(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240115BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2019214494
(22)【出願日】2019-11-27
【審査請求日】2020-12-07
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】弁理士法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 貴晶
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 潤
【合議体】
【審判長】長崎 洋一
【審判官】小林 俊久
【審判官】澤田 真治
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-195698(JP,A)
【文献】特開2016-189952(JP,A)
【文献】特開2019-170767(JP,A)
【文献】特開2016-144591(JP,A)
【文献】特開2011-125549(JP,A)
【文献】特開2019-69392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、
遊技者が操作可能な操作手段と、
遊技者に対し前記操作手段の操作を促す演出であって
、操作非有効期間およびその後の操作有効期間を含み、前記操作非有効期間中の前記操作手段の操作は演出に反映されないが、前記操作有効期間中の前記操作手段の操作が演出に反映される操作演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記操作演出は、前記操作手段を表す画像ではない、遊技者に対して促される前記操作手段の操作態様を示す
操作態様文字を含む指示画像が前記表示装置に表示されるものであり、
前記指示画像は、
前記操作非有効期間中は期間前態様にあり、前記操作有効期間の開始時点に到達することを契機として、
前記期間前態様から期間中態様に切り替わり、
前記期間前態様から前記期間中態様に変化しても、前記指示画像
が含む前記操作態様文字の文言は維持されることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技者に対し、押しボタン等の操作手段の操作が促される操作演出を実行可能な遊技機が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、操作演出の趣向性を向上させることが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、表示装置と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者に対し前記操作手段の操作を促す演出であって、操作有効期間中の前記操作手段の操作が演出に反映される操作演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記操作演出は、前記表示装置に前記操作手段を表す画像ではない特定画像が表示されるものであり、前記特定画像は、前記操作有効期間の開始を契機として、期間前態様から期間中態様に切り替わることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機によれば、操作演出の趣向性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】表示領域に表示された識別図柄および保留図柄を示した図である。
【
図3】操作演出の状態の推移を説明するための図である。
【
図4】操作演出(単操作演出)の一例を示した図である。
【
図6】第一具体例を説明するための図(その一)である。
【
図7】第一具体例を説明するための図(その二)である。
【
図8】第一具体例を説明するための図(その三)である。
【
図9】第一具体例を説明するための図(その四)である。
【
図10】第一具体例を説明するための図(その五)である。
【
図12】第三具体例、第四具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1)遊技機の基本構成
