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特許7419322ボートの送出及び回収プラットフォーム並びに関連する送出及び回収する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】ボートの送出及び回収プラットフォーム並びに関連する送出及び回収する方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 23/34 20060101AFI20240115BHJP
   B63B 23/54 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
B63B23/34
B63B23/54
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021169048
(22)【出願日】2021-10-14
(65)【公開番号】P2022066175
(43)【公開日】2022-04-28
【審査請求日】2022-08-31
(31)【優先権主張番号】20306234
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521453286
【氏名又は名称】トタルエナジーズ・エスウ
【氏名又は名称原語表記】TOTALENERGIES SE
【住所又は居所原語表記】La Defense 6,2 place Jean Millier,92400 COURBEVOIE,France
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エティエンヌ・スナール
(72)【発明者】
【氏名】ユベール・ド・ブレモン・ダルス
(72)【発明者】
【氏名】ヤニック・ビアン
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-508987(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第3105775(FR,A1)
【文献】韓国登録特許第10-2034174(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0221644(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第2423097(EP,A1)
【文献】米国特許第6152065(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 23/00,27/00,
B63C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボートの送出及び回収プラットフォーム(1)であって、
-入口及び支持フロア(11)備えるエンクロージャを形成するプロファイルアセンブリを含む、ボート(2)を受け入れるためのフレーム(10)と、
-前記フレーム(10)に取り付けられた浮揚手段(20)と、
-垂直方向に並進可能なように前記フレーム(10)に結合されたフローティングフロア(30)と
を備え、
前記送出及び回収プラットフォーム(1)は、前記送出及び回収プラットフォーム(1)が水外にあるときに前記フローティングフロア(30)が前記支持フロア(11)上にある構成から、前記送出及び回収プラットフォーム(1)が水上にあるときに前記フローティングフロア(30)が水面(S1)に浮かぶ構成に、移行するように配置されている、
送出及び回収プラットフォーム(1)。
【請求項2】
前記フレーム(10)が金属又は金属合金でできている、
請求項1に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)。
【請求項3】
固定システム(3)をさらに含み、前記固定システム(3)は、前記ボート(2)の船首の一部の形状に適合するように配置された前記ボート(2)のドッキング構造と、前記ボート(2)を保持するように配置された少なくとも2つの案内アーム(302)とを含む、
請求項1又は2に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)。
【請求項4】
前記ドッキング構造は、前記フレームの下部ベースに対して垂直方向に並進可能であるように配置されている、
請求項3に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)。
【請求項5】
前記フローティングフロア(30)は、スライダー式接続、チューブ上をスライドするランナーを備えたリング、レール、又は前記フレーム(10)の垂直構造上をスライドすることができるリングから選択される、前記フレーム(10)への取付手段(34)を含む、
請求項1から4までのいずれか1項に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)。
【請求項6】
前記フローティングフロア(30)は、前記フレーム(10)に固定された少なくとも1つのガイドバー(109)を取り囲むように配置された少なくとも1つの接続リングを備える、
請求項1から5までのいずれか1項に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)。
【請求項7】
前記支持フロア(11)は、前記送出及び回収プラットフォーム(1)が水外位置にあるとき、前記ボートを支持するための複数のスキッド(108)を備えるクレードルを形成する、
請求項1から6までのいずれか1項に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)。
【請求項8】
前記フローティングフロア(30)は、前記送出及び回収プラットフォーム(1)が水外位置にあるとき、前記ボート(2)の下に前記複数のスキッド(108)を配置できるように配置された複数の開口部を備える、
請求項7に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)。
【請求項9】
前記フローティングフロアは、前記送出及び回収プラットフォーム(1)が水外位置にあるとき、少なくとも部分的に前記ボート(2)を支持するように配置されている、
請求項1から6までのいずれか1項に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)。
【請求項10】
前記支持フロア(11)とは別の下部ベース(12)を含み、前記支持フロア(11)は、前記下部ベース(12)に対して、10°以上の角度(β)を形成する平面を有している、
請求項1から9までのいずれか1項に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)。
【請求項11】
前記支持フロア(11)は、複数のスキッド(108)を備えるクレードルを形成し、
前記支持フロア(11)は、前記送出及び回収プラットフォーム(1)の下部ベース(12)を形成し、
前記複数のスキッド(108)は、前記クレードルによって支持された前記ボート(2)の長手方向軸が前記支持フロア(11)に対して10°以上の角度(β)を形成するように選択された長さを有している、
請求項1から6までのいずれか1項に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)。
【請求項12】
吊上手段と協働するための、少なくとも1つの吊上リング(110)を含む、
請求項1から11までのいずれか1項に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)。
【請求項13】
前記フレーム(10)の前記プロファイルアセンブリによって形成された前記エンクロージャへの前記入口に配置されたフローティングクレードル(50)を備える、
請求項1から12までのいずれか1項に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)。
【請求項14】
