(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】フレックス回路を有する機械的に拡張可能な要素を備えるカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240115BHJP
【FI】
A61B18/14
(21)【出願番号】P 2020573316
(86)(22)【出願日】2019-06-25
(86)【国際出願番号】 IB2019055362
(87)【国際公開番号】W WO2020003134
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-05-26
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】キーナン・パトリック・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】オファロン・パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ヒッツェロ・マシュー・ダブリュ
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0172883(US,A1)
【文献】特開2017-202305(JP,A)
【文献】特表2015-533611(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0273345(US,A1)
【文献】特開2018-094407(JP,A)
【文献】特表2013-529109(JP,A)
【文献】特開2016-214865(JP,A)
【文献】特開平06-142106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/05
18/00 - 18/28
A61N 1/00 - 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)カテーテルであって、前記カテーテルの少なくとも一部分が、ヒト心臓血管系の内腔内に収まるようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、
(b)前記カテーテルの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)拡張可能なアセンブリであって、前記拡張可能なアセンブリが、非拡張状態と拡張状態との間で移行するように構成されており、前記拡張可能なアセンブリが、少なくとも1つの変形可能な支柱又はケージを備える、拡張可能なアセンブリと、
(ii)少なくとも1つのフレックス回路と、を備え、前記少なくとも1つのフレックス回路の各フレックス回路が、
(A)接着剤なしで前記拡張可能なアセンブリに固定されたフレキシブル基板と、
(B)前記フレキシブル基板に固定された電極と、を備え、前記拡張状態にある前記拡張可能なアセンブリが、前記電極を付勢して組織と接触させるように構成されており、前記電極が、長手方向に細長い部分と、前記長手方向に細長い部分から横方向に延在する複数の指部とを画定する魚の骨状の構成を有
しており、
前記拡張可能なアセンブリが、長手方向軸の周りのアレイ内で互いに角度的に離間した長手方向に延在する複数の支柱を備えており、
各フレックス回路の前記フレキシブル基板が、前記複数の支柱の対応する対の支柱に固定され、前記複数の支柱の各支柱が自己拡張部材を含む、装置。
【請求項2】
前記
複数の支柱が、概ね真っ直ぐな構成と外向きに弓状に曲がった構成との間で移行し、それによって、前記拡張可能なアセンブリを、それぞれ前記非拡張状態と前記拡張状態との間で移行させるように構成されている、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
各支柱が、少なくとも1つの連結タブを備え、各フレックス回路の前記フレキシブル基板が、前記対応する対の支柱の各支柱の前記少なくとも1つの連結タブに固定されている、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
装置であって、
(a)カテーテルであって、前記カテーテルの少なくとも一部分が、ヒト心臓血管系の内腔内に収まるようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、
(b)前記カテーテルの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)拡張可能なアセンブリであって、前記拡張可能なアセンブリが、非拡張状態と拡張状態との間で移行するように構成されており、前記拡張可能なアセンブリが、少なくとも1つの変形可能な支柱又はケージを備える、拡張可能なアセンブリと、
(ii)少なくとも1つのフレックス回路と、を備え、前記少なくとも1つのフレックス回路の各フレックス回路が、
(A)接着剤なしで前記拡張可能なアセンブリに固定されたフレキシブル基板と、
(B)前記フレキシブル基板に固定された電極と、を備え、前記拡張状態にある前記拡張可能なアセンブリが、前記電極を付勢して組織と接触させるように構成されており、前記電極が、長手方向に細長い部分と、前記長手方向に細長い部分から横方向に延在する複数の指部とを画定する魚の骨状の構成を有しており、
前記拡張可能なアセンブリが、長手方向軸の周りのアレイ内で互いに角度的に離間した長手方向に延在する複数の支柱を備えており、
前記エンドエフェクタが、遠位ハブを更に備え、前記支柱の遠位部分が、前記遠位ハブに固定されており、
前記装置が前記
遠位ハブに固定された中央シャフトを更に備え、前記
中央シャフトが、前記拡張可能なアセンブリを通って延在し、前記拡張可能なアセンブリが、前記カテーテルの前記遠位端と前記
遠位ハブ及び前記中央シャフトの組み合わせとの間の相対的な長手方向の移動に応じて、前記非拡張状態と前記拡張状態との間を移行するように構成されている
、装置。
【請求項5】
装置であって、
(a)カテーテルであって、前記カテーテルの少なくとも一部分が、ヒト心臓血管系の内腔内に収まるようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、
(b)前記カテーテルの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)拡張可能なアセンブリであって、前記拡張可能なアセンブリが、非拡張状態と拡張状態との間で移行するように構成されており、前記拡張可能なアセンブリが、少なくとも1つの変形可能な支柱又はケージを備える、拡張可能なアセンブリと、
(ii)少なくとも1つのフレックス回路と、を備え、前記少なくとも1つのフレックス回路の各フレックス回路が、
(A)接着剤なしで前記拡張可能なアセンブリに固定されたフレキシブル基板と、
(B)前記フレキシブル基板に固定された電極と、を備え、前記拡張状態にある前記拡張可能なアセンブリが、前記電極を付勢して組織と接触させるように構成されており、前記電極が、長手方向に細長い部分と、前記長手方向に細長い部分から横方向に延在する複数の指部とを画定する魚の骨状の構成を有しており、
前記拡張可能なアセンブリが、長手方向軸の周りのアレイ内で互いに角度的に離間した長手方向に延在する複数の支柱を備えており、
各支柱が、一対の長手方向に延在するセグメントと、前記
一対の長手方向に延在するセグメント
の一方のセグメントと他方のセグメントとの間に位置付けられ、前記一方のセグメントと前記他方のセグメントとを接合する遠位屈曲部と
、を含む
、装置。
【請求項6】
装置であって、
(a)カテーテルであって、前記カテーテルの少なくとも一部分が、ヒト心臓血管系の内腔内に収まるようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、
(b)前記カテーテルの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)拡張可能なアセンブリであって、前記拡張可能なアセンブリが、非拡張状態と拡張状態との間で移行するように構成されており、前記拡張可能なアセンブリが、少なくとも1つの変形可能な支柱又はケージを備える、拡張可能なアセンブリと、
(ii)少なくとも1つのフレックス回路と、を備え、前記少なくとも1つのフレックス回路の各フレックス回路が、
(A)接着剤なしで前記拡張可能なアセンブリに固定されたフレキシブル基板と、
(B)前記フレキシブル基板に固定された電極と、を備え、前記拡張状態にある前記拡張可能なアセンブリが、前記電極を付勢して組織と接触させるように構成されており、前記電極が、長手方向に細長い部分と、前記長手方向に細長い部分から横方向に延在する複数の指部とを画定する魚の骨状の構成を有しており、
前記拡張可能なアセンブリが、長手方向軸の周りのアレイ内で互いに角度的に離間した長手方向に延在する複数の支柱を備えており、
前記拡張可能なアセンブリが、前記長手方向に延在する複数の支柱の間に延在する周方向に延在する複数の支柱を更に備えており、
前記周方向に延在する
複数の支柱が、前記長手方向に延在する
複数の支柱を互いから角度的に離れるように付勢するように構成されている
、装置。
【請求項7】
装置であって、
(a)カテーテルであって、前記カテーテルの少なくとも一部分が、ヒト心臓血管系の内腔内に収まるようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、
(b)前記カテーテルの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)拡張可能なアセンブリであって、前記拡張可能なアセンブリが、非拡張状態と拡張状態との間で移行するように構成されており、前記拡張可能なアセンブリが、少なくとも1つの変形可能な支柱又はケージを備える、拡張可能なアセンブリと、
(ii)少なくとも1つのフレックス回路と、を備え、前記少なくとも1つのフレックス回路の各フレックス回路が、
(A)接着剤なしで前記拡張可能なアセンブリに固定されたフレキシブル基板と、
(B)前記フレキシブル基板に固定された電極と、を備え、前記拡張状態にある前記拡張可能なアセンブリが、前記電極を付勢して組織と接触させるように構成されており、前記電極が、長手方向に細長い部分と、前記長手方向に細長い部分から横方向に延在する複数の指部とを画定する魚の骨状の構成を有しており、
