(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】誘電体インク組成物
(51)【国際特許分類】
H05K 3/12 20060101AFI20240115BHJP
H05K 3/10 20060101ALI20240115BHJP
C09D 11/101 20140101ALI20240115BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20240115BHJP
B41M 1/12 20060101ALI20240115BHJP
B41M 5/00 20060101ALI20240115BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240115BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240115BHJP
C09D 11/30 20140101ALI20240115BHJP
C09D 11/52 20140101ALI20240115BHJP
【FI】
H05K3/12 630Z
H05K3/12 610A
H05K3/10 D
C09D11/101
H05K3/00 A
B41M1/12
B41M5/00 100
B41M5/00 120
B41J2/01 501
G06F3/041 640
G06F3/041 660
C09D11/30
C09D11/52
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021128893
(22)【出願日】2021-08-05
(62)【分割の表示】P 2019561314の分割
【原出願日】2018-05-14
【審査請求日】2021-09-03
(32)【優先日】2017-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598085065
【氏名又は名称】アルファ・アセンブリー・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALPHA ASSEMBLY SOLUTIONS INC.
(74)【復代理人】
【識別番号】100100158
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【復代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】プジャリ、ナラハリ
(72)【発明者】
【氏名】サンドラマーティー、ジャヤプラカシュ
(72)【発明者】
【氏名】サルカール、シウィ
(72)【発明者】
【氏名】バトカル、ラビンドラ エム.
【審査官】松原 宜史
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-503940(JP,A)
【文献】特開2003-292857(JP,A)
【文献】特開2010-247408(JP,A)
【文献】特表2006-520420(JP,A)
【文献】特表2007-521387(JP,A)
【文献】特開平06-202323(JP,A)
【文献】特開2005-223324(JP,A)
【文献】特開2003-055053(JP,A)
【文献】特開平06-263424(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0151606(US,A1)
【文献】国際公開第2013/146706(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性誘電体インク組成物を成形する方法であって、前記可撓性誘電体インク組成物が、
誘電体材料であって、前記誘電体材料が、粉末、フレーク、又は樹脂の形態である、誘電体材料と、
分枝鎖ポリエステル又はポリオールポリエステルを含む1つ以上の有機バインダと、
1つ以上のUV硬化性開始剤、熱硬化性開始剤、架橋剤及び/又は乾燥剤と、を含み、
前記方法が
a.前記可撓性誘電体インク組成物の第1の層と、導電性インク
組成物の第2の層と、前記可撓性誘電体インク組成物の
第3の層と、を含む積層体を印刷するステップであって、
前記第1の層の上側に前記第2の層が配置され、前記第2の層の上側に前記第3の層が上部層として配置されるように前記可撓性誘電体インク
組成物及び前記導電性インク
組成物が、ジェット印刷、スクリーン印刷、又はステンシル印刷によって印刷される、印刷するステップと、
b.前記印刷された
可撓性誘電体インク
組成物及び導電性インク組成物を硬化又は乾燥させるステップと、
c.前記積層体を所望の形状に変形させるステップと、を含み、
前記可撓性誘電体インク組成物の前記第1の層が、可撓性基材上に印刷され
、
前記変形させるステップが、熱成形又は真空成形を含み、前記所望の形状が、三次元回路を含み、
前記組成物が、1つ以上のUV硬化性開始剤を含有し、前記1つ以上のUV硬化性開始剤が、ベンゾイン及びそのアルキルエーテル、ベンゾフェノン及びその誘導体、キサントン、チオキサントン、塩素化チオキサントン、アセトフェノン誘導体、ハロゲン化された脂肪族及び芳香族のポリ塩素化ビフェニル及びポリフェニル、並びに前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される、
方法。
【請求項2】
前記可撓性誘電体インク組成物の前記第1の層が、前記基材上に印刷された導電性インク、グラフィックインク、又は炭素トレース上に印刷される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記誘電体材料が、二酸化チタン、シリカ、ヒュームドシリカ、ポリマー樹脂、ポリアミドワックス、微粉化ポリアミドワックス、チタン酸ストロンチウム、タルク、粘土、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパラキシレン、モノクロロポリパラキシレン、ジクロロポリ-パラキシレン、ペルフルオロ-p-キシリレン、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が、追加のエラストマー又はオリゴマーを更に含む、請求項1または
3に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物が、イソプレン系ゴム、ポリブテン、ポリイソブチレン、液体シリコーン、ブロックポリイソシアネート、又は長鎖アクリルオリゴマー若しくはポリマーのうちの1つ以上を更に含む、請求項1および
3~
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物が、150~300℃の沸点を有する溶媒を更に含む、請求項1および
3~
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物が、1つ以上の熱硬化性開始剤を含有し、前記1つ以上の熱硬化性開始剤が、メラミン樹脂、多官能性アジリジン化合物、イソシアネート、炭酸亜鉛アンモニウム、炭酸ジルコニウム、多官能性カルボジイミド化合物、オキシラン化合物、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記組成物が、レオロジー変性剤、エラストマー、接着促進剤、及び充填剤のうちの1つ以上を更に含む、請求項1および
3~
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物が、誘電体ポリマー、無機充填剤、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される充填剤を含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記充填剤が、石英、グラフェン、グラフェン酸化物、グラファイト、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される無機充填剤である、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記充填剤が、分散体の形態で添加される、請求項
9又は
10に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物が、レオロジー変性剤を含み、前記レオロジー変性剤が、アルコール可溶性セルロースアセテートブチレートである、請求項
8に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物が、接着促進剤を含み、前記接着促進剤が、シランモノマー又はオリゴマーである、請求項
8に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物が、架橋性である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
容量式タッチ構成要素を作製する方法であって、
i)可撓性基材上に可撓性誘電体インク組成物を塗布するステップと、
ii)前記可撓性誘電体インク組成物を乾燥又は硬化させるステップのうちの少なくとも1つのステップと、を含み、
前記可撓性誘電体インク組成物が、
誘電体材料であって、前記誘電体材料が、粉末、フレーク、又は樹脂の形態である、誘電体材料と、
分枝鎖ポリエステル又はポリオールポリエステルを含む1つ以上の有機バインダと、
1つ以上のUV硬化性開始剤、熱硬化性開始剤、架橋剤及び/又は乾燥剤と、
を含
み、
前記組成物が、150~300℃の沸点を有する溶媒を更に含み、
前記組成物が、1つ以上のUV硬化性開始剤を含有し、前記1つ以上のUV硬化性開始剤が、ベンゾイン及びそのアルキルエーテル、ベンゾフェノン及びその誘導体、キサントン、チオキサントン、塩素化チオキサントン、アセトフェノン誘導体、ハロゲン化された脂肪族及び芳香族のポリ塩素化ビフェニル及びポリフェニル、並びに前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される、
方法。
【請求項16】
前記誘電体材料が、二酸化チタン、シリカ、ヒュームドシリカ、ポリマー樹脂、ポリアミドワックス、微粉化ポリアミドワックス、チタン酸ストロンチウム、タルク、粘土、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパラキシレン、モノクロロポリパラキシレン、ジクロロポリ-パラキシレン、ペルフルオロ-p-キシリレン、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記組成物が、追加のエラストマー又はオリゴマーを更に含む、請求項
15または
16に記載の方法。
【請求項18】
前記組成物が、イソプレン系ゴム、ポリブテン、ポリイソブチレン、液体シリコーン、ブロックポリイソシアネート、又は長鎖アクリルオリゴマー若しくはポリマーのうちの1つ以上を更に含む、請求項
15~
17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が、1つ以上の熱硬化性開始剤を含有し、前記1つ以上の熱硬化性開始剤が、メラミン樹脂、多官能性アジリジン化合物、イソシアネート、炭酸亜鉛アンモニウム、炭酸ジルコニウム、多官能性カルボジイミド化合物、オキシラン化合物、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項
15に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物が、レオロジー変性剤、エラストマー、接着促進剤、及び充填剤のうちの1つ以上を更に含む、請求項
15~
19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記組成物が、誘電体ポリマー、無機充填剤、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される充填剤を含む、請求項
20に記載の方法。
【請求項22】
前記充填剤が、石英、グラフェン、グラフェン酸化物、グラファイト、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される無機充填剤である、請求項
21に記載の方法。
【請求項23】
前記充填剤が、分散体の形態で添加される、請求項
21又は
22に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物が、レオロジー変性剤を含み、前記レオロジー変性剤が、アルコール可溶性セルロースアセテートブチレートである、請求項
20に記載の方法。
【請求項25】
前記組成物が、接着促進剤を含み、前記接着促進剤が、シランモノマー又はオリゴマーである、請求項
20に記載の方法。
【請求項26】
前記組成物が、架橋性である、請求項
15に記載の方法。
【請求項27】
前記可撓性基材が、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、及びポリ(メチルメタクリレート)からなる群から選択される、請求項
15~
26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
可撓性誘電体インク組成物の使用であって、前記可撓性誘電体インク組成物が、
誘電体材料であって、前記誘電体材料が、粉末、フレーク、又は樹脂の形態である、誘電体材料と、
分枝鎖ポリエステル又はポリオールポリエステルを含む1つ以上の有機バインダと、
1つ以上のUV硬化性開始剤、熱硬化性開始剤、架橋剤及び/又は乾燥剤と
を含み、
前記可撓性誘電体インク組成物が、150~300℃の沸点を有する溶媒を更に含み、
前記可撓性誘電体インク組成物が、1つ以上のUV硬化性開始剤を含有し、前記1つ以上のUV硬化性開始剤が、ベンゾイン及びそのアルキルエーテル、ベンゾフェノン及びその誘導体、キサントン、チオキサントン、塩素化チオキサントン、アセトフェノン誘導体、ハロゲン化された脂肪族及び芳香族のポリ塩素化ビフェニル及びポリフェニル、並びに前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択され、
熱成形方法、冷延伸法、3D物体の形成方法、スクリーン印刷、ステンシル印刷、及びLED製作における、前記可撓性誘電体インク組成物の使用。
【請求項29】
可撓性誘電体インク組成物の使用であって、前記可撓性誘電体インク組成物が、
誘電体材料であって、前記誘電体材料が、粉末、フレーク、又は樹脂の形態である、誘電体材料と、
分枝鎖ポリエステル又はポリオールポリエステルを含む1つ以上の有機バインダと、
1つ以上のUV硬化性開始剤、熱硬化性開始剤、架橋剤及び/又は乾燥剤と
を含み、
前記可撓性誘電体インク組成物が、150~300℃の沸点を有する溶媒を更に含み、
