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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】画素回路及びその駆動方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3225 20160101AFI20240115BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
G09G3/3225
G09G3/20 624B
G09G3/20 641E
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019546841
(86)(22)【出願日】2019-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 CN2019073218
(87)【国際公開番号】W WO2019237748
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】201810607789.5
(32)【優先日】2018-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】王 磊
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 冬▲ニ▼
(72)【発明者】
【氏名】肖 ▲麗▼
(72)【発明者】
【氏名】玄 明▲花▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 小川
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 盛▲際▼
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼ ▲鵬▼程
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲徳▼涛
(72)【発明者】
【氏名】▲叢▼ ▲寧▼
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0200412(US,A1)
【文献】特開2006-146153(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105551433(CN,A)
【文献】特開2018-045186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
H10K 50/10
H10K 59/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ状に配列されている複数の画素補償回路グループ、及び前記複数の画素補償回路グループに一対一で対応する複数の発光制御信号端グループを備え、各画素補償回路グループがK(Kが1より大きい整数である)行の画素補償回路を含み、各行の画素補償回路が少なくとも1つの画素補償回路を含み、
各前記画素補償回路は、動作中で、1つの発光ユニットグループに接続されることが許容され、各前記発光ユニットグループが同一列に位置するM(Mが1より大きい整数である)個の発光ユニットを含むように配置され、
前記発光制御信号端グループが発光制御信号端をM個含み、各前記画素補償回路グループにおける各画素補償回路のいずれも対応する1つの前記発光制御信号端グループにおけるM個の発光制御信号端に接続され、
各前記画素補償回路が接続されるM個の発光制御信号端は、前記画素補償回路に接続されるM個の発光ユニットに一対一で対応し、各前記発光制御信号端は、それに接続される画素補償回路により、対応する発光ユニットを駆動して発光させ、
1フレームの走査期間は、複数の駆動サブフレームを含み、各駆動サブフレームは、複数の駆動段階を含み、前記複数の駆動段階の数は、前記複数の画素補償回路グループの数に等しく、
前記複数の駆動段階において、前記複数の画素補償回路グループがそれぞれ動作状態にあり、1つの駆動段階において、前記複数の画素補償回路グループのうちの1つの画素補償回路グループのみが前記動作状態にあり、前記1つの画素補償回路グループが前記動作状態にあることは、前記1つの駆動段階において前記1つの画素補償回路グループの各画素補償回路に接続されるM個の発光ユニットの1つが駆動して発光することを示す、
画素回路。
【請求項2】
前記画素回路は、前記複数の画素補償回路グループに一対一で対応する複数の総発光制御信号端をさらに含み、各前記総発光制御信号端は、対応する1つの画素補償回路グループにおける各画素補償回路に接続される、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項3】
各発光ユニットグループにおいて、同一列に位置する前記M個の発光ユニットは互いに隣接する、
請求項1又は請求項2に記載の画素回路。
【請求項4】
M=2である、
請求項3に記載の画素回路。
【請求項5】
各画素補償回路グループにおける前記K行の画素補償回路は互いに隣接する、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画素回路。
【請求項6】
K=2である、
請求項5に記載の画素回路。
【請求項7】
各前記画素補償回路が接続されるM個の発光制御信号端のうちの第m(mがM以下の正整数である)の発光制御信号端は、前記画素補償回路が接続されるM個の発光ユニットのうちの第mの発光ユニットに対応する、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画素回路。
【請求項8】
各前記画素補償回路は、リセットサブ回路と、第1の発光制御サブ回路と、M個の第2の発光制御サブ回路とを含み、
前記リセットサブ回路は、それぞれリセット信号端とリセット電源端に接続され、前記リセットサブ回路と前記第1の発光制御サブ回路とは第1のノードで接続され、前記リセットサブ回路は、前記リセット信号端からのリセット信号に応じて、前記リセット電源端からのリセット電源信号を前記第1のノードに入力し、
前記第1の発光制御サブ回路は、それぞれ前記総発光制御信号端、電源端、データ信号端及び駆動電源端に接続され、前記第1の発光制御サブ回路と前記M個の第2の発光制御サブ回路とは第2のノードで接続され、前記第1の発光制御サブ回路は、前記第1のノードの電位と、前記総発光制御信号端からの総発光制御信号と、電源端からの電源信号と、前記駆動電源端からの駆動電源信号とに応じて、前記データ信号端からのデータ信号を前記第2のノードに入力し、
各前記第2の発光制御サブ回路は、それぞれ、対応する1つの発光制御信号端グループにおける1つの発光制御信号端及び1つの発光ユニットに接続され、各前記第2の発光制御サブ回路は、それに接続される発光制御信号端から提供される発光制御信号に応じて、それに接続される発光ユニットを駆動して発光させる、
請求項2に記載の画素回路。
【請求項9】
各前記第2の発光制御サブ回路は第1のトランジスタを含み、
前記第1のトランジスタのゲートは1つの発光制御信号端に接続され、前記第1のトランジスタの第1の電極は前記第2のノードに接続され、前記第1のトランジスタの第2の電極は1つの発光ユニットに接続される、
請求項8に記載の画素回路。
【請求項10】
前記リセットサブ回路は第2のトランジスタを含み、
前記第2のトランジスタのゲートは、前記リセット信号端に接続され、前記第2のトランジスタの第1の電極はリセット電源端に接続され、前記第2のトランジスタの第2の電極は前記第1のノードに接続され、
前記第1の発光制御サブ回路は、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第5のランジスタと、第6のトランジスタと、蓄積コンデンサとを含み、
前記第3のトランジスタのゲートは前記駆動電源端に接続され、前記第3のトランジスタの第1の電極は前記データ信号端に接続され、前記第3のトランジスタの第2の電極は第3のノードに接続され、
前記第4のトランジスタのゲートは前記総発光制御信号端に接続され、前記第4のトランジスタの第1の電極は前記第3のノードに接続され、前記第4のトランジスタの第2の電極は前記電源端に接続され、
前記第5のランジスタのゲートは前記第1のノードに接続され、前記第5のランジスタの第1の電極は前記第3のノードに接続され、前記第5のランジスタの第2の電極は前記第2のノードに接続され、
前記第6のトランジスタのゲートは前記駆動電源端に接続され、前記第6のトランジスタの第1の電極は前記第1のノードに接続され、前記第6のトランジスタの第2の電極は前記第2のノードに接続され、
