(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】除菌装置
(51)【国際特許分類】
A01C 1/08 20060101AFI20240115BHJP
【FI】
A01C1/08
(21)【出願番号】P 2023079607
(22)【出願日】2023-05-12
【審査請求日】2023-05-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523176989
【氏名又は名称】江藤 紘一
(74)【代理人】
【識別番号】110003513
【氏名又は名称】kakeruIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】江藤 紘一
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-122655(JP,A)
【文献】特開2006-176730(JP,A)
【文献】特開2010-265624(JP,A)
【文献】登録実用新案第3085085(JP,U)
【文献】特開2014-131922(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2229008(KR,B1)
【文献】特開2003-340324(JP,A)
【文献】登録実用新案第3171754(JP,U)
【文献】特開2011-101664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口部が設けられた容器と、
水と、
ヨウ素が練り込まれた樹脂と、
を少なくとも備える除菌装置であって、
前記容器は、
下方が最小の面積となる、水を入れるためのじょうご状部を有し、
前記開口部は、前記じょうご状部の最小の面積部分に設けられ、
前記じょうご状部は、傾斜面に、気体化したヨウ素が前記容器内に滞留しないようにするための孔を有し、
前記容器に、前記水と前記樹脂を入れている
ことを特徴とする除菌装置。
【請求項2】
前記容器は、
底面に仕切部を設けている
ことを特徴とする請求項1に記載の除菌装置。
【請求項3】
前記除菌装置は、
前記容器を収容する容器受け部と、
容器受け部に接続された杭を更に備える
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の除菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体状のヨウ素により種苗物品の除菌を行う除菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から使用されている種子や苗木などの種苗物品の除菌方法としては、種苗物品を高温に曝すことで病原菌を除去する熱処理、消毒液などの薬剤を使用して種苗物品を浸漬することで病原菌を除去する薬剤処理、または、種苗物品を紫外線に曝すことで病原菌を除去する紫外線照射処理などが挙げられる。これらの除菌方法の中でも、特に薬剤処理は、薬剤が安価に入手できること、及び、散布が容易で広範囲の除菌ができることなどから、種苗物品の除菌方法として、採用されることが多かった。しかしながら、薬剤処理は、種苗物品や人体への影響を考慮する必要があった。
【0003】
種苗物品や人体への影響が少ない薬剤処理としては、ヨウ素を使用したものも知られている。ヨウ素を使用した薬剤処理は、通常、ヨウ素を溶解した液体状の除菌剤が用いられており、浸漬・塗布等の方法で除菌処理に供されている。そして、ヨウ素には昇華性があるが、気体状のヨウ素にも除菌効果があることが知られており、特許文献1には、気体状のヨウ素を用いた除菌装置及び方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された気体状のヨウ素を用いた除菌装置は、ヨウ素ガス発生部と、ヨウ素ガス発生部で発生されたヨウ素ガスと種苗物品とを接触させて種苗物品を殺菌する種苗物品殺菌部とを具備するものであり、ヨウ素ガスは、空気、窒素、ヘリウムなどの気体を媒体として輸送されるようになっているため、気体媒体を制御する装置も必要となっていた。そのため、除菌装置の構成が複雑かつ大規模となる可能性があり、導入にかかる費用も高くなる可能性があった。
【0006】
本発明は、このような課題を考慮して提案されるもので、気体状のヨウ素により種苗物品の除菌を行う除菌装置において、装置全体の構成を簡素化することが可能な除菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有している。
[1] 上方に開口部が設けられた容器と、
