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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】オーダーシステム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240115BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
G07G1/12 361C
G07G1/00 301D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023000014
(22)【出願日】2023-01-04
(62)【分割の表示】P 2018110818の分割
【原出願日】2018-06-11
(65)【公開番号】P2023040139
(43)【公開日】2023-03-22
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】504217823
【氏名又は名称】フードゲート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148127
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 耕太
(72)【発明者】
【氏名】村上 宜史
(72)【発明者】
【氏名】小田多井 進
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-054442(JP,A)
【文献】特開2011-118937(JP,A)
【文献】特開2015-038677(JP,A)
【文献】特開2009-087297(JP,A)
【文献】特開2015-222497(JP,A)
【文献】特開2014-157568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 5/00
G06Q 10/00 - 10/30,
30/00 - 30/08,
50/00 - 50/20,
50/26 - 99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクと入力部とディスプレイとを有する、オーダー情報を入力するための入力端末と、
入出金可能なドロワーとを有し、
前記入力端末は、前記入力部に対し会計のための解除動作があった場合は、前記マイクにより録音を行うと共に、前記入力部に適切な金額が入力された際には鍵モードが発動し、
前記ドロワーは、前記入力端末が接近したことを検知する接近センサーを有し、この接近センサーにより鍵モードを発動している前記入力端末の接近が検知された場合に解錠される、
オーダーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店等で使用されるオーダーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店では、複写用紙を用いた伝票によりオーダーを管理することが行われていた。このような複写伝票は通常、テーブルに対し一つの複写伝票がバインダーに挟まれて置かれ、店員が注文を伝票に書いた後、注文が記載された正副の用紙のうち、正の用紙の注文が記載された部分がキッチンなどのいわゆるバックヤードへ届けられ、副の用紙がオーダーがなされたテーブルに置かれることにより、顧客が注文内容を確認することができるものである。この伝票には会計時まで合計金額が書かれることはない。また、複写伝票の下の方から注文が書かれ、正の用紙は注文が書かれた部分のみ破線で切り取られるから、複写伝票に書ききれない注文が入らない限り、1枚の伝票で事足りる。
【0003】
しかし、このような複写伝票では人為的なミスや不正が起こりやすく、これをチェックするための作業も膨大となる。