前記拡張可能なアセンブリが、長手方向軸の周りのアレイ内で互いに角度的に離間した長手方向に延在する複数の支柱を備えており、
前記エンドエフェクタが、前記拡張可能なアセンブリの上に位置付けられたスリーブを更に備え、前記少なくとも1つのフレックス回路が、前記スリーブに固定されている
、装置。
【請求項8】
前記スリーブが、織物材料を含む、請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのフレックス回路が、1つ又は2つ以上の縫合糸を介して前記拡張可能なアセンブリに固定されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのフレックス回路が、1つ又は2つ以上のリベットを介して前記拡張可能なアセンブリに固定されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記1つ又は2つ以上のリベットが、モノフィラメントポリマーで形成されている、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記拡張可能なアセンブリが、前記拡張状態において球根状形状を形成するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記拡張可能なアセンブリが、前記拡張状態において円錐形状を形成するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記拡張可能なアセンブリが、前記拡張状態において洋ナシ形状を形成するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
電気生理学的デバイスであって、
(a)拡張可能なアセンブリであって、前記拡張可能なアセンブリが、非拡張状態と拡張状態との間で機械的に移行するように構成されている、拡張可能なアセンブリと、
(b)前記拡張可能なアセンブリの周りに位置付けられたスリーブと、
(c)少なくとも1つのフレックス回路と、を備え、前記少なくとも1つのフレックス回路の各フレックス回路が、
(i)接着剤なしで、前記スリーブに固定されたフレキシブル基板と、
(ii)前記フレキシブル基板に固定された電極であって、前記電極が、長手方向に細長い部分と、前記長手方向に細長い部分から横方向に延在する複数の指部とを画定する魚の骨状の構成を有する、電極と、を備え、前記拡張状態にある前記拡張可能なアセンブリが、前記電極を付勢して組織と接触させるように構成されている、電気生理学的デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
心房細動などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が電気信号を異常に伝導するときに生じる。不整脈を治療するための処置には、そのような信号の伝達経路を外科的に破壊することが含まれる。エネルギー(例えば、高周波(radiofrequency、RF)エネルギー)を印加することによって心臓組織を選択的にアブレーションすることにより、心臓の一部分から別の部分への望まない電気信号の伝播を、停止又は修正することが可能になる場合がある。アブレーションプロセスは、電気絶縁性の損傷組織又は瘢痕組織を作り出すことによって、望まない電気経路に対する障壁を提供することができる。
【0002】
いくつかの処置では、1つ又は2つ以上のRF電極を備えるカテーテルを使用して、心臓血管系内でアブレーションを提供することができる。主要静脈又は動脈(例えば、大腿動脈)内にカテーテルを挿入し、次いで、心臓内又は心臓に隣接する心血管構造(例えば、肺静脈)内に電極を位置付けるように前進させることができる。電極を、心臓組織又は他の血管組織と接触して置き、次いでRFエネルギーで作動させ、それによって、接触した組織をアブレーションすることができる。いくつかの場合において、電極は、双極性であってもよい。一部の他の場合において、患者と接触している接地パッドと組み合わせて単極電極を使用してもよい。
【0003】
アブレーションカテーテルの例は、米国特許出願公開第2013/0030426号、発明の名称「Integrated Ablation System using Catheter with Multiple Irrigation Lumens」(2013年1月31日公開、その開示は参照により本明細書に組み込まれる);米国特許出願公開第2017/0312022号、発明の名称「Irrigated Balloon Catheter with Flexible Circuit Electrode Assembly」(2017年11月2日公開、その開示は参照により本明細書に組み込まれる);米国特許出願公開第2018/0071017号、発明の名称「Ablation Catheter with a Flexible Printed Circuit Board」(2018年3月15日公開、その開示は参照により本明細書に組み込まれる);米国特許出願公開第2018/0056038号、発明の名称「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」(2018年3月1日公開、その開示は参照により本明細書に組み込まれる);米国特許出願公開第2018/0036078号、発明の名称「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」(2018年2月8日公開、その開示は参照により本明細書に組み込まれる);米国特許第8,956,353号、発明の名称「Electrode Irrigation Using Micro-Jets」(2015年2月17日発行、その開示は参照により本明細書に組み込まれる);並びに米国特許第9,801,585号、発明の名称「Electrocardiogram Noise Reduction」(2017年10月31日発行、その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0004】
一部のカテーテルアブレーション処置は、電気生理学的(electrophysiology、EP)マッピングを使用して実行することができる。このようなEPマッピングは、カテーテル(例えば、アブレーションを実行するために使用されるのと同じカテーテル)上における検知電極の使用を含んでもよい。このような検知電極は、心臓血管系内の電気信号を監視して、不整脈に関与する異常な導電性組織部位の位置を正確に示すことができる。EPマッピングシステムの例は、米国特許第5,738,096号、発明の名称「Cardiac Electromechanics」(1998年4月14日発行、その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。EPマッピングカテーテルの例は、米国特許第9,907,480号、発明の名称「Catheter Spine Assembly with Closely-Spaced Bipole Microelectrodes」(2018年3月6日発行、その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0005】
EPマッピングを使用することに加えて、いくつかのカテーテルアブレーション処置は、画像誘導手術(image guided surgery、IGS)システムを使用して実行されてもよい。IGSシステムは、患者内の解剖学的構造の画像に関連して、医師がリアルタイムで患者内のカテーテルの位置を視覚的に追跡することを可能にし得る。いくつかのシステムは、Biosense Webster,Inc.(California州Irvine)によるCARTO 3(登録商標)システムを含む、EPマッピングとIGS機能との組み合わせを提供することができる。
【0006】
いくつかのアブレーションカテーテルシステム及び方法が製作され、使用されてきたが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に記載される本発明を製作又は使用したものは存在しないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示に過ぎず、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図1】アブレーションカテーテルアセンブリのアブレーションカテーテルが患者に挿入される医療処置の概略図を示す。
【
図2A】エンドエフェクタの拡張可能なアセンブリが非拡張状態にある、
図1のアブレーションカテーテルアセンブリの上面平面図を示す。
【
図2B】エンドエフェクタの拡張可能なアセンブリが拡張状態にある、
図1のアブレーションカテーテルアセンブリの上面平面図を示す。
【
図3】拡張可能なアセンブリが拡張状態にある、
図2Aのエンドエフェクタの斜視図を示す。
【
図4】フレックス回路の部分が折り曲げられて下側を露出させている、
図2Aのエンドエフェクタのフレックス回路の斜視図を示す。
【
図5】拡張可能なアセンブリの支柱に
図4のフレックス回路を固定する機構の一例に従って、
図2Aのエンドエフェクタの部分の上面平面図を示す。
【
図6】拡張可能なアセンブリの支柱に
図4のフレックス回路を固定する機構の別の例に従って、
図2Aのエンドエフェクタの部分の上面平面図を示す。
【
図7】拡張可能なアセンブリの支柱に
図4のフレックス回路を固定するリベットを含む、
図5の線7-7に沿った、
図5のエンドエフェクタの部分の横方向部分の断面図を示す。
【
図8】拡張可能なアセンブリの支柱に
図4のフレックス回路を固定する縫合糸ループを含む、
図5の線7-7に沿った、
図5のエンドエフェクタの部分の横方向部分の断面図を示す。
【
図9】エンドエフェクタの拡張可能なアセンブリが拡張状態にある、
図1のアブレーションカテーテルアセンブリに組み込まれ得る例示的な代替エンドエフェクタの側立面図を示す。
【
図10】エンドエフェクタの拡張可能なアセンブリが拡張状態にある、
図1のアブレーションカテーテルアセンブリに組み込まれ得る別の例示的な代替エンドエフェクタの側立面図を示す。
【
図11】エンドエフェクタの拡張可能なアセンブリが拡張状態にあり、わかりやすくするためにフレックス回路スリーブが省略されている、
図1のアブレーションカテーテルアセンブリに組み込まれ得る別の例示的な代替エンドエフェクタの側立面図を示す。
【
図12】拡張可能なアセンブリが拡張状態にあり、フレックス回路スリーブが含まれている、
