(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20240115BHJP
F25B 41/34 20210101ALI20240115BHJP
【FI】
F16K31/04 K
F25B41/34
(21)【出願番号】P 2020551536
(86)(22)【出願日】2019-08-21
(86)【国際出願番号】 CN2019101670
(87)【国際公開番号】W WO2020038380
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2020-12-04
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】201821359288.1
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】▲ザン▼ 少軍
(72)【発明者】
【氏名】単 宇寛
(72)【発明者】
【氏名】▲ザン▼ 銭勇
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】八木 敬太
【審判官】関口 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-180744(JP,A)
【文献】特開2006-316835(JP,A)
【文献】特開2011-21749(JP,A)
【文献】特開平9-292047(JP,A)
【文献】中国実用新案第207470790(CN,U)
【文献】実開昭57-89062(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K31/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁座組立体(10)と、前記弁座組立体(10)内に取り付けられる弁コア組立体(20)と、を含む電子膨張弁
システムにおいて、
前記弁座組立体(10)は、一端が開口して設置される弁室(11a)を有する弁座(11)、前記弁座(11)の他端に取り付けられる弁座コア(12)、及び弁座(11)に取り付けられ
るガイドスリーブ(13)を含み、
前記弁
座コア(12)には、前記ガイドスリーブ(13)に近接する一端が周方向に外向きに傾斜して設置される流量調節面(121a)を有する導通部(121)が貫通して開設されており、
前記弁コア組立体(20)は、前記ガイドスリーブ(13)内に摺動可能に取り付けられ、前記弁座コア(12)に係合される一端がシール面(21a)を有し、前記弁座コア(12)に近接/離間して運動するように駆動されて、前記流量調節面(121a)と前記シール面(21a)との隙間を調節し、冷媒の流量を制御する弁ヘッド(21)を含み、
前記流量調節面(121a)を形成するガイドポート(123)の開口角度をα、前記導通部(121)の孔径をAとし、前記開口角度αと前記孔径Aから得られる流量曲線に基づき
、前記開口角度α及び前記孔径Aのうち少なくとも1つが異なることによって異なる流量曲線を獲得することができる
複数の弁座コアを含んでいて、当該複数の弁座コアのうちの一の弁座コアを別の弁座コアに交換可能であり、別の弁座コアに交換することにより当該弁座コア(12)と前記弁ヘッド(21)のシール面(21a)との隙間を調節することが可能
に構成されていて、
前記弁座コア(12)の前記ガイドスリーブ(13)に近接する一端には、径方向に沿って当接部(122)が形成されており、前記弁座(11)には、前記弁室(11a)に連通される取付孔(111)が開設されており、前記弁座コア(12)の一端が前記取付孔(111)内に穿設されることにより、前記当接部(122)が前記弁座(11)に当接され、
前記ガイドポート(123)は、前記当接部(122)よりも前記ガイドスリーブ(13)に向けて突出していて、
前記弁ヘッド(21)の前記シール面(21a)の最外径が前記ガイドポート(123)の最外径よりも小さい、電子膨張弁
システム。
【請求項2】
前記導通部(121)の前記ガイドスリーブ(13)に近接する一端は、開口の口径が前記弁座コア(12)の前記ガイドスリーブ(13)に向かう方向に沿って徐々に増大し、前記ガイドポート(123)は、内壁が外向きに傾斜して設置される前記流量調節面(121a)を形成する、請求項1に記載の電子膨張弁
システム。
【請求項3】
前記孔径Aを前記開口角度αの増大に伴って増大
