(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】灯具及び照明装置
(51)【国際特許分類】
F21K 9/68 20160101AFI20240115BHJP
F21K 9/237 20160101ALI20240115BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240115BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240115BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240115BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20240115BHJP
【FI】
F21K9/68
F21K9/237
F21S2/00 230
F21Y115:15
F21Y115:10
F21Y103:10
(21)【出願番号】P 2020029487
(22)【出願日】2020-02-25
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】西岡 恒人
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/135769(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3217126(JP,U)
【文献】特開2016-119147(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0051039(US,A1)
【文献】国際公開第2015/075986(WO,A1)
【文献】特開2012-164664(JP,A)
【文献】特開2019-061764(JP,A)
【文献】再公表特許第2016/006699(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/68
F21K 9/237
F21S 2/00
F21Y 115/15
F21Y 115/10
F21Y 103/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と前記発光素子が実装された基板とを有する光源と、
前記光源が配置される台座と、
前記光源を内部に収容する収容部と、
を備え、
前記収容部は、
透光性を有し、前記光源の光軸と交わるように前記光源を覆った状態で前記台座に取り付けられる外郭であって、前記光源から発せられる光が出射される出射部を有する前記外郭と、
前記外郭から起立し、前記光源の光軸を間にして並設される一対の配光制御部であって、前記光源から発せられる光を反射によって前記出射部に向けて配光する前記一対の配光制御部と、
を有し、
前記一対の配光制御部のそれぞれは、
前記外郭から前記台座に向かって延びており、
一方の端部であり前記出射部の周縁部を構成する基端部と、
他方の端部であり前記光源と離間して配置され、前記台座と対向する先端部と、
を有
し、
前記先端部は、
前記光軸に沿った方向において前記発光素子よりも前記出射部の形成側に配置される灯具。
【請求項2】
発光素子と前記発光素子が実装された基板とを有する光源と、
前記光源が配置される台座と、
前記光源を内部に収容する収容部と、
を備え、
前記収容部は、
透光性を有し、前記光源の光軸と交わるように前記光源を覆った状態で前記台座に取り付けられる外郭であって、前記光源から発せられる光が出射される出射部を有する前記外郭と、
前記外郭から起立し、前記光源の光軸を間にして並設される一対の配光制御部であって、前記光源から発せられる光を反射によって前記出射部に向けて配光する前記一対の配光制御部と、
を有し、
前記一対の配光制御部のそれぞれは、
前記外郭から前記台座に向かって延びており、
一方の端部であり前記出射部の周縁部を構成する基端部と、
他方の端部であり前記光源と離間して配置され、前記台座と対向する先端部と、
を有
し、
前記台座は、
前記基板と、前記先端部との間に配置される台座蓋部を有する灯具。
【請求項3】
発光素子と前記発光素子が実装された基板とを有する光源と、
前記光源が配置される台座と、
前記光源を内部に収容する収容部と、
を備え、
前記収容部は、
透光性を有し、前記光源の光軸と交わるように前記光源を覆った状態で前記台座に取り付けられる外郭であって、前記光源から発せられる光が出射される出射部を有する前記外郭と、
前記外郭から起立し、前記光源の光軸を間にして並設される一対の配光制御部であって、前記光源から発せられる光を反射によって前記出射部に向けて配光する前記一対の配光制御部と、
を有し、
前記一対の配光制御部のそれぞれは、
前記外郭から前記台座に向かって延びており、
一方の端部であり前記出射部の周縁部を構成する基端部と、
他方の端部であり前記光源と離間して配置され、前記台座と対向する先端部と、
を有
し、
前記収容部は、
前記台座と当接して前記光源を保持する光源保持部を更に有し、
前記先端部は、
前記光源保持部と接続されており、
前記光源保持部と前記配光制御部とが前記収容部の外壁の一部を構成する灯具。
【請求項4】
前記出射部は、
前記外郭において前記一対の配光制御部の間に形成されている請求項1
から請求項3の何れか一項に記載の灯具。
【請求項5】
前記一対の配光制御部は、
少なくとも前記光軸側の内面部の反射率が前記出射部の反射率よりも高い請求項1
から請求項4の何れか一項に記載の灯具。
【請求項6】
前記一対の配光制御部は、
少なくとも前記光軸側の内面部の透過率が前記出射部の透過率よりも低い請求項1から請求項
5の何れか一項に記載の灯具。
【請求項7】
前記先端部は、
前記光軸と交わる方向において前記発光素子よりも外側に配置される請求項1から請求項
6の何れか一項に記載の灯具。
【請求項8】
前記台座は、
前記基板と、前記先端部との間に配置される台座蓋部を有する請求項
1に記載の灯具。
【請求項9】
前記外郭は、
長尺状に形成されており、長手方向に対する垂直断面において前記光源の光軸に沿った方向に短く、光軸に直交する方向に沿った方向に長い扁平な楕円の形状に形成されている請求項1から請求項8の何れか一項に記載の灯具。
【請求項10】
前記外郭は、
長尺状に形成されており、長手方向に対する垂直断面において前記光源の光軸に沿った方向に長く、光軸に直交する方向に沿った方向に短い扁平な楕円の形状に形成されている請求項1から請求項8の何れか一項に記載の灯具。
【請求項11】
前記台座は、
前記光源が配置されない領域に形成された係合部を備えており、
前記収容部は、
前記係合部が係合される取付部を備えており、
前記取付部は、
前記光軸に沿った方向における幾何学中心を基準として前記基端部と反対側に形成されている請求項1から請求項10の何れか一項に記載の灯具。
【請求項12】
前記光源は、
前記光軸に沿った方向における前記外郭の中心を基準として、前記出射部と反対の側に配置される請求項1から請求項11の何れか一項に記載の灯具。
【請求項13】
前記光源と前記出射部との距離寸法は、
前記一対の配光制御部の前記基端部同士の距離寸法以上に形成されている請求項1から請求項12の何れか一項に記載の灯具。
【請求項14】
前記収容部は、
前記台座と当接して前記光源を保持する光源保持部を更に有し、
前記先端部は、
前記光源保持部と接続されており、
前記光源保持部と配光制御部とが前記収容部の外壁の一部を構成する請求項1
又は請求項2に記載の灯具。
【請求項15】
前記台座及び前記外郭は、
筒状に形成された外周壁を構成する請求項1
又は請求項2に記載の灯具。
【請求項16】
発光素子と前記発光素子が実装された基板とを有する光源と、
筒状に形成されており、内部に前記光源が配置される収容部と、
を備え、
前記収容部は、
前記基板を保持する光源保持部と、
前記光源から発せられる光が出射される出射部を有し、前記光源を覆う外郭と、
前記外郭から起立し、前記光源の光軸を間にして並設される一対の配光制御部であって、前記光源から発せられる光を反射によって前記出射部に向けて配光する前記一対の配光制御部と、
を有し、
前記一対の配光制御部のそれぞれは、
前記外郭から前記光源保持部に向かって延びており、
一方の端部であり前記出射部の周縁部を構成する基端部と、
他方の端部であり前記発光素子と離間して配置される先端部であって、前記光源保持部と接続されている先端部と、
を有し、
前記光源保持部、前記外郭及び前記配光制御部が前記収容部の外壁を構成する灯具。
【請求項17】
前記一対の配光制御部は、
少なくとも前記光軸側の内面部の反射率が前記出射部の反射率よりも高い請求項16に記載の灯具。
【請求項18】
前記一対の配光制御部は、
少なくとも前記光軸側の内面部の透過率が前記出射部の透過率よりも低い請求項16又は請求項17に記載の灯具。
【請求項19】
発光素子と前記発光素子が実装された基板とを有する光源と、
前記光源が配置される台座と、
前記光源が内部に収容される収容部であって、前記光源を覆った状態で前記台座に取り付けられ、前記光源から発せられる光が出射される外郭を有する前記収容部と、
前記収容部における前記基板と前記外郭との間に前記光源の光軸を間にして並設され、前記光源から発せられる光を反射によって前記外郭に向けて配光する一対の配光制御部と、
を備え、
前記一対の配光制御部は、
前記光源の光軸に沿った方向において、前記台座側の端部が前記基板と重なるように配置され、前記外郭側の端部が前記基板と重ならないように配置される灯具。
【請求項20】
前記台座は、
前記基板と、前記一対の配光制御部の前記台座側の端部との間に配置される台座蓋部を有する請求項19に記載の灯具。
【請求項21】
請求項1から請求項20の何れか一項に記載の灯具と、
前記灯具が取り付けられる器具と、
を備えた照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、灯具及び照明装置に関するものであり、特に配光の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源直下の方向等、特定の方向の照度を向上させる方法として、灯具が取り付けられる器具本体に配光制御用の反射部材を取り付ける方法、あるいは、光源を覆うように集光レンズを配置する方法等が知られている。しかし、このような方法は、配光制御のためにコストを増大させてしまう場合があり、また、部品の共用化を妨げる要因となる場合があった。
【0003】
そこで、このような課題を解決するために、簡単に製造できかつ低コストで製造できる構成として、反射板を用いて前方へ照射される光を増加せしめ、光エネルギーを集中できる灯具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された一部の灯具は、反射板が透光カバーの一部から電子基板に接触あるいは近接するように延設されている。当該構成の照明具は、透光カバーの内部における本体基部の回転方向の角度等の姿勢が、反射板の先端部と電子基板との関係、反射板の先端部とLEDライン光源との関係、及び、本体基部と透光性カバーの内周面との関係によって決まる。このため、特許文献1の灯具は、組み立てられる際に、あるいは、使用する際に、例えば反射板等との接触によって電子基板及びLEDライン光源を損傷させるおそれがある。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するものであり、組み立て、あるいは、使用に際して光源を損傷させるおそれがない灯具及び照明装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る灯具は、発光素子と発光素子が実装された基板とを有する光源と、光源が配置される台座と、光源を内部に収容する収容部と、を備え、収容部は、透光性を有し、光源の光軸と交わるように光源を覆った状態で台座に取り付けられる外郭であって、光源から発せられる光が出射される出射部を有する外郭と、外郭から起立し、光源の光軸を間にして並設される一対の配光制御部であって、光源から発せられる光を反射によって出射部に向けて配光する一対の配光制御部と、を有し、一対の配光制御部のそれぞれは、外郭から台座に向かって延びており、一方の端部であり出射部の周縁部を構成する基端部と、他方の端部であり光源と離間して配置され、台座と対向する先端部と、を有し、先端部は、光軸に沿った方向において発光素子よりも出射部の形成側に配置されるものである。
【0008】
本開示に係る照明装置は、上記構成の灯具と、灯具が取り付けられる器具とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示の灯具は、出射部の周縁部を基端部として台座に向かって外郭から起立し、基端部と反対側である先端部が光源と離間し台座と対向して配置されるように光軸を間にして並設される一対の配光制御部を備えたものである。そのため、本開示に係る灯具は、組み立てあるいは使用に際して、配光制御部の先端部と光源との接触を防ぐことができ、光源を損傷させるおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置を説明する斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る灯具の要部を説明する分解斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る灯具の要部を説明する第1の断面図である。
【
図4】実施の形態1に係る灯具の収容部を示す斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る灯具の要部を説明する第2の断面図である。
【
図6】実施の形態1に係る灯具の要部を説明する第3の断面図である。
【
図7】実施の形態1に係る灯具の台座を示す斜視図である。
【
図8】実施の形態2に係る灯具の要部を説明する断面図である。
【
図9】実施の形態3に係る灯具の要部を説明する断面図である。
【
図10】実施の形態4に係る灯具の要部を説明する第1の断面図である。
【
図11】実施の形態4に係る灯具の要部を説明する第2の断面図である。
【
図12】実施の形態5に係る灯具の要部を説明する断面図である。
【
図13】実施の形態6に係る灯具の要部を説明する断面図である。
【
図14】実施の形態7に係る灯具の要部を説明する断面図である。
【
図15】実施の形態8に係る灯具の要部を説明する断面図である。
【
図16】実施の形態9に係る照明装置を説明する斜視図である。
【
図17】実施の形態9に係る灯具の要部を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態に係る灯具3及び照明装置1等について図面等を参照しながら説明する。なお、
図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。また、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、上、下、左、右、前、後、表及び裏等)を適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向及び向きを限定するものではない。
【0012】
実施の形態1.
