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特許7419053螺旋密封剤機構を有するEME保護キャップシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】螺旋密封剤機構を有するEME保護キャップシステム
(51)【国際特許分類】
   B64C 1/00 20060101AFI20240115BHJP
【FI】
B64C1/00 A
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019230041
(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2020125099
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】16/238,768
(32)【優先日】2019-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オッフィンガー, ショーン
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴンズ, バート
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-182578(JP,A)
【文献】特表2014-508256(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0322982(US,A1)
【文献】特表2014-508262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 1/00
B64D 45/02
F16B 33/00
F16B 37/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物(14)を通って延在する金属ファスナ(12)を囲い込むための閉じ込めキャップアセンブリ(10)であって、
外面(18)の上部から延在する突起(17)を含む内側キャップ(16)、並びに
開口部(24)を画定する第1の端部(22)、及び、前記開口部(24)に連通する第1の空間(26)を画定する内面(25)を有する側壁(32)と、スロット(34)と、を備えた、外側キャップ(20)を備え、
前記開口部(24)の寸法(D)、及び前記外側キャップ(20)の前記内面(25)によって画定される前記第1の空間(26)の寸法(D1)が、それぞれ、前記内側キャップ(16)の前記外面(18)によって画定される寸法(D2)より大きく、前記外側キャップ(20)内に前記内側キャップ(16)を配置した状態で、第2の空間(28)が、前記外側キャップ(20)の前記側壁(32)の前記内面(25)と前記内側キャップ(16)の前記外面(18)との間画定され、
前記外側キャップ(20)の前記内面(25)によって画定される前記スロット(34)が、前記外側キャップ(20)の前記第1の端部(22)に対して第1の曲線方向(36)に前記第1の端部(22)から離れるように前記内面(25)に沿って延在し、前記内側キャップ(16)が前記外側キャップ(20)に挿入されると、前記突起(17)が前記スロット(34)内に配置され、前記突起(17)が前記スロット(34)内で前記第1の曲線方向(36)に移動するように構成されている、閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
【請求項2】
前記内側キャップ(16)が、第3の空間(38)を画定する内面(31)を有する側壁(30)を含み、
前記内側キャップ(16)の前記側壁(30)の第1の端部分(40)が、前記第3の空間(38)内に前記金属ファスナ(12)の少なくとも一部分を受け入れるための前記第3の空間(38)に連通する開口部(44)を画定する第1の端部(42)を含み、且つ
前記内側キャップ(16)の前記側壁(30)の反対側の第2の端部分(46)が、前記側壁(30)に固定された端壁(48)を含む、請求項1に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
【請求項3】
前記外側キャップ(20)内に配置された未硬化密封剤(54)を更に含み、前記内側キャップ(16)が前記外側キャップ(20)内に配置されると、前記未硬化密封剤(54)が、前記内側キャップ(16)の前記外面(18)と前記外側キャップ(20)の前記内面(25)との間の前記第2の空間(28)内に変位する、請求項1又は2に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
【請求項4】
前記外側キャップ(20)の前記側壁(32)に固定された端壁(39)が、前記内側キャップ(16)の前記端壁(48)と接触するように配置されると、前記外側キャップ(20)の前記側壁(32)の前記第1の端部(2)が、第1の平面(P)を定し、前記内側キャップ(16)の前記第1の端部(42)によって定された第2の平面(P’)から間隔を空けられる、請求項2または3に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
【請求項5】
