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特許7418977サーバ装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】サーバ装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/00 20220101AFI20240115BHJP
【FI】
H04L51/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019110315
(22)【出願日】2019-06-13
(65)【公開番号】P2020201872
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】上原 貴博
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-005540(JP,A)
【文献】特開2018-196058(JP,A)
【文献】特開2011-192118(JP,A)
【文献】特開2007-193717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの電子メールアドレスへ電子メールを送信し、電子メールが不達になった場合に、電子メールアドレスへの電子メールの送信を一定期間制限する制限手段と、
送信対象の電子メールアドレスのドメイン名が、電子メールの送信を許可するドメイン名か否かを検証する検証手段と、
前記制限手段により電子メールの送信が制限されている場合であっても、前記検証手段により電子メールアドレスのドメイン名が送信を許可するドメイン名であると判定され、かつ、電子メールが不達になった時刻からの経過時間が送信可能時間内である場合、電子メールアドレスへの電子メールの送信を許可する送信許可手段と
を有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記検証手段は、送信先の電子メールアドレスが電子メールの送信を許可するドメイン名を格納した許可ドメインリストに存在するか否かに基づき、電子メールの送信を許可するドメイン名か否かを検証することを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記検証手段は、送信先の電子メールアドレスが電子メールの送信を許可しないドメイン名を格納した不許可ドメインリストに存在するか否かに基づき、電子メールの送信を許可するドメイン名か否かを検証することを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記送信許可手段は、送信先の電子メールアドレスへの電子メールの送信回数が送信可能回数を超えないことを前記送信を許可する条件とすることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
サーバ装置が実行する情報処理方法であって、
ユーザの電子メールアドレスへ電子メールを送信し、電子メールが不達になった場合に、電子メールアドレスへの電子メールの送信を一定期間制限する制限工程と、
送信対象の電子メールアドレスのドメイン名が、電子メールの送信を許可するドメイン名か否かを検証する検証工程と、
前記制限工程により電子メールの送信が制限されている場合であっても、前記検証工程により電子メールアドレスのドメイン名が送信を許可するドメイン名であると判定され、かつ、電子メールが不達になった時刻からの経過時間が送信可能時間内である場合、電子メールアドレスへの電子メールの送信を許可する送信許可工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
ユーザの電子メールアドレスへ電子メールを送信し、電子メールが不達になった場合に、電子メールアドレスへの電子メールの送信を一定期間制限する制限ステップと、
送信対象の電子メールアドレスのドメイン名が、電子メールの送信を許可するドメイン名か否かを検証する検証ステップと、
前記制限ステップにより電子メールの送信が制限されている場合であっても、前記検証ステップにより電子メールアドレスのドメイン名が送信を許可するドメイン名であると判定され、かつ、電子メールが不達になった時刻からの経過時間が送信可能時間内である場合、電子メールアドレスへの電子メールの送信を許可する送信許可ステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、サーバ装置が提供する様々な機能を、ユーザが使用するユーザ端末からネットワーク経由で利用可能にするサービスが展開されている。このようなサービスでは、多くの場合、ユーザはサービスを利用する際にサービスに対して電子メールアドレスを登録する。
一般的にサービスは、必要に応じてユーザに対して電子メール送信により情報を通知することがある。