案内手段(61)及び複数のフェンダー(62)を含む、
請求項1から13までのいずれか1項に記載の送出及び回収プラットフォーム。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)によって特徴付けられている、ボート(2)の自律型容器。
【請求項16】
請求項1から14のいずれか一項に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)を用いてボート(2)を送出する方法(200)であって、
-前記ボート(2)を支持する前記送出及び回収プラットフォーム(1)を回収手段に引っ掛けるステップ(220)と、
-前記ボート(2)を備える前記送出及び回収プラットフォーム(1)を水に入れるステップ(250)であって、前記フローティングフロア(30)が前記支持フロア(11)上に載っている水外位置から、前記フローティングフロア(30)が前記水面(S1)に浮かぶとともに、前記ボート(2)が少なくとも部分的に前記フローティングフロア(30)上に載っている水上位置への、前記移行を引き起こす、水に入れるステップ(250)と
を備える、送出する方法(200)。
【請求項17】
ボート(2)を水から移動させる方法(400)であって、
-請求項1から14のいずれか一項に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)の前記フローティングフロア(30)上に前記ボート(2)を配置するステップ(410)と、
-前記ボート(2)を備える前記送出及び回収プラットフォーム(1)を回収手段に引っ掛けるステップ(430)と、
-前記回収手段を使用して、前記ボート(2)を備える前記送出及び回収プラットフォーム(1)を水から移動させるステップ(440)であって、前記フローティングフロア(30)が実質的に前記水面(S1)上に載っている水上位置から、前記フローティングフロア(30)が前記支持フロア(11)上に載っている水外位置への、移行を引き起こす、水から移動させるステップ(440)と
を備える、水から移動させる方法(400)。
【請求項18】
請求項3又は請求項3を引用する請求項4から14までのいずれか1項に記載の送出及び回収プラットフォーム(1)の前記フレーム(10)と前記ボート(2)との間の接続を確立するために、前記ボート(2)上に配置されたロッキングシリンダーを作動させることを含み、前記シリンダーは、少なくとも2つの案内アーム(302)のロッキング要素(302-2)にロックされる、前記ボート(2)を固定するステップ(420)を備える、
請求項17に記載の水から移動させる方法(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船艇類の輸送及び取り扱いの分野に関する。より具体的には、本発明は、船舶(ship)の送出(又は進水)(launch)及び回収(recovery)を支援する分野に関する。特に、それはボートの送出及び回収のプラットフォームに関する。本発明は、乗組員の有無に拘らず使用できるボートの送出及び回収プラットフォームを水から送出及び回収する方法にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
海洋領域の探査は、より大きな船舶から又は固定された若しくは浮遊する海洋構造物から送出できる小型のボートを増々伴うようになっている。
【0003】
特に、有人操作が乗員の生命を脅かす可能性がある様々な用途に向けて、無人水上艇(unmanned surface vehicles)が開発されている。これは、これらの無人水上艇の自律的な回収、又はこれらの水上及び水外(afloat and out of water)での保管の問題を提起する。近年の無人水上艇の進歩にも拘らず、これらの機体のその後の送出及び回収のオプションは停滞している。
【0004】
自律的であるかどうかに拘らず、船(craft)の送出は、通常、送出及び回収システムの使用を伴う。原則として、船舶又は海洋構造物は、ケーブル、滑車、ホイスト及びフックを使用して、ダビット又はクレーンを使用して船を配置する。例えば、通常は救命ボートの送出に使用されるが、ダビットは、救命ボートの両端に接続されたケーブルに接続して救命ボートを送り出すことができる。しかしながら、このような操縦には時間がかかり、危険を伴う場合がある。
【0005】
剛性のあるインフレータブルボートは、通常、インフレータブルボートの中央のピボットポイントに取り付けられたケーブルを使用して配置及び回収され、船舶又は海洋構造物に配置されたクレーンによって取り扱われる。ボートの回収中、特に海が荒れていて船が不安定なとき、これは船をケーブルに取り付けるための危険な操作につながる。
【0006】
送出又は回収ランプ(又は傾斜路)(ramp)も提案されている。ランプは一般に船舶に関連付けられており、海抜の高い場所にプラットフォームを有する海洋構造物にランプを容易に適用させることはできない。さらに、ランプは、水上又は水外での船の長期保管には適していない。
【0007】
多くのオペレーターは、特に荒れた海で、これらの無人水上艇を送り出すこと及び回収することが困難であり、これらのシステムの全体的な使いやすさを制限していることを認めている。これに対抗するために、船の送出及び回収操作のための動き補償システムを開発するための努力がなされてきた。
【0008】
特に、荒れた沖合条件で使用するために設計された送出及び回収システムが提案されている。このようなシステムは、送出又は回収中に船を固定するためのロック及びロック解除システムを含む。これらのロック及びロック解除システムは、開位置にあるときに広い入口ポイントを提供するとともに、閉じられたときに追加のロックを提供するために取り付けられた2つの空圧作動式可動アームを含む。例えば、米国特許第6152065号明細書は、ボートを受け入れるのに適し、ボートを支持し運ぶことを目的としたクレードル自体を支持する1つ又は複数の浮き要素を備える構造を開示している。韓国登録特許第10-2034174号公報には、水中ビークルを分離するための別途の装置を使用することなく、水中ビークルを送出できる水中ビークル送出方法が記載されている。
【0009】
しかしながら、このようなシステムは複雑で、通常は圧縮空気が必要であり、船は依然として高いうねりの影響を受けやすく、その間に船に損傷が発生する虞がある。
【0010】
従って、荒れた海でも安全に船を送出及び回収できるだけでなく、水上であるか水外であるかに拘らず最適な状態で保管できる送出及び回収システムが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、先行技術の不利な点を克服することを目的としている。特に、本発明は、ボートの係留を可能にする海上での停泊点を提供し、より大きな原動機付船によるその回収を容易にしつつ、陸に揚げられるとボートの保管を可能にする、ボートの送出及び回収プラットフォームを提供することを目的とする。
【0012】
本発明はさらに、本発明による送出及び回収プラットフォームに含まれるボートを送出するとともに水から移動させる方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的のために、本発明は、ボートの送出及び回収プラットフォームであって、
-入口及び支持フロアを備えるエンクロージャを形成するプロファイルアセンブリを含む、ボートを受け入れるためのフレームと、
-フレームに取り付けられた浮揚手段と、
-垂直方向に並進可能なように、好ましくはフレームの下部ベースの長手方向軸に対して垂直方向に並進可能なように、フレームに結合されたフローティングフロアと、
を備え、
送出及び回収プラットフォームは、送出及び回収プラットフォームが水外にあるときにフローティングフロアが支持フロア上にある構成から、送出及び回収プラットフォームが水上にあるときにフローティングフロアが水面に浮かぶ構成に、移行するように配置されている、
ボートの送出及び回収プラットフォームに関する。
【0014】
