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特許7418987ケーブルチェンジャーおよびケーブル供給装置に対して高さ調整可能なケーブルガイドの高さをロックするための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】ケーブルチェンジャーおよびケーブル供給装置に対して高さ調整可能なケーブルガイドの高さをロックするための方法
(51)【国際特許分類】
   H01B 13/012 20060101AFI20240115BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20240115BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
H01B13/012 Z
H02G1/06
H01B13/00 Z
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019138547
(22)【出願日】2019-07-29
(65)【公開番号】P2020035739
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】18186379.6
(32)【優先日】2018-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503231561
【氏名又は名称】コマツクス・ホールデイング・アー・ゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・カイサー
(72)【発明者】
【氏名】アードリアン・ギスラー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・シュトッカー
【審査官】岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0069519(US,A1)
【文献】特開2015-225692(JP,A)
【文献】特開平07-272816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 13/012
H02G 1/06
H01B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のケーブル(3、3’)を異なる高さで保持するためのケーブルガイド(2)と、
ケーブルガイド(2)のケーブル(3、3’)の1つをケーブル処理機に供給するためのケーブル供給装置(50)と、
を備え、
ケーブル供給装置(50)に対するケーブルガイド(2)の高さが調整可能であり、それにより、ケーブル供給装置(50)が、ケーブル供給装置(50)に対するケーブルガイド(2)の高さに応じて、ケーブルガイド(2)の異なるケーブル(3、3’)をケーブル処理機に供給できるようになっている、ケーブルチェンジャー(60)であって、
ケーブルガイド(2)が高さ調整要素(70~74)を備え、ケーブル供給装置(50)が高さ調整要素(70~74)と相補的である高さ決定要素(16、21)を備え、高さ調整要素(70~74)および高さ決定要素(16、21)が、高さ決定要素(16、21)がいくつかの高さ調整要素(70~74)と接続された際に、ケーブルガイド(2)がケーブル供給装置(50)に対する複数の特定の高さの1つでロックされるように設計されていることを特徴とする、ケーブルチェンジャー(60)。
【請求項2】
ケーブルガイド(2)の高さ調整要素(70~74)が、異なる高さに配置された複数の凹部(80~84)を備え、ケーブル供給装置(50)の高さ決定要素(16、21)が、2つの凸部を備えている、
請求項1に記載のケーブルチェンジャー(60)。
【請求項3】
ケーブル供給装置が、該ケーブル供給装置(50)からケーブル処理機へ供給されるケーブル(3、3’)にラベル付けするためのラベリング手段(1)をさらに備える、請求項1または請求項2に記載のケーブルチェンジャー(60)。
【請求項4】
ケーブルガイド(2)が、可逆的に圧縮可能な補償接続要素(23)を備え、該補償接続要素(23)が、ケーブルガイド(2)をケーブル供給装置(50)にロックする際に、該補償接続要素(23)がケーブルガイド(2)とケーブル供給装置(50)との間の高さの差異を補償できるように、設計および配置されている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のケーブルチェンジャー(60)。
【請求項5】
高さ調整要素(70~74)および高さ決定要素(16、21)が、ケーブルガイド(2)の一方側のみに配置されている、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のケーブルチェンジャー(60)。
【請求項6】
ケーブル供給装置(50)の高さ決定要素(16、21)が、2つの相互に離間した位置に配置され、高さ決定要素(16、21)が高さ調整要素(70~74)に接続されていない場合、ケーブル供給装置(50)に対するケーブルガイド(2)の高さを変更するための高さ調整装置(22)が、2つの相互に離間した位置の間に配置されている、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のケーブルチェンジャー(60)。
【請求項7】
高さ調整要素(70~74)の各凹部(80~84)の高さが、2つの円筒状のピン(10、10’)によって制限され、高さ決定要素(16、21)が2つの円筒状のピン(10、10’)間に収容された際に、ケーブルガイド(2)が高さに関してケーブル供給装置(50)にロックされる、
請求項2から請求項6のいずれか一項に記載のケーブルチェンジャー(60)。
【請求項8】
高さ決定要素(16、21)の1つが、ケーブル(3、3’)を整列させるためのケーブル供給装置(50)のケーブル整列ステーション(12)の一部であり、高さ決定要素(16、21)の1つが、ケーブル(3、3’)を搬送するためのケーブルドライブ(17)の一部であり、高さ決定要素(16、21)が、ケーブル整列ステーション(12)が閉じた状態、および/または、ケーブル供給装置(50)上の、ケーブルガイド(2)のケーブルドライブ(17)が閉じた状態で、いくつかの高さ調整要素(70~74)に接続され、それにより、ケーブルガイド(2)が、高さに関して、ケーブル供給装置(50)にロックされるようになっている、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のケーブルチェンジャー(60)。
