(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】切削インサートおよび切削工具
(51)【国際特許分類】
B23B 27/10 20060101AFI20240115BHJP
【FI】
B23B27/10
(21)【出願番号】P 2019021386
(22)【出願日】2019-02-08
【審査請求日】2021-12-24
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)「知の拠点あいち重点研究プロジェクト」(航空機製造工程の革新によるコスト低減と機体の軽量化・高性能化プロジェクト)の成果による特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人東海国立大学機構
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(73)【特許権者】
【識別番号】523194617
【氏名又は名称】NTKカッティングツールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】社本 英二
(72)【発明者】
【氏名】上田 隆司
【審査官】中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-018294(JP,A)
【文献】国際公開第2019/017064(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0279644(US,A1)
【文献】特開2018-111205(JP,A)
【文献】特開2017-189825(JP,A)
【文献】特開2014-018891(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0079495(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0002750(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0263153(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 27/00-29/34
B23C 1/00-9/00
B23P 5/00-17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面がすくい面となる薄板部材と、
前記すくい面の外周に形成される切れ刃と、
前記薄板部材を支持する基部と、
前記すくい面を冷却する流体を流す複数の内部冷却路と、
を備え、
前記基部と前記薄板部材の下面との間に、前記内部冷却路が設けられ、
前記内部冷却路における前記薄板部材の下面は平坦であり、
前記複数の内部冷却路の出口となる複数の流路開口が、前記切れ刃近傍の基部における逃げ面に存在する、
ことを特徴とする切削インサート。
【請求項2】
前記流路開口は、前記すくい面から0.2mm以上、1.5mm以内の深さの前記切れ刃近傍に位置する、
ことを特徴とする請求項
1に記載の切削インサート。
【請求項3】
前記流路開口は、前記すくい面から0.2mm以上、1mm以内の深さの前記切れ刃近傍に位置する、
ことを特徴とする請求項
1に記載の切削インサート。
【請求項4】
前記すくい面は角部を有し、前記切れ刃は前記すくい面の角部に存在し、前記複数の流路開口の一部は、前記切れ刃近傍において前記逃げ面が形成する前記角部の稜線上に存在する、
ことを特徴とする請求項1から
3のいずれかに記載の切削インサート。
【請求項5】
前記すくい面は角部を有し、前記切れ刃は前記すくい面の角部に存在し、前記複数の流路開口のそれぞれは、前記切れ刃近傍において前記逃げ面が形成する前記角部の稜線を挟んで異なる逃げ面に存在する、
ことを特徴とする請求項1から
3のいずれかに記載の切削インサート。
【請求項6】
前記内部冷却路は、被削材の切屑が前記すくい面に接触する領域の裏面側に設けられる、
ことを特徴とする請求項1から
5のいずれかに記載の切削インサート。
【請求項7】
前記内部冷却路の少なくとも一部は、前記領域の裏面側にて、前記すくい面に平行に延在するように設けられる、
ことを特徴とする請求項
6に記載の切削インサート。
【請求項8】
前記複数の内部冷却路は、互いに平行に設けられ、内部冷却路の流路幅Waと流路間長さWbの比(Wa/Wb)が1以下である、
ことを特徴とする請求項1から
7のいずれかに記載の切削インサート。
【請求項9】
工具本体と、
前記工具本体に装着される請求項1~
8のいずれかに記載の切削インサートと、
前記内部冷却路に流体を供給するための供給口と、
を備えることを特徴とする切削工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、切削インサートおよび切削工具に関する。
【背景技術】
【0002】