前記内側キャップ(16)の前記第1の端部(42)が、前記構造物(14)上に配置されると、前記外側キャップ(20)の前記第1の端部(22)が、前記外側キャップ(20)と、前記内側キャップ(16)の周り延在する前記構造物(14)との間間隙(58)を画定する、請求項3又は4に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
【請求項6】
前記第2の空間(28)内に変位した未硬化密封剤(54)が、前記外側キャップ(20)の前記側壁(32)の前記第1の端部(2)と前記構造物(14)との間の間隙(58)に移動し、前記間隙(58)を通って移動し、前記間隙(58)から押し出される、請求項3から5のいずれか一項に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
【請求項7】
前記外側キャップ(20)の前記側壁(32)の前記第1の端部(22)が、前記スロット(34)に連通する開口部(35)を画定する、請求項1から6のいずれか一項に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
【請求項8】
前記第1の端部(22)に対して第2の曲線方向(36a)に前記第1の端部(22)から離れるように前記内面(25)に沿って延在する、前記外側キャップ(20)の前記内面(25)によって画定された第2のスロット(34a)を更に含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
【請求項9】
前記第2のスロット(34a)が、前記外側キャップ(20)の前記内面(25)の周に前記スロット(34)から間隔を空けられ、前記第2のスロット(34a)の前記第2の曲線方向(36a)が、螺旋方向に延在している、請求項8に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
【請求項10】
前記内側キャップ(16)の前記外面(18)から延在する第2の突起(17a)を更に含み、前記第2の突起(17a)が、第2のスロット(34a)内に配置された状態で、前記内側キャップ(16)が、前記外側キャップ(20)の中に移動されると、前記第2の突起(17a)が、前記第2のスロット(34a)内で第2の曲線方向(36a)に移動する、請求項8または9に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
【請求項11】
閉じ込めキャップアセンブリ(10)を用いて構造物(14)を通って延在する金属ファスナ(12)を囲い込むための方法(60)であって、
外側キャップ(20)の中に未硬化密封剤(54)を配置するステップ(62)であって、前記外側キャップ(20)が、
開口部(24)に連通する第1の空間(26)を画定する内面(25)、及び、前記開口部(24)を画定する第1の端部(22)を有する側壁(32)と、スロット(34)と、を備え、
前記開口部(2)の寸法(D)、及び前記外側キャップ(20)の前記内面(25)によって画定される前記第1の空間(26)の寸法(D1)が、それぞれ、内側キャップ(16)の外面(18)によって画定される寸法(D2)より大きく、前記外側キャップ(20)内に前記内側キャップ(16)を配置した状態で、第2の空間(28)が、前記外側キャップ(20)の前記内面(25)と前記内側キャップ(16)の前記外面(18)との間画定され、
前記外側キャップ(20)の前記内面(25)によって画定される前記スロット(34)が、前記第1の端部(22)に対して第1の曲線方向(36)に前記第1の端部(22)から離れるように前記内面(25)に沿って延在する、ステップ(62)、
構造物(14)から延在する金属ファスナ(12)を覆って前記内側キャップ(16)を配置するステップ(64)であって、前記内側キャップ(16)は、前記内側キャップ(16)の前記外面(18)の上部から延在する突起(17)を含む、ステップ(64)、並びに
前記突起(17)が前記スロット(34)によって受け入れられた状態で、前記内側キャップ(16)を前記外側キャップ(20)に挿入するステップ(66)であって、
前記スロット(34)に沿って前記第1の曲線方向(36)に前記突起(17)を移動させること、及び
前記第2の空間(28)内に配置された前記未硬化密封剤(54)を変位させることを含む、ステップ(66)を含む、方法(60)。
【請求項12】
前記内側キャップ(16)を挿入するステップ(66)が、前記外側キャップ(20)の前記第1の端部(22)から端壁(39)の内面(37)まで前記突起(17)を移動させることであって、前記端壁(39)の内面(37)が、前記外側キャップ(20)の前記側壁(32)に固定されており、前記外側キャップ(20)が、前記内側キャップ(16)に対して回転する、前記突起(17)を移動させることを更に含む、請求項11に記載の方法(60)。
【請求項13】
前記内側キャップ(16)を挿入するステップ(66)が、前記未硬化密封剤(54)を前記外側キャップ(20)の前記第1の端部(22)に向けて変位させることを更に含む、請求項11又は12に記載の方法(60)。
【請求項14】
前記挿入するステップ(66)が、前記未硬化密封剤(54)を、前記外側キャップ(20)の前記側壁(32)の前記第1の端部(22)と前記構造物(14)とによって画定された間隙(58)内に移動させることを更に含む、請求項13に記載の方法(60)。
