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特許7418892交通渋滞感知方法、装置、電子機器及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】交通渋滞感知方法、装置、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20240115BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20240115BHJP
   B60W 30/10 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
G08G1/01 E
B60W40/02
B60W30/10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023522834
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 CN2020120896
(87)【国際公開番号】W WO2022077266
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-05-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522369865
【氏名又は名称】馭勢(上海)汽車科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】UISEE (SHANGHAI) AUTOMOTIVE TECHNOLOGIES LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】韓 佐悦
(72)【発明者】
【氏名】王 子涵
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-036726(JP,A)
【文献】特開2014-029324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車が所在する車線の区画線情報、自車走行情報、及び周辺車両の車両情報を含む走行環境情報を取得するステップと、
前記区画線情報及び前記自車走行情報に基づいて自車走行経路を決定するステップと、
前記自車走行経路及び前記周辺車両の車両情報に基づいて、前記周辺車両から自車の少なくとも片側の有効車両を決定するステップと、
前記自車の少なくとも片側の有効車両の車両情報及びその対応する車線の履歴渋滞状態に基づいて、対応する車線の現在の渋滞状態を決定するステップと、を含み、
前記自車走行経路及び前記周辺車両の車両情報に基づいて、前記周辺車両から自車の少なくとも片側の有効車両を決定する前記ステップは、
前記周辺車両の車両情報に基づいて、前記周辺車両から有効車両を決定するステップと、
自車走行経路及び前記有効車両の車両情報に基づいて、自車の少なくとも片側の有効車両を決定するステップと、を含み、
前記周辺車両の車両情報に基づいて、前記周辺車両から有効車両を決定するステップは、
前記周辺車両の車両情報に対応する車両のうちの1つ又は複数の車両の車両縦方向位置が第1の所与の範囲内に位置し、車両側方位置が第2の所与の範囲内に位置し、車両縦方向速度が第1の速度閾値よりも大きく且つ車両信頼度が第1の信頼度閾値よりも高い場合、前記1つ又は複数の車両を有効車両と決定するステップを含む、
ことを特徴とする交通渋滞感知方法。
【請求項2】
前記区画線情報は区画線の側方位置、区画線傾き、区画線曲率、区画線の有効長さ及び区画線の信頼度を含み、前記自車走行情報は自車のステアリングホイール回転角、自車のヨー角速度及び自車の車速を含み、前記周辺車両の車両情報は車両縦方向位置、車両側方位置、車両縦方向速度、車両側方速度及び車両信頼度を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の交通渋滞感知方法。
【請求項3】
前記区画線情報及び前記自車走行情報に基づいて自車走行経路を決定するステップは、
前記区画線情報に基づいて自車が所在する車線の有効区画線を決定するステップと、
前記自車走行情報に基づき、カルマンフィルタに合わせて、自車走行経路曲率を決定するステップと、
前記有効区画線の区画線傾き、区画線曲率及び前記自車走行経路曲率に基づいて、自車目標経路曲率及び自車目標経路傾きを決定するステップと、
前記自車目標経路曲率及び前記自車目標経路傾きに基づいて、前記自車走行経路を決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の交通渋滞感知方法。
【請求項4】
自車が所在する直線車線に沿って直線走行し又は自車が変向し且つ前記有効区画線の決定に失敗した場合、前記自車走行経路及び前記有効車両の車両情報に基づいて、自車の少なくとも片側の有効車両を決定するステップは、
前記有効車両の車両情報のうちの車両側方速度に基づいて、プレビュー時間内における対応する車両の車両側方位置を決定するステップと、
現在時刻の車両側方位置及びプレビュー時間内の車両側方位置がいずれも前記自車走行経路左側の第1の距離閾値内に位置する車両を自車左側有効車両と決定するステップと、
現在時刻の車両側方位置及びプレビュー時間内の車両側方位置がいずれも前記自車走行経路右側の第2の距離閾値内に位置する車両を自車右側有効車両と決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の交通渋滞感知方法。
【請求項5】
自車が変向し且つ前記有効区画線が決定された場合、
前記有効車両の車両情報のうちの車両側方速度に基づいて、プレビュー時間内における対応する車両の車両側方位置を決定するステップと、
現在時刻の車両側方位置及びプレビュー時間内の車両側方位置がいずれも自車左側有効区画線の左側の第3の距離閾値内に位置する車両を自車左側有効車両と決定するステップと、
現在時刻の車両側方位置及びプレビュー時間内の車両側方位置がいずれも自車右側有効区画線の右側の第4の距離閾値内に位置する車両を自車右側有効車両と決定するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項に記載の交通渋滞感知方法。
【請求項6】
前記自車の少なくとも片側の有効車両の車両情報及びその対応する車線の履歴渋滞状態に基づいて、対応する車線の現在の渋滞状態を決定するステップは、
前記自車の少なくとも片側の有効車両の車両情報に基づいて、対応する車線における有効車両の数、平均車速及び平均車間距離を決定するステップと、
前記有効車両の数、平均車速及び平均車間距離並びに前記履歴渋滞状態に基づいて、渋滞状態切り替え結果を決定するステップであって、前記渋滞状態切り替え結果は渋滞状態の変化状況を特徴付けるステップと、
前記渋滞状態切り替え結果に基づいて、対応する車線の現在の渋滞状態を決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の交通渋滞感知方法。
【請求項7】
渋滞状態は、判断不可能、非渋滞、間もなく渋滞、軽度な渋滞、中度の渋滞、重度の渋滞、及び深刻な渋滞を含み、
各判定周期内において、前記渋滞状態切り替え結果は、状態保持、判断不可能、判断不可能から非渋滞への切り替え、間もなく渋滞から非渋滞への切り替え、軽度な渋滞から非渋滞への切り替え、非渋滞から間もなく渋滞への切り替え、軽度な渋滞から間もなく渋滞への切り替え、非渋滞から軽度な渋滞への切り替え、間もなく渋滞から軽度な渋滞への切り替え、中度の渋滞から軽度な渋滞への切り替え、軽度な渋滞から中度の渋滞への切り替え、重度の渋滞から中度の渋滞への切り替え、中度の渋滞から重度の渋滞への切り替え、深刻な渋滞から重度の渋滞への切り替え、非渋滞から深刻な渋滞への切り替え、及び重度の渋滞から深刻な渋滞への切り替えのうち1種を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の交通渋滞感知方法。
【請求項8】
前記有効車両の数、平均車速及び平均車間距離並びに前記履歴渋滞状態に基づいて、渋滞状態切り替え結果を決定する前記ステップは、
前記有効車両の数が1よりも小さいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を判断不可能と決定するステップと、
前記履歴渋滞状態が判断不可能であり、且つ前記有効車両の数がn1よりも大きいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を判断不可能から非渋滞への切り替えと決定するステップと、
前記履歴渋滞状態が間もなく渋滞であり、前記有効車両の数がn2よりも小さく、且つ前記平均車速が自車よりもv1以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を間もなく渋滞から非渋滞への切り替えと決定するステップと、
前記履歴渋滞状態が軽度な渋滞であり、前記有効車両の数がn3よりも小さく、且つ前記平均車間距離がL1よりも大きく、又は前記平均車速がv2よりも高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を軽度な渋滞から非渋滞への切り替えと決定するステップと、
前記履歴渋滞状態が非渋滞であり、前記有効車両の数がn4よりも大きく、最近の有効車両の相対的な縦方向距離がL2よりも大きく、且つ前記平均車速が自車よりもv3以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を非渋滞から間もなく渋滞への切り替えと決定するステップと、
前記履歴渋滞状態が軽度な渋滞であり、且つ最近の有効車両の相対的な縦方向距離がL3よりも大きいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を軽度な渋滞から間もなく渋滞への切り替えと決定するステップと、
前記履歴渋滞状態が非渋滞であり、前記有効車両の数がn5よりも大きく、前記平均車間距離がL4よりも小さく、且つ最近の有効車両の相対的な縦方向距離がL5よりも小さいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を非渋滞から軽度な渋滞への切り替えと決定するステップと、
前記履歴渋滞状態が間もなく渋滞であり、且つ最近の有効車両の相対的な縦方向距離がL6よりも小さいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を間もなく渋滞から軽度な渋滞への切り替えと決定するステップと、
前記履歴渋滞状態が中度の渋滞であり、且つ前記有効車両の数がn6よりも小さく、又は前記平均車間距離がL7よりも大きく、又は前記平均車速が自車よりもv4以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を中度の渋滞から軽度な渋滞への切り替えと決定するステップと、
前記履歴渋滞状態が軽度な渋滞であり、前記有効車両の数がn7よりも大きく、前記平均車間距離がL8よりも小さく、且つ前記平均車速がv5よりも低いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を軽度な渋滞から中度の渋滞への切り替えと決定するステップと、
前記履歴渋滞状態が重度の渋滞であり、平均車間距離がL9よりも大きく、且つ前記有効車両の数がn8よりも小さく、又は前記平均車速が自車よりもv6以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を重度の渋滞から中度の渋滞への切り替えと決定するステップと、