切削時に発生する摩擦熱や剪断熱が工具刃先温度を上昇させ、熱的摩耗を生じさせることが知られている。切削加工中、発生する摩擦熱や剪断熱を吸収する目的で切削油剤が工具刃先に供給されるが、最も高温となる刃先近傍の工具すくい面は切屑に接触しているため切削油剤が到達せず、接触箇所の温度を十分に下げることは容易でない。
【0003】
非特許文献1は、工具刃先を装着するシャンクに貫通穴をあけ、冷却槽からシャンクの貫通穴を通って冷却槽に戻る冷却液の循環回路を備えた冷却切削装置を開示する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】岡本定次等、「工具内部冷却法による切削(第1報)」、精密機械、1972年5月、38巻5号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1は、冷却されたシャンクを介して工具刃先を冷却する構造を開示するが、最も高温となる刃先近傍のすくい面は、冷却液が通過するシャンク貫通穴から離れているため、冷却効率が高いとはいえない。
【0006】
本開示はこうした状況に鑑みてなされており、刃先近傍のすくい面を冷却する構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の切削インサートは、すくい面と、すくい面の外周に形成される切れ刃と、すくい面を支持する基部と、すくい面を冷却する流体を流す内部冷却路と、を備える。
【0008】
本発明の別の態様の切削工具は、工具本体と、内部冷却路を備えた切削インサートと、内部冷却路に流体を供給するための供給口と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、刃先近傍のすくい面を冷却する構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】実施形態に係る切削工具の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態を説明する前に、刃先近傍のすくい面の温度上昇について説明する。
図1(a)は、工具(tool)が被削材(workpiece)を切削しているときの温度分布解析結果を示し、
図1(b)は、刃先近傍の温度分布解析結果を拡大したものである。
【0012】
図1(a)に示すように、切屑(chip)は、切削直後に刃先近傍のすくい面と接触する。刃先近傍のすくい面には切屑から摩擦熱および剪断熱が伝達され、刃先より高温となることが観察される。この解析では、すくい面の最高温度が1000度近くまで上昇した。1000度近傍の温度は、高温強度が高い超硬合金製インサートであっても、熱的摩耗を生じさせる可能性がある。
【0013】
この解析によると、約1000度の最高温度に対して、刃先から被削材の切取り厚さ(2次元切削における切込み量)の5倍程度離れた位置では、200度近くの温度まで下がっている。これは切屑とすくい面との接触箇所から十分に離れているためであり、したがって冷却するべき箇所が、接触箇所の近傍でなければならないことが解析から明らかである。実用的な多くの切削条件において切取り厚さが数十μm(ミクロン)から三百ミクロン程度までであることを考慮すると、冷却するべき箇所は刃先から1.5mm以内である必要がある。
【0014】
また、すくい面と切屑との接触長さは、被削材の切取り厚さと相関があることが知られている。この相関関係は厳密には切削速度、工具刃先形状等にも依存するが、実用的な条件を採用した場合、すくい面と切屑との接触長さは、
図1に示す例のように切取り厚さの数倍以下となる。実用的な多くの切削条件において、切取り厚さが数十ミクロンから三百ミクロン程度までであることを考慮すると、接触長さも1.5mmの範囲内に収まる。以下、これらの考察をふまえて、本開示の実施形態を説明する。
【0015】
図2は、実施形態に係る切削工具の概略構成を示す。切削工具1は、鋼材により形成されるシャンク2を備える。シャンク2は工具本体であって、切削インサート10を装着するシャンク先端部2aと、切削加工時に工作機械によって保持される被保持部2bとを有する。シャンク先端部2aの上面は、被保持部2bの上面より一段高く形成され、シャンク先端部2aの上面先端側の一部に、切削インサート10およびシート部材12を装着するための切り欠き部が設けられる。
【0016】
切削インサート10およびシート部材12は超硬合金等の硬質材料から形成され、切り欠き部に配置されて、クランプ部材14によりシャンク2に固定される。なお切削インサート10およびシート部材12は他の手段によってシャンク2に固定されてよく、たとえば切削インサート10およびシート部材12を貫通するねじ穴が設けられ、ねじ部材によりシャンク2に直接固定されてもよい。なお切削インサート10がシート部材12を介さず、シャンク先端部2aの切り欠き部に直接固定されてもよい。
【0017】
図3は、切削インサート10の切れ刃周辺を拡大した図である。切削インサート10は、すくい面22と、すくい面22の外周に形成される切れ刃20と、すくい面22を支持する基部24とを備える。実施形態の切削インサート10は、すくい面22の対角線上に位置する2つの切れ刃20を備えるが、各角部に切れ刃20を備えてもよい。
