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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20240115BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
H01R13/64
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019068720
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020087906
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】10-2018-0140160
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョンフィ
(72)【発明者】
【氏名】イ、チョルフン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ミンホ
(72)【発明者】
【氏名】中村 英人
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-047363(JP,A)
【文献】特開2010-170967(JP,A)
【文献】特開2006-147291(JP,A)
【文献】特表2011-530151(JP,A)
【文献】特開2003-157932(JP,A)
【文献】特開2008-276993(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0295357(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/56-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック突起が設けられた相手コネクタ;
弾性的に撓み変形可能なロックアームが備えられ、相手コネクタが挿入されてロックアームがロック突起に係止されることにより相手コネクタとの結合状態が維持されるメインコネクタ;
メインコネクタを包み込むように設けられ、メインコネクタが挿入される収容部、およびメインコネクタの収容部への挿入時にロックアームに係止されてロックアームと共に撓み変形する弾性アームが備えられることにより、相手コネクタとメインコネクタとの組立時に弾性アームがロックアームに係止されて移動が制限されるCPAデバイス;および
CPAデバイスから突出して弾性アームを包み込むように上方に延び、内側には弾性アームを露出させ且つ作業者の指の進入を許容する開口部を有するブリッジ部;を含み、
メインコネクタの内部には端子連結のための端子締結部が設けられ、
ロックアームは、端子締結部から上方に突出し、弾性変形可能に設けられた弾性支持部と;弾性支持部に結合し、前後方向に延設されたロッカー本体と;を含み、
ロッカー本体は、下端部を成し、弾性支持部に結合する結合部と、上端部を成し、組立空間の上側を閉鎖する板状部とを含んでなり、前端部には相手コネクタのロック突起に係止される係止受顎が設けられ、後端部が組立空間に開通するように形成され、
ブリッジ部は、CPAデバイスの後端部に配置され、CPAデバイスの相手コネクタの挿入方向及び上下方向の両方に直交する方向である幅方向の両側端を連結してアーチ状に形成され、内側に前記開口部を有し、前記開口部はメインコネクタが挿入される方向に開口する、ことを特徴とする、コネクタ装置。
【請求項2】
端子締結部の上端にロックアームが上下方向に変形可能に連結されたことを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
ロッカー本体は、弾性支持部を中心にシーソー運動し、CPAデバイスの弾性アームが挿入される組立空間を有するように形成されたことを特徴とする、請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
弾性アームには、ロッカー本体の組立空間に挿入された状態で、係止受顎に接して支持される係止顎が設けられたことを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
CPAデバイスの上端部には、相手コネクタの挿入方向及び上下方向の両方に直交する方向である幅方向に延びてCPAデバイスの両側端に上下方向に変形可能に連結され、弾性アームを有するCPA係止部が設けられたことを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項6】
CPA係止部は、CPAデバイスの上端部における後方に配置され、幅方向に延びた延長部と、延長部から前方に延びた弾性アームと、延長部の両端部から前方に延びた後、CPAデバイスの両側端に連結される連結部と、弾性アームの上側に離隔して連結部の間に連結されるカバー部とから構成されたことを特徴とする、請求項5に記載のコネクタ装置。
【請求項7】
メインコネクタには係止環が設けられ、
