(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240115BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021157351
(22)【出願日】2021-09-28
【審査請求日】2022-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】堀口 智也
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-245142(JP,A)
【文献】特開2002-170000(JP,A)
【文献】特開2020-135846(JP,A)
【文献】特開2021-064346(JP,A)
【文献】特開2000-293580(JP,A)
【文献】「GATEモバイルオーダー」ローンチ!~テイクアウト・デリバリー注文の一元管理を即日スタート|株式会社イデア・レコードのプレスリリース,[online],2020年07月02日,[2023年3月23日検索],インターネット <URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000017143.html>
【文献】外食DX企業イデア・レコードが提供するGATEがバージョンアップ!|株式会社イデア・レコードのプレスリリース,[online],2020年10月02日,[2023年3月23日検索],インターネット <URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000017143.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
施設に出店する店舗の店頭で商品を提供する複数の商品提供者により提供される商品情報を受信する機能と、
前記施設の運営者の第3端末装置から、メニュー情報を表示する際の表示形式であって、前記施設に対応付けられた表示形式の指定に関する情報を取得する機能と、
前記商品情報
及び前記指定に関する情報に基づいて、前記複数の商品提供者により提供される商品情報を
、前記指定された表示形式で、前記複数の商品提供者のうちの異なる2以上の商品提供者から提供される複数の商品を一覧表示するためのメニュー情報を生成する機能と、
前記提供される商品の消費者を識別する情報に対応する注文履歴に基づいて、前記メニュー情報を変更する機能と、
前記変更されたメニュー情報を前記消費者が操作する第2端末装置に送信する機能と、
複数の事業者のそれぞれを介して受け付けた前記消費者による注文情報を受信する機能と、
受信した前記注文情報に基づいて、前記複数の商品提供者のうち、前記注文情報に対応する商品を提供する第1商品提供者に対する注文に関する第1注文情報を特定する機能と、
前記第1注文情報を一覧表示するための一覧情報を、前記第1商品提供者の第1端末装置に送信する機能と
を実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記第1端末装置に、前記指定に関する情報に基づいて生成される前記メニュー情報を送信する機能と、
前記第1端末装置から、前記指定に関する情報に基づいて生成される前記メニュー情報に対する修正要求又は承認を受け付ける機能と、
をさらに実行させる、請求項
1に記載のプログラム。
【請求項3】
コンピュータに、
前記複数の商品提供者により第1消費者に提供された商品に関する決済を前記第1消費者が一括で行うための決済情報を前記第1消費者の前記第2端末装置に送信する機能を実行させるための請求項1
又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
コンピュータに、
前記複数の商品提供者により複数の消費者に提供された商品のそれぞれについて、当該商品を提供した前記商品提供者を特定し、特定されたそれぞれの前記商品提供者の前記第1端末装置に、対応する当該商品提供者が提供した商品に関する売上情報を送信する機能を実行させるための請求項1から
3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
施設に出店する店舗の店頭で商品を提供する複数の商品提供者により提供される商品情報を受信するメニュー受付部と、
前記施設の運営者の第3端末装置から、メニュー情報を表示する際の表示形式であって、前記店舗に対応付けられた表示形式の指定に関する情報を取得するメニュー開発部と、
前記商品情報
及び前記指定に関する情報に基づいて、前記複数の商品提供者により提供される商品情報を
、前記指定された表示形式で、前記複数の商品提供者のうちの異なる2以上の商品提供者から提供される複数の商品を一覧表示するためのメニュー情報を生成し、前記提供される商品の消費者を識別情報に対応する注文履歴に基づいて、前記メニュー情報を変更する、メニュー開発部と、
前記変更されたメニュー情報を前記消費者が操作する第2端末装置に送信するメニュー出力部と、
複数の事業者のそれぞれを介して受け付けた前記消費者による注文情報を受信する受信部と、
受信した前記注文情報に基づいて、前記複数の商品提供者のうち、前記注文情報に対応する商品を提供する第1商品提供者に対する注文に関する第1注文情報を特定する注文集約処理部と、
前記第1注文情報を一覧表示するための一覧情報を、前記第1商品提供者の第1端末装置に送信する送信部と
を備える情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが、
施設に出店する店舗の店頭で商品を提供する複数の商品提供者により提供される商品情報を受信することと、
前記施設の運営者の第3端末装置から、メニュー情報を表示する際の表示形式であって、前記店舗に対応付けられた表示形式の指定に関する情報を取得することと、
前記商品情報
及び前記指定に関する情報に基づいて、前記複数の商品提供者により提供される商品情報を
、前記指定された表示形式で、前記複数の商品提供者のうちの異なる2以上の商品提供者から提供される複数の商品を一覧表示するためのメニュー情報を生成することと、
前記提供される商品の消費者を識別する情報に対応する注文履歴に基づいて、前記メニュー情報を変更することと、
前記変更されたメニュー情報を前記消費者が操作する第2端末装置に送信することと、
複数の事業者のそれぞれを介して受け付けた前記消費者による注文情報を受信することと、
受信した前記注文情報に基づいて、前記複数の商品提供者のうち、前記注文情報に対応する商品を提供する第1商品提供者に対する注文に関する第1注文情報を特定することと、
前記第1注文情報を一覧表示するための一覧情報を、前記第1商品提供者の第1端末装置に送信することと
を含む、コンピュータソフトウェアによる情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品の提供に関与する事業者が使用するシステムが知られている。特許文献1には、デリバリーサービスを支援するシステムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飲食事業者が複数のデリバリーサービス事業者を介して消費者からの注文を受け付ける場合など、商品の提供には、複数の事業者又は消費者が複雑に関与する場合がある。そのため、消費者による商品の注文に対してより効果的に対応することを可能にするための技術が必要とされている。
【0005】
本発明の目的は、消費者による商品の注文に対してより効果的に対応することを可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係るプログラムは、コンピュータに、複数の事業者のそれぞれを介して受け付けた消費者による注文情報を受信する機能と、前記注文情報を一覧表示するための一覧情報を第1端末装置に送信する機能とを実行させる。
【0007】
一態様に係る情報処理装置は、複数の事業者のそれぞれを介して受け付けた消費者による注文情報を受信する受信部と、前記注文情報を一覧表示するための一覧情報を第1端末装置に送信する送信部とを備える。
【0008】
一態様に係る情報処理方法は、複数の事業者のそれぞれを介して受け付けた消費者による注文情報を受信することと、前記注文情報を一覧表示するための一覧情報を第1端末装置に送信することとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、消費者による商品の注文に対してより効果的に対応することを可能にする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態における注文管理システムの構成の一例を示す概念図である。
【
図2】一実施形態におけるサーバ装置の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図3】一実施形態におけるサーバ装置の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図4】一実施形態におけるサーバ装置の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図5】一実施形態におけるサーバ装置の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図6】一実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【0012】
以下に、本発明の一実施形態における注文管理システムについて、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形し、又は各実施例を組み合わせる等して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
【0013】
[システムの構成]
図1を参照して、本実施形態における注文管理システムの構成の一例を説明する。注文管理システム1は、消費者が、複数の飲食事業者により提供される商品を注文し、決済を行い、デリバリー事業者を介して(又は飲食事業者により直接)商品が受け渡されるまでに必要な、消費者、飲食事業者、及びデリバリー事業者の間のやり取りを支援するためのシステムである。
【0014】
本実施形態において、飲食事業者は、例えば、飲食物などの商品を提供するためにフードコートやその他の場所に出店する商品提供者である。飲食事業者は、デリバリー事業者を介して又は店頭で直接、飲食物などの注文された商品を消費者に受け渡す。本実施形態において、注文管理システム1を使用して飲食事業者が飲食物を消費者に提供する例を説明するが、これに限定されず、商品提供者が飲食物以外の商品を消費者に提供するために注文管理システム1が使用されてもよい。
【0015】
注文管理システム1は、サーバ装置10、消費者端末20(20a、20b、20c)、飲食事業者端末30(30a、30b、30c)、及びデリバリー事業者端末40(40a、40b、40c)を備える。各装置は、ネットワークNを介して相互に通信可能に構成されている。
【0016】
サーバ装置10は、サーバコンピュータなどの情報処理装置である。サーバ装置10は、1つの情報処理装置(又はコンピュータ。以下同様。)によって構成されてもよいし、クラウドコンピューティング技術又は分散コンピューティング技術等を使用して複数の情報処理装置によって構成されてもよい。
【0017】
消費者端末20は、モバイル端末、専用端末、又はパーソナルコンピュータなどの情報処理装置により構成される。消費者端末20は、消費者により使用される。
【0018】
飲食事業者端末30は、モバイル端末、専用端末、又はパーソナルコンピュータなどの情報処理装置により構成される。飲食事業者端末30は、飲食事業者などの商品提供者により使用される。
【0019】
デリバリー事業者端末40は、モバイル端末、専用端末、又はパーソナルコンピュータなどの情報処理装置により構成される。デリバリー事業者端末40は、デリバリー事業者により使用される。
【0020】
ネットワークNは、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。ネットワークNには、例えば、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)など、任意のネットワークが含まれる。
【0021】
図1に示す例において、注文管理システム1は、1つのサーバ装置10、3つの消費者端末20、3つの飲食事業者端末30、及び3つのデリバリー事業者端末40を含んで構成されているが、注文管理システム1に含まれる装置の数及び種類はこれに限定されない。注文管理システム1は、任意の数及び種類の装置を含んでもよい。例えば、注文管理システム1は、飲食事業者が管理し、サーバ装置10と飲食事業者端末30との間の通信を中継するサーバ装置をさらに含んでもよい。また、注文管理システム1は、デリバリー事業者が管理し、サーバ装置10とデリバリー事業者端末40との間の通信を中継するサーバ装置をさらに含んでもよい。
【0022】
なお、以降の説明において、サーバ装置10、消費者端末20、飲食事業者端末30、及びデリバリー事業者端末40のいずれかの処理として記載されている処理の少なくとも一部が他の装置により実行されてもよい。例えば、サーバ装置10による処理として記載されている処理の一部が、消費者端末20、飲食事業者端末30、又はデリバリー事業者端末40のいずれかで実行されてもよい。
【0023】
[機能構成]
図2を参照して、サーバ装置10が有する機能を説明する。サーバ装置10は、主な機能構成として、共通メニュー開発機能11、注文処理機能12、及び決済・清算処理機能13を有する。
【0024】
共通メニュー開発機能11は、複数の飲食事業者が消費者に提供する飲食物に関する情報を含むメニューを生成し、消費者が当該メニューを閲覧可能なように消費者端末20に情報を送信等する機能である。注文処理機能12は、消費者からの飲食物の注文情報を受け付け、当該注文情報を飲食事業者端末30に送信するなど、消費者からの注文情報を処理し管理等する機能である。決済・清算処理機能13は、消費者から注文された飲食物の決済及び清算の処理に関する機能である。
【0025】
サーバ装置10は、一般的な情報処理装置又は専用装置などの情報処理装置が有する他の機能構成を有してもよい。サーバ装置10が有する機能構成は、例えば、サーバ装置10が有するCPU(Central Processing Unit)などの制御装置が、記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み実行することによって、コンピュータプログラム(ソフトウェア)とハードウェアの協働により実現される。
【0026】
以下に、共通メニュー開発機能11、注文処理機能12、及び決済・清算処理機能13についてさらに詳細に説明する。
【0027】
図3を参照して、共通メニュー開発機能11が有する機能構成を説明する。共通メニュー開発機能11は、機能構成として、メニュー受付部111、メニュー開発部112、メニュー出力部113、及びデータベース114を有する。
【0028】
メニュー受付部111は、複数の飲食事業者のそれぞれから、消費者に提供される飲食物に関する情報である商品情報を受信する。商品情報は、例えば、飲食事業者端末30からサーバ装置10に送信される。メニュー受付部111が受信する商品情報は、例えば、飲食事業者により提供される商品の商品名称、商品価格、商品説明、及び売れ筋情報(人気商品に関する情報)を含む。商品の売れ筋情報は、注文処理機能12から受信してもよく、例えば、複数の飲食事業者が1つのフードコートに出店している場合において、当該フードコート内での商品の売れ筋情報を含む。メニュー受付部111は、さらに、商品情報の修正に関する情報を外部装置から受信してもよい。
【0029】
メニュー開発部112は、メニュー受付部111が受信した商品情報、又はその修正に関する情報に基づいて、複数の飲食事業者により提供される商品の情報を一覧表示するためのメニュー情報を生成する。メニュー情報は、商品の情報を一覧表示するためのデザイン情報及びレイアウト情報を含む。本実施形態において、商品の情報の一覧表示とは、消費者がどの飲食事業者により提供される商品であるかを意識せずに商品情報を閲覧可能なように複数の商品の情報を一覧で表示することを含む。従って、本実施形態において、商品の情報の一覧表示により、異なる飲食事業者により提供される商品が(メニューの)同じページに隣接して表示されてもよい。
【0030】
メニュー情報は、飲食事業者により提供される商品のうち、お勧めの商品のみの情報を含むように生成されてもよく、又は、各商品がお勧めであるか否かを示す情報を含むように生成されてもよい。この場合において、メニュー受付部111が受信する商品情報は、各商品がお勧めであるか否かを示す情報を含む。また、メニュー開発部112は、例えば、複数の飲食事業者が1つのフードコートに出店している場合において、予め登録された当該フードコートのコンセプトを特定し、当該コンセプトに対応付けられたデザイン情報及びレイアウト情報を含むようにメニュー情報を生成してもよい。メニュー受付部111が、フードコートの運営者などの端末装置(図示せず。以下、運営者端末と称する。)を介してデザイン及びレイアウトに関する指定についての情報を受信し、メニュー開発部112は、当該情報をデザイン情報及びレイアウト情報として含めてメニュー情報を生成してもよい。
【0031】
メニュー出力部113は、メニュー開発部112により生成されたメニュー情報を外部に送信又は出力する。例えば、メニュー出力部113は、メニュー情報を消費者端末20、飲食事業者端末30、及び運営者端末に送信する。消費者端末20、飲食事業者端末30、及び運営者端末は、受信したメニュー情報に基づいて、複数の飲食事業者により提供される商品情報の一覧(メニュー画面)を表示する。飲食事業者又はフードコートの運営者は、飲食事業者端末30又は運営者端末を介して、表示された商品情報の一覧を確認し、当該商品情報の一覧(メニュー画面)の修正要求及び承認を行うことができる。
【0032】
データベース114は、メニュー開発部112により生成又は修正されたメニュー情報を記憶し管理する。
【0033】
以上のように本実施形態によれば、共通メニュー開発機能11は、複数の飲食事業者(商品提供者)により提供される商品情報を受信し、受信した商品情報に基づいて、複数の飲食事業者により提供される商品の情報を一覧表示するためのメニュー情報を生成し、生成されたメニュー情報を消費者端末20に送信する。消費者端末20は、受信したメニュー情報に基づいて、複数の飲食事業者により提供される商品情報の一覧を表示する。その結果、本実施形態によれば、サーバ装置10により生成されたメニュー情報により、消費者端末20は、どの飲食事業者により提供される商品であるかを意識せずに消費者が商品情報を閲覧可能なように複数の商品の情報を一覧で表示することができる。
【0034】
本実施形態において、メニュー開発部112は、複数の飲食事業者により提供される商品の消費者による注文履歴に基づいてメニュー情報を生成又は変更し、メニュー出力部113は、当該生成又は変更されたメニュー情報を消費者端末20、飲食事業者端末30、又は運営者端末に送信してもよい。消費者による当該注文履歴の情報として、例えば、後述する注文処理機能12により記憶し管理された注文履歴の情報が取得されてもよい。
【0035】
図4を参照して、注文処理機能12が有する機能構成を説明する。注文処理機能12は、機能構成として、注文受付部121、注文集約処理部122、トラッキング部123、注文履歴出力部124、売上予測部125、及びデータベース126を有する。
【0036】
注文受付部121は、複数の事業者のそれぞれを介して受け付けた消費者による注文情報を受信する。注文受付部121は、例えば、消費者端末20からサーバ装置10送信された注文情報を受信する。当該事業者は、例えば、一若しくは複数のデリバリー事業者、飲食事業者、又はフードコートの運営者などを含む。消費者端末20は、例えば、デリバリー事業者、飲食事業者、又はフードコートの運営者などが提供するアプリケーション又はウェブページを介して商品注文のためのメニュー画面(前述のメニュー出力部113から送信されたメニュー情報に基づくメニュー画面を含む)を表示部に表示し、消費者による商品の注文の操作に応じて、注文情報をサーバ装置10に送信してもよい。また、注文受付部121は、受信した注文情報をデータベース126に記憶する。注文情報は、例えば、注文をした消費者を識別する情報、注文に含まれる商品名(例えば、料理名)、注文を受けた商品を提供する飲食事業者、注文代金、注文を仲介した事業者(例えば、デリバリー事業者、飲食事業者、又はフードコートの運営者など)の情報を含む。
【0037】
注文集約処理部122は、注文受付部121が受信した注文情報に含まれる各注文について、どの飲食事業者に対する注文であるかを特定し、特定された飲食事業者の飲食事業者端末30に対応する注文情報を送信する。飲食事業者端末30は、受信した注文情報に基づいて、注文情報を表示部に一覧表示する。
【0038】
例えば、注文集約処理部122は、注文受付部121が受信した注文情報に、消費者Aによる注文として、飲食事業者Bが提供する商品bの注文と、飲食事業者Cが提供する商品cの注文の情報が含まれていたとする。この場合において、注文集約処理部122は、消費者Aによる注文として、飲食事業者Bが提供する商品bの注文情報を飲食事業者端末30bに送信し、飲食事業者Cが提供する商品cの注文情報を飲食事業者端末30cに送信してもよい。すなわち、注文集約処理部122は、注文受付部121が受信した注文情報に基づいて、複数の商品提供者(飲食事業者)のうち、第1商品提供者に対する注文に関する第1注文情報を特定する。このとき、注文集約処理部122により飲食事業者端末30に送信される上記一覧情報は、上記第1注文情報を一覧表示するための情報である。
【0039】
注文集約処理部122は、各注文について飲食事業者ごとに特定した注文情報を決済・清算処理機能13に出力する。
【0040】
注文集約処理部122は、注文受付部121が受信した注文情報がデリバリー事業者を経由して受けた注文情報である場合、注文情報に含まれる注文をした消費者を識別する情報、注文に含まれる商品名(例えば、料理名)、注文を受けた商品を提供する飲食事業者、及び注文代金と、商品のデリバリーのためのピックアップ時間の情報とをデリバリー担当者のデリバリー事業者端末40に送信する。送信されるピックアップ時間の情報は、例えば、予めデータベース126などの記憶部に記憶された情報であっても良いし、飲食事業者が管理する外部装置から取得されてもよい。デリバリー担当者は、デリバリー事業者端末40が受信したピックアップ時間に応じて飲食事業者の店舗で商品をピックアップし、消費者へ商品をデリバリーする。
【0041】
上記のとおり本実施形態によれば、注文受付部121は、複数の事業者を介して受け付けた消費者による注文情報を受信する。注文集約処理部122は、注文受付部121が受信した注文情報を一覧表示するための一覧情報を飲食事業者端末30(例えば、飲食事業者端末30b)に送信する。すなわち、本実施形態によれば、ある飲食事業者が複数の事業者(例えば、複数の異なるデリバリー事業者)を介して商品の注文を受けている場合において、複数の事業者を介して受け付けた注文情報を一覧表示することができる。その結果、本実施形態によれば、異なる複数の事業者から受けた注文情報を異なる端末又は異なる画面を介して表示させるような従来技術と比較して、飲食事業者は、消費者による商品の注文に対してより効率的又は効果的に対応することが可能になる。
【0042】
上記のとおり本実施形態によれば、注文集約処理部122は、注文受付部121が受信した注文情報に基づいて、複数の商品提供者のうち、ある飲食事業者(第1商品提供者)に対する注文に関する注文情報である第1注文情報を特定する。注文集約処理部122により第1商品提供者の飲食事業者端末30(例えば、飲食事業者端末30b)に送信される一覧情報は、第1注文情報を一覧表示するための情報である。
【0043】
トラッキング部123は、注文受付部121が受信した注文情報が示す各注文のステータスをトラッキングする。注文のステータス情報は、例えば、外部装置から取得され、データベース126により記憶管理される。ステータス情報は、注文された商品単位で記憶管理される。ステータス情報は、例えば、調理中、調理完了、デリバリー中、又は引き渡し完了を示す情報を含む。
【0044】
トラッキング部123は、データベース126を参照して、各注文のステータスをトラッキングしてもよい。トラッキング部123は、トラッキングされた各注文のステータス情報を消費者端末20からの要求に応じて、消費者端末20に送信する。
【0045】
注文履歴出力部124は、データベース126を参照して、注文受付部121が受信した注文情報に基づいて、商品の注文履歴を集計し、出力する。例えば、注文履歴出力部124は、ある飲食事業者の飲食事業者端末30(例えば、飲食事業者端末30a)を介して受信した要求に応じて、データベース126を参照して、当該飲食事業者が提供する商品の注文履歴を集計し、飲食事業者端末30aに送信してもよい。また、注文履歴出力部124は、集計した注文履歴をデータベース126に記憶する。
【0046】
売上予測部125は、飲食事業者の売上予測を行う。例えば、売上予測部125は、注文履歴出力部124により集計された売上履歴及び外部から収集した情報に基づいて、飲食事業者の売上をシミュレーションし、当該飲食事業者の売上予測の情報を出力する。外部から収集した情報は、例えば、飲食事業者が店舗を出店するフードコートの所在地における基本統計情報(例えば、人口、年齢統計、収入統計など)、当該フードコートを含む商業施設への来客者数情報、及び気象情報を含む。
【0047】
データベース126は、注文情報、注文のステータス情報、及び注文履歴情報などの注文処理機能12において生成された情報、注文処理機能12の処理に必要な情報、注文処理機能12が受信した情報を記憶管理する。
【0048】
図5を参照して、決済・清算処理機能13が有する機能構成を説明する。決済・清算処理機能13は、機能構成として、決済情報送受信部131、決済処理部132、清算金額算出部133、清算レポート部134、清算処理部135、及びデータベース136を有する。
【0049】
決済情報送受信部131は、注文処理機能12のデータベース126に記憶された注文情報を参照し、消費者ごとに、複数の飲食事業者により消費者に提供された商品に関する決済を消費者が一括で行うための決済情報を生成し、消費者端末20に送信する。消費者端末20から受信する決済情報は、例えば、提供された商品情報、及び決済金額情報を含む。例えば、決済情報送受信部131は、複数の飲食事業者によりある消費者(第1消費者)に提供された商品に関する決済を第1消費者が一括で行うための決済情報を第1消費者の消費者端末20(例えば、消費者端末20a)に送信する。
【0050】
決済情報送受信部131は、消費者端末20に決済情報を送信したことに応じて、消費者端末20から消費者による操作に基づいて消費者が希望する決済方式情報及び決済に必要なその他の情報を含む決済要求情報を受信する。決済方式は、例えば、次の方式を含む。
【0051】
a)モバイル決済:消費者の消費者端末20からクレジットカード等を使ってEC(electronic commerce)決済を行う方式。
b)集約レジ決済:消費者が支払い専用スペースまで行き、キャッシュレス又は現金などの任意の方法で、POS(Point of sale)レジ(集約レジ)でまとめて決済を行う方式。
c)個別店舗決済:消費者が商品の提供を受けた店舗まで行き、キャッシュレス又は現金などの任意の方法で、店頭のPOSレジ(店頭レジ)で決済を行う方式。
【0052】
a)モバイル決済の場合、例えば、消費者が消費者端末20に手入力又はウォレット等から自動入力された決済要求情報がサーバ装置10に送信され、決済情報送受信部131は、当該決済要求情報を取得する。
【0053】
b)集約レジ決済の場合、例えば、消費者は、消費者端末20を操作し、消費者端末20の表示部に、当該消費者に商品を提供した複数の飲食事業者に対する支払いをまとめて行うための決済要求情報を示すQRコード(登録商標)などのコード画像を表示させる。表示されたコード画像を集約レジにより読み取らせる。読み取られた当該コード画像が示す決済要求情報が集約レジからサーバ装置10に送信され、決済情報送受信部131は、当該決済要求情報を取得する。
【0054】
c)個別店舗決済の場合、例えば、消費者は、消費者端末20を操作し、消費者端末20の表示部に、当該消費者に商品を提供した一つの飲食事業者に対する支払いを行うための決済要求情報を示すQRコードなどのコード画像を表示させる。表示されたコード画像を対象の飲食事業者の店頭レジにより読み取らせる。読み取られた当該コード画像が示す決済要求情報が店頭レジからサーバ装置10に送信され、決済情報送受信部131は、当該決済要求情報を取得する。
【0055】
決済処理部132は、決済情報送受信部131で生成された決済情報及び受信した決済要求情報に基づいて、決済の実行のための処理を行う。
【0056】
a)モバイル決済の場合、決済処理部132は、上記決済情報及び決済要求情報に含まれる情報を所定のカード決済電文に変換し、カード決済ネットワークと通信を行い、決済処理を実行する。
【0057】
b)集約レジ決済の場合、決済処理部132は、決済情報及び集約レジからの決済要求情報に基づいて、キャッシュレス又は現金などの方式で、決済処理を実行する。
【0058】
c)個別店舗決済の場合、決済処理部132は、決済情報及び店頭レジからの決済要求情報に基づいて、キャッシュレス又は現金などの方式で、決済処理を実行する。
【0059】
決済処理部132による決済の実行のための処理が完了すると、消費者による注文のステータスが決済済みであることを示す情報(決済済み情報)がデータベース126及びデータベース136に記憶される。また、当該決済済み情報は、消費者端末20及び飲食事業者端末30に送信される。
【0060】
