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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】システム、装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/54 20140101AFI20240115BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20240115BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240115BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20240115BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20240115BHJP
   A63H 3/00 20060101ALI20240115BHJP
   A63H 3/33 20060101ALI20240115BHJP
   A63H 5/00 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
A63F13/54
A63F13/35
A63F13/69 510
A63F13/533
A63F13/792
A63H3/00 Z
A63H3/33 C
A63H5/00 C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021136955
(22)【出願日】2021-08-25
(62)【分割の表示】P 2019099970の分割
【原出願日】2019-05-29
(65)【公開番号】P2021183184
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-05-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】原田 真史
(72)【発明者】
【氏名】吉田 浩二
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 嵩広
(72)【発明者】
【氏名】木村 憲司
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特許第6935452(JP,B2)
【文献】特開2016-067531(JP,A)
【文献】特開2016-202622(JP,A)
【文献】特開2011-206448(JP,A)
【文献】「セガNET麻雀 MJ」で新アイテム「SPボイス」が手に入るガチャ登場,4Gamer.net[online],2014年09月02日,https://www.4gamer.net/games/226/G022697/20140902060/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末、ユーザ端末と通信可能なサーバを含む音データ提供システムであって、
サーバは、複数の音データを記憶する記憶手段及びユーザ端末へ音データを送信する通信手段を備え、
ユーザ端末は、複数の音データのいずれかに紐付けられる1以上の音データ選択領域を表示する表示手段と、前記1以上の音データ選択領域から1つの音データ選択領域を選択するユーザによる選択入力を受け付ける入力手段と、ユーザによって選択された音データ選択領域に紐付けられる音データである選択済の音データをサーバから受信し、受信された音データを出力装置に送信する通信手段と、を備え、
前記1以上の音データ選択領域においては、同一の音データが前記1以上の音データ選択領域に紐付けられないように構成されており、
前記1以上の音データ選択領域に紐付けられる音データは抽選処理により決定される、
音データ提供システム。
【請求項2】
ユーザ端末は、ユーザによって既に選択された音データ選択領域の再度の選択を不可能とする制御手段を更に備える、請求項1に記載の音データ提供システム。
【請求項3】
前記1以上の音データ選択領域に紐付けられる音データは抽選処理により決定されることに代えて、または、加えて、
前記1以上の音データ選択領域に紐付けられる音データは音データ選択領域が選択されると再度決定される、請求項1または2に記載の音データ提供システム。
【請求項4】
前記1以上の音データ選択領域に紐付けられる音データは抽選処理により決定されることに代えて、または、加えて、
前記表示手段は、1以上の音データ選択領域に紐付けられる音データがユーザに認識できないように音データ選択領域を表示する、請求項1~3のいずれか1項に記載の音データ提供システム。
【請求項5】
前記表示手段は、複数の音データ選択領域を表示し、既に選択された音データ選択領域と他の音データ選択領域とを異なる態様にて表示する、請求項1~4のいずれか1項に記載の音データ提供システム。
【請求項6】
前記表示手段は、既に選択された音データ選択領域が選択済であることを示し、他の音データ選択領域が未選択であることを示す、請求項5に記載の音データ提供システム。
【請求項7】
前記1以上の音データ選択領域に紐付けられる音データは抽選処理により決定されることに代えて、または、加えて、
前記表示手段は、複数の音データ選択領域を表示し、
選択済の音データに紐付けられる音データ選択領域は当該選択済の音データに基づく音を出力装置において出力するための選択領域であることを示し、他の音データに紐付けられる音データ選択領域は音データを取得するための選択領域であることを示す、請求項1~6のいずれか1項に記載の音データ提供システム。
【請求項8】
前記1以上の音データ選択領域に紐付けられる音データは抽選処理により決定されることに代えて、または、加えて、
サーバは、選択された音データ選択領域に紐付けられる音データがサーバの記憶手段にユーザに利用可能な状態で記憶されているか否か判定し、利用可能な状態で記憶されていると判定されると、サーバの通信手段は、前記音データをユーザ端末に送信する、請求項1~7のいずれか1項に記載の音データ提供システム。
【請求項9】
サーバの記憶手段は、1以上の音データを含む1つのグループとして記憶する、請求項1~8のいずれか1項に記載の音データ提供システム。
【請求項10】
所定のキャラクタを示すキャラクタ識別情報が各グループに紐付けられ、
各グループに含まれる音データは当該グループに紐付けられたキャラクタ識別情報が示すキャラクタに関連する音データである、請求項9に記載の音データ提供システム。
【請求項11】
音データは、当該音データのグループに紐付けられたキャラクタ識別情報が示すキャラクタの台詞データである、請求項10に記載の音データ提供システム。
【請求項12】
前記1以上の音データ選択領域に紐付けられる音データは抽選処理により決定されることに代えて、または、加えて、
前記1以上の音データ選択領域は、第1のグループの全ての音データが選択済となった場合に、他のグループの音データに紐付けられる、請求項1~11のいずれか1項に記載の音データ提供システム。