[照明装置1]
図1は、実施の形態1に係る照明装置1を説明する斜視図である。照明装置1は、照明空間を照明できる位置に設置され、照明空間を照らすものである。照明空間とは、照明装置1が設置される空間であり、例えば居住空間、倉庫等の空間、ビルあるいは公共施設等の空間、エレベータあるいは廊下等の共有空間、又は、電車あるいは船舶等の乗り物内の空間等を意味している。
【0013】
照明装置1は、器具2と、器具2に着脱自在に取り付けられる長尺状の灯具3とを備えている。照明装置1は、灯具3を室内に向けた状態で天井又は壁面等の造営部9に取り付けられる。照明装置1は、灯具3を点灯させることによって灯具3から光を照射させ、照明空間を照らす。
【0014】
照明装置1、器具2及び灯具3はいずれも長尺状である。なお、以下の説明において、照明装置1の長手方向をX軸方向、長手方向に対する短手方向をY軸方向とし、長手方向及び短手方向のそれぞれに直交する方向をZ軸方向とする。また、照明装置1が取り付けられる天井等の造営部9側を上方向Z1とし、上方向Z1と反対側であり、照明装置1が光を照射する側を下方向Z2とする。下方向Z2は、例えば重力方向である。
【0015】
[器具2]
器具2は、取り付けられた灯具3を保持し、器具2に取り付けられた灯具3に電力を供給する。器具2は、器具本体20と、一対のソケット21と、点灯装置22と、を備えている。
【0016】
器具本体20は、例えば、ボルト等の固定具を用いて天井等の造営部9に取り付けられる。器具本体20は、長尺の箱型形状に形成されており、内部が中空である。器具本体20は、造営部9と対向する側とは反対側であり灯具3が取り付けられる面の側には、一対のソケット21が設けられている。一対のソケット21はそれぞれ、器具本体20から突出している。
【0017】
一方のソケット21は、器具本体20の長手方向(X軸方向)の一方の端部近傍に設けられており、他方のソケット21は、器具本体20の長手方向(X軸方向)の他方の端部近傍に設けられている。一対のソケット21同士の間隔は、灯具3の長手方向の長さに略等しい。一対のソケット21の間に灯具3を取り付けることで、灯具3は一対のソケット21によって保持される。ソケット21は、灯具3を保持するための器具2側の連結具である。また、ソケット21は、保持している灯具3と電気的に接続されている。ソケット21は、器具2に取り付けられた灯具3に電力を供給するための給電端でもある。
【0018】
器具本体20の内部には、点灯装置22が収納されている。点灯装置22は、外部電源から供給される電力を灯具3に適した電圧又は電流に変換する電源装置である。すなわち、点灯装置22は、発光素子61等の光源60(
図2参照)に供給するための点灯電力を生成する。点灯装置22は、ソケット21と電気的に接続されており、ソケット21を介して灯具3に電力を供給する。
【0019】
[灯具3]
図2は、実施の形態1に係る灯具3の要部を説明する分解斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る灯具3の要部を説明する第1の断面図である。灯具3は、器具2から供給される電力によって点灯する。灯具3は、収容部13と、口金40と、台座50と、光源60とを有する。実施の形態1に係る灯具3は、例えばG13タイプの口金40を備えた直管LEDランプである。灯具3は、一般照明用途の他、ショーケース用途、あるいは、棚下用途等に使用することができる。
【0020】
灯具3は、器具本体20と対向するように器具2に取り付けられる。なお、灯具3の長手方向(X軸方向)及び短手方向(Y軸方向)に対して垂直な方向(Z軸方向)において、光源60から光が出射される灯具3の側を灯具3の出射側と称し、出射側とは反対側であり、器具本体20と対向する灯具3の側を灯具3の器具側と称する。
【0021】
(収容部13)
図4は、実施の形態1に係る灯具3の収容部13を示す斜視図である。収容部13は、後述する光源60のカバーである。収容部13は、長尺状かつ中空の筒状に形成されており、長手方向(X軸方向)の両端部が開口している。収容部13は、後述する台座50に取り付けられる。収容部13は、台座50に取り付けられた状態において、光源60及び台座50を内部に収容している。なお、収容部13は、カバーの他に、光源60を収容するケースあるいは光源60を収容するチューブと称する場合もある。収容部13は、外郭30と、配光制御部31と、取付部33とを有している。
【0022】
(外郭30)
収容部13の外郭30は、収容部13において筒形状に形成されている部分である。外郭30は、
図2~
図4に示すように、長尺状かつ中空の円筒状に形成されている。ただし、外郭30の形状は、円筒形状に限定されるものではない。例えば、外郭30は、長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、多角形状に形成された筒であってもよい。また、円筒形状に形成された外郭30は、長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、真円形状に形成されてもよく、卵形状、長円形状あるいは楕円形状等、真円形状以外の他の形状に形成されてもよい。
【0023】
収容部13の外郭30は、光源60及び台座50を内部に収容している。外郭30の内周部300は、外郭30の内部に配置された光源60に面する側の面を構成する。外郭30の外周部301は、照明空間に面する側の面であり、光源60に面しない側の面を構成する。外郭30は、長手方向(X軸方向)の両端部に端部開口302を有している。端部開口302は、外郭30の内部と外部とを連通させる開口である。
【0024】
収容部13の外郭30は、透光性を有する。外郭30は、例えば、透明な素材で形成されてもよく、あるいは、外郭30を透過する光が拡散するような素材で形成されてもよい。外郭30は、光源60の光軸と交わるように光源60を覆った状態で台座50に取り付けられる。
【0025】
収容部13の外郭30は、出射部32を有する。出射部32は、外郭30において光源60から発せられる光が出射される部分である。出射部32は、外郭30において、後述する一対の配光制御部31同士の間に形成される。出射部32は、灯具3の出射側に形成されている。
【0026】
外郭30の長手方向に対する垂直断面において、外郭30の幾何学的な中心Оと出射部32の一方の端部32aとを結ぶ仮想線LAと、外郭30の幾何学的な中心Оと出射部32の他方の端部32bとを結ぶ仮想線LBとの間の角度を配光角θと定義する。配光角θは、光源60自体の照射角度よりも小さい角度に規定される。
【0027】
出射部32の反射率は、配光制御部31の内面部312の反射率よりも低い。なお、反射率とは、可視帯域における光学的な反射率である。出射部32は、少なくとも配光制御部31の内面部312よりも高い光透過率を有する。なお、光透過率とは、可視帯域における光学的な透過率である。出射部32は、光源60から発せられた光を透過させて直接出射し、また、光源60から発せられ配光制御部31によって配光制御された光を透過させて出射する。すなわち、光源60から発せられ配光制御部31によって配光制御された光は、出射部32から照明空間に照射される。
【0028】
出射部32の材料は、透光性を有する材料である。出射部32の材料としては、例えばポリカーボネート又はアクリル樹脂等の透光性を有する樹脂を用いることができる。また、出射部32の材料はポリカーボネート等の透光性を有する樹脂を基材として、基材とは屈折率が異なる拡散剤を所定の重量比で混合した高光拡散樹脂材料を用いてもよい。出射部32が高光拡散樹脂材料で形成されている場合、光を拡散させる光拡散性を有する。なお、上述した出射部32の材料は一例であり、出射部32の材料は、上述した材料に限定されるものではない。
【0029】
(配光制御部31)
灯具3は、従来の特定方向の照度を向上させる制御に代わる配光制御として、外郭30と一体化された配光制御部31を採用している。なお、従来の特定方向の照度を向上させる制御とは、例えば、灯具が取り付けられる器具本体20に配光制御用の反射部材を取り付ける方法、あるいは、光源を覆うように狭配光用の集光レンズ等を配置する方法等である。
【0030】
配光制御部31は、灯具3において、光源60から発せられる光の配光を制御する。配光制御部31は、光源60から発せられた光を出射部32から出射させるように、光源60から発せられた光の向きを制御する。すなわち、一対の配光制御部31は、光源60から発せられる光を反射によって出射部32に向けて配光し、配光角θが光源60の照射角度よりも小さい角度に規定された状態で出射部32から出射させる。
【0031】
配光制御部31は、外郭30から起立し、光源60の光軸を間にして対になるように並設される。配光制御部31は、外郭30の内周部300を基端部310として起立する。配光制御部31は、外郭30の長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、外郭30から外郭30の内部に向かって延びている。より詳細には、一対の配光制御部31のそれぞれは、外郭30の長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、外郭30から台座50に向かって延びている。
【0032】
配光制御部31は、外郭30の長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、一方の端部に基端部310を有し、他方の端部に先端部311を有する。
【0033】
基端部310は、配光制御部31の一方の端部であり出射部32の周縁部を構成する。なお、出射部32の周縁部は、外郭30の長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、短手方向(Y軸方向)における出射部32の一方の端部32a及び出射部32の他方の端部32bである。出射部32の周縁部は、外郭30の長手方向(X軸方向)に沿って延びている。基端部310は、配光制御部31と外郭30の内周部300との接続部であり、外郭30側の端部である。基端部310は、配光制御部31の根元部分でもある。
【0034】
先端部311は、配光制御部31の他方の端部であり収容部13内において光源60と離間して配置され、台座50と対向している。先端部311は、配光制御部31において台座50側の端部である。先端部311は、灯具3の長手方向(X軸方向)及び短手方向(Y軸方向)に対して垂直な方向(Z軸方向)において、台座50と対向する。先端部311は、台座50と当接させてもよく、台座50と離間させてもよい。先端部311は、台座50の回転方向の移動を規制する。
【0035】
配光制御部31の先端部311は、後述する台座主部51の光源取付部510以外の何れかの部分と対向するように配置される。つまり、配光制御部31の先端部311は、光軸と交わる方向(短手方向)において光源60よりも外側に配置されており、基板62よりも外側に配置されている。
【0036】
光源60及び灯具3の直下の照度を上げる目的を考慮すると、短手方向(Y軸方向)において、先端部311は、光軸に沿った基端部310を通過する基準線よりも外側には配置されない。
【0037】
なお、光源60から周辺に広がるように発せられる光を減衰させ、光源60の光軸に近い光を選択的に活用する場合には、短手方向(Y軸方向)において、先端部311は、光軸に沿った基端部310を通過する基準線よりも外側に配置される。
【0038】
配光制御部31は、収容部13の長手方向全体に渡って延在するように形成されている。配光制御部31は、外郭30の長手方向(X軸方向)に沿って延びるように板状に形成されている。配光制御部31は、内面部312と外面部313とを有する。内面部312は、外郭30の内部において、光軸が形成される側の面を構成する。内面部312は、平面、曲面、あるいは、平面と曲面との組み合わせの、いずれであってもよい。外面部313は、外郭30の内部において、光軸が形成される側とは反対側の面を構成する。
【0039】
配光制御部31は、少なくとも配光制御部31の内面部312の反射率が外郭30の出射部32の反射率よりも高くなるように形成されている。つまり、配光制御部31は、少なくとも配光制御部31の内面部312の光透過率が外郭30の出射部32の光透過率よりも低くなるように形成されている。
【0040】
内面部312の材料としては、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂又はポリブチレンテレフタレート等の樹脂を基材として、二酸化チタン等の反射率を向上させる材料を所定の重量比で混合した高反射樹脂材料を用いることができる。なお、上述した内面部312の材料は一例であり、内面部312の材料は上述した材料に限定されるものではない。
【0041】
具体的には、灯具3は、配光制御部31の厚さ寸法を出射部32の厚さ寸法よりも大きくして、光源60から発せられる光が配光制御部31を透過し難くしてもよい。あるいは、灯具3は、配光制御部31の材料として高反射材料を混合した高反射樹脂を採用して、光源60から発せられる光を効率よく反射させてもよい。
【0042】
収容部13は、異なる材料を用いた複数の層からなる積層構造としてもよい。積層構造は、二色以上の異種材料を用いた多色成形で形成されてもよい。配光制御部31の材料として、反射率及び配光制御をより高くするには、透過がおきにくい厚さの高反射樹脂を用いるのがよい。ただし、安価で済ませたい場合、制御角度が低くてもよい場合等には、配光制御部31には透光性部分と同じ樹脂を用い、配光制御部31に配光を制御させてもよい。
【0043】
また、配光制御部31は、配光制御部31の内面部312の表面に鏡面仕上げを施すことによって、配光制御の効果をさらに増大させることができる。そのため、灯具3は、内面部312の表面に鏡面仕上げを施すことによって、光源60及び灯具3の直下の照度をさらに上げることができる。
【0044】
なお、配光制御部31は出射部32と共通の完全透過性ではない材料を用いて形成してもよい。例えば、拡散透過性の材料を配光制御部31と出射部32とに用いることによって、灯具3は、光源60から発せられ、配光制御部31で反射された一部の光を、出射部32から照明空間に対して出射させる配光制御を行うことが可能である。灯具3は、配光制御部31と出射部32とを共通の材料を用いて形成することによって安価に製造することができる。
【0045】
図5は、実施の形態1に係る灯具3の要部を説明する第2の断面図である。
図6は、実施の形態1に係る灯具3の要部を説明する第3の断面図である。
図3は、配光角θが140°の灯具3である。
図5は、配光角θが90°の灯具3である。
図6は、配光角θが45°の灯具3である。
図3、
図5及び
図6を用いて、配光制御部31と配光角θとの関係について説明する。
【0046】
配光制御部31は、製品仕様に応じて決定される配光角θを満たすように、外郭30と一体に形成されている。配光角θは、外郭30の幾何学的な中心Оと一対の配光制御部31の基端部310との間の出射部32の側の角度として規定される角度でもある。光源60及び灯具3の直下の照度を上げる目的から、配光角θは、45°≦θ≦140°の角度範囲で規定されることが望ましい。
【0047】
配光制御部31と外郭30の内周部300との角度は任意である。配光制御部31と外郭30の内周部300との角度は、鋭角でもよく、直角でもよく、あるいは、鈍角でもよい。また、配光制御部31の基端部310は、裾状すなわち逆テーパー状の補強部を設けてもよい。補強部は、平面、曲面(フィレット状)、あるいは、平面及び曲面を組み合わせた形状で仕上げてもよい。
【0048】
(取付部33)
取付部33は、外郭30を台座50に取り付けた状態において、台座50に形成された係合部53と係合される。取付部33は、取付部33と係合部53とが係合された状態において、係合された台座50の回転方向の移動を規制する。
【0049】
取付部33は、収容部13の長手方向全体に渡って延在するように形成されている。取付部33は、収容部13の長手方向に平行な中心Оの軸よりも器具側に偏った位置に形成されている。取付部33は、光軸方向に沿った幾何学中心を基準として配光制御部31の基端部310とは反対側に形成されている。
【0050】
取付部33は、第1取付片330と、第2取付片331とを有する。第1取付片330は、外郭30を台座50に取り付けた状態において、台座50に形成された係合部53の第1係合片530と係合される。第1取付片330は、取付部33と係合部53とが係合された状態において、第1係合片530と当接することで係合された台座50の回転方向の移動を規制する。第2取付片331は、外郭30を台座50に取り付けた状態において、台座50に形成された係合部53の第2係合片531と係合される。第2取付片331は、取付部33と係合部53とが係合された状態において、第2係合片531と当接することで係合された台座50の回転方向の移動を規制する。
【0051】
(口金40)
次に
図2を用いて口金40について説明する。口金40は、
図2に示すように、収容部13の両端に取り付けられている。なお、口金40は、使用用途に対応して、G13タイプの他、GX16-t5タイプ、口金端子42を有さず口出し線を有するタイプ等を用途に合わせて選択することができる。口金40は、口金筐体41と、口金端子42とを備えている。
【0052】
口金筐体41は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料で構成される。なお、口金筐体41と口金端子42との絶縁が確保されている場合には、口金筐体41は金属で構成されてもよい。口金筐体41は、外郭30の端部開口302を覆うように外郭30に取り付けられる。すなわち、口金40は、収容部13の両端部に設けられた蓋である。
【0053】
口金筐体41は、有底筒状に形成されている。口金筐体41は、外郭30の端部に嵌合する周部411と、外郭30の端部を塞ぐ底部410とを備えている。底部410は、灯具3において灯具3の両端部の側面を形成する。周部411は、底部410の周縁部から起立して側壁を形成する。
【0054】