本発明による送出及び回収プラットフォームは、ボートを、陸上、又はボートが送出される船舶若しくは海洋構造物に保管することを可能にする。水の外で、日よけでフレームを覆い、ボートの保護シェルターを作成し、メンテナンス作業を守ることができる。
【0015】
従って、これにより、送出及び回収プラットフォームフレームの動きがフローティングフロアから切り離される。これにより、(フローティングフロア上に載っている)船と(外部構造を含む)フレームの動きを切り離すことができる。
【0016】
従って、フローティングフロアの垂直方向の動きの自由度が存在する場合、2つの部分の間の動きの違いは、一方が他方に対して動くことによって吸収される。これにより、波による外乱を軽減し、プラットフォーム全体を安定させることができる。このような送出及び回収プラットフォームはまた、プラットフォームに受け入れられたボートの船首を解放することを可能にし、従って、ボートが送出及び回収プラットフォームから後退することを容易にしながら、水しぶき及び雨水を船尾から重力によって排出することを可能にする。
【0017】
送出及び回収プラットフォームの他の選択的な特徴事項によれば、後者は、オプションで、以下の1つ又は複数の特徴事項を単独又は組み合わせて含むことができる:
-フレームは、水から出たときに船舶が乗るクレードル形成スキッドをさらに含むことができ、好ましくは、フローティングフロアは、クレードル形成スキッドとは独立して水面に浮かぶ。
-フレームは、金属又は鋼等の金属合金で構成されている。金属、特に鋼は、ポリマー材料よりも、プラットフォームが天候に耐えることを可能にする。
-それは、固定システムをさらに含み、固定システムは、ボートの船首の一部の形状に適合するように配置されたボートのドッキング構造と、ボートを保持するように配置された少なくとも2つの案内アームとを含む。このようにして、荒れた海でも、ボートの安全性と、フレームに対するボートの動きの制御とが向上する。
-ドッキング構造は、フレームの下部ベースに対して垂直方向に並進可能であるように配置され、好ましくは、ドッキング構造がフローティングフロアにさらに固定されている。従って、プラットフォーム内におけるボートの案内及び安定が改善される。
-フローティングフロアが、スライダー式接続、チューブ上をスライドするランナーを備えたリング、レール、又はフレームの垂直構造上をスライドできるリングから選択される、フレームへの取付手段を含む。
-フローティングフロアは、フレームに固定された少なくとも1つのガイドバーを取り囲むように配置された少なくとも1つの接続リングを備える。
-支持フロアは、送出及び回収プラットフォームが水外位置にあるとき、ボートを支持するための複数のスキッドを含むクレードルを形成する。従って、フローティングフロアは、スキッドのレベルより下に引っ込むことができ、ボートによって押しつぶされず、その寿命が延びる。
-フローティングフロアは、送出及び回収プラットフォームが水外位置にあるとき、ボートの下に複数のスキッドを配置できるように配置された複数の開口部を備える。これにより、スキッドの存在を許容しながら、大きなフローティングフロア面積を維持することができる。
-フローティングフロアは、送出及び回収プラットフォームが水外位置にあるとき、少なくとも部分的にボートを支持するように配置されている。これにより、船首のフローティングフロアにあるシリンダーによってボートがロックされたままになる。
-それは、支持フロアとは別の下部底部を含み、支持フロアは、下部ベースに対して、10°以上、好ましくは15°以上、より好ましくは20°以上、さらにより好ましくは25°以上の角度を形成する平面を有している。例えば、角度は、10°から40°の間、好ましくは20°から35°の間、さらにより好ましくは25°から30°の間である。これにより、特に転倒のリスクを減らすために、ボートの後部(エンジン等)を持ち上げることができる。
-支持フロアは、複数のスキッドを備えるクレードルを形成し、支持フロアは、送出及び回収プラットフォームの下部ベースを形成し、複数のスキッドは、クレードルによって支持されたボートの長手方向軸が支持フロアに対して10°以上の角度を形成するように選択された長さを有している。例えば、角度は、10°から40°の間、好ましくは20°から35°の間、さらにより好ましくは25°から30°の間である。これにより、転倒のリスクを減らすために、ボートの後部(エンジン等)を持ち上げることができる。
-それは、吊上手段と協働するための、少なくとも1つの、好ましくは少なくとも4つの吊上リングを含む。
-それは、フレームのプロファイルによって形成されたエンクロージャへの入口に配置され、好ましくはプロファイルアセンブリの少なくとも第3プロファイルに固定された、フローティングクレードルを含む。このようなフローティングクレードルは、ボートのエンジンの重量の少なくとも一部を支えることを可能にする。
-それは、案内手段及び複数のフェンダーを含む。これにより、ボートの船首及び船板を保護し、フレームへのその挿入を容易にすることができる。フェンダーは、その動力化の助けを借りてそれが挿入されるときに、より正確にフレーム内にボートを徐々に案内するように、大きさが決められるとともに配置されている。
【0018】
本発明はまた、ボートの自律型容器としての、本発明による送出及び回収プラットフォームの使用に関する。
【0019】
本発明は、本発明による送出及び回収プラットフォームを用いてボートを送出する方法であって、
-ボートを支持する本発明による送出及び回収プラットフォームを引っ掛けるステップと、
-ボートを備える送出及び回収プラットフォームを水に入れるステップであって、フローティングフロアが支持フロア上にある水外位置(水の外の位置)から、フローティングフロアが水面に浮かぶとともに、ボートが少なくとも部分的にフローティングフロア上に載っている水上位置(浮き位置)への、移行を引き起こす、水に入れるステップと
を備える、送出する方法にさらに関する。
【0020】
一旦浮かぶと、ボートは、ボート又はドッキング構造上に人間が存在することなく、制御された方法で迅速に出航することができるであろう。
【0021】
ボートを送出させる方法の他の任意の特徴事項によれば、後者は、任意に、以下の特徴事項のうちの1つ又は複数を、単独で又は組み合わせて含んでよい:
-送出及び回収プラットフォームにおいてボートを配置するステップ、
-フレームとボートの間の接続を確立するロッキングシリンダーを作動させることを含む、固定するステップ、
-ボートを支持する送出及び回収プラットフォームを吊上手段により吊り上げるステップ、
-ロッキングシリンダーを作動させることを含む、ボートを解放するステップ。これにより、ボートは送出及び回収プラットフォームを出ることができる。これらのシリンダーは、プラットフォームフレーム上に配置され得るが、ボート上に配置することが望ましい。
【0022】
本発明はさらに、本発明による送出及び回収プラットフォームを用いてボートを水から移動させる方法であって、
-本発明による送出及び回収プラットフォームのフローティングフロア上にボートを配置するステップと、
-ボートを備える送出及び回収プラットフォームを回収手段に引っ掛けるステップと、
-回収手段を使用して、ボートを備える送出及び回収プラットフォームを水から移動させるステップであって、フローティングフロアが実質的に水面上に載っている水上位置から、フローティングフロアが支持フロア上に載っている水外位置への、移行を引き起こす水から移動させるステップと
を備える、水から移動させる方法に関する。
【0023】
クレードルが下のフロアに対してなす角度のおかげで、ロッキングシリンダーが誤って開いた場合に後方にスライドするリスクなしに、ボートはドッキング構造の前部で重力によって固定される。
【0024】
ボートを水から移動させる方法の他の任意の特徴事項によれば、この方法は、以下を含んでいてよい:
-フレームとボートとの間の接続を確立するロッキングシリンダーを作動させることを含む、ボートを固定するステップ。これらのシリンダーは、プラットフォームフレーム上に配置され得るが、ボート上に配置することが望ましい。
【0025】
