(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】エアゾール型除毛剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20240115BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20240115BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240115BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20240115BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20240115BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240115BHJP
A61Q 9/00 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/31
A61K8/34
A61K8/46
A61K8/60
A61K8/86
A61Q9/00
(21)【出願番号】P 2020049822
(22)【出願日】2020-03-19
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】弁理士法人大阪フロント特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 亜紗子
【審査官】松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-173725(JP,A)
【文献】特開平04-095019(JP,A)
【文献】特開平02-088517(JP,A)
【文献】特開平03-131680(JP,A)
【文献】特開2006-273854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/02
A61K 8/31
A61K 8/34
A61K 8/46
A61K 8/60
A61K 8/86
A61Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール容器と、除毛剤組成物と、噴射剤とを備え、
前記エアゾール容器内に、前記除毛剤組成物と前記噴射剤とが充填されており、
前記除毛剤組成物が、下記成分Aと、下記成分Bと、下記成分Cと、下記成分Dと、下記成分Eと、下記成分Fとを含み、
前記成分Aが、2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルからなり、
前記除毛剤組成物100質量%中、前記成分Aの含有量が、0.3質量%以上、10.5質量%以下であり、
前記除毛剤組成物100質量%中、前記成分Bの含有量が、
0.5質量%以上、
3.0質量%以下であり、
前記除毛剤組成物100質量%中、前記成分Cの含有量が、0.05質量%以上、3.5質量%以下であり、
前記除毛剤組成物100質量%中、前記成分Dの含有量が、0.3質量%以上、2.5質量%以下である、エアゾール型除毛剤。
成分A:総HLB値が10以上、17以下であるポリオキシエチレンアルキルエーテル 成分B:アルキルグルコシド
成分C:炭化水素油
成分D:
炭素数が16以上、22以下である高級アルコール
成分E:チオグリコール酸及び/又はその塩
成分F:水
【請求項2】
前記除毛剤組成物が、下記成分Gを含む、請求項1に記載のエアゾール型除毛剤。
成分G:多価アルコール
【請求項3】
前記除毛剤組成物が、下記成分Hを含む、請求項1又は2に記載のエアゾール型除毛剤。
成分H:多糖類及び/又はセルロース系増粘剤
であって、前記多糖類はキサンタンガム、タマリンドガム、及びジェランガムからなる群より選ばれる多糖類
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール容器に、除毛剤組成物が充填されているエアゾール型除毛剤に関する。
【背景技術】
【0002】
チオグリコール酸及び/又はその塩を除毛成分として含む除毛剤組成物が広く用いられている。この除毛剤組成物では、チオグリコール酸及び/又はその塩が、体毛を構成するケラチンのジスルフィド結合を還元することにより、除毛効果が発揮される。
【0003】
除毛剤組成物は、液状、クリーム状、ペースト状、ジェル状、フォーム状(泡状)等の種々の性状で用いられており、それぞれの性状で用いられる除毛剤組成物が、それぞれ異なる使用性、使用感、除毛特性を有する。
【0004】
下記の特許文献1には、チオグリコール酸又はチオグリコール酸塩と、シリコーン油とを含む除毛剤が開示されている。
【0005】
下記の特許文献2には、ケラチン還元性化合物と、チオ尿素とを含有する除毛剤組成物、並びに、ケラチン還元性化合物と、尿素及び/又はチオ尿素と、不溶性粒子とを含有する除毛剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平11-246372号公報
【文献】特開2002-187828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
塗布性、使用性及び保存性に優れる除毛剤として、エアゾール容器内に除毛剤組成物が充填されているエアゾール型除毛剤が知られている。エアゾール型除毛剤では、フォーム状(泡状)の吐出物を対象部位に塗布することにより、除毛が行われる。
【0008】
吐出物の肌への密着性が高いと、吐出物を体毛の根本にまで行き渡らせ、除毛力を高めることができる。吐出物の肌への密着性は、吐出物の泡質をきめ細かく、かつ柔らかくすることによって、高めることができる。吐出物の泡質がきめ細かいと、吐出物を体毛の細部にまで行き渡らすことができ、吐出物と体毛との接触面積を大きくすることができる。また、吐出物の泡質が柔らかいと、体毛と体毛との隙間や、体毛と肌との隙間に吐出物を良好に浸透させることができる。
