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特許7418795生薬を選択するための装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】生薬を選択するための装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20240115BHJP
   G16H 70/40 20180101ALI20240115BHJP
【FI】
G16H20/10
G16H70/40
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019228177
(22)【出願日】2019-12-18
(65)【公開番号】P2021096687
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】507214108
【氏名又は名称】株式会社新明和
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 譲
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 喜子
(72)【発明者】
【氏名】山路 祐子
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 文
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-258803(JP,A)
【文献】特開2004-157978(JP,A)
【文献】特開2012-238200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生活習慣病の病者に提供すべき病者用生薬を選択するための装置であって、
前記病者に処方された少なくとも一つの病者用医薬品の名称を入力して記憶するための、医薬品入力手段と、
前記病者用生薬の名称を入力して記憶するための、生薬入力手段と、
医薬品と、前記医薬品に対する配合禁忌の生薬とを関連付けて記憶するための、第1生薬リスト記憶部と、
入力された前記病者用医薬品及び入力された前記病者用生薬に基づいて、前記第1生薬リスト記憶部を検索し、前記病者用生薬と、前記病者用医薬品とが、配合禁忌であるか否かを判定するための、適合生薬判定手段と、
判定結果を表示するための、結果表示手段と、
を備える装置。
【請求項2】
前記装置が、
医薬品と、前記医薬品に対して代替効果を期待する生薬とを関連付けて記憶するための、第2生薬リスト記憶部と、
医薬品と、前記医薬品の効果を補完する生薬とを関連付けて記憶するための、第3生薬リスト記憶部と、
医薬品と、前記医薬品の副作用を緩和する生薬とを関連付けて記憶するための、第4生薬リスト記憶部と
から選択される少なくとも1つの記憶部をさらに備え、
前記適合生薬判定手段が、入力された前記病者用医薬品及び入力された前記病者用生薬に基づいて、前記第2生薬リスト記憶部、前記第3生薬リスト記憶部、及び/又は前記第4生薬リスト記憶部を更に検索し、前記病者用生薬が、前記病者用医薬品の代替効果を期待できるか否か、前記病者用医薬品の効果を補完するか否か、及び/又は前記病者用医薬品の副作用を緩和するか否かを判定するように更に構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記病者用生薬が、病者用食品に配合又は添加するための前記病者用生薬であり、
前記病者用食品が、生薬基原の部分以外の部分である病者用食材を有し、
前記病者用食材を入力して記憶するための、食材入力手段と、
医薬品と、前記医薬品に対する配合禁忌の食材とを関連付けて記憶するための、第1食材リスト記憶部と、
入力された前記病者用医薬品及び入力された前記病者用食材に基づいて、前記第1食材リスト記憶部を検索し、前記病者用食材と、前記病者用医薬品とが、配合禁忌であるか否かを判定するための、適合食材判定手段と、
を更に備え、
前記結果表示手段が、前記適合食材判定手段の判定結果を更に表示する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記装置が、
医薬品と、前記医薬品に対して代替効果を期待する食材とを関連付けて記憶するための、第2食材リスト記憶部と、
医薬品と、前記医薬品の効果を補完する食材とを関連付けて記憶するための、第3食材リスト記憶部と、
医薬品と、前記医薬品の副作用を緩和する食材とを関連付けて記憶するための、第4食材リスト記憶部と
から選択される少なくとも1つの記憶部をさらに備え、
前記適合食材判定手段が、入力された前記病者用医薬品及び入力された前記病者用食材に基づいて、前記第2食材リスト記憶部、前記第3食材リスト記憶部、及び/又は前記第4食材リスト記憶部を更に検索し、前記病者用食材が、前記病者用医薬品の代替効果を期待できるか否か、前記病者用医薬品の効果を補完するか否か、及び/又は前記病者用医薬品の副作用を緩和するか否かを判定するように更に構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記病者用食材が、生薬の生薬基原の部分以外の部分である賦形剤であり、前記病者用食品が前記病者用生薬を含む錠剤である、請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
前記病者用生薬及び/又は前記病者用食材が、分子生物学、分子遺伝学及び分子生理学に基づいて、分子栄養学によりエビデンスがあると認められた前記病者用生薬及び/又は前記病者用食材である、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
生活習慣病の病者に提供すべき病者用生薬を情報処理装置により選択するためのプログラムであって、
前記情報処理装置が、医薬品と、前記医薬品に対する配合禁忌の生薬とを関連付けて記憶するための、第1生薬リスト記憶部を有し、
前記情報処理装置に対して、
前記病者に処方された少なくとも一つの病者用医薬品の名称を入力して記憶するための、医薬品入力処理と、
前記病者用生薬の名称を入力して記憶するための、生薬入力処理と、
入力された前記病者用医薬品及び入力された前記病者用生薬に基づいて、前記第1生薬リスト記憶部を検索し、前記病者用生薬と、前記病者用医薬品とが、配合禁忌であるか否かを判定するための、適合生薬判定処理と、
判定結果を表示するための、結果表示処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項8】
前記情報処理装置が、
医薬品と、前記医薬品に対して代替効果を期待する生薬とを関連付けて記憶するための、第2生薬リスト記憶部と、
医薬品と、前記医薬品の効果を補完する生薬とを関連付けて記憶するための、第3生薬リスト記憶部と、
医薬品と、前記医薬品の副作用を緩和する生薬とを関連付けて記憶するための、第4生薬リスト記憶部と
から選択される少なくとも1つの記憶部を更に備え、
適合生薬判定処理が、
入力された前記病者用医薬品及び入力された前記病者用生薬に基づいて、前記第2生薬リスト記憶部を検索し、前記病者用生薬が、前記病者用医薬品に対して代替効果を期待する生薬であるか否かを判定すること、
入力された前記医薬品及び入力された前記生薬に基づいて、前記第3生薬リスト記憶部を検索し、前記病者用生薬が、前記病者用医薬品の効果を補完する生薬であるか否かを判定すること、及び/又は
入力された前記医薬品及び入力された前記生薬に基づいて、前記第4生薬リスト記憶部を検索し、前記病者用生薬が、前記病者用医薬品の副作用を緩和する生薬であるか否かを判定すること
を更に含む、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記病者用生薬が、病者用食品に配合又は添加するための前記病者用生薬であり、
前記病者用食品が、生薬基原の部分以外の部分である病者用食材を有し、
前記情報処理装置が、医薬品と、その医薬品に対する配合禁忌の食材とを関連付けて記憶するための、第1食材リスト記憶部を更に備え、
プログラムが、前記情報処理装置に対して、
前記病者用食材を入力して記憶するための、食材入力処理と、
入力された前記病者用医薬品及び入力された前記病者用食材に基づいて、前記第1食材リスト記憶部を検索し、前記病者用食材と、前記病者用医薬品とが、配合禁忌であるか否かを判定するための、適合食材判定処理と、
を更に実行させ、
前記結果表示処理が、前記適合食材判定処理の判定結果を更に表示する、請求項7又は8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記情報処理装置が、
医薬品と、前記医薬品に対して代替効果を期待する食材とを関連付けて記憶するための、第2食材リスト記憶部と、
医薬品と、前記医薬品の効果を補完する食材とを関連付けて記憶するための、第3食材リスト記憶部と、
医薬品と、前記医薬品の副作用を緩和する食材とを関連付けて記憶するための、第4食材リスト記憶部と
から選択される少なくとも1つの記憶部を更に備え、
前記適合食材判定処理が、
入力された前記病者用医薬品及び入力された前記病者用食材に基づいて、前記第2食材リスト記憶部を検索し、前記病者用食材が、前記病者用医薬品に対して代替効果を期待する食材であるか否かを判定すること、
入力された前記病者用医薬品及び入力された前記病者用食材に基づいて、前記第3食材リスト記憶部を検索し、前記病者用食材が、前記病者用医薬品の効果を補完する食材であるか否かを判定すること、及び/又は
