(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】防食コーティング、および基材
(51)【国際特許分類】
C23C 26/00 20060101AFI20240115BHJP
C09D 5/10 20060101ALI20240115BHJP
C09D 7/61 20180101ALI20240115BHJP
C09D 7/63 20180101ALI20240115BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20240115BHJP
C23F 11/00 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
C23C26/00 A
C09D5/10
C09D7/61
C09D7/63
C09D201/00
C23F11/00 F
(21)【出願番号】P 2019219217
(22)【出願日】2019-12-04
【審査請求日】2022-06-08
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500107762
【氏名又は名称】ハミルトン・サンドストランド・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】HAMILTON SUNDSTRAND CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ティアンリ ジュー
(72)【発明者】
【氏名】ブレア エー.スミス
(72)【発明者】
【氏名】ウェイロン ジャン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エー.クライズマン
(72)【発明者】
【氏名】ジョージオス エス.ザフィリス
(72)【発明者】
【氏名】バート アントニー ヴァン ハッセル
【審査官】▲辻▼ 弘輔
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-339521(JP,A)
【文献】特開平04-022624(JP,A)
【文献】特開2007-277551(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107216697(CN,A)
【文献】特開2015-190060(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0197836(US,A1)
【文献】特表2004-514013(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107790360(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108912878(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C26/00-30/00
C23F11/00-11/18
C09D5/08-5/10
B05D7/00-7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースマトリクス及び前記
ベースマトリクス中の金属を含むベース材と、
防食材であって、
モリブデン酸亜鉛、
クエン酸セリウム、
メタケイ酸マグネシウム、及び
リン酸ケイ酸金属塩
の全てを含む、防食材と、
を備え、
前記
ベースマトリクス中の前記金属が、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、亜鉛合金、マグネシウム、マグネシウム合金、またはそれらの組み合わせを備え
、
前記ベース材と前記防食材とが別個の2層であり、
前記防食材が前記ベース材上に塗工されており、
前記ベースマトリクスとは異なる第2のマトリクスを更に備え、前記防食材が、前記第2のマトリクス中に混合されている、防食コーティング。
【請求項2】
前記
ベースマトリクスが、シリケート、エポキシ、セラミック、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の防食コーティング。
【請求項3】
70容積%~95容積%のベース材と、
5容積%~30容積%の防食材と、
を含む、請求項1または請求項2に記載の防食コーティング。
【請求項4】
10容積%以下の防食材を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の防食コーティング。
【請求項5】
前記防食材が、
25重量%のモリブデン酸亜鉛と、
25重量%のクエン酸セリウムと、
25重量%のメタケイ酸マグネシウムと、
25重量%のリン酸ケイ酸金属塩と、
を含む、請求項1~
4のいずれか1項に記載の防食コーティング。
【請求項6】
前記防食材が、
1重量%~50重量%のモリブデン酸亜鉛と、
1重量%~50重量%のクエン酸セリウムと、
1重量%~50重量%のメタケイ酸マグネシウムと、
1重量%~50重量%のリン酸ケイ酸金属塩と、
を含む、請求項1~
4のいずれか1項に記載の防食コーティング。
【請求項7】
クロムの含有量が0%である、請求項1~
6のいずれか1項に記載の防食コーティング。
【請求項8】
モリブデン酸マグネシウムの含有量が0%である、請求項1~
7のいずれか1項に記載の防食コーティング。
【請求項9】
前記リン酸ケイ酸金属塩が、リン酸ケイ酸アルミニウム、リン酸ケイ酸亜鉛、リン酸ケイ酸カルシウム、リン酸ケイ酸ストロンチウム、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1~