前記可撓性誘電体インク組成物が、1つ以上のUV硬化性開始剤を含有し、前記1つ以上のUV硬化性開始剤が、ベンゾイン及びそのアルキルエーテル、ベンゾフェノン及びその誘導体、キサントン、チオキサントン、塩素化チオキサントン、アセトフェノン誘導体、ハロゲン化された脂肪族及び芳香族のポリ塩素化ビフェニル及びポリフェニル、並びに前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択され、
印刷された電子機器、RFID、インモールド電子機器、OLED照明、LED照明、ヒーター、タッチパネル、ウェアラブル、エレクトロルミネセントデバイス、スマートパッケージング、及び太陽光発電における、前記可撓性誘電体インク組成物の使用。
【請求項30】
可撓性誘電体インク組成物の使用であって、前記可撓性誘電体インク組成物が、
誘電体材料であって、前記誘電体材料が、粉末、フレーク、又は樹脂の形態である、誘電体材料と、
分枝鎖ポリエステル又はポリオールポリエステルを含む1つ以上の有機バインダと、
1つ以上のUV硬化性開始剤、熱硬化性開始剤、架橋剤及び/又は乾燥剤と
を含み、
前記可撓性誘電体インク組成物が、150~300℃の沸点を有する溶媒を更に含み、
前記可撓性誘電体インク組成物が、1つ以上のUV硬化性開始剤を含有し、前記1つ以上のUV硬化性開始剤が、ベンゾイン及びそのアルキルエーテル、ベンゾフェノン及びその誘導体、キサントン、チオキサントン、塩素化チオキサントン、アセトフェノン誘導体、ハロゲン化された脂肪族及び芳香族のポリ塩素化ビフェニル及びポリフェニル、並びに前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択され、
前記可撓性誘電体インク
組成物の第1の層
と、導電性インクの第2の層
と、
前記可撓性誘電体インク
組成物の第3の層とを含
み、前記第1の層の上側に前記第2の層が配置され、前記第2の層の上側に前記第3の層が上部層として配置されるように積層体を形成するための、前記可撓性誘電体インク組成物の使用。
【請求項31】
前記誘電体材料が、二酸化チタン、シリカ、ヒュームドシリカ、ポリマー樹脂、ポリアミドワックス、微粉化ポリアミドワックス、チタン酸ストロンチウム、タルク、粘土、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパラキシレン、モノクロロポリパラキシレン、ジクロロポリ-パラキシレン、ペルフルオロ-p-キシリレン、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項
28、
29又は
30に記載の使用。
【請求項32】
前記組成物が、追加のエラストマー又はオリゴマーを更に含む、請求項
28、
29および
30~
31のいずれか一項に記載の使用。
【請求項33】
前記組成物が、イソプレン系ゴム、ポリブテン、ポリイソブチレン、液体シリコーン、ブロックポリイソシアネート、又は長鎖アクリルオリゴマー若しくはポリマーのうちの1つ以上を更に含む、請求項
28、
29および
30~
32のいずれか一項に記載の使用。
【請求項34】
前記組成物が、1つ以上の熱硬化性開始剤を含有し、前記1つ以上の熱硬化性開始剤が、メラミン樹脂、多官能性アジリジン化合物、イソシアネート、炭酸亜鉛アンモニウム、炭酸ジルコニウム、多官能性カルボジイミド化合物、オキシラン化合物、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項
28、
29又は
30に記載の使用。
【請求項35】
前記組成物が、レオロジー変性剤、エラストマー、接着促進剤、及び充填剤のうちの1つ以上を更に含む、請求項
28、
29および
30~
34のいずれか一項に記載の使用。
【請求項36】
前記組成物が、誘電体ポリマー、無機充填剤、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される充填剤を含む、請求項
35に記載の使用。
【請求項37】
前記充填剤が、石英、グラフェン、グラフェン酸化物、グラファイト、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される無機充填剤である、請求項
36に記載の使用。
【請求項38】
前記充填剤が、分散体の形態で添加される、請求項
36又は
37に記載の使用。
【請求項39】
前記組成物が、レオロジー変性剤を含み、前記レオロジー変性剤が、アルコール可溶性セルロースアセテートブチレートである、請求項
35に記載の使用。
【請求項40】
前記組成物が、接着促進剤を含み、前記接着促進剤が、シランモノマー又はオリゴマーである、請求項
35に記載の使用。
【請求項41】
前記組成物が、架橋性である、請求項
28、
29又は
30に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月15日に出願された米国特許仮出願第62/506,095号の利益を主張し、その主題が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、延伸性電子表面用のスクリーン印刷可能及び分配可能な誘電体インク組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
誘電体材料(別名「誘電体」として知られる)は、印加電界によって分極させることができる電気絶縁体である。例としては、陶磁器(セラミック)、雲母、ガラス、プラスチック、及び様々な金属の酸化物が挙げられるが、これらに限定されない。乾燥空気はまた、優れた誘電体であり、可変コンデンサ及びいくつかの種類の伝送線路で使用される。蒸留水は、適正な誘電体である。真空は、例外的に効率的な誘電体である。
【0004】
誘電体の重要な特性は、熱の形態で最小のエネルギーを消散しながら静電場を支持する能力である。誘電損失(熱として失われるエネルギーの割合)が低いほど、誘電体材料は、より効果的である。別の考慮事項は、物質が磁束の静電線を濃縮する程度である、誘電率である。特に、金属コーティングを備えた低損失誘電体材料から作製され得るマイクロ波回路及び多層回路が知られている。
【0005】
装飾されたシートを熱成形して三次元装飾物品を製造するプロセスも業界でよく知られており、このプロセスのために様々なインクが配合されている。その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,956,098,号、米国特許第4,061,584,号、米国特許第No.8,767,378号、及び第WO/2016/012753号に、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル、及び他のもののような基材への十分な接着性、及び熱成形プロセス中に亀裂を生じないように可撓性を有するように配合することができる高延伸インクが記載されている。このプロセスの利点は、環境と接触する可視表面が、引っ掻き、摩耗、及び耐候性に対する抵抗を有するように、透明プラスチック基材の第2の表面上に逆印刷を可能にすることである。インクは、この表面上に更に印刷され、溶融プラスチックで裏充填されて、封入された電子デバイスを作成することができる。このプロセスの用途としては、インスツルメントパネル、装具制御パネル、成型、及び表示成形のような自動車内装部品が挙げられる。インモールド成形された容量式スイッチ及びカプセル化されたディスプレイの形成のような、装飾及び機能化された熱成形及びインモールド成形された電子デバイスを生産する方法も、米国特許2008/0257706、米国特許第4,592,961号、及び
米国特許2003/0121767、に記載され、これらのそれぞれの主題は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
誘電体インクは、複雑な電子デバイスを製造する際に重要な部分を再生する。絶縁性(又は誘電体層)は、グラフィックの第1の下層、並びに導電性の第2の下層と適合するように配合された印刷可能な流体である。第2の層導電性インクは、第1の層の印刷区域全体を部分的にのみ覆うことができるため、第3の印刷層は、グラフィック印刷層及び乾燥層、並びに後続の印刷された層の印刷及び乾燥された導電性回路、並びに非印刷基材と適合しなければならない。多くの領域では、絶縁層は、グラフィック印刷層、及び非印刷基材、並びに導電性プリント回路のものと直接接触する。
【0007】
様々なUV及び熱硬化性誘電体インクが報告されている。例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,659,158,号は、マイクロ流体ジェット印刷可能誘電体フィルム層を形成するための水性組成物について記載している。しかしながら、組成物は延伸性ではなく、水の存在により、システムは、導電層と不適合になる。
【0008】
延伸性相互接続のための基本的なプロセスは、ゴム様エラストマーのような軟質弾性材料を有する高誘電体材料をブレンドすることを伴う。この手法は、従来の高性能電子部品が軟質基材上に実装されることを可能にするため、魅力的である。その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,425,263,号は、このようなプロセスが、軟質及び柔軟なポリマー基材に組み込まれた剛性無機デバイスを作製するプロセスを開示している。しかしながら、これらの無機デバイスは、延伸下で有意な変化を受け、相互接続性能及び信頼性が低下する。
【0009】
その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第3,746,662号は、低分子量の液状エポキシ樹脂及び硬化剤から作製されるインクを記載している。しかしながら、硬化剤はフレーク状であり、硬質であり、可撓性回路の製造には適用できない。米国特許第4,592,961号は、誘電体インクの可撓性を向上させるために、ポリビニルジクロリドポリマーを芳香族ポリエステル樹脂に添加することを開示している。しかしながら、誘電体インクは、長期間保管した後にゲルを形成しやすい。
【0010】
同様に、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、CN105315788、米国特許第8,659,158号、WO2016014504号、WO2014085473号、米国特許第9,441,126号、及びJP2016028165号に、様々な誘電体インクが記載されている。典型的には、誘電体インク又はコーティングは、グラフィック層で使用されるものと同様のエネルギー硬化性樹脂を使用して配合される。しかしながら、様々なデバイスの要件の範囲を満たすように非常に絶縁性であるために、分散相は、多数の絶縁性電子デバイスのいずれかであるように選択される。
【0011】
多数のグラフィックインク層、導電性回路、絶縁層、並びにディスプレイ、照明、センサ等の様々な電子要素を含む複雑な熱成形インモールドデバイスを作製する能力は、実際に達成することが困難であった。したがって、装飾的及び機能的な部品を作成するために層状設計で一緒に使用することができる装飾インク及び機能性インク及びコーティングのシステムに対する技術的必要性が依然として存在する。
【0012】
例えば、装飾層の上に印刷された導電層は、下にある装飾層による干渉による増加した抵抗を有する可能性がある。加えて、多くのそのようなインクは、事実上互いに不適合であり、様々な印刷層が互いに不十分に接着して、不安定な電気又は電子デバイスをもたらす。
【0013】
例えば、導電性インク上に印刷された絶縁性(誘電体)インクは、間隙を残すか、又はその後に剪断若しくは剥離して、結果として得られる電気電子デバイス、電子デバイス、又は光電子デバイス内の不適切な絶縁をもたらす。既知のUV硬化性インクは、印刷技術を使用して完全に構築された機能性電子デバイスにおいて使用するのに適していない。この種類の用途のために設計された数は、完全に印刷された光電子デバイスに必要とされる光学的透明度を有さないか、又は熱硬化性インクではなく、別のUV硬化性インクでオーバーコート又はオーバープリントされ得る。最後に、既知のインクのいずれも、重篤な形成に耐える能力を有するとは考えられない。
【0014】
従来技術の熱硬化性誘電体インクに関する限り、熱硬化可能であり、折り目をつけることができ、及び延伸性の任意の既知のインクが存在するとは考えられない。近年、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)のような可撓性及び安価なポリマー基材を使用する印刷技術が開発されている。これらの技術は、基材の低いガラス転移温度に起因して、硬化温度が低い(約150℃未満)ことを必要とする。
【0015】
当該技術分野では、可撓性基材上への堆積を可能にし、その後の熱処理を可能にする一方で、適切な電気的及び機械的特性を有する特徴を依然として提供する組成物が技術的に必要とされている。同様に、高スループットの高速硬化インクに対する連続的な需要が好ましいが、向上した解像度制御を提供することができる組成物を提供することが有利であろう。UV硬化性組成物は、一般に、熱処理には好適ではない。したがって、基材が予めコーティングされ、及び/又は硬化されていない一部の用途では、熱硬化性誘電体インクが好ましい。形成プロセス中、アセンブリは、最終的な硬化を受ける。加えて、プロセスの簡略化のため、多くの顧客は、動作全体のために空気循環オーブンを使用することを望む。
【0016】
場合によっては、印刷された導電回路上の層状誘電体の熱成形システムは、印刷された電子回路との誘電体層の不適合性に起因して、又は熱成形プロセス中に亀裂なくプリント回路が変形することができないため、深刻な亀裂を受ける。
【0017】
別の困難は、亀裂なく変形を可能にするバインダシステムを含有するプリント回路における抵抗を維持することである。多くの例では、バインダシステムは、回路が亀裂なく形成され得る程度まで導電性分散相の絶縁体として作用するが、印刷及び熱成形デバイスにおいて確実に機能するのに十分な導電性を有さない。
【0018】
したがって、熱成形中の可撓性を示す印刷可能な流体を開発することが望ましく、これは熱成形後の導電率/抵抗率を維持することができ、隣接する印刷層と適合性があり、優れたコーティング間接着性を有する。したがって、導電性インク及び誘電体インクの両方に利用することができ、導電性インク及び誘電体インクシステムを提供することが可能な、共通のインクバインダ又は結合媒体の必要性も依然として存在する。加えて、線連続性及び曲げ特性が重要である、インモールド用途又は延伸性電子機器において効果的に延伸及び使用することができるUV硬化性/熱硬化性誘電体インクに対する必要性が依然として存在する。誘電体インクはまた、有意な光学的透明性及び比較的低い表面粗さを呈する、得られる絶縁層又は製造物品を生成することが可能であるべきである。
【0019】
既知の誘電体インクはまた、一般的に、例えば、インモールド用途、及びマイクロエレクトロニクス内の印刷誘電体において、必要に応じて、選択的構造化及びUV範囲での延伸には好適ではない。また、既知の誘電体インクは、形成のような特定の用途に必要とされる環境特性に対する必要な連続性を呈さない。