以下、本発明にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、表示装置91、始動領域904、大入賞口906、アウト口などが設けられている。表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能な部分である。また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘10Kが複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘10Kに衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0011】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動領域904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0012】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0013】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動領域904への遊技球の入賞を契機として実行する。本実施形態では、始動領域904として、第一始動領域904a(いわゆる「特
図1」の始動領域)と第二始動領域904b(いわゆる「特
図2」の始動領域)が設けられている。始動領域904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(当否判定情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、当該数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(いわゆる変動が開始される)こととなるが、未だ当否判定結果の報知が完了していない当否判定情報が存在する場合には、新たに取得された当否判定情報は保留情報として図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。記憶手段に保留情報が記憶されていることは、保留図柄70として表示される。
【0014】
本実施形態では、保留図柄70として、当否判定結果を報知する報知演出(識別図柄80(識別図柄群80g)の変動開始から、当否判定結果を示す組み合わせで完全に停止するまでの演出、いわゆる一変動中分の演出をいう)は開始されているものの、当否判定結果の報知は完了していない情報(以下、変動中保留情報と称することもある)に対応する変動中保留図柄71(いわゆる「当該変動保留」の存在を示す図柄)と、当否判定結果を報知する報知演出が開始されていない情報(以下、変動前保留情報と称することもある)に対応する変動前保留図柄72が表示される(
図2参照)。本実施形態では、変動中保留図柄71と変動前保留図柄72の基本的な形態は同じであり、両者を区別するために変動中保留図柄71の方が変動前保留図柄72よりも大きく表示される。変動中保留図柄71と変動前保留図柄72の基本的な形態が全く異なるものとしてもよい。また、変動中保留図柄71が表示されない構成としてもよい。なお、変動前保留図柄72に対応する当否判定結果の報知が完了する順番(いわゆる保留「消化順」)は、右に位置するものほど早い。
【0015】
変動前保留情報の最大の記憶数は上限が決められている。本実施形態では、第一始動領域904aに入賞することによって得られる第一変動前保留情報(特
図1保留)の最大の記憶数は四つであり、第二始動領域904bに入賞することによって得られる第二変動前保留情報(特
図2保留)の最大の記憶数は四つである。したがって、特
図1および特
図2の一方に相当する保留図柄70に関していえば、一つの変動中保留図柄71と、最大四つの変動前保留図柄72が表示されることがある(
図2参照)。
【0016】
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置91の表示領域911に表示される識別図柄80(
図2参照)の組み合わせによって当否判定結果を遊技者に報知する。具体的には、複数種の識別図柄80を含む識別図柄群80g(左識別図柄群80gL、中識別図柄群80gC、右識別図柄群80gR)が変動を開始し、最終的に各識別図柄群80gから一の識別図柄80が選択されて停止する。大当たりに当選している場合には各識別図柄群80gから選択されて停止した識別図柄80の組み合わせは所定の組み合わせ(例えば、同じ識別図柄80の三つ揃い)となる。はずれである場合にはそれ以外(大当たりとなる組み合わせ以外)の組み合わせとなる。識別図柄80は、数字とキャラクタ等が組み合わされたものとしてもよい。
【0017】
