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特許7419072創傷閉鎖のための折り畳み可能シートおよび使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】創傷閉鎖のための折り畳み可能シートおよび使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/00 20240101AFI20240115BHJP
   A61F 13/02 20240101ALI20240115BHJP
   A61M 27/00 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
A61F13/00 305
A61F13/02 A
A61M27/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019568040
(86)(22)【出願日】2018-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 EP2018065400
(87)【国際公開番号】W WO2018229012
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-06-04
(31)【優先権主張番号】62/519,775
(32)【優先日】2017-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391018787
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー ピーエルシー
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Building 5,Croxley Park,Hatters Lane,Watford,Hertfordshire WD18 8YE,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ケネス・フレイジャー・グルージョン・ハント
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-524299(JP,A)
【文献】特表2015-502775(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0144085(US,A1)
【文献】特開2016-221298(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0139025(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/00-13/14、15/00-17/00
A61M27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷上に配置されるように構成された折畳可能シートを含む創傷閉鎖装置であって、前記折畳可能シートが、
上層および下層と、
前記上層と前記下層によって少なくとも部分的に画定された複数のセルであって、隣り合わせに配列された、複数のセルと、
を含み、
前記セルそれぞれが、モザイク形状を有し、
複数の前記セルのうちの少なくとも一つが、前記折畳可能シートの厚さに平行な垂直面で折り畳まれ、それによって前記折畳可能シートが折り畳まれるように構成され
前記セルの少なくとも一部が膨張可能である、創傷閉鎖装置。
【請求項2】
前記上層および前記下層のうちの少なくとも一方が、可撓性の薄膜材料を含む、請求項に記載の創傷閉鎖装置。
【請求項3】
前記セルの少なくとも一部が、陰圧を前記折畳可能シートにかけた時に折り畳まれるように構成される、請求項1または2に記載の創傷閉鎖装置。
【請求項4】
少なくとも一つのセルが六角形状を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の創傷閉鎖装置。
【請求項5】
複数の前記セルが均一なサイズおよび形状を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の創傷閉鎖装置。
【請求項6】
複数の前記セルの少なくとも一部が不均一なサイズおよび/または形状を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の創傷閉鎖装置。
【請求項7】
前記折畳可能シートがセル壁をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の創傷閉鎖装置。
【請求項8】
前記セル壁が膨張可能である、請求項に記載の創傷閉鎖装置。
【請求項9】
前記折畳可能シートが、任意の特定の前記セルの折り畳みに際して、前記折畳可能シートが折り畳まれる方向を示すように構成された一以上の前記セル上の指標をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の創傷閉鎖装置。
【請求項10】
前記折畳可能シートが、前記創傷を覆い、前記創傷の周りに封止を形成するように構成される、請求項1~のいずれか一項に記載の創傷閉鎖装置。
【請求項11】
前記創傷に陰圧を供給するように構成された吸引ポートをさらに含み、
前記吸引ポートが前記折畳可能シートに一体化される、請求項1~10のいずれか一項に記載の創傷閉鎖装置。
【請求項12】
前記吸引ポートが、バルブを含み、
前記バルブが、創傷流体の吸収速度が創傷流体の蒸発速度よりも速い場合に、膨張して前記バルブを少なくとも部分的に閉めるように構成された超吸収性材を含む、請求項11に記載の創傷閉鎖装置。
【請求項13】
前記折畳可能シートの底面が、前記セルと前記創傷との間に一以上の間隙を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の創傷閉鎖装置。
【請求項14】
前記折畳可能シートの下で前記創傷上に位置付けられるように構成された組織保護層をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の創傷閉鎖装置。
【請求項15】
前記折畳可能シートを覆い、前記創傷の周りで封止を形成するように構成された一以上のドレープをさらに含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の創傷閉鎖装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年6月14日に出願された米国仮出願第62/519,775号に対する優先権を主張するものであり、参照によりその全体が組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本出願は、創傷の治療のための装置、方法、およびシステム、特に大きな創傷の閉鎖を補助する実施形態について説明する。
【0003】
関連技術の説明
急性区画症候群は、閉鎖筋区画内の組織圧が灌流圧力を超えるときに発生し、また最も一般的には脚または腕における区画で発生する。筋膜切開は、急性区画症候群を治療する外科的処置である。筋膜切開は、区画の減圧を可能にするために一つ以上の筋膜の切開から成り、そのため、大きな創傷が患者上に作り出されうる。このような創傷の閉鎖が、二次的感染症および他の合併症のリスクを最小限にしながら、下にある浮腫が治まった後、最優先される。手術、外傷、またはその他の状態いずれかの結果として、その他の大きな創傷または切開創傷も、閉鎖を必要としうる。既存の創傷の解除は、潜在的には不完全な下層筋膜閉鎖または感染などの二次的因子に起因しうる別の合併症である。
【0004】