【請求項9】
高さ調整要素(70~74)の前方の高さ調整要素(70~74)と、高さ調整要素(70~74)の後方の高さ調整要素(70~74)とが、ケーブル(3、3’)の一部をクランプするための前方ケーブルクランプ(6)と、ケーブル(3、3’)の一部をクランプするための後方ケーブルクランプ(7)との間に配置されている、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のケーブルチェンジャー(60)。
【請求項10】
ケーブル供給装置(50)に対して高さ調整可能であるケーブルガイド(2)を、高さに関して該ケーブル供給装置(50)にロックするための方法であって、
ケーブルガイド(2)が、複数のケーブル(3、3’)を異なる高さで保持するために設計されており、
ケーブル供給装置(50)が、ケーブルガイド(2)のケーブル(3、3’)の1つをケーブル処理機に供給するために設計されており、
ケーブル供給装置(50)に対するケーブルガイド(2)の高さが調整可能であり、それにより、ケーブル供給装置(50)が、該ケーブル供給装置(50)に対するケーブルガイド(2)の高さに応じて、該ケーブルガイド(2)の異なるケーブル(3、3’)をケーブル処理機に供給できるようになっており、
該方法が、
ケーブル供給装置(50)に対するケーブルガイド(2)の高さを設定するステップと、
ケーブル供給装置(50)に対する所定の高さでケーブルガイド(2)をロックするために、供給装置の高さ決定要素(16、21)をケーブルガイド(2)の高さ調整要素(70~74)に接続するステップと、
を備える方法。
【請求項11】
高さに関し、高さ決定要素(16、21)と、高さ調整要素(70~74)との間でロックすることが、ケーブル供給装置(50)のケーブル整列ステーション(12)の矯正ローラ顎部(13)を閉じること、および、ケーブル供給装置(50)のケーブルドライブ(17)を閉じることによって実施される、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ケーブル(3、3’)が、ケーブル供給装置(50)のラベリング手段(1)を使用して、該ケーブル(3、3’)がケーブル処理機に供給される前に、ラベル付けされる、
請求項10または請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルチェンジャーおよび、ケーブル供給装置に対して高さ調整可能なケーブルガイドの高さをロックするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルチェンジャーは、例えば、、欧州特許第1213800B1号明細書から既知である。この種のケーブルチェンジャーは、異なるケーブルを有する部分的なケーブルハーネスの製造を可能にする。前記ケーブルチェンジャーは、複数の異なるケーブル(例えば、異なる断面、絶縁カラー、絶縁材料など)をケーブルガイド内に収容し、それにより、各ケースにおいて必要とされるケーブルが、ケーブル供給装置により、ケーブル処理機の処理ステーションに自動的に供給され得るようになっている。ケーブルチェンジャーの残りのケーブルは、通常、クランプによって固定されている。特定のケーブルをケーブル処理機の処理ステーションに供給するために、ケーブルチェンジャーは、ケーブルガイドの対応する高さ位置(Z方向の位置)に移動する。ケーブル供給装置のケーブル整列ユニットおよびケーブルドライブは、ケーブルに付けられている。所望のケーブルのクランプは、モータで作動するピン、または、空気圧で作動するシリンダによって開かれ、それにより、対応するケーブルが、ケーブル供給装置によってケーブル処理機に供給され得るようになっている。部分的なケーブルハーネスのための単一のワイヤの製造は、その後に開始することができる。
【0003】
このことの欠点は、対応する高さ位置が、最適に到達され得ないか、好ましくない状況下で設定されることである。すなわち、ケーブル供給装置に対する、所望であるか設定されたケーブルガイドの高さ位置と、ケーブル供給装置に対する実際のケーブルガイドの高さ位置との間に、不一致または差異が存在する。この不一致または差異は、ケーブル供給装置におけるケーブルの操作もしくは取扱いの問題、および/または、ケーブル処理機におけるケーブルの操作もしくは取扱いの問題に繋がる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】欧州特許第1213800号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
とりわけ、ケーブルチェンジャーまたは方法に関する必要性が存在する場合がある。このケーブルチェンジャーもしくは方法において、または、このケーブルチェンジャーもしくは方法により、高さ調整可能なケーブルガイドを、技術的に単純な方式で、ケーブル供給装置に対し、異なる特定の高さに、正確に配置することができる。
【0006】
この種の必要性は、独立請求項1に係るケーブルチェンジャー、または、独立請求項10に係る、ケーブル供給装置に対して高さ調整可能であるケーブルガイドの高さをロックするための方法によって満たすことができる。有利な実施形態は、従属請求項に定義されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、複数のケーブルを異なる高さで保持するためのケーブルガイドと、ケーブルガイドのケーブルの1つをケーブル処理機に供給するためのケーブル供給装置と、を備え、ケーブルガイドの高さが、ケーブル供給装置に対して調整可能であり、それにより、ケーブル供給装置が、ケーブル供給装置に対するケーブルガイドの高さに応じて、ケーブルガイドの異なるケーブルをケーブル処理機に供給できるようになっている、ケーブルチェンジャーであって、ケーブルガイドが高さ調整要素を備え、ケーブル供給装置が、高さ調整要素と相補的である高さ決定要素を備え、高さ調整要素および高さ決定要素が、高さ決定要素がいくつかの高さ調整要素に接続された際に、ケーブルガイドがケーブル供給装置に対する複数の特定の高さの1つでロックされるように、設計されていることを特徴とする、ケーブルチェンジャーが提案されている。