させた前記弁座コアを含むことにより、異なる流量曲線を実現する、請求項1に記載の電子膨張弁
システム。
【請求項4】
前記孔径Aを変えずに、前記開口角度αだけを調整
した前記弁座コアを含むことにより、異なる流量曲線を実現する、請求項1に記載の電子膨張弁
システム。
【請求項5】
前記弁コア組立体(20)は、一端が、前記弁ヘッド(21)に開設された接続
孔内に取り付けられるスクリューロッド(23)、及び前記スクリューロッド(23)に嵌め合わされ、一端がスクリューロッド(23)に当接され、他端が前記接続
孔内に収容されるスプリング(25)を更に含む、請求項1に記載の電子膨張弁
システム。
【請求項6】
前記接続
孔の内壁には内向きに突出したフランジ(27)を有し、前記スクリューロッド(23)にはワッシャ(24)が設けられ、スプリング(25)の一端がワッシャ(24)に当接され、他端がフランジ(27)に当接される、請求項5に記載の電子膨張弁
システム。
【請求項7】
前記弁コア組立体(20)は、前記接続
孔内に収容され、且つ前記フランジ(27)に係合されてストッパを形成することができ、前記スクリューロッド(23)の一端が、前記フランジ(27)に穿設されて接続されるストッパスリーブ(26)を更に含む、請求項
6に記載の電子膨張弁
システム。
【請求項8】
前記ワッシャ(24)及び前記スプリング(25)は前記フランジ(27)の一側に位置し、前記ストッパスリーブ(26)は前記フランジ(27)の他側に位置し、前記ストッパスリーブ(26)の外径は前記フランジ(27)の内径よりも大きい、請求項
7に記載の電子膨張弁
システム。
【請求項9】
前記弁コア組立体(20)は、前記弁ヘッド(21)の外壁と前記ガイドスリーブ(13)の内壁との隙間をシールするために、前記弁ヘッド(21)の外壁に嵌め合わされるシールリング(22)を更に含む、請求項
5に記載の電子膨張弁
システム。
【請求項10】
前記弁座(11)の前記弁座コア(12)から離れた一端に取り付けられ、前記スクリューロッド(23)の前記弁座コア(12)から離れた一端が穿設され、ねじ接続され
るナット組立体(30)及び前記ナット組立体(30)が接続されるロータ(40)を更に含む、請求項
5に記載の電子膨張弁
システム。
【請求項11】
前記ナット組立体(30)は、ナット座(31)、及び環状をなし、内周縁が前記ナット座(31)に接続され、外周縁が前記ガイドスリーブ(13)の一端に接続される固定片(32)を含む、請求項
10に記載の電子膨張弁
システム。
【請求項12】
一端が前記ガイドスリーブ(13)に取り付けられ、且つ前記ナット組立体(30)及び前記ロータ(40)が中に収容されるスリーブ(50)を更に含む、請求項
10に記載の電子膨張弁
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001] 本出願は、2018年8月21日に出願され、出願番号が201821359288.1であり、名称が「電子膨張弁」である中国特許出願の優先権を主張し、その全文が参照としてここに組み込まれる。
【0002】
[002] 本出願は、空調冷凍設備の技術分野に関し、特に電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
[003] 電子膨張弁は、空調冷凍システムの重要な部材であり、主に絞り減圧及び流量調節の機能を持つ。一般的な電子膨張弁の流量調節は、主に弁ヘッド部材の流量調節面と弁座コアの口径によって共同で決められる。そのため、流量需要の異なる製品は、仕様の異なる弁ヘッド部材と弁座コアを別々に生産する必要があり、部材の汎用性が悪く、生産コストが高く、生産組立効率の向上にも不利である。
【0004】
[004] これに基づき、上述の技術的問題に対して、構造が簡単で、組み立てが容易で、弁ヘッド部材の汎用性が高く、弁ヘッド部材は仕様の異なる弁座コアと組み合わせることができ、異なる流量調節効果を果たし、生産コストが低く、組立効率が高く、且つ広範な応用の可能性を持つ電子膨張弁を提供する必要がある。
【0005】
[005] 弁座組立体と、弁座組立体内に取り付けられる弁コア組立体と、を含む電子膨張弁において、
[006] 弁座組立体は、一端が開口して設置される弁室を有する弁座、弁座の他端に取り付けられる、及び弁座に取り付けられるガイドスリーブを含み、
[007] 弁座コアには、ガイドスリーブに近接する一端が周方向に外向きに傾斜して設置される流量調節面を有する導通部が貫通して開設されており、