CPAデバイスには係止環に対応する離脱防止アームが設けられることにより、係止環が離脱防止アームに係止されてCPAデバイスからメインコネクタが離脱しないことを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ装置に係り、さらに詳細には、コネクタ間のロック状態が勝手にロック解除されないようにするコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の産業用途において、電気コネクタは、互いに安定的に連結されなければならない。このような電気コネクタは、通常、互いに対してコネクタハウジングをロックするために、1次ラッチおよび1次ストライカーを備える。また、コネクタ位置保証(Connector Position Assurance、CPA)装置が追加のロック保証部としてロック部材をロックするために提供される。
【0003】
コネクタが対応の嵌合コネクタと嵌め合う前に、CPAは、1次ラッチおよびストライカーが互いに対して移動することができるようにする初期位置に配置される。すなわち、第1コネクタのコネクタハウジングが第2コネクタの対応コネクタハウジングに連結され且つ1次ラッチおよびストライカーが互いに結合するとき、CPAは、1次ラッチおよびストライカーが結合解除されることを防止するためにコネクタハウジング内で最終位置へ移動することができて、第1コネクタおよび第2コネクタのロック状態を保証することができる。
【0004】
但し、従来は、CPAがコネクタハウジングの上端で別途締結されなければならず、締結のためのロック部が上端に露出している。これにより、第1コネクタのコネクタハウジングと第2コネクタの対応コネクタハウジングとを締結した後、CPA挿入作業を行うことにより作業工程が増加し、ロック部が上端に露出しているため不注意により意図せずにロック状態が解除されるという問題がある。
【0005】
前述の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解増進のためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来の技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国特許第10-818629号(2008年3月26日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、CPAのロック部を包み込むようにして、不注意によるロック部のロック解除が防止されるようにするコネクタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るコネクタ装置は、ロック突起が設けられた相手コネクタ;弾性的に撓み変形可能なロックアームが備えられ、相手コネクタが挿入されてロックアームがロック突起に係止されることにより相手コネクタとの結合状態が維持されるメインコネクタ;メインコネクタを包み込むように設けられ、メインコネクタが挿入される収容部、およびメインコネクタの収容部への挿入時にロックアームに係止されてロックアームと共に撓み変形する弾性アームが備えられることにより、相手コネクタとメインコネクタとの組立時に弾性アームがロックアームに係止されて移動が制限されるCPAデバイス;およびCPAデバイスから突出して弾性アームを包み込むように上方に延び、内側には弾性アームを露出させる開口部を有するブリッジ部;を含んでなる。
【0009】
メインコネクタの内部には、端子連結のための端子締結部が設けられ、端子締結部の上端にロックアームが上下方向に変形可能に連結されたことを特徴とする。
【0010】
ロックアームは、端子締結部から上方に突出し、弾性変形可能に設けられた弾性支持部と、弾性支持部に結合し、前後方向に延設されて弾性支持部を中心にシーソー運動し、CPAデバイスの弾性アームが挿入される組立空間を有するロッカー本体とを含むことを特徴とする。
【0011】
ロッカー本体は、下端部を成し、弾性支持部に結合する結合部と、上端部を成し、組立空間の上側を閉鎖する板状部とを含んでなり、前端部には相手コネクタのロック突起に係止される係止受顎が設けられ、後端部が組立空間に開通するように形成されたことを特徴とする。
【0012】
弾性アームには、ロッカー本体の組立空間に挿入された状態で、係止受顎に接して支持される係止顎が設けられたことを特徴とする。
【0013】
CPAデバイスの上端部には、幅方向に延びてCPAデバイスの両側端に上下方向に変形可能に連結され、弾性アームを有するCPA係止部が設けられたことを特徴とする。
【0014】
CPA係止部は、CPAデバイスの上端部における後方に配置され、幅方向に延びた延長部と、延長部から前方に延びた弾性アームと、延長部の両端部から前方に延びた後、CPAデバイスの両側端に連結される連結部と、弾性アームの上側に離隔して連結部の間に連結されるカバー部とから構成されたことを特徴とする。
【0015】
メインコネクタには係止環が設けられ、CPAデバイスには係止環に対応する離脱防止アームが設けられることにより、係止環が離脱防止アームに係止されてCPAデバイスからメインコネクタが離脱しないことを特徴とする。