本発明の他の利点及び特徴事項は、添付の図を参照して、例示的かつ非限定的な例として与えられた以下の説明を読むと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の実施形態による送出及び回収プラットフォームの概略図を示している。
図2図2は、本発明の実施形態によるボートの送出及び回収プラットフォームのフレームの斜視図を示している。
図3図3は、本発明の実施形態によるボートの送出及び回収プラットフォームの実施形態を説明する図を示す。
図4図4は、本発明の実施形態によるボートの送出及び回収プラットフォームのフローティングフロアの図を示す。
図5図5は、本発明によるボートの送出及び回収プラットフォームのフローティングクレードルの図を示している。
図6図6は、本発明によるボートの送出及び回収プラットフォームの減衰及び案内システムの図を示している。
図7図7は、プラットフォームが水外にあるとき(水から出ているとき)の本発明の実施形態によるボートの送出及び回収プラットフォームの側面図を示している。
図8図8は、プラットフォームが水上にあるとき(浮いているとき)の本発明の実施形態によるボートの送出及び回収プラットフォームの側面図を示している。
図9図9は、本発明による送出及び回収プラットフォームにボートを案内及び固定するためのシステムの実施形態の図を示す。
図10図10は、本発明の実施形態によるボートを送出する方法の図を示している。
図11図11は、本発明の実施形態によるボートを水から移動させる方法の図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法及び装置(システム)のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明される。
【0028】
図において、フローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法の可能な実装のアーキテクチャ、機能及び動作を示している。
【0029】
<発明の説明>
以下の説明において、「プロファイルアセンブリ」又は「プロファイル」という表現は、所定の寸法に切断されるとともに、複雑なアセンブリを必要とする機械的構造の基礎として使用される梁又は棒等の構造要素を指す。
【0030】
本発明の意味の範囲内における「エンクロージャ」という用語は、構造内でボートを受け入れるように適合された任意の構造を指す。エンクロージャに関連して、又はより一般的には送出及び回収プラットフォームに関連して「入口」という用語が使用される場合、それはフレーム内のボートの少なくとも一部の通過を可能にする開口部を意味する。
【0031】
本発明の意味の範囲内における「フレーム」という用語は、例えばプロファイル等の部品又は要素のアセンブリに対応し、浮き船を受け入れて支持するように適合された構造を形成する。
【0032】
「並進」とは、本発明の意味の範囲内において、固体の各点が同じ軌道に沿って同じ速度で動く固体の動きを意味する。他のオブジェクトに対する水平方向の並進は、例えば、第1位置と第2位置との間の、その他のオブジェクトと平行な動きに対応し得る。これとは逆に、本発明の意味の範囲内における垂直並進は、第1位置と第2位置との間で固体の各点が他の物体に対して垂直に動く、固体の並進運動に対応し得る。
【0033】
「結合された」とは、本発明の意味の範囲内において、直接又は間接的に、1つ又は複数の中間要素と接続されていることを意味する。2つの要素は機械的に結合されることができる。
【0034】
本発明の意味の範囲内における「取り外し可能」という用語は、取付手段がないためか、又は簡単かつ迅速に取付手段を分解できる(例えば、ノッチ、ネジ、タング、ラグ、クリップシステム)ために、取付手段を破壊することなく容易に取り外し、除去、又は分解する能力に対応する。例えば、取り外し可能とは、物体を取り外すことを可能にすることを意図していない溶接又は他の手段によって物体が取り付けられていないことと理解される。これとは逆に、「取り外し不可能」とは、物体を取り外すことを可能にすることを意図していない溶接又は他の手段によって物体が取り付けられていることと理解される。
【0035】
「クレードル」とは、ボートを支持する構造物を意味する。これは、ボートが載っているスキッド付きの鉄骨フレームに対応している可能性がある。
【0036】
「ボート」とは、自律型であるかどうかに関係なく、船体及び/又はフロートを備えた浮き船を意味する。
【0037】
以下の説明では、同じ参照を使用して同じ要素を指定する。
【0038】
前述のように、有人及び無人の水上艇(又はボート)の展開と回収は、水上艇の回収又は展開のために様々な手順を確保して実行するために必要な多数の人員を伴うという意味で、実装が複雑になることがよくある。これは、特に海が荒れていて、ピッチング又はローリングの動きに水上艇がさらされている場合に当てはまり、海洋人員が水上艇を配備又は回収することは特に複雑で危険である。
【0039】
従って、本発明者らは、新しいボートの送出及び回収プラットフォームを開発した。このプラットフォームは、人間が直接介入することなく水上艇の展開及び回収を可能にできるだけでなく、プラットフォームが海上で停泊されたり岸壁に係留されたりすると水上艇の係留点として機能し、また陸に揚げられると水上艇の保管装置として機能することができる。
【0040】
このプラットフォームは、プラットフォームが水上にあるとき(又は浮いているとき)に少なくとも部分的にボートを支持することを目的としたフローティングフロアを有するという特殊性を有している。このフローティングフロアは、フレームに対して少なくとも1自由度の垂直移動を有するように、プラットフォーム内に有利に配置される。これにより、特に水上にあるときボートを支えているときに、プラットフォームへのうねりの影響を減らすことができる。
【0041】
さらに、本発明者らは、特にボートがフレーム内に配置されているときに使用するために、ボートを固定するためのシステムも開発した。
【0042】
従って、第1態様によれば、本発明は、ボートの送出及び回収プラットフォーム1に関する。
【0043】
特に、図1に示されるように、本発明によるボートの送出及び回収プラットフォーム1は、フレーム10、浮揚手段20、及びフローティングフロア30を備える。
【0044】
フレーム10は、ボート2(例えばボート2の少なくとも一部)、又はより一般的には、原動機付きであるか否か、有人であるか又は無人であるかを問わず、任意の浮き船を受け入れるように配置されている。フレームは、ボート2の一部のみを受け入れ、ボートの一部をフレームから突き出させたままにするように有利に配置されている。実際、好ましくは、プラットフォームは、ボートの後部に配置されたプロペラ等のボートの一部がフレームの外側になるように配置される。
【0045】
ボート2を受け入れて支持するために、フレーム10は、例えば、そのようなフレーム及び特にボートを受け入れるのに適したエンクロージャを形成するのに適した、プロファイルアセンブリ又は他の任意の構造要素を含む。特に、エンクロージャは、ボートが少なくとも部分的にフレーム内に収容されるために通過することができる開口部を含まなければならない。この入口は、それが水に浮いているときにボートがエンクロージャに入ることができるように、フレームの片側にあることが好ましい。本発明の文脈において、フレームは、例えば上面からの入口及び側面又は後面からの入口等のいくつかの入口を有していてよい。好ましくは、フレームは、フレームへのボートの入口点に対応する後面に単一の入口を有し、その進入は、好ましくは、エンジンの推力によるものである。図に示されている原動機は、フレームの外側にとどまり、プラットフォーム1が水から出ているときは上向きに、フレームが水上にあるときは下向きになる。
【0046】