前記蓄積コンデンサの一端は前記電源端に接続され、前記蓄積コンデンサの他端は前記第1のノードに接続される、
請求項8又は請求項9に記載の画素回路。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画素回路に適用される画素回路の駆動方法であって、
前記駆動方法は、M個の駆動サブフレームで前記画素回路を駆動することを含み、各前記駆動サブフレームは複数の駆動段階を含み、各前記駆動サブフレームに含まれる駆動段階の数は前記画素回路に含まれる画素補償回路グループの数と発光制御信号端グループの数に等しく、前記複数の駆動段階は複数の発光制御信号端グループに一対一で対応し、
前記M個の駆動サブフレームで前記画素回路を駆動することは、各前記駆動段階の発光サブ段階において、対応する1つの発光制御信号端グループに含まれるM個の発光制御信号端のうちの1つの目標発光制御信号端から提供される目標発光制御信号の電位が有効電位であり、前記目標発光制御信号端以外の他の発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位が無効電位であり、前記目標発光制御信号端に接続される1つの画素補償回路グループは、前記目標発光制御信号による制御の下で、前記目標発光制御信号端に対応する発光ユニットを駆動して発光させることを含む、
駆動方法。
【請求項12】
前記画素回路は、前記複数の画素補償回路グループに一対一で対応する複数の総発光制御信号端をさらに含み、各前記総発光制御信号端は対応する1つの画素補償回路グループにおける各画素補償回路に接続され、
前記M個の駆動サブフレームで前記画素回路を駆動することは、各前記駆動段階の発光サブ段階において、前記目標発光制御信号端に接続される1つの画素補償回路グループに対応する1つの総発光制御信号端から提供される総発光制御信号の電位が有効電位であることをさらに含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
各発光ユニットグループは同一列に位置しかつ隣接する2つの発光ユニットを含み、各発光制御信号端グループは2つの発光制御信号端を含み、
前記M個の駆動サブフレームで前記画素回路を駆動することは、2つの駆動サブフレームで前記画素回路を駆動することを含み、
前記2つの駆動サブフレームで前記画素回路を駆動することは、
第1の駆動サブフレームの各前記駆動段階の発光サブ段階において、前記駆動段階に対応する1つの発光制御信号端グループにおける一方の発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位が有効電位であり、他方の発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位が無効電位であることと、
第2の駆動サブフレームの各前記駆動段階の発光サブ段階において、前記駆動段階に対応する1つの発光制御信号端グループにおける前記他方の発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位が有効電位であり、前記他方の発光制御信号端以外の一方の発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位が無効電位であることとを含む、
請求項11又は請求項12に記載の方法。
【請求項14】
各前記画素補償回路は、リセットサブ回路と、第1の発光制御サブ回路と、M個の第2の発光制御サブ回路とを含み、各前記駆動段階は、前記発光サブ段階の前のリセットサブ段階と、K個の補償サブ段階とをさらに含み、
前記M個の駆動サブフレームで前記画素回路を駆動することは、
前記リセットサブ段階において、前記駆動段階に対応する1つの発光制御信号端グループに接続される1つの画素補償回路グループにおいて、第1行の画素補償回路のリセット信号端から提供されるリセット信号の電位が有効電位であり、前記リセットサブ回路が、前記リセット信号に応じて、リセット電源端からのリセット電源信号を第1のノードに入力することと、
前記K個の補償サブ段階の第kの補償サブ段階において、前記1つの画素補償回路グループにおいて、第k(kがK以下の正整数である)行の画素補償回路が接続される駆動電源端から提供される駆動電源信号の電位が有効電位であり、前記1つの画素補償回路グループに接続される総発光制御信号端から提供される総発光制御信号の電位が無効電位であり、前記第k行の画素補償回路において各画素補償回路の第1の発光制御サブ回路は、前記駆動電源信号、前記第1のノードの電位、及び電源端から提供される電源信号に応じて、データ信号端からのデータ信号を第2のノードに入力することと、
前記発光サブ段階において、前記1つの画素補償回路グループに接続される総発光制御信号の電位が有効電位であり、前記1つの画素補償回路グループにおいて、各画素補償回路のM個の第2の発光制御サブ回路のうち、前記目標発光制御信号端に接続される第2の発光制御サブ回路が、前記目標発光制御信号に応じて、それに接続される発光ユニットを駆動して発光させることと、をさらに含む、
請求項12又は請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画素回路と、
複数の発光ユニットグループとを含み、
各発光ユニットグループには、M(Mが1より大きい整数である)個の発光ユニットが含まれ、
前記画素回路における各画素補償回路は1つの前記発光ユニットグループに接続される、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、出願番号がCN201810607789.5であって、出願日が2018年6月13日である中国特許出願に基づき優先権を主張し、当該中国特許出願のすべての開示内容を本願の一部としてここに援用する。
【0002】
本開示の実施例は、画素回路及びその駆動方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
アクティブマトリクス発光ダイオード(Active Matrix Organic Light Emitting Diode、AMOLED)は、自己発光可能な電流型発光素子であり、応答が高速で、リフレッシュ頻度が高く、かつ消費電力が低いなどの特点を有するため、高性能表示パネルに適用されることが増えている。
【0004】
関連技術では、一般的に、表示パネルはアレイ状に配列されている複数の画素ユニットを含み、各画素ユニットは発光ユニット及びこの発光ユニットに接続される画素補償回路を備えている。当該画素補償回路は、発光ユニットを駆動する駆動トランジスタの閾値電圧がドリフトすることで、発光ユニットを流れる電流の大きさにばらつきが生じるといった問題を回避でき、よって表示パネルの輝度の均一性を確保できる。
【0005】
表示パネルにおける画素ユニットの数が多い場合、画素補償回路の数が多くなり、回路基板に対して画素補償回路の占める面積も大きくなり、狭い額縁表示パネルの実現に不利になってしまう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の少なくとも一つの実施例によれば、
アレイ状に配列されている複数の画素補償回路グループを備え、各画素補償回路グループがK行の画素補償回路を含み、Kが1より大きい整数であり、各行の画素補償回路が少なくとも1つの画素補償回路を含み、
各前記画素補償回路は、動作中で、1つの発光ユニットグループに接続されることが許容され、各前記発光ユニットグループが同一列に位置するM(Mが1より大きい整数である)個の発光ユニットを含むように配置され、
前記画素回路は、前記複数の画素補償回路グループに一対一で対応する複数の発光制御信号端グループをさらに含み、各前記発光制御信号端グループが発光制御信号端をM個含み、各画素補償回路グループにおける各画素補償回路のいずれも対応する1つの発光制御信号端グループにおけるM個の発光制御信号端に接続され、
各前記画素補償回路が接続されるM個の発光制御信号端は、前記画素補償回路に接続されるM個の発光ユニットに一対一で対応し、各前記発光制御信号端は、それに接続される画素補償回路により、対応する発光ユニットを駆動して発光させる、画素回路が提供される。
【0007】
前記画素回路は、前記複数の画素補償回路グループに一対一で対応する複数の総発光制御信号端をさらに含み、各前記総発光制御信号端は、対応する1つの画素補償回路グループにおける各画素補償回路に接続されてもよい。
【0008】
各発光ユニットグループにおける、同一列に位置する前記M個の発光ユニットは互いに隣接してもよい。
【0009】
M=2であってもよい。