水と、
ヨウ素が練り込まれた樹脂と、
を少なくとも備える除菌装置であって、
前記容器に、前記水と前記樹脂を入れる。
【0008】
[2] 前記容器は、
下方が最小の面積となるじょうご状部を有し、
前記開口部は、前記じょうご状部の最小の面積部分に設けられている。
【0009】
[3] 前記容器は、
上方に向かって、断面積が小さくなるテーパー状部を有し、
前記開口部は、前記テーパー状部の最小の面積部分に設けられている。
【0010】
[4] 前記容器は、
底面に仕切部を設けている。
【0011】
[5] 前記除菌装置は、
前記容器を収容する容器受け部と、
容器受け部に接続された杭を更に備える。
【0012】
上記特徴[1]によれば、簡易な構成により、種苗物品を除菌することができる。
【0013】
上記特徴[2]によれば、容器の開口部が、下方が最小の面積となるじょうご状部であるため、容器内に給水しやすくなる。
【0014】
上記特徴[3]によれば、より多くのヨウ素水溶液を生成することができる。
【0015】
上記特徴[4]によれば、容器本体の底面に沈んでいる樹脂が、底面の一部に偏って配置されてしまうことを避けることができる。
【0016】
上記特徴[5]によれば、除菌装置を設置する高さを、除菌対象となる種苗物品の高さに合わせて調整することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡易な構成により、種苗物品を除菌することができる除菌装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施形態にかかる除菌装置の使用状態を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態にかかる除菌装置の容器本体の正面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態にかかる除菌装置の容器本体の右側面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態にかかる除菌装置の容器本体の平面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態にかかる除菌装置の容器本体の底面図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態にかかる除菌装置の使用状態を示す図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態にかかる除菌装置の容器本体の正面図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態にかかる除菌装置の容器本体の右側面図である。
【
図9】本発明の実施形態にかかる除菌装置の第1の変形例を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態にかかる除菌装置の第2の変形例を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態にかかる除菌装置の第3の変形例を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態にかかる除菌装置の第4の変形例の容器支持部材の正面図である。
【
図13】本発明の実施形態にかかる除菌装置の第4の変形例の容器支持部材の平面図である。
【
図14】本発明の実施形態にかかる除菌装置の第4の変形例の使用状態を示す図である。
【
図15】本発明の第2の実施形態にかかる除菌装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について説明をするが、本発明の趣旨に反しない限り、本発明は以下の実施形態に限定されない。
本発明における種苗物品とは、各種植物類の種子、根、葉、茎、花、実及び苗などを指し、これらは気体化したヨウ素により良好に除菌できる。
【0020】
1.第1の実施形態
1.1.全体構成
以下、第1の実施形態にかかる除菌装置100の全体構成について、
図1乃至5を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態にかかる除菌装置100は、主に、容器10、じょうご状部20、把手30、樹脂40及び水50から構成されている。
【0021】
1.1.1.容器10
第1の実施形態にかかる容器10は、
図2、
図3、及び、
図5に示すように、容器本体11及び仕切部12を有している。
容器本体11は、略円柱形をしているが、この形状に限らず、三角柱や四角柱のような多角柱で構成することも可能である。
