(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】雄ねじおよび雌ねじ継手のユニバーサルコネクタまたはキャップ
(51)【国際特許分類】
A61M 39/16 20060101AFI20240115BHJP
A61M 39/20 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
A61M39/16
A61M39/20
(21)【出願番号】P 2020541562
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(86)【国際出願番号】 US2019015789
(87)【国際公開番号】W WO2019152482
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-11-12
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポール マリシ
(72)【発明者】
【氏名】ケビン エム.ライアン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジアン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル クォン チャン
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-511111(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0203087(US,A1)
【文献】米国特許第5676406(US,A)
【文献】米国特許第6045539(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/16
A61M 39/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングであって、
上部壁と、
第1の空洞を形成する円筒形の側壁と、
雌の無針コネクタまたは雄の無針コネクタのハブを受け入れるための前記ハウジング内の第1の空洞に対する開口部を有した円筒形の前記側壁によって形成された開口底部と、を含むハウジングと、
前記ハウジングと一体的に形成され、前記第1の空洞内に配置され、内側面および外側面を有し、前記内側面は、第2の空洞を画定する、突出部と、
を備え、
前記突出部の内側面における内側ねじであって、前記内側ねじによって前記雌の無針コネクタの嵌合部と結合することができ、
前記突出部の外側面における外側ねじであって、前記外側ねじによって前記雄の無針コネクタの嵌合部と結合することができ
、
前記雄の無針コネクタのハブが前記第2の空洞の内側面内に受け入れられるとき、前記ハブは、前記突出部の前記外側面の前記外側ねじの少なくとも一部を、カラーが前記第2の空洞の外側部分内に受け入れられるときの、前記雄の無針コネクタのカラーの嵌合部に結合することによって第1の空洞内に固定されることを特徴とするキャップ。
【請求項2】
前記雌の無針コネクタのハブが前記第2の空洞の内側面内に受け入れられるとき、前記ハブは、前記内側ねじの少なくとも一部を、前記雌の無針コネクタのハブの嵌合部と連結することによって、前記第2の空洞の内側面内に固定されることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記突出部は、1つまたは複数のギャップによってそれぞれ分離された、1つまたは複数の片持ち枝部を含み、前記枝部の少なくとも1つを曲げることができるよう構成されて、前記突出部と、前記雄の無針コネクタまたは前記雌の無針コネクタの嵌合部との間の締まりばめを容易にすることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項4】
前記突出部は、上部壁の内面から前記ハウジングの前記開口底部に向かって延在することを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項5】
前記突出部は、前記ハウジングの前記側壁に平行に延在することを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項6】
前記第2の空洞の内側部分は、前記第2の空洞の外側部分よりも上部壁に向かってハウジング内にさらに延在することを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項7】
前記内側ねじの形状は、前記外側ねじの形状と並行かまたは一致することを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項8】
前記内側ねじおよび前記外側ねじは、傾斜したねじパターンを含むことを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項9】
前記内側ねじおよび前記外側ねじは、らせん状のねじパターンを含むことを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項10】
前記内側ねじまたは前記外側ねじは、ねじパターンに1つまたは複数のギャップを含むことを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項11】
前記突出部の前記内側面は、前記突出部の前記外側面と平行であることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項12】
少なくとも1つの消毒スポンジが前記第2の空洞内に構成されることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項13】
前記キャップは、前記第2の空洞への前記開口部を封止する取り外し可能なカバーをさらに含み、前記キャップの使用前に前記第2の空洞内に前記消毒スポンジを密閉することを特徴とする請求項12に記載のキャップ。
【請求項14】
前記ハウジングの前記側壁の外壁面は、複数のグリップ部材を含むことを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項15】
ハウジングであって、
上部壁と、
第1の空洞を形成する円筒形の側壁と、
雌の無針コネクタまたは雄の無針コネクタのハブを受け入れるための前記ハウジング内の第1の空洞に対する開口部を有した円筒形の前記側壁によって形成された開口底部と、を含むハウジングと、
前記第1の空洞内に配置される取り外し可能なインサートであって、遠位壁を備えた閉鎖遠位端と、開いた近位端と、前記遠位壁から前記開いた近位端に向かって近位方向に延びる側壁と、を有し、前記側壁は、前記遠位壁と一体的に形成された分割ねじ突出部を有し、前記分割ねじ突出部は、内側面および外側面を有し、前記突出部の前記内側面は、第2の空洞を画定する、取り外し可能なインサートと、
を備え、
前記分割ねじ突出部の内側面は内側ねじを含み、前記内側ねじは前記雌の無針コネクタの嵌合部と結合することができ、
前記分割ねじ突出部の外側面は外側ねじを含み、前記外側ねじは前記雄の無針コネクタの嵌合部と結合することができる、
ことを特徴とするキャップ。
【請求項16】
前記雌の無針コネクタのハブが前記第2の空洞の内側面内に受け入れられるとき、前記ハブは、前記内側ねじの少なくとも一部を、前記雌の無針コネクタのハブの嵌合部と連結することによって、前記第2の空洞の内側面内に固定されることを特徴とする請求項15に記載のキャップ。
【請求項17】
前記雄の無針コネクタのハブが前記第2の空洞の内側面内に受け入れられるとき、前記ハブは、前記突出部の前記外側面の前記外側側ねじの少なくとも一部を、カラーが前記第2の空洞の外側部分内に受け入れられるときの、前記雄の無針コネクタのカラーの嵌合部に結合することによって第1の空洞内に固定されることを特徴とする請求項15に記載のキャップ。
【請求項18】
前記分割ねじ突出部は、1つまたは複数のそれぞれのギャップによって分離された1つまたは複数の片持ち枝部を含み、前記片持ち枝部の少なくとも1つは、曲がるように構成されて、前記突出部と前記雄の無針コネクタまたは前記雌の無針コネクタの嵌合部との間の締まりばめを容易にすることを特徴とする請求項15に記載のキャップ。
【請求項19】
キャップは、前記分割ねじ突出部の1つまたは複数の前記片持ち枝部の間の1つまたは複数のギャップをまたぐように配置された1つまたは複数のブリッジ部をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載のキャップ。
【請求項20】
前記取り外し可能なインサートの前記側壁は、上部および下部を有することを特徴とする請求項15に記載のキャップ。
【請求項21】
前記側壁の前記上部は、前記遠位壁に向かって外向きに傾斜し、前記側壁の前記下部は円筒形であることを特徴とする請求項20に記載のキャップ。
【請求項22】
前記内側ねじの形状は、前記外側ねじの形状と並行かまたは一致することを特徴とする請求項15に記載のキャップ。
【請求項23】
前記内側ねじおよび前記外側ねじは、傾斜したねじパターンを含むことを特徴とする請求項15に記載のキャップ。
【請求項24】
前記内側ねじおよび前記外側ねじは、らせん状のねじパターンを含むことを特徴とする請求項15に記載のキャップ。
【請求項25】
少なくとも1つの消毒スポンジが前記第2の空洞内に構成されることを特徴とする請求項15に記載のキャップ。
【請求項26】
前記キャップは、前記第2の空洞への前記開口部を封止する取り外し可能なカバーをさらに含み、前記キャップの使用前に前記第2の空洞内に前記消毒スポンジを密閉することを特徴とする請求項25に記載のキャップ。
【請求項27】
前記ハウジングの前記側壁の外壁面は、複数のグリップ部材を含むことを特徴とする請求項15に記載のキャップ。
【請求項28】
ハウジングであって、
上部壁と、
第1の空洞を形成する円筒形の側壁と、
雌の無針コネクタまたは雄の無針コネクタのハブを受け入れるための前記ハウジング内の第1の空洞に対する開口部を有した円筒形の前記側壁によって形成された開口底部と、を含むハウジングと、
前記第1の空洞内に配置される取り外し可能なインサートであって、遠位壁を備えた閉鎖遠位端と、開いた近位端と、前記遠位壁から前記開いた近位端に向かって近位方向に延びる側壁と、を有し、前記側壁は、前記遠位壁と一体的に形成された分割ねじ突出部を有し、前記分割ねじ突出部は、内側面および外側面を有し、前記突出部の前記内側面は、第2の空洞を画定し、
前記分割ねじ突出部の内側面は内側ねじを含み、前記内側ねじは前記雌の無針コネクタの嵌合部と結合することができ、
前記分割ねじ突出部の外側面は外側ねじを含み、前記外側ねじは前記雄の無針コネクタの嵌合部と結合することができる、取り外し可能なインサートと、
前記第2の空洞内に構成される吸収性材料と、
前記雌の無針コネクタまたは前記雄の無針コネクタが前記第2の空洞に挿入されるとき、前記雌の無針コネクタまたは前記雄の無針コネクタの外側面および内側面を消毒するための消毒剤または抗菌剤と、
前記取り外し可能なインサートの前記開口底部に取り付けられて、キャップの使用前に、前記第2の空洞内に消毒剤または抗菌剤を維持するための密閉を形成する隔壁と、
を備えたことを特徴とするキャップ。
【請求項29】
前記雌の無針コネクタのハブが前記第2の空洞の内側面内に受け入れられるとき、前記ハブは、前記内側ねじの少なくとも一部を、前記雌の無針コネクタのハブの嵌合部と連結することによって、前記第2の空洞の内側面内に固定されることを特徴とする請求項28に記載のキャップ。
【請求項30】
前記雄の無針コネクタのハブが前記第2の空洞の内側面内に受け入れられるとき、前記ハブは、前記突出部の前記外側面の前記外側ねじの少なくとも一部を、カラーが前記第2の空洞の外側部分内に受け入れられるときの、前記雄の無針コネクタのカラーの嵌合部に結合することによって第1の空洞内に固定されることを特徴とする請求項28に記載のキャップ。
【請求項31】
前記分割ねじ突出部は、1つまたは複数のそれぞれのギャップによって分離された1つまたは複数の片持ち枝部を含み、少なくとも1つの前記枝部を曲げることができるよう構成されて、前記突出部と前記雄の無針コネクタまたは前記雌の無針コネクタの嵌合部との間の締まりばめを容易にすることを特徴とする請求項28に記載のキャップ。
【請求項32】
前記キャップは、前記分割ねじ突出部の1つまたは複数の前記片持ち枝部の間の1つまたは複数の前記ギャップをまたぐように配置された1つまたは複数のブリッジ部をさらに含むことを特徴とする請求項31に記載のキャップ。
【請求項33】
前記取り外し可能なインサートの前記側壁は上部および下部を有することを特徴とする請求項28に記載のキャップ。
【請求項34】