前記履歴渋滞状態が中度の渋滞であり、前記有効車両の数がn9よりも大きく、前記平均車間距離がL10よりも小さく、且つ前記平均車速がv7よりも低いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を中度の渋滞から重度の渋滞への切り替えと決定するステップと、
前記履歴渋滞状態が深刻な渋滞であり、且つ前記有効車両の数がn10よりも小さく、又は前記平均車速がv8よりも大きく、又は前記平均車速が自車よりもv9以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を深刻な渋滞から重度の渋滞への切り替えと決定するステップと、
前記履歴渋滞状態が非渋滞であり、前記有効車両の数がn11よりも大きく、且つ前記平均車速がv10よりも小さいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を非渋滞から深刻な渋滞への切り替えと決定するステップと、
前記履歴渋滞状態が重度の渋滞であり、且つ前記平均車速がv11よりも低いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を重度の渋滞から深刻な渋滞への切り替えと決定するステップと、
以上の条件がいずれも満たされない場合に状態保持と判定するステップと、を含み、
ここで、n1~n11、L1~L10、v1~v11はシステム構成パラメータである、
ことを特徴とする請求項7に記載の交通渋滞感知方法。
【請求項9】
前記渋滞状態切り替え結果に基づいて、対応する車線の現在の渋滞状態を決定するステップは、
前記渋滞状態切り替え結果を判断不可能と判定した後、前記現在の渋滞状態を判断不可能と決定し、
前記渋滞状態切り替え結果を判断不可能から非渋滞への切り替え、間もなく渋滞から非渋滞への切り替え又は軽度な渋滞から非渋滞への切り替えと判定した後、第1のカウントモジュールは1を加算し、前記第1のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第1のカウント閾値よりも大きい場合、前記現在の渋滞状態を非渋滞と決定するステップと、
前記渋滞状態切り替え結果を非渋滞から間もなく渋滞への切り替え又は軽度な渋滞から間もなく渋滞への切り替えと判定した後、第2のカウントモジュールは1を加算し、前記第2のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第2のカウント閾値よりも大きい場合、前記現在の渋滞状態を間もなく渋滞と決定するステップと、
前記渋滞状態切り替え結果を非渋滞から軽度な渋滞への切り替え、間もなく渋滞から軽度な渋滞への切り替え又は中度の渋滞から軽度な渋滞への切り替えと判定した後、第3のカウントモジュールは1を加算し、前記第3のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第3のカウント閾値よりも大きい場合、前記現在の渋滞状態を軽度な渋滞と決定するステップと、
前記渋滞状態切り替え結果を軽度な渋滞から中度の渋滞への切り替え又は重度の渋滞から中度の渋滞への切り替えと判定した後、第4のカウントモジュールは1を加算し、前記第4のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第4のカウント閾値よりも大きい場合、前記現在の渋滞状態を中度の渋滞と決定するステップと、
前記渋滞状態切り替え結果を中度の渋滞から重度の渋滞への切り替え又は深刻な渋滞から重度の渋滞への切り替えと判定した後、第5のカウントモジュールは1を加算し、前記第5のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第5のカウント閾値よりも大きい場合、前記現在の渋滞状態を重度の渋滞と決定するステップと、
前記渋滞状態切り替え結果を非渋滞から深刻な渋滞への切り替え又は重度の渋滞から深刻な渋滞への切り替えと判定した後、第6のカウントモジュールは1を加算し、前記第6のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第6のカウント閾値よりも大きい場合、前記現在の渋滞状態を深刻な渋滞と決定するステップと、
以上の条件がいずれも満たされない場合に状態保持と判定するステップと、を含み、
そのうち、状態保持でない場合、各判定周期内において1つのカウントモジュールのみが動作し、前記第1のカウントモジュール、前記第2のカウントモジュール、前記第3のカウントモジュール、前記第4のカウントモジュール、前記第5のカウントモジュール及び前記第6のカウントモジュールのうち1つのカウントモジュールがカウントを開始する時、他のカウントモジュールのカウントがクリアされる、
ことを特徴とする請求項8に記載の交通渋滞感知方法。
【請求項10】
前記走行環境情報及び履歴渋滞状態に基づいて、現在の渋滞状態を決定した後、
前記現在の渋滞状態を記憶するステップと、
前記現在の渋滞状態を次の判定周期の履歴渋滞状態とするステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の交通渋滞感知方法。
【請求項11】
前記走行環境情報は自車の感知システムが収集したデータを処理した後に得られるものであり、前記感知システムはカメラ、ステアリングホイール回転角センサー、ヨー角速度センサー及び車速センサーを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の交通渋滞感知方法。
【請求項12】
自車が所在する車線の区画線情報、自車走行情報、及び周辺車両の車両情報を含む走行環境情報を取得するための環境情報取得ユニットと、
前記区画線情報及び前記自車走行情報に基づいて自車走行経路を決定するための走行経路決定ユニットと、
前記自車走行経路及び前記周辺車両の車両情報に基づいて、前記周辺車両から自車の少なくとも片側の有効車両を決定するための有効車両決定ユニットと、
前記自車の少なくとも片側の有効車両の車両情報及びその対応する車線の履歴渋滞状態に基づいて、対応する車線の現在の渋滞状態を決定するための渋滞状態決定ユニットと、を含み、
前記有効車両決定ユニットは、
前記周辺車両の車両情報に対応する車両のうちの1つ又は複数の車両の車両縦方向位置が第1の所与の範囲内に位置し、車両側方位置が第2の所与の範囲内に位置し、車両縦方向速度が第1の速度閾値よりも大きく且つ車両信頼度が第1の信頼度閾値よりも高い場合、前記1つ又は複数の車両を有効車両と決定し、
自車走行経路及び前記有効車両の車両情報に基づいて、自車の少なくとも片側の有効車両を決定するように構成される、
ことを特徴とする交通渋滞感知装置。
【請求項13】
メモリ及び1つ又は複数のプロセッサを含み、
そのうち、前記メモリは前記1つ又は複数のプロセッサと通信可能に接続され、前記1つ又は複数のプロセッサにより実行可能な命令が前記メモリに記憶され、前記命令が前記1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、請求項1~11のいずれか1項に記載の交通渋滞感知方法を実現するために使用される、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項14】
コンピュータ実行可能な命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体において、前記コンピュータ実行可能な命令はコンピューティング装置により実行されると、請求項1~11のいずれか1項に記載の交通渋滞感知方法を実現するために使用されることができる、
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は交通技術の分野に関し、特に交通渋滞感知方法、装置、電子機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転技術の発展に伴い、自動運転車両は簡単なシーンで短時間の特定運転機能を実現することから、徐々に遠距離のポイントツーポイント輸送能力を実現するように進化している。遠距離の輸送過程において、目的地の方位に応じて自律的に車線変更を行うことは不可避である。したがって、走行道路に複数の車が存在し、ひいては渋滞が発生する場合、自動運転システムには人間の運転者の運転習慣を模倣して車線変更を適時に行う能力が不可欠である。
【0003】
現在、渋滞検出方法は大量の道路インフラ及び他の車両データに依存し、強大な中央システムを必要とし、即時性が悪く、且つ生成した渋滞情報は道路の高さに関連するが、単一の車両の運転要求(例えば運転の道路区間)との関連性が不十分であることに起因して、いくつかの道路区間で渋滞検出を行うことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示が解決しようとする課題は従来の渋滞検出の指向性が悪いという課題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示の実施例は交通渋滞感知方法、装置、電子機器及び記憶媒体を提供する。
【0006】
本開示の実施例の第1の態様にて提供される交通渋滞感知方法は、
自車が所在する車線の区画線情報、自車走行情報、及び周辺車両の車両情報を含む走行環境情報を取得するステップと、
前記区画線情報及び前記自車走行情報に基づいて自車走行経路を決定するステップと、
前記自車走行経路及び前記周辺車両の車両情報に基づいて、前記周辺車両から自車の少なくとも片側の有効車両を決定するステップと、
前記自車の少なくとも片側の有効車両の車両情報及びその対応する車線の履歴渋滞状態に基づいて、対応する車線の現在の渋滞状態を決定するステップと、を含む。
【0007】
本開示の実施例の第2の態様にて提供される交通渋滞感知装置は、
自車が所在する車線の区画線情報、自車走行情報、及び周辺車両の車両情報を含む走行環境情報を取得するための環境情報取得ユニットと、
前記区画線情報及び前記自車走行情報に基づいて自車走行経路を決定するための走行経路決定ユニットと、
前記自車走行経路及び前記周辺車両の車両情報に基づいて、前記周辺車両から自車の少なくとも片側の有効車両を決定するための有効車両決定ユニットと、
前記自車の少なくとも片側の有効車両の車両情報及びその対応する車線の履歴渋滞状態に基づいて、対応する車線の現在の渋滞状態を決定するための渋滞状態決定ユニットと、を含む。
【0008】
本開示の実施例の第3の態様にて提供される電子機器は、
メモリ及び1つ又は複数のプロセッサを含み、
そのうち、前記メモリは前記1つ又は複数のプロセッサと通信可能に接続され、前記1つ又は複数のプロセッサにより実行可能な命令が前記メモリに記憶され、前記命令が前記1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、前記電子機器は本開示の各実施例にて提供される交通渋滞感知方法を実現するために使用される。
【0009】
本開示の実施例の第4の態様にて提供されるコンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ実行可能な命令を記憶し、前記コンピュータ実行可能な命令はコンピューティング装置により実行されると、本開示の各実施例にて提供される交通渋滞感知方法を実現するために使用されることができる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の実施例にて提供される上記技術的解決手段は従来技術と比較して以下の利点を有する。
本開示の技術的解決手段は走行環境情報に基づいて自車の少なくとも片側の有効車両を決定し、さらに自車の少なくとも片側の有効車両の車両情報及びその対応する車線の履歴渋滞状態に基づいて、対応する車線の現在の渋滞状態を決定することで、自車の左側及び/又は右側の隣接する車線のリアルタイムな渋滞状態の感知を実現し、感知結果の指向性が高く、自車の運転(特に自動運転)により良いサービスを提供することができる。
【0011】