【請求項13】
前記表示手段は、所定の対価の支払い処理が実行された場合に、対価支払い処理が実行されて選択可能とされた1以上の音データ選択領域を選択可能に表示する、請求項1~12のいずれか1項に記載の音データ提供システム。
【請求項14】
前記複数の音データは、所定期間のみ音データ選択領域に紐付けられる音データを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の音データ提供システム。
【請求項15】
前記1以上の音データ選択領域に紐付けられる音データは抽選処理により決定されることに代えて、または、加えて、
前記サーバの記憶手段は、前記複数の音データの各々に、第1の価値情報または第1の価値情報よりも高い価値を示す第2の価値情報を紐付けて記憶し、第2の価値情報に紐付けられた音データよりも第1の価値情報に紐付けられた音データを多く記憶する、請求項1~14のいずれか1項に記載の音データ提供システム。
【請求項16】
前記1以上の音データ選択領域に紐付けられる音データは抽選処理により決定されることに代えて、または、加えて、
前記1以上の音データ選択領域は複数の音データ選択領域であり、1つの音データに紐付けられる音データ選択領域と、複数の音データに紐付けられる音データ選択領域を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の音データ提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム等に関するものであり、特にユーザ端末への選択入力により選択される音データに基づいて出力装置において音出力を行うためのシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のスマートフォン等に代表される小型の電子装置であるユーザ端末の普及が急速に進み、このようなユーザ端末上で実行されるゲーム等のアプリケーションも数多く提供されている。この種のアプリケーションにおいて、いわゆるガチャと呼ばれる抽選処理によって、ゲームに用いるカードのようなアプリケーションにおいて使用されるアプリケーション媒体をユーザに提供するシステムが知られている。抽選処理による選択では、同一のカードがユーザに複数回提供される場合がある。このような場合には、同一のカードを合成することによって、カードの能力値を変化させることが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-114356号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記アプリケーションでは、カードを合成することによりカードの能力値を変化させることで、抽選によって同一のカードが複数取得された場合であっても、取得されたカードを有効に用いることができるから、ユーザは抽選を行う動機づけを維持することができる。しかしながら、合成させて能力値を変化させない音声データの場合には、抽選によって同一の音声データを取得してもユーザに対して新たな価値を提供することができない。このため、特に有料で抽選を行う場合に、既に所有している音声データと同一で新たな利用価値のない音声データが提供されると、アプリケーションに対するユーザの興趣性を妨げる恐れがある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、アプリケーションの興趣性を高めることが可能なシステム等を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様としてのシステムは、ユーザ端末、ユーザ端末と通信可能なサーバ及びユーザ端末と通信可能な出力装置を含む音データ提供システムであって、サーバは、複数の音データを記憶する記憶手段及びユーザ端末へ音データを送信する通信手段を備え、ユーザ端末は、複数の音データのいずれかに紐付けられる1以上の音データ選択領域を表示する表示手段と、前記1以上の音データ選択領域から1つの音データ選択領域を選択するユーザによる選択入力を受け付ける入力手段と、ユーザによって選択された音データ選択領域に紐付けられる音データである選択済の音データをサーバから受信し、受信された音データを出力装置に送信する通信手段と、を備え、出力装置は、ユーザ端末から送信された音データを受信する通信手段と、受信された音データに基づいて音を出力する音出力手段と、を備え、前記1以上の音データ選択領域においては、同一の音データが前記1以上の音データ選択領域に紐付けられないように構成されている。
【0007】
また、ユーザ端末は、ユーザによって既に選択された音データ選択領域の再度の選択を不可能とする制御手段を更に備えることができる。
【0008】
さらに、前記1以上の音データ選択領域に紐付けられる音データは抽選処理により決定されてもよい。
【0009】
前記1以上の音データ選択領域に紐付けられる音データは音データ選択領域が選択されると再度決定されるようにすることができる。
【0010】
前記表示手段は、1以上の音データ選択領域に紐付けられる音データがユーザに認識できないように音データ選択領域を表示することができる。
【0011】
前記表示手段は、複数の音データ選択領域を表示し、既に選択された音データ選択領域と他の音データ選択領域とを異なる態様にて表示することができる。
【0012】
前記表示手段は、既に選択された音データ選択領域が選択済であることを示し、他の音データ選択領域が未選択であることを示してもよい。
【0013】
前記表示手段は、複数の音データ選択領域を表示し、選択済の音データに紐付けられる音データ選択領域は当該選択済の音データに基づく音を出力装置において出力するための選択領域であることを示し、他の音データに紐付けられる音データ選択領域は音データを取得するための選択領域であることを示すようにしてもよい。
【0014】
サーバは、選択された音データ選択領域に紐付けられる音データがサーバの記憶手段にユーザに利用可能な状態で記憶されているか否か判定し、利用可能な状態で記憶されていると判定されると、サーバの通信手段は、前記音データをユーザ端末に送信するようにしてもよい。
【0015】
サーバの記憶手段は、1以上の音データを含む1つのグループとして記憶することができる。
【0016】
所定のキャラクタを示すキャラクタ識別情報が各グループに紐付けられ、各グループに含まれる音データは当該グループに紐付けられたキャラクタ識別情報が示すキャラクタに関連する音データとしてもよい。
【0017】
音データは、当該音データのグループに紐付けられたキャラクタ識別情報が示すキャラクタの台詞データとすることができる。
【0018】
前記1以上の音データ選択領域は、第1のグループの全ての音データが選択済となった場合に、他のグループの音データに紐付けられるようにすることができる。
【0019】
前記出力装置は当該出力装置に紐付けられたキャラクタを識別するための出力装置識別情報を記憶する記憶手段を更に備え、前記出力装置の通信手段は前記出力装置識別情報を送信し、前記ユーザ端末は、前記出力装置識別情報に基づいて、当該出力装置に紐付けられたキャラクタ以外のキャラクタ識別情報に紐付けられたグループに含まれる音データを前記出力装置に送信しないようにしてもよい。