入力された前記病者用医薬品及び入力された前記病者用食材に基づいて、前記第4食材リスト記憶部を検索し、前記病者用食材が、前記病者用医薬品の副作用を緩和する食材であるか否かを判定すること
を更に含む、請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記病者用食材が、生薬の生薬基原の部分以外の部分である賦形剤であり、前記病者用食品が前記病者用生薬を含む錠剤である、請求項9又は10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記病者用生薬及び/又は前記病者用食材が、分子生物学、分子遺伝学及び分子生理学に基づいて、分子栄養学によりエビデンスがあると認められた前記病者用生薬及び/又は前記病者用食材である、請求項7~11のいずれか1項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生活習慣病の病者に提供すべき生薬を選択するための装置、及びその生薬(及び必要に応じて関連食材)を情報処理装置により選択するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
急速に増加している高齢者が罹患している内臓脂肪肥満型症候群による動脈硬化が誘因となり、心臓病や脳卒中などの合併症で糖尿性腎症などの生活習慣病発症のリスクを発生させており、日本人の死因の60%は生活習慣病といわれている。わが国の「健康日本21」(健康増進法に基づき策定された国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針)では科学的目標値の設定し、生活習慣病の対策に関する施策の推進と成果の投資の高率化を目指している。
【0003】
国の一次、二次予防政策として、市町村、保険者、事業主等が関係各法などの規定に基づき医療保険者に対し、健康診査と保険指導が義務付けされ、高齢者の疾病予防や健康維持活動が推進されている。しかしながら、これらは保健指導までで、早期治療による病気の発症・重症化予防の実質的な成果を得るに至らず、医療費の高騰は将来の医療制度の崩壊にもつながりかねない状況を招いている。
【0004】
近年、先進国における主な死因として生活習慣病から派生する内臓疾患と多発性癌疾患が挙げられ、特に飽食と運動不足によって生じる過栄養素を基盤に増加している循環器系疾患の重要性が再確認され、高騰する医療費の解決の重要課題として、医療現場での生活習慣からくる疾病の重症化防止と、適格な治療効果を求めている。
【0005】
具体的な例として、内臓脂肪(腹腔内脂肪)の蓄積、インスリン抵抗性、耐糖能異常、動脈硬化惹起性リボ蛋白異常、血圧高値及び肥満の内、3個以上が合併した場合の危険率が、それぞれの病態の個別コントロールの30倍以上に達するという事実を公表し、医師にその対応を要請している。
【0006】
そのため、高血圧、高トリグリセライド血症、低コレステロール血症、高血糖及び高尿酸血症などの疾患に対し、病態の進行のリスクを回避するために、同時に複数の薬剤が長期にわたり投与されることになる。
【0007】
このような傾向を受けて、薬の吸収、分布、代謝、排泄の体内動態にあわせて、これを阻害したり、誘導したりする食品については既に広く研究され、代謝に影響する食品が徐々に知られつつある。しかしながら、治療に求められるエビデンスの認証のある食品が多くなく、臨床的成果につなげるための開発が待たれている。
【0008】
これらの要請を受け、近年、産学一体となり、大学の研究室や先進企業で進められているバイオテクノロジー関連の遺伝子レベルで解析による生化学分野の解析と、生産技術で支えられた技術によって生まれる病者用の医療食品が開発され、既に臨床における検証を進める体制が整いつつある。
【0009】
また、特許文献1には、利用者に提供すべきサプリメントの配合を決定する配合決定装置及び利用者に提供すべきサプリメントの配合を決定するプログラムが開示されている。
【0010】
特許文献2には、病者に提供すべき病者用食事に配合又は添加するための食品を選択するための装置が開示されている。特許文献2には、その装置が、病者に処方された少なくとも一つの処方薬品及びその薬品の処方投与量を入力して記憶するための、薬品入力手段と、食品を入力して記憶するための、食品入力手段と、薬品と、その薬品に対する配合禁忌の食品とを関連付けて記憶するための、第1食品リスト記憶部と、処方薬品及び食品に基づいて、第1食品リスト記憶部を検索し、食品と、処方薬品とが、配合禁忌であるか否かを判定するための、適合食品判定手段と、判定結果を表示するための、結果表示手段と、を備えることが記載されている。
【0011】
また、特許文献3には、病者に提供すべき病者用食事に配合又は添加するための食品を選択するための装置が開示されている。特許文献3には、その装置が、病名情報入力手段と、病名判定手段と、病名及び微量元素リスト記憶部と、微量元素判定手段と、微量元素及び好適食品リスト記憶部と、好適食品判定手段と、結果表示手段とを含むことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特許第3895746号公報
【文献】特開2012-238200号公報
【文献】特開2017-59228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
高齢者医療費負担の高騰化対策として、医療制度の抜本的な改革を目指し、病院の早期退院が策定されている。具体的には、在宅・通院での投薬治療体制と並行して、療養食の指導・供給体制を整えることで、疾患の悪化、重症化予防をすべきと言われている。病院の早期退院を推進し実効ある地域医療体制を確立するためには、公的な医療団体の指導体制のもとで地域の病院や診療所の参加協力する体制を構築することが望ましい。一方では当然医師が処方箋若しくは指示することになり、供給される物は医薬品である、という薬事法の規制により、効果的な食事が療養食として供給できない実態があり、それを適法的に改革する必要がある。この現在のような状況が続くかぎり、医療費削減の障壁になっている。すなわち、医師の指示による療養食の供給はすべて薬事法によって規制されているために、患者の機能性療養食を法的規制内で簡便に安価で供給することが困難である。
【0014】
また、一般市場での健常者又は未病を対象にした特定保健食品の中でも、難消化性デキストリンを含有している機能性食品がある。機能性食品を摂取する患者が、医師から強心薬のジキタリスや抗擬固薬のワファリンを投与された場合には、薬品の成分が難消化性デキストリンの食物繊維に吸収され、薬効を減少させて、疾患治療に支障をおこす恐れが指摘されている。
【0015】
また、通常飲食している食品のなかでも、グレープフルーツジュースなどに、モノアミン酵素剤(MAO)が投与されると、細胞内の酸化、還元に関与するシトクロムP450が阻害され、薬品の吸収を増加する。セイヨウオトキリソウと喘息治療薬は、CYP3A誘導で作用が減弱するとしてお互いに影響を及ぼしあって、薬の効果を減弱したり増強したりするとして、注意喚起がなされているものもある。
【0016】
また、近年、医療現場を俯瞰すると技術進歩により近代化が急速に進んでいる。また、高度医療に対応するため、医療に従事する多種多様なスタッフが高い専門性を前提に、目的を共有し、業務を分担しつつもお互いに連携、補完し合っている。そのような状況の中、患者(病者)の状況に、適格に対応した医療を提供するチーム医療体制を構築するために、看護師、薬剤師、臨床検査技師らともに管理栄養士の参加が求められている。
【0017】
このような現状と課題を克服して、公的な市町村の保険者や組合保険者の医療保険者と地元の医療機関との連携を円滑に実現するためには、従来からの義務的健診の実効性を高めるために、保健指導だけで終わるのではなく、公的検診を臨床医療現場に繋ぐことにより初期治療の段階で疾患の重症化を阻止する。そのために取りあえず生活習慣病の中から、高齢者が必然的に加齢で罹患する成人病だけを特定することで臨床医療の範囲として、公的検診を臨床医療現場で受け入れられる環境を創りだすことが重要である。ただ予防と治療とは一線を画されており、現状のままでの連携は進まない現状がある。
【0018】
治療・療養食についての現在の医療現場では、医師による医薬品の処方及び投与についての情報は、医師、薬剤師及び看護師の共通の言語で形成されたプロトコールにより交換されているため、医師の指示が薬剤師及び看護師に対して的確に伝えられている。それに対して、管理栄養士の扱う食品は、多種多様な動植物細胞で構成され、多くの食品を組み合わせて病者用食事の調理を指示して作られているため、特定の治療効果を示すエビデンスが得られていない。そのため、病者用食事に対しては、医師の治療上の信頼を築けないのが現状である。
【0019】
その上、医師は食事の重要性については概念的な理解はあるものの、病者用食事が急性治療には直接寄与しないとの認識があるため、治療行為から見た関心度も低く、他の直接治療に関与しているグループとの交流も阻害されがちで、チーム医療が実施されても傍流の存在から脱却できない。
【0020】
急性疾患の治療に関する医薬品についてのエビデンスについては、薬剤師と医師とは共通の知識を共有し、その上で共通の言語が形成され、事前のプロトコールで医師の指示が伝えられている。これに対して、管理栄養士が扱う病者用食事に配合する食品(食材)は、治療の速効的効果から見られず、病者用食品による人体の特定疾患の治療としての機能性を特定できないため、エビデンスの構築ができない。また、食事の重要性については概念的な理解はあるものの、治療食に対する医師の関心度も薄く、日常の賄いの延長とみられやすい。
【0021】
