(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】車両充電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240115BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20240115BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20240115BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240115BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20240115BHJP
B60L 53/67 20190101ALI20240115BHJP
B60L 53/68 20190101ALI20240115BHJP
B60L 53/64 20190101ALI20240115BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J13/00 301A
H02J7/02 F
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
B60L53/67
B60L53/68
B60L53/64
(21)【出願番号】P 2019104710
(22)【出願日】2019-06-04
【審査請求日】2022-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】三谷 靖幸
【審査官】岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-136109(JP,A)
【文献】特開2012-147651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00-3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
H01M 10/42-10/48
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を充電するための複数の充電器と、前記充電器の充電電流を一括制御する充電制御部とを有する車両充電システムであって、
充電する車両の車種情報及び蓄電池残量情報を入手する充電車両情報入手部と、
車両のモデル変更情報及び新車情報を含む車種毎の蓄電池容量、及び
満充電時の走行可能距離情報を蓄積した車両情報記憶部と、
受電電力のデマンド値が設定された基準値を超えないよう前記充電器
を制御する電流制御部とを有し、
更に、前記車両情報記憶部は通信ネットワーク上に設置されたサーバであると共に、前記充電制御部は通信ネットワークを介して前記サーバと通信する外部通信部を具備し、
前記電流制御部は、前記充電車両情報入手部及び前記車両情報記憶部から入手した情報を基に、個々の車両に対して所定の距離の走行を可能とする電力量を算出すると共に、
算出した前記電力量に達するまで必要な充電量を閾値とし、前記閾値に達していない車両の充電を、前記閾値に達した車両の充電より優先する電流制御を実施することを特徴とする車両充電システム。
【請求項2】
前記充電車両情報入手部は、前記充電制御部に設けられた入力操作部であり、
前記入力操作部の所定の操作により車種情報及び蓄電池残量情報が入力されることを特徴とする請求項
1記載の車両充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗等に設置されて複数の蓄電池を搭載した車両を同時に充電できる車両充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug-in Hybrid Vehicle )等の蓄電池を搭載した複数の車両の充電を行うことができる車両充電システムがある。
例えば、特許文献1では、電力供給事業者との契約電力を超えないよう(デマンド値を超えないよう)に電力を管理する一方で、利用者の利便性を図るために、充電量の大きな車両に対しては比較的大きな電流での充電を実施して、充電時間が極端に長くなるような事が無いよう制御した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の充電システムは、車両の電池容量に合わせて優先順位が設定されるため、多くの充電電力を必要とする車両ほど優先順位を高く設定して大きな電流で充電でき、複数の車両の充電を同時に行う場合に有効であり、効率の良い充電を実施できた。また、全体の充電電力が設定された最大電力量を超えないように制限するため、電気料金の上昇を抑制できた。