前記側壁の前記上部は、前記遠位壁に向かって外向きに傾斜し、前記側壁の前記下部は円筒形であることを特徴とする請求項33に記載のキャップ。
【請求項35】
前記内側ねじの形状は、前記外側ねじの形状と並行かまたは一致することを特徴とする請求項28に記載のキャップ。
【請求項36】
前記内側ねじおよび前記外側ねじは、傾斜したねじパターンを含むことを特徴とする請求項28に記載のキャップ。
【請求項37】
前記内側ねじおよび前記外側ねじは、らせん状のねじパターンを含むことを特徴とする請求項28に記載のキャップ。
【請求項38】
前記側壁の外壁面は、複数のグリップ部材を含むことを特徴とする請求項28に記載のキャップ。
【請求項39】
前記吸収性材料は、発泡体であることを特徴とする請求項28に記載のキャップ。
【請求項40】
前記発泡体はポリウレタン発泡体であることを特徴とする請求項39に記載のキャップ。
【請求項41】
前記吸収性材料は、スポンジであることを特徴とする請求項28に記載のキャップ。
【請求項42】
前記吸収性材料はスリットを含むことを特徴とする請求項28に記載のキャップ。
【請求項43】
前記ハウジングの前記上部壁に向かう方向の前記吸収性材料の圧縮は、前記雌の無針コネクタに対する接続時に生じることを特徴とする請求項28に記載のキャップ。
【請求項44】
前記吸収性材料の圧縮によって、前記雌の無針コネクタが消毒されることを特徴とする請求項43に記載のキャップ。
【請求項45】
前記吸収性材料は、前記分割ねじ突出部の前記内側面の前記内側ねじによって半径方向圧縮を受け、前記吸収性材料が前記第2の空洞内に維持されることを特徴とする請求項28に記載のキャップ。
【請求項46】
前記消毒剤または抗菌剤は、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、t-ブチル-ヒドロキノン、クロロキシレノール、クロロヘキシジン、クロルヘキシジンジアセテート、クロロヘキシジングルコネート、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド銀、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項28に記載のキャップ。
【請求項47】
前記消毒剤または抗菌剤は、グルコン酸クロルヘキシジンおよび二酢酸クロルヘキシジンの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項46に記載のキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、例えば、雄および雌のルアー接手を備えたアクセスポートを消毒および滅菌するためのデバイスに関し、特に、複数のタイプのコネクタを提供することができる消毒および滅菌デバイスに関する。一般に、本開示の例示的な実施形態は、医療用キャップおよび医療用消毒キャップ、特に流体ルアーコネクタと共に使用するためのキャップおよび/または消毒キャップを含む、ねじ継手の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
血管アクセスデバイス(VAD)は一般的に使用される治療デバイスであり、静脈内(IV)カテーテルを含む。VADには、末梢カテーテルと中心静脈カテーテルという、一般的な2つの分類がある。細菌や他の微生物は、液体や医薬品を送達するためのVADへの接続時にアクセスハブやポート/バルブから患者の血管系に侵入する場合がある。それぞれのアクセスハブ(またはアクセスポート/バルブまたは接続部)には、犠牲が大きく潜在的な死を招く、カテーテル関連の血流感染(CRBSI)を伝播するリスクが伴う。
【0003】
CRBSIのケースを減らし、VADが正しく使用および維持されるようにするために、消毒および洗浄手順を含む実施基準が開発されている。
【0004】
アメリカ医療疫学会(SHEA)のガイドラインに消毒キャップが追加されている。また、キャップが2016年の輸液看護基準(INS)ガイドラインにも組み込まれることが早期に指摘されている。
【0005】
先進市場では、IVカテーテルを利用する場合、通常、無針コネクタを使用してシステムを閉鎖し、その後、カテーテルを介して患者に薬物やその他の必要な液体を投与するようにアクセスする。INSの実施基準では、無針コネクタの使用を推奨しており、「各アクセスの前に、アルコール、ヨードチンキ、またはグルコン酸クロルヘキシジン/アルコールの組み合わせを用いて、一貫して完全に消毒する必要がある」と述べている。無針コネクタの消毒は、最終的には、表面に生息し、CRBSIを含むさまざまなカテーテル関連の合併症を引き起こす可能性のある細菌の減少を助けることを目的としている。看護師は通常、70%イソプロピルアルコール(IPA)のパッドを使用して、「ハブのこすり洗い」と呼ばれる処理を実行して消毒タスクを遂行する。ただし、この慣行の順守は通常非常に低い。「ハブのこすり洗い」が順守されないことに加えて、こすり洗い時間、乾燥時間、および無針コネクタがこすり洗いされる回数にはしばしばばらつきがあることも、臨床医のインタビューを通じて指摘されている。
【0006】
CRBSIを引き起こす可能性のある微生物の伝染に関連する一連の手順を通じて、接触または汚染の多くのリスクがある。汚染は、薬物の混合、カニューレの取り付け、およびアクセスハブへの挿入中に発生する可能性がある。VADに接続する手順は極めて一般的で簡単であることから、患者の血管系への侵入に伴うリスクは見過ごされがちである。現在、病院および患者へのリスクは、接続を行う臨床医の勤勉さの実質的な結果によるものであり、この勤勉さはほとんど管理できない。
【0007】
現在、雄の無針コネクタ、雌の無針コネクタ、静脈内(IV)および血液透析ラインのためのキャップは異なる設計を用いており、そのため、キャップはそれを取り付けることができるタイプのコネクタに限定される。現在、ISO594-2タイプの雌ねじ式流体ルアーコネクタを消毒するための雄の消毒キャップデバイスがあり、また、ISO594-2タイプの雄ねじ式流体ルアーコネクタを消毒するための雌の消毒キャップデバイスがある。しかしながら、雄型または雌型のいずれかのねじ式コネクタと適合することが可能な機能を備えた単一の汎用消毒キャップデバイスは存在しない。したがって、従来の消毒キャップは、1つのタイプのコネクタのみに適合するように設計されており、特定のサイズおよび/またはコネクタの形状に固有のものである。このように、消毒プロセスを効率化するために、雄型コネクタと雌型コネクタの両方を含む複数のタイプのコネクタに対応できる消毒デバイスが必要とされている。
【0008】
医療用途の例では、使用されていないときに無針コネクタを閉鎖するための様々な従来のキャップが知られている。カテーテル関連血流感染症(CRBSI)例を減少させるための消毒キャップは、最初に米国特許番号8,740,864として発行された米国特許公開番号2007/011233(これら両方の開示の全体は参照することにより本明細書に援用される)に開示され、市場に導入された。米国特許第8,740,864号に開示されているような消毒キャップが本願の
図1および2に示される。ここで、キャップ1は消毒パッド2および蓋3を含み、また、キャップ4は消毒パッド5および蓋7を含むとともに針のないコネクタハブと連結するためにその内周8のねじ山6を含む。一方、他の従来のキャップは同様の機能を備えている場合があるが、消毒パッドは含まれていない。
【発明の概要】
【0009】
本開示の第1の態様は、ハウジングおよび突出部を含むキャップに関する。ハウジングは、上壁、第1の空洞を形成する基本的に円筒形の側壁、および雌の無針コネクタまたは雄の無針コネクタのハブを受け入れるためのハウジング内の第1の空洞に対する開口部を有した円筒形側壁によって形成された開口底部を含むことができる。一実施形態では、突出部は、ハウジングと一体的に形成され、第1の空洞内に配置される。突出部は、内面および外面を含み、突出部の内面は、第2の空洞を画定する。突出部の内面に内側ねじを含み、この内側ねじによって雌の無針コネクタの嵌合特徴部と十分に結合することができる。外側ねじを突出部の外面に含み、この外側ねじによって雄の無針コネクタの嵌合特徴部と十分に結合することができる。1つまたは複数の実施形態では、突出部は、1つまたは複数のギャップによってそれぞれ分離された、1つまたは複数の片持ち枝部を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、突出部と雄の無針コネクタまたは雌の無針コネクタの嵌合特徴部との間の締まりばめを容易にするために、枝部の少なくとも1つを曲げることができる。1つまたは複数の実施形態では、突出部は、基本的に上壁の内面からハウジングの開いた底部に向かって延在することができる。1つまたは複数の実施形態では、突出部は、ハウジングの側壁に基本的に平行に延在することができる。
【0010】
本開示の第2の態様は、ハウジングおよび取り外し可能なインサートを含むキャップに関する。ハウジングは、上壁、第1の空洞を形成する基本的に円筒形の側壁、および雌の無針コネクタまたは雄の無針コネクタのハブを受け入れるためのハウジング内の第1の空洞に対する開口部を有した円筒形側壁によって形成された開放底を含むことができる。取り外し可能なインサートは、第1の空洞内に配置することができる。取り外し可能なインサートは、遠位壁を備えた閉鎖遠位端と、開いた近位端と、遠位壁から開いた近位端に向かって近位方向に延びる側壁と、を含むことができる。側壁は、遠位壁と一体的に形成された分割ねじ突出部を含むことができ、分割ねじ突出部は、内面および外面を有する。分割ねじ突出部の内面は、第2の空洞を画定する。
【0011】
分割ねじ突出部の内面に内側ねじを含み、この内側ねじは雌の無針コネクタの嵌合特徴部と十分に結合することができる。分割ねじ突出部の外面に外側ねじを含み、この外側ねじは雄の無針コネクタの嵌合特徴部と十分に結合することができる。
【0012】
1つまたは複数の実施形態では、分割ねじ突出部は、1つまたは複数のそれぞれのギャップによって分離された1つまたは複数の片持ち枝部を含み、片持ち枝部の少なくとも1つは、突出部と雄の無針コネクタまたは雌の無針コネクタの嵌合特徴部との間の締まりばめを容易にするために曲がるように構成される。1つまたは複数の実施形態では、キャップは、分割ねじ突出部の1つまたは複数の片持ち枝部の間の1つまたは複数のギャップをまたぐように配置された1つまたは複数のブリッジ部をさらに含む。
【0013】
取り外し可能なインサートの側壁は、上部および下部を有する。1つまたは複数の実施形態では、側壁の上部は、遠位壁に向かって外向きに傾斜し、側壁の下部は円筒形とすることができる。
【0014】
本開示の第3の態様は、ハウジング、取り外し可能なインサート、吸収性材料、消毒剤または抗菌剤および隔壁を備えたキャップに関する。1つまたは複数の実施形態では、ハウジングは、上部壁、第1の空洞を形成する基本的に円筒形の側壁、および雌の無針コネクタまたは雄の無針コネクタのハブを受け入れるための、ハウジング内の第1の空洞に対する開口部を有した円筒形側壁によって形成された開放底を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、取り外し可能なインサートは、第1の空洞内に配置することができる。1つまたは複数の実施形態では、取り外し可能なインサートは、遠位壁を有した閉鎖遠位端と、開いた近位端と、遠位壁から開いた近位端に向かって近位方向に延びる側壁と、を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、側壁は、遠位壁と一体的に形成された分割ねじ突出部を含むことができ、分割ねじ突出部は、内面および外面を有する。1つまたは複数の実施形態では、分割ねじ突出部の内面は、第2の空洞を画定する。1つまたは複数の実施形態では、分割ねじ突出部の内面に内側ねじを含み、この内側ねじは雌の無針コネクタの嵌合特徴部と十分に結合することができる。1つまたは複数の実施形態では、分割ねじ突出部の外面に外側ねじを含み、この外側ねじは雄の無針コネクタの嵌合特徴部と十分に結合することができる。1つまたは複数の実施形態では、吸収性材料は、第2の空洞内に構成することができる。1つまたは複数の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、雌の無針コネクタまたは雄の無針コネクタが第2の空洞に挿入されるとき、雌の無針コネクタまたは雄の無針コネクタの外面および内面を消毒する。1つまたは複数の実施形態では、隔壁をインサートの開口底部に取り付けて、キャップの使用前に、第2の空洞内に消毒剤または抗菌剤を維持するための密閉を形成することができる。1つまたは複数の実施形態では、ハウジングの側壁の外壁面は、複数のグリップ部材を含むことができる。
【0015】