しかしながら、電子メールが送信できない場合がある。このような場合、通常は送信先の電子メールサーバから送信元の電子メールサーバに対してその旨を通知するバウンスメールが送信される。このバウンスメールが多く発生すると、送信先の電子メールアドレスを管理するインターネットサービスプロバイダからの送信者に対する評価が下がり、その送信者からの電子メールの受信を拒否することがある。そのため、電子メール送信を伴うサービスはバウンスの発生を抑えるための対応をする必要がある。
このような問題を解決する手段として、特許文献1では、登録されている電子メールアドレスの中で使用不能となった電子メールアドレスを自動的に電子メールアドレス帳又はメーリングリストから削除できるようにする電子メール宛先管理システムが提案されている。
また、一般的にバウンスが発生した場合、電子メールの送信を一定時間制限することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-259514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一定期間の送信制限を行う方法では、メール送信制限期間が終わるまでは電子メールを再送することができない。そのため、以下のような問題が発生する。ユーザが登録した電子メールアドレスが迷惑メールフィルタを適用したものであった場合を考える。この場合、ユーザ登録後の到達確認メールが迷惑メールフィルタによりバウンスし、送信制限が発生する。その後、ユーザが自身のメールボックスに到達確認メールが届いていないことに気づき、迷惑メールフィルタを解除した後すぐに再送要求をしたとしても、送信制限のため電子メールが送信されない。そのため、ユーザは送信制限が解除されるまで待つ必要があり不便であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のサーバ装置は、ユーザの電子メールアドレスへ電子メールを送信し、電子メールが不達になった場合に、電子メールアドレスへの電子メールの送信を一定期間制限する制限手段と、送信対象の電子メールアドレスのドメイン名が、電子メールの送信を許可するドメイン名か否かを検証する検証手段と、前記制限手段により電子メールの送信が制限されている場合であっても、前記検証手段により電子メールアドレスのドメイン名が送信を許可するドメイン名であると判定され、かつ、電子メールが不達になった時刻からの経過時間が送信可能時間内である場合、電子メールアドレスへの電子メールの送信を許可する送信許可手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、電子メールが不達になり送信制限が掛けられた場合においても、所定の条件内において電子メールを送信することができるため、ユーザはすぐに電子メールを再送することができる。これにより、ユーザはサービスをすぐに利用することができ、ユーザビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ユーザ情報管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】ハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】ユーザ情報管理システムの機能構成の一例を示す図である。
図4】ユーザ情報の一例を示す図である。
図5】許可ドメインリストを示す図である。
図6】不達情報を示す図である。
図7】ユーザ登録時における動作を示すフローチャートである。
図8】電子メールの送信制限処理を示すフローチャートである。
図9】送信許可処理を示すフローチャートである。
図10】ドメイン名検証処理を示すフローチャートである。
図11】送信許可処理を示すフローチャートである。
図12】送信許可処理を示すフローチャートである。
図13】ドメイン名検証処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0009】
<実施形態1>
実施形態1に係るシステムの構成例について、図1を用いて説明する。
実施形態1に係るシステムは、ユーザ情報管理サーバ装置101、第1メールサーバ装置102、第2メールサーバ装置103、ユーザ端末104から構成される。ユーザ情報管理サーバ装置101、第1メールサーバ装置102、第2メールサーバ装置103、ユーザ端末104は、ネットワーク105を介して互いに通信することができる。ネットワーク105は、LAN等の同一のネットワークとして接続されていてもよいし、インターネット等の外部ネットワークとして接続されていてもよいし、それらの混合であってもよい。また、ユーザ情報管理サーバ装置101、第1メールサーバ装置102、第2メールサーバ装置103、ユーザ端末104は、それぞれ複数の台数で構成されてもよい。
【0010】
ユーザ情報管理サーバ装置101は、ユーザがサービスに登録した情報を管理する。また、ユーザ情報管理サーバ装置101は、第1メールサーバ装置102に電子メール送信要求をすることで第2メールサーバ装置103に電子メールを送信する。
第1メールサーバ装置102は、ユーザ情報管理サーバ装置101からの電子メール送信要求に応じて、ユーザの電子メールアドレスに電子メールを送信する。第1メールサーバ装置102は、ネットワーク上に存在する多数のメールサーバ装置に対して電子メールを送信することができ、かつ、それらのメールサーバ装置から電子メールを受信することができるサーバ装置である。