【0020】
従来の誘電体インク組成物では、エポキシ樹脂のような一般的な樹脂はフレーク状であり、硬質であり、これは、延伸性相互接続の作製に限定されている。これらの組成物はまた、例えば、米国特許第3,746,662号に記載されているように長期間保管された後にゲル形成を起こしやすい。他のポリマーインクは、非可撓性の欠点を有する。その結果、誘電体インクで作製された機能回路は亀裂しやすい。
【0021】
UV硬化性アクリレート系配合組成はまた、電子産業において広く使用されてきた。典型的には、UV硬化性アクリレート系配合組成は、コーティング用途で使用され、様々なコーティング技術によって塗布される。ポリアミドは、電子産業において誘電体材料として一般的に使用されており、典型的には、フィルムラミネーション又はスピンコーティング液体ポリアミドのいずれかによって適用される。
【0022】
より小さい可撓性及び延伸性であり高い効率の電気デバイスに対する需要が増加すると、UV及び熱硬化技術が魅力的になる。高抵抗、熱安定性、導電層への良好な接着、加工性能、並びに所望のレベルの曲げ及び形成特性のような電気性能の要件を同時に達成することは、技術的課題である。
【0023】
したがって、当該技術分野において、適切な誘電体特性及び機械的特性を提供しながら、可撓性基材上への堆積及び後続の熱/UV処理を可能にする、低加工温度を有する組成物に対する必要性が依然として存在する。組成物が向上した解像度制御を提供する場合にも有利であろう。
【0024】
マイクロ電子回路は、典型的には、高価な堆積、めっき、及びエッチング技術を使用して作製される。このような技術は、典型的には、著しい投資、及びクリーンルーム環境を必要とする。しばしば、構成要素のわずかな変形を行うために時間がかかり高価であることが多く、したがって、製造ラインは、しばしば、単一の用途のために設定される。更に、多くの電子デバイスは、マルチレベル配線又は導電体並びにマルチレベルアクティブ及び受動デバイスを必要とする場合がある。このような多重レベル構造において、誘電体層は、能動的及び受動デバイスの重なり合う層の間で使用され得る。従来技術を使用した誘電体層の正確な配置及び形成は、多くの場合、時間がかかり、特殊な機器を必要とする。回路がより複雑になり、より多くのレベルのデバイスを必要とするため、改善された費用効率の高い製造技術が必要とされている。
【発明の概要】
【0025】
本発明の目的は、抵抗率が高く、熱衝撃試験後に抵抗DC印加試験率の変化が最小であり、湿度及びDC印加試験を合格することが可能であり、デバイスの熱特性と信頼性を改善することが可能な、誘電体インク組成物を生成することができる複合誘電体粉末又はフレークを提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、高可撓性であり、誘電体材料の物理的特性を犠牲にすることなく、10%ひずみで延伸又は曲げを受ける基材上に印刷することができる電気回路を形成するための誘電体インク組成物を提供することである。
【0027】
本発明の更に別の目的は、抵抗率が高く、誘電体材料間の接触確率を改善することができ、電気回路の絶縁特性を高め、優れた移動抵抗を示す、電子回路を形成するための誘電体インク組成物を提供することである。
【0028】
本発明の更に別の目的は、抵抗率が高く、かつ優れた折り目つけ特性を有する、適合性の銀/カーボンオーバープリント組成物を提供することである。
【0029】
本発明の更に別の目的は、微細回路を形成するために好適な電子回路を提供することである。
【0030】
熱衝撃試験及び湿潤負荷試験後に最小限に変化する高い誘電体特性を有する延伸性電子回路を製作する方法を提供することである。
【0031】
本発明の更に別の目的は、従来のペーストから形成された誘電体パターンと比較して、比較的薄い厚さ又は細い線幅を有しても、比較的低い厚さ又は微細な線幅を有する層のミクロ構造を生成することである。
【0032】
本発明の更に別の目的は、微細回路を形成するために好適な電子回路を生成する方法を提供することである。
【0033】
本発明の更に別の目的は、高価なナノサイズの金属粒子を使用することなく、非常に低温で熱処理を可能にする誘電体インク組成物を提供することである。
【0034】
したがって、本発明のこれら及び他の目的は、本明細書に記載される本発明によって達成される。
【0035】
一実施形態では、本発明は、
【0036】
a)誘電体材料が、粉末、フレーク、又は樹脂の形態である誘電体材料と、
【0037】
b)1つ以上又はそれ以上の有機バインダと、
【0038】
c)1つ以上のUV硬化性開始剤、熱硬化性開始剤、架橋剤及び/又は乾燥剤を含む、可撓性誘電体インクを記載している。
【0039】
本発明は、概して可撓性及び延伸性であるUV(紫外線)及び熱硬化性誘電体インク組成物に関し、それは、熱成形又は真空成形することもできる。可撓性インクは、優れた接着性を有する延伸性誘電体コーティングを形成することができる。誘電体インクは、紙フェノール樹脂基板、プラスチック基板(PMMA、PET等)やガラス-エポキシ樹脂基板のような回路基板上にスクリーン印刷等によって、誘電体インクを塗布し、続いて熱又はUV(紫外線)硬化を行うことができる。誘電体インクは、容量式タッチのような用途、又は誘電体インクを形成するインモールドでの、クロスオーバー絶縁層、並びに電気円形及びデバイスの製造において使用するのに好適である。
【0040】
本発明は、連続性を損なうことなく、銀アンダープリント/オーバープリント、クロスオーバー接合絶縁層形成、及び熱成形において使用するための、一般的にUV及び熱硬化性インク組成物に関する。本発明の組成物は、延伸性であり、折り目をつけることができ、及び室温安定性がよい。本明細書に記載の組成物は、熱硬化性又はUV硬化性であり、一液系である。
【0041】
本発明はまた、概して誘電体材料に関し、より具体的には、可撓性及び延伸性基材又はフィルム用の誘電体可撓性ペースト又はインクに関する。
【0042】
本発明はまた、概して、電子誘電体インク印刷熱成形デバイスを製作する方法にも関する。
【0043】
一実施形態では、本発明は、一般に、70%~20重量%の有機媒体に分散された10~80重量%の誘電体材料を含む、銀/炭素トレース、クロスオーバー接合絶縁、及び延伸性電子機器の作製に有用なスクリーン印刷可能な誘電体インク組成物に関する。ここで、有機媒体は、モノ又はマルチビニルモノマー/オリゴマー及び/又は溶媒の溶液であり、溶媒に対する樹脂の重量比は、0.5~1.5である。
【0044】
一実施形態では、本発明は、概して、可撓性基材上に、上記のような組成物をオーバープリントによって塗布する工程と、印刷された組成物を乾燥/硬化させて、そこから溶媒を除去する工程を含む、静電容量式タッチデバイスの作製方法に関する。本発明はまた、一般に、本方法の製品として形成された静電容量式タッチデバイス及び延伸性電子機器にも関する。
【0045】
本明細書に記載の誘電体インク組成物は、既存のペースト/インクと比較して、より良好な圧縮強度(compressive strength、CS)、直径方向引張強度(diametral tensile strength、DTS)、及び曲げ強度(flexural strength、FS)を提供する。
【0046】
本発明はまた、誘電体層を形成するための可撓性インクにも関する。誘電体層は、延伸性電子表面上の誘電体パターンとして形成される。これらの層はまた、既に印刷された導電層上にオーバープリントすることができる。組成物は、最大約130%、好ましくは最大約140%、より好ましくは最大約150%、延伸性であり、熱成形可能/低温引き出し可能である。付加的に、組成物は、折り目をつけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本発明のより完全な理解のために、添付の図面に関連してなされた以下の説明を参照する。
【0048】
【
図1】実施例8に記載のインクを使用した印刷ウィンドウの最適化を示す。
【0049】
【
図2】60分の休止及び120分の休止後の印刷の一時停止なしの印刷の比較を示す。
【0050】
【
図3】実施例5に記載のインクを使用した連続印刷性能を示す。
【0051】
【
図4】実施例5のインク組成物を使用して印刷された熱成形物体を示す。
【0052】
【
図5】導電性炭素及び誘電体インクスタックを使用した熱成形物体を示す。
【0053】
【
図6】本発明により製造された成形熱成形物体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明は、概して、可撓性、スクリーン印刷可能、又はジェット印刷可能な誘電体インク組成物に関する。本明細書に記載されるように、本発明は、概して、延伸性電子表面、インモールド用途、及び銀トレース及びクロスオーバー接合絶縁に有用な誘電体組成物に関する。延伸性電子機器の用途としては、印刷電子機器、無線周波数識別デバイス(radio frequency identification device、RFID)、生物医学的、インモールド電子機器、有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED)照明、発光ダイオード(light emitting diode、LED)照明、ヒーター、タッチパネル、ウェアラブル、エレクトロルミネセント、スマートパッキング、及び太陽光発電が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
本明細書で使用するとき、「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「その(the)」は、文脈がそうでない旨を明確に指示しない限り、単数及び複数の両方の指示対象を指す。
【0056】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、パラメータ、量、時間的期間等のような測定可能な値を指し、本明細書に記載の本発明を実施するためにそのような変形が適切である限り、特に列挙した値から、+/-15%以下の変動、好ましくは+/-10%以下の変動、より好ましくは+/-5%以下の変動、更により好ましくは+/-1%以下の変動、及び更により好ましくは、+/-0.1%以下の変動を含むことを意味する。更に、修飾語「約」が指す値は、それ自体が本明細書に具体的に開示されていることも理解されたい。
【0057】
本明細書で使用するとき、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下側(lower)」、「上方(above)」、「上側(upper)」、「前部(front)」、「後部(back)」のような空間的に相対的な用語は、別の要素(複数可)又は特徴(複数可)に対する1つの要素又は特徴の関係を説明するために使用される。用語「前部(front)」及び「後部(back)」は、限定することを意図するものではなく、適切な場合に交換可能であることが意図されていることが更に理解される。
【0058】
本明細書で使用するとき、用語「含む(comprises)」及び/又は「含む(comprising)」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しない。
【0059】
マイクロ流体ジェット印刷デバイスを使用して基材上に誘電体層を提供するために、誘電体層を提供するための流体は、特定の基準を満たさなければならない。同様に、結果として得られる誘電体層は、基材上に好適な誘電体層を提供するために重要な要件を有する。このような要件としては、電気要件、例えば、誘電率、抵抗率、降伏電圧、消散係数、流体要件、例えば、噴射信頼性、安定性、カートリッジ材料の適合性等、フィルムの完全性要件、プロセス/環境要件、例えば、後続の処理環境との適合性、並びに機械的/物理的/化学的要件が挙げられるがこれらに限定されない。本発明は、延伸性及び成形性のこれらの全て及び更なる要件を満たす。
【0060】
一実施形態では、本発明は、概して、可撓性誘電体インクであって、
【0061】
a)誘電体材料が、粉末、フレーク、又は樹脂の形態である誘電体材料と、
【0062】
b)1つ以上の有機バインダと、
【0063】
c)1つ以上のUV硬化性開始剤、熱硬化性開始剤、架橋剤及び/又は乾燥剤を含む、可撓性誘電体インクに関する。
【0064】
より具体的には、本発明は、紙-フェノール樹脂基板、プラスチック基板(ポリ(ポリメチルメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、又はガラスエポキシ樹脂基板のような回路基板上にスクリーン印刷等をし、その後熱又はUV硬化することによって誘電体インクを塗布することにより、優れた接着性を有する延伸性誘電体コーティングを形成できる可撓性誘電体インク組成物に関する。本発明のインクは、回路基板の配線用の導体として、及びインクをコーティング又は印刷及び硬化することによってインクを塗布することによって製造される誘電体コーティングとして、容量式タッチのような用途での使用に好適である。
【0065】
本発明の誘電体インク組成物で使用するために好適な誘電体化合物は、二酸化チタン、シリカ、ヒュームドシリカ、ポリマー樹脂、ポリアミドワックス、微粉化ポリアミドワックス、チタン酸ストロンチウム、タルク(MgO≪4SiO4≫H2Oを含むタルク)、粘土、及び前述の1つ以上の組み合わせからなる群から選択することができる。他の化合物としては、これらに限定されるものではないが、Teflon(登録商標)(例えば、Rogers Corps.(Chandler,Ariz.)から入手可能な製品であるRT/duroid(登録商標)6002)、ポリパラキシレン(Parylene N)、モノクロロポリパラキシレン(Parylene C)、ジクロロポリパラキシレン(Parylene D)(全てSpecialty Coating Systems Inc.(Indianapolis,IN)から入手可能)、及びTeflonと比較してより高い熱安定性を有するペルフルオロ-p-キシリレン(Union Carbide Corp.の製品)から入手可能)が挙げられる。好適な粘土としては、カオリナイト、ベントナイト、ベントナイト、イライト、ムコバライト、亜塩素酸塩、モンモリロナイト等が挙げられるが、これらに限定されず、粘土のポリマー錯体も含み得る。
【0066】
好ましい実施形態では、誘電体化合物は、約0.01%~約40%、又は約0.02%~約25%の範囲、好ましくは、約0.5%~約30%の範囲のヒュームドシリカを含む。シリカには、疎水性又は親水性シリカのような処理シリカ、カオリナイト粘土のような粘度、ベントナイト、ベントン、イライト又は白雲母、又は緑泥石、又はモンモリロナイト型粘土、例えば、約0.1%~約20%の範囲、又は約1%~約68%、好ましくは約5%~約15%の範囲のタルクが挙げられる。有機粘土はまた、約0.1%~約52%,、又は約0.2%~約30%の範囲、好ましくは約5%~約35%の範囲で使用され得る。