1つまたは複数の実施形態では、分割ねじ突出部は、1つまたは複数のそれぞれのギャップによって分離された1つまたは複数の片持ち枝部を含む。1つまたは複数の実施形態では、突出部と、雄の無針コネクタまたは雌の無針コネクタの嵌合特徴部と、の間の締まりばめを容易にするために、少なくとも1つの枝部を曲げることができる。
【0016】
1つまたは複数の実施形態では、キャップは、分割ねじ突出部の1つまたは複数の片持ち枝部の間の1つまたは複数のギャップをまたぐように配置された1つまたは複数のブリッジ部をさらに含む。
【0017】
1つまたは複数の実施形態では、インサートの側壁は上部および下部を有する。1つまたは複数の実施形態では、側壁の上部は、遠位壁に向かって外向きに傾斜し、側壁の下部は円筒形とすることができる。
【0018】
1つまたは複数の実施形態では、雌の無針コネクタのハブが第2の空洞の内側面内に受け入れられるとき、ハブは、内側ねじの少なくとも一部を、雌の無針コネクタのハブ上の嵌合特徴部と連結することによって、第2の空洞の内側面内に固定される。1つまたは複数の実施形態では、雄の無針コネクタのハブが第2の空洞の内側面内に受け入れられるとき、ハブは、突出部の外面上の外側ねじの少なくとも一部を、カラーが第2の空洞の外側部分内に受け入れられるときの、雄の無針コネクタのカラー上の嵌合特徴部に結合することによって第1の空洞内に固定される。
【0019】
1つまたは複数の実施形態では、第2の空洞の内側部分は、第2の空洞の外側部分よりも上部壁に向かってハウジング内にさらに延在することができる。1つまたは複数の実施形態では、内側ねじの外形は、外側ねじの外形と基本的に並行であるか、または一致するものとすることができる。
【0020】
1つまたは複数の実施形態では、内側ねじおよび外側ねじは、傾斜したねじパターンを含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、内側ねじおよび外側ねじは、らせん状のねじパターンを含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、内側ねじまたは外側ねじは、ねじパターンに1つまたは複数のギャップを含むことができる。
【0021】
1つまたは複数の実施形態では、突出部の内面は、突出部の外面と基本的に平行とすることができる。
【0022】
1つまたは複数の実施形態では、少なくとも1つの吸収性材料が第2の空洞内に構成される。1つまたは複数の実施形態では、キャップは、キャップの使用前に第2の空洞内に吸収性材料を密閉するために、第2の空洞への開口部に取り外し可能な剥離シールを含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、吸収性材料は、発泡体またはスポンジとすることができる。一実施形態では、発泡体はポリウレタン発泡体とすることができる。1つまたは複数の実施形態では、吸収性材料はスリットを含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、ハウジングの上部壁に向かう方向の吸収性材料の圧縮は、雌の無針コネクタに対する接続時に生じ、それにより、吸収性材料の圧縮が、雌の無針コネクタを消毒する。1つまたは複数の実施形態では、吸収性材料は、第2の空洞内に吸収性材料を保持するように、分割ねじ突出部の内面の内側ねじによって半径方向圧縮を受けるようにすることができる。
【0023】
1つまたは複数の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、基本的に、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、t-ブチル-ヒドロキノン、クロロキシレノール、クロロヘキシジン、クロルヘキシジンジアセテート、クロロヘキシジングルコネート、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド銀、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。1つまたは複数の特定の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、グルコン酸クロルヘキシジンおよび二酢酸クロルヘキシジンの少なくとも1つを含む。
【0024】
本開示の第4の態様は、医療用コネクタを消毒する方法に関する。方法は、1つまたは複数の実施形態のキャップを医療用コネクタに接続することを含み、接続は、医療用コネクタをキャップに挿入するとき、医療用コネクタのねじをキャップの第2の空洞の内面または外面のねじに係合させ、医療用コネクタが、吸収性材料および消毒剤にまたは抗菌剤に接触するようにすることを含む。
【0025】
本開示の第5の態様は、アセンブリに関する。アセンブリは、医療用コネクタに接続された1つまたは複数の実施形態のキャップを備える。1つまたは複数の実施形態では、医療用コネクタは、雄のルアーコネクタ、雌のルアーコネクタ、および無針コネクタから選択される。
【0026】
本概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念の選択を簡略化した形で導入するために提供されるものである。本概要は、特許請求される主題のすべての重要な特徴または不可欠な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を決定するための支援として単独で使用されることも意図していない。
【0027】
本開示の追加的特徴及び利点は、以下の記載において説明され、一部はその記載から明らかになるか、あるいは本開示を実施することによっても知ることができる。本開示の特徴及び利点は、特許請求の範囲で具体的に指摘する器具及び組み合わせにより、実現し、得ることができる。本開示のこれらの特徴及び他の特徴は、以下の記載及び付属の請求項から十分に明らかとなるか、あるいは本明細書で説明される開示を実施することによっても知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図3A】本開示の例示的な実施形態によるキャップの斜視底面図および斜視上面図を示す。
【
図3B】本開示の例示的な実施形態によるキャップの斜視底面図および斜視上面図を示す。
【
図4A】
図3Aおよび3Bに示されるキャップの上面図、側面図、および底面図を示す。
【
図4B】
図3Aおよび3Bに示されるキャップの上面図、側面図、および底面図を示す。
【
図4C】
図3Aおよび3Bに示されるキャップの上面図、側面図、および底面図を示す。
【
図7A】
図3Aから
図6Bに示されている2つのキャップと、典型的なISO594-2タイプの無針コネクタの断面図および斜視断面図を概略的に示し、1つのキャップがQ-Syteの雄のコネクタに固定され、もう一方のキャップがQ-Syteの雌のコネクタに固定されることを示している。
【
図7B】
図3Aから
図6Bに示されている2つのキャップと、典型的なISO594-2タイプの無針コネクタの断面図および斜視断面図を概略的に示し、1つのキャップがQ-Syteの雄のコネクタに固定され、もう一方のキャップがQ-Syteの雌のコネクタに固定されることを示している。
【
図8】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なキャップの分解斜視図を示す。
【
図9】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なキャップの分解斜視上面図を示す。
【
図10】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なキャップの分解側面図を示す。
【
図11】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なキャップの分解側面図を示す。
【
図12】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なキャップの斜視上面図を示す。
【
図13】本開示の第2の態様の1つまたは複数の別の実施形態による例示的なキャップの斜視上面図を示す。
【
図14】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なキャップの斜視底面図を示す。
【
図15】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的な、取り外し可能なインサートの斜視上面図を示す。
【
図16】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的な、取り外し可能なインサートの斜視側面図を示す。
【
図17】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的な、取り外し可能なインサートの側面図を示す。
【
図18】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的な、取り外し可能なインサートの側面図を示す。
【
図19】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的な、取り外し可能なインサートの側面図を示す。
【
図20】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的な、取り外し可能なインサートの内側ねじパターンの断面図を示す。
【
図21】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的な、取り外し可能なインサートの外側ねじパターンの断面図を示す。
【
図22】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的な、取り外し可能なインサートの外側ねじパターンの側面図を示す。
【
図23】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的な、取り外し可能なインサートの外側ねじパターンの側面図を示す。
【
図24】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的な、取り外し可能インサートのねじパターンの形を示すためのねじパターンの断面図を示す。
【
図25】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による2つのインサートおよび接続部材の断面図を示す。
【
図26】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による、接続によって接合されている2つのインサートの断面図を示す。
【
図27】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による、接続によって結合された2つのインサートの断面図を示す。
【
図28】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による、接続によって結合された2つのインサートの断面図を示す。
【
図29】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による、第1の空洞内に配置された取り外し可能なインサートおよび吸収性材料の斜視図を示す。
【
図30】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による、第1の空洞内に配置された取り外し可能なインサートの斜視底面図を示す。
【
図31】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による、キャップのハウジング内に配置されている取り外し可能なインサートの部分断面図である。
【
図32】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による、ハウジングまたは取り外し可能なインサートの上部壁または側壁に存在し得る形状を示す図である。
【
図33】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なブリッジを有する取り外し可能なインサートの断面図を示す。
【
図34】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なブリッジの部分図を示す。
【
図35】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による別の例示的なブリッジの部分図を示す。
【
図36】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なブリッジを有する取り外し可能なインサートの断面図を示す。
【
