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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】注文飲食物搬送装置
(51)【国際特許分類】
   A47G 23/08 20060101AFI20240115BHJP
【FI】
A47G23/08 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020036013
(22)【出願日】2020-03-03
(65)【公開番号】P2021137185
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】390010319
【氏名又は名称】株式会社石野製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石野 晴紀
(72)【発明者】
【氏名】山田 直志
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-150156(JP,A)
【文献】特開2000-095337(JP,A)
【文献】特開2008-099885(JP,A)
【文献】特開2013-140417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店の厨房の複数箇所に始点が各々設けられており、前記厨房側から客席へ至る搬送路を形成する複数の主搬送装置と、
注文飲食物を前記厨房で作成するスタッフの作業台の付近に配置されており、前記複数の主搬送装置が各々形成する各搬送路の始点同士の間にコンベアで直線状の搬送路を延在させる副搬送装置と、を備え、
前記副搬送装置は、前記スタッフが前記コンベアへ載置する注文飲食物の搬送先に応じた方向へコンベアを作動可能にする作動方向変更部を有し、
前記主搬送装置は、何れも、
前記厨房側から前記客席へ至る直線状の主搬送路を形成する第1主搬送部と、
前記第1主搬送部の前記厨房側において前記主搬送路の長手方向に対し側方へ向かって延在するように直線状に延設されており、前記主搬送路を延伸する第2主搬送部と、を有し、
前記スタッフによって前記第2主搬送部に載置された注文飲食物を、当該第2主搬送部に対応する前記第1主搬送部へのみ搬送可能であり、
前記副搬送装置は、前記第2主搬送部よりも前記作業台に近い位置で前記第2主搬送部と平行に延在するように併設されており、載置された注文飲食物を双方向に搬送可能である、
注文飲食物搬送装置。
【請求項2】
前記作動方向変更部は、前記スタッフの操作に応じて前記コンベアの作動方向を変更する、
請求項1に記載の注文飲食物搬送装置。
【請求項3】
前記作動方向変更部は、前記コンベアに載置された注文飲食物の搬送先に応じて前記コンベアの作動方向を変更する、
請求項1に記載の注文飲食物搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文飲食物搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店においては、搬送装置を使った飲食物の提供が行なわれている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-121919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
注文飲食物を厨房から客席へベルトコンベアで搬送する注文飲食物搬送装置は、飲食店の大型化や店舗レイアウトの多様化に対応するべく、搬送経路を店舗内に複数備える。そして、注文飲食物は、搬送先が指定されているため、搬送経路が店舗内に複数ある場合には、指定された搬送先が経路沿いに存在する搬送経路へ載置されることになる。
【0005】