【0067】
有機バインダは、(a)分枝状ポリオールエステル、(b)飽和又は不飽和ポリエステル、(c)グリコール及び二塩基酸に由来するアミノ樹脂、(d)コポリエステル、(e)ポリウレタン及びポリウレタンテレケリックス、(f)アルキド樹脂、及び前述のうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0068】
誘電体パターンを形成する絶縁性樹脂からなる可撓性延伸性基材の場合、バインダとして熱硬化性又は熱可塑性硬化/乾燥温度ができるだけ低い有機樹脂材料をバインダとして用いる。例としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン樹脂、及び塩化ビニル-酢酸ビニルコポリマー、上記例示樹脂のいずれか1つをエポキシ基、フェノール基等で部分的に変性した変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミンアルキド樹脂、及びこれらの変性樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。これらの樹脂は、単独で又は組み合わせてのいずれかで使用することができる。更に、シリコーン樹脂も使用することができる。使用されるバインダの量は、一般に、インクの5~85重量%、好ましくは5~55重量%である。誘電体特性は、このバインダの範囲よりも低くなり得、結合力は、この範囲を下回るようになる。
【0069】
いくつかの実施形態では、樹脂は、硬化性モノマー、オリゴマー、又はポリマー有機樹脂であり得る。モノマー及び/又はオリゴマーは、不飽和ポリエステル、アミノ樹脂(例えばメラミン樹脂)、エポキシモノマー及び/又はオリゴマーであり得る。例示的なエポキシモノマー及び/又はオリゴマーとしては、液体エポキシ、液状エポキシ混合物、及び溶液中の固体エポキシが挙げられるが、液状エポキシに限定されない。例えば、エポキシモノマー及び/又はオリゴマーは、1,2-エポキシプロパン、1,3-エポキシプロパン、ブチレンオキシド、n-ヘキシルプロピレンエポキシド等の置換(例えば、アミン又はヒドロキシル置換)又は非置換エポキシから選択され得る。市販のエポキシモノマー及びオリゴマーの例には、Araldite DY 027(Chemica Inc.(Los Angeles)、CAN、Cardula N-10(Vantlco Inc.(Brewster,NY)から入手可能)、Epiclon EXA-830CRP(DIC Corporation(日本)から入手可能)、及び上記の1つ以上の組み合わせが挙げられる。
【0070】
好ましいバインダとしては、直鎖又は分枝鎖ポリエステル及び不飽和ポリエステルが挙げられる。所望の可撓性及び延伸性を加えるために、分枝鎖ポリエステル又はポリオールポリエステルも使用される。従来のポリエステルは結晶化する傾向があり、したがってコポリエステル及び非晶質直鎖ポリエステルとの組み合わせが好ましい。典型的には、本発明で使用可能なポリエステル樹脂は、イソフタル酸又はテレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸と、エチレン又はプロピレングリコールのようなC.置換2-4ジヒドロキシアルカンとの重縮合生成物である。ポリ(エチレンイソフタレート)が好ましい。可撓性及び延伸性印刷フィルムを作製するために、アジピン酸及びネオペンチルグリコール、アジピン酸ネオペンチルグリコール、及び1,6-ヘキサンジオールのような非結晶性コポリエステルが使用され得る。Dynapolシリーズのエステル、DICのポリオールポリエステルシリーズのコポリエステル、MitsubishiのPrimaalloy、Toyobo chemicalsのVylon、NuplexのSetal 173 VS60及びSetal 168 SS80、Nippon hoseiシリーズポリエステル等の多くの市販製品も使用され得る。典型的には、本発明の有機媒体中で使用されるポリエステル樹脂は、次の特性:約1.0~約1.35の範囲の比重、約800~約50000cPsの範囲の粘度、優れたフィルム形成特性を有するエラストマー性、色、約15~約30の範囲のGardner b、100℃未満の軟化点(R及びB)、及び溶解度、エステル又は高沸点エーテルエステル内で溶解可能な最大20%の固体、最大で0.3%の水分、粒子サイズ、約1/8”立方体、1/4”スクリーン透過性100%、1~約35重量%の非炭化水素極性溶媒に溶解したポリエステル樹脂を示す。好ましくは、樹脂は、媒体のおよそ5~25重量%%である。
【0071】
より良好な延伸性、亀裂抵抗率、及び曲げのために、追加のエラストマー及び/又はオリゴマーが組み込まれ得る。組成物の主なエラストマーは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、又はアミド基を有するアクリルポリマー、又はこれらの混合物であり、好ましくは25,000~5,00,000の重量平均分子量及び-20℃~+125℃のガラス転移温度を有するアクリルポリマーである。典型的に有用なアクリルポリマーは、アルキルメタクリレート、アルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレートを含有し、スチレン、アクリル酸又はメタクリル酸を含有することができる。メタクリルアミド及びアクリルアミドのようなアミドモノマーを使用することができる。グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートのようなグリシジルモノマーも使用することができる。イソプレン系液状ゴム等も使用され得る。
【0072】
本発明の組成物の柔軟性を更に達成するために、イソプレン系ゴム、ポリブテン、ポリイソブチレン、液体シリコーン(例えば、Silicones Inc.からのGI1000)、ブロックポリイソシアネート及び長鎖アクリルオリゴマー及びポリマーが使用される。好ましいアクリルポリマーは、アルキル基中に1~18個の炭素原子を有するアルキルメタクリレート、アルキル基中に1~18個の炭素原子を有するアルキルアクリレート、及びヒドロキシアルキル基中に各2~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルアクリレート又はヒドロキシアルキルメタクリレートである。2~6重量%のヒドロキシル含有量を有するアクリルポリマーを形成するために、十分な量の前述のヒドロキシアルキルアクリレート又はメタクリレートが利用される。ポリマーはまた、0.1~5重量%の量のアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸のような少量のエチレン性不飽和カルボン酸を含有することもできる。アクリルポリマーの調製に使用できる典型的なアルキルメタクリレート及びアクリレートは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、プロピルメタクリレート、フェニルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソデシルアクリレート、フェニルアクリレート、イソボルニルアクリレート等である。
【0073】
本発明の所望の延伸性は、本明細書に更に記載されるように、様々なポリエステル、ポリエステルポリオール又はアクリレート及びアミノ樹脂及びブロック化ポリイソシアネート樹脂によって達成することができる。
【0074】
本発明により2種類の延伸性誘電体インク組成物を導入し、熱硬化性インク組成物及びUV硬化性インク組成物が導入される。
【0075】
熱硬化性インク組成物の場合、組成物は、架橋又は乾燥され得る(非架橋性)。架橋化合物は、連続的に又は同時に添加され得る。架橋は、従来の分散性ポリイソシアネート架橋剤で達成され得る。最適な架橋性能は、本発明のポリウレタン/アクリレート/反応性組成物中の比較的高い濃度の末端一級又は二級アミン基を必要とし、一般に使用されるより多くのアミンは、架橋剤の添加後に組成物のポットライフが低減される可能性がより高い。したがって、好ましい架橋剤は、多官能性アジリジン化合物、イソシアネート、炭酸亜鉛アンモニウム、炭酸ジルコニウム、多官能性カルボジイミド化合物及び/又はオキシラン(好ましくはエポキシ)化合物のような高温で反応するものである。
【0076】
代替的に、架橋剤は、互いに組み合わせて使用することができる。また、ジブチレンスズジラウレート型触媒を使用して、成功した配合組成を製造することもできる。別の有効な組成物は、イソシアネートBayhydur3100とメラミンホルムアルデヒド(Nuplexから市販されているようなもの)を含む。
【0077】
所望の特性に応じて、全架橋剤の総量は、好ましくは、総配合組成の乾燥重量の量で存在し、約1%~約30%、より好ましくは約2%~約25%、最も好ましくは約2%~約20%である。好ましくは、任意の1つの架橋剤は、総配合組成の乾燥重量の量で約1%~約25%、より好ましくは約3%~約20%、最も好ましくは約4%~約15%、例えば、約5%で存在する。
【0078】
配合組成の最適化は、不正確な量が有害な効果を有し得るため、必要とされる。例えば、過剰な量の架橋剤が添加される場合、後続の残留未反応材料は、コーティングの抵抗特性の低下につながる可塑剤のように作用し、並びに材料の全体的な印刷適性に影響を与え得る。
【0079】
内部架橋機構を既に保有しているウレタンアクリルコポリマー分散体の範囲が利用可能である。例は、このようなUCBから入手可能なUcecoat DW5681及びUcecoat DW5150であるそのような架橋剤の追加の例としては、メラミンホルムアルデヒド、多官能性アジリジン化合物、イソシアネート、炭酸亜鉛アンモニウム、炭酸ジルコニウム、多官能性カルボジイミド化合物、及び/又はオキシラン(好ましくはエポキシ)化合物:オキシラン、イソシアネート、アリジジン、又はカルボジイミドが挙げられる。これらの硬化剤はまた、硬化後に組成物に柔軟性を提供するために役立つ。また、驚くべきことに、最適化された配合組成は、様々なプラスチック表面及び金属表面上で非常に良好な接着を生じさせることも見出された。
【0080】
硬化剤又は反応性成分は、シアン酸エステルモノマー及び/又はオリゴマーからのモノマー及び/又はオリゴマーであり得る。シアン酸エステルは、イソシアネートを含む当該技術分野において既知の様々な好適なシアン酸エステルを含み得る。好適なシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,4及び/又は1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート及び1,4-ジイソシアネート及びこれらの異性体の混合物、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン、2,4-及び2,6-ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート及びこれらの異性体の混合物、ヘキサヒドロ-1,3-及び/又は1,4-フェニレンジイソシアネート、ペルヒドロ-2,4’-及び/又は4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート及びこれらの異性体の混合物、ジフェニルメタン-2,4’-及び/又は4,4’-ジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、1,3-及び1,4-キシリレンジイソシアネート、4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)、4,4’-イソプロピル-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-シクロヘキシルジイソシアネート、及び3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1-メトキシ-2,4-フェニレンジイソシアネート、1-クロロフェニル-2,4-ジ-イソシアネート、P-(1-イソシアナトエチル)-フェニルイソシアネート、M-(3-イソシアナトブチル)-フェニルイソシアネート及び4-(2-イソシアネート-シクロヘキシル-メチル)-フェニルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0081】
いくつかの組成物では、別個の架橋剤が添加されなくてもよく、乾燥機構のみが好ましい。これらの組成物は、非架橋性樹脂を使用する。
【0082】
UV硬化性誘電体インク組成物の場合、光開始剤が使用される。本発明で使用可能な光開始剤の例には、ベンゾイン及びそのアルキルエーテル、ベンゾフェノン及びその誘導体、キサントン、チオキサントン、塩素化チオキサントン、及びアセトフェノン誘導体のようなラジカル開始剤光開始剤が含まれ、ハロゲン化、脂肪族及び芳香族ポリ塩化ビフェニル及びポリフェニルが好ましい。
【0083】
好適な光開始剤の更なる例としては、Irgacure184(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、Irgacure907(2-メチル-l-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン)、Irgacure369(2-ベンジル-2-N、N-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン)、Irgacure500(50重量%の1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び50重量%のベンゾフェノンの組み合わせ)、Irgacure651(2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン)、Irgacure1700(25重量%のビス(2,6-ジメファホキシベンゾイル-2,4-4-トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、及び75重量%の2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンの組み合わせ)、Irgacure2020(BAPO(Irgacure819)とアルファヒドロキシケトンとのブレンド)、Darocur1173(2-ヒドロキシ-2-メチル-フェニル-1-プロパン)及びDarocur4265(50重量%の2,4,6トリメチルベンゾイルジフェニル-ホスフィンオキシド、及び50重量%の2-ヒドロキシ2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンの組み合わせ)(全てCiba-Geigy Corp.(Tarrytown,NY)から市販されている)、CYRACURE UVI-6974(混合トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩)及びCYRACURE UVI-6990(混合トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩)(Union Carbide Chemicals and Plastics Co.Inc.(Danbury,CT)から市販されている)、及びGenocure CQ、Genocure BOK、及びGenocure M.F.(全てRahn Radiation Curingから市販されている)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの材料のうちの1つ以上の組み合わせもまた、本明細書で使用され得る。