プロファイル又は他の構造要素は、送出及び回収プラットフォーム1並びにそのプラットフォームが受け入れることを意図されているボート2の負荷を支持するように適合された機械的特性を有する材料から有利に設計される。非限定的な例として、フレーム10を形成するプロファイルは、主に金属又は金属合金でできていてもよい。特に、フレーム10を形成するプロファイルは、鉄、又は鋼等の鉄合金でできていてもよい。必要とされる強度に応じて、チタン又はアルミニウムも使用できる。代替的に、プロファイル又は他の構造要素は、複合材料(補強材及びポリマー)又はポリマーで作ることができる。プラットフォーム1は長期間(>1ヶ月)水中にあるように設計されるので、フレーム10の材料が耐食性であるか、又は塗装及び/又は陰極防食によって保護されることが望ましい場合もある。
【0047】
有利には、プロファイルは、少なくとも2ミリメートル(mm)の厚さを有することができ、所望の機械的特性に応じて、4mm、6mm、8mm又はそれ以上の厚さに達することができる。
【0048】
プロファイルはまた、正方形の形状を持つことができ、中空にすることもできる。プロファイルの形成に使用される鋼は、例えば、海洋分野の基準、特にISO EN 10855及びDNV-GL 2.7-1を満たすために、S235又はS275鋼に対応することができる。
【0049】
さらに、フレーム10のプロファイルアセンブリは、フレーム10の上側を形成する少なくとも1つの横方向ビーム及び/又は少なくとも1つの剛性長手方向ビーム101を備えていてよい。当該剛性横方向及び長手方向ビーム101は、(通常のプロファイル120を有する「i」に係る)IPN120タイプの鋼金属ビームに有利に対応し得る。好ましくは、上面は、2つの長手方向ビーム101の端部にそれぞれ取り付けられた2つの剛性横方向ビーム101を含み、当該長手方向ビーム101は互いに平行である。
【0050】
送出及び回収プラットフォーム1の取り扱いを可能にするために、上面は、吊上手段と協働することが意図された、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも4つの吊上リング110を含んでいてよい。好ましくは、剛性の横方向又は長手方向ビーム101のそれぞれは、それぞれ、当該剛性の横方向又は長手方向ビーム101の端部に配置された2つの吊上リング110を備えていてよい。
【0051】
例示的な例として、吊上リング110は、S235鋼でできていて、引掛装置との結合を可能にするように適合された穴を有することができる。代替的に、吊上リング110は、主にS355鋼で作られた吊上ライアシャックル、S355亜鉛メッキ高張力鋼で作られたワイヤーロープスリング、又は主にS355鋼で作られたトリプルリングに対応し得る。
【0052】
本発明によるプラットフォーム1のフレームはまた、支持フロア11を含むであろう。そのような支持フロアは、プラットフォーム1に組み込まれたフローティングフロアを支持することを意図されており、これについて以下に説明する。
【0053】
図1に示されるように、支持フロア11は、複数のプロファイル106から形成されてよい。代替的に、それは、フローティングフロアの支持を形成するように組み立てられた1つ以上のプレートから形成され得る。
【0054】
特に、支持フロア11は、前記送出及び回収プラットフォーム1が水外位置にあるとき(水から出ているとき)にボート2を支持するための複数のスキッド108を備えるクレードルを形成してよい。支持フロア11は、例えば、プラットフォーム1が水外位置にあるときに、フローティングフロアの上のボート2を支持するように配置された少なくとも4つのスキッドを含んでいてよい。
【0055】
スキッド108は、任意のタイプのボートに適合されるために伸縮アームに関連付けられることができる。伸縮アームは、原動機付きで遠隔操作されてもよいし、されなくてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、スキッド108はベアリングを備えていてもよい。
【0056】
支持フロア11は、フレーム10の下部ベース12に接続されていてよい。例えば、それは、プロファイル106又はスペーサーを介して下部ベース12に接続されていてよい。フレームの機械的強度を高めるために、それは、支持フロア11と下部ベース12の間のクロスピースを含んでいてよい。
【0057】
クロスピース又はスペーサー106は、共に溶接された剛性金属管であってよい。支持フロア11、より一般的にはフレーム10は、例えば2トンを超える、好ましくは10トンを超える、より好ましくは20トンを超える、例えば約25トン等の、かなりの重量を支持することができてよい。
【0058】
代替的に、支持フロア11は、フレーム10の下部ベース12を形成してよい。下部ベース12は、フレーム10の下面に対応する。これは、プラットフォームが水外位置にあるときにプラットフォームが置かれる面である。
【0059】
図1に示されているように、送出及び回収プラットフォーム1は、浮揚手段20も含む。
【0060】
実際、前述のように、送出及び回収プラットフォーム1は長期間海上にとどまる可能性がある。さらに、プラットフォームの設計は、異なる長さの船舶に適応させることができ、浮揚手段20は、フレーム10の上面と喫水線との間の平行関係を維持するのに役立つ。
【0061】
浮揚手段20は、プラットフォームが水上に浮くのを可能にするが、フローティングフロアと組み合わせて、回収されたボートが海上で安定することを確実にしなければならない。
【0062】
浮揚手段20は、水中で浮かぶ任意の物質を含んでいてよい。特定の実施形態では、浮揚手段20は、例えば様々な天然及び合成ゴム、又は連続気泡若しくは独立気泡フォーム等の高分子材料でできている。浮揚手段20は、固体又は膨張可能であり得る。
【0063】
好ましくは、浮揚手段20は、例えば発泡ポリスチレン(EPS)発泡体等の発泡フォームを含む。
【0064】
また、それらは、フレーム10に取り付けられ得る。
【0065】
浮揚手段20は、例えば、長手形状になるであろう。浮揚手段20は、水上にあるときに浮揚手段20の一部が水面より上で延在するようなサイズとされてよい。浮揚手段20は、特に、少なくとも2つのフロート72、好ましくは側部フロートの形態をとることができる。特に、浮揚手段20は、発泡ポリスチレン(EPS)フォームで満たされた2つの円筒形プラスチックフロートからなり得る。
【0066】
浮揚手段20は、永久的又は取り外し可能にフレーム10に取り付けられ得る。一実施形態では、図2に示されるように、フレームは、少なくとも部分的に浮揚手段20を圧着(crimp)できるように配置されたプロファイル110を含んでいてよい。
【0067】
送出及び回収プラットフォーム1はまた、特に図1に示されているフローティングフロア30を含む。
【0068】
既に示したように、フローティングフロア30は不可欠である。それは、プラットフォーム1が水上にあるときに少なくとも部分的にボート2を支持するように、プラットフォーム1内に配置されるであろう。有利には、それは、ボート2の前部を支持し、フレーム10に対して垂直方向の動きの自由度を有し、フレーム10の垂直方向の動きとは独立して、水面上で自由に浮くことができる。
【0069】
従って、本発明によるフローティングフロア30は、特にフレームに対して(例えば支持フロア11又は下部ベース12に対して)垂直方向に並進可能であるように、フレーム10に結合されるであろう。
【0070】
フローティングフロア30はまた、特に支持フロア11に対してさらに水平方向に並進可能であるように、フレーム10に結合され得る。これは、図1において特に明らかである。フローティングフロア30は、本明細書において、取付手段34によってフレーム10に結合される。取付手段34は、フレーム10に取り付けられた少なくとも1つのガイドバー109を取り囲むように配置された接続リング34の形態をとってよい。従って、フローティングフロア30は、有利には、フレーム10に対する移動の自由を可能にする取付手段34を備えている。それにも拘らず、後で示されるように、フローティングフロアの水平方向の並進運動は、ボート2の固定システム3によって制限されることができる。
【0071】
図1による取付手段34は、例えば楕円形又は平行六面体の開口部等を有する接続リングに、任意の形態の開口部を有することができる。特に、図1による取付手段34は、接続リングに平行六面体形状の開口部を有し、これはまた、支持フロア11又は下部ベース12に対するフローティングフロア30の水平方向の並進を可能にする。