【0010】
各画素補償回路グループにおける前記K行の画素補償回路は互いに隣接してもよい。
【0011】
K=2であってもよい。
【0012】
各前記画素補償回路が接続されるM個の発光制御信号端のうちの第m(mがM以下の正整数である)の発光制御信号端は、前記画素補償回路が接続されるM個の発光ユニットのうちの第mの発光ユニットに対応してもよい。
【0013】
各前記画素補償回路は、リセットサブ回路と、第1の発光制御サブ回路と、M個の第2の発光制御サブ回路とを含み、
前記リセットサブ回路は、それぞれリセット信号端とリセット電源端に接続され、前記リセットサブ回路と前記第1の発光制御サブ回路とは第1のノードで接続され、前記リセットサブ回路は、前記リセット信号端からのリセット信号に応じて、前記リセット電源端からのリセット電源信号を前記第1のノードに入力するために用いられ、
前記第1の発光制御サブ回路は、それぞれ前記総発光制御信号端、電源端、データ信号端、駆動電源端に接続され、前記第1の発光制御サブ回路と前記M個の第2の発光制御サブ回路とは第2のノードで接続され、前記第1の発光制御サブ回路は、前記第1のノードの電位と、前記総発光制御信号端からの総発光制御信号と、電源端からの電源信号と、前記駆動電源端からの駆動電源信号とに応じて、前記データ信号端からのデータ信号を前記第2のノードに入力するために用いられ、
各前記第2の発光制御サブ回路は、それぞれ対応する1つの発光制御信号端グループにおける1つの発光制御信号端および1つの発光ユニットに接続され、各前記第2の発光制御サブ回路は、それに接続される発光制御信号端から提供される発光制御信号に応じて、それに接続される発光ユニットを駆動して発光させるために用いられてもよい。
【0014】
各前記第2の発光制御サブ回路は第1のトランジスタを含み、
前記第1のトランジスタのゲートは1つの発光制御信号端に接続され、前記第1のトランジスタの第1の電極は前記第2のノードに接続され、前記第1のトランジスタの第2の電極は1つの発光ユニットに接続されてもよい。
【0015】
前記リセットサブ回路は第2のトランジスタを含み、
前記第2のトランジスタのゲートは、前記リセット信号端に接続され、前記第2のトランジスタの第1の電極はリセット電源端に接続され、前記第2のトランジスタの第2の電極は前記第1のノードに接続され、
前記第1の発光制御サブ回路は、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第5のランジスタと、第6のトランジスタと、蓄積コンデンサとを含み、
前記第3のトランジスタのゲートは前記駆動電源端に接続され、前記第3のトランジスタの第1の電極は前記データ信号端に接続され、前記第3のトランジスタの第2の電極は第3のノードに接続され、
前記第4のトランジスタのゲートは前記総発光制御信号端に接続され、前記第4のトランジスタの第1の電極は前記第3のノードに接続され、前記第4のトランジスタの第2の電極は前記電源端に接続され、
前記第5のランジスタのゲートは前記第1のノードに接続され、前記第5のランジスタの第1の電極は前記第3のノードに接続され、前記第5のランジスタの第2の電極は前記第2のノードに接続され、
前記第6のトランジスタのゲートは前記駆動電源端に接続され、前記第6のトランジスタの第1の電極は前記第1のノードに接続され、前記第6のトランジスタの第2の電極は前記第2のノードに接続され、
前記蓄積コンデンサの一端は前記電源端に接続され、前記蓄積コンデンサの他端は前記第1のノードに接続されてもよい。
【0016】
本開示の少なくとも一つの実施例によれば、上記のような画素回路に適用される画素回路の駆動方法が提供され、前記方法は、M個の駆動サブフレームで前記画素回路を駆動することを含み、各前記駆動サブフレームは複数の駆動段階を含み、各前記駆動サブフレームに含まれる駆動段階の数は前記画素回路に含まれる画素補償回路グループの数と発光制御信号端グループの数に等しく、前記複数の駆動段階は複数の発光制御信号端グループに一対一で対応し、
前記M個の駆動サブフレームで前記画素回路を駆動することは、各前記駆動段階の発光サブ段階において、対応する1つの発光制御信号端グループに含まれるM個の発光制御信号端のうちの1つの目標発光制御信号端から提供される目標発光制御信号の電位が有効電位であり、前記目標発光制御信号端以外の他の発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位が無効電位であり、前記目標発光制御信号端に接続される1つの画素補償回路グループは、前記目標発光制御信号による制御の下で、前記目標発光制御信号端に対応する発光ユニットを駆動して発光させることを含む。
【0017】
前記画素回路は、前記複数の画素補償回路グループに一対一で対応する複数の総発光制御信号端を含み、各前記総発光制御信号端は対応する1つの画素補償回路グループにおける各画素補償回路に接続され、
前記M個の駆動サブフレームで前記画素回路を駆動することは、各前記駆動段階の発光サブ段階において、前記目標発光制御信号端に接続される1つの画素補償回路グループに対応する1つの総発光制御信号端から提供される総発光制御信号の電位は、有効電位であることを含んでもよい。
【0018】
各発光ユニットグループは同一列に位置しかつ隣接する2つの発光ユニットを含み、各発光制御信号端グループは2つの発光制御信号端を含み、
前記M個の駆動サブフレームで前記画素回路を駆動することは、2つの駆動サブフレームで前記画素回路を駆動することを含み、
前記2つの駆動サブフレームで前記画素回路を駆動することは、
第1駆動サブフレームの各前記駆動段階の発光サブ段階において、前記駆動段階に対応する1つの発光制御信号端グループにおける一方の発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位が有効電位であり、他方の発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位が無効電位であることと、
第2駆動サブフレームの各前記駆動段階の発光サブ段階において、前記駆動段階に対応する1つの発光制御信号端グループにおける前記他方の発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位が有効電位であり、前記他方の発光制御信号端以外の一方の発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位が無効電位であることとを含んでもよい。
【0019】
各前記画素補償回路は、リセットサブ回路と、第1の発光制御サブ回路と、M個の第2の発光制御サブ回路とを含み、各前記駆動段階は、前記発光サブ段階の前のリセットサブ段階と、K個の補償サブ段階とをさらに含み、
前記M個の駆動サブフレームで前記画素回路を駆動することは、
前記リセットサブ段階において、前記駆動段階に対応する1つの発光制御信号端グループに接続される1つの画素補償回路グループにおいて、第1行の画素補償回路のリセット信号端から提供されるリセット信号の電位が有効電位であり、前記リセットサブ回路が、前記リセット信号に応じて、リセット電源端からのリセット電源信号を第1のノードに入力することと、
前記K個の補償サブ段階の第k(kがK以下の正整数である)補償サブ段階において、前記1つの画素補償回路グループにおいて、第k行の画素補償回路が接続される駆動電源端から提供される駆動電源信号の電位が有効電位であり、前記1つの画素補償回路グループに接続される総発光制御信号端から提供される総発光制御信号の電位が無効電位であり、前記第k行の画素補償回路において各画素補償回路の第1の発光制御サブ回路は、前記駆動電源信号、前記第1のノードの電位、及び電源端から提供される電源信号に応じて、データ信号端からのデータ信号を第2のノードに入力することと、
前記発光サブ段階において、前記1つの画素補償回路グループに接続される総発光制御信号の電位が有効電位であり、前記1つの画素補償回路グループにおいて、各画素補償回路のM個の第2の発光制御サブ回路のうち、前記目標発光制御信号端に接続される第2の発光制御サブ回路が、前記目標発光制御信号に応じて、それに接続される発光ユニットを駆動して発光させることと、をさらに含んでもよい。
【0020】
本開示の少なくとも一つの実施例によれば、
上記の画素回路と、
それぞれM(Mが1より大きい整数である)個の発光ユニットが含まれる複数の発光ユニットグループとを含み、
前記画素回路における各画素補償回路は1つの前記発光ユニットグループに接続される、表示装置が提供される。
【0021】