第2メールサーバ装置103は、ユーザが保持する電子メールアドレスを管理するプロバイダが管理するメールサーバ装置である。第2メールサーバ装置103は、第1メールサーバ装置102を含むネットワーク上の多数のメールサーバ装置に対して電子メールを送信することができ、かつ、それらのメールサーバ装置から電子メールを受信することができる。ユーザ端末104は、ユーザが操作する端末であり、パーソナルコンピュータ、又はモバイル端末等である。ユーザ端末104はユーザの操作に基づき、第2メールサーバ装置103に受信されている電子メールを表示する。
【0011】
次に、実施形態1に係るシステムを構成する、ユーザ情報管理サーバ装置101のハードウェア構成例について、図2を用いて説明する。なお、第1メールサーバ装置102、第2メールサーバ装置103、ユーザ端末104のハードウェア構成についても、ユーザ情報管理サーバ装置101のハードウェア構成と同様の構成である。
ユーザ情報管理サーバ装置101は、ハードウェア構成として、CPU201、RAM202、ROM203、ネットワークインタフェース204、外部記憶装置205、表示装置206、入力装置207を少なくとも備えている。
CPU201は、ユーザ情報管理サーバ装置101を構成する各部の動作制御を行うと共に、ユーザ情報管理サーバ装置101が行うものとして後述する各種の処理を実行する主体となる。
RAM202は、データや制御情報を一時的に格納するメモリであり、CPU201が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアとなる。
ROM203には、ユーザ情報管理サーバ装置101の固定の動作パラメータ及びプログラム等が格納される。
【0012】
ネットワークインタフェース204は、ネットワーク105に接続して通信するための機能を提供するものである。ユーザ情報管理サーバ装置101は、このネットワークインタフェース204によって、外部装置とデータの送受信を行うことができる。
外部記憶装置205は、データを記憶する装置であり、データの読み書きを行うためのI/Oコマンドを受け付けるインタフェースを持つ。外部記憶装置205は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、光ディスクドライブ、半導体記憶装置又はその他の記憶装置であってもよい。外部記憶装置205は、ユーザ情報管理サーバ装置101が行うものとして後述する各処理をCPU201に実行させるためのプログラム及びデータが格納されている。
表示装置206は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等であり、ユーザに必要な情報を表示する。
入力装置207は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等であり、ユーザから必要な入力を受け付ける。
【0013】
次に、実施形態1に係るユーザ情報管理システムの機能構成例について、図3を用いて説明する。
ユーザ情報管理サーバ装置101は、機能構成として、ユーザ情報管理部301、ユーザ情報格納部302、メール送信要求部303、ドメイン格納部304、不達確認部305、不達情報格納部306、不達情報処理部307を備える。
ユーザ情報管理部301は、ユーザ端末104からの要求に基づいて、ユーザ情報格納部302に対して、ユーザ情報の登録、更新、削除等を行う。
ユーザ情報格納部302には、ユーザ情報管理システムが利用するためのユーザ情報が格納されている。
【0014】
ユーザ情報格納部302に格納されているユーザ情報の一例を図4に示す。ユーザID401に関連付けて、ユーザ名402、メールアドレス403、パスワード404、前回不達タイプ405、前回不達時刻406、送信回数407が格納されている。ユーザID401は、ユーザ情報管理システムに登録されたユーザを一意に識別するIDである。ユーザ名402はユーザの名前である。メールアドレス403は、ユーザに電子メールを送るためのユーザの電子メールアドレスである。パスワード404は、ユーザが本人であることを検証するための文字列である。ここでは、ユーザを認証するためにパスワード404を用いているが、他の認証情報を用いてもよい。また、認証しない場合は認証情報を持たなくてもよい。前回不達タイプ405は、メールアドレス403への前回の電子メールの送信が不達になった際の不達理由を示す情報である。前回不達時刻406はメールアドレス403への前回の電子メールの送信が不達になった時刻である。送信回数407は、送信制限中にメールアドレス403に電子メールを送信した回数である。
【0015】
メール送信要求部303は、ユーザ情報管理部301からの要求に基づいて第1メールサーバ装置102に対してユーザの電子メールアドレスへ電子メールを送信する要求をする。
ドメイン格納部304は、送信制限中における電子メールの送信を許可するドメイン名を記録した許可ドメインリストが格納されている。ドメイン格納部304に格納されている許可ドメインリストの一例を図5に示す。ドメインID501に関連付けて、ドメイン名502が格納されている。
