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特許7419212多機能デバイスの無線接続ローミングを制限する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】多機能デバイスの無線接続ローミングを制限する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/16 20090101AFI20240115BHJP
   H04W 48/02 20090101ALI20240115BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240115BHJP
   H04W 12/06 20210101ALI20240115BHJP
   H04W 76/19 20180101ALI20240115BHJP
【FI】
H04W48/16
H04W48/02
H04W84/12
H04W12/06
H04W76/19
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020173530
(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公開番号】P2021072618
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】16/668,522
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ダイアン・エス・コレッリ
(72)【発明者】
【氏名】シェリル・エー・ナザーロ
(72)【発明者】
【氏名】コックファ・ング
(72)【発明者】
【氏名】オーウェン・ユー・チャン
【審査官】新井 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-067031(JP,A)
【文献】特表2010-519861(JP,A)
【文献】特開2014-103696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能デバイス(MFD)の無線接続ローミングを制限するための方法であって、
前記MFDのプロセッサによって、無線ネットワークの現在のアクセスポイントへの接続が切断されたことを検出することと、
前記プロセッサによって、前記現在のアクセスポイント上で再認証を試みることと、
前記プロセッサによって、前記現在のアクセスポイントに関する前記MFDのブラックリスト値が予め定義された閾値を超えているという通知を受信して、前記現在のアクセスポイントに対する再認証を防止することと、
前記プロセッサによって、ユーザ定義の境界内のアクセスポイントのリストにアクセスすることと、
前記プロセッサによって、前記アクセスポイントのリスト内のアクセスポイントを、以前に選択されていなかった前記アクセスポイントのパラメータに基づいて選択することと、
前記プロセッサによって、前記アクセスポイントとの無線通信経路を確立することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記プロセッサによって、前記アクセスポイントのリスト内の前記アクセスポイント上で再認証に失敗することと、
前記プロセッサによって、前記ユーザ定義された境界内の前記アクセスポイントのリストにアクセスすることと、
前記プロセッサによって、前記アクセスポイントが、前記アクセスポイントのリスト内の最後のアクセスポイントであると判定することと、
前記プロセッサによって、前記アクセスポイントのリスト内の第1のアクセスポイントを選択することと、
前記プロセッサによって、前記アクセスポイントとの無線通信経路を確立することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ定義の境界内の前記アクセスポイントのリストが、前記MFDのユーザインターフェースを介してユーザによって定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザインターフェースが、全ての利用可能なアクセスポイントを表示することができ、前記ユーザに、前記ユーザ定義の境界を作成するために、前記全ての利用可能なアクセスポイントのうちの1つ以上を選択するためのオプションを提供することができる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザインターフェースが、前記利用可能なアクセスポイントのそれぞれのメディアアクセス制御(MAC)識別番号、前記利用可能なアクセスポイントのそれぞれの信号強度パーセンテージ、前記利用可能なアクセスポイントのそれぞれのチャネル番号、又は前記利用可能なアクセスポイントのそれぞれのセキュリティタイプのうちの少なくとも1つを提供する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記パラメータが、前記アクセスポイントの信号強度及び前記アクセスポイントのセキュリティプロトコルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アクセスポイントの前記パラメータが、前記アクセスポイントの信号強度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記パラメータが、前記アクセスポイントのセキュリティプロトコルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
複数の命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令がプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、多機能デバイス(MFD)の無線接続ローミングを制限するための動作を実施させ、前記動作が、
無線ネットワークの現在のアクセスポイントへの接続が切断されたことを検出することと、
前記現在のアクセスポイント上で再認証を試みることと、
前記現在のアクセスポイントに関する前記MFDのブラックリスト値が予め定義された閾値を超えているという通知を受信して、前記現在のアクセスポイントに対する再認証を防止することと、
ユーザ定義の境界内のアクセスポイントのリストにアクセスすることと、
前記アクセスポイントのリスト内のアクセスポイントを、以前に選択されていなかった前記アクセスポイントのパラメータに基づいて選択することと、
前記アクセスポイントとの無線通信経路を確立することと、を含む、非一時的コンピュータ可読媒体
【請求項10】
前記アクセスポイントのリスト内の前記アクセスポイント上で再認証に失敗することと、
前記ユーザ定義された境界内の前記アクセスポイントのリストにアクセスすることと、
前記アクセスポイントが、前記アクセスポイントのリスト内の最後のアクセスポイントであると判定することと、
前記アクセスポイントのリスト内の第1のアクセスポイントを選択することと、
前記アクセスポイントとの無線通信経路を確立することと、を更に含む、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記ユーザ定義の境界内の前記アクセスポイントのリストが、前記MFDのユーザインターフェースを介してユーザによって定義される、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記ユーザインターフェースが、全ての利用可能なアクセスポイントを表示することができ、前記ユーザに、前記ユーザ定義の境界を作成するために、前記全ての利用可能なアクセスポイントのうちの1つ以上を選択するためのオプションを提供することができる、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記ユーザインターフェースが、前記利用可能なアクセスポイントのそれぞれのメディアアクセス制御(MAC)識別番号、前記利用可能なアクセスポイントのそれぞれの信号強度パーセンテージ、前記利用可能なアクセスポイントのそれぞれのチャネル番号、又は前記利用可能なアクセスポイントのそれぞれのセキュリティタイプのうちの少なくとも1つを提供する、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記パラメータが、前記アクセスポイントの信号強度と、前記アクセスポイントのセキュリティプロトコルと、を含む、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体
【請求項15】
前記アクセスポイントの前記パラメータが、前記アクセスポイントの信号強度を含む、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記パラメータが、前記アクセスポイントのセキュリティプロトコルを含む、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して多機能デバイス(MFD)に関し、より詳細には、無線ネットワーク内のMFDの無線接続ローミングを制限することに関する。
【背景技術】
【0002】
多機能デバイス(MFD)を使用して、様々な異なる機能を実施することができる。例えば、MFDを使用して、文書のコピー、文書の印刷、文書のファックス送信などを行うことができる。典型的には、ユーザは、MFDに通信可能に連結されたコンピューティングデバイスを有し得る。ユーザは、コンピューティングデバイス上に印刷する画像を作成し、MFDに画像データを送信して印刷することができる。