【請求項15】
前記挿入するステップ(66)が、前記未硬化密封剤(54)を、前記構造物(14)に沿って前記間隙(58)から前記外側キャップ(20)の外側面(59)を越えて押し出すことを更に含む、請求項14に記載の方法(60)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電磁効果(「EME」)や雷撃イベントが生じた際に、金属ファスナが金属ファスナの近傍の中に電流や電気火花を伝送することを電気的に絶縁する、電気絶縁閉じ込め装置に関し、特に、密封剤と併せて使用されるキャップアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば航空機などのアセンブリを製造することにおいて、製造されているアセンブリの構造物を通って延在する金属ファスナを囲い込むために、キャップアセンブリが使用される。金属ファスナをキャップアセンブリで囲い込むことは、電磁効果(「EME」)や雷撃イベントが生じた際に、金属ファスナから航空機などの製造されているアセンブリ内の近傍に任意の電流又は電気火花が伝わることを絶縁することによって、金属ファスナが位置付けられている近傍を保護する。
【0003】
金属ファスナを電気的に絶縁するためにキャップアセンブリを設置することにおいて、キャップアセンブリが、未硬化密封剤で満たされ、次いで金属ファスナを覆って配置される。未硬化密封剤は、キャップアセンブリが金属ファスナを覆って設置された状態で、膨張する傾向がある。未硬化密封剤の膨張は、そこを通って金属ファスナが延在し、金属ファスナを囲い込むことにおいてキャップアセンブリが当接する、構造物の表面からキャップアセンブリを持ち上げる傾向がある。持ち上げられたキャップアセンブリは、金属ファスナを囲い込むために再設置される。再設置は、航空機などのアセンブリの製造において金属ファスナの電気的な絶縁を提供する費用を増加させる。
【0004】
更に、密封剤は、高密度の材料から構築され得るので、キャップアセンブリの内部容積が、この高密度の材料で満たされると、航空機などの製造されているアセンブリに更なる重量が追加される。航空機に対する重量の追加は、航空機の運航費用の増加をもたらし得る。
【0005】
金属ファスナの電気的な絶縁を提供すると共に、キャップアセンブリの内部容積が未硬化密封剤で満たされる結果として、不必要な更なる重量が航空機に追加されることを回避する、キャップアセンブリが必要とされている。未硬化密封剤の膨張による、構造物上に設置されたキャップアセンブリの持ち上げ効果が最小であるか、或いは全くないキャップアセンブリを提供することも必要である。
【発明の概要】
【0006】
構造物を通って延在する金属ファスナを囲い込むための閉じ込めキャップアセンブリであって、内側キャップの外面から延在する突起を有する内側キャップを含む閉じ込めキャップアセンブリ。閉じ込めキャップアセンブリは、開口部を画定する第1の端部、及び、開口部に連通する第1の空間を画定する内面を有する、側壁を含む外側キャップを更に含む。開口部の寸法、及び外側キャップの内面によって画定される第1の空間の寸法が、それぞれ、内側キャップの外面によって画定される寸法より大きい。それによって、外側キャップ内に内側キャップを配置した状態で、第2の空間が、外側キャップの側壁の内面と内側キャップの外面との間で画定される。外側キャップの内面によって画定されるスロットが、外側キャップの第1の端部に対して第1の曲線方向に第1の端部から離れるように内面に沿って延在する。その場合、突起がスロット内に配置された状態で、内側キャップが外側キャップの中に移動すると、突起が第1のスロット内で第1の曲線方向に移動する。
【0007】
閉じ込めキャップアセンブリを用いて構造物を通って延在する金属ファスナを囲い込むための方法であって、外側キャップの中に未硬化密封剤を配置するステップであって、外側キャップが、開口部に連通する第1の空間を画定する内面及び開口部を画定する第1の端部を有する側壁を含む、ステップを含む方法。開口部の寸法、及び外側キャップの内面によって画定される第1の空間の寸法が、それぞれ、内側キャップの外面によって画定される寸法より大きい。それによって、外側キャップ内に内側キャップを配置した状態で、第2の空間が、外側キャップの内面と内側キャップの外面との間で画定される。外側キャップの内面によって画定されるスロットが、第1の端部に対して第1の曲線方向に第1の端部から離れるように内面に沿って延在する。該方法は、構造物から延在する金属ファスナを覆って内側キャップを配置するステップであって、内側キャップは、内側キャップの外面から延在する突起を含む、内側キャップを配置するステップ、並びに、突起がスロットによって受け入れられた状態で、内側キャップを外側キャップの中に挿入するステップであって、スロットに沿って第1の曲線方向に突起を移動させること、及び、第2の空間内に配置された未硬化密封剤を変位させることを含む、ステップを更に含む。
【0008】
