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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】バーベキューグリル
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/07 20060101AFI20240115BHJP
【FI】
A47J37/07
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020532864
(86)(22)【出願日】2018-08-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 US2018047971
(87)【国際公開番号】W WO2019040882
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-08-24
(31)【優先権主張番号】62/550,104
(32)【優先日】2017-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520062683
【氏名又は名称】ピーター・エム・パーザウ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・エム・パーザウ
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-012336(JP,U)
【文献】登録実用新案第3170738(JP,U)
【文献】特開平08-173328(JP,A)
【文献】特開2016-016000(JP,A)
【文献】米国特許第03938494(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0026766(US,A1)
【文献】特開2011-050695(JP,A)
【文献】特開平04-261621(JP,A)
【文献】実開平03-107603(JP,U)
【文献】実開平02-000501(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0204852(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0258105(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/00-37/07
F24B 1/18
F24B 1/20
F24B 1/26
F24B 1/28
F24B 13/00
F24B 13/02
F24B 13/04
F24C 1/00
F24C 1/02
F24C 15/00
F24C 15/08
F24C 15/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開放上部および下部を有する外側円筒を備える外側ユニットと、
開放上部および開放下部を有する内側円筒を備える内側ユニットであって、前記内側ユニットの前記開放上部と前記内側ユニットの前記開放下部との間に格子を有し、前記外側ユニット内に配置される内側ユニットと、
前記外側ユニットの周縁部より大きい周縁部を有する基部を伴うカバーと、
を備え、
前記カバーと前記外側ユニットの前記外側円筒とは、分離可能であり、かつ前記カバーが前記外側ユニットを覆うように前記カバーが前記外側ユニット上配置されかつ前記カバーが前記外側ユニットの前記外側円筒と同心円状に位置決めされるとき、前記外側ユニットの前記外側円筒の半径方向において前記カバーの前記周縁部と前記外側ユニットの前記周縁部との間に、1~3インチの隙間を定める直火焼き装置。
【請求項2】
前記カバーは、調節可能な通気孔を有していない、請求項1に記載の直火焼き装置。
【請求項3】
前記内側円筒は前記外側円筒内で側方へ移動可能である、請求項1に記載の直火焼き装置。
【請求項4】
前記外側円筒の前記開放上部と前記下部との間の距離が、前記内側円筒の前記開放上部と前記開放下部との間の距離より大きい、請求項1に記載の直火焼き装置。
【請求項5】
前記外側円筒の前記下部の周りでの前記外側円筒の壁が、前記外側円筒の前記壁を通じて延びる孔を定める、請求項1に記載の直火焼き装置。
【請求項6】
前記外側円筒は外面において取っ手を備える、請求項5に記載の直火焼き装置。
【請求項7】
前記内側円筒は、前記内側円筒の内面に取り付けられる複数の脚部を備え、前記複数の脚部は取り外し可能な格子を支持するように構成される、請求項1に記載の直火焼き装置。