以上の一般的な記述及び以下の詳細な記述は例示的及び解釈的なものに過ぎず、本開示を限定することができないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
ここに記される図面は本明細書を構成する部分として明細書に組み込まれ、本開示に適合する実施例を示しており、明細書と共に本開示の原理の解釈に使用される。
以下、本開示の実施例又は従来技術による技術的解決手段をより明瞭に説明するために、実施例又は従来技術の記述に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、当業者は、創造的な労力を行わずに、これらの図面からさらに他の図面を得ることができる。
図1】本開示の実施例にて提供される交通渋滞感知装置の機能モジュールのブロック図である。
図2】本開示の実施例にて提供される交通渋滞感知装置の機能モジュールの原理の概略図である。
図3】本開示の実施例にて提供される走行経路決定ユニットの機能モジュールの原理の概略図である。
図4】本開示の実施例にて提供される有効車両決定ユニットの機能モジュールの原理の概略図である。
図5】本開示の実施例にて提供される渋滞状態決定ユニットの機能モジュールの原理の概略図である。
図6】本開示の実施例にて提供される渋滞状態決定ユニットの機能モジュールの具体的な原理の概略図である。
図7】本開示の実施例にて提供される交通渋滞感知方法のフローチャートである。
図8】本開示の実施形態による電子機器を実現するために適する構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の上記目的、特徴及び利点をより明瞭に理解できるように、本開示の解決手段をさらに記述する。なお、矛盾が生じない状況で、本開示の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせることができる。
【0014】
以下の記述では本開示の十分な理解のために多くの詳細を記しているが、本開示はここで記述されるのと違う他の方式で実施されてもよく、明らかに、明細書の実施例は、全ての実施例ではなく、本開示の実施例の一部に過ぎない。
【0015】
以下の詳細な記述において、関連開示に対する完全な理解を提供するように、例により本開示の多くの具体的な詳細を記す。しかしながら、本開示はこれらの詳細なしに実施できることが当業者には明らかである。理解すべきものとして、本開示において「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」という用語を使用するのは、順序付けにおいて異なるレベルの異なる部材、素子、部分又はアセンブリを区別するための方法である。しかしながら、他の表現式により同様の目的を達成できれば、これらの用語を他の表現式に置き換えてもよい。
【0016】
本開示において使用される用語「及び/又は」は関連して列記される1つ又は複数のエントリのいずれか1つ及び全ての組み合わせを含む。
【0017】
本開示に使用される用語は特定の実施例を記述するためのものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではない。本開示の明細書及び特許請求の範囲に示されるように、文脈において例外的な状況を明瞭に提示しない限り、「1」、「1つ」、「1種」及び/又は「当該」などの単語は特に単数を意味せず、複数を含むことができる。一般的に言えば、用語の「含む」及び「包含」は明確に示された特徴、全体、ステップ、操作、要素及び/又はアセンブリを含むことだけを提示し、当該種類の表現は排他性の羅列を構成せず、他の特徴、全体、ステップ、操作、要素及び/又はアセンブリを含めることもできる。
【0018】
本開示のこれら又は他の特徴及び特性、操作方法、構造の関連要素の機能、部分の結合、及び製造の経済性は、以下の説明及び図面を参照することにより、より良く理解され、そのうち説明及び図面は、明細書の一部を形成する。しかしながら、図面は、説明及び記述の目的のためだけに使用され、本開示の保護範囲を限定することを意図していないことが明瞭に理解される。図面は縮尺で描かれるものではないことが理解される。
【0019】
本開示の技術的解決手段は、主に車両がその隣接する両側の車線の渋滞状態を感知又は検出して、車両の車線変更に効果的で確実な根拠を提供するために使用される。いくつかの実施例において、当該車両は従来の車両(手動運転のみをサポートする車両)及び無人運転車両を含む。本開示の以下の実施例において、無人運転車両を例に説明する。
【0020】
図1は交通渋滞感知装置の機能モジュールのブロック図を示し、図2は交通渋滞感知装置の機能モジュールの原理の概略図を示す。図1及び図2に示すように、交通渋滞感知装置100は、環境情報取得ユニット110、走行経路決定ユニット120、有効車両決定ユニット130、及び渋滞状態決定ユニット140を含む。
【0021】
そのうち、環境情報取得ユニット110は、自車が所在する車線の区画線情報、自車走行情報、及び周辺車両の車両情報を含む走行環境情報を取得するために使用され、
走行経路決定ユニット120は、区画線情報及び自車走行情報に基づいて自車走行経路を決定するために使用され、
有効車両決定ユニット130は、自車走行経路及び周辺車両の車両情報に基づいて、上記周辺車両から自車の少なくとも片側の有効車両を決定するために使用され、
渋滞状態決定ユニット140は、前記自車の少なくとも片側の有効車両の車両情報及びその対応する車線の履歴渋滞状態に基づいて、対応する車線の現在の渋滞状態を決定するために使用される。
【0022】
いくつかの実施例において、上記走行環境情報は自車の感知システムが収集したデータを処理した後に得られるものである。いくつかの実施例において、走行環境情報のうち区画線情報は区画線の側方位置、区画線傾き、区画線曲率、区画線の有効長さ及び区画線の信頼度を含み、自車走行情報は自車のステアリングホイール回転角、自車のヨー角速度及び自車の車速を含み、周辺車両の車両情報は車両縦方向位置、車両側方位置、車両縦方向速度、車両側方速度及び車両信頼度を含む。それに応じて、いくつかの実施例において、感知システムはカメラ、ステアリングホイール回転角センサー、ヨー角速度センサー及び車速センサーを含むことができる。いくつかの実施例において、カメラにより車両両側の区画線の画像データ及び周辺車両の画像データを収集し、自車の知能運転システムは区画線の画像データ及び周辺車両の画像データを処理し、区画線の側方位置、区画線傾き、区画線曲率、区画線の有効長さ及び区画線の信頼度などの区画線情報、並びに車両信頼度などの周辺車両の車両情報を得ることができ、レーザレーダにより周辺車両に対する検知データを得、知能運転システムは周辺車両の画像データ及びレーザレーダの検知データを結合し、処理して車両縦方向位置、車両側方位置、車両縦方向速度及び車両側方速度などの周辺車両の車両情報を得ることができ、ステアリングホイール回転角センサー、ヨー角速度センサー及び車速センサーにより自車のステアリングホイール回転角、自車のヨー角速度及び自車の車速などの自車走行情報をそれぞれ収集し、上記区画線情報、周辺車両の車両情報及び自車走行情報を融合処理して走行環境情報を得る。そのうち、区画線の信頼度は、画像対象が区画線である確率を表し、車両信頼度は、画像対象が車両である確率を表す。このように、本開示の技術的解決手段は道路インフラと中央システムに依存せず、コストを低減させることができ、且つ大量の他の車両情報の集計及び計算を必要とせず、自車の渋滞感知の即時性を向上させ、自車をタイムリーに車線変更するように促し、車線変更のタイミングを逃すことを回避し、しかも、決定した現在の渋滞状態は自車の運転要求との関連性が強く、即ち任意の運転道路区間でも渋滞感知を行い、現在の渋滞状態を決定することができ、従来の解決手段において道路インフラの設置が道路区間に制限されることに起因して、特定の道路区間しかで渋滞検出を行うことができないという問題を解決し、汎用性が高い。また、いくつかの実施例において、上記カメラはスマートカメラであってもよく、スマートカメラ自体は人工知能アルゴリズムの能力を有し、したがって、上記区画線の信頼度及び車両信頼度はいずれもスマートカメラが自分で収集した画像データに基づいて演算することにより得ることができる。
【0023】
いくつかの実施例において、図3を参照すると、走行経路決定ユニットはさらに有効区画線決定サブユニット121、走行経路曲率決定サブユニット122、自車経路パラメータ決定サブユニット123及び自車走行経路決定サブユニット124を含み、そのうち、有効区画線決定サブユニット121は区画線情報に基づいて自車が所在する車線の有効区画線を決定するために使用され、走行経路曲率決定サブユニット122は自車走行情報に基づき、カルマンフィルタに合わせて、自車走行経路曲率を決定するために使用され、自車経路パラメータ決定サブユニット123は有効区画線の区画線傾き、区画線曲率及び自車走行経路曲率に基づいて、自車目標経路曲率及び自車目標経路傾きを決定するために使用され、自車走行経路決定サブユニット124は自車目標経路曲率及び自車目標経路傾きに基づいて、自車走行経路を決定するために使用される。なお、自車走行経路とは、車両の走行過程における地面への垂直投影であり、走行した経路及び計画したこれからの所与の時間内の経路を含む。
【0024】
区画線の基本的な特徴は、区画線の長さ、隣接する2本の区画線間の距離(即ち車線の幅)、区画線傾き、区画線曲率などを含む。したがって、本開示は、区画線の基本的な特徴に基づいて、区画線が有効であるか否か(即ち有効区画線であるか否か)を決定することができる。いくつかの実施例において、有効区画線決定サブユニット121は、具体的に、区画線の有効長さが区画線の長さ閾値よりも大きく、区画線の信頼度が区画線の信頼度閾値よりも高く、2つのフレーム間の区画線曲率変化率が曲率変化率閾値よりも低く、区画線の側方位置から自車までの距離が自車の所在する車線の幅(当該区画線は自車が所在する車線の区画線であることが示され、且つ区画線の側方位置とは、横方向において、区画線の自車に対する位置である)及び区画線傾きが車線に沿って走行すること(又は自車の走行方向の設定誤差範囲)を満たす場合、当該区画線が有効であると確認し、即ち当該区画線を有効区画線として決定する。当該技術的解決手段において、有効区画線決定サブユニット121は区画線情報と対応する設定閾値との比較に基づき、区画線の信頼度に合わせて、有効区画線を決定し、区画線の有効性検出の正確性を向上させる。また、2つのフレーム間の区画線曲率変化率は、連続する2つのフレームの区画線画像から取得された区画線曲率の差と2つのフレームの間隔時間との比であり、2つのフレーム間の区画線曲率変化率が高すぎ、即ち曲率変化率閾値以上である場合は、2つのフレームの区画線画像データが急激に変化し、又は、2つのフレームの区画線画像における対象区画線が直線でないことを説明し、これにより区画線画像における区画線が信頼できないことを説明する。理解されるように、上記区画線の長さ閾値、区画線の信頼度閾値、曲率変化率閾値及び設定誤差範囲はシステム構成パラメータであり、工学的経験に基づいて設定及び調整することができる。また、いくつかの実施例において、有効区画線を区別するために、有効区画線を決定した後、当該区画線の有効識別子を有効とし、例えば、有効識別子を1とする。
【0025】
いくつかの実施例において、走行経路曲率決定サブユニット122は、具体的に、車両モデル及びカルマンフィルタを含むことができる。そのうち、車両モデルは車両ヨー動力学モデル及びタイヤヒステリシスモデルを含み、当該車両モデルは自車走行情報のうちの自車のステアリングホイール回転角及び自車の速度を取得し、自車のステアリングホイール回転角及び自車の速度に基づいて自車の理想的なヨー角速度を算出する。カルマンフィルタは自車の理想的なヨー角速度及び自車走行情報のうちの自車のヨー角速度及び自車の速度に基づいて、より安定した、低遅延な自車のヨー角速度を得、さらに自車走行経路曲率を算出する。