清算金額算出部133は、決済処理部132において決済が行われた取引(注文)を集約し、飲食事業者ごと(一つの飲食事業者が複数の店舗を出店している場合は店舗ごと)の売上金額及び清算金額を算出する。
【0061】
デリバリー事業者を経由して受けた商品の注文に関して、清算金額算出部133は、決済処理部132において決済が行われた取引(注文)を集約し、デリバリー事業者ごとの売上金額及び清算金額を算出する。
【0062】
清算レポート部134は、清算金額算出部133により算出された売上金額及び清算金額に基づいて、飲食事業者ごと、又は店舗ごとの売上金額を含む売上情報、及び清算金額を含む清算情報に関するレポートを所定の形式で生成する。清算レポート部134は、生成したレポートを飲食事業者端末30に送信する。
【0063】
例えば、消費者が複数の飲食事業者により提供される商品を注文している場合において、清算レポート部134は、複数の飲食事業者により複数の消費者に提供された商品のそれぞれについて、当該商品を提供した飲食事業者を特定し、特定されたそれぞれの飲食事業者の飲食事業者端末30に、対応する飲食事業者が提供した商品に関する売上情報及び清算情報をレポートとして送信する。詳細には、例えば、清算レポート部134は、次のように注文が行われていたことを特定したとする。
・消費者Aは、飲食事業者A及び飲食事業者Bが提供する商品を注文
・消費者Bは、飲食事業者B及び飲食事業者Cが提供する商品を注文
【0064】
この場合において、飲食事業者Aの飲食事業者端末30には、飲食事業者Aが消費者Aに対して提供した商品に関する売上情報及び清算情報が送信される。飲食事業者Bの飲食事業者端末30には、飲食事業者Bが消費者A及び消費者Bに対して提供した商品に関する売上情報及び清算情報が送信される。飲食事業者Cの飲食事業者端末30には、飲食事業者Bが消費者Bに対して提供した商品に関する売上情報及び清算情報が送信される。
【0065】
デリバリー事業者を経由して受けた商品の注文に関して、清算レポート部134は、清算金額算出部133により算出された売上金額及び清算金額に基づいて、デリバリー事業者ごとの売上金額を含む売上情報、及び清算金額を含む清算情報に関するレポートを所定の形式で生成する。清算レポート部134は、生成したレポートをデリバリー事業者端末40に送信する。
【0066】
清算処理部135は、清算金額算出部133により算出された清算金額に応じて銀行振込などの清算処理を実施する。
【0067】
データベース136は、決済情報、決済要求情報、決済済み情報、売上金額、清算金額、及びレポートなど、決済・清算処理機能13において生成された情報、決済・清算処理機能13の処理に必要な情報、決済・清算処理機能13が受信した情報を記憶管理する。
【0068】
[ハードウェア構成]
図6を参照して、サーバ装置10、消費者端末20、飲食事業者端末30、又はデリバリー事業者端末40をコンピュータ800により実現する場合における、コンピュータ800のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0069】
図6に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801と、メモリ803と、記憶装置805と、入力I/F部807と、データI/F部809と、通信I/F部811、及び表示装置813を含む。コンピュータ800は、図示しないが、各種アクチュエータ(例えば、モータ)、又は各種センサを含んでもよい。
【0070】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における各種の処理を制御する制御部である。
【0071】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0072】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0073】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0074】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0075】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0076】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0077】
[変形例]
上記実施形態における注文管理システム1(又は、サーバ装置10、消費者端末20、飲食事業者端末30、若しくはデリバリー事業者端末40)を実装するためのプログラムは、CD-ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0078】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【符号の説明】
【0079】
1 注文管理システム
10 サーバ装置
20 消費者端末
30 飲食事業者端末
40 デリバリー事業者端末
N ネットワーク