本実施形態では、遊技状態として、通常遊技状態と特別遊技状態が設定されている。特別遊技状態は、通常遊技状態に比して遊技者に有利な遊技状態である。通常遊技状態は、大当たりに当選する確率が低い低確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しにくい低ベース状態(低確率・時短無)である。特別遊技状態としては、第一特別遊技状態と第二特別遊技状態が設定されている。第一特別遊技状態は、大当たりに当選する確率が高い高確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(高確率・時短有)である。第二特別遊技状態は、大当たりに当選する確率が低い低確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(低確率・時短有)である。通常遊技状態においては、遊技者は、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「左打ち」を行う。特別遊技状態は、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「右打ち」を行う。特別遊技状態は、普通始動領域905に遊技球が進入することを契機とした第二始動領域904bの開放抽選に当選しやすい状態であるため、比較的容易に第二始動領域904bに遊技球が入賞する。なお、遊技状態の移行に関する設定はどのようなものであってもよいから説明を省略する。また、上記のような遊技状態が設定されていることはあくまで一例である。
【0018】
2)操作演出
以下、本実施形態にかかる遊技機1が実行可能な操作演出について説明する。なお、以下の説明において、単に画像というときは、動画および静止画の両方を含むものとする。操作演出は、遊技者に対して操作手段10の操作が促される演出である。操作手段10は遊技者が操作可能なものであればよい。本実施形態における操作手段10はいわゆる押しボタンである。
【0019】
操作演出は、操作有効期間中における操作手段10の操作が演出に反映されるものである。裏を返せば、操作有効期間中ではないとき(以下、操作非有効期間と称することもある)における操作手段10の操作は演出に反映されない。本実施形態における操作演出は、操作非有効期間である期間前状態、操作有効期間である期間中状態、演出の結果を示した状態である結果状態の順で推移する(
図3参照)。
【0020】
操作演出の種類は、遊技者に対して要求される操作手段10の操作態様に基づいて区分けすることができる。操作手段10を一度のみ短い時間操作する(単発操作する)ことを要求する単操作演出、操作手段10が操作された状態を維持する維持操作(操作手段10が押しボタンである場合には「長押し」)を要求する維持操作演出、操作手段10を複数回操作する連続操作(操作手段10が押しボタンである場合には「連打」)を要求する連続操作演出、操作手段10が操作された状態を維持させつつ、所定のタイミングで当該状態を解除する(操作手段10が押しボタンである場合には、「長押し」を要求し、所定のタイミングで「離す」)操作解除演出等が挙げられる。一部の種類の操作演出のみが発生しうる構成としてもよい。
【0021】
本実施形態における操作演出では、表示領域911に操作画像21、指示画像22、期間画像23が表示される。操作画像21は、操作手段10(本実施形態では押しボタン)を表した画像である。操作画像21は、操作手段10を模した画像であってもよいし、操作手段10を表したものであることが遊技者に把握可能な程度に変形等された画像であってもよい。指示画像22は、操作演出にて要求される操作手段10の操作態様を示す画像である。単操作演出であれば「押せ」「PUSH」といった文字を含む画像や、操作手段10の操作方向を示す矢印を含む画像を指示画像22とすることが考えられる。連続操作演出であれば「連打」といった文字を含む画像や、操作手段10を複数回操作していることを示すような画像を指示画像22とすることが考えられる。維持操作演出であれば「長押し」といった文字を含む画像や、操作手段10を維持操作していることを示すような画像を指示画像22とすることが考えられる。操作解除演出であれば「離せ」といった文字を含む画像や、操作手段10から手を離すことを示すような画像を指示画像22とすることが考えられる。期間画像23は、操作有効期間の経過とともに変化するような画像であり、操作有効期間の残り(経過)を示す画像である。操作有効期間の経過とともに変化する「メータ」を期間画像23とすることや、操作有効期間の経過とともに変化する「数字」(操作有効期間の経過とともに0に近づいていくように減少していく数字。操作有効期間の終了と同時に0になる)を期間画像23とすることが考えられる。
【0022】
