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特許7419066光学部材、発光装置、表示装置および照明装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】光学部材、発光装置、表示装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/02 20060101AFI20240115BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240115BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20240115BHJP
   F21V 5/02 20060101ALI20240115BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALN20240115BHJP
   G09F 9/00 20060101ALN20240115BHJP
   F21Y 105/10 20160101ALN20240115BHJP
   F21Y 107/70 20160101ALN20240115BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240115BHJP
【FI】
G02B5/02 C
F21S2/00 481
F21V5/00 530
F21V5/02 100
F21V5/02 300
G02F1/13357
G09F9/00 324
G09F9/00 336G
F21Y105:10
F21Y107:70
F21Y115:10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019521976
(86)(22)【出願日】2018-03-29
(86)【国際出願番号】 JP2018013135
(87)【国際公開番号】W WO2018220978
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2021-03-29
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-16
(31)【優先権主張番号】P 2017108337
(32)【優先日】2017-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316009762
【氏名又は名称】サターン ライセンシング エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Saturn Licensing LLC
【住所又は居所原語表記】25 Madison Avenue New York,NY,USA
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 徳昌
(72)【発明者】
【氏名】浅川 弘樹
【合議体】
【審判長】里村 利光
【審判官】井口 猶二
【審判官】河原 正
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/057394(WO,A1)
【文献】特開2017-68248(JP,A)
【文献】国際公開第2014/157461(WO,A1)
【文献】特開2004-69879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、第1の光学部材と、液晶パネルとを順に備え、
前記第1の光学部材は、
第1の軸方向と直交する第1の面に沿って広がる第1の透明光学シートと、
前記第1の軸方向において前記第1の透明光学シートと重なり合うように配置され、前記第1の面に沿って広がる第2の透明光学シートと
を有し、
前記第1の透明光学シートは、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第1の入射光が前記第1の面に平行な第2の軸方向に沿った第1の方向へ屈折してなる第1の射出光を前記液晶パネルへ向けて射出する第1の領域部分と、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第2の入射光が前記第1の方向と反対向きの第2の方向へ屈折してなる第2の射出光を前記液晶パネルへ向けて射出する第2の領域部分とが、前記第2の軸方向において交互に配置された構造を含み、
前記第2の透明光学シートは、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第3の入射光が前記第1の面に平行な第3の軸方向に沿った第3の方向へ屈折してなる第3の射出光を前記液晶パネルへ向けて射出する第3の領域部分と、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第4の入射光が前記第3の方向と反対向きの第4の方向へ屈折してなる第4の射出光を前記液晶パネルへ向けて射出する第4の領域部分とが、前記第3の軸方向において交互に配置された構造を含み、
前記第2の軸方向に対する前記第3の軸方向のなす角度は0°よりも大きく45°未満であり、
ランバート則に従う光線強度配光特性を有する
表示装置。
【請求項2】
前記液晶パネルから見て前記第1の光学部材と反対側に第2の光学部材をさらに備え、
前記第2の光学部材は、前記液晶パネルから入射する画像光を、前記画像光の入射角度範囲よりも広い出射角度範囲で前記液晶パネルと反対側に出射する
請求項記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入射光の配光調整を行う光学部材、ならびにこれを備えた発光装置、表示装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに、入射光線を透過する際に、その透過光の配光特性を調整する光学部材として種々の技術が提案されている(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】LIGHT SHAPING DIFFUSER OVERVIEW、[平成29年4月21日検索]、インターネット<URL:http://www.luminitco.com/products/light-shaping-diffusers>
【発明の概要】
【0004】
ところで、このような光学部材においては、簡素な構成でありながら所望の配光特性が得られることが望まれる。
【0005】
したがって、簡素な構成でありながら所望の配光特性が得られる光学部材、ならびにそれを備えた発光装置、表示装置および照明装置を提供することが望ましい。
【0006】
本開示の一実施形態としての光学部材は、第1の軸方向と直交する第1の面に沿って広がる第1の透明光学シートと、第1の軸方向において第1の光学シートと重なり合うように配置され、第1の面に沿って広がる第2の透明光学シートとを有する。第1の透明光学シートは、第1の軸方向に沿って進行する第1の入射光が第1の面に平行な第2の軸方向に沿った第1の方向へ屈折してなる第1の射出光を射出する第1の領域部分と、第1の軸方向に沿って進行する第2の入射光が第1の方向と反対向きの第2の方向へ屈折してなる第2の射出光を射出する第2の領域部分とが、第2の軸方向において交互に配置された構造を含む。第2の透明光学シートは、第1の軸方向に沿って進行する第3の入射光が第1の面に平行な第3の軸方向に沿った第3の方向へ屈折してなる第3の射出光を射出する第3の領域部分と、第1の軸方向に沿って進行する第4の入射光が第3の方向と反対向きの第4の方向へ屈折してなる第4の射出光を射出する第4の領域部分とが、第3の軸方向において交互に配置された構造を含む。ここで、第2の軸方向に対する第3の軸方向のなす角度は0°以上45°未満である。
【0007】
本開示の一実施形態としての光学部材では、簡素な構成でありながら、例えば第1の軸方向への集光性能が向上する。
【0008】
本開示の一実施形態としての光学部材によれば、簡素な構成でありながら所望の配光特性が得られる。よって、この光学部材を備えた表示装置によれば、例えば優れた視野角特性を実現できる。また、この光学部材を備えた照明装置によれば、例えば配光方向による照明光の偏りを緩和するなど、照明光の指向性の調整が実現できる。
なお、本開示の効果はこれに限定されるものではなく、以下に記載のいずれの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の第1の実施の形態に係る発光装置の全体構成例を表す斜視図である。
図2図1に示した光学部材の要部の構成を表す断面図である。
図3A】参考例としての光学部材を透過する光の経路を模式的に表す断面図である。
図3B図1に示した発光装置における光源光の光強度分布などを表す特性図である。
図3C図3Aに示した参考例としての光学部材に入射した光の光強度分布を表す特性図である。
図3D図1に示した光学部材からの射出光の光強度分布をなど表す特性図である。
図4図1に示した光学部材を透過する光の経路を模式的に表す断面図である。
図5図3に示した参考例としての光学部材における入射角と射出角との関係を表す特性図である。
図6図1に示した光学部材における入射角と射出角との関係を表す特性図である(透過モードI)。
図7図1に示した光学部材における入射角と射出角との関係を表す特性図である(透過モードII)。
図8図1に示した光学部材における入射角と射出角との関係を表す特性図である(全体)。
図9図1に示した光学部材における入射角と射出角との関係を表す他の特性図である(全体)。
図10図1に示した光学部材における入射角と射出角との関係を表す他の特性図である(全体)。
図11図1に示した光学部材における入射角と射出角との関係を表す他の特性図である(全体)。
図12図1に示した発光装置から射出される光の強度分布を表す特性図である。
図13】本開示の第2の実施の形態に係る表示装置の外観を表す斜視図である。
図14図13に示した本体部を分解して表す斜視図である。
図15図14に示したパネルモジュールを分解して表す斜視図である。
図16A】本開示の表示装置を搭載したタブレット型端末装置の外観を表す斜視図である。
図16B】本開示の表示装置を搭載した他のタブレット型端末装置の外観を表す斜視図である。
図17】本開示の発光ユニットを備えた第1の照明装置の外観を表す斜視図である。
図18】本開示の発光ユニットを備えた第2の照明装置の外観を表す斜視図である。
図19】本開示の発光ユニット装置を備えた第3の照明装置の外観を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(発光装置)
射出面に凹凸構造がそれぞれ設けられた2つの透明光学シートを有する光学部材を備えた発光装置の例。
2.第2の実施の形態(液晶表示装置)
発光装置を備えた液晶表示装置の例。
3.表示装置の適用例
4.照明装置の適用例
5.その他の変形例
【0011】
<1.第1の実施の形態>
[1.1 発光装置100の構成]
図1は、本開示の第1の実施の形態としての発光装置100の全体構成例を表した斜視図である。この発光装置100は、例えば、透過型の液晶パネルを背後から照明するバックライトとして、あるいは室内等において照明装置として用いられるものである。発光装置100は、図1に示したように、例えば光源1と光学部材2とを有する。光源1は、例えば基板1Aと、基板1Aの上にマトリックス状に配列された複数の発光部1Bとを有する。光学部材2は、それら複数の発光部1Bと対向するように共通に配置された光学シート10と、その光学シート10から見て光源1と反対側に設けられた光学シート20とを有する。なお、図1では、基板1A上において複数の発光部1Bが互いに直交するX軸方向およびY軸方向の双方に沿って配列されている例を示しているが、本開示はこれに限定されるものではない。また、発光部1Bと光学部材2との間に他の光学シートなどを設けるようにしてもよい。