【0026】
いくつかの実施例において、自車経路パラメータ決定サブユニット123はさらに重み割り当てモジュール、加重平均モジュール及び追跡フィルタモジュールを含む。具体的には、重み割り当てモジュールは、区画線の有効識別子に基づいて有効区画線を決定し、自車走行経路曲率及び有効区画線の区画線傾きと区画線曲率を取得することにより、有効区画線の区画線曲率変化率、自車走行経路曲率変化率、及び有効区画線の区画線傾き変化率を算出し、ここで、曲率は変化率の占める割合が低いほどより高い重み係数を有し、有効区画線の区画線曲率の重み係数及び自車走行経路曲率の重み係数は以下の式により算出することができ、
【数1】
ここで、Wc_lnは有効区画線の区画線曲率の重み係数であり、Wc_vは自車走行経路曲率の重み係数であり、dClnは有効区画線の区画線曲率変化率であり、dCは自車走行経路曲率変化率であり、Wc_lnlは左側有効区画線の区画線曲率の重み係数であり、Wc_lnrは右側有効区画線の区画線曲率の重み係数であり、dClnlは左側有効区画線の区画線曲率変化率であり、dClnrは右側有効区画線の区画線曲率変化率である。
【0027】
また、傾きは変化率の占める割合が低いほどより高い重み係数を有し、有効区画線の区画線傾きの重み係数は以下の式により算出することができ、
【数2】
ここで、Wkplは左側有効区画線の区画線傾きの重み係数であり、Wkprは右側有効区画線の区画線傾きの重み係数であり、dkplは左側有効区画線の区画線傾きの変化率であり、dkprは右側有効区画線の区画線傾きの変化率である。
【0028】
そして、加重平均モジュールは、有効区画線の区画線傾き、区画線曲率、自車走行経路曲率、区画線曲率の重み係数、自車走行経路曲率の重み係数及び区画線傾きの重み係数に基づいて加重平均計算を行い、自車加重経路曲率及び自車加重経路傾きを得る。最後に、追跡フィルタモジュールは自車加重経路曲率及び自車加重経路傾きに対して平均化フィルタを行い、安定した自車目標経路曲率及び自車目標経路傾きを得る。当該技術的解決手段において、加重平均計算及び平均化フィルタは通常のアルゴリズムであるため、ここで説明を省略する。また、自車走行経路決定サブユニット124が自車目標経路曲率及び自車目標経路傾きに基づいて自車走行経路を算出することも、従来の一般的な技術であり、ここで説明を省略する。
【0029】
なお、区画線情報に基づいて自車が所在する車線の有効区画線を決定することに失敗した場合、即ち自車が所在する車線の区画線が信頼できない場合であって、左側区画線及び/又は右側区画線が信頼できないことを含む場合、対応する区画線の区画線曲率の重み係数及び区画線傾きの重み係数は0である。この場合、自車走行経路曲率に基づいて自車走行経路を依然として決定することができる。
【0030】
いくつかの実施例において、自車走行経路に基づいて自車左側有効車両及び自車右側有効車両を区分し、さらに左側有効車両及び/又は自車右側有効車両の対応する車線の現在の渋滞状態を決定することができる。いくつかの実施例において、図4を参照すると、有効車両決定ユニットはさらに有効車両決定サブユニット131及び有効車両区分サブユニット132を含み、そのうち、有効車両決定サブユニット131は周辺車両の車両情報に基づいて有効車両を決定するために使用され、有効車両区分サブユニット132は自車走行経路及び有効車両の車両情報に基づいて、自車の少なくとも片側の有効車両を決定するために使用される。なお、本開示の有効車両は本開示の技術的解決手段が左側車線及び/又は右側車線の現在の渋滞状態を効果的に検出するために使用することができる周辺車両であり、感知システムが収集し認識した全ての周辺車両を指すものではない。
【0031】
いくつかの実施例において、有効車両決定サブユニット131は、具体的に、周辺車両の車両情報に対応する車両のうちの1つ又は複数の車両の車両縦方向位置が第1の所与の範囲内に位置し、車両側方位置が第2の所与の範囲内に位置し、車両縦方向速度が第1の速度閾値よりも大きく且つ車両信頼度が第1の信頼度閾値よりも高い場合、1つ又は複数の車両を有効車両と決定するために使用される。っこで、車両縦方向位置は、縦方向(前後方向)において、周辺車両の自車に対する位置である。この場合、左側及び/又は右側車両と自車が横方向において重なれば、左側及び/又は右側車両の車両縦方向位置が0であると確認し、第1の所与の範囲は0を含み、左側車両の先端部分が自車の一部と面一であれな、当該左側車両の車両縦方向位置が0であり、第1の所与の範囲内に位置すると確認することが注意されるべきであり、また、先行車の車両縦方向位置は、自車の先端部分に対する先行車の末端部分の縦方向位置とすることができ、後続車の車両縦方向位置は、自車の末端部分に対する後続車の先端部分の縦方向位置とすることができる。車両側方位置は、横方向(即ち左右方向)において、自車に対する周辺車両の位置であり、例えば自車の左側に対する左側車両の右側の横方向位置、又は自車の右側に対する右側車両の左側の横方向位置である。また、上記車両縦方向位置及び車両側方位置は、車両の平面中心点を基準とすることもできる。車両縦方向速度は、周辺車両の走行速度である。車両信頼度は画像における対象車両が車両である信頼度又は確率を特徴付けるために使用され、車両信頼度が高いほど、画像における対象車両が車両である確率がより大きい。本開示の実施例において、第1の所与の範囲、第2の所与の範囲、第1の速度閾値及び第1の信頼度閾値はシステム構成パラメータであり、そのうち、第1の所与の範囲は感知システムの感知能力(例えば感知距離)により決定することができ、第2の所与の範囲は車線の幅により決定することができ、例えば、周辺車両が自車の隣接する車線における車両であることを確保するように、第2の所与の範囲の最大値を1つの車線の幅よりも小さくするべきであり、第1の速度閾値及び第1の信頼度閾値は工学的経験に基づいて設定及び調整することができる。
【0032】
いくつかの実施例において、有効車両区分サブユニット132は、具体的に、自車が所在する直線車線に沿って直線走行し又は自車が変向し且つ有効区画線の決定に失敗した場合、有効車両の車両情報のうちの車両側方速度に基づいて、プレビュー時間内における対応する車両の車両側方位置を決定し、現在時刻の車両側方位置及びプレビュー時間内の車両側方位置がいずれも自車走行経路左側の第1の距離閾値内に位置する車両を自車左側有効車両と決定し、現在時刻の車両側方位置及びプレビュー時間内の車両側方位置がいずれも自車走行経路右側の第2の距離閾値内に位置する車両を自車右側有効車両と決定するために使用される。ここで、自車の変向は自車の旋回又は自車の車線変更を含むことができ、有効区画線の決定に失敗したこととは、自車が変向する時に取得した自車が所在する車線の区画線が信頼できないことを意味し、即ち自車が変向する時に自車が所在する車線の区画線であって、左側区画線及び右側区画線を含むものを取得できないことを意味する。無人運転車両は経路計画を行う時、これからの所与の時間内の走行経路を計画し、本開示の実施例におけるプレビュー時間は当該これからの所与の時間以下であるべきである。当該技術的解決手段は有効車両の車両情報のうちの車両側方速度に基づいて、プレビュー時間内の各時刻における当該有効車両の車両側方位置を予測することができ、それによりプレビュー時間内の自車走行経路を基準とし、現在時刻の車両側方位置及びプレビュー時間内の車両側方位置に基づいて、有効車両が常に自車の隣接する車線に位置するか否かを判断し、有効車両が常に自車の隣接する車線に位置することを保証する場合、自車左側有効車両及び自車右側有効車両を区分する。ここで、第1の距離閾値及び第2の距離閾値はシステム構成パラメータであり、車線の幅に関連し、例えば第1の距離閾値及び第2の距離閾値はいずれも1つの車線の幅よりも小さい。
【0033】
さらに、車両が直線車線を直線走行する場合、車両の走行方向が車線の延在方向に沿い、車両左側の有効車両が車線左側有効車両であり、車両右側の有効車両が車線右側有効車両であることを考慮して、この場合、自車走行経路に基づいて自車左側有効車両及び自車右側有効車両を正確に区分することができる。しかし、以下のいずれか1つの状況が存在する場合、自車走行経路に基づいて自車左側有効車両及び自車右側有効車両を区分すると、有効車両の紛失を引き起こす。一、車両が旋回する場合、走行進路角(走行進路角とは走行方向と自車が所在する点の円周接線とのなす角度である)が存在し、この場合、自車走行経路に基づいて区分された自車左側有効車両及び自車右側有効車両は間違い、例えば自車が右旋回する時、自車左側車線の前方有効車両は自車走行方向が所在する直線の右側に位置する可能性があり、即ち当該時刻の当該有効車両の車両側方位置が自車走行経路右側に位置することに起因して、プレビュー時間内に当該有効車両は常に自車走行経路の左側に位置せず、それにより当該有効車両が除去され、一部の有効車両が抜かされるという問題が現れる。二、車両が車線変更する場合、再計画された自車走行経路が所在する車線からずれ、即ち再計画された自車走行経路と所在する車線とが角をなし、車両が車線変更する過程に、車両が車線変更する前の自車走行経路に基づいて区分された一部の有効車両が再計画された自車走行経路に位置する可能性があることに起因して、当該一部の有効車両の紛失を引き起こす。このため、車両が旋回する場合であっても、車両が車線変更する場合であっても、有効車両の区分結果はホッピングすることがあり、それにより渋滞状態の判断を誤ってしまう。特に、車両が車線変更する過程に、有効車両に対する区分結果が変化することに起因して、対象車線(変更しようとする車線)の現在の渋滞状態に対する判断結果が変え、例えば車両が車線変更する前に対象車線が非渋滞又は軽度な渋滞であり、車線変更ができると判定したが、車両が車線変更する過程に、対象車線が中度の渋滞であり、車線変更ができないと判定する可能性があることに起因して、車両が車線変更に失敗してしまう。したがって、本開示の実施例は、自車が所在する車線の区画線に基づいて上記実施例において区分された自車左側有効車両及び自車右側有効車両をさらに補正することができる。
【0034】
いくつかの実施例において、有効車両区分サブユニット132はさらに自車が変向し且つ有効区画線が決定された場合、有効車両の車両情報のうちの車両側方速度に基づいて、プレビュー時間内における対応する車両の車両側方位置を決定し、現在時刻の車両側方位置及びプレビュー時間内の車両側方位置がいずれも自車左側有効区画線の左側の第3の距離閾値内に位置する車両を自車左側有効車両と決定し、現在時刻の車両側方位置及びプレビュー時間内の車両側方位置がいずれも自車右側有効区画線の右側の第4の距離閾値内に位置する車両を自車右側有効車両と決定するために使用される。ここで、自車の変向は自車の旋回又は自車の車線変更を含むことができ、有効区画線が決定されたこととは自車が変向する時に取得した自車が所在する車線の区画線が信頼できることを意味し、即ち自車が変向する時に自車が所在する車線の区画線であって、左側区画線及び右側区画線を含むものを取得することができることを意味する。これにより、上記実施例に合わせて分かるように、自車が直線車線を直線走行する場合、自車走行経路に基づいて自車左側有効車両及び自車右側有効車両を区分し、いくつかの状況(例えば道路渋滞)では、自車が変向する時、周辺車両の遮蔽により自車が所在する車線の区画線を取得することができず、この場合、依然として自車走行経路に基づいて自車左側有効車両及び自車右側有効車両を区分し、また、自車が変向し且つ自車が所在する車線の区画線を取得することができる場合、区画線に基づいて自車左側有効車両及び自車右側有効車両を区分し、このように、自車の変向開始から変向完了まで、区画線に基づいて区分された自車左側有効車両及び自車右側有効車両と、自車が変向を開始する直前の時刻に自車走行経路に基づいて区分された自車左側有効車両及び自車右側有効車両とは同一となり、それにより自車が変向する場合に有効車両に対する区分結果がホッピングすることを回避し、自車の変向過程に決定した対象車線の渋滞状態が変わらないことを保証し、渋滞状態判断の緩衝作用を果たし、自車を円滑に変向させる。ここで、第3の距離閾値及び第4の距離閾値はシステム構成パラメータであり、車線の幅に関連し、例えば第3の距離閾値及び第4の距離閾値はいずれも1つの車線の幅よりも小さい。