【0009】
しかしながら、泡質がきめ細かい場合には、一般的に、弾力が高くなる。また、泡質が柔らかい場合には、一般的に、きめが粗くなる。すなわち、きめ細かい泡質と、柔らかい泡質とは、二律背反する特性である。このため、従来のエアゾール型除毛剤では、吐出物の泡質をきめ細かく、かつ柔らかくすることは困難であり、従って、吐出物の肌への密着性を高めることは困難である。
【0010】
さらに、従来のエアゾール型除毛剤では、吐出物の泡質が柔らかすぎるなどして、肌から垂れ落ちたりすることがある。
【0011】
本発明の目的は、吐出物の泡質をきめ細かくかつ柔らかくできるので、肌への密着性を高めることができ、さらに、肌からの垂れ落ちを抑えることができるエアゾール型除毛剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、エアゾール容器と、除毛剤組成物と、噴射剤とを備え、前記エアゾール容器内に、前記除毛剤組成物と前記噴射剤とが充填されており、前記除毛剤組成物が、下記成分(A)と、下記成分(B)と、下記成分(C)と、下記成分(D)と、下記成分(E)と、下記成分(F)とを含み、前記除毛剤組成物100質量%中、前記成分(A)の含有量が、0.3質量%以上、10.5質量%以下であり、前記除毛剤組成物100質量%中、前記成分(B)の含有量が、0.05質量%以上、6.0質量%以下であり、前記除毛剤組成物100質量%中、前記成分(C)の含有量が、0.05質量%以上、3.5質量%以下であり、前記除毛剤組成物100質量%中、前記成分(D)の含有量が、0.3質量%以上、2.5質量%以下である、エアゾール型除毛剤を提供する。
【0013】
成分(A):総HLB値が10以上、17以下であるポリオキシエチレンアルキルエーテル
成分(B):アルキルグルコシド
成分(C):炭化水素油
成分(D):高級アルコール
成分(E):チオグリコール酸及び/又はその塩
成分(F):水
【0014】
本発明のエアゾール型除毛剤では、前記除毛剤組成物が、下記成分(G)を含むことが好ましい。
【0015】
成分(G):多価アルコール
【0016】
本発明のエアゾール型除毛剤では、前記除毛剤組成物が、下記成分(H)を含むことが好ましい。
【0017】
成分(H):多糖類及び/又はセルロース系増粘剤
【発明の効果】
【0018】
本発明のエアゾール型除毛剤では、吐出物の泡質をきめ細かくかつ柔らかくできるので、肌への密着性を高めることができ、さらに、肌からの垂れ落ちを抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】
本発明のエアゾール型除毛剤は、エアゾール容器と、除毛剤組成物と、噴射剤とを備え、上記エアゾール容器内に、上記除毛剤組成物と上記噴射剤とが充填されている。
【0021】
本発明のエアゾール型除毛剤では、上記除毛剤組成物が、総HLB値が10以上、17以下であるポリオキシエチレンアルキルエーテルと、アルキルグルコシドと、炭化水素油と、高級アルコールと、チオグリコール酸及び/又はその塩と、水とを含む。
【0022】
本明細書においては、上記「総HLB値が10以上、17以下であるポリオキシエチレンアルキルエーテル」を「成分(A)」と記載することがある。
【0023】
本明細書においては、上記「アルキルグルコシド」を「成分(B)」と記載することがある。
【0024】
本明細書においては、上記「炭化水素油」を「成分(C)」と記載することがある。
【0025】
本明細書においては、上記「高級アルコール」を「成分(D)」と記載することがある。
【0026】
本明細書においては、上記「チオグリコール酸及び/又はその塩」を「成分(E)」と記載することがある。
【0027】
本明細書においては、上記「水」を「成分(F)」と記載することがある。
【0028】
本発明のエアゾール型除毛剤では、上記除毛剤組成物が、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、成分(D)と、成分(E)と、成分(F)とを含む。本発明のエアゾール型除毛剤では、上記除毛剤組成物100質量%中、成分(A)の含有量が、0.3質量%以上、10.5質量%以下であり、成分(B)の含有量が、0.05質量%以上、6.0質量%以下であり、成分(C)の含有量が、0.05質量%以上、3.5質量%以下であり、成分(D)の含有量が、0.3質量%以上、2.5質量%以下である。
【0029】
本発明のエアゾール型除毛剤では、上記の構成が備えられているので、吐出物の泡質をきめ細かく、かつ柔らかくできる。したがって、吐出物の肌への密着性を高めることができる。さらに、本発明のエアゾール型除毛剤では、上記の構成が備えられているので、吐出物の肌からの垂れ落ちを抑えることができる。
【0030】
エアゾール型除毛剤における吐出物の泡質は、除毛剤組成物の配合組成によって大きく変化する。例えば、吐出物の泡質がきめ細かくなるように単に配合設計した場合には、泡質が硬くなったり、弾力が高くなったりしやすい。また、吐出物の泡質が柔らかくなるように単に配合設計した場合には、きめが粗くなったり、肌からの垂れ落ちが生じたりしやすい。
【0031】
吐出物を体毛の根本にまで行き渡らせ、除毛力を高めるためには、吐出物の肌への密着性が高いことが好ましい。吐出物の肌への密着性は、吐出物の泡質をきめ細かく、かつ柔らかくすることによって、高めることができる。吐出物がきめ細かい泡質を有していたとしても、柔らかい泡質を有さない場合には、肌への密着性が低下しやすい。また、吐出物が柔らかい泡質を有していたとしても、きめ細かい泡質を有さない場合には、肌への密着性が低下しやすい。
【0032】
本発明者らは、エアゾール型除毛剤において、上記の構成を採用することにより、肌への密着性を高めることができること、及び、吐出物の肌からの垂れ落ちを抑えることができることを見出した。