【0003】
MFDは、めったに電源をオフ及びオンにしない。むしろ、MFDは、典型的には、使用されていないときに、MFDがスリープモードに入ることができる効率的な省電力モードを有する。しかしながら、時間の経過と共に、MFDの無線接続は、異なるアクセスポイントに徐々にローミングする場合がある。場合によっては、MFDの無線接続は、あまり良好な無線接続を提供せず、MFDとの接続性の問題を引き起こすアクセスポイントにローミングする場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に示される態様によれば、多機能デバイス(MFD)の無線接続ローミングを制限するための方法、非一時的コンピュータ可読媒体、及び装置が提供される。実施形態の1つの開示された特徴は、無線ネットワークの現在のアクセスポイント上で再認証に失敗し、ユーザ定義の境界内のアクセスポイントのリストにアクセスし、アクセスポイントのパラメータに基づいてアクセスポイントのリスト内のアクセスポイントを選択し、アクセスポイントとの無線通信経路を確立する方法である。
【0005】
実施形態の別の開示された特徴は、複数の命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であり、複数の命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、無線ネットワークの現在のアクセスポイント上で再認証に失敗し、ユーザ定義の境界内のアクセスポイントのリストにアクセスし、アクセスポイントのパラメータに基づいてアクセスポイントのリスト内のアクセスポイントを選択し、アクセスポイントとの無線通信経路を確立する動作を実施させる命令を含む。
【0006】
実施形態の別の開示された特徴は、プロセッサと、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、無線ネットワークの現在のアクセスポイント上で再認証に失敗し、ユーザ定義の境界内のアクセスポイントのリストにアクセスし、アクセスポイントのパラメータに基づいてアクセスポイントのリスト内のアクセスポイントを選択し、アクセスポイントとの無線通信経路を確立する動作を実施させる複数の命令を記憶するコンピュータ可読媒体と、を備える装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の教示は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することによって容易に理解することができる。
【0008】
図1】本開示のシステムのブロック図を示す。
【0009】
図2】本開示のMFDの無線接続ローミングを制限する例示的なMFDのブロック図を示す。
【0010】
図3】本開示のMFDの無線接続ローミングを制限するために、ユーザ定義の境界のアクセスポイントを設定するための例示的なスクリーンショットを示す。
【0011】
図4】本開示のMFDの無線接続ローミングを制限するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0012】
図5】本明細書に記載される機能を実施する際に使用するのに好適な例示的なコンピュータの高レベルブロック図を示す。
【0013】
理解を容易にするために、可能なかぎり、同一の参照番号が、図面に共通する同一の要素を示すのに使用されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、MFDの無線接続ローミングを制限するための方法及び装置を広く開示する。上述のように、MFDは、使用されていないとき、非常に良好な電力節約モードを有する。しかしながら、時間の経過と共に、MFDの無線接続は、様々な理由のために、異なるアクセスポイントにローミングする場合がある。例えば、メンテナンス又は障害により、一部のアクセスポイントをシャットダウンする場合がある。結果として、MFDは次のアクセスポイントへの接続を試みることができる。メンテナンス又は障害に起因して、そのアクセスポイントがシャットダウンされると、MFDは、別のアクセスポイントへの接続を試みることができる。
【0015】
場合によっては、ブラックリストに載せることにより、MFDが以前のアクセスポイントに再接続することを防止することができる。例えば、MFDが以前のアクセスポイントに接続できない場合、MFDはそのアクセスポイントをブラックリストに載せることができる。時間の経過と共に、以前に接続されたアクセスポイントの多くは、MFDによってブラックリストに載せられ得る。
【0016】