このことから、ファミリー飲食店などでは、ハンディ端末を利用したPOSシステムが導入されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、飲食店等の店員により携帯使用され、お顧客の注文等を入力するハンディターミナルを有するPOSシステムにおいて、前記ハンディターミナルには、セット入力キーが設けられ、該セット入力キーを押下すると、現在表示中のメニュー(商品)をセットメニュー(セット商品)扱いすることを特徴とするPOSシステムが記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、表示部に表示されたメニューを顧客が入力部において選択して注文を行うものであって、各テーブルに配置される複数のテーブル端末と、複数のテーブル端末を制御するオーダエントリコントローラ装置と、メニュー、価格その他の必要な情報を格納したサーバとを少なくとも具備した飲食店用POSシステムにおいて、既に調理を開始してしまったオーダ品がキャンセルされた場合に、前記オーダエントリコントローラ装置において、前記サーバに格納されたキャンセル品の販売に関する情報を参照して、当該キャンセル品の販売金額を決定する第1のステップと、各テーブル端末にキャンセル品とともに決定した販売金額を表示させる第2のステップと、前記サーバに格納されたキャンセル品の販売に関する情報によって指定されたインターバル時間が経過するまで、テーブル端末からの当該キャンセル品の購入希望信号を待ち受ける第3のステップと、購入希望信号を受信した場合に当該テーブル端末に対して購入決定通知信号を送信する第4のステップとを実行することによってキャンセル品の販売を行うことを特徴とするPOSシステムの処理方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2008-234598号公報
【文献】特開2003-132440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、いわゆるテーブル会計を行おうとすると、特許文献1及び2のPOSではいずれも不具合があった。
【0008】
特許文献1のPOSでは、端末は店員が持ち運ぶことになるため、テーブルには顧客の注文確認用に出力された紙が置かれることになる。この紙は追加注文のたびに増えて見苦しいし、合計金額が書かれている。
【0009】
特許文献2のPOSでは顧客が端末を操作するものであるから、いつでも顧客が合計金額を知ることができる。しかし、このことは、テーブルで誰か一人が支払い者として会計する場合、例えば年長者がおごるという場合には適さない。おごる側は合計金額を見せたくないからである。
【0010】
特に、特許文献1及び2のPOSはいずれも、接客サービス重視の飲食店におけるテーブル会計に適していない。なぜなら、このような場合には、店員が操作し、テーブルには注文したものの確認ができるために最低限のものが置かれ、顧客からは会計時まで合計金額が見えず、顧客が会計を希望した時に店員が支払い者だけに金額を見せることができる、ということが条件であり、すなわち、従来の複写伝票を用いた伝票になるべく近い形が望ましいところ、特許文献1及び2のPOSはいずれも、会計時以外にも顧客に合計金額が見えてしまうからである。
【0011】
また、一般的に飲食店のレジスターには金庫(ドロワー)がついており、この金庫に対して入出金が行われる。ここで一般的に入出金が行われる場合には商取引が行われるのであるから、二者の合意が必要となる。二者とは、顧客の会計時でいえば、顧客と店のオーナー(またはその代理である店員)である。この二者間での金額(合計額、渡した額、お釣り)についての合意がなされた時に金庫が開かれるのであるから、金額の確認は金庫の前でなされるのがもっとも都合がよく、そのためにもレジ前会計が広く行われていたという事情がある。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するものであり、接客サービス重視の飲食店に適したオーダーシステムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明のオーダーシステムは、顧客テーブルに紐付けられ、ディスプレイ及び入力部を有する入力端末を有し、前記入力端末は、前記ディスプレイに、不特定者が見ることのできる一般画面を表示し、登録された特定者により解除操作があった場合は、前記ディスプレイに、特定者のみが見ることのできる特定画面を表示する。
【0014】
また、オーダーシステムは、入力端末から入力されたオーダー情報を処理するサーバーを有し、前記サーバーは、前記入力端末からの入力情報を受け取り、演算処理をして、前記入力端末へ返すようにしてもよい。
【0015】
さらに、前記サーバーまたは前記入力端末からの解錠信号により金庫を開くドロワーを有してもよい。
【0016】
前記ドロワーは、金庫が開いている間のみ金庫周辺を録画する録画装置を有してもよい。
【0017】