【請求項8】
前記内側円筒は火室として構築および配置される、請求項1に記載の直火焼き装置。
【請求項9】
前記内側円筒は発火具として作用するように構築および配置される、請求項8に記載の直火焼き装置。
【請求項10】
隔壁であって、
第1のスロットと、
第1の側から前記隔壁を一部貫いて延びる第2のスロットと、
を備える隔壁をさらに備え、
それらスロットは、前記内側ユニットの壁のうち前記内側ユニットの長手方向に延在する部分を受け入れるように構成される、請求項1に記載の直火焼き装置。
【請求項11】
開放上部および下部を有する外側円筒と、
開放上部および開放下部を有する内側円筒であって、前記内側円筒の前記開放上部と前記内側円筒の前記開放下部との間に格子を有し、前記外側円筒内に配置される内側円筒と、
通気孔を伴わないカバーであって、前記カバーは、前記外側円筒から分離可能であり、かつ前記カバーが前記外側円筒を覆うように前記カバーが前記外側円筒上に配置されかつ前記カバーが前記外側円筒と同心円状に位置決めされるとき、前記外側円筒の半径方向において前記カバーの周縁部と前記外側円筒の周縁部との間に、1~3インチの隙間を定めるように、前記外側円筒の前記周縁部より大きい周縁部を伴う基部を有するカバーと、
を備える直火焼き装置。
【請求項12】
前記内側円筒は前記外側円筒内で側方へ移動可能である、請求項11に記載の直火焼き装置。
【請求項13】
前記外側円筒の前記開放上部と前記下部との間の距離が、前記内側円筒の前記開放上部と前記開放下部との間の距離より大きい、請求項11に記載の直火焼き装置。
【請求項14】
前記外側円筒の前記下部の周りでの前記外側円筒の壁が、前記外側円筒の前記壁を通じて延びる孔を定める、請求項11に記載の直火焼き装置。
【請求項15】
前記内側円筒は、前記内側円筒の内面に取り付けられる複数の脚部を備え、前記複数の脚部は取り外し可能な格子を支持するように構成される、請求項11に記載の直火焼き装置。
【請求項16】
隔壁であって、
第1のスロットと、
第1の側から前記隔壁を一部貫いて延びる第2のスロットと、
を備える隔壁をさらに備え、
それらスロットは内側ユニットの壁を受け入れるように構成される、請求項11に記載の直火焼き装置。
【請求項17】
開放上部および下部を有する外側円筒と、
開放上部および開放下部を有する内側円筒であって、前記内側円筒の前記開放上部と前記内側円筒の前記開放下部との間に格子を有し、前記外側円筒内に配置可能な内側円筒と、
カバーと、
を備え、
前記内側円筒は前記外側円筒内で側方へ移動可能であり、
前記カバーは、前記外側円筒から分離可能であり、
前記カバーは、前記外側円筒の周縁部より大きい周縁部を伴う基部を有し、かつ、
前記カバーおよび前記外側円筒は、前記カバーが前記外側円筒を覆うように前記カバーが前記外側円筒上に配置されかつ前記カバーが前記外側円筒と同心円状に位置決めされるとき、前記外側円筒の半径方向において前記カバーの前記周縁部と前記外側円筒の前記周縁部との間に、1~3インチの隙間を定める、直火焼き装置。
【請求項18】
前記カバーは、調節可能な通気孔を有していない、請求項17に記載の直火焼き装置。
【請求項19】
前記外側円筒の前記下部の周りでの前記外側円筒の壁が、前記外側円筒の前記壁を通じて延びる孔を定める、請求項18に記載の直火焼き装置。
【請求項20】
隔壁であって、
第1のスロットと、
第1の側から前記隔壁を一部貫いて延びる第2のスロットと、
を備える隔壁をさらに備え、
それらスロットは内側ユニットの壁を受け入れるように構成される、請求項17に記載の直火焼き装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2017年8月25日に出願された米国仮特許出願第62/550,104号への35 USC §119(e)の下での優先権を主張し、その特許出願の内容全体は本明細書によって参照により組み込まれている。
【0002】
本明細書は、概して直火焼きすることに関し、より詳細には、内側グリルユニットと外側グリルユニットとで直火焼きすることに関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術について、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、および非特許文献1が参照される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第401,888号