ところで、飲食店の厨房のスタッフは、飲食物の提供効率を可及的に高めるべく、用意する飲食物の種類に応じた役割分担がなされる場合がある。このため、搬送経路が店舗内に複数設けられている場合、注文飲食物を用意したスタッフの位置が、当該注文飲食物の搬送先に対応する搬送経路から離れている場合がある。そこで、このような問題に対応するべく、例えば、店舗内に複数ある搬送経路の各始端部の何れへも注文飲食物を送ることが可能なコンベアを厨房内に設けることが考えられる。しかしながら、店舗内に設置される搬送経路が店舗の大型化に伴って増大すると、厨房内に居る各スタッフと各搬送経路の始端部との組み合わせパターンも増大するため、厨房内に設けられるコンベアの搬送経路が極めて複雑になる。
【0006】
そこで、本願は、店舗内に設置される注文飲食物用の搬送経路数が増大しても、厨房内のコンベアの搬送経路を複雑化させることなく、厨房内に居る各スタッフが所望の搬送経路へ飲食物を送ることが可能な注文飲食物搬送装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、注文飲食物を厨房で作成するスタッフの作業台の付近に、厨房側から客席へ至る搬送路を形成する複数の主搬送装置が各々形成する各搬送路の始点同士の間にコンベアで直線状の搬送路を延在させる搬送装置を設け、搬送先に応じた方向へコンベアを作動可能にすることにした。
【0008】
詳細には、本発明は、注文飲食物搬送装置であって、飲食店の厨房の複数箇所に始点が各々設けられており、厨房側から客席へ至る搬送路を形成する複数の主搬送装置と、注文飲食物を厨房で作成するスタッフの作業台の付近に配置されており、複数の主搬送装置が各々形成する各搬送路の始点同士の間にコンベアで直線状の搬送路を延在させる副搬送装置と、を備え、副搬送装置は、スタッフがコンベアへ載置する注文飲食物の搬送先に応じた方向へコンベアを作動可能にする作動方向変更部を有する。
【0009】
ここで、厨房の複数箇所とは、厨房内において互いに異なる位置関係にある箇所のことを意味し、例えば、上面から見た場合に同一箇所にあって高さのみが相異なる位置関係に
あるものを除く概念である。また、作業台の付近とは、作業台で作業を行うスタッフの手が届く範囲を意味し、また、作業台自体を含む概念である。よって、作業台の付近に配置される形態としては、例えば、作業台の隣に配置される形態のみならず、作業台自体に配置される形態が含まれる。
【0010】
上記の注文飲食物搬送装置であれば、副搬送装置のコンベアを、搬送先に応じた方向へ作動させることができる。このため、厨房側から客席へ至る搬送路を形成する主搬送装置が複数備わっていても、各搬送路の始点同士の間に、コンベアで直線状の搬送路を延在させる副搬送装置を設け、この副搬送装置のコンベアの作動方向を変更するだけで、厨房内の各スタッフは、自らが移動しなくても、主搬送装置が形成する搬送路沿いにある何れの客席へも飲食物を搬送することが可能となる。
【0011】
なお、作動方向変更部は、スタッフの操作に応じてコンベアの作動方向を変更するものであってもよい。或いは、作動方向変更部は、コンベアに載置された注文飲食物の搬送先に応じてコンベアの作動方向を変更するものであってもよい。このような注文飲食物搬送装置であれば、注文飲食物を機動的に搬送先へ搬送することが可能となる。
【0012】
また、主搬送装置は、何れも、厨房側から客席へ至る主搬送路を形成する第1主搬送部と、第1主搬送部の厨房側に延設されており、主搬送路を延伸する第2主搬送部と、を有し、副搬送装置は、第2主搬送部に併設されるものであってもよい。このような注文飲食物搬送装置であれば、副搬送装置から主搬送装置へ飲食物を効率的に移すことができる。
【発明の効果】
【0013】
上記の注文飲食物搬送装置であれば、店舗内に設置される注文飲食物用の搬送経路数が増大しても、厨房内のコンベアの搬送経路を複雑化させることなく、厨房内に居る各スタッフが所望の搬送経路へ飲食物を送ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態に係る注文飲食物搬送装置の全体構成図である。
図2図2は、注文飲食物搬送装置の動作内容の第1例を示した図である。
図3図3は、注文飲食物搬送装置の動作内容の第2例を示した図である。