【0012】
本明細書では、光源1と光学部材2との距離方向をZ軸方向(前後方向または厚さ方向)とし、基板1Aおよび光学シート10,20の主面(最も広い面)における上下方向をX軸方向、左右方向をY軸方向とする。ここで、Z軸方向が本開示の「第1の軸方向」に対応する一具体例であり、X軸方向が本開示の「第2の軸方向」に対応する一具体例である。また、Z軸方向と直交するXY面が本開示の「第1の面」に対応する一具体例である。
【0013】
発光部1Bは、例えば、LED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)により構成される発光素子を有している。また、発光部1Bと光学部材2との間に他の光学シートを介在させるなどして、発光部1Bから発せられた光がランバート則に則って配光されるようになっているとよい。
【0014】
[1.2 光学部材2の構成]
先に述べたように、光学部材2は、Z軸方向において互いに重なり合うように配置され、それぞれXY面に沿って広がる光学シート10および光学シート20を有している。光学シート10および光学シート20は、いずれもZ軸方向に厚みを有するプリズムシートと呼ばれるものであり、例えばガラスや比較的高い屈折率を有する熱可塑性樹脂などの透明体からなる。光学シート10は、光学シート20と反対側、すなわち光源1の複数の発光部1Bと向き合う面10S1と、面10S1と反対側であって光学シート20と向き合う面10S2とを有している。光学シート10は、発光部1Bからの光が面10S1から入射したのち、面10S2から出射されるようになっている。光学シート20は、光学シート10の面10S2と向き合う面20S1と、面20S1と反対側に設けられた面20S2とを有している。光学シート20は、光学シート10を透過した光が面20S1から入射したのち、面20S2から出射されるようになっている。
ここで、光学シート10が本開示の「第1の透明光学シート」に対応する一具体例であり、光学シート20が本開示の「第2の透明光学シート」に対応する一具体例である。また、面10S1が本開示の「第1の光入射面」に対応する一具体例であり、面20S1が本開示の「第2の光入射面」に対応する一具体例である。
【0015】
次に、図2を参照して、光学シート10および光学シート20における詳細な構成について説明する。図2は、発光装置100のうちの光学部材2の一部を拡大して表す断面図
であり、図1に示したII-II線に沿った矢視方向の断面を表している。
【0016】
図2に示したように、光学シート10は、領域部分11と領域部分12とが、X軸方向において交互に配置された構造を含んでいる。具体的には、例えば面10S1はXY面に平行な平坦面である一方、面10S2は、X軸方向に沿って複数並ぶ突起部T1を有している。各々の突起部T1は、例えばY軸方向を高さ方向として延在する三角柱状の部分であり、斜面S1と斜面S2とが頂角V1をなすように接する頂点P1を含んでいる。斜面S1は領域部分11を占めており、斜面S2は領域部分12を占めている。
【0017】
同様に、光学シート20は、領域部分21と領域部分22とが、X軸方向において交互に配置された構造を含んでいる。具体的には、例えば面20S1はXY面に平行な平坦面である一方、面20S2は、X軸方向に沿って複数並ぶ突起部T2を有している。各々の突起部T2は、Y軸方向を高さ方向として延在する三角柱状の部分であり、斜面S3と斜面S4とが頂角V2をなすように接する頂点P2を含んでいる。斜面S3は領域部分21を占めており、斜面S4は領域部分22を占めている。ここで、頂角V1は頂角V2よりも大きいとよい。また、頂角V1は90°以上130°以下であり、頂角V2は90°以上95°以下であるとよい。
【0018】
ここで、複数の領域部分11は、いずれもX軸方向において実質的に同じ幅W11を有し、複数の領域部分12は、いずれもX軸方向において実質的に同じ幅W2を有しているとよい。すなわち、複数の領域部分11および複数の領域部分12は、X軸方向において一定のピッチ(幅W1+幅W2)で配置されているとよい。同様に、複数の領域部分21は、いずれもX軸方向において実質的に同じ幅W3を有し、複数の領域部分22は、いずれもX軸方向において実質的に同じ幅W4を有しているとよい。すなわち、複数の領域部分21および複数の領域部分22は、X軸方向において一定のピッチ(幅W3+幅W4)で配置されているとよい。なお、図2Aでは、X軸方向における領域部分11の位置とX軸方向における領域部分21の位置とが一致している場合を例示しているが、本開示はこれに限定されるものではない。同様に、X軸方向における領域部分12の位置とX軸方向における領域部分22の位置とが一致している場合を例示しているが、本開示はこれに限定されるものではない。さらに、幅W1と幅W2とが一致してもよいし、異なっていてもよい。同様に、幅W3と幅W4とが一致してもよいし、異なっていてもよい。
【0019】
光学シート10における領域部分11では、Z軸方向に沿って進行する入射光L11Aが面10S1から入射すると、X軸方向に沿った+X方向へ屈折してなる射出光L11Bが、面10S2のうちの斜面S1から射出される。一方、光学シート10における領域部分12では、Z軸方向に沿って進行する入射光L12Aが面10S1から入射すると、-X方向へ屈折してなる射出光L12Bが、面10S2のうちの斜面S2から射出される。