口金筐体41の底部410には貫通孔であるネジ挿通孔412が形成されている。ネジ溝が形成されたネジ81の軸部がネジ挿通孔412に挿通され、後述する台座50のネジ固定孔540にねじ込まれることによって口金40は台座50に固定される。なお、口金40は、ネジ81の代わりにリベット等のネジ以外の固定部材を用いて台座50に固定されてもよいし、固定部材を用いることなく嵌合、あるいは、螺合等の方法によって口金40が台座50に固定されてもよい。
【0055】
口金端子42は、例えば、導電性を有する金属で構成される。口金端子42には、酸化を防止するためのメッキ処理等が施されていてもよい。口金端子42は、口金40の底部410から突出している。口金端子42は、灯具3の長手方向(X軸方向)の両端から突出しており、灯具3の長手方向(X軸方向)に延びている。口金端子42は、
図1に示すソケット21に挿入される。口金40の口金端子42がソケット21に挿入されると、灯具3は、器具2に機械的に支持され、且つ器具2と電気的に接続される。すなわち、口金端子42は、灯具3側の連結具であり、また、灯具3側の受電端である。
【0056】
(台座50)
図7は、実施の形態1に係る灯具3の台座50を示す斜視図である。
図2及び
図7を用いて台座50について説明する。台座50は、光源60が取り付けられる部材であり、光源60から発せられる熱を放散させる放熱部材である。また、台座50は、光源60を収容部13内に保持するための部材である。
【0057】
台座50は、収容部13の長手方向(X軸方向)に沿って、長尺状に形成されており、台座主部51と、一対の台座側部52と、一対の係合部53と、一対のネジ固定部54とを有し、これらが一体化されて構成されている。また、台座主部51、台座側部52、係合部53及びネジ固定部54は、台座50の長手方向(X軸方向)全体に渡って延在するように形成されている。
【0058】
台座50は、外郭30を介して光源60から発生する熱を灯具3の外部に放散するヒートシンクとしての機能を発揮する。そのため、台座50の材料は、熱伝導性及び剛性が優れ、線熱膨張係数が小さい金属材料が用いられることが望ましい。台座50は、例えば、アルミニウムを用いて形成される。さらに、台座50の表面には、台座50の素材よりも反射率の高い高反射膜が形成されてもよい。高反射膜は、例えば、白色の着色アルマイトの層である。
【0059】
台座主部51は、光源60の基板62が取り付けられる光源取付部510と、台座主部51の短手方向(Y軸方向)において光源取付部510の両端部に形成されている張出部511とを有する。換言すれば、台座主部51は、2つの張出部511の間に光源取付部510が形成されている。
【0060】
光源取付部510は、台座主部51において凹形状に形成された部分である。光源取付部510は、台座50の長手方向(X軸方向)全体に渡って延在するように形成されている。光源取付部510は、張出部511の出射側の面に対して凹むように形成されている。光源取付部510における基板62の設置面は、平面状に形成されている。台座主部51は、光源取付部510における基板62の設置面と張出部511の出射側の面との間に段差が形成されている。
【0061】
台座50が外郭30の内部に固定されている場合に、光源取付部510の出射側に位置する面には、
図2及び
図7で示すように基板62が設置されている。そして、基板62が光源取付部510に配置された状態では、光源60の発光素子61は出射側を向いている。基板62を台座50に設置する方法としては、接着剤あるいは両面テープ等の接着部材によって基板62と台座50とを接着固定する方法がある。あるいは、基板62を台座50に設置する方法としては、台座50にネジ孔を形成し、基板62と台座50とをネジを用いてネジ止めする方法がある。なお、基板62と台座50との固定方法は、上記の方法に限定されるものではない。
【0062】
図3に示すように、光源取付部510の短手方向(Y軸方向)の両端部には、短手方向の外側に向かって突出した張出部511が設けられている。張出部511は、台座50の長手方向全体に渡って延在するように形成されている。
【0063】
台座50が外郭30の内部に固定された状態では、張出部511の突出方向の先端部は、外郭30の内周部300と対向している。また、台座50が外郭30の内部に固定された状態では、張出部511の器具側の面は、第2取付片331と対向しており、張出部511の出射側の面は、配光制御部31の先端部311と対向している。台座50の厚み方向(Z軸方向)において、張出部511と後述する係合部53の第2係合片531との間には、間隙が形成されている。
【0064】
光源取付部510の短手方向(Y軸方向)の両端部には、器具側に向かって突出した台座側部52が設けられている。台座側部52の先端部には、係合部53が設けられている。係合部53は、外郭30を台座50に取り付けた状態において、収容部13に形成された取付部33と係合される。係合部53は、取付部33と係合部53とが係合された状態において、係合された台座50の回転方向の移動を規制する。
【0065】
係合部53は、台座50において光源60が配置されない領域に形成されている。係合部53は、光源60が配置されていない側、すなわち、台座50において器具側に形成されている。係合部53は、台座50の長手方向全体に渡って延在するように形成されている。
【0066】
台座50が外郭30の内部に固定された状態では、係合部53は、収容部13の中心Оの軸よりも器具側に偏った位置に配置される。また、台座50が外郭30の内部に固定された状態では、係合部53は外郭30の内周部300に沿って配置される。
【0067】
係合部53は、第1係合片530と、第2係合片531とを有する。第1係合片530の先端は、取付部33の第1取付片330と係合する形状に形成されている。そのため、第1係合片530は、外郭30を台座50に取り付けた状態において、収容部13に形成された取付部33の第1取付片330と係合される。第1係合片530は、取付部33と係合部53とが係合された状態において、第1取付片330と当接することで係合された台座50の回転方向の移動を規制する。
【0068】
第2係合片531の先端は、取付部33の第2取付片331と係合する形状に形成されている。そのため、第2係合片531は、外郭30を台座50に取り付けた状態において、収容部13に形成された取付部33の第2取付片331と係合される。第2係合片531は、取付部33と係合部53とが係合された状態において、第2取付片331と当接することで係合された台座50の回転方向の移動を規制する。
【0069】
光源取付部510の器具側に位置する面には、一対のネジ固定部54が器具側へ突出して設けられている。ネジ固定部54の同士の間には、ネジ固定孔540が形成されている。口金筐体41の底部410に形成されたネジ挿通孔412に挿入されたネジ81がネジ固定孔540に挿入されることにより、台座50と口金40とが固定される。また、台座50が外郭30の内部に固定されている状態で台座50に口金40が固定されると、口金40は外郭30の端部を覆うように固定される。
【0070】
図2及び
図3に示すように外郭30の両端部に口金40が取り付けられた場合、外郭30の内部には外郭30及び口金40によって囲まれた灯具内空間24が形成される。さらに、台座50を外郭30の内部に固定した場合、灯具内空間24は、配光制御部31及び台座50によって4つの空間に分割される。この4つの空間のうち、光源60が面する空間を出射側空間25と称し、光源60が面していない残りの3つの空間を合わせて器具側空間26と称する。出射側空間25は、外郭30の内周部300と、配光制御部31の内面部312と、台座50と、口金40とに囲まれている。
【0071】
(光源60)
次に、
図2及び
図3を用いて光源60について説明する。
図2及び
図3に示すように、光源60は、光を発する発光素子61と、長尺の平板状であり発光素子61が実装された基板62とを備えている。光源60は、光軸に沿った方向における収容部13の中心Оを基準として、出射部32と反対の側に配置される。なお、光源60と出射部32との距離寸法は、一対の配光制御部31の基端部310同士の距離寸法以上に形成されてもよい。
【0072】
発光素子61は、発光面から光を出射する素子であり、基板62の長手方向(X軸方向)に沿って複数個配列されている。発光素子61は、LED(Light Emitting Diode)である。発光素子61は、例えば、波長が440~480nmの青色光を出射するLEDチップ上に青色光を黄色光に波長変換する蛍光体を配してパッケージ化した疑似白色LEDが用いられる。
【0073】
なお、発光素子61の数、配置位置、種類は灯具3の用途に応じて決定されるため、発光素子61の数、配置位置、種類は限定されない。例えば、光源60は、長手方向の長さが基板62の長手方向の長さと略等しい、長尺の有機エレクトロルミネッセンス素子(Organic Electroluminescence;以下有機EL素子と称する)1つを発光素子61として用いてもよい。この場合、光源60は、有機EL素子の発光素子61の長手方向と基板62の長手方向とが平行になるように配置されてもよい。
【0074】
発光素子61は、基板62の実装面620に実装される。また、基板62の実装面620には、例えば、ダイオード、コンデンサ、ヒューズ又は抵抗等の電子部品(図示省略)が実装され、さらに、各発光素子61と各電子部品とを電気的に接続させる配線パターン(図示省略)が設けられてもよい。発光素子61と各電子部品とは配線パターンを介して口金端子42と電気的に接続されている。ソケット21と口金端子42とを介して器具2の点灯装置22から発光素子61に電力が供給されることによって、発光素子61は点灯する。
【0075】
基板62の非実装面621には、接着部材が塗布される。基板62は、非実装面621に塗布された接着部材を用いて台座50の光源取付部510に接着されて固定される。基板62の非実装面621は、実装面620の反対側の面を構成する。基板62の非実装面621は、台座50の光源取付部510に固定される面であり、光源60から発せられる動作熱を台座50に伝達する熱の伝達面でもある。
【0076】
基板62の材料には、ガラスエポキシ材料、紙フェノール材料、コンポジット材料、セラミック材料、あるいはアルミニウム等の金属材料が材料コスト、設計仕様等を勘案して選定される。また、基板62の実装面620は、基板62の材料の反射率よりも高い反射率を有するレジストが塗布されてもよい。基板62の実装面620は、光源60から発生られた光を反射する。
【0077】
次に、光源60から出射される光について
図3、
図5及び
図6を用いて説明する。
図3は、配光角θが140°の灯具3である。
図3では光源60の発光素子61から出射される光のうち、配光制御部31で1回反射されて出射部32から出射する光の経路が矢印aで示されている。
【0078】
まず、光源60の発光素子61から出射される光は出射側空間25を通過し、配光制御部31の内面部312に到達する。配光制御部31の内面部312は反射材で形成されているため、配光制御部31の内面部312に到達した光の多くは、配光制御部31の内面部312で出射部32側へと反射する。配光制御部31の内面部312で反射される光の一部は、
図3の矢印aで表すように外郭30の出射部32に到達する。
【0079】
外郭30の出射部32は透光性を有する材料で形成されているため、出射部32に到達した光の多くは、出射部32を透過し外郭30から灯具3の外へ照射される照射光となる。灯具3は、光源60から直接出射部32に到達する光に加え、配光制御部31によって反射された光が出射部32に到達することによって、光源60及び灯具3の直下の光量を更に増加させ、光源60及び灯具3の直下の照度を向上させることができる。なお、外郭30の出射部32が高光拡散樹脂材料を用いて形成されている場合には、照射光はそれぞれ様々な角度に拡散するが、
図3では図示を割愛する。
【0080】
図5は、配光角θが90°の灯具3である。
図5では光源60の発光素子61から出射される光のうち、配光制御部31で1回反射されて出射部32から出射する光の経路が矢印bで示されている。
【0081】
まず、光源60の発光素子61から出射される光は出射側空間25を通過し、配光制御部31の内面部312に到達する。配光制御部31の内面部312は反射材で形成されているため、配光制御部31の内面部312に到達した光の多くは、配光制御部31の内面部312で出射部32側へと反射する。配光制御部31の内面部312で反射される光の一部は、
図5の矢印bで表すように外郭30の出射部32に到達する。
【0082】
外郭30の出射部32は透光性を有する材料で形成されているため、出射部32に到達した光の多くは、出射部32を透過し外郭30から灯具3の外へ照射される照射光となる。
図5に示す灯具3は、矢印bで示すように、
図3に示す灯具3と比較して短手方向(Y軸方向)における出射部32の中央側に光が収束する。そのため、
図5に示す灯具3は、
図3に示す灯具3と比較して光源60及び灯具3の直下の光量を増加させ、光源60及び灯具3の直下の照度を向上させることができる。
【0083】
図6は、配光角θが45°の灯具3である。
図6では光源60の発光素子61から出射される光のうち、配光制御部31で1回反射されて出射部32から出射する光の経路が矢印cで示されている。
【0084】
まず、光源60の発光素子61から出射される光は出射側空間25を通過し、配光制御部31の内面部312に到達する。配光制御部31の内面部312は反射材で形成されているため、配光制御部31の内面部312に到達した光の多くは、配光制御部31の内面部312で反射される。配光制御部31の内面部312で反射された光は、光を反射した配光制御部31の反対側に配置されている配光制御部31の内面部312に到達する。そして、一対の配光制御部31の内面部312の間で複数回反射された光の一部は、外郭30の出射部32に到達する。
【0085】
外郭30の出射部32は透光性を有する材料で形成されているため、出射部32に到達した光の多くは、出射部32を透過し外郭30から灯具3の外へ照射される照射光となる。
図6に示す灯具3は、矢印cで示すように、
図5に示す灯具3と比較して短手方向(Y軸方向)における出射部32の中央側に更に光が収束する。そのため、
図6に示す灯具3は、
図5に示す灯具3と比較して光源60及び灯具3の直下の光量を更に増加させ、光源60及び灯具3の直下の照度を向上させることができる。
【0086】
[灯具3及び照明装置1の作用効果]
灯具3は、出射部32の周縁部を基端部310として台座50に向かって外郭30から起立し、基端部310と反対側である先端部311が光源60と離間し台座50と対向して配置されるように光軸を間にして並設される一対の配光制御部31を備えたものである。そのため、灯具3は、組み立てあるいは使用に際して、配光制御部31の先端部311と光源60との接触を防ぐことができ、光源60を損傷させるおそれがない。そのため、灯具3は、使用環境の制約を受けることがなく、長期品質の向上を図ることができる。
【0087】
また、灯具3は、外郭30から起立し、光源60の光軸を間にして並設される一対の配光制御部31を有する。この配光制御部31は、光源60から発せられる光を反射によって出射部32に向けて配光し、光源60の照射角度よりも小さい角度に規定された状態で出射部32から出射させるものである。灯具3は、光源60から直接出射部32に到達する光に加え、配光制御部31によって反射された光が出射部32に到達することによって、配光制御部31を有していない灯具と比較して光源60及び灯具3の直下方向等の特定方向の光量を増加させることができる。そのため、灯具3は、光源60及び灯具3の直下方向等の特定方向の照度を向上させることができる。灯具3は、器具本体に取り付けられる配光制御用の反射部材、あるいは、狭配光用の集光レンズ等に頼ることなく配光制御を行うことができる。灯具3は、器具本体に取り付けられた配光制御用の反射部材、あるいは、狭配光用の集光レンズ等を用いないため、これらを用いる場合と比較して安価に製造することができる。
【0088】
また、例えば、外郭と光源との間に設けられた反射板が光源の基板に取り付けられる構成を有する灯具は、反射板と基板との一体性を確保する製造工程が必要なため、組立性が著しく低く量産に適さない。灯具3の配光制御部31の先端部311は、光源60と離間して配置されている。そのため、灯具3は、光源60と配光制御部31との一体性を確保するための製造工程が必要ではなく、組立が容易であり量産に適している。
【0089】
また、出射部32は、外郭30において一対の配光制御部31の間に形成されている。灯具3は、光源60から直接出射部32に到達する光に加え、配光制御部31によって反射された光が出射部32に到達することによって、配光制御部31を有していない灯具と比較して光源60及び灯具3の直下方向等の特定方向の光量を増加させることができる。そのため、灯具3は、光源60及び灯具3の直下方向等の特定方向の照度を向上させることができる。
【0090】
また、一対の配光制御部31は、少なくとも光軸側の内面部312の反射率が出射部32の反射率よりも高い。灯具3は、光源60から直接出射部32に到達する光に加え、配光制御部31によって反射された光が出射部32に到達することによって、配光制御部31を有さない灯具と比較して、光源60及び灯具3の直下方向等の特定方向の光量を増加させることができる。そのため、灯具3は、光源60及び灯具3の直下方向等の特定方向の照度を向上させることができる。
【0091】
また、一対の配光制御部31は、少なくとも光軸側の内面部312の透過率が出射部32の透過率よりも低い。灯具3は、光源60から直接出射部32に到達する光に加え、配光制御部31によって反射された光が出射部32に到達することによって、配光制御部31を有さない灯具と比較して光源60及び灯具3の直下方向等の特定方向の光量を増加させることができる。そのため、灯具3は、光源60及び灯具3の直下方向等の特定方向の照度を向上させることができる。
【0092】