単操作演出を例に、本実施形態における操作演出の流れについて説明する。本実施形態における操作演出では、操作手段10を表す操作画像21以外の画像が「特定画像」として設定される。例えば、指示画像22(仮に、「押せ」という文字を含む画像であるとする)が「特定画像」として設定されているとする。期間前状態においては、少なくとも当該指示画像22(特定画像)が表示される。期間前状態における指示画像22は、期間前態様221にある。期間前態様221の指示画像22は、白色の周囲が黒色で縁取りされた「押せ」という文字を含むものである(縁取りされた部分を除けば「白」である文字である)(
図4(a)参照)。
【0023】
なお、本実施形態では、期間前状態においては操作画像21や期間画像23は表示されない(
図4(a)参照)。操作画像21が表示されないため期間前状態にて操作有効期間であると勘違いしてしまうおそれを低減することが可能である。また、期間画像23は操作有効期間の残りを示すものであるため、操作有効期間が開始されていない段階においては表示されないようにしている。ただし、期間前状態にて指示画像22以外の画像が表示されるようにすることを否定するわけではない。
【0024】
期間前状態から期間中状態に移行することを契機として、指示画像22は期間中態様222に変化する。すなわち、操作有効期間が開始されることを契機として、指示画像22は期間前態様221から期間中態様222に変化する。期間中態様222の指示画像22は、赤色の周囲が黒色で縁取りされた「押せ」という文字を含むものである(縁取りされた部分を除けば「赤」である文字である)(
図4(b)参照)。このように、操作有効期間が開始されることを契機として、指示画像22(特定画像)の態様が変化するという面白みのある演出である。指示画像22(特定画像)の態様が変化する時点が、操作有効期間の開始される時点でもあるから、操作有効期間の開始が分かりやすいという利点もある。
【0025】
また、期間前態様221から期間中態様222に変化しても、指示画像22(特定画像)が表す内容は維持される。本実施形態では、「押せ」という操作内容(指示画像22が含む文字が表す文言)については維持される(
図4(a)(b)参照)。したがって、操作有効期間が開始されるよりも前に指示内容を把握することができ、操作を前もって準備することができるという利点がある。また、本実施形態における指示画像22(特定画像)の期間前態様221から期間中態様222への変化は、画像を構成する少なくとも一部の色が変化するものであるから、当該画像の変化が分かりやすいという利点もある。
【0026】
なお、期間前態様221や期間中態様222は演出を通じて態様が一定である構成としなければならないわけではない。例えば、時間経過とともに画像の大きさが大きくなる、画像が表示される位置が変化するといった構成としてもよい。
【0027】
本実施形態では、期間中状態においては操作画像21および期間画像23が表示される(
図4(b)(c)参照)。操作画像21が表示されるようにすることで、遊技者は操作すべき操作手段10を把握することができる。例えば、操作手段10として複数種の操作手段10が設けられている場合には、操作すべき操作手段10を示す操作画像21が表示される。したがって、いずれの種類の操作手段10を操作すれば良いのか容易に把握することができる。また、操作有効期間中であるから、期間画像23が表示されることは当然である。
【0028】
操作有効期間中に操作手段10の操作がなされた場合(操作有効期間中における操作手段10の操作が所定条件を満たした場合)には、結果状態に移行する(
図4(d-1)(d-2)参照)。つまり、操作有効期間中における操作が演出に反映される。なお、結果状態に移行することをもって操作有効期間は終了する(時間が余っていたとしても結果状態に移行した時点で終了する)。操作演出の結果はどのようなものであってもよい。最終的な当否判定結果を示すものとして操作演出を利用する(いわゆるリーチ演出の一部として操作演出が発生する)のであれば、当否判定結果が大当たりである場合には遊技者に有利な結果(大当たり)を示す結果状態(
図4(d-1)参照)に移行し、はずれとなる場合には遊技者に不利な結果(はずれ)を示す結果状態(
図4(d-2)参照)に移行するようにする。つまり、内部的に遊技者に有利な結果となるか不利な結果となるかが予め決まっており、操作手段10の操作を契機として当該結果を示す結果状態に移行することが考えられる。また、操作手段10の操作を契機として所定の画像(例えば、キャラクタのセリフ)が表示されるといった構成としてもよい。つまり、操作手段10の操作を契機として予め定められた演出が実行される構成としてもよい。
【0029】
なお、本実施形態では、操作有効期間が終了するまでに操作手段10の操作が実行されなかった場合、操作有効期間が終了することを契機として結果状態に移行する。当該結果状態は、操作手段10の操作がなされたと仮定した場合と同じような内容とされる。ただし、操作手段10の操作がなされなかった場合には、操作演出の結果が示されない(結果状態に移行しない)構成であってもよい。
