、ケジラミ、ウシジラミ、ヒツジジラミ、ブタジラミ、イヌジラミ等。
等翅目害虫:ヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリ、ダイコクシロアリ、タイワンシロアリ、コウシュンシロアリ、サツマシロアリ、ナカジマシロアリ、カタンシロアリ、コダマシロアリ、クシモトシロアリ、オオシロアリ、コウシュウイエシロアリ、アマミシロアリ、キアシシロアリ、カンモンシロアリ、タカサゴシロアリ、ニトベシロアリ、ムシャシロアリ等。
半翅目害虫:ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ等のウンカ類、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイ等のヨコバイ類、トコジラミ、タイワントコジラミ等のトコジラミ類、キジラミ類等。
鞘翅目害虫:ヒメマルカツオブシムシ、ハラジロカツオブシムシ等のカツオブシムシ類、タバコシバンムシ等のシバンムシ類、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)、マツノキクイムシ等のキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、ヒョウホンムシ類等
ダニ目害虫:ケナガコナダニ等のコナダニ類、コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ等のヒョウヒダニ類、ホソツメダニ、クワガタツメダニ、ミナミツメダニ、イヌツメダニ等のツメダニ類、アオツツガムシ等のツツガムシ類、フタトゲチマダニ等のマダニ類。
ワラジムシ類:ワラジムシ、ホソワラジムシ、オカダンゴムシ等。
ハチ類:フタモンアシナガバチ、セグロアシナガバチ、キアシナガバチ、コガタスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、チャイロスズメバチ等。
ムカデ類:トビズムカデ、アオズムカデ、アカズムカデ、ゲジ等。
ヤスデ類:ヤケヤスデ、オビババヤスデ等。
クモ類:カバキコマチグモ、セアカゴケグモ等。
カメムシ類:クサギカメムシ等。
これらのうち、鱗翅目害虫、膜翅目害虫、等翅目害虫、ハチ類、ムカデ類、クモ類、カメムシ類に対し、高い効果を発揮する。
【0020】
以下、製剤例、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの製剤例、実施例によって限定されるものではない。なお、特に制限のない限り、「%」は「質量%」を意味する。
【0021】
[製剤例1]
殺虫成分としてd-テトラメトリンを0.10%、プラレトリンを0.10%、12-ヒドロキシステアリン酸を1.00%、アルコール成分としてイソプロパノールを5.00%混合後、40度に加温して各成分をイソプロパノールに完全に溶解させ、内容積580mlのエアゾール容器に充填する。続いてこのエアゾール容器に飽和炭化水素系溶剤として無臭ケロセンを53.80%充填し、エアゾール用バルブを装着して密閉し、さらにこのバルブを介して噴射剤としてジメチルエーテルを40.00%充填し、殺虫エアゾール組成物を得る。
【0022】
[製剤例2]
殺虫成分としてペルメトリンを0.10%、12-ヒドロキシステアリン酸を1.00%、アルコール成分としてイソプロパノールを5.00%混合後、40度に加温して各成分をイソプロパノールに完全に溶解させ、内容積580mlのエアゾール容器に充填する。続いてこのエアゾール容器に飽和炭化水素系溶剤として無臭ケロセンを53.90%充填し、エアゾール用バルブを装着して密閉し、さらにこのバルブを介して噴射剤としてジメチルエーテルを40.00%充填し、殺虫エアゾール組成物を得る。
【0023】
[製剤例3]
殺虫成分としてd-テトラメトリンを0.10%、ベーターシフルトリンを0.10%、12-ヒドロキシステアリン酸を1.00%、アルコール成分としてイソプロパノールを5.00%混合後、40度に加温して各成分をイソプロパノールに完全に溶解させ、内容積580mlのエアゾール容器に充填する。続いてこのエアゾール容器に飽和炭化水素系溶剤として無臭ケロセンを53.80%充填し、エアゾール用バルブを装着して密閉し、さらにこのバルブを介して噴射剤としてジメチルエーテルを40.00%充填し、殺虫エアゾール組成物が充填されたエアゾール剤を得る。