また、配光制御部31の先端部311は、光軸と交わる方向(短手方向)において基板62よりも外側に配置されている。配光制御部31の先端部311がこのように配置されることによって、灯具3は、灯具3を組み立てる際、あるいは、灯具3を使用する際に、配光制御部31によって発光素子61及び基板62を損傷させるおそれがない。
【0093】
また、光源60は、光軸に沿った方向における収容部13の中心Оを基準として、出射部32と反対の側に配置される。そのため、灯具3は、収容部13の内部において、出射部32と光源60との距離寸法を大きくすることができ、これによって外郭30hの出射部32に現れる発光素子61が発する光の粒状感を抑制することができる。
【0094】
また、光源60と出射部32との距離寸法は、一対の配光制御部31の基端部310同士の距離寸法以上に形成されてもよい。この場合、灯具3は、収容部13の内部において、出射部32と光源60との距離寸法を大きくすることができ、これによって外郭30hの出射部32に現れる発光素子61が発する光の粒状感を抑制することができる。
【0095】
また、照明装置1は、灯具3を備えているため、上述した灯具3の効果を発揮させることができる。
【0096】
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係る灯具3aの要部を説明する断面図である。なお、実施の形態1の灯具3と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態2に係る灯具3aは、配光制御部31a及び台座50aの構成が実施の形態1に係る灯具3の配光制御部31及び台座50の構成と異なる点で灯具3と異なる。従って、以下の説明では、配光制御部31a及び台座50aの構成を中心に説明する。
【0097】
灯具3aは、収容部13aと、口金40と、台座50aと、光源60とを有する。収容部13aは、外郭30と、配光制御部31aと、取付部33とを有している。
【0098】
(台座50a)
台座50aは、光源60が取り付けられる部材であり、光源60から発せられる熱を放散させる放熱部材である。また、台座50aは、光源60を収容部13a内に保持するための部材である。
【0099】
台座50aは、収容部13aの長手方向(X軸方向)に沿って、長尺状に形成されており、台座主部51と、一対の台座側部52と、一対の係合部53と、一対のネジ固定部54と、一対の台座蓋部55とを有し、これらが一体化されて構成されている。また、台座主部51、台座側部52、係合部53、ネジ固定部54及び台座蓋部55は、台座50aの長手方向(X軸方向)全体に渡って延在するように形成されている。台座50aは、台座蓋部55を有する点で、実施の形態1の台座50と相違するものである。台座50aは、台座蓋部55以外の基本的な構造は、実施の形態1の台座50と同様である。
【0100】
台座蓋部55は、張出部511側から光源取付部510側に向かって突出し、光源取付部510の出射部32側の一部を覆う。短手方向(Y軸方向)に並設された一対の台座蓋部55は、突出方向の互いの先端部が対向するように形成されている。台座蓋部55と、光源取付部510の基板62の設置面との間には、間隙が形成されている。
【0101】
台座蓋部55は、基板62が光源取付部510に装着された状態において、基板62の実装面620の一部と対向し、基板62の実装面620の一部を覆う。基板62が光源取付部510に装着された状態において、短手方向(Y軸方向)に並設された一対の台座蓋部55は、突出方向の先端部が、発光素子61と対向するように形成されている。台座蓋部55が、基板62の実装面620の一部を覆うため、光源取付部510に配置された基板62は、台座50aから落下するおそれがない。なお、光源60の基板62は、光源取付部510に対してスライド装着される。基板62と、光源取付部510との間に基板62と光源取付部510との固定のための接着剤を使用するか否かは任意である。
【0102】
基板62が光源取付部510に装着された状態において、発光素子61は、台座蓋部55によって覆われず、短手方向(Y軸方向)に並設された一対の台座蓋部55の間から露出する。台座蓋部55は、発光素子61から発せられる光を妨げない。台座蓋部55は、基板62の実装面620から発光素子61の動作熱の伝達を受ける。
【0103】
(配光制御部31a)
配光制御部31aは、灯具3aにおいて、光源60から発せられる光の配光を制御する。配光制御部31aは、光源60から発せられた光を出射部32から出射させるように、光源60から発せられた光の向きを制御する。すなわち、一対の配光制御部31aは、光源60から発せられる光を反射によって出射部32に向けて配光し、光源60の照射角度よりも小さい角度に規定された状態で出射部32から出射させる。
図8に例示した実施の形態2に係る灯具3aの一態様では、配光制御範囲である配光角θが140°となるように配光制御部31aが形成されている。
【0104】
配光制御部31aは、外郭30から起立し、光源60の光軸を間にして対になるように並設される。配光制御部31aは、外郭30の内周部300を基端部310として起立する。一対の配光制御部31aのそれぞれは、外郭30の長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、外郭30から台座50aに向かって延びている。より詳細には、一対の配光制御部31aのそれぞれは、外郭30の長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、外郭30から台座50aの台座蓋部55に向かって延びている。
【0105】
配光制御部31aは、外郭30の長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、一方の端部に基端部310を有し、他方の端部に先端部311aを有する。
【0106】
先端部311aは、配光制御部31aの他方の端部であり収容部13a内において光源60と離間して配置され、台座50aと対向している。先端部311aは、配光制御部31aにおいて台座50a側の端部である。先端部311aは、灯具3aの長手方向(X軸方向)及び短手方向(Y軸方向)に対して垂直な方向(Z軸方向)において、台座50aの台座蓋部55と対向する。なお、先端部311aは、台座50aの台座蓋部55と当接させてもよく、台座蓋部55と離間させてもよい。先端部311aは、台座50aの回転方向の移動を規制する。
【0107】
光源60の光軸に沿った方向において、配光制御部31aの先端部311aは、台座蓋部55を介して光源60の基板62と重なるように配置されている。換言すれば、台座50aは、光源60の基板62と、配光制御部31aの先端部311aとの間に配置される台座蓋部55を有する。そして、配光制御部31aの先端部311aは、光軸に沿った方向において発光素子61よりも出射部32の形成側に配置される。
【0108】
配光制御部31aの先端部311aは、光軸と交わる方向(短手方向)において基板62よりも外側に配置されている。光源60及び灯具3aの直下の照度を上げる目的を考慮すると、短手方向(Y軸方向)において、先端部311aは、光軸に沿った基端部310を通過する基準線よりも外側には配置されない。
【0109】
なお、光源60から周辺に広がるように発せられる光を減衰させ、光源60の光軸に近い光を選択的に活用する場合には、短手方向(Y軸方向)において、先端部311aは、光軸に沿った基端部310を通過する基準線よりも外側に配置される。
【0110】
配光制御部31aは、収容部13aの長手方向全体に渡って延在するように形成されている。配光制御部31aは、外郭30の長手方向(X軸方向)に沿って延びるように板状に形成されている。配光制御部31aは、内面部312aと外面部313aとを有する。内面部312a及び外面部313aの構成は、配光制御部31aの内面部312及び外面部313の構成と同様である。
【0111】
[灯具3a及び照明装置1の作用効果]
配光制御部31aの先端部311aは、光軸に沿った方向において発光素子61よりも出射部32の形成側に配置される。そのため、灯具3aは、灯具3aを組み立てる際、あるいは、灯具3aを使用する際に、配光制御部31aの先端部311aによって発光素子61及び基板62を損傷させるおそれがない。
【0112】
また、台座50aは、光源60の基板62と、配光制御部31aの先端部311aとの間に配置される台座蓋部55を有する。灯具3aは、灯具3aを組み立てる際、あるいは、灯具3aを使用する際に、先端部311aによって発光素子61及び基板62を損傷させるおそれがない。そして、灯具3aは、配光制御部31aの先端部311aを光源60の発光素子61に接近させて配置することができるので、効率よく配光の制御を行うことができる。
【0113】
また、灯具3aは、上記以外に実施の形態1の灯具3と同様の効果を発揮させることができる。また、照明装置1は、灯具3aを備えているため、上述した灯具3aの効果を発揮させることができる。
【0114】
実施の形態3.
図9は、実施の形態3に係る灯具3bの要部を説明する断面図である。なお、実施の形態1の灯具3と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態3に係る灯具3bは、配光制御部31b及び台座50bの構成が実施の形態1に係る灯具3の配光制御部31及び台座50の構成と異なる点で灯具3と異なる。従って、以下の説明では、配光制御部31b及び台座50bの構成を中心に説明する。
【0115】
灯具3bは、収容部13bと、口金40と、台座50bと、光源60とを有する。収容部13bは、外郭30と、配光制御部31bと、取付部33とを有している。
【0116】
(台座50b)
台座50bは、光源60が取り付けられる部材であり、光源60から発せられる熱を放散させる放熱部材である。また、台座50bは、光源60を収容部13b内に保持するための部材である。
【0117】
台座50bは、収容部13bの長手方向(X軸方向)に沿って、長尺状に形成されており、台座主部51bと、一対の台座側部52と、一対の係合部53と、一対のネジ固定部54とを有し、これらが一体化されて構成されている。また、台座主部51b、台座側部52、係合部53及びネジ固定部54は、台座50bの長手方向(X軸方向)全体に渡って延在するように形成されている。台座50bは、台座主部51bの構成が、実施の形態1の台座50と相違するものである。台座50bは、台座主部51b以外の基本的な構造は、実施の形態1の台座50と同様である。
【0118】
台座主部51bは、光源60の基板62が取り付けられる光源取付部510bと、台座主部51bの短手方向(Y軸方向)において光源取付部510bの両端部に形成されている張出部511とを有する。台座主部51bは、2つの張出部511の間に光源取付部510bが形成されている。また、台座主部51bは、配光制御部31bの先端部311bが嵌入される溝部512と、光源取付部510bと溝部512とを隔てる隔壁513とを有する。
【0119】
光源取付部510bは、台座主部51bにおいて凹形状に形成された部分である。光源取付部510bは、台座50bの長手方向(X軸方向)全体に渡って延在するように形成されている。光源取付部510bは、張出部511の出射側の面に対して凹むように形成されている。光源取付部510bにおける基板62の設置面は、平面状に形成されている。台座主部51bは、光源取付部510bにおける基板62の設置面と張出部511の出射側の面との間に段差が形成されている。なお、台座50bの短手方向(Y軸方向)において、光源取付部510bの幅寸法は、実施の形態1の光源取付部510の幅寸法よりも小さい。
【0120】
台座50bが外郭30の内部に固定されている場合に、光源取付部510bの出射側に位置する面には、基板62が設置されている。そして、基板62が光源取付部510bに配置された状態では、光源60の発光素子61は出射部32側を向いている。なお、台座50bの短手方向(Y軸方向)において、基板62の幅寸法は、実施の形態1の基板62の幅寸法よりも小さい。
【0121】
溝部512は、台座主部51bにおいて凹形状に形成された部分である。溝部512は、台座50bの長手方向(X軸方向)全体に渡って延在するように形成されている。溝部512は、張出部511の出射側の面に対して凹むように形成されている。台座主部51bは、溝部512の底部と張出部511の出射側の面との間に段差が形成されている。溝部512は、台座50bの長手方向(X軸方向)において、光源取付部510bに沿って形成されている。溝部512は、台座50bの短手方向(Y軸方向)において、光源取付部510bの両側に形成されている。台座50bは、台座主部51bに溝部512が形成されている点で、実施の形態1に係る台座50と相違する。
【0122】
隔壁513は、光源取付部510bと溝部512とを隔てる壁部である。隔壁513は、光源取付部510bと溝部512との間に設けられている。隔壁513は、光源取付部510bにおける基板62の設置面と、溝部512の底部に対して凸形状に形成されている。隔壁513は、凹形状に形成された光源取付部510bの側壁と、凹形状に形成された溝部512の側壁とを形成する。光源取付部510bの側壁を構成する隔壁513の面は、基板62と対向し、溝部512の側壁を構成する隔壁513の面は、配光制御部31bの先端部311bと対向する。隔壁513は、台座50bの長手方向(X軸方向)全体に渡って延在するように形成されている。隔壁513は、台座50bの長手方向(X軸方向)において、光源取付部510b及び溝部512に沿って形成されている。
【0123】
(配光制御部31b)
配光制御部31bは、灯具3bにおいて、光源60から発せられる光の配光を制御する。配光制御部31bは、光源60から発せられた光を出射部32から出射させるように、光源60から発せられた光の向きを制御する。すなわち、一対の配光制御部31bは、光源60から発せられる光を反射によって出射部32に向けて配光し、光源60の照射角度よりも小さい角度に規定された状態で出射部32から出射させる。
図9に例示した実施の形態2に係る灯具3bの一態様では、配光制御範囲である配光角θが140°となるように配光制御部31bが形成されている。
【0124】
配光制御部31bは、外郭30から起立し、光源60の光軸を間にして対になるように並設される。配光制御部31bは、外郭30の内周部300を基端部310として起立する。一対の配光制御部31bのそれぞれは、外郭30の長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、外郭30から台座50bに向かって延びている。より詳細には、一対の配光制御部31bのそれぞれは、外郭30の長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、外郭30から台座50bの溝部512に向かって延びている。
【0125】
配光制御部31bは、外郭30の長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、一方の端部に基端部310を有し、他方の端部に先端部311bを有する。
【0126】
先端部311bは、配光制御部31bの他方の端部であり収容部13b内において光源60と離間して配置され、台座50bと対向している。先端部311bは、配光制御部31bにおいて台座50b側の端部である。先端部311bは、灯具3bの長手方向(X軸方向)及び短手方向(Y軸方向)に対して垂直な方向(Z軸方向)において、台座50bと対向する。
【0127】
台座50bが収容部13bに取り付けられた状態において、配光制御部31bの先端部311bは、溝部512に嵌入されている。台座50bの短手方向(Y軸方向)において、配光制御部31bの先端部311bは、隔壁513を介して光源60の基板62と重なるように配置されている。換言すれば、台座50bは、光源60の基板62と、配光制御部31bの先端部311bとの間に配置される隔壁513を有する。そして、配光制御部31bの先端部311bは、光軸に沿った方向において発光素子61よりも出射部32とは反対の側に配置される。すなわち、配光制御部31bの先端部311bは、光軸と交わる短手方向における光源60の縁部を基準として光軸と反対側に配置されている。
【0128】
配光制御部31bは、配光制御部31bの先端部311bが溝部512に嵌入し、溝部512の内部に配置される長さに形成されている。そのため、灯具3及び灯具3bを構成する部材の位置及び大きさ等が同じであれば、実施の形態3の配光制御部31bの長さと、実施の形態1の配光制御部31の長さとは異なる長さである。
【0129】
[灯具3b及び照明装置1の作用効果]
台座50bが収容部13bに取り付けられた状態において、溝部512には、配光制御部31bの先端部311bが嵌入されている。配光制御部31bの先端部311bが溝部512に嵌入することによって、台座50bの回転方向の移動が規制される。また、配光制御部31bの先端部311bが溝部512に嵌入することによって、先端部311bと光源60との干渉が防がれる。そのため、灯具3bは、灯具3bを組み立てる際、あるいは、灯具3bを使用する際に、配光制御部31bによって発光素子61及び基板62を損傷させるおそれがない。
【0130】
また、先端部311bは、光軸に沿った方向において発光素子61よりも出射部32と反対の側に配置される。そのため、灯具3bは、灯具3bを組み立てる際、あるいは、灯具3bを使用する際に、配光制御部31bの先端部311bによって発光素子61及び基板62を損傷させるおそれがない。
【0131】
灯具3bは、光源取付部510bと溝部512との間には隔壁513が設けられている。そのため、灯具3bは、灯具3bを組み立てる際、あるいは、灯具3bを使用する際に、配光制御部31bの先端部311bによって発光素子61及び基板62を損傷させるおそれがない。そして、灯具3bは、配光制御部31bの先端部311bを光源60の発光素子61に接近させて配置することができるので、効率よく配光の制御を行うことができる。
【0132】
また、灯具3bは、上記以外に実施の形態1の灯具3と同様の効果を発揮させることができる。また、照明装置1は、灯具3bを備えているため、上述した灯具3bの効果を発揮させることができる。
【0133】
実施の形態4.