図11のエンドエフェクタの側立面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定する目的で使用されるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。詳細な説明は、本発明の原理を限定するものではなく一例として例示するものである。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0009】
本明細書に記載の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わされ得る。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方式が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正形態及び変形形態は、特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとする。
【0010】
本明細書で使用する場合、任意の数値又は数値の範囲についての「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素の集合が、本明細書で述べる意図された目的に沿って機能することを可能にする好適な寸法の許容範囲を示す。より具体的には、「約」又は「およそ」は、挙げられた値の±10%の値の範囲を指してもよく、例えば、「約90%」は、81%~99%の値の範囲を指してもよい。更に、本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「被験体」という用語は、任意のヒト被験体又は動物被験体を指し、上述のシステム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における対象の本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。
【0011】
I.例示的なアブレーションシステムの概要
図1は、心臓アブレーションシステムの例示的な医療処置及び関連する構成要素を示す。具体的には、
図1は、アブレーションカテーテルアセンブリ(100)のハンドル(110)を把持する医師(physician、PH)を示し、患者(patient、PA)の心臓(heart、H)内又はその近くの組織をアブレーションするために、患者(PA)内に配設されたアブレーションカテーテルアセンブリ(100)のアブレーションカテーテル(120)のエンドエフェクタ(200)を有する(
図2A~
図2Bに示されているが、
図1には示されていない)。アブレーションカテーテルアセンブリ(100)は、ケーブル(30)を介して誘導駆動システム(10)と連結される。アブレーションカテーテルアセンブリ(100)はまた、流体導管(40)を介して流体源(42)とも連結されるが、これは単なる任意装備である。一組の磁場発生器(20)は、患者(PA)の下に位置付けされ、ケーブル(22)を介して誘導及び駆動システム(10)と連結される。
【0012】
本実施例の誘導駆動システム(10)は、コンソール(12)と、ディスプレイ(18)とを含む。コンソール(12)は、第1のドライバモジュール(14)と、第2のドライバモジュール(16)とを含む。第1のドライバモジュール(14)は、ケーブル(30)を介してアブレーションカテーテルアセンブリ(100)と連結され、以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(200)の電極(250)にRF電力を供給するように動作可能である。いくつかの変形例では、第1のドライバモジュール(14)はまた、電極(174又は250)からEPマッピング信号を受信するように動作可能である。コンソール(12)は、そのようなEPマッピング信号を処理し、それによって、当該技術分野において既知のEPマッピングを行うプロセッサ(図示せず)を含む。いくつかの変形例では、第1のドライバモジュール(14)はまた、以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(200)内の位置センサ(図示せず)から位置表示信号を受信するように動作可能である。このような変形例では、コンソール(12)のプロセッサはまた、位置センサからの位置表示信号を処理し、それによって、患者(PA)内のアブレーションカテーテル(120)のエンドエフェクタ(200)の位置を判定するように動作可能である。
【0013】
第2のドライバモジュール(16)は、ケーブル(22)を介して磁場発生器(20)に連結される。第2のドライバモジュール(16)は、磁場発生器(20)を作動させて、患者(PA)の心臓(H)の周囲に交流磁場を発生させるように動作可能である。例えば、磁場発生器(20)は、心臓(H)を含む所定の作業体積内に交流磁場を発生させるコイルを含んでもよい。
【0014】
ディスプレイ(18)は、コンソール(12)のプロセッサと連結され、患者の解剖学的構造の画像をレンダリングするように動作可能である。このような画像は、一組の手術前又は術中に取得された画像(例えば、CT又はMRIスキャン、3Dマップなど)に基づいてもよい。ディスプレイ(18)を通して提供される患者の解剖学的構造の図はまた、エンドエフェクタ(200)の位置センサからの信号に基づいて動的に変化してもよい。例えば、アブレーションカテーテル(120)のエンドエフェクタ(200)が患者(PA)内で移動するとき、位置センサからの対応する位置データは、コンソール(12)のプロセッサにディスプレイ(18)内の患者の解剖学的構造の図をリアルタイムで更新させて、エンドエフェクタ(200)が患者(PA)内で動くとき、エンドエフェクタ(200)の周囲の患者の解剖学的構造の領域を描写することができる。更に、コンソール(12)のプロセッサは、エンドエフェクタ(200)によるEPマッピングを介して検出されるように、又は、専用のマッピングカテーテル(170)(
図3)によるEPマッピングを介して検出されるように、異常な導電性組織部位の位置を示すように、ディスプレイ(18)を駆動してもよい。単に一例として、コンソール(12)のプロセッサは、患者の解剖学的構造の画像上の異常な導電性組織部位の位置を、例えば、示されたドット、十字線、又は異常な導電性組織部位の視覚的表示のいくつかの他の形態を重ね合わせることによって、重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動してもよい。
【0015】
コンソール(12)のプロセッサはまた、照明されたドット、十字線、エンドエフェクタ(200)のグラフィック表現、又は何らかの他の形態の視覚的表示を重ね合わせることなどによって、患者の解剖学的構造の画像上にエンドエフェクタ(200)の現在の位置を重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動してもよい。このような重ね合わされた視覚的表示はまた、医師が患者(PA)内でエンドエフェクタ(200)を移動させ、それによって、エンドエフェクタ(200)が患者(PA)内で移動する際に、患者(PA)内のエンドエフェクタ(200)の位置に関してリアルタイム視覚フィードバックを操作者に提供するので、リアルタイムでディスプレイ(18)上の患者の解剖学的構造の画像内で移動することができる。したがって、ディスプレイ(18)を通して提供される画像は、エンドエフェクタ(200)を見る任意の光学機器(すなわちカメラ)を必ずしも有することなく、患者(PA)内のエンドエフェクタ(200)の位置を追跡するビデオを効果的に提供することができる。同じ図で、ディスプレイ(18)は、本明細書に記載されるEPマッピングによって検出された異常な導電性組織部位の位置を、同時に視覚的に示すことができる。したがって、医師(PH)は、ディスプレイ(18)を見て、マッピングされた異常な導電性組織部位に関して、また、患者(PA)内の隣接する解剖学的構造の画像に関して、エンドエフェクタ(200)のリアルタイムの位置付けを観察することができる。
【0016】
本実施例の流体源(42)は、生理食塩水又はいくつかの他の好適な灌注流体を収容する袋を含む。導管(40)は、ポンプ(44)と更に連結されるフレキシブルチューブを含む。ポンプ(44)は、流体源(42)とアブレーションカテーテルアセンブリ(100)との間の導管(40)に沿って位置付けられる。本実施例では、ポンプ(44)は、流体源(42)からアブレーションカテーテルアセンブリ(100)に流体を選択的に駆動するように動作可能な蠕動ポンプを含む。あるいは、ポンプ(44)は、任意の他の好適な形態をとってもよい。いくつかの変形形態では、導管(40)、流体源(42)及びポンプ(44)は、完全に省略される。これらの構成要素が含まれる変更例では、エンドエフェクタ(200)は、流体源(42)から患者内の標的部位に灌注流体を連通するように構成されてもよい。かかる灌注は、本明細書で引用した様々な特許参考文献のうちのいずれかの教示に従って行うことができ、又は本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであるように、任意の他の好適な様式で行ってもよい。
【0017】
図2A~
図2Bは、アブレーションカテーテルアセンブリ(100)をより詳細に示す。図示のように、アブレーションカテーテル(120)は、ハンドル(110)から遠位に延在し、一方、流体コネクタアセンブリ(130)は、ハンドル(110)から近位に延在する。流体コネクタアセンブリ(130)は、導管(40)と連結するように構成されており、それによって、灌注流体が流体源(42)からエンドエフェクタ(200)に伝達されるための経路を提供する。流体灌注は、アブレーションカテーテルアセンブリ(100)の単に任意選択の特徴であるため、必要に応じて、流体コネクタアセンブリ(130)を省略してもよい。本実施例のハンドル(110)はまた、ソケット(112)を含み、ソケット(112)は、ケーブル(30)の遠位端のプラグ(図示せず)を受容し、それによってコンソール(12)とエンドエフェクタ(200)との間の電気通信のための経路を提供するように構成される。これらの構成要素を形成するために使用することができる様々な好適な構成要素及び構成が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0018】