図37】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なねじパターンの部分図を示す。
【
図38】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による別の例示的なねじパターンの部分図を示す。
【
図39】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による、キャップのハウジング内に位置する取り外し可能なインサートの斜視底面図を示す。
【
図40】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による、キャップのハウジング内に配置された、取り外し可能なインサートの分解図である。
【
図41】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による、キャップのハウジング内に配置された、取り外し可能なインサートの断面図である。
【
図42】本開示の第2の態様の1つまたは複数の実施形態による、キャップのハウジング内に配置されている取り外し可能なインサートの側断面図である。
【
図43A】本開示の第3の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なキャップの斜視図を示す。
【
図43B】本開示の第3の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なキャップの分解断面図を示す。
【
図44】本開示の第3の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なキャップの斜視図を示す。
【
図45】本開示の第3の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なキャップの斜視図を示す。
【
図46】本開示の第3の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なキャップの斜視底面図を示す。
【
図47】本開示の第3の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なキャップおよび医療用コネクタの分解図を示す。
【
図48】例示的な医療用コネクタに接続された、本開示の第3の態様の1つまたは複数の実施形態による例示的なキャップの断面図を示す。
【
図49】本開示の第3の態様の1つまたは複数の実施形態による、例示的な医療用コネクタの先端に配置された例示的なシーリングスポンジの斜視図を示す。
【
図50】本開示の第3の態様の1つまたは複数の実施形態による、例示的な医療用コネクタの先端に配置された例示的なシーリングスポンジの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の実施形態は、雄コネクタおよび雌コネクタを含む医療用コネクタへの接続および消毒のための殺菌された汎用キャップに関する。雄コネクタおよび雌コネクタは、雄ルアーコネクタおよび雌ルアーコネクタとすることができる。キャップの実施形態は、ハウジングおよび突出部を含む。キャップは、閉鎖端および開放端を有する一体型本体を含む。ハウジングの側壁は、閉鎖端から開放端まで延在する長さLCを有し、チャンバを画定する。1つまたは複数の実施形態では、開口端は、端面および係合面を画定する開口面から半径方向外向きに延在する周辺突起を含んでいる。突出部は、雌ルアーコネクタと係合するように適合された1つまたは複数のねじ山を有した内壁面を有する。突出部の外壁面は、雄ルアーコネクタを受け入れるようにサイズ設定および適合された1つまたは複数のねじを有する。キャップは、吸収性材料、消毒剤または抗菌剤、ならびに剥離可能なシールおよび/または隔壁をさらに含むことができる。キャップはコネクタの機械的障壁を提供し、消毒用の抗菌剤を含む。本開示のキャップは、実施者が消毒プロセスを効率化することを可能にしている。
【0030】
本開示で使用される用語に関して、以下の定義が提供される。
【0031】
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、および「the」の使用は、単数形および複数形を含む。
【0032】
本明細書で使用される場合、「カテーテル関連血流感染」または「CRBSI」という用語は、カテーテルまたはIVラインの存在に起因するあらゆる感染を指している。
【0033】
本明細書で使用する場合、「ルアーコネクタ」という用語は、シリンジ、カテーテル、ハブ付き針、IVチューブなどを互いに取り付ける標準的な方法である接続カラーを指す。ルアーコネクタは雄型および雌型の結合チューブで構成され、わずかにテーパーが付いて、単純な押圧/捩じり篏合でもしっかりと結合することができる。ルアーコネクタは、任意付加的にネジの外側リムを含むことができ、これによりルアーコネクタよりしっかりと固定することができる。ルアーコネクタの雄型端は、通常、洗浄用注射器に関連付けられており、血管アクセス器具(VAD)に位置する雌型端に結合し接続することができる。ルアーコネクタは、遠位端と、近位端と、不規則な形状の外壁と、注射器容器のチャンバからVADのハブへの流体連通のための形付けられた中央通路とを含む。ルアーコネクタは、また、ルアーコネクタをVADのハブに取り外し可能に取り付ける遠位端チャネル、およびルアーコネクタを注射器の容器に取り外し可能に取り付ける近位端チャネルも有する。
【0034】
関連分野の当業者によって容易に理解されるように、「結合」、「穴」、「先端」、「ハブ」、「ねじ」、「スポンジ」、「枝部」、「突出部」、「タブ」、「傾斜」、「壁」、「上部」、「側部」、「底部」やその他の説明的な用語は、本明細書において理解を容易にするために使用されるが、本開示の実施形態の種々の態様を実施するために組み合わせてまた個別に用いることができる構成要素に限定することを意図したものではない。
【0035】
本説明で例示される事項は、本開示の例示的な実施形態の包括的な理解を助けるために提供されるものである。したがって、当業者は、本開示の範囲および精神から逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態の様々な変更および修正を行うことができることを認めることになる。また、よく知られている機能と構造の説明は、明確さと簡潔さのために省略される。
【0036】
本開示の例示的な実施形態は、単一のキャップまたは機器に、雄および雌のねじ込み継手の両方で使用できる機能を含めることによって、雄および雌のねじ式流体ルアーコネクタを、接続し、キャッピングし、および/または消毒するために、病院環境で現在必要とされる機器タイプおよびロジスティックスの数を約半分にできるキャップを提供する。
【0037】
本開示の実施形態の例示的な実施では、キャップ、接続キャップまたは消毒キャップは、雄ねじおよび雌ねじの継手の両方と結合することを可能にする任意のまた全ての組み合わせにおいて、一体化されたねじまたは複数のねじ、および他の機能を含んでいる。
【0038】
本開示の実施形態のさらなる例示的な実施によれば、キャップを構成する構造要素の構成は、キャップの空洞に配置された1つまたは複数の片持ち枝部を含み、片持ち枝部は、雌の医療コネクタに接続するための内側ねじおよび雄の医療用コネクタに接続するための外側ねじを含んで、キャップを雌の継手または雄の継手にそれぞれ固定することを容易にする。
【0039】
本開示の実施形態のさらに別の例示的な実施によれば、雄ねじおよび雌ねじの両方が、ねじ付き突出部の内側面と外側面で互いに一致する。
【0040】
本開示の実施形態のさらに別の例示的な実施によれば、片持枝部は、突出部の形態で、また、分割ねじタイプであり得、その突出部が継手とのよりよい締まりばめ適合を可能にするために曲がることができる。
【0041】
本開示の実施形態のさらに別の例示的な実施によれば、雌ねじは、そのサイズおよびねじパターンが、標準のISO594-2タイプの雄継手と係合し、および/または、雄ねじは、そのサイズおよびねじパターンが、標準のISO594-2タイプの雌継手と係合するものである。ISO594-2タイプの継手の例は、Qスタイル継手である。
【0042】
1つまたは複数の実施形態では、雌コネクタは、基本的に、無針コネクタ、カテーテルルアーコネクタ、ストップコック、および血液透析コネクタからなる群から選択することができる。1つまたは複数の実施形態では、無針コネクタは、Qスタいるコネクタ、マックスプラス、マックスプラスクリア、マックスゼロ、ウルトラサイト、ケアサイト、インビジョンプラス、セーフライン、ワンリンク、Vリンク、クリアリンク、ニュートラクリア、クラベ、マイクロクラベ、マイクロクラベクリア、ニュートロン、ナノクリア、ケンダル、ネクサス、インビジョン、バドサイト、バイオネクタなどから選択される。
【0043】
1つまたは複数の実施形態では、雄コネクタは、静脈内チューブ端、ストップコックまたは雄ロックルアーとすることができる。
【0044】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に示される構成またはプロセス工程の詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態であることができ、様々な方法で実施または実行することができる。
【0045】
図面を参照し、ここで同様の参照番号はいくつかの図を通して同一または対応する部分を示しており、本開示の実施形態を以下に説明する。
【0046】
本開示の第1の態様は、ハウジングおよび枝部を含むキャップ10に関する。
図3Aから
図7Bに示すように、ハウジング20は、上部壁22、第1の空洞を形成する基本的に円筒形の側壁26、および雌の無針コネクタまたは雄の無針コネクタのハブを受け入れるためのハウジング内の第1の空洞に対する開口部27を有した円筒形側壁26によって形成された開口底部23を含むことができる。一実施形態では、突出部30は、ハウジング20と一体的に形成され、第1の空洞28内に位置する。突出部30は、内面31および外面33を含み、突出部30の内面31は、第2の空洞40を画定する。1つまたは複数の実施形態では、本開示のキャップ10は、例えば、雌ルアーコネクタなどの雌コネクタのねじ込み部と係合するサイズおよびピッチを有した内側ねじ36を有する。このようなコネクタは、一般に、また、通常、医療用途のカテーテルやその他の液密保護コネクタとして使用される。いくつかの実施形態では、キャップ10は、雌ルアーコネクタのねじが、キャップ10の内側ねじ36と係合し取り外し可能な接続を形成するときに、雌ルアーコネクタの保護カバーを提供する。突出部30の内面31に内側ねじ36を含み、この内側ねじ36によって雌の無針コネクタの嵌合特徴部と十分に結合することができる。突出部30の外面33に外側ねじ38を含み、この外側ねじ38によって雄の無針コネクタの嵌合特徴部と十分に結合することができる。1つまたは複数の実施形態では、突出部30は、1つまたは複数のギャップによってそれぞれ分離された、1つまたは複数の片持ち枝部を含む。1つまたは複数の実施形態では、突起部と、雄の無針コネクタまたは雌の無針コネクタの嵌合特徴部との締まりばめを容易にするために、少なくとも1つの枝部を曲げることができる。1つまたは複数の実施形態では、突出部30は、基本的に、上部壁22の内面からハウジング20の開いた底部23に向かって延在する。1つまたは複数の実施形態では、突出部30は、基本的に、ハウジングの側壁に平行に延在する。
【0047】
図3A~6Bを参照すると、本開示の例示的な実施形態によれば、キャップ10は、内面25を有した上部壁22、内面21を有した側壁26(本質的に円筒形であり得る)、および第1の空洞28に対する開口部27を含むハウジング20を備える。開口部27は、ハウジング20の底部23に配置されている。上部壁22の内面25は、空洞28の上部を形成することができる。空洞28内に配置されているのは、空洞28の内側部分32を画定する内面31と、空洞28の外側部分34を画定する外面33とを有する突出部30(本質的に円筒形で側壁26と同軸であり得る)である。突出部30は、雌コネクタに係合するためのその内面31上の内ねじ36と、雄コネクタに係合するためのその外面33上の外ねじ38とを含む。
【0048】
例示的な実施形態では、上記の先行出願に記載のように、例えば、ハウジング20の開口底部23のリム29の表面に取り付けることにより、キャップ10の使用前に開口部27を封止するために剥離シール60を設けることができる。
【0049】