前記ドロワーは、前記入力端末が接近したことを検知する接近センサーを有し、登録された特定者による操作及び近接センサーの近接信号の両方を満たす場合に金庫を開いてもよい。
【0018】
前記入力端末はカメラを備え、このカメラを用いた顔認証により、前記特定者を特定し、解除操作を行ってもよい。
【0019】
前記ドロワーはカメラを備え、このカメラを用いた顔認証により、前記特定者を特定し、かつ前記解錠信号を受けた場合に金庫を開いてもよい。このカメラは前記録画装置を兼ねても良い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態のオーダーシステムの機能構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態における各装置間でのデータのやり取りの流れを示すフロー図である。
図3】実施形態のオーダーシステムにおける店員が備品などの購入のためにドロワーから現金を出す際に必要な機能構成を示すブロック図である。
図4】オーダーシステム1の各装置間でのデータのやり取りの流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のオーダーシステムの実施形態について説明する。図1は、実施形態のオーダーシステムの機能構成を示すブロック図である。
【0022】
オーダーシステム1は、入力端末2と、サーバー3と、ドロワー4と、キッチン端末5とを有する。
【0023】
入力端末2は、いわゆるPDAであり、ディスプレイと入力部とを有し、望ましくはこれらは一体化したタッチパネルディスプレイ21である。また、カメラ22と、通信部23とを備え、サーバー3やドロワー4と通信する。通信手段はwifi、Bluetooth(登録商標)等が考えられ、インターネットを経由していても良い。入力端末2はテーブルの数だけ用意され、各テーブルに置かれる。すなわち各テーブルに紐付けられた入力端末2が存在する。入力方法はタッチパネルを利用した手書き入力の他、ボタン入力などであってもよい。
【0024】
サーバー3は、通信部31と、演算部32とデータベースを格納するメモリー33とを備え、入力端末2やドロワー4等と通信する。サーバー3は、入力端末からのオーダー情報を受けて演算をし、必要なタイミングで入力端末2やドロワー4に合計金額や注文内容を送る。なお、サーバー3はインターネットを介して遠隔地にあってもよく、またドロワー4や入力端末2がサーバー3を内包していてもよい。
【0025】
ドロワー4は通信部41と、金庫部42と、カメラ43と、プリンター部44と、接近センサー45とを有する。金庫部は硬貨及び紙幣の自動計数機46を備えている。なお、近接センサー45はRFIDタグなどを検知するセンサーであり、入力端末2との間でのBluetooth(登録商標)等の無線を利用する場合には通信部41が近接センサー45を兼ねても良い。
【0026】
また、オーダーシステム1は、キッチン内にキッチン端末5を有する。キッチン端末5はキッチン内のデシャップと呼ばれる司令ポジションにのみにあっても良いし、ドリンカーやストーブなどのポジション毎にあっても良い。また、サービスマンが待機させているオーダーを確認できるパントリーポジションにあっても良い。キッチン端末5はいわゆるPDAであってディスプレイと入力部を兼ねるタッチパネル51と通信部52とプリンター53とを有している。
【0027】
上記のオーダーシステム1の使用方法について説明する。図2は、オーダーシステム1の各装置間でのデータのやり取りの流れを示すフロー図である。
【0028】
注文時について説明する。入力端末2は、各顧客席テーブルに、通常伏せた状態で置かれている。顧客がホール店員を呼ぶと、ホール店員は当該顧客席テーブルへ来て、このテーブルの入力端末2に、顧客のオーダーを入力する。ここで、オーダーを入力する前または後に、オーダーを担当するホール店員の認証を行っても良い。具体的には、タッチパネル上にサインをする、パスワードを入れる、カメラ22を利用して顔認証をする、RFタグを利用する、などがあり、この認証を行うことでオーダーミスや不正の特定が容易となる。また、入力端末2が各テーブルに紐付けられている場合はこのテーブル番号がオーダー情報に紐付けられ、入力端末2が各テーブルに紐付けられていない場合はホール店員が最初のオーダー時にテーブル番号またはイス番号を入力することでこの番号がオーダー情報に紐付けられる。
【0029】