前述の特徴、機能、及び利点は、様々な例において個別に実現可能であるか、又は、更に別の例に組み込まれてよく、かかる更に別の例の更なる詳細事項は、以下の説明及び図面を参照することで理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】キャップアセンブリの内側キャップが金属ファスナを囲い込んだ状態のキャップアセンブリの分解斜視図である。
図2】キャップアセンブリの外側キャップの斜視底面図を伴った、図1の閉じ込めキャップアセンブリの分解図である。
図3】外側キャップが図5で見られるような設置配向にある状態の、図1の3‐3線に沿った閉じ込めキャップアセンブリの断面図である。
図4】未硬化密封剤が絞り出されてキャップアセンブリの周りに配置された状態の、組み立てられ且つ設置された図1の閉じ込めキャップアセンブリの斜視図である。
図5】組み立てられ且つ設置された図3の閉じ込めキャップアセンブリである。
図6図5の6‐6線に沿った閉じ込めキャップアセンブリの断面図である。
図7】閉じ込めキャップアセンブリを使用して、構造物を通って延在する金属ファスナを囲い込むための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1から図3を参照すると、金属ファスナ12が位置付けられた構造物14内の近傍から金属ファスナ12を電気的に絶縁するための閉じ込めキャップアセンブリ10が、構造物14を通って延在する金属ファスナ12を囲い込む。金属ファスナ12を電気的に絶縁することは、電磁効果(「EME」)や雷撃イベントが生じた際に、金属ファスナ12から航空機の範囲内などの近傍に任意の電流又は電気火花が伝わることを絶縁することによって、その近傍を保護する。閉じ込めキャップアセンブリ10は、内側キャップ16を含む。図3で見られるように、内側キャップ16は、内側キャップ16と構造物14の囲い込み内に包含される金属ファスナ12の一部分を囲い込む。本明細書で更に説明されることとなるように、内側キャップ16は、内側キャップ16の外面18から延在する突起17も含む。閉じ込めキャップアセンブリ10は、外側キャップ20も含む。図2で見られるように、外側キャップ20は、開口部24を画定する第1の端部22、及び第1の空間26を画定する内面25を有する、側壁21を含む。内面25は、第1の端部22から外側キャップ20の中に延在し、外側キャップ20内の第1の空間26を画定する。開口部24は、第1の空間26と連通する。図5で見られるように、第1の空間26は、第1の空間26の中への内側キャップ16のアクセス及び配置を可能にする。内側キャップ16及び外側キャップ20は、幅広い様々な非導電性材料のうちの1つから構築されてよく、この実施例では、熱可塑性材料から構築されている。
【0011】
図3を参照すると、外側キャップ20の開口部24の寸法Dと外側キャップ20の内面25によって画定される第1の空間26の寸法D1は、それぞれ、内側キャップ16の外面18によって画定される寸法D2より大きい。寸法D及びD1が寸法D2より大きいので、図5で見られるように、内側キャップ16は外側キャップ20内に配置されてよい。それによって、第2の空間28が、外側キャップ20の側壁32の内面25と内側キャップ16の側壁30の外面18との間で画定される。図2で見られるように、外側キャップ20内に内側キャップ16を挿入することにおいて、内側キャップ16の突起17が、外側キャップ20の第1の端部22によって画定される開口部35において、スロット34内に挿入される。
【0012】
外側キャップ20の内面25によって画定されるスロット34は、第1の端部22に対して曲線方向36に第1の端部22から離れるように外側キャップ20の内面25に沿って延在する。この実施例では、曲線方向36が螺旋方向にある。この実施例では、図5で見られるように、突起17がスロット34内に配置された状態で、内側キャップ16が外側キャップ20の中に移動されると、図2図3、及び図5で見られるように、この実施例では、突起17が、外側キャップ20の端壁39の内面37に到達し当接するまで、スロット34内の曲線方向36に移動する。外側キャップ20の端壁39は、様々な形状のうちの1つであってよい。端壁39が、この実施例では、平坦な形状を有し、端壁39の他の実施例では、ドーム形状又は他の所望の形状を含んでよい。突起17が曲線方向36に沿って移動すると、外側キャップ20は、内側キャップ16に対して回転する。突起17が、スロット34と係合し、スロット34の曲線方向36を辿るように、突起17は、様々な形状のうちの1つに構築されてよい。
【0013】
図2図3、及び図5で見られるように、スロット34は、突起17をスロット34内に制限する対向する側壁41と43を有する。この実施例では、図3で見られるように、側壁41が、曲線方向36に延在し、突起17が外側キャップ20の第1の端部22に向かって移動することをブロックする。図5で見られるように、第2の空間28内に配置された未硬化密封剤54の膨張が生じた際に、側壁41は、図3で見られるように、外側キャップ20が方向45に持ち上げられることをブロックしそれに抵抗する。更に、図3で見られるように、未硬化密封剤54を包含する外側キャップ20の中に内側キャップ16を挿入した状態で第2の空間28内に変位した、スロット34内に配置された未硬化密封剤54は、スロット34内で突起17が移動することに抵抗する。図5で見られるように、外側キャップ20の中への内側キャップ16の挿入は、第2の空間28内で外側キャップ20の第1の端部22に向けて未硬化密封剤54を変位させ、未硬化密封剤54は、第2の空間28に沿って配置されたスロット34の中へ及びそれに沿って移動する。結果として、外側キャップ20の第1の端部22に対するスロット34の側壁41の角度位置、及びスロット34の中に変位した未硬化密封剤54は、方向45にかけられた、未硬化密封剤54の膨張から外側キャップ20へ加えられた持ち上げ力によって、突起17が外側キャップ20の第1の端部22に向かって移動することに抵抗する。