図10は、実施の形態4に係る灯具3cの要部を説明する第1の断面図である。なお、実施の形態1の灯具3と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態4に係る灯具3cは、収容部13cの外郭30cの形状を更に特定するものである。従って、以下の説明では、外郭30cの構成を中心に説明する。なお、以下に説明する収容部13c、外郭30c及び口金40cの形状以外の構成は、収容部13、外郭30及び口金40と同様である。
【0134】
収容部13cの外郭30cは、楕円筒である。収容部13cの外郭30cは、灯具3cの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において楕円形状に形成されている。外郭30cは、灯具3cの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、灯具3cの短手方向(Y軸方向)を楕円の長軸方向とし、灯具3cの長手方向(X軸方向)及び短手方向(Y軸方向)に対して垂直な方向(Z軸方向)を楕円の短軸方向とする。外郭30cの短軸方向は、外郭30cの第1方向であり、外郭30cの長軸方向は、外郭30cの第2方向である。なお、第1方向は、基板62に対して垂直な方向でもあり、第2方向は、基板62の短手方向でもある。
【0135】
同様に、口金40cは、灯具3cの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において楕円形状に形成されている。口金40cは、灯具3cの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、灯具3cの短手方向(Y軸方向)を楕円の長軸方向とし、灯具3cの長手方向(X軸方向)及び短手方向(Y軸方向)に対して垂直な方向(Z軸方向)を楕円の短軸方向とする。口金40cの短軸方向は、上述した外郭30cの第1方向であり、口金40cの長軸方向は、外郭30cの第2方向である。
【0136】
ここで、口金40cの第1方向の外径を外径Lz1とする。外径Lz1は、短軸方向における口金筐体41の外周面間の距離である。口金40cの第2方向の外径を外径Ly1とする。外径Ly1は、長軸方向における口金筐体41の外周面間の距離である。同様に、外郭30cの第1方向の外径を外径Lz2とする。外径Lz2は、短軸方向における外郭30cの外周面間の距離である。外郭30cの第2方向の外径を外径Ly2とする。外径Ly2は、長軸方向における外郭30cの外周面間の距離である。
【0137】
灯具3cは、外径Ly1が外径Lz1よりも大きく形成されており(外径Ly1>外径Lz1)、及び、外径Ly2が外径Lz2よりも大きく形成されている(外径Ly2>外径Lz2)。灯具3cは、実施の形態1の灯具3に対して灯具3の短手方向(Y軸方向)に沿った寸法を長くしたものであり、光源60とネジ固定部54とを除く灯具3の構成を短手方向に沿って伸長させた態様となっている。すなわち、灯具3cの外郭30cは、外郭30cの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、相対的に光源60の光軸に沿った方向に短く、光軸に直交する外郭30cの短手方向(Y軸方向)に沿った方向に長い扁平な楕円の形状に形成されている。
【0138】
図10に例示した実施の形態4に係る灯具3cの一態様では、配光制御範囲である配光角θが120°となるように配光制御部31が形成されている。なお、灯具3cは、台座50の短手方向(Y軸方向)に沿って2箇所のネジ固定部54を設け、これに対応するように口金40cの短手方向(Y軸方向)に沿って2箇所のネジ挿通孔412を設け、2つのネジ81を用いて口金40cを台座50に固定してもよい。
【0139】
また、鉛直方向(重力方向)に光軸が沿うように灯具3cを設置する場合には、自重による反りの影響を防ぐために、口金40cをソケット21に保持すること以外に口金40cの間における外郭30cを保持することが好ましい。
【0140】
[灯具3c及び照明装置1の作用効果]
灯具3cの外郭30cは、相対的に光源60の光軸に沿った方向に短く、光軸に直交する灯具3cの短手方向に沿った方向に長い扁平な形状をなす。つまり、灯具3cは、光源60及び灯具3cの直下における粒状感を考慮しながら、灯具3cの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において実施の形態1の灯具3に対して光軸方向に沿った寸法を短くすることができる。そのため、灯具3cは、光源60及び灯具3cを小型化及び軽量化することができる。特に、灯具3cは、灯具3c及び照明装置1の高さ寸法を小さく抑制することができるため、例えば棚下など高さ方向の寸法が小さい設置環境において効果を発揮する。
【0141】
灯具3cは、外径Ly1が外径Lz1よりも大きく形成されており(外径Ly1>外径Lz1)、及び、外径Ly2が外径Lz2よりも大きく形成されている(外径Ly2>外径Lz2)。また、灯具3cは、配光制御範囲である配光角θが120°となるように配光制御部31が形成されている。そのため、灯具3cは、出射部32の面積が増加することによって、光の取出し効率を向上させることができ、光源60及び灯具3cの直下の照度を上げながら、光源60及び灯具3cの周辺の範囲についても照度を上げることができる。
【0142】
また、灯具3cは、上記以外に実施の形態1の灯具3と同様の効果を発揮させることができる。また、照明装置1は、灯具3cを備えているため、上述した灯具3cの効果を発揮させることができる。
【0143】
図11は、実施の形態4に係る灯具3dの要部を説明する第2の断面図である。なお、実施の形態4に係る灯具3dは、実施の形態4に係る灯具3cの変形例である。なお、以下に説明する収容部13d、外郭30d及び口金40dの形状以外の構成は、収容部13、外郭30及び口金40と同様である。
【0144】
収容部13dの外郭30dは、楕円筒である。収容部13dの外郭30dは、灯具3dの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において楕円形状に形成されている。外郭30dは、灯具3dの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、灯具3dの短手方向(Y軸方向)を楕円の短軸方向とし、灯具3dの長手方向(X軸方向)及び短手方向(Y軸方向)に対して垂直な方向(Z軸方向)を楕円の長軸方向とする。外郭30dの長軸方向は、外郭30dの第1方向であり、外郭30dの短軸方向は、外郭30dの第2方向である。なお、第1方向は、基板62に対して垂直な方向でもあり、第2方向は、基板62の短手方向でもある。
【0145】
同様に、口金40dは、灯具3dの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において楕円形状に形成されている。口金40dは、灯具3dの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、灯具3dの短手方向(Y軸方向)を楕円の短軸方向とし、灯具3dの長手方向(X軸方向)及び短手方向(Y軸方向)に対して垂直な方向(Z軸方向)を楕円の長軸方向とする。口金40dの長軸方向は、上述した外郭30dの第1方向であり、口金40dの短軸方向は、外郭30dの第2方向である。
【0146】
ここで、口金40dの第1方向の外径を外径Lz1とする。外径Lz1は、長軸方向における口金筐体41の外周面間の距離である。口金40dの第2方向の外径を外径Ly1とする。外径Ly1は、短軸方向における口金筐体41の外周面間の距離である。同様に、外郭30dの第1方向の外径を外径Lz2とする。外径Lz2は、長軸方向における外郭30dの外周面間の距離である。外郭30dの第2方向の外径を外径Ly2とする。外径Ly2は、短軸方向における外郭30dの外周面間の距離である。
【0147】
灯具3dは、外径Lz1が外径Ly1よりも大きく形成されており(外径Ly1<外径Lz1)、及び、外径Lz2が外径Ly2よりも大きく形成されている(外径Ly2<外径Lz2)。灯具3dは、実施の形態1の灯具3に対して灯具3の光軸方向(Z軸方向)に沿った寸法を長くしたものであり、光源60とネジ固定部54とを除く灯具3の構成を光軸方向に沿って伸長させた態様となっている。すなわち、灯具3dの外郭30dは、外郭30dの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、相対的に光源60の光軸に沿った方向に長く、光軸に直交する外郭30dの短手方向(Y軸方向)に沿った方向に短い扁平な楕円の形状に形成されている。
【0148】
図11に例示した実施の形態4に係る灯具3dの一態様では、配光制御範囲である配光角θが90°となるように配光制御部31が形成されている。
【0149】
[灯具3d及び照明装置1の作用効果]
灯具3dの外郭30dは、相対的に光源60の光軸に沿った方向に長く、光軸に直交する灯具3dの短手方向に沿った方向に短い扁平な形状をなす。つまり、灯具3dは、灯具3dの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において実施の形態1の灯具3に対して短手方向(Y軸方向)に沿った寸法を短くすることができる。そのため、灯具3dは、光源60及び灯具3dを小型化及び軽量化することができる。特に、灯具3dは、灯具3d及び照明装置1の幅寸法を抑制することができるため、例えば、造営部の周縁部(隅)、あるいは、スリット状の隙間といった幅寸法が小さい設置環境において効果を発揮する。
【0150】
灯具3dは、外径Lz1が外径Ly1よりも大きく形成されており(外径Ly1<外径Lz1)、及び、外径Lz2が外径Ly2よりも大きく形成されている(外径Ly2<外径Lz2)。また、灯具3dは、配光制御範囲である配光角θが90°となるように配光制御部31が形成されている。そのため、灯具3dは、光源60と出射部32の距離寸法を大きくなることによって、粒状感を抑制することができ、光源60及び灯具3dの直下の照度を上げながら、出射部32から発せられる光の均一性を上げることができる。
【0151】
また、灯具3dは、外径Lz1が外径Ly1よりも大きく形成されており(外径Ly1<外径Lz1)、及び、外径Lz2が外径Ly2よりも大きく形成されている(外径Ly2<外径Lz2)。そのため、灯具3dは、鉛直方向(重力方向)に光軸が沿うように灯具3dを設置する場合であっても、自重による反りの影響を受け難い。
【0152】
また、灯具3dは、上記以外に実施の形態1の灯具3と同様の効果を発揮させることができる。また、照明装置1は、灯具3dを備えているため、上述した灯具3dの効果を発揮させることができる。
【0153】
実施の形態5.
図12は、実施の形態5に係る灯具3eの要部を説明する断面図である。なお、実施の形態1の灯具3と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態5に係る灯具3eは、主として収容部13e及び台座50eの構成が実施の形態1に係る灯具3の収容部13及び台座50の構成と異なる点で灯具3と異なる。従って、以下の説明では、収容部13e及び台座50eの構成を中心に説明する。なお、収容部13e及び台座50eについて、以下に述べる構成及び機能に関する以外の構成及び機能については、原則として実施の形態1の収容部13及び台座50と同様である。
【0154】
[灯具3e]
実施の形態5の灯具3eは、
図12に示すように、相対的に光軸に沿った方向(Z軸方向)に短く、光軸に直交する短手方向(Y軸方向)に沿った方向に長い扁平な形状に形成されている。これに限らず、灯具3eは、相対的に光軸に沿った方向(Z軸方向)に長く、光軸に直交する短手方向(Y軸方向)に沿った方向に短い扁平な形状であってもよい。あるいは、灯具3eは、光軸に沿った方向(Z軸方向)の寸法と光軸に直交する短手方向(Y軸方向)に沿った方向の寸法とが略同じ形状、すなわち扁平ではない形状であってもよい。
【0155】
灯具3eは、器具2から供給される電力によって点灯する。灯具3eは、収容部13eと、口金40eと、台座50eと、光源60とを有する。
【0156】
(収容部13e)
収容部13eは、長尺状かつ中空の筒状に形成されており、長手方向(X軸方向)の両端部が開口している。収容部13eは、台座50eに取り付けられる。収容部13eは、台座50eに取り付けられた状態において、光源60及び台座50eを内部に収容している。収容部13eは、外郭30eと、配光制御部31と、取付部33eとを有している。
【0157】
(外郭30e)
収容部13eの外郭30eは、収容部13eにおいて筒形状に形成されている部分である。外郭30eは、長手方向(X軸方向)に対する垂直断面の断面形状において、八角形に形成されている。そのため、収容部13eは、八角筒形状に形成されている。なお、外郭30eは、長手方向(X軸方向)に対する垂直断面の断面形状において、八角形に限定されるものではなく、三角形以上の多角形に形成されてもよい。収容部13eは、設置環境に対応した多角筒形状を選択できる。
【0158】
収容部13eの外郭30eは、出射部32eを有する。出射部32eは、外郭30eにおいて光源60から発せられる光が出射される部分である。出射部32eは、外郭30eにおいて、一対の配光制御部31同士の間に形成される。出射部32eは、平板状に形成されている。出射部32eの内周部300及び外周部301は、平面状に形成されている。なお、出射部32eの内周部300及び外周部301は、平面状に形成された構成に限定されるものではない。例えば、出射部32eの内周部300及び外周部301のいずれか一方又は双方には凹凸が形成されていてもよい。
【0159】
外郭30eは、灯具3eの出射側の壁部として出射部32eを有し、灯具3eの器具側の壁部として底部34eを有している。底部34eは、平板状に形成されている。
【0160】
(配光制御部31)
図12に例示した実施の形態5に係る灯具3eの一態様では、配光制御範囲である配光角θが135°となるように配光制御部31が形成されている。
【0161】
(取付部33e)
取付部33eは、外郭30eを台座50eに取り付けた状態において、台座50eに形成された係合部53eと係合される。取付部33eは、灯具3eの短手方向(Y軸方向)において、光源60の基板62の両側に位置するように対に形成されている。
【0162】
灯具3eの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、一対の取付部33eは、それぞれ先端が対向するように外郭30eから外郭30eが形成する筒状空間に向かって突出している。灯具3eの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、一対の取付部33eはそれぞれ灯具3eの短手方向(Y軸方向)に延びている。
【0163】
取付部33eは、収容部13eの長手方向全体に渡って延在するように形成されている。取付部33eは、収容部13eの長手方向に平行な中心Оの軸よりも器具側に偏った位置に形成されている。取付部33eは、収容部13eにおいて、光軸に沿った方向における幾何学中心を基準として配光制御部31の基端部310とは反対側に形成されている。
【0164】
(口金40e)
口金40eは、収容部13eの長手方向(X軸方向)の両端に取り付けられている。口金40eは、口金筐体41eと、口金端子42とを備えている。
【0165】
口金筐体41eは、有底筒状に形成されている。口金筐体41eは、長手方向(X軸方向)に対する垂直断面の断面形状において、八角形に形成されている。なお、口金筐体41eは、長手方向(X軸方向)に対する垂直断面の断面形状において、八角形に限定されるものではなく、三角形以上の多角形に形成されてもよい。口金筐体41eの断面形状は、外郭30eと嵌合する形状であればよい。
【0166】
(台座50e)
台座50eは、光源60が取り付けられる部材であり、光源60から発せられる熱を放散させる放熱部材である。また、台座50eは、光源60を収容部13e内に保持するための部材である。
【0167】
台座50eは、収容部13eの長手方向(X軸方向)に沿って、長尺の板状に形成されている。台座50eは、台座主部51eと、一対の係合部53eとを有し、これらが一体化されて構成されている。また、台座主部51e及び係合部53eは、台座50eの長手方向(X軸方向)全体に渡って延在するように形成されている。なお、台座50eは、実施の形態1の台座50が備える台座側部52を備えていない。
【0168】
外郭30eを台座50eに取り付けた状態において、台座主部51eは、外郭30eの底部34eと対向し当接する。台座主部51eは、光源60の基板62が取り付けられる光源取付部510と、台座主部51eの短手方向(Y軸方向)において光源取付部510の両端部に形成されている張出部511eとを有する。
【0169】
図12に示すように、光源取付部510の短手方向(Y軸方向)の両端部には、短手方向の外側に向かって突出した張出部511eが設けられている。張出部511eは、台座50eの長手方向全体に渡って延在するように形成されている。
【0170】
台座主部51eの短手方向(Y軸方向)において張出部511eの先端部には、係合部53eが設けられている。係合部53eは、張出部511eの側縁に設けられた切り欠き部分であり、台座主部51eにおいて、基板62が設置される側の面から、底部34eと対向する面の側に凹んだ形状に形成されている。係合部53eは、台座主部51eの短手方向(Y軸方向)において張出部511eの端部に形成された段差状の部分である。
【0171】
係合部53eは、台座50eにおいて光源60が配置されない領域に形成されている。係合部53eは、台座50eの長手方向全体に渡って延在するように形成されている。台座50eが外郭30eの内部に固定された状態では、係合部53eは、収容部13eの中心Оの軸よりも器具側に偏った位置に配置される。
【0172】
係合部53eは、外郭30eを台座50eに取り付けた状態において、外郭30eに形成された取付部33eと係合される。係合部53eは、取付部33eと係合部53eとが係合された状態において、台座50eの移動を規制する。台座50eは、光軸に沿った方向において、台座50eの短手方向(Y軸方向)の両端部が、底部34eと取付部33eとによって挟持されている。
【0173】
図12に示す灯具3eは、台座50eにネジ固定部54を設けない態様を例示している。しかし、灯具3eは、台座50eにネジ固定部54を設け、これに対応するように口金40eにネジ挿通孔412を設け、ネジ81を用いて口金40eを台座50eに固定するように構成されてもよい。
【0174】
[灯具3e及び照明装置1の作用効果]
灯具3eは、出射部32の周縁部を基端部310として台座50eに向かって外郭30eから起立し、基端部310と反対側である先端部311が光源60と離間し台座50eと対向して配置される一対の配光制御部31を備えたものである。そのため、灯具3eは、組み立てあるいは使用に際して、配光制御部31の先端部311と光源60との接触を防ぐことができ、光源60を損傷させるおそれがない。そのため、灯具3eは、使用環境の制約を受けることがなく、長期品質の向上を図ることができる。
【0175】
また、灯具3eの台座50eは、光源60が配置されない領域に形成された係合部53eを備えている。そして、灯具3eの収容部13eは、光軸に沿った方向における幾何学中心を基準として基端部310と反対側に形成されており、係合部53eが係合される取付部33eを備えている。灯具3eは、当該構成により配光制御部31の長さを確保することができる。灯具3eは、光源60から直接出射部32に到達する光に加え、配光制御部31によって反射された光が出射部32に到達することによって、配光制御部31を有さない灯具と比較して光源60及び灯具3eの直下方向等の特定方向の光量を増加させることができる。そのため、灯具3eは、光源60及び灯具3eの直下方向等の特定方向の照度を向上させることができる。
【0176】
また、灯具3eは、上記以外に実施の形態1の灯具3と同様の効果を発揮させることができる。また、照明装置1は、灯具3eを備えているため、上述した灯具3eの効果を発揮させることができる。
【0177】
実施の形態6.