大きすぎて自然には閉じられない、もしくはそうでなければ、治癒しない創傷の部位への陰圧の適用による開放創または慢性創傷の治療は、当該技術分野で周知である。陰圧は、多くの場合、創傷から滲出物およびその他の有害物質を除去しながら、治癒速度を改善できる。現在当該技術分野で公知の陰圧創傷治療システムは、一般に、創傷の上に液体に対して不透過性のカバーを配置することと、創傷を囲む患者の組織に対してカバーを封止する様々な機構を使用することと、陰圧の領域を創傷の領域におけるカバーの真下に作り出すことによって、陰圧供給源(真空ポンプなど)をカバーに接続することとを伴う。
【0005】
しかしながら、既存の陰圧療法システムは、最終的な創傷閉鎖を許容しながら、依然として長い閉鎖時間を必要とする。これらは、縫合糸などの他の組織固定手段と組み合わされてもよいが、完全な創傷閉鎖を許容するために、下にある筋肉および筋膜組織が適切に復元できないリスクもある。さらに、創傷へ発泡体またはその他の創傷充填材が創傷に挿入されるとき、創傷と発泡体への陰圧の適用は、創傷上で圧迫する周囲気圧を発生させ、創縁に対して発泡体を下向きかつ外向きに押し付けることができる。創傷充填材のこの下向きの圧迫により、治癒プロセスが遅くなり、創縁の結合が減速または阻止される。さらに、特定のタイプの筋膜炎の形態の筋膜の炎症は、急速および過剰な組織損失をもたらす可能性があり、潜在的により進行した陰圧療法システムの必要性を示唆し得る。したがって、創傷の治療および閉鎖のための改善された装置、方法、およびシステムを提供するニーズがある。
【発明の概要】
【0006】
特定の開示された実施形態は、創傷の閉鎖を促進する陰圧創傷閉鎖装置、方法、およびシステムに関する。記載される創傷は、任意の創傷を包含してもよく、また特定の場所またはタイプの創傷に限定されないことが当業者には理解されるであろう。さらに、本明細書に記載の装置、方法、およびシステムは、創傷の閉鎖またはその他の特定の用途に限定されないことが当業者には理解されるであろう。装置、方法、およびシステムは、現在採用されている創傷充填材の反復的な交換の必要性を低減させるために作用し得、治癒速度を加速し得る。装置、方法、およびシステムは、創傷流体を除去するために陰圧とともに使用され得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、創傷閉鎖装置は創傷の上に配置されるように構成された折り畳み可能シートを備えうる。折り畳み可能シートは、
上層と下層、および、
上層と下層によって少なくとも部分的に画定された複数のセルであって、複数のセルが隣り合わせに配列された複数のセルを含み、
各セルがモザイク形状を有し、
複数のセルのうちの少なくとも一つが、折り畳み可能構造の垂直面で折り畳まれ、それによって折り畳み可能シートが折り畳まれるように構成される。
【0008】
いくつかの実施形態では、少なくとも一部のセルは膨張可能であってもよい。上層または下層のうちの少なくとも一つは、可撓性の薄膜材料を含んでもよい。少なくとも一部のセルは、陰圧が折り畳み可能シートに適用された時に折り畳まれるように構成されうる。
【0009】
いくつかの実施形態では、少なくとも一つのセルは六角形状を有してもよい。複数のセルは、均一なサイズおよび形状を有してもよく、または複数のセルの少なくとも一部は不均一なサイズおよび/または形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、折り畳み可能シートはセル壁をさらに含みうる。セル壁は膨張可能であってもよい。折り畳み可能シートは、任意の特定のセルの折り畳みに際して折り畳み可能シートが折り畳まれる方向を示すように構成された一つ以上のセル上の指標をさらに含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、折り畳み可能シートは、創傷を覆い、創傷の周りで封止を形成するように構成されうる。創傷閉鎖装置は、陰圧を創傷に供給するように構成された吸引ポートおよび/または折り畳み可能シートの下で創傷の上に位置付けられるように構成された組織保護層をさらに含みうる。ポートは折り畳み可能シートに一体化されうる。ポートは、創傷流体の吸収速度が創傷流体の蒸発速度よりも速い時に、膨張してバルブを少なくとも部分的に閉めるように構成された超吸収性材を含むバルブを含みうる。折り畳み可能シートの底面は、セル間の一つ以上の間隙を含みうる。創傷閉鎖装置は、折り畳み可能シートを覆い、創傷の周りで封止を形成するように構成された一つ以上のドレープをさらに含み得る。
【0011】
特定の実施形態では、創傷を治療する方法は、折り畳み可能シートを創傷上に配置することを含む。方法は、折り畳み可能シートを通して陰圧を創傷に適用すること、または適用を生じさせることをさらに含み、陰圧の適用によって折り畳み可能シートが折り畳まれる。方法は、折り畳み可能シートを配置する前に、創傷の上に組織保護層を配置することをさらに含み得る。
【0012】
陰圧とともに使用する装置、装置および関連する方法の他の実施形態が以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、陰圧療法システムの一実施形態を示す。
図2図2は、折り畳み可能シートの一実施形態を示す。
図3図3は、一実施形態による折り畳み可能シートの折り畳みを示す。
図4図4は、一実施形態による折り畳み可能シートの一部分を示す。
図5図5は、折り畳み可能シートの一実施形態の部分的上面図を示す。
図6A図6Aは、ポートを有する折り畳み可能シートの実施形態を示す。
図6B図6Bは、ポートを有する折り畳み可能シートの実施形態を示す。
図7図7A図7Bは、陰圧療法システムのバルブの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
このセクションまたは本明細書にいずれかの部分に開示された実施形態は、ポンプおよび創傷被覆構成要素および装置を含む、陰圧源を用いて創傷を治療する装置および方法に関する。創傷オーバーレイおよびパッキング材料を含む装置および構成要素がある場合、このセクションまたは本明細書のいずれか部分では集合的に被覆材として称される場合がある。
【0015】
本明細書全体を通して、創傷に関して言及することが理解されるであろう。創傷という用語は広く解釈され、皮膚が断裂、切開、もしくは穿孔される、または外傷によって挫傷が引き起こされる開放創および閉鎖創、あるいは患者の皮膚における任意の他の表面もしくは他の状態または欠陥、場合によっては、減圧治療によって利益を得る他のものを包含することを理解されたい。よって、創傷は、流体が生成されることもされないこともある、組織の任意の損傷領域として広く定義される。そのような創傷の例としては、腹部創傷、または手術、外傷、胸骨切開、筋膜切開、あるいは他の状態のいずれかの結果としての他の大規模または切開性の創傷、裂開創傷、急性創傷、慢性創傷、亜急性創傷および裂開創傷、外傷性創傷、切断創傷、フラップおよび皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、火傷、電気火傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、ストーマ、術創、外傷性潰瘍および静脈性潰瘍などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0016】
本セクションまたは本明細書の他の場所で使用される場合、-XmmHgといった減圧または陰圧レベルは、通常、760mmHg(または、1気圧、29.93inHg、101.325kPa、14.696psiなど)に相当する標準的大気圧よりも低い圧力レベルを表す。したがって、陰圧値-XmmHgは、例えば、760mmHgをXmmHg下回る、すなわち言い換えると、絶対圧力(760-X)mmHgという絶対圧力を反映する。さらに、-XmmHgよりも「低い」または「小さい」陰圧は、大気圧により近い圧力に相当する(例えば、-40mmHgは-60mmHgよりも低くなる)。-XmmHgよりも「高い」または「大きい」陰圧は、大気圧からより遠い圧力に相当する(例えば、-80mmHgは-60mmHgよりも高くなる)。