【0084】
特に好ましい光開始剤の例は、Irgacure500及びIrgacure2020の混合物である。Darocur(登録商標)1173、Irgacure184及びIrgacure(登録商標)369も好ましい。
【0085】
光開始剤(複数可)は、好ましくは、プレポリマーの総重量に基づいて、約0.1~約5重量%の量でプレポリマーに添加される。Darocur(登録商標)1173及びIrgacure(登録商標)369は、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン及び2-ベンジル-2-N,N-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノンからなる。プレポリマーは光重合性であり、したがって選択的に構造化可能であるため、本発明の従来の超小型電子多層回路の生産において有利に使用され得る。プレポリマーは、コンタクトを介して誘電体材料中に孔を生成するために必要であるか、又は特定の領域においてのみ誘電体材料を有する回路に使用され得る。保存寿命を延ばすために、プレポリマーは、早期重合を防止するために、フェノール阻害剤のような安定剤を含有してもよい。
【0086】
他の光増感剤としては、1-及び2-クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、2-メチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1-4-ナフトキノン、9-10-フェナントレキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2-3-ベンズアントラキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、2-3-ジクロロロフトキノン、1-4-ジメチルアントラキノン、2-3-ジメチルアントラキノン、2-フェニルアントラキノン、2-3-ジフェニルアントラキノン、アントラキノンアルファスルホン酸のナトリウム塩、3-クロロ-2-メチルアントラキノン等が挙げられる。又有用である他の光開始剤は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第2,760,863号に記載されており、ジアセチルベンジル等のようなビシナルケタドニル化合物、ベンゾイン、ピバロイン等のアルファ-ケタドニルアルコール、アシロインエステル、例えばベンゾインメチル及びエチルエーテル等、アルファメチルベンゾイン、アルファ-アリルベンゾイン、及びアルファフェニルベンゾインを含むアルファ-炭化水素置換芳香族アシルが挙げられる。ジアシルハロメタンも含まれ、2-ブロモ-1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオン、2,2-ジブロモ-1,3-インダカンジオン、2,2-ジブロモ-1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオン、2-ブロモ-2-(フェニルスルホニルアセタールフェノン)等も含まれ、米国特許第3,615,455号に更に記載されている。
【0087】
光開始剤は、好ましくは、誘電体組成物の約0.1~15重量%、より好ましくは誘電体組成物の約1~10重量%の量で存在し、最も好ましくは、誘電体組成物の総重量の約3重量%の量で存在する。
【0088】
一実施形態では、第1の波長の光開始剤及び第2の波長の光開始剤は、誘電体インク組成物中に含まれ得る。例えば、誘電体インク組成物は、約0.01~10重量%の第1の波長範囲のための第1の光開始剤と、約0.05~10重量%の第2の波長範囲のための第2の光開始剤を含み得る。この実施形態では、第1の波長は約300nm~約350nmであり得、第2の波長は、約360nm~約400nmであり得る。
【0089】
好ましい一実施形態では、本明細書に記載の誘電体インク組成物、特に熱硬化性組成物は、溶媒を含み得る。このインクは、粘度を調節し、適切なバインダを添加した後に、グラビア、フレキソ、スクリーン、回転、ディスペンサー、及びオフセット印刷のような様々な印刷方法に採用することができる。コーティングの粘度は、1~70,000cPsの範囲である。シルクスクリーンの場合、粘度は10,000~35000cPs、好ましくは5,000~40,000cPsの範囲である。
【0090】
好ましい一実施形態では、誘電体インク組成物は、より良好なペースト配合組成を補助し、最終組成物のより高い可撓性を提供するために、高及び/又は低沸点溶媒のうちの1つ以上、及び/又は可塑剤のうちの1つ以上を更に含み得る。「高沸点溶媒」とは、約110~約275℃の沸点を有する溶媒である。「低沸点溶媒」とは、約100℃未満の沸点を有する溶媒である。
【0091】
使用される場合、溶媒は、バインダ樹脂成分を完全に溶解することができるはずである非炭化水素極性溶媒であり得る。加えて、溶媒は、可撓性基材の熱分解温度よりも低い組成物から蒸発させることができるほど十分に揮発性でなければならない。好適な材料としては、エステル、アルコール及びエーテル並びにハロゲン化芳香族が挙げられるが、これらに限定されない。このようなジクロロベンゼンのハロゲン化芳香族も本発明において好適であるが、それらに関連し得る健康上の危険性のため、好ましいものではない。
【0092】
好ましい溶媒には、トルエン、イソパー系溶剤、キシレンのような芳香族溶剤、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトアルデヒドのようなケトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸カルビトール、プロピレングリコールメチルエチルアセテート、2-エトキシエチルアセテート及び二塩基酸のエステルのようなエステル、ブチルセロソルブやエチルセロソルブのようなセロソルブ、α-テルピネノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール、フェノール、クロロフェノールのようなフェノール、酢酸ブチルカルビトールのようなブチルカルビトール及び酢酸塩が挙げられる。エーテルの例としては、エチレングリコールフェニルエーテル、ダウノール系溶媒、1,3-ジオキソラン、グリコールエーテルアセテート、及びカルビトールアセテートが挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0093】
溶媒の混合物は、有機媒体の溶媒成分の揮発性を調節するために使用されることが多い。一般に、溶媒成分(複数可)の沸点は、約150~250℃以上であるべきである。約150℃未満の沸点を有する溶媒は、溶媒がそこから蒸発するにつれて、スクリーニング中に組成物を過度に増粘する傾向がある。これにより、基材上に材料のパターンを印刷するために使用されるスクリーンの目止めをもたらすことができる。しかしながら、この制限内では、溶媒の揮発性は、溶媒除去及び/又は製作の方法を考慮して選択される。例えば、高速リールツーリール手順が使用されるとき、処理中に溶媒を非常に急速に除去することが不可欠である。したがって、150~175℃から沸騰するもののような、より低い沸点の溶媒を使用しなければならない。一方、より遅い製作手順が使用される場合、175~220℃から沸騰するもののような、揮発性溶媒をより少なく使用することができる。いずれの場合も、溶媒除去は、通常、印刷された基材を穏やかに加熱することによって加速される。典型的には、リールツーリールプロセスでより揮発性の高い溶剤を使用するときは、熱風オーブンで基板を70C℃から90°に、半自動プロセスで揮発性の低い溶媒を使用するときは。90°~120℃に加熱する。溶媒は、典型的には、約5~60重量%、より好ましくは約10~40重量%の量で組成物中に存在する。
【0094】
好適な可塑剤としては、アジピン系可塑剤、トリメリット酸塩、マレイン酸塩、セバシン酸塩、ベンゾエート、エポキシ化植物油、スルホンアミド、有機リン酸塩、グリコール、ポリエーテル、及び様々なエチレンオキシド-プロピレンオキシド(EO/PO)コポリマーが挙げられる。
【0095】
好ましい可塑剤の例には、これらに限定されないが、テトラヒドロフルフリルアルコール、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ビス(n-ブチル)(DnBP、DBP)、フタル酸ブチルベンジル(BBzP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジ-n-オクチル(DOP又はDnOP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジイソブチル(DIBP)、フタル酸ジ-n-ヘキシル、アジピン酸ジメチル(DMAD)、アジピン酸モノメチル(MMAD)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、トリメリット酸トリメチル(TMTM)、トリ-(2-エチルヘキシル)トリメリテート(TEHTM-MG)、トリ-(n-オクチル、n-デシル)トリメリテート(ATM)、トリ-(ヘプチル、ノニル)トリメリテート(LTM)、n-オクチルトリメリテート(OTM)、マレイン酸ジブチル(DBM)、マレイン酸ジイソブチル(DIBM)、セバシン酸ジブチル(DBS)、N-エチルトルエンスルホンアミド(オルト及び5つのパラ異性体)、N-(2-ヒドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド(HP BSA)、N-(n-ブチル)ベンゼンスルホンアミド(BBSA-NBBS)、リン酸トリクレシル(TCP)、リン酸トリブチル(TBP)、トリエチレングリコールジヘキサノエート(3G6、3GH)、テトラエチレングリコールジヘプタノエート(4G7)、ニトロベンゼン、二硫化炭素及びサリチル酸P-ナフチル、クエン酸トリエチル(TEC)、クエン酸アセチルトリエチル(ATEC)、クエン酸トリブチル(TBC)クエン酸アセチルブチル(ATBC)、クエン酸トリオクチル(TOC)、クエン酸アセチルトリオクチル(ATOC)、クエン酸トリヘキシル(THC)、クエン酸アセチルトリヘキシル(ATHC)、クエン酸トリヘキシルトリヘキシル(BTHC、o-ブチリルクエン酸トリヘキシル)、クエン酸トリメチル(TMC)、ニトログリセリン(NG)、三硝酸ブタントリオール(BTTN)、三硝酸メトリオール(METN)、ジエチレングリコールジニトレート(DEGN)、ビス(2,2-ジニトロプロピル)ホルマール(BDNPF)、ビス(2,2-ジニトロプロピル)アセタール(BDNPA)、2,2,2-トリニトロエチル2-ニトロキシエチルエーテル(TNEN)、スルホン化ナフタレンホルムアルデヒド系の15材料、スルホン化メラミンホルムアルデヒド系の材料、及びポリカルボン酸エーテル、ジオクチルテレフタレート2,5-ジメチル-2,5ヘキサンジオール(DOTP)が挙げられる。追加の好適な可塑剤はまた、当業者には既知である。好ましい実施形態では、可塑剤の濃度は、配合物中で3重量%を超えない。
【0096】
本発明の誘電体インクは、ガラス基材上だけでなく、ポリアミドのようなプラスチック基材上、特にPET(ポリエチレンテレフタレート)又はPMMA(ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアミド又は可撓性PCBの基材として使用されるPC(ポリカーボネート)基材上にも適用することができる。
【0097】
本発明の誘電体インク組成物は、スクリーン印刷可能インクを形成するために有効であることが見出された。インクは、大きな及び繰り返し延伸下でさえも連続的なままである適合性ポリマー基材に高度に延伸性であり、適合性がある。インクはまた、3D印刷に好適である。本発明は、従前に不可能であった延伸性電子表面用の可撓性相互接続部の製作を可能にする。
【0098】
本明細書に記載の誘電体インク又はコーティング組成物は、着色剤を含有し得る。好適な着色剤としては、有機又は無機顔料及び染料が挙げられるが、これらに限定されない。染料は、アゾ染料、アントラキノン染料、キサンテン染料、アジン染料、これらの組み合わせ等を含むが、これらに限定されない。有機顔料は、1つの顔料、又は顔料の組み合わせ、例えば、ピグメントイエロー12、13、14、17、74、83、114、126、127、174、188;ピグメントレッド2、22、23、48:1、48:2、52、52:1、53、57:1、112、122、166、170、184、202、266、269;ピグメントオレンジ5、16、34、36;ピグメントブルー15、15:3、15:4;ピグメントバイオレット3、23、27;及び/又はピグメントグリーン7;これらの組み合わせ等であり得る。無機顔料は、以下の非限定的な顔料:酸化鉄、二酸化チタン、酸化クロム、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、酸化第二鉄ブラック、ピグメントブラック7並びに/又はピグメントホワイト6及び7;これらの組み合わせ等のうちの1つであり得る。他の有機及び無機顔料及び染料、並びに所望の色を達成する組み合わせも使用することができる。高い耐熱性を有する着色剤が好ましい。光学増白剤も使用され得る。着色剤は、約0.01%~約50重量%の範囲で組成物中に含まれ得る。例えば、着色剤は、0.05%~40重量%、又は約1%~約30重量%の量で存在し得る。誘電体層は、透明なコーティング、又は蛍光増白剤又は蛍光増白剤の組み合わせからなる透明なコーティングからなる着色剤又は充填剤を含有しなくてもよい。
【0099】
本発明の好ましい実施形態では、当該組成物は、添加剤(均染剤、消泡剤等)及び様々な添加された誘電体材料、例えば、シリコン粒子、有機金属、エラストマー(例えば、コポリエステル、PMMA)等の様々な添加された誘電体材料から選択される充填剤を更に含む。
【0100】
誘電体インク又はコーティングはまた、コーティングのレオロジー及び印刷適性を改善するための他の添加剤を含有し得る。誘電体コーティングは、安定剤及び反応性エンハンサーのような添加剤を含有し得る。組成物の稠度及びレオロジーは、スクリーン印刷、ブラッシング、浸漬、押出、噴霧等を含み得る特定の塗布方法に調整される。