結果として、MFDは、最終的に、MFDから比較的遠く離れた位置にあるか、又はMFDに対する信号強度が不十分なアクセスポイントに接続される場合がある。場合によっては、アクセスポイントは、異なるフロア上に配置されている場合がある。結果として、不十分な信号強度は、MFDとの接続性の問題を引き起こす恐れがあり、ユーザエクスペリエンスが悪い場合がある。
【0017】
本開示は、MFDが無線接続ローミングを制限することを可能にするためのMFDへの修正を提供する。例えば、MFDは、ユーザが、ユーザ選択アクセスポイントのリストを有するローミング境界を定義することを可能にする設定を含んでもよい。MFDがアクセスポイントから切断されると、MFDは、ユーザによって設定されたローミング境界内の別のアクセスポイントへの接続を試みることができる。MFDがローミング境界内の全てのMFDに以前に接続したことがある場合、MFDは、次いで、ユーザ選択アクセスポイントのリスト内の第1のMFDへの接続を試みることができる。
【0018】
換言すれば、MFDから更に遠く離れてローミングし続けるのではなく、ユーザ定義の境界は、MFDが無線接続のためにどのくらいローミングし得るかを制限し得る。境界に到達すると、ユーザ選択アクセスポイントのリストは、リフレッシュされてもよく(例えば、各アクセスポイントのブラックリスト値は0にリセットされてもよい)、MFDは次に、リスト上の最も近いアクセスポイントへの再接続を試みることができる。
【0019】
図1は、本開示の例示的なネットワーク100を示す。一実施例では、MFD104は、位置102に配置されてもよい。位置102は、建物、企業の所在地のフロアなどであってもよい。単一のMFD104が位置102に図示されているが、任意の数のMFD104が位置102に配置されてもよいことに留意されたい。
【0020】
一実施形態では、MFD104は、印刷、コピー、ファックス、スキャンなどを行うことができる任意の種類のデバイスであってもよい。MFD104は、ユーザインターフェースを提示するディスプレイ108を含んでもよい。ディスプレイ108は、タッチスクリーンディスプレイであってもよく、又はユーザがユーザインターフェースと対話し、選択することを可能にし、入力を提供する入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、タッチパッドなど)などを含んでもよい。
【0021】
一実施形態では、位置102は、複数のアクセスポイント106~106(以下では、個別でアクセスポイント106とも呼ばれ、又は集合的にアクセスポイント106とも呼ばれる)を含む無線ネットワークを含み得る。アクセスポイント106は、無線ネットワーク全体に無線接続性を提供する無線アクセスポイントであってもよい。アクセスポイント106は、位置102内にローカルエリアネットワーク(LAN)を提供することができる。アクセスポイント106は、互いに通信し、ワイドエリアネットワーク(WAN)へのアクセスを提供するゲートウェイルータと通信してもよい。
【0022】
アクセスポイント106は、同じ無線ネットワーク(例えば、SSID)の一部であってもよいが、異なる識別番号(例えば、BSSIDとも呼ばれる)で構成されていてもよい。例えば、モバイルデバイスが位置102の全体にわたって移動すると、モバイルデバイスは、無線ネットワーク全体に接続され得る。しかしながら、無線ネットワーク全体へのアクセスは、モバイルデバイスの位置に応じて各アクセスポイント106によって提供されてもよい。モバイルデバイスがアクセスポイント106付近の位置からアクセスポイント106へと移動すると、モバイルデバイスの無線ネットワークへの接続は、アクセスポイント106からアクセスポイント106に渡され得る。
【0023】
しかしながら、MFD104は、設置型デバイスであってもよい。換言すれば、MFD104は、一般に、位置102の全体にわたって移動しない。最初に、MFD104はアクセスポイント106に接続されてもよい。しかしながら、時間の経過と共に、MFD104は、他のアクセスポイント106~106へのローミングを開始してもよい。上述のように、アクセスポイント106は、メンテナンス、故障、又は任意の他の理由により、シャットダウンされる場合があり、MFD104に異なるアクセスポイントへの接続を試行させ得る。
【0024】
MFD104が、シャットダウンされたアクセスポイントへの接続を試み、その試行が失敗したとき、MFD104は、そのアクセスポイントをブラックリストに載せることができる。時間の経過と共に、MFD104は、非常に低い信号強度を提供するアクセスポイントに接続される場合があり、接続性の問題を生じ得る。場合によっては、MFD104は、異なるフロア又は異なる建物上のアクセスポイントに接続することができる。
【0025】