【0017】
本開示の幾つかの実施形態に関する陰圧範囲は、約-80mmHg、又は約-10mmHgから-200mmHgの間であり得る。これらの圧力は、平常の周囲気圧に対して相対的であることには留意されたい。それゆえ、-200mmHgは、実質的には約560mmHgであろう。いくつかの実施形態では、圧力範囲は、約-40mmHgと-150mmHgとの間であり得る。あるいは、-75mmHg以下、-80mmHg以下、または80mmHg超過の圧力範囲が使用され得る。また、他の実施形態では、-75mmHgを下回る圧力範囲が使用され得る。代替として、およそ-100mmHgまたはさらに-150mmHgより上の圧力範囲が、陰圧デバイスにより供給され得る。いくつかの実施形態では、陰圧範囲は、約-20mmHgまたは約-25mmHgほど小さくてもよく、これは瘻孔を減少させるために有用であり得る。本明細書に記載する創傷閉鎖装置のいくつかの実施形態では、創傷収縮の増加が、囲んでいる創傷組織における組織拡張の増加につながり得る。この影響は、場合により、創傷閉鎖装置の実施形態によって創傷に適用される引張力の増加と連動して、組織に適用される力を変化させること、例えば、時間と共に創傷に適用される陰圧を変化させることによって増大する場合がある。一部の実施形態では、陰圧は、例えば正弦波、方形波を使用して、及び/又は、一つ又は複数の患者の生理的指標(例えば、心拍)と同期して、経時的に変化させられ得る。
【0018】
前述の記載に関するさらなる開示を見つけることができる、そのような適用の例には、2012年8月7日に発行された名称「Wound treatment apparatus and method」の米国特許第8,235,955号、および2010年7月13日に発行された名称「Wound cleansing apparatus with stress」の米国特許第7,753,894号を含む。両方の用途は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本セクションまたは本明細書の他の場所に記載した実施形態との併用に関連する教示を含み得るその他の出願には、米国特許第2011/0213287号として公開された、2010年9月20日出願の、「Systems And Methods For Using Negative Pressure Wound Therapy To Manage Open Abdominal Wounds」と題する出願番号第12/886,088号と、米国特許第2011/0282309号として公開された、2011年4月21日出願の、「Wound Dressing And Method Of Use」と題する出願番号第13/092,042号と、米国特許第2012/0209227号として公開された、2012年2月3日出願の、「Negative Pressure Wound Closure Device」と題する出願番号第13/365,615号と、を含み得、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の実施形態との併用に関連する教示を含み得るさらなる出願には、米国特許第2014/0180225号として公開された、2013年7月15日に出願の、「Negative Pressure Wound Closure Device」と題する特許出願番号第13/942,493号と、国際特許第2014/014871A1号として公開された、2013年7月16日に出願の、「Negative Pressure Wound Closure Device」と題するPCT出願番号第PCT/US2013/050619号と、国際特許第2014/014922A1号として公開された、2013年7月16日に出願された、「Negative Pressure Wound Closure Device」と題するPCT出願番号第PCT/US2013/050698号と、国際特許第2013/175309A1号として公開された、2013年5月5日に出願の、「Devices and Methods for Treating and Closing Wounds with Negative Pressure」と題するPCT出願番号第PCT/IB2013/01555号と、国際特許第2014/165275A1号として公開された、2014年3月12日に出願された、「Negative Pressure Wound Closure Device and Systems and Methods of Use in Treating Wounds with Negative Pressure」と題するPCT出願番号第PCT/US2014/025059号と、国際特許第2014/140578A1号として公開された、2014年3月13日に出願された、「Compressible Wound Fillers and Systems and Methods of Use In Treating Wounds With Negative Pressure」と題するPCT出願番号第PCT/GB2014/050746号と、第2016/0287765A1号として公開された、2014年10月21日に出願された、「Negative Pressure Wound Closure Device」と題するPCT出願番号第PCT/US2014/061627号と、国際特許第2016/176513号として公開された、2016年4月28日に出願された、「Negative Pressure Wound Closure Device」と題するPCT出願番号第PCT/US2016/029888号である。前述の出願のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、本明細書の一部とみなされるべきである。
【0019】
本セクションまたは本明細書のその他の場所で使用される場合、創傷を参照する場合は、「水平方向」という用語は、創傷を囲む皮膚に対して略平行な方向または面を示す。「垂直方向」という用語は、創傷を参照する場合は、水平面に垂直に延在する方向を一般に指す。「長手軸方向」という用語は、創傷を参照する場合は、創傷が最も長く取れる方向に沿った、水平面における方向を指す。「横方向」という用語は、創傷を参照する場合は、長手軸方向に垂直な水平面における方向を一般に指す。「水平方向」、「垂直方向」、「長手方向」、および「横方向」という用語はまた、本明細書全体にわたって記載した折り畳み可能シートおよび創傷閉鎖装置を説明するために使用され得る。これらの構造または装置を説明する場合、これらの用語は、構造または装置を特定の配向で創傷内に配置しなければならないと解釈されるべきではないが、特定の実施形態では、そうすることが好ましい場合がある。
【0020】
図1は、創傷101内および/または創傷101上の創傷閉鎖装置104を備える陰圧療法システム100の一実施形態を示す。創傷閉鎖装置104は、本明細書のこのセクションまたはその他の場所でさらに詳細に記載した折り畳み可能シートの一つ以上の実施形態を含みうる。いくつかの実施形態では、単一ドレープまたは複数のドレープ(ここでは図示しない)が創傷閉鎖装置104の上に配置されてもよく、流体密封シールを作り出せるよう、創傷101の周辺部において、皮膚に接着または封止されることが好ましい。アパーチャ106は創傷閉鎖装置104またはドレープを通して設けられ、創傷101からポンプ110などの陰圧源へ流体接続をもたらすように、手動で設けられるか、または創傷閉鎖装置104もしくはドレープ内に予め形成され得る。アパーチャ106とポンプ110との間の流体接続は、導管108を介して作製されることが好ましい。いくつかの実施形態では、導管108は、Smith&Nephewで製造されたRENASYS(登録商標)Soft Port(商標)を備えてもよい。もちろん、いくつかの実施形態では、創傷閉鎖装置104またはドレープは必ずしもアパーチャ106を含まなくてもよく、ポンプ110への流体接続は、導管108を創傷閉鎖装置104またはドレープの下に配置することによって作られてもよい。いくつかの創傷、特により大きな創傷においては、複数の導管108が使用され、一つまたは複数のアパーチャ106を介して流体接続されてもよい。