【文献】米国特許第4,913,126号
【文献】米国特許第6,314,955号
【文献】米国特許第6,615,521号
【文献】米国特許出願公開第2004/0000303号
【非特許文献】
【0005】
【文献】Barbecook Quick Start Barbeque
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一部のグリルは、水平な格子を有し、グリルの火室と木炭発火器との両方として機能する第1のユニット(例えば、円筒)を備える。第1のユニットは、第2のより丈の高い幅広のユニット(例えば、別の円筒)の内部に位置し、2つの同軸の煙突を形成する。より大きいユニットは基部の周りに通気孔を有する。グリルラックがより丈の高い外側ユニットの上部にわたって位置し、両方のユニットは、外側ユニットより大きい金属円板上に位置する。
【0007】
一部のグリルは、開放上部および開放下部を有する外側ユニットと、開放上部および開放下部を有する内側ユニットであって、内側ユニットの開放上部と内側ユニットの開放下部との間に格子を有する内側ユニットとを備える。内側ユニットは外側ユニット内で位置決めされ得る。一部のグリルは、外側ユニットの周辺より大きい基部を伴うカバーを備える。
【0008】
一部のグリルは、開放上部および下部を有する外側円筒と、開放上部および開放下部を有する内側円筒であって、内側円筒の開放上部と内側円筒の開放下部との間に格子を有する内側円筒とを備える。内側円筒は外側円筒内に配置され得る。一部のグリルは、通気孔を伴わないカバーであって、カバーが使用中に外側円筒において所定位置にあるときにカバーと外側円筒とが1~3インチの隙間を定めるように、外側円筒の周囲より大きい周囲を伴う基部を有するカバーを備える。
【0009】
一部のグリルは、開放上部および下部を有する外側円筒と、開放上部および開放下部を有する内側円筒であって、内側円筒の開放上部と内側円筒の開放下部との間に格子を有し、外側円筒内に配置される内側円筒と、カバーとを備え、内側円筒は外側円筒内で側方へ移動可能である。
【0010】
これらのグリルの実施形態は以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0011】
一部の実施形態では、内側ユニットは内側円筒を備え、外側ユニットは外側円筒を備える。
【0012】
一部の実施形態では、カバーと外側円筒とは、カバーが使用中に外側円筒において所定位置にあるとき、1~3インチの隙間を定める。一部の場合では、カバーは調節可能な通気孔を有していない。
【0013】
一部の実施形態では、内側円筒は外側円筒内で側方へ移動可能である。
【0014】
一部の実施形態では、外側円筒の開放上部と下部との間の距離が、内側円筒の開放上部と開放下部との間の距離より大きい。
【0015】
一部の実施形態では、外側円筒の下部の周りでの外側円筒の壁が、外側円筒の壁を通じて延びる孔を定める。一部の場合では、外側円筒は外面において取っ手を備える。
【0016】
一部の実施形態では、内側円筒は、内側円筒の内面に取り付けられる複数の脚部を備え、複数の脚部は取り外し可能な格子を支持するように構成される。
【0017】
一部の実施形態では、内側円筒は火室として構築および配置される。
【0018】
一部の実施形態では、内側円筒は発火具として作用するように構築および配置される。
【0019】
一部の実施形態では、グリルは、内側ユニットの壁を受け入れるような大きさとされたスロットを定める隔壁を備える。
【0020】
グリルの他の特徴、目的、および利点は、添付の図面との組合せで読まれるとき、以下の詳細な記載から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】グリルの鉛直方向での断面図である。
図2】格子および内側ユニットの分解図である。
図3】外側ユニットの内側の内側ユニットを示す図である。
図4】外側ユニットの上方のグリルラックの分解図である。
図5】外側ユニットの上方のカバーの斜視図である。
図6】隔壁の側面図である。
図7図2の内側ユニットに設置された図6における隔壁の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
様々な図面における同様の符号は同様の要素を指示している。
【0023】