【0030】
以下、その他の種類の操作演出の場合の制御例について簡単に説明する。図示しないが、連続操作演出であれば、期間前状態において期間前態様221の指示画像22(例えば「連打」の白い文字を含む画像)を表示する。その後、期間中状態に移行することを契機として期間中態様222の指示画像22(例えば「連打」の赤い文字を含む画像)を表示する。併せて操作画像21や期間画像23も表示する。操作有効期間中に操作手段10が操作される度に、当該操作が演出に反映される。操作有効期間中の操作が所定条件を満たす(例えば、規定回数に達する)ことで結果状態に移行する。
【0031】
図示しないが、維持操作演出であれば、期間前状態において期間前態様221の指示画像22(例えば「長押し」の白い文字を含む画像)を表示する。その後、期間中状態に移行することを契機として期間中態様222の指示画像22(例えば「長押し」の赤い文字を含む画像)を表示する。併せて操作画像21や期間画像23も表示する。操作有効期間中にて操作手段10が操作された状態が所定時間に達する度に、当該操作が演出に反映される。操作有効期間中の操作が所定条件を満たす(例えば、規定時間に達する)ことで結果状態に移行する。
【0032】
操作解除演出であれば、期間前状態において操作手段10を操作させ、当該操作状態を維持するよう指示を出す(例えば「押し続けろ」といった表示を行う)(
図5(a)参照)。その後、期間前状態において、期間前態様221の指示画像22(例えば「離せ」の白い文字を含む画像)を表示する(
図5(b)参照)。その後、期間中状態に移行することを契機として期間中態様222の指示画像22(例えば「離せ」の赤い文字を含む画像)を表示する(
図5(c)参照)。操作有効期間中にて操作手段10が操作された状態が解除される(操作手段10から手が離れる)ことを契機として、結果状態に移行する。なお、「操作手段10が操作された状態を解除する」ことも、操作手段10を「操作」することの一態様であるとする。
【0033】
なお、各種操作演出にて、操作有効期間中における操作手段10の操作が所定条件を満たすものとならなかった場合(タイムアップした場合)には、操作有効期間の経過を契機として予め定められた結果状態に移行するようにしてもよいし、結果状態には移行しないようにしてもよい。
【0034】
以下、上記操作演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0035】
〇第一具体例
上記実施形態における特定画像の期間前態様221から期間中態様222への変化は色の変化であることを説明したが、これはあくまで一例である。ただし、期間前態様221から期間中態様222への変化は、操作有効期間の開始を示すものであるため、期間前態様221よりも期間中態様222の方が画像としてより「目立つ」態様であることが好ましい。上記実施形態では「白」(期間前態様221)から「赤」(期間中態様222)に変化するものであるが、期間前態様221は「白」や「黒」といった色(無彩色)であり、期間中態様222は「青」や「赤」といった色(有彩色)であればよい。つまり、上記実施形態では、比較的目立たない無彩色から、比較的目立つ有彩色への変化により、特定画像の変化が強調されるようにしている。
【0036】
例えば、期間前態様221は半透明な画像(なお、各図において「半透明」な状態であることは点線で表す)(
図6(a)参照)であり、期間中態様222は不透明な画像(
図6(b)参照)とすることが考えられる。報知演出においては表示領域911に背景画像60が表示されるところ、期間前態様221は特定画像を通じて背景画像60の一部(特定画像が重なる部分)が視認されるような態様であり、期間中態様222は当該背景画像60の一部が視認できない態様である。このような半透明な状態から不透明な状態への変化は、より「目立つ」状態への変化であるといえる。
【0037】
また、期間前態様221と期間中態様222の違いを、画像の大きさ等の要素を用いて示してもよい。例えば、期間前態様221は時間経過とともに大きさが変化する(例えば次第に大きくなる)画像とし(
図7(a)~(c)参照)、期間中態様222は大きさが維持される画像とする(
図7(d)参照)。このようにすることで、特定画像の大きさの変化が停止したタイミングが操作有効期間の開始と一致するという構成となる。この逆の設定、すなわち期間前態様221は大きさが維持される画像とし、期間中態様222は時間経過とともに大きさが変化する画像とする。このようにすることで、特定画像の大きさが変化し始めたタイミングが操作有効期間の開始と一致するという構成となる。