【0008】
このケーブルチェンジャーの利点は、高さ調整可能なケーブルガイドが、通常は、ケーブル供給装置に対し、異なる高さで、正確な方式で配置およびロックされ得ることである。ケーブル処理機に供給されることになるケーブルの高さは、このため、ケーブル供給装置に対し、非常に正確な方式で設定することができる。結果として、高さ決定要素および高さ調整要素によってケーブルガイドをロックした後に、ケーブル供給装置に対する、ケーブルガイド、または、このケーブルガイドによって保持されるかガイドされるケーブルの、所望であるか設定された高さ位置との間の差異または不一致が、概して非常に小さいか、非常にわずかであるか、もはや存在さえしないこととなる。したがって、ケーブル供給装置に対するケーブルの高さが正確に設定されているか、知られていることから、ケーブル供給装置を使用してケーブルを操作するか取り扱う際、および/または、ケーブル供給装置によってケーブル処理機にケーブルを供給する際の、操作の困難性の結果は、概してほとんど無いか全く存在しない。さらなる利点は、所望の高さが、通常は、高さ調整要素が、所望の高さの高さ決定要素と共にロックし、異なる高さの高さ決定要素とは共にロックしないような、正確さの度合いでのみ、到達されるか設定されなければならないことである。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、ケーブル供給装置に対して高さ調整可能なケーブルガイドの高さを、ケーブル供給装置に対してロックするための方法であって、ケーブルガイドが、複数のケーブルを異なる高さで保持するために設計されており、ケーブル供給装置が、ケーブルガイドのケーブルの1つをケーブル処理機に供給するために設計されており、ケーブルガイドの高さが、ケーブル供給装置に対して調整可能であり、それにより、ケーブル供給装置が、ケーブル供給装置に対するケーブルガイドの高さに応じて、ケーブルガイドの異なるケーブルをケーブル処理機に供給できるようになっており、本方法が、ケーブル供給装置に対するケーブルガイドの高さを設定するステップと、ケーブル供給装置に対する特定の高さでケーブルガイドをロックするために、供給装置の高さ決定要素をケーブルガイドの高さ調整要素に接続するステップと、を備えることが提案されている。
【0010】
前記方法の利点は、高さ調整可能なケーブルガイドが、通常は、ケーブル供給装置に対し、特定の高さで、正確な方式で配置およびロックすることができることである。ケーブル処理機に供給されることになるケーブルの高さは、このため、ケーブル供給装置に対し、非常に正確な方式で、概して設定される。結果として、高さ決定要素および高さ調整要素により、ケーブルガイドをロックした後に、ケーブル供給装置に対する、ケーブルガイド、または、このケーブルガイドによって保持されるかガイドされるケーブルの、所望であるか設定された高さ位置との間の差異または不一致が、通常は非常に小さいか、非常にわずかであるか、もはや存在さえしないものとなる。したがって、ケーブル供給装置に対するケーブルの高さが正確に設定されているか知られていることから、ケーブル供給装置を使用してケーブルを操作する際、および/または、ケーブル供給装置によってケーブル処理機にケーブルを供給する際の、操作の困難性の結果は、概してほとんど無いか全く存在しない。さらなる利点は、所望の高さが、通常は、高さ調整要素が、所望の高さの高さ決定要素と共ににロックし、異なる高さの高さ決定要素とは共にロックしないような、正確さの度合いでのみ、到達されるか設定されなければならないことである。
【0011】
本発明の実施形態の可能性のある特徴および利点は、とりわけ、本発明を限定することなく、以下に記載のコンセプトおよび発見に基づくものとして考慮され得る。
【0012】
ケーブルチェンジャーの一実施形態によれば、ケーブルガイドの高さ調整要素は、異なる高さに配置された複数の凹部を備え、ケーブル供給装置の高さ決定要素が、2つの凸部を備え、具体的には、ケーブル供給装置の高さ決定要素は、2つの凸部で構成されている。このケーブルチェンジャーの利点は、ケーブルガイドとケーブル供給装置との間の、特にしっかりとした接続を確立することが、通常は可能であることである。さらに、高さ調整要素は、この高さ調整要素がケーブルガイドから突出していないことから、概して、ケーブルガイドの高さ調整を妨げない。ケーブル供給装置に対するケーブルガイドの高さ調整は、こうして、通常、技術的に特に単純かつ信頼性のある方式で実施することができる。
【0013】
ケーブルチェンジャーの一実施形態によれば、ケーブル供給装置は、ケーブル供給装置からケーブル処理機に供給されるケーブルにラベルを付けるためのラベリング手段をさらに備えている。このケーブル供給装置の利点は、ケーブルが、通常は、技術的に単純な方式で、かつ、正確に知られているか、正確に設定された、ケーブル供給装置に対するケーブルの高さ位置のおかげで、特に信頼性があるか正確な方式で、ラベル付けすることができることである。さらに、特に小さい断面(例えば、2mm未満)を有するケーブルには、概して、人が補助なしでラベルを読むことができるように、ラベル付けすることができる。さらに、人および/または機械が、ケーブルのラベルを読み取ることが特に容易となるように、ケーブルのラベルが、正確に、その長手軸に沿って延びることを確実にすることが概して可能である。
【0014】
ケーブルチェンジャーの一実施形態によれば、ケーブルガイドは、可逆的に圧縮可能な補償接続要素、具体的には、エラストマ部材を備え、補償接続要素が、ケーブルガイドをケーブル供給装置にロックする際に、補償接続要素が、ケーブルガイドとケーブル供給装置との間の高さの差異を補償できるように、設計および配置されている。結果として、高さの差異は、通常、ケーブルガイドをケーブル供給装置にロックする際に、技術的に単純な方式で補償され得る。したがって、通常は、ケーブルガイドをケーブル供給装置にロックする際に、ケーブルガイドおよび/またはケーブル供給装置に機械的応力は生じない。ケーブル供給装置に対するケーブルガイドの、ロックした後の実際の高さ位置と、ロックの前に設定された高さ位置との間の高さのわずかな不一致の補正の結果として、ロックした後に、ケーブルガイドは、通常、高さ決定要素または高さ調整要素に機械的応力が生じることなく、設定された高さ位置に常に位置している。