【0014】
図2で見られるように、外側キャップ20の側壁32の第1の端部22は、スロット34に位置合わせされ且つスロット34に連通する開口部35を画定する。この実施例では、更なる突起が、内側キャップ16の外面18から延在するように配置され、更なる対応するスロットが、外側キャップ20の内面25に沿って配置され且つ画定されている。第2の突起17a及び第3の突起17bが、内側キャップ16の外面18から延在し、その場合、第2の突起17aは、突起17から内側キャップ16の周方向に間隔を空けて配置され、第3の突起17bは、突起17a及び突起17から内側キャップ16の周方向に間隔を空けて配置される。図2図3図5、及び図6で見られるように、この実施例は、外側キャップ20の内面25によって画定された第2のスロット34aを更に含む。第2のスロット34aは、外側キャップ20の第1の端部22に対して第2の曲線方向36aに第1の端部22から離れるように内面25に沿って延在し、対向する側壁41aと図43aを有する。同様に、この実施例は、外側キャップ20の内面25によって画定された第3のスロット34bも含む。第3のスロット34bは、外側キャップ20の第1の端部22に対して第3の方向36bに第1の端部22から離れるように内面25に沿って延在し、対向する側壁41bと43bを有する。この実施例における曲線方向36、36a、及び36bは、概して、外側キャップ20の内面25に沿って互いに対して平行に延在する。
【0015】
外側キャップ20の側壁32の第1の端部22は、第2の開口部35aを画定する。第2の開口部35aは、第2のスロット34aに位置合わせされ且つ第2のスロット34aに連通する。外側キャップ20の側壁32の第1の端部22は、第3の開口部35bも画定する。第3の開口部35bは、第3のスロット34bに位置合わせされ且つ第3のスロット34bに連通する。3つの突起の全て17、17a、及び17bは、それぞれ、開口部35、第2の開口部35a、及び第3の開口部35bの中に挿入され、外側キャップ20の中に内側キャップ16を継続的に挿入すると、突起17、17a、及び17bは、それぞれ、スロット34、34a、及び34bに沿って移動する。第2のスロット34aは、外側キャップ20の内面25の周方向にスロット34から間隔を空けられ、第3のスロット34bは、内面25の周方向に第2のスロット34a及びスロット34から間隔を空けられている。この実施例では、第2のスロット34aの第2の曲線方向が、スロット34や第3のスロット34bなどがそうであるように、螺旋方向に延在する。突起17、第2の突起17a、及び第3の突起が、それぞれ、スロット34、第2のスロット34a、及び第3のスロット34b内に配置された状態で、内側キャップ16は外側キャップ20の中へ挿入され、突起17、第2の突起17a、及び第3の突起17bは、それぞれ、第2のスロット34、第2のスロット34a、及び第3のスロット34b内で、曲線方向36、第2の曲線方向36a、及び第3の曲線方向36bに移動する。突起17、第2の突起17a、及び第3の突起17bが、それぞれ、曲線方向36、第2の曲線方向36a、及び第3の曲線方向36bに移動すると、外側キャップ20は、内側キャップ16に対して回転する。図5で見られるように、外側キャップ20は、外側キャップ20の端壁39が、内側キャップ16の端壁48に当接した関係で設置されている。
【0016】
図3及び図5で見られるように、内側キャップ16は、内面31を有する側壁30を含む。内面31は、第3の空間38を画定し、側壁30の第1の端部分40は、第1の端部42を含む。第1の端部42は、第3の空間38内に金属ファスナ12の少なくとも一部分を受け入れるための第3の空間38に連通する開口部44を画定する。側壁30の反対側の第2の端部分46は、側壁30に固定された端壁48を含む。閉じ込めキャップアセンブリ10のこの実施例では、図6で見られるように、内側キャップ16の断面が、円形状50を画定する側壁30を含む。同様に、外側キャップ20の断面は、これも円形状52を画定する側壁32を含む。円形状は、金属ファスナ12を囲い込むことにおいて構造物14に対する空間の占有を最適化し、外側キャップ20が内側キャップ16の周りで内側キャップ16に対して回転することを可能にする。
【0017】