【0038】
また、期間前態様221と期間中態様222の違いを、画像が表示される位置を用いて示してもよい。例えば、期間前態様221は時間経過とともに表示される位置が変化する(移動する)画像とし(
図8(a)~(c)参照)、期間中態様222は表示される位置が変化しない画像とする(
図8(d)参照)。このようにすることで、特定画像の動きが停止したタイミングが操作有効期間の開始と一致するという構成となる。この逆の設定、すなわち期間前態様221は表示される位置が変化しない画像とし、期間中態様222は時間経過とともに表示される位置が変化する画像とする。このようにすることで、特定画像が動き始めたタイミングが操作有効期間の開始と一致するという構成となる。
【0039】
また、期間前態様221は将来的に期間中態様222(特定画像)となる画像が複数存在する状態であり(
図9(a)~(c)参照)、当該複数の画像が一体化したものが期間中態様222である(
図9(d)参照)ものとしてもよい。具体的には、期間前状態において複数の画像が互いに近づく方向に移動していき、最終的に一体化が成立した時点が操作有効期間の開始時点となるようにする。このようにすることで、複数の画像が一体化したタイミングが操作有効期間の開始と一致するという構成になる。
【0040】
また、期間前態様221は、将来的に期間中態様222(特定画像)となる画像が複数に分離された状態(分離要素221p)にあるものであり(
図10(a)~(c)参照)、当該分離要素221pが集まることで期間中態様222に変化した(
図10(d)参照)タイミングが操作有効期間の開始と一致するという構成としてもよい。例えば、特定画像(指示画像22)が文字を含むものであれば、当該文字を複数に分離したものを分離要素221pとする(各分離要素221pは少なくとも一つの文字を含む)。そして、当該分離要素221pが集まることで期間中態様222に至る。
【0041】
〇第二具体例
上記実施形態では指示画像22が特定画像として設定されていることを説明したが、それ以外の画像が特定画像として設定されたものとしてもよい。例えば期間画像23(メータ画像)が特定画像として設定されたものとしてもよい。期間前状態においては期間画像23が半透明な期間前態様231で表示される(
図11(a)参照)。期間前状態では操作有効期間は開示されていないのであるからメータは変化しない。期間中状態に移行することを契機として期間画像23が不透明な期間中態様232で表示される(
図11(b)参照)。これと同時に操作有効期間が開始されるのであるから、メータの減少が開始される。
【0042】
このように、操作有効期間が開始されることを契機として期間画像23が期間前態様221から期間中態様222に変化するようにすることで、操作有効期間の開始が分かりやすくなる。特に、本例のように期間画像23が半透明な状態から不透明な状態に変化するようにすれば、当該変化(不透明な状態となること)により期間画像23がアクティブな状態となったような印象を受ける。すなわち、期間画像23がアクティブな状態となるととともに操作有効期間が開始されることになるため、演出が分かりやすくなる。
【0043】
期間画像23が操作有効期間の長さを明示する数字を含むものである場合には、期間画像23が期間前態様221である段階から、遊技者が操作有効期間の長さを把握できるという利点がある。例えば、操作有効期間の長さが5秒であり、操作有効期間の開始と同時に当該5秒からカウントダウンされる(小数点以下の単位でカウントダウンされる構成であってもよい)ものである場合には、操作有効期間の開始前から操作有効期間の長さが5秒程度であることを把握することが可能である。なお、期間画像23が示す数字は「目安」であり、実際の操作有効期間の長さ(秒数)と異なるものであってもよい。
【0044】
〇第三具体例
同じ種類の操作演出であっても、当該操作演出の度に期間中態様222が変化しうるものとする。具体的には、複数種の候補態様のうちから選択された一つ実際に期間中態様222として表示されるものとする。例えば、各種の候補態様は、「押せ」という文字を構成する少なくとも一部の色が異なるものする。第一候補態様は「青」であり、第二候補態様は「緑」であり、第三候補態様は「赤」であるとする。そして、第一候補態様~第三候補態様のいずれかが期間中態様222として表示される(
図12(b-1)~(b-3)参照)。
【0045】
複数種の候補態様のうちのいずれかが期間中態様222として表示されるかは、操作演出の結果が遊技者に有利な結果となるかどうかに応じて決定される。例えば、操作有効期間中における操作手段10の操作が所定条件を満たすものとなることを契機として移行する結果状態が、遊技者に有利な結果および不利な結果のいずれかとなる操作演出において、(期間中態様222として表示された態様が)第一候補態様、第二候補態様、第三候補態様(最も高い)の順で、操作演出の結果が遊技者に有利な結果となる蓋然性(期待度)が高くなるようにする(