【0015】
ケーブルチェンジャーの一実施形態によれば、高さ調整要素および高さ決定要素は、ケーブルガイドの一方側にのみ配置されている。結果として、ロックされた高さ位置における、ケーブル供給装置に対するケーブルガイドの高さ位置の重複決定が概して防止され、したがって、機械的応力の発生が、技術的に単純な方式で防止される。
【0016】
ケーブルチェンジャーの一実施形態によれば、ケーブル供給装置の高さ決定要素は、2つの相互に離間した位置に配置され、高さ決定要素が高さ調整要素に接続されていない場合、ケーブル供給装置に対するケーブルガイドの高さを変更するための高さ調整装置が、2つの相互に離間した位置の間に配置されている。結果として、ケーブルガイドによって保持されているケーブルは、概して、ケーブル供給装置の供給方向に対応する方向に、特に単純に向けることができる。それにより、ケーブル供給装置に対するケーブルガイドの傾斜が、概して確実に防止される。
【0017】
ケーブルチェンジャーの一実施形態によれば、高さ調整要素の各凹部の高さは、2つの円筒状のピンによって制限され、高さ決定要素が2つの円筒状のピン間に受領された際に、ケーブルガイドが、高さに関してケーブル供給装置にロックされる。このため、ケーブルガイドをケーブル供給装置に、技術的に単純かつ、特に正確な方式で、特定の高さ位置でロックすることが、通常は可能である。さらに、高さ決定要素は、概して、高さ調整要素内に、円筒状のピンの横方向の表面上をスライドすることができ、この結果として、ケーブル供給装置に対する、ケーブルガイドの設定された高さ位置と、ケーブル供給装置に対する、ケーブルガイドの所望の高さ位置との間のわずかな高さの差異が、補償されるか最小にされ得る。ケーブル供給装置に対するケーブルガイドの高さ位置は、通常、高さ調整要素内へ、円筒状のピンの横方向の表面上を高さ決定要素がスライドするかスリップする間に、通常は変化し得る。
【0018】
ケーブルチェンジャーの一実施形態によれば、高さ決定要素の1つは、ケーブルを整列させるためのケーブル供給装置のケーブル整列ステーションの一部であり、高さ決定要素の1つは、ケーブルを搬送するためのケーブルドライブの一部であり、高さ決定要素は、ケーブル整列ステーションの閉じた状態、および/または、ケーブル供給装置上の、ケーブルガイドのケーブルドライブが閉じた状態で、いくつかの高さ調整要素に接続され、それにより、ケーブルガイドが、高さに関し、ケーブル供給装置にロックされるようになっている。この利点は、ケーブルガイドが、概して、ケーブルガイドの高さをロックするためのあらゆる動的な要素を備える必要がないが、代わりに、高さ位置のロックが、ケーブル供給装置によって実施され得ることである。結果として、概して、高さ決定要素は、所望の高さの高さ調整要素に接続され、こうして、ケーブルガイドは、ケーブル整列ステーションまたは、ケーブル供給装置によってケーブル処理機にケーブルを供給するためのケーブルドライブが閉じられた際に、自動的方式のように、所望の高さで整列およびロックされる。
【0019】
ケーブルチェンジャーの一実施形態によれば、高さ調整要素の前方の高さ調整要素と、高さ調整要素の後方の高さ調整要素とは、ケーブルの一部をクランプするための前方ケーブルクランプと、ケーブルの一部をクランプするための後方ケーブルクランプとの間に配置されている。ケーブルチェンジャーその利点は、関連するケーブルが、概して、特に信頼性のある方式で、ケーブルガイドによってクランプできるか、ケーブルガイドから開放できることである。
【0020】
本方法の一実施形態によれば、高さに関し、高さ決定要素と高さ調整要素との間でロックすることは、ケーブル供給装置のケーブル整列ステーションの矯正ローラ顎部を閉じること、および、ケーブル供給装置のケーブルドライブを閉じることにより、実施される。その利点は、ケーブルガイドが、ケーブルガイドの高さをロックするためのあらゆる動的な要素を備える必要がないが、その代わりに、高さ位置のロックが、ケーブル供給装置によって実施されることである。結果として、概して、高さ決定要素は、所望の高さの高さ調整要素に接続され、こうして、ケーブルガイドは、ケーブル整列ステーションまたは、ケーブル供給装置によってケーブル処理機にケーブルを供給するためのケーブルドライブが閉じられた際に、自動的方式のように、所望の高さで整列およびロックされる。
【0021】
方法の一実施形態によれば、ケーブルは、ケーブル供給装置のラベリング手段を使用して、ケーブルがケーブル処理機に供給される前に、ラベル付けされる。この方法の利点は、ケーブル供給装置に対するケーブルガイドの高さ、そして、ひいては、ケーブルの高さが正確にセットされることから、ケーブルに、特に正確な方式で、ラベルを付けることができることである。このため、特に、前記ラベルが、人および/または機械によって読み取ることができるように、ラベルをケーブルに付けること、例えば、前記ラベルをレーザによって付けることが、通常は可能である。
【0022】
「異なるケーブル(different cables)」との用語は、特に、各ケーブルが互いに同一ではないことを意味し得る。しかしながら、各ケーブルは、構造的に、互いに対して同等とすることができる。
【0023】
本発明の可能性のある特徴および利点のいくつかが、ケーブルチェンジャー、および/または、ケーブル供給装置に対して高さ調整可能であるケーブルガイドの高さをロックするための方法の、様々な実施形態を参照して、本明細書に記載されていることに留意されたい。当業者には、各特徴は、本発明のさらなる実施形態に合わせるために、適切な方式で合わせることができ、調整することができ、または置き換えることができることを理解されたい。
【0024】
本発明の実施形態が、添付図面を参照して以下に記載されるが、図面も詳細な説明も、本発明を限定するものと解釈されることは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係るケーブルチェンジャーの一実施形態の斜視図である。