ここで、入射光L11Aおよび入射光L12Aは、それぞれ、本開示の「第1の入射光」および「第2の入射光」に対応する一具体例である。
【0020】
同様に、光学シート20における領域部分21では、Z軸方向に沿って進行する入射光L21Aが面20S1から入射すると、X軸方向に沿った+X方向へ屈折してなる射出光L21Bが、面20S2のうちの斜面S3から射出される。一方、光学シート20における領域部分22では、Z軸方向に沿って進行する入射光L22Aが面20S1から入射すると、-X方向へ屈折してなる射出光L22Bが、面20S2のうちの斜面S4から射出される。
ここで、入射光L21Aおよび入射光L22Aは、それぞれ、本開示の「第3の入射光」および「第4の入射光」に対応する一具体例である。
【0021】
[1.3 発光装置100の作用および効果]
発光装置100では、発光部1Bの発光素子は点光源であるので、発光部1Bの発光素子から発せられた光源光は360°全方向に広がることとなる。その光源光はそのまま光学部材2へ直接入射し、あるいは他の光学シートなどを透過したのち、光学部材2へ入射することとなる。光学部材2へ入射した光は光学シート10と光学シート20とを順次透過したのち、光学シート20の面20S2から射出され、光学部材2から見て光源1と反対側において発光として観測される。
【0022】
本実施の形態の発光装置100では、いずれもXZ面内において入射光を屈折させて出射するプリズムシートである光学シート10および光学シート20をZ軸方向において重ねるように配置している。このため、光源1から発せられる光源光のうちのより多くの成分を、正面方向(+Z方向)へ集光させることができる。
【0023】
図3Aは、参考例として、光学シート20のみを用いた場合における光源光の経路を模式的に表したものである。光源1からの光源光<1>は、例えば図3Bに示したように、ランバート則に従う配光角度分布を有するものである。なお、図3Bは各光線の配光角度[deg]と光強度[-]との関係を模式的に表す特性図である。光源光<1>は、例えば
面20S1から入射したのち斜面S3または斜面S4において全反射すると、戻り光<2>となって光源1側へ戻る場合がある。その戻り光<2>は、光源1の基板1Aなどにおいて反射および拡散され、再度リサイクル光<3>となって光学部材2へ向かうこととなる。このリサイクル光<3>もまた、光源光<1>と同様にランバート則に従う配光角度分布を有するものであるが、その強度は光源光<1>の強度よりも小さい。光源光<1>の一部は、斜面S3および斜面S4において全反射せずに斜面S3および斜面S4を直接透過する直接出射光<4>となる。戻り光<3>は、最終的には、斜面S3および斜面S4において全反射せずに斜面S3および斜面S4を透過する成分となる。直接出射光<4>および戻り光<3>は、出射光<4A>として発光装置100の発光性能に寄与することとなる。図3Bに、出射光<4A>についての配光角度と光強度との関係を併せて示す。また図3Cに、戻り光<2>、リサイクル光<3>および直接出射光<4>の各々の配光角度と光強度との関係を表す。また、光源光<1>の一部は、例えば斜面S3において全反射したのち、斜面S4を透過して+Z方向へ進行せずに+X方向へ進行するなどして+Z方向への発光に寄与しない損失光<6>となってしまう。図3Bに示した光源光<1>と図3Cに示した出射光<4>との比較から、光源光<1>のうちの配光角度45°を超える成分光については損失となっていることがわかる。
【0024】
これに対し、本実施の形態の光学部材2では光学シート20と光源1との間に光学シート10を挿入するようにしたので、例えば図3Dに模式的に示したように、光源光<1>の損失を低減し、配光角度を狭めつつより高い強度の射出光<5>を得ることができる。
【0025】
図4に、光学部材2を透過する光の経路を模式的に表す。図4において、nAは光源1と光学シート10との間の媒体(例えば空気)の屈折率であり、nBは光学シート10と光学シート20との間の媒体(例えば空気)の屈折率であり、nCは光学シート20と観察者との間の媒体(例えば空気)の屈折率である。また、n1は光学シート10の屈折率であり、n2は光学シート20の屈折率である。また、α1,α2は光の入射角であり、β1,β2A,β2Bは光の出射角である。但し、α2とβ1とは等しい。光学部材2を透過する光の経路には、透過モードIと透過モードIIとが存在する。透過モードIは、例えば斜面S2を透過した光が斜面S3を透過するように進行するものである。透過モードIIは、例えば斜面S2を透過した光が斜面S4を透過するように進行するものである。いずれのモードにおいても、光学シート10における出射角β1は下記の式(1)により与えられる。
【0026】
β1=arcsin(n1/nb*sin(π/180*((arcsin(na/n1*sin(α1*π/180)))*180/π-(90-θ1/2))))*180/π+(90-θ1/2) ……(1)
【0027】
一方、透過モードIでの光学シート20の出射角β2Aは下記の式(2)により与えられる。
【0028】
β2A=arcsin(n2/nc*sin(π/180*((arcsin(nb/n2*sin(α2*π/180)))*180/π+(90-θ2/2))))*180/π-(90-θ2/2) ……(2)
【0029】
また、透過モードIIでの光学シート20の出射角β2Bは下記の式(3)により与えられる。
【0030】
β2B=arcsin(n2/nc*sin(π/180*((arcsin(nb/n2*sin(α2*π/180)))*180/π-(90-θ2/2))))*180/π+(90-θ2/2) ……(3)
【0031】