この明細書は、外側ユニットと内側ユニットとを含むグリルを記載している。外側ユニットは、食品が調理され得るラックを支持する。内側ユニットは、ラックにおける領域に熱を向かわせるために使用され得る。内側ユニットは外側ユニット内で位置決めされ得る。内側ユニットおよび外側ユニットは互いに対して側方へ移動可能である。内側ユニットは、燃料(例えば、木炭または木材)を収容するために使用され得る。内側ユニットは、内側ユニットの真っ直ぐ上方のラックの領域へと強い熱を向かわせる。一部のグリルはカバーも含む。カバーは、ラックを外側ユニットにおいて覆い、高温空気をグリルにおいて保持するために使用され得る。
【0024】
図1は、中空の内側ユニット12と外側ユニット14とを備えるグリル10を示している。内側ユニット12は、上部と下部との両方において開放しており、孔16Aを伴う格子16を備える。格子16は内側ユニット12内の空間を上区域と下区域とに分離する。上区域は、比較的ゆっくりと燃える燃料(例えば、木炭または木材)を保持するために使用され得る。下区域は、比較的素早く燃える物質(例えば、丸められた新聞紙または点火材)を保持するために使用され得る。外側ユニット14は、上部において開放しており、その基部の周囲の周りに通気孔18を備える。外側ユニット14は、外側に沿っての中ほどにおいて、相対する位置に沿って取っ手20を有する。取っ手20は外側ユニット14を移動するのを援助する。グリルラック22が、外側ユニット14上に位置し、取っ手24Aを有するドーム状のカバー24によって覆われる。カバー24は、外側ユニット14の周辺より大きい周辺を有する基部26を有する。グリル10は鋼板28上に位置する。一部のグリルでは、板と外側ユニットとは付着させられる。グリル構成要素は、好ましくはステンレス鋼から形成される。
【0025】
図示されているグリル10では、内側ユニット12と外側ユニット14とは両方とも円筒であり、カバー24は円形の基部26を有する。一部のグリルでは、内側ユニットおよび外側ユニットは非円筒形の構成を有する。例えば、一部のグリルは、立方体である内側ユニットおよび外側ユニットを有してもよい。追加で、内側ユニットと外側ユニットとは異なる構造であってもよく、例えば、内側ユニットは円筒であってもよく外側ユニットは立方体であってもよい。外側円筒14の開放上部と下部との間の距離が、内側円筒12の開放上部と開放下部との間の距離より大きい。同じ表面(例えば、板28)上にあるとき、外側円筒14は内側円筒12より高い。グリル10では、外側円筒14の開放上部と下部との間の距離は約17インチであり、内側ユニット12の開放上部と開放下部との間の距離は約8.5インチである。一部のグリルは他の寸法を有する。
【0026】
図2は、内側円筒12の上方において格子16を示している分解図である。内側ユニット12は4つの脚部12A、12B、12C、および12Dを有している。脚部12A、12B、12C、12Dは鉛直方向に延びている。各々の脚部12A、12B、12C、12Dは、側方へ延びる棚部30A、30B、30C、30Dを有する。内側ユニット12では、棚部30A、30B、30C、30Dは1-1/2インチの長さである。棚部30A、30B、30C、30Dは、内側ユニット12を支持する表面の上方において内側ユニット12の格子16を保持する。空間32が、脚部12A、12B、12C、12Dの端と内側ユニット12の下部との間に作り出される。
【0027】
図2は内側ユニット12の格子16を示している。使用する前、使用者は格子16を内側ユニットの開放端へと挿入する。格子16は、脚部12A、12B、12C、12Dの棚部30A、30B、30C、30Dに当接するまで内側ユニット12の奥へとさらに移動する。図2に示された内側ユニット12では、脚部は内側ユニット12の壁に取り付けられており、格子16は内側ユニット12に対して並進する。一部のグリルでは、格子は内側ユニットの壁にも取り付けられる。
【0028】
内側ユニット12は火室として構築および配置される。内側ユニットは発火具として使用されてもよい。しかしながら、内側ユニット12の構成は、内側ユニット12が主として火室であることを反映している。内側ユニット12は、木炭を別のグリルへとくべる前に木炭を着火し始めるために使用される火起こしより短く幅広である。また、木炭または他の燃料は、別のグリルへとくべられると言うよりは内側ユニット12に留まり、そのため内側ユニット12は取っ手を必要としない。
【0029】