【0021】
使用時には、創傷101は準備かつ洗浄され得る。一部の場合、非接着または最小限の接着組織保護層(図示せず)が、任意の露出した内部組織の上に適用され得る。その後、創傷101は、流体密封シールを形成するように、創傷閉鎖装置104で覆われる。いくつかの実施形態では、創傷101および創傷閉鎖装置104は、流体密封シールを形成するようにさらにドレープで覆われる。次に、導管108の第一の端が、例えば、アパーチャ106を介して、創傷と流体連通するように配置される。導管108の第二の端部は、ポンプ110に接続される。次に、ポンプ110は、陰圧を創傷101に供給し、創傷101から創傷滲出液を抜くように、作動され得る。陰圧はまた、本明細書でさらに詳細に、前述の創傷閉鎖装置の実施形態に関連して記載されるように、例えば、反対側の創縁に近似させることにより、創傷101の閉鎖を促進するのを援助し得る。
【0022】
本明細書の本セクションまたは他の場所において開示される、任意の構造または構成要素は、放射線不透性物質を含んでもよい。有利なことに、放射線不透性物質により、構造から外れて、創傷内で見失ってしまう可能性のある、開示された創傷閉鎖装置の破片を、臨床医がより簡単に発見することを可能にする。放射線不透性物質のいくつかの例には、硫酸バリウム、三酸化ビスマス、次炭酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、およびタングステンが含まれる。
【0023】
折り畳み可能シート
本明細書の本セクションまたは本明細書の他の場所で説明した創傷閉鎖装置は、折り畳み可能シートを含みうる。図2は、折り畳み可能シート200の一実施形態を示す。折り畳み可能シート200は、上層202、下層204、および上層204と下層204との間の中間容積または空間206を含みうる。折り畳み可能シート200は、隣り合わせに提供される複数のセル210を有しうる。セル210は、上層202の一部分、下層204の一部分、および、上層204と下層204との間の中間空間206に沿って上層204から下層204に延在するセル壁212によって画定されうる。いくつかの実施形態では、折り畳み可能シート200は、セル壁212を有しない場合もあり、セル210は、所望のパターンで上層204と下層208とを溶接することによって形成されてもよく、その結果、セルは上層204および下層208によってのみ画定される。本明細書でより詳細に記載するように、セル210のサイズおよび形状は、創傷のより大きな閉鎖を容易にするように設計されうる。いくつかの実施形態では、折り畳み可能シートは、シートが創傷の形状に成形されてもよく、および/または創傷のサイズにサイズ調整されてもよいように、裂くことができる。本明細書の他の場所に記載されるように、裂くことは、セル壁212、またはその他任意の適切な場所において成し遂げられうる。
【0024】
本明細書の本セクションまたは他の場所に記載した全ての折り畳み可能シートは、創傷の任意のサイズに適応するように作られてもよい。しかしながら、臨床環境のニーズにより良く適応するために、特定の実施形態では、本明細書に記載の折り畳み可能シートは、一つのより小さい折り畳み可能シートと、約1.25倍大きい、約1.5倍大きい、約1.75倍大きい、約2倍大きい、約2.5倍大きい、約3倍大きい、約4倍大きい、約5倍大きい、または、約5倍より大きいなどの、一つのより大きい折り畳み可能シートの二つのサイズを含むパックで提供され得る。いくつかの実施形態では、パックは、三つのサイズ、四つのサイズ、五つのサイズ、または五つより多いサイズといった、二つより多いサイズを含んでもよい。パック内の折り畳み可能シートは、本明細書に記載の比のように、互いに対して様々なサイズであり得る。いくつかの実施形態では、所望のサイズに切断されるか、または任意の予備カットに沿って裂くことができるように、大きな折り畳み可能シートが提供されうる。
【0025】
本明細書の本セクションまたは他の場所で説明した折り畳み可能シートは、創傷上に適用されうる。いくつかの実施形態では、折り畳み可能シートの配置の前に、組織保護層を創傷内および/または創傷上に配置または配置しうる。いくつかの実施形態では、折り畳み可能シートは、流体密封シールを作り出すために創傷の周辺の皮膚に接着または封止されてもよく、陰圧は折り畳み可能シートの下に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、ドレープは折り畳み可能シート上に提供されてもよく、流体密封シールを作り出すために創傷の周辺の皮膚に接着または封止されてもよく、陰圧はドレープおよび/または折り畳み可能シートの下に提供されてもよい。
【0026】
特定の実施形態では、折り畳み可能シート200は、本セクションまたは本明細書の他の場所に記載した任意の方法で、陰圧を適用して、または適用することなく、折り畳むことができる。例えば、折り畳み可能シートは、陰圧が適用されると、ある平面において、別の平面よりも顕著に折り畳まれうる。いくつかの実施形態では、折り畳み可能シートは、折り畳み可能シートの長さおよび幅に平行な水平面においてよりも折り畳み可能シートの厚さに平行な垂直面でより折り畳まれうる。いくつかの実施形態では、特定のセルが第一の方向に折り畳まれ、別のセルは、同一または他の方向に折り畳まれ得る。折り畳み可能シートは、本セクションまたは本明細書の他の場所に記載したいずれかの材料から構成されてもよく、シリコン、ポリウレタンといった一つ以上の可撓性プラスチックや、ポリ塩化ビニル、半硬質プラスチック、半可撓性プラスチックといった硬質プラスチック、および、生体適合性材料、複合材料、金属、発泡体を含む。特定の実施形態では、折り畳み可能シートは、放射線不透過性材料を含んでもよく、臨床医はそれによって、創傷内の折り畳み可能シートの断片をより容易に見つけることを可能にする。
【0027】
図2に戻ると、折り畳み可能シート200は、長方形の形状を画定する外周を有しうる。いくつかの実施形態では、折り畳み可能シート200は、円形状、六角形状、または実質的に創傷の形状に一致する別の適切な形状を有しうる。本明細書に記載のように、折り畳み可能シート200は、隣り合わせに提供される複数のセル210を含み得、各セルは一つまたは複数の壁212によって画定され、各セル210は上層202と下層204とによって画定される上端および下端を有する。本明細書の本セクションおよびその他の場所で記載したその他の折り畳み可能シートと同様に、折り畳み可能シート200は一つ以上のセル210を折り畳むことによって折り畳まれる。いくつかの実施形態では、セル210は全て同一の近似形状および/またはサイズであるが、その他の実施形態では、少なくとも一部のセルは異なる形状および/またはサイズである。いくつかの実施形態では、本明細書の本セクションまたはその他の場所で記載した折り畳み可能シートは、六角形などのモザイク形状を有する一つ以上のセルを含む。セルは、ハニカム様パターンで配置されてもよい。特定の実施形態では、セルは、三角形、正方形、長方形、多角形などの他のモザイク形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、シートは、隣り合わせに提供される二つ以上の異なるタイプの形状を有するセル(例えば、正方形および三角形、六角形および三角形、六角形、正方形、および三角形など)を有しうる。
【0028】