図2は、無線接続ローミングを制限するMFD104のブロック図を示す。一実施形態では、MFD104は、プロセッサ202、無線通信インターフェース204、及びメモリ206を含み得る。MFD104は説明を容易にするために簡略化されており、図示されていない追加の構成要素を含んでもよいことに留意されたい。例えば、MFD104は、デジタルフロントエンド、様々な用紙経路、給紙装置、印刷エンジン、印刷ヘッド、スキャナ、仕上げモジュールなどの他の構成要素を含んでもよい。
【0026】
一実施形態では、プロセッサ202は、無線通信インターフェース204及びメモリ206に通信可能に連結されてもよい。プロセッサ202は、無線通信インターフェース204の動作を制御してもよく、本明細書に記載される機能を実施するためにメモリ206に記憶された命令を実行してもよい。
【0027】
一実施形態では、無線通信インターフェース204は、アクセスポイント106への無線通信経路を確立することができる、Wi-Fi無線機又は任意の他のタイプの無線デバイスであってもよい。一実施形態では、無線通信インターフェース204は、以下で更に詳細に論じるように、無線接続ローミングを制限するためにユーザに提示され得る情報を取得するために、全てのアクセスポイント106と通信することができる。
【0028】
一実施形態では、メモリ206は、非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。メモリ206は、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)などであってもよい。
【0029】
一実施形態では、メモリ206は、無線接続境界を設定するためのユーザインターフェース208(本明細書では、ユーザインターフェース208とも称される)及びアクセスポイントリスト210を含んでもよい。一実施形態では、ユーザインターフェース208は、MFD104のディスプレイ108内でユーザに提示されてもよい。ユーザインターフェース208は、ユーザがユーザ定義の境界を作成することを可能にし得る。ユーザ定義の境界は、ユーザ選択アクセスポイント106によって定義されて、MFD104がどのくらい遠くまで無線接続のためにローミングできるかを制限することができる。
【0030】
例えば、ユーザは、図1に示すアクセスポイント106よりも遠くない境界を作成したい場合がある。その結果、ユーザ定義の境界はアクセスポイント106、106、及び106を含み得る。ユーザ選択アクセスポイント106、106、及び106は、アクセスポイントリスト210として記憶されてもよい。
【0031】
一実施形態では、アクセスポイントリスト210は、アクセスポイント106に対して位置102内でMFDがどのくらい遠くまでローミングしてもよいかを制御することができる。例えば、MFD104は、最初にアクセスポイント106に対して認証されてもよい。例えば、MFD104は、適切なセキュリティ資格情報(例えば、アクセスポイント106に関連付けられたパスワード)を用いてアクセスポイント106への無線接続を確立することができる。その後、MFD104は、アクセスポイント106から切断されることがあり、アクセスポイント106を用いて再認証を試みてもよい。しかしながら、再認証は失敗する場合があり(例えば、アクセスポイント106は依然としてメンテナンスのためにオフラインであり得る)、アクセスポイント106は、ブラックリストに載せられてもよい。
【0032】
その結果、MFD104は、アクセスポイントリスト210上の次のアクセスポイント(例えば、アクセスポイント106)に対して認証することができる。その後、MFD104は、アクセスポイント106から切断されることがあり、再認証がアクセスポイント106に対して再度失敗する場合がある。その結果、MFD104は、アクセスポイントリスト210上で利用可能な次のアクセスポイント(例えば、アクセスポイント106)に対して認証を試みることができる。しかしながら、その後、MFD104は、アクセスポイント106から切断されることがあり、再認証が失敗する場合がある。
【0033】
前述したように、MFD104は、MFD104から遠く離れていて、弱い信号強度を提供し得るアクセスポイント106に対する認証を試みたことがあり得る。しかしながら、本開示では、アクセスポイントリスト210内の全てのアクセスポイントが以前に使用されていた場合、アクセスポイントリスト210は、アクセスポイントリスト210内のアクセスポイントに対して再認証しようと再び試みることができるようにリセットされてもよい。
【0034】