図13は、実施の形態6に係る灯具3fの要部を説明する断面図である。なお、実施の形態1の灯具3と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態6に係る灯具3fは、主として収容部13fの構成が実施の形態1に係る灯具3の収容部13の構成と異なる点で灯具3と異なる。従って、以下の説明では、収容部13fの構成を中心に説明する。なお、収容部13fについて以下に述べる構成及び機能に関する以外の構成及び機能については、原則として実施の形態1の収容部13と同様である。
【0178】
[灯具3f]
灯具3fは、器具2から供給される電力によって点灯する。灯具3fは、収容部13fと、口金40fと、台座50と、光源60とを有する。
【0179】
(収容部13f)
収容部13fは、光源60のカバーである。収容部13fは、長尺状かつ中空の筒状に形成されており、長手方向(X軸方向)の両端部が開口している。収容部13fは、台座50に取り付けられる。収容部13fは、台座50に取り付けられた状態において、光源60及び台座50を内部に収容している。収容部13fは、外郭30fと、配光制御部31fと、
図4に示す取付部33と、光源保持部35とを有している。
【0180】
(外郭30f)
外郭30fは、光源60の光軸と交わるように光源60を覆った状態で台座50に取り付けられる。収容部13fの外郭30fは、光源60の光軸に沿った方向において配光制御部31fの両端に設けられている。より詳細には、外郭30fは、後述する光源保持部35を介して一対の配光制御部31fの先端部311fを接続するように設けられている第1外郭30f1と、一対の配光制御部31fの基端部310間に設けられている第2外郭30f2とを有する。
【0181】
第1外郭30f1及び第2外郭30f2は、灯具3fの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において弧状に形成されている。第1外郭30f1は、灯具3fの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、
図13に示すように灯具3fの器具側に凸となるように円弧状に形成されている。第2外郭30f2は、灯具3fの出射側に凸となるように円弧状に形成されている。なお、第1外郭30f1及び第2外郭30f2は、灯具3fの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において弧状に形成されている構成に限定されるものではない。
【0182】
一対の配光制御部31fの先端部311fを接続するように設けられている第1外郭30f1は、取付部33と係合し、光源60及び台座50を内部に収容している。一対の配光制御部31fの基端部310間に設けられている第2外郭30f2は、出射部32を構成する。
【0183】
(配光制御部31f)
配光制御部31fは、灯具3fにおいて、光源60から発せられる光の配光を制御する。配光制御部31fは、第2外郭30f2から起立し、光源60の光軸を間にして対になるように並設される。配光制御部31fは、第2外郭30f2の内周部300を基端部310として起立する。一対の配光制御部31fのそれぞれは、外郭30fの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、第2外郭30f2から台座50に向かって延びている。
【0184】
図13に例示した実施の形態6に係る灯具3fの一態様では、配光制御範囲である配光角θが140°となるように配光制御部31fが形成されている。配光制御部31fは、光源60から発せられる光を反射によって出射部32に向けて配光し、光源60の照射角度よりも小さい角度に規定された状態で出射部32から出射させる。
【0185】
配光制御部31fは、外郭30fの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、一方の端部に出射部32の周縁部を構成する基端部310を有し、他方の端部に光源保持部35と接続されている先端部311fを有する。
【0186】
先端部311fは、配光制御部31fの他方の端部であり収容部13f内において光源60と離間して配置され、台座50と対向している。先端部311fは、配光制御部31fにおいて台座50側の端部である。先端部311fは、灯具3fの長手方向(X軸方向)及び短手方向(Y軸方向)に対して垂直な方向(Z軸方向)において、台座50と対向する。先端部311fは、台座50と当接させてもよく、台座50と離間させてもよい。先端部311fは、台座50の回転方向の移動を規制する。
【0187】
配光制御部31fの先端部311fは、台座主部51の光源取付部510以外の何れかの部分と対向するように配置される。つまり、配光制御部31fの先端部311fは、光軸と交わる方向(短手方向)において光源60よりも外側に配置されており、基板62よりも外側に配置されている。
【0188】
配光制御部31fの先端部311fと、灯具3fの器具側に設けられた第1外郭30f1との間には光源保持部35が設けられている。
【0189】
(光源保持部35)
収容部13fは、配光制御部31fの先端部311fを基端部350として第1外郭30f1に向かって延びるように形成された光源保持部35を備える。光源保持部35は、光源60を保持するために収容部13fの内周部に設けられている。光源保持部35は、台座50と当接し光源60を保持する。
【0190】
光源保持部35の先端部351は、第1外郭30f1と接続されている。光源保持部35は、灯具3fの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、灯具3fの短手方向(Y軸方向)に沿って形成されおり、灯具3fの出射側から台座50の張出部511を支持する。
【0191】
収容部13fは、外郭30fと、配光制御部31fと、光源保持部35とが一体に形成されている。灯具3fの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、配光制御部31f及び光源保持部35は、灯具3fの側面が開口するようにV字状に形成されている。すなわち、収容部13fは、配光制御部31fの基端部310と光源保持部35の先端部351との間の部分では外郭30fが形成されていない。
【0192】
収容部13fは、外郭30fが形成されていない部分においては、配光制御部31fの外面部313fが、収容部13f及び灯具3fの外壁を形成し、照明空間に面している。また、当該部分においては、光源保持部35の外面部35fが、収容部13f及び灯具3fの外壁を形成し、照明空間に面している。収容部13fは、光源60の光軸に沿った方向において、配光制御部31fの外面部313fと光源保持部35の外面部35fとが対向し、互いに斜面を構成している。
【0193】
灯具3fは、配光制御部31fの基端部310と光源保持部35の先端部351との間の架空の外郭30fの外周壁の面積は、光源保持部35の外面部35fの面積よりも大きい。すなわち、収容部13fは、実施の形態1の収容部13と比較して、外郭30の一部が削除されており、当該削除された外郭30の部分の外周壁は、光源保持部35の外面部35fよりも大きい面積を構成する。
【0194】
(口金40f)
口金40fは、収容部13fの断面形状に対応した口金筐体41fを備える。したがって、実施の形態6の灯具3fを構成する口金40fは、口金筐体41の断面形状が円状に形成された実施の形態1の口金40と態様が異なる。
【0195】
[灯具3f及び照明装置1の作用効果]
灯具3fは、光源保持部35と配光制御部31fとが収容部13fの外壁の一部を構成する。そのため、配光制御部31fの外面部313f及び光源保持部35の外面部35fは、外部空間である照明空間に面するため灯具3fの放熱性が向上する。なお、配光制御部31fと光源保持部35とは、熱伝導を促進する材料を用いて形成されてもよく、この場合には灯具3fはより一層の放熱性の向上が期待できる。
【0196】
また、灯具3fの収容部13fは、光源保持部35の外壁よりも大きい面積を構成する配光制御部31fの基端部310と光源保持部35の先端部351との間の外郭30fが削除されている。そのため、実施の形態6の灯具3fは、円筒状に形成された実施の形態1の灯具3と比較して、使用する材料を削減できるので収容部13f及び灯具3fの材料コストを抑制することができる。
【0197】
また、灯具3fは、上記以外に実施の形態1の灯具3と同様の効果を発揮させることができる。また、照明装置1は、灯具3fを備えているため、上述した灯具3fの効果を発揮させることができる。
【0198】
なお、実施の形態6における口金40fは、収容部13fの断面形状に対応した口金筐体41fを備えるものとして述べたが、これに限らず、口金筐体41fは、外郭30fの端部開口を覆うように外郭30fに取り付けられるものであればよく、口金筐体41fの断面形状が、実施の形態1の口金筐体41のように円状に形成されたものであってもよい。
【0199】
実施の形態7.
図14は、実施の形態7に係る灯具3gの要部を説明する断面図である。なお、実施の形態1の灯具3と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態7に係る灯具3gは、主として収容部13gの構成が実施の形態1に係る灯具3の収容部13の構成と異なる点で灯具3と異なる。従って、以下の説明では、収容部13gの構成を中心に説明する。なお、収容部13gについて以下に述べる構成及び機能に関する以外の構成及び機能については、原則として実施の形態1の収容部13と同様である。
【0200】
[灯具3g]
灯具3gは、器具2から供給される電力によって点灯する。灯具3gは、収容部13gと、口金40gと、台座50gと、光源60とを有する。
【0201】
(収容部13g)
収容部13gは、光源60のカバーである。収容部13gは、長尺状かつ中空の筒状に形成されており、長手方向(X軸方向)の両端部が開口している。収容部13gは、台座50gに取り付けられる。収容部13gは、収容部13gの外郭30gが台座50gに取り付けられた状態において、台座50gと共に光源60を内部に収容している。収容部13gは、外郭30gと、配光制御部31と、取付部33gとを有している。
【0202】
(外郭30g)
収容部13gの外郭30gは、筒状に形成された収容部13gにおいて、外周壁の一部を構成する部分である。実施の形態7の外郭30gは筒形ではない。外郭30gは、長手方向(X軸方向)に沿って形成されており、灯具3gの器具側に長手開口が形成された樋形に形成されている。外郭30gは、
図14に示すように、灯具3gの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、馬蹄形状に形成されている。換言すれば、外郭30gは、灯具3gの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、U字状、または円弧状に形成されている。
【0203】
収容部13gの外郭30gは、光源60を内部に収容している。外郭30gの内周部300は、外郭30gの内部に配置された光源60に面する側の面を構成する。外郭30gの外周部301は、照明空間に面する側の面であり、光源60に面しない側の面を構成する。
【0204】
収容部13gの外郭30gは、透光性を有する。外郭30gは、光源60の光軸と交わるように光源60を覆った状態で台座50gに取り付けられる。外郭30gの器具側に形成された長手開口は、台座50gによって塞がれている。収容部13gの外郭30gは、出射部32を有する。
【0205】
(配光制御部31)
配光制御部31は、灯具3gにおいて、光源60から発せられる光の配光を制御する。配光制御部31は、外郭30gの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、一方の端部に基端部310を有し、他方の端部に先端部311を有する。配光制御部31の先端部311は、台座主部51の回転方向の移動を規制する。
図14に例示した実施の形態7に係る灯具3gの一態様では、配光制御範囲である配光角θが140°となるように配光制御部31が形成されている。
【0206】
(取付部33g)
取付部33gは、外郭30gを台座50gに取り付けた状態において、台座50gに形成された係合部53gと係合される。収容部13gの外郭30gは、外郭30gの開口端となる取付部33gに台座50gの係合部53gが係合されることによって台座50gに取り付けられる。取付部33gは、灯具3gの短手方向(Y軸方向)において、光源60の基板62の両側に位置するように対に形成されている。取付部33gは、取付部33gと係合部53gとが係合された状態において、係合された台座50gの回転方向の移動を規制する。
【0207】
収容部13gの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、一対の取付部33gは外郭30gの両端部から突出している。収容部13gの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、一対の取付部33gは、それぞれ先端が対向するように外郭30gから突出している。灯具3gの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、一対の取付部33gはそれぞれ灯具3gの短手方向(Y軸方向)に延びている。灯具3gの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、一対の取付部33gはそれぞれ、外郭30gの端部から台座50gの台座側部52gに向かって突出している。
【0208】
取付部33gは、収容部13gの長手方向全体に渡って延在するように形成されている。取付部33gは、収容部13gの長手方向に平行な中心Оの軸よりも器具側に偏った位置に形成されている。取付部33gは、収容部13gにおいて、光軸に沿った方向における幾何学中心を基準として配光制御部31の基端部310とは反対側に形成されている。
【0209】
(口金40g)
口金40gは、収容部13gの断面形状に対応した口金筐体41gを備える。すなわち、口金40gは、外郭30g及び台座50gの断面形状に対応した口金筐体41gを備える。実施の形態7の灯具3gを構成する口金40fは、外郭30g及び台座50gによって構成される収容部13gの外周壁と嵌合されるような形状に形成されている。
【0210】
(台座50g)
台座50gは、光源60が取り付けられる部材であり、光源60から発せられる熱を放散させる放熱部材である。また、台座50gは、光源60を収容部13g内に保持するための部材である。
【0211】
台座50gは、収容部13gの長手方向(X軸方向)に沿って、長尺状に形成されている。台座50gは、台座主部51と、一対の台座側部52gと、一対の係合部53gと、一対のネジ固定部54と、一対の係合部53gの間に設けられた台座接続部57とを有し、これらが一体化されて構成されている。また、台座主部51、台座側部52g、係合部53g、ネジ固定部54及び台座接続部57は、台座50gの長手方向(X軸方向)全体に渡って延在するように形成されている。
【0212】
台座主部51は、光源60の基板62が取り付けられる光源取付部510と、台座主部51の短手方向(Y軸方向)において光源取付部510の両端部に形成されている張出部511とを有する。
【0213】
台座50gと外郭30gとが互いに固定された状態では、張出部511の突出方向の先端部は、外郭30gの内周部300と対向している。また、台座50gと外郭30gとが互いに固定された状態では、張出部511の器具側の面は、取付部33の出射側の面と対向しており、張出部511の出射側の面は、配光制御部31の先端部311と対向している。台座50gの厚み方向(Z軸方向)において、張出部511と係合部53gとの間には、間隙が形成されている。
【0214】
光源取付部510の短手方向(Y軸方向)の両端部には、器具側に向かって突出した台座側部52gが設けられている。台座側部52gの先端部には、係合部53gが設けられている。係合部53gは、外郭30gを台座50gに取り付けた状態において、外郭30gに形成された取付部33gと係合される。係合部53gは、取付部33gと係合部53gとが係合された状態において、係合された台座50gの回転方向の移動を規制する。
【0215】
係合部53gは、台座50gにおいて光源60が配置されない領域に形成されている。係合部53gは、光源60が配置されていない側、すなわち、台座50gにおいて器具側に形成されている。係合部53gは、台座50gの長手方向全体に渡って延在するように形成されている。
【0216】
台座50gと外郭30gとが固定された状態では、係合部53gは、収容部13gの中心Оの軸よりも器具側に偏った位置に配置される。また、台座50gと外郭30gとが固定された状態では、係合部53gは外郭30gの内周部300に沿って配置される。
【0217】
光源取付部510の器具側に位置する面には、一対のネジ固定部54が器具側へ突出して設けられている。ネジ固定部54の同士の間には、ネジ固定孔540が形成されている。
【0218】
一対の係合部53gの間には、台座接続部57が設けられている。台座接続部57は、一対の係合部53gをそれぞれ接続するように設けられている。換言すれば、台座接続部57は、一対の台座側部52gの先端部同士を接続するように形成されている。台座接続部57は、照明装置1において器具2と対向する壁部を構成する。
【0219】
台座接続部57は、灯具3gの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において弧状に形成されている。台座接続部57は、灯具3gの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、
図14に示すように灯具3gの器具側に凸となるように円弧状に形成されている。なお、台座接続部57は、灯具3gの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において弧状に形成されている構成に限定されるものではない。
【0220】
台座50g及び外郭30gは、筒状に形成された灯具3gの外周壁を構成する。外郭30gの両端部に口金40gが取り付けられた場合、
図14に示すように収容部13gの内部には外郭30g、台座50g及び口金40gによって囲まれた灯具内空間24が形成される。さらに、灯具内空間24は、配光制御部31及び台座50gによって4つの空間に分割される。この4つの空間のうち、光源60が面する空間を出射側空間25と称し、台座50g内に形成される空間を内部空間56と称し、残りの2つの空間を合わせて器具側空間26と称する。
【0221】
台座50gの内部空間56は、台座主部51、一対の台座側部52g及び台座接続部57によって筒状に形成されている。内部空間56には、ネジ固定部54が突出している。また、内部空間56には、
図14に示すように、点灯装置70等の付加機能を構成する装置類が配置されてもよい。点灯装置70は、外部電源から供給される電力を灯具3gに適した電圧又は電流に変換する電源装置である。すなわち、点灯装置70は、発光素子61等の光源60に供給するための点灯電力を生成する。
【0222】
[灯具3g及び照明装置1の作用効果]
灯具3gは、出射部32の周縁部を基端部310として台座50gに向かって外郭30gから起立し、基端部310と反対側である先端部311が光源60と離間し台座50と対向する一対の配光制御部31を備えたものである。そのため、灯具3gは、組み立てあるいは使用に際して、配光制御部31の先端部311と光源60との接触を防ぐことができ、光源60を損傷させるおそれがない。そのため、灯具3gは、使用環境の制約を受けることがなく、長期品質の向上を図ることができる。
【0223】
また、出射部32は、外郭30gにおいて一対の配光制御部31の間に形成されている。灯具3gは、光源60から直接出射部32に到達する光に加え、配光制御部31によって反射された光が出射部32に到達する。そのため、灯具3gは、配光制御部31を有していない灯具と比較して、光源60及び灯具3gの直下方向等の特定方向の光量を増加させることができ、光源60及び灯具3gの直下方向等の特定方向の照度を向上させることができる。
【0224】
また、収容部13gの外郭30gは、外郭30gの開口端となる取付部33gに台座50gの係合部53gが係合されることによって台座50gに取り付けられる。したがって、灯具3gは、外郭30gと台座50gとの組み立てが容易であるため、灯具3g及び照明装置1の製造が容易になり、灯具3g及び照明装置1の生産性を向上させる。
【0225】
また、灯具3gは、上記以外に実施の形態1の灯具3と同様の効果を発揮させることができる。また、照明装置1は、灯具3gを備えているため、上述した灯具3gの効果を発揮させることができる。
【0226】
実施の形態8.