折り畳み可能シート200は、本明細書のその他の部分に記載したもののように、単一の材料で作製されてもよく、または、折り畳み可能シートは、複数の材料から作製されてもよい。例えば、セル壁212は、上層202および下層204がより可撓性の材料から構成されうる一方、より剛直な材料から構成されうる。上層202および下層204は、平坦な表面または凸凹な表面を有しうる。いくつかの実施形態では、上層202および/または下層204は、セル210がそれらの上端および/または下端から突出するように、エンボス加工表面を有してもよい。いくつかの実施形態では、上層202および/または下層204は、その自然な状態で平坦であってもよいが、セルを膨張させた時に、セル210がその上端および/または下端から突出しうるような可撓性材料から構成されうる。
【0029】
本セクションまたは本明細書の他の場所に記載した折り畳み可能シート200および折り畳み可能シートおよび創傷閉鎖装置はすべて、動的な方法で様々な時間の尺度で折り畳まれ得る。特定の実施形態では、折り畳みの大部分は、陰圧が適用された最初の数分間以内に生じ得る。しかしながら、最初の折り畳み後、折り畳み可能シートまたは創傷閉鎖装置は、引き続きより遅い速度で折り畳まれ得、長時間にわたり張力を増加させることを適用し、創傷の縁を近くに引きよせる。経時的に創傷の縁を近くにゆっくりと引きよせることにより、折り畳み可能シートまたは創傷閉鎖装置によって、周囲の治癒組織が装置または折り畳み可能シートの閉鎖と相乗的に再形成されるのを可能にする。折り畳み可能シートまたは装置が、新たに形成された組織または弱化した組織に急速に圧力をかけることなく、創傷の縁をゆっくりと引き寄せるため、ゆっくりとした動的創傷閉鎖により、周辺組織が加速的に治癒するのを可能にし得る。
【0030】
特定の実施形態では、折り畳み可能シートまたは創傷閉鎖装置の折り畳みの最大90%は、陰圧が適用された最初の数分以内に生じ得、折り畳みの残りの10%は、数分、数時間、数日、数週間、または数か月の期間にわたってゆっくりと生じ得る。その他の実施形態では、折り畳みの最大約80%、最大約70%、最大約60%、最大約50%、最大約40%、最大約30%、最大約20%、最大約10%、または折り畳みの約0%が、陰圧が適用された最初の数分以内に生じ、残りの折り畳みは、数分、数時間、数日、数週間、または数か月の期間にわたって、等、より遅い速度で生じる。その他の実施形態では、折り畳み可能シートは可変速度で折り畳まれ得る。いくつかの実施形態では、折り畳み全体が遅い速度で生じるが、その他の実施形態では、折り畳み全体が最初の数分以内にほぼすぐに生じる。さらなる実施形態では、折り畳みは、任意の速度で生じ得、速度は経時的に変化し得る。特定の実施形態では、構造の一部分を追加または除去することによって、および/または陰圧の適用および灌注流体を制御することによって、折り畳み量を可変的な方法で変えることができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、折り畳み可能シート200は膨張可能でありうる。折り畳み可能シートは、例えばポリウレタンなどの可撓性フィルム材料から構成されてもよく、その結果、セル210は空気などの流体で充填され、膨張されうる。いくつかの実施形態では、折り畳み可能シート200は、上層202、下層204、および任意のセル壁220から構成され、それぞれが例えばポリウレタンなどの可撓性フィルム材料から構成され、例えば、接着、熱溶接、高周波溶接、レーザー溶接、または超音波溶接などによって互いに接着される。いくつかの実施形態では、折り畳み可能シート200のそれぞれのセル210は、上層202、下層204、およびセル壁220によって完全に囲まれ、そのため、セル210のそれぞれの中の空間は、気泡緩衝材の気泡などように、セルが穿孔されない限り、流体的に分離され、膨張してその形状を維持する。膨張可能な折り畳み可能シートの実施形態において、上層、下層、およびセル壁は、膨張したセル内の流体圧に耐えることができる可撓性のフィルム材から構成されてもよく、その結果、セルは穿孔または切断なしに破裂しない。
【0032】
いくつかの実施形態では、折り畳み可能シート200は、セルが可逆的に膨張されうるように、バルブまたはポートを含みうる。前述に加え、または前述の代わりに、折り畳み可能シートは、バルブまたはポートを手動で閉じることなく、膨張したセルを封止することができる機構を有しうる。例えば、一部の実施形態では、折り畳み可能シートは、流体チャネル(空気チャネルとしうる)とセルとの間の一つ以上の接合部において、一方向弁または非戻り弁を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、折り畳み可能シート200は、少なくとも部分的に比較的剛直なポリマー材料から構成されることができ、その結果、折り畳み可能シート200およびセル210は、膨張することすらなく、より大きな強度に耐え、その構造を維持することができる。より可撓性の、より薄い材料から構成される折り畳み可能シートは、腕または脚などの湾曲した領域に使用でき、より剛直な折り畳み可能シートから構成される折り畳み可能シートは仙骨領域などのより広い領域で使用できる。折り畳み可能シート200は、比較的可撓性のフィルム材料および比較的剛直なポリマー材料の両方から構成されうる。例えば、一部の実施形態では、上層202および下層204は、セル210が膨張できるように可撓性フィルム層から構成され、一方でセル壁はより剛直な材料から構成され、折り畳み可能シート200がその構造を維持するのに役立つ。
【0034】
本明細書の本セクションまたはその他の場所に記載の折り畳み可能シートのいずれかは、任意の好適な方法を用いて構成され得る。例えば、折り畳み可能シートは、成形を介して構成されてもよく、または、3D印刷技術を使用して直接印刷されてもよい。特定の実施形態では、図2の折り畳み可能シートは、3D印刷を介して単一のポリマーから構成され得る。いくつかの実施形態では、折り畳み可能シートは、一つのポリマー、二つのポリマー、三つのポリマー、または三つより多いポリマーから構成され得る。折り畳み可能シートは、本明細書の本セクションまたはその他の場所に開示されたいずれかの材料から構成され得る。折り畳み可能シートは、材料の固体ブロックから構造を切り出すことによって作製され得る。切断に使用される方法には、例えば、水噴射切断、レーザー切断、または金型切断が含まれ得る。折り畳み可能シートは、セル200の壁に沿って、および/または折り畳み可能シートの任意の部分に沿って、サイズに切断されうる。
【0035】
いくつかの実施形態では、図2の折り畳み可能シート200は、装置の一部分が装置の残りの部分から分離することができるようにする穿孔または着脱可能なセクションを含む。例えば、穿孔は、折り畳み可能シート200内に含有されたセル210の間のセル壁212内に一体化され、折り畳み可能シート200の形状を変えるために個別のセルを除去することができる。本明細書の本セクションまたは他の場所で記載した全ての折り畳み可能シートまたは創傷閉鎖装置に適用可能であるが、折り畳み可能シートまたは創傷閉鎖装置は、折り畳み可能シートが創傷の形状に成形されうるように裂くことが可能でありうる。いくつかの実施形態では、折り畳み可能シートはセル壁に沿って裂かれてもよく、一方でさらなる実施形態では、細長いストリップまたは介在部材は任意の適切な位置で裂かれてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、折り畳み可能シート200は、折り畳み可能シートまたは創傷閉鎖装置のユーザーが折り畳み可能シートを創傷に対して調節し、折り畳み可能シート200の下の創傷または組織を監視できるように、透明な材料から構成されうる。
【0037】
折り畳み可能シートの折り畳み