不達確認部305は、第1メールサーバ装置102が受信したバウンスメールを確認する。バウンスメールが存在している場合、不達確認部305は、バウンスメールを解析し、不達情報を不達情報格納部306に格納する。
【0016】
不達情報格納部306に格納されている不達情報の一例を図6に示す。ID601に関連付けて、不達タイプ602、不達サブタイプ603、コード604、不達メールアドレス605が格納されている。不達タイプ602は不達になった理由を区別するタイプである。不達タイプ602の一例として、宛先のドメイン名や電子メールアドレス自体が存在しない場合等、恒久的なエラーの場合はPermanentになる。また、受信者の電子メールボックスの容量が一杯の場合や電子メールサーバ自体に障害がある場合等、一時的なエラーの場合はTransientになる。不達サブタイプ603は、不達タイプ602を更に詳細に分類するためのタイプが格納される。その一例として、一般的な不達の場合はGeneral、電子メールボックスの容量が一杯の場合はMailBoxFull等がある。コード604はエラーメッセージやSMTPサーバの応答メッセージ等の情報が格納される。不達メールアドレス605には不達になった宛先の電子メールアドレスが格納される。
【0017】
不達情報処理部307は、ユーザ情報に不達情報を設定する。不達情報処理部307は、不達情報格納部306に格納された不達情報を取得し、ユーザ情報格納部302から不達メールアドレス605と一致する電子メールアドレスを持つユーザ情報を検索する。その後、不達情報処理部307は、検索されたユーザ情報の前回不達時刻406を取得し、前回不達時刻406から現在までの時間が送信制限時間を超えている場合は、ユーザ情報の前回不達タイプ405に不達情報の不達タイプ602を設定し、前回不達時刻406に現在時刻を設定する。ここで、送信制限時間はユーザ情報管理サーバ装置101が保持する設定値である。また、同時にユーザ情報の送信回数407を0に設定して初期化する。
ユーザ端末104は、ユーザエージェント308を備える。
ユーザエージェント308は、Webブラウザ等、ユーザがWebサイトにアクセスするための機能を提供する。
次に、実施形態1に係るユーザ情報管理システムの動作について説明し、併せて、実施形態1に係る電子メール送信方法について説明する。
【0018】
図7は、実施形態1に係るユーザ情報管理システムのユーザ登録時における動作を示すフローチャートである。ユーザ端末104のユーザエージェント308は、ユーザ操作に基づいて、ユーザ情報管理サーバ装置101にユーザ登録処理を要求する(ステップS701)。ユーザ登録要求には、ユーザ名、ユーザの電子メールアドレス、パスワード等のユーザ情報が付加されている。ユーザ登録要求はユーザ情報管理サーバ装置101のユーザ情報管理部301が受け取り、ユーザ登録処理として、ユーザ登録要求に付加されているユーザ情報をユーザ情報格納部302に格納する(ステップS702)。ユーザ情報管理部301は、ユーザ登録処理の完了後、登録したユーザ情報に含まれるメールアドレス403がユーザ本人の電子メールアドレスか否かを確認するために、到達確認メールの送信要求をメール送信要求部303に対して行う(ステップS703)。メール送信要求部303は、送信制限処理により電子メールアドレスへの電子メールの送信を制限するか否かを検証する(ステップS704)。送信制限処理は、送信先の電子メールアドレスへの電子メールの送信を一定期間制限する処理であり、図8を用いて後述する。
【0019】
メール送信要求部303は、送信制限処理により送信を制限すると判定されたか否か判定する(ステップS705)。送信を制限しないと判定された場合は、メール送信要求部303が第1メールサーバ装置102に対して電子メール送信要求を行い、ユーザの電子メールアドレスへ電子メールを送信する(ステップS706)。送信制限処理により送信を制限すると判定された場合は、メール送信要求部303は、送信許可処理により送信制限中であっても送信を許可するか否か判定する(ステップS707)。送信許可処理については、図9を用いて後述する。メール送信要求部303は、送信許可処理により送信を許可すると判定されたか否かを判定する(ステップS708)。送信を許可すると判定された場合は、メール送信要求部303は、電子メールを送信する(ステップS706)。一方、送信を許可しないと判定された場合は、メール送信要求部303は、電子メールを送信しない。
実施形態1では、ユーザの登録処理時に到達確認メールが送信される例を想定して記載したが、ユーザの更新処理やユーザの削除処理等においてシステムからメールが送信される場合でも同様である。その他にも、ユーザ情報管理サーバ装置101からユーザの電子メールアドレスへ電子メールアドレスを送信する形態であれば何でもよい。
【0020】
次に、実施形態1に係る電子メールの送信制限処理について、図8を用いて説明する。