【0016】
ブリッジ部は、CPAデバイスの後端部に配置され、CPAデバイスの幅方向の両側端を連結してアーチ状に形成され、内側に開口部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上述したような構造を持つコネクタ装置は、メインコネクタの作業方向とCPAデバイスの作業方向とが同一であって、相手コネクタに対する組立作業が単純化され、CPAデバイスに形成されたブリッジ部がロック状態を決定する弾性アームを包み込むことにより、不注意による意図せぬロック解除が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るコネクタ装置を示す図である。
図2図1に示されたコネクタ装置を説明するための図である。
図3図1に示されたコネクタ装置を説明するための図である。
図4図1に示されたコネクタ装置を説明するための図である。
図5図1に示されたコネクタ装置を説明するための図である。
図6図1に示されたコネクタ装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態に係るコネクタ装置について説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係るコネクタ装置を示す図、図2乃至図6図1に示されたコネクタ装置を説明するための図である。
【0021】
本発明に係るコネクタ装置は、図1乃至図6に示すように、ロック突起110が設けられた相手コネクタ100と;弾性的に撓み変形可能なロックアーム210が備えられ、相手コネクタ100が挿入されてロックアーム210がロック突起110に係止されることにより相手コネクタ100との結合状態が維持されるメインコネクタ200と;メインコネクタ200を包み込むように設けられ、メインコネクタ200が挿入される収容部310、およびメインコネクタ200の収容部310への挿入時にロックアーム210に係止されてロックアーム210と共に撓み変形する弾性アーム320が備えられることにより、相手コネクタ100とメインコネクタ200との組立時に弾性アーム320がロックアーム210に係止されて移動が制限されるCPAデバイス300と;CPAデバイス300から突出して弾性アーム320を包み込むように上方に延び、内側には弾性アーム320を露出させる開口部410を有するブリッジ部400と;を含んでなる。
【0022】
このように、本発明は、相手コネクタ100、メインコネクタ200およびCPAデバイス300から構成され、相手コネクタ100に向かってメインコネクタ200とCPAデバイス300とを組み立てる際に、ロックアーム210がロック突起110に係止されてメインコネクタ200と相手コネクタ100とが互いにロックされ、弾性アーム320がロックアーム210に係止されてCPAとメインコネクタ200とが互いにロックされる。ここで、弾性アーム320を操作して変形させると、弾性アーム320と共にロックアーム210が回転してロック突起110から離脱することにより、ロック状態が解除される。
【0023】
特に、本発明では、CPAデバイス300から突出して弾性アーム320を包み込むブリッジ部400が形成されることにより、ブリッジ部400によって弾性アーム320の意図せぬ操作が回避される。このようなブリッジ部400の内側には弾性アーム320を露出させる開口部410が設けられることにより、弾性アーム320を操作するためには、ブリッジ部400の開口部410に作業者の指を入れた後に弾性アーム320を操作しなければならない。これにより、作業者が意図した行動によってのみ、CPAデバイス300を用いたロック解除動作が行われる。
【0024】
上述した相手コネクタ100は、図3に示すように、合成樹脂製であってもよく、メインコネクタ200に挿入されるフード部130が設けられる。フード部130の内部には端子部140が延び、フード部130の上端にロック突起110が突設される。
一方、メインコネクタ200は、合成樹脂製であってもよく、内部には相手コネクタ100の端子部140との端子連結のための端子締結部220が設けられ、弾性的に撓み変形可能なロックアーム210が備えられる。ここで、端子締結部220には、相手コネクタ100の端子部140が挿入される端子部品223が備えられ、端子部品223には、電線223aが電気的および機械的に接続される。
【0025】
このようなメインコネクタ200には係止環230が設けられ、CPAデバイス300には係止環230に対応する離脱防止アーム340が設けられることにより、係止環230が離脱防止アーム340に係止されてCPAデバイス300からメインコネクタ200が離脱しない。これにより、図2に示すように、相手コネクタ100に対して、メインコネクタ200とCPAデバイス300との組立前には、離脱防止アーム340に設けられた係止突起341が係止環230に触れて係止されるように配置されることで、メインコネクタ200がCPAデバイス300から前方に移動して離脱しないようにする。
【0026】