[008] 弁コア組立体は、ガイドスリーブ内に摺動可能に取り付けられ、弁座コアに係合される一端がシール面を有し、弁座コアに近接/離間して運動するように駆動されて、流量調節面とシール面との隙間を調節し、冷媒の流量を制御する弁ヘッドを含む。
【0006】
[009] 一実施例において、導通部のガイドスリーブに近接する一端は、開口の口径が弁座コアのガイドスリーブに向かう方向に沿って徐々に増大し、内壁が外向きに傾斜して設置される流量調節面を形成するガイドポートを有する。
【0007】
[010] 一実施例において、ガイドポートの開口角度をα、導通部の孔径をAとし、Aはαの増大に伴って増大する。
【0008】
[011] 一実施例において、弁座コアのガイドスリーブに近接する一端には、径方向に沿って当接部が形成されており、弁座には、弁室に連通される取付孔が開設されており、弁座コアの一端が取付孔内に穿設されることにより、当接部が弁座に当接される。
【0009】
[012] 一実施例において、弁コア組立体は、一端が、弁ヘッドに開設された接続孔内に取り付けられるスクリューロッド、及びスクリューロッドに嵌め合わされ、一端がスクリューロッドに当接され、他端が接続孔内に収容されるスプリングを更に含む。
【0010】
[013] 一実施例において、接続孔の内壁には内向きに突出したフランジを有し、スクリューロッドにはワッシャが設けられ、スプリングの一端がワッシャに当接され、他端がフランジに当接される。
【0011】
[014] 一実施例において、弁コア組立体は、接続孔内に収容され、且つフランジに係合されてストッパを形成することができ、スクリューロッドの一端が、フランジに穿設されて接続されるストッパスリーブを更に含む。
【0012】
[015] 一実施例において、ワッシャ及びスプリングはフランジの一側に位置し、ストッパスリーブはフランジの他側に位置し、ストッパスリーブの外径はフランジの内径よりも大きい。
【0013】
[016] 一実施例において、弁コア組立体は、弁ヘッドの外壁とガイドスリーブの内壁との隙間をシールするために、弁ヘッドの外壁に嵌め合わされるシールリングを更に含む。
【0014】
[017] 一実施例において、電子膨張弁は、弁座の弁座コアから離れた一端に取り付けられ、スクリューロッドの弁座コアから離れた一端が穿設され、ねじ接続されるナット組立体、及びナット組立体が接続されるロータを更に含む。
【0015】
[018] ナット組立体は、ナット座、及び環状をなし、内周縁がナット座に接続され、外周縁がガイドスリーブの一端に接続される固定片を含む。
【0016】
[019] 電子膨張弁は、一端がガイドスリーブに取り付けられ、且つナット組立体及びロータが中に収容されるスリーブを更に含む。
【0017】
[020] 本出願のメリットは以下のとおりである。
【0018】
[021] 電子膨張弁は、流量調節面が弁座コアに設置され、即ち、弁座コアは導通部と流量調節面とを一体に集中させることで、使用環境が異なる状況であっても、弁座コアという1つの部材を取り替えるだけで済み、これにより弁ヘッド上のシール面と弁座コア上の流量調節面との隙間が調節され、異なる流量曲線の調節を実現でき、汎用性が良く、生産及び加工のコストが低いだけでなく、広範な応用の可能性を持っている。次に、弁ヘッドとガイドスリーブとは独立して、即ち弁ヘッドとガイドスリーブとは分離式に設置することができ、弁コア組立体の汎用性を高め、且つ弁コア組立体は単独で回収することができ、より効果的に生産コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】[022]本出願で提供される電子膨張弁の断面概念図である。
【
図2】[023]本出願で提供される電子膨張弁の部分断面概念図である。
【
図3】[024]本出願で提供される
図2に示す電子膨張弁の斜視断面図である。
【
図4】[025]本出願で提供される
図3に示す電子膨張弁における弁座コアの断面概念図である。
【
図5】[026]本出願で提供される
図3に示す電子膨張弁における弁座コアの斜視断面図である。
【
図6】[027]本出願で提供される
図5に示す電子膨張弁における弁コア組立体の斜視断面図である。
【0020】