図4図4は、注文飲食物搬送装置の動作内容の第3例を示した図である。
図5図5は、注文飲食物搬送装置の動作内容の第4例を示した図である。
図6図6は、注文飲食物搬送装置の動作内容の第5例を示した図である。
図7図7は、注文飲食物搬送装置の動作内容の第6例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本願発明の一態様であり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。以下に示す実施形態や変形例は、例えば、寿司や飲料物、そばやうどんといった丼物、から揚げや天ぷらといった各種の飲食物を提供する飲食店に好適である。
【0016】
図1は、実施形態に係る注文飲食物搬送装置1の全体構成図である。注文飲食物搬送装置1は、客の注文を受けて用意された飲食物を飲食店の厨房エリア2から客席3A1~3F2(以下、不特定の客席を指す場合は「客席3」という)等へ搬送する装置であり、図1に示すように、客が飲食する各客席3の脇を通る搬送路を形成する客席コンベア2A~2F(本願でいう「第1主搬送部」の一例である)と、客席コンベア2A~2Fの厨房エリア2側に延設されており、搬送路を延伸する厨房コンベア4A~4F(本願でいう「第2主搬送部」の一例である)とを備えている。また、注文飲食物搬送装置1は、厨房コンベア4A~4Fに併設される横渡しコンベア5A,5C(本願でいう「副搬送装置」の一
例である)を備える。横渡しコンベア5A,5Cは、飲食物を厨房エリア2で作成するスタッフの作業台の付近に配置されている。
【0017】
客席コンベア2A~2Fと、厨房コンベア4A~4Fと、横渡しコンベア5A,5Cは、何れもコンベアのベルトを駆動するモータを各々有しており、互いに独立して搬送動作を行うことができる。そして、厨房コンベア4A~4Fと横渡しコンベア5A,5Cの搬送面は、厨房エリア2のスタッフが飲食物の皿を載せるための載置エリアを形成する。そして、厨房コンベア4Aは、客席コンベア2Aの厨房エリア2側にある始点2ASから延設されており、客席コンベア2Aが形成する主搬送路を延伸する。また、厨房コンベア4Bは、客席コンベア2Bの厨房エリア2側にある始点2BSから延設されており、客席コンベア2Bが形成する主搬送路を延伸する。厨房コンベア4C~4Fについても同様である。このため、例えば、厨房コンベア4Aに載置された飲食物は、客席コンベア2Aを経由し、客席コンベア2A沿いにある客席3A1,3A2へ搬送される。また、厨房コンベア4Bに載置された飲食物は、客席コンベア2Bを経由し、客席コンベア2B沿いにある客席3B1,3B2へ搬送される。厨房コンベア4C~4Fに載置される飲食物についても同様である。
【0018】
一方、横渡しコンベア5A,5Cは、双方向に搬送可能である。よって、例えば、始点2AS,2BSと始点2CS,2DSとの間にベルトコンベアで直線状の搬送路を延在させる横渡しコンベア5Aは、載置された飲食物の皿を始点2AS,2BSの方向と始点2CS,2DSの方向の何れへも移送可能である。また、例えば、始点2CS,2DSと始点2ES,2FSとの間にベルトコンベアで直線状の搬送路を延在させる横渡しコンベア5Cは、載置された飲食物の皿を始点2CS,2DSの方向と始点2ES,2FSの方向の何れへも移送可能である。
【0019】
注文飲食物搬送装置1の装置構成は以上の通りである。次に、注文飲食物搬送装置1の動作について説明する。注文飲食物搬送装置1は、図示されない制御装置によって制御される。制御装置は、横渡しコンベア5A,5C付近に設置されている操作パネルに入力された操作内容や各センサからの信号に基づいて制御信号を出力する。以下、制御装置によって実現される注文飲食物搬送装置1の動作を説明する。
【0020】