【0020】
前記表示手段は、所定の対価の支払い処理が実行された場合に、対価支払い処理が実行されて選択可能とされた1以上の音データ選択領域を選択可能に表示することができる。
【0021】
前記複数の音データは、所定期間のみ音データ選択領域に紐付けられる音データを含むようにしてもよい。
【0022】
前記サーバの記憶手段は、前記複数の音データの各々に、第1の価値情報または第1の価値情報よりも高い価値を示す第2の価値情報を紐付けて記憶し、第2の価値情報に紐付けられた音データよりも第1の価値情報に紐付けられた音データを多く記憶することができる。
【0023】
前記1以上の音データ選択領域は複数の音データ選択領域であり、1つの音データに紐付けられる音データ選択領域と、複数の音データに紐付けられる音データ選択領域を含むようにすることができる。
【0024】
本発明の一つの態様としてのユーザ端末は、複数の音データのいずれかに紐付けられる1以上の音データ選択領域を表示する表示手段と、前記1以上の音データ選択領域から1つの音データ選択領域を選択するユーザによる選択入力を受け付ける入力手段と、ユーザによって選択された音データ選択領域に紐付けられる音データである選択済の音データをサーバから受信し、受信された音データを出力装置に送信する通信手段と、を備え、前記1以上の音データ選択領域においては、同一の音データが前記1以上の音データ選択領域に紐付けられないように構成されている。
【0025】
本発明の一つの態様としてのプログラムは、ユーザ端末によって実行されるプログラムであって、前記ユーザ端末を、1以上の音データのいずれかに紐付けられる1以上の音データ選択領域を表示する表示手段と、前記1以上の音データ選択領域から1つの音データ選択領域を選択するユーザによる選択入力を受け付ける入力手段と、ユーザによって選択された音データ選択領域に紐付けられる音データである選択済の音データをサーバから受信し、受信された音データを出力装置に送信する通信手段として機能させ、前記1以上の音データ選択領域においては、同一の音データが前記1以上の音データ選択領域に紐付けられないように構成されている。
【0026】
本発明の一つの態様としての出力装置は、音データを受信する通信手段及び音出力手段を備える出力装置であって、前記通信手段は、ユーザ端末においてユーザによって選択された音データ選択領域に紐付けられる音データである選択済の音データをユーザ端末から受信し、前記音出力手段は、前記受信された音データに基づく音のみを出力可能である。
【0027】
前記通信手段が複数の音データを受信すると、前記音出力手段は、前記受信された複数の音データに基づく音を所定の時間差で出力可能とすることができる。
【0028】
前記出力装置は、所定の形象を模した玩具体であり、縫いぐるみに装着可能に構成されてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、同一の音声データがユーザに提供されないようにすることを可能とし、アプリケーションの興趣性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの全体構成である。
図2】本発明の一実施形態に係るシステムのハードウェア構成図である。
図3】本発明の一実施形態に係るシステムの機能ブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係るアプリ画面の一例である。
図5】本発明の一実施形態に係る処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係るアプリ画面の一例である。
図7】本発明の一実施形態に係るアプリ画面の一例である。
図8】本発明の一実施形態に係るアプリ画面の一例である。
図9】本発明の一実施形態に係る処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の音データ提供システム1について説明する。本明細書においては、説明の便宜上、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細な説明や実質的に同一の構成についての重複説明を省略する場合がある。
【0032】
音データ提供システム1は、サーバ20にネットワークを介して複数の電子装置であるユーザ端末10が接続され、各ユーザ端末がさらに無線通信によって、玩具5に装着された出力装置30に接続されるシステムによって実現することができる。
【0033】
[第1の実施形態]
図1は本発明の一実施形態による音データ提供システムの全体構成の一例を示す。図1に示すように、音データ提供システム1は、複数のユーザ端末10と、サーバ20と、複数の玩具5に装着された出力装置30を備える。ユーザ端末10及びサーバ20は、インターネットなどのネットワーク2に接続され、互いに通信可能である。本実施形態においては、ユーザ端末10と出力装置とはBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によって接続されるものとするが、ユーザ端末10とサーバ20とを接続するインターネットや無線LAN等によって接続されてもかまわない。
【0034】
図2は本発明の一実施形態によるユーザ端末10、サーバ20及び出力装置30のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末10は、プロセッサ11、表示装置12、入力装置13、記憶装置14及び通信装置15を備える。これらの各構成装置はバス16によって接続される。なお、バス16と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。本実施形態において、ユーザ端末10はスマートフォンである。ただし、ユーザ端末10は、上記の構成を備えるものであれば、タブレット型コンピュータ、タッチパッド等の接触型入力装置を備えるコンピュータなどの端末とすることができる。
【0035】
サーバ20もまた同様に、プロセッサ21、表示装置22、入力装置23、記憶装置24及び通信装置25を備える。これらの各構成装置はバス26によって接続される。なお、バス26と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。本実施形態においてサーバ20はコンピュータによって実現される。
【0036】
出力装置30は、音データに基づいて音を出力する装置であり、プロセッサ31、音出力装置32、記憶装置34及び通信装置35を備える。これらの各構成装置はバス36によって接続される。なお、バス36と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。本実施形態において出力装置30はワイヤレススピーカであり、ビスケットやバッジ等の所定の形象を模した玩具体とする。また、ここで出力装置30が装着される玩具5は、縫いぐるみとするが、フィギュアやその他の形状を有する玩具とすることができる。出力装置30は、係止具等を備え玩具5に装着可能に構成される。