図4Bを参照すると、1つまたは複数の実施形態では、剥離可能シール60は、消毒剤または抗菌剤が空洞28から出るのを防ぐために、ハウジング20の開口底部23の係合面に配置される。吸収性材料50がキャップ10の空洞28に適切に挿入された状態で、剥離可能シール60は、ハウジング20の開口底部23の係合表面に固定され得る。可剥性シール60は、潜在的な粒子危険の侵入を最小限に抑え、キャップ10に実質的に不透過性の囲いを提供し、漏れ防止および保護囲いを提供し、空洞28内に含まれる吸収性材料50の内容物を保護し、および/または密封され、殺菌された環境を維持する。剥離可能シール60は、ある範囲の温度、圧力、および湿度レベルで十分な密閉を提供する。
【0050】
1つまたは複数の実施形態では、可剥性シール60は、アルミニウムまたは多層ポリマーフィルムの剥し端部を含む。特定の実施形態では、可剥性シール60は、キャップの開放端に熱シールまたはインダクションシールされる。1つまたは複数の実施形態では、可剥性シール60は、防湿層を含む。
【0051】
図4Cを参照すると、1つまたは複数の実施形態では、吸収性材料50は、突出部30の内面31上の内側ねじ36によって半径方向に圧縮された状態にあり、これにより、吸収性材料50を空洞28内に保持する。1つまたは複数の実施形態では、吸収性材料50は、不織布材料、発泡体、またはスポンジである。特定の実施形態では、発泡体はポリウレタン発泡体である。特定の実施形態では、吸収性材料50は、発泡体の栓の形態である。1つまたは複数の実施形態では、吸収性材料50は、1つまたは複数のスリットを含む。
【0052】
さらに別の例示的な実施形態では、吸収性材料50などの消毒部材または複数の消毒部材は、IPA浸漬スポンジおよび/またはスポンジの形態である。1つまたは複数の実施形態において、吸収性材料50はまた、単一の洗浄部材として一緒に形成され得るか、または別個の洗浄部材が空洞28内に、例えば、内側部分32の上部壁22の内面25の近くに、または例えば上述した先行出願に記載されているように、空洞28の外側部分34の頂部39近くに提供され得る。
【0053】
キャップ10は、消毒剤または抗菌剤をキャップ10の空洞28に組み込むことにより、ルアーコネクタで使用されるときに消毒を実行することができる。消毒剤または抗菌剤は、空洞28に直接含まれるか、または消毒剤または抗菌剤は、キャップ10のチャンバを満たすスポンジまたはフォーム材料に吸収されるようにすることができる。キャップ10は、さまざまな消毒剤との相互作用に対応できるように設計されている。1つまたは複数の実施形態において、消毒剤または抗菌剤は、様々なアルコールまたはクロルヘキシジンを含み得る。1つまたは複数の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、基本的に、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、t-ブチル-ヒドロキノン、クロロキシレノール、クロロヘキシジン、クロルヘキシジンジアセテート、クロロヘキシジングルコネート、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド銀、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。特定の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、グルコン酸クロルヘキシジンおよび二酢酸クロルヘキシジンの少なくとも1つを含む。1つまたは複数の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、流体またはゲルである。
【0054】
雌ルアーコネクタまたは雄ルアーコネクタへの接続時の、ハウジング20の上部壁22に向けた吸収性材料50の圧縮によって、コネクタが消毒剤または抗菌剤と接触し雌ルアーコネクタまたは雄ルアーコネクタを消毒することが可能となる。
【0055】
本開示の実施形態の例示的な実施において、突出部30は、例えば、1つ阿多は複数のギャップないし切り欠き35を有することによって、片持ち式とすることができる。例示的な実施では、片持ち突出部30の少なくとも一部は曲がることができ、これにより、雄コネクタまたは雌コネクタのうちの少なくとも1つなど継手とのよりよい締まりばめ適合が可能となる。
【0056】
さらに別の例示的な実施では、突出部30は、基本的に上部壁22の内面25からハウジング20の底部に向かって延在することができる。
【0057】
さらに別の例示的な実施では、突出部30は、基本的に側壁26に平行に延在することができる。
【0058】
さらに別の例示的な実施では、空洞28の内側部分32は、例えば
図5~
図7Bの断面図に示すように、頂部39で終わる外側部分34よりも上部壁22の内側面25に向かってキャップ内にさらに延在することができる。
【0059】
さらに別の例示的な実施では、内側ねじ36および/または内側面31の形状は、それぞれ外側ねじ38および/または外側面33の形状と基本的に対応しまたは一致することができる。
【0060】
図7Aおよび7Bを参照すると、本開示の例示的な実施形態によれば、キャップ20は、例えば、空洞28を封止する剥離シール60が除去された後、または剥離シールフィルムが貫通されるとき、雌の無針コネクタ70の先端ないしハブ72を空洞28の内側部分32内に受け入れ、例えば、ねじ込みによって、無針コネクタ70の先端を空洞28の内側部分32内に固定することができる。1つまたは複数のねじ山36は、例えば、2017年1月17日に出願された関連する米国特許出願第15/408,278号および第15/408,187号に記載されているように、無針コネクタ70のハブないし先端72の嵌合機構74(1つまたは複数の突部、突起および/またはねじなど)と結合するのに十分なものとすることができる。
【0061】
図7Aおよび7Bをさらに参照すると、本開示の例示的な実施形態によれば、キャップ20は、例えば、空洞25を封止する剥離シーリングフィルムが除去された後、または剥離シーリングフィルムが貫通されたとき、雌の無針コネクタ80の先端ないしハブ82を空洞28の内側部分32内に受け入れ、コネクタ80のカラー84を空洞28の外側部分34内に、例えば、ねじ込み式で固定することによって、無針コネクタ80の先端ないしハブ82を空洞28の内側部分32内に固定することができる。1つまたは複数のねじ38は、無針コネクタ80のカラー84の嵌合機構86(1つまたは複数の凸部、突起、および/またはねじなど)と結合するのに十分なものとすることができる。
【0062】
図3A~
図7Bの例示的な実施において、突出部30は、切り欠き35によって離間され、基本的に上部壁22の面25から延在する2つの枝部を備えるものとして示されている。しかしながら、本開示の範囲内には、突起部30が、その内面に関して雌コネクタと係合し、また、その外面に関して雄コネクタと係合するように構成される限り、切り欠き35のない単一形態の突出部30を含むキャップや、(長さ、幅、厚さ、または形状などの任意の寸法特性において)任意の数の同一および/または異なる突出部30を有するキャップであってもよい。
【0063】
図3A~
図4Bを参照すると、1つまたは複数の実施形態では、側壁26の外側面は、複数のグリップ部材90を含む。
【0064】
キャップ10は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリラクチド、アクリロニトリルブタジエンスチレン、または医療機器で使用される他の成形可能なプラスチック材料など、いくつかのタイプのプラスチック材料のいずれかで作ることができる。1つまたは複数の実施形態において、キャップ10は、ポリプロピレンまたはポリエチレン材料を含む。
【0065】
本開示実施形態の例示的な実施によれば、キャップ10は、
図3A~
図7Bを参照して上述したものであり、さらに、例えば、ハウジング20の壁22および/または壁26を変形することにより、2017年4月21日に出願された米国特許出願第62/488,266号や2017年6月22日に出願された第62/523,506号に記載された安全機能および構造を実施する外側ハウジングを備えることができる。
【0066】
本開示実施形態のさらに別の例示的な実施によれば、
図3A~
図7Bを参照して上述したキャップ10は、例えば、突出部30の形状および/またはサイズ、および/またはねじ36および/またはねじ38の構成(ピッチ、間隔、厚さ、および/または他の構造的特徴)、および/または面31および/または面33の構成を変更することによって、米国特許出願第15/408,278号および15/408,187号(どちらも2017年1月17日に出願)に記載された種々の通気機能および構造を備えたものとすることができる。
【0067】
本開示の第2の態様は、
図8~
図43に示されるように、ハウジングを含むキャップ、ならびに取り外し可能なインサートおよび吸収性材料に関する。本開示の第2の態様のキャップの分解図は、
図8~
図11に示されるように、ハウジング120を含むキャップ110、ならびに取り外し可能なインサート130および吸収性材料150に関する。
【0068】
図12~
図14に示されるように、ハウジング120は、上部壁122、第1の空洞128を形成する内側面121を有した基本的に円筒形の側壁126(基本的に円筒形とすることができる)、およびハウジング120内の第1の空洞128への開口127を有した円筒形側壁126によって形成される開口底部123を含み、雌の無針コネクタまたは雄の無針コネクタのハブを受け入れることができる。開口部127は、ハウジング120の底部123に配置される。上部壁122の内側面125は、空洞128の上部を形成することができる。
図12~
図14を参照すると、1つまたは複数の実施形態では、側壁126の外側面は、複数のグリップ部材90を含む。
【0069】
図13を参照すると、ハウジング120の開口底部123におけるリム129は、環状側壁126から半径方向外向きに延在する周辺突起129を含むことができる。ハウジング120の開口底部123のリム129の面はまた、剥離可能シール160が固定され得る係合表面を画定する。
【0070】
図12および
図13を参照すると、1つまたは複数の実施形態では、剥離可能シール160は、ハウジング120の開口底部123の係合面上に配置されて、消毒剤または抗菌剤が空洞128から出ないようにしている。キャップ10の空洞128に吸収性材料150が適切に挿入された状態で、剥離可能シール160は、ハウジング20の開口底部123の係合表面に固定することができる。可剥性シール160は、潜在的な危険粒子の侵入を最小限に抑え、キャップ110に実質的に不透過性の囲いとなり、また漏れ防止および保護囲いとなり、空洞128内に含まれる吸収性材料50の内容物を保護し、および/または密封され、殺菌された環境を維持する。剥離可能シール160は、ある範囲の温度、圧力、および湿度レベルで十分な密閉を提供する。
【0071】
1つまたは複数の実施形態では、可剥性シール160は、アルミニウムまたは多層ポリマーフィルムの剥し端部を含む。特定の実施形態では、可剥性シール160は、結合蓋の端面またはキャップ開口端にヒートシールまたは誘導シールされる。1つまたは複数の実施形態では、可剥性シール60は、防湿層を含む。
【0072】
図15~
図19に示されるように、取り外し可能なインサート130は、縁を有する遠位壁132を備えた閉鎖遠位端と、開いた近位端134と、遠位壁132から開いた近位端134に向かって近位方向に延在する側壁と、を含むことができる。遠位壁132を有する分割ねじ突出部の形態の取り外し可能なインサート130は、その分割ねじ突出部が内側面131および外側面133を有する。分割ねじ突出部130の内側面131は、第2の空洞140を画定する。
【0073】
図20~
図24に示すように、内側ねじ136は、分割ねじ突出部130の内側面131に備えることができ、この内側ねじ136は雌の無針コネクタの嵌合特徴部と十分に結合することができる。1つまたは複数の実施形態では、本開示のキャップ110は、例えば、雌ルアーコネクタなどの雌コネクタのねじ部と係合する、サイズおよびピッチを有した内側ねじ36を有する。このようなコネクタは、一般に、また、通常、医療用途のカテーテルやその他の液密保護コネクタとして使用される。いくつかの実施形態では、キャップ110は、雌ルアーコネクタのねじが、キャップ110の内側ねじ136と係合し取り外し可能な接続を形成するときに、雌ルアーコネクタの保護カバーとなる。1つまたは複数の実施形態では、内壁面は、開口端に隣接する内側ねじ136を含む。内側ねじ136は、雌ルアーコネクタに係合するように適合され、そのサイズが定められている。1つまたは複数の実施形態では、キャップ110の開口端に隣接する内側ねじ136は、分割ねじ突出部130の内側面131の長さに沿って部分的に延在する。分割ねじ突出部130の内側面131は、1つまたは複数のギャップ135を含む。1つまたは複数のギャップ135の機能は、雄ルアーコネクタを収容し、それとの係合を容易にすることである。1つまたは複数の実施形態では、分割ねじ突出部130の内側面131上のねじパターンは傾斜したものである。1つまたは複数の実施形態では、分割ねじ突出部130の内側面131のねじパターンはらせん状である。