図15は、実施の形態8に係る灯具3hの要部を説明する断面図である。なお、実施の形態1の灯具3と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態8に係る灯具3hは、主として収容部13hの構成が実施の形態1に係る灯具3の収容部13の構成と異なる点、及び、灯具3hが台座50を備えない点で灯具3と異なる。従って、以下の説明では、収容部13hの構成を中心に説明する。なお、収容部13hについて以下に述べる構成及び機能に関する以外の構成及び機能については、原則として実施の形態1の収容部13と同様である。
【0227】
[灯具3h]
灯具3hは、器具2から供給される電力によって点灯する。灯具3hは、収容部13hと、口金40hと、光源60hとを備える。
【0228】
(収容部13h)
収容部13hは、光源60hのカバーである。収容部13hは、全体が長尺状かつ中空の筒状に形成されており、長手方向(X軸方向)の両端部が開口している。収容部13hは、光源60hの基板62hに取り付けられる。収容部13hは、基板62hに取り付けられた状態において、光源60hが内部に配置されている。収容部13hは、外郭30hと、配光制御部31hと、光源保持部35とを有している。
【0229】
(外郭30h)
外郭30hは、光源60hの光軸と交わるように光源60hを覆う。外郭30hは、一対の配光制御部31hの基端部310間に設けられている。外郭30hは、光源60hから発せられる光が出射される出射部32を有する。
【0230】
外郭30hは、灯具3hの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において弧状に形成されている。外郭30hは、例えば
図15に示すように灯具3hの出射側に凸となるように円弧状に形成されている。なお、外郭30hは、灯具3hの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において弧状に形成されている構成に限定されるものではない。
【0231】
(配光制御部31h)
配光制御部31hは、灯具3hにおいて、光源60hから発せられる光の配光を制御する。配光制御部31hは、外郭30hの両端部から起立し、光源60hの光軸を間にして対になるように並設される。配光制御部31hは、外郭30hの内周部300を基端部310として起立する。一対の配光制御部31hのそれぞれは、外郭30hの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、外郭30hから光源保持部35に向かって延びている。また、一対の配光制御部31hのそれぞれは、外郭30hの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、外郭30hから基板62hに向かって延びている。
【0232】
図15に例示した実施の形態8に係る灯具3hの一態様では、配光制御範囲である配光角θが140°となるように配光制御部31hが形成されている。配光制御部31hは、光源60hから発せられる光を反射によって出射部32に向けて配光し、光源60hの照射角度よりも小さい角度に規定された状態で出射部32から出射させる。
【0233】
配光制御部31hは、収容部13hの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、一方の端部に出射部32の周縁部を構成する基端部310を有し、他方の端部に光源保持部35と接続されている先端部311hを有する。先端部311hは、配光制御部31hにおいて、基端部310に対する反対側の端部である。
【0234】
先端部311hは、配光制御部31hの他方の端部であり収容部13h内において光源60hの発光素子61と離間して配置されている。先端部311hは、配光制御部31hにおいて光源60h側の端部である。灯具3hの長手方向(X軸方向)及び短手方向(Y軸方向)に対して垂直な方向(Z軸方向)において、先端部311hの延長線上には基板62hが配置されている。配光制御部31hの先端部311hは、光源保持部35と接続され、光源保持部35と一体に形成されている。
【0235】
(光源保持部35)
光源保持部35は、収容部13hにおいて、光源60hの基板62hを保持する。光源保持部35は、灯具3hの長手方向に対する垂直断面において、器具側の壁部を構成する底部35h1と、底部35h1の両端部から起立する一対の側部35h2とを有する。また、光源保持部35は、一対の側部35h2の起立方向の先端部から互いが近づく方向に延びる支持部35h3を有する。一対の支持部35h3は、先端部が対向するように形成されている。
【0236】
光源保持部35は、一対の支持部35h3の間に開口部35h4が形成されている。光源保持部35は、光源60hの光軸に沿った方向において、一対の支持部35h3と底部35h1との間に間隙が形成されている。一対の支持部35h3と底部35h1との間に間隙には、光源60hが配置され、光源60hの基板62hは、支持部35h3と底部35h1とによって挟持されている。発光素子61は、一対の支持部35h3の間に形成された開口部35h4から出射側空間25に露出している。光源保持部35は、底部35h1と、側部35h2と、支持部35h3とによって、樋状に形成されている。
【0237】
光源保持部35の支持部35h3は、灯具3hの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、灯具3hの短手方向(Y軸方向)に沿って形成されおり、灯具3hの出射側から光源60hの基板62hを支持する。配光制御部31hの先端部311hは、光源保持部35の支持部35h3と接続されている。
【0238】
収容部13hは、外郭30hと、配光制御部31hと、光源保持部35とが一体に形成されている。収容部13hは、灯具3hの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、雫形に形成されている。なお、収容部13hは、当該形状に限定されるものではない。外郭30h、配光制御部31h及び光源保持部35は、収容部13hの外壁を構成し、照明空間に面している。
【0239】
(口金40h)
口金40hは、収容部13hの断面形状に対応した口金筐体41hを備える。したがって、実施の形態8の灯具3hを構成する口金40hは、口金筐体41の断面形状が円状に形成された実施の形態1の口金40と態様が異なる。
【0240】
(光源60h)
光源60hは、発光素子61と、発光素子61が実装される基板62hとを有する。光源60hは、収容部13hの内部に配置されており、光源保持部35に保持されている。実施の形態8に係る灯具3hの基板62hは、短手方向(Y軸方向)における幅寸法が、実施の形態1に係る灯具3の基板62hの幅寸法と比較して小さくなるように形成されている。
【0241】
[灯具3h及び照明装置1の作用効果]
実施の形態8に係る灯具3hは、台座50を備えないため灯具3hの材料コストを抑制することができると共に、組み立て工程が簡素化されるため、製造コストを抑制することができる。また、灯具3hは、一般に金属材料を用いて形成される台座50を備えないため灯具3hを軽量化することができる。
【0242】
また、灯具3hは、台座50を備えないことによって、収容部13hの内部において、出射部32と光源60hとの距離寸法を大きくすることができ、これによって外郭30hの出射部32に現れる発光素子61が発する光の粒状感を抑制することができる。
【0243】
灯具3hは、ヒートシンクの役割を果たす台座50を備えないため、低出力で発熱が抑制された灯具、あるいは、例えば低温環境などの熱容量を要求されない設置環境に対応した灯具に好適である。
【0244】
また、灯具3hは、上記以外に実施の形態1の灯具3と同様の効果を発揮させることができる。また、照明装置1は、灯具3hを備えているため、上述した灯具3hの効果を発揮させることができる。
【0245】
なお、実施の形態8における口金40hは、収容部13hの断面形状に対応した口金筐体41hを備えるものとして述べたが、これに限らず、口金筐体41hは、外郭30hの端部開口を覆うように外郭30hに取り付けられるものであればよく、口金筐体41hの断面形状が、実施の形態1の口金筐体41のように円状に形成されたものであってもよい。
【0246】
実施の形態9.
図16は、実施の形態9に係る照明装置1jを説明する斜視図である。
図17は、実施の形態9に係る灯具3jの要部を説明する断面図である。なお、実施の形態1の照明装置1及び灯具3と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0247】
[照明装置1j]
照明装置1jは、長尺状の照明装置であり、照明空間を照明できる位置に設置され、照明空間を照らすものである。照明装置1jは、天井等の造営部9に取付けられる器具2jと、器具2jに対して着脱自在に装着される灯具3jとを有する。
【0248】
[器具2j]
器具2jは、取り付けられた灯具3jを保持し、器具2jに取り付けられた灯具3jに電力を供給する。器具2jは、長尺状の長手方向(X軸方向)に延びる器具本体20jと、器具本体20jの両端に取り付けられる器具端部21jとを有する。
【0249】
器具本体20jの短手方向(Y軸方向)に位置する側面には、天井等の水平面に対して傾斜した器具外面部202jが設けられている。器具外面部202jは、器具本体20jの長手方向(X軸方向)に沿って延びている。
【0250】
器具端部21jには、ノックアウト部210jが設けられている。ノックアウト部210jは、造営部9側から器具2jに挿入される電力線(不図示)の挿入口を選択できるように形成したものである。
【0251】
図16に示すように、器具2jには、灯具3jを収容する空間である灯具装着部200が形成されている。灯具装着部200には、連結バネ27と、端子台28と、電力供給線および制御信号線を含む器具側電線23とが設けられている。器具側電線23は、灯具3jに設けられた灯具側電線(図示は省略)と電気的に接続される。灯具側電線は、電力供給線および制御信号線を含んでいる。
【0252】
[灯具3j]
灯具3jは、器具2jから供給される電力によって点灯する。灯具3jは、器具本体20jと対向するように器具2jに取り付けられる。器具2jの連結バネ27と灯具3jのバネ受金具71とが連結されることで、灯具3jが器具2jに固定される。連結バネ27は器具側の連結具であり、バネ受金具71は灯具側の連結具である。灯具3jは、収容部13jと、端部蓋43と、台座50jと、光源60jとを有する。灯具3jは、収容部13j及び台座50jによって筒状に形成されている。
【0253】
(収容部13j)
収容部13jは、長尺の樋状に形成されており、器具2j側と長手方向(X軸方向)の両端部とが開口している。収容部13jの器具2j側の開口は、収容部13jの長手方向(X軸方向)に沿って形成された長手開口34jである。長手開口34jには、後述する台座50jが配置され、台座50jが長手開口34jを覆う。収容部13jは、外郭30jと、配光制御部31jと、取付部33jとを有している。
【0254】
(外郭30j)
収容部13jの外郭30jは、収容部13jにおいて樋状に形成されている部分である。外郭30jは、収容部13j長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、楕円の一部分の形状に形成されている。ただし、外郭30jの形状は当該形状に限定されるものではなく、例えば、円弧形状あるいは多角形状等他の形状に形成されてもよい。
【0255】
収容部13jの外郭30jは、台座50jに取り付けられた状態において、光源60jを内部に収容している。外郭30jの内周部300jは、外郭30jの内部に配置された光源60jに面する側の面を構成する。外郭30jの外周部301jは、照明空間に面する側の面であり、光源60jに面しない側の面を構成する。
【0256】
収容部13jの外郭30jは、透光性を有する。外郭30jは、例えば、透明な素材で形成されてもよく、あるいは、外郭30jを透過する光が拡散するような素材で形成されてもよい。外郭30jは、光源60jの光軸と交わるように光源60jを覆った状態で台座50jに取り付けられる。
【0257】
収容部13jの外郭30jは、出射部32jを有する。出射部32jは、外郭30jにおいて光源60jから発せられる光が出射される部分である。出射部32jは、外郭30jにおいて、一対の配光制御部31j同士の間に形成される。出射部32jは、灯具3jの出射側に形成されている。
【0258】
外郭30jの長手方向に対する垂直断面において、外郭30jの幾何学的な中心Оと出射部32jの一方の端部32aとを結ぶ仮想線LAと、外郭30jの幾何学的な中心Оと出射部32の他方の端部32bとを結ぶ仮想線LBとの間の角度を配光角θと定義する。配光角θは、光源60j自体の照射角度よりも小さい角度で規定される。
【0259】
出射部32jの反射率は、配光制御部31jの内面部312jの反射率よりも低い。出射部32jは、少なくとも配光制御部31jの内面部312jよりも高い光透過率を有する。出射部32jは、光源60jから発せられた光を透過させて直接出射し、また、光源60jから発せられ配光制御部31jによって配光制御された光を透過させて出射する。すなわち、光源60jから発せられ配光制御部31jによって配光制御された光は、出射部32jから照明空間に照射される。出射部32jの材料は、実施の形態1に係る灯具3の出射部32と同様の材料で形成される。
【0260】
(配光制御部31j)
配光制御部31jは、灯具3jにおいて、光源60jから発せられる光の配光を制御する。配光制御部31jは、光源60jから発せられた光を出射部32jから出射させるように、光源60jから発せられた光の向きを制御する。すなわち、一対の配光制御部31jは、光源60jから発せられる光を反射によって出射部32jに向けて配光し、光源60jの照射角度よりも小さい角度に規定された状態で出射部32jから出射させる。
【0261】
配光制御部31jは、外郭30jから起立し、光源60jの光軸を間にして対になるように並設される。配光制御部31jは、外郭30jの内周部300jを基端部310jとして起立する。配光制御部31jは、外郭30jの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、外郭30jから外郭30jの内部に向かって延びている。より詳細には、一対の配光制御部31jのそれぞれは、外郭30jの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、外郭30jから台座50jに向かって延びている。
【0262】
配光制御部31jは、外郭30jの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、一方の端部に基端部310jを有し、他方の端部に先端部311jを有する。
【0263】
基端部310jは、配光制御部31jの一方の端部であり出射部32jの周縁部を構成する。基端部310jは、配光制御部31jと外郭30jの内周部300jとの接続部であり、外郭30j側の端部である。基端部310jは、配光制御部31jの根元部分でもある。
【0264】
先端部311jは、配光制御部31jの他方の端部であり収容部13j内において光源60jと離間して配置され、台座50jと対向している。先端部311jは、配光制御部31jにおいて台座50j側の端部である。先端部311jは、灯具3jの長手方向(X軸方向)及び短手方向(Y軸方向)に対して垂直な方向(Z軸方向)において、台座50jと対向する。先端部311jは、台座50jと当接させてもよく、台座50jと離間させてもよい。先端部311jは、台座50jの回転方向の移動を規制する。
【0265】
配光制御部31jの先端部311jは、台座主部51jの光源取付部510j以外の何れかの部分と対向するように配置される。つまり、配光制御部31jの先端部311jは、光軸と交わる方向(短手方向)において光源60jよりも外側に配置されており、基板62jよりも外側に配置されている。