【0037】
プロセッサ11、21及び31は、ユーザ端末10、サーバ20ないし出力装置30全体の動作を制御するものであり、例えばCPUである。なお、プロセッサ11、21、31としては、MPU等の電子回路が用いられてもよい。プロセッサ11、21、31は、記憶装置14、24、34に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。
【0038】
表示装置(ディスプレイ)12、22は、プロセッサ11、21の制御に従って、アプリケーション画面などをユーザ端末10のユーザないしサーバ20のユーザに表示する。好ましくは液晶ディスプレイであるが、有機ELを用いたディスプレイやプラズマディスプレイ等であってもよい。出力装置30もまた表示装置を備えるようにしてもよい。表示装置を介して出力装置30の状態をユーザに提示することが可能となる。
【0039】
音出力装置32は、プロセッサ31の制御に従って、記憶装置34に記憶された音データに基づいて音を出力する。通信装置35を介して受信されたデジタル信号である音データをバッファに格納して、デジタル/アナログ変換して音を出力する処理装置を音出力装置32が含み、出力装置30はプロセッサ及び記憶装置を別途備えない構成とすることもできる。
【0040】
入力装置13、23は、ユーザ端末10及びサーバ20に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースであり、例えば、タッチパネル、タッチパッド、キーボード、又はマウスである。本実施形態においてユーザ端末10はスマートフォンであるため、ユーザ端末10は入力装置13としてタッチパネルを備え、タッチパネルは表示装置12としても機能し、表示装置12と入力装置13は一体となった構造である。表示装置12と入力装置13は、別の位置に配置される別個の形態であってもよい。サーバ20はコンピュータであるため、入力装置としてキーボード及びマウスを備え、表示装置として液晶ディスプレイを備えるものとする。出力装置30もまた入力装置を備えるようにしてもよい。入力装置を介して出力装置30を制御することが可能となる。
【0041】
記憶装置14、24及び34は、揮発性メモリであるRAM及び不揮発性メモリであるROM及び磁気記憶装置を含む、一般的なスマートフォン、コンピュータ及びワイヤレススピーカが備える記憶装置である。記憶装置14、24及び34は、外部メモリを含むこともできる。例えば記憶装置14は、アプリケーションを記憶し、記憶装置24はサーバ用アプリケーションを記憶する。アプリケーションは、アプリケーションのイベントを実行するためのプログラム及び該プログラム実行時に参照する各種データを含む。記憶装置34は、音出力装置の一部として組み込まれた揮発性メモリであって、ユーザ端末10から受信した音データをデジタル/アナログ変換等のために一時的に記憶するものとすることができる。
【0042】
通信装置15、25は、ネットワーク2(図2においては省略)を介して他の装置との間でデータの授受を行うことができる。例えば通信装置15、25は、移動体通信や無線LAN等の無線通信を行い、ネットワーク2へ接続する。ユーザ端末10は通信装置15を用いることで、ネットワークを介してサーバ20と通信を行う。通信装置15、25は、イーサネット(登録商標)ケーブル等を用いた有線通信を行ってもよい。さらに、通信装置15と通信装置35とは近距離無線通信を介して通信を行うことができる。ここでは近距離無線通信はBluetooth(登録商標)とするが、その他の無線通信であってもかまわないし、赤外線通信とすることもできる。無線LANやネットワーク2等を介して接続されてもかまわない。
【0043】
図3は本発明の一実施形態によるユーザ端末10、サーバ20及び出力装置30の機能ブロック図の一例を示す。ユーザ端末10は、制御手段101、表示手段102、入力手段103、記憶手段104及び通信手段105を備え、サーバ20は、制御手段201、表示手段202、入力手段203、記憶手段204及び通信手段205を備え、出力装置30は、制御手段301、音出力手段302、記憶手段304及び通信手段305を備える。本実施形態においては、プロセッサ11、21及び31がプログラムを実行することによりこれらの機能が実現される。例えば実行されるプログラムは、記憶装置14、24及び34に記憶されているプログラムである。このように、各種機能がプログラム読み込みにより実現されるため、1つのパート(機能)の一部又は全部を他のパートが有していてもよい。各機能の一部又は全部を実現するための電子回路等を構成することによりハードウェアによってこれらの機能を実現してもよい。
【0044】
ユーザ端末10の制御手段101は、本実施形態のアプリケーションによる機能を実行するにあたっての制御処理を行う。表示手段102は、アプリケーションの機能を制御するためのアプリ用画面を表示し、アプリケーションの機能やユーザ操作に応じたアプリ用画面を表示する。入力手段103は、ユーザ端末10のユーザからの入力を受け付ける。本実施形態においては、表示手段102及び入力手段103を備えたタッチパネルを用いることとし、タッチ検出機能によって入力手段を実現する。記憶手段104は制御手段101によって実行される情報処理に必要な情報を格納し、例えば、サーバ20から受信される音データ等を記憶する。
【0045】
サーバ20の制御手段201は、ユーザ端末10において実行されるアプリケーションのための処理を行う。1つの例では、制御手段201は、ユーザ端末10においてアプリケーションが実行されると、定期的に、又は必要に応じてデータの送受信を行い、ユーザ端末においてアプリケーションの機能を実現させる。例えば制御手段201は、ユーザ端末10において実行されたアプリケーションのための一つの機能としての音データの抽選処理を実行し、ユーザ端末10からの送信情報に基づいて、提供される音データの選択処理を行う。表示手段202は、必要に応じてサーバ管理者のための管理画面を表示装置22に表示する。
【0046】
記憶手段204は、ユーザに提供される音データ等の、ユーザ端末10において実行されるアプリケーションのための情報を記憶する。本実施形態においては、記憶手段204に音データIDに対応させて音データが記憶される。さらに、表1に示すように、音データIDを音データの価値を示す価値情報及びグループ情報に対応付けて記憶する。
【0047】
【表1】
【0048】
本実施形態においては、各音データIDは第1の価値情報または第2の価値情報のいずれかに対応付けられ、第2の価値情報は第1の価値情報よりも高い価値を示し、記憶手段204は、第2の価値情報に紐付けられた音データよりも第1の価値情報に紐付けられた音データを多く記憶する。例えば、価値情報は、抽選処理によって選択される可能性の低さ、いわゆるレア度を示し、第1の価値情報よりも第2の価値情報の方が抽選処理によって選択される可能性が低くなるように設定される。価値情報はさらに第1及び第2に限られる必要はなく3つ以上の価値情報の種類と紐付けることができる。