【0072】
さらに、接続リング34の開口部の幅がガイドバー209の直径よりもいくらか大きいので、従ってフローティングフロア30はまた、支持フロア11又は下部ベース12に対する僅かな横方向の動きを有する。
【0073】
フローティングフロア30はまた、スライダータイプの接続、レールとして機能する垂直構造上を滑るポリマースキッド(例えば、高密度又は中密度のポリエチレン、ポリアミド)を備えたリング、又はフレームに固定されたバーとリングとの組み合わせによって、フレーム10に結合されてよい。
【0074】
有利かつより好ましくは、フローティングフロア30は、(好ましくはフローティングフロアに固定された)リングと、(好ましくはフレームに固定された)バーとの組み合わせによって、フレーム10に結合されるであろう。この実施形態は、バックラッシュを低減して案内精度を改善することを可能にする。
【0075】
フローティングフロア30は、海上で少なくとも部分的にボート2を支持することが意図されている。従って、それは、この機能に適合した寸法を有する。特に、それは、2m2を超える、好ましくは10m2を超える、より好ましくは15m2を超える、さらにより好ましくは25m2を超える、水と接触する表面積を有してよい。
【0076】
さらに、フローティングフロア30は、10cmを超える、好ましくは20cmを超える、より好ましくは30cmを超える、厚さを有してよい。
【0077】
それは、水に浮かぶ任意の物質の浮揚手段20のように作ることができる。特定の実施形態では、フローティングフロア30は、例えば、様々な天然ゴム及び合成ゴム、又は連続気泡若しくは独立気泡フォーム等の、高分子材料でできている。好ましくは、フローティングフロア30は、フローティングモジュラーブロックから形成される。これらのブロックを共に入れ子にして、フローティングフロア30を形成することができる。代替的に、フローティングフロアは、木材とエポキシ樹脂との複合フロア又はロトモールド(回転成形)プラスチック形態であり得る。
【0078】
フローティングフロア30は、平坦な構造を形成してよい。それにも拘らず、それは、ボート2の船体の形状に少なくとも部分的に従うように、少なくとも2つの平面、より好ましくはいくつかの平面を有する構造を形成することが好ましい。さらに、それは、フローティングフロアの垂直方向の並進に関与する垂直バーの通過用の、又はクレードルに関連するスキッド108の通過用の、開口部を含んでいてよい。
【0079】
従って、フローティングフロア30は、前記送出及び回収プラットフォーム1が水外位置にあるときに、ボート2上の複数のスキッド108の配置を可能にするように配置された複数の開口部を含んでいてよい。
【0080】
本発明の文脈において、送出及び回収プラットフォーム1は、送出及び回収プラットフォーム1が水外にある(水から出ている)ときにフローティングフロア30が支持フロア11上に載っている構成から、送出及び回収プラットフォーム1が水上にある(浮いている)ときにフローティングフロア30が水面S1に浮かぶ構成に移行するように、有利に配置される。
【0081】
これは、特に図7と8に示されている。
【0082】
図7では、送出及び回収プラットフォーム1が水外にある(水から出ている)。従って、重力は、支持フロア11上のフローティングフロア30の配置を誘発する。ボートに関して、それは、フローティングフロア30上に載る。代替的に、スキッド108がフローティングフロア30を横切って存在する場合、ボート2は、スキッド108上に載っていてよい。
【0083】
図示のように、送出及び回収プラットフォーム1は、支持フロア11とは別に、下部ベース12を含んでいてよい。この下部ベース12は、プロファイルで形成されてよい。それは、フレーム10の一部であり、有利には、地面(例えばドック又は船舶のプラットフォーム)上に載るフレーム10の部分を構成する。
【0084】
この構成では、支持フロア11は、有利には、下部ベース12に対して、10°以上、好ましくは15°以上、より好ましくは20°以上、さらにより好ましくは25°以上の角度βを形成する平面を有するであろう。この角度βは一般に60°未満になるであろう。好ましくは、角度は、10°から45°の間、好ましくは20°から30°の間、さらにより好ましくは25°から35°の間であってよい。フローティングフロアが単一の平面で形成されていないとき、角度は、フローティングフロアの長手方向軸と下部ベース12によって形成される平面との間で計算されることが好ましい。
【0085】
水外にあるとき、ボート2は、少なくとも部分的にフローティングフロア30上に載っていてよく、次に支持フロア11上に載っていてよい。代替的に、支持フロア11は、複数のスキッド108を備えるクレードルを形成していてよい。この実施の形態は、特に図2及び3に示されている。この構成では、フローティングフロア30は支持フロア11上に載るであろうが、ボート2はフローティングフロア30上ではなく、支持フロア11によって形成されたクレードルに関連するスキッド108上に載るであろう。これは、水外で保管されたときにボート2の前傾位置を維持するという利点があるが、ボート2によって押し潰されないであろうため、フローティングフロアの機械的特性も保持する。
【0086】
従って、水外において、送出及び回収プラットフォーム1によって受け入れられたボート2は、ボート2のエンジンが上昇する安全な位置に配置され、検査を容易にし、荷を積んだプラットフォーム1を取り扱う時の転倒又は損傷のリスクを低減するであろう。
【0087】
さらに、この構成では、図8に示すように、送出及び回収プラットフォーム1が送出されると、フローティングフロア30は、水面S1上に浮くように配置される。有利なことに、ボートのエンジンはかなりの重量を有するので、ボートは僅かに傾斜し、1つ又は複数のエンジンのプロペラの少なくとも一部が水に沈む可能性がある。従って、プラットフォームは水外での固定を可能にする一方で、追加の取り扱いなしに水上のプラットフォームからボートを自律的に移動できる構成にすることも可能にする。
【0088】
さらに、図8の例から観察できるように、フローティングフロア30は、水上位置(浮き位置)において、水面S1に対して最大30°の角度αを形成する平面を含むように有利に配置されている。従って、それは、ボート2を水面上に載せ、好ましくは僅かに後方に傾けることを可能にし、その結果、その1つ若しくは複数のプロペラ又はその1つ若しくは複数の推進ウォータージェットの1つ若しくは複数の取水口が水面S1の下に配置される。従って、それはプラットフォーム1を離れる位置に自律的に配置される。フローティングフロア30が単一の平面で形成されていないとき、角度は、好ましくは、フローティングフロア30の長手方向軸と水面S1によって形成される平面との間で計算される。
【0089】
また、フローティングフロア30は、水上位置において、フレーム10の支持フロア11に対して少なくとも10°の角度Δを形成する平面を含むように配置されてよい。好ましくは、角度Δは、少なくとも20°、好ましくは少なくとも25°であろう。実際、有利には、プラットフォーム1は、水外前傾位置から水上後傾位置にボートを傾けることを可能にし、これは、シリンダー又は他の原動機付システムの助けを借りない。フローティングフロア30が単一の平面で形成されていないとき、角度は、好ましくは、フローティングフロア30の長手方向軸と支持フロア11の長手方向軸との間で計算される。
【0090】
いくつかの実施形態では、支持フロア11は、送出及び回収プラットフォーム1の下部ベース12を形成してよい。従って、これらの2つの要素を区別することは不可能であり、特定の角度はないであろう。それにも拘らず、支持フロア11は、すでに述べたように、複数のスキッド108を含んでよい。これらのスキッド108は、前記複数のスキッド108によって支持されたボート2の長手方向軸が支持フロア11に対して、10°以上、好ましくは15°以上、より好ましくは20°以上、さらにより好ましくは25°以上の角度βを形成するように配置されてよい。この角度βは一般に60°未満になるであろう。好ましくは、角度は、10°と40°との間であり、好ましくは20°と35°との間であり、さらにより好ましくは25°と30°との間であってよい。フローティングフロアが単一の平面で形成されていないとき、角度は、フローティングフロアの長手方向軸と下部ベース12によって形成される平面との間で計算されることが好ましい。