【0101】
一実施形態では、本明細書に記載の可撓性誘電体インク組成物は、スクリーン印刷によって塗布される。インクは、パターニングされた層を形成するために、プラスチック、アルミナ、ガラス、セラミック、エナメル、エナメルコーティングされたガラス又は金属基材のような不活性基材に塗布され得る。
【0102】
一実施形態では、アルコール可溶性セルロースアセテートブチレートがレオロジー制御剤として使用される。本明細書に記載のインク組成物において使用されるとき、従来のセルロースエステルは、改善された硬度、改善された銀フレーク配向、高透明度、高光沢度、指触乾燥時間の減少、流動及び均染の改善、再溶解耐性の改善、亀裂の低減、及びブロッキングを含む、多くの利益を提供することが見出された。
【0103】
セルロースセアセテートブチレートのグレード、例えば、Eastman CABシリーズ成分(以下、CABと呼ぶ)は、上述の利点の全てをもたらす。CABは、約45~50%のブチリル含量、約4~5重量%のヒドロキシル含有量を有する。加えて、セルロースアセテートフタレート、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又は三酢酸セルロース、ミリスチン酸イソプロピル(isopropyl myristate、「IPM」)、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、オレイン酸エチル、クエン酸トリエチル、フタル酸ジメチル又は安息香酸ベンジル、親水性剤は、ヒドロキシエチルセルロース(hydroxyethylcellulose、「HEC」)、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、又はポリビニルピロリドンを含むことができ、レオロジー変性剤としても使用され得る。他の粘度変性剤としては、グリセロール、グリコール、スタビライト、アルキルグリシジルエーテル、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ブチルメタクリレート、及び長石が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、0.1~20重量%のCABが組成物に添加される。より一貫したレオロジーのために、0.5~8重量%のCABが好ましい。
【0104】
モノマー及び/又はオリゴマーはまた、組成物中に存在し得る。例えば、シランモノマー及び/又はオリゴマーは、接着促進剤として作用し、延伸特性を補助することができる。シランは、非官能性シラン、及び当該技術分野において既知のアミノ官能性、エポキシ官能性、アクリレート官能性、及び他の官能性シランを含む官能化シラを含み得る。好適な官能化シランには、r-グリシドキシプロピル-トリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、5,6-エポキシヘキシルトリエトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等が挙げられる。他の例示的な官能化シランには、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリアミン、N-メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N-メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルメチルジエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、4-アミノブチルトリエトキシシラン、オリゴマーアミノアルキルシラン、m-アミノフェニルトリメトキシシラン、フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、アミノエチルアミノイソブチルメチルジメトキシシラン、等が挙げられる。追加の好適な官能性シランには、(3-アクリロキシプロピル)-トリメトキシシラン、ガンマ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマメルカプトプロピルトリエトキシシラン、及びビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、アルキルビニルジアルコキシシラン、アリルトリアルコキシシラン、ヘキセニルトリアルコキシシランのようなオレフィン系シランが挙げられる。ポリ(メチルシロキサン)、ポリ(ジメチルシロキサン)等が挙げられるがこれらに限定されないようなケイ素基を有するポリマーを使用し得る。BYK307、BYK310、BYK311、ヘキサメチレンジシロキサン等が好ましい。組成物中の典型的な濃度は、5%を超えるべきではない。好ましい実施形態では、濃度は、配合組成の約0.1~3重量%の範囲である。
【0105】
本明細書に記載の誘電体インク又はコーティング組成物はまた、消泡剤を含有し得る。好適な消泡剤としては、様々なシリコーン誘導体が挙げられ、他のヒドロキシ官能性ポリマーを含み得る。配合組成中の典型的な濃度は、5重量%を超えるべきではない。好ましい実施形態では、濃度は、配合組成の約0.1~3重量%の範囲である。
【0106】
ナノ複合材の調製技術では、充填剤の添加は、複合材の機械的及び引張特性を著しく強化することが知られている。ここでは同様のアプローチが行われてきた。最終的な印刷された誘電体線の所望の延伸及び曲げ特性を達成するために、充填剤を組成物に添加してもよい。充填剤の実例には、ポリ(フルオレン)、ポリスチレン、ポリ(エチル-コ-酢酸ビニル)等のような誘電体ポリマー、石英、グラフェン、酸化グラフェン、グラファイト及びそれらの混合物等の無機充填剤が含まれる。
【0107】
充填剤は、直接又は溶液中に添加され得る。好ましい実施形態では、充填剤は、分散体として添加される。組成物の導電性を失うことなく、誘電体組成物とのブレンドが重要である。したがって、充填剤の濃度は、重要な役割を果たす。一実施形態では、1~40重量%の充填剤を添加し得る。好ましい濃度は、誘電性ペースト組成物中で約5~20重量%である。一実施形態では、ポリアニリン分散体を好ましい充填剤として使用する。別の実施形態では、グラフェンは、誘電体組成物中に分散される。
【0108】
本明細書に記載の誘電体インク組成物は、様々な用途のために、ジェット可能なインクを作製するプロセスにおいて使用することができる。組成物は、低温/低露光時間で硬化させることができ、紙フェノール樹脂基板、プラスチック基板(PMMA、PET等)及びガラス-エポキシ樹脂基板上で優れた接着性を有する。
【0109】
一実施形態では、本明細書に記載の組成物は、亀裂なしに最大少なくとも約130%、より好ましくは少なくとも約140%延伸することを可能にする、固有のアミノ及びセルロース系有機バインダを使用する。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも最大約150%、更には最大約160%延伸することが可能である。bench vice(McMasterからの中程度のbench vice)を使用して延伸試験を実施し、プラスチックフィルムをガラス転移温度よりも高い温度で加熱した(詳細な方法は、以下の実施例で与えられる)。本明細書に記載される組成物はまた、迅速であり、低温硬化することが可能である。「迅速」とは、組成物が、45分未満、好ましくは30分未満、より好ましくは約20分未満で硬化することが可能であることを意味する。「低温」とは、約100℃未満、より好ましくは約90℃未満、より好ましくは約80℃未満の温度を意味する。例えば、誘電体インク組成物は、熱システムにおいて70℃で20分間、及びUV硬化性システムのために0.5J/cm2で20分間硬化させることができる。したがって、これらのインクは、限定された硬化能力を有する製造業者に特に適している。
【0110】
これらの誘電体インク組成物は、その部類内の最も可撓性の組成物であり、最も折り目をつけることができる。本明細書に記載される組成物は、スクリーン印刷可能、ステンシル印刷可能であり、溢れることを伴わずに連続印刷を可能にする。インク組成物は、高スループットを可能にする。本明細書に記載される組成物は、熱成形可能/低温引き出し可能であり、任意の形状/角度に成形することができる。組成物は、全ての成形形状において優れた連続性を有し、高い体積抵抗率を可能にする。これらの組成物は、市販の銀トレースと適合性があり、クロスオーバー接合絶縁層を作製する際に使用することができる。
【0111】
これらのインクは、一般に入手可能な銀及びカーボンインクと適合性がある。インクは、最大130%、好ましくは最大で140%、より好ましくは最大約150%延伸することができ、電気的連続性を失うことなく、高い体積抵抗率(107オーム-cmを超える)を提供することができる。これらの本発明のインクは、線連続性を失うことなく、任意の深さ又は角度で熱成形/冷延伸することができ、迅速かつ低硬化温度を有することができる。また、溢れることなく連続印刷を行うことも可能である。
【0112】
本発明のインクは、改善された電気的特性及び機械的特性を与え、室温で安定である。本発明のインクは、構成要素を容易に(例えば、LEDの製造において)装填するために使用することができ、接着性に優れた任意のポリマー又は他の基材上に印刷することができる。本発明の組成物は、既に印刷されたインクと同様の方法で処理することができる。
【0113】
本発明の誘電体インクは、グラフィック層、導電層、及び誘電体層を含む、相互に適合する層の印刷されたスタックを含有する高品質IMD又はIME部品を作成するために使用することができる。加えて、層は、熱成形プロセス中に亀裂及び剥離が生じないように、同様の伸び特性を有する。対照的に、先行技術は、印刷されたスタック化アレイ内で一緒に機能して熱成形及び内型成形の機能層及び他の材料要件の不十分な適合性に起因して、そのような複雑なデバイスの形成を可能にすることができる印刷可能な流体の包括的なシステムを提供していない。本明細書に記載の方法で製造される誘電体インク組成物は、その主題全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2014/0151607号に記載の銀及びカーボンインク、並びに最も市販されている銀及びカーボンインクと完全に適合している。
【0114】
本明細書に記載される実施形態は、基材上に熱ジェット印刷され得る誘電体層を形成するための改善された組成物及び技術を提供する。本明細書に開示される本発明の組成物及び方法の利点は、組成物が向上した延伸性及び形成特性を有し、組成物で形成された誘電体層が、改善された折り目つけ特性及び機械的特性を有することである。
【0115】
電子回路を形成する方法は、いかなる特定の制限も受けない、すなわち、回路は、既知の方法、例えば、誘電体インクをスクリーン印刷すること、又はコンピュータ制御された描画機を使用して形成することができる。ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、紙/フェノール積層板、エポキシ/ガラス積層板、ポリイミド/ガラス基材、及び同様の基材のような基材を使用することができる。本プロセスによって生成される誘電体特徴部は、特定の実施形態では、高い体積抵抗率を有する。誘電体特徴部は、銀又は炭素トレース上のオーバープリント、及びクロスオーバー接合部の保護として使用することができる。語句「電子デバイス」は、薄膜トランジスタ、有機発光ダイオード、RFIDタグ、太陽光発電、及び誘電体要素又は構成要素を必要とする他の電子デバイスのようなマクロ電子デバイス、マイクロ電子デバイス、及びナノ電子デバイスを指す。誘電体特徴部は、上記の用途のための任意の好適な厚さであり得る。例えば、厚さは、約5ナノメートル~約10ミリメートル、約10ナノメートル~約5ミリメートル、又は約50ナノメートル~約1ミリメートルである。
【0116】
特定の実施形態では、誘電体特徴部は、高い抵抗を有する。抵抗は、破壊電圧を測定することによって評価することができる。所定の組成物は、500V~1000Vの破壊電圧を有する。組成物の可撓性は、誘電トレースの亀裂なしに、少なくとも約150%の引張応力を受けることができる印刷構造体の能力として定義され得る。亀裂は、50X以下の倍率で、同様の器具の顕微鏡下で観察され得る。同様に、曲げ特性は、フィルムの亀裂なく、高温で最低10%ひずみを受ける印刷線の能力として定義し得る。印刷されると、基材は、3D変形を受ける場合があり、インクは、剥離されることなく、その連続性及び他の物理的特性を保持することができるべきである。印刷された基材は、タッチスクリーン技術のための3D構成要素のような構成要素を製造するために、冷延伸、熱成形、射出成形、及び同様の三次元変形活性を受ける場合がある。本発明の組成物は、連続性又は接着性又は線状ひび割れのような物理的特性を失うことなく、そのような動作に耐えることができる。
【0117】
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照して更に例示される。
実施例1:熱硬化性誘電体インク
【0118】
本発明の組成物のための有機媒体を以下のように調製した:15グラムの直鎖芳香族ポリエステル樹脂(Dynapol、Evonikから入手可能)を、170グラムの磁気撹拌カルビトールアセテート(沸点230℃)及び40gのDowanol EPhグリコールエーテル(Dow Chemicalsから入手可能)に添加した。レオロジー変性剤、樹脂及び接着促進剤も混合物に添加した。混合物を60℃に加熱し、透明な溶液が得られるまでこの温度で撹拌した(約4時間)。溶液を、周囲温度までゆっくりと冷却させた。
【0119】
24時間の周囲温度休止後の得られた誘電体インク組成物の粘度を、Brookfield RVT粘度計、5rpm、No.5スピンドルで約12,000センチポアズ(20℃)で測定した。誘電体インク組成物を、0.50ミルのシルクスクリーンを通して100ミクロン厚の電気グレードPETフィルム上に印刷した。印刷された部品を、実験室用空気循環オーブン中で120°で10分間乾燥させて、誘電体相互接続を形成した。得られた印刷及び乾燥させた要素を、抵抗率、接着性(Scotchブランドとして販売されているセロハンテープ、#810)、耐スクラッチ性及び延伸性について試験した。
【0120】
4点プローブ法を使用して抵抗率を測定した。誘電体要素を抵抗率について測定した後、それ自体に対して折り畳まれ、それ自体に対して折り返されて、印刷線に垂直な折り目を作成した。次いで、抵抗率を再測定した。
【0121】
接着力は、スイッチング素子が硬質で平坦な表面、及び印刷された導体パターンのおよそ1インチにわたって配置された2インチ長のScotchブランド、#810テープ上で測定された。滑らかな圧力を指で印加して、誘電体要素へのテープ接着剤の良好な接着を確実にした後、上向きの動きで剥離し、導体の転写の証拠を確認した。
【0122】