【0074】
分割ねじ突出部130の外側面133に外側ねじ138を備え、この外側ねじ138は雄の無針コネクタの嵌合特徴部と十分に結合することができる。
【0075】
1つまたは複数の実施形態では、
図15~
図18に示すように、分割ねじ突出部130は、1つまたは複数のそれぞれのギャップ135によって分離された1つまたは複数の片持ち枝部を含み、片持ち枝部の少なくとも1つは曲がるように構成され、これにより、突出部130と雄の無針コネクタまたは雌の無針コネクタの嵌合特徴部との間の締まりばめを容易にすることができる1つまたは複数の実施形態では、キャップ110は、分割ねじ突出部30の1つまたは複数の片持ち枝部の間の1つまたは複数のギャップをまたぐように配置された1つまたは複数のブリッジ部143をさらに含む。
【0076】
取り外し可能なインサート130の側壁は、上部および下部を有する。1つまたは複数の実施形態では、
図15~
図19に示すように、側壁の上部は、遠位壁に向かって外向きに傾き、側壁の下部は円筒形とすることができる。
【0077】
図15~
図18に示すように、より良い剛性を実現すべく、本開示による実施形態では、ブリッジ部分143は、枝部144の少なくとも一部の間に、または任意選択で枝部144のすべての間に配置することができる。ブリッジ部分143は、一般に、枝部144およびハウジング120と同じ材料から形成される。1つまたは複数の実施形態において、枝部144およびブリッジ部143は、一体成形される。ブリッジ部143によって剛性が改善し、これにより、枝部144に構造的一体性を与え、キャップの製造工程中に使用される材料を少なくすることが可能となる。ブリッジ部が実質的に枝部144の遠位端間に配置されると、良好な剛性が達成される。
【0078】
図19は、中心軸Aに沿って、上から見たキャップを示している。上記のように、分割ねじインサート130の側壁は、半径R1を有し、これは、雄または雌のメスコネクタの首要素の半径に実質的に対応する。分割ねじインサート130の側壁は外向きに傾き、分割ねじインサート130の半径R1よりも大きい半径R2まで広がる。半径R2は、分割ねじインサート130の最大半径に実質的に対応し、この点で分割ねじインサート130をハウジング120の内側面に形成された凹部に取り付けるために縁が形成されている。
【0079】
本開示の実施形態の例示的な実施において、突出部130は、例えば、1つまたは複数のギャップないし切り欠き135を有することによって、片持ち式とすることができる。例示的な実施では、片持ち突出部130の少なくとも一部は曲がることができ、これにより、雄コネクタまたは雌コネクタのうちの少なくとも1つなどの継手とのよりよい締まりばめ適合が可能となる。
【0080】
さらに別の例示的な実施では、突出部130は、基本的に上部壁122の内側面125からハウジング120の底部に向かって延在することができる。
【0081】
さらに別の例示的な実施では、突出部130は、基本的に側壁126に平行に延在することができる。
【0082】
さらに別の例示的な実施では、空洞128の内側部分32は、例えば
図33の断面図に示すように、頂部で終わる外側部分134よりも上部壁122の内側面25に向かってキャップ内をさらに延在することができる。
【0083】
さらに別の例示的な実施では、内側ねじ136および/または内側面131の形状は、それぞれ外側ねじ138および/または外側面133の形状と基本的に対応しまたは一致することができる。
【0084】
図15~
図18の例示的な実施では、突出部130は、切り欠き135によって離間され、基本的に上部壁122の面125から延在する2つの枝部を含むものとして示されている。しかしながら、本開示の範囲内では、突出部130が、その内面に関して雌コネクタと係合し、また、その外面に関して雄コネクタと係合するように構成される限り、切り欠き135のない単一形態の突出部30を含むキャップや、(長さ、幅、厚さ、または形状などの任意の寸法特性において)任意の数の同一および/または異なる突出部130を有するキャップであってもよい。
【0085】
図20~
図24は、内側ねじ136および外側ねじ138のねじパターンを示す、分割ねじ突出部130の断面図を示している。
【0086】
図20~
図28に示されるように、分割ねじインサート130の外側側壁上の外側ねじ138は、螺旋パターンで延在している。
【0087】
図24および
図27に示されるように、分割ねじインサート130の内側側壁上の内側ねじ136は、螺旋パターンで延在している。
【0088】
図25~
図28に示されるように、2つ以上の取り外し可能なインサート130は、接続部材139によって共に接合され得る。
【0089】
図29~
図30に示すように、取り外し可能なインサート130は、第1の空洞128内に位置することができる。
図29~
図30に示されるように、空洞128内には、空洞128の内側部分132を画定する内側面131および空洞128の外側部分134を画定する外側面133を有した(基本的に円筒形で側壁126と同軸であり得る)突出部130の形態の分割ねじインサートが配置される。分割ねじインサート130は、突出部130の形態であり、その内側面131に内側ねじ136を含んで雌コネクタに係合し、その外側面133に外側ねじ138を含んで雄コネクタに係合する。
【0090】
図31に示すように、1つまたは複数の実施形態では、分割ねじインサート130およびハウジング120は、超音波溶接または耐溶剤性生体適合性接着剤によって相互に結合することができる。
図31~
図38に示されるように、分割ねじインサート130およびハウジング120はまた、締まりばめまたはスナップばめによって相互に結合することができる。突起部ないしくさび部を分割ねじインサート130の遠位端に配置して、キャップハウジングへのスナップオン接続をすることができる。ハウジング120の上部壁122の内側面125は、インサートの突起部またはくさび部がを挿入することができる凹部を有することができる。
【0091】
分割ねじインサート130の突起部ないしくさび部は、ハウジング120の上部壁122の内側面125の凹部124に一時的または永久的に結合するよう適合されている。分割ねじインサート130のくさび部分がハウジング120の上部壁122の内側面125の凹部124に取り付けられると、凹部は変形して横に押される。分割ねじインサート130のくさび部分が凹部の縁を通過すると、凹部の縁は元の位置に戻ろうとして、分割ねじインサート130の突起またはくさび部を引っ掛け、それによって分割ねじインサート130をハウジング120における所定の位置に保持する。
【0092】
図32に示すように、インサートがキャップ本体に対して回転しないようにするために、ピン30A、スロット30Bなどの突起、または四面体などの他の形状が、ハウジングの上部壁122または側壁126、または取り外し可能なインサート130に存在する一方、この突起を受け入れるために対応する形状が他方に存在する。
【0093】
図33~
図35に示すように、枝部144間のギャップ142を接続するブリッジ部143は、枝部144の曲がる角度を制限し、消毒キャップが雄または雌のコネクタに接続されるときの係合の安全性を向上させることができる。
図33~
図35に示されるように、ブリッジ143の厚みおよび幅は、枝部の特定の材料特性を考慮して見かけの剛性を調整/制御し、所望の変位角を変更するように調整することができる。ブリッジ143の厚さは、ねじの形状を含むかあるいは含まない、枝部144の完全なまたは部分的な断面の厚さとすることができる。
図33に関して、分割ねじインサート130の形状は変化し得る。分割ねじインサート130は、以下に限定されないが、台形、逆台形、凸状内面(例えば放物面)、凹状内面、または直線形状(すなわち、円筒形または半円錐形)を含む様々な形とすることができる。1つまたは複数の実施形態では、分割ねじインサート130の形状および/または分割ねじインサート130の開口部は変化し得る。1つまたは複数の実施形態では、
図33に示すように、分割インサート130の遠位壁と文割インサート130の枝部との間の角度αは、80~100°または85~95°の範囲とすることができ、分割ねじインサート130は、台形、逆台形の形状を含むがこれらに限定されない形状を有することができる。1つまたは複数の実施形態では、
図33に示すように、分割ねじインサート130の遠位壁と枝部の間の角度αは90°である。1つまたは複数の実施形態では、分割ねじインサート130の内径は円筒形である。1つまたは複数の実施形態では、分割ねじインサート130の枝部間の空洞の直径は、分割ねじインサート130の遠位壁から分割ねじインサートの開いた近位端への方向において増大する。1つまたは複数の実施形態では、分割ねじインサート130の枝部間の空洞の直径は、分割ねじインサート130の遠位壁から分割ねじインサートの開いた近位端への方向において減少する。1つまたは複数の実施形態では、分割ねじインサート130の側壁は、遠位壁から開放近位端に向かって外向きに傾いたものである。1つまたは複数の実施形態では、分割ねじインサート130の側壁は、遠位壁から開放近位端に向かって内向きに傾いたものである。
【0094】
図36~
図38に示されるように、枝部144の全長または部分的長さにわたってねじが形成されて、コネクタが空洞内にねじ込まれ得る深さを制御するようにすることができる。これにより、IPAが含浸されたスポンジの圧縮量の制御を容易にし、コネクタへの係合時に用いるIPA量を制御できる。
【0095】
さらに別の例示的な実施では、
図29に示すように、吸収性材料150は、IPA浸漬スポンジおよび/またはスポンジなどの消毒部材として機能する。1つまたは複数の実施形態では、吸収性材料150は、単一の洗浄部材として共に形成される、または複数の洗浄部材として別個に形成される、1つまたは複数のスポンジの形態とすることができ、空洞128内において、例えば、内側部分132の上部壁122の内側面125に近接して、および/または空洞128の外側部分134の上端に向かって備えることができる。
【0096】
キャップ110は、消毒剤または抗菌剤をキャップ110の空洞128に組み込むことにより、ルアーコネクタで使用されるときに消毒を実行することができる。消毒剤または抗菌剤は、チャンバ112に直接含まれるか、または消毒剤または抗菌剤は、キャップ110のチャンバに充填されるスポンジまたは発砲材料に吸収されるようにすることができる。キャップ110は、さまざまな消毒剤との相互作用に対応できるように設計されている。1つまたは複数の実施形態において、消毒剤または抗菌剤は、様々なアルコールまたはクロルヘキシジンを含み得る。1つまたは複数の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、基本的に、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、t-ブチル-ヒドロキノン、クロロキシレノール、クロロヘキシジン、クロルヘキシジンジアセテート、クロロヘキシジングルコネート、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド銀、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。特定の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、グルコン酸クロルヘキシジンおよび二酢酸クロルヘキシジンの少なくとも1つを含む。1つまたは複数の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、流体またはゲルである。
【0097】
雌ルアーコネクタまたは雄ルアーコネクタへの接続時の、ハウジング120の上部壁122に向けた吸収性材料50の圧縮によって、コネクタが消毒剤または抗菌剤と接触し雌ルアーコネクタまたは雄ルアーコネクタを消毒することが可能となる。
【0098】
例示的な実施では、例えば上記先行出願に記載のように、例えばハウジング120の開口底部123の縁129の面に取り付けることにより、キャップ110の使用前に開口部127を封止するための剥離シール160を設けることができる。
【0099】
図29~
図30を参照すると、本開示の例示的な実施形態によれば、キャップ110は、例えば、剥離シール160が除去された後、または剥離シールが穿孔されたときに、空洞128の内側部分132内に、雌の無針コネクタの先端ないしハブを受け入れ、空洞128の内側部分132内に無針コネクタの先端を(例えば、ねじによって)固定することができる。1つまたは複数のねじ136は、無針コネクタのハブないし先端の嵌合機構(1つまたは複数の凸部、突起、および/またはねじなど)と結合するのに十分なものとすることができる。