オーダー情報及びテーブル番号はサーバー3へ送られる(s1)。オーダー開始時に、サーバー3はデータベース33に問い合わせ、ユニークな伝票IDを取得する。サーバー3からキッチン端末5にこの伝票ID及びオーダーされた商品情報を含む必要な情報が送られ(s2)、ディスプレイ上の表示またはプリンターからの印刷として出力される。
【0030】
キッチンの担当者は然るべきタイミングで料理等を出す。この際、キッチン端末5に、調理が完了したことを入力しても良い。具体的には「済」ボタンを押すなどである。これにより、ホール店員に音や電光文字などで調理が完了したことが通知される。また、入力端末2には、この情報が送られ、料理ができたことを知らせる通知が表示されても良い(s3)
【0031】
ホール店員は料理等を顧客席へ運ぶ。この際、入力端末2に、配膳が完了したことを入力しても良い。具体的には「済」ボタンを押すなどである。これらの情報はサーバー3へ送られる(s4)。
【0032】
顧客は、テーブル上の入力端末2を見ることで、いつでも、注文した料理等を確認することができる。また、調理済や配膳済を入力する運用の場合には、各注文の状態を確認できる。ただし、この状態では、入力端末2には不特定者が見ることのできる一般画面が表示され、会計情報は表示されていない。
【0033】
次に、会計時について説明する。顧客が会計をしたい時は、ホール店員にその旨を告げる。ホール店員はテーブル上の入力端末2において解除操作を行う。具体的には、タッチパネル上にサインをする、パスワードを入れる、カメラ22を利用して顔認証をする、RFタグを利用する、などである。ホール店員が入力した情報はサーバー3へ送られ(s5)、メモリー42内に格納されたデータベースに照らして検証される。検証の結果、ホール店員が予め登録された特定者であることが特定された場合には、サーバー3は入力端末2へ解除信号を送る(s6)。
【0034】
解除信号が受信されると、入力端末2のロックが解除され、ホール店員は、入力端末2に、特定者のみが見ることのできる特定画面を表示することができる。特定画面が表示されると同時に、入力端末2は、マイク24により録音を開始する。この特定画面には会計情報が表示されている。ホール店員は、合計金額を、顧客のうち会計を行う者に提
示し、相互確認する。この相互確認の際の会話はマイク24により入力端末2に録音され、顧客が合計金額を確認したことについての証拠となる。なお、録音と同時にカメラ22を利用して録画を行ったり、ディスプレイ上の表示をスクリーン動画として録画してもよい。
【0035】
ここで、顧客は現金を出すか、クレジットカードを出す。現金の場合は、ホール店員が当該現金の額を入力端末2に入力し、この情報がサーバー3に送られ(s7)、演算が行われて釣り銭情報が戻り(s8)釣り銭の額を顧客に示す。また、カードの場合、入力端末2にカードリーダーが接続されることで、カードの与信を行うこともでき、入力端末2の画面にサインさせる運用としても良い。
【0036】
クレジットカードの場合で、入力端末2にカードリーダーがない場合は、ホール店員はクレジットカードをドロワー4まで持っていく。ドロワー4のカードリーダーで与信が行われ、サイン用紙とレシートが出力される。ホール店員はこのサイン用紙とレシートを持っていき、顧客にサインをもらえば会計が完了する。いずれの場合も、サーバー3からドロワー4に合計金額や釣り銭の情報が送られる(s9)。
【0037】
現金を渡された場合、ホール店員は上述のように当該現金の額を入力端末2に入力するが、この後、入力端末2は鍵モードが発動する。具体的には、上述のようにサーバーで演算が行われ、金額に問題がなければ、ステップs8において、サーバーから入力端末2へ釣り銭情報が与えられると同時に、鍵モード発動の司令が送られる。
【0038】
ホール店員は、当該現金と入力端末2をドロワー4まで持っていく。このとき、ドロワー4は鍵モードが発動している入力端末2の接近を接近センサーで検知することにより、特定者であるホール店員がドロワー4に近づいたことがわかるから、ドロワー4は金庫を解錠し、開く。接近センサーの情報に加えて、当該ホール店員が解錠ボタンを押すことで解錠される運用としても良い。また、ドロワー4が前述の入力端末2と同様、カメラを備え、ホール店員を特定する運用にしても良い。この場合、ホール店員は入力端末2をドロワー4まで持っていかなくてもよい。すなわち、この場合は、ステップs8において、サーバーが、「当該ホール店員がドロワー4まで来た際には金庫を解錠せよ」との司令をドロワー4に送ることで、当該ホール店員が鍵として機能する。
【0039】