硬質で平坦な表面上に誘電体要素を用いてフィンガーネイルスクラッチ試験を実施した。この要素を、印刷された導体パターンに垂直な適度な圧力でフィンガーネイルで数回引っ掻き、導体の除去の証拠を確認した。
【0123】
台万力(McMaster社製の中程度の台万力)を使用して、延伸試験を実施した。印刷された基材を、万力の両端に固定し、試験される領域をマークし、典型的にはマーキングは、長さ約5cmであった。試験領域を、エアガンを用いて150℃で加熱し、60秒間保持した。温度は、基材のガラス転移温度に基づいて選択された。典型的には、延伸は、基材のガラス転移温度よりも10℃高い温度で行われる。固定された印刷された基材を、およそ7cm、すなわち最初の長さの140%の程度までゆっくりと延伸させ、冷却し、任意の亀裂について顕微鏡下で50Xで分析した。
【0124】
観察された結果を以下の表1に示す。表1のデータは、誘電体要素が、延伸及び曲げ後に、非常に良好な接着性、可撓性、非常に良好な耐引っ掻き性、良好な鉛筆硬度、及び許容可能な抵抗率を論証した。
【0125】
同じインクを、適合性銀インク(SPS1501D、Alpha Assembly Solutions,Incから入手可能)上にオーバープリントした。スタックを乾燥させ、上記の同様の試験について検査した。加えて、スタック内の25ミクロンのフィルムの破壊電圧も、標準的な設定を用いて測定された。いくつかの実験では、誘電体インクは、バージンプラスチック又はグラフィックインク上に印刷することができる。これらの場合の銀インクは、2つの誘電体層の間に挟まれる。
【表1】
実施例2
【0126】
約1~約20ミクロンの範囲の主な粒子サイズを有するタルク粉末250重量部(25重量%)を除いて、実施例1に記載したのと同じ手順により誘電体インクを得、2μmの平均主要粒径が混合及び粉砕機により均一に混合及び分散され、延伸性であり成形可能な誘電体インクを得た。この組成物は、ポリエステルポリオールも含有していた。
実施例3
【0127】
組成物が溶媒を使用しないことを除いて、実施例1に記載したものと同じ手順によって誘電体インクを得た。
実施例4
【0128】
組成物がウレタンイソシアネート及びポリアミン硬化剤をブロックしたことを除いて、実施例1に記載したものと同じ手順によって誘電体インクを得た。
実施例5
【0129】
組成物がヒュームドシリカ粒子を含有していたことを除いて、実施例2に記載の手順と同じ手順によって、誘電体インクを得た。
実施例6
【0130】
組成物がアクリル系オリゴマー、ポリアミン硬化剤を含有し、溶媒を含有しないことを除いて、実施例1に記載したものと同様の手順によって、誘電体インクを得た。
実施例7
【0131】
組成物が二官能性エポキシ樹脂及びポリアミン硬化剤を含有することを除いて、実施例1に記載したものと同様の手順によって、誘電体インクを得た。
実施例8
【0132】
二官能性エポキシ樹脂、硬化促進剤、硬化剤、及びポリアミン硬化剤を含有することを除いて、実施例1に記載したものと同様の手順によって、誘電体インクを得た。
実施例9:UV硬化性誘電体インク組成物
【0133】
UV硬化性誘電体インク組成物を、
【0134】
約20%~80重量%の多官能性ウレタン、エポキシ、アクリレート、ビニル、ビニルエーテル及び/又はポリエステルポリオールオリゴマーと、
【0135】
約10%~70重量%の単官能性ウレタン、エポキシ、アクリレート、ビニル、ビニルエーテル及び/又はポリエステルポリオールオリゴマーと、
【0136】
約1重量%~40重量%の二官能性ウレタン、エポキシ、アクリレート、ビニル、ビニルエーテル及び/又はポリエステルポリオールオリゴマーと、
【0137】
主にメラミン樹脂又は二官能性(架橋剤)アルコキシル化アクリレート又はジアクリレートを含む、約1重量%~20重量%の別の架橋剤と、
【0138】
約0.01~10重量%の第1の波長範囲の第1の光開始剤と、
【0139】
約0.05~10重量%の第2の波長範囲の第2の光開始剤と、
【0140】
約0.01~30重量%のレオロジー変性剤、溶媒、又は湿潤流動若しくは均染促進剤と、を含むように調製した。
実施例10:UV硬化性誘電体インク組成物
【0141】
UV硬化性誘電体組成物は、溶剤型又は溶媒なしのいずれかとして調製した。
【0142】
UV硬化性誘電体インク組成物を、
【0143】
約20%~80重量%の二官能性脂肪族又は芳香族主鎖を含む二官能性アクリレートオリゴマーと、
【0144】
3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、メタクリレート又はアクリレートエステルを含む、約10%~70重量%の単官能性アクリレートモノマーと、
【0145】
主にメラミン樹脂又は二官能性アルコキシル化アクリレート又はジアクリレートを含む、約1%~20重量%の架橋剤と、
【0146】
約0.01~10重量%の第1の波長範囲の第1の光開始剤と、
【0147】
約0.05~10重量%の第2の波長範囲の第2の光開始剤と、
【0148】
約0.01~10重量%のレオロジー変性剤、及び湿潤、流動、及び均染促進剤と、を含むように調製した。
実施例11:
【0149】
UV硬化性誘電体インク組成物は、溶剤型又は溶媒なしのいずれかとして調製した。沸点範囲が、150~275℃の1~50重量%の第1の溶媒及び沸点範囲が、100~200℃の1~50重量%の第2の溶媒が存在していたことを除いて、実施例9の全ての成分を含むインク組成物を調製した。
実施例12
【0150】
組成物がブロックポリウレタンイソシアネート及びアミン樹脂を主鎖として含有したことを除いて、実施例9と同じプロセスに従って、誘電体インクを得た。
実施例13
【0151】
組成物が誘電性充填剤粒子としてタルクを含有することを除いて、実施例9と同じプロセスに従って、誘電体インクを得た。
実施例14
【0152】
組成物が誘電性充填剤粒子としてシリカを含有することを除いて、実施例9と同じプロセスに従って、誘電体インクを得た。
実施例15
【0153】
組成物が誘電性充填剤粒子として二酸化チタンを含有したことを除いて、実施例9と同じプロセスに従って、誘電体インクを得た。
【表2】
【0154】
インク組成物を、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びPC基材上に印刷し、空気循環オーブンで数分間硬化させたか、又は0.5J/cm2の光強度でUV硬化させた。いくつかの実施例では、誘電性組成物を、柔軟な銀インク(SPS1501D、Alpha Assembly Solutions,Inc.から入手可能)及び/又はカーボンインク上に印刷し、硬化させた。
【0155】
これらの実施例における誘電体インクは、ステンシル印刷又はスクリーン印刷することができる。印刷された組成物の固有の特性は、高いスループットを有し、溢れることなく印刷され得ることである。誘電体インクはまた、多くの市販の銀インクと非常に良好な適合性を有する。これはまた、カーボンオーバープリントとの適合性も有する。
【0156】
本明細書に記載の実施形態では、インクを塗布するために1ミルのスクリーンステンシルを用いてDEKプリンタを使用した。インク上で完全印刷評価を行った。DEK03xi自動印刷を評価に使用した。使用した他のパラメータを表3に与えられている。典型的には、銀導電性インクがPET基材上に印刷され、乾燥/硬化され、次いで誘電体層は、アンダープリントされた又はオーバープリントされたのいずれか及び硬化された。場合によっては、誘電体層は、炭素トレース上に印刷された。
【表3】
【0157】
印刷ウィンドウの最適化:印刷ウィンドウを最適化するために多数の実験を実施した。200mm/秒の速度で印刷し、誘導圧力が8.5kgで印刷されたときに、上記のサイズのメッシュスクリーンについて最良の結果を得た。この条件で、全てのインクを評価した。印刷均一性及び定義のために画像を撮影した。
【0158】
ステンシル/スクリーン寿命:インクのステンシル寿命を決定するために、室温で25℃で連続的に混練した。Brookfield粘度測定値は、T-0(初期粘度)を周期的に含む。また、印刷適性を定量化し、インクの挙動の任意の変化を一定期間にわたって追跡するために、サンプルをT0及び試験の最後に印刷した。
【0159】
一時停止への応答:インクを印刷し、メッシュ上で2時間開放した。2時間後、開かれたインクの印刷特性を再度評価して、一時停止試験に対する応答を実施した。この試験は、インクレオロジーにおける乾燥又は他の歪みを明らかにするために重要である。
【0160】
連続印刷(溢れなし):この試験を実施して、ステンシル上のインクを溢れさせることなく、あらゆる印刷後の開口内のインクの乾燥効果を決定した。この試験を行うために、ジャー内のインクを30秒間撹拌し、ステンシル上に塗布した。このインクを、最適化された印刷パラメータを有するスクリーンメッシュ上に印刷し、印刷ごとにインクを溢れさせることなく、最大10印刷連続的に印刷した。最後に、インク及び印刷線を任意の印刷欠陥について検査した。
【0161】
最適化された印刷パラメータは:印刷速度-200mm/秒、圧力-13.5Kg、スナップオフ速度-0.5mm/秒、溢れ高さ:3.5mm、印刷プロセス:印刷及び印刷であった。
【0162】
印刷ウィンドウの最適化:実施例8に係るインクの高密度リンクのための印刷窓の最適化を実施して、最適化された印刷ウィンドウを識別して、欠陥のない印刷を達成した。厚さ1ミル未満のメッシュスクリーンを使用した。試験は、ベンチマーク及び他のインクサンプルについても実施した。
【0163】
印刷ウィンドウは、以下のように最適化された:
【0164】
印刷速度-200mm/秒
【0165】
圧力-15Kg、
【0166】
スナップオフ速度-0.5mm/秒、
【0167】
溢れ高さ:3.5mm、
【0168】
印刷プロセス:印刷及び溢れ。
【0169】
図1に示すように、実施例8に記載されたインク組成物は、高速で印刷することができ、したがって高スループットを得た。材料が硬化後に圧縮されないことが観察され、したがって、開口高さは、インク堆積厚さに関して考慮される重要な因子であることが観察された。インクの非コンパクト性の理由は、それが収縮傾向を有さない硬化性組成物であると考えられる。
【0170】
一時停止に対する応答:PETフィルムに、ジャーから新しいインク(すなわち、インクが混練されていない)で印刷して、「ジャー性能外」を定量化する手段を提供した。この試験は、印刷堆積物を検査することによって初期性能を捕捉することを求めた。一時停止試験に対する応答は、インクが異なる一時停止間隔で印刷中の一時停止にどのように応答するかについての情報を提供する。実施例に記載されたインクの全ては、一時停止試験に対する良好な応答を生じた。全ての場合において、ブリッジ又はブーディングは観察されない。ジャー(T0)からの新鮮なインクを示している
図2に示すように、60分(T60分)及び120分(t120分)での、印刷の鮮明度は、全ての場合で均一で濃い。
【0171】
連続印刷:この試験を実行して、ステンシル上のインクを溢れさせることなく、あらゆる印刷後の開口内のインクの乾燥効果を評価した。この試験は、スループット及び材料損失の直接の指標を与えるために重要である。本発明のインクは、溢れることなく10印刷を与えることができた。全ての市販のインクは、この用途では著しく不合格であった。新規溶媒及びバインダ系により、本明細書に記載の誘電体インクは、任意の多孔性を有さなかった滑らかで印刷された構造体であったテクスチャを有していた。連続印刷の可能性はまた、インクに組み込まれた新規溶媒及びレオロジー変性剤に起因する。
図3は、
図5の誘電体インクの連続印刷性能を示す。
図3に示すように、10番目の印刷後であっても欠陥がない高密度線が観察された。
【0172】
ステンシル寿命:インクのステンシル寿命を決定するために、25℃(室温)で連続的に混練した。Brookfield粘度測定は、T0を含む1時間ごとに行った。また、印刷適性を定量化し、インクの挙動の任意の変化を一定期間にわたって追跡するために、サンプルをT0及び試験の最後に印刷した。この試験は、インクが長時間開放され続け又は連続して動作したときに、インクがステンシル上でどのように機能するかの指標を提供する。本明細書に記載のインクの全ては、この試験において優れた性能を示し、少なくとも4時間のステンシル寿命を示す。印刷の気泡又は異常は観察されなかった。印刷インクは、基材上に平滑な構造を示し、ステンシルの寿命は最大で4時間であった。全てのインクは、ステンシル寿命の4時間にわたって良好に実施された。インクはスクイジーに付着しなかったことが観察され、4時間の混練を通して良好な転がりがあったことが観察された。
【0173】
表4は、本明細書に記載の印刷インクの全ての比較を示す。これらのインクの全ては、全ての印刷試験において良好に機能した。対照的に、従来技術のインクは、連続印刷において十分に機能しなかった。
【表4】
【0174】
熱成形は、平坦な熱可塑性シートを加熱し、所望の形状に変形させるプロセスである。加熱は、通常、ほぼ125mm(5インチ)の距離で開始プラスチックシートの片面又は両面に位置する放射電気ヒーターによって達成される。シートを十分に軟化させるのに必要な加熱サイクルの持続時間は、ポリマー、その厚さ及び色に依存する。形成ステップが達成される方法は、(1)真空熱成形、(2)圧力熱成形、及び(3)機械的熱成形の3つの基本カテゴリーに分類することができる。線連続性、熱成形された物体、及びインクの全体的性能を、真空熱成形を用いて調査した。印刷されたインク及びスタック(基材+グラフィックインク+誘電体インク+銀トレース+誘電体インク+バリアインク(任意選択))を、特定の金型設計を用いて熱成形した。
【0175】
印刷されると、基材は、3D変形を受ける場合があり、インクは、剥離することなく、その連続性及び他の物理的特性を保持することが可能になるはずである。印刷された基材は、延伸性電子表面のための例えば3D構成要素を生成するために、冷延伸、熱成形、及び同様の三次元変形アクティビティを受けることができる。重要な目的は、抵抗率又は接着若しくは線状亀裂のような物理的特性を失うことなく、そのような動作に耐えることができるインクを形成することである。この試験では、インクは、空気循環オーブン内で120℃で10分間硬化したか、又は0.5J/cm
2の電力でUV硬化させた。この試験には様々な基材を使用した。形成は、特定の用途のために特定の基材を必要とする。PETは業界では一般的であるが、PMMA(ポリ(メチルメタクリレート)及びPC(ポリカーボネート)も使用されている。全ての3つの基材を表5に示すように評価した。
【表5】
【0176】
上記のように、PETは、広く使用されている基材である。この基材は、約120~125℃で熱成形する。熱成形試験のために、様々な金型をカスタム作製した。本発明の誘電体インク組成物の全ては、ポリエステルテレフタレート(PET)及びポリカーボネート(PC)基材に関する優れた結果を示した。
【0177】
図4は、実施例5のインク組成物を使用した熱成形された物体を示す。