本発明の実施例に係る技術案をさらに明らかに説明するために、以下に実施例に係る添付図面について簡単に紹介する。言うまでもないが、以下に記載の図面は、ただ本発明のある実施例に係るものであり、本発明に対し制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本開示の少なくとも一つの実施例による画素回路の構成模式図である。
図2図2は、本開示の少なくとも一つの実施例による他の画素回路の構成模式図である。
図3図3は、本開示の少なくとも一つの実施例による画素補償回路の構成模式図である。
図4図4は、本開示の少なくとも一つの実施例による他の画素補償回路の構成模式図である。
図5図5は、本開示の少なくとも一つの実施例による画素回路の駆動方法のフローチャートである。
図6図6は、本開示の少なくとも一つの実施例による、1フレームの走査期間を2つの駆動サブフレームに分割する様子の模式図である。
図7図7は、本開示の少なくとも一つの実施例による画素回路の駆動プロセスのタイミングチャートである。
図8図8は、本開示の少なくとも一つの実施例による表示装置の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施例の目的、技術案および利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例の図面を参照し、本発明の実施例の技術案について、明らかにかつ完全に説明する。説明される実施例は、本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではないことが明らかである。説明される本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労働を必要としない前提で得られる他の実施例は、全て本発明の保護範囲に属する。
【0024】
別途定義されない限り、ここに使用される技術用語又は科学用語とは、本発明の分野において一般的なスキルを持つ人によって理解される通常の意味を示すべきである。本開示に使用される「第1」、「第2」及び類似する用語は、何らの順番、数又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するものに過ぎない。同様に、「含む」や「有する」などの類似する用語とは、前述の要素や物体は後に挙げられる要素や物体及びそれらに同等なものを網羅する意味であり、他の要素や物体を除外するものではない。「接続」や「繋がる」などの類似する用語は、物理的又は機械的な接続に限定されていなく、電気的な接続を含むことができ、直接か間接かに拘らない。「上」、「下」、「左」、「右」などの用語は、ただ相対的な位置関係を示すものであり、記述される対象の絶対位置が変更したら、当該相対的な位置関係がそれに従って変更することもある。
【0025】
本開示の全ての実施例では、採用されるトランジスタは、いずれも薄膜トランジスタや電界効果トランジスタ、又は同じ特性を持つ他のデバイスであってもよく、回路においての役割によると、本開示の実施例で採用されるトランジスタは、主にスイッチングトランジスタである。ここで採用されるスイッチングトランジスタは、ソースとドレインとが対称であるので、そのソースとドレインが交換可能である。本開示の実施例では、その中のソースが第1の電極、ドレインが第2の電極と呼ばれる。図面における形態によって、トランジスタの中間端子がゲート、信号入力端子がソース、信号出力端子がドレインであるように規定されている。なお、本開示の実施例で採用されるスイッチングトランジスタは、P型スイッチングトランジスタ又はN型スイッチングトランジスタのうちのいずれを含んでもよい。ここで、P型スイッチングトランジスタは、ゲートが低レベルになる場合にオン、ゲートが高レベルになる場合にオフとなり、N型スイッチングトランジスタは、ゲートが高レベルになる場合にオン、ゲートが低レベルになる場合にオフとなる。
【0026】
本開示に記載される「有効電位」とは、スイッチングトランジスタをオンにする電位であり、本開示に記載される「無効電位」とは、スイッチングトランジスタをオフにする電位である。
【0027】
例えば、一般的に、OLED表示装置は、アレイ状に配列されている複数の画素ユニットを含み、各画素ユニットは、例えば対応する発光駆動回路を備えていってもよい。OLED表示装置では、製造プロセスにより、各発光駆動回路における駆動トランジスタの閾値電圧にはばらつきが生じること、また例えば温度の変化の影響により、駆動トランジスタの閾値電圧にドリフト現象が生じることがある。従って、各駆動トランジスタの閾値電圧のばらつきにより、表示不良(例えば表示ムラ)を引き起す可能性があるため、閾値電圧に対する補償が必要となる。そして、オフ状態にある場合、リーク電流の存在により、表示不良を引き起こす可能性もある。従って、業界では、2T1C(つまり、2つのトランジスタと1つのコンデンサ)という基本的な発光駆動回路の上、補償機能を持つ他の発光駆動回路が提供されている。補償機能は、電圧の補償、電流の補償あるいは混合補償によって実現してもよいし、補償機能を持つ画素回路は、例えば4T1Cや4T2Cなどであってもよいし、ここで詳細な説明を省略する。
【0028】
図1は、本開示の少なくとも一つの実施例によって提供される画素回路の構成模式図である。図1に示すように、当該画素回路はアレイ状に配列されている複数の画素補償回路グループ01を備えてもよいし、各画素補償回路グループ01はK(Kが1より大きい整数である)行の画素補償回路011を含み、各行の画素補償回路は少なくとも1つの画素補償回路011を含んでもよい。
【0029】
例示的に、図1に示す画素回路では、各画素補償回路グループ01は2行の画素補償回路011を含み、つまりK=2である。図1には、各行の画素補償回路のうちの1つだけの画素補償回路011が示されており、実際には、各行の画素補償回路には複数の画素補償回路011が含まれてもよい。
【0030】
本開示のいくつかの実施例では、各画素補償回路011は、動作中で、1つの発光ユニットグループ02に接続されることが許容され、各発光ユニットグループ02が同一列に位置するM(Mが1より大きい整数である)個の発光ユニット021を含むように配置されてもよい。例示的に、図1に示す画素回路では、各画素補償回路011は、同一列に位置する2つの発光ユニット021に接続されており、つまりM=2であってもよい。
【0031】
さらに、当該画素回路は、複数の画素補償回路グループ01に一対一で対応する複数の発光制御信号端グループ03をさらに含んでもよい。各発光制御信号端グループ03が発光制御信号端EMをM個含んでもよい。各画素補償回路グループ01における各画素補償回路011のいずれも対応する1つの発光制御信号端グループ03におけるM個の発光制御信号端EMに接続されてもよい。
【0032】
例示的に、図1に示すように、当該発光制御信号端グループ03の夫々は2つの発光制御信号端EMを含み、つまりM=2である。それに、各画素補償回路011は、いずれも当該1つの発光制御信号端グループ03における2つの発光制御信号端EMに接続されてもよい。すなわち、各発光制御信号端グループ03における各発光制御信号端EMは、いずれも各画素補償回路グループ01(各画素補償回路グループ01はK行の画素補償回路を含み、Kが1より大きい整数である)における各画素補償回路011に接続されてもよい。1つの発光制御信号端EMが1つの画素補償回路011に接続されている関連技術と比較して、画素回路において設置する必要がある信号端の数が低減し、画素補償回路によって占められる面積が減少する。
【0033】
各画素補償回路011が接続されるM個の発光制御信号端EMは、画素補償回路011が接続されるM個の発光ユニット021に一対一で対応し、各発光制御信号端EMは、それに接続される画素補償回路011にり、対応する発光ユニット021を駆動して発光させてもよい。すなわち、本開示のいくつかの実施例では、1つの発光制御信号端EMは、それに接続される各画素補償回路011により、当該画素補償回路011が接続される1つの発光ユニットグループのうち、当該発光制御信号端EMに対応する発光ユニット021を駆動して発光させてもよい。
【0034】