8のいずれか1項に記載の防食コーティング。
【請求項10】
前記防食材が粉末である、請求項1~
9のいずれか1項に記載の防食コーティング。
【請求項11】
前記第2のマトリクスが、シリケート、エポキシ、セラミック、またはそれらの組み合わせを含む、請求項
1に記載の防食コーティング。
【請求項12】
請求項1~
11のいずれか1項に記載の防食コーティングで被覆された、基材。
【請求項13】
鋼鉄、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、またはそれらの組み合わせを含む、請求項
12に記載の基材。
【請求項14】
航空機部品である、請求項
12または請求項
13に記載の基材。
【請求項15】
前記航空機部品が、プロペラブレード、プロペラシャンク、プロペラハブ、プロペラバレル、プロペラチューリップ、着陸装置部品、エンジン装置、エンジンディスク、シャフト、ストラット、またはカウンターウェイトである、請求項
14に記載の基材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態は、防食コーティングの技術、より詳細には、航空機部品用のクロムを含まない防食コーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
航空宇宙用途において合金は防食を必要とする。従来の高動作温度用犠牲防食コーティングは、防食材として6価クロム化合物添加剤を含むアルミニウムセラミック塗料をベースとしている。しかしながら、6価クロムを含有する化合物は、世界中の政府機関によって環境危険因子と見なされている。また、クロムを含まない化合物には十分な防食特性がない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、従来の6価クロム含有化合物と比較して同等以上の防食特性を有する、クロムを含まない防食コーティングを開発することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
マトリクス及び上記マトリクス中の金属を含むベース材と、モリブデン酸亜鉛、クエン酸セリウム、メタケイ酸マグネシウム、リン酸ケイ酸金属塩、またはそれらの組み合わせを含む防食材(inhibitor)とを含み、上記マトリクス中の上記金属が、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、亜鉛合金、マグネシウム、マグネシウム合金、またはそれらの組み合わせを含む防食コーティングが開示される。
【0005】
上記防食コーティングで被覆された基材も開示される。
【0006】
以下の説明は何ら限定的であると見なされるべきものではない。添付の図面を参照すると、同様の要素は同様の番号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】例示的な実施形態に係る、基材上の、別個の2層を備える防食コーティングの断面図である。
【
図2】例示的な実施形態に係る、基材上の、混合された防食コーティングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
開示される装置及び方法の1または複数の実施形態の詳細な説明は、例示としてであって、図に関する限定としてではなく提示される。
【0009】
図1を参照すると、多層構造10は、基材18上に塗工された防食コーティング12を備える。防食コーティング12は、ベース材14上に塗工された防食材16を備える。ベース材14及び防食材16は、
図1に示すように別個の2層であってもよい。
図2の多層構造10を参照すると、防食材16はベース材14中に混合されて、単層としての防食コーティング12を形成していてもよい。防食コーティング12は基材18上に塗工されていてもよい。
【0010】
防食コーティング12は、クロムを含まない防食コーティング、例えば、従来の6価クロム含有化合物と比較して同等以上の防食特性を有する、クロムを含まない防食コーティングであってよい。防食コーティング12は、広い範囲の用途、環境、及び温度で機能することができる。防食コーティング12は環境にも優しい。防食コーティング12は金属の腐食を防止し、それにより基材18の寿命を延長することができる。
【0011】
図1に示すように、例えば、防食コーティング12は、マトリクス及び上記マトリクス中の金属を含むベース材14を備えていてもよい。本明細書に開示されるコーティングにおいて、上記マトリクスは任意且つ好適なシリケート、エポキシ、セラミック、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。例えば、好適なセラミックとしては、アルミナ、ベリリア、セリア、ジルコニア、カーバイド、ホウ化物、窒化物、及びケイ化物を挙げることができる。上記マトリクス中の上記金属は、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、亜鉛合金、マグネシウム、マグネシウム合金、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0012】
防食コーティング12は防食材16も含んでいてよい。例えば、防食材16は、モリブデン酸亜鉛(ZnMoO4)、クエン酸セリウム、例えばクエン酸の3価セリウム塩(C6H5CeO7)、メタケイ酸マグネシウム(MgO3Si)、及びリン酸ケイ酸金属塩を含んでいてもよい。防食材16は粉末の形態であってもよい。
【0013】