[028] 図中、100は電子膨張弁、10は弁座組立体、11は弁座、11aは弁室、111は取付孔、12は弁座コア、121は導通部、121aは流量調節面、122は当接部、123はガイドポート、13はガイドスリーブ、14は第1の配管、15は第2の配管、20は弁コア組立体、21は弁ヘッド、21aはシール面、22はシールリング、23はスクリューロッド、24はワッシャ、25はスプリング、26はストッパスリーブ、27はフランジ、30はナット組立体、31はナット座、32は固定片、40はロータ、50はスリーブを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[029] 以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術的態様について明確且つ完全に説明するが、説明された実施例は単に本出願の一部の実施例であり、全ての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で獲得したすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護の範囲に属する。
【0022】
[030] また、組立体が他の組立体に「取り付けられる」と言われる場合、他の組立体の上に直接置かれていてもよく、又は間に置かれている組立体が存在してもよい。組立体が他の組立体に「設置される」とみなされる場合、他の組立体の上に直接置かれていてもよく、又は間に置かれている組立体が同時に存在してもよい。組立体が他の組立体に「固定される」とみなされる場合、他の組立体の上に直接固定されていてもよく、又は間に置かれている組立体が同時に存在してもよい。
【0023】
[031] 特に定義しない限り、本文で使用される全ての技術や科学用語は、本出願に属する技術分野の当業者が一般的に理解している意味と同じである。本文中、本出願の明細書で使用される用語は単に具体的な実施例を説明することを目的とし、本出願を制限するものではない。本文で使用される「及び/又は」という用語は、関連するリストの任意及び全ての組み合わせを1つ又は複数含む。
【0024】
[032]
図1から
図3に示すように、本出願の好ましい実施態様における電子膨張弁100は、冷媒への絞り、減圧及び冷媒の流量の調節のための、空調システムに応用することができる。
【0025】
[033] 具体的には、電子膨張弁100は、弁座組立体10と、弁座組立体10内に取り付けられる弁コア組立体20と、を含む。
【0026】
[034] 弁座組立体10は、一端が開口して設置される弁室11aを有する弁座11、弁座11の他端に取り付けられ、且つ一部が弁室11a内に収容される弁座コア12、及び弁室11a内に収容され、且つ開口の縁部に当接され、弁座11に取り付けられることを実現するガイドスリーブ13を含む。
【0027】
[035] 弁座コア12には、弁口とも呼ばれる導通部121が貫通して開設されている。導通部121のガイドスリーブ13に近接する一端は、周方向に外向きに傾斜して設置される流量調節面121aを有し、弁コア組立体20は、弁座コア12に係合される一端がシール面21aを有し、弁座コア12に近接/離間して運動して、流量調節面121aとシール面21aとの隙間を調節し、電子膨張弁の冷媒の流量の大きさの調節、及び冷媒への絞り、減圧を実現する。
【0028】
[036] 導通部121のガイドスリーブ13に近接する一端は、開口の口径が弁座コア12のガイドスリーブ13に向かう方向に沿って徐々に増大し、内壁が外向きに傾斜して設置される流量調節面121aを形成するガイドポート123を有する。
【0029】
[037] ガイドポート123は、その軸線方向の横断面が逆テーパ状をなすように設置されることが好ましい。
【0030】
[038]
図4及び
図5に示すように、一実施例において、軸線方向、ガイドポート123の開口角度をα、導通部121のガイドポート123から離れた一端の口径をAとし、Aとαとは、Aがαの増大に伴って増大する関係である。
【0031】
[039] なお、電子膨張弁において、電子膨張弁の流量調節は、主にガイドポート123の開口角度(即ち、流量調節面121a)と導通部121の孔径によって共同で決められ、ガイドポート123の開口角度によって流量曲線の傾きが決められ、導通部121の孔径によって流量曲線の最大値が決められる。異なる開口角度αと異なる口径Aの弁座コア12を選択して装着することで、異なる流量曲線の調節を実現できる。
【0032】