図2図1のケーブルチェンジャーの側面図である。
図3図1および/または図2のケーブルチェンジャーの平面図である。
図4a図1および/または図2および/または図3のケーブルチェンジャーの前方の位置の輪郭の詳細の図である。
図4b図1および/または図2および/または図3のケーブルチェンジャーの後方の位置の輪郭の詳細の図である。
図5図1および/または図2および/または図3のケーブルチェンジャーの補償接続要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面は単に概略的なものであり、拡縮されていない。異なる図における同一の参照符号は、同一であるか、機能的に同一の特徴を示す。
【0027】
図1は、本発明に係るケーブルチェンジャー60の一実施形態の斜視図である。図2は、図1のケーブルチェンジャー60の側面図である。図3は、図1および/または図2のケーブルチェンジャー60の平面図である。
【0028】
ケーブルチェンジャー60は、ケーブルガイド2およびケーブル供給装置50を備えている。ケーブルチェンジャー60は、異なるケーブル3、3’を有する部分的なケーブルハーネスの製造を可能にしている。ケーブルチェンジャー60は、複数の異なるケーブル(例えば、異なる断面、絶縁カラー、絶縁材料など)をケーブルガイド2内に収容し、それにより、各ケースにおいて必要とされるケーブル3、3’が、ケーブル供給装置50により、ケーブル処理機(例えば、圧着機)(図示せず)の処理ステーションに自動的に供給され得るようになっている。2つ以上のケーブル3、3’を、互いに対し、構造的に同等のものとすることも可能である。
【0029】
ケーブルチェンジャー60またはケーブルガイド2内の残りのケーブル3、3’は、各ケースにおいて、例えば、ケーブルガイド2内のケーブルクランプ6、7によって固定されている。ケーブルガイド2の特定のケーブル3、3’をケーブル処理機の処理ステーションへ供給するために、ケーブルチェンジャー60は、ケーブルガイド2の対応する高さ位置(図1および/または図2では底部から頂部に延びるZ方向40の位置)に接近し、それにより、ケーブル供給装置50が、所望のケーブル3、3’をケーブルガイド2からケーブル処理機に供給できるようになっている。
【0030】
ケーブル供給装置50のケーブル整列ユニットおよびケーブルドライブ17は、ケーブル3、3’に取り付けられている。所望のケーブル3、3’のケーブルクランプ6、7は、モータで作動するピン、または、空気圧で作動するシリンダによって開かれ、それにより、ケーブル3、3’が、ケーブル供給装置50によってケーブル処理機に供給され得るようになっている。部分的なケーブルハーネスのための単一のワイヤの製造は、その後に開始することができる。
【0031】
図1および/または図2では、Z方向40は、底部から頂部に延び、図3では、前記方向は、図の平面の外へ延びている。選択されたケーブル3、3’は、図1および/または図2および/または図3で右から左へ、ケーブル供給装置50によって搬送され、図1および/または図2および/または図3に示すケーブルチェンジャー60の左に位置する(したがって、図には示されていない)ケーブル処理機に供給される。
【0032】
ケーブルチェンジャー60は、ケーブルチェンジャー60をマシンフレームまたはケーブル処理機に締結するための二部分型ベースプレート29を備えている。
【0033】
ケーブルガイド2は、高さを調整可能である。すなわち、Z方向40に沿って移動できるとともに、高さ調整装置22によって複数の高さ位置に配置することができる。高さ位置を変更するために、ケーブルガイド2は、二部分型ベースプレート29間で、高さ調整器のモータ26によって上および/または下に移動される。ケーブルガイド2の高さは、常に、ケーブル供給装置50に対する高さである。ケーブルガイド2は、Z方向40において、2つのガイドレール11、11’に沿って案内される。2つのガイドレール11、11’は、垂直に、かつ、相互に平行になるように延びている。
【0034】
ケーブルチェンジャー60によってケーブル処理機に供給されるケーブル3、3’を変更するために、ケーブル供給装置50のケーブル3、3’を駆動または搬送するためのケーブルドライブ17、および、ケーブル供給装置50のケーブル3、3’を整列させるためのケーブル整列ステーション12が開かれ、それにより、ケーブル3、3’が各ケースにおいて開放されるようになっている。この目的のために、ケーブルドライブ17のベルトドライブ18の2つの部品が離れるように移動し、ケーブル整列ステーション12の矯正ローラ顎部13の2つの部品が離れるように移動する。同時に、またはすぐ前かすぐ後に、ケーブル3、3’の前方ケーブルクランプ6および後方ケーブルクランプ7が閉じられ、それにより、前記クランプが、各ケースにおいて、ケーブル3、3’をしっかりと保持、または、しっかりとクランプするようになっている。
【0035】
こうして、ケーブルガイド2は、ベースプレート29の2つの部分の間で上および/もしくは下に移動することができ、かつ/または、ケーブル供給装置50に対する前記ケーブルガイドの高さを変更することができる。ケーブルガイド2は、ケーブル処理機に供給されることになるケーブル3、3’が、ケーブル整列ステーション12の高さ、および、ケーブルドライブ17の高さにあるように、ある高さ位置に移動される。
【0036】
ケーブル3、3’が所望の高さにある場合、すなわち、ケーブルガイド2が、ケーブル供給装置50に対して所望の高さ位置にある場合、ケーブルドライブ17およびケーブル整列ステーション12は閉じている。
【0037】
ケーブルガイド2は、高さ調整要素70~74を備え、ケーブル供給装置50は、高さ決定要素16、21を備えている。ケーブルガイド2の高さ調整要素70~74は、Z方向40に沿って配置されている。ケーブルガイド2は、ケーブルチェンジャー60の側部に近接して配置された前方の位置の輪郭8と、ケーブルチェンジャー60の側部に近接して配置された後方の位置の輪郭9と、を備えており、前方の位置の輪郭8は、高さ調整要素70~74を備えており、ケーブル3、3’がこの前方の位置の輪郭8に向かって移動し、後方の位置の輪郭9は、高さ調整要素70~74を備えており、ケーブル3、3’がこの後方の位置の輪郭9から離れるように移動する。「front(前方の)」および「rear(後方の)」の形容詞は、したがって、ケーブル供給装置に関して理解されることが意図されており、ケーブル搬送装置は、図1および/または図2および/または図3では、右から左に進行する。