【0005】
しかしながら、後から充電を開始する車両に対しても、先に充電が開始されている車両と同一条件で充電が行われたため、満充電に至るまでの充電時間が長くなる場合があった。この充電量を検討すると、例えば蓄電池容量の10%程度の充電が成されていれば、自宅に帰る等の一定の距離を走行ができるため、走行に支障をきたすとは考え難い。そのため、満充電に至るまでの時間が長くなっても所定の距離の走行を可能とする充電量までの充電時間を短くできれば、利用者にとって利便性が良い。
【0006】
ここでデマンド値について説明する。電気料金の基本料金には、過去1年間(当月と前11ヶ月)のデマンド値(30分毎の平均使用電力の1ヶ月間の最大値)の最大値(最大デマンド値)が適用されるため、1ヶ月のうちで一度でも過去11ヶ月のデマンド値より大きなデマンド値が計測されると、その値を基準に以降一年間の電気料金の基本料金が決定されることになる。つまり、電気料金の削減には、最大デマンド値を抑える制御(デマンド制御)を行うことが有効になる。
【0007】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、デマンド制御を実施しつつ、車両の走行可能距離を基準に充電電力量の閾値を設定し、その閾値に達するまでの車両の充電を閾値に達した車両より優先させる制御を実施する車両充電システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、車両を充電するための複数の充電器と、前記充電器の充電電流を一括制御する充電制御部とを有する車両充電システムであって、充電する車両の車種情報及び蓄電池残量情報を入手する充電車両情報入手部と、車両のモデル変更情報及び新車情報を含む車種毎の蓄電池容量、及び満充電時の走行可能距離情報を蓄積した車両情報記憶部と、受電電力のデマンド値が設定された基準値を超えないよう充電器を制御する電流制御部とを有し、更に、車両情報記憶部は通信ネットワーク上に設置されたサーバであると共に、充電制御部は通信ネットワークを介してサーバと通信する外部通信部を具備し、電流制御部は、充電車両情報入手部及び車両情報記憶部から入手した情報を基に、個々の車両に対して所定の距離の走行を可能とする電力量を算出すると共に、算出した電力量に達するまで必要な充電量を閾値とし、閾値に達していない車両の充電を、閾値に達した車両の充電より優先する電流制御を実施することを特徴とする。
この構成によれば、車種や蓄電池残量に依らず所定の距離を走行可能とする電力量を基準に充電量の閾値を設定し、この閾値に達していない車両の充電が閾値に達した車両の充電より優先されるため、閾値に達するまでの時間を短くでき利用者にとって利便性が良い。また、充電量が閾値に達した車両の走行距離は車種に依らずほぼ等しくできるため、利用者に対して平等に対応できる。そして、デマンド制御を合わせて実施するため、電気料金の上昇を防止できる。
【0009】
加えて、車両情報はサーバに蓄積されるため、車両メーカが容易に管理できる。よって、車両充電システムの管理者がデータ更新等を行うこと無く、車両のモデル変更や新車に対応し易い。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、充電車両情報入手部は、充電制御部に設けられた入力操作部であり、入力操作部の所定の操作により車種情報及び蓄電池残量情報が入力されることを特徴とする。
この構成によれば、閾値設定のための情報は充電器使用者等による操作で入力されるため、閾値を確実に算出できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、車種や蓄電池残量に依らず車両の走行可能距離を基準に充電量の閾値を設定し、この閾値に達していない車両の充電は閾値に達した車両の充電より優先される。よって、閾値に達するまでの時間を短くでき利用者にとって利便性が良い。また、充電量が閾値に達した車両の走行距離は車種に依らずほぼ等しいため、利用者に対して平等に対応できる。そして、デマンド制御を合わせて実施するため、電気料金の上昇を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る車両充電システムの第1の形態を示すブロック図である。