図12(b-1)~(b-3)参照)。当否判定結果が大当たりとなる場合には有利な結果、はずれとなる場合には不利な結果となる操作演出であれば、上記候補態様の種類が、当否判定結果が大当たりとなる蓋然性、すなわち大当たり信頼度を示唆するものであるといえる。
【0046】
本例のようにすることで、遊技者は期間中態様222に注目することになる。また、操作有効期間の開始とともに有利な結果となる蓋然性が示唆されるという面白みのある操作演出とすることが可能である。
【0047】
〇第四具体例(第三具体例をより具体化した例)
上記第三具体例にて説明したように、特定画像の期間中態様222がその都度変化しうる構成とする場合、期間前態様221は予め定められた所定の態様(決まった態様)である構成とする。つまり、ある種の操作演出における特定画像は、操作前状態においては毎回決まった態様であり(
図12(a)参照)、操作有効期間が開始されることを契機とする変化後の態様がその都度変化しうるものとする(
図12(b-1)~(b-3)参照)。期間前態様221が一定でないと、期間中態様222が何らかの示唆を行っていることに遊技者が気付かないおそれが高まるためである。換言すれば、期間前態様221を一定とすることで、毎回変化する可能性がある期間中態様222が強調されることになる。
【0048】
〇第五具体例
上記第三具体例と同様に、特定画像の態様により操作演出の結果が示唆されるものである。具体的には、特定画像の期間前態様221により有利な結果となる蓋然性が示唆されるものとする。例えば、期間前態様221の少なくとも一部を構成する色の要素により、当該蓋然性が示唆されるようにする。当該色が「青」「緑」「赤」(最も高い)の順で、当該蓋然性が高くなるようにする。第三具体例は、期間中態様222により結果が示唆されるものであるが、期間前態様221により当該蓋然性が示唆されるようにすることで、操作有効期間が開始される前から、当該示唆作用を遊技者が享受できる構成となる。
【0049】
なお、期間前態様221および期間中態様222の両方により、操作演出の結果が示唆されるものとしてもよい。上記のように「色」で有利な結果となる蓋然性が示唆されるとするのであれば、特定画像の少なくとも一部を構成する部分の「色」が期間前態様221および期間中態様222を通じて維持されるものとする(例えば、「緑」が選択されたのであれば、期間前態様221および期間中態様222を通じて当該「緑」が維持されるものとする)。
【0050】
〇第六具体例
遊技者の身体の一部を検出するセンサを設け、当該センサに検出されることが「操作手段の操作」と取り扱われる構成としてもよい。例えば、「手をかざせ」という文字を含むものが指示画像22(特定画像)として設定され、当該指示画像22が期間前態様221から操作有効期間(センサによる遊技者の手等の検出が演出に反映される期間)の開始とともに期間中態様222に変化するようにする。
【0051】
〇第七具体例
操作演出の結果が遊技者に有利な結果とならない場合(遊技者に不利な結果となる場合)、結果状態に移行することを契機として特定画像が期間前態様221と同じ態様(以下、期間後態様223と称する)に戻る構成とする。例えば、期間前態様221が「白」の文字であり、期間中態様222が「赤」の文字である場合、期間前状態にて白であった「押せ」という文字を含む特定画像(指示画像22)(
図13(a)参照)が、期間中状態にて赤に変化し(
図13(b)(c)参照)、操作有効期間にて操作手段10が操作されることを契機として再び白に戻る(
図13(d)参照)ような構成とする。つまり、操作の結果が失敗であったことを示すために、操作後に特定画像が元に戻るような態様とする。操作有効期間中に操作手段10が操作されなかった場合には、操作有効期間の経過を契機として特定画像が期間後態様223となる構成とすればよい。なお、期間前態様221と期間後態様223は、完全に同一でなければならないわけではない。期間前態様221と期間中態様222の違いを構成する要素(上記例でいえば「色」)が、期間前態様221と期間後態様223とで同じであることが遊技者に把握されるものであればよい。
【0052】
このように、操作演出の結果が遊技者にとって残念なものとなることを示すために、特定画像が利用される構成としてもよい。
【0053】
〇第八具体例
ある種の操作演出において、上記実施形態のように操作有効期間の開始とともに特定画像の態様が変化することもあれば、このような特定画像の態様の変化が発生しないこともある構成とする。例えば、上記実施形態にて説明したように特定画像(指示画像22)の文字の色が白(期間前態様221)(