閉じ込めキャップアセンブリ10は、上述されたように、図2及び図3で見られるように、外側キャップ20内に配置された未硬化密封剤54を含む。内側キャップ16が外側キャップ20内に配置されると、図5で見られるように、未硬化密封剤54が、内側キャップ16の外面18と外側キャップ20の内面25の間の第2の空間28内に変位する。未硬化密封剤54は、スロット34内にも変位し、この実施例では、第2のスロット34aの中及び第3のスロット34bの中にも変位する。図5で見られるように、外側キャップ20の側壁32に固定された端壁39が、内側キャップ16の端壁48に接触するように配置されると、外側キャップ20の側壁32が、構造物14に当接した内側キャップ16の第1の端部42によって規定される第2の平面P’から間隔を空けて、第1の平面Pを規定する第1の端部22を配置する。内側キャップ16の第1の端部42が構造物14の表面15上に配置されると、外側キャップ20の第1の端部22は、外側キャップ20と、内側キャップ16の周りで延在している構造物14の表面15との間に間隙58を画定する。内側キャップ16の端壁48が、外側キャップ20の端壁39に当接した状態で、図2及び図3で見られるように、閉じ込めキャップアセンブリ10の外側キャップ20内に元々配置されていた未硬化密封剤54は、第2の空間28内に且つ第2の空間28に沿って、且つスロット34、第2のスロット34a、及び第3のスロット34bの中へ、外側キャップ20の第1の端部22に向けて変位する。未硬化密封剤54は、第2の空間28内から、外側キャップ20の側壁32の第1の端部22と構造物14との間の間隙58を通って移動し、間隙58から押し出される。
【0018】
測定された量の未硬化密封剤が外側キャップ20内に配置されると、間隙58を通って押し出される未硬化密封剤の量は制御され得る。押し出された未硬化密封剤54は、取り除かれ、更に第2の空間28が密封閉鎖され、設置者が設置向けに更なる密封剤を提供する必要はない。本実施例では、測定された量の未硬化密封剤54が外側キャップ20内に配置された状態で、外側キャップ20が、設置者に提供されてよい。閉じ込めキャップアセンブリ10が設置されると、閉じ込めキャップアセンブリ10向けの未硬化密封剤54は、内側キャップ16と外側キャップ20の間に配置された第2の空間28の制限された容積内に配置される。内側キャップ16又は外側キャップ20によって画定される容積を完全に満たす必要はない。結果として、金属ファスナ12の密封は、低減された量の未硬化密封剤54を用いて実現される。比較的少ない量の未硬化密封剤54を使用することによって、閉じ込めキャップアセンブリ10の固定のための重量を低減させ、例えば、航空機アセンブリに関連付けられた閉じ込めキャップアセンブリ10の使用に伴う運航費用を少なくすることができる。更に、普通であれば未硬化密封剤54の膨張の結果として被り得る、閉じ込めキャップアセンブリ10設置の再作業を最小化することによって、更なる設置費用が節約される。スロット34に関連する突起17の上述された動作は、内側キャップ16に対する外側キャップ20の持ち上げ移動を制限し、内側キャップ16からの外側キャップ20持ち上げの発生を低減させる。
【0019】
閉じ込めキャップアセンブリ10を用いて構造物14を通って延在する金属ファスナ12を囲い込むための方法60は、外側キャップ20の中に未硬化密封剤54を配置するステップ62であって、外側キャップ20が、第1の空間26を画定する内面25及び開口部24を画定する第1の端部22を有する側壁32を含む、ステップ62を含む。開口部24は第1の空間26と連通している。外側キャップ20は、開口部24の寸法D、及び外側キャップ20の内面25によって画定される第1の空間26の寸法D1を更に含み、それらは、それぞれ、内側キャップ16の外面によって画定される寸法D2より大きい。それによって、図5で見られるように、外側キャップ20内に内側キャップ16を配置すると、外側キャップ20の内面25と内側キャップ16の外面18の間で、第2の空間28が画定される。外側キャップ20の内面25によって画定されるスロット34は、第1の端部22に対して曲線方向36に第1の端部22から離れるように内面25に沿って延在する。方法60は、構造物14から延在する金属ファスナ12を覆って内側キャップ16を配置するステップ64であって、内側キャップ16が、内側キャップ16の外面18から延在する突起17を含む、ステップ64を更に含む。方法60は、突起17がスロット34によって受け入れられた状態で、外側キャップ20の中に内側キャップ16を挿入するステップ66であって、スロット34に沿って曲線方向36に突起17を移動させること、及び第2の空間28内に配置された未硬化密封剤54を変位させることを含む、ステップ66を更に含む。
【0020】
内側キャップ16を挿入するステップ66は、突起17を、外側キャップ20の第1の端部22から外側キャップ20の側壁32に固定された端壁39の内面37まで移動させることを更に含む。その場合、外側キャップ20は、内側キャップ16に対して回転する。内側キャップ16を挿入するステップ66は、外側キャップ20の第1の端部22に向けて未硬化密封剤54を変位させることを更に含み、外側キャップ20の側壁32の第1の端部22と構造物14とによって画定された間隙58内に未硬化密封剤54を移動させることを含む。挿入するステップ66は、構造物14に沿って且つ外側キャップ20の外側面59を越えて間隙58から未硬化密封剤54を押し出すことを更に含む。外側キャップ20の外側に配置された未硬化密封剤54は、設置者によって取り除かれ、更に第2の空間28が密封閉鎖され、外側キャップ20を内側キャップ16に固定し、内側キャップ16と外側キャップ20の両方を構造物14に固定する。
【0021】
更に、本開示は以下の条項による実施例を含む。
条項1.