【
図2】閾値設定の流れを示すフローチャートである。
【
図3】優先順位を割り振る流れを示すフローチャートである。
【
図4】充電制御の流れを示すフローチャートである。
【
図5】車両充電システムの第2の形態を示すブロック図である。
【
図6】
図5の車両充電システムにおける閾値設定の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る車両充電システム1の第1の形態を示すブロック図である。車両充電システム1は、
図1に示すように、車両4から延びた充電ケーブルL1が接続される複数の充電器2と、スマートメータ(電力量計)10から商用電力Pの受電電力情報を入手し、充電電力の制御信号を各充電器2に出力する充電制御部3と、サーバ8により構成されている。
充電制御部3は、スマートメータ10に通信線L2を介して接続され、通信ネットワークNを介してサーバ8と通信を実施する。
【0015】
充電制御部3は、スマートメータ10と通信する計測部31、デマンド値、後述する基準値及び閾値を記憶する記憶部32、車種情報、蓄電池残量が入力される入力部33、各充電器2への充電電流を決定して一括制御すると共に充電制御部3の各部を制御する充電制御部CPU34、個々の充電器2と通信する複数の通信部(第1通信部、第2通信部・・第n通信部)35、サーバ8と通信する外部通信IF36等を備えている。
【0016】
尚、5は高圧を低圧に変換する降圧変圧器、6は三相電力が供給される空調機等の負荷、7は単相100/200Vが供給される照明等の負荷を示している。充電器2には単相200Vの電力が供給される。また、サーバ8には車種情報等が蓄積される。
また、電力量計であるスマートメータ10は、充電制御部3からの要求を受けて需要電力データを返信する機能を有している。
【0017】
サーバ8には、充電器2を使用する車種と蓄電池容量の関連付けが登録されている。この登録される情報は、自動車メーカ等の担当者により機種変更や充電器を使用する新たな車両が発売されたら書き換えが行われる。
【0018】
上記の如く構成された車両充電システム1は以下のように動作する。まず、充電開始時の操作、その後の制御動作を説明する。充電制御の基準となる閾値を設定するために、最初に充電器2の利用者によって車両の基本情報が入力される。
図2は閾値設定の流れを示すフローチャートであり、
図2を参照して説明する。まず利用者により入力部33から充電する車両4の車種、及び車両4の蓄電池残量(%)が入力される(S1)。
この入力情報を基に、充電制御部CPU34はサーバ8から車種の蓄電池容量情報と満充電時の走行可能距離の情報を入手する(S2)。
【0019】
次にサーバ8から入手した情報と、入力部33から入力された蓄電池残量(%)情報を基に、蓄電池残量(kWh)、所定距離の走行を可能とするのに必要な充電量を次の式1~3により算出する(S3)。
蓄電池残量(kWh)=蓄電池残量(%)×蓄電池容量(kWh)・・・(式1)
電費(km/kWh)=満充電時の走行距離(km)/蓄電池容量(kWh) ・・・(式2)
必要充電量(kWh)=所定走行距離(km)/電費(km/kWh)-蓄電池残量(kWh) ・・・(式3)
こうして算出した必要充電量が閾値に設定される(S4)。
【0020】
尚、所定距離とは、自宅或いは次の充電ステーションまで走行できる距離(例えば50km)で設定される。
【0021】
閾値が設定されると、次に充電の優先順位の割り振りが行われ、その後個々の車両の充電制御が実施される。優先順位の割り振りは以下のように行われる。
図3は優先順位が割り振られる流れを示すフローチャートであり、
図3を参照して説明する。充電制御部CPU34は、充電器2に車両4が接続されて(車両4の充電プラグが接続されて)、閾値が設定されると充電が開始される。同時に、既に充電制御を実施している他の車両4と合わせて、優先順位の割り振りが行われる。
【0022】
まず、充電量が閾値未満の車両4の数(未達成数:n)を把握(S11)し、次に閾値以上に充電が成されている車両4の数(達成数:m)を把握(S12)する。
尚、充電制御部CPU34は、個々の車両4に対する充電を開始してからの充電量を、充電電流と充電時間により把握し、この値と閾値とを比較し判断する。
【0023】