図3は、図2の折り畳み可能シート200と類似し、組織350上に置かれる、折り畳み可能シート300の実施形態の断面図を示す。折り畳み可能シート300は、隣り合わせに提供されたセル310を含む。セル310は、膨張可能であってもよく、図2のセル210のように、セル壁320、上層302、および下層304によって画定される。いくつかの実施形態では、各セル310は、セル壁320、上層の一部分、および下層の一部分によって囲まれた空洞を有する。セル310の各空洞は、空気などの流体で充填されてもよく、および/またはセル310は膨張可能であってもよい。
【0038】
本明細書のその他の場所で記載した通り、折り畳み可能シート300は、一つ以上のセル310を折り畳むことによって折り畳まれうる。各セル310が、例えば空気で充填される、および/または各セルが膨張すると、セル310のいずれも折り畳まれない。実際、セル310は、セル外の空気圧がセル内の圧力よりも低くなるため、陰圧環境で拡張しうる。しかしながら、一つ以上の膨張したセル310が収縮すると、例えば、孔330を穿孔する、およびセルの内部容積を外部環境に曝露することなどによって、セル310は、図3の矢印で示されるように、陰圧によって折り畳まれうる。折り畳み可能シートの周りに陰圧が適用されると、このような効果はより大きくなる。
【0039】
いくつかの実施形態では、セル310は、折り畳み可能シート300の上層302および/または下層304上に一つ以上の孔330を穿孔することによって折り畳まれうる。いくつかの実施形態では、セルは、可逆的に開閉することができる一つ以上の孔を有しうる。例えば、図4に示すように、セル410は、取り付け時には上層および/または下層上の開口部430を覆い、取り外し時には開口部430を露出するタブ420でありうる、着脱可能な閉鎖部を含みうる。いくつかの実施形態では、このようなタブは部分的にのみ取り外してもよく、そのため、タブの端部が折り畳み可能シートに取り付けられたままとなり、ヒンジとして機能する。いくつかの実施形態では、タブは繰り返して着脱されるように構成され得、セルは、複数サイクルの膨張および収縮に耐えるように構成され得る。いくつかの実施形態では、セルは、バルブまたはその他任意の適切な手段など、可逆的に折り畳むためのその他の機構を含みうる。
【0040】
いくつかの実施形態では、穿孔またはタブを開けるなど、本明細書の本セクションまたは他の場所に記載した方法に加え、折り畳み可能シートの一つ以上のセルは、セルを陰圧に曝すこと、または一つ以上のセルに直接陰圧を適用することによって収縮させることができる。陰圧を直接適用することによって、セルが膨張可能か否かにかかわらず、折り畳み可能シートのセルを収縮させうる。例えば、より剛直なポリマー材料から構成される非膨張可能な折り畳み可能シートは、こうした折り畳み可能シートが穿孔によって実質的に折り畳まれない場合がある一方で、折り畳まれうる。さらに、セルに直接陰圧を適用することはまた、膨張可能な折り畳み可能シートのセルの折り畳みを促進し、その収縮状態からの折り畳みの程度を向上させ得るため、創傷のより大きな閉鎖を促進し得る。
【0041】
図3に戻ると、一部の実施形態では、穿孔/開放セルは、下層304を持ち上げることによって、および/または上層302を下ろすことによって折り畳まれ得る。セルは、セルが特定の方向にのみ折り畳まれ得るように構成されてもよい。例えば、一部の実施形態では、セルは、その周りにより剛直な上層およびより可撓性の下層を有してもよく、そのため、セルは下層を持ち上げることによって、より折り畳まれ得る。いくつかの実施形態では、複数のセルは同じ方向に折り畳まれるように構成される。いくつかの実施形態では、複数のセルは異なる方向に折り畳まれるように構成される。いくつかの実施形態では、複数の隣接するセルが収縮し水平面で折り畳まれると、折り畳み可能シートがその水平面で折り畳まれうる。異なる折り畳みパターンを有する折り畳み可能シートが一つのキットに提供され得、そのため、医師は創傷の形状またはサイズ(例えば、線形創傷、湾曲創傷、円形創傷など)に応じて選択しうる。
【0042】
異なる方向に異なるセルが折り畳まれると、医師の便宜のために、折り畳み方向がセルまたはタブ上に視覚的に表示される。例えば、図4の着脱可能なタブ420と類似したタブは、そのタブが取り外されたときに、セルが折り畳まれる方向または陰圧によって適用される結果的に生じる力の方向を示す方向マーカーをその上に有しうる。方向マーカーは、矢印、色またはその他任意の適切な手段であり得る。いくつかの実施形態では、方向マーカーは、数字であることができる。例えば、数字3をその上に有するすべてのタブを取り外すことにより、折り畳み可能シートの水平面に沿った折り畳み可能シートの直線的な折り畳みを引き起こし、一方で数字1を有するすべてのタブを取り外すことにより、垂直方向にのみ折り畳みを引き起こす。
【0043】
本明細書の他の場所で開示される通り、陰圧は、折り畳み可能シート300の下に提供され得る。いくつかの実施形態では、図3に示すように、一つ以上のセル310が折り畳まれると、折り畳まれたセルの直下の組織が折り畳み可能シート300の下に提供される陰圧に曝されるように、その下に空洞を提供しうる。いくつかの実施形態では、医師が収縮を意図するセルが組織350で創傷の上方に整列するように、医師は折り畳み可能シートを整列させうる。いくつかの実施形態では、医師は、創傷組織の上方の一つ以上のセルを選択的に収縮させうる。例えば、医師は、セルのサイズに対する創傷のサイズおよび形状に応じて、一つ、二つ、三つ、四つ以上のセルを収縮させ得る。いくつかの実施形態では、陰圧が折り畳み可能シートの下および/または周囲に提供された後、医師は創傷組織を収縮させ得る。一部の実施形態では、医師は、陰圧が創傷に提供される前に陰圧を適用し得る。折り畳み可能シートが創傷閉鎖装置の最も外側の層である場合のいくつかの実施形態では、医師はさらにセルを収縮させて、創傷閉鎖装置を患者から取り外すことなく、陰圧の過程の間の創傷の変化に対応し得る。
【0044】
折り畳み可能シートの折り畳み
図5は、図2図4の折り畳み可能シートと類似した、折り畳み可能シート500の実施形態を示す。ここでは、折り畳み可能シート500は、隣り合わせて提供されたセル510を含み、膨張可能なセル壁セクション520によって囲まれる。いくつかの実施形態では、少なくとも一部のセル510は膨張可能である。いくつかの実施形態では、いずれのセル510も膨張可能ではない。セル510が六つの独立した膨張可能なセル壁セクション520によって囲まれる図5のように、単一のセルは複数の膨張可能なセル壁セクションによって囲まれてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、本明細書の本セクションまたはその他の場所で説明した膨張可能なセルと同様に、膨張可能なセル壁セクション520のいずれか一つが折り畳まれ得る。例えば、膨張可能なセル壁セクション520は、図4に関連して記載したタブなどの着脱可能なタブを取り外すことで、穿孔されるか、または開放されることによって折り畳まれ得る。折り畳み可能シート500が陰圧環境に曝される時、膨張可能なセル壁セクション520はさらに折り畳まれ得る。一つ以上の膨張可能なセル壁セクション520が折り畳まれると、セル510は折り畳まれたセル壁セクション520の方向に向かって横方向に引かれ得る。
【0046】