II.フレックス回路を有する拡張可能なアセンブリを備える例示的なエンドエフェクタ
図2A~
図2Bにまた示されるように、エンドエフェクタ(200)は、アブレーションカテーテル(120)の遠位端(122)に位置付けられる。エンドエフェクタ(200)は、非拡張構成(
図2A)と拡張構成(
図2B)との間を移行するように構成されている。エンドエフェクタ(200)は、アブレーションカテーテル(120)が患者(PA)に挿入される際に、非拡張構成に維持され得る。エンドエフェクタ(200)が患者の標的部位に到達すると、エンドエフェクタ(200)は、拡張構成に移行され得る。非拡張構成と拡張構成との間で、エンドエフェクタ(200)がどのように移行され得るかのいくつかの例は、以下でより詳細に説明されるが、他の実施例は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0019】
図3は、拡張構成において、エンドエフェクタ(200)をより詳細に示す。エンドエフェクタ(200)は、外部シース(150)の遠位端(152)の遠位に位置付けられる。いくつかのシナリオでは、アブレーションカテーテル(120)は、外部シース(150)内に摺動可能に配設され、かつ、アブレーションカテーテル(120)及び外部シース(150)は、遠位端(152)が患者(PA)内の標的部位付近になるまで、患者(PA)のルーメン(例えば、動脈、静脈など)内へと一緒に前進する。エンドエフェクタ(200)は、最初に、アブレーションカテーテル(120)と外部シース(150)との組み合わせが位置へと前進する際に、遠位端(152)に対して近位に後退され得る。標的部位に到達すると、外部シース(150)が静止して保持される際にアブレーションカテーテル(120)を遠位に前進させ、それによってエンドエフェクタ(200)を遠位端(152)から前進させることができる。代替的に、アブレーションカテーテル(120)は、外部シース(150)が近位に後退してエンドエフェクタ(200)を露出させる際に静止して保持されてもよい。更に他の変形例では、外部シース(150)は省略されている。
【0020】
この実施例のエンドエフェクタ(200)は、拡張可能なアセンブリ(210)、中央シャフト(212)、及び遠位ハブ(220)を含む。拡張可能なアセンブリ(210)は、一組のフレックス回路アセンブリ(240)を支持するフレームを形成するワイヤ又はビームである一組の支柱(230)を含む。支柱(230)は、アブレーションカテーテル(120)の遠位端(122)から長手方向に延在し、概して遠位ハブ(220)で収束する。単に一例として、支柱(230)の近位端は、インターロッキングジョイントを介して、アブレーションカテーテル(120)の遠位端(122)と接合されてもよく、これはポリマー又は任意の他の好適な材料(複数可)で形成され得る。いくつかの変形形態では、1つ又は2つ以上の追加のワイヤ、ビーム、又は他の構造部材が、隣接する支柱(230)の間を横方向に延在する。単に一例として、支柱(230)は、ニチノール、自己拡張性ポリマー、又は任意の他の好適な材料(複数可)で形成され得る。支柱(230)は、互いから角度的に離間しており、拡張可能なアセンブリ(210)が拡張構成にあるとき、概ね球根状の構成を有するエンドエフェクタ(200)を提供するように外向きに曲がるように構成される。いくつかの変形例では、支柱(230)は、外向きの湾曲構成をとるように弾性的に付勢される。いくつかのそのような変形例では、外部シース(150)は、外部シース(150)がエンドエフェクタ(200)の上に位置付けられるときに支柱(230)を拘束し、それによって、エンドエフェクタ(200)が外部シース(150)の遠位端(152)に対して遠位に位置付けられるまで、拡張可能なアセンブリ(210)を非拡張構成に維持する。
【0021】
別の単なる例示的な例として、拡張可能なアセンブリ(210)は、拡張可能なアセンブリ(210)を拡張構成と非拡張構成との間で移行するために、アクチュエータによって選択的に駆動されてもよい。例えば、いくつかのそのような変形例では、中央シャフト(212)は、遠位ハブ(220)に、かつハンドル(110)に対して長手方向に固定される。並進作動アセンブリ(例えば、プッシュロッド、プッシュワイヤなど)(図示せず)が、支柱(230)の近位端と連結される。作動アセンブリが近位位置から遠位位置へと前進するとき、支柱(230)の近位端は遠位に並進し、一方、支柱(230)の遠位端は長手方向に静止したままであり、それによって支柱(230)が外向きに座屈して反り、それによって拡張可能なアセンブリ(210)を拡張状態に移行させる。作動アセンブリが遠位位置から近位位置まで後退するとき、支柱(230)の近位端は近位方向に並進し、一方、支柱(230)の遠位端は長手方向に静止したままであり、それによって支柱(230)を概ね真っ直ぐにし、それによって拡張可能なアセンブリ(210)を非拡張状態に移行させる。
【0022】
別の変形形態として、支柱(230)の近位端は、ハンドル(110)に対して長手方向に固定されてもよく、作動アセンブリは遠位ハブ(220)と連結されてもよい。作動アセンブリ(例えば、プルワイヤなど)が遠位位置から近位位置まで後退するとき、支柱(230)の遠位端は近位に並進し、一方、支柱(230)の近位端は長手方向に静止したままであり、それによって支柱(230)が外向きに座屈して反り、それによって拡張可能なアセンブリ(210)を拡張状態に移行させる。作動アセンブリが近位位置から遠位位置へと前進するとき、支柱(230)の遠位端は遠位に並進し、一方、支柱(230)の近位端は長手方向に静止したままであり、それによって支柱(230)を概ね真っ直ぐにし、それによって拡張可能なアセンブリ(210)を非拡張状態に移行させる。拡張可能なアセンブリが非拡張状態と拡張状態との間で移行し得る他の好適な方式は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。また、支柱(230)は、様々な他の好適な構成及び関連する構成要素を有し得ることも理解されたい。更に、拡張可能なアセンブリ(210)は、様々な他の構成要素及び構成を有してもよく、そのいくつかの例は、以下でより詳細に説明される。
【0023】
各フレックス回路アセンブリ(240)は、本実施例では、支柱(230)のそれぞれの対に固定される。
図4は、フレックス回路アセンブリ(240)をより詳しく示す。図示のように、フレックス回路アセンブリ(240)は、フレキシブル基板(242)と、フレキシブル基板(242)に接着された電極(250)とを含む。電極(250)は、中央の細長い部分(252)又は背骨を含み、複数の指部(254)が細長い部分(252)から横方向に延びる。したがって、電極(250)は、魚骨構成を有する。このような魚骨構成により、指部(254)は、電極(250)の標的組織との周方向又は赤道方向の接触面を有利に増加させることができ、一方、隣接する指部(254)間の間隙は、拡張可能なアセンブリ(210)を、その赤道に沿った位置において必要に応じて、内向きに折りたたむ及び/又は半径方向に拡張することを有利に可能にし得る。いくつかの変形例では、指部(254)は異なる長さを有し、一部はより長く、他はより短い。例えば、指部(254)は、細長い部分(252)の長さに沿って漸進的に減少する長さを有してもよく、電極(250)に概ね先細りの構成を提供する。電極(250)は更に、米国特許出願公開第2017/0312022号、発明の名称「Irrigated Balloon Catheter with Flexible Circuit Electrode Assembly」(2017年11月2日公開、その開示は参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくともいくつかに従って構築され、動作可能であってもよい。
【0024】
ブラインドビア(256)の長手方向に延在するアレイは、細長い部分(252)に沿って位置付けられる。ブラインドビア(256)は、電極(250)及びフレキシブル基板(242)を通過して、電極(250)をフレキシブル基板(242)の下側の有線アセンブリ(260)と電気的に連結する導電性形成物である。有線アセンブリ(260)は、パッド(266)上の溶接部(264)に延在するワイヤ(262)を含む。パッド(266)は、長手方向に延在する電極(268)に固定され、ブラインドビア(256)と更に連結される。単に一例として、電極(268)は、縫合により又は任意の他の好適な構成要素若しくは技術を使用して、フレキシブル基板(242)の下側に固定され得る。したがって、溶接部(264)、パッド(266)、電極(268)、及びブラインドビア(256)は、協調して、電極(250)とワイヤ(262)との間の電気通信のための経路を提供する。ワイヤ(262)は、ケーブル(30)と更に連結され、それによって電極(250)をコンソール(12)と連結する。電極(250)がコンソール(12)と連結され得る他の好適な方式が、当業者には本明細書の教示を鑑みれば明らかとなろう。
【0025】
図3に示すように、フレックス回路アセンブリ(240)は、縫合糸ループ(232)を介して支柱(230)のそれぞれの対に固定される。
図5は、このような縫合糸ループ(232)を収容するために提供され得る例示的な機構を示す。図示のように、各支柱(230)は細長い材料のストリップの形態であり、細長い材料のストリップの長さに沿った別個の位置に形成された連結タブ(234)を備える。各連結タブ(234)は、開口部(236)を画定する。フレキシブル基板(242)はまた、一組の開口部(244)を画定する。開口部(244)は、フレキシブル基板(242)の一方の外側部に沿った各開口部(244)が、フレキシブル基板(242)のその外側部に沿って位置付けられた支柱(230)に沿った開口部(236)と整列するように位置付けられ、一方、フレキシブル基板(242)の他方の外側部に沿った各開口部(244)は、フレキシブル基板(242)の他方の外側部に沿って位置付けられた支柱(230)に沿った開口部(236)と整列する。対応する開口部(236、244)が位置合わせされると、縫合糸ループ(232)は、各一対の開口部(236、244)を通過して、それによってフレックス回路アセンブリ(240)を一対の支柱(230)に固定し得る。単に一例として、縫合糸ループ(232)は、高張力ポリマー繊維、ポリエステル(例えば、ダクロン)、ポリプロピレン、ステンレス鋼、又は任意の他の好適な材料(複数可)で形成されてもよい。各縫合糸ループ(232)はまた、モノフィラメントの形態又は任意の他の好適な形態であってもよい。