病院において、管理栄養士は、基礎栄養学と臨床栄養学とを基に、疾病の未然防止、疾病の早期回復、重症化の防止を業務として、医師のクリティカルパスといわれる包括的指導のもとに、独立した給食部門を主体に担当している。一般的に、管理栄養士は、個々の患者(病者)の対応でなく、大枠の疾病対応の集団給食的色彩の多い医療機関での食事の供給にあたっている。管理栄養士は、概念的に、病者用食品(食材)による病者用食事が健康維持に重要であることは理解しているが、医療の中心である医師とは治療に関する直接的な対話があまりない。
【0022】
早期退院後、引き続き、在宅通院患者の療養食を管理、供給を実現するためには、管理栄養士が、機能性を証明できる臨床データを基にして開発される多様な病者用食品等を扱う上で、管理栄養士をバックアップすることが必要である。
【0023】
本発明は、上述のような、生活習慣病、及びそれに対して効果的な病者用食事(療養食)、並びに、医師及び管理栄養士等を含む医療現場の状況を踏まえてなされた発明である。
【0024】
すなわち、本発明は、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の疾患機能回復のために、適切な生薬を選択するための装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
【0026】
(構成1)
本発明の構成1は、生活習慣病の病者に提供すべき生薬を選択するための装置であって、病者に処方された少なくとも一つの医薬品の名称を入力して記憶するための、医薬品入力手段と、生薬の名称を入力して記憶するための、生薬入力手段と、医薬品と、その医薬品に対する配合禁忌の生薬とを関連付けて記憶するための、第1生薬リスト記憶部と、医薬品及び生薬に基づいて、第1生薬リスト記憶部を検索し、生薬(及び必要に応じて生薬基質以外の食材)と、医薬品とが、配合禁忌であるか否かを判定するための、適合生薬判定手段と、判定結果を表示するための、結果表示手段とを備える装置である。
【0027】
本発明の構成1の装置によれば、病者の医薬品に対する配合禁忌の生薬(及び必要に応じて生薬関連食材)を避けることができるので、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、適切な生薬を選択することができる。
【0028】
(構成2)
本発明の構成2は、装置が、
医薬品と、その医薬品に対して代替効果を期待する生薬とを関連付けて記憶するための、第2生薬リスト記憶部と、
医薬品と、その医薬品の効果を補完する生薬とを関連付けて記憶するための、第3生薬リスト記憶部と、
医薬品と、その医薬品の副作用を緩和する生薬とを関連付けて記憶するための、第4生薬リスト記憶部と
から選択される少なくとも1つの記憶部をさらに備え、
適合生薬判定手段が、医薬品及び生薬に基づいて、第2生薬リスト記憶部、第3生薬リスト記憶部、及び/又は第4生薬リスト記憶部を更に検索し、生薬が、医薬品の代替効果を期待できるか否か、医薬品の効果を補完するか否か、及び/又は医薬品の副作用を緩和するか否かを判定するように更に構成される、構成1の装置である。
【0029】
本発明の構成2によれば、病者の医薬品に対する配合禁忌の生薬を避けることができることに加え、さらに、医薬品の代替効果を期待する生薬、医薬品の効果を補完する生薬、及び/又は医薬品の副作用を緩和する生薬を適切に選定することができる。そのため、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、より適切な生薬を選択することができる。
【0030】
(構成3)
本発明の構成3は、生薬が、病者用食品に配合又は添加するための生薬であり、
病者用食品が、生薬基原の部分以外の部分である食材を有し、
食材を入力して記憶するための、食材入力手段と、
医薬品と、その医薬品に対する配合禁忌の食材とを関連付けて記憶するための、第1食材リスト記憶部と、
医薬品及び食材に基づいて、第1食材リスト記憶部を検索し、食材と、医薬品とが、配合禁忌であるか否かを判定するための、適合食材判定手段と、
を更に備え、
結果表示手段が、適合食材判定手段の判定結果を更に表示する、構成1又は2の装置である。
【0031】
本発明の構成3の装置によれば、生薬が配合又は添加された病者用食品において、生薬だけでなく、生薬基原の部分以外の部分である食材についても、医薬品に対する配合禁忌を判断することができる。そのため、生活習慣病の病者に対する病者用食品において、適切な生薬のみならず、適切な食材を選択することができる。
【0032】
(構成4)
本発明の構成4は、装置が、
医薬品と、その医薬品に対して代替効果を期待する食材とを関連付けて記憶するための、第2食材リスト記憶部と、
医薬品と、その医薬品の効果を補完する食材とを関連付けて記憶するための、第3食材リスト記憶部と、
医薬品と、その医薬品の副作用を緩和する食材とを関連付けて記憶するための、第4食材リスト記憶部と、
から選択される少なくとも1つの記憶部をさらに備え、
適合食材判定手段が、医薬品及び食材に基づいて、第2食材リスト記憶部、第3食材リスト記憶部、及び/又は第4食材リスト記憶部を更に検索し、食材が、医薬品の代替効果を期待できるか否か、医薬品の効果を補完するか否か、及び/又は医薬品の副作用を緩和するか否かを判定するように更に構成される、構成3の装置である。
【0033】
本発明の構成4によれば、本発明の装置が上記構成を有することにより、生薬が配合又は添加された病者用食品において、病者の医薬品に対する配合禁忌の食材を避けることができることに加え、さらに、医薬品の代替効果を期待する食材、医薬品の効果を補完する食材、及び/又は医薬品の副作用を緩和する食材を適切に選定することができる。そのため、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、より適切な生薬のみならず、より適切な食材を選択することができる。
【0034】
(構成5)
本発明の構成5は、食材が、生薬の生薬基原の部分以外の部分である賦形剤であり、病者用食品が生薬を含む錠剤である、構成3又は4の装置である。
【0035】
本発明の構成5の装置によれば、生薬を含む錠剤を製造する際に用いる賦形剤の、病者の医薬品に対する配合禁忌などの情報を得ることができる。そのため、生薬を含む錠剤のための、適切な賦形剤を選択することが可能になる。
【0036】
(構成6)
本発明の構成6は、生薬及び/又は食材が、分子生物学、分子遺伝学及び分子生理学に基づいて、分子栄養学によりエビデンスがあると認められた生薬及び/又は食材である、構成1~5のいずれかの装置である。
【0037】
本発明の構成6によれば、生薬及び/又は食材が、科学的な手法によりエビデンスがあると認められることにより、医師等の医療関係者が、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、適切な生薬及び/又は生薬基質以外の食材を用いることができる。
【0038】
(構成7)
本発明の構成7は、生活習慣病の病者に提供すべき生薬を情報処理装置により選択するためのプログラムであって、
情報処理装置が、医薬品と、その医薬品に対する配合禁忌の生薬とを関連付けて記憶するための、第1生薬リスト記憶部を有し、
情報処理装置に対して、
病者に処方された少なくとも一つの医薬品の名称を入力して記憶するための、医薬品入力処理と、
生薬の名称を入力して記憶するための、生薬入力処理と、
医薬品及び生薬に基づいて、第1生薬リスト記憶部を検索し、生薬と、医薬品とが、配合禁忌であるか否かを判定するための、適合生薬判定処理と、
判定結果を表示するための、結果表示処理と、
を実行させるプログラムである。
【0039】
本発明の構成7のプログラムを用いることにより、病者の医薬品に対する配合禁忌の生薬を避けることができるので、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、適切な生薬及び/又は生薬基質以外の食材を選択することができる。
【0040】
(構成8)
本発明の構成8は、情報処理装置が、
医薬品と、その医薬品に対して代替効果を期待する生薬とを関連付けて記憶するための、第2生薬リスト記憶部と、
医薬品と、その医薬品の効果を補完する生薬とを関連付けて記憶するための、第3生薬リスト記憶部と、
医薬品と、その医薬品の副作用を緩和する生薬とを関連付けて記憶するための、第4生薬リスト記憶部と、
から選択される少なくとも1つの記憶部を更に備え、
適合生薬判定処理が、
医薬品及び生薬に基づいて、第2生薬リスト記憶部を検索し、生薬が、その医薬品に対して代替効果を期待する生薬であるか否かを判定すること、
医薬品及び生薬に基づいて、第3生薬リスト記憶部を検索し、生薬(及び/又は生薬基質以外の食材)が、その医薬品の効果を補完する生薬であるか否かを判定すること、及び/又は
医薬品及び生薬に基づいて、第4生薬リスト記憶部を検索し、生薬が、その医薬品の副作用を緩和する生薬であるか否かを判定すること
を更に含む、構成7のプログラムである。
【0041】
本発明の構成8によれば、本発明のプログラムが上記構成を有することにより、病者の医薬品に対する配合禁忌の生薬を避けることができることに加え、さらに、医薬品の代替効果を期待する生薬、医薬品の効果を補完する生薬、及び/又は医薬品の副作用を緩和する生薬を適切に選定することができる。そのため、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、より適切な生薬を選択することができる。
【0042】
(構成9)
本発明の構成9は、生薬が、病者用食品に配合又は添加するための生薬であり、