【0091】
特に、複数のスキッド108は、プラットフォーム1が水外にあるとき(水から出ているとき)に、そのような角度、従ってボートの前傾を誘発するように選択された長さを有することができる。
【0092】
本発明による送出及び回収プラットフォーム1は、ボート2の固定システム3を含んでいてよい。
【0093】
図9に関連して説明されるように、そのような固定システム3は、ボート2を受け入れるための構造を備える。それはまた、少なくとも2つの案内アーム302を含んでいてよい。
【0094】
好ましくは、ドッキング構造は、下部セクション304及び上部セクション305によって形成され、ボート2の船首の一部の形状に適合するように配置される。好ましくは、ボート2のドッキング構造は、ロトモールド(回転成形)されてよい。
【0095】
固定システム3は、取付手段301を介して、送出及び回収プラットフォーム1、特にボート2を積み込むための専用のプロファイル107に有利に固定される。
【0096】
ボート2が積まれたときにプロファイル107に加えられる応力を制限するために、固定システム3の取付手段301は、積み込み専用のプロファイル107とのスライド接続を形成するとともに、(好ましくは下部ベースに対する)固定システム3の垂直方向の動きを可能とするように、配置されてよい。実際、これは、大きな波の動きがある海に送出及び回収プラットフォーム1が配備されたときに有利である場合がある。
【0097】
一旦積み込んだボート2を保持するために、固定システム3は、有利には、ドッキング構造からボート2に向かって放射状に延びる2つの案内アーム302を備える。案内アーム302は、固定システム3のドッキング構造内にボート2を一旦保持するように配置される。
【0098】
特に、それらは、ボート2が前方に移動すればするほど、中央に移動するプロセスで、ボートの前方並進中にフレーム内で船首をガイドできるようになる。
【0099】
ボート2の案内及びセンタリングを容易にするために、案内アーム302は、側部センタリング部材302-1を含んでいてよい。側部センタリング部材302-1は、ボート2の船首の一部を受け入れるように適合された溝を含んでいてよい。側部センタリング要素302-1は、ボート2と固定システム3との間の衝撃吸収、ひいてはボート2と送出及び回収プラットフォーム1との間の衝撃吸収を可能にするのに適した剛性又は半剛性材料から形成されてよい。例えば、側部センタリング要素302-1は、弾性変形を受け、変形後にその元の形状に戻るように適合されたプラスチック又はポリマーで作られてよい。さらに、側部センタリング要素302-1は、衝撃時に硬化し、衝撃後に元の形状に戻るように適合されてよい。
【0100】
いずれの場合でも、側部センタリング要素302-1は、好ましくは、ボート2の船首のいずれかの側に配置されたレール等のガイド要素を受け入れるように適合された窪みを備える。好ましくは、窪みは、側部センタリング部材302-1の第1端部から側部センタリング部材302-1の第2端部まで減少する幅を有していてもよい。例示的な例として、側部センタリング要素302-1は、ガイドレールの挿入及び通過を容易にし、従って案内アーム302によってボート2を保持するために、漏斗形状を有していてよい。従って、ボート2は、水平軸及び垂直軸に沿ったダブルガイドによってセンタリングされることができる。特に、固定システム3は、ボートがフレーム内で前進するほど、固定システム3が船首の形状により密接に適合し(フロアと固定システム3との間の移動度が低下し)、従ってそのセンタリングがより正確になるように、配置されている。この簡単で正確な三次元センタリングは、ボート2の位置のロックと有利に結合されることができる。
【0101】
固定システム3によるボート2の把持、従って保持を改善するために、前記固定システムは、側部ロッキング要素302-2を備えていてよい。側部ロッキング要素302-2は、有利には、各案内アーム302上に配置され、金属合金又は剛性ポリマーによって形成される。好ましくは、その中にシリンダーをロックできるストライカーを形成するようにされている。代替的に、それらは、他のプロファイルによって運ばれ、案内アーム302から独立していてもよい。
【0102】
ロッキング要素302-2のそれぞれは、ボート2上に配置されたシリンダーの端部を受け入れるためのストライカーとして機能する適切なハウジング又はシューを有してよい。実際、図6に見ることができるように、ロッキング要素302-2は、ボート2の船首が固定システム3のドッキング構造と接触すると、実質的にボート2の船体に対して配置されている。有利には、ボート2を保持し、ボート2と送出及び回収プラットフォーム1との間の衝撃を最小限にするために、ボート2の船体とロッキング部材302-2との間の接触面に液圧シリンダーを配置してよい。ボート2上に配置されたシリンダーの端部を受け入れるように適合されたハウジング又はシューは、有利には、取り外し可能かつ交換可能であってよい。
【0103】
例えば、ボート2は、船首のいずれかの側に格納された2つの液圧シリンダーを有することができる。2つのシリンダーは、好ましくは、ボート2の船首が固定システム3のドッキング構造と接触したときに、ストライカーとして機能するロッキング要素302-2の反対側に各液圧シリンダーが配置されるように、ボート2のガイドレールのすぐ下に配置される。
【0104】
ボート2によって固定システム3に(ひいては送出及び回収プラットフォーム1に)加えられる機械的応力をさらに制限するために、固定システム3は、複数の減衰要素を備えていてよい。減衰要素の主な機能は、ドッキング構造、特に下部304及び上部305プロファイルの変形を回避するために、固定システム3上のボート2の衝撃を吸収することである。この目的のために、減衰要素は、側部センタリング要素302-1に関連して説明されたような材料で作られてよい。
【0105】
従って、固定システム3は、下部プロファイル304に取り付けられるとともに、ボート2とフローティングフロア30との間の衝撃を減衰させるように配置されたシュー304-1を形成する減衰要素を備えていてよい。さらに、下部プロファイル304は、ドッキング構造からボート2に向かって放射状に延びる2つの支持アーム303を備えていてよい。2つの支持アーム303は、下部プロファイル304全体を覆う下部カバー306を形成する減衰要素の取り付けを可能にするように配置されている。下部カバーは、有利には、ボート2の船首によって部分的に形成されたボート2のノーズに適合する形状を有し、従って、それは、下部カバー306に対して隣接して配置され、ボート2を所定の位置に保持するとともに、それを摩耗から保護することを助ける。有利なことに、シュー304-1は、フローティングフロアに取り外し可能又は取り外し不可能に取り付けられている。例えば、フローティングフロアの一部を一体型フロートで形成することができ、シューに関連する堅固な接合部を作ることができる。
【0106】
下部カバー306と同様に、固定システム3は、上部カバー307を形成する減衰要素を備えていてよい。有利には、上部カバー307は、上部プロファイル305全体を覆う上部プロファイル307に取り付けられる。上部カバー307は、有利には、ボート2の船首によって部分的に形成されたボート2のノーズに適合する形状を有し、従って、それは、上部カバー307に対して隣接して配置され、ボート2を所定の位置に保持するとともに、それを摩耗から保護することを助ける。
【0107】
最後に、固定システム3は、案内アーム302に取り付けられるとともに、ボート2と送出及び回収プラットフォーム1のフレーム10との間の衝撃を減衰させるように配置されたバンパー302-3を形成する減衰要素を備えていてよい。
【0108】