[040] 異なる流量曲線を獲得するためには、ガイドポート123の開口角度及び/又は導通部121の孔径を変更する必要があることが理解されるであろう。従来の技術において、流量調節面121aと導通部121は弁座コア12と弁コア組立体20にそれぞれ設置されているため、1つのシステムで5つの流量曲線間の調節が必要であると、それに応じて5個の弁座コア12と5個の弁座コア12に適合する弁コア組立体20が必要となる。このように、生産、加工のコストが高いだけでなく、交換、組み立てが煩雑であり、また、毎回交換した後に、取り付け誤差の調整も非常に煩雑であり、また、弁コア組立体20に流量調節面が設置されると、弁コア組立体20の直径がガイドスリーブの最小孔径よりも大きくなって、弁コア組立体のガイドスリーブから上から下への装入ができなくなり、組み立てが非常に不便になる。
【0033】
[041] それに対して、本出願では、流量調節面及び導通部121が同一の弁座コア12に設置されていることで、使用過程において、異なる弁座コア12を交換するだけで異なる流量曲線を獲得することができ、汎用性が高く、生産及び加工のコストが低いだけでなく、組み立てが容易で、広い応用の可能性を持っている。
【0034】
[042] 他の実施例において、ガイドポート123の開口角度をα、導通部121のガイドポート123から離れた一端の口径をAとし、Aとαとは、Aが一定値であり、αの変化に伴って変化しない関係である。即ち、流量曲線の最大値は一定値であり、α値を変化させて流量曲線の傾きの流量曲線を取得する。
【0035】
[043] このような設置の目的は、加工過程において、異なる孔径の導通部121を加工するには、異なるセットのカッタを必要とするからであることが理解されるであろう。しかしながら、本出願では、Aを一定値とすることにより、加工の過程において、ワンセットのカッタで済むことができる。更に、加工コストを更に低減し、異なる流量曲線を取得することもできる。
【0036】
[044] 更に、弁座コア12のガイドスリーブ13に近接する一端には、径方向に沿って当接部122が形成されており、弁座11には、弁室11aに連通される取付孔11bが開設されており、弁座コア12の一端が取付孔11b内に穿設されることにより、当接部122が弁座11に当接され、即ち弁室11aの底部に当接され、更に弁座コア12の取り付けを実現する。
【0037】
[045] 更に、弁座11には、冷媒を送るための、弁座11の弁座コア12が取り付けられている位置に嵌着され、弁座コア12上の導通部121に連通して設置される第1の配管14と、弁座11の外側壁に取り付けられ、且つ弁室11aに連通して設置される第2の配管15とが接続される。
【0038】
[046] 冷媒は第2配管15を介して弁室11aに入り、導通部121の絞り、減圧及び調節を経て、第1配管14から流出することが理解されるであろう。即ち、導通部121の開閉を制御することで、第1の配管14と第2の配管15との間の開閉を実現することができる。
【0039】
[047]
図1及び
図6に示すように、弁コア組立体20は、ガイドスリーブ13内に摺動可能に取り付けられ、弁座コア12に近接する一端にシール面21aを有し、弁座コア12に近接/離間して運動するように駆動されて、流量調節面121aとシール面21aとの隙間を調節し、更に電子膨張弁100の流量の調節を実現する弁ヘッド21を含む。
【0040】
[048] 弁ヘッド21は、弁座コア12と同軸に設置されることが好ましい。
【0041】
[049] 更に、弁コア組立体20は、一端が、弁ヘッド21に開設された接続孔内に取り付けられるスクリューロッド23、及びスクリューロッド23に嵌め合わされ、一端がスクリューロッド23に当接され、他端が接続孔内に収容されるスプリング25を更に含む。スクリューロッド23が運動してスプリング25を圧縮することにより、スプリング25の作用力によって弁ヘッド21が弁座コア12に近接するように動かされる。
【0042】
[050] 接続孔の内壁には内向きに突出したフランジ27を有し、スクリューロッド23にはワッシャ24が設けられ、スプリング25の一端がワッシャ24に当接され、他端がフランジ27に当接されることで、スプリングの取り付け及び位置決めを実現することが好ましい。
【0043】
[051] 更に、弁コア組立体20は、接続孔内に収容され、且つフランジ27に係合されてストッパを形成することができ、スクリューロッド23の一端が、フランジ27に穿設されて接続され、スクリューロッド23の弁ヘッド21からの離脱を制限する目的を実現するストッパスリーブ26を更に含む。
【0044】