これに加えて、図6を参照すると、CPAデバイス300の側面部300aには干渉突起360が設けられ、メインコネクタ200には干渉突起360に対応する対応突起250が設けられることにより、CPAデバイス300の組立位置への移動時に干渉突起360が対応突起250に乗り上がることにより、CPAデバイス300の側面部300aが膨張変形するように構成できる。これにより、作業者は、CPAデバイス300の組立時に指にCPAデバイス300の膨張を感じ、組み立てられることを認知することができる。
【0027】
特に、メインコネクタ200の内部に設けられた端子締結部220の上端には、ロックアーム210が上下方向に変形可能に連結される。ここで、メインコネクタ200には、ロックアーム210が一部露出するようにする開放空間240が設けられることで、ロックアーム210の上下方向の変形に干渉されないようにする。
【0028】
詳しくは、ロックアーム210は、端子締結部220から上方に突出し、弾性変形可能に設けられた弾性支持部221と;弾性支持部221に結合し、前後方向に延設されて弾性支持部221を中心にシーソー運動し、CPAデバイス300の弾性アーム320が挿入される組立空間222dを有するロッカー本体222と;を含むことができる。
【0029】
ここで、弾性支持部221は、安定的な弾性支持のために複数個から構成でき、ロッカー本体222は、弾性支持部221に結合した状態で弾性支持部221を中心にシーソー運動することにより上下方向に回転し、ロック状態またはロック解除状態が切り換えられるようにする。
【0030】
詳しくは、ロッカー本体222は、下端部を成し、弾性支持部221に結合する結合部222aと、上端部を成し、組立空間222dの上側を閉鎖する板状部222bとを含んでなり、前端部には相手コネクタ100のロック突起110に係止される係止受顎222cが設けられ、後端部が組立空間222dに開通するように設けられ得る。
【0031】
これにより、ロッカー本体222の下端部にCPAデバイス300の弾性アーム320が挿入され、弾性アーム320には、ロッカー本体222の組立空間222dに挿入された状態で、係止受顎222cに接して支持される係止顎321が設けられることにより、相手コネクタ100とメインコネクタ200とが完全に組み立てられる前に、係止顎321が係止受顎222cに係止されるように構成される。その後、相手コネクタ100とメインコネクタ200とが組み立てられると、弾性アーム320の係止顎321が係止受顎222cを乗り越えて反対側に係止されることにより、ロック状態となるようにする。
【0032】
一方、図2および図5に示すように、CPAデバイス300の上端部には、幅方向に延びてCPAデバイス300の両側端に上下方向に変形可能に連結され、弾性アーム320を有するCPA係止部330が設けられ得る。
【0033】
ここで、CPAデバイス300は、メインコネクタ200を包み込む形で設けられ、内部にメインコネクタ200が挿入される収容部310を備え、作業者がCPAデバイス300を握って組立工程を行うときの滑り止めのために、側面部300aには、階段状に高さバラツキを有する凹面部350が設けられ得る。このようなCPAデバイス300は、図2に示すように収容部310にメインコネクタ200が一部挿入される待機位置と、図4に示すように収容部310にメインコネクタ200が完全挿入される組立位置で、前後方向に移動可能に構成される。このために、CPAデバイス300とメインコネクタ200は、ガイド構造を介して互いに連結され、直線方向にスライドされるように構成できる。
【0034】
特に、CPAデバイス300のCPA係止部330は、CPAデバイス300の上端部における後方に配置され、幅方向に延びた延長部331と、延長部331から前方に延びた弾性アーム320と、延長部331の両端部から前方に延びた後、CPAデバイス300の両側端に連結される連結部332と、弾性アーム320の上側に離隔して連結部332の間に連結されるカバー部333とから構成できる。これにより、CPAデバイス300は、延長部331に操作力が加わる場合、連結部332を支点として上下方向に回転してロック状態が切り替えられ得る。
【0035】
ここで、弾性アーム320とカバー部333とは互いに平行に配置され、CPA係止部330がロックアーム210の組立空間222dに挿入されるとき、図2に示すように、弾性アーム320とカバー部333との間に板状部222bが挿入されるようにすることができる。これにより、ロックアーム210と弾性アーム320とは相互に連動して共に回転動作することができる。
【0036】
また、連結部332には、上方に突出したリブ332aが設けられて剛性が補強されるようにし、リブ332aの後方に下り勾配で傾いた形態を有することにより、延長部331の操作に干渉されないようにすることができる。このような連結部332は、図5に示すように、前方から後方へ勾配をもって延びた板膜状に形成され、延長部331に操作力が加わることに起因する撓み変形による回転動作が円滑に行われるようにすることができる。
【0037】
一方、弾性アーム320には係止顎321が設けられることで、図2に示すように、待機位置では係止顎321がロックアーム210の係止受顎222cの後面に接して組立位置に移動を制限し、図4に示すように、組立位置では係止顎321が係止受顎222cの前面に接して待機位置に戻る方向の移動を制限する。