本開示の少なくとも一つの実施例によって提供される画素回路では、発光ユニット021を駆動して発光させる際、M個の駆動サブフレームが含まれてもよい。各駆動サブフレームには、当該複数の発光制御信号端グループ03に一対一で対応する複数の駆動段階が含まれてもよい。各駆動段階において、複数の発光制御信号端グループ03のうち、当該駆動段階に対応する1つの発光制御信号端グループ03が動作状態にあり、当該1つの発光制御信号端グループ03のうち、1つだけの目標発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位は有効電位であり、当該1つの目標発光制御信号端以外、他の各発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位はいずれも無効電位である。すなわち、各駆動サブフレームの各駆動段階において、動作状態にある1つの当該発光制御信号端グループ03に接続される1つの画素補償回路グループ01において、各画素補償回路011が接続されるM個の発光ユニット021のうち、当該目標発光制御信号端に対応する発光ユニット021のみが当該目標発光制御信号の駆動で発光することができる。
【0035】
例えば、仮に、画素回路が発光ユニットを駆動して発光させる際、2つの駆動サブフレーム(つまり、M=2)が含まれる場合、第1駆動サブフレームのある駆動段階において、当該駆動段階に対応する1つの発光制御信号端グループ03のうち、第1発光制御信号端EMから提供される発光制御信号の電位が有効電位であってもよく、すなわち、第1発光制御信号端EMが目標発光制御信号端であり、このとき、当該第1発光制御信号端EMに対応する発光ユニット021が発光する。第2駆動サブフレームの当該駆動段階において、当該駆動段階に対応する1つの発光制御信号端グループ03のうち、第2発光制御信号端EMから提供される発光制御信号の電位が有効電位であってもよく、すなわち、第2発光制御信号端EMが目標発光制御信号端であり、このとき、当該第2発光制御信号端EMに対応する発光ユニット021が発光する。
【0036】
まとめると、本開示のいくつかの実施例によって提供される画素回路では、複数の画素補償回路が含まれており、かつ、各画素補償回路は同一列に位置するM個の発光ユニットに接続されることができ、つまり、1つの画素補償回路がM個の発光ユニットの駆動に用いられることができるので、設置する必要がある画素補償回路の数が低減することができる。さらに、各発光制御信号端グループに含まれるM個の発光制御信号端の夫々が1つの画素補償回路グループ(つまり、K行の画素補償回路)に接続されることができるので、設置する必要がある信号端の数が低減し、回路基板に対して画素回路の占める面積がさらに減少し、狭い額縁の表示パネルの実現により有利となる。
【0037】
図2は、本開示の少なくとも一つの実施例によって提供される他の画素回路の構成模式図である。図2に示すように、当該画素回路は複数の画素補償回路グループ01に一対一で対応する複数の総発光制御信号端EMcを備えていってもよい。各総発光制御信号端EMcは対応する1つの画素補償回路グループ01における各画素補償回路011に接続されてもよい。例示的に、図2に示すように、1つの総発光制御信号端EMcは1つの画素補償回路グループ01における2行の画素補償回路011のいずれにも接続されてもよい。
【0038】
当該総発光制御信号端EMcは、それに接続される各画素補償回路011により、当該画素補償回路011に接続される1つの発光ユニットグループ02を駆動して発光させてもよい。
【0039】
本開示のある実施例では、各総発光制御信号端EMcは対応する1つの画素補償回路グループ01(つまり、K行の画素補償回路)における各画素補償回路011に接続されることができ、かつ、各画素補償回路011は1つの発光ユニットグループ02(各発光ユニットグループ02は、同一列に位置するM個の発光ユニット021を含むことができる)に接続されることができるので、当該1つの総発光制御信号端EMcは、当該1つの画素補償回路グループ01における各画素補償回路011により、M×K行の発光ユニットを駆動して発光させることができる。1つの総発光制御信号端EMcがそれに接続される1行の画素補償回路011により1行の発光ユニットを駆動する関連技術と比較して、画素回路において設置する必要がある信号端の数がさらに低減し、画素回路によって占められる面積が減少する。
【0040】
例示的に、図2を参照し、仮に、各発光ユニットグループ02が同一列に位置する2つの発光ユニット021を含み、1つの画素補償回路グループ01が2行の画素補償回路011を含む場合、1つの発光制御信号端EMcは、1つの画素補償回路グループ01により4行の発光ユニット021を駆動して動作させることができる。
【0041】
図1及び図2を参照し、仮に、各画素補償回路011のいずれも同一列に位置する2つの発光ユニット021に接続されている場合、本開示のいくつかの実施例では、1つの発光制御信号端EMは2行の発光ユニットを制御することができる。1つの発光制御信号端EMにより1行の発光ユニットを制御する関連技術と比較して、設置する必要がある発光制御信号端EMの数の半分も削減する。そして、本開示のいくつかの実施例では、1つの総発光制御信号端EMcにより4行の発光ユニットを制御することができる。1つの総発光制御信号端EMcにより1行又は2行の発光ユニットを制御する関連技術と比較して、設置する必要がある総発光制御信号端EMcの数量を有効に削減する。
【0042】
当該発光ユニットグループ02の夫々は、同一列に位置しかつ隣接するM個の発光ユニット021を含んでもよい。隣接するM個の発光ユニット021同士が1つの画素補償回路011を共有することにより、発光ユニット021と画素補償回路011との間の配線の長さができる限り減少することができ、表示パネルの配線のコストが減少し、表示パネルの製造プロセスを簡略化することができる。
【0043】
当該発光ユニットグループ02の夫々は、同一列に位置しかつ隣接する2つの発光ユニット021を含み、つまりM=2であってもよい。各発光ユニットグループ02には隣接する2つの発光ユニット021だけが含まれる場合、図1及び図2に示すように、当該2つの発光ユニット021が共有する画素補償回路011は、当該2つの発光ユニット021の間に設置されることができ、これにより、配線のコストがさらに減少することができる。
【0044】
当該画素補償回路グループ01の夫々は、隣接するK行の画素補償回路を含んでもよい。隣接する行に位置する画素補償回路01を1つのグループとすることで、発光制御信号端EMが行を跨って画素補償回路グループ01に接続することを回避することができ、これにより、配線のコストが減少することができる。
【0045】
図1及び図2を参照し、当該画素補償回路グループ01の夫々は、隣接する2行の画素補償回路011を含んでもよい。隣接する2行に位置する画素補償回路011を1つのグループとすることで、各発光制御信号端EMが2行だけの画素補償回路011に接続されるようにすることができる。すなわち、1つの制御信号端EMにより2行だけの発光ユニット021の動作を同時に制御することで、画素補償回路の占有面積が減少しながら、表示パネルの表示効果への影響が抑制される。
【0046】
本開示のいくつかの実施例では、各画素補償回路が接続されるM個の発光制御信号端のうちの第m(mがM以下の正整数である)の発光制御信号端は、それに接続されるM個の発光ユニットのうちの第mの発光ユニットに対応する。各画素補償回路011に接続される発光制御信号端EMが、当該画素補償回路011に接続される発光ユニット021に対応付けるようにすることにより、各発光制御信号端グループ03は、画素補償回路011により、各行の発光ユニット021を等しい行間隔で順に駆動して発光させ、表示パネルの表示効果は良い。
【0047】
例示的に、仮に2つの駆動サブフレームが含まれる。第1駆動サブフレームにおいて、各発光制御信号端グループ03における第1発光制御信号端EMは、有効電位の発光制御信号を順に出力してもよい。各発光制御信号端グループ03にける第1発光制御信号端EMは、当該発光制御信号端EMに接続される画素補償回路011が接続される2つの発光ユニット021のうちの第1発光ユニット021に対応するため、当該発光制御信号端グループ03の夫々における第1発光制御信号端EMは、それに接続される画素補償回路011により、奇数行の発光ユニット021を順に駆動して行ずつ発光させることにより、発光ユニット021に対して等しい行間隔で順に駆動することが実現される。
【0048】
図3は、本開示の少なくとも一つの実施例によって提供される画素補償回路の構成模式図である。図3に示すように、各画素補償回路011は、リセットサブ回路10と、第1の発光制御サブ回路20と、M個の第2の発光制御サブ回路30とを含んでもよい。例えば、図3には、2つの第2の発光制御サブ回路30が示されている。
【0049】
図3を参照し、当該リセットサブ回路10は、それぞれリセット信号端RST、リセット電源端Vint、第1のノードP1に接続されてもよい。当該リセットサブ回路10は、当該リセット信号端RSTからのリセット信号に応じて、リセット電源端Vintからのリセット電源信号を第1のノードP1に入力するために用いられてもよい。
【0050】
例示的に、当該リセット信号端RSTから提供されるリセット信号の電位が有効電位である場合、当該リセットサブ回路10は、リセット電源端Vintからのリセット電源信号を第1のノードP1に入力してもよい。当該リセット電源信号の電位は有効電位であってもよい。
【0051】
図3を参照し、当該第1の発光制御サブ回路20は、それぞれ第1のノードP1、総発光制御信号端EMc、電源端ELVDD、データ信号端D、駆動電源端G、第2のノードP2に接続されてもよい。当該第1の発光制御サブ回路20は、第1のノードP1の電位と、総発光制御信号端EMcからの総発光制御信号と、電源端ELVDDからの電源信号と、駆動電源端Gからの駆動電源信号とに応じて、データ信号端Dからのデータ信号を第2のノードP2に入力するために用いられてもよい。
【0052】
例示的に、当該駆動電源端Gから提供される駆動電源信号の電位が有効電位であり、総発光制御信号端EMcから提供される総発光制御信号の電位が無効電位であり、第1のノードP1の電位が有効電位であり、電源端ELVDDから提供される電源信号の電位が無効電位である場合、当該第1の発光制御サブ回路20は、データ信号端Dからのデータ信号を第2のノードP2に入力してもよい。
【0053】
本開示のいくつかの実施例では、同一行に位置する画素補償回路は、同一の駆動電源端Gに接続されてもよい。各画素補償回路は、同一列に位置するM個の発光ユニットに接続されることができるので、1つの駆動電源端Gだけでも1行の画素補償回路によりM行の発光ユニットを駆動して稼動させることができる。1つの駆動電源端Gが1行の発光ユニットのみを駆動できる関連技術と比較して、本開示のいくつかの実施例によって提供される画素回路では、設置する必要がある駆動電源端Gの数が少ないし、当該画素回路の占有面積が小さくなる。
【0054】
図3を参照し、各第2の発光制御サブ回路30は、それぞれ第2のノードP2、対応する1つの発光制御信号端グループにおける1つの発光制御信号端EM及び1つの発光ユニット021に接続されてもよい。各第2の発光制御サブ回路30は、それに接続される発光制御信号端EMから提供される発光制御信号に応じて、それに接続される発光ユニット021を駆動して発光させてもよい。
【0055】
例示的に、図3における1つの発光制御信号端EMから提供される発光制御信号の電位が有効電位である場合、当該第2の発光制御サブ回路30は、当該発光制御信号端EMに対応する発光ユニット021を駆動して発光させてもよい。
【0056】
図4は、本開示の少なくとも一つの実施例によって提供される他の画素補償回路の構成模式図である。図4に示すように、当該第2の発光制御サブ回路30の夫々は第1のトランジスタM1を含んでもよい。
【0057】
例示的に、仮に、図1に示すように、各画素補償回路011は、同一列に位置する2つの発光ユニット021に接続されている場合、図4を参照し、当該1つの画素補償回路は、2つの第1のトランジスタM1を含み、当該第1のトランジスタM1の夫々のゲートが1つの発光制御信号端EMに接続され、第1のトランジスタM1の第1の電極が第2のノードP2に接続され、第1のトランジスタM1の第2の電極が1つの発光ユニット021に接続されてもよい。図4を参照し、各発光ユニット021の他端は、低レベル電源端ELVSSに接続されてもよい。当該発光ユニットは、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)又はAMOLEDであってもよい。
【0058】
選択的に、図4を参照し、当該リセットサブ回路10は、第2のトランジスタM2を含んでもよい。
【0059】
当該第2のトランジスタM2のゲートはリセット信号端RSTに接続され、当該第2のトランジスタM2の第1の電極はリセット電源端Vintに接続され、当該第2のトランジスタM2の第2の電極は第1のノードP1に接続されてもよい。
【0060】
図4を参照し、当該第1の発光制御サブ回路20は、第3のトランジスタM3と、第4のトランジスタM4と、第5のランジスタM5と、第6のトランジスタM6と、蓄積コンデンサCとを含んでもよい。
【0061】
図4を参照し、当該第3のトランジスタM3のゲートは駆動電源端Gに接続され、当該第3のトランジスタM3の第1の電極はデータ信号端Dに接続され、当該第3のトランジスタM3の第2の電極は第3のノードP3に接続されてもよい。
【0062】
第4のトランジスタM4のゲートは総発光制御信号端EMcに接続され、第4のトランジスタM4の第1の電極は第3のノードP3に接続され、第4のトランジスタM4の第2の電極は電源端ELVDDに接続されてもよい。
【0063】
第5のランジスタM5のゲートは第1のノードP1に接続され、第5のランジスタM5の第1の電極は第3のノードP3に接続され、第5のランジスタM5の第2の電極は第2のノードP2に接続されてもよい。
【0064】
第6のトランジスタM6のゲートは駆動電源端Gに接続され、第6のトランジスタM6の第1の電極は第1のノードP1に接続され、第6のトランジスタM6の第2の電極は第2のノードP2に接続されてもよい。
【0065】
蓄積コンデンサCは、一端が電源端ELVDDに接続され、他端が第1のノードP1に接続されてもよい。
【0066】
画素補償回路の面積は表示パネルの単位サイズでの画面解像度(Pixels Per inch、PPI)とは負の関連があるため、画素補償回路の面積が大きいほど、表示パネルのPPIが低くなる。本開示のいくつかの実施例では、1つの画素補償回路により複数の発光ユニットを駆動して動作させることにより、設置する必要がある画素補償回路の数が低減し、画素補償回路の占用面積が減少する。さらに、本開示のいくつかの実施例では、各発光制御信号端も各総発光制御信号端も、1つの画素補償回路グループ(つまり、K行の画素補償回路)における画素補償回路の夫々に接続されることにより、画素回路において設置する必要がある信号端の数が低減する。このため、本開示のいくつかの実施例によって提供される画素回路の占有面積が小さくなり、表示パネルのPPIを有効に向上させることができる。
【0067】
なお、本開示のいくつかの実施例では、図4に示す7T1C(つまり、7つのトランジスタと1つのコンデンサ)からなる構成以外、当該画素補償回路は、6T1C又は9T1Cなどの他の構成の画素補償回路であってもよく、本開示の実施例はこれに限定されない。
【0068】
なお、上記の各実施例のいずれでも、各トランジスタがP型トランジスタであり、かつ、有効電位が低電位である例を挙げて説明する。もちろん、各トランジスタには、N型トランジスタが用いられてもよく、各トランジスタのいずれにもN型トランジスタが用いられる場合、当該有効電位が高電位である。
【0069】
まとめると、本開示のいくつかの実施例によって提供される画素回路では、複数の画素補償回路が含まれており、かつ、各画素補償回路が同一列に位置するM個の発光ユニットに接続されることができるため、1つの画素補償回路がM個の発光ユニットの駆動に用いられることができる。よって、設置する必要がある画素補償回路の数が低減することができる。さらに、各発光制御信号端グループに含まれるM個の発光制御信号端の夫々が1つの画素補償回路グループ(つまり、K行の画素補償回路)に接続されることができるため、設置する必要がある信号端の数が低減し、回路基板に対して画素回路の占める面積がされに減少し、狭い額縁の表示パネルの実現により有利となる。
【0070】
本開示の少なくとも一つの実施例では、画素回路の駆動方法が提供されており、当該方法は図1に示す画素回路に適用されてもよい。当該方法は、M個の駆動サブフレームで画素回路を駆動することを含んでもよい。当該駆動方法における駆動サブフレームの数は、各画素補償回路が接続される発光ユニットの数に等しい。当該M個の駆動サブフレームは各画素補償回路が接続されるM個の発光ユニットに一対一で対応し、各駆動サブフレームには、各画素補償回路が接続されるM個の発光ユニットのうち、当該駆動サブフレームに対応する1つの発光ユニットが発光し、残りのM-1の発光ユニットが発光しない。
【0071】
ここで、各駆動サブフレームは、複数の駆動段階を含んでもよい。各駆動サブフレームに含まれる駆動段階の数は、画素回路に含まれる画素補償回路グループの数と発光制御信号端グループの数に等しくてもよい。さらに、当該複数の駆動段階は、複数の発光制御信号端グループに一対一で対応してもよい。
【0072】