図2は、注文飲食物搬送装置1の動作内容の第1例を示した図である。厨房エリア2には、複数のスタッフ6A~6Fが配置されており、飲食物の提供効率を可及的に高めるべく、用意する飲食物の種類に応じた役割分担がなされている。このため、図2に示されるように、客席コンベア2A~2Fの各搬送経路が店舗内に複数設けられている場合、注文飲食物を用意したスタッフの位置が、当該注文飲食物の搬送先に対応する搬送経路から離れている場合がある。そこで、本実施形態の注文飲食物搬送装置1では、厨房コンベア4A~4Fと横渡しコンベア5A,5Cを用いることにより、スタッフ6A~6Fの何れのスタッフが用意した飲食物Dであっても、客席コンベア2A~2Fの何れの主搬送路への搬送を可能にする。
【0021】
すなわち、図2に示されるように、例えば、客席3A1で注文された飲食物Dをスタッフ6Aが用意した場合、スタッフ6Aは、飲食物Dを厨房コンベア4Aへ載せ、搬送開始操作を行う。スタッフ6Aが搬送開始操作を行うと、注文飲食物搬送装置1は、厨房コンベア4Aと客席コンベア2Aのモータを作動させ、厨房コンベア4Aに載置された飲食物Dを客席3A1へ向けて搬送する。そして、注文飲食物搬送装置1は、厨房コンベア4Aに載置されていた飲食物Dが客席コンベア2Aへ乗り移ると、厨房コンベア4Aを停止する。また、注文飲食物搬送装置1は、飲食物Dが客席3A1に到着すると、客席コンベア2Aを停止する。客席3A1に到着した飲食物Dが客席3A1の客によって客席コンベア2Aから取り除かれると、客席コンベア2Aは、他の飲食物Dを搬送することが可能な状
態になる。
【0022】
図3は、注文飲食物搬送装置1の動作内容の第2例を示した図である。例えば、客席3B2で注文された飲食物Dをスタッフ6Bが用意した場合、スタッフ6Bは、飲食物Dを厨房コンベア4Bへ載せ、搬送開始操作を行う。スタッフ6Bが搬送開始操作を行うと、注文飲食物搬送装置1は、厨房コンベア4Bと客席コンベア2Bのモータを作動させ、厨房コンベア4Bに載置された飲食物Dを客席3B2へ向けて搬送する。そして、注文飲食物搬送装置1は、厨房コンベア4Bに載置されていた飲食物Dが客席コンベア2Bへ乗り移ると、厨房コンベア4Bを停止する。また、注文飲食物搬送装置1は、飲食物Dが客席3B2に到着すると、客席コンベア2Bを停止する。客席3B2に到着した飲食物Dが客席3B2の客によって客席コンベア2Bから取り除かれると、客席コンベア2Bは、他の飲食物Dを搬送することが可能な状態になる。
【0023】
図4は、注文飲食物搬送装置1の動作内容の第3例を示した図である。例えば、客席3C1で注文された飲食物Dをスタッフ6Aが用意した場合、スタッフ6Aは、飲食物Dを横渡しコンベア5Aへ載せる。注文飲食物搬送装置1は、スタッフ6Aが横渡しコンベア5Aに飲食物Dを載せると、横渡しコンベア5Aを始点2CS,2DSの方向へ作動させ、横渡しコンベア5Aに載置された飲食物Dを始点2CS,2DS付近へ移送する。横渡しコンベア5Aに載置された飲食物Dが始点2CS,2DS付近に到着すると、始点2CS,2DS付近に居るスタッフ6Cが、横渡しコンベア5Aに載置されている飲食物Dを厨房コンベア4Cに載せ、搬送開始操作を行う。スタッフ6Cが搬送開始操作を行うと、注文飲食物搬送装置1は、厨房コンベア4Cと客席コンベア2Cのモータを作動させ、厨房コンベア4Cに載置された飲食物Dを客席3C1へ向けて搬送する。そして、注文飲食物搬送装置1は、厨房コンベア4Cに載置されていた飲食物Dが客席コンベア2Cへ乗り移ると、厨房コンベア4Cを停止する。また、注文飲食物搬送装置1は、飲食物Dが客席3C1に到着すると、客席コンベア2Cを停止する。客席3C1に到着した飲食物Dが客席3C1の客によって客席コンベア2Cから取り除かれると、客席コンベア2Cは、他の飲食物Dを搬送することが可能な状態になる。
【0024】
図5は、注文飲食物搬送装置1の動作内容の第4例を示した図である。例えば、客席3C1で注文された飲食物Dをスタッフ6Dが用意した場合、スタッフ6Dは、飲食物Dを厨房コンベア4Cへ載せ、搬送開始操作を行う。スタッフ6Dが搬送開始操作を行うと、注文飲食物搬送装置1は、厨房コンベア4Cと客席コンベア2Cのモータを作動させ、厨房コンベア4Cに載置された飲食物Dを客席3C1へ向けて搬送する。そして、注文飲食物搬送装置1は、厨房コンベア4Cに載置されていた飲食物Dが客席コンベア2Cへ乗り移ると、厨房コンベア4Cを停止する。また、注文飲食物搬送装置1は、飲食物Dが客席3C1に到着すると、客席コンベア2Cを停止する。客席3C1に到着した飲食物Dが客席3C1の客によって客席コンベア2Cから取り除かれると、客席コンベア2Cは、他の飲食物Dを搬送することが可能な状態になる。