【0018】
基部24、シート部材12およびシャンク先端部2aには、すくい面22を冷却する流体を流す内部冷却路40が設けられる。内部冷却路40に供給される冷却用流体は、たとえば水溶性切削油剤や不水溶性切削油剤などの液体であってよいが、冷却空気などの気体であってもよい。切削工具1では、シャンク先端部2aの下面に、内部冷却路40の入口となる供給口32が形成され、切削インサート10の基部24の切れ刃20近傍の逃げ面に、内部冷却路40の出口となる複数の流路開口30a、30b、30c(以下、特に区別しない場合には「流路開口30」と呼ぶこともある)が形成される。内部冷却路40は、供給口32からシャンク先端部2aの内部を通り、シート部材12を貫通して、すくい面22の直下まで延びる導入流路と、すくい面22の裏面側にてすくい面22に平行に流路開口30まで延在する冷却流路を有する。実施形態において、すくい面22に平行とは、所期の目的を逸脱しない範囲で実質的に平行な形態を含んでよい。
【0019】
図4は、切削工具1を、一対の切れ刃20が設けられたすくい面22の対角線に沿って切断した断面を示す。なおクランプ部材14の図示は省略している。内部冷却路40は、供給口32からすくい面22の直下まで延びる導入流路44と、導入流路44の終端からすくい面22に平行に流路開口30まで延在する冷却流路42とを有する。
【0020】
導入流路44は、シャンク先端部2aに形成される第1導入流路44aと、シート部材12に形成される第2導入流路44bと、切削インサート10の基部24に形成される第3導入流路44cを有する。
図4に示す導入流路44は、シャンク先端部2aの下面に対して垂直に直線状に形成されているが、第1導入流路44aが屈曲して、供給口32がシャンク先端部2aの側面に設けられてもよい。供給口32は、工作機械により冷却用流体を供給しやすい位置に設けられることが好ましい。冷却用流体の漏れを防止するために、各部材の突き合わせ面はシーリングを施されてもよい。
【0021】
冷却流路42は、すくい面22と平行な溝状流路として形成される。冷却流路42は、少なくとも被削材の切屑がすくい面22に接触する領域の裏面側に設けられる。冷却流路42は、供給口32から導入流路44を通過して供給される冷却用流体を、すくい面22に沿って切れ刃20の直下に形成された流路開口30に向けて流し、切れ刃20の近傍のすくい面22を冷却する役割をもつ。
【0022】
実施形態の切削インサート10は、上面にすくい面22を有する薄板部材52と、薄板部材52を支持する基部24を構成する基部本体50とを備え、基部本体50の上面に薄板部材52の下面(裏面)を合わせることで、冷却流路42が形成される。
【0023】
図5(a)は、基部本体50の上面を示し、
図5(b)は、上面の一部断面を示す。基部本体50の上面には、冷却用流体を流すための複数の冷却流路42a、42b、42c(以下、特に区別しない場合には「冷却流路42」と呼ぶ)が互いに平行に設けられる。冷却流路42は、少なくとも、すくい面22における切れ刃20の位置から、切屑がすくい面22に接触する領域を結ぶ区間にわたって設けられる。上記したように実用的な条件下では、切屑とすくい面22との接触長さが刃先から1.5mmの範囲内に収まる。そこで冷却流路42は、切れ刃20の刃先位置から1.5mm程度の区間に設けられていればよい。実施形態の冷却流路42は、第3導入流路44cの上方終端から、すくい面22における切れ刃20の位置に対応する角部に向かって延在するように形成される。
【0024】
図6(a)は、薄板部材52の上面を示し、
図6(b)は、薄板部材52の下面を示す。薄板部材52の上面はすくい面22であり、外周に複数の切れ刃20を形成される。薄板部材52の下面は基部本体50の上面に合わせて配置され、基部本体50と薄板部材52の下面の間に、冷却流路42が設けられる。
【0025】
冷却効率を高めるため、冷却流路42は、すくい面22から1.5mm以内の深さに設けられることが好ましい。実施形態で冷却流路42のすくい面22からの深さは、冷却流路42の上面とすくい面22との距離で定義され、したがって薄板部材52の厚みに等しい。薄板部材52の強度を確保しつつ、薄板部材52の冷却効率を高めるために、冷却流路42のすくい面22からの深さ、すなわち薄板部材52の厚みを、0.2mm以上、1.5mm以下の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは0.2mm以上、1mm以下の範囲に、さらに好ましくは0.2mm以上、0.5mm以下の範囲に設定してよい。
【0026】
なお薄板部材52は、靱性が小さい超硬合金で形成されるため、上記の深さに比べて冷却流路42の幅Waが広いと、薄板部材52が割れる可能性がある。そこで流路幅Waは、所定長さ以下に設計され、具体的には深さと同程度以下であることが好ましい。また薄板部材52の割れを回避するために、流路幅Waと流路間長さWbの比(Wa/Wb)は、1以下に設定されることが好ましい。