【0266】
光源60j及び灯具3jの直下の照度を上げる目的を考慮すると、短手方向(Y軸方向)において、先端部311jは、光軸に沿った基端部310jを通過する基準線よりも外側には配置されない。
【0267】
なお、光源60jから周辺に広がるように発せられる光を減衰させ、光源60jの光軸に近い光を選択的に活用する場合には、短手方向(Y軸方向)において、先端部311jは、光軸に沿った基端部310jを通過する基準線よりも外側に配置される。
【0268】
配光制御部31jは、収容部13jの長手方向全体に渡って延在するように形成されている。配光制御部31jは、外郭30jの長手方向(X軸方向)に沿って延びるように板状に形成されている。配光制御部31jは、内面部312jと外面部313jとを有する。内面部312jは、外郭30jの内部において、光軸が形成される側の面を構成する。内面部312jは、平面、曲面、あるいは、平面と曲面との組み合わせの、いずれであってもよい。外面部313jは、外郭30jの内部において、光軸が形成される側とは反対側の面を構成する。
【0269】
配光制御部31jは、少なくとも配光制御部31jの内面部312jの反射率が外郭30jの出射部32jの反射率よりも高くなるように形成されている。つまり、配光制御部31jは、少なくとも配光制御部31jの内面部312jの光透過率が外郭30jの出射部32jの光透過率よりも低くなるように形成されている。内面部312jの材料は、実施の形態1に係る灯具3の内面部312と同様の材料で形成される。
【0270】
配光制御部31jは、製品仕様に応じて決定される配光角θを満たすように、外郭30jと一体に形成されている。配光角θは、外郭30jの幾何学的な中心Оと一対の配光制御部31jの基端部310jとの間の出射部32の側の角度として規定される角度でもある。光源60j及び灯具3jの直下の照度を上げる目的から、配光角θは、45°≦θ≦140°の角度範囲で規定されることが望ましい。
【0271】
配光制御部31jと外郭30jの内周部300jとの角度は任意である。配光制御部31jと外郭30jの内周部300jとの角度は、鋭角でもよく、直角でもよく、あるいは、鈍角でもよい。また、配光制御部31jの基端部310jは、裾状すなわち逆テーパー状の補強部を設けてもよい。
【0272】
(取付部33j)
取付部33jは、収容部13jを台座50jに取り付けた状態において、台座50jに形成された係合部53jと係合される。取付部33jは、取付部33jと係合部53jとが係合された状態において、係合された台座50jの回転方向の移動を規制する。
【0273】
取付部33jは、外郭30jの側縁部30j1に設けられている。側縁部30j1は、外郭30jにおいて、器具2j側の端部である。側縁部30j1は、外郭30jの長手方向(X軸方向)に沿って設けられている。
【0274】
取付部33jは、収容部13jの長手方向全体に渡って延在するように形成されている。取付部33jは、収容部13jの長手方向に平行な中心Оの軸よりも器具側に偏った位置に形成されている。取付部33jは、光軸方向に沿った幾何学中心を基準として配光制御部31jの基端部310jとは反対側に形成されている。
【0275】
取付部33は、台座50jの短手方向(Y軸方向)の両端部と係合する。取付部33jは、第1取付片330jと、第2取付片331jとを有する。取付部33jにおいて、第1取付片330jと、第2取付片331jとは互いに対向するように形成されている。
【0276】
第1取付片330jは、収容部13jを台座50jに取り付けた状態において、台座50jに形成された台座側部52jの基端部52j1と係合される。第2取付片331jは、収容部13jを台座50jに取り付けた状態において、台座50jに形成された係合部53jと係合される。取付部33jの第1取付片330j及び第2取付片331jは、台座50jの基端部52j1から係合部53jまでの領域を挟持する。すなわち、台座50jの台座側部52jは、第1取付片330jと第2取付片331jとによって挟持される。
【0277】
(端部蓋43)
端部蓋43は、収容部13jの両端に取り付けられている。より詳細には、端部蓋43は、外郭30jの両端に取り付けられている。端部蓋43は、外郭30jの両端に形成された開口を覆う。端部蓋43は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料で構成される。なお、絶縁が確保されている場合には、端部蓋43は金属で構成されてもよい。
【0278】
(台座50j)
台座50jは、光源60jが取り付けられる部材であり、光源60jから発せられる熱を放散させる放熱部材である。また、台座50jは、光源60jを収容部13j内に保持するための部材である。
【0279】
台座50jは、収容部13jの長手方向(X軸方向)に沿って、長尺状に形成されており、台座主部51jと、一対の台座側部52jと、一対の係合部53jとを有し、これらが一体化されて構成されている。また、台座主部51j、台座側部52j及び係合部53jは、台座50jの長手方向(X軸方向)全体に渡って延在するように形成されている。
【0280】
台座50jは、外郭30jを介して光源60jから発生する熱を灯具3jの外部に放散するヒートシンクとしての機能を発揮する。そのため、台座50jの材料は、熱伝導性及び剛性が優れ、線熱膨張係数が小さい金属材料が用いられることが望ましい。台座50jは、例えば、金属板を用いて形成される。さらに、台座50jの出射側の表面には、台座50jの素材よりも反射率の高い高反射膜が形成されてもよい。
【0281】
台座主部51jは、光源取付部510jと、台座主部51jの短手方向(Y軸方向)において光源取付部510jの両端部に形成されている張出部511jとを有する。換言すれば、台座主部51jは、2つの張出部511jの間に光源取付部510jが形成されている。
【0282】
光源取付部510jには、光源60jの基板62jが取り付けられる。光源取付部510jは、台座主部51jにおいて凹形状に形成された部分である。光源取付部510jは、張出部511jに対して器具側に膨出するように形成されている。光源取付部510jは、例えば部材が折り曲げられて形成されている。光源取付部510jは、張出部511jの出射側の面に対して凹むように形成されている。
【0283】
光源取付部510jにおける基板62jの設置面は、平面状に形成されている。台座主部51jは、光源取付部510jにおける基板62jの設置面と張出部511jの出射側の面との間に段差が形成されている。光源取付部510は、台座50jの長手方向(X軸方向)全体に渡って延在するように形成されている。
【0284】
台座50jが外郭30jに固定されている場合に、光源取付部510jの出射側に位置する面には、基板62jが設置されている。基板62jを台座50jに設置する方法としては、接着剤あるいは両面テープ等の接着部材によって基板62jと台座50jとを接着固定する方法がある。あるいは、基板62jを台座50jに設置する方法としては、台座50jにネジ孔を形成し、基板62jと台座50jとをネジを用いてネジ止めする方法がある。なお、基板62jと台座50jとの固定方法は、上記の方法に限定されるものではない。
【0285】
図17に示すように、光源取付部510jの基板62jが設置されている面とは反対側の面には、点灯装置70jが配置されてもよい。点灯装置70jは、照明装置1jにおいて、灯具装着部200内に配置される。点灯装置70jは、外部電源から供給される電力を灯具3jに適した電圧又は電流に変換する電源装置である。すなわち、点灯装置70jは、発光素子61等の光源60jに供給するための点灯電力を生成する。
【0286】
図17に示すように、光源取付部510jの短手方向(Y軸方向)の両端部には、短手方向の外側に向かって突出した張出部511jが設けられている。張出部511jは、台座50jの長手方向全体に渡って延在するように形成されている。
【0287】
台座主部51jの短手方向(Y軸方向)の両端部には、器具側に向かって起立した台座側部52jが設けられている。台座側部52jは、台座主部51jから器具側に向かって延びる壁部であり、また、台座50jの長手方向(X軸方向)に延びる壁部である。台座側部52jは、張出部511jの側縁部に形成されている。張出部511jの側縁部は、台座50jの長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、張出部511jの端部である。この張出部511jの端部は、張出部511jにおいて、光源取付部510jの形成側とは反対側の端部である。
【0288】
台座側部52jの基端部52j1は、台座主部51jに対して台座側部52jが起立する部分である。基端部52j1は、台座主部51jと台座側部52jとによって形成された角部である。台座主部51jと台座側部52jとは、折り曲げられて形成されてもよい。基端部52j1は、収容部13jが台座50jに取り付けられた状態において、収容部13jに形成された取付部33jの第1取付片330jと係合される。
【0289】
台座側部52jの先端部には、係合部53jが設けられている。係合部53jは、収容部13jが台座50jに取り付けられた状態において、収容部13jに形成された取付部33jの第2取付片331jと係合される。係合部53jは、台座側部52jの先端部が台座主部51j側に折り曲げられて形成されている。係合部53jは、取付部33jと係合部53jとが係合された状態において、係合された台座50jの回転方向の移動を規制する。
【0290】
係合部53jは、収容部13jにおいて光源60jが配置されない領域に形成されている。係合部53jは、光源60jが配置されていない側、すなわち、台座50jにおいて器具側に形成されている。係合部53jは、台座50jの長手方向全体に渡って延在するように形成されている。係合部53jは、灯具3jにおいて、収容部13jの中心Оの軸よりも器具側に偏った位置に配置される。係合部53jは、灯具3jが器具2jに取り付けられた状態において、灯具装着部200内に配置される。
【0291】
台座50jの係合部53j、台座側部52j及び基端部52j1は、収容部13jの取付部33によって保持される。係合部53j、台座側部52j及び基端部52j1が、収容部13jの取付部33jにより保持されることによって、台座50j及び収容部13jは、互いに固定される。
【0292】
(光源60j)
光源60jは、光を発する発光素子61と、長尺の平板状であり発光素子61が実装される基板62jとを備えている。光源60jは、光軸に沿った方向における収容部13jの中心Оを基準として、出射部32jと反対の側に配置される。なお、光源60jと出射部32jとの距離寸法は、一対の配光制御部31jの基端部310j同士の距離寸法以上に形成されてもよい。寸法以外の基板62jの基本的な構成は、実施の形態1に係る光源60の基板62と同様である。
【0293】
[灯具3j及び照明装置1jの作用効果]
灯具3jは、上述した実施の形態1の灯具3と同様の作用効果を発揮させる。例えば、灯具3jは、出射部32jの周縁部を基端部310jとして台座50jに向かって外郭30jから起立し、基端部310jと反対側である先端部311jが光源60jと離間し台座50jと対向して配置される一対の配光制御部31jを備えたものである。そのため、灯具3jは、組み立てあるいは使用に際して、配光制御部31jの先端部311jと光源60jとの接触を防ぐことができ、光源60jを損傷させるおそれがない。
【0294】
また、灯具3jは、外郭30jから起立し、光源60jの光軸を間にして並設される一対の配光制御部31jを有する。この配光制御部31jは、光源60jから発せられる光を反射によって出射部32jに向けて配光し、光源60jの照射角度よりも小さい角度に規定された状態で出射部32jから出射させるものである。灯具3jは、光源60jから直接出射部32jに到達する光に加え、配光制御部31jによって反射させた光を出射部32jに到達させることによって、光源60j及び灯具3jの直下方向等の特定方向の光量を増加させることができる。そのため、灯具3jは、光源60j及び灯具3jの直下方向等の特定方向の照度を向上させることができる。
【0295】
また、灯具3jは、上記以外に実施の形態1の灯具3と同様の効果を発揮させることができる。また、照明装置1jは、灯具3jを備えているため、上述した灯具3jの効果を発揮させることができる。
【0296】
以上、実施の形態および変形例を説明したが、これらの実施の形態および変形例のうち、2以上を組み合わせて実施してもよい。あるいは、これらの実施の形態および変形例のうち、1つを部分的に実施してもよい。あるいは、これらの実施の形態および変形例のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施してもよい。なお、本開示はこれらの実施の形態および変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0297】
1 照明装置、1j 照明装置、2 器具、2j 器具、3 灯具、3a 灯具、3b 灯具、3c 灯具、3d 灯具、3e 灯具、3f 灯具、3g 灯具、3h 灯具、3j 灯具、9 造営部、13 収容部、13a 収容部、13b 収容部、13c 収容部、13d 収容部、13e 収容部、13f 収容部、13g 収容部、13h 収容部、13j 収容部、20 器具本体、20j 器具本体、21 ソケット、21j 器具端部、22 点灯装置、23 器具側電線、24 灯具内空間、25 出射側空間、26 器具側空間、27 連結バネ、28 端子台、30 外郭、30c 外郭、30d 外郭、30e 外郭、30f 外郭、30f1 第1外郭、30f2 第2外郭、30g 外郭、30h 外郭、30j 外郭、30j1 側縁部、31 配光制御部、31a 配光制御部、31b 配光制御部、31f 配光制御部、31h 配光制御部、31j 配光制御部、32 出射部、32a 端部、32b 端部、32e 出射部、32j 出射部、33 取付部、33e 取付部、33g 取付部、33j 取付部、34e 底部、34j 長手開口、35 光源保持部、35f 外面部、35h1 底部、35h2 側部、35h3 支持部、35h4 開口部、40 口金、40c 口金、40d 口金、40e 口金、40f 口金、40g 口金、40h 口金、41 口金筐体、41e 口金筐体、41f 口金筐体、41g 口金筐体、41h 口金筐体、42 口金端子、43 端部蓋、50 台座、50a 台座、50b 台座、50e 台座、50g 台座、50j 台座、51 台座主部、51b 台座主部、51e 台座主部、51j 台座主部、52 台座側部、52g 台座側部、52j 台座側部、52j1 基端部、53 係合部、53e 係合部、53g 係合部、53j 係合部、54 ネジ固定部、55 台座蓋部、56 内部空間、57 台座接続部、60 光源、60h 光源、60j 光源、61 発光素子、62 基板、62h 基板、62j 基板、70 点灯装置、70j 点灯装置、71 バネ受金具、81 ネジ、200 灯具装着部、202j 器具外面部、210j ノックアウト部、300 内周部、300j 内周部、301 外周部、301j 外周部、302 端部開口、310 基端部、310j 基端部、311 先端部、311a 先端部、311b 先端部、311f 先端部、311h 先端部、311j 先端部、312 内面部、312a 内面部、312j 内面部、313 外面部、313a 外面部、313f 外面部、313j 外面部、330 第1取付片、330j 第1取付片、331 第2取付片、331j 第2取付片、350 基端部、351 先端部、410 底部、411 周部、412 ネジ挿通孔、510 光源取付部、510b 光源取付部、510j 光源取付部、511 張出部、511e 張出部、511j 張出部、512 溝部、513 隔壁、530 第1係合片、531 第2係合片、540 ネジ固定孔、620 実装面、621 非実装面。