【0038】
高さ調整要素70~74は、具体的には、前方の位置の輪郭8の位置と、後方の位置の輪郭9の位置とで、Z方向40に沿って二列に配置された複数の凹部80~84である。明確に1つの高さ決定要素16、21が、それぞれ、凹部80~84の各々に挿入され得る。
【0039】
前方の位置の輪郭8は、Z方向40に沿って、ケーブルガイド2内において、高さ調整要素70~74として、複数の凹部80~84を備えている。ケーブル3、3’に対応する凹部80~84は、ケーブル3、3’の各高さに配置されている。高さ決定要素16、21を、対応する凹部80~84にロックすることにより、対応するケーブル3、3’を位置決めし、それにより、前記ケーブルが、(ケーブル3、3’に関連付けられたケーブル開放手段27、28を作動させることにより、その結果として、ケーブルクランプ6、7から前記ケーブル3、3’が開放される)ケーブル供給装置50からクランプ解除され、ケーブル供給装置50によって移動され、かつ/または、ケーブル整列ステーション12を通過し、ケーブルドライブ17によって把持され、ケーブル処理機に向かって移動および搬送され得るようになっている。ケーブルガイド2の高さをシフトさせること、および、これに次いでロックすることにより、こうして、ケーブル3、3’を位置決めし、それにより、対応するケーブル3、3’が、ケーブル供給装置50からクランプ解除/開放されるか、解除/開放され得る。すなわち、前記ケーブル3、3’に関するケーブルクランプ6、7が、各ケースにおいて、ケーブル開放手段27、28によって開放されるか、開放され得る。
【0040】
2つの高さ調整要素70~74が、こうして、1つの高さ調整要素70~74が、前方の位置の輪郭8の位置において、また、1つの高さ調整要素70~74が、後方の位置の輪郭9の位置において、ケーブルガイド2の各ケーブル3、3’に割り当てられる。
【0041】
後方の位置の輪郭9は、Z方向40に沿って、ケーブルガイド2内において、高さ調整要素70~74として、複数の凹部80~84を備えている。後方の位置の輪郭9の凹部80~84は、前方の位置の輪郭8の凹部80~84と同じ高さに位置しており、それにより、ケーブルガイド2が、高さ決定要素16、21および高さ調整要素70~74により、ケーブル供給装置50にロックされた際に、ケーブル3、3’が、水平に、かつ/または、ベースプレート29の表面と平行になるように整列される。ケーブルガイド2がケーブル供給装置50にロックされると、2つの高さ決定要素16、21が、各ケースにおいて、2つの高さ調整要素70~74に接続される。ロックを解除するために、接続が解除もしくは分離される。
【0042】
ケーブルガイド2がケーブル供給装置50にロックされている場合、ケーブルガイド2の1つのケーブル3、3’が、ケーブル供給装置50によってケーブル処理機に供給され得る。この目的のために、前方ケーブルクランプ6および後方ケーブルクランプ7が、対応するケーブル開放手段27、28(例えば、空気圧シリンダ)によって開かれる。
【0043】
ケーブル供給装置50は、例えばレーザにより、ケーブル3、3’の外側表面、または外側表面の一部にラベルを付ける、ラベリング手段1またはラベリングヘッドを備えている。
【0044】
ラベリング手段1は、ラベリング領域5において、ケーブル3、3’にラベルを付ける。ラベリング領域5は、ケーブル供給方向から見た際に、前方の位置の輪郭8の後方、および、前方ケーブルクランプ6の後方に位置している。すなわち、図1および/または図2では、ラベリング領域5は、前方ケーブルクランプ6の左に配置されており、ケーブル供給方向が、右から左に延びている。
【0045】
前方ケーブルクランプ6の、後方ケーブルクランプ7から離れた側では、ケーブルガイド2が、各ケーブル3、3’に関するケーブルルーティング4を備えている。ラベリング領域5は、関連するケーブルルーティング4が、ケーブル供給方向に延びる領域に対応している。
【0046】
ケーブル3、3’の高さ位置、または高さが、特に正確であることから、ケーブル供給装置50に対するケーブルガイド2のロックのおかげで、ラベリング手段1は、ケーブル供給装置50によってケーブル処理装置に供給されるケーブル3、3’の外側表面に、特に正確に、かつ、人が容易に読めるように、書き込むことができる。具体的には、ラベリング手段1は、ケーブル3、3’上に書き込むことができ、それにより、ラベリングが、ケーブル3、3’の長手軸に沿って延びるようになっている(ケーブル3、3’の長手軸は、ケーブル3、3’のもっとも長い延長または寸法に沿って延びるか、ケーブル供給方向に沿って延びる)。これにより、人がラベルを読み取ること、および、機械がラベルを読み取ることを容易にする。
【0047】
具体的には、非常に小さい径、例えば、約2mm未満の径のケーブル3、3’にも、人が、容易に、かつ/または、技術的な補助なしで、ラベルを読み取ることができるように、ラベリング手段1によってラベルを付けることができる。
【0048】
図4aは、図1および/または図2および/または図3のケーブルチェンジャー60の、前方の位置の輪郭8の詳細な図である。図4bは、図1および/または図2および/または図3のケーブルチェンジャー60の、後方の位置の輪郭9の詳細な図である。
【0049】
図4aでは、前方の高さ調整要素70を、その全体で見ることができ、また、図4では、全体的に視認可能である前方の高さ調整要素70の下に位置する、さらなる前方の高さ調整要素71を、部分的にのみ、見ることができる。図4bでは、後方の高さ調整要素73を、その全体で見ることができ、2つのさらなる前方の高さ調整要素72、74を、部分的にのみ見ることができる。部分的に視認可能である、2つの後方の高さ調整要素72、74の内の1つは、全体的に視認可能である後方の高さ調整要素73の上に位置しており、部分的に視認可能である2つの後方の高さ調整要素72、74の1つは、全体的に視認可能である後方の高さ調整要素73の下に位置している。