【0038】
カバー部333は、延長部331と離隔して配置され、一対の連結部332が連結されるようにする。
【0039】
一方、本発明のブリッジ部400は、図1および図5に示すように、CPAデバイス300の後端部に配置され、CPAデバイス300の幅方向の両側端を連結してアーチ状に形成され、内側に開口部410を有することができる。
【0040】
つまり、ブリッジ部400は、CPAデバイス300の後端部に一体に構成され、上述したCPA係止部330の延長部331、弾性アーム320の後部分を覆うように形成され、作業者の指が進入するように開口部410を有することができる。このように、CPAデバイス300にブリッジ部400が設けられてCPA係止部330の延長部331および弾性アーム320の意図せぬ操作を防止し、作業者がブリッジ部400の開口部410に指を入れてこそ延長部331および弾性アーム320の操作が可能であることにより、誤操作によるロック解除が防止される。
【0041】
以下、本発明に係る相手コネクタ100、メインコネクタ200およびCPAデバイス300の組立および離脱について説明する。
【0042】
まず、メインコネクタ200にCPAデバイス300を組み立てる。このような待機位置では、図2に示すように、離脱防止アーム340の係止突起341が係止環230に接触してメインコネクタ200から後方へのCPAデバイス300の離脱が規制される。また、CPAデバイス300の係止顎321がロックアーム210の係止受顎222cの後面に接触してメインコネクタ200から前方へのCPAデバイス300の移動が規制される。
【0043】
このような状態で、メインコネクタ200に相手コネクタ100を結合する。すなわち、図3に示すように、ロッカー本体222に設けられた係止受顎222cが相手コネクタ100のロック突起110に乗り上がりながら移動する。このとき、ロッカー本体222は、弾性支持部221を中心に上下方向にシーソー運動する。これと同時に、CPA係止部330も連結部332を中心にロッカー本体222と共に回転する。ここで、弾性支持部221の回転中心点と連結部332の回転中心点とは上下方向に同一の位置に配置されるようにして、弾性アーム320とCPA係止部330の回転時に互いに干渉しないようにすることができる。
【0044】
このように、相手コネクタ100とメインコネクタ200とが組み立てられると、ロッカー本体222が原位置に復帰し、ロッカー本体222の係止受顎222cが相手コネクタ100のロック突起110の前面に係止されるように配置される。一方、弾性アーム320の係止顎321は、ロック突起110に乗り上がって係止受顎222cとの係止が解除される。これにより、CPAデバイス300は、待機位置から組立位置への移動が許容され、相手コネクタ100の端子部140とメインコネクタ200の端子部品223とが連結されて電気的に接続される。
【0045】
このように、相手コネクタ100とメインコネクタ200とが組み立てられると、CPAデバイス300に設けられたブリッジ部400が弾性アーム320および延長部331を包み込むことにより、CPA係止部330に意図せぬ操作力が加わってロック状態が解除されることが防止される。
【0046】
一方、相手コネクタ100とメインコネクタ200の離脱の際に、ブリッジ部400の開口部410に作業者が指を挿入してCPA係止部330を下方に加圧する。これにより、CPA係止部330は、ロッカー本体222と共に回転して相手コネクタ100のロック突起110との係止が解除される。これにより、相手コネクタ100とメインコネクタ200の離脱が許容されて相手コネクタ100とメインコネクタ200が離脱することができる。
【0047】
上述したように、本発明は、CPAデバイス300にブリッジ部400が設けられ、ブリッジ部が、弾性アーム320を含むCPA係止部330の上部を覆うことにより、意図せぬCPA係止部330の操作が防止されて相手コネクタ100とメインコネクタ200との連結状態が維持できる。また、ブリッジ部400がCPAデバイス300に一体に連結されて強度が確保される。
【0048】
本発明は、特定の実施形態について図示および説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想から外れない範疇内で、本発明に多様な改良および変更を加え得るのは、当該分野における通常の知識を有する者にとっては自明であろう。
【符号の説明】
【0049】
100 相手コネクタ
110 ロック突起
200 メインコネクタ
210 ロックアーム
220 端子締結部
221 弾性支持部
222 ロッカー本体
222a 結合部
222b 板状部
222c 係止受顎
222d 組立空間
230 係止環
300 CPAデバイス
310 収容部
320 弾性アーム
321 係止顎
330 CPA係止部
331 延長部
332 連結部
333 カバー部
340 離脱防止アーム
400 ブリッジ部
410 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6