【0100】
本開示の例示的な実施形態によれば、キャップ110は、例えば、剥離シール150が除去された後、または、剥離シーリングフィルムが穿孔されたときに、空洞128の内側部分132内に雄の無針コネクタの先端ないしハブを受け入れ、空洞128の外側部分内にコネクタのカラーを(例えば、ねじによって)固定することにより、空洞128の内側部分に無針コネクタの先端ないしハブを固定することができる。1つまたは複数のねじ138は、無針コネクタ180のカラー184の嵌合機構186(1つまたは複数の凸部、突起、および/またはねじなど)と結合するのに十分なものとすることができる。
【0101】
キャップ110は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリラクチド、アクリロニトリルブタジエンスチレン、または医療機器で使用される他の成形可能なプラスチック材料など、いくつかのタイプのプラスチック材料のいずれかで作ることができる。1つまたは複数の実施形態において、キャップ110は、ポリプロピレンまたはポリエチレン材料を含む。
【0102】
1つまたは複数の実施形態では、雌コネクタは、基本的に、無針コネクタ、カテーテルルアーコネクタ、ストップコック、および血液透析コネクタからなる群から選択することができる。1つまたは複数の実施形態では、無針コネクタは、Qスタいるコネクタ、マックスプラス、マックスプラスクリア、マックスゼロ、ウルトラサイト、ケアサイト、インビジョンプラス、セーフライン、ワンリンク、Vリンク、クリアリンク、ニュートラクリア、クラベ、マイクロクラベ、マイクロクラベクリア、ニュートロン、ナノクリア、ケンダル、ネクサス、インビジョン、バドサイト、バイオネクタなどから選択される。
【0103】
1つまたは複数の実施形態では、雄コネクタは、静脈内チューブ端、ストップコックまたは雄ロックルアーとすることができる。
【0104】
本開示の第3の態様は、
図43~
図50に示すように、ハウジング220、取り外し可能なインサート230、吸収性材料250、消毒剤または抗菌剤、および隔壁262を含むキャップ210に関する。
【0105】
1つまたは複数の実施形態では、ハウジング、取り外し可能なインサート、吸収性材料、消毒剤または抗菌剤の実施形態は、本開示の第2の態様について上述したものと同じものとすることができる。
【0106】
1つまたは複数の実施形態では、
図44~
図46に示すように、ハウジング220は、上部壁222、第1の空洞228を形成する基本的に円筒形の側壁226、および雌の無針コネクタまたは雄の無針コネクタのハブを受け入れるための、ハウジング222内の第1の空洞228に対する開口部を有した、円筒形側壁226によって形成された開口底部223を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、取り外し可能なインサート230は、第1の空洞228内に配置することができる。1つまたは複数の実施形態では、取り外し可能なインサート230は、遠位壁を有した閉鎖遠位端と、開いた近位端と、遠位壁から開いた近位端に向かって近位方向に延びる側壁と、を含む。1つまたは複数の実施形態では、側壁は、遠位壁と一体的に形成された分割ねじ突出部を含むことができ、分割ねじ突出部は、内側面231および外側面233を有する。1つまたは複数の実施形態では、分割ねじ突出部の内側面231は、第2の空洞240を画定する。1つまたは複数の実施形態では、分割ねじ突出部の内側面231に内側ねじ236を備え、この内側ねじ236は雌の無針コネクタの嵌合特徴部と十分に結合することができる。1つまたは複数の実施形態では、分割ねじ突出部230の外側面233に外側ねじ238を備え、この外側ねじ238は雄の無針コネクタの嵌合特徴部と十分に結合することができる。
【0107】
1つまたは複数の実施形態では、
図43に示すように、分割ねじ突出部230は、1つまたは複数のそれぞれのギャップ235によって分離された1つまたは複数の片持ち枝部を含む。1つまたは複数の実施形態では、少なくとも1つの枝部を曲げることができ、これにより、突出部と、雄の無針コネクタまたは雌の無針コネクタの嵌合特徴部と、の間の締まりばめを容易にすることができる。
【0108】
|1つまたは複数の実施形態では、キャップ210は、分割ねじ突出部の1つまたは複数の片持ち枝部間の1つまたは複数のギャップ235をまたぐように配置された1つまたは複数のブリッジ部243をさらに含む。
【0109】
1つまたは複数の実施形態では、インサート230の側壁は上部および下部を有する。1つまたは複数の実施形態では、側壁の上部は、遠位壁に向かって外向きに傾き、側壁の下部は円筒形とすることができる。
【0110】
図43~
図50を参照すると、本開示の例示的な実施形態によれば、キャップ210は、内面225を備えた上部壁222と、内側面221を備えた側壁226(本質的に円筒形とすることができる)と、空洞228の開口部227と、を含むハウジング220を備える。開口部227は、ハウジング220の底部223に配置される。上部壁222の内面225は、空洞228の上部を形成することができる。空洞228内に配置されているのは、空洞228の内側部分232を画定する内側面231と、空洞228の外側部分234を画定する外側面233とを有する突出部30(基本的に円筒形で側壁226と同軸であり得る)である。突出部230は、雌コネクタに係合するためのその内面231上の内ねじ236と、雄コネクタに係合するためのその外面233上の外ねじ238とを含む。
【0111】
例示的な実施では、
図46に示すように、剥離シール260は、フィルムの形態とすることができ、例えば、上記で参照された先行出願に記載されているように、例えば、ハウジング220の開口底部223の縁229の面へ取り付けることによって、キャップ210の使用前に開口部227を封止するために提供され得る。
【0112】
ハウジング220の開口底部223の縁229は、端面を規定する開口底部223で環状の側壁226から半径方向外向きに延びる周辺突起を備えてもよい。ハウジング220の開口底部223のリム229の面はまた、剥離可能シール260が固定され得る係合面を画定する。
【0113】
図46を参照すると、1つまたは複数の実施形態では、剥離可能シール260は、消毒剤または抗菌剤が空洞228から出るのを防ぐために、ハウジング220の開口底部223の係合面に配置される。キャップ210の空洞228に吸収性材料250が適切に挿入された状態で、剥離可能シール260は、ハウジング220の開口底部123の係合面に固定することができる。可剥性シール260は、潜在的な危険粒子の侵入を最小限に抑え、キャップ210に実質的に不透過性の囲いとなり、また漏れ防止および保護囲いとなり、空洞228内に含まれる吸収性材料250の内容物を保護し、および/または密封され、殺菌された環境を維持する。剥離可能シール260は、ある範囲の温度、圧力、および湿度レベルで十分な密閉を提供する。1つまたは複数の実施形態では、剥離可能シール260は、アルミニウムまたは多層ポリマーフィルムの剥し端部を含む。特定の実施形態では、剥離可能シール260は、結合蓋の端面またはキャップ開口端にヒートシールまたは誘導シールされる。1つまたは複数の実施形態では、剥離可能シール260は、防湿層を含む。
【0114】
さらに別の例示的な実施では、吸収性材料250は、例えば、本開示の第2の態様で説明したように、空洞228内の、例えば、内側部分232の上部壁222の内面225の近く、および/または空洞228の外側部分234の上部239に向かって、備えられるIPA浸漬スポンジの形態の消毒部材である。
【0115】
キャップ210は、消毒剤または抗菌剤をキャップ210の空洞228に組み込むことにより、ルアーコネクタで使用されるときに消毒を実行することができる。消毒剤または抗菌剤は、チャンバ212に直接含まれるか、または消毒剤または抗菌剤は、キャップ210のチャンバに充填されるスポンジまたは発砲材料に吸収されるようにすることができる。キャップ210は、さまざまな消毒剤との相互作用に対応できるように設計されている。1つまたは複数の実施形態において、消毒剤または抗菌剤は、様々なアルコールまたはクロルヘキシジンを含み得る。1つまたは複数の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、基本的に、イソプロピルアルコール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、t-ブチル-ヒドロキノン、クロロキシレノール、クロロヘキシジン、クロルヘキシジンジアセテート、クロロヘキシジングルコネート、ポビドンヨード、アルコール、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド銀、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質、およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。特定の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、グルコン酸クロルヘキシジンおよび二酢酸クロルヘキシジンの少なくとも1つを含む。1つまたは複数の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、流体またはゲルである。
【0116】
雌ルアーコネクタまたは雄ルアーコネクタへの接続時の、ハウジング220の上部壁222に向けた吸収性材料250の圧縮によって、コネクタが消毒剤または抗菌剤と接触し雌ルアーコネクタまたは雄ルアーコネクタを消毒することが可能となる。
【0117】
本開示の実施形態の例示的な実施において、突出部230は、例えば、1つまたは複数のギャップないし切り欠き235を有することによって、片持ち式とすることができる。例示的な実施では、片持ち突出部230の少なくとも一部は曲がることができ、これにより、雄コネクタまたは雌コネクタのうちの少なくとも1つなどの継手とのよりよい締まりばめ適合が可能となる。
【0118】
さらに別の例示的な実施では、突出部230は、基本的に上部壁222の内面225からハウジング220の底部に向かって延在する。
【0119】
さらに別の例示的な実施では、突出部230は、基本的に側壁226に平行に延在することができる。さらに別の例示的な実施形態では、空洞228の内側部分232は、頂部239で終端する外側部分234よりさらに上部壁222の内面225に向かってキャップ内にさらに延びることができる。さらに別の例示的な実施では、内側ねじ236および/または内側面231の形状は、それぞれ外側ねじ238および/または外側面233の形状と基本的に対応しまたは一致することができる。
【0120】
図48を参照すると、本開示の例示的な実施形態によれば、キャップ220は、例えば、剥離シールフィルムによる空洞228の封止が除去された後、または剥離シールフィルムが突き刺されたときに、雌の無針コネクタ270の先端ないしハブ272を、空洞228の内側部分232内に受け入れ、空洞228の内側部分232内に無針コネクタ270の先端を(例えば、ねじで)固定することができる。1つまたは複数のねじ山236は、例えば、2017年1月17日に出願された、関連する米国特許出願第15/408,278号および第15/408,187号に記載されているように、無針コネクタ270のハブないし先端272の嵌合機構274(1つまたは複数の突部、突起および/またはねじなど)と結合するのに十分なものとすることができる。
【0121】
図47~
図48をさらに参照すると、本開示の例示的な実施形態によれば、キャップ220は、例えば、剥離シールフィルムによる空洞228の封止が除去された後、または剥離シーリングフィルム貫かれたときに、雄の無針コネクタ280の先端またはハブ282を空洞228の外側部分234内に受け入れ、空洞228の外側部分234内にコネクタ280のカラー284を(例えば、ねじによって)固定することにより、無針コネクタ280の先端ないしハブ282を空洞228の内側部分232内に固定することができる。1つまたは複数のねじ238は、無針コネクタ280のカラー284の嵌合機構286(1つまたは複数の凸部、突起、および/またはねじなど)と結合するのに十分なものとすることができる。
【0122】
図43の例示的な実施態様では、突出部230は、切り欠きないしギャップ235によって離間され、本質的に上部壁222の面225から延びる2つの枝部を含むものとして示されている。しかしながら、本開示の範囲内では、突出部230が、その内面に関して雌コネクタと係合し、また、その外面に関して雄コネクタと係合するように構成される限りにおいて、切り欠き135のない単一形態の突出部30を含むキャップや、(長さ、幅、厚み、または形状などの任意の寸法特性において)任意の数の同一および/または異なる突出部230を有するキャップであってもよい。