【0035】
いくつかの実施例において、図5及び図6に合わせると、渋滞状態決定ユニットはさらに対象情報抽出サブユニット141、渋滞状態切り替え判定サブユニット142及び渋滞状態決定サブユニット143を含み、そのうち、対象情報抽出サブユニット141は自車の少なくとも片側の有効車両の車両情報に基づいて、対応する車線における有効車両の数、平均車速及び平均車間距離を決定するために使用され、渋滞状態切り替え判定サブユニット142は有効車両の数、平均車速及び平均車間距離並びに履歴渋滞状態に基づいて、渋滞状態切り替え結果を決定するために使用され、ここで、渋滞状態切り替え結果は渋滞状態の変化状況を特徴付け、渋滞状態決定サブユニット143は渋滞状態切り替え結果に基づいて、対応する車線の現在の渋滞状態を決定するために使用される。また、図6において、「0」は判断不可能を表し、「1」は非渋滞を表し、「2」は間もなく渋滞を表し、「3」は軽度な渋滞を表し、「4」は中度の渋滞を表し、「5」は重度の渋滞を表し、「6」は深刻な渋滞を表し、「T」は切り替えを表し、ここで、「1」から「6」で表される渋滞の度合いが徐々に大きくなっている。
【0036】
いくつかの実施例において、対象情報抽出サブユニット141は上記実施例の有効車両に対する区分結果に基づいて、自車左側有効車両及び/又は自車右側有効車両を決定し、それにより左側車線及び/又は右側車線における有効車両の数を決定することができ、続いて対象情報抽出サブユニット141は左側車線及び/又は右側車線における各有効車両の車両縦方向速度に基づいて、左側車線及び/又は右側車線における有効車両の平均車速を算出し、最終的に対象情報抽出サブユニット141は左側車線及び/又は右側車線における各有効車両の車両縦方向位置に基づいて、左側車線及び/又は右側車線における有効車両の平均車間距離を算出する。
【0037】
理解できるように、車両の効果的且つ柔軟な車線変更を実現するために、車両のいずれかの片側に車線が存在すれば、車線における車両の車両情報を取得する。いくつかの実施例において、車両が内側車線を走行する場合、両側の隣接する車線における車両の車両情報をリアルタイムに取得し、それにより自車左側有効車両及び自車右側有効車両を決定する。この場合、渋滞状態決定ユニットは、自車左側有効車両の車両情報及び左側の隣接する車線の履歴渋滞状態に基づいて、左側の隣接する車線の現在の渋滞状態を決定すると共に、自車右側有効車両の車両情報及び右側の隣接する車線の履歴渋滞状態に基づいて、右側の隣接する車線の現在の渋滞状態を決定する。いくつかの実施例において、車両が最外側車線を走行する場合、内側の隣接する車線における車両の車両情報をリアルタイムに取得し、例えば、車両が最も右側の車線を走行する場合、左側の隣接する車線における車両の車両情報のみを取得することにより、自車左側有効車両を決定し、渋滞状態決定ユニットは、自車左側有効車両の車両情報及び左側の隣接する車線の履歴渋滞状態に基づいて、左側の隣接する車線の現在の渋滞状態を決定する。
【0038】
いくつかの実施例において、渋滞状態は、判断不可能、非渋滞、間もなく渋滞、軽度な渋滞、中度の渋滞、重度の渋滞、及び深刻な渋滞を含み、各判定周期内において、渋滞状態切り替え結果は、状態保持、判断不可能、判断不可能から非渋滞への切り替え、間もなく渋滞から非渋滞への切り替え、軽度な渋滞から非渋滞への切り替え、非渋滞から間もなく渋滞への切り替え、軽度な渋滞から間もなく渋滞への切り替え、非渋滞から軽度な渋滞への切り替え、間もなく渋滞から軽度な渋滞への切り替え、中度の渋滞から軽度な渋滞への切り替え、軽度な渋滞から中度の渋滞への切り替え、重度の渋滞から中度の渋滞への切り替え、中度の渋滞から重度の渋滞への切り替え、深刻な渋滞から重度の渋滞への切り替え、非渋滞から深刻な渋滞への切り替え、及び重度の渋滞から深刻な渋滞への切り替えのうち1種を含む。
【0039】
本開示の実施例において、上記判定周期は即ち渋滞状態切り替え結果の判断周期であり、当該判定周期は工学的経験に基づいて設定及び調整することができる。各判定周期において、渋滞状態切り替え結果は1種しか存在できない。いくつかの実施例において、各判定周期内に所与の順序に従って各渋滞状態切り替え結果を順次判定することができ、1種の渋滞状態切り替え結果を判定した後、他の渋滞状態切り替え結果を判定しない。
【0040】
具体的には、渋滞状態切り替え判定サブユニット142は以下に使用され、
有効車両の数が1よりも小さいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を判断不可能と決定し、
履歴渋滞状態が判断不可能であり、且つ有効車両の数がn1よりも大きいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を判断不可能から非渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が間もなく渋滞であり、有効車両の数がn2よりも小さく、且つ平均車速が自車よりもv1以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を間もなく渋滞から非渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が軽度な渋滞であり、有効車両の数がn3よりも小さく、且つ平均車間距離がL1よりも大きく、又は平均車速がv2よりも高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を軽度な渋滞から非渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が非渋滞であり、有効車両の数がn4よりも大きく、最近の有効車両の相対的な縦方向距離がL2よりも大きく、且つ平均車速が自車よりもv3以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を非渋滞から間もなく渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が軽度な渋滞であり、且つ最近の有効車両の相対的な縦方向距離がL3よりも大きいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を軽度な渋滞から間もなく渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が非渋滞であり、有効車両の数がn5よりも大きく、平均車間距離がL4よりも小さく、且つ最近の有効車両の相対的な縦方向距離がL5よりも小さいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を非渋滞から軽度な渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が間もなく渋滞であり、且つ最近の有効車両の相対的な縦方向距離がL6よりも小さいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を間もなく渋滞から軽度な渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が中度の渋滞であり、且つ有効車両の数がn6よりも小さく、又は平均車間距離がL7よりも大きく、又は平均車速が自車よりもv4以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を中度の渋滞から軽度な渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が軽度な渋滞であり、有効車両の数がn7よりも大きく、平均車間距離がL8よりも小さく、且つ平均車速がv5よりも低いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を軽度な渋滞から中度の渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が重度の渋滞であり、平均車間距離がL9よりも大きく、且つ有効車両の数がn8よりも小さく、又は平均車速が自車よりもv6以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を重度の渋滞から中度の渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が中度の渋滞であり、有効車両の数がn9よりも大きく、平均車間距離がL10よりも小さく、且つ平均車速がv7よりも低いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を中度の渋滞から重度の渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が深刻な渋滞であり、且つ有効車両の数がn10よりも小さく、又は平均車速がv8よりも大きく、又は平均車速が自車よりもv9以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を深刻な渋滞から重度の渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が非渋滞であり、有効車両の数がn11よりも大きく、且つ平均車速がv10よりも小さいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を非渋滞から深刻な渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が重度の渋滞であり、且つ平均車速がv11よりも低いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を重度の渋滞から深刻な渋滞への切り替えと決定し、
以上の条件がいずれも満たされない場合に状態保持(渋滞状態切り替え結果がそのまま保持されている)と判定し、
ここで、n1~n11、L1~L10、v1~v11はシステム構成パラメータであり、実際の渋滞状態に基づいて定めることができる。
【0041】
いくつかの実施例において、渋滞状態決定サブユニット143は、具体的に、以下に使用され、
渋滞状態切り替え結果を判断不可能と判定した後、現在の渋滞状態を判断不可能と決定し、
渋滞状態切り替え結果を判断不可能から非渋滞への切り替え、間もなく渋滞から非渋滞への切り替え又は軽度な渋滞から非渋滞への切り替えと判定した後、第1のカウントモジュールは1を加算し、第1のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第1のカウント閾値よりも大きい場合、現在の渋滞状態を非渋滞と決定し、
渋滞状態切り替え結果を非渋滞から間もなく渋滞への切り替え又は軽度な渋滞から間もなく渋滞への切り替えと判定した後、第2のカウントモジュールは1を加算し、第2のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第2のカウント閾値よりも大きい場合、現在の渋滞状態を間もなく渋滞と決定し、
渋滞状態切り替え結果を非渋滞から軽度な渋滞への切り替え、間もなく渋滞から軽度な渋滞への切り替え又は中度の渋滞から軽度な渋滞への切り替えと判定した後、第3のカウントモジュールは1を加算し、第3のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第3のカウント閾値よりも大きい場合、現在の渋滞状態を軽度な渋滞と決定し、