例えば、アクセスポイントリスト210をリセットすることは、アクセスポイントリスト210内の各アクセスポイントに関するブラックリストカウンタを減少させて0に戻すことを含み得る。その結果、アクセスポイントリスト210内の全てのアクセスポイントが使用されると、各アクセスポイントのブラックリストカウンタは、0の値にリセットされてもよい。次いで、MFD104は、第1のアクセスポイント又はアクセスポイントリスト210内で最も強い無線信号を用いるアクセスポイント(例えば、アクセスポイント106)を用いて再認証を試みることができる。換言すれば、MFD104は、MFD104が様々な理由でアクセスポイント106への接続を喪失し、位置102内の他のアクセスポイント106に対して認証を試みるので、アクセスポイントリスト210内のアクセスポイントを連続的に循環し得る。別の言い方をすれば、アクセスポイントリスト210は、どのアクセスポイント106を用いてMFD104が認証し得るかを制御することができ、MFD104の無線接続ローミングを制限することができる。
【0035】
図3は、ディスプレイ108上でユーザに提示され得るユーザインターフェース208の例のスクリーンショット302を示す。一実施形態では、スクリーンショット302は、利用可能な全てのアクセスポイントを列挙する表を提示してもよい。表は、列304、306、308、310、及び312を含んでもよい。グリフ316は、どのアクセスポイントを用いてMFD104が現在認証されているか、又はどのアクセスポイントに接続されているかを示すことができる。
【0036】
一実施形態では、列304は、ユーザがアクセスポイントリスト210内に含めるアクセスポイントを選択し、ユーザ定義の境界を設定することを可能にするボックスを提供してもよい。列306は、アクセスポイントに関する識別情報又はBSSIDを提供してもよい。一実施形態では、識別情報は、アクセスポイントのメディアアクセス制御(MAC)識別(ID)番号であってもよい。一実施形態では、識別情報はまた、ラベル(例えば、会議室のアクセスポイント、玄関のアクセスポイント、2階のアクセスポイントなど)を含んでもよい。
【0037】
一実施形態では、列308は、各アクセスポイントに関連付けられた信号強度パーセンテージを提供し得る。信号強度パーセンテージはまた、位置を提供してもよい。例えば、最も高い信号強度パーセンテージを有するアクセスポイントはまた、MFD104に最も近い位置にあるアクセスポイントであってもよい。逆に、最も低い信号強度パーセントを有するアクセスポイントはまた、MFD104から最も遠く離れて位置するアクセスポイントであってもよい。
【0038】
一実施形態では、列310は、アクセスポイントによって使用されているチャネル番号を提供してもよい。一実施形態では、列312は、アクセスポイントによって使用されるセキュリティプロトコル(例えば、wired equivalent privacy(WEP)、Wi-Fi protected access(WPA)、WPA-2など)を提供してもよい。
【0039】
一実施形態では、ユーザは、列304内の各アクセスポイントに関連付けられたボックスをチェックすることによってアクセスポイントを選択するために、スクリーンショット302に示されるユーザインターフェースと対話することができる。一実施形態では、ユーザは、信号強度若しくは位置(例えば、アクセスポイントが近くなるほど、無線信号強度が強くなる)、アクセスポイントによって使用されるチャネル、又はアクセスポイントによって使用されるセキュリティプロトコルに基づいてアクセスポイントを選択することができる。例えば、一部のアクセスポイントは、より近くてもよいか、又はより強い信号強度パーセンテージを有してもよいが、MFD104上で利用可能でないチャネルを使用してもよい。別の実施例では、一部のアクセスポイントは、より強い信号強度パーセンテージを有してもよいが、アクセスポイントは、より弱いセキュリティプロトコルを使用してもよい。
【0040】
一実施形態では、スクリーンショット302に示されるユーザインターフェース208はまた、リフレッシュボタン314を含んでもよい。リフレッシュボタン314は、MFD104に、全ての近傍アクセスポイントに信号を再ブロードキャストさせることができる。ブロードキャスト信号は、識別情報を要求し、アクセスポイントからの信号強度、チャネル情報、アクセスポイントによって使用されるセキュリティプロトコルなどを評価して、表に提供される情報を更新することができる。リフレッシュボタン314はまた、新たなアクセスポイントを識別すること、又はシャットダウンされたが再活動化したアクセスポイントをテーブル内に再出現させることを可能にし得る。したがって、ユーザは、どのアクセスポイントが利用可能であるかに関連する情報、及びアクセスポイントに関連付けられた情報を更新するために、リフレッシュボタン314を定期的に使用することができる。次いで、更新された情報を使用して、アクセスポイントを変更してもよく、アクセスポイントは、更新された情報に基づいてアクセスポイントリスト210のために選択される。