病者用食品が、生薬基原の部分以外の部分である食材を有し、
情報処理装置が、医薬品と、その医薬品に対する配合禁忌の食材とを関連付けて記憶するための、第1食材リスト記憶部を更に備え、
プログラムが、情報処理装置に対して、
食材を入力して記憶するための、食材入力処理と、
医薬品及び食材に基づいて、第1食材リスト記憶部を検索し、食材と、医薬品とが、配合禁忌であるか否かを判定するための、適合食材判定処理と、
を更に実行させ、
結果表示処理が、適合食材判定手段の判定結果を更に表示する、構成7又は8のプログラムである。
【0043】
本発明の構成9のプログラムによれば、生薬が配合又は添加された病者用食品において、生薬だけでなく、生薬基原の部分以外の部分である食材についても、医薬品に対する配合禁忌を判断することができる。そのため、生活習慣病の病者に対する病者用食品において、適切な生薬のみならず、適切な食材を選択することができる。
【0044】
(構成10)
本発明の構成10は、情報処理装置が、
医薬品と、その医薬品に対して代替効果を期待する食材とを関連付けて記憶するための、第2食材リスト記憶部と、
医薬品と、その医薬品の効果を補完する食材とを関連付けて記憶するための、第3食材リスト記憶部と、
医薬品と、その医薬品の副作用を緩和する食材とを関連付けて記憶するための、第4食材リスト記憶部と
から選択される少なくとも1つの記憶部を更に備え、
適合食材判定処理が、
医薬品及び食材に基づいて、第2食材リスト記憶部を検索し、食材が、その医薬品に対して代替効果を期待する食材であるか否かを判定すること、
医薬品及び食材に基づいて、第3食材リスト記憶部を検索し、食材が、その医薬品の効果を補完する食材であるか否かを判定すること、及び/又は
医薬品及び食材に基づいて、第4食材リスト記憶部を検索し、食材が、その医薬品の副作用を緩和する食材であるか否かを判定すること
を更に含む、構成9のプログラムである。
【0045】
本発明の構成10によれば、本発明のプログラムが上記構成を有することにより、生薬が配合又は添加された病者用食品において、病者の医薬品に対する配合禁忌の食材を避けることができることに加え、さらに、医薬品の代替効果を期待する食材、医薬品の効果を補完する食材、及び/又は医薬品の副作用を緩和する食材を適切に選定することができる。そのため、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、より適切な生薬のみならず、より適切な食材を選択することができる。
【0046】
(構成11)
本発明の構成11は、食材が、生薬の生薬基原の部分以外の部分である賦形剤であり、病者用食品が生薬を含む錠剤である、構成9又は10のプログラムである。
【0047】
本発明の構成11のプログラムによれば、生薬を含む錠剤を製造する際に用いる賦形剤の、病者の医薬品に対する配合禁忌などの情報を得ることができる。そのため、生薬を含む錠剤のための、適切な賦形剤を選択することが可能になる。
【0048】
(構成12)
本発明の構成12は、生薬及び/又は食材が、分子生物学、分子遺伝学及び分子生理学に基づいて、分子栄養学によりエビデンスがあると認められた生薬及び/又は食材である、構成7~11のいずれかのプログラムである。
【0049】
本発明の構成12によれば、生薬/又は食材が、科学的な手法によりエビデンスがあると認められることにより、医師等の医療関係者が、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、適切な生薬/又は食材を用いることができる。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の疾患機能回復のために、適切な生薬(及び必要に応じて生薬関連食材)を選択するための装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本発明の装置の構成の一例を示す図である。
図2】本発明の装置に用いることができる付加的な構成の一例を示す図である。
図3】本発明の装置の構成の別の一例を示す図であって、図1に示す装置の例に、図2に示す付加的な構成を追加した例を示す図である。
図4】本発明の装置に用いることができる、適合生薬判定手段の別の構成の一例を示す図である。
図5】本発明の装置に用いることができる、適合食材判定手段の別の構成の一例を示す図である。
図6】本発明のプログラムの処理の一例を示す図である。
図7】本発明のプログラムに用いることができる付加的な処理の一例を示す図である。
図8】本発明のプログラムの処理の別の一例を示す図であって、図6に示すプログラムの例に、図7に示す付加的な処理を追加した例を示す図である。
図9】本発明のプログラムに用いることができる、適合生薬判定処理の別の処理形態の一例を示す図である。
図10】本発明のプログラムに用いることができる、適合食材判定処理の別の処理形態の一例を示す図である。
図11】生薬及び食材のエビデンスを証明する学術的根拠を得るための、分子生物学と、分子栄養学との関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の装置及びプログラムの実施形態について具体的に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化する際の形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
【0053】
本明細書において、「生活習慣病」とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群のことを意味する。具体的には、がん、循環器系疾患、糖尿病、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの疾患のことをいう。
【0054】
本明細書において、「病者」とは、所定の病気を有する人間のことをいう。特に、本明細書では、生活習慣病の病者のことを単に「病者」という場合がある。
【0055】
本明細書において、「生薬」とは、日本薬局方に掲載されている生薬を含み、漢方薬の原料となる成分を含むもののことをいう。
【0056】
本明細書において、「病者用食品」とは、病者用食事に含まれる食品のことをいう。本明細書では、特に、生薬が含まれる食品のことを「病者用食品」という場合がある。
【0057】
本明細書において、「病者用食事」とは、病者に提供すべき病者用食事のことをいう。また、「病者用食事」のことを「治療食」などという場合がある。また、本明細書では、特に、生薬が含まれる「病者用食事」のことを、「薬膳料理」という場合がある。
【0058】
本明細書において、病者用食事及び病者用食品を作るための材料のことを、「食材」という。また、本明細書では、病者用食品と、食材とを同義で用いる場合がある。
【0059】
本明細書において、「賦形剤」とは、医薬品の取扱い、又は成形などのために加える添加剤のことをいう。賦形剤としては、通常、乳糖及びデンプンがよく用いられることから、本明細書において、賦形剤は、食材の一種として扱う。生薬の効能を有するものは基原の部分であるので、生薬の生薬基原の部分以外の部分は、賦形剤として扱う。また、生薬を含む錠剤は、生薬基原及び賦形剤(食材)を含むので、病者用食品の一種として扱う。
【0060】
本明細書において、「情報処理装置」とは、単体のコンピュータ等の装置を意味するだけでなく、ローカルネットワークやインターネット等の通信回線により接続された他の装置を連結した形態の情報処理をするためのネットワークの概念を含む。
【0061】
本明細書において、「記憶する」とは、情報処理装置のメモリー及びハードディスク等、ローカルネットワークやインターネット等の通信回線により接続された他の装置の内部等の「記憶部」に対して、入力された情報を、装置及びプログラムによる所定の処理が終わるまで、読み出し可能なようにその情報を書き込み、その情報を記憶することをいう。
【0062】
本明細書において、「記憶部」とは、メモリー及びハードディスク等のように、入力された情報を読み出し可能なように書き込むことのできるものをいう。記憶部は、所定の装置の内部に配置することができる。また、記憶部は、ローカルネットワークやインターネット等の通信回線により接続された他の装置の内部に存在することができる。
【0063】
本明細書において、医薬品入力手段及び生薬入力手段等に用いる「入力手段」としては、キーボード、音声入力及びマウス等のポインティングデバイスによるプルダウンメニュー等からの選択等、公知の入力装置を入力手段として用いることができる。また、入力手段として、他の情報処理装置から本実施形態の情報処理装置へのデータの転送を用いることができる。その他の入力手段についても同様である。
【0064】
本明細書において、「結果表示手段」としては、ディスプレイ、印刷装置、音声出力装置及びローカルネットワークやインターネット等の通信回線による外部への出力等、公知の表示をするための手段を用いることができる。すなわち、結果表示手段は、本実施形態の情報処理装置が表示装置を有していることのみならず、他の情報処理装置へのデータ(結果)の転送により、他の情報処理装置に対して結果を表示することを含む。
【0065】
公的な市町村の保険者や組合保険者の医療保険者と地元の医療機関との連携を円滑に実現するためには、生活習慣病の中から、取りあえず、特に高齢者が必然的に罹患する成人病だけを特定することで臨床医療の範囲として、公的検診を臨床医療現場で受け入れられる環境を創りだすことが重要である。ただし、予防と治療とは一線を画されており、現状のままでの連携は進まないのが現状である。