【0024】
[製剤例4]
殺虫成分としてd-テトラメトリンを0.10%、イミプロトリン0.10%、ビフェントリンを0.10%、12-ヒドロキシステアリン酸を1.00%、アルコール成分としてイソプロパノールを5.00%混合後、40度に加温して各成分をイソプロパノールに完全に溶解させ、内容積580mlのエアゾール容器に充填する。続いてこのエアゾール容器に飽和炭化水素系溶剤として無臭ケロセンを53.70%充填し、エアゾール用バルブを装着して密閉し、さらにこのバルブを介して噴射剤としてジメチルエーテルを40.00%充填し、殺虫エアゾール組成物が充填されたエアゾール剤を得る。
【0025】
[製剤例5]
殺虫成分としてトランスフルトリンを0.10%、12-ヒドロキシステアリン酸を1.00%、アルコール成分としてイソプロパノールを5.00%混合後、40度に加温して各成分をイソプロパノールに完全に溶解させ、内容積580mlのエアゾール容器に充填する。続いてこのエアゾール容器に飽和炭化水素系溶剤として無臭ケロセンを53.90%充填し、エアゾール用バルブを装着して密閉し、さらにこのバルブを介して噴射剤としてジメチルエーテルを40.00%充填し、殺虫エアゾール組成物を得る。
【0026】
[実施例1]
殺虫成分としてd・d-T-シフェノトリン(商品名:ゴキラート-S 住友化学(株)製)を0.10%、モンフルオロトリン(住友化学(株)製)を0.10%、12-ヒドロキシステアリン酸(関東化学(株)製)を0.64%、アルコール成分としてイソプロパノール(関東化学(株)製)を2.92%混合後、40度に加温して各成分を完全に溶解させ、内容積580mlのエアゾール容器に充填する。続いてこのエアゾール容器に飽和炭化水素系溶剤として無臭ケロセン(商品名:ネオチオゾール 三光化学工業(株)製)を54.05%充填し、エアゾール用バルブを装着して密閉し、さらにこのバルブを介して噴射剤としてジメチルエーテル(エア・ウォーター・ハイドロ(株)製)を42.19%充填し、殺虫エアゾール組成物が充填されたエアゾール剤を作成した。
なお、エアゾール用部材については以下のものを使用した。
エアゾール用耐圧缶:AE480NYNG(北海製缶(株)製)
バルブ:ステム孔径 Φ1.2×3、ハウジング孔径Φ2.2mm((株)丸一製)
噴射ボタン:噴射孔径Φ2.3mm(東洋エアゾール工業(株)製)
【0027】
以下、実施例1と同様にして、表1に記載の配合成分と配合割合で実施例2から7、比較例1から4のエアゾール組成物を作成した。
【0028】

【表1】
[効力評価]
【0029】
試験1
15cm×15cmのガラス板を床面に対し垂直になるように設置し、2m離れた位置から2秒間エアゾールを噴霧した後、3分間静置してガラス板を回収し、室内にて1日保管し乾燥させた。次にガラス板を床面と水平となるように置き、ガラス板上に直径12cmの円筒形プラスチック製リングを設置した。リング内にチャバネゴキブリ雌成虫15頭を入れて1時間供試虫を接触させ、その間経時的にノックダウン(KD)した虫数を測定し、KT50と24時間後の苦死虫数を確認した。表2に結果を示す。
【0030】
【表2】
【0031】
試験2
15cm×15cmのガラス板を床面に対し垂直になるように設置し、50cm離れた位置から2秒間エアゾールを噴霧した後、1分間静置してガラス板を回収し、直射日光のあたる温室内にて10日間保管して乾燥させた。次にガラス板を床面と水平となるように置き、ガラス板上にイエバエ雌成虫10頭を入れた直径約9cmのプラカップを設置して試験を開始した。4時間供試虫を接触させ、その間経時的にノックダウン(KD)した虫数を測定し、KT50を算出した。
試験終了後に、供試虫を別のプラカップに移し、水を含ませた脱脂綿を入れ、室温にて24時間保管し、24時間後の苦死虫数を確認した。表3に結果を示す。
【0032】
【表3】
【0033】
効力評価の結果、本発明の殺虫エアゾール組成物が優れた効力を得ることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の殺虫エアゾール組成物を用いて、害虫を駆除することが可能となる。