M個の駆動サブフレームで画素回路を駆動することは、各駆動段階における発光サブ段階において、対応する1つの発光制御信号端グループに含まれるM個の発光制御信号端のうちの1つの目標発光制御信号端から提供される目標発光制御信号の電位が有効電位であり、目標発光制御信号端以外の他の発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位が無効電位であり、目標発光制御信号端に接続される1つの画素補償回路グループが目標発光制御信号による制御の下で、対応する発光ユニットを駆動して発光させることを含んでもよい。すなわち、各駆動サブフレームに含まれる各駆動段階において、各画素補償回路に接続される1つの発光ユニットグループにおいて、1つだけの発光ユニットが発光する。
【0073】
ここで、目標発光制御信号端以外の他の発光制御信号端とは、当該対応する1つの発光制御信号端グループのうち、1つの目標発光制御信号端以外のM-1の発光制御信号端、ならびに、当該複数の発光制御信号端グループのうち、当該対応する1つの発光制御信号端グループ以外の他の発光制御信号端グループを指す。
【0074】
まとめると、本開示の少なくとも一つの実施例によって提供される画素回路の駆動方法では、各駆動段階の発光サブ段階において、目標制御信号端に接続される1つの画素補償回路グループ(つまり、K行の画素補償回路)は、当該目標発光制御信号端による制御の下で、対応する発光ユニットを駆動して発光させることができる。従って、設置する必要がある信号端の数が低減し、回路基板に対して画素回路の占める面積がさらに減少し、狭い額縁の表示パネルの実現により有利となる。
【0075】
図2を参照し、当該画素回路は、複数の画素補償回路グループ01に一対一で対応する複数の総発光制御信号端EMcを含んでもよい。各総発光制御信号端EMcは、対応する1つの画素補償回路グループ01における各画素補償回路011に接続されてもよい。
【0076】
これに応じて、M個の駆動サブフレームで画素回路を駆動することは、各駆動段階の発光サブ段階において、目標発光制御信号端に接続される1つの画素補償回路グループに対応する1つの総発光制御信号端から提供される総発光制御信号の電位は、有効電位であることを含んでもよい。
【0077】
各発光ユニットグループは、同一列に位置しかつ隣接する2つの発光ユニットを含んでもよい。各発光制御信号端グループは、2つの発光制御信号端を含んでもよい。これに応じて、M個の駆動サブフレームで画素回路を駆動することは、2つの駆動サブフレームで画素回路を駆動することを含んでもよい。
【0078】
2つの駆動サブフレームで画素回路を駆動することは、
【0079】
第1駆動サブフレームの各駆動段階の発光サブ段階において、当該駆動段階に対応する1つの発光制御信号端グループにおける一方の発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位が有効電位であり、他方の発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位が無効電位であることと、
【0080】
第2駆動サブフレームの各駆動段階の発光サブ段階において、当該駆動段階に対応する1つの発光制御信号端グループにおける他方の発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位が有効電位であり、他方の発光制御信号端以外の一方の発光制御信号端から提供される発光制御信号の電位が無効電位であることと、を含んでもよい。
【0081】
各画素補償回路グループは、隣接するK行の画素補償回路を含んでもよい。これに応じて、各発光サブ段階において、K行の画素補償回路の夫々に接続される1つの発光ユニットが発光する。
【0082】
図4を参照し、各画素補償回路は、リセットサブ回路10と、第1の発光制御サブ回路20と、M個の第2の発光制御サブ回路30とを含んでもよい。これに応じて、各駆動段階は、発光サブ段階の前のリセットサブ段階及びK個の補償サブ段階を含んでもよい。
【0083】
図5は、本開示の少なくとも一つの実施例によって提供される画素回路の駆動方法フローチャートである。図5に示すように、当該方法は、
【0084】
ステップ501では、リセットサブ段階において、駆動段階に対応する1つの発光制御信号端グループに接続される1つの画素補償回路グループには、第1行の画素補償回路のリセット信号端から提供されるリセット信号の電位が有効電位であり、リセットサブ回路はリセット信号に応じて、リセット電源端からのリセット電源信号を第1のノードに入力する。
【0085】
そして、リセットサブ段階において、各画素補償回路グループに接続される総発光制御信号端から提供される総発光制御信号の電位は、いずれも無効電位である。
【0086】
ステップ502では、K個の補償サブ段階のうちの第k補償サブ段階において、当該画素補償回路グループには、第k行の画素補償回路が接続される駆動電源端から提供される駆動電源信号の電位が有効電位であり、当該画素補償回路グループに接続される総発光制御信号端から提供される総発光制御信号の電位が無効電位であり、第k(kがK以下の正整数である)行の画素補償回路の夫々の第1の発光制御サブ回路は、駆動電源信号と、第1のノードの電位と、電源端から提供される電源信号に応じて、データ信号端からのデータ信号を第2のノードに入力する。
【0087】
例示的に、仮に、各画素補償回路グループは2行の画素補償回路を含む場合、各駆動段階は2つの補償サブ段階を含み、つまり、K=2であってもよい。
【0088】
ステップ503では、発光サブ段階において、当該画素補償回路グループに接続される総発光制御信号の電位が有効電位であり、当該画素補償回路グループにおいて、各画素補償回路のM個の第2の発光制御サブ回路のうち、目標発光制御信号端に接続される第2の発光制御サブ回路は、目標発光制御信号に応じて、それに接続される発光ユニットを駆動して発光させる。
【0089】
本開示のいくつかの実施例では、図2に示す画素回路(つまり、MもKも2である)、図4に示す画素補償回路を例とし、かつ、画素補償回路における各トランジスタがP型トランジスタとして、本開示のいくつかの実施例によって提供される画素回路の駆動原理について詳細に説明する。
【0090】
当該画素回路における各画素補償回路に接続される1つの発光ユニットグループは2つの発光ユニットを含み、つまり、M=2であるため、図6に示すように、画素回路が表示パネルの発光ユニットに対して1フレーム1Fの走査をする期間を、2つの駆動サブフレームSF1、SF2に分割することができる。図6を参照し、第1駆動サブフレームSF1には、画素回路は、駆動表示パネルにおける奇数行の発光ユニットを行ずつ走査して発光させることができ、つまり、第1駆動サブフレームSF1には、画素回路は、第1行、第3行、第5行ないし表示パネルにおける最後の奇数行の発光ユニットを順に駆動して発光させてもよい。第2駆動サブフレームSF2には、画素回路は、表示パネルにおける偶数行の発光ユニットを行ずつ駆動して発光させることができ、つまり、第2駆動サブフレームSF2には、画素回路は、第2行、第4行、第6行ないし表示パネルにおける最後の偶数行の発光ユニットを順に駆動して発光させてもよい。
【0091】
図7を参照し、当該第1駆動サブフレームSF1は、複数の駆動段階を含んでもよい。当該複数の駆動段階のうちの第i(iは、各駆動サブフレームに含まれる駆動段階の数以下の正整数である)駆動段階Qiにおいて、当該第i駆動段階Qiに対応する第i発光制御信号端グループは、第i画素補償回路グループを駆動して動作させることができる。仮に、当該第i画素補償回路グループに含まれる2行の画素補償回路のうち、第1行の画素補償回路が表示パネルにおける第n行の画素補償回路である場合、図7に示すように、当該第i駆動段階Qiのリセットサブ段階T1において、表示パネルにおける第n行の画素補償回路の1行前の画素補償回路(つまり、第n-1行)に接続されるの駆動電源端G(n-1)は、当該第n行の画素補償回路のリセット信号端として、有効電位にあるリセット信号を提供する。表示パネルにおける第n行の画素補償回路の夫々の第2のトランジスタM2がオンとなり、リセット電源端Vintは、当該第2のトランジスタM2を介して有効電位にあるリセット電源信号を第1のノードP1に入力する。当該リセット段階T1において、第n行の画素補償回路のリセットを実現することができる。さらに、当該リセットサブ段階T1において、表示パネルにおける第n行の画素補償回路の夫々の第5のランジスタM5がオンとなる。
【0092】
1つの画素補償回路グループ01は、2行の画素補償回路011を含み、つまりK=2であるため、第1駆動サブフレームSF1には、各駆動段階は2つの補償サブ段階T2、T3を含んでもよい。図7を参照し、当該第i駆動段階Qiの第1補償サブ段階T2において、当該第i画素補償回路グループにおける第1行の画素補償回路(つまり、表示パネルにおける第n行の画素補償回路)に接続される駆動電源端G(n)から提供される駆動電源信号の電位が有効電位であり、当該表示パネルにおける第n行の画素補償回路の夫々の第3のトランジスタM3がオンとなり、データ信号端Dは、当該第3のトランジスタM3及び第5のランジスタM5を介して、データ信号D(n)を第2のノードP2に入力し、データ信号及び第5のランジスタM5の閾値電圧を蓄積コンデンサCに貯蓄させる。