【0066】
生活習慣病の義務的健診の実効性を高めるためには、保健指導だけで終わるのではなく、公的検診を臨床医療現場に繋ぐことにより、初期治療の段階で疾患の重症化を阻止することが必要である。また、前期、後期高齢者に関わらず、加齢とともに必然的に罹患する糖尿病等の生活習慣病などの成人病については、初期治療の段階で疾患の重症化を阻止することが重要である。
【0067】
本発明では、まず、臨床治療の一環として医師が、NST(栄養サポートチーム、看護師、薬剤師、及び管理栄養士など)の管理栄養士などに出すクリティカルパスにおいて、栄養士に対して、病気ごとの治療や検査内容を示し、栄養学による独自の食事のレシピー作成を分担するという業務分担を明確にする必要がある。また、医師が薬の処方箋を出すことと異なり、治療食は、医師が処方箋又は指示によって使用され供給される医薬品ではないとの法的基準を明確にする必要がある。
【0068】
治療の一環として、治療用医薬品と同時に、患者に提供される機能性療養食材(生薬、食材等)との相互作用及び配合禁忌を科学的根拠に基づき、リスク検証できることは必須であるといえる。さらに機能性食品(生薬、食材等)に係る医学サイドと栄養学サイドが承認し、エビデンスを証明する学術的根拠が必要である。図11に示すように、ここで医学と栄養学を分子栄養学で繋ぎ、その基礎となる分子生物学による科学的検証を導入し、双方のエビデンスを確立することが必要である。なお、図11において、分子遺伝学とは、遺伝子情報の伝達、タンパク質合成・調節などの医学系研究であり、分子生理学とは、酵素作用、代謝等の機構解明のためのメタオミックスであって、農学、栄養学系の技術における理解である。
【0069】
この理論的根拠となる最近のプレシジョン・メディシン(精密医療)では、分子機序、治療用医薬品、感受性、生活習慣、環境要因、予後や転帰を含めた階層パターンが存在し、患者個別の疾患に適合した個別化医療が研究され、病気は遺伝子素因だけでなく環境・生活習慣要因の相互作用によって発症することが明確になった。そのため、患者の食材の機能性による生涯的健康管理において、新たなジャンルを拓くことができることになった。
【0070】
次に重要な課題として、機能性療養食(生薬、食材等)が、近代医薬に近いエビデンスを確立できるかが問題である。医薬品の安全性における医学的視点において、医薬品は、特定の期待をして使用した、薬事効果を示す標的器官を対象に開発されている。医薬品は、期待した以外の作用はすべて副作用として定義されるというトキシコロジー(毒性学)という厳密な投薬治験による検証事例を原則として、相互作用のリスクの検証が成立している。
【0071】
医薬品が科学的検証を得ており、信頼性を有するのに対し、有機物構成の機能性食材(生薬、食材等)においては、分子生物学や生化学による栄養素と遺伝子発現解析をベースにした分子栄養学による科学的エビデンスついては、医学サイドも認めており、医薬品との相互、配合禁忌の検証が可能である。医薬品開発の治験は必須であるが、生薬の場合、医薬品治験に勝るとも劣らない、長い歴史をかけた薬効が医学的臨床で確認されてきたことを評価したい。
【0072】
機能性食品関連の産業界から、予防により踏み込んだ機能性の表示をしたいとの要望がある。このような産業界の流れのなかで、不良品および偽造品や、医薬品と称している承認許可を取得のないもの、食品と称しているが医薬品とみなされるものがある。このような機能性食品を、無承認、無許可の医薬品の指導、取り締まりの医薬品との区別を明確にするため、薬事法を改正して、栄養機能食品の許可基準を設け、日本薬局方に登録の生薬のなかから、医薬品的効果を標榜しない限り医薬品と判断せず、食品とできるという公示を出ている。
【0073】
特定保健食品のなかで、難消化性デキストリンを含有している機能性食品もある。このような機能性食品を、投薬中の患者が医師に知らせず、取り入れていると、強心薬のジキタリスや抗擬固薬のワファリンが投与された場合、食物繊維に吸収され、薬効を減少させるという問題が生じる。また、通常の食品のグレープフルーツジュースでは、モノアミン酵素剤MAOを投与されると、薬物の代謝酵素で代謝される処方医薬品の半数が、細胞内のシトクロムP450が阻害され、医薬品の吸収を増加するとして注意されている。
【0074】
通院・在宅で投薬治療を受けている地域医療の現場では、医師の知らないところで市場の機能性食品を取って医師の管理外にいる高齢者が多いのが現状である。高騰する高齢者医療費の抑制が叫ばれるなかで、初期治療で病気の発症や重症化予防を進めるためには、医師の診療があって、環境と食生活改善のための食事療法も効果的に進める必要がある。治療用医薬品の併用による治療施療が執行される場合、それは治療行為の一環であり、医薬品が投与される為に治療食と薬品との相互作用を事前にチェックできることで、治療用医薬品と、併用される療養機能性食品との相互、配合禁忌のリスクを検証することがまず医療の大原則である。
【0075】
食品は多くの成分の集合体であり、未知の成分が多く含まれることと、食物を摂取することで、消化器の運動や血液などの糖分などの変化が生じるなど医薬品同士の場合より複雑になる。日本薬局方に登録してある生薬は、医薬品の治験に相当するものが得られていると考えられる。臨床的に既に認められている天然資源医薬品である生薬のなかから、薬事法で非医リスト食品に分類することができる。医薬品として日本薬局方に登録された生薬のなかから、漢方食品と医薬品との相互作用の検証ソフトを確立し、法的適合性を検証しながら、新しく医薬食品のジャンルをまず確立することが必要である。
【0076】
次に、薬事法の一部が改正で、生薬で、非医療リストを設け、一般機能性食品としての使用許諾をあたえているが、これも医師が関与すれば、医薬品とみなされ規制の対象になるが、医師の管理と指示で、漢方方剤に配剤されている生薬の中にも、惣菜や薬膳料理と呼ばれる薬用植物全体から有効部位を活用した療養機能性食品を開発することができる。医薬品的効果を医療関係者のみが管理する栄養機能食品として、生薬の日本薬局方の科学的分析情報をベースにして、医療関係者に限定して索引資料として引用できるようにすることが重要である。例えばヒトの大腸で代謝される短鎖脂肪酸のような植物代謝低分子として体内に取り込まれる機序の食材を、分子栄養学で解析し、科学的エビデンスも表示できる情報を開示することも重要である。
【0077】
薬事法等に規制されるまでもなく、機能性食品と医薬品の安全性において、基本的な違いを見る場合、医学的視点では、当然治療行為のなかで使用される薬との副作用が検証できない以上、機能性食品は、現状における医療分野に参入することは出来ない。医師の知らないところで機能性を謳うサプリメントを購入し、飲んでいると、高血圧症や狭心症などの循環器系疾患で阻害が出たり、逆に、血液さらさらの抗凝固剤のワファリンなどが、食中のデキストリンなどに吸着され、消化管から体内に吸収されにくくなり、症状の改善を阻害し、疾患の重症化を招くとの報告もある。
【0078】
本発明は、高齢者健診を保険指導で終わらせないで、臨床治療に連結し、健診の効果を高めるために、保険指導で環境・生活食改善を薦めているものを、医療行為の一環として療養機能食品として指導し供給を管理しながら、診療行為を進めるものである。必然的に医師が処方する医薬品と、医薬品に近い機能性食品との配合・相互禁忌のリスクを事前に回避し、患者の安全性を確保することが必要である。そのためのチェックリストを策定するために、機能性食品のエビデンスを基にした医薬品との相互作用を検証チェックするデータを用意することが重要である。また、配合禁忌リスト表を得ることにより、医療関係者が必要に応じ、索引してチェックすることで患者の安全を確保することが重要である。
【0079】
本発明の装置及びプログラムは、医師がNST(栄養サポートチーム)に対して病状と治療目的を伝達し、治療方針を伝達し、その内の栄養管理についての指示を受けた管理栄養士によるレシピーの作成のために用いることができる。そのために、食品の機能性情報を明確にすることが基本になる。その基本情報を当該食材の分子栄養学の分子生物学における、農学、栄養学分野の酵素作用、代謝等の機構解明を行った情報を受けて医学分野の遺伝子情報、タンパク質合成などの医学系技術解明を行うことで、医学、農学双方が共有するエビデンスをソフト化し、場合によっては、AI、IoTを駆使できるにすることができる。
【0080】
本発明の核となる療養機能性食材(生薬、食材)が、医薬品と併用して使用するための療養機能性食材としてのエビデンス構築が重要である。療養食の医療サイトが求めるエビデンスには、漢方処方や非医療リストある生薬を核とする治療食の供給が初めて可能になる。本発明の装置及びプログラムは、医療現場での限定的な使用に限定されることが好ましい。そのためには、医療サイドの信頼を得ることが必要である。医薬品の開発経過を見ると、元は生薬、漢方方剤等の薬用植物の機能を解析し、化学合成に至った経緯がある。非医リストの生薬を用いて、機能性食品をまず製品化させることが必要であるが、生薬が今まで経験則だけであったのを、新しく、食品としてのメタゲノムによる分子生物学的解析を行うことでより高いエビデンスを構築することが重要である。
【0081】
本発明の対象疾患は、初期医療による疾患発症の予防が目的である。具体的には、生活習慣病である糖尿病や高血圧症や腎疾患などの多因子疾患に集約した対応を行う。そこでの生薬での対応例として、糖尿病対応として、肥満の高脂血症には、チモ(知母)、オウセイ(黄精)、ソウハクビ(桑白皮)等の生薬、慢性腎炎にはブクリョウ(茯苓)、チョレイ(猪苓),タクシャ(沢瀉)、モクツウ(木通)、ビャクジュツ(白朮)、レンセンソウ(蓮銭草)、カゴソウ(夏枯草)などがある。また、血圧循環器疾患には、コウボク(厚朴)、センソ(践祚)、ジキタリス等がある。これらを含めた食品に於いて生薬毎の主要成分の化学式や臨床効果等は開示されているが、分子生物学的解析がないため、通常のゲノム解析より、高次元のメタオミックス解析によって、科学的エビデンスを確立することが必要である。