そして、容器10の底面にある仕切部12は、容器本体11の底面に沈んでいる後述する樹脂40が、底面の一部に偏って配置されてしまうことを避けるためのもので、仕切部12で区切られた空間に、樹脂40を配置させることで、樹脂に練り込まれたヨウ素が水中に溶け出す量を均等にすることが可能となる。なお、容器10の底面は、仕切部12を無くして平面とすることも可能である。
そして、容器本体11の上端部には、後述するじょうご状部20が接続されている。なお、容器本体11とじょうご状部20との接続手段は、特に限定されないが、例えば溶着して一体化することも可能であり、また、螺合させることやテープなどにより接着させることで着脱可能とすることも可能である。なお、螺合により着脱する構成とすることで、開口部21の高さを調整することも可能となる。
容器本体11の材質は、特に限定されないが、後述するヨウ素が付着しないようにすることを考慮して、ポリエチレンテレフタレートのような樹脂を選択することが好ましい。
【0022】
1.1.2.じょうご状部20
第1の実施形態にかかるじょうご状部20は、
図2乃至4に示すように、下端部が最小の面積となるじょうご状となっている。そして、じょうご状部20の最小の面積部分に、開口部21が設けられている。
また、じょうご状部20の上端部と下端部との間に、開口部21から外部に流出することができなかった気体化したヨウ素が、容器本体11内に滞留しないようにするための孔22が設けられている。
図4に示すように、孔22は、じょうご状部20に4つ設けられているが、その数は4つに限定されるものではなく、どの程度ヨウ素の滞留を防止させるかに応じて、調整することが可能である。更には、孔22の形状は、円形に限られず、三角形や四角形等の多角形状とすることも可能である。
そして、じょうご状部20の上端部近傍には、
図3及び
図4に示すように、把手30を取り付けるための取付孔23が設けられている。また、取付孔23の形状は、円形に限られず、三角形や四角形等の多角形状とすることも可能である。
じょうご状部20の材質は、特に限定されないが、ヨウ素が付着しないようにすることを考慮して、ポリエチレンテレフタレートのような樹脂を選択することが好ましい。
【0023】
1.1.3.把手30
第1の実施形態にかかる把手30は、容器10を持つため、また、容器10を樹木などに吊るすためのもので、
図1乃至
図3に示すように、じょうご状部20の取付孔23に両端部が取り付けられて、アーチ形状になっているが、形状は特に限定されるものではない。また、把手30を、取付孔23にどのように取り付けるかも、特に限定されるものではない。
把手30の材質は、特に限定されないが、変形もしやすく、かつ、自立もできるように、針金などを用いることが好ましい。また、結束バンドを用いることも可能である。
【0024】
1.1.4.樹脂40
第1の実施形態にかかる樹脂40は、
図1に示すように、略円球状であり、ヨウ素が練り込まれたものである。そして、ヨウ素が練り込まれていることから、樹脂40を水50の中に入れることで、ヨウ素が徐々に、水50に溶け出すようになっている。
樹脂40は、特に限定されないが、熱可塑性のポリウレタン樹脂やエポキシ樹脂などを利用することが可能である。
【0025】
1.2.除菌装置の使用方法
以下、本発明の第1の実施形態にかかる除菌装置100の使用方法について説明する。除菌装置100の使用方法は、ヨウ素水溶液生成工程S1、容器設置工程S2、水補給工程S3、及び、樹脂交換工程S4が含まれたものとなっている。
【0026】
1.2.1.ヨウ素水溶液生成工程S1
ヨウ素水溶液生成工程S1は、容器本体11内に、ヨウ素が練り込まれた樹脂40が溶けた水溶液を生成する工程である。
まず、樹脂40を所定量、じょうご状部20を経由して、容器本体11内に入れる。この際、じょうご状部20の形状により、樹脂40を容易に容器本体11内に入れることが可能となっている。
その後、水50を所定量、じょうご状部20を経由して、容器本体11内に流し込む。この際、じょうご状部20の形状により、水50を容易に容器本体11内に流し込むことが可能となっている。そして、仮に、水50がじょうご状部20の開口部21の高さよりも高い位置になってしまうと(開口部21が塞がってしまうと)、気体化したヨウ素が効果的に外部に流出しなくなってしまうため、水50は、
図1に示すように、開口部21よりも低い位置までとすることが好ましい。
【0027】