【0025】
図6は、注文飲食物搬送装置1の動作内容の第5例を示した図である。例えば、客席3C1で注文された飲食物Dをスタッフ6Fが用意した場合、スタッフ6Fは、飲食物Dを横渡しコンベア5Cへ載せる。注文飲食物搬送装置1は、スタッフ6Fが横渡しコンベア5Cに飲食物Dを載せると、横渡しコンベア5Cを始点2CS,2DSの方向へ作動させ、横渡しコンベア5Cに載置された飲食物Dを始点2CS,2DS付近へ移送する。横渡しコンベア5Cに載置された飲食物Dが始点2CS,2DS付近に到着すると、始点2CS,2DS付近に居るスタッフ6Dが、横渡しコンベア5Cに載置されている飲食物Dを厨房コンベア4Cに載せ、搬送開始操作を行う。スタッフ6Dが搬送開始操作を行うと、注文飲食物搬送装置1は、厨房コンベア4Cと客席コンベア2Cのモータを作動させ、厨房コンベア4Cに載置された飲食物Dを客席3C1へ向けて搬送する。そして、注文飲食
物搬送装置1は、厨房コンベア4Cに載置されていた飲食物Dが客席コンベア2Cへ乗り移ると、厨房コンベア4Cを停止する。また、注文飲食物搬送装置1は、飲食物Dが客席3C1に到着すると、客席コンベア2Cを停止する。客席3C1に到着した飲食物Dが客席3C1の客によって客席コンベア2Cから取り除かれると、客席コンベア2Cは、他の飲食物Dを搬送することが可能な状態になる。
【0026】
図7は、注文飲食物搬送装置1の動作内容の第6例を示した図である。例えば、客席3E2で注文された飲食物Dをスタッフ6Dが用意した場合、スタッフ6Dは、飲食物Dを横渡しコンベア5Cへ載せる。注文飲食物搬送装置1は、スタッフ6Dが横渡しコンベア5Cに飲食物Dを載せると、横渡しコンベア5Cを始点2ES,2FSの方向へ作動させ、横渡しコンベア5Cに載置された飲食物Dを始点2ES,2FS付近へ移送する。横渡しコンベア5Cに載置された飲食物Dが始点2ES,2FS付近に到着すると、始点2ES,2FS付近に居るスタッフ6Fが、横渡しコンベア5Cに載置されている飲食物Dを厨房コンベア4Eに載せ、搬送開始操作を行う。スタッフ6Fが搬送開始操作を行うと、注文飲食物搬送装置1は、厨房コンベア4Eと客席コンベア2Eのモータを作動させ、厨房コンベア4Eに載置された飲食物Dを客席3E2へ向けて搬送する。そして、注文飲食物搬送装置1は、厨房コンベア4Eに載置されていた飲食物Dが客席コンベア2Eへ乗り移ると、厨房コンベア4Eを停止する。また、注文飲食物搬送装置1は、飲食物Dが客席3E2に到着すると、客席コンベア2Eを停止する。客席3E2に到着した飲食物Dが客席3E2の客によって客席コンベア2Eから取り除かれると、客席コンベア2Eは、他の飲食物Dを搬送することが可能な状態になる。
【0027】
本実施形態の注文飲食物搬送装置1では、客席コンベア2A~2Fによって搬送経路が店舗内の客席エリアに複数設けられている。そして、厨房エリア2内のスタッフ6A~6Fは、用意する飲食物Dの種類に応じた役割分担がなされている。しかし、本実施形態の注文飲食物搬送装置1では、厨房コンベア4A~4Fと横渡しコンベア5A,5Cを用いることにより、スタッフ6A~6Fの何れのスタッフが用意した飲食物Dであっても、スタッフ6A~6F自らが移動することなく、客席コンベア2A~2Fの何れの主搬送路沿いの客席3へも搬送が可能である。そして、店舗の更なる大型化により、客席3沿いにある搬送装置が更に増大しても、厨房エリア2内に設けられるコンベアの搬送経路が複雑化しない。すなわち、客席3沿いにある搬送装置が更に増大しても、基本的に横渡しコンベア5A,5C相当のものを追加するだけで、各スタッフが何れの主搬送路沿いの客席3へも飲食物Dを搬送することが可能である。
【0028】