【0082】
医療関連事業の情報を、広く社会に還元するために、これらの基礎情報を元に、薬膳料理を理論的にバックアップして、一般の高齢者の健康と機能保持を目指した療養食ジャンルを拓くことが重要である。日本薬局方に収載されている天然薬物や、漢方方剤に配剤されている生薬のなかでも、惣菜や甘味料や香料なども食用として供されている物も多く認められている。生薬は、合成薬品のような切れ味鋭い薬効はないが、副作用も少なく、臓器の恒常性と機能復元を目指す療養食の食材として最適である。本発明により、生薬として限定された特定の部位だけでなく、その植物のもつ薬剤性を生かした、薬膳料理風治療食を理論的にバックアップすることで、コストダウンを図り、広く未病も含む高齢者支援のための療養食開発を支援し、健康長寿社会実現に貢献することができる。
【0083】
これらの技術情報をもとに組み上げるメディカルケアサービスは、医薬品と療養機能性食品との相互作用を検証するもので、医師からかクリティカルパスの指示だけて、管理栄養士が栄養学に基づき独自のレシピーを発行している。しかしながら、そのレシピーを受けていた患者の事後の改善経過を、医師がチェックする機構がなく、やりっぱなしを改善するシステムが必要である。そのため、管理栄養士が選定した機能性食材が、薬と似た信頼のおける物質で構成されているかを証明する患者検索情報をプールするとともに、患者の医薬品と療養食の摂取経過を、医師が必要に応じて随時チェックできるシステムが、在宅医療では必須でなければならない。本発明は、そのシステムを提供するために重要である。
【0084】
本発明の装置及びプログラムは、あくまで医療機関の医師、管理栄養士、看護師、薬剤師等医療に関与している関係者に限定開示することを目的とするものであり、一般消費者向けの食品表示法に依る機能性表示食品と一線を画するものである。さらに薬事法による「医療用医薬品とは医師、若しくは歯科医師によって使用され又これらの者の処方若しくは指示によって使用されることを目的とする医薬品をいう」という規制からみて、本発明においては、医師の業務であるプロトコール、又はクリティカルパスでの指示は、あくまでも診断内容の指示伝達であり、食品そのもの内容に指示しているのではないが、本発明の装置及びプログラムは、薬事法の医薬品の取り扱いには、抵触しないと考える。ただし、栄養士が選択推薦した機能性食品が科学的に如何なるものかを検索することは、医師の通常業務の範囲あり、この医療関連情報が一般に公開される物でないという前提で、この発明がなされている。
【0085】
本発明は、義務化された公的健診結果を、臨床治療にドッキングさせるもので、今までの治療執行ではなかった業務である。そこで当選想定される食品と患者に投薬される医薬品の配合禁忌のリスクを回避するための装置及びプログラムを作ることを目的とする。また、治療に関与する食品(生薬、食材)という位置づけから、医療サイドから要求される食材のエビデンスを如何に証明するかということが必要であり、科学的裏付け情報を学理的観点から、医師をはじめとする医療関係者が検索できる情報を内蔵した装置及びプログラムを提供することを目的とする。また、近代医薬品の創生の原点が、天然薬草(生薬)の効果に基づいてそれを化学的に合成していることから、生薬には、一般の食材にはない信頼性があるといえる。そのため、生薬をベースにした療養機能性食材の位置付けをして、分子栄養学が含有するメタゲノム解析で生薬及び食材のエビデンスを確立させる手法等を核に提示することを目的とする。また、今まで経験的にしか治療効果を表示できていない薬膳料理に、漢方医療でも欠けているメタゲノム解析技術を駆使し、科学的なデータを基にした高齢者用療養機能食品の提供を可能にする手法を提供することを目的とする。
【0086】
以上の状況を鑑み、本発明者らは、以下に述べる装置及びプログラムを想到した。
【0087】
次に、本発明の装置の実施形態について説明する。
【0088】
図1に、本実施形態の装置の一つの態様を示す。本実施形態の装置は、生活習慣病の病者に提供すべき生薬を選択するための装置である。本装置は、医薬品入力手段、生薬入力手段、第1生薬リスト記憶部、適合生薬判定手段、及び結果表示手段を有する。本装置によれば、病者の医薬品に対する配合禁忌の生薬を避けることができるので、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、適切な生薬を選択することができる。
【0089】
医薬品入力手段は、病者に処方された少なくとも一つの医薬品の名称を入力して記憶するように構成される。また、医薬品入力手段は、更にその医薬品の処方投与量を入力して記憶するように構成されることができる。
【0090】
処方された医薬品及びその医薬品の処方投与量は、病気(生活習慣病)の種類及びその進行度に応じて、医師により処方される。
【0091】
生薬入力手段は、生薬の名称を入力して記憶するように構成される。病者用食事又は病者用食品に添加しようとする生薬であることができる。
【0092】
なお、生薬入力手段は、必ずしも必要ではなく、医薬品入力手段により得られた医薬品のみの情報に基づいて、後述の適合生薬判定手段を適用することも可能である。また、逆に、医薬品入力手段は、必ずしも必要ではなく、生薬入力手段により得られた生薬のみの情報に基づいて、後述の適合生薬判定手段を適用することも可能である。したがって、本実施形態の装置では、入力手段として、医薬品入力手段及び生薬入力手段から選択される少なくとも1つが必要である。
【0093】
第1生薬リスト記憶部は、医薬品と、その医薬品に対する配合禁忌の生薬とを関連付けて記憶するように構成される。
【0094】
第1生薬リスト記憶部は、検索可能なように、医薬品と、その医薬品に対する配合禁忌の生薬とを関連付けて記憶するための記憶部である。第1生薬リスト記憶部は、基本的には、医薬品と、その医薬品に対する配合禁忌の生薬とを、医薬品から配合禁忌の生薬を、又は生薬からその配合禁忌となる医薬品を検索することが可能なように作られて記憶されたリストである。
【0095】
適合生薬判定手段は、医薬品及び生薬に基づいて、第1生薬リスト記憶部を検索し、生薬と、医薬品とが、配合禁忌であるか否かを判定するように構成される。適合生薬判定手段により、入力された生薬と、処方された薬品とが配合禁忌であるかどうかを、第1生薬リスト記憶部の検索結果に基づいて判定することができる。
【0096】
厚生労働省の医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業では、一般用医薬品に於ける化学合成品のリスク区分の見直しと、漢方製剤の安全性確保の研究を行っている。それらの研究結果から得られた「安全に使うための漢方処方の確認票」の処理用ソフトウェアとの連動等、第1生薬リスト記憶部として、外部のデータベースを含めた連携等により、医薬品との配合禁忌判定手段を稼働させるという選択肢を用意することができる。この場合、外部に置かれた第1生薬リスト記憶部へアクセスするための通信手段としては、インターネット等の通信手段を用いることができる。また、配合禁忌判定手段を外部において、第1生薬リスト記憶部へアクセスすることもできる。他の記憶部及び判定手段についても同様の構成にすることができる。
【0097】
なお、生薬入力手段がなく、生薬に関する情報が入力されていない場合には、医薬品入力手段により得られた医薬品のみの情報に基づいて、適合生薬判定手段により、医薬品と配合禁忌にある生薬のすべてをリストとして得るという実施形態にすることも可能である。また、医薬品入力手段がなく、医薬品に関する情報が入力されていない場合には、生薬入力手段により得られた生薬のみの情報に基づいて、適合生薬判定手段により、生薬と配合禁忌にあるすべての医薬品をリストとして得るという実施形態にすることも可能である。
【0098】
図4に適合生薬判定手段の別の実施形態を示す。図4に示す実施形態では、装置が、第1生薬リスト記憶部に加えて、第2生薬リスト記憶部、第3生薬リスト記憶部、及び第4生薬リスト記憶部から選択される少なくとも1つの記憶部をさらに備えることができる。
【0099】
第1生薬リスト記憶部は、図1に示す実施態様と同様である。
【0100】
第2生薬リスト記憶部は、医薬品と、その医薬品に対して代替効果を期待する生薬とを関連付けて記憶するように構成される。装置が、第2生薬リスト記憶部を有する場合、適合生薬判定手段は、医薬品及び生薬に基づいて、第1生薬リスト記憶部に加えて、第2生薬リスト記憶部を更に検索し、生薬が、医薬品の代替効果を期待できるか否かを判定するように更に構成されることができる。
【0101】
第3生薬リスト記憶部は、医薬品と、その医薬品の効果を補完する生薬とを関連付けて記憶するように構成される。装置が、第3生薬リスト記憶部を有する場合、適合生薬判定手段は、第3生薬リスト記憶部を更に検索し、生薬が、医薬品の効果を補完するか否かを判定するように更に構成されることができる。
【0102】
第4生薬リスト記憶部は、医薬品と、その医薬品の副作用を緩和する生薬とを関連付けて記憶するように構成される。装置が、第4生薬リスト記憶部を有する場合、適合生薬判定手段は、第4生薬リスト記憶部を更に検索し、生薬が、医薬品の副作用を緩和するか否かを判定するように更に構成されることができる。
【0103】