外側ユニット14は、内側ユニット12内部の火室を風から守り、火室を通る空気の流れを増加させる第2の煙突としても作用する。内側ユニット12の火室は、2つの調理ゾーンがグリルラック22において上方に形成されるように熱の強い集中した柱状の部分を作り出す。一方の非常に高温のゾーンは火室と同じ直径を伴って火室の真上にあり、グリルラック22における環状の空間でのより弱い調理ゾーンは、内側ユニット12と外側ユニット14との間の空間の真っ直ぐ上方である。強火については、食品は内側ユニット12の真っ直ぐ上方で調理され得る。より弱火については、食品は、内側ユニット12と外側ユニット14との間のゾーンへとグリルラック22において移動させられ得る。2つの調理ゾーンは、格子における食品の位置が食品における熱の強さを制御するために使用できるため、食品における熱の強さを制御するためにグリルラックを上昇または下降させるための機構の必要性を排除する。
【0030】
内側ユニット12および外側ユニット14は互いに対して側方へ移動可能である。先に記載されているように、火室は、大きな強い熱で調理するためにグリルラックの真っ直ぐ下に、例えばドーム状のカバーと中心付けられ得る。この手法は、例えば、華氏600度から華氏800度の間の大きな強い熱を要求するピザを調理するために、効果的であることが分かっている。火室は、よりゆっくりとより長い直火焼きの時間のために、大きな領域での間接的な熱を作り出すように、外側円筒に対して位置決めされてもよい。ドームに通気口のないドーム状のカバー24が使用されてもよい。両方の円筒は、外側ユニット14の周囲より大きい周囲を有する鋼鉄円板28の上に位置する。
【0031】
図3は、外側ユニット14の内側に位置決めされた内側ユニット12を示している。内側ユニット12および外側ユニット14は互いに対して側方へ移動させることができる。例えば、外側ユニット14は取っ手20を使用して移動させることができる、および/または、内側ユニットはグリルを着火する前に所望の位置に配置できる。図3は、外側ユニット14の下部における通気孔18も示している。孔18は内側ユニットの下方区域へのアクセスを提供する。外側ユニット14における孔18は直径が1-1/2インチである。一部のグリルは、直径が1~2インチの間である通気孔を有する。通気孔18は、外側ユニット12の周りに等距離で離間されている。一部の外側ユニット14では、孔は不規則な間隔および/または異なる直径を有する。孔18は打ち抜きされ得る。
【0032】
使用者は、内側ユニット12の下方区域に配置された素早く燃える材料(例えば、丸められた新聞紙または点火材)に火を着けることによってグリルを始動できる。例えば、使用者は、孔18のうちの1つを通じて、および、脚部12A、12B、12C、12Dのうちの2つの間の空間32を通じて、内側ユニット12の下方区域へと点火装置を差し伸ばすことができる。火は、格子における孔12Aを通じて内側ユニット12の上方区域における燃料(例えば、木炭または木材)を点火する。燃料が燃えるにつれて、空気が温まり上昇する。上昇する高温空気は、通気孔18を通じてより多くの空気を引っ張り込む。空間32は、外側円筒14における円形の孔18から内側ユニット12へと入る空気を許容する通気口として作用する。通気孔18からの空気は、内側ユニット12において加熱させられ、ラック22(図1参照)に向けて柱状に上昇する。内側ユニット12を通じて流れる空気は、格子16の真上のグリルラック22の部分へと向けられる強い集中した熱を作り出す。
【0033】
図4は、外側ユニット14に着座させられたグリルラック22を示す分解図である。グリルラック22はステンレス鋼から作られる。一部のグリルラックは異なる材料から作られる。グリルラック22は、ラック22を外側ユニット14において再位置決めするための取っ手22Aも備える。ラック22は交差線パターンを有する。他のグリルラックは、例えば平行な線または網といった異なるパターンを有する。
【0034】
図5は、取っ手20が外側円筒に取り付けられている外側ユニット14に着座させられたグリルラック22を示している。カバー24は、ラック22の全体を覆うように成形されている。一部のグリル10は、グリルの一部を覆うだけであるカバーを有する。カバー24は剛体であり、通気孔を有していない。一部のカバーは通気孔を有する。カバー24の基部26は23.5インチの直径を有し、外側ユニットは17インチの直径を有する。異なる直径によって、カバーをグリルラック22の上に位置させることを許容している。カバー24と外側円筒14とは、カバー24と外側円筒14との間に約2.25インチの環状の隙間を定めている。環状の隙間は、直火焼きの副産物(例えば、脂肪が肉から炎へと落ちるときに形成される多環芳香族炭化水素)を、調理されている食品に付着させるのではなく、グリルを容易に逃がすことができる。
【0035】