【0026】
図6は、フレックス回路アセンブリ(240)が一対の支柱(280)に固定され得る、別の単なる例示的な方式を示す。この例の支柱(280)が連結タブ(234)を欠いていることを除いて、この例の支柱(280)は、上記で説明された支柱(280)と同一である。この実施例のフレックス回路アセンブリ(240)は、縫合糸(282)を介して支柱(280)に固定される。この実施例では、第1の縫合糸(282)が、フレキシブル基板(242)の一方の外側部に沿って螺旋状に縫い合わされ、フレキシブル基板(242)の外側部の下にある支柱(280)を捕捉し、第2の縫合糸(282)が、フレキシブル基板(242)の他方の外側部に沿って螺旋状に縫い合わされ、フレキシブル基板(242)の他方の外側部の下にある支柱(280)を捕捉する。ここでも、縫合糸(282)は、高張力ポリマー繊維、ポリエステル(例えば、ダクロン)、ポリプロピレン、ステンレス鋼、又は任意の他の好適な材料(複数可)で形成されてもよい。各縫合糸(282)はまた、モノフィラメントの形態又は任意の他の好適な形態であってもよい。
図6に示される例の1つの単なる例示的な変形形態は、各支柱(280)上の連結タブ(234)のような1つ又は2つ以上の特徴を含み得、それにより、支柱(280)に沿ったフレキシブル基板(242)の少なくとも一方の端部の長手方向固定を促進する。
【0027】
図7は、フレックス回路アセンブリ(240)が支柱(280)に固定され得る、別の単なる例示的な方式を示す。この実施例では、リベット(290)が、縫合糸ループ(232)の代わりに使用される。この実施例のリベット(290)は、シャフト(292)の各端部にヘッド(294)を備える中央シャフト(292)を有する。各ヘッド(294)は、各開口部(236、244)の直径よりも大きい外径を有する。シャフト(292)は、開口部(236、244)を通過し、1つのヘッド(294)がフレキシブル基板(242)に対して支えられ、他方のヘッド(294)は連結タブ(234)に対して支えられる。単に一例として、リベット(290)は、ポリマーモノフィラメント又は任意の他の好適な材料(複数可)で形成され得る。別の単なる例示的な例として、リベット(290)は、電気絶縁材料でコーティングされた金属材料で形成されてもよい。
図7にも示されるように、絶縁層(296)が、フレキシブル基板(242)と連結タブ(234)との間に介在し、それによってフレックス回路アセンブリ(240)と支柱(280)との間に電気的絶縁を提供する。
図8は、上述のように縫合糸ループ(232)を組み込む実施例において使用される、同じ種類の絶縁層(296)を示す。絶縁層(296)はまた、
図6を参照して上述されたように縫合糸(282)が使用される変形例において使用されてもよい。
【0028】
アブレーションカテーテルアセンブリ(100)の使用中、アブレーションカテーテル(120)は、エンドエフェクタ(200)が非拡張構成にある間に、心臓(例えば、肺静脈)に隣接する標的化された心血管構造付近にエンドエフェクタ(200)を位置付けるように前進され得る。次いで、エンドエフェクタ(200)を拡張して、電極(250)を標的の心血管構造の組織と接触させることができる。いくつかの変形例では、操作者は、拡張可能なアセンブリ(210)を選択的に作動させて、所望の拡張の程度を提供してもよく、拡張の程度は、標的化されている特定の解剖学的構造の寸法又は構造的構成に基づいて選択される。例えば、プルワイヤなどのアクチュエータが、拡張可能なアセンブリ(210)を非拡張構成から拡張構成へと移行させるために使用される変形例では、操作者は、拡張可能なアセンブリ(210)が電極(250)を解剖学的構造の組織と丁度接触させることをもたらす拡張の程度を達成するように選択された距離までアクチュエータを並進させることができる。これは、操作者が、拡張可能なアセンブリ(210)を過度に拡張し、それによって解剖学的構造に損傷を引き起こし得ることを回避することを可能にし得る。
【0029】
拡張可能なアセンブリ(210)が電極(250)を標的組織と接触させるように適切に付勢した後、電極(250)を起動して組織にRFエネルギーを印加し、それによって組織をアブレーションすることができる。RFエネルギーは、上記のように電極(250)をコンソール(12)と電気的に連結する様々な構成要素を介してコンソール(12)から供給され得る。次に、エンドエフェクタ(200)を、非拡張構成に折りたたむことができる。次いで、エンドエフェクタ(200)を別の位置に再位置付けしてもよく、上述の工程が繰り返されて、他の位置で組織をアブレーションすることができる。アブレーションが完了した後、アブレーションカテーテル(120)は患者(PA)から除去され得る。
【0030】
上述のように、いくつかの使用変形例は、アブレーションが実行されている間に、流体源(42)から標的組織部位への灌注流体の伝達を含み得る。このような灌注は、組織への過度の熱損傷を防止するために冷却を提供し得る。灌注を提供する代替として、患者自身の血液が冷却効果を提供する場合があり、その結果、流体源(42)からの灌注流体は必要とされない。換言すれば、拡張エンドエフェクタ(200)は、フレックス回路アセンブリ(240)によって覆われていない支柱(230)の領域間に実質的な間隙を提供する。患者の血液は、このような間隙を通って自由に流れることができ、それによって灌注効果を提供し得る。拡張されたエンドエフェクタ(200)を通る血液の流れを更に促進するために、フレキシブル基板(242)は、それを貫通して形成された複数の開口部を含み得る。
【0031】
再び
図3を参照すると、本実施例の遠位ハブ(220)はまた、他の器具がエンドエフェクタ(200)を通過することを可能にするようにサイズ決めされた開口部(222)を画定する。例えば、
図3は、開口部(222)を通って突出し、エンドエフェクタ(200)の遠位に位置付けられたラッソーカテーテル(170)を示す。ラッソーカテーテル(170)は、複数の電極(174)が間隔を置いて配置された螺旋状本体部分(172)を含む。単に一例として、ラッソーカテーテル(170)は、米国特許出願公開第2018/0036078号、発明の名称「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」(2018年2月8日公開、その開示は参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくともいくつかに従って構成及び動作可能であり得る。
図3はまた、開口部(222)を通って突出し、エンドエフェクタ(200)の遠位に位置付けられた別のカテーテル(180)(破線)を示す。カテーテル(180)は、力センサ又は任意の他の好適な特徴(複数可)を含んでもよい。単に一例として、カテーテル(180)は、米国特許第8,357,152号、名称「Catheter with Pressure Sensing」(2013年1月22日発行、その開示は参照により本明細書に組み込まれる)、米国特許出願公開第2011/0130648号、名称「Catheter with Pressure Measuring Tip」(2009年11月30日公開)又は本明細書に引用される任意の他の特許参考文献、の教示の少なくともいくつかに従って構成及び動作可能であり得る。開口部(222)を通過することができる他の好適な器具は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0032】
いくつかの変形形態では、エンドエフェクタ(200)は、患者(PA)内のエンドエフェクタ(200)の位置及び配向を示す信号を生成するように動作可能な位置センサ(図示せず)を含む。更に単に一例として、かかる位置センサは、ラッソーカテーテル(170)又はカテーテル(180)などのエンドエフェクタ(200)と関連付けられた別の器具に組み込まれてもよい。いくつかの変形例では、位置センサは、磁場発生器(20)によって生成された交流電磁場の存在に応答して電気信号を発生させるように構成される、1つのワイヤコイル又は複数のワイヤコイル(例えば、3つの直交コイル)を含む。エンドエフェクタ(200)に関連付けられたリアルタイム位置データを生成するために使用することができる他の構成要素及び技術としては、無線三角測量、音響トラッキング、光学トラッキング、慣性トラッキングなどが挙げられ得る。アブレーションカテーテルアセンブリ(100)のいくつかの変形形態は、位置センサを欠く場合がある。
【0033】
いくつかの変形例では、電極(250)は、RFアブレーション機能及びEPマッピング機能の両方を提供するように構成される。いくつかの他の変形例では、電極(250)は、EPマッピング機能を提供することなくRFアブレーション機能のみを提供するように構成される。更に他の変形例では、電極(250)は、RFアブレーション機能も提供することなくEPマッピング機能を提供するようにのみ構成される。更に別の単なる例示的な例として、アブレーションカテーテル(120)は、RFアブレーション機能のみを提供するために専用であるいくつかの電極(250)と、EPマッピング機能のみを提供するために専用である他の電極とを含むことができる。電極(250)に関連付けられ得る他の好適な構成及び機能が、本明細書における教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0034】
RFアブレーション機能のみを提供することに専用であるいくつかの電極(250)と、EPマッピング機能のみを提供することに専用の他の電極とを含むアブレーションカテーテル(120)の単なる例示的な例として、エンドエフェクタ(200)の遠位領域は、EPマッピング専用の電極を含んでもよい。このようなEPマッピング電極は、電極(250)の遠位に位置付けられ得る。例えば、そのようなEPマッピング電極は、遠位ハブ(220)上、フレックス回路アセンブリ(240)の遠位にあるエンドエフェクタ(200)上のどこか(例えば、1つ又は2つ以上の別個のフレックス回路上)、フレックス回路アセンブリ(240)の遠位領域のどこか、又は他の場所に提供されてもよい。このようなEPマッピング電極は、電極(250)に対して分離されてもよい。このようなEPマッピング電極は、RFアブレーションが適用される前に、RFアブレーションの標的領域を特定するのを支援するために使用されてもよい。このようなEPマッピング電極はまた、RFアブレーションが適用された後、RFアブレーションが十分であったかどうかを検証するために使用されてもよい。更に、このようなEPマッピング電極は、RFアブレーション中にリアルタイムで心電図信号を監視して、RFアブレーションの有効性に関するリアルタイムフィードバックを提供し得る。EPマッピング電極がエンドエフェクタ(200)に統合されている変形例では、ラッソーカテーテル(170)は省略されてもよい。