【0041】
図4は、本開示のMFDの無線接続ローミングを制限するための例示的な方法400のフローチャートを示す。一実施形態では、方法400の1つ以上のブロックは、MFD104、又は図5に例示され、後述するような、MFDの動作を制御するコンピュータ/プロセッサによって実施され得る。
【0042】
ブロック402において、方法400は開始する。ブロック404において、方法400は、無線ネットワークの現在のアクセスポイント上で再認証に失敗する。例えば、MFDは、現在のアクセスポイントに接続され得る。しかしながら、ある時点で、メンテナンス、故障、又は任意の他の理由のために、現在のアクセスポイントはオフラインにされるか、又は電源切断される場合がある。MFDは、アクセスポイントを用いて再認証を試みることができるが、失敗する。その結果、ブラックリスト値は、閾値(例えば、1、2又は任意の他の値)を超えるまで増加し得る。ブラックリスト値が閾値を超えると、MFDは、もはや現在のアクセスポイントを用いて再認証を試みることができない。
【0043】
ブロック406において、方法400は、ユーザ定義の境界内のアクセスポイントのリストにアクセスする。現在のアクセスポイントがブラックリストに載せられると、MFDは、アクセスポイントのリスト内にある別のアクセスポイントに対して認証を試みることができる。一実施形態では、アクセスポイントのリストは、無線接続ローミングの境界を定義するために、ユーザによって選択されるアクセスポイントであってもよい。
【0044】
一実施形態では、アクセスポイントのリスト及びユーザ定義の境界は、MFDのユーザインターフェースを介して選択されてもよい。例えば、ユーザは、全ての利用可能なアクセスポイントのリストから、所望のアクセスポイントを選択することができる。アクセスポイントのリストは、MFDのローカルメモリに記憶されてもよい。したがって、この境界は、方法400が開始する前にユーザによって予め定義されてもよい。
【0045】
ブロック408において、方法400は、アクセスポイントのリスト内のアクセスポイントを、アクセスポイントのパラメータに基づいて選択する。一実施形態では、パラメータは、信号強度パーセンテージ、リスト内で利用可能なアクセスポイントからのアクセスポイントによって使用されるチャネル、アクセスポイントによって使用されるセキュリティプロトコルなどを含み得る。一実施形態では、アクセスポイントのリスト内の次の最も高い信号強度パーセンテージを有するアクセスポイントが、認証のためにMFDによって選択されてもよい。
【0046】
一実施形態では、MFDは、以前に選択されなかったパラメータに基づいてアクセスポイントを選択してもよい。換言すれば、MFDが以前に使用したアクセスポイントをブラックリストに載せた場合、以前に使用したアクセスポイントは選択されなくてもよい。
【0047】
ブロック410において、方法400は、アクセスポイントとの無線通信経路を確立する。例えば、MFDは、アクセスポイントのリストから選択されるアクセスポイントを用いて認証を試みることができる。MFDがアクセスポイントに対して認証を行った後、MFDは、選択されたアクセスポイントを介して無線ネットワークにアクセスすることができる。
【0048】
一実施形態では、MFDは、選択されたアクセスポイントに対して再認証に失敗することがある(例えば、ブロック404における現在のアクセスポイントに対する認証の失敗と同様)。MFDは、アクセスポイントのリストに再びアクセスすることができる。認証に利用可能なアクセスポイントのリストに、以前に使用されなかった追加のアクセスポイントが存在する場合、MFDは、別のアクセスポイントを選択し、そのアクセスポイントに対して認証を試みることができる。
【0049】
しかしながら、アクセスポイントがアクセスポイントのリスト内の最後のアクセスポイントである場合、MFDは、アクセスポイントのリスト内の第1の(fist)アクセスポイントと接続するように再試行することができる。「第1の」アクセスポイントは、アクセスポイントのリスト内の最も高い信号強度パーセンテージを有するアクセスポイント、又はアクセスポイントのリストが作成された後にMFDが最初に認証されるアクセスポイントであってもよい。例えば、アクセスポイントのリストは、信号強度パーセンテージに基づいて順序付けられてもよく、「第1の」アクセスポイントは、順序付けられたリスト内の第1のアクセスポイントであってもよい。別の例では、アクセスポイントのリストは、MFDがアクセスポイントに接続された時点に基づいて、順序付けられてもよい。例えば、アクセスポイントのリストは、MFDが各アクセスポイントに対して認証を行った一連の時点に基づいて順序付けられてもよい。したがって、「第1の」アクセスポイントは、アクセスポイントのリストが作成された後にMFDが最初に認証されたアクセスポイントであってもよい。