以上について言い換えると、会計時、店員が合計金額を提示し、顧客がそれを承認した時点で、顧客と店のオーナー(またはその代理である店員)の二者の合意が形成されるのであり、その時に金庫を開くための鍵が生成されることになり、このようにすることで、顧客と店との間の認識の違いによるトラブルや、店員による不正を防ぐことができる。なお、鍵の生成には上述のようにタッチパネル上にサインをする、パスワードを入れる、カメラ22を利用して顔認証をする、RFタグを利用する、などの個人認証が条件となる。
【0040】
さらに、ドロワー4は、ホール店員の持ってきた紙幣や硬貨を計数する計数機を備えていても良いし、お釣りを自動的に計数して出す、お釣り計数機を備えていても良い。この場合、上述のようにホール店員がテーブルにおいて顧客から預かった金額を入力端末2に入力していた場合は、ドロワー4側で金額が正しいかチェックすることができ、ミスや不正による入金額の相違を防ぐことができる。また、店員がドロワー4に着くまでにドロワー4側でお釣りを用意しておくこともでき、店員がドロワー4に着いてからお釣りを計数する場合に比べて時間を短縮することができる。
【0041】
ドロワー4は、金庫が開いている間、または店員がドロワー4に接近している間だけ金庫周辺を録画する録画装置を有することで、店員のミスや不正をチェックすることができる。
【0042】
なお、上述のオーダーステップにおける機能のバリエーションについて説明する。オーダー開始時に男女の人数を入力しても良い。その際、判別不明な場合は性別不明者として人数を入力できても良い。アクションに紐付いて、オーダーのテキスト情報に被せる形で丸印を表示させたり、テキスト情報に色属性を指定するなど、特殊情報の付加が出来ても良く、送信先のバックヤードでも視認できるようにしてもよい。オーダーに紐づく、手書き備考情報が入力できてもよく、送信先のバックヤードでも視認できることが望ましい。アクションに紐付いて、サーバーのメニューDBからメニューの詳細説明等を表示することが出来ることが望ましい。また同様に予約客情報DBを参照することでテーブル客が常連であるか判別できることが望ましい。
【0043】
レイト機能(料理の出来上がりの時間を任意の時間(レイト時間)に指定したり、メニュー設定に従い指定する)があってもよいオーダーせずパントリーポジションにストックオーダーを送信できてもよい。これにより、ストックされた注文一覧から状況に応じてサービスマンの任意のタイミングで特定のオーダーをデシャップに通す、或いは時間指定で行うことが出来る。オーダーは調理場単位でディスプレイで一覧表示される。また、表示された一覧は自由に順番変更できてよい。オーダーに対してレイト時間が表示され、レイト時間を越えた場合はアラートで通知することが望ましい。
【0044】
アルコールの注文があるテーブルのオーダーを色分け等、識別できてもよい。飲む客と飲まない客とではニーズの違いがあり、それに対応するためである。受けたオーダーに対し、直ぐにキッチンプリンタに印字、提供準備完了時に印字、が選択可能であるとよい。ヤマ情報を登録することができ、登録した商品はテーブル端末側でオーダーすることが出来ないようにしてもよい。オーダーの調理等に入る際、それを端末にてタップ等で入力できるようにしてもよい。調理開始されるとテーブル端末側でのキャンセルは不可能となる。ファースト・オーダーアラート機能(ファースト・オーダーから任意の一定時間をすぎるとアラートする)があっても良い。
【0045】
また、会計時における機能のバリエーションとして、割り勘機能があってもよく、個別会計機能があってもよい。これは、商品を選択し、客単位での精算(会計を終えたオーダーは非表示とする)ができる機能である。その際、伝票番号に対して複数の会計情報を紐付けることが出来るとよい。提供終了時間の記録が行われてもよい。さらに、表示機能がついた自動計数機を利用する場合、入金し自動計数された預り金額をモニタに表示させ、それを顧客が承認することにより、預り金をオーダー端末に入力することを省いてもよい。
【0046】
次に、店員が備品などの購入のためにドロワーから現金を出す際のフローについて説明する。図3は、実施形態のオーダーシステムにおける店員が備品などの購入のためにドロワーから現金を出す際に必要な機能構成を示すブロック図である。また、図4は、この際の、オーダーシステム1の各装置間でのデータのやり取りの流れを示すフロー図である。図3,4において、図1,2と同じものは同じ符号を付し、適宜説明を省略する。また、図1,2に表示されているもので今回の説明に不要なものは適宜図示を省略する。