防食コーティング12は、約1容積%~約99容積%のベース材14と、約1容積%~約99容積%の防食材16とを含んでいてもよい。例えば、防食コーティング12は、約70容積%~約95容積%のベース材14と、約5容積%~約30容積%の防食材16とを含んでいてもよい。防食コーティング12は、約85容積%~約95容積%のベース材14と、約5容積%~約15容積%の防食材16とを含んでいてもよい。防食コーティング12は約50容積%以下の防食材16を含んでいてもよい。例えば、防食コーティング12は約10容積%以下の防食材16を含んでいてもよい。
【0014】
防食材16は、約0重量%~約100重量%のモリブデン酸亜鉛、約0重量%~約100重量%のクエン酸セリウム、例えばクエン酸の3価セリウム塩、約0重量%~約100重量%のメタケイ酸マグネシウム、及び約0重量%~約100重量%のリン酸ケイ酸金属塩を含んでいてもよい。例えば、防食材16は、約1重量%~約50重量%のモリブデン酸亜鉛、約1重量%~約50重量%のクエン酸セリウム、例えばクエン酸の3価セリウム塩、約1重量%~約50重量%のメタケイ酸マグネシウム、及び約1重量%~約50重量%のリン酸ケイ酸金属塩を含んでいてもよい。例えば、防食材16は、約25重量%のモリブデン酸亜鉛、約25重量%のクエン酸セリウム、約25重量%のメタケイ酸マグネシウム、及び約25重量%のリン酸ケイ酸金属塩を含んでいてもよい。
【0015】
防食材16は、重量で約1/3のモリブデン酸亜鉛、重量で約1/3のメタケイ酸マグネシウム、及び重量で約1/3のリン酸ケイ酸金属塩を含んでいてもよい。防食材16は、約50重量%のモリブデン酸亜鉛、及び約50重量%のクエン酸セリウム、例えばクエン酸の3価セリウム塩を含んでいてもよい。防食材16は4種の成分、すなわち、上記モリブデン酸亜鉛、上記クエン酸セリウム、上記メタケイ酸マグネシウム、及び上記リン酸ケイ酸金属塩のみから構成されていてもよい。例えば、防食コーティング12のモリブデン酸マグネシウムの含有量は0%であってよい。防食コーティング12のクロムの含有量も0%であってよい。
【0016】
防食材16の上記リン酸ケイ酸金属塩は、リン酸ケイ酸アルミニウム、リン酸ケイ酸亜鉛、リン酸ケイ酸カルシウム、リン酸ケイ酸ストロンチウム、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0017】
防食材16は、例えば
図2に示すような単層12を形成するように、ベース材14中に混合されていてもよい。例えば、ベース材14のマトリクスは防食材16のためのマトリクスとしての役割を果たしてもよい。ベース材14と防食材16とは、例えば
図1に示すような別個の2層を形成するように、混合されていなくてもよい。ベース材14と防食材16とが別個の2層を形成する場合、防食材16はベース材14上に塗工されていてもよく、したがって、ベース材14よりも基材18から離れている。
【0018】
ベース材14と防食材16とが別個の2層を形成する場合、防食材16は第2のマトリクスを更に含んでいてもよい。例えば、防食材16は、第2のマトリクス中に混合された、約0容積%~約50容積%のモリブデン酸亜鉛、約0容積%~約50容積%のクエン酸セリウム、例えばクエン酸の3価セリウム塩、約0容積%~約50容積%のメタケイ酸マグネシウム、及び約0容積%~約50容積%のリン酸ケイ酸金属塩を含んでいてもよい。例えば、第2のマトリクスは、防食材16の約50容積%以上であってよい。例えば、第2のマトリクスは、シリケート、エポキシ、セラミック、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0019】
防食コーティング12の硬化温度は、用いられる特定のマトリクスに応じて変化することとなる。例えば、硬化温度は、シリケートマトリクス、エポキシマトリクス、及びセラミックマトリクスに対して異なっていてもよい。硬化時間も硬化温度と共に変化してもよい。例えば、より高い硬化温度が用いられる場合には、より短い硬化時間しか必要としない。
【0020】
単層を形成するように、防食材16がベース材14中に混合される場合、防食コーティング12は、用いられるマトリクスに対応する単一の温度で硬化してもよい。ベース材14と防食材16とが別個の2層を形成する場合、それぞれの層に用いられるマトリクスに対応する、2つの異なる硬化温度を用いてもよい。例えば、ベース材14を第1の温度で硬化し、続いて防食材16を追加し、第2の温度で硬化してもよい。例えば、硬化温度は約20°C~約200°Cであってよい。
【0021】
防食コーティング12は基材18上に塗工されていてもよい。例えば、基材18は、鋼鉄、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。例えば、基材18はこれらの金属の合金を含んでいてもよい。防食コーティング12は、広い範囲の用途及び環境温度で機能することができる。例えば、基材18は航空機部品であってよい。例えば、上記航空機部品は、プロペラブレード、プロペラシャンク、プロペラハブ、プロペラバレル、プロペラチューリップ、着陸装置部品、エンジン装置、エンジンディスク、シャフト、例えばエンジンシャフト、ストラット、またはカウンターウェイトであってよい。
【0022】
上述の開示のいくつかの実施形態を以下に示す。
【0023】
実施形態1:マトリクス及び上記マトリクス中の金属を含むベース材と、防食材とを含む防食コーティング。上記防食材は、モリブデン酸亜鉛、クエン酸セリウム、メタケイ酸マグネシウム、リン酸ケイ酸金属塩、またはそれらの組み合わせを含む。上記マトリクス中の上記金属は、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、亜鉛合金、マグネシウム、マグネシウム合金、またはそれらの組み合わせを含む。
【0024】