本実施形態の装置が、第2生薬リスト記憶部、第3生薬リスト記憶部、第4生薬リスト記憶部から選択される少なくとも1つの記憶部をさらに備えることにより、さらに、医薬品の代替効果を期待する生薬、医薬品の効果を補完する生薬、及び/又は医薬品の副作用を緩和する生薬を適切に選定することができる。そのため、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、より適切な生薬を選択することができる。
【0104】
結果表示手段は、判定結果を表示するように構成される。
【0105】
適合生薬判定手段により、入力された生薬(及び必要に応じて生薬を核とする食品)と、処方された医薬品とが配合禁忌であるかどうかを判定した判定結果を、結果表示手段により表示することができる。医療関係者、例えば医師及び管理栄養士は、この判定結果を参考にして、生薬を選択することができる。また、結果表示手段では、その表示結果を適宜選択することができる。すなわち、適合生薬判定手段によって判定された選択された生薬のみを表示することもできるし、選択されなかった生薬をその理由とともに表示することもできる。また、入力手段により入力された内容とともに判定結果を表示することもできる。
【0106】
図2に示すように、本実施形態の装置は、生薬と同様に、食材についても、病者の医薬品に対する配合禁忌などを判定する手段を有することが好ましい。なお、図3に、図1に示す本実施形態の装置に、図3に示す食材に関する構成を追加した装置の構成を示す。
【0107】
図2に示す構成(食材判定手段)では、生薬とともに、病者用食品に配合又は添加するための食材を判定する。具体的には、食材判定手段は、図1に示す装置と共通する医薬品入力手段及び結果表示手段に加えて、食材入力手段と、第1食材リスト記憶部と、適合食材判定手段とを有する。
【0108】
医薬品入力手段は、図1に示す装置と共通であり、病者に処方された少なくとも一つの医薬品の名称を入力して記憶するように構成される。
【0109】
食材入力手段は、食材を入力して記憶するように構成される。
【0110】
第1食材リスト記憶部は、検索可能なように、医薬品と、その医薬品に対する配合禁忌の食材とを関連付けて記憶するための記憶部である。第1食材リスト記憶部は、基本的には、医薬品と、その医薬品に対する配合禁忌の食材とを、医薬品から配合禁忌の食材を、又は食材からその配合禁忌となる医薬品を検索することが可能なように作られて記憶されたリストである。
【0111】
適合食材判定手段は、医薬品及び食材に基づいて、第1食材リスト記憶部を検索し、食材と、医薬品とが、配合禁忌であるか否かを判定するように構成される。適合食材判定手段により、入力された食材と、処方された医薬品とが配合禁忌であるかどうかを、第1食材リスト記憶部の検索結果に基づいて判定することができる。
【0112】
結果表示手段は、図1に示す装置と共通であり、適合食材判定手段の判定結果を更に表示するように構成される。食材の判定結果の表示方法は、生薬の判定結果と同様である。
【0113】
食材と、医薬品とが、配合禁忌であるか否かを判定することにより、生薬が配合又は添加された病者用食品において、生薬だけでなく、生薬基原の部分以外の部分である食材についても、医薬品に対する配合禁忌を判断することができる。そのため、生活習慣病の病者に対する病者用食品において、適切な生薬のみならず、適切な食材を選択することができる。
【0114】
図5に適合食材判定手段の別の実施形態を示す。図5に示す実施形態では、装置が、第1食材リスト記憶部に加えて、第2食材リスト記憶部、第3食材リスト記憶部、第4食材リスト記憶部から選択される少なくとも1つの記憶部をさらに備えることができる。
【0115】
第1食材リスト記憶部は、図2に示す実施態様と同様である。
【0116】
第2食材リスト記憶部は、医薬品と、その医薬品に対して代替効果を期待する食材とを関連付けて記憶するように構成される。装置が、第2食材リスト記憶部を有する場合、適合食材判定手段は、医薬品及び食材に基づいて、第2食材リスト記憶部を更に検索し、食材が、医薬品の代替効果を期待できるか否かを判定するように更に構成されることができる。
【0117】
第3食材リスト記憶部は、医薬品と、その医薬品の効果を補完する食材とを関連付けて記憶するように構成される。装置が、第3食材リスト記憶部を有する場合、適合食材判定手段は、第3食材リスト記憶部を更に検索し、食材が、医薬品の効果を補完するか否かを判定するように更に構成されることができる。
【0118】
第4食材リスト記憶部は、医薬品と、その医薬品の副作用を緩和する食材とを関連付けて記憶するように構成される。装置が、第4食材リスト記憶部を有する場合、適合食材判定手段は、第4食材リスト記憶部を更に検索し、食材が、医薬品の副作用を緩和するか否かを判定するように更に構成されることができる。
【0119】
本実施形態の装置が、第2食材リスト記憶部、第3食材リスト記憶部、第4食材リスト記憶部から選択される少なくとも1つの記憶部をさらに備えることにより、生薬が配合又は添加された病者用食品において、病者の医薬品に対する配合禁忌の食材を避けることができることに加え、医薬品の代替効果を期待する食材、医薬品の効果を補完する食材、及び/又は医薬品の副作用を緩和する食材を適切に選定することができる。そのため、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、より適切な生薬のみならず、より適切な食材を選択することができる。
【0120】
本実施形態の装置では、食材が、生薬の生薬基原の部分以外の部分である賦形剤であり、病者用食品が生薬を含む錠剤であることが好ましい。本実施形態の装置によれば、生薬を含む錠剤を製造する際に用いる賦形剤の、病者の医薬品に対する配合禁忌などの情報を得ることができる。そのため、生薬を含む錠剤のための、適切な賦形剤を選択することが可能になる。
【0121】
本実施形態の装置では、生薬/又は食材が、分子生物学、分子遺伝学及び分子生理学に基づいて、分子栄養学によりエビデンスがあると認められた生薬及び/又は生薬を含む食材であることが好ましい。生薬が、科学的な手法によりエビデンスがあると認められることにより、医師等の医療関係者が、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、適切な生薬を用いることができる。なお、上述の食材についても、分子生物学、分子遺伝学及び分子生理学に基づいて、分子栄養学によりエビデンスがあると認められることが好ましい。
【0122】
また、本実施形態の装置は、生薬及び食材のエビデンスに関する付帯情報記憶部を含むことができる。
【0123】
生薬及び食材のエビデンスに関する付帯情報記憶部とは、上述の、医薬品に対する配合禁忌の生薬及び食材、医薬品に対する代替効果を期待する生薬及び食材、医薬品の効果を補完する生薬及び食材及び医薬品の副作用を緩和する生薬及び食材に関して、その科学的根拠を示す情報であり、例えば、医薬品に対する配合禁忌の生薬及び食材等に関する学術文献等の書誌的事項及びその記載内容等に関する情報である。生薬及び食材のエビデンスに関する付帯情報は、対応する第1~第4生薬リスト記憶部、及び第1~第4食材リスト記憶部のそれぞれと関連付けて、治験など生薬及び食材のエビデンスに関する付帯情報記憶部に記憶することができる。医師等は、プロトコールによる生薬及び食材の選択にあたって、その証拠を確認することが必要な場合がある。そのため、本実施形態の装置では、医師等が、所定の生薬及び食材のエビデンスに関する付帯情報を必要とするときは、検索により生薬及び食材のエビデンスに関する付帯情報記憶部から、その情報を読み出して表示するように構成されることが好ましい。さらにNST(栄養サポートチーム)グループの看護師、薬剤師、管理栄養士も医師と同様の情報を共有すること好ましい。
【0124】
本実施形態の装置においては、病者用食品(食材)が、特別用途食品、個別評価型病者用食品、許可基準型病者用食品又は医師や医療関係者により十分エビデンスがあると認められた食品であることが好ましい。病者用食品(食材)が、特別用途食品、個別評価型病者用食品、許可基準型病者用食品又は医師や医療関係者により十分エビデンスがあると認められた食品である場合には、病者用食品(食材)の効果、関与する成分等に関する科学的根拠が比較的明確であるためである。
【0125】
なお、本実施形態の装置は、医療関係者(医師、薬剤師、管理栄養士等)のみが使用可能なように管理され、医療関係者のブラックボックスとして機能する装置であることが好ましい。医薬品としての効果を有する生薬の選択、及び医薬品としての効果を期待する食材の選択については、医療行為である可能性があり、しかるべき専門家の管理下において使用することが必要な場合があるためである。
【0126】
次に、図6を参照して、本発明のプログラムの実施形態について説明する。
【0127】
図6に、本実施形態のプログラムの一つの態様を示す。本実施形態のプログラムを情報処理装置により実行させることによって、病者の医薬品に対する配合禁忌の生薬を避けることができるので、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、適切な生薬を選択することができる。
【0128】
図6に示すように、本実施形態のプログラムを実行するための情報処理装置は、第1生薬リスト記憶部を有する。第1生薬リスト記憶部は、上述の本実施形態の装置について説明したものと同様である。
【0129】
図6に示すように、本実施形態のプログラムは、情報処理装置に対して、医薬品入力処理と、生薬入力処理と、適合生薬判定処理と、結果表示処理とを実行させる。
【0130】