樹脂40の量が、水50の量に対して多過ぎると、水50に溶けた後に気体化するヨウ素の量が多くなり、周囲の種苗物品を除菌する上で、必要以上のヨウ素が流出することから好ましくない。また、樹脂40の量が少なすぎると、周囲の種苗物品の除菌ができなくなってしまうため、それも好ましくない。そのため、樹脂40の量は、例えば、水50の量500ccに対して10g程度の割合とすることが好ましい。また、気温などによって、ヨウ素が溶ける量が変わるため、pH測定器などを用いて、所定のpH値となるようにすることが好ましい。
水50が入れられる量(上限)は、開口部21の高さによって決まるため、予め、容器本体11に流し込める水50の量を把握してから、その量に応じて、樹脂40の量を決めることが好ましい。
【0028】
1.2.2.容器設置工程S2
容器設置工程S2は、ヨウ素水溶液生成工程S1で生成されたヨウ素水溶液が入った容器本体11を、所望の場所に設置する工程である。容器本体11は、把手30を有しているため、所望の場所に移動させることが容易である。
そして、容器本体11は、除菌対象となる種苗物品の近くの地面に設置することも、また、除菌対象となる種苗物品の樹木の枝などに、把手30を引っ掛けることで設置することも可能である。枝などに引っ掛ける場合には、枝などに過度な負荷がかかり、折れてしまうことがないように、容器本体11を小さくする、ヨウ素水溶液の量を減らす、または、枝などを補強するといった対策を取ることが好ましい。
除菌対象となる種苗物品の背丈が低い場合には、容器本体11を、地面に置くだけで設置をすることが可能であるが、それだけであると、風などの外的要因ですぐに倒れてしまう可能性があるため、容器本体11の下部を、地面に埋めるようにすることが好ましい。
【0029】
1.2.3.水補給工程S3
水補給工程S3は、容器設置工程S2で設置された除菌装置100内の水50が減ってきた際に、水50を補給する工程である。
除菌装置100は、じょうご状部20を有しているため、容器本体11の上方から水50を注ぐだけで、容易に水50を補給することが可能である。そのため、除菌装置100を移動させる必要がないため、作業効率を向上させることができる。
なお、水50を補給するタイミングは、目視により決めることもできるが、予め設定した期間毎に補給することも可能である。
【0030】
1.2.4.樹脂交換工程S4
樹脂交換工程S4は、所定の期間毎に、除菌装置100内の樹脂40を交換する工程である。
所定の期間は、樹脂40の量と水50の量によって、予め設定しておくことが好ましく、例えば、500ccの水50に、樹脂40を10g入れていた場合には、約6カ月間毎の交換とすることができる。
また、ヨウ素が水50に溶けている場合には、水溶液の色が変色するため、変色具合を目視することによって、交換タイミングを決定することも可能である。
樹脂40の交換作業は、容器本体11ごと交換することも可能であるが、じょうご状部20を着脱自在な構成としていた場合には、じょうご状部20を取り外して交換することも可能である。
【0031】
1.3.効果
第1の実施形態の除菌装置100は、以上に詳述したような構成を有するため、気体状のヨウ素により種苗物品の除菌を行う除菌装置において、装置全体の構成を簡素化することが可能な除菌装置を提供することができる。
【0032】
2.第2の実施形態
2.1.全体構成
以下、第2の実施形態にかかる除菌装置200の全体構成について、
図6乃至8を参照して説明する。
図6に示すように、本発明の第2の実施形態にかかる除菌装置200は、容器10、把手30、樹脂40、水50とから構成されている。
第2の実施形態は、じょうご状部20の代わりに、容器本体11に一体化されている、上端部が最小の面積となるテーパー状部14が設けられている点、気体化したヨウ素を外部に放出するための孔(上部孔15、下部孔13)が異なる高さに複数ある点、及び、把手30が容器本体11の側面に設けられている点が、第1の実施形態と異なる。
これらの点以外の構成については、第1の実施形態と同じであるため、説明は割愛する。また、把手30についても、第2の実施形態においては、位置が異なること、及び、より強固な構造をしていることのみが、第1の実施形態と異なるため、説明は割愛する。
【0033】
2.1.1.容器10
第2の実施形態にかかる容器10は、
図7及び
図8に示すように、容器本体11、仕切部12、下部孔13、テーパー状部14、上部孔15、及び、開口部16を有している。
そして、下部孔13は、テーパー状部14の下端部近傍に設けられており、上部孔15は、テーパー状部14の上端部近傍に設けられている。上方に向かって、断面積が小さくなるテーパー状部14近傍において、気体化されたヨウ素は滞留するが、上部孔15及び下部孔13を有するため、効果的に気体化されたヨウ素を外部に放出することができる。更には、上部孔15及び下部孔13は、側面方向に設けられているため、第1の実施形態と比較して、気体化されたヨウ素を、より広範囲に向かって放出させることができる。