図14(a)参照)から赤(期間中態様222)に変化する変化形態(
図14(b-1)参照)と、特定画像(指示画像22)の文字の色が白のまま維持される非変化形態(
図14(b-2)参照)とが発生しうる設定とする。なお、非変化形態において、特定画像の態様は一定でなければならないわけではない。変化形態時には操作有効期間の開始を契機として変化する要素(上記例でいえば「色」)が、非変化形態においては変化しないということであって、それ以外の要素(例えば画像の大きさ)は変化してもよいものとする。
【0054】
このように非変化形態と変化形態が発生しうることを、期待度の示唆に利用してもよい。例えば、ある種の操作演出が非変化形態である場合よりも、変化形態である場合の方が、当該操作演出の結果が遊技者に有利なものとなる蓋然性が高い設定とする。当否判定結果が当たりとなる場合には遊技者に有利な結果となる(はずれである場合には当該有利な結果とならない)構成であるとすれば、変化形態の発生は、いわゆる大当たり信頼度が高まるチャンスアップ演出であるということができる(非変化形態がデフォルトであり、変化形態がチャンスアップである構成)。
【0055】
3)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0056】
4)上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0057】
・手段1
表示装置と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者に対し前記操作手段の操作を促す演出であって、操作有効期間中の前記操作手段の操作が演出に反映される操作演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記操作演出は、前記表示装置に前記操作手段を表す画像ではない特定画像が表示されるものであり、前記特定画像は、前記操作有効期間の開始を契機として、期間前態様から期間中態様に切り替わることを特徴とする遊技機。
上記遊技機の操作演出は、操作有効期間の開始を契機として操作手段を表す画像ではない特定画像の態様が変化するという斬新かつ面白みのあるものである。
【0058】
・手段2
前記特定画像は、遊技者に対して促される前記操作手段の操作態様を示す指示画像であることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このようにすることで、操作有効期間の開始とともに操作態様を示す指示画像の態様が変化するから、当該指示画像が示す操作態様で操作すべき状況になったことが分かりやすい。
【0059】
・手段3
前記特定画像は、操作有効期間を示す期間画像であることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このようにすることで、操作有効期間の開始とともに操作有効期間を示す期間画像の態様が変化するから、操作有効期間が開始されたことが分かりやすい。
【0060】
・手段4
前記期間前態様から前記期間中態様に変化しても、前記特定画像が表す内容は維持されることを特徴とする手段1から手段3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、期間前態様の段階から、特定画像の内容を把握することができる。例えば、特定画像が指示画像であるとすれば、操作有効期間の開始前から要求される操作態様を把握することが可能となる。一方、特定画像が操作有効期間の長さを示す期間画像であるとすれば、操作有効期間の開始前から操作有効期間の長さを把握することが可能となる。
【0061】
・手段5
前記期間中態様は複数種の候補態様のうちのいずれかとなるものであり、当該複数種の候補態様のうちのいずれが前記期間中態様とされるかに応じ、前記操作演出の結果が遊技者に有利なものとなる蓋然性が示唆されることを特徴とする手段1から手段4のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、操作有効期間の開始とともに結果が有利なものとなる蓋然性が示唆されるという面白みのある演出とすることが可能である。
【0062】
・手段6
前記期間前態様は予め定められた所定の態様であることを特徴とする手段5に記載の遊技機。
このように、期間前態様を一定とすることで、毎回変化する可能性がある期間中態様が強調されることになる。
【符号の説明】
【0063】
1 遊技機
10 操作手段
21 操作画像
22 指示画像(221 期間前態様 222 期間中態様)
23 期間画像
91 表示装置
911 表示領域