【0035】
III.例示的な代替のエンドエフェクタ構成
図9は、アブレーションカテーテル(120)の遠位端(122)に位置付けられ得る例示的な代替のエンドエフェクタ(300)を示す。この実施例のエンドエフェクタ(300)は、非拡張構成と拡張構成との間で移行するように構成される拡張可能なアセンブリ(310)を含み、拡張構成は
図9に示される。非拡張構成では、拡張可能なアセンブリ(310)は、
図2Aに示される拡張可能なアセンブリ(210)に概ね似ていてもよい。拡張可能なアセンブリ(310)は、拡張可能なアセンブリ(210)に関して上述したいずれかのものと同様の様態で、拡張構成と非拡張構成との間で移行され得る。更に単に一例として、拡張可能なアセンブリ(310)は、米国特許出願公開第2017/0156840号、名称「Medical Device for Modification of Left Atrial Appendage and Related Systems and Method」(2017年6月8日公開)の教示のいずれかに従って、拡張構成と非拡張構成との間で移行することができる。拡張可能なアセンブリ(310)が拡張構成と非拡張構成との間で移行することができる他の好適な方式は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0036】
この例の拡張可能なアセンブリ(310)は、角度的に離間された支柱(330)のアレイを含む。支柱(330)は、ニチノール又は任意の他の好適な材料(複数可)で形成することができる。この実施例の各支柱(330)は、各支柱(330)の両端が、アブレーションカテーテル(120)端部の遠位端(122)に位置するように、遠位屈曲部(331)を含む。いくつかの変形形態では、ハブ(図示せず)が、遠位屈曲部(331)の間で中央に位置付けられ、ハブを遠位屈曲部(331)と中心的に連結するために、複数のスポーク(図示せず)がハブから外向きに放射状に広がる。したがって、スポーク及びハブは、支柱(330)と協働して、ハブ及び支柱(330)の相対的な長手方向の並進に応じて、拡張可能なアセンブリ(310)を拡張構成と非拡張構成との間で移行させることができる。
【0037】
フレックス回路アセンブリ(240)は、支柱(330)に固定される。具体的には、各フレキシブル基板(242)の1つの外側部は、その支柱(330)の遠位屈曲部(331)の一方の外側部の対応する支柱(330)の1つのセグメントに固定され、一方で、そのフレキシブル基板(242)の他方の外側部は、その支柱(330)の遠位屈曲部(331)の他の外側部の同じ支柱(330)の他のセグメントに固定される。本実施例では、フレックス回路アセンブリ(240)は、縫合糸ループ(332)を介して支柱(330)に固定されるが、本明細書に記載される任意の他の好適な構成要素及び技術を使用して、フレックス回路アセンブリ(240)を支柱(330)に固定することができる。
【0038】
拡張構成では、
図9に示される例のエンドエフェクタ(300)は、概して、エンドエフェクタ(200)のような球根状ではなく、チューリップ又は円錐のような形状である。あるいは、エンドエフェクタ(300)は、拡張構成にあるとき、砂時計形状などを含むがこれらに限定されない、任意の他の好適な形状を有してもよい。エンドエフェクタ(300)は、上述のエンドエフェクタ(200)と同様に使用されてもよく、支柱(330)が電極(250)を付勢して組織と接触させ、電極(250)が活性化されて隣接する組織のRFアブレーションを提供する。エンドエフェクタ(300)はまた、それを通る患者の血液の流れを可能にし得、それによって血液が、組織への過度の熱損傷を回避するために冷却効果を提供する灌注流体として機能することを可能にする。
【0039】
図10は、アブレーションカテーテル(120)の遠位端(122)に位置付けられ得る別の例示的な代替のエンドエフェクタ(400)を示す。この実施例のエンドエフェクタ(400)は、非拡張構成と拡張構成との間で移行するように構成される拡張可能なアセンブリ(410)を含み、拡張構成は
図10に示される。非拡張構成では、拡張可能なアセンブリ(410)は、
図2Aに示される拡張可能なアセンブリ(210)に概ね似ていてもよい。
【0040】
この実施例の拡張可能なアセンブリ(410)は、ワイヤメッシュ又はケージ(430)を含む。ケージ(430)は、ニチノール又は任意の他の好適な材料(複数可)で形成することができる。遠位ハブ(420)が、ケージ(430)の遠位端に固定される。中央シャフト(図示せず)が、ケージ(430)の中心を通過し、遠位ハブ(420)に固定され得る。拡張可能なアセンブリ(410)は、拡張可能なアセンブリ(210)に関して上述したいずれかのものと同様の様態で、拡張構成と非拡張構成との間で移行され得る。拡張可能なアセンブリ(410)は、したがって、拡張構成をとるように弾性的に付勢され得、シース(例えば、シース(150)のような)を使用して、拡張可能なアセンブリ(410)を非拡張構成に保持し得る。あるいは、アクチュエータアセンブリが、遠位ハブ(420)とアブレーションカテーテル(120)の遠位端(122)との間の相対的な長手方向の移動を提供して、ケージ(430)を座屈させ、それによって拡張構成に変形させることができる。拡張可能なアセンブリ(410)が拡張構成と非拡張構成との間で移行することができる他の好適な方式は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0041】
フレックス回路アセンブリ(240)は、ケージ(430)に固定されている。具体的には、縫合糸ループ(432)が、フレックス回路アセンブリ内の開口部及びケージ(430)によって画定された開口部を通過する。あるいは、任意の他の好適な構成要素及び技術を使用して、フレックス回路アセンブリ(240)をケージ(430)に固定することができる。
【0042】
拡張構成では、
図10に示される実施例のエンドエフェクタ(400)は、概ね球根状である。あるいは、エンドエフェクタ(400)は、拡張構成にあるとき、円錐形、砂時計形状などを含むがこれらに限定されない、任意の他の好適な形状を有してもよい。エンドエフェクタ(400)は、上述のエンドエフェクタ(200)と同様に使用されてもよく、ケージ(430)が、電極(250)を付勢して組織と接触させ、電極(250)が活性化されて隣接する組織のRFアブレーションを提供する。エンドエフェクタ(400)はまた、それを通る患者の血液の流れを可能にし得、それによって血液が、組織への過度の熱損傷を回避するために冷却効果を提供する灌注流体として機能することを可能にする。
【0043】
図11~
図12は、アブレーションカテーテル(120)の遠位端(122)に位置付けられ得る、更に別の例示的な代替のエンドエフェクタ(500)を示す。この実施例のエンドエフェクタ(500)は、非拡張構成と拡張構成との間で移行するように構成される拡張可能なアセンブリ(510)を含み、拡張構成は
図11~
図12に示される。非拡張構成では、拡張可能なアセンブリ(510)は、
図2Aに示される拡張可能なアセンブリ(210)に概ね似ていてもよい。
【0044】
この実施例の拡張可能なアセンブリ(510)は、複数の支柱(530、532)を含む。第1の組の支柱(530)は、長手方向に延在し、角度的に離間したアレイ内に位置付けられる。第2の組の支柱(532)は、概ね周方向の経路に沿って支柱(530)の間に延在する。本実施例では、支柱(532)は、遠位サブセット内及び近位サブセット内に配置される。あるいは、支柱(532)のサブセットの任意の他の好適な数及び配置が提供されてもよい。各支柱(532)はV字形を有し、概ね真っ直ぐな構成に向かって弾性的に付勢されており、それにより、支柱(532)が互いに協働して支柱(530)間の一貫した角度間隔を確保し、支柱(530)が互いに束ねられるのを防ぎ、支柱(530)がそれらの形状を維持するのを助ける。いくつかの変形形態では、支柱(532)は省略される。
【0045】
遠位ハブ(520)が、支柱(530)の遠位端に固定される。中心シャフト(512)が、拡張可能なアセンブリ(510)の中心を通過し、遠位ハブ(520)に固定される。拡張可能なアセンブリ(510)は、拡張可能なアセンブリ(210)に関して上述したいずれかのものと同様の様態で、拡張構成と非拡張構成との間で移行され得る。拡張可能なアセンブリ(510)は、したがって、拡張構成をとるように弾性的に付勢され得、シース(例えば、シース(150)のような)を使用して、拡張可能なアセンブリ(510)を非拡張構成に保持し得る。あるいは、アクチュエータアセンブリが、遠位ハブ(520)とアブレーションカテーテル(120)の遠位端(122)との間の相対的な長手方向の移動を提供して、支柱(530)を座屈させ、それによって拡張構成に変形させることができる。拡張可能なアセンブリ(510)が拡張構成と非拡張構成との間で移行することができる他の好適な方式は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0046】
フレックス回路アセンブリ(240)は、スリーブ(540)に固定される。スリーブ(540)は、ナイロン、ポリエステル(例えば、ダクロン)、ポリプロピレン、ePTFE、ポリウレタンなどのポリマーを含むがこれらに限定されない、任意の好適な材料(複数可)から形成され得る。スリーブ(540)のいくつかの変形形態は、内部を通る流体の伝達を容易にするために、それを通して形成された1つ又は2つ以上のスリット又は開口部を含み得る。単に一例として、フレックス回路アセンブリ(240)は、熱融着、ステッチング、縫合糸ループ、リベットを介して、又は任意の他の好適な構成要素若しくは技術を使用してスリーブ(540)に固定され得る。いくつかの変形形態では、各フレックス回路アセンブリ(242)のワイヤ(262)は、スリーブ(540)内で織られる。本実施例のスリーブ(540)は、支柱(530、532)の上に適合され、それによってフレックス回路アセンブリ(240)を支柱(530、532)に対して固定する。単に一例として、スリーブ(540)は、ステッチング、縫合糸ループ、リベットを介して、又は任意の他の好適な構成要素若しくは技術を使用して、支柱(530)に固定されてもよい。いくつかの変形例では、スリーブ(540)は、支柱(530)間の一貫した角度間隔を促進し、支柱(530)が一緒に束ねられるのを防ぎ、支柱(530)がその形状を維持するのを助ける。スリーブ(540)はまた、組織が支柱(530)の間に捕捉され、挟まれるリスクを低減し得る。