【0049】
本実施形態においては、音データIDは少なくとも1つのグループに含まれ、グループ情報は、グループを識別するために使用される識別子である。ここでは、グループ情報はキャラクタを示すキャラクタ識別子であり、音データIDは1つ以上のキャラクタ識別子に対応付けて記憶される。複数のキャラクタに共通の音データについては1つの音データIDが複数のキャラクタ識別子に割り当てられてもよい。本実施形態において音データは、キャラクタの台詞データであり、音データIDはそのキャラクタのキャラクタ識別子に対応付けて記憶される。
【0050】
本実施形態においては、1つのユーザIDに対して1つのグループ情報を割り当て、そのグループ情報によって示されるグループに含まれるすべての音データがユーザIDによって取得された後に、他のグループに含まれる音データの提供を可能とする。サーバ20の記憶手段204は、表2に示すように各ユーザIDに対して初めに割り当てられたグループ情報をグループ情報1として登録し、そのグループに対する音データがすべて提供されたか否かを示すステータス情報もまた記憶する。
【0051】
【表2】
【0052】
表2においては、ユーザID=1に対してグループ情報1=5が割り当てられ、グループ情報1に対するステータス1=1である。ステータス情報が1である場合には、そのグループの音データをすべて提供済みであることを示し、0である場合には未提供の音データがあることを示す。ユーザID=1においては、ステータス1=1であるからグループ=5についての音データはすべて提供済みであり、次のグループとしてグループ情報2=3が割り当てられ、ステータス2=0であるから、このグループについての音データは未提供の音データがあることを示している。ユーザID=2及び3についてはステータス1=0であり、未取得のグループ情報1の音データがあることを示している。グループ情報2=0は、まだグループ情報2が割り当てられていないことを示している。
【0053】
出力装置30の制御手段301は、本実施形態のアプリケーションによる機能を実行するにあたっての制御処理を行う。音出力手段302は、ユーザ端末10から受信した音データに基づいて音を出力する。本実施形態において音出力手段302は、ユーザ端末10から送信された音のみを出力可能とする。これによって、例えば、出力装置30に紐付けられたキャラクタの台詞のみを出力させることが可能となる。
【0054】
記憶手段304はユーザ端末10から受信した音データを音出力手段302で処理するための一時的なバッファとして機能することができる。また、出力装置30は、例えば出荷時において出力装置識別情報として1つのキャラクタ識別子が割り当てられ、記憶手段104に格納される。このキャラクタ識別子はユーザによって変更できないように記憶されてもよい。通信手段305は、ユーザ端末10とのデータの送受信を行う。
【0055】
図4は、ユーザ端末10にインストールされたアプリ用画面の一例であり、音データを管理するための音データ管理画面の一例を示す図である。この音データ管理画面は、ユーザ端末10の表示手段102及び入力手段103として機能するタッチパネルに表示される画面であり、音データを取得したり音を出力するために音データを選択するための音データ選択領域1~N(401~403)を含む。音データ選択領域には、抽選処理によって音データを紐づけることができる。
【0056】
音データが紐付けられる音データ選択領域は、音データ管理画面において表示される前に抽選処理を実行して、音データが紐付けられていてもよいし、音データを取得するために音データ選択領域をユーザが選択した後に、抽選処理が実行されて音データに紐付けられてもよい。音データ選択領域を選択することにより、当該音データ選択領域に紐付けられる音データを選択することができる。音データを取得するために音データ選択領域が選択され、紐付けられた音データが取得された場合には、紐付けられた音データを選択したという意味において、取得された音データは選択済の音データである。ユーザによって取得された音データを選択済データとしてもよい。
【0057】
図5を用いて、音データ取得及び再生処理のための本実施形態におけるシステムの動作について説明する。本実施形態においては、ユーザ端末10としてスマートフォンを用い、出力装置30として所定の形象を模したワイヤレススピーカを用いる。ユーザ端末10と出力装置30とはBluetooth(登録商標)によって無線接続される。
【0058】
図5に示す音データ取得及び再生処理に先立って、ユーザ端末10には予め本発明を実施するための出力装置30であるワイヤレススピーカを用いて音を出力するためアプリをインストールする。さらに、ユーザはユーザ端末10と出力装置30とを互いに認識させ接続するペアリングを行う。
【0059】
出力装置30は例えば、記憶手段304に当該出力装置の出力装置識別情報を記憶し、ユーザ端末10は出力装置30の出力装置識別情報を出力装置30から取得する。出力装置識別情報として出力装置を識別するための出力装置に固有の識別子としてもよいが、本実施形態においては、出力装置に紐付けられたキャラクタ識別子を用いる。出力装置を個別に識別することはできないが、出力装置に紐付けられたキャラクタを特定することができる。出力装置30は出力装置に固有の識別子と紐付けられたキャラクタ識別子の両方を記憶することもできる。
【0060】
そして、ユーザ端末10はサーバ20へ自己のユーザIDとともに出力装置30のキャラクタ識別子(出力装置識別情報)を送信することで、記憶手段204に記憶される表2に示すユーザIDに対応付けられるグループ情報1の登録を要求する。サーバ20は、これを受けて、当該ユーザIDに対するグループ情報1を登録し、まだいずれの音データも提供していないからステータス1=0とする。出力装置識別子として出力装置を識別するための出力装置に固有の識別子を用いる場合には、例えば、ユーザ端末10またはサーバ20において、出力装置識別子とキャラクタ識別子とを対応させる表を予め記憶し、これに基づいて、出力装置識別子をキャラクタ識別子に変換することができる。
【0061】
また、変形例として、ユーザがアプリケーションを介してキャラクタを選択し、当該キャラクタのキャラクタ識別子をサーバ20へ送信することで、当該ユーザのユーザIDに対して対応付けられるグループ情報としてキャラクタ識別子を決定してもよい。さらに、ペアリングする出力装置30に対してもキャラクタ識別子を送信して、当該出力装置にキャラクタ識別子を割り当てることもできる。
【0062】
以下の説明において使用する音データ管理画面の一実施例を図6に示す。この実施例においては、音データを取得するための音データ選択領域として抽選ボタン1~N(601~603)を表示し、音データに基づいて音を出力装置30において出力する、すなわち音を再生するための音データ選択領域として再生ボタン1~N(611~613)を表示する。抽選ボタンは、予め音データがその抽選ボタンに紐付けられていたとしても、紐付けられている音データがユーザには特定できない態様で表示する。
【0063】