【0093】
同時に、当該第i駆動段階Qiの第1補償サブ段階T2において、当該第i画素補償回路グループにおける第1行の画素補償回路(つまり、表示パネルにおける第n行の画素補償回路)に接続される駆動電源端G(n)は、当該第i画素補償回路グループにおける第2行の画素補償回路(つまり、表示パネルにおける第n+1行の画素補償回路)のリセット信号端として、有効電位にあるリセット信号を当該第n+1行の画素補償回路へ提供してもよい。当該表示パネルにおける第n+1行の画素補償回路の夫々の第2のトランジスタM2がオンとなり、リセット電源端Vintは、当該第2のトランジスタM2を介して、有効電位にあるリセット電源信号を第1のノードP1に入力することにより、当該第n+1行の画素補償回路のリセットを実現する。すなわち、当該第1補償サブ段階T2は、第n+1行の画素補償回路のリセットサブ段階としてもよい。
【0094】
当該第i駆動段階Qiの第2補償サブ段階T3において、当該第i画素補償回路グループにおける第2行の画素補償回路(つまり、表示パネルにおける第n+1行の画素補償回路)に接続される駆動電源端G(n+1)から提供される駆動電源信号の電位が有効電位であり、当該表示パネルにおける第n+1行の画素補償回路の夫々の第3のトランジスタM3がオンとなり、そして、このとき第5のランジスタM5もオンであるため、データ信号端Dは、当該第3のトランジスタM3及び第5のランジスタM5を介して、データ信号D(n+1)を第2のノードP2に入力し、データ信号及び第5のランジスタM5の閾値電圧を蓄積コンデンサC貯蓄させる。
【0095】
そして、当該リセットサブ段階T1および当該2つの補償サブ段階T2、T3の夫々において、当該第i画素補償回路グループにおける第1行の画素補償回路及び第2行の画素補償回路(つまり、表示パネルにおける第n行の画素補償回路及び第n+1行の画素補償回路)に接続される総発光制御信号端EMcから提供される総発光制御信号の電位のいずれも無効電位であり、当該表示パネルにおける第n行の画素補償回路の夫々の第4のトランジスタM4と、当該表示パネルにおける第n+1行の画素補償回路の夫々の第4のトランジスタM4とのいずれもオフとなる。
【0096】
さらに、第1駆動サブフレームSF1の第i駆動段階Qiの発光サブ段階T4において、第i画素補償回路グループにおける各画素補償回路が接続される総発光制御信号端EMcから提供される総発光制御信号の電位が有効電位になり、当該表示パネルにおける第n行の画素補償回路の夫々の第4のトランジスタM4及び当該表示パネルにおける第n+1行の画素補償回路の夫々の第4のトランジスタM4のいずれもオンとなる。電源端ELVDDは、当該第4のトランジスタM4及び第5のランジスタM5を介して、電源信号を第2のノードP2に入力することができる。第i発光制御信号端グループにおける第1発光制御信号端EM(n_1)から提供される発光制御信号の電位が有効電位であり、当該表示パネルにおける第n行及び第n+1行の画素補償回路の夫々における、当該第1発光制御信号端EM(n_1)に対応する第1のトランジスタM1がオンとなり、第2のノードP2は、第1のトランジスタM1を介して、当該第1のトランジスタM1に接続される発光ユニットを駆動して発光させることができる。つまり、表示パネルにおける第n行及び第n+1行の画素補償回路の夫々が接続される1つの発光ユニットグループのうち、当該第1発光制御信号端EM(n_1)に対応する発光ユニットが発光する。例えば、当該第i駆動段階Qiの発光サブ段階において、当該表示パネルにおける第n行の画素補償回路の夫々が接続される第1発光ユニットと、当該表示パネルにおける第n+1行の画素補償回路の夫々が接続される第1発光ユニットとが同時に発光することができる。
【0097】
本開示のいくつかの実施例では、1つの画素補償回路グループは2行の画素補償回路を含む場合、各駆動段階において1つの補償サブ段階のみが追加すればよい。これに応じて、各駆動段階において、発光サブ段階の期間は1つの補償サブ段階分だけ減少する。ここで、各駆動段階における各サブ段階の期間は1Hであってもよく、1Hとは、画素回路が1行の発光ユニットを走査するのに必要な期間であり、かつ、当該1Hは、1H=1/(f×S)を満たし、fがフレームレートを、Sが表示パネルに含まれる発光ユニットの総行数を表す。各駆動段階において、補償サブ段階が1H分増えるため、これに応じて、発光期間が1H分減少する。しかし、表示パネルは複数の行の発光ユニットを含むので、発光サブ段階の期間が1H減少することは、表示パネルの表示効果への影響が無視できるレベルである。
【0098】
図7を参照し、第2駆動サブフレームSF2の第i駆動段階Qiの発光サブ段階において、第i発光制御信号端グループにおける第2発光制御信号端EM(n_2)から提供される発光制御信号の電位が有効電位であり、当該第i発光制御信号端グループにおける第1の発光制御信号端EM(n_1)から提供される発光制御信号の電位が無効電位となる。当該表示パネルにおける第n行と第n+1行の画素補償回路の夫々における、当該第2発光制御信号端EM(n_2)に対応する第1のトランジスタM1がオンとなり、第2のノードP2は、第1のトランジスタM1を介して、当該第1のトランジスタM1に接続される発光ユニットを駆動して発光させることができる。つまり、表示パネルにおける第n行及び第n+1行の画素補償回路の夫々が接続される1つの発光ユニットグループのうち、当該第2発光制御信号端EM(n_2)に対応する発光ユニットが発光する。例えば、当該第i駆動段階Qiの発光サブ段階において、当該表示パネルにおける第n行の画素補償回路の夫々が接続される第2の発光ユニットと、当該表示パネルにおける第n+1行の画素補償回路の夫々が接続される第2の発光ユニットとが同時に発光することができる。
【0099】
なお、上記の各実施例のいずれでも、各トランジスタがP型トランジスタであり、かつ、有効電位が低電位である例を挙げて説明する。もちろん、各トランジスタには、N型トランジスタが用いられてもよく、各トランジスタのいずれにもN型トランジスタが用いられる場合、当該有効電位が高電位であってもよい。
【0100】
まとめると、本開示の少なくとも一つの実施例によって提供される画素回路の駆動方法では、各駆動段階の発光サブ段階において、目標制御信号端に接続される1つの画素補償回路グループ(つまり、K行の画素補償回路)は、当該目標発光制御信号端による制御の下で、対応する発光ユニットを制御して発光させることができる。従って、設置する必要がある信号端の数が低減し、回路基板に対して画素回路の占める面積がさらに減少し、狭い額縁の表示パネルの実現により有利となる。
【0101】
なお、本開示の少なくとも一つの実施例では、さらに、表示装置を提供する。当該表示装置は図1ないし図4に示す画素回路及び複数の発光ユニットグループを含み、当該発光ユニットグループの夫々はM(Mが1より大きい整数である)個の発光ユニットを含んでもよい。当該画素回路における各画素補償回路は、1つの発光ユニットグループに接続される。当該表示装置は、MicroLED表示基板、液晶パネル、電子ペーパー、AMOLEDパネル、携帯電話、タブレット、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーターなど、表示機能を持つ製品又は部品であってもよい。
【0102】
図8に示すように、本開示の少なくとも一つの実施例による表示装置800は、画素回路801及び複数の発光ユニットグループ802を含み、ここで、画素回路801は上記の任意の画素回路であってもよいし、発光ユニット802は上記の任意の発光ユニットであってもよい。
【0103】
説明の便利さ及び簡単さの上、上記の記載の画素回路及び表示装置の具体的な動作過程について、前記方法実施例における対応するプロセスを参照することができることは、当業者が明確に分かるべきものであり、ここで詳細な説明を省略する。
【0104】
以上、あくまでも本発明の例示的な実施形態に過ぎなく、本発明の保護範囲を制限するためのもではなく、本発明の保護範囲は添付の請求範囲によって限定されるべきである。
【符号の説明】
【0105】
03 発光制御信号端グループ
011 画素補償回路
021 発光ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8