構造物(14)を通って延在する金属ファスナ(12)を囲い込むための閉じ込めキャップアセンブリ(10)であって、
外面(18)から延在する突起(17)を含む内側キャップ(16)、並びに
開口部(24)を画定する第1の端部(22)、及び、前記開口部(24)に連通する第1の空間(26)を画定する内面(25)を有する側壁(21)と、スロット(34)と、を備えた、外側キャップ(20)を備え、
前記開口部(24)の寸法(D)、及び前記外側キャップ(20)の前記内面(25)によって画定される前記第1の空間(26)の寸法(D1)が、それぞれ、前記内側キャップ(16)の前記外面(18)によって画定される寸法(D2)より大きく、前記外側キャップ(20)内に前記内側キャップ(16)を配置した状態で、第2の空間(28)が、前記外側キャップ(20)の前記側壁(21)の前記内面(25)と前記内側キャップ(16)の前記外面(18)との間で画定され、
前記外側キャップ(20)の前記内面(25)によって画定される前記スロット(34)が、前記外側キャップ(20)の前記第1の端部(22)に対して第1の曲線方向(36)に前記第1の端部(22)から離れるように前記内面(25)に沿って延在し、前記突起(17)が前記スロット(34)内に配置された状態で、前記内側キャップ(16)が前記外側キャップ(20)の中に移動すると、前記突起(17)が前記スロット(34)内で前記第1の曲線方向(36)に移動する、閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
条項2.
前記内側キャップ(16)及び前記外側キャップ(20)が、熱可塑性材料から構築されている、条項1に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
条項3.
前記内側キャップ(16)が、第3の空間(38)を画定する内面(31)を有する側壁(30)を含み、
前記内側キャップ(16)の前記側壁(30)の第1の端部分(40)が、前記第3の空間(38)内に前記金属ファスナ(12)の少なくとも一部分を受け入れるための前記第3の空間(38)に連通する開口部(44)を画定する第1の端部(42)を含み、且つ
前記内側キャップ(16)の前記側壁(30)の反対側の第2の端部分(46)が、前記側壁(30)に固定された端壁(48)を含む、条項1又は2に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
条項4.
前記内側キャップ(16)の断面が、円形状(50)を画定する前記側壁(30)を含む、条項1から3のいずれか一項に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
条項5.
前記外側キャップ(20)の断面が、円形状(52)を画定する、条項1から4のいずれか一項に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
条項6.
前記外側キャップ(20)内に配置された未硬化密封剤(54)を更に含み、前記内側キャップ(16)が前記外側キャップ(20)内に配置されると、前記未硬化密封剤(54)が、前記内側キャップ(16)の前記外面(18)と前記外側キャップ(20)の前記内面(25)との間の前記第2の空間(28)内に変位する、条項1から5のいずれか一項に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
条項7.
前記外側キャップ(20)の前記側壁(32)に固定された端壁(39)が、前記内側キャップ(16)の前記端壁(48)と接触するように配置されると、前記外側キャップ(20)の前記側壁(32)の前記第1の端部(42)が、第1の平面(P)を規定し、前記内側キャップ(16)の前記第1の端部(42)によって規定された第2の平面(P’)から間隔を空けられる、条項1から6のいずれか一項に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
条項8.
前記内側キャップ(16)の前記第1の端部(42)が、前記構造物(14)上に配置されると、前記外側キャップ(20)の前記第1の端部(22)が、前記外側キャップ(20)と、前記内側キャップ(16)の周りで延在する前記構造物(14)との間で間隙(58)を画定する、条項3から7のいずれか一項に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
条項9.
前記第2の空間(28)内に変位した未硬化密封剤(54)が、前記外側キャップ(20)の前記側壁(32)の前記第1の端部(42)と前記構造物(14)との間の前記間隙(58)に移動し、前記間隙(58)を通って移動し、前記間隙(58)から押し出される、条項6から8のいずれか一項に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
条項10.