【0123】
図44~
図46を参照すると、1つまたは複数の実施形態では、側壁226の外側面は、複数のグリップ部材290を含む。
【0124】
キャップ210は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリラクチド、アクリロニトリルブタジエンスチレン、または医療機器で使用される他の成形可能なプラスチック材料など、いくつかのタイプのプラスチック材料のいずれかで作ることができる。1つまたは複数の実施形態において、キャップ210は、ポリプロピレンまたはポリエチレン材料を含む。
【0125】
1つまたは複数の実施形態では、雌の無針コネクタのハブが第2の空洞(40、140、240)の内側面内に受け入れられるとき、ハブは、内側ねじの少なくとも一部を、雌の無針コネクタのハブ上の嵌合機構と連結することによって、第2の空洞(40、140、240)の内側面内に固定される。1つまたは複数の実施形態では、雄の無針コネクタのハブが第2の空洞(40、140、240)の内側面内に受け入れられるとき、ハブは、突出部の外面上の外側ねじの少なくとも一部を、カラーが第2の空洞(40、140、240)の外側部分内に受け入れられるときの、雄の無針コネクタのカラー上の嵌合特徴部と結合することによって第1の空洞内に固定される。
【0126】
1つまたは複数の実施形態では、第2の空洞(40、140、240)の内側部分は、第2の空洞(40、140、240)の外側部分よりも上壁に向かってハウジング内にさらに延びることができる。1つまたは複数の実施形態では、内側ねじの形状は、外側ねじの形状と基本的に並行であるか、または一致するものとすることができる。
【0127】
1つまたは複数の実施形態では、内側ねじおよび外側ねじは、斜めのねじパターンを含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、内側ねじおよび外側ねじは、らせん形状のねじパターンを含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、内側ねじまたは外側ねじは、ねじパターンに1つまたは複数のギャップを含むことができる。
【0128】
1つまたは複数の実施形態では、突出部の内側面は、突出部の外側面と基本的に平行とすることができる。
【0129】
1つまたは複数の実施形態では、少なくとも1つの消毒スポンジが第2の空洞(40、140、240)内に構成される。
【0130】
1つまたは複数の実施形態では、キャップは、第2の空洞の開口を封止する取り外し可能なカバーを含み、これによってキャップの使用前に第2の空洞内に消毒スポンジを密閉することができる。
【0131】
1つまたは複数の実施形態では、吸収性材料250は、第2の空洞240内に構成することができる。
図49および
図50に示されるように、吸収性材料250の上面は、対応する雄または雌の医療用コネクタの先端の上に配置されると、医療用コネクタの先端を収容するように輪郭が付けられたくぼみのある開口を有する。1つまたは複数の実施形態では、消毒剤または抗菌剤は、雌の無針コネクタまたは雄の無針コネクタが第2の空洞240に挿入されるとき、雌の無針コネクタまたは雄の無針コネクタの外側面および内側面を消毒する。1つまたは複数の実施形態では、
図43に示すように、隔壁262は、吸収性材料250の上面のくぼみのある開口に隣接するインサートの開いた底に取り付けることができ、それにより、キャップ210を使用する前の第2の空洞240内に殺菌剤または抗菌剤を維持するための密閉を形成することができる。1つまたは複数の実施形態では、吸収性材料250は、発泡体またはスポンジとすることができる。一実施形態では、発泡体はポリウレタン発泡体とすることができる。1つまたは複数の実施形態では、吸収性材料250はスリットを含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、ハウジングの上部壁に向かう方向の吸収性材料250の圧縮は、雌の無針コネクタに対する接続時に生じ、それにより、吸収性材料の圧縮が、雌の無針コネクタを消毒することになる。1つまたは複数の実施形態では、吸収性材料250は、第2の空洞内に吸収性材料を保持するように、分割ねじ突出部の内側面の内側ねじによって半径方向圧縮を受けるようにすることができる。1つまたは複数の実施形態では、吸収性材料250は、消毒キャップ210が適用されたときにIVルアーコネクタの流路開口部を密封するのに有効な表面粗さおよび形状特徴を有する独立気泡フォームスポンジである。消毒キャップが適用されたときにコネクタを密閉することは、次の理由で、消毒キャップ210にとって特に利点がある。1)吸収性材料の密閉効果および/または隔壁によって、消毒液の量がIVルアーコネクタの流路開口部に侵入するのを制限する;2)吸収性材料の密閉効果および/または隔壁によって、静脈ラインのクランプまたはバルブが不注意で開いたままとなった場合に、消毒キャップがルアーコネクタに適用されると、ルアーコネクタおよびそれが取り付けられているIVラインからの液体の漏れ量を制限することができる。
【0132】
1つまたは複数の実施形態では、雌コネクタは、基本的に、無針コネクタ、カテーテルルアーコネクタ、ストップコック、および血液透析コネクタからなる群から選択することができる。1つまたは複数の実施形態では、無針コネクタは、Qスタイルコネクタ、マックスプラス、マックスプラスクリア、マックスゼロ、ウルトラサイト、ケアサイト、インビジョンプラス、セーフライン、ワンリンク、Vリンク、クリアリンク、ニュートラクリア、クラベ、マイクロクラベ、マイクロクラベクリア、ニュートロン、ナノクリア、ケンダル、ネクサス、インビジョン、バドサイト、バイオネクタなどから選択される。
【0133】
1つまたは複数の実施形態では、雄コネクタは、静脈内チューブ端、ストップコックまたは雄ロックルアーとすることができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、コネクタは、無針注入ポート、ハブ、バルブまたはデバイス、あるいは無針アクセス部位、ポート、ハブ、バルブまたはデバイスと称されることがある無針注入部位を備え、例えば、Clave(登録商標)(ICU Medical, Inc.から入手可能)、SmartSite(登録商標)(Cardinal health, INC.から入手可能)、Q-SyteTM(Becton, Dickinson, and Companyから入手可能)などの商標が含まれる。いくつかの実施形態では、キャップは、先に挙げたものなど、様々な異なる無針注射部位のいずれかに接続することができる。1つまたは複数の実施形態では、キャップがコネクタに結合された後、キャップと結合している間コネクタは汚染されていない状態に保たれるので、コネクタを別のコネクタに再接続する前に、コネクタを消毒する(例えば、アルコール綿で処理する)必要がない。キャップの使用は、コネクタのクリーニング用の標準的なふき取り手順に代わることができる。
【0135】
本開示の第4の態様は、医療用コネクタを消毒する方法に関する。本開示の方法は、1つまたは複数の実施形態のキャップを医療用コネクタに接続することを含み、その接続は、医療用コネクタをキャップに挿入するとき、医療用コネクタのねじをキャップの第2の空洞の内側面または外側面のねじに係合させ、医療用コネクタが、吸収性材料および消毒剤にまたは抗菌剤に接触するようにすることを含む。
【0136】
本開示の例示的なキャップ(10、110、210)は、コネクタの連続的な消毒が可能であり、微生物剤の進入を最小限に抑えることができる。
【0137】
現在市販されている消毒キャップは、3つのタイプのルアーフィッティングの1つ、つまり無針コネクタの雌のルアーコネクタ、ストップコックの雌のルアーコネクタ、および静脈内注射部位の雄のルアーコネクタの1つだけみを消毒することができるものである。したがって、さまざまなタイプの消毒キャップを使用してさまざまなタイプのコネクタを洗浄する必要がないようにするために、例示的なキャップ(10、110、210)は、雄のルアーコネクタと、雌のルアーコネクタとも係合し、それによって、ユーザーがさまざまなタイプのコネクタを単一のデバイスによって消毒することを可能にする。例示的なキャップ(10、110、210)を雌のルアーコネクタに取り付けると、雌ルアーコネクタは第2の空洞(40、140、240)に挿入され、例示的なキャップ(10、110、210)の内側ネジ(36、136、236)にねじ込まれる。キャップを雄ルアーコネクタに取り付けると、雄ルアーコネクタは第2の空洞(40、140、240)に挿入され、例示的なキャップ(10、110、210)の外側ねじ(38、138、238)にねじ込まれる。例示的なキャップ(10、110、210)の第2の空洞(40、140、240)に雌ルアーコネクタを挿入した後、吸収性材料(50、150、250)および消毒剤または抗菌剤は雌ルアーコネクタに接触する。吸収性材料(50、150、250)と消毒剤または抗菌剤は、例示的なキャップ(10、110、210)の第2の空洞(40、140、240)にコネクタが挿入された後、雄ルアーコネクタ、雌ルアーコネクタ、および血液透析コネクタに接触する。
【0138】
したがって、本開示のデバイスは、雄および雌の両方のルアーコネクタに取り付けることができ、それによって、当技術分野における現在の要求を満たす。
【0139】
本開示の第5の態様は、アセンブリに関する。アセンブリは、医療用コネクタに接続された1つまたは複数の実施形態のキャップを備える。1つまたは複数の実施形態では、医療用コネクタは、雄のルアーコネクタ、雌のルアーコネクタ、および無針コネクタから選択される。
【0140】
本開示は、その特定の例示的な実施形態を参照して示され説明されてきたが、形態および詳細の様々な変更が、本開示の実施形態の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることが当業者によって理解される。例えば、消毒スポンジは、任意の適切な消毒または他の用途固有の物質を含み得、任意の適切な材料で作製され得る。また、キャップの内側および/または外側ハウジングは、単発成形することができ、または他の適切なプロセスによって作製することができる。さらに、上述し、図面に示した本開示の実施形態の例示的な実施の特徴または要素は、本開示の実施形態の精神および範囲から逸脱することなく当業者が容易に理解できるように、個別にまたは任意の組み合わせで実施することができる。
【0141】
さらに、含まれる図面は、本開示の特定の例示的な実施形態の実施の非限定的な例をさらに説明すし、それに関連する技術の説明に役立つものである。上記の図面などで示される特定のまたは相対的な寸法または測定は例示であり、発明の関連分野の当業者によって理解されるような発明の設計または方法の範囲または内容を限定することを意図したものではない。
【0142】
本開示の他の目的、利点、および顕著な特徴は、添付の図面と併せて、本開示の例示的な実施形態を開示する、提供される詳細から当業者に明らかになるであろう。
【0143】
本明細書全体における「一実施形態」、「ある特定の実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」または「ある実施形態」に対する言及は、実施形態に関連して記載されている特定の特色、構造、材料、または特徴が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、「1つまたは複数の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「1つの実施形態では」または「実施形態では」などの語句が本明細書全体の様々な場所に出現しても、必ずしも開示の同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、特定の外観、構造、材料、または特徴は、1つまたは複数の実施形態において任意の好適な様式で組み合わせてもよい。
【0144】
本開示は特定の実施形態を参照して記載されているが、これらの実施形態は本開示の原理及び応用の例示に過ぎないことが理解されるべきである。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変形を本発明の方法および装置に対して行うことができることは、当業者には明らかであろう。従って、本開示には、添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内での変更及び変形が含まれることが意図されている。