渋滞状態切り替え結果を軽度な渋滞から中度の渋滞への切り替え又は重度の渋滞から中度の渋滞への切り替えと判定した後、第4のカウントモジュールは1を加算し、第4のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第4のカウント閾値よりも大きい場合、現在の渋滞状態を中度の渋滞と決定し、
渋滞状態切り替え結果を中度の渋滞から重度の渋滞への切り替え又は深刻な渋滞から重度の渋滞への切り替えと判定した後、第5のカウントモジュールは1を加算し、第5のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第5のカウント閾値よりも大きい場合、現在の渋滞状態を重度の渋滞と決定し、
渋滞状態切り替え結果を非渋滞から深刻な渋滞への切り替え又は重度の渋滞から深刻な渋滞への切り替えと判定した後、第6のカウントモジュールは1を加算し、第6のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第6のカウント閾値よりも大きい場合、現在の渋滞状態を深刻な渋滞と決定し、
以上の条件がいずれも満たされない場合に状態保持(現在の渋滞状態がそのまま保持されている)と判定し、
そのうち、状態保持でない場合、各判定周期内において1つのカウントモジュールのみが動作し、第1のカウントモジュール、第2のカウントモジュール、第3のカウントモジュール、第4のカウントモジュール、第5のカウントモジュール及び第6のカウントモジュールのうち1つのカウントモジュールがカウントを開始する時、他のカウントモジュールのカウントがクリアされる。
【0042】
本開示の実施例において、第1のカウント閾値、第2のカウント閾値、第3のカウント閾値、第4のカウント閾値、第5のカウント閾値及び第6のカウント閾値はそれぞれ異なってもよく、一部が同一であってもよく、全てが同一であってもよく、具体的にはシミュレーションテストに基づいてデバッグを行うことができ、算出した現在の渋滞状態が実際の現在の渋滞状態と一致することを保証すればよい。なお、いずれかのカウントモジュールが連続的にカウントする過程に(連続的にカウントしたカウント結果が対応するカウント閾値よりも大きい場合以外)、履歴渋滞状態は変わらず、対応して決定した現在の渋滞状態は状態保持であり、即ち現在の渋滞状態は履歴渋滞状態と同一である。また、「以上の条件がいずれも満たされない場合に状態保持と判定する」は、渋滞状態切り替え結果を状態保持と判定した後、現在の渋滞状態を状態保持と決定すること、又は、所与の時間内に、上記いずれかの現在の渋滞状態の判定条件が満たされないと、現在の渋滞状態を状態保持と決定することを含むことができる。渋滞状態切り替え結果が変化することに起因して、あるカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が対応するカウント閾値よりも大きくない場合にクリアされ、他のカウントモジュールがカウントを再開始することが考慮される。したがって、上記現在の渋滞状態の判定過程が長時間にわたって実行されることを回避するために、所与の時間を設定し、所与の時間内に、以上の条件がいずれも満たされない場合に状態保持と判定する。
【0043】
いくつかの実施例において、n1<n2=n4≦n3=n5<n6=n7≦n8<n9=n10≦n11、v1≦v10≦v11<v9≦v8<v3≦v4<v7<v6≦v5<v2、L1≧L4>L7>L2≧L3>L9>L10>L6>L8>L5である。これにより、上記各構成パラメータの大小関係を満たす場合に、各構成パラメータを定めると、上記渋滞状態切り替え判定の適用性を向上させ、渋滞状態判定の正確性を保証することができる。例示的に、履歴渋滞状態を間もなく渋滞、現在の実際の渋滞状態を軽度な渋滞とすると、取得した走行環境情報に基づいて上記渋滞状態切り替え判定条件の「履歴渋滞状態が間もなく渋滞であり、且つ最近の有効車両の相対的な縦方向距離がL6よりも小さいと判定する」を満たすと決定することができ、渋滞状態切り替え結果を間もなく渋滞から軽度な渋滞への切り替えと決定し、それにより現在の渋滞状態を軽度な渋滞と決定し、その後、履歴渋滞状態を軽度な渋滞に更新し、L1>L6且つL3>L6であり、実際の有効車両の相対的な縦方向距離がL6よりも小さいため、渋滞状態切り替え判定条件の「履歴渋滞状態が軽度な渋滞であり、有効車両の数がn3よりも小さく、且つ平均車間距離がL1よりも大きく、又は平均車速がv2よりも高いと判定する」及び「履歴渋滞状態が軽度な渋滞であり、且つ最近の有効車両の相対的な縦方向距離がL3よりも大きいと判定する」が満たされず、また、渋滞状態切り替え判定条件の「履歴渋滞状態が中度の渋滞であり、且つ有効車両の数がn6よりも小さく、又は平均車間距離がL7よりも大きく、又は平均車速が自車よりもv4以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を中度の渋滞から軽度な渋滞への切り替えと決定する」から分かるように、実際の渋滞状態が軽度な渋滞である場合、有効車両の数はn6よりも小さく、n6=n7であり、したがって、渋滞状態切り替え判定条件の「履歴渋滞状態が軽度な渋滞であり、有効車両の数がn7よりも大きく、平均車間距離がL8よりも小さく、且つ平均車速がv5よりも小さいと判定する」満たされない。したがって、現在の渋滞状態を軽度な渋滞と判定した後、各渋滞状態切り替え判定条件がいずれも満たされず、状態保持とし、即ち現在の渋滞状態を軽度な渋滞と決定することは、現在の実際の渋滞状態に適合する。
【0044】
いくつかの実施例において、引き続き図2を参照すると、交通渋滞感知装置はさらにバッファユニット150を含むことができ、当該バッファユニット150は上記決定した現在の渋滞状態を記憶し、当該現在の渋滞状態を次の判定周期の履歴渋滞状態とするために使用される。これにより、履歴渋滞状態のリアルタイムな更新を実現して、渋滞状態切り替え結果の判定の正確性を確保し、さらに現在の渋滞状態を正確に得る。
【0045】
いくつかの実施例において、初期の履歴渋滞状態は判断不可能である。この場合、交通渋滞感知機能が起動される場合、デフォルトの履歴渋滞状態は判断不可能である。上記解決手段における渋滞状態切り替え結果の決定方法に合わせて、第1の判定周期内において、履歴渋滞状態は判断不可能であり、通常、無人運転車両は起動する時に交通渋滞感知機能をオンにし、この時、車線には一般的に渋滞状態が存在せず、隣接する車線における車が少なく、「渋滞状態切り替え結果は判断不可能から非渋滞への切り替えである」の判定条件、即ち「履歴渋滞状態が判断不可能であり、且つ有効車両の数がn1よりも大きいと判定する」が満たされ、この場合、上記現在の渋滞状態の判定方法に基づいて、連続的な複数の判定周期を経った後、「前記渋滞状態切り替え結果を判断不可能から非渋滞への切り替え、間もなく渋滞から非渋滞への切り替え又は軽度な渋滞から非渋滞への切り替えと判定した後、第1のカウントモジュールは1を加算し、前記第1のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第1のカウント閾値よりも大きい」という条件が満たされ、それにより現在の渋滞状態を非渋滞と決定し、即ち初期の履歴渋滞状態を更新し、その後の渋滞状態切り替え結果を確実で効果的にする。なお、初期の履歴渋滞状態が判断不可能であることは本開示の選択可能な一実施例に過ぎず、他の実施例において、初期の履歴渋滞状態は、非渋滞、間もなく渋滞及び軽度な渋滞など、本開示に設定されたいずれか1種の渋滞状態であってもよい。
【0046】
本開示の実施例の別の態様は交通渋滞検知方法を提供する。図7は交通渋滞感知方法のフローチャートを示す。いくつかの実施例において、当該方法は上記交通渋滞感知装置により実行されることができる。図7に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0047】
ステップ201において、自車が所在する車線の区画線情報、自車走行情報、及び周辺車両の車両情報を含む走行環境情報を取得する。
【0048】
いくつかの実施例において、上記走行環境情報は自車の感知システムが収集したデータを処理した後に得られるものである。いくつかの実施例において、走行環境情報のうち区画線情報は区画線の側方位置、区画線傾き、区画線曲率、区画線の有効長さ及び区画線の信頼度を含み、自車走行情報は自車のステアリングホイール回転角、自車のヨー角速度及び自車の車速を含み、周辺車両の車両情報は車両縦方向位置、車両側方位置、車両縦方向速度、車両側方速度及び車両信頼度を含む。それに応じて、いくつかの実施例において、感知システムはカメラ、ステアリングホイール回転角センサー、ヨー角速度センサー及び車速センサーを含むことができる。ステップ201は本開示の実施例における環境情報取得ユニットにより実行されることができ、本開示の方法の実施例において詳細に記述しない。
【0049】
ステップ202において、区画線情報及び自車走行情報に基づいて自車走行経路を決定する。
【0050】
いくつかの実施例において、区画線情報及び自車走行情報に基づいて自車走行経路を決定するステップは、具体的に、以下のステップ2011からステップ2014を含むことができる。
【0051】
ステップ2011において、区画線情報に基づいて自車が所在する車線の有効区画線を決定する。
【0052】
ステップ2012において、自車走行情報に基づき、カルマンフィルタに合わせて、自車走行経路曲率を決定する。
【0053】
ステップ2013において、有効区画線の区画線傾き、区画線曲率及び自車走行経路曲率に基づいて、自車目標経路曲率及び自車目標経路傾きを決定する。
【0054】
ステップ2014において、自車目標経路曲率及び自車目標経路傾きに基づいて、自車走行経路を決定する。
【0055】
ステップ202は本開示の実施例における走行経路決定ユニットにより実行されることができ、具体的には、ステップ2011は有効区画線決定サブユニットにより実行されることができ、ステップ2012は走行経路曲率決定サブユニットにより実行されることができ、ステップ2013は自車経路パラメータ決定サブユニットにより実行されることができ、ステップ2014は自車走行経路決定サブユニットにより実行されることができ、ステップ202において詳細に記述されていない内容は上記実施例における走行経路決定ユニット及びその各サブユニットの関連記述を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0056】
ステップ203において、自車走行経路及び周辺車両の車両情報に基づいて、周辺車両から自車の少なくとも片側の有効車両を決定する。
【0057】
いくつかの実施例において、自車走行経路に基づいて自車左側有効車両及び自車右側有効車両を区分し、さらに左側有効車両及び/又は自車右側有効車両の対応する車線の現在の渋滞状態を決定することができる。
【0058】
いくつかの実施例において、自車走行経路及び周辺車両の車両情報に基づいて、周辺車両から自車の少なくとも片側の有効車両を決定するステップは、具体的には以下のステップ2031からステップ2032を含むことができる。
【0059】
ステップ2031において、周辺車両の車両情報に基づいて、周辺車両から有効車両を決定する。
【0060】
いくつかの実施例において、周辺車両の車両情報に対応する車両のうちの1つ又は複数の車両の車両縦方向位置が第1の所与の範囲内に位置し、車両側方位置が第2の所与の範囲内に位置し、車両縦方向速度が第1の速度閾値よりも大きく且つ車両信頼度が第1の信頼度閾値よりも高い場合、1つ又は複数の車両を有効車両と決定する。
【0061】
ステップ2032において、自車走行経路及び有効車両の車両情報に基づいて、自車の少なくとも片側の有効車両を決定する。
【0062】
いくつかの実施例において、自車が所在する直線車線に沿って直線走行し又は自車が変向し且つ有効区画線の決定に失敗した場合、自車走行経路及び有効車両の車両情報に基づいて、自車の少なくとも片側の有効車両を決定する。ここで、自車の変向は自車の旋回又は自車の車線変更を含むことができ、有効区画線の決定に失敗したこととは、自車が変向する時に取得した自車が所在する車線の区画線が信頼できないことを意味し、即ち自車が変向する時に自車が所在する車線の区画線であって、左側区画線及び右側区画線を含むものを取得できないことを意味する。具体的には、有効車両の車両情報のうちの車両側方速度に基づいて、プレビュー時間内における対応する車両の車両側方位置を決定し、現在時刻の車両側方位置及びプレビュー時間内の車両側方位置がいずれも自車走行経路左側の第1の距離閾値内に位置する車両を自車左側有効車両と決定し、現在時刻の車両側方位置及びプレビュー時間内の車両側方位置がいずれも自車走行経路右側の第2の距離閾値内に位置する車両を自車右側有効車両と決定する。
【0063】
また、本開示の実施例は、自車が所在する車線の区画線に基づいて上記実施例において区分された自車左側有効車両及び自車右側有効車両をさらに補正することができる。
【0064】
いくつかの実施例において、自車が変向し且つ有効区画線が決定された場合、有効車両の車両情報のうちの車両側方速度に基づいて、プレビュー時間内における対応する車両の車両側方位置を決定し、現在時刻の車両側方位置及びプレビュー時間内の車両側方位置がいずれも自車左側有効区画線の左側の第3の距離閾値内に位置する車両を自車左側有効車両と決定し、現在時刻の車両側方位置及びプレビュー時間内の車両側方位置がいずれも自車右側有効区画線の右側の第4の距離閾値内に位置する車両を自車右側有効車両と決定する。ここで、自車の変向は自車の旋回又は自車の車線変更を含むことができ、有効区画線が決定されたこととは自車が変向する時に取得した自車が所在する車線の区画線が信頼できることを意味し、即ち自車が変向する時に自車が所在する車線の区画線であって、左側区画線及び右側区画線を含むものを取得することができることを意味する。これにより、自車が変向する場合に有効車両に対する区分結果がホッピングすることを回避し、自車の変向過程に決定した対象車線の渋滞状態が変わらないことを保証し、渋滞状態判断の緩衝作用を果たし、自車を円滑に変向させる。
【0065】
ステップ203は本開示の実施例における有効車両決定ユニットにより実行されることができ、具体的には、ステップ2031は有効車両決定サブユニットにより実行されることができ、ステップ2032は有効車両区分サブユニットにより実行されることができ、ステップ203において詳細に記述されていない内容は上記実施例における有効車両決定ユニット及びその各サブユニットの関連記述を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0066】
ステップ240において、自車の少なくとも片側の有効車両の車両情報及びその対応する車線の履歴渋滞状態に基づいて、対応する車線の現在の渋滞状態を決定する。
【0067】
いくつかの実施例において、自車の少なくとも片側の有効車両の車両情報及びその対応する車線の履歴渋滞状態に基づいて、対応する車線の現在の渋滞状態を決定するステップは、具体的には、以下のステップ2041からステップ2043を含むことができる。
【0068】
ステップ2041において、自車の少なくとも片側の有効車両の車両情報に基づいて、対応する車線における有効車両の数、平均車速及び平均車間距離を決定する。
【0069】
いくつかの実施例において、上記実施例の有効車両に対する区分結果に基づいて、自車左側有効車両及び/又は自車右側有効車両を決定し、それにより左側車線及び/又は右側車線における有効車両の数を決定することができ、続いて左側車線及び/又は右側車線における各有効車両の車両縦方向速度に基づいて、左側車線及び/又は右側車線における有効車両の平均車速を算出し、最終的に左側車線及び/又は右側車線における各有効車両の車両縦方向位置に基づいて、左側車線及び/又は右側車線における有効車両の平均車間距離を算出する。
【0070】
ステップ2042において、有効車両の数、平均車速及び平均車間距離並びに履歴渋滞状態に基づいて、渋滞状態切り替え結果を決定し、ここで、渋滞状態切り替え結果は渋滞状態の変化状況を特徴付ける。
【0071】
いくつかの実施例において、渋滞状態は、判断不可能、非渋滞、間もなく渋滞、軽度な渋滞、中度の渋滞、重度の渋滞、及び深刻な渋滞を含み、各判定周期内において、渋滞状態切り替え結果は、状態保持、判断不可能、判断不可能から非渋滞への切り替え、間もなく渋滞から非渋滞への切り替え、軽度な渋滞から非渋滞への切り替え、非渋滞から間もなく渋滞への切り替え、軽度な渋滞から間もなく渋滞への切り替え、非渋滞から軽度な渋滞への切り替え、間もなく渋滞から軽度な渋滞への切り替え、中度の渋滞から軽度な渋滞への切り替え、軽度な渋滞から中度の渋滞への切り替え、重度の渋滞から中度の渋滞への切り替え、中度の渋滞から重度の渋滞への切り替え、深刻な渋滞から重度の渋滞への切り替え、非渋滞から深刻な渋滞への切り替え、及び重度の渋滞から深刻な渋滞への切り替えのうち1種を含む。
【0072】
本開示の実施例において、上記判定周期は即ち渋滞状態切り替え結果の判断周期であり、当該判定周期は工学的経験に基づいて設定及び調整することができる。各判定周期において、渋滞状態切り替え結果は1種しか存在できない。いくつかの実施例において、各判定周期内に所与の順序に従って各渋滞状態切り替え結果を順次判定することができ、1種の渋滞状態切り替え結果を判定した後、他の渋滞状態切り替え結果を判定しない。
【0073】
具体的には、有効車両の数が1よりも小さいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を判断不可能と決定し、
履歴渋滞状態が判断不可能であり、且つ有効車両の数がn1よりも大きいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を判断不可能から非渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が間もなく渋滞であり、有効車両の数がn2よりも小さく、且つ平均車速が自車よりもv1以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を間もなく渋滞から非渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が軽度な渋滞であり、有効車両の数がn3よりも小さく、且つ平均車間距離がL1よりも大きく、又は平均車速がv2よりも高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を軽度な渋滞から非渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が非渋滞であり、有効車両の数がn4よりも大きく、最近の有効車両の相対的な縦方向距離がL2よりも大きく、且つ平均車速が自車よりもv3以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を非渋滞から間もなく渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が軽度な渋滞であり、且つ最近の有効車両の相対的な縦方向距離がL3よりも大きいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を軽度な渋滞から間もなく渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が非渋滞であり、有効車両の数がn5よりも大きく、平均車間距離がL4よりも小さく、且つ最近の有効車両の相対的な縦方向距離がL5よりも小さいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を非渋滞から軽度な渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が間もなく渋滞であり、且つ最近の有効車両の相対的な縦方向距離がL6よりも小さいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を間もなく渋滞から軽度な渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が中度の渋滞であり、且つ有効車両の数がn6よりも小さく、又は平均車間距離がL7よりも大きく、又は平均車速が自車よりもv4以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を中度の渋滞から軽度な渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が軽度な渋滞であり、有効車両の数がn7よりも大きく、平均車間距離がL8よりも小さく、且つ平均車速がv5よりも低いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を軽度な渋滞から中度の渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が重度の渋滞であり、平均車間距離がL9よりも大きく、且つ有効車両の数がn8よりも小さく、又は平均車速が自車よりもv6以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を重度の渋滞から中度の渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が中度の渋滞であり、有効車両の数がn9よりも大きく、平均車間距離がL10よりも小さく、且つ平均車速がv7よりも低いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を中度の渋滞から重度の渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が深刻な渋滞であり、且つ有効車両の数がn10よりも小さく、又は平均車速がv8よりも大きく、又は平均車速が自車よりもv9以上高いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を深刻な渋滞から重度の渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が非渋滞であり、有効車両の数がn11よりも大きく、且つ平均車速がv10よりも小さいと判定した後、渋滞状態切り替え結果を非渋滞から深刻な渋滞への切り替えと決定し、
履歴渋滞状態が重度の渋滞であり、且つ平均車速がv11よりも低いと判定した後、渋滞状態切り替え結果を重度の渋滞から深刻な渋滞への切り替えと決定し、
以上の条件がいずれも満たされない場合に状態保持(渋滞状態切り替え結果がそのまま保持されている)と判定し、
ここで、n1~n11、L1~L10、v1~v11はシステム構成パラメータである。
【0074】
ステップ2043において、渋滞状態切り替え結果に基づいて、対応する車線の現在の渋滞状態を決定する。
【0075】
具体的には、渋滞状態切り替え結果を判断不可能と判定した後、現在の渋滞状態を判断不可能と決定し、
渋滞状態切り替え結果を判断不可能から非渋滞への切り替え、間もなく渋滞から非渋滞への切り替え又は軽度な渋滞から非渋滞への切り替えと判定した後、第1のカウントモジュールは1を加算し、第1のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第1のカウント閾値よりも大きい場合、現在の渋滞状態を非渋滞と決定し、
渋滞状態切り替え結果を非渋滞から間もなく渋滞への切り替え又は軽度な渋滞から間もなく渋滞への切り替えと判定した後、第2のカウントモジュールは1を加算し、第2のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第2のカウント閾値よりも大きい場合、現在の渋滞状態を間もなく渋滞と決定し、