加えて、折り畳まれた膨張可能なセル壁セクションは、収縮されない他の膨張可能なセル壁セクションよりも弱い剛直度でありうる。セルが折り畳まれると、セルは、より剛直なセル壁よりも多くの可撓性のセル壁に囲まれることからより折り畳まれ得る。したがって、一部の実施形態では、折り畳み可能シート500のセル510は、膨張したセル壁セクションからよりも収縮したセル壁セクションからより折り畳まれ得る。いくつかの実施形態では、医師または折り畳み可能シート500のユーザーは、膨張可能なセル壁セクション520の着脱可能なタブを選択的に穿孔または開放することにより、各セル510および折り畳み可能シート500全体の折り畳み方向を制御しうる。例えば、医師は、医師がセル折り畳みを行う前または後に、セルの周りの膨張可能なセル壁セクションの一つ、二つ、三つ以上を収縮させてもよい。いくつかの実施形態では、そのような折り畳みの方向は、それぞれの膨張可能なセル壁セクション上で、例えば、セルまたはタブ上に方向矢印を印刷すること、各膨張可能なセル壁をカラーコーディングまたはナンバリングすること、または本明細書のいずれかの場所に記載された、または医師が膨張可能なセル壁を選択的に収縮させるのに役立つその他の任意の機構によって示され得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、医師は、セル510を収縮させる前に、膨張可能なセル壁セクション520を収縮させてもよい。いくつかの実施形態では、医師は、本明細書の本セクションまたはその他の場所に記載されるように、セル510の収縮後に膨張可能セル壁セクションを収縮させて、例えば、さらに方向および折り畳みの度合いを調整することができる。
【0048】
ポートを備えた折り畳み可能シート
図6Aは、図2図5または本明細書のその他の場所において説明した折り畳み可能シートと類似した折り畳み可能シート630を含む創傷閉鎖装置600の実施形態を示す。ここでは、折り畳み可能シート630はセル610を含み、一つ以上のセルは、導管660を介して陰圧源(図示せず)に接続されたポート650を有する。いくつかの実施形態では、ポート650は、折り畳み可能シート630の下に陰圧を送達するように構成される。ポート650は、セル610の中央またはその近くに、または折り畳み可能シート630の中央に位置してもよく、そのため、折り畳み可能シート630が完全に折り畳まれる前に、ポートは簡単に封止されない。
【0049】
図6Bは、創傷690内および/または上に位置付けられたセル610を有する折り畳み可能シート630を示す。いくつかの実施形態では、折り畳み可能シート630は、セル610と創傷690との間に間隙680を有し得、そのため、折り畳み可能シート630の下のポート650によって提供される陰圧を、創傷690の少なくとも一部にわってなど、陰圧が適用される領域にわたってより効率的に伝達することができる。
【0050】
筋膜切開創傷などの特定の創傷は、多くの創傷流体を滲出することが多い。こうした場合、特定の創傷領域にわたって折り畳み可能シートの下に陰圧を適用することで、折り畳み可能構造の折り畳みによって創傷に過度のストレスをかける場合がある。図6Aのポート650と類似したポートは、創傷の状態に応じて陰圧を効果的に管理する機構を含み得る。
【0051】
図7Aおよび図7Bは、陰圧創傷療法のためのポートのこのような実施形態の概略図を示す。図7Aは、創傷組織702aが多くの流体を滲出するポートシステム700aの実施形態を示し、一方で図7Bは、創傷組織702bがゼロ~少量の流体を滲出するポートシステム700bの実施形態を示す。
【0052】
ポートシステム700aおよび700bは、陰圧を供給するように構成されたバルブ750および導管760を含む。図7Aのポートシステム700aは、超吸収性経路770aを含む。超吸収体770aは、流体吸収時に膨張し、乾燥時に収縮する超吸収性材料から構成され得る。従って、超吸収体770aは、創傷流体の吸収速度が創傷流体の蒸発よりも速い場合に膨張し得る。超吸収体770aが膨潤すると、少なくとも部分的に経路を塞ぎ、導管750からの陰圧の少なくとも一部が創傷に伝達しないようにし得る。しかしながら、創傷流体の量が減少し、創傷流体の蒸発速度が吸収より速くなると、超吸収材料は、図7Bの超吸収体770bによって示されるように、元のサイズに収縮し得る。図7Bに示すように、超吸収体770bが収縮すると、バルブを開き、陰圧の創傷への伝達を可能にし、折り畳み可能シートからの追加的な横方向の圧縮を可能にする。したがって、バルブ750は、創傷が治癒するにつれて折り畳み可能シートからの圧縮を増加させ得る。いくつかの実施形態では、バルブ750は、ポート、導管、または折り畳み可能シートに位置し得る。
【0053】
他の変形
本開示は特定の実施形態について説明するが、本開示で示され説明された方法および装置の多くの態様は、さらなる実施形態または容認できる実施例をさらに形成するために異なって組み合わされうるおよび/または変更されうることが当業者によって理解されるであろう。こうしたすべての修正および変形は、本開示の範囲内で本明細書に含まれることが意図される。実際に、幅広い設計および手法が実行可能であり、それらは本開示の範囲内である。本明細書に開示される特徴、構造、または工程は本質的であるか、または不可欠である。さらに、例示的な実施形態が本明細書に記述されているが、等価物、修正、省略、(例えば、様々な実施形態にわたる態様の)組み合わせ、置換、応用および/または変更を有する任意およびすべての実施形態の範囲が、本開示に基づいて当業者によって理解されるであろう。特定の実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は、単に例として提示されており、保護範囲を限定することを意図するものではない。
【0054】
特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明される特性、物質、特徴、または群は、このセクションまたは本明細書におけるその他の部分に記載される他の任意の態様、実施形態、または実施例に、これらと両立できないことがない限り、適用可能であることを理解されたい。(あらゆる特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)本明細書において開示されるすべての特徴、および/またはそのように開示されるあらゆる方法もしくはプロセスのすべての工程は、そのような特徴および/または工程のうち少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わされてよい。本発明の保護するものは、前述の任意の実施形態の詳細に限定されない。保護するものは、本明細書(添付の任意の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)において開示される特徴のうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及び、または同様に開示される任意の方法またはプロセスのステップのうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0055】
さらに、個々の実装の文脈において本開示で説明される特定の特徴がまた、単一の実装で組み合わせて実施されうる。逆に言えば、単一の実装の文脈で説明される様々な特徴がまた、複数の実装で別々に、または任意の適切な副組み合わせで実施されうる。さらに、特定の組み合わせに作用するように特徴を上述することができるが、一部の場合に、主張されうる組み合わせからの一つまたは複数の特徴は、組み合わせから切り離されることができ、組み合わせは、副組み合わせまたは副組み合わせの変形として主張されうる。
【0056】
さらに、動作が図面に示され、または特定の順序で、本明細書で記述されうる一方で、こうした動作は、所望の結果を達成するために、示される特定の順序でまたは連続的な順序で実行される、またはすべての動作が実施される必要はない。示されていない、または説明されていないその他の動作は、例示的な方法およびプロセスに組み込まれうる。例えば、いずれかの説明された動作の前、後、同時に、またはその間で一つまたは複数の追加的動作が実施されうる。さらに、動作は、他の実装で再構成または並べ替えられてもよい。一部の実施形態では、図示および/または開示されたプロセスにおいて実施される実際の工程は、図に示された工程とは異なり得ることを、当業者は認識するであろう。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。さらに、上記に開示された特定の実施形態の特徴及び特性は、様々な方法で組み合わせることができ、さらなる実施形態を形成することができるが、その全てが本開示の範囲内に収まることになる。また、上述の実装における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装においてこうした分離を必要とするものと理解されるべきではなく、記述された構成要素およびシステムが一般的に単一製品で一体化されるか、または複数の製品に包装されうることが理解されるべきである。