なお、厨房コンベア4A~4Fは、以下のように作動してもよい。すなわち、厨房コンベア4A~4Fは、適当な箇所に載置された複数の飲食物Dが整列して客席3へ搬送されるようにするべく、例えば、厨房コンベア4Aから客席コンベア2Aへ乗り移る飲食物Dの乗り移りのタイミングを、飲食物Dの間隔に合わせて自動調整するようにしてもよい。
【0029】
また、厨房コンベア4A~4Fは、各々が2つ以上のベルトコンベアに分割されており、上流側のコンベア上で適当な箇所に載置された飲食物Dが、下流側のコンベア上で整列するように、両コンベアの動きを連動させてもよい。
【0030】
また、上記実施形態では、横渡しコンベア5A,5Cに飲食物Dが載置されると、飲食物Dの搬送先に応じた方向へ横渡しコンベア5A,5Cが作動する形態となっていたが、注文飲食物搬送装置1は、このような形態に限定されるものではない。横渡しコンベア5A,5Cは、例えば、スタッフ6A~6Fの正転操作や逆転操作を受けて搬送方向を切り換えるものであってもよいし、常時作動していて一定時間毎に搬送方向を切り換えるものであってもよい。
【0031】
また、上記実施形態では、横渡しコンベア5A,5Cから他のコンベアへの載せ替えや、横渡コンベア5A,5C間の載せ替えをスタッフ6A~6Fが手で行っていたが、例えば、注文飲食物搬送装置1は、横渡しコンベア5A,5Cの終端部分が他のコンベアの搬送路と繋がっており、横渡しコンベア5A,5Cに載置された飲食物Dが他のコンベアへ自動的に乗り移るようにしてもよい。この場合、横渡しコンベア5A,5Cの終端部分には、例えば、飲食物Dが自重で傾斜を下るように、自在に遊転可能なローラで下り勾配の傾斜路を形成するローラの搬送路を設けるとよい。
【0032】
また、上記実施形態では、客席コンベア2A~2Fとしてベルトコンベアが用いられていたが、厨房エリア2側から客席3へ至る搬送路は、クレセントチェーンが循環する循環搬送路であってもよい。また、上記実施形態では、横渡しコンベア5A,5Cにベルトコンベアが用いられていたが、ベルト以外の各種コンベアを適用してもよい。また、上記実施形態では、横渡しコンベア5A,5Cがそれぞれ1本のベルトコンベアで形成されていたが、複数に分割されたコンベアであってもよいし、搬送路が傾斜する部分があってもよいし、或いは、上下2段以上に配置されたものであってもよい。また、図1では、例えば、横渡しコンベア5Aが厨房コンベア4Aよりも短く図示されているが、横渡しコンベア5A,5Cはこのような形態に限定されない。横渡しコンベア5Aは、例えば、厨房コンベア4Aと同じ長さであってもよいし、厨房コンベア4Aより長くてもよい。横渡しコンベア5Cも横渡しコンベア5Aと同様である。
【0033】
また、上記実施形態の注文飲食物搬送装置1は、各客席3の着席状況に応じた制御を行うようにしてもよい。例えば、店内の客が客席3A1,3A2,3B1,3B2に着席しており、その他の客席には着席していない場合、横渡コンベア5Aは始点2AS,2BSの方向へのみ作動するようにしてもよい。また、例えば、店内の客が客席3C1,3C2,3D1,3D2に着席しており、その他の客席には着席していない場合、横渡コンベア5Aと横渡コンベア5Cは始点2CS,2DSの方向へのみ作動するようにしてもよい。また、例えば、店内の客が客席3E1,3E2,3F1,3F2に着席しており、その他の客席には着席していない場合、横渡コンベア5Cは始点2ES,2FSの方向へのみ作動するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
D・・飲食物
1・・注文飲食物搬送装置
2・・厨房エリア
2A,2B,2C,2D,2E,2F・・客席コンベア
2AS,2BS,2CS,2DS,2ES,2FS・・始点
3A1,3A2,3B1,3B2,3C1,3C2,3D1,3D2,3E1,3E2,3F1,3F2・・客席
4A,4B,4C,4D,4E,4F・・厨房コンベア
5A,5C・・横渡しコンベア
6A,6B,6C,6D,6E,6F・・スタッフ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7