図5は、参考例として、光学シート10を用いずに光学シート20のみを用いた場合における光源光の経路を模式的に表すと共に、光学シート20に入射する光の入射角[deg]と光学シート20から出射する光の出射角[deg]との関係を表したものである。図5では、正面方向(+Z方向)を基準(0°)として+X方向に傾いた角度を正、-X方向に傾いた角度を負として入射角および出射角を表している。図5に示したように、-90°~+5°付近の入射角では斜面S3または斜面S4において全反射が生じ、出射光が現れない。入射角が+5°のときには出射角が-40°の出射光が現れる。入射角が+5°から大きくなるほど出射光が徐々に正面方向へ向き、入射角25°付近で+Z方向への出射光となる。その後、入射角が+90°に至るまで、出射光は+X方向へ徐々に傾いていくことがわかる。このように、光学シート10を用いずに光学シート20のみを用いた場合には、入射角が+5°~+90°の範囲のときにのみ、出射角-40°~+40°の範囲の出射光が現れる。この出射光が図3Cで説明した出射光<4>に相当する。
【0032】
図6は、本実施の形態における光学部材2を用いた場合のうち、図4で説明した透過モードIにおける光源光の経路を模式的に表すと共に、光学シート10に入射する光の入射角[deg]と光学シート20から出射する光の出射角[deg]との関係を表したものである。ここでは、頂角V1を120°とし、頂角V2を90°とし、光学シート10および光学シート20の屈折率n1,n2はいずれも1.48とした。図6に示したように、-90°~-18°未満の入射角では光学シート10の斜面S1または斜面S2において全反射が生じ、出射光が現れない。入射角が-18°のときには出射角が-30°程度の出射光が現れる。入射角が-18°から大きくなるほど出射光が徐々に正面方向へ向き、入射角-5°付近で+Z方向への出射光となる。その後、入射角が+11°に至るまで、出射光は+X方向へ徐々に傾いていくことがわかる。入射角が約+11°を超えると、光学シート20の斜面S3または斜面S4において全反射が生じ、再び出射光が現れない。
【0033】
図7は、本実施の形態における光学部材2を用いた場合のうち、図4で説明した透過モードIIにおける光源光の経路を模式的に表すと共に、光学シート10に入射する光の入射角[deg]と光学シート20から出射する光の出射角[deg]との関係を表したものである。この場合も、頂角V1を120°とし、頂角V2を90°とし、光学シート10および光学シート20の屈折率n1,n2はいずれも1.48とした。図7に示したように、-90°~+18°未満の入射角では光学シート10の斜面S1もしくは斜面S2、または光学シート20の斜面S3もしくは斜面S4において全反射が生じ、出射光が現れない。入射角が+18°のときには出射角が-30°程度の出射光が現れる。入射角が+18°から大きくなるほど出射光が徐々に正面方向へ向き、入射角+40°付近で+Z方向への出射光となる。その後、入射角が+90°に至るまで、出射光は+X方向へ徐々に傾いていくことがわかる。
【0034】
図8は、図6に示した透過モードIにおける曲線と、図7に示した透過モードIIにおける曲線とを重ねて表したものである。このように、光学部材2を用いた場合には、入射角が-18°~+11°および+18°~+90°の範囲であるときに、出射角-40°~+25°の範囲の出射光が現れる。すなわち、図5の場合と比べて、より広い入射角の光を出射光として正面方向へ出射することができる。このように、本実施の形態の発光装置100によれば、正面輝度の向上および入射光の利用効率の向上を図ることができる。図6および図7において示した出射光が図3Dで説明した出射光<5>に相当する。
【0035】
ところで、図8の例では、矢印8P1で示したように、入射角が0°付近の入射光が僅かに傾いた出射角を有する出射光として現れることとなっている。また、矢印8P2で示したように、入射角が+11°~+18°付近の入射光は透過モードIおよび透過モードIIのいずれであっても透過しないこととなっている。したがって、これらを改善することができれば、正面輝度のさらなる向上や、入射光の利用効率のさらなる向上を図ることができる。
【0036】
本実施の形態の光学部材2では、例えば頂角V1および頂角V2を調整することにより、正面輝度のさらなる向上や、入射光の利用効率のさらなる向上を図ることができる。図9は、頂角V1を110°とし、頂角V2を95°としたときの光学シート10に入射する光の入射角[deg]と光学シート20から出射する光の出射角[deg]との関係を表したものである。
【0037】
図9の例では、入射角が0°のときの出射角が0°となっているうえ、入射角が-11°~+90°の範囲であるときに、出射角-40°~+25°の範囲の出射光が現れる。
【0038】
図10は、頂角V1を90°~120°の範囲で変化させ、頂角V2を90°に固定としたときの光学シート10に入射する光の入射角[deg]と光学シート20から出射する光の出射角[deg]との関係を表したものである。図11は、頂角V1を120°に固定し、頂角V2を90°~95°の範囲で変化させたときの光学シート10に入射する光の入射角[deg]と光学シート20から出射する光の出射角[deg]との関係を表したものである。このように、頂角V1および頂角V2を調整することのみにより、光学部材2における入射角と出射角との最適化を簡便に図ることができる。
【0039】
図12は、出射角と光強度との関係を表した特性図である。曲線C12Aは光源1から出射される光源光の強度分布を表している。曲線C12Bは光源光を光学シート20のみ透過させたときに得られる光の強度分布を表している(図5に対応)。曲線C12C,C12Dは、それぞれ、光源光を、光学シート10と光学シート20とを順次透過させたときに得られる光の強度分布を表している(それぞれ図8図9に対応)。図12に示したように、曲線C12C,C12Dでは、曲線C12Aおよび曲線C12Bと比較して、出射角の広がりが抑制されつつ、光強度が向上していることがわかる。