【0057】
本開示の目的のために、特定の態様、利点、および新規の特徴が本明細書に記載される。必ずしもそのような利点はすべて、任意の特定の実施形態に従って達成されうるわけではない。従って、例えば、当業者であれば、本明細書に教示または示唆されうるものとして必ずしも他の利点を達成することなく、本明細書に教示されるように、本開示が一つの利点または一群の利点を達成する方法で具現化または実施されうることを認識するであろう。
【0058】
「しうる(can)」、「できる(could)」、「可能性がある(might)」、または「場合がある(may)」などの条件付き言い回しは、別途具体的に記載されない限り、または使用される文脈の範囲内で別途解釈されない限り、特定の実施形態が、特定の特徴、要素、および/または工程を含む一方で、他の実施形態は含まないということの伝達を意図するのが通例である。したがって、こうした条件付き言い回しは、特徴、要素、および/もしくは工程が一つまたは複数の実施形態に多少なりとも必要とされるという示唆、またはこれらの特徴、要素、および/もしくは工程が特定の任意の実施形態に含まれているかどうか、もしくは該実施形態で実施されるべきかどうかを、ユーザー入力または命令の有無にかかわらず決定するためのロジックが、一つまたは複数の実施形態に必然的に含まれているという示唆を必ずしも意図するものではない。
【0059】
語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも一つ」などの連言的言い回しは、別途具体的に記載されない限り、ある項目や用語などが、Xか、Yか、Zのいずれかでありうることを伝えるのに一般的に用いられる文脈と共に、別途解釈されるものである。したがって、こうした連言的言い回しは、特定の実施形態が、少なくともXのうちの一つと、少なくともYのうちの一つと、少なくともZのうちの一つとを含むことを必要とするという示唆を通常意図しない。
【0060】
本明細書で使用される「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語などの、本明細書で使用される程度を表す言い回しは、所望の機能を依然として果たすかまたは所望の結果をもたらす所定の値、量、または特性に近い値、量、または特性を表すものである。例えば、「およそ」、「約」、「概して」、及び「実質的に」という用語は、所定の量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、及び0.01%未満以内の量を意味し得る。別の例として、特定の実施形態において、「概して平行」および「実質的に平行」という用語は、丁度平行である状態から15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、1度以下、0.1度以下または別途ずれている値、量、または特性を意味する。
【0061】
本開示の範囲は、本節におけるまたは本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって制限されることを意図するものではなく、本節においてまたは本明細書の他の箇所において提示されているか、またはこの後に提示される特許請求の範囲によって定義されうる。本特許請求の範囲の言い回しは、本特許請求の範囲で用いられている言い回しに基づいて広い意味で解釈されるべきであり、本明細書で説明されている例または本出願の手続きの間に説明される例に限定されるものではなく、それらの例は非排他的なものとして解釈されるべきである。
[付記項1]
創傷上に配置されるように構成された折り畳み可能シートを含む創傷閉鎖装置であって、前記折り畳み可能シートが、
上層と下層、および、
前記上層と前記下層によって少なくとも部分的に画定され、隣り合わせに配列された複数のセルを含み、
各セルがモザイク形状を有し、
前記複数のセルのうちの少なくとも一つが、前記折り畳み可能構造の垂直面で折り畳まれ、それによって前記折り畳み可能シートが折り畳まれるように構成される、創傷閉鎖装置。
[付記項2]
前記セルの少なくとも一部が膨張可能である、付記項1に記載の装置。
[付記項3]
前記上層または前記下層のうちの少なくとも一つが、可撓性の薄膜材料を含む、付記項1または2に記載の装置。
[付記項4]
前記セルの少なくとも一部が、陰圧が前記折り畳み可能シートに適用された時に折り畳まれるように構成される、付記項1~3のいずれか一項に記載の装置。
[付記項5]
少なくとも一つのセルが六角形状を有する、付記項1~4のいずれか一項に記載の装置。
[付記項6]
前記複数のセルが均一なサイズおよび形状を有する、付記項1~5のいずれか一項に記載の装置。
[付記項7]
前記複数のセルの少なくとも一部が不均一なサイズおよび/または形状を有する、付記項1~5のいずれか一項に記載の装置。
[付記項8]
前記折り畳み可能シートがセル壁をさらに含む、付記項1~7のいずれか一項に記載の装置。
[付記項9]
前記セル壁が膨張可能である、付記項8に記載の装置。
[付記項10]
前記折り畳み可能シートが、任意の特定のセルの折り畳みに際して、前記折り畳み可能シートが折り畳まれる方向を示すように構成された一つ以上のセル上の指標をさらに含む、付記項1~9のいずれか一項に記載の装置。
[付記項11]
前記折り畳み可能シートが、前記創傷を覆い、前記創傷の周りに封止を形成するように構成される、付記項1~10のいずれか一項に記載の装置。
[付記項12]
前記創傷に陰圧を供給するように構成された吸引ポートをさらに含む、付記項1~11のいずれか一項に記載の装置。
[付記項13]
前記ポートが前記折り畳み可能シートに一体化される、付記項12に記載の装置。
[付記項14]
前記ポートが、バルブであって、創傷流体の吸収速度が創傷流体の蒸発速度よりも速い場合に、膨張して前記バルブを少なくとも部分的に閉めるように構成された超吸収性材を含むバルブをさらに含む、付記項12または13に記載の装置。
[付記項15]
前記折り畳み可能シートの底面が、セル間の一つ以上の間隙を含む、付記項1~14のいずれか一項に記載の装置。
[付記項16]
前記折り畳み可能シートの下で前記創傷上に位置付けられるように構成された組織保護層をさらに含む、付記項1~15のいずれか一項に記載の装置。
[付記項17]
前記折り畳み可能シートを覆い、前記創傷の周りで封止を形成するように構成された一つ以上のドレープをさらに含む、付記項1~16のいずれか一項に記載の装置。
[付記項18]
創傷を治療する方法であって、
前記付記項1~17のいずれか一項に記載の折り畳み可能シートを、前記創傷上に配置することを含む、方法。
[付記項19]
前記折り畳み可能シートを通して陰圧を前記創傷に適用するかまたは適用を発生させることをさらに含み、
前記陰圧の適用によって、前記折り畳み可能シートが折り畳まれる、付記項18に記載の方法。
[付記項20]
前記折り畳み可能シートを配置する前に、前記創傷上に組織保護層を配置することをさらに含む、付記項18または19に記載の方法。
[付記項21]
実質的に示されおよび/または説明される装置。
[付記項22]
実質的に示されおよび/または説明される方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7