ユーザ情報管理部301からメール送信要求部303に対して電子メールの送信要求が送られる(ステップS801)。送信要求には電子メールの送信対象のユーザID401が付加されている。メール送信要求部303は、ユーザ情報格納部302からユーザID401で識別されるユーザ情報を取得する(ステップS802)。メール送信要求部303は、取得したユーザ情報から前回不達時刻406を取得する(ステップS803)。
【0021】
そして、メール送信要求部303は、前回不達時刻406から現在までの時間が送信制限時間を超えているか否かを判定する(ステップS804)。ここで、送信制限時間はユーザ情報管理サーバ装置101が保持する設定値である。前回不達時刻406から現在までの時間が送信制限時間を超えている場合は、メール送信要求部303は、送信を制限しないと判定する(ステップS805)。そして、メール送信要求部303は、判定結果を返却する(S806)。一方、送信制限時間を超えていない場合は、メール送信要求部303は、送信を制限すると判定する(ステップS807)。そして、メール送信要求部303は、判定結果を返却する(ステップS806)。
ここでは、ユーザ情報に含まれる前回不達時刻406を使用した例を示したが、ユーザ情報に含まれる前回不達タイプ405を用いて、前回不達タイプ405がPermanentのときのみ送信制限処理を実施してもよい。
【0022】
次に、実施形態1に係る送信許可処理について、図9を用いて説明する。
メール送信要求部303の送信制限処理により、電子メールの送信を制限すると判定すると、メール送信要求部303は、ドメイン名検証処理を行う(ステップS901)。ドメイン名検証処理については図10を用いて後述する。メール送信要求部303は、ドメイン名検証処理による判定結果を受け取り、送信先の電子メールアドレスのドメイン名が許可ドメインであるか否かを判定する(ステップS902)。不許可ドメインである場合は、メール送信要求部303は、送信を許可しないと判定する(ステップS903)。一方、許可ドメインである場合は、メール送信要求部303は、ユーザ情報格納部302から送信対象ユーザのユーザ情報を取得し、その中に含まれる送信回数407を取得する(ステップS904)。メール送信要求部303は、送信可能条件として、取得した送信回数407が送信可能回数を超えていないか否かを判定する(ステップS905)。ここで、送信可能回数はメール送信要求部303が保持する設定値である。送信回数407が送信可能回数を超えている場合は、メール送信要求部303は、送信を許可しないと判定する(ステップS903)。一方、送信回数407が送信可能回数を超えていない場合は、メール送信要求部303は、送信を許可すると判定する(ステップS906)。そして、メール送信要求部303は、判定結果を返却する(ステップS907)。
【0023】
次に、実施形態1に係るドメイン名検証処理について、図10を用いて説明する。
メール送信要求部303は、ドメイン格納部304から許可ドメインリストを取得する(ステップS1001)。メール送信要求部303は、送信対象の電子メールアドレスのドメイン名が許可ドメインリスト中に存在するか否かを検証する(ステップS1002)。許可ドメインリストに存在する場合は、メール送信要求部303は、許可ドメインと判定する(ステップS1003)。そして、メール送信要求部303は、判定結果を返却する(ステップS1004)。一方、許可ドメインリストに存在しない場合は、メール送信要求部303は、不許可ドメインと判定する(ステップS1005)。そして、メール送信要求部303は、判定結果を返却する(ステップS1004)。
【0024】
実施形態1に係るユーザ情報管理システムによれば、ユーザへの電子メールの送信が不達になり送信制限がなされた場合においても、予め許可したドメイン名であり、かつ、送信可能回数以下であれば、電子メールを送信することができる。そのため、迷惑メールフィルタにより不達になった場合においても、ユーザが迷惑メールフィルタを解除すればすぐに電子メールを再送することができ、ユーザビリティを向上させることができる。
【0025】
<実施形態2>
実施形態1では、送信許可処理において、送信回数407が送信可能回数を超えていないか否かによる送信許可の例を示した。実施形態2では、送信許可処理において回数ではなく時間による送信許可の例を示す。
【0026】
実施形態2に係る送信許可処理について、図11を用いて説明する。
メール送信要求部303の送信制限処理により、電子メールの送信を制限すると判定すると、メール送信要求部303は、ドメイン名検証処理を行う(ステップS1101)。メール送信要求部303は、ドメイン名検証処理による判定結果を受け取り、送信先の電子メールアドレスのドメイン名が許可ドメインであるか否かを判定する(ステップS1102)。不許可ドメインである場合は、メール送信要求部303は、送信を許可しないと判定する(ステップS1103)。一方、許可ドメインである場合は、メール送信要求部303は、ユーザ情報格納部302から送信対象ユーザのユーザ情報を取得し、その中に含まれる前回不達時刻406を取得する(ステップS1104)。メール送信要求部303は、送信可能条件として、取得した前回不達時刻406から現在時刻までの時間が送信可能時間を超えていないか否かを判定する(ステップS1105)。ここで、送信可能時間はメール送信要求部303が保持する設定値である。前回不達時刻406から現在時刻までの時間が送信可能時間を超えている場合は、メール送信要求部303は、送信を許可しないと判定する(ステップS1103)。一方、前回不達時刻406から現在時刻までの時間が送信可能時間内である場合は、メール送信要求部303は、送信を許可すると判定する(S1106)。メール送信要求部303は、判定結果を返却する(S1107)。