【0047】
拡張構成では、
図11~
図12に示される実施例のエンドエフェクタ(500)は、概ね洋ナシ形状であり、エンドエフェクタ(500)の遠位領域はエンドエフェクタ(500)の近位領域よりも狭い。いくつかの他の変形形態では、エンドエフェクタ(500)は、拡張構成において依然として洋ナシ形状であるが、エンドエフェクタ(500)の遠位領域は、エンドエフェクタ(500)の近位領域よりも広い。あるいは、エンドエフェクタ(500)は、拡張構成にあるとき、円錐形、砂時計形などを含むがこれらに限定されない、任意の他の好適な形状を有してもよい。エンドエフェクタ(500)は、上述のエンドエフェクタ(200)と同様に使用されてもよく、拡張可能なアセンブリ(510)が、電極(250)を付勢して組織と接触させ、電極(250)が活性化されて隣接する組織のRFアブレーションを提供する。エンドエフェクタ(500)はまた、それを通る患者の血液の流れを可能にし得、それによって血液が、組織への過度の熱損傷を回避するために冷却効果を提供する灌注流体として機能することを可能にする。
【0048】
スリーブ(540)は、エンドエフェクタ(500)の文脈でのみ示されているが、本明細書に記載される他のエンドエフェクタ(200、300、400)のいずれも、スリーブ(540)を組み込むように容易に修正され得る。換言すれば、フレックス回路アセンブリ(240)は、スリーブ(540)又はその変形形態を介して、本明細書に記載される拡張可能なアセンブリ(210、310、410、510)のいずれかに固定されてもよい。
【0049】
エンドエフェクタ(200)が、RFアブレーション電極(250)を含むことに加えてEPマッピング電極を含む変形形態を有し得るのと同様に、エンドエフェクタ(300、400、500)もまた、電極(250)を有することに加えてEPマッピング電極を有し得る。エンドエフェクタ(200)と同様に、そのようなEPマッピング電極は、電極(250)に対して遠位に位置付けられ得、電極(250)に対して電気的に絶縁され得る。
【0050】
上記の様々な実施例では、フレックス回路アセンブリ(240)は、接着剤を使用せずに拡張可能なアセンブリ(210、310、410、510)に固定され得る。換言すれば、フレックス回路アセンブリ(240)は、縫合糸ループ(232、332、432)、リベット(290)、縫われた縫合糸(282)、スリーブ(540)、又は何らかの他の機械的/非接着構造体を介して、拡張可能なアセンブリ(210、310、410、510)に固定され得る。エンドエフェクタ(200、300、400、500)を組み立てるプロセスにおいて、ロボットシステムが、縫合糸ループ(232、332、432)を適用するため、リベット(290)を形成するため、縫合糸(282)を縫うため、又は本明細書で企図されるようにフレックス回路アセンブリ(240)を拡張可能なアセンブリ(210、310、410、510)に固定する任意の他の形態を提供するために容易に実装され得る。
【0051】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方式に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの特許請求の範囲の適用範囲をも限定することを目的としたものではない、と理解すべきである。一切の棄権を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、多くの他の方式で構成及び適用され得ると考えられる。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも、考えられる。したがって、本発明者ら又は本発明者らの利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含むいかなる特許請求の範囲も本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0052】
装置であって、(a)カテーテルであって、カテーテルの少なくとも一部分が、ヒト心臓血管系の内腔内に収まるようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、(b)カテーテルの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタが、(i)拡張可能なアセンブリであって、拡張可能なアセンブリが、非拡張状態と拡張状態との間で移行するように構成されており、拡張可能なアセンブリが、少なくとも1つの変形可能な支柱又はケージを備える、拡張可能なアセンブリと、(ii)少なくとも1つのフレックス回路と、を備え、少なくとも1つのフレックス回路の各フレックス回路が、(A)接着剤なしで拡張可能なアセンブリに固定されたフレキシブル基板と、(B)フレキシブル基板に固定された電極と、を備え、拡張状態にある拡張可能なアセンブリが、電極を付勢して組織と接触させるように構成されており、電極が、長手方向に細長い部分と、長手方向に細長い部分から横方向に延在する複数の指部とを画定する魚の骨状の構成を有する、装置。
【実施例2】
【0053】
拡張可能なアセンブリが、長手方向軸の周りのアレイ内で互いに角度的に離間された複数の長手方向に延在する支柱を備える、実施例1に記載の装置。
【実施例3】
【0054】
支柱が、概ね真っ直ぐな構成と外向きに弓状に曲がった構成との間で移行し、それによって、拡張可能なアセンブリを、それぞれ非拡張状態と拡張状態との間で移行させるように構成されている、実施例2に記載の装置。
【実施例4】
【0055】
各フレックス回路のフレキシブル基板が、複数の支柱の対応する対の支柱に固定され、複数の支柱の各支柱が自己拡張部材を含む、実施例2~3のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例5】
【0056】
各支柱が、少なくとも1つの連結タブを備え、各フレックス回路のフレキシブル基板が、対応する対の支柱の各支柱の少なくとも1つの連結タブに固定されている、実施例4に記載の装置。
【実施例6】
【0057】
エンドエフェクタが、遠位ハブを更に備え、支柱の遠位部分が、遠位ハブに固定されている、実施例2~5のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例7】
【0058】
ハブに固定された中央シャフトを更に備え、シャフトが、拡張可能なアセンブリを通って延在し、拡張可能なアセンブリが、カテーテルの遠位端とハブ及び中央シャフトの組み合わせとの間の相対的な長手方向の移動に応じて、非拡張状態と拡張状態との間を移行するように構成されている、実施例6に記載の装置。
【実施例8】
【0059】
各支柱が、一対の長手方向に延在するセグメントと、長手方向に延在するセグメントを接合する遠位屈曲部とを含む、実施例2~5のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例9】
【0060】
拡張可能なアセンブリが、長手方向に延在する支柱の間に延在する複数の周方向に延在する支柱を更に備える、実施例2~8のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例10】
【0061】
周方向に延在する支柱が、長手方向に延在する支柱を互いから角度的に離れるように付勢するように構成されている、実施例9に記載の装置。
【実施例11】
【0062】
エンドエフェクタが、拡張可能なアセンブリの上に位置付けられたスリーブを更に備え、少なくとも1つのフレックス回路が、スリーブに固定されている、実施例1~10のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例12】
【0063】
スリーブが、織物材料を含む、実施例11に記載の装置。
【実施例13】
【0064】
少なくとも1つのフレックス回路が、1つ又は2つ以上の縫合糸を介して拡張可能なアセンブリに固定されている、実施例1~12のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例14】
【0065】
少なくとも1つのフレックス回路が、1つ又は2つ以上のリベットを介して拡張可能なアセンブリに固定されている、実施例1~12のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例15】
【0066】
1つ又は2つ以上のリベットが、モノフィラメントポリマーで形成されている、実施例14に記載の装置。
【実施例16】
【0067】
拡張可能なアセンブリが、拡張状態において球根状形状を形成するように構成されている、実施例1~15のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例17】
【0068】
拡張可能なアセンブリが、拡張状態において円錐形状を形成するように構成されている、実施例1~15のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例18】
【0069】
拡張可能なアセンブリが、拡張状態において洋ナシ形状を形成するように構成されている、実施例1~15のいずれか1つ又は2つ以上に記載の装置。
【実施例19】
【0070】
装置であって、(a)カテーテルであって、カテーテルの少なくとも一部分が、ヒト心臓血管系の内腔内に収まるようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、(b)カテーテルの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタが、(i)拡張可能なワイヤフレームアセンブリであって、拡張可能なワイヤフレームアセンブリが、非拡張状態と拡張状態との間で移行するように構成されている、拡張可能なワイヤフレームアセンブリと、(ii)少なくとも1つのフレックス回路と、を備え、少なくとも1つのフレックス回路の各フレックス回路が、(A)ループ、リベット又はステッチからなる群から選択された1つ又は2つ以上の構造体を介して、拡張可能なワイヤフレームアセンブリに固定されたフレキシブル基板と、(B)フレキシブル基板に固定された電極と、を備え、拡張状態にある拡張可能なワイヤフレームアセンブリが、電極を付勢して組織と接触させるように構成されている、装置。