【0050】
前方の位置の輪郭8および後方の位置の輪郭9の、ケーブルガイド2の高さ調整要素70~74は、各々が、複数の円筒状のピン10、10’を備えている。この複数の円筒状のピン10、10’は、水平に整列され、かつ/または、ケーブル供給方向に対して平行となるように整列されている。円筒状のピン10、10’は、Z方向40に沿って、相互に等距離となるように配置されており、それにより、高さ調整要素70~74は、前方の位置の輪郭8のZ方向40に沿って、相互に等距離となり、かつ、高さ調整要素70~74は、後方の位置の輪郭9のZ方向40に沿って相互に等距離となる。
【0051】
各ケースにおける2つの円筒状のピン10、10’間の最小の間隔は、各ケースにおいて、ケーブル供給装置50の高さ決定要素16、21の直径に対応している。図4aおよび/または図4bに示すように、関連する高さ決定要素16、21の外側表面は、上方の円筒状のピン10の下端部、および、ケーブルガイド2の下方の円筒状のピン10’の上端部と接触するか、前方の位置の輪郭8および後方の位置の輪郭9の下端部および上端部と接触する。結果として、ケーブル供給装置50に対するケーブルガイド2の高さ位置は、ケーブルガイド2が、前方の位置の輪郭8の高さ調整要素70~74、および、後方の位置の輪郭9の高さ調整要素70~74により、ケーブル供給装置50にロックされた際に、正確に特定される。
【0052】
ロックする目的のために、ケーブル供給装置50の第1の高さ決定要素16、21が、前方の位置の輪郭8の2つの円筒状のピン10、10’間、すなわち、高さ調整要素70~74で凹部80~84内に挿入され、ケーブル供給装置50の第2の高さ決定要素16、21が、後方の位置の輪郭9の2つの円筒状のピン10、10’間、すなわち、高さ調整要素70~74で凹部80~84内に(図4aおよび/または図4bでは、図の平面内に)挿入される。高さ決定要素16、21の移動は、例えば、一方の高さ決定要素16が、ケーブルドライブ17の一部(例えばベルトドライブ18)であり、他方の高さ決定要素21がケーブル整列ステーション12の一部(例えば、矯正ローラ顎部13)である場合、ケーブルドライブ17およびケーブル整列ステーション12を閉じることによって実施することができる。
【0053】
ケーブルガイド2は、ケーブル供給装置50に対して横方向にもロックされるが、わずかな遊びを提供することが可能である。各ケースにおいて、高さ決定要素16、21は、高さ調整要素70~74から(図4aおよび/または図4bにおいて右か左に)横にスリップすることが防止される。
【0054】
前方の位置の輪郭8の2つの凹部80~84と、後方の位置の輪郭9の3つの凹部80~84が、図4aおよび/または図4bに示されている、および/または、部分的に示されている。前方の位置の輪郭8の凹部80~84は、断面が円形である。後方の位置の輪郭9の凹部80~84は、断面が楕円形である。
【0055】
図1および/または図2は、ケーブル整列ステーション12が、第1の高さ決定要素16を有する後方の位置決めピン保持器15を備えていることおよび、ケーブルドライブ17が、第2の高さ決定要素21を備えた前方の位置決めピン保持器20を備えていることを示している。全体として、ケーブル供給装置50は、明確に2つの高さ決定要素16、21を備えており、この2つの高さ決定要素16、21は、両方とも、ケーブルガイド2の同じ側に位置している。
【0056】
円筒状のピン10、10’の各々は、少なくともその中心において、円筒形状を有し、この円筒形状の高さは、右から左、またはその逆に延びている。
【0057】
高さ決定要素16、21が、高さ調整要素70~74内、すなわち、凹部80~84に挿入されると、関連する高さ決定要素16、21は、関連する円筒状のピン10、10’の横方向の表面上を、関連する高さ決定要素16、21が、2つの円筒状のピン10、10’間の、Z方向40に正確にフィットする、切欠きまたは凹部80~84にスライドするかスリップして入るまで、スライドすることができる。関連する円筒状のピン10、10’の横方向の表面上をスリップするかスライドする間、ケーブル供給装置50に対するケーブルガイド2の高さは、わずかに変化する場合がある。
【0058】
高さ決定要素16、21は、各ケースにおいて、高さ決定要素70~74に対して相補的となるように形成され、それにより、Z方向における高さ調整要素70~74の関連する直径が、Z方向における高さ決定要素16、21の関連する直径に対応し、かつ/または、前記直径が同じ寸法となっている。
【0059】
2つの高さ決定要素16、21の各々が、2つの円筒状のピン10、10’間の凹部80~84または切欠き内、すなわち、高さ調整要素70~74内にある場合、ケーブルガイド2は、ケーブル供給装置50に対し、特定の高さで正確にロックおよび/または整列される。
【0060】
高さ決定要素16、21は、各々が、図4aおよび/または図4bに示すように、円筒形状を有する、すなわち、Z方向40を含む平面に沿う断面が円形である。高さ決定要素16、21が、その自由端に向かって先細となる形状を有することも考えられる。
【0061】
ロックを解除するために、2つの高さ決定要素16、21は、例えば、ケーブルドライブ17またはベルトドライブ18、および、ケーブル整列ステーション12またはローラ顎部を開くことにより、2つの円筒状のピン10、10’間の関連する凹部80~84または切欠きから外に、または、高さ調整要素70~74から外に(図4aおよび/または図4bでは、図の平面の外に)移動する。ロックはこうして、高さ決定要素16、21と、高さ調整要素70~74との間の接続を開放することによって解除される。
【0062】
ケーブル供給装置50に対するケーブルガイド2の高さ位置は、こうして変更することができ、それにより、別のケーブル3、3’が、その高さでケーブル供給装置50によってケーブル処理機に供給され、また、任意選択的には、ラベリング手段1によってラベル付けされる。この目的のために、ケーブルガイド2の高さが移動し、それにより、所望のケーブル3、3’に対応するケーブルガイド2の高さ調整要素70~74が、高さ決定要素16、21と実質的に同じ高さとなる。それにより、所望のケーブル3、3’に関する高さ調整要素70~74がロックされると高さ決定要素16、21内に挿入されるようになっている。すなわち、高さ調整装置22によって最初にセットされた高さと、ロックの後に、ケーブルガイド2とケーブル供給装置50との間に実際に与えられる相対的な高さとの間には、わずかな不一致のみが生じる。この不一致は、円筒状のピン10、10’の横方向の表面上をスライドするかスリップする高さ決定要素16、21により、実質的にはゼロに低減される。ロックされた後は、ケーブル3、3’は、該ケーブル3、3’がケーブルドライブ17およびケーブル整列ステーション12によって把持され得る、ケーブル供給装置50に対する特定の高さに正確に位置する。
【0063】
円筒状のピン10、10’の横方向の表面は硬化されている。円筒状のピン10、10’は、ケーブルガイド2内に押し込むことができる。具体的には、円筒状のピン10、10’は、関連する円筒状のピン10、10’の横方向の表面が、ケーブルガイド2の残りの表面と平滑的に終端するように、ケーブルガイド2内へ十分に深く押し込むことができる。円筒状のピン10、10’は、例えば、金属および/または金属の合金、例えば鋼で構成しても良い。
【0064】
高さ決定要素16、21は、各ケースにおいて、ピン形状の突起である。高さ決定要素16、21のZ方向40の位置、または、高さ位置は、各ケースにおいて、手動で精密に調整することができる。すなわち、ケーブル供給装置50に対する、高さ決定要素16、21の高さ位置は、手動でわずかに(例えば、約10mm未満だけ)変更することができる。
【0065】
ケーブル供給装置50の高さ決定要素16、21は、ケーブルガイド2の一方側にのみ位置している。そのため、図1および/または図2では、高さ決定要素16、21は、両方ともケーブルガイド2の前方側に位置している。結果として、ケーブルガイド2の高さ位置の重複決定が防止され、したがって、機械的応力の上昇が防止される。
【0066】
ケーブルドライブ17とケーブル整列ステーション12とは、各々が、ケーブルに関して対称であるように、ケーブルドライブ17の要素(具体的には、ベルトドライブ18)および/またはケーブル整列ステーション12の要素(具体的には、矯正ローラ顎部13)を位置合わせするために、対称補償手段19を備えている。
【0067】
ケーブル整列ステーション12は、矯正ローラ顎部13間の間隔を、ケーブル供給装置50によって搬送または移動されるケーブル3、3’の直径に適合させるための間隔調整手段をさらに備えている。
【0068】
ラベリング手段1の、ケーブルドライブ17から離れている側では、ケーブル供給装置50は、ケーブル処理機に供給されるケーブル3、3’を切るか、切って進むためのブレード31を有するケーブル分離手段30を備えている。
【0069】
図5は、図1および/または図2および/または図3のケーブルチェンジャー60の補償接続要素23の斜視図である。
【0070】
ケーブルチェンジャー60および/またはケーブルガイド2はさらに、補償接続要素23を備えている。補償接続要素23は、ケーブルガイド2の高さ調整装置22の一部である。高さ調整装置22によって設定された、ケーブル供給装置50に対するケーブルガイド2の高さと、高さ決定要素16、21が高さ調整要素70~74内に挿入された際(すなわち、図4aおよび図4bに示す状態が推定された際)の、ケーブル供給装置50に対するケーブルガイド2の高さとの間のわずかな不一致が、補償接続要素23によって補償され、それにより、機械的応力が、補償接続要素23の外側では生じないようになっている。
【0071】
補償接続要素23は、スピンドルナット24と、その下側面における、補償要素としてのエラストマ部材25とを備えている。エラストマ部材25は、例えば、ゴムおよび/または発泡材料で構成しても良い。
【0072】
エラストマ部材25は、可逆的に圧縮することができる。すなわち、圧縮された後に、エラストマ部材25は、作用する力が除かれると、再びその元の形状になる。
【0073】
エラストマ部材25の圧縮は、(ロックの前に)高さ調整装置22によって設定された高さ位置と、ロックされた状態における実際の高さ位置との間の高さの差異を補償し、その中で、エラストマ部材25がオプションとして、生じる力によって圧縮される。このようにして、ケーブルガイド2およびケーブルチェンジャー60の残りの部分の曲げおよび/または材料の疲労が、実質的に防止される。
【0074】
エラストマ部材25は、具体的には円筒状とすることができ、エラストマ部材25の最大の拡張は、ケーブルの供給方向である。
【0075】
最後に、「comprising」、「having」などの用語は、任意の他の要素またはステップを除外せず、また、「a」または「an」などの用語は、複数であることを除外しないことに留意されたい。上述の実施形態の1つを参照して記載された特徴またはステップが、上述の他の実施形態の特徴またはステップと組み合わせても使用され得ることを、さらに留意されたい。特許請求の範囲における参照符号は、限定的として解されることは意図されていない。
【符号の説明】
【0076】
1 ラベリング手段
2 ケーブルガイド
3、3’ ケーブル
4 ケーブルルーティング
5 ラベリング領域
6 前方ケーブルクランプ
7 後方ケーブルクランプ
8 前方の位置の輪郭
9 後方の位置の輪郭
10、10’ 円筒状のピン
11、11’ Z方向のガイドレール
12 ケーブル整列ステーション
13 矯正ローラ顎部
15 位置決めピンを備えた後方の位置決めピン保持器
16 後方の高さ決定要素
17 ケーブルドライブ
18 2つの部品のベルトドライブ
19 対称補償手段
20 位置決めピンを備えた前方の位置決めピン保持器
21 前方の高さ決定要素
22 高さ調整装置
23 補償接続要素
24 スピンドルナット
25 エラストマ部材
26 高さ調整装置のモータ
27 前方のケーブル開放手段
28 後方のケーブル開放手段
29 二部分型ベースプレート
30 ケーブル分離手段
31 ブレード
40 Z方向
50 ケーブル供給装置
60 ケーブルチェンジャー
70、71 前方の高さ調整要素
72~74 後方の高さ調整要素
80~84 凹部
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5