また、開口部16は、上部孔15及び下部孔13よりも断面積が大きいため、気体化されたヨウ素は、開口部16を経由して上方に放出される量が一番大きくなる。また、テーパー状部14により案内されるため、気体化されたヨウ素は、第1の実施形態と比較して、より上方に向かって放出される。
なお、上部孔15及び下部孔13の数は、特に限定されるものではなく、どの程度ヨウ素の滞留を防止させるかに応じて、調整することが可能である。更には、上部孔15及び下部孔13の形状は、円形に限られず、三角形や四角形等の多角形状とすることも可能である。
また、容器10は、第1の実施形態のようなじょうご状部20を有していないため、より多くのヨウ素水溶液を生成することができる。
【0034】
2.2.除菌装置の使用方法
本発明の第2の実施形態にかかる除菌装置200の使用方法は、じょうご状部20を有していないため、水補給工程S3において水50を補給し難い点が、第1の実施形態と異なるが、それ以外は基本的に、第1の実施形態における使用方法と同じであるため、詳細な説明は割愛する。
【0035】
2.3.効果
第2の実施形態の除菌装置200は、以上に詳述したような構成を有するため、気体化されたヨウ素を、より広範囲にわたって放出することができ、また、より多くのヨウ素水溶液を生成することができる除菌装置200を提供することができる。
【0036】
3.その他の実施形態
3.1.容器本体11の変形例1
上記の実施形態においては、容器本体11の側面が平坦である構成を採用したが、このような構成に限らず、容器本体11の底面側側面に、
図9に示すような溝17を設けるようにしても良い。なお、
図9においては、溝17の数は3つとなっているが、この数は特に限定されない。
このような構成とすることで、容器本体11を地面に埋める際に、容器本体11をより抜けにくくすることが可能となる。なお、
図9においては、第2実施形態の容器10に溝17を設ける構成としたが、第1実施形態の容器10や、後述する変形例2及び変形例3に溝17を設けるようにしても良い。
【0037】
3.2.容器10の変形例2及び変形例3
上記の実施形態においては、容器本体11の側面が平坦である部分を有する構成を採用したが、このような構成に限らず、容器本体11の形状を、
図10に示すような略円錐形状、また、
図11に示すようなひょうたん形状としても良い。
このような構成とすることで、容器本体11が、上方に向かって断面積が小さくなり、且つ、気体化されたヨウ素を案内するような形状となっているため、気体化されたヨウ素は、第1の実施形態と比較して、より上方に向かって放出される。そのため、気体化されたヨウ素を、より広範囲にわたって放出することができる。
【0038】
3.3.除菌装置の変形例1
上記の実施形態においては、除菌装置は、直接地面に埋められる構成となっていたが、このような構成に限らず、
図12乃至
図14に示すような容器本体支持部60(容器受け部61及び杭62)を設け、この容器本体支持部60を介して、除菌装置を地面に設置するようにしても良い。
このような構成とすることで、除菌装置を設置する高さを、除菌対象となる種苗物品の高さに合わせて調整することが可能となる。なお、
図14においては、第2実施形態の容器10を用いているが、第1実施形態の容器10や、変形例2及び変形例3の容器10を用いるようにしても良い。
【0039】
3.4.第2の実施形態における除菌装置の変形例
第2の実施形態においては、容器10を吊るすための構成を有していなかったが、開口部16近辺に、
図15に示すような吊下部18を設けるようにしても良い。
このような構成とすることで、容器10を、葡萄棚のような強固な構造物に、紐や結束バンドなどを介して吊るすこと可能となる。
【符号の説明】
【0040】
10 :容器
11 :容器本体
12 :仕切部
13 :下部孔
14 :テーパー状部
15 :上部孔
16 :開口部
17 :溝
18 :吊下部
20 :状部
21 :開口部
22 :孔
23 :取付孔
30 :把手
40 :樹脂
50 :水
60 :容器本体支持部
61 :容器受け部
62 :杭
100 :除菌装置
200 :除菌装置
【要約】
【課題】気体状のヨウ素により種苗物品の除菌を行う除菌装置において、装置全体の構成を簡素化することが可能な除菌装置を提供する。
【解決手段】上方に開口部21が設けられた容器10と、水50と、ヨウ素が練り込まれた樹脂40と、を少なくとも備える除菌装置100であって、前記容器10に、前記水50と前記樹脂40を入れることを特徴とする。
【選択図】
図1