【0040】
このように、本実施の形態では、光学シート10と光学シート20とが積層された光学部材2を有するようにしたので、簡素な構成でありながら所望の配光特性が得られる。すなわち、例えば散乱光である入射光を正面方向へ配光させ、正面輝度の向上および入射光の利用効率の向上を図ることができる。
【0041】
<2.第2の実施の形態>
図13は、本技術の第3の実施の形態に係る表示装置101の外観を表したものである。この表示装置101は、発光装置100を備え、例えば薄型テレビジョン装置として用いられるものであり、画像表示のための平板状の本体部102をスタンド103により支持した構成を有している。なお、表示装置101は、スタンド103を本体部102に取付けた状態で、床,棚または台などの水平面に載置して据置型として用いられるが、スタンド103を本体部102から取り外した状態で壁掛型として用いることも可能である。
【0042】
図14は、図13に示した本体部102を分解して表したものである。本体部102は、例えば、前面側(視聴者側)から、前部外装部材(ベゼル)111,パネルモジュール112および後部外装部材(リアカバー)113をこの順に有している。前部外装部材111は、パネルモジュール112の前面周縁部を覆う額縁状の部材であり、下方には一対のスピーカー114が配置されている。パネルモジュール112は前部外装部材111に固定され、その背面には電源基板115および信号基板116が実装されると共に取付金具117が固定されている。取付金具117は、壁掛けブラケットの取付、基板等の取付およびスタンド103の取付のためのものである。後部外装部材113は、パネルモジュール112の背面および側面を被覆している。
【0043】
図15は、図14に示したパネルモジュール112を分解して表したものである。パネルモジュール112は、例えば、前面側(視聴者側)から、第2の光学部材としての光学部材3、前部筐体(トップシャーシ)121,液晶パネル122,枠状部材(ミドルシャーシ)123,第1の光学部材としての光学部材2,光源1,後部筐体(バックシャーシ)124およびタイミングコントローラ基板127をこの順に有している。光学部材2および光源1により発光装置100が構成されている。光学部材3は、液晶パネル122から見て光学部材2と反対側に設けられており、液晶パネル122から入射する画像光を、その画像光の入射角度範囲よりも広い出射角度範囲で液晶パネル122と反対側(視聴者側)に出射するものである。光学部材3は、例えばランバート則に従う光線強度配光特性に近似した光線強度配光特性を有するものが好ましい。そのような光学部材3を設けることで、この表示装置101は、視野角の違いによる輝度の偏りを緩和し、どの方位から見てもほぼ一定の輝度を有する画像が視認できるようになるからである。
【0044】
前部筐体121は、液晶パネル122の前面周縁部を覆う枠状の金属部品である。液晶パネル122は、例えば、液晶セル122Aと、ソース基板122Bと、これらを接続するCOF(Chip On Film)などの可撓性基板122Cとを有している。枠状部材123は、液晶パネル122を保持する枠状の樹脂部品である。後部筐体124は、液晶パネル122,枠状部材123および発光装置100を収容する、鉄(Fe)等よりなる金属部品である。タイミングコントローラ基板127もまた、後部筐体124の背面に実装されている。
【0045】
この表示装置101では、発光装置100からの光が液晶パネル122により選択的に透過されることにより、画像表示が行われる。ここでは、第1の実施の形態で説明したように、配光特性に優れ、発光効率が向上した発光装置100を備えているので、表示装置101の表示品質の向上が期待できる。
【0046】
<3.表示装置の適用例>
以下、上記のような表示装置101の電子機器への適用例について説明する。電子機器としては、例えばテレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラ等が挙げられる。言い換えると、上記表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0047】
図16Aは、上記実施の形態の表示装置101が適用されるタブレット型端末装置の外観を表したものである。図16Bは、上記実施の形態の表示装置101が適用される他のタブレット型端末装置の外観を表したものである。これらのタブレット型端末装置は、いずれも、例えば表示部210および非表示部220を有しており、この表示部210が上記実施の形態の表示装置101により構成されている。
【0048】
<4.照明装置の適用例>
図17および図18は、上記実施の形態の発光装置100などが適用される卓上用の照明装置の外観を表したものである。この照明装置は、例えば、基台841に設けられた支柱842に、照明部843を取り付けたものであり、この照明部843は、発光装置100などにより構成されている。照明部843は、基板1Aおよび光学部材2などを湾曲形状とすることにより、図17に示した筒状、または図18に示した曲面状など、任意の形状とすることが可能である。
【0049】
図19は、上記実施の形態の発光装置100などが適用される室内用の照明装置の外観を表したものである。この照明装置は、発光装置100などにより構成された照明部844を有している。照明部844は、建造物の天井850Aに適宜の個数および間隔で配置されている。なお、照明部844は、用途に応じて、天井850Aに限らず、壁850Bまたは床(図示せず)など任意の場所に設置することが可能である。
【0050】
これらの照明装置では、発光装置100などからの光により、照明が行われる。ここでは発光効率に優れ、所望の配光特性が得られる発光装置100を備えているので、照明品質が向上する。