【0050】
一実施形態では、ブロック410内のアクセスポイントが、アクセスポイントのリスト内の最後のアクセスポイントである場合、アクセスポイントのリストをリセットすることができる。換言すれば、アクセスポイントのリスト内の各アクセスポイントに関連付けられたブラックリスト値は、0の値まで減少されてもよい。その結果、MFDは、アクセスポイントのリスト内の任意のアクセスポイント(例えば、「第1の」アクセスポイント)を選択し、そのアクセスポイントに対して認証を行うことができる。ブロック412において、方法400は終了する。
【0051】
図5は、本明細書に記載される機能を実行するための専用のコンピュータの高レベルのブロック図を示す。図5に示すように、コンピュータ500は、1つ以上のハードウェアプロセッサ要素502(例えば、中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ、又はマルチコアプロセッサ)、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は読み出し専用メモリ(ROM)などのメモリ504、MFDの無線接続ローミングを制限するためのモジュール505、並びに様々な入出力デバイス506(例えば、テープドライブ、フロッピードライブ、ハードディスクドライブ、又はコンパクトディスクドライブが挙げられるが、これらに限定されない記憶デバイス、受信機、送信機、スピーカ、ディスプレイ、音声合成装置、出力ポート、入力ポート、及びユーザ入力デバイス(キーボード、キーパッド、マウス、マイクロフォンなど))を含む。1つのプロセッサ要素のみが示されているが、コンピュータは、複数のプロセッサ要素を採用してもよいことに留意されたい。
【0052】
本開示は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むプログラマブルロジックアレイ(PLA)、若しくはハードウェアデバイス上に展開されたステートマシン、コンピュータ、又は任意の他のハードウェア等価物、例えば、上で考察される方法(複数可)に関連し、上記に開示した方法のステップ、機能、及び/又は動作を実行するハードウェアプロセッサを構成するために使用することができるコンピュータ可読命令を使用して、ソフトウェア及び/又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実装することができることに留意されたい。一実施形態では、MFDの無線接続ローミングを制限するための、本モジュール又はプロセス505の命令及びデータ(例えば、コンピュータ実行可能命令を含むソフトウェアプログラム)は、メモリ504にロードされ、ハードウェアプロセッサ要素502によって実行されて、例示的方法400に関連して上述したようなステップ、機能、又は動作を実施することができる。更に、ハードウェアプロセッサが命令を実行して「動作」を行うときに、これはハードウェアプロセッサが直接的に動作を実行するかつ/あるいは動作を行う別のハードウェアデバイス又は構成要素(例えば、コプロセッサなど)を容易にする、それに指向する、あるいはそれと協働することを含むことができる。
【0053】
上記に説明した方法に関するコンピュータ読み取り可能又はソフトウェア命令を実行するプロセッサは、プログラムされたプロセッサ又は専門プロセッサとして認識されることができる。したがって、本開示のMFDの無線接続ローミングを制限するための本モジュール505(関連するデータ構造を含む)は、有形、つまり物理的(広範には非一時的)コンピュータ可読記憶デバイス又は媒体、例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ROMメモリ、RAMメモリ、磁気デバイス若しくは光学ドライブデバイス、又はディスケットなどに記憶することができる。より具体的には、コンピュータ読み取り可能記憶デバイスが、プロセッサ又はコンピュータ、アプリケーションサーバなどの計算デバイスによってアクセスされるデータ、命令などの情報を記憶する能力を提供する任意の物理的デバイスを含んでもよい。
【0054】
様々な上記に開示したもの並びに他の特徴及び機能の変形、又はそれらの代替物が、多くの他の異なるシステム又はアプリケーションに組み合わされてもよいことが理解されるであろう。様々な現在予期されていない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、その後に当業者によってなされてもよく、それらも以下の特許請求の範囲によって包含されることを意図している。

図1
図2
図3
図4
図5