次に、未達成数nに含まれる車両4を充電量の多い順に並べて、1番目からn番目と順位付けして割り振り(S13)、更に達成数mに含まれる車両4を充電量の多い順に並べて、n+1番目からn+m番目まで順位付けして割り振る(S14)。こうして1番目からn+m番まで順番付けが成される。
このとき、1~n番目の車両4は、1番目の車両4の充電量が最も多く、n番目の車両4が最も少ない順となり、n+1~n+m番目の車両4の中ではn+1番目の車両4の充電量が最も多く、n+m番目の車両4の充電量が最も少ない順となる。このように優先順位を割り振った後、電流の増減制御に進む。
【0024】
図4は、順番付けされた個々の車両4に対する電流の増減制御の流れを示すフローチャートを示し、このフローを参照して充電制御を説明する。この制御は充電制御部3が一括して実施し、基準値に対して現在の受電電力がどうかで制御は大きく変化する。
尚、基準値とは、最大デマンド値より例えば10%小さい電力値であり、最大デマンド値を削減して契約料金を削減するために需要家が設定する数値を示すものである。
【0025】
以下、逸脱情報の判断基準が基準値である場合を説明する。優先順位の割り振り(S21)情報を受けて、まず逸脱情報が0に等しい場合(S22で左へ進む)、即ち現在の受電電力が基準値にほぼ等しい場合は、何れの車両4の充電電流も変更せず終了し、最初のステップであるS21に戻り、優先順位の割り振りが行われる。
但し、逸脱情報は次式の式4のように定義された値である。
逸脱情報(kW)=現在の受電電力(kW)-基準値(kW) ・・・(式4)
【0026】
次に逸脱情報が正の値の場合(S22で下へ進む)、即ち受電電力が基準値を超えている場合は、電流を削減する制御が実施される。尚、正確には、現在の受電電力から30分間の平均電力を計算して予想した場合、基準値を超える可能性があると判断した場合、電流を削減する制御が実施される。
具体的に、オーバーする電流値(逸脱値)を次の式5で算出(S23)し、閾値に達して且つ充電量の最も少ない車両4から順に充電電流の削減制御(S24)が実施される。
逸脱値=逸脱情報(kW)/電圧(V) ・・・ (式5)
【0027】
但し、車両1台あたり最大の削減量は、現在の電流値から所定の最小電流値を引いた値か、算出した逸脱値のうちの小さい方とする(S25)。例えば、逸脱値が10アンペアで、現在の電流値から所定の最小電流値を引いた値が5アンペアであれば、5アンペアが選択され、最も充電量の多いn+m番目の車両4の充電電流を5アンペア削減する制御が実施される。こうして、閾値に達した中で最も充電量の少ない車両4は充電電流削減の最優先対象となる。換言すれば、充電の優先度が最下位となる。
【0028】
そして、逸脱値から削減した電流値を引いた電流値を新たな逸脱値とし(S26)、逸脱値が0に成るまで或いは全ての充電対象の車両4に対してS24からS27のステップを繰り返し、設定された順番の車両順に制御を実施する。こうして、新たに設定された充電電流値が通信部35から個々の充電器2に通知(S33)され、このS21からS33の制御が1秒等の所定の時間間隔で繰り返されて実施される。
この結果、商用電力Pからの受電電力を減らす場合は、閾値に達した車両4から充電電流が削減される。そして、その際、最も充電量の少ない車両4から充電電流が削減される。よって、後から充電を開始した車両4の充電量が先に充電を開始した車両4の充電量を上回る事が無く、充電時間の長い利用者が不満を抱くような事が無い。
【0029】
一方、逸脱情報が負の場合、即ち受電電力が基準値に達していない場合は、充電電流を増やす制御が実施される。
具体的に、増やせる電流値(余裕値)を次式の式6で算出(S28)し、閾値に満たない車両4の内、充電量の最も多い車両4から少ない車両4の順に充電電流を増加させる(S29)。
余裕値=-逸脱情報(kW)/電圧(V) ・・・(式6)
【0030】
但し、車両1台あたり最大の増加量は、所定の充電最大電流値から現在の電流値を引いた値か算出した余裕値のうちの小さい方とする(S30)。例えば、充電最大電流値から現在の電流値を引いた値が5アンペアで、余裕値が10アンペアであれば、5アンペアが選択されて最も充電量の少ない1番目の車両4の充電電流を5アンペア増やす制御が実施される。こうして、閾値に達していない車両4の中で最も充電量の多い車両4が、充電電流増加の最優先対象となり、電流増が実施される。
【0031】