【0051】
<5.その他の変形例>
以上、実施の形態および変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態において説明した光学シートの突起部の頂角や屈折率などは、上記したものに限定されるものではない。
【0052】
また、上記の実施の形態等では、光学シート10の突起部T1の延在方向と光学シート20の突起部T2の延在方向とが実質的に一致している場合について説明したが、それらの相対角度は0°以上45°未満であればよい。光学シート10の突起部T1の延在方向と光学シート20の突起部T2の延在方向とを異ならせることにより、すなわちXY面内における上記相対角度を0°よりも大きくすることで、干渉縞の発生を回避しやすくなる。
【0053】
また、上記の実施の形態等では、光学シート10の面10S2に突起部T1を設けると共に光学シート20の面20S2に突起部T2を設けるなどして入射光を屈折させるようにしたが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば第1の透明光学シートとして、第1の領域部分に形成された第1のドットパターンと、第2の領域部分に形成された第2のドットパターンとを有する第1の回折レンズを用い、第2の透明光学シートとして、第3の領域部分に形成された第3のドットパターンと、第4の領域部分に形成された第4のドットパターンとを有する第2の回折レンズを用いるようにしてもよい。すなわち、光学的作用を生じるものであれば、物理的な起伏を設けたものに限定されない。
【0054】
また、上記の実施の形態等では、第1の頂角(頂角V1)が90°以上130°以下であり、第2の頂角(頂角V2)が90°以上95°以下である場合を例示して説明したが、本発明は、第1の頂角および第2の頂角がこれに限定されるものではない。例えば第1の頂角を175°~160°程度としてもよい。そのような大きな角度とすることで集光の度合いを軽微とし、出射光の強度分布における半値幅をさほど狭くせず、正面輝度を数パーセント程度向上させるような使い方も可能である。
【0055】
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であってその記載に限定されるものではなく、他の効果があってもよい。また、本技術は以下のような構成を取り得るものである。
(1)
第1の軸方向と直交する第1の面に沿って広がる第1の透明光学シートと、
前記第1の軸方向において前記第1の透明光学シートと重なり合うように配置され、前記第1の面に沿って広がる第2の透明光学シートと
を有し、
前記第1の透明光学シートは、前記第1の軸方向に沿って進行する第1の入射光が前記第1の面に平行な第2の軸方向に沿った第1の方向へ屈折してなる第1の射出光を射出する第1の領域部分と、前記第1の軸方向に沿って進行する第2の入射光が前記第1の方向と反対向きの第2の方向へ屈折してなる第2の射出光を射出する第2の領域部分とが、前記第2の軸方向において交互に配置された構造を含み、
前記第2の透明光学シートは、前記第1の軸方向に沿って進行する第3の入射光が前記第1の面に平行な第3の軸方向に沿った第3の方向へ屈折してなる第3の射出光を射出する第3の領域部分と、前記第1の軸方向に沿って進行する第4の入射光が前記第3の方向と反対向きの第4の方向へ屈折してなる第4の射出光を射出する第4の領域部分とが、前記第3の軸方向において交互に配置された構造を含み、
前記第2の軸方向に対する前記第3の軸方向のなす角度は0°以上45°未満である
光学部材。
(2)
前記角度は0°よりも大きい
上記(1)記載の光学部材。
(3)
複数の前記第1の領域部分は、いずれも、前記第2の軸方向において実質的に同じ第1の幅を有し、
複数の前記第2の領域部分は、いずれも、前記第2の軸方向において実質的に同じ第2の幅を有し、
前記複数の第1の領域部分および前記複数の第2の領域部分は、前記第2の軸方向において第1のピッチで配置され、
複数の前記第3の領域部分は、いずれも、前記第2の軸方向において実質的に同じ第3の幅を有し、
複数の前記第4の領域部分は、いずれも、前記第2の軸方向において実質的に同じ第4の幅を有し、
前記複数の第3の領域部分および前記複数の第4の領域部分は、前記第2の軸方向において第2のピッチで配置されている
上記(1)または(2)記載の光学部材。
(4)
前記第1の透明光学シートは、前記第2の透明光学シートと向き合う側に、前記第1の領域部分を占める第1の斜面と前記第2の領域部分を占める第2の斜面とが第1の頂角をなすように接する第1の頂点を含む第1の突起部を複数有し、
前記第2の透明光学シートは、前記第1の透明光学シートと反対側に、前記第3の領域部分を占める第3の斜面と前記第4の領域部分を占める第4の斜面とが第2の頂角をなすように接する第2の頂点を含む第2の突起部を複数有する
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の光学部材。
(5)
前記第1の頂角は前記第2の頂角よりも大きい
上記(4)記載の光学部材。
(6)
前記第1の頂角は90°以上130°以下であり、
前記第2の頂角は90°以上95°以下である
上記(4)または(5)記載の光学部材。
(7)
前記第1の透明光学シートは、前記第2の透明光学シートと反対側に、第1の光入射面を有し、
前記第2の透明光学シートは、前記第1の透明光学シートと向き合う側に、第2の光入射面を有する
上記(4)から(6)のいずれか1つに記載の光学部材。
(8)
前記第1の透明光学シートは、前記第1の領域部分に形成された第1のドットパターンと、前記第2の領域部分に形成された第2のドットパターンとを有する第1の回折レンズであり、