【0047】
店員は店員端末6を使用する。店員端末6は、いわゆるPDAであり、ディスプレイと入力部とを有し、望ましくはこれらは一体化したタッチパネルディスプレイ61である。また、カメラ62と、通信部63とを備え、サーバー3やドロワー4等と通信する。通信手段はwifi、Bluetooth(登録商標)等が考えられ、インターネットを経由していても良い。店員端末6は、店員一人ひとりが個別に所有する端末であってもよく、店舗の控室などに置かれている共通の端末であっても良い。入力方法はタッチパネルを利用した手書き入力の他、ボタン入力などであってもよい。
【0048】
また、オーダーシステム1は、オーナー端末7を有する。オーナー端末7は通常、店舗のオーナーが所有し、またはオーナーの代理を行うポジションの者が持っている。オーナー端末7は店舗内にあっても良いし、インターネット等を経由して店舗外にあってもよい。オーナー端末7はいわゆるPDAであってディスプレイと入力部を兼ねるタッチパネル71と通信部72を有している。
【0049】
店員は、備品を購入する際、これについての決済をオーナーに仰ぐため、店員端末6に、備品の内容と金額を入力し、この情報をサーバー3を経由してオーナー端末7へ送る(s11,s12)。ここで、備品を店員が立替により購入した後であった場合は、店員はその備品の領収書をカメラ62で撮り、上述のようにしてオーナー端末7へ送る(s11,s12)。この際、店員端末6が店員ごとに貸与されているものであれば店員端末6に付随する店員情報が付加され、店員端末6が店員に共用されるものであれば、現在使用している店員の店員情報が付加される。この場合の店員情報は、ID/パスワードによるログインや、サイン、顔認証等、従来の認証方法により現在使用している店員が認証されることにより付加される。
【0050】
オーナーはこれを確認し、備品の購入について承認する場合はタッチパネル71上に表示される承認ボタンを押す。すると、承認情報がサーバー3経由で店員端末6に送られ(s13,s14)、承認を示す表示がなされると共に、店員端末6において鍵モードが発動する。また、サーバー3からドロワー4に解錠可能信号が送られる(s15)。
【0051】
店員は、店員端末6をドロワー4まで持っていく。このとき、ドロワー4は鍵モードが発動している入力端末6の接近を接近センサーで検知することにより、特定者である店員がドロワー4に近づいたことがわかるから、ドロワー4は金庫を解錠し、開く。接近センサーの情報に加えて、当該店員が解錠ボタンを押すことで解錠される運用としても良い。また、ドロワー4がカメラを備え、店員を特定する運用にしても良い。この場合、店員は店員端末6をドロワー4まで持っていかなくてもよい。すなわち、この場合は、ステップs15において、サーバーが、「当該店員がドロワー4まで来た際には金庫を解錠せよ」との司令をドロワー4に送ることで、当該店員が鍵として機能する。
【0052】
以上について言い換えると、店員が必要な金額を提示し、オーナーがそれを承認した時点で、店員とオーナー(またはその代理である店員)の二者の合意が形成されるのであり、その時に金庫を開くための鍵が生成され、店員の個人認証を経て金庫の解錠が行われることになり、このようにすることで、店員とオーナーとの間の認識の違いによるトラブルや、店員による不正を防ぐことができる。
【0053】
さらに、ドロワー4は、店員に渡すべき金額を自動的に計数して出す、計数機を備えていても良い。この場合、ミスや不正による出金額の相違を防ぐことができる。
【0054】
ドロワー4は、金庫が開いている間、または店員がドロワー4に接近している間だけ金庫周辺を録画する録画装置を有することで、店員のミスや不正をチェックすることができる。
【0055】
以上のように、オーダーシステム1によれば、ミスや不正を防ぎつつ、接客サービス重視の飲食店におけるテーブル会計を実現するオーダーシステムを提供することが可能となる。
【0056】
なお、本発明の技術的範囲は以上の実施形態に限られず、例えば顔認証の代わりに指紋認証とするなど、従来の技術に置き換えたり、例えばドロワーが近接センサーを備えないなど、用意できる機器の状況に応じて構成要素を増減してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 オーダーシステム
2 入力端末
3 サーバー
4 ドロワー
5 キッチン端末
図1
図2
図3
図4