そして、余裕値から増加させた電流値を引いた電流値を新たな余裕値とし(S31)、余裕値が0になるまで或いは全ての充電対象の車両4に対してS29からS32のステップを繰り返し、設定された順番の車両順に制御を実施する。こうして、新たに設定された充電電流値が個々の充電器2に通知(S33)され、充電が制御される。
この結果、商用電力Pからの受電電力を増やす場合は、充電量が閾値を下回る車両4から充電電流が増加される。そして、その際最も充電量の多い車両4から充電電流を増加させるため、後から充電を開始した車両4の充電量が先に充電を開始した車両4の充電量を上回る事が無く、充電時間の長い利用者が不満を抱くような事が無い。
【0032】
このように、車種や蓄電池残量に依らず所定の距離を走行可能とする電力量を基準に充電量の閾値を設定し、この閾値に達していない車両4の充電が閾値に達した車両4の充電電流より優先されるため、閾値に達するまでの時間を短くでき利用者にとって利便性が良い。また、充電量が閾値に達した車両4の走行距離は車種に依らずほぼ等しくできるため、利用者に対して平等に対応できる。そして、デマンド制御を合わせて実施するため、電気料金の上昇を防止できる。
更に、閾値算出のための車両情報はサーバ8に蓄積されるため、車両メーカが容易に管理でき、車両充電システム1の管理者がデータ更新等を行うこと無く、車両4のモデル変更や新車に対応し易い。
また、閾値設定のための情報は充電器2の使用者等による操作で入力されるため、閾値を確実に算出できる。
【0033】
尚、上記実施形態では、閾値の算出に必要な車両情報をサーバ8から入手しているが、充電制御部3の記憶部32に蓄積させても良い。この場合、サーバ8と通信する機能を車両充電システム1に設ける必要が無い。
【0034】
図5は車両充電システム1の第2の形態のブロック図を示している。以下、
図5を参照して車両充電システム1の第2の形態を説明する。この第2の形態は、
図1に示す入力部33、外部通信IF36が無い点が上記第1の形態と大きく相違している。尚、共通する構成要素には同一の符号を付与し、説明を省略する。
上記形態と同様に、充電制御部3は、スマートメータ10と通信する計測部31、デマンド値、後述する基準値及び閾値を記憶する記憶部32、各充電器2への充電電流を決定すると共に充電制御部3の各部を制御する充電制御部CPU34、個々の充電器2と通信する複数の通信部(第1通信部、第2通信部・・第n通信部)35a等を備えている。
但し通信部35aは、充電器2と通信する機能に加えて、充電器2を介して充電器2に接続された車両4と通信する機能を有し、充電制御部CPU34の制御により、車両から蓄電池残量(kWh)、電費の情報を入手可能としている。
【0035】
この通信部35aの機能により、車両4から取得した蓄電池残量情報、電費情報を基に、充電制御部CPU34が閾値を算出する。
図6は閾値算出の流れを示し、充電制御部CPU34は、車両4から蓄電池残量と電費情報を取得する(S41)と、取得した情報を基に所定距離の走行を可能とする電力量を算出し、蓄電池残量情報を基に必要な充電量を算出(S42)する。そして、算出した充電量を閾値とする(S43)。尚、車両4から入手する蓄電池残量情報は電力量情報でありパーセント情報ではない。
その後の充電制御は上記形態と同様であり、
図4のフローに従い制御が実施され、商用電力Pからの受電電力を減らす場合は、閾値に達した車両4から充電電流の削減が実施されるし、商用電力Pからの受電電力を増やす場合は、充電量が閾値を下回る車両4から充電電流が増加される。
【0036】
このように、閾値に達していない車両4の充電電流が閾値に達した車両4の充電より優先されるため、閾値に達するまでの時間を短くでき利用者にとって利便性が良い。また、充電量が閾値に達した車両4の走行距離は車種に依らずほぼ等しくできるため、利用者に対して平等に対応できる。そして、デマンド制御を合わせて実施するため、電気料金の上昇を防止できる。
そして、充電対象の車両4の車種情報、蓄電池残量情報等を入力する煩わしい操作をすること無く、車種や蓄電池残量に依らず所定の距離を走行可能とする電力量を基準に充電量の閾値が設定される。
【符号の説明】
【0037】
1・・車両充電システム、2・・充電器、3・・充電制御部、4・・車両、8・・サーバ(車両情報記憶部)、10・・スマートメータ(電力量計)、31・・計測部、32・・記憶部、33・・入力部(充電車両情報入手部、入力操作部)、34・・充電制御部CPU(電流制御部)、35・・通信部、35a・・通信部(充電車両情報入手部)、36・・外部通信IF(外部通信部)。