【0027】
切削インサート10を、基部本体50と薄板部材52の2つの部材で形成することで製作が容易となる。また使用中に流路開口30が切屑で塞がれた場合に、基部本体50から薄板部材52を外すことで、切屑を容易に取り除くことができる。また切れ刃20が摩耗した場合、薄板部材52を交換するだけでよく、基部本体50を再利用できるメリットもある。
【0028】
以上、本開示を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0029】
実施形態では、基部本体50の上面に冷却流路42を形成したが、薄板部材52の下面に冷却流路42を形成してもよく、基部本体50の上面および薄板部材52の下面の双方に冷却流路42を形成してもよい。また実施形態では、導入流路44をシート部材12およびシャンク先端部2aにも形成したが、第3導入流路44cを形成せずに、他方の切れ刃20側の流路開口30から冷却用流体を供給することも可能である。
【0030】
図7は、変形例に係る切削工具の概略構成を示す。
図8は、変形例における基部本体50の上面を示す。
図4に示す冷却構造は、冷却用流体を切れ刃20直下の流路開口30から排出するが、
図7に示す冷却構造は、乾式加工に対応し、シャンク先端部2aの下面に設けた流路開口30から冷却用流体を排出する。
【0031】
変形例において内部冷却路は、供給口32からすくい面22の直下まで延びる導入流路44と、導入流路44の終端からすくい面22に平行に延在する冷却流路48d、48e、48f、48g、48h、48i(以下、「冷却流路48」と呼ぶ)と、すくい面22の直下から流路開口30まで延びる排出流路46とを有する。
図7に示すように、内部冷却路40の入口となる供給口32、および内部冷却路40の出口となる流路開口30は、シャンク先端部2aの下面に形成される。
【0032】
冷却流路48は、すくい面22と平行な溝状流路として形成され、少なくとも被削材の切屑がすくい面22に接触する領域の裏面側に設けられる。冷却流路48は、供給口32から導入流路44を通過して供給される冷却用流体を、すくい面22に沿って切れ刃20近傍の領域を通過するように排出流路46に向けて流し、切れ刃20の近傍のすくい面22を冷却する役割をもつ。この変形例で切れ刃20は、すくい面22の4つの角部に形成されてよい。
【0033】
切屑とすくい面22との接触長さが刃先から1.5mmの範囲内に収まるという考察にもとづき、並列に設けられた複数の冷却流路48は、切れ刃20の刃先位置から1.5mmの範囲内をカバーするように設けられることが好ましい。
【0034】
図4および
図7に示す例では、切削インサート10が、基部本体50および薄板部材52の2つの部材から形成されたが、一体構造として形成されてもよい。たとえば切削インサートを焼結により製造する際に、内部冷却路となる形状の低融点材料を埋め込んだ超硬合金粉末を圧縮成形した後、高温で焼成することで、低融点材料が溶出して、内部冷却路が構成されるようにしてもよい。
【0035】
なお実施形態では、切削工具1の工具本体としてシャンク2を示したが、切削工具1は旋削用工具に限らず、カッターボディを有するフライス工具であってもよい。
【0036】
本開示の態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の切削インサートは、すくい面と、すくい面の外周に形成される切れ刃と、すくい面を支持する基部と、すくい面を冷却する流体を流す内部冷却路とを備える。
【0037】
この態様によると、切削インサートの内部に冷却路を形成することで、切削インサートを効率的に冷却できるようになる。
【0038】
内部冷却路は、被削材の切屑がすくい面に接触する領域の裏面側に設けられてよい。接触領域の裏面側に内部冷却路を設けることで、冷却効率を高められる。内部冷却路の少なくとも一部は、領域の裏面側にて、すくい面に平行に延在するように設けられてよい。
【0039】
内部冷却路は、すくい面から1.5mm以内の深さに設けられることが好ましい。すくい面から1.5mm以内の深さに内部冷却路を設けることで、冷却効率を高められる。切削インサートは、上面がすくい面となる薄板部材を備えて、基部と薄板部材の下面の間に、内部冷却路が設けられてもよい。
【0040】
本開示の別の態様の切削工具は、シャンクなどの工具本体と、内部冷却路を有する切削インサートと、内部冷却路に流体を供給するための供給口と、を備えてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1・・・切削工具、2・・・シャンク、2a・・・シャンク先端部、2b・・・被保持部、10・・・切削インサート、12・・・シート部材、14・・・クランプ部材、20・・・切れ刃、22・・・すくい面、24・・・基部、30・・・流路開口、32・・・供給口、40・・・内部冷却路、42・・・冷却流路、44・・・導入流路、46・・・排出流路、48・・・冷却流路、50・・・基部本体、52・・・薄板部材。