【0027】
このように実施形態2に係る送信許可処理では、送信可能時間によって送信を許可するか否か判定する。これにより、柔軟な送信許可の設定ができるようになる。
【0028】
<実施形態3>
実施形態1では、送信許可処理において、送信可能回数により送信を許可するか否かを判定する例を示した。実施形態2では、送信許可処理において、送信可能時間により送信を許可するか否かを判定する例を示した。実施形態3では、送信許可処理において、回数と時間との両方による送信許可の例を示す。
実施形態3に係る送信許可処理について、図12を用いて説明する。
メール送信要求部303の送信制限処理により、電子メールの送信を制限すると判定すると、メール送信要求部303は、ドメイン名検証処理を行う(ステップS1201)。メール送信要求部303は、ドメイン名検証処理による判定結果を受け取り、送信先の電子メールアドレスのドメイン名が許可ドメインであるか否かを判定する(ステップS1202)。不許可ドメインである場合は、メール送信要求部303は、送信を許可しないと判定する(ステップS1203)。一方、許可ドメインである場合は、メール送信要求部303は、ユーザ情報格納部302から送信対象のユーザ情報を取得し、その中に含まれる送信回数407と前回不達時刻406を取得する(ステップS1204)。
【0029】
メール送信要求部303は、送信可能条件として、取得した送信回数407が送信可能回数を超えていないか、及び、取得した前回不達時刻406から現在時刻までの時間が送信可能時間を超えていないか否かを判定する(ステップS1205)。ここで、送信可能回数と送信可能時間はメール送信要求部303が保持する設定値である。送信回数407が送信可能回数を超えている場合、又は、前回不達時刻406から現在時刻までの時間が送信可能時間を超えている場合は、メール送信要求部303は、送信を許可しないと判定する(ステップS1203)。一方、送信回数407が送信可能回数を超えていない場合、かつ、前回不達時刻406から現在時刻までの時間が送信可能時間内である場合は、メール送信要求部303は、送信を許可すると判定する(S1206)。メール送信要求部303は、判定結果を返却する(S1207)。
【0030】
このように実施形態3に係る送信許可処理では、送信可能回数と送信可能時間によって送信を許可するか否か判定する。これにより、柔軟な送信許可の設定ができるようになる。
【0031】
<実施形態4>
実施形態1から実施形態3まででは、ドメイン名検証処理において送信対象の電子メールアドレスのドメイン名が許可ドメインリストに存在するか否かを検証する例を示した。実施形態4では、ドメイン名検証処理において不許可ドメインリストを用いたドメイン名の検証の例を示す。
実施形態4に係るドメイン名検証処理について、図13を用いて説明する。
まず、メール送信要求部303は、ドメイン格納部304から不許可ドメインリストを取得する(ステップS1301)。ドメイン格納部304に格納されている不許可ドメインリストには、図5に示す許可ドメインリストと同様に、ドメインID501に関連付けて、ドメイン名502が格納されている。メール送信要求部303は、送信対象の電子メールアドレスのドメイン名が不許可ドメインリスト中に存在しないか否かを検証する(ステップS1302)。不許可ドメインリストに存在しない場合は、メール送信要求部303は、許可ドメインと判定する(ステップS1303)。そして、メール送信要求部303は、判定結果を返却する(ステップS1304)。一方、不許可ドメインリストに存在する場合は、メール送信要求部303は、不許可ドメインと判定する(ステップS1305)。そして、メール送信要求部303は、判定結果を返却する(ステップS1304)。
【0032】
このように実施形態4に係るドメイン名検証処理では、不許可ドメインリストを用いてドメイン名を検証する。これにより、送信制限中の送信許可をしたくないドメイン名がある場合に設定しやすくなる。そのため、ユーザ情報管理システムにおける管理者の負担を軽減することができる。
【0033】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給する。そして、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0034】
以上、本発明の実施形態の一例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0035】
104 画像解析サーバ
201 CPU
図1
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