入力手段として機能するタッチパネルにおいて抽選ボタンが表示されている領域にユーザがタッチすることにより、抽選ボタンを選択する入力が行われ、音データを取得することが可能となる。図6(b)の601に示すように、ユーザ端末10の制御手段101は、既に選択された抽選ボタンは再度選択できないようにするとともに、これを示すためにグレーアウトして表示手段102に表示させ、未選択の抽選ボタンは白色で表示させる。再生ボタンは取得済みであり再生可能な音データに対応したボタンは白色で示し(図6(b)612)、未取得であり再生できない音データに対応するボタンはグレーアウトして表示する(図6(a)611~613)。
【0064】
サーバ20においては、ユーザIDに対してグループ情報1が登録されると、制御手段201が抽選処理を実行し、当該ユーザIDの抽選ボタン1~Nである音データ選択領域1~Nに音データを紐付ける音データ選択領域対音データID対応テーブル(表3)を作成して、記憶手段204に記憶する(図5のS521)。音データ選択領域と音データの紐付けは抽選処理ではなく、所定のルールに従って決定するなどその他の方法によって決定してもかまわない。
【0065】
【表3】
【0066】
抽選処理は、例えば、各ユーザIDに対して取得可能なグループに含まれる音データIDからランダムに選択することにより実行される。ここでは、グループ情報1のグループから順次全ての音データを取得しなければ、他のグループの音データを取得できない者とする。したがって、最初はグループ情報1のグループの音データのみが取得可能な音データであり、抽選処理の対象となる。グループ情報1の音データを全て取得すると、グループ情報2の音データが抽選対象となる。グループに関係なく、全ての音データを取得可能としてもよいし、価値情報等の他の情報に基づいて取得可能な音データを決定してもよい。
【0067】
本実施形態においては、1つの音データ選択領域に1つの音データを紐付けるものとしたが、複数の音データを紐付けてもよい。複数の音データを含むパッケージとして紐付けてもよい。一部の音データ選択領域については1つの音データを紐付け、他の音データ選択領域については複数の音データを紐付けてもよい。また、本実施形態においては、各音データIDの価値情報に基づいて選択される確率を設定する。例えば、第1の価値情報を有する音データIDは第2の価値情報を有する音データIDと比較して10倍の確率で選択されるものとすることができる。
【0068】
音データのうちの少なくとも一部を所定の期間のみ抽選処理の対象とすることができる。例えば、一部の音データを1か月の期間限定で取得可能とすることで、アプリケーションの興趣性を高めることができる。所定の期間内にのみ抽選処理の対象として音データ選択領域に紐付けることを可能とする。所定の期間満了後に、再度抽選処理を実行して音データ選択領域対音データID対応テーブルを更新することで、期間限定の音データが取得されないようにすることができる。
【0069】
抽選処理は、一人のユーザに同一の音データが2回以上提供されることがないように処理される。例えば、抽選処理によって抽選ボタン1から順次、紐付けられる音データIDを選択するものとし、一人のユーザの抽選ボタン1に音データID=1が割り当てられた場合には、当該ユーザの抽選ボタン2~Nには音データID=1が紐付けられないように音データIDが選択される。このような処理は様々な方法によって実行可能であるが、各抽選ボタンに紐付けるための音データIDを順次抽選処理によって決定するが、既に紐付けられた音データIDを記憶しておき、抽選処理によって他の抽選ボタンに同一の音データIDが選択された場合には、他の音データIDが選択されるまで再抽選を繰り返し実行することができる。一度選択された音データは次の抽選処理において抽選対象から除外してもよい。
【0070】
これによって、複数の同一のカードであっても合成するという利用価値がある場合と異なり、音声データのように同一の音声を複数回取得することがユーザにとって好ましくない場合に、抽選の興趣性を維持しつつ、同一の音声データが2回以上提供されることを防止することができる。したがって、ユーザは抽選を行う動機づけを失わず、アプリケーションの継続的な利用を促すことができる。
【0071】
本実施形態において、再生ボタン1~Nは、音データID=1~Nに予め紐付けられるものとするが、対応する抽選ボタンによって取得された音データに紐付けてもよいし、音データが取得されると、再生ボタン1から順に紐付けてもかまわない。各再生ボタンに音データIDを紐付けるテーブルをユーザ端末10の記憶手段104において記憶するものとする。
【0072】
ユーザは本発明を実施するためのアプリケーションをユーザ端末10において起動するとともに、音データ管理画面を表示するための操作を行うと、表示手段102として機能するタッチパネルにおいて、図6に示す音データ管理画面60が表示される(S501)。
【0073】
S502においてユーザ端末10が、入力手段103を介して、音データを取得するための抽選ボタンである音データ選択領域1~Nのうちのいずれかを選択する入力をユーザから受け付けたか否か判定する(S502)。受け付けない場合にはS510へ移行し、受け付けた場合には選択された音データ選択領域を示す選択入力情報をサーバ20へ通信手段105を介して送信する(S504)。サーバ20は通信手段205を介してこれを受信すると(S522)、選択された音データ選択領域である抽選ボタンに紐付けられた音データを決定する(S524)。ここでは音データの決定は、選択入力及び音データIDに基づいて記憶手段204に記憶された音データ選択領域対音データID対応テーブル(表3)を用いて決定される。例えば、ユーザID=1のユーザが抽選ボタン2を選択する選択入力を受信した場合には、音データID=18が選択され、これに対応する音データが決定される。
【0074】
S524において音データが決定されると、決定された音データが利用可能か否かの判定を行う(S526)。例えば、記憶手段204において、各音データIDが利用可能であるか否かを示すテーブルを記憶し、当該テーブルを参照することにより、決定された音データIDが利用可能であるかを決定することができる。音データの配信を開始し、各ユーザの音データ選択領域に紐付ける処理を行った時点では利用可能であったが、その後、著作権の利用可能期間が経過した場合のように音データの配信ができなくなる場合がある。このような場合には、利用可能でなくなった場合に、記憶手段204に記憶された当該音データのための利用可能性を示すデータを利用不可能であることを示すデータに変更する。ユーザへの音データの提供の前に当該音データの利用可能性を確認することで、適切な音データの提供サービスを行うことを可能とする。
【0075】
S526において、決定された音データの著作権の利用可能期間が満了したことにより、利用できないと決定された場合には、抽選処理を再度実行して、抽選ボタンへの音データIDの紐付けを更新する処理を実行し(S528)、更新された音データ選択領域対音データID対応テーブルに基づいて、再度音データの決定を行う(S524)。
【0076】
一方、決定された音データが利用可能であると決定された場合には、当該音データ、音データID及び音データIDに対応付けられたグループ情報(キャラクタ識別子)をユーザ端末10へ送信する。本実施形態においては、その後、サーバ20は再度抽選処理を実行し、まだ選択されていない抽選ボタンへの音データIDの紐付けを更新する処理を実行するが(S532)、更新処理を音データの決定のたびに行わなくともよい。例えば、新規の音データがサーバ20に登録された場合などの所定のタイミングで行うようにしてもよい。
【0077】
音データID、音データ及びグループ情報をユーザ端末10が受信して、記憶手段104に格納する(S506)。本実施形態においては、ユーザは順次1つのグループに含まれる音データのみを取得できるから、ユーザ端末10には取得された音データのグループ情報は既知であるものとしてサーバ20から送信しなくともよい。
【0078】
ユーザ端末10は音データ管理画面を更新する(S508)。具体的には、図6(b)に示すように、抽選ボタン1(601)が選択された場合には、抽選ボタン1を再度選択できないようにするとともに、グレーアウト表示することにより、抽選ボタン1は再度の選択ができないことをユーザが認識可能とする。そして、サーバ20から受信した音データは再生が可能となったから、これを示すために受信した音データに対応する再生ボタン2をユーザが再生可能であることを示す白色のボタンへ変更して表示する。
【0079】
そして、ユーザ端末10の入力手段103が再生可能な音データを再生するための再生ボタンを選択する入力を受け付けた場合には(S510)、グループ整合判定処理を実行する(S512)。本実施形態においては、出力装置30に予め紐付けられたキャラクタのための音データのみを当該出力装置30へ送信して、出力することを可能とする。
【0080】
これによって、例えば、第1のキャラクタの形象を模した縫いぐるみ5に装着された第1のキャラクタに紐付けられた出力装置30からは第1のキャラクタの音のみを出力させることができる。また、複数の出力装置30を所有するユーザであっても、各出力装置30へは紐付けられたキャラクタのための音データしか送信できないようにすることができる。第1のキャラクタの形象を模した縫いぐるみ5に装着された出力装置から第2のキャラクタのための音声が出力されることを防止することができる。
【0081】
ユーザ端末10は出力装置30とのペアリング処理によって取得した、出力装置30のキャラクタ識別子であるグループ情報と再生のために選択された音データIDのグループ情報とを比較し、一致していなければ不整合であると判定し、グループ不整合のため再生不可能であることを示す情報を表示手段102に表示する(S514)。一致する場合には、選択された音データを出力装置30へ送信する(S516)。ユーザ端末10は、音データの送信を行った後、再度音データ選択領域の選択入力の待ち受けに戻る(S502)。
【0082】
1つのユーザ端末10を用いて複数の出力装置30から音を出力できるようにしてもよい。この場合には、例えばユーザ端末10のアプリケーションにおいて、各出力装置30とキャラクタ識別子の対応関係を記憶し、音データを送信する際には、ユーザによって選択された1つの出力装置30に紐付けられたキャラクタ識別子と、送信対象の音データのキャラクタ識別子の整合を判定することができる。
【0083】
出力装置30は音データを受信すると(S550)、音出力手段302によって、受信された音データに基づいて音を出力する(S552)。本実施形態において出力される音は、出力装置30を装着させた縫いぐるみ5が模したキャラクタの台詞音声であるものとするが、その他、歌、音楽、動物の鳴き声等の何らかの音であればどのようなものであってもかまわない。
【0084】
ユーザは、例えば、複数の再生ボタンを選択する入力を行うことにより、複数の音データを同時にまたは連続してユーザ端末10から出力装置30へ送信することができる。出力装置30は、例えば、受信された順に記憶手段304に格納して、制御手段301からの命令に従って、順次、音出力手段302から出力することができる。順次再生する際には、所定の時間間隔を空けたり、所定の時間差で出力することができる。
【0085】
また、出力装置30は、他の出力装置30とのシナリオに基づく会話音声を出力することもできる。例えば、音データに含まれるシナリオデータは、出力装置30に紐付けられたキャラクタの台詞部分と、他の出力装置30に紐付けられた他のキャラクタの台詞部分とを示すデータを含ませる。そして、出力装置30がマイクロフォンのような音声入力装置をさらに備えることで、他の出力装置30から出力された音を検出し、制御手段301においてこれを解析し、シナリオデータに基づいて他の出力装置30から出力された音がシナリオのどこまで出力されたか検知し、自己のキャラクタの台詞部分のタイミングで音出力手段302から音データに基づく会話音を出力することができる。その他、出力装置30同士が直接通信を行い、音出力のタイミング同期を行うようにすることもできる。
【0086】
音データ選択領域の選択は、所定の対価の支払処理が完了した後に可能とすることができる。例えば、所定金額の支払処理が実行される前は、ユーザ端末10において取得用の音データ選択領域が、グレーアウトして表示されて、ユーザの選択入力を受け付けないが、所定金額の支払処理が完了すると、白色に表示されて、ユーザの選択入力の受け付けを可能とし、それ以降の処理が実行されるようにすることができる。
【0087】
また、2つの異なる種類の取得用の音データ選択領域を用意してもよい。例えば、第1の種類の取得用音データ選択領域は無料で選択可能とし、第1及び第2の価値情報を有する音データをそれぞれの取得確率に基づいて取得できるものとし、第2の種類の取得用音データ選択領域は所定の対価の支払いを要求し、第2の価値情報を有する音データのみが取得されるように設定することができる。
【0088】
本実施形態においては、取得用の音データ選択領域(抽選ボタン)が選択されて、取得される音データが決定されると、サーバ20から音データが送信されて、ユーザ端末10の記憶手段104においてこれを格納するものとしたが、サーバ20から音データID及びキャラクタ識別子のみを送信し、ユーザ端末は受信した音データIDに対応する再生ボタンを選択可能にする。音データはユーザ端末10にダウンロードされていないが、ユーザはこの音データを取得したものとし、選択済の音データとする。そして、ユーザによって再生ボタンが選択されると、サーバ20へ音データIDに対応する音データを要求して、音データをサーバ20から受信すると一時的にこれを記憶手段104に格納して、出力装置30へ送信するようにしてもよい。
【0089】
また、サーバ20は音データを送信する前に、S526と同様に音データが利用可能であるかどうかの判定処理を行い、利用可能でない場合には、音データの送信に代えて、利用可能でないことを示す情報を送信して、ユーザ端末10において、選択された音データが利用可能でなくなったことをユーザに提示するようにしてもよい。
【0090】