実施形態2:上記マトリクスが、シリケート、エポキシ、セラミック、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態1に記載の防食コーティング。
【0025】
実施形態3:約70容積%~約95容積%のベース材と、約5容積%~約30容積%の防食材とを含む、実施形態1または2に記載の防食コーティング。
【0026】
実施形態4:約10容積%以下の防食材を含む、先行実施形態のいずれか1に記載の防食コーティング。
【0027】
実施形態5:上記防食材が、モリブデン酸亜鉛と、クエン酸セリウムと、メタケイ酸マグネシウムと、リン酸ケイ酸金属塩とからなる、先行実施形態のいずれか1に記載の防食コーティング。
【0028】
実施形態6:上記防食材が、約25重量%のモリブデン酸亜鉛と、約25重量%のクエン酸セリウムと、約25重量%のメタケイ酸マグネシウムと、約25重量%のリン酸ケイ酸金属塩とを含む、先行実施形態のいずれか1に記載の防食コーティング。
【0029】
実施形態7:上記防食材が、約1重量%~約50重量%のモリブデン酸亜鉛と、約1重量%~約50重量%のクエン酸セリウムと、約1重量%~約50重量%のメタケイ酸マグネシウムと、約1重量%~約50重量%のリン酸ケイ酸金属塩とを含む、先行実施形態のいずれか1に記載の防食コーティング。
【0030】
実施形態8:クロムの含有量が0%である、先行実施形態のいずれか1に記載の防食コーティング。
【0031】
実施形態9:モリブデン酸マグネシウムの含有量が0%である、先行実施形態のいずれか1に記載の防食コーティング。
【0032】
実施形態10:上記リン酸ケイ酸金属塩が、リン酸ケイ酸アルミニウム、リン酸ケイ酸亜鉛、リン酸ケイ酸カルシウム、リン酸ケイ酸ストロンチウム、またはそれらの組み合わせを含む、先行実施形態のいずれか1に記載の防食コーティング。
【0033】
実施形態11:上記防食材が粉末である、先行実施形態のいずれか1に記載の防食コーティング。
【0034】
実施形態12:上記防食材が上記ベース材中に混合されている、実施形態1~11のいずれか1に記載の防食コーティング。
【0035】
実施形態13:上記ベース材と上記防食材とが別個の2層である、実施形態1~11のいずれか1に記載の防食コーティング。
【0036】
実施形態14:上記防食材が上記ベース材上に塗工されている、実施形態13に記載の防食コーティング。
【0037】
実施形態15:第2のマトリクスを更に含み、上記防食材が第2のマトリクス中に混合されている、実施形態13または実施形態14に記載の防食コーティング。
【0038】
実施形態16:第2のマトリクスが、シリケート、エポキシ、セラミック、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態15に記載の防食コーティング。
【0039】
実施形態17:先行実施形態のいずれか1に記載の防食コーティングで被覆された基材。
【0040】
実施形態18:鋼鉄、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態17に記載の基材。
【0041】
実施形態19:航空機部品である、実施形態17または実施形態18に記載の基材。
【0042】
実施形態20:上記航空機部品が、プロペラブレード、プロペラシャンク、プロペラハブ、プロペラバレル、プロペラチューリップ、着陸装置部品、エンジン装置、エンジンディスク、シャフト、ストラット、またはカウンターウェイトである、実施形態19に記載の基材。
【0043】
用語「約」は、本出願の出願時点において利用可能な装置に基づく、特定の量の測定に伴う誤差の程度を包含することを意図する。
【0044】
本明細書において用いられる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本開示を限定することを意図しない。本明細書では、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形も同様に包含することを意図する。用語「含む(compises)」及び/または「含む(comprising)」は、本明細書で用いられる場合、記述される特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/または成分が存在することを特定する(及び「~からなる(consist(s) of)」、「~からなる(consisting of)」、「~から本質的になる(consist(s) essentially of)」、及び「~から本質的になる(consisting essentially of)」を包含する)が、1もしくは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、成分、及び/またはそれらの群の存在あるいは追加を必ずしも排除するものではないことが更に理解されよう。
【0045】
例示的な実施形態または複数の実施形態を参照して本開示を説明してきたが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができ、且つ均等物をもって上記実施形態の構成要素を置き換えることができることを理解しよう。更に、本開示の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または物質を本開示の教示に適合させるために多くの改変を行うこともできる。したがって、本開示は、本開示を実施することを企図した最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されることを意図するのではなく、本開示は特許請求の範囲内に入る全ての実施形態を包含することとなることを意図する。