従って、そのような固定システム3は、本発明による送出及び回収プラットフォーム1にボート2が保持されることを可能にするとともに、ボート2、固定システム3、及び送出及び回収プラットフォーム1への如何なる損傷も、特に、そのような損傷を引き起こす可能性のあるローリング、サージング、ピッチング、ヨーイング、及び/又はヒービングの動きを最小限に抑えるか又は回避することによって、防止する。
【0109】
さらに、すべての減衰要素は交換可能な摩耗部品であり、すなわち、前記減衰要素は取り外し可能に取り付けられている。
【0110】
図5に示されるように、本発明による送出及び回収プラットフォーム1はまた、好ましくはフレーム10のプロファイルによって形成されたエンクロージャへの入口に配置されたポリマー又はポリマー複合材料で作られ、好ましくはプロファイルアセンブリの少なくとも第3プロファイルに取り付けられた、フローティングクレードル50を含んでいてよい。そのようなフローティングクレードル50は、ボート2のエンジンのレベルで船体を支持することを可能にし、従って、送出及び回収プラットフォーム1が水上にあるとき(浮いているとき)の船体構造への応力を軽減する。このフローティングクレードルの浮力はそれを部分的にバラストすることにより調整でき、水上にあるときのフロア30上のボート2のトリム及び応力の回収を調整することができる。
【0111】
本発明による送出及び回収プラットフォーム1は、吊上中にアセンブリのトリムを調整できるようにするために、前記開口部の反対側に配置されたバラスト40を含むことができる。
【0112】
図2又は図7に示されるように、浮揚手段の配置を可能にするために、フレーム10を形成するプロファイルアセンブリは、フレームの片側又は好ましくは両側に配置された少なくとも1つの長手方向プロファイル105を備えていてよい。好ましくは、フレーム10を形成するプロファイルアセンブリは、エンクロージャへの入口の延長部の両側にそれぞれ配置された2つの平行な長手方向プロファイル105を備える。
【0113】
図6に示されるように、送出及び回収プラットフォーム1は、案内手段61及び複数のフェンダー62を含んでいてよい。これらの要素は、フレーム10内でのボート2の配置を容易にするであろう。
【0114】
案内手段61は、特にフレーム10への入口を覆うスライドの形態をとってよく、前記スライドは、一方ではボート2の進入を容易にし、他方では送出及び回収プラットフォーム1の固定システム3におけるその配置を容易にする、フレーム10の長手方向プロファイル105の端部に固定される。
【0115】
好ましくは、案内手段61は、チューブ、チューブセクション、スキッド、膨張可能な空気室、又はゴム又はポリマーローラーの形態をとってよい。
【0116】
案内手段61は、例えば長手方向プロファイル105のそれぞれに固定されるとともに送出及び回収プラットフォーム1への入口に配置されたガイドレールに対応してよい。
【0117】
フェンダー62は、有利には、ボート2が送出及び回収プラットフォーム1に出入りするときにボート2を減衰及び保護するために、長手方向プロファイル105のそれぞれの全部又は一部に固定されてよい。
【0118】
特に、プロファイルアセンブリは、エンクロージャ入口に隣接するとともに支持フロア11に隣接する面に配置された少なくとも1つの長手方向プロファイル105を含んでいてよく、前記長手方向プロファイルは案内手段61及び複数のフェンダー62をさらに含む。
【0119】
案内手段61及び複数のフェンダー62は、有利には、長手方向プロファイル105に固定されている。
【0120】
送出及び回収プラットフォーム1は、如何なるエンジンがない場合でも使用できる。実際に、それは、岸壁に係留されるように、開放水域に停泊されるように、又は水外で保管されるように設計することができる。
【0121】
プラットフォーム1にはまた、それを傾斜面又は引上船台上で送出及び水から移動させることを可能にするために、車輪又はスキッドを装備していてよい。それは、引上船台又はプラットフォーム1上に配置されたウインチ及びケーブルを用いて移動させることができる。プラットフォーム1上に配置された電気又は液圧装置によって駆動される原動機によって、ホイールシステムを駆動することもできる。
【0122】
代替的に、送出及び回収プラットフォーム1は、ボートが搭載されているかどうかに拘らず、水中で、好ましくは自律的にそれを移動させることを可能にする1つ又は複数の原動機を装備していてよい。特に、プラットフォーム1は、例えばボート2に対して、プラットフォーム1を動的に配置することができる電気モーターを含んでいてよい。従って、プラットフォーム1は、プラットフォームの遠隔制御及び/又は自律ナビゲーションを可能にするように構成された制御モジュールを含んでいてよい。
【0123】
プラットフォーム1はまた、例えば無線、GSM又は衛星等の通信手段、及び/又は例えばGNSS(衛星システムによるジオロケーション及びナビゲーション)システムによる位置特定を装備することができる。特に、通信手段は、ボートと、ボート2を制御又は通信することを望む船舶又は海洋構造物との間にリレーを確立するように構成されてよい。
【0124】
さらに、送出及び回収プラットフォーム1は、電気エネルギー、燃料電池、又は化石燃料のいずれの形態であれ、エネルギー貯蔵システムを装備することができる。従って、そのようなプラットフォームは、フレーム10で受け入れられたボートに少なくとも部分的に燃料を補給するために使用することができる。船上に蓄えられたエネルギー(例えば電池)は、存在する場合、ナビゲーションライト又は通信機器に電力を供給するためにプラットフォーム1によって必要とされてよい。
【0125】
さらに、説明したように、プラットフォーム1は、1つのボート2を受け入れるための1つのエンクロージャを含んでいてよいが、複数のボート2を受け入れるための幾つかのエンクロージャ又は1つのエンクロージャを含んでいてもよい。
【0126】
上記のプラットフォーム1を使用するとき、ボートを送出又は回収するために、プラットフォーム上のオペレーター又はプラットフォーム周辺のスイマーは必要ない。従って、別の態様によれば、本発明は、ボート2の自律型容器(レセプタクル:receptacle)としての本発明による送出及び回収プラットフォーム1の使用に関する。
【0127】
提示されたように、そのようなプラットフォームは、海上で、特に海が荒れているときにボートを送出又は回収する方法の文脈で特に関連している。
【0128】
従って、別の態様によれば、本発明は、ボート2を送出する方法200に関する。
【0129】
ボート2を送出する方法は図10に示され、それは、好ましくは、本発明による送出及び回収プラットフォーム1を使用する。
【0130】
そのような方法は、ボート2を支持する送出及び回収プラットフォーム1を吊り上げるステップ240、及びボート2を備える前記送出及び回収プラットフォームを送出するステップ250を含んでいてよい。
【0131】
それはまた、フローティングフロア30によって、送出及び回収プラットフォーム1においてボート2を支持するステップ210を含んでいてよい。代替的に、送出する方法200は、送出及び回収プラットフォーム1のクレードルによってボート2を支持するステップ210を含んでいてよい。さらに、送出方法200は、ボート2を備える送出及び回収プラットフォーム1を引っ掛けるステップ220を含んでいてよい。
【0132】
ボート2は、水から出たときに送出及び回収プラットフォーム1に配置することができる。それにも拘らず、有利には、ボート2は、水上にあるときに送出及び回収プラットフォーム1に配置することができる。ボート2は、例えばクレーンによって吊り上げられ、送出及び回収プラットフォーム1と同じように、4つのスリングのセットで独立して送出されることができ、その後、ボート2は、水上にあるときに送出及び回収プラットフォーム1に入る。
【0133】
ボート2がすでにフレーム10に配置されている場合、それが送出される前に、ボートは、フローティングフロア30又はクレードル(当該クレードルは好ましくは複数のスキッド108を含む)によって支持されてよい。
【0134】