前記第1の曲線方向(36)が、螺旋方向に延在する、条項1から9のいずれか一項に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
条項11.
前記外側キャップ(20)の前記側壁(32)の前記第1の端部(22)が、前記スロット(34)に連通する開口部(35)を画定する、条項1から10のいずれか一項に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
条項12.
前記第1の端部(22)に対して第2の曲線方向(36a)に前記第1の端部(22)から離れるように前記内面(25)に沿って延在する、前記外側キャップ(20)の前記内面(25)によって画定された第2のスロット(34a)を更に含む、条項1から11のいずれか一項に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
条項13.
前記第2のスロット(34a)が、前記外側キャップ(20)の前記内面(25)の周方向に前記スロット(34)から間隔を空けられている、条項12に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
条項14.
前記第2のスロット(34a)の前記第2の曲線方向(36a)が、螺旋方向に延在する、条項12に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
条項15.
前記内側キャップ(16)の前記外面(18)から延在する第2の突起(17a)を更に含み、前記第2の突起(17a)が、前記第2のスロット(34a)内に配置された状態で、前記内側キャップ(16)が、前記外側キャップ(20)の中に移動されると、前記第2の突起(17a)が、前記第2のスロット(34a)内で前記第2の曲線方向(36a)に移動する、条項12に記載の閉じ込めキャップアセンブリ(10)。
条項16.
閉じ込めキャップアセンブリ(10)を用いて構造物(14)を通って延在する金属ファスナ(12)を囲い込むための方法(60)であって、
外側キャップ(20)の中に未硬化密封剤(54)を配置するステップ(62)であって、前記外側キャップ(20)が、
開口部(24)に連通する第1の空間(26)を画定する内面(25)、及び、前記開口部(24)を画定する第1の端部(22)を有する側壁(32)と、スロット(34)と、を備え、
前記開口部(25)の寸法(D)、及び前記外側キャップ(20)の前記内面(25)によって画定される前記第1の空間(26)の寸法(D1)が、それぞれ、内側キャップ(16)の外面(18)によって画定される寸法(D2)より大きく、前記外側キャップ(20)内に前記内側キャップ(16)を配置した状態で、第2の空間(28)が、前記外側キャップ(20)の前記内面(25)と前記内側キャップ(16)の前記外面(18)との間で画定され、
前記外側キャップ(20)の前記内面(25)によって画定される前記スロット(34)が、前記第1の端部(22)に対して前記第1の曲線方向(36)に前記第1の端部(22)から離れるように前記内面(25)に沿って延在する、ステップ(62)、
構造物(14)から延在する金属ファスナ(12)を覆って前記内側キャップ(16)を配置するステップ(64)であって、前記内側キャップ(16)は、前記内側キャップ(16)の前記外面(18)から延在する突起(17)を含む、ステップ(64)、並びに
前記突起(17)が前記スロット(34)によって受け入れられた状態で、前記内側キャップ(16)を前記外側キャップ(20)の中に挿入するステップ(66)であって、
前記スロット(34)に沿って前記第1の曲線方向(36)に前記突起(17)を移動させること、及び
前記第2の空間(28)内に配置された前記未硬化密封剤(54)を変位させることを含む、ステップ(66)を含む、方法(60)。
条項17.
前記内側キャップ(16)を挿入するステップ(66)が、前記外側キャップ(20)の前記第1の端部(22)から端壁(39)の内面(37)まで前記突起(17)を移動させることであって、前記端壁(39)の内面(37)が、前記外側キャップ(20)の前記側壁(32)に固定されており、前記外側キャップ(20)が、前記内側キャップ(16)に対して回転する、前記突起(17)を移動させることを更に含む、条項16に記載の方法(60)。
条項18.
前記内側キャップ(16)を挿入するステップ(66)が、前記未硬化密封剤(54)を前記外側キャップ(20)の前記第1の端部(22)に向けて変位させることを更に含む、条項16又は17に記載の方法(60)。
条項19.
前記挿入するステップ(66)が、前記未硬化密封剤(54)を、前記外側キャップ(20)の前記側壁(32)の前記第1の端部(22)と前記構造物(14)とによって画定された間隙(58)内に移動させることを更に含む、条項18に記載の方法(60)。
条項20.
前記挿入するステップ(66)が、前記未硬化密封剤(54)を、前記構造物(14)に沿って前記間隙(58)から前記外側キャップ(20)の外側面(59)を越えて押し出すことを更に含む、条項19に記載の方法(60)。
【0022】
上記では様々な例について説明してきたが、この開示は、それらに限定されることを意図するものではない。開示されている例には変形が加えられてよく、これらの変形も付随する特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7