[052] ワッシャ24及びスプリング25はフランジ27の弁座コア12から離れた一側に位置し、ストッパスリーブ26はフランジ27の弁座コア12に近接する一側に位置し、ストッパスリーブ26の外径はフランジ27の内径よりも大きい、即ちストッパスリーブ26はフランジ27に当接可能であることが好ましい。
【0045】
[053] 電子膨張弁100の組立時に、弁コア組立体20を先に組み立て、弁ヘッド21とガイドスリーブ13との分離式設計を利用して、弁コア組立体20をガイドスリーブ13の一端から穿設させ、完成品の組み立てを行うことができることが理解されるであろう。製品内の漏れ不良を検出する場合には、弁コア組立体20を単独で取り外して回収することができ、更に、生産コストを低減し、弁コア組立体20の汎用性を向上させることができる。
【0046】
[054] 更に、弁コア組立体20は、弁ヘッド21の外壁とガイドスリーブ13の内壁との隙間をシールするために、弁ヘッド21の外壁に嵌め合わされるシールリング22を更に含む。
【0047】
[055]
図1に示すように、電子膨張弁100は、弁座11の弁座コア12から離れた一端に取り付けられ、スクリューロッド23の弁座コア12から離れた一端が穿設され、ねじ接続されるナット組立体30、及びナット組立体30が接続されるロータ40を更に含む。ロータ40はスクリューロッド23が回動させ、スクリューロッド23とナット組立体30とのネジ嵌め合い作用により回動がスクリューロッド23の直線運動に変換されるため、スクリューロッド23は、弁ヘッド21を弁座コア12に接近/離間するように動かし、電子膨張弁100の開閉等を実現する。
【0048】
[056] 具体的には、ナット組立体30は、ナット座31、及び環状をなし、内周縁がナット座31に接続され、外周縁がガイドスリーブ13に接続され、ナット組立体30の取り付け及び制限を実現する固定片32を含む。ロータ40はナット座31のガイドスリーブ13から離れた一端に位置され、且つスクリューロッド23に固定接続される。
【0049】
[057]
図1に示すように、電子膨張弁100は、一端がガイドスリーブ13に取り付けられ、且つナット組立体30及びロータ40が中に収容され、スリーブ50を介するロータ40及びナット組立体30への保護を実現するスリーブ50を更に含む。
【0050】
[058] スリーブ50とガイドスリーブ13との間が溶接接続されることが好ましい。
【0051】
[059] 本出願の電子膨張弁のメリットは以下のとおりである。
【0052】
[060] 先ず、流量調節面121aが弁座コア12に設置され、即ち、弁座コア12は導通部121と流量調節面121aを一体に集中させることで、使用環境が異なる状況であっても、弁座コア12という1つの部材を取り替えるだけで済み、これにより弁ヘッド21上のシール面21aと弁座コア12上の流量調節面121aとの隙間が調節され、異なる流量曲線の調節を実現でき、汎用性が良く、生産及び加工のコストが低いだけでなく、広範な応用の可能性を持っている。次に、弁ヘッド21とガイドスリーブ13とは独立して、即ち弁ヘッド21とガイドスリーブ13とは分離式に設置され、組立時に、弁コア組立体20を先に組み立て、弁ヘッド21とガイドスリーブ13との分離式設計を利用して、弁コア組立体20をガイドスリーブ13の一端から穿設させ、完成品の組み立てを行うことができる。製品内の漏れ不良を検出する場合には、弁コア組立体20を単独で取り外して回収、修理することができ、より効果的に生産コストを低減することができる。
【0053】
[061] 以上に述べた実施例の各技術的特徴は、任意の組み合わせが可能であり、説明を簡潔にするために、上述の実施例における各技術的特徴の可能な組み合わせについては全て説明されていないが、これら技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、全て本明細書に記載された範囲とみなされるべきである。
【0054】
[062] 以上に述べた実施例は、単に本出願のいくつかの実施形態を示すものであり、その説明はより具体的且つ詳細であるが、そのために特許請求の範囲を制限するものとは理解されるべきではない。当業者にとっては、本出願の旨を逸脱しない限り、いくつかの変形や改良が可能であり、これらは全て本出願の保護範囲に属する。従って、本出願特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとする。