(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】ユーザ端末、買物支援方法、買物支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/32 20120101AFI20240115BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20240115BHJP
【FI】
G06Q20/32 320
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2021146061
(22)【出願日】2021-09-08
(62)【分割の表示】P 2019152315の分割
【原出願日】2019-08-22
【審査請求日】2022-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】川本 剛士
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-062376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の店舗での買物の際に動作する買物支援プログラムを記憶したユーザ端末であって、
一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗固有の設定情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した前記店舗固有の設定情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された前記店舗固有の設定情報を基に当該ユーザ端末の動作を制御する制御手段と、
を具備し、
前記店舗固有の設定情報は、
店舗内部の無線との接続に必要な情報、前記ユーザ端末のバッテリ残容量の閾値であるバッテリチェック閾値及び商品の代金を電子的に支払うコード決済方式を運用する店舗であるか否かを識別する情報を含み、
前記制御手段は、
前記バッテリチェック閾値に応じて、当該ユーザ端末と、店舗内部の無線とを接続する動作を制限し、前記識別する情報により、当該ユーザ端末を用いて商品の代金を店舗で支払う際の動作を制限する、ユーザ端末。
【請求項2】
前記入店操作は、所定のコード体系で前記店舗固有の設定情報をコード化したデータコードを、前記ユーザ端末が有するコードリーダで読み取る操作である、請求項1記載のユーザ端末。
【請求項3】
ユーザ端末に記憶され、複数の店舗での買物の際に動作する買物支援プログラムであって、
前記ユーザ端末のコンピュータを、
前記ユーザ端末による一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗固有の設定情報を取得する取得手段、
前記取得手段で取得した前記店舗固有の設定情報を記憶する記憶手段、
前記記憶手段により記憶された前記店舗固有の設定情報を基に当該ユーザ端末を動作させる制御手段、
として機能させ、
前記店舗固有の設定情報は、
店舗内部の無線との接続に必要な情報、前記ユーザ端末のバッテリ残容量の閾値であるバッテリチェック閾値及び商品の代金を電子的に支払うコード決済方式を運用する店舗であるか否かを識別する情報を含み、
前記制御手段は、
前記バッテリチェック閾値に応じて、当該ユーザ端末と、店舗内部の無線とを接続する動作を制限し、前記識別する情報により、当該ユーザ端末を用いて商品の代金を店舗で支払う際の動作を制限するように前記コンピュータを機能させるための買物支援プログラム。
【請求項4】
複数の店舗での買物の際に動作する買物支援プログラムを記憶したユーザ端末に対する買物支援方法であって、
前記ユーザ端末よる一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗固有の設定情報を取得し、
その取得した前記店舗固有の設定情報を記憶し、
前記記憶された前記店舗固有の設定情報を基に当該ユーザ端末を動作させ、
前記店舗固有の設定情報は、
店舗内部の無線との接続に必要な情報、前記ユーザ端末のバッテリ残容量の閾値であるバッテリチェック閾値及び商品の代金を電子的に支払うコード決済方式を運用する店舗であるか否かを識別する情報を含み、
前記バッテリチェック閾値に応じて、当該ユーザ端末と、店舗内部の無線とを接続する動作を制限し、前記識別する情報により、当該ユーザ端末を用いて商品の代金を店舗で支払う際の動作を制限する、買物支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ユーザ端末及び買物支援方法、並びに、コンピュータを当該ユーザ端末として機能させるための買物支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者が売場で買上商品を手に取る際に、ユーザ端末を自ら操作して買上商品の識別コードを読み取ることで、買上商品の登録をセルフで行うようにした買物支援システムはすでに知られている。
【0003】
この種の買物支援システムにおいては、店舗が消費者にユーザ端末を貸し出す方式が一般的である。例えば、ユーザ端末が取り付けられたショッピングカートを店舗が用意し、消費者は買上商品をショッピングカートに入れる際にユーザ端末を操作してその買上商品の識別コードを読み取るというものである。この方式の場合、ユーザ端末はその店舗専用の機器となる。したがって、予めその店舗固有の情報をユーザ端末に設定しておくことができる。
【0004】
その一方で、消費者が個人で所有するスマートフォン等の通信端末をユーザ端末として利用することが考えられている。個人所有の通信端末をユーザ端末として利用できるようになると、消費者は、商品販売処理システムが導入されている複数の店舗において買上商品の登録をセルフで行えるようになる。
【0005】
しかしながら、買物支援システムにおいては、例えばユーザ端末で買上商品の識別コードが読み取られると、そのユーザ端末から店舗のサーバに識別コードが送信される。このため、個人所有の通信端末をユーザ端末として買物支援システムで利用する場合、各店舗のサーバと無線通信を行うための接続情報を通信端末が有する必要がある。また、例えば無線通信がエラーとなるタイムアウト時間、エラーとなったときのリトライ回数等は、店舗あるいはその店舗を運営する企業体毎に設定される。このため、店舗又は企業体毎のタイムアウト時間、リトライ回数等の動作制限情報を通信端末が有する必要もある。ただし、上述した接続情報、動作制限情報等のような買物支援システムを利用する上で必要な情報は、店舗又は企業体特有の情報であるため、前もって個人所有の通信端末に設定することはできない。したがって、消費者が来店した際にその店舗又は企業体特有の情報を通信端末に設定しなければならず、設定作業の簡略化が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、煩雑な設定作業を要することなく、複数の店舗で導入された買物支援システムで利用できるユーザ端末及びそのユーザ端末を用いた買物支援方法、並びに、コンピュータを当該ユーザ端末として機能させるための買物支援プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、ユーザ端末は、取得手段と、記憶手段と、制御手段とを備える。取得手段は、複数の店舗での買物の際に動作する買物支援プログラムを記憶したユーザ端末による一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗固有の設定情報を取得する。記憶手段は、取得手段で取得した店舗固有の設定情報を、入店操作を行ったユーザ端末と関連付けて記憶する。制御手段は、記憶手段により記憶された店舗固有の設定情報を基に当該ユーザ端末の動作を制御する。そして、店舗固有の設定情報は、店舗内部の無線との接続に必要な情報、前記ユーザ端末のバッテリ残容量の閾値であるバッテリチェック閾値及び商品の代金を電子的に支払うコード決済方式を運用する店舗であるか否かを識別する情報を含む。制御手段は、前記バッテリチェック閾値に応じて、当該ユーザ端末と、店舗内部の無線とを接続する動作を制限し、識別する情報により、当該ユーザ端末を用いて商品の代金を店舗で支払う際の動作を制限する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る買物支援システムの概略構成を示すブロック図。
【
図2】ユーザ端末の要部回路構成を示すブロック図。
【
図3】店舗設定テーブルのデータ構造を示す模式図。
【
図4】ユーザ端末のプロセッサが、買物支援プログラムに基づいて実行する情報処理の要部手順を示す流れ図。
【
図5】ユーザ端末のプロセッサが、買物支援プログラムに基づいて実行する情報処理の要部手順を示す流れ図。
【
図6】ユーザ端末において表示されるチェックイン画面の一例を示す模式図。
【
図7】ユーザ端末において表示されるカメラ画面の一例を示す模式図。
【
図8】ユーザ端末において表示されるカメラ画面の一例を示す模式図。
【
図9】ユーザ端末において表示されるバッテリエラー画面の一例を示す模式図。
【
図10】ユーザ端末において表示される無線接続画面の一例を示す模式図。
【
図11】ユーザ端末において表示される通信エラー画面の一例を示す模式図。
【
図12】ユーザ端末において表示されるチェックイン完了画面の一例を示す模式図。
【
図13】ユーザ端末において表示される登録画面の一例を示す模式図。
【
図14】登録画面にポップアップ画像が表示された一例を示す模式図。
【
図15】ユーザ端末において表示される会計バーコード画面の一例を示す模式図。
【
図16】ユーザ端末において表示されるチェックアウト画面の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、買物支援装置の一実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、消費者が所有するスマートフォン等の通信端末を複数の店舗で導入された買物支援システムのユーザ端末として利用する場合である。
【0011】
図1は、本実施形態に係る買物支援システム1の概略構成を示すブロック図である。買物支援システム1は、複数の店舗システム10と、中継サーバ20と、ネットワーク30と、ユーザ端末40とを含む。
【0012】
店舗システム10は、買物支援システム1を導入した店舗毎に構成される。店舗の数は、特に限定されるものではない。
図1では、店舗AAAに構成された店舗システム10と、店舗BBBに構成される店舗システム10とを示している。なお、店舗AAAを運営する企業体は、店舗BBBを運営する企業体と同じであってもよいし異なっていてもよい。以下では、店舗AAAの店舗システムを店舗システム10Aと表し、店舗BBBの店舗システムを店舗システム10Bと表す。また、各店舗の店舗システム10A,10B,…を総称する場合には、店舗システム10と表す。
【0013】
店舗システム10の基本的な構成は共通である。すなわち店舗システム10は、
図1に示すように、店舗サーバ11、仮想POSサーバ12、通信サーバ13、会計機14及びアクセスポイント15を備え、これらを有線LAN(Local Area Network)16で接続している。
【0014】
店舗サーバ11は、店舗業務全般を支援するコンピュータである。その支援のために店舗サーバ11は、商品データベースを含む種々のデータベースを管理する。商品データベースは、店舗で販売されている各商品のデータを記述した商品レコードの集合体である。すなわち、店舗システム10Aの店舗サーバ11によって管理される商品データベースには、店舗AAAで販売されている各商品に関する商品レコードが保存されている。店舗システム10Bの店舗サーバ11によって管理される商品データベースには、店舗BBBで販売されている各商品に関する商品レコードが保存されている。商品レコードには、商品コード、価格、商品名等の商品データが記述されている。商品コードは、商品を個々に識別するために商品毎に設定された一意の識別コードである。各商品には、通常、商品コードを表したバーコードが付されている。
【0015】
仮想POSサーバ12は、ユーザ端末40と協働することで、周知のPOS端末が動作しているかのように見せかけるための支援を行うコンピュータである。例えば仮想POSサーバ12は、以下の3つの機能を有する。第1の機能は、ユーザ端末40を介して入力された商品コードで識別される商品の販売データを、そのユーザ端末40を識別するための端末ID別に登録する機能である。第2の機能は、端末ID別に登録された各商品の販売データを基に登録画面を作成し、当該端末IDで特定されるユーザ端末40の表示デバイスに表示させる機能である。第3の機能は、ユーザ端末40から会計が指示されると、そのユーザ端末40の端末ID別に登録された各商品の販売データを基に会計データを生成し、店舗サーバ11へと転送する機能である。
【0016】
通信サーバ13は、ネットワーク30を介して接続された中継サーバ20との間で行うデータ通信を支援するためのサーバである。
【0017】
会計機14は、買上商品を決済するための端末である。会計機14は、店舗サーバ11から会計データを取得し、その会計データを基に決済を行う。決済の方式は、特に限定されない。現金決済、クレジットカード決済、電子マネー決済、ポイント決済、コード決済(モバイル決済又はスマートフォン決済等とも称される)等、周知の決済方式を利用することができる。
【0018】
会計機14は、買上商品の登録機能を有していてもよい。例えば、会計機14に接続されたスキャナで買上商品のバーコードが読み取られると、会計機14は、店舗サーバ11にそのバーコードに含まれる商品コードで問合せを行う。この問合せにより、店舗サーバ11からは商品コードで識別される商品の商品名、価格等の商品データが応答されるので、会計機14は、その商品データを基に買上商品の販売データを登録する。そして会計機14は、この買上商品について決済を行う。あるいは会計機14は、店舗サーバ11から取得した会計データにこの買上商品の販売データを加えて決済を行う。
【0019】
このような会計機14としては、店員が決済のための情報を入力するようにした有人会計機と、消費者が決済のための情報を入力するようにしたセルフ会計機とがある。店舗システム10は、有人会計機とセルフ会計機の双方を備えていてもよいし、いずれか一方だけを備えていてもよい。有人会計機としては、従来周知のPOS端末を適用することができる。セルフ会計機としては、従来周知のセルフ式又はセミセルフ方式の会計機を適用することができる。
【0020】
アクセスポイント15は、店舗システム10の各サーバ(店舗サーバ11、仮想POSサーバ12、通信サーバ13等)がユーザ端末40と無線LANを介してデータ通信を行う際の中継拠点として店舗内に設置された通信設備である。無線LANは、例えばWi-Fi(登録商標)の規格に準拠したものである。なお、
図1では、1つの店舗システム10にアクセスポイント15を1つだけ示しているが、アクセスポイント15の数は限定されない。店舗の規模等により複数のアクセスポイント15が有線LAN16に接続されていてもよい。
【0021】
中継サーバ20は、図示しないインターネットを介して提供されるクラウドサービス上に置かれている。中継サーバ20は、ネットワーク30を介して、各店舗システム10A,10Bの通信サーバ13と接続されている。ネットワーク30は、例えばVPN(Virtual Private Network)を用いたWAN(Wide Area Network)である。また中継サーバ20は、インターネット、モバイル通信網等のWANを介してユーザ端末40と接続することができる。かくして中継サーバ20は、接続状態にあるユーザ端末40と各店舗システム10A,10Bとの間のデータ通信を中継する機能を有している。
【0022】
ユーザ端末40は、消費者が複数の店舗で買物支援システム1を利用する際に共通に使用する携帯型の通信端末である。ユーザ端末40は、詳細については後述するが、少なくとも二次元コード体系のデータコード50を読み取るためのハードウェアを有している。例えばデジタルカメラを搭載した市販のスマートフォン、タブレット端末等がユーザ端末40として利用できる。本実施形態では、消費者が個人的に所有するスマートフォン等の通信端末をユーザ端末40として利用する。
【0023】
データコード50は、店舗毎に用意されている。データコード50は、例えば店舗の入口と出口にそれぞれ用意されている。データコード50は、店舗又はその店舗を運営する企業体特有の設定情報を、所定の二次元コード体系でコード化したものである。設定情報の項目は、店舗に関わらず共通である。各項目の情報が店舗によって異なる。そこで本明細書では、店舗AAAのデータコード50をデータコード50Aと表し、店舗BBBのデータコード50をデータコード50Bと表す。また、各店舗のデータコード50A,50B,…を総称する場合には、データコード50と表す。
【0024】
図2は、ユーザ端末40の要部回路構成を示すブロック図である。
図2に示すようにユーザ端末40は、プロセッサ41、内蔵メモリ42、外部メモリ43、タッチパネル44、カメラ45、無線ユニット46、通信インターフェース(I/F)47及びシステム伝送路48を備えている。またユーザ端末40は、駆動源として充電式のバッテリ49を搭載している。
【0025】
システム伝送路48は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。ユーザ端末40は、システム伝送路48に、プロセッサ41、内蔵メモリ42、外部メモリ43、タッチパネル44、カメラ45、無線ユニット46及び通信インターフェース47を接続する。ユーザ端末40では、プロセッサ41、内蔵メモリ42及び外部メモリ43と、これらを接続するシステム伝送路48とによってコンピュータが構成される。
【0026】
プロセッサ41は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ41は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、ユーザ端末40としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ41は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0027】
内蔵メモリ42は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。内蔵メモリ42は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。内蔵メモリ42は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。内蔵メモリ42は、プロセッサ41が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。また内蔵メモリ42は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ41によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0028】
外部メモリ43は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばSDメモリカード、USBメモリ等が外部メモリ43となり得る。外部メモリ43は、プロセッサ41が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ41での処理によって作成されたデータ等を保存する。外部メモリ43は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0029】
タッチパネル44は、ユーザ端末40の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル44は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ41に出力する。
【0030】
カメラ45は、ユーザ端末40に内蔵された撮像デバイスである。カメラ45は、ユーザ端末40にインストールされたアプリケーションプログラムにより、静止画又は動画の撮影装置として、あるいはバーコード、二次元コード等のデータコードのスキャニング装置として動作する。カメラ45は、コードリーダの一例である。
【0031】
無線ユニット46は、アクセスポイント15との間で無線LANの通信プロトコルに従いデータ通信を行うための回路である。
【0032】
通信インターフェース47は、インターネットまたはモバイル通信網を介して接続された中継サーバ20との間でデータ通信を行うための回路である。
【0033】
かかる構成のユーザ端末40は、内蔵メモリ42又は外部メモリ43に記憶されるアプリケーションプログラムとして、買物支援システム1が導入された店舗での買物の際に使用される買物支援プログラムを記憶している。買物支援プログラムを内蔵メモリ42又は外部メモリ43にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、買物支援プログラムを内蔵メモリ42又は外部メモリ43にインストールすることができる。記録媒体は、SDメモリカード、USBメモリ等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0034】
また、ユーザ端末40は、買物支援プログラムに従ってプロセッサ41が情報処理を行う際に参照するデータテーブルとして、店舗設定テーブル60(
図3を参照)を備えている。店舗設定テーブル60は、外部メモリ43に備えられている。店舗設定テーブル60は、内蔵メモリ42の揮発性領域に備えられていてもよい。
【0035】
図3は、店舗設定テーブル60のデータ構造を示す模式図である。
図3に示すように店舗設定テーブル60は、一連番号の第1フィールドF1と、設定項目の第2フィールドF2と、設定データの第3フィールドF3とからなる。そして、第1フィールドF1には、No.1~No.34の一連番号が記述されている。第2フィールドF2には、No.1~No.34の一連番号にそれぞれ対応付けて、34種類の設定項目が記述されている。第3フィールドF3には、No.1~No.34の一連番号に対応付けられた設定項目のデータが選択的に記述される。設定項目のデータは、前述したデータコード50に含まれている。すなわち、消費者がユーザ端末40のカメラ45で店舗AAAのデータコード50Aを読み取ると、そのユーザ端末40が備えた店舗設定テーブル60の第3フィールドF3に、店舗AAAに関する各設定項目のデータが記述される。消費者がユーザ端末40のカメラ45で店舗BBBのデータコード50Bを読み取ると、同店舗設定テーブル60の第3フィールドF3に、店舗BBBに関する各設定項目のデータが記述される。
【0036】
一連番号No.1に対応した設定項目は、動作バージョンである。データコード50A及びデータコード50Bには、買物支援プログラムの最新バージョンがコード化されている。
【0037】
一連番号No.2に対応した設定項目は、企業コードである。データコード50Aには、店舗AAAを運営する企業体を識別するための企業コードがコード化されており、データコード50Bには、店舗BBBを運営する企業体を識別するための企業コードがコード化されている。
【0038】
一連番号No.3に対応した設定項目は、店舗コードである。データコード50Aには、店舗AAAを識別するための店舗コードがコード化されており、データコード50Bには、店舗BBBを識別するための店舗コードがコード化されている。
【0039】
一連番号No.4に対応した設定項目は、企業名である。データコード50Aには、店舗AAAを運営する企業体の名称がコード化されており、データコード50Bには、店舗BBBを運営する企業体の名称がコード化されている。
【0040】
一連番号No.5に対応した設定項目は、店舗名である。データコード50Aには、店舗AAAの名称がコード化されており、データコード50Bには、店舗BBBの名称がコード化されている。
【0041】
このように、店舗設定テーブル60の一連番号No.2~No.5に対応した設定データの第3フィールドF3には、消費者がユーザ端末40を用いて買い物を行う店舗を識別するための情報が設定されることとなる。すなわち、店舗固有の設定情報を表すデータコード50には、消費者がユーザ端末40を用いて買い物を行う店舗を識別するための情報が含まれている。
【0042】
一連番号No.6に対応した設定項目は、入店フラグである。入店フラグは、店舗の入口に設けられたデータコード50であるのか、出口に設けられたデータコード50であるのかを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、入口に設けられたデータコード50には、入店フラグとして“1”がコード化されており、出口に設けられたデータコード50には、入店フラグとして“0”がコード化されている。
【0043】
一連番号No.7に対応した設定項目は、IPアドレスである。データコード50Aには、店舗AAAが備える通信サーバ13のIPアドレスがコード化されており、データコード50Bには、店舗BBBが備える仮想POSサーバ12のIPアドレスがコード化されている。
【0044】
一連番号No.8に対応した設定項目は、クラウドドメイン名である。データコード50A及びデータコード50Bには、いずれも中継サーバ20のドメイン名がコード化されている。
【0045】
一連番号No.9に対応した設定項目は、電子レシートサーバアドレスである。電子レシートサーバとは、レシートを電子化した電子レシートを消費者の端末に提供するサービスに特化したサーバである。データコード50Aには、店舗AAAが利用する電子レシートサーバのネットワークアドレスがコード化されており、データコード50Bには、店舗BBBが利用する電子レシートサーバのネットワークアドレスがコード化されている。
【0046】
一連番号No.10に対応した設定項目は、店内LANフラグである。店内LANフラグは、ユーザ端末40と店舗システム10との間の通信媒体として店舗内の無線LANを使用するか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、ユーザ端末40と店舗システム10との間の通信媒体として、店舗内の無線LANを使用する店舗のデータコード50には、店内LANフラグとして“1”がコード化されており、店舗内の無線LANを使用しない店舗のデータコード50には、店内LANフラグとして“0”がコード化されている。
【0047】
一連番号No.11に対応した設定項目は、店内LAN・SSIDである。データコード50Aには、店舗AAAに設けられたアクセスポイント15の識別名であるSSID(Service Set Identifier)がコード化されており、データコード50Bには、店舗BBBに設けられたアクセスポイント15のSSIDがコード化されている。
【0048】
一連番号No.12に対応した設定項目は、店内LAN・パスワードである。データコード50Aには、店舗AAAの無線LANに設定されたパスワードがコード化されており、データコード50Bには、店舗BBBの無線LANに設定されたパスワードがコード化されている。
【0049】
一連番号No.13に対応した設定項目は、店内LAN・セキュリティ方式である。データコード50Aには、店舗AAAの無線LANに設定されたセキュリティ方式(WPA2-PSK、WPA-PSK、WEP等)の暗号鍵を示すデータがコード化されており、データコード50Bには、店舗BBBの無線LANに設定されたセキュリティ方式の暗号鍵を示すデータがコード化されている。
【0050】
一連番号No.14に対応した設定項目は、クラウド必須フラグである。クラウド必須フラグは、ユーザ端末40が中継サーバ20との接続に失敗したときにエラーとするか、エラーとすることなく運用を続けるかを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、エラーとする運用の店舗に設けられたデータコード50には、クラウド必須フラグとして“1”がコード化されており、エラーとすることなく運用を続ける店舗に設けられたデータコード50には、クラウド必須フラグとして“0”がコード化されている。
【0051】
一連番号No.15に対応した設定項目は、ステータス送信モードである。ステータス送信モードには、ユーザ端末40のステータスを中継サーバ20に送信する第1モードと、店舗システム10に送信する第2モードと、送信しない第3モードとがある。第1モードを運用する店舗のデータコード50には、ステータス送信モードとして“1”がコード化され、第2モードを運用する店舗のデータコード50には、ステータス送信モードとして“2”がコード化され、第3モードを運用する店舗のデータコード50には、ステータス送信モードとして“3”がコード化されている。
【0052】
一連番号No.16に対応した設定項目は、ログ送信モードである。ログ送信モードには、ユーザ端末40のログデータを蓄積したログファイルを中継サーバ20にのみ送信する第1モードと、店舗システム10にのみ送信する第2モードと、中継サーバ20と店舗システム10の双方に送信する第3モードと、送信しない第4モードとがある。第1モードを運用する店舗のデータコード50には、ログ送信モードとして“1”がコード化され、第2モードを運用する店舗のデータコード50には、ログ送信モードとして“2”がコード化され、第3モードを運用する店舗のデータコード50には、ログ送信モードとして“3”がコード化され、第4モードを運用する店舗のデータコード50には、ログ送信モードとして“4”がコード化されている。
【0053】
一連番号No.17に対応した設定項目は、FTP・ホスト名である。ログ送信モードが第1モード又は第3モードである場合、ログファイルは、インターネットを経由して中継サーバ20へと送信される。データコード50には、ログファイルを中継サーバ20へと送信する際に使用するプロトコルのホスト名またはIPアドレスがコード化されている。
【0054】
一連番号No.18に対応した設定項目は、FTP・ユーザ名である。データコード50には、ログファイルを中継サーバ20へと送信する際に使用するプロトコルのユーザ名がコード化されている。
【0055】
一連番号No.19に対応した設定項目は、FTP・パスワードである。データコード50には、ログファイルを中継サーバ20へと送信する際に使用するプロトコルのパスワードがコード化されている。
【0056】
一連番号No.20に対応した設定項目は、FTP・ログフォルダパスである。データコード50には、インターネットを経由して中継サーバ20へと送信するログファイルのパス名がコード化されている。
【0057】
このように、店舗設定テーブル60の一連番号No.7~No.20に対応した設定データの第3フィールドF3には、ユーザ端末40が通信を行うために必要なパラメータが設定されることとなる。すなわち、店舗固有の設定情報を表すデータコード50には、ユーザ端末40が通信を行うために必要なパラメータが含まれている。
【0058】
一連番号No.21に対応した設定項目は、UPCチェックデジット削除フラグである。UPCチェックデジット削除フラグは、商品コードの一種であるUPC(Universal Product Cord)コードのチェックデジットを削除するか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、チェックデジットを削除する運用の店舗に設けられたデータコード50には、UPCチェックデジット削除フラグとして“1”がコード化されており、チェックデジットを削除しない運用の店舗に設けられたデータコード50には、UPCチェックデジット削除フラグとして“0”がコード化されている。
【0059】
一連番号No.22に対応した設定項目は、カメラ自動遷移時間である。ユーザ端末40が有するカメラ45の自動遷移時間は店舗毎に設定される。すなわち店舗AAAのデータコード50Aには、店舗AAAにおいて設定されたカメラ自動遷移時間がコード化されており、店舗BBBのデータコード50Bには、店舗BBBにおいて設定されたカメラ自動遷移時間がコード化されている。
【0060】
一連番号No.23に対応した設定項目は、モバイル通信タイムアウト時間である。ユーザ端末40が無線LANを介して店舗システム10と通信を行う際のタイムアウト時間は、店舗毎に設定される。すなわち店舗AAAのデータコード50Aには、店舗AAAにおいて設定されたモバイル通信タイムアウト時間がコード化されており、店舗BBBのデータコード50Bには、店舗BBBにおいて設定されたモバイル通信タイムアウト時間がコード化されている。
【0061】
一連番号No.24に対応した設定項目は、モバイル通信リトライ回数である。ユーザ端末40が無線LANを介して店舗システム10と通信を行った際にタイムアウトした場合のリトライ回数は、店舗毎に設定される。すなわち店舗AAAのデータコード50Aには、店舗AAAにおいて設定されたモバイル通信リトライ回数がコード化されており、店舗BBBのデータコード50Bには、店舗BBBにおいて設定されたモバイル通信リトライ回数がコード化されている。
【0062】
一連番号No.25に対応した設定項目のフィールドは、クラウド通信タイムアウト時間である。ユーザ端末40が中継サーバ20を介して店舗システム10と通信を行う際のタイムアウト時間は、店舗毎に設定される。すなわち店舗AAAのデータコード50Aには、店舗AAAにおいて設定されたクラウド通信タイムアウト時間がコード化されており、店舗BBBのデータコード50Bには、店舗BBBにおいて設定されたクラウド通信タイムアウト時間がコード化されている。
【0063】
一連番号No.26に対応した設定項目は、クラウド通信リトライ回数である。ユーザ端末40が中継サーバ20を介して店舗システム10と通信を行った際にタイムアウトした場合のリトライ回数は、店舗毎に設定される。すなわち店舗AAAのデータコード50Aには、店舗AAAにおいて設定されたクラウド通信リトライ回数がコード化されており、店舗BBBのデータコード50Bには、店舗BBBにおいて設定されたクラウド通信リトライ回数がコード化されている。
【0064】
一連番号No.27に対応した設定項目は、店員確認警告解除バーコード値である。例えば消費者が、アルコール飲料、タバコ等の20禁商品を購入した場合、店員による確認が必要となる。消費者の年齢を確認した店員は、その店舗専用の店員確認警告解除バーコードをユーザ端末40に読み取らせる。データコード50Aには、店舗AAAの店員が使用する店員確認警告解除バーコードの値がコード化されており、データコード50Bには、店舗BBBの店員が使用する店員確認警告解除バーコードの値がコード化されている。
【0065】
一連番号No.28に対応した設定項目は、動作モードである。動作モードには、買物支援システムを通常に運用する通常モードと、デモとして運用するデモモードとがある。通常モードで使用されるデータコード50には、動作モードとして“1”がコード化されており、デモモードで使用されるデータコード50には、動作モードとして“0”がコード化されている。
【0066】
一連番号No.29に対応した設定項目は、会計機転送モードである。店舗システム10においては、消費者がユーザ端末40を使用して商品コードを読み取った買上商品の販売データが仮想POSサーバ12に登録される。そして、消費者がユーザ端末40から買上商品の会計を指示すると、仮想POSサーバ12に登録されていた買上商品の販売データを基に生成される会計データが、店舗サーバ11を介して会計機14へと転送される。このとき、会計データを会計機14へと転送する方式として、会計データに紐づけられた会計バーコードを使用する方式と使用しない方式とがある。会計バーコードを使用する方式の店舗におけるデータコード50には、会計機転送モードとして“1”がコード化されており、会計バーコードを使用しない方式の店舗におけるデータコード50には、会計機転送モードとして“0”がコード化されている。
【0067】
一連番号No.30に対応した設定項目は、コード支払い運用フラグである。買上商品の代金決済方式の1つとしてコード決済方式がある。コード決済方式とは、ユーザ端末40を利用し、バーコード又は二次元コードを用いて商品の代金を電子的に支払う方式である。コード支払い運用フラグは、コード決済方式を運用するか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、コード決済方式を運用する店舗のデータコード50には、コード支払い運用フラグとして“1”がコード化されており、コード決済方式を運用しない店舗のデータコード50には、コード支払い運用フラグとして“0”がコード化されている。
【0068】
一連番号No.31に対応した設定項目は、20禁商品強制フラグである。アルコール飲料、タバコなどのように年齢制限のある商品、いわゆる20禁商品のユーザ端末40での登録を許可するか否かは店舗によって定められる。20禁商品強制フラグは、20禁商品のユーザ端末40での登録を許可するか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、20禁商品のユーザ端末40での登録を許可する運用の店舗における二次元コードには、20禁商品強制フラグとして“1”が設定され、20禁商品のユーザ端末40での登録を許可しない運用の店舗における二次元コードには、20禁商品強制フラグとして“0”が設定される。
【0069】
一連番号No.32に対応した設定項目は、ポイントカード入力モードである。ポイントカードのカード番号入力モードには、カード番号を手入力する第1モードと、カードに印刷されたデータコードをカメラ45で読み込む第2モードとがある。第1モードを運用する店舗のデータコード50には、ポイントカード入力モードとして“1”がコード化され、第2モードを運用する店舗のデータコード50には、ポイントカード入力モードとして“2”がコード化されている。
【0070】
一連番号No.33に対応した設定項目は、店員設定呼出フラグである。ポイントカードのカード識別情報を手入力する際に店員の確認を必要とする運用と必要としない運用とがある。店員設定呼出フラグは、店員の確認を必要とするか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、店員の確認を必要とする運用の店舗におけるデータコード50には、店員設定呼出フラグとして“1”がコード化され、店員の確認を必要としない運用の店舗におけるデータコード50には、店員設定呼出フラグとして“0”がコード化されている。
【0071】
一連番号No.34に対応した設定項目は、バッテリチェック閾値である。ユーザ端末40が買物の途中でバッテリ切れとならないように、バッテリ容量の閾値が店舗又は企業体毎に設定されている。すなわち店舗AAAのデータコード50には、店舗AAAが設定したバッテリチェック閾値がコード化されており、店舗BBBのデータコード50には、店舗BBBが設定したバッテリチェック閾値がコード化されている。
【0072】
このように、店舗設定テーブル60の一連番号No.22~No.34の各フィールドには、ユーザ端末40を店舗で使用する場合のその店舗での動作制限情報が設定されることとなる。すなわち、店舗固有の設定情報を表すデータコード50には、ユーザ端末40を店舗で使用する場合のその店舗での動作制限情報が含まれている。
【0073】
図4及び
図5は、ユーザ端末40のプロセッサ41が、買物支援プログラムに基づいて実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。また、
図6乃至
図16は、ユーザ端末40のタッチパネル44に表示される各種画面の一例を示す模式図である。以下、これらの図を用いてユーザ端末40の主要な動作について説明する。この動作説明により、複数の店舗での買物の際に動作する買物支援プログラムを記憶したユーザ端末に対する買物支援方法が明らかになろう。なお、以下に説明する動作の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であれば、その動作手順及び動作の内容は特に限定されるものではない。
【0074】
消費者は、買物支援システム1が導入された店舗、例えば店舗AAAに出向くと、買物を開始する前に、ユーザ端末40にインストールされている買物支援プログラムを起動する。そうすると、プロセッサ41は、
図4及び
図5に流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0075】
先ず、プロセッサ41は、ACT1としてチェックイン画面SC1(
図6を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。
【0076】
図6は、チェックイン画面SC1の一例である。
図6に示すようにチェックイン画面SC1には、入店用の二次元コードをスキャンすることを指令するメッセージととともに、消費者がメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンBT1の画像が表示されている。チェックイン画面SC1を確認した消費者は、「はい」ボタンBT1にタッチする。
【0077】
プロセッサ41は、タッチパネル44からの信号により、チェックイン画面SC1の「はい」ボタンBT1がタッチされたことを検知すると、ACT2としてカメラ45を起動する。そしてプロセッサ41は、ACT3としてカメラ画面SC2(
図7を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。
【0078】
図7は、カメラ画面SC2の一例である。
図7に示すようにカメラ画面SC2には、二次元コードの読取り領域を示す画像AR1が表示されている。カメラ画面SC2を確認した消費者は、店舗AAAの入口に用意されたデータコード50が画像AR1内に収まるように、ユーザ端末40に内蔵されたカメラ45のレンズをデータコード50に翳す。
【0079】
カメラ画面SC2を表示させたプロセッサ41は、ACT4としてカメラ45によって二次元コード体系のデータコードが読み取られるのを待ち受ける。
図8に示すように、二次元コード体系のデータコードが画像AR1内に収まると、プロセッサ41は、データコードを読み取れたと判定する。プロセッサ41は、ACT4においてYESと判定し、ACT5へと進む。
【0080】
プロセッサ41は、ACT5としてカメラ45で撮像されたデータコードの画像から、そのデータコードによってコード化されているデータを解析する。そしてプロセッサ41は、ACT6として読み取ったデータコードが入店フラグを“1”とするデータコード50であるか否かを判別する。
【0081】
カメラ45で読み取ったデータコードがデータコード50以外である場合、あるいは入店フラグが“0”の退店用のデータコード50を読み取った場合には、プロセッサ41は、ACT6においてNOと判定し、ACT4へと戻る。プロセッサ41は再度、カメラ45によって二次元コード体系のデータコードが読み取られるのを待ち受ける。
【0082】
カメラ45で読み取ったデータコードが、入店フラグが“1”の入店用のデータコード50であった場合、プロセッサ41は、ACT6においてYESと判定し、ACT7へと進む。プロセッサ41は、ACT7としてデータコード50を解析して得たデータ、すなわち、一連番号No.1~No.34にそれぞれ対応した設定項目の設定データを、店舗設定テーブル60の第3フィールドF3に記述する。
【0083】
こうして、各設定項目の設定データを店舗設定テーブル60で記憶したならば、プロセッサ41は、ACT8として一連番号No.34の設定項目「バッテリチェック閾値」に対する第3フィールドF3のデータ、すなわちバッテリチェック閾値を取得する。そしてプロセッサ41は、ACT9としてユーザ端末40に搭載されているバッテリ49の残容量がバッテリチェック閾値以上であるか否かを確認する。
【0084】
プロセッサ41は、バッテリ49の残容量がバッテリチェック閾値に満たない場合、ACT9においてNOと判定し、ACT10へと進む。プロセッサ41は、ACT10としてバッテリエラー画面SC4(
図9を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。
【0085】
図9は、バッテリエラー画面SC4の一例である。
図9に示すようにバッテリエラー画面SC4には、バッテリの充電を促すメッセージととともに、「はい」ボタンBT2の画像が表示されている。バッテリエラー画面SC4を確認した消費者は、「はい」ボタンBT2にタッチする。プロセッサ41は、タッチパネル44からの信号により、バッテリエラー画面SC4の「はい」ボタンBT2がタッチされたことを検知すると、他の処理へと進む。他の処理については、その説明を省略する。
【0086】
プロセッサ41は、バッテリ49の残容量がバッテリチェック閾値以上あることを確認した場合には、ACT9においてYESと判定し、ACT11へと進む。プロセッサ41は、ACT11として無線接続画面SC5(
図10を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。
【0087】
図10は、無線接続画面SC5の一例である。
図10に示すように無線接続画面SC5には、ユーザ端末40が店内の無線に接続していること、接続が完了すると買物が可能となることを示すメッセージが表示されている。そこで買物客は、ユーザ端末40が店内の無線に接続されるのを待つ。
【0088】
プロセッサ41は、ACT12として店舗設定テーブル60の一連番号No.11乃至No.13に関連付けられた設定項目「店内LAN・SSID」、「店内LAN・パスワード」、「店内LAN・セキュリティ方式」の各種データにしたがって無線ユニット46を制御し、ユーザ端末40が店内の無線と接続されるのを待ち受ける。ここで、一連番号No.23に関連付けられた設定項目「モバイル通信タイムアウト時間」の設定データに相当する時間が経過しても店内の無線と接続されない場合、プロセッサ41は、一連番号No.24に関連付けられた設定項目「モバイル通信リトライ回数」の設定データに相当する回数だけリトライを繰り返す。そして、モバイル通信リトライ回数分のリトライを繰り返しても店内の無線と接続できない場合、プロセッサ41は、ACT12においてNOと判定し、ACT13へと進む。プロセッサ41は、ACT13として通信エラー画面SC6(
図11を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。
【0089】
図11は、通信エラー画面SC6の一例である。
図11に示すように通信エラー画面SC6には、通信エラーのために時間を空けて再度試すことを促すメッセージととともに、「はい」ボタンBT3の画像が表示されている。通信エラー画面SC6を確認した消費者は、「はい」ボタンBT3にタッチする。プロセッサ41は、タッチパネル44からの信号により、通信エラー画面SC6の「はい」ボタンBT3がタッチされたことを検知すると、他の処理へと進む。他の処理については、その説明を省略する。
【0090】
プロセッサ41は、ユーザ端末40が店内の無線と接続されたことを確認すると、ACT12においてYESと判定し、ACT14へと進む。プロセッサ41は、ACT14としてチェックイン完了画面SC7(
図12を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。
【0091】
図12は、チェックイン完了画面SC7の一例である。
図12に示すようにチェックイン完了画面SC7には、買物の準備が整ったことを示すメッセージととともに、「はい」ボタンBT4の画像が表示されている。チェックイン完了画面SC7を確認した消費者は、「はい」ボタンBT4にタッチする。
【0092】
なお、ユーザ端末40が店内の無線と接続されると、店舗システム10の店舗サーバ11は、そのユーザ端末40から固有の端末IDを取得する。また店舗サーバ11は、そのユーザ端末40が有する店舗設定テーブル60の一連番号No.2に関連付けられた設定項目「企業コード」のデータと、一連番号No.3に関連付けられた設定項目「店舗コード」のデータとを取得する。そして店舗サーバ11は、予め設定されている企業コード及び店舗コードと、ユーザ端末40から取得した「企業コード」及び「店舗コード」のデータとが一致するか否かを確認する。一致する場合、店舗サーバ11は、仮想POSサーバ12に対し、そのユーザ端末40固有の端末IDを通知する。仮想POSサーバ12は、店舗サーバ11から通知された端末IDを設定した商品登録テーブルを作成する。また店舗サーバ11は、ユーザ端末40に対してチェックイン完了コマンドを無線送信する。このチェックイン完了コマンドを受けてユーザ端末40のプロセッサ41は、チェックイン完了画面SC7が表示されるようにタッチパネル44を制御することとなる。
【0093】
チェックイン完了画面SC7の表示を制御したプロセッサ41は、ACT15として買物開始が指示されるのを待ち受ける。タッチパネル44からの信号によりチェックイン完了画面SC7の「はい」ボタンBT4がタッチされたことを検知すると、プロセッサ41は、買物開始が指示されたと判定する。プロセッサ41は、ACT15においてYESと判定し、ACT16へと進む。プロセッサ41は、ACT16として登録画面SC8(
図13を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。
【0094】
図13は、登録画面SC8の一例である。
図13に示すように登録画面SC8には、買上商品の商品名及び価格と買上金額とを表示するための領域が形成される。また、会計を指示するための会計ボタンBT5の画像が表示される。消費者は、買上商品を買物かご又はショッピングカート等の収容体に収容する際に、その買上商品に付されているバーコードにカメラ45のレンズを翳す。そうすると、カメラ45によってそのバーコードがスキャニングされる。バーコードは、買上商品の商品コードを含む。
【0095】
登録画面SC8を表示させたプロセッサ41は、
図5のACT17として商品コードが入力されたか否かを確認する。商品コードが入力されていない場合、プロセッサ41は、ACT17においてNOと判定し、ACT18へと進む。プロセッサ41は、ACT18として会計ボタンBT5がタッチされたか否かを確認する。会計ボタンBT5がタッチされていない場合、プロセッサ41は、ACT18においてNOと判定し、ACT17へと戻る。ここにプロセッサ41は、ACT17及びACT18において商品コードが入力されるか会計ボタンBT5が入力されるのを待ち受ける。
【0096】
ACT17及びACT18の待ち受け状態において、カメラ45によってバーコードがスキャニングされ、そのバーコードのデータから商品コードが入力されると、プロセッサ41は、ACT17においてYESと判定し、ACT19へと進む。プロセッサ41は、ACT19として登録画面SC8を更新する。
【0097】
具体的にはプロセッサ41は、無線通信を利用して店舗システム10に商品コードを送信する。このとき、店舗設定テーブル60の一連番号No.10に関連付けられた設定項目「店内LANフラグ」の設定データが“1”であった場合、プロセッサ41は、店内のLANを経由して商品コードのデータが店舗システム10へと送信されるように無線ユニット46を制御する。この場合、商品コードのデータは、アクセスポイント15で受信され、仮想POSサーバ12に取り込まれる。
【0098】
一方、設定項目「店内LANフラグ」の設定データが“0”であった場合には、プロセッサ41は、中継サーバ20を経由して商品コードのデータが店舗システム10へと送信されるように通信インターフェース47を制御する。この場合、商品コードのデータは、通信サーバ13で受信され、仮想POSサーバ12に取り込まれる。
【0099】
商品コードのデータを取り込んだ仮想POSサーバ12は、その商品コードで特定される商品の商品名,価格等の商品データを店舗サーバ11の商品データベースから取得する。あるいは店舗サーバ11の商品データベースを仮想POSサーバ12にコピーしたローカルの商品データベースから商品データを取得する。仮想POSサーバ12は、取得した商品データを基に買上商品の販売データを生成し、当該ユーザ端末40の端末IDが設定された商品登録テーブルに登録する。また、仮想POSサーバ12は、商品登録テーブルに登録されたデータを基に登録画面SC8のデータを作成し、当該ユーザ端末40へと送信する。この場合も、登録画面SC8のデータは、設定項目「店内LANフラグ」の設定データが“1”であった場合には、アクセスポイント15を経由して送信され、設定項目「店内LANフラグ」の設定データが“0”であった場合には、中継サーバ20を介してユーザ端末へと送信される。かくしてユーザ端末40のプロセッサ41は、登録画面SC8が更新されるようにタッチパネル44を制御することとなる。
【0100】
ところで、買上商品が20禁商品であった場合、プロセッサ41は、一連番号No.31に関連付けられた設定項目のデータ、すなわち20禁商品強制フラグに従った処理を行う。具体的には、20禁商品強制フラグが“0”であった場合、プロセッサ41は、
図14に示すように、20禁商品の登録禁止を指示するメッセージのポップアップ画像PL1を登録画面SC8に重ねて表示させる。20禁商品強制フラグが“1”であった場合には、プロセッサ41は、ポップアップ画像PL1を表示させない。なお、ポップアップ画像PL1を表示させるか否かについては、仮想POSサーバ12が制御してもよい。
【0101】
消費者は、買物を終了すると、登録画面SC8の会計ボタンBT5にタッチする。
プロセッサ41は、タッチパネル44からの信号により会計ボタンBT5がタッチされたことを検知すると、ACT18においてYESと判定し、ACT20へと進む。プロセッサ41は、ACT20として一連番号No.29に関連付けられた設定項目「会計機転送モード」のデータに従った処理を行う。すなわち、会計データに紐づけられた会計バーコードを使用する方式の場合には、プロセッサ41は、ACT20においてYESと判定し、ACT21へと進む。プロセッサ41は、ACT21として会計バーコード画面SC9(
図15を参照)を表示するようにタッチパネル44を制御する。
【0102】
図15は、会計バーコード画面SC9の一例である。
図15に示すように会計バーコード画面SC9には、会計バーコードBC1とともにこの会計バーコードを会計機でスキャンすることを促すメッセージが表示される。また会計バーコード画面SC9には、消費者がメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンBT6の画像と、買物に戻ることを指示するための「戻る」ボタンBT7とが表示されている。
【0103】
因みに、会計バーコードBC1は、仮想POSサーバ12によって作成される。すなわち仮想POSサーバ12は、会計が指示されたユーザ端末40の端末IDが設定された商品登録テーブルと関連付けて、一意の会計コードを生成する。さらに仮想POSサーバ12は、この会計コードを含む会計バーコードBC1を生成して、会計が指示されたユーザ端末40へと送信する。かくして、ユーザ端末40のタッチパネル44には、会計バーコード画面SC9が表示されることとなる。
【0104】
会計バーコード画面SC9を確認した消費者は、「はい」ボタンBT6にタッチする。そして会計機14が設置されている場所まで行き、空いている会計機14のスキャナで会計バーコードBC1を読み取らせる。会計機14で会計バーコードが読み取られると、その会計バーコードBC1に含まれる会計コードと関連付けられた商品登録テーブルのデータが仮想POSサーバ12から店舗サーバ11を介して会計機14へと送られる。かくして会計機14においては、種々の決済方法で買上商品が決済される。そして買上商品の決済が終了すると、仮想POSサーバ12からユーザ端末40に宛てて、会計終了コマンドが送信される。
【0105】
会計バーコード画面SC9を表示させたプロセッサ41は、ACT22として会計終了コマンドを待ち受ける。なお、この待ち受け状態において、「戻る」ボタンがタッチされたことを確認した場合には、プロセッサ41は、タッチパネル44の画面を直前の登録画面SC8に戻してACT17の処理へと戻る。
【0106】
プロセッサ41は、無線ユニット46又は通信インターフェース47を介して会計終了コマンドを受信すると、ACT22においてYESと判定し、ACT23へと進む。プロセッサ41は、ACT23としてチェックアウト画面SC10(
図16を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。
【0107】
図16は、チェックアウト画面SC10の一例である。
図16に示すようにチェックアウト画面SC10には、退店用の二次元コードをスキャンすることを指令するメッセージととともに、「はい」ボタンBT7の画像が表示されている。チェックアウト画面SC10を確認した消費者は、「はい」ボタンBT7にタッチする。
【0108】
プロセッサ41は、タッチパネル44からの信号により、チェックアウト画面SC10の「はい」ボタンBT7がタッチされたことを検知すると、ACT24としてカメラ画面SC2(
図7を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。カメラ画面SC2を確認した消費者は、店舗AAAの出口に用意されたデータコード50が画像AR1内に収まるように、ユーザ端末40に内蔵されたカメラ45のレンズをデータコード50に翳す。
【0109】
カメラ画面SC2を表示させたプロセッサ41は、ACT25としてカメラ45によって二次元コード体系のデータコードが読み取られるのを待ち受ける。
図8に示すように、二次元コード体系のデータコードが画像AR1内に収まると、プロセッサ41は、データコードを読み取れたと判定する。プロセッサ41は、ACT25においてYESと判定し、ACT26へと進む。
【0110】
プロセッサ41は、ACT26としてカメラ45で撮像されたデータコードの画像から、そのデータコード50によってコード化されているデータを解析する。そしてプロセッサ41は、ACT27として読み取ったデータコードが入店フラグを“0”とするデータコード50であるか否かを判別する。
【0111】
カメラ45で読み取ったデータコードがデータコード50以外である場合、あるいは入店フラグが“1”の入店用のデータコード50を読み取った場合には、プロセッサ41は、ACT27においてNOと判定し、ACT25へと戻る。プロセッサ41は再度、カメラ45によって二次元コード体系のデータコードが読み取られるのを待ち受ける。
【0112】
カメラ45で読み取ったデータコードが、入店フラグが“0”の退店用のデータコード50であった場合、プロセッサ41は、ACT27においてYESと判定し、ACT28へと進む。プロセッサ41は、ACT28として店舗設定テーブル60の第3フィールドF3に記憶されている設定データを一括してクリアする。以上で、プロセッサ41は、買物支援プログラムに従った情報処理を終了する。
【0113】
ここに、ユーザ端末40が備えたコンピュータの主体であるプロセッサ41は、買物支援プログラムに従ってACT1乃至ACT6の処理を実行することにより、取得手段を構成する。すなわちプロセッサ41は、ユーザ端末40のカメラ45で入店フラグが“1”のデータコード50をスキャニングするという一店舗への入店操作を受け付けて、そのデータコード50から店舗固有の設定情報を取得する。
【0114】
また、同プロセッサ41は、店舗設定テーブル60と協働してACT7の処理を実行することにより、記憶手段を構成する。すなわちプロセッサ41は、取得手段で取得した店舗固有の設定情報を、入店操作を行ったユーザ端末40が有する店舗設定テーブル60上で記憶する。
【0115】
また、同プロセッサ41は、ACT8乃至ACT21の処理を実行することにより、制御手段を構成する。すなわちプロセッサ41は、店舗設定テーブル60に記憶された店舗固有の設定情報を基に、買物支援プログラムを動作させる。
【0116】
例えばプロセッサ41は、バッテリチェック閾値の情報を基にユーザ端末40のバッテリチェックを行い、バッテリ49の残容量がバッテリチェック閾値に満たない場合には、タッチパネル44にバッテリエラー画面SC4を表示させて、ユーザ端末40の使用を制限する。
【0117】
例えばプロセッサ41は、店内LANのSSID、パスワード、セキュリティ方式、またはモバイル通信のタイムアウト時間、リトライ回数等の情報を基に店舗システム10との無線接続を行い、接続に失敗すると、通信エラー画面SC6を表示させて、ユーザ端末40の使用を制限する。
【0118】
一方、接続に成功した場合には、プロセッサ41は、チェックイン完了画面SC7を表示させて、ユーザ端末40の使用を許容する。そしてプロセッサ41は、仮想POSサーバ12と協働して、買物支援システム1の支援を受けることにより、買上商品のセルフ登録及び決済に関わる処理を実行する。
【0119】
このように本実施形態によれば、消費者は、店舗で買物を開始する前にその店舗に用意された入店用のデータコード50をユーザ端末40で読み取るための操作を行うだけで、その店舗又はその店舗を運営する企業毎に異なる情報をユーザ端末40に設定することができる。したがって、ユーザ端末40として個人所有のスマートフォン等の通信端末を使用する場合においても、煩雑な設定作業を必要としない。かくして、個人所有の通信端末に対して煩雑な設定作業を要することなく、その通信端末を複数の店舗で導入された買物支援システムのユーザ端末として利用することができる買物支援装置を提供することができる。
【0120】
また消費者は、1つの店舗において買物を終了した場合、その店舗に用意されている退店用のデータコード50をユーザ端末40で読み取るための操作を行う。そうすると、店舗設定テーブル60に記憶された店舗固有の設定情報がクリアされる。したがって、店舗又は企業体特有の情報がいつまでもユーザ端末40に残ってしまうことはないので、セキュリティの問題も解決することができる。
【0121】
以上、買物支援装置の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0122】
前記実施形態では、ユーザ端末40が店舗設定テーブル60を有する場合を例示した。店舗設定テーブル60は、必ずしもユーザ端末40が有していなくてもよい。例えば中継サーバ20が、稼働中のユーザ端末40に対する店舗設定テーブル60を有するようにしてもよい。この場合、ユーザ端末40は、データコード50から取得した設定情報を中継サーバ20に送信することとなる。したがって記憶手段は、中継サーバ20が備える。またこの場合、ユーザ端末40は、中継サーバ20からの指令により、買物支援プログラムを実行することとなる。したがって制御手段は、中継サーバ20と協働して備えることとなる。
【0123】
前記実施形態では、店舗設定テーブル60の第3フィールドF3に記述される各設定項目のデータをユーザ端末40が入手する方法としてデータコード50を利用した。当該データを入手する方法は、これに限定されるものではない。例えばユーザ端末40が非接触ICカードの技術を搭載している場合には、各店舗に近距離無線通信用のアンテナを配して、非接触無線通信によりユーザ端末40が各設定項目のデータを取得してもよい。
【0124】
前記実施形態では、ユーザ端末40のカメラ45で退店用のデータコード50を読み取ることによって、店舗設定テーブル60の第3フィールドF3のデータをクリアする場合を例示した。この点に関しては、
図5のACT21において会計終了を認識すると、自動的にクリアしてもよい。そうすることにより、消費者が退店時に退店用のデータコード50を読取り操作する手間を省略することができる。
【0125】
前記実施形態では、店舗設定テーブル60の設定項目を34種類とした。設定項目の種類はこれに限定されるものではない。他の設定項目が追加されてもよい。あるいは任意の設定項目が省略されてもよい。
【0126】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 複数の店舗での買物の際に動作する買物支援プログラムを記憶したユーザ端末による一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗固有の設定情報を取得する取得手段と、前記取得手段で取得した前記店舗固有の設定情報を、前記入店操作を行った前記ユーザ端末と関連付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段により前記ユーザ端末と関連付けて記憶された前記店舗固有の設定情報を基に、当該ユーザ端末に記憶される前記買物支援プログラムを動作させる制御手段と、を具備する買物支援装置。
[2]前記店舗固有の設定情報は、前記ユーザ端末が通信を行うためのパラメータを含む、付記[1]記載の買物支援装置。
[3]前記店舗固有の設定情報は、前記ユーザ端末のその店舗での動作制限情報を含む、付記[1]記載の買物支援装置。
[4]前記取得手段、前記記憶手段及び前記制御手段のうち少なくとも1つを前記ユーザ端末が具備する、付記[1]記載の買物支援装置。
[5]前記入店操作は、所定のコード体系で前記店舗固有の設定情報をコード化したデータコードを、前記ユーザ端末が有するコードリーダで読み取る操作である、付記[1]乃至[4]のうちいずれか1項記載の買物支援装置。
[6]ユーザ端末に記憶され、複数の店舗での買物の際に動作する買物支援プログラムであって、前記ユーザ端末のコンピュータを、前記ユーザ端末による一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗固有の設定情報を取得する取得手段、前記取得手段で取得した前記店舗固有の設定情報を、前記入店操作を行った前記ユーザ端末と関連付けて記憶する記憶手段、前記記憶手段により前記ユーザ端末と関連付けて記憶された前記店舗固有の設定情報を基に、当該ユーザ端末に記憶される前記買物支援プログラムを動作させる制御手段、として機能させるための買物支援プログラム。
[7]複数の店舗での買物の際に動作する買物支援プログラムを記憶したユーザ端末に対する買物支援方法であって、前記ユーザ端末よる一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗固有の設定情報を取得し、その取得した前記店舗固有の設定情報を、前記入店操作を行った前記ユーザ端末と関連付けて記憶し、前記ユーザ端末と関連付けて記憶された前記店舗固有の設定情報を基に、当該ユーザ端末に記憶される前記買物支援プログラムを動作させる、買物支援方法。
【符号の説明】
【0127】
1…買物支援システム、10(10A,10B)…店舗システム、11…店舗サーバ、12…仮想POSサーバ、13…通信サーバ、14…会計機、15…アクセスポイント、20…中継サーバ、30…ネットワーク、40…ユーザ端末、41…プロセッサ、42…内蔵メモリ、43…外部メモリ、44…タッチパネル44…カメラ、46…無線ユニット、47…通信インターフェース、48…システム伝送路、49…バッテリ、60…店舗設定テーブル。