一部のグリルの構成要素は、カバーが外側円筒において所定位置にあるときにカバーと外側円筒との間の環状隙間が1~3インチの間となるような大きさとされる。外側ユニット14における通気孔18(図1参照)と、カバー24と外側円筒14との間の隙間とは、環状隙間が通気口として作用するため、調節可能な通気孔を有していないカバーの使用を可能とする。
【0036】
図6は隔壁32の側面図である。隔壁32は、内側ユニット12の上方部分を分割するために、内側ユニット12(図1参照)に配置され得る。隔壁32は11インチの幅Wと6インチの高さHとを有する。隔壁32は、内側ユニット12の壁を受け入れる大きさとされたスロット34を定めている。スロット34は、隔壁の第1の側38において始まり、互いと平行に隔壁32を通じて延びている。隔壁32では、スロット34は0.125インチの幅で5.25インチの長さであり、隔壁32の側壁40から0.375インチに位置決めされている。それらスロット34は、内側ユニット12の直径において内側ユニット12を受け入れるように離間されている。内側ユニットの直径は10インチであり、スロット34同士は10インチで離間されている。一部のグリルでは、スロット同士は、直径ではない部分において内側ユニットを受け入れるために、または、10インチより小さい内側ユニットを受け入れるために、一緒により近くで離間される。
【0037】
一部のグリルは、異なる寸法を伴う隔壁を有する。例えば、隔壁は、6インチより高くてもよく、11インチより幅広であってもよく、または、6インチより幅広で11インチより高くてもよい。一部のグリルは、6インチより低くてもよく、11インチより幅狭であってもよく、または、6インチより低く11インチより幅狭であってもよい隔壁を有する。一部のグリルでは、隔壁は、内側ユニットの空洞における軌道によって受け入れられ得る。このようなグリルでは、隔壁はスロットを有さなくてもよい。
【0038】
図7は、スロット34が内側ユニット12の壁を受け入れている状態での内側ユニット12に配置された図6における隔壁32の斜視図である。スロット34は、内側ユニット12の上部から格子16(図3参照)へと延びている。隔壁32の一部は内側ユニット12の外へと延びている。図7のグリル10では、隔壁32のうちの0.75インチが内側ユニット12の外へと延びている。
【0039】
隔壁32は、内側ユニット12の上方部分を第1の区域と第2の区域とに分割する。この構成は、内側ユニット12の上方区域(図1参照)で保持される燃料を分けるために使用され得る。例えば、燃料は、強い熱を受けるラック22の領域を小さくするために、第1の区域に配置されるが第2の区域に配置されなくてもよい。
【0040】
別の手法では、隔壁32は3つの熱のゾーンを作り出すために使用され得る。例えば、より多くの燃料が、内側ユニット12(図1参照)の第2の区域より内側ユニット12における第1の区域に配置され得る。ラック22は、第1の区域の真っ直ぐ上において強い高温領域を有し、第2の区域の真っ直ぐ上において高温領域を有し、内側ユニット12と外側ユニット14との間の環状の空間(図1参照)の上方に温かい領域を有することになる。一部のグリルでは、複数の隔壁が内側ユニットに挿入され得る。このような隔壁は、隔壁が直径より小さい幅で内側ユニットと係合するような大きさとされ得る。
【0041】
本明細書は、多くの利点を有するグリルおよび直火焼き技術を記載している。当業者は、本発明の概念から逸脱することなく、記載された特定の装置および技術の数々の使用および変形と、そのような装置および技術からの発展とを行うことができる。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態が記載されている。しかしながら、様々な変形が本開示の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることは、理解されるものである。例えば、記載されている同心円の構造はガスグリルで用いられてもよい。したがって、他の実施形態が以下の特許請求の範囲内にある。
【符号の説明】
【0043】
10 グリル
12 内側ユニット、内側円筒
12A、12B、12C、12D 脚部
14 外側ユニット、外側円筒
16 格子
16A 孔
18 通気孔
20 取っ手
22 グリルラック
22A 取っ手
24 カバー
24A 取っ手
26 基部
28 鋼鉄円板
30A、30B、30C、30D 棚部
32 空間、隔壁
34 スロット
W 幅
H 高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7