渋滞状態切り替え結果を非渋滞から軽度な渋滞への切り替え、間もなく渋滞から軽度な渋滞への切り替え又は中度の渋滞から軽度な渋滞への切り替えと判定した後、第3のカウントモジュールは1を加算し、第3のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第3のカウント閾値よりも大きい場合、現在の渋滞状態を軽度な渋滞と決定し、
渋滞状態切り替え結果を軽度な渋滞から中度の渋滞への切り替え又は重度の渋滞から中度の渋滞への切り替えと判定した後、第4のカウントモジュールは1を加算し、第4のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第4のカウント閾値よりも大きい場合、現在の渋滞状態を中度の渋滞と決定し、
渋滞状態切り替え結果を中度の渋滞から重度の渋滞への切り替え又は深刻な渋滞から重度の渋滞への切り替えと判定した後、第5のカウントモジュールは1を加算し、第5のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第5のカウント閾値よりも大きい場合、現在の渋滞状態を重度の渋滞と決定し、
渋滞状態切り替え結果を非渋滞から深刻な渋滞への切り替え又は重度の渋滞から深刻な渋滞への切り替えと判定した後、第6のカウントモジュールは1を加算し、第6のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第6のカウント閾値よりも大きい場合、現在の渋滞状態を深刻な渋滞と決定し、
以上の条件がいずれも満たされない場合に状態保持(現在の渋滞状態がそのまま保持されている)と判定し、
そのうち、状態保持でない場合、各判定周期内において1つのカウントモジュールのみが動作し、第1のカウントモジュール、第2のカウントモジュール、第3のカウントモジュール、第4のカウントモジュール、第5のカウントモジュール及び第6のカウントモジュールのうち1つのカウントモジュールがカウントを開始する時、他のカウントモジュールのカウントがクリアされる。
【0076】
ステップ204は本開示の実施例における渋滞状態決定ユニットにより実行されることができ、具体的には、ステップ2041は対象情報抽出サブユニットにより実行されることができ、ステップ2042は渋滞状態切り替え判定サブユニットにより実行されることができ、ステップ2043は渋滞状態決定サブユニットにより実行されることができ、ステップ203において詳細に記述されていない内容は上記実施例における渋滞状態決定ユニット及びその各サブユニットの関連記述を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0077】
いくつかの実施例において、走行環境情報及び履歴渋滞状態に基づいて、現在の渋滞状態を決定した後、現在の渋滞状態を記憶するステップと、現在の渋滞状態を次の判定周期の履歴渋滞状態とするステップとをさらに含む。これにより、履歴渋滞状態のリアルタイムな更新を実現して、渋滞状態切り替え結果の判定の正確性を確保し、さらに現在の渋滞状態を正確に得る。
【0078】
いくつかの実施例において、初期の履歴渋滞状態は判断不可能である。この場合、交通渋滞感知機能が起動される場合、デフォルトの履歴渋滞状態は判断不可能である。上記解決手段における渋滞状態切り替え結果の決定方法に合わせて、第1の判定周期内において、履歴渋滞状態は判断不可能であり、通常、無人運転車両は起動する時に交通渋滞感知機能をオンにし、この時、車線には一般的に渋滞状態が存在せず、隣接する車線における車が少なく、「渋滞状態切り替え結果は判断不可能から非渋滞への切り替えである」の判定条件、即ち「履歴渋滞状態が判断不可能であり、且つ有効車両の数がn1よりも大きいと判定する」が満たされ、この場合、上記現在の渋滞状態の判定方法に基づいて、連続的な複数の判定周期を経った後、「前記渋滞状態切り替え結果を判断不可能から非渋滞への切り替え、間もなく渋滞から非渋滞への切り替え又は軽度な渋滞から非渋滞への切り替えと判定した後、第1のカウントモジュールは1を加算し、前記第1のカウントモジュールが連続的にカウントしたカウント結果が第1のカウント閾値よりも大きい」という条件が満たされ、それにより現在の渋滞状態を非渋滞と決定し、即ち初期の履歴渋滞状態を更新し、その後の渋滞状態切り替え結果を確実で効果的にする。なお、初期の履歴渋滞状態が判断不可能であることは本開示の選択可能な一実施例に過ぎず、他の実施例において、初期の履歴渋滞状態は、非渋滞、間もなく渋滞及び軽度な渋滞など、本開示に設定されたいずれか1種の渋滞状態であってもよい。
【0079】
以上、本開示の実施例にて提供される交通渋滞感知方法は本開示の実施例にて提供される交通渋滞感知装置により実行され、同様な機能及び有益な効果を有し、交通渋滞感知方法の実施例に詳細に記述されていない内容は交通渋滞感知装置の実施例を参照することができる。
【0080】
図8は本開示による実施形態を実現するために適用される電子機器の構造の概略図である。図8に示すように、電子機器300は、リードオンリーメモリ(ROM)302に記憶されるプログラム、又は記憶部308からランダムアクセスメモリ(RAM)303にロードされるプログラムにより、前述した実施形態における各種の処理を実行することができる中央処理装置(CPU)301を含む。RAM303には、電子機器300の動作に必要な各種のプログラム及びデータがさらに記憶される。CPU301、ROM302、RAM303はバス304を介して相互に接続される。バス304には入力/出力インタフェース305も接続される。
【0081】
I/Oインタフェース305には、キーボード、マウスなどを含む入力部306、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)など、及びスピーカなどを含む出力部307、ハードディスクなどを含む記憶部308、及びLANカード、モデムなどのネットワークインタフェースカードを含む通信部309が接続される。通信部309は、インターネットなどのネットワークを介して通信処理を実行する。I/Oインタフェース305には、ドライブ310も必要に応じて接続される。磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブルメディア311は、それから読み出されたコンピュータプログラムが必要に応じて記憶部308にインストールされるように、必要に応じてドライブ310にインストールされる。
【0082】
特に、本開示の実施形態によれば、上述した方法をコンピュータソフトウェアプログラムとして実現されることができる。例えば、本開示の実施形態は、コンピュータプログラム製品であって、その可読媒体に、前述した交通渋滞感知方法を実行するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムを有形に含むコンピュータプログラム製品を含む。このような実施形態において、当該コンピュータプログラムは、通信部309によりネットワークからダウンロードされてインストールされることができ、及び/又はリムーバブルメディア311からインストールされることができる。
【0083】
図面におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の各種の実施形態による装置、方法及びコンピュータプログラム製品の実現可能なアーキテクチャ、機能及び動作を示す。この面において、ロードマップ又はブロック図における各ブロックは1つのモジュール、プログラムセグメント又はコードの一部を表すことができ、モジュール、プログラムセグメント又はコードの一部は1つ又は複数の所定の論理機能を実現するための実行可能な命令を含む。注意すべきものとして、いくつかの代替としての実現において、ブロックに表記された機能は図面に表記された順序と異なる順序で発生してもよい。例えば、2つの連続して表されるブロックは、実際には基本的に並行して実行されてもよく、場合によってはその逆の順序で実行されてもよく、これは係る機能により決められる。さらに、ブロック図及び/又はフローチャートにおける各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、所定の機能又は操作を実行する専用のハードウェアに基づくシステムで実現されてもよく、又は専用のハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせで実現されてもよいことに注意されたい。
【0084】
本開示の実施形態に係るユニット又はモジュールはソフトウェアの形態で実現されてもよく、ハードウェアの形態で実現されてもよい。記述されたユニット又はモジュールはプロセッサに設けられてもよく、これらのユニット又はモジュールの名称はある場合に当該ユニット又はモジュール自体に対する限定を構成しない。
【0085】
また、本開示はさらにコンピュータ可読記憶媒体を提供し、当該コンピュータ可読記憶媒体は上記実施形態に記載の装置に含まれるコンピュータ可読記憶媒体であってもよく、単独で存在し、機器に組み込まれていないコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は1つ以上のプログラムを記憶し、前記プログラムは1つ以上のプロセッサにより本開示に記述された方法を実行するために使用される。
【0086】
以上説明したように、本開示は交通渋滞感知方法、装置、電子機器及び記憶媒体を提供し、走行環境情報に基づいて自車の少なくとも片側の有効車両を決定し、さらに自車の少なくとも片側の有効車両の車両情報及びその対応する車線の履歴渋滞状態に基づいて、対応する車線の現在の渋滞状態を決定することで、自車の左側及び/又は右側の隣接する車線のリアルタイムな渋滞状態に対する感知を実現することができ、感知結果の指向性が高く、自車の運転(特に自動運転)により良いサービスを提供することができる。自車の少なくとも片側の車線の渋滞状態を感知する過程において、自車の感知システムを介して走行環境データを収集し、今回の処理により走行環境情報を得ることができ、それにより道路インフラと中央システムに依存せず、コストを低減させ、且つ大量の他の車両情報の集計及び計算を必要とせず、自車をタイムリーに車線変更するように促し、車線変更のタイミングを逃すことを回避し、しかも、決定した現在の渋滞状態は自車の運転要求との関連性が強く、即ち任意の運転道路区間でも渋滞感知を行い、現在の渋滞状態を決定することができ、従来の解決手段において道路インフラの設置が道路区間に制限されることに起因して、特定の道路区間しかで渋滞検出を行うことができないという問題を解決し、汎用性が高い。
【0087】
上述したのは、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、当業者に本開示を理解又は実現できるようにさせる。当業者には、これらの実施例に対する様々な修正が明らかであり、本明細書に定義される一般的な原理は本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施例において実現することができる。したがって、本開示は本明細書に記載されたこれらの実施例に限定されず、本明細書に開示される原理及び新規な特徴に一致する最大の範囲に適合するものである。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本開示は交通渋滞感知方法を提供し、自動運転車両の自律的な車線変更において、自車の左側及び/又は右側の隣接する車線のリアルタイムな渋滞状態に対して指向性を持つように感知できるようにさせ、渋滞状態検出の結果が正確であり、非常に高い産業上の利用可能性を有する。
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