【実施例20】
【0071】
電気生理学的デバイスであって、(a)拡張可能なアセンブリであって、拡張可能なアセンブリが、非拡張状態と拡張状態との間で機械的に移行するように構成されている、拡張可能なアセンブリと、(b)拡張可能なアセンブリの周りに位置付けられたスリーブと、(c)少なくとも1つのフレックス回路と、を備え、少なくとも1つのフレックス回路の各フレックス回路が、(i)接着剤なしで、スリーブに固定されたフレキシブル基板と、(ii)フレキシブル基板に固定された電極であって、電極が、長手方向に細長い部分と、長手方向に細長い部分から横方向に延在する複数の指部とを画定する魚の骨状の構成を有する、電極と、を備え、拡張状態にある拡張可能なアセンブリが、電極を付勢して組織と接触させるように構成されている、電気生理学的デバイス。
【0072】
V.その他
本明細書に記載されている実施例のうちのいずれも、上述のものに加えて又はそれに代えて、様々な他の特徴を含み得ることが理解されるべきである。単に一例として、本明細書に記載されている実施例のうちのいずれも、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴のうちの1つ又は2つ以上を含むこともできる。
【0073】
本明細書に記載の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現要素、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方式が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正形態及び変形形態は、特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとする。
【0074】
参照により本明細書に組み込まれると言及されたいかなる特許、公報、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載される他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる、と理解されなければならない。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示は、参考により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する資料に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0075】
本発明の様々な変形例について図示し説明してきたが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる応用が、当業者による適切な改変形態により、本発明の範囲から逸脱することなく実現され得る。このような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかとなるであろう。例えば、上で考察された実施例、変形例、幾何形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして、理解されたい。
【0076】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)カテーテルであって、前記カテーテルの少なくとも一部分が、ヒト心臓血管系の内腔内に収まるようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、
(b)前記カテーテルの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)拡張可能なアセンブリであって、前記拡張可能なアセンブリが、非拡張状態と拡張状態との間で移行するように構成されており、前記拡張可能なアセンブリが、少なくとも1つの変形可能な支柱又はケージを備える、拡張可能なアセンブリと、
(ii)少なくとも1つのフレックス回路と、を備え、前記少なくとも1つのフレックス回路の各フレックス回路が、
(A)接着剤なしで前記拡張可能なアセンブリに固定されたフレキシブル基板と、
(B)前記フレキシブル基板に固定された電極と、を備え、前記拡張状態にある前記拡張可能なアセンブリが、前記電極を付勢して組織と接触させるように構成されており、前記電極が、長手方向に細長い部分と、前記長手方向に細長い部分から横方向に延在する複数の指部とを画定する魚の骨状の構成を有する、装置。
(2) 前記拡張可能なアセンブリが、長手方向軸の周りのアレイ内で互いに角度的に離間した複数の長手方向に延在する支柱を備える、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記支柱が、概ね真っ直ぐな構成と外向きに弓状に曲がった構成との間で移行し、それによって、前記拡張可能なアセンブリを、それぞれ前記非拡張状態と前記拡張状態との間で移行させるように構成されている、実施態様2に記載の装置。
(4) 各フレックス回路の前記フレキシブル基板が、前記複数の支柱の対応する対の支柱に固定され、前記複数の支柱の各支柱が自己拡張部材を含む、実施態様2に記載の装置。
(5) 各支柱が、少なくとも1つの連結タブを備え、各フレックス回路の前記フレキシブル基板が、前記対応する対の支柱の各支柱の前記少なくとも1つの連結タブに固定されている、実施態様4に記載の装置。
【0077】
(6) 前記エンドエフェクタが、遠位ハブを更に備え、前記支柱の遠位部分が、前記遠位ハブに固定されている、実施態様2に記載の装置。
(7) 前記ハブに固定された中央シャフトを更に備え、前記シャフトが、前記拡張可能なアセンブリを通って延在し、前記拡張可能なアセンブリが、前記カテーテルの前記遠位端と前記ハブ及び前記中央シャフトの組み合わせとの間の相対的な長手方向の移動に応じて、前記非拡張状態と前記拡張状態との間を移行するように構成されている、実施態様6に記載の装置。
(8) 各支柱が、一対の長手方向に延在するセグメントと、前記長手方向に延在するセグメントを接合する遠位屈曲部とを含む、実施態様2に記載の装置。
(9) 前記拡張可能なアセンブリが、前記長手方向に延在する支柱の間に延在する複数の周方向に延在する支柱を更に備える、実施態様2に記載の装置。
(10) 前記周方向に延在する支柱が、前記長手方向に延在する支柱を互いから角度的に離れるように付勢するように構成されている、実施態様9に記載の装置。
【0078】
(11) 前記エンドエフェクタが、前記拡張可能なアセンブリの上に位置付けられたスリーブを更に備え、前記少なくとも1つのフレックス回路が、前記スリーブに固定されている、実施態様2に記載の装置。
(12) 前記スリーブが、織物材料を含む、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記少なくとも1つのフレックス回路が、1つ又は2つ以上の縫合糸を介して前記拡張可能なアセンブリに固定されている、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記少なくとも1つのフレックス回路が、1つ又は2つ以上のリベットを介して前記拡張可能なアセンブリに固定されている、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記1つ又は2つ以上のリベットが、モノフィラメントポリマーで形成されている、実施態様14に記載の装置。
【0079】
(16) 前記拡張可能なアセンブリが、前記拡張状態において球根状形状を形成するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(17) 前記拡張可能なアセンブリが、前記拡張状態において円錐形状を形成するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(18) 前記拡張可能なアセンブリが、前記拡張状態において洋ナシ形状を形成するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(19) 装置であって、
(a)カテーテルであって、前記カテーテルの少なくとも一部分が、ヒト心臓血管系の内腔内に収まるようにサイズ決め及び構成されている、カテーテルと、
(b)前記カテーテルの遠位端に位置付けられたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)拡張可能なワイヤフレームアセンブリであって、前記拡張可能なワイヤフレームアセンブリが、非拡張状態と拡張状態との間で移行するように構成されている、拡張可能なワイヤフレームアセンブリと、
(ii)少なくとも1つのフレックス回路と、を備え、前記少なくとも1つのフレックス回路の各フレックス回路が、
(A)ループ、リベット、又はステッチからなる群から選択される1つ又は2つ以上の構造体を介して、前記拡張可能なワイヤフレームアセンブリに固定されたフレキシブル基板と、
(B)前記フレキシブル基板に固定された電極と、を備え、前記拡張状態にある前記拡張可能なワイヤフレームアセンブリが、前記電極を付勢して組織と接触させるように構成されている、装置。
(20) 電気生理学的デバイスであって、
(a)拡張可能なアセンブリであって、前記拡張可能なアセンブリが、非拡張状態と拡張状態との間で機械的に移行するように構成されている、拡張可能なアセンブリと、
(b)前記拡張可能なアセンブリの周りに位置付けられたスリーブと、
(c)少なくとも1つのフレックス回路と、を備え、前記少なくとも1つのフレックス回路の各フレックス回路が、
(i)接着剤なしで、前記スリーブに固定されたフレキシブル基板と、
(ii)前記フレキシブル基板に固定された電極であって、前記電極が、長手方向に細長い部分と、前記長手方向に細長い部分から横方向に延在する複数の指部とを画定する魚の骨状の構成を有する、電極と、を備え、前記拡張状態にある前記拡張可能なアセンブリが、前記電極を付勢して組織と接触させるように構成されている、電気生理学的デバイス。