【0033】
本発明のエアゾール型除毛剤では、上記除毛剤組成物が、多価アルコールを含んでいてもよい。
【0034】
本明細書においては、上記「多価アルコール」を「成分(G)」と記載することがある。
【0035】
本発明のエアゾール型除毛剤では、上記除毛剤組成物が、多糖類及び/又はセルロース系増粘剤を含んでいてもよい。
【0036】
本明細書においては、上記「多糖類及び/又はセルロース系増粘剤」を「成分(H)」と記載することがある。
【0037】
上記のように、本発明のエアゾール型除毛剤は、上記除毛剤組成物として、成分(A)と成分(B)と成分(C)と成分(D)と成分(E)と成分(F)とを少なくとも含む。本発明のエアゾール型除毛剤は、上記除毛剤組成物として、成分(G)を含んでいてもよく、成分(H)を含んでいてもよい。
【0038】
上記除毛剤組成物は、成分(A)~(H)以外の他の成分を含んでいてもよい。
【0039】
上記の成分、例えば、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)、成分(F)、成分(G)、成分(H)や他の成分は、それぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0040】
[除毛剤組成物]
(成分(A))
成分(A)は、総HLB値が10以上、17以下であるポリオキシエチレンアルキルエーテルである。成分(A)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0041】
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、及びポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル等が挙げられる。
【0042】
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルのエチレンオキシドの平均付加モル数は、成分(A)の総HLB値が10以上、17以下である限り、特に限定されない。成分(A)の総HLB値を好適な範囲にする観点からは、上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルのエチレンオキシドの平均付加モル数は、2以上であることが好ましく、40以下であることが好ましい。
【0043】
成分(A)の総HLB値は10以上、17以下である。総HLB値が10未満であると、起泡性に劣ることがある。総HLB値が17を超えると、吐出物の泡質をきめ細かくすることが困難である。
【0044】
成分(A)の総HLB値は、好ましくは12以上、好ましくは16以下である。総HLB値が上記下限以上であると、起泡性をより一層高めることができる。総HLB値が上記上限以下であると、吐出物の泡質をより一層きめ細かくすることができる。
【0045】
成分(A)の総HLB値は、成分(A)として1種のポリオキシエチレンアルキルエーテルが用いられている場合には、該ポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLB値を意味する。成分(A)の総HLB値は、成分(A)として2種以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルが用いられている場合には、成分(A)を構成するポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLB値と、該ポリオキシエチレンアルキルエーテルの成分(A)中の質量比率との積の総和を意味する。
【0046】
ポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLB値は、実測法により求めることができる。
【0047】
本発明の効果を発揮する観点から、上記除毛剤組成物100質量%中、成分(A)の含有量は、0.3質量%以上、10.5質量%以下である。
【0048】
上記除毛剤組成物100質量%中、成分(A)の含有量は、好ましくは2.0質量%以上、好ましくは9.0質量%以下である。成分(A)の含有量が上記下限以上であると、吐出物の泡質をより一層きめ細かくすることができ、また、吐出物の肌からの垂れ落ちをより一層抑えることができる。成分(A)の含有量が上記上限以下であると、吐出物の泡質をより一層柔らかくすることができる。
【0049】
(成分(B))
成分(B)は、アルキルグルコシドである。成分(B)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0050】
成分(B)としては、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ヤシ油アルキルグルコシド、及びミリスチルグルコシド等が挙げられる。
【0051】
本発明の効果を発揮する観点から、上記除毛剤組成物100質量%中、成分(B)の含有量は、0.05質量%以上、6.0質量%以下である。
【0052】
上記除毛剤組成物100質量%中、成分(B)の含有量は、好ましくは0.3質量%以上、好ましくは5.0質量%以下である。成分(B)の含有量が上記下限以上であると、吐出物の泡質をより一層柔らかくすることができる。成分(B)の含有量が上記上限以下であると、吐出物の肌からの垂れ落ちをより一層抑えることができる。
【0053】
(成分(C))
成分(C)は、炭化水素油である。成分(C)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0054】
成分(C)としては、α-オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、流動イソパラフィン、及び流動パラフィン等が挙げられる。
【0055】
本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、成分(C)は、25℃で液状の炭化水素油であることが好ましい。
【0056】
本発明の効果を発揮する観点から、上記除毛剤組成物100質量%中、成分(C)の含有量は、0.05質量%以上、3.5質量%以下である。
【0057】
上記除毛剤組成物100質量%中、成分(C)の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、好ましくは2.5質量%以下である。成分(C)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、吐出物の泡質をより一層きめ細かくすることができ、また、吐出物の肌からの垂れ落ちをより一層抑えることができる。
【0058】
(成分(D))
成分(D)は、高級アルコールである。成分(D)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0059】
成分(D)としては、炭素数が16以上、22以下であるアルコールが挙げられる。上記炭素数が16以上、22以下であるアルコールとしては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、オレイルアルコール、及びベヘニルアルコール等が挙げられる。
【0060】
本発明の効果を発揮する観点から、上記除毛剤組成物100質量%中、成分(D)の含有量は、0.3質量%以上、2.5質量%以下である。
【0061】
上記除毛剤組成物100質量%中、成分(D)の含有量は、好ましくは0.8質量%以上、好ましくは2.0質量%以下である。成分(D)の含有量が上記下限以上であると、吐出物の泡質をより一層きめ細かくすることができ、また、吐出物の肌からの垂れ落ちをより一層抑えることができる。成分(D)の含有量が上記上限以下であると、吐出物の泡質をより一層柔らかくすることができる。
【0062】
(成分(E))
成分(E)は、チオグリコール酸及び/又はその塩である。成分(E)は、除毛成分である。上記除毛剤組成物は、成分(E)として、チオグリコール酸を含んでいてもよく、チオグリコール酸塩を含んでいてもよく、チオグリコール酸とチオグリコール酸塩との双方を含んでいてもよい。成分(E)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0063】
上記チオグリコール酸塩としては、チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸カリウム、チオグリコール酸マグネシウム、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミン、及びチオグリコール酸トリエタノールアミン等が挙げられる。
【0064】
上記除毛剤組成物100質量%中、成分(E)のチオグリコール酸構造換算での含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下である。成分(E)のチオグリコール酸構造換算での含有量が上記下限以上であると、除毛力をより一層高めることができる。成分(E)のチオグリコール酸構造換算での含有量が上記上限以下であると、除毛力を高め、かつ皮膚刺激を小さくすることができる。
【0065】
上記チオグリコール酸構造換算での含有量は、成分(E)がチオグリコール酸である場合には、チオグリコール酸の含有量を意味し、成分(E)がチオグリコール酸塩である場合には、下記式で表される含有量を意味する。また、上記チオグリコール酸構造換算での含有量は、成分(E)がチオグリコール酸とチオグリコール酸塩との双方を含む場合には、チオグリコール酸の含有量と下記式で表される含有量との合計を意味する。
【0066】
チオグリコール酸塩のチオグリコール酸構造換算での含有量(質量%)=チオグリコール酸塩の含有量(質量%)×(チオグリコール酸の分子量/チオグリコール酸塩の分子量)
【0067】
(成分(F))
成分(F)は、水である。成分(F)は、上記除毛剤組成物の媒体としての役割を有する。
【0068】
上記除毛剤組成物の成分(F)の含有量は、好ましくは60.0質量%以上、より好ましくは65.0質量%以上、好ましくは96.0質量%以下、より好ましくは90.0質量%以下である。
【0069】
(成分(G))
成分(G)は、多価アルコールである。成分(G)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。成分(G)は、用いられなくてもよい。
【0070】
成分(G)としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、グルコース、マルトース、マルチトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、及び1,2-オクタンジオール等が挙げられる。
【0071】
上記除毛剤組成物100質量%中、成分(G)の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下である。成分(G)の含有量が上記下限以上であると、吐出物の泡質をより一層きめ細かくすることができ、また、泡の持続性を高めることができる。成分(G)の含有量が上記上限以下であると、洗い落ちを良好にすることができる。
【0072】
(成分(H))
成分(H)は、多糖類及び/又はセルロース系増粘剤である。成分(H)は、多糖類であってもよく、セルロース系増粘剤であってもよく、多糖類とセルロース系増粘剤との双方であってもよい。成分(H)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。成分(H)は、用いられなくてもよい。
【0073】
上記多糖類としては、キサンタンガム、タマリンドガム、及びジェランガム等が挙げられる。
【0074】
上記セルロース系増粘剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
【0075】
上記除毛剤組成物100質量%中、成分(H)の含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。成分(H)の含有量が上記下限以上であると、吐出物の泡質をより一層きめ細かくすることができ、また、泡の持続性を高めることができる。成分(H)の含有量が上記上限以下であると、洗い落ちを良好にすることができる。
【0076】
(他の成分)
上記除毛剤組成物は、上述した成分(A)~(H)以外の他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、下記式(1)で表される化合物(以下、「化合物X」と記載することがある)、成分(A)及び成分(B)の双方とは異なるノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、エステル油、シリコーン油、油脂、成分(H)とは異なる増粘剤、アルカリ剤、清涼剤、防腐剤、抗酸化剤、金属封鎖剤、着色剤、及び香料等が挙げられる。上記他の成分は、それぞれ1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0077】
<化合物X>
上記除毛剤組成物は、下記式(1)で表される化合物(化合物X)を含むことが好ましい。上記化合物Xは、成分(E)による除毛力を高めることができる除毛促進成分である。化合物Xは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0078】
【0079】
上記式(1)中、Rは、水素原子又は炭素数1以上、5以下のアルキル基を表し、nは、2以上、5以下の整数を表す。
【0080】
上記炭素数1以上、5以下のアルキル基は、直鎖状のアルキル基であってもよく、分岐構造を有するアルキル基であってもよい。
【0081】
上記式(1)中、Rは、炭素数1又は2のアルキル基であることが好ましい。すなわち、上記式(1)中、Rは、メチル基又はエチル基であることが好ましい。この場合には、除毛力をより一層高めることができ、また、除毛剤組成物の保存安定性をより一層高めることができる。
【0082】
上記式(1)中、nは、2又は3であることが好ましく、2であることがより好ましい。この場合には、除毛促進効果がより一層効果的に発揮され、除毛力がより一層効果的に高められる。また、除毛剤組成物の保存安定性をより一層高めることができる。
【0083】
上記除毛剤組成物100質量%中、上記化合物Xの含有量は、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、好ましくは10.0質量%以下である。上記化合物Xの含有量が上記下限以上であると、除毛促進効果がより一層効果的に発揮され、除毛力がより一層効果的に高められる。上記化合物Xの含有量が上記上限以下であると、除毛力を高め、かつ皮膚刺激を小さくすることができる。
【0084】
<成分(A)及び成分(B)の双方とは異なるノニオン界面活性剤>
上記ノニオン界面活性剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0085】
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸ポリグリセリル、ミリスチン酸ポリグリセリル、イソステアリン酸ポリグリセリル、及びジヤシ油脂肪酸ポリグリセリル等が挙げられる。
【0086】
上記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、例えば、ポリオキシエチレン基の平均付加モル数が30~80であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0087】
<アニオン界面活性剤>
上記アニオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、及びセチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;テトラデセンスルホン酸ナトリウム等のα-オレフィンスルホン酸塩;ミリストイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウム、及びヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム等のN-アシルメチルタウリン塩;スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、及びスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム等のスルホコハク酸アルキル塩;スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウリル二ナトリウム等のスルホコハク酸ポリオキシエチレンアルキル塩;ラウリルリン酸ナトリウム、セチルリン酸ナトリウム、及びセチルリン酸ジエタノールアミン等のモノアルキルリン酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;ラウロイルサルコシンカリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ミリストイルサルコシンナトリウム、及びヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム等のN-アシルサルコシン塩;ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルメチルアラニントリエタノールアミン、ミリストイルメチルアラニンナトリウム、及びヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム等のN-アシル-N-メチル-β-アラニン塩;ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、及びヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン等のN-アシルグルタミン酸塩;ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、及びヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム等のN-アシルグリシン塩;ラウリルグリコール酢酸ナトリウム(ドデカン-1,2-ジオール酢酸ナトリウム)、ラウリルグリコール酢酸カリウム、ミリスチルグリコール酢酸ナトリウム、ミリスチルグリコール酢酸カリウム、パルミチルグリコール酢酸ナトリウム、パルミチルグリコール酢酸カリウム、ステアリルグリコール酢酸ナトリウム、ステアリルグリコール酢酸カリウム、ベヘニルグリコール酢酸ナトリウム、及びベヘニルグリコール酢酸カリウム等のアルキルエーテルグリコール酢酸塩等が挙げられる。
【0088】
<両性界面活性剤>
上記両性界面活性剤としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、及びヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアルキルアミドベタイン型両性界面活性剤;アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、及びN-アシルアミノエチル-N-2-ヒドロキシエチルグリシン塩等のグリシン型両性界面活性剤;アルキルアミノプロピオン酸塩、及びアルキルイミノジプロピオン酸塩等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、及びアルキルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤;アルキルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤;アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリニウム型両性界面活性剤;N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム-N-プロピルスルホン酸塩;N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム-N-(2-ヒドロキシプロピル)スルホン酸塩;N-脂肪酸アミドプロピル-N,N-ジメチルアンモニウム-N-(2-ヒドロキシプロピル)スルホン酸塩等が挙げられる。
【0089】
<エステル油>
上記エステル油としては、カプリン酸グリセリル等のカプリン酸エステル、カプリル酸グリセリル等のカプリル酸エステル、2-エチルヘキサン酸セチル、及びイソノナン酸イソノニル等が挙げられる。
【0090】
<シリコーン油>
上記シリコーン油としては、例えば、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチコノール、メチルハイドロジェンポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、及びアミノ変性シリコーン等が挙げられる。
【0091】
<油脂>
上記油脂としては、例えば、オリーブ油、コメヌカ油、ヒマシ油、ヤシ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、及びアボカド油等が挙げられる。
【0092】
<成分(H)とは異なる増粘剤>
上記増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。上記カルボキシビニルポリマーは、アルキル変性カルボキシビニルポリマーであってもよい。
【0093】
<アルカリ剤>
本発明の除毛剤組成物は、アルカリ剤を含むことが好ましい。
【0094】
上記アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、アンモニア、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、イソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
【0095】
上記除毛剤組成物100質量%中、アルカリ剤の含有量は、好ましくは0.7質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.2質量%以下である。上記アルカリ剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、除毛剤組成物のpHを好適な範囲内に調整しやすくなり、除毛力をより一層高めることができる。
【0096】
<清涼剤>
上記清涼剤としては、l-メントール、1,8-シネオール、及びカンファ等が挙げられる。
【0097】
<防腐剤>
上記防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、及びフェノキシエタノール等が挙げられる。
【0098】
泡質をより一層良好にする観点から、上記除毛剤組成物は、エタノールを含まないか、又は、エタノールを3.0質量%以下で含むことが好ましい。上記除毛剤組成物がエタノールを含む場合に、上記除毛剤組成物100質量%中、エタノールの含有量は、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下である。上記除毛剤組成物100質量%中、エタノールの含有量は、最も好ましくは0質量%(未含有)である。したがって、上記除毛剤組成物は、エタノールを含まないことが最も好ましい。
【0099】
(除毛剤組成物の他の詳細)
上記除毛剤組成物の25℃における粘度は、好ましくは50mPa・s以上、より好ましくは150mPa・s以上、好ましくは1500mPa・s以下、より好ましくは1200mPa・s以下である。上記粘度が上記下限以上及び上記上限以下であると、吐出性を良好にすることができる。
【0100】
上記粘度は、粘度計を用いて、No.2ローターを使用して回転速度12rpm、回転時間1分間の条件で測定される。上記粘度計としては、東機産業社製、TV-25型粘度計を使用可能である。
【0101】
上記除毛剤組成物のpHは、好ましくは11.5以上、より好ましくは11.8以上、好ましくは13.0以下、より好ましくは12.8以下である。上記pHが上記下限以上及び上記上限以下であると、除毛力をより一層高めることができ、また、保存安定性をより一層高めることができる。
【0102】
上記除毛剤組成物は、公知慣用の除毛剤組成物の製造方法により、製造することができる。上記除毛剤組成物は、例えば、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、成分(D)と、成分(E)と、成分(F)と、必要に応じて配合される他の成分とを混合することにより製造することができる。
【0103】
[噴射剤]
上記噴射剤としては、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、ハイドロフルオロオレフィン、イソブタン、及び窒素ガス等が挙げられる。上記噴射剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0104】
吐出性を良好にする観点から、上記噴射剤は、液化石油ガスを含むことが好ましい。
【0105】
[エアゾール型除毛剤]
本発明のエアゾール型除毛剤は、エアゾール容器と、上記除毛剤組成物と、上記噴射剤とを備える。上記エアゾール型除毛剤では、上記エアゾール容器内に、上記除毛剤組成物と上記噴射剤とが充填されている。上記除毛剤組成物は、上記エアゾール型除毛剤において、上記エアゾール容器内に充填されている充填物のうち、上記噴射剤を除く配合物である。
【0106】
本発明のエアゾール型除毛剤では、上記除毛剤組成物を、エアゾール容器よりフォーム状(泡状)に吐出可能であることが好ましい。上記エアゾール容器は、フォーム用アクチュエーターを有することが好ましい。本発明のエアゾール型除毛剤は、エアゾールフォーム型除毛剤であることが好ましい。エアゾールフォーム型除毛剤であることにより、上記除毛剤組成物をエアゾール容器からフォーム状(泡状)に掌上に吐出した後、除毛対象部位に吐出物を塗布することができる。なお、上記除毛剤組成物をエアゾール容器から直接、除毛対象部位に吐出してもよい。
【0107】
上記エアゾール型除毛剤は、既知の方法により作製することができる。上記エアゾール型除毛剤の作製方法としては、上記除毛剤組成物又は上記除毛剤組成物に含有される各配合成分をエアゾール容器内に充填して、エアゾール用バルブによりエアゾール容器をクリンチした後、噴射剤をステムより充填し、ステムに適した噴射ボタンを装着する方法等が挙げられる。
【0108】
上記除毛剤組成物と上記噴射剤との合計100質量%中、上記除毛剤組成物の含有量は、好ましくは85.0質量%以上、より好ましくは90.0質量%以上、好ましくは98.0質量%以下、より好ましくは97.0質量%以下である。上記除毛剤組成物の含有量が上記下限以上であると、除毛剤組成物と噴射剤との相溶性及び泡の濃密さを高めることができ、エアゾール型除毛剤の安定性を高めることができる。上記除毛剤組成物の含有量が上記上限以下であると、吐出安定性を高めることができる。
【0109】
上記除毛剤組成物と上記噴射剤との合計100質量%中、上記噴射剤の含有量は、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下である。上記噴射剤の含有量が上記下限以上であると、吐出安定性を高めることができる。上記噴射剤の含有量が上記上限以下であると、除毛剤組成物と噴射剤との相溶性及び泡の濃密さを高めることができ、エアゾール型除毛剤の安定性を高めることができる。
【実施例】
【0110】
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。なお、以下の実施例1,8,12は参考例である。
【0111】
実施例及び比較例では、下記の成分を用いた。
【0112】
(成分(A))
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(エチレンオキシドの平均付加モル数20、HLB値17.0)(日光ケミカルズ社製、商品名「NIKKOL BC-20」)
ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル(エチレンオキシドの平均付加モル数10、HLB値13.5)(日光ケミカルズ社製、商品名「NIKKOL BC-10」)
ポリオキシエチレン(5)セチルエーテル(エチレンオキシドの平均付加モル数5、HLB値10.5)(日光ケミカルズ社製、商品名「NIKKOL BC-5」)
ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル(エチレンオキシドの平均付加モル数20、HLB値18.0)(日光ケミカルズ社製、商品名「NIKKOL BS-20」)
ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル(エチレンオキシドの平均付加モル数5、HLB値8.0)(日光ケミカルズ社製、商品名「NIKKOL BS-5」)
【0113】
(成分(B))
ラウリルグルコシド(花王社製、商品名「マイドール12」)
デシルグルコシド(花王社製、商品名「マイドール10」)
【0114】
(成分(C))
流動パラフィン(Sonneborn社製、商品名「CARNATION」)
スクワラン(日光ケミカルズ社製、商品名「スクワラン」)
【0115】
(成分(D))
セタノール(花王社製、商品名「カルコール6870」)
ステアリルアルコール(花王社製、商品名「カルコール8688」)
【0116】
(成分(E))
チオグリコール酸カルシウム(三田尻化学社製、商品名「チオグリコール酸CAT」)
【0117】
(成分(F))
精製水
【0118】
(成分(G))
グリセリン
ジプロピレングリコール(旭硝子社製、商品名「ジプロピレングリコール DPG-FC」)
【0119】
(成分(H))
キサンタンガム(DSP五協フード&ケミカル社製、商品名「エコーガムT」)
ヒドロキシエチルセルロース(ダイセル化学工業社製、商品名「HECダイセル SE90」)
【0120】
(他の成分)
水酸化ナトリウム
【0121】
(噴射剤)
液化石油ガス(LPG)(小池化学社製「LPG20℃ 0.39MPa」)
【0122】
(実施例1~26及び比較例1~8)
下記の表1~4に示す配合成分を配合(配合単位は質量%)し、下記の表1~4に示す組成を有する除毛剤組成物(原液)を調製した。得られた除毛剤組成物(原液)をエアゾール容器(φ35mm×105mm、アルミ缶、容器満注量91mL)に充填した。次いで、エアゾール用バルブをエアゾール容器にクリンチした後、表1~4に示す噴射剤をステムより充填し、ステムに適したフォーム用アクチュエーターを装着して、エアゾール型除毛剤(エアゾールフォーム型除毛剤)を作製した。表中の配合量(除毛剤組成物100質量%中の配合量)は、純分の配合量(単位:質量%)で示した。
【0123】
(評価)
得られたエアゾール型除毛剤について、以下の評価を行った。評価結果は表1~4中に示した。なお、評価は専門パネル3名で行い、協議して評価結果を決定した。
【0124】
(試験1:泡質のきめ細かさ)
エアゾール型除毛剤を、水平に静置したガラス板上に1秒間吐出し、下記の基準で評価した。
【0125】
<泡質のきめ細かさの評価基準>
○○:非常にきめ細かく、1mm以上の気泡が無い
○:きめ細かく、1mm以上の気泡が全体の1割未満である
×:きめの粗さが目立ち、1mm以上の気泡が全体の1割以上である
【0126】
(試験2:泡質の柔らかさ)
上記の「泡質のきめ細かさ」の評価の後、泡表面に5円玉硬貨を静かに置き、3秒後の硬貨の沈み具合で評価した。
【0127】
<泡質の柔らかさの評価基準>
○○:3秒間で硬貨が1cm以上沈む
○:3秒間で硬貨が5mm以上1cm未満沈む
×:3秒間で硬貨が5mm未満沈む
【0128】
(試験3:肌への密着性)
エアゾール型除毛剤を、水平に静置したガラス板上に3g(高さ約5cm)吐出し、掌で泡を約2cmまで潰すように抑えた後、伸ばすようにスライドさせた際の感触を下記の基準で評価した。
【0129】
<肌への密着性の評価基準>
○○:スライドさせた掌に泡が付いてくる感触
○:スライドさせた掌に泡がやや付いてくる程度の感触
×:スライドさせた掌に泡が付いてこない感触
【0130】
(試験4:垂れ落ちのなさ)
エアゾール型除毛剤を、掌上に1秒間吐出した後、吐出物が付着した掌を床に対し、垂直に立て、1分後の泡の垂れ落ちを評価した。
【0131】
<垂れ落ちのなさの評価基準>
○○:まったく垂れ落ちない
○:1cm未満で垂れ落ちる
×:1cm以上で垂れ落ちる
【0132】
実施例1~26で得られたエアゾール型除毛剤と、比較例1~8で得られたエアゾール型除毛剤との除毛力を比較したところ、実施例1~26で得られたエアゾール型除毛剤の方が除毛力に優れていた。
【0133】
組成及び結果を下記の表1~4に示す。
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
以下に、本発明のエアゾール型除毛剤の処方例を示す。
【0139】
(処方例1)
(除毛剤組成物:原液)
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.5質量%
ポリオキシエチレンセチルエーテル(10E.O.) 1.5質量%
ポリオキシエチレンセチルエーテル(5E.O.) 1.0質量%
ラウリルグルコシド 2.0質量%
流動パラフィン 0.5質量%
キサンタンガム 0.1質量%
ジプロピレングリコール 2.0質量%
グリセリン 5.0質量%
セタノール 0.8質量%
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 0.5質量%
尿素 5.0質量%
チオグリコール酸カルシウム 8.0質量%
水酸化ナトリウム 1.0質量%
香料 0.2質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
(噴射剤)
LPG 100.0質量%
(エアゾール型除毛剤)
原液:噴射剤=95:5(質量比)
【0140】
(処方例2)
(除毛剤組成物:原液)
ポリオキシエチレンセチルエーテル(40E.O.) 2.0質量%
ポリオキシエチレンセチルエーテル(10E.O.) 1.5質量%
ポリオキシエチレンステアリルエーテル(2E.O.) 0.5質量%
デシルグルコシド 2.0質量%
スクワラン 0.5質量%
ヒドロキシエチルセルロース 0.1質量%
プロピレングリコール 2.0質量%
グリセリン 5.0質量%
セタノール 1.0質量%
チオグリコール酸カルシウム 7.5質量%
尿素 4.0質量%
水酸化ナトリウム 1.0質量%
香料 0.25質量%
シア脂 0.1質量%
アロエエキス 0.1質量%
メリッサエキス 0.1質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
(噴射剤)
LPG 100.0質量%
(エアゾール型除毛剤)
原液:噴射剤=94:6(質量比)