図5は、実施例5のインク組成物を使用した導電性炭素及び誘電体スタックを使用した熱成形された物体を示す。
図6は、本発明により製造された成形熱成形物体を示す。
図4~6の熱成形された物体の全てについて、顕微鏡画像において亀裂は観察されなかった。加えて、印刷線は連続的であった。
【0178】
最後に、以下の「特許請求の範囲」は、本明細書に記載の本発明の一般的な特徴及び具体的な特徴の全て、並びに言語の問題としてその間にあり得る本発明の範囲の全ての記述を網羅することを意図していることも理解されたい。
本明細書の開示内容は、以下の態様を含み得る。
(態様1)
可撓性誘電体インク組成物であって、
誘電体材料であって、前記誘電体材料が、粉末、フレーク、又は樹脂の形態である、誘電体材料と、
1つ以上又はそれ以上の有機バインダと、
1つ以上のUV硬化性開始剤、熱硬化性開始剤、架橋剤及び/又は乾燥剤と、を含む、可撓性誘電体インク組成物。
(態様2)
前記誘電体材料が、二酸化チタン、シリカ、ヒュームドシリカ、ポリマー樹脂、ポリアミドワックス、微粉化ポリアミドワックス、チタン酸ストロンチウム、タルク、粘土、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパラキシレン、モノクロロポリパラキシレン、ジクロロポリ-パラキシレン、ペルフルオロ-p-キシリレン、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される、態様1に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様3)
前記1つ以上の有機バインダが、ポリエステル、ポリアミン、ポリウレタン、アクリレート、ポリオール、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される、態様1又は2に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様4)
追加のエラストマー又はオリゴマーを更に含む、態様1~3のいずれか一項に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様5)
イソプレン系ゴム、ポリブテン、ポリイソブチレン、液体シリコーン、ブロックポリイソシアネート、又は長鎖アクリルオリゴマー若しくはポリマーのうちの1つ以上を更に含む、態様1~4のいずれか一項に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様6)
前記組成物が、約150~300℃の沸点を有する溶媒を更に含む、態様1~5のいずれか一項に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様7)
前記組成物が、1つ以上のUV硬化性開始剤を含有し、前記1つ以上のUV硬化性開始剤が、ベンゾイン及びそのアルキルエーテル、ベンゾフェノン及びその誘導体、キサントン、チオキサントン、塩素化チオキサントン、アセトフェノン誘導体、ハロゲン化された脂肪族及び芳香族のポリ塩素化ビフェニル及びポリフェニル、並びに前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される、態様1に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様8)
前記組成物が、1つ以上の熱硬化性開始剤を含有し、前記1つ以上の熱硬化性開始剤が、メラミン樹脂、多官能性アジリジン化合物、イソシアネート、炭酸亜鉛アンモニウム、炭酸ジルコニウム、多官能性カルボジイミド化合物、オキシラン化合物、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される、態様1に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様9)
前記組成物が、レオロジー変性剤、エラストマー、接着促進剤、及び充填剤のうちの1つ以上を更に含む、態様1~8のいずれか一項の態様に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様10)
前記組成物が、誘電体ポリマー、無機充填剤、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される充填剤を含む、態様9に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様11)
前記充填剤が、石英、グラフェン、グラフェン酸化物、グラファイト、及び前述のもののうちの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される無機充填剤である、態様10に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様12)
前記充填剤が、分散体の形態で添加される、態様10又は11に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様13)
前記組成物が、レオロジー変性剤を含み、前記レオロジー変性剤が、アルコール可溶性セルロースアセテートブチレートである、態様9に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様14)
前記組成物が、接着促進剤を含み、前記接着促進剤が、シランモノマー又はオリゴマーである、態様9に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様15)
前記組成物が、架橋性である、態様1に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様16)
前記組成物が、架橋性ではない、態様1に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様17)
前記誘電体インク組成物が、導電性又は炭素線上にオーバープリントすることができる、態様1~16のいずれか一項に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様18)
前記誘電体インクが、50ミクロン以上の解像度を有する線を形成するために分配されることができる、態様1~17のいずれか一項に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様19)
前記誘電体インクが、絶縁層又はクロスオーバー接合部を作成することができる、態様1~18のいずれか一項に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様20)
前記誘電体インクが、折り目をつけることができる、態様1~19のいずれか一項に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様21)
前記誘電体インクが、高スループット可能である、態様1~20のいずれか一項に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様22)
前記誘電体インクが、亀裂なしに最大130%延伸することができる、態様1~21のいずれか一項に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様23)
前記誘電体インクが、亀裂なしに最大140%延伸することができる、態様22に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様24)
前記誘電体インクが、亀裂なしに最大150%延伸することができる、態様23に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様25)
前記組成物が、低温で硬化することができる、態様1~24のいずれか一項に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様26)
前記可撓性誘電体インク組成物が、0.5J/cm
2
で1~20分間UV硬化することができる、態様1に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様27)
前記可撓性誘電体インク組成物が、約70℃~200℃の温度で1~20分間熱硬化することができる、態様1に記載の可撓性誘電体インク組成物。
(態様28)
可撓性UV硬化性誘電体インク組成物であって、
a.約20重量%~80重量%の多官能性ウレタン、エポキシ、アクリレート、ビニル、ビニル-エーテル又はポリエステルポリオールオリゴマーのうちの1つ以上と、
b.約10重量%~70重量%の一官能性ウレタン、エポキシ、アクリレート、ビニル、ビニル-エーテル又はポリエステルポリオールオリゴマーのうちの1つ以上と、
c.約1重量%~40重量%の二官能性ウレタン、エポキシ、アクリレート、ビニル、ビニル-エーテル又はポリエステルポリオールオリゴマーのうちの1つ以上と、
d.約1重量%~20重量%の追加の架橋剤であって、前記追加の架橋剤が、メラミン樹脂、二官能性アルコキシル化アクリレート又はジアクリレートを含む、追加の架橋剤と、
e.約0.01~10重量%の第1の波長範囲のための第1の光開始剤と、
f.約0.05~10重量%の第2の波長範囲のための第2の光開始剤と、
g.約0.01~30重量%のレオロジー変性剤、溶媒、又は湿潤若しくは流動若しくは均染促進剤と、を含む、可撓性UV硬化性誘電体インク組成物。
(態様29)
可撓性のスクリーン印刷可能な誘電体インク組成物であって、
約10~70重量%の有機バインダ樹脂中に分散された10~80重量%の誘電体材料を含み、
前記有機バインダが、モノビニル若しくはマルチビニルモノマー又はオリゴマー及び溶媒を含み、樹脂対溶媒の比が、約0.1~1.5である、可撓性のスクリーン印刷可能な誘電体インク組成物。
(態様30)
基材上に誘電体インクのパターンを印刷する方法であって、
a.基材上に態様1~16のいずれか一項に記載の可撓性誘電体インク組成物を印刷するステップであって、前記組成物が、ジェット印刷、スクリーン印刷、又はステンシル印刷によって印刷される、印刷するステップと、
b.前記印刷された誘電体インク組成物を硬化又は乾燥させるステップと、を含む、方法。
(態様31)
前記基材が、紙-フェノール樹脂基板、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、及びガラス-エポキシ樹脂基板からなる群から選択される、態様30に記載の方法。
(態様32)
前記誘電体インクが、前記基材上に印刷された導電性インク、グラフィックインク、又は炭素トレース上に印刷される、態様30に記載の方法。
(態様33)
前記印刷された可撓性誘電体インク組成物が、50ミクロン以上の解像度を有する線を形成する、態様30に記載の方法。
(態様34)
前記印刷された可撓性誘電体インク組成物が、亀裂なしに最大130%延伸することができる、態様30に記載の方法。
(態様35)
前記印刷された誘電体インクが、亀裂なしに最大140%延伸することができる、態様34に記載の方法。
(態様36)
前記印刷された誘電体インクが、亀裂なしに最大150%延伸することができる、態様35に記載の方法。
(態様37)
前記組成物が、低温で硬化することができる、態様30に記載の方法。
(態様38)
前記可撓性誘電体インク組成物が、0.5J/cm
2
で1~20分間UV硬化することができる、態様30に記載の方法。
(態様39)
前記可撓性誘電体インク組成物が、約70℃~200℃の温度で1~20分間熱硬化することができる、態様30に記載の方法。
(態様40)
態様1~16のいずれか一項に記載の可撓性誘電体インクを熱成形する方法であって、
a.可撓性基材上に態様1~16のいずれか一項に記載の可撓性誘電体インク組成物を印刷するステップであって、前記組成物が、ジェット印刷、スクリーン印刷、又はステンシル印刷によって印刷される、印刷するステップと、
b.前記印刷された誘電体インク組成物を硬化又は乾燥させるステップと、
c.前記誘電体インクがその上に印刷された前記可撓性基材を加熱及び変形させて所望の形状にするステップと、を含む、方法。
(態様41)
前記印刷された誘電体インクが、層間剥離なしにその連続性を保持する、態様40に記載の方法。
(態様42)
前記印刷された誘電体インクが、ステップc)の後に固有抵抗若しくは接着を失わないか、又は線状亀裂を呈さない、態様40に記載の方法。
(態様43)
前記可撓性基材が、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、及びポリ(メチルメタクリレート)からなる群から選択される、態様40に記載の方法。
(態様44)
態様1~16のいずれか一項に記載の可撓性誘電体インクを形成する方法であって、
a.態様1~16のいずれか一項に記載の可撓性誘電体インク組成物の第1の層と、導電性インクの第2の層と、前記可撓性誘電体インク組成物の上部層と、を含む積層体を印刷するステップであって、前記可撓性誘電体インク及び前記導電性インクが、ジェット印刷、スクリーン印刷、又はステンシル印刷によって印刷される、印刷するステップと、
b.前記印刷された誘電体インク及び導電性インク組成物を硬化又は乾燥させるステップと、
c.前記積層体を所望の形状に変形させるステップと、を含む、方法。
(態様45)
前記形成するステップが、熱成形又は真空成形を含み、前記所望の形状が、三次元回路を含む、態様44に記載の方法。
(態様46)
前記可撓性誘電体インク組成物の前記第1の層が、可撓性基材上に印刷される、態様44に記載の方法。
(態様47)
前記可撓性誘電体インクの前記第1の層が、前記基材上に印刷された導電性インク、グラフィックインク、又は炭素トレース上に印刷される、態様44に記載の方法。
(態様48)
容量式タッチ構成要素を作製する方法であって、
i)可撓性基材上に態様1~16のいずれか一項に記載の誘電体インク組成物を塗布するステップと、
ii)前記誘電体インク組成物を乾燥又は硬化させるステップのうちの少なくとも1つのステップと、を含む、方法。
(態様49)
前記可撓性基材が、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、及びポリ(メチルメタクリレート)からなる群から選択される、態様48に記載の方法。
(態様50)
熱成形方法、冷延伸法、3D物体の形成方法、スクリーン印刷、ステンシル印刷、及びLED製作における、態様1~16のいずれか一項に記載の誘電体インク組成物の使用。
(態様51)
印刷された電子機器、RFID、生物医学的、インモールド電子機器、OLED照明、LED照明、ヒーター、タッチパネル、ウェアラブル、エレクトロルミネセントデバイス、スマートパッケージング、及び太陽光発電における、態様1~16のいずれか一項に記載の誘電体インク組成物の使用。
(態様52)
誘電体インクの第1の層、導電性インクの第2の層、及び上部の誘電体インクを含む積層体を形成するための、態様1~16のいずれか一項に記載の誘電体インク組成物の使用。