医薬品入力処理では、病者に処方された少なくとも一つの医薬品の名称(及び、必要に応じてその医薬品の処方投与量)を入力して記憶するように、プログラムが情報処理装置に対して処理を実行させる。所定の事項の入力は、上述の装置の実施形態の医薬品入力手段から行うことができる。
【0131】
生薬入力処理では、生薬の名称を入力して記憶するように、プログラムが情報処理装置に対して処理を実行させる。所定の事項の入力は、上述の装置の実施形態の生薬入力手段により行うことができる。
【0132】
なお、生薬入力処理は、必ずしも必要ではなく、医薬品入力処理により得られた医薬品のみの情報に基づいて、後述の適合生薬判定処理を適用することも可能である。また、逆に、医薬品入力処理は、必ずしも必要ではなく、生薬入力処理により得られた生薬のみの情報に基づいて、後述の適合生薬判定処理を適用することも可能である。したがって、本実施形態のプログラムでは、入力処理として、医薬品入力処理及び生薬入力処理から選択される少なくとも1つが必要である。
【0133】
適合生薬判定処理では、医薬品及び生薬に基づいて、第1生薬リスト記憶部を検索し、生薬と、医薬品とが、配合禁忌であるか否かを判定するように、プログラムが情報処理装置に対して処理を実行させる。
【0134】
なお、生薬入力処理がなく、生薬に関する情報が入力されていない場合には、医薬品入力処理により得られた医薬品のみの情報に基づいて、適合生薬判定処理により、医薬品と配合禁忌にあるすべての生薬をリストとして得るという処理形態にすることも可能である。また、医薬品入力処理がなく、医薬品に関する情報が入力されていない場合には、生薬入力処理により得られた生薬のみの情報に基づいて、適合生薬判定処理により、生薬と配合禁忌にあるすべての医薬品をリストとして得るという処理形態にすることも可能である。
【0135】
結果表示処理では、判定結果を表示するように、プログラムが情報処理装置に対して処理を実行させる。判定結果は、上述の装置の実施形態の結果表示手段に表示することができる。
【0136】
本実施形態のプログラムを用いることにより、病者の医薬品に対する配合禁忌の生薬を避けることができるので、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、適切な生薬を選択することができる。
【0137】
図9に適合生薬判定処理の別の実施形態を示す。図9に示す実施形態では、情報処理装置が、第1生薬リスト記憶部に加えて、第2生薬リスト記憶部、第3生薬リスト記憶部、及び第4生薬リスト記憶部から選択される少なくとも1つの記憶部をさらに備えることができる。第2生薬リスト記憶部、第3生薬リスト記憶部、及び第4生薬リスト記憶部については、上述の装置の実施形態のものと同様である。
【0138】
情報処理装置が、第2生薬リスト記憶部を有する場合、適合生薬判定処理では、医薬品及び生薬に基づいて、第1生薬リスト記憶部に加えて、第2生薬リスト記憶部を更に検索し、生薬が、医薬品の代替効果を期待できるか否かを判定するように、本実施形態のプログラムが情報処理装置に対して処理を実行させることができる。
【0139】
情報処理装置が、第3生薬リスト記憶部を有する場合、適合生薬判定処理では、第3生薬リスト記憶部を更に検索し、生薬が、医薬品の効果を補完するか否かを判定するように、本実施形態のプログラムが情報処理装置に対して処理を実行させることができる。
【0140】
情報処理装置が、第4生薬リスト記憶部を有する場合、適合生薬判定処理では、第4生薬リスト記憶部を更に検索し、生薬が、医薬品の副作用を緩和するか否かを判定するように、本実施形態のプログラムが情報処理装置に対して処理を実行させることができる。
【0141】
情報処理装置が、第2生薬リスト記憶部、第3生薬リスト記憶部、及び第4生薬リスト記憶部から選択される少なくとも1つの記憶部をさらに備えることにより、本実施形態のプログラムによって、さらに、医薬品の代替効果を期待する生薬、医薬品の効果を補完する生薬、及び/又は医薬品の副作用を緩和する生薬を適切に選定することができる。そのため、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、より適切な生薬を選択することができる。
【0142】
本実施形態のプログラムは、情報処理装置の結果表示手段に対して、判定結果を表示するように処理を実行させることができる。
【0143】
図7に示すように、本実施形態のプログラムは、生薬と同様に、食材についても、病者の医薬品に対する配合禁忌などを判定する処理を実施されることが好ましい。なお、図8に、図6に示す本実施形態のプログラムに、図7に示す食材に関する処理を追加したプログラムの構成を示す。
【0144】
図7に示す処理(食材判定処理)では、生薬とともに、病者用食品に配合又は添加するための食材を判定する。具体的には、食材判定処理は、図6に示すプログラムと共通する医薬品入力処理及び結果表示処理に加えて、食材入力処理と、適合食材判定処理とを実施する。なお、適合食材判定処理を実施するために、情報処理装置は、第1食材リスト記憶部を有する。なお、第1食材リスト記憶部は、上述の装置の実施形態の第1食材リスト記憶部と同様である。
【0145】
医薬品入力処理は、図6に示すプログラムと共通であり、病者に処方された少なくとも一つの医薬品の名称を入力して記憶するように処理が実施される。
【0146】
適合食材判定処理は、医薬品及び食材に基づいて、第1食材リスト記憶部を検索し、食材と、医薬品とが、配合禁忌であるか否かを判定するように処理が実施される。適合食材判定処理により、入力された食材と、処方された医薬品とが配合禁忌であるかどうかを、第1食材リスト記憶部の検索結果に基づいて判定することができる。
【0147】
結果表示処理は、図6に示す結果表示処理と共通であり、適合食材判定手段の判定結果を更に表示するように処理が実施される。食材の判定結果の表示方法は、生薬の判定結果と同様である。
【0148】
食材と、医薬品とが、配合禁忌であるか否かを判定することにより、生薬が配合又は添加された病者用食品において、生薬だけでなく、生薬基原の部分以外の部分である食材についても、医薬品に対する配合禁忌を判断することができる。そのため、生活習慣病の病者に対する病者用食品において、適切な生薬のみならず、適切な食材を選択することができる。
【0149】
図10に適合食材判定処理の別の実施形態を示す。図10に示す実施形態では、情報処理装置が、第1食材リスト記憶部に加えて、第2食材リスト記憶部、第3食材リスト記憶部、第4食材リスト記憶部から選択される少なくとも1つの記憶部をさらに備えることができる。第2~第4食材リスト記憶部については、上述の装置の実施形態のものと同様である。
【0150】
情報処理装置が、第2食材リスト記憶部を有する場合、適合食材判定処理では、医薬品及び食材に基づいて、第2食材リスト記憶部を更に検索し、食材が、医薬品の代替効果を期待できるか否かを判定するように、更に処理が実行されることができる。
【0151】
情報処理装置が、第3食材リスト記憶部を有する場合、適合食材判定処理では、第3食材リスト記憶部を更に検索し、食材が、医薬品の効果を補完するか否かを判定するように、更に処理が実行されることができる。
【0152】
情報処理装置が、第4食材リスト記憶部を有する場合、適合食材判定処理では、第4食材リスト記憶部を更に検索し、食材が、医薬品の副作用を緩和するか否かを判定するように、更に処理が実行されることができる。
【0153】
本実施形態のプログラムが、上記処理を実施することにより、生薬が配合又は添加された病者用食品において、病者の医薬品に対する配合禁忌の食材を避けることができることに加え、さらに、医薬品の代替効果を期待する食材、医薬品の効果を補完する食材、及び医薬品の副作用を緩和する食材を適切に選定することができる。そのため、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、より適切な生薬のみならず、より適切な食材を選択することができる。
【0154】
本実施形態のプログラムでは、上述の本実施形態の装置と同様に、食材が、生薬の生薬基原の部分以外の部分である賦形剤であり、病者用食品が生薬を含む錠剤であることが好ましい。その結果、生薬を含む錠剤を製造する際に用いる賦形剤の、病者の医薬品に対する配合禁忌などの情報を得ることができるため、生薬を含む錠剤のための、適切な賦形剤を選択することが可能になる。
【0155】
本実施形態のプログラム及び装置では、生活習慣病のような多因子疾患の場合、遺伝子素因と生活習慣要因(食事)との相互作用が疾患を発症させることがゲノム解析で解明されつつあり、一方の分子生物学において栄養素と遺伝子発現という分野が急速に進歩し、個人の遺伝子的な違いが栄養代謝に深く関与しており、分子生理学では酵素作用、代謝等の帰機能解明国をオミックスで農学、栄養学系の技術解明がなされ、その生成物が遺伝子情報の伝達、タンパク合成・調整などメタオミックス解析で医学研究としての分子遺伝学の解明に連動し、その共通学問でのエビデンスを基に分子栄養学が医学と直結して解明されつつある。
【0156】
本実施形態のプログラムでは、上述の本実施形態の装置と同様に、生薬/又は食材が、分子生物学、分子遺伝学及び分子生理学に基づいて、分子栄養学によりエビデンスがあると認められた生薬/又は食材であることが好ましい。生薬/又は食材が、科学的な手法によりエビデンスがあると認められることにより、医師等の医療関係者が、生活習慣病の病者に対して、生活習慣病の回復のために、適切な生薬/又は食材を用いることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11