前記第2の透明光学シートは、前記第3の領域部分に形成された第3のドットパターンと、前記第4の領域部分に形成された第4のドットパターンとを有する第2の回折レンズである
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の光学部材。
(9)
光源と、光学部材とを備え、
前記光学部材は、
第1の軸方向と直交する第1の面に沿って広がる第1の透明光学シートと、
前記第1の軸方向において前記第1の透明光学シートと重なり合うように配置され、前記第1の面に沿って広がる第2の透明光学シートと
を有し、
前記第1の透明光学シートは、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第1の入射光が前記第1の面に平行な第2の軸方向に沿った第1の方向へ屈折してなる第1の射出光を射出する第1の領域部分と、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第2の入射光が前記第1の方向と反対向きの第2の方向へ屈折してなる第2の射出光を射出する第2の領域部分とが、前記第2の軸方向において交互に配置された構造を含み、
前記第2の透明光学シートは、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第3の入射光が前記第1の面に平行な第3の軸方向に沿った第3の方向へ屈折してなる第3の射出光を射出する第3の領域部分と、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第4の入射光が前記第3の方向と反対向きの第4の方向へ屈折してなる第4の射出光を射出する第4の領域部分とが、前記第3の軸方向において交互に配置された構造を含み、
前記第2の軸方向に対する前記第3の軸方向のなす角度は0°以上45°未満である
発光装置。
(10)
光源と、第1の光学部材と、液晶パネルとを順に備え、
前記第1の光学部材は、
第1の軸方向と直交する第1の面に沿って広がる第1の透明光学シートと、
前記第1の軸方向において前記第1の透明光学シートと重なり合うように配置され、前記第1の面に沿って広がる第2の透明光学シートと
を有し、
前記第1の透明光学シートは、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第1の入射光が前記第1の面に平行な第2の軸方向に沿った第1の方向へ屈折してなる第1の射出光を前記液晶パネルへ向けて射出する第1の領域部分と、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第2の入射光が前記第1の方向と反対向きの第2の方向へ屈折してなる第2の射出光を前記液晶パネルへ向けて射出する第2の領域部分とが、前記第2の
軸方向において交互に配置された構造を含み、
前記第2の透明光学シートは、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第3の入射光が前記第1の面に平行な第3の軸方向に沿った第3の方向へ屈折してなる第3の射出光を前記液晶パネルへ向けて射出する第3の領域部分と、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第4の入射光が前記第3の方向と反対向きの第4の方向へ屈折してなる第4の射出光を前記液晶パネルへ向けて射出する第4の領域部分とが、前記第3の軸方向において交互に配置された構造を含み、
前記第2の軸方向に対する前記第3の軸方向のなす角度は0°以上45°未満である
表示装置。
(11)
前記液晶パネルから見て前記第1の光学部材と反対側に第2の光学部材をさらに備え、
前記第2の光学部材は、前記液晶パネルから入射する画像光を、前記画像光の入射角度範囲よりも広い出射角度範囲で前記液晶パネルと反対側に出射する
上記(10)記載の表示装置。
(12)
光源と、光学部材とを有する発光装置を備え、
前記光学部材は、
第1の軸方向と直交する第1の面に沿って広がる第1の透明光学シートと、
前記第1の軸方向において前記第1の透明光学シートと重なり合うように配置され、前記第1の面に沿って広がる第2の透明光学シートと
を有し、
前記第1の透明光学シートは、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第1の入射光が前記第1の面に平行な第2の軸方向に沿った第1の方向へ屈折してなる第1の射出光を射出する第1の領域部分と、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第2の入射光が前記第1の方向と反対向きの第2の方向へ屈折してなる第2の射出光を射出する第2の領域部分とが、前記第2の軸方向において交互に配置された構造を含み、
前記第2の透明光学シートは、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第3の入射光が前記第1の面に平行な第3の軸方向に沿った第3の方向へ屈折してなる第3の射出光を射出する第3の領域部分と、前記第1の軸方向に沿って進行する前記光源からの第4の入射光が前記第3の方向と反対向きの第4の方向へ屈折してなる第4の射出光を射出する第4の領域部分とが、前記第3の軸方向において交互に配置された構造を含み、
前記第2の軸方向に対する前記第3の軸方向のなす角度は0°以上45°未満である
照明装置。
【0056】
本出願は、日本国特許庁において2017年5月31日に出願された日本特許出願番号2017-108337号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0057】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19