また、本実施形態においては、サーバ20は、取得のための音データ選択領域の選択入力を受ける前に予め音データ選択領域対音データID対応テーブルを決定しておくものとしたが、音データ領域選択入力の受信を受けて、抽選処理を実行して、音データ選択領域対音データID対応テーブルを決定してもよい。また、選択された音データ選択領域に紐付ける音データIDのみを決定してもよい。この場合には、音データ送信(S530)の後に抽選処理を実行して対応テーブルを更新するステップ(S532)を実行する必要はない。ユーザIDに対して既に取得された音データIDを紐付けて記憶することにより、抽選処理によって決定された音データIDがこのユーザによって既に取得済みであるか否かを判定し、取得済みであると判定された場合には、再度抽選処理を実行することができる。また、決定された音データが利用可能でないと判定された場合にもまた再度抽選処理を行えばよい。
【0091】
さらにまた、ユーザ端末10は、サーバ20から予め音データ選択領域対音データID対応テーブルを受信して、記憶手段104に格納してもよい。音データ選択領域の選択入力を受け付ける(S502)と、選択入力送信(S504)に代えて、当該入力及び記憶手段104に記憶された音データ選択領域対音データID対応テーブルに基づいて、取得される音データIDを決定し、決定された音データIDをサーバ20へ送信する。サーバ20はこれに基づいてS530以降のステップを実行することができる。ユーザ端末10が抽選処理を実行し、音データ選択領域対音データID対応テーブルを作成してもよい。
【0092】
さらに別の変形例として、予め再生用の音データ選択領域を表示するのではなく、取得用の音データ選択領域が一度選択されて音データが取得されると、その音データ選択領域が、当該音データ選択領域に紐付けられた音データを再生するための音データ選択領域に変更されるようにされるようにすることができる。例えば、図7(a)に示すように、音データの取得前は、音データ管理画面において抽選ボタン1~Nが表示され、抽選ボタン1がユーザによって選択されると、図7(b)に示すように、当該抽選ボタン1(701)に紐付けられた音データの再生ボタン1に変更される。
【0093】
[第2の実施形態]
本実施形態においては、図8に示すように、音データ管理画面において1つの抽選ボタン801が表示され、抽選ボタン801がユーザによって選択されると、取得される音データの抽選処理が実行されて、抽選処理によって選択された音データが取得され、取得された音データに紐付けられた再生用ボタン(811~813)を選択するユーザ入力にしたがって音が出力装置30から出力される点で、第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0094】
本実施形態の音データ取得及び再生処理のフローチャートを図9に示す。第1の実施形態と異なり、サーバ20は予め音データ選択領域対音データID対応テーブルを用意しない。ユーザ端末10は、ユーザの操作に基づいて、音データ管理画面80を表示する(S501)。S502においてユーザ端末10が、入力手段103を介して、音データを取得するための抽選ボタンを選択する入力をユーザから受け付けると、選択された音データ選択領域を示す選択入力情報をサーバ20へ送信する(S504)。サーバ20はこれを受信すると(S522)、選択された音データ選択領域である抽選ボタンに紐付けられる音データを抽選処理によって決定する(S901)。
【0095】
抽選処理においては、第1の実施形態と同様に、一人のユーザに同一の音データが2回以上、選択されることがないように決定される。ユーザIDに対して既に取得された音データIDを紐付けて記憶することにより、抽選処理によって決定された音データIDがこのユーザによって既に取得済みであるか否かを判定し、取得済みであると判定された場合には、再度抽選処理を実行することができる。
【0096】
第1の実施形態と同様に、抽選処理によって選択された音データが利用可能であるかを決定し(S526)、利用不可であれば再度抽選処理を実行し(S901)、利用可能であれば、音データID、グループ情報及び音データをユーザ端末10へ送信する(S530)。
【0097】
ユーザ端末10は、音データID、グループ情報及び音データを受信すると、再生ボタンに紐付けてこれらを記憶手段104に格納する(S506)。本実施形態においては、取得された順に、再生ボタン1(811)から紐付ける。そして、ユーザ端末10は、音データと紐付けられた再生ボタンをグレーアウト表示から、白色表示に変更することによって、再生可能であることをユーザに示す(S508)。その後は、第1の実施形態と同様の処理によって、出力装置30から音を出力することができる。
【0098】
本実施形態においては、音データ管理画面においては1つの抽選ボタンのみを表示するものとしたが、2以上の抽選ボタンを表示してもよい。例えば、第1の抽選ボタンは無料の抽選を行うためのボタンであり、第2の抽選ボタンは所定の金額の支払いを条件として選択を可能とする抽選ボタンであり、より価値の高い音データが取得できる確率を高く設定されているものとすることができる。
【0099】
本発明の他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムや該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する方法とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムをコンピュータに供給することができるサーバとすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する仮想マシンとすることもできる。
【0100】
以上に説明した処理又は動作において、あるステップにおいて、そのステップではまだ利用することができないはずのデータを利用しているなどの処理又は動作上の矛盾が生じない限りにおいて、処理又は動作を自由に変更することができる。また以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0101】
1 :音データ提供システム
2 :ネットワーク
5 :玩具
10 :ユーザ端末
11 :プロセッサ
12 :表示装置
13 :入力装置
14 :記憶装置
15 :通信装置
16 :バス
20 :サーバ
21 :プロセッサ
22 :表示装置
23 :入力装置
24 :記憶装置
25 :通信装置
26 :バス
30 :出力装置
31 :プロセッサ
32 :音出力装置
34 :記憶装置
35 :通信装置
36 :バス
40、60、80:音データ管理画面
101 :制御手段
102 :表示手段
103 :入力手段
104 :記憶手段
105 :通信手段
201 :制御手段
202 :表示手段
203 :入力手段
204 :記憶手段
205 :通信手段
301 :制御手段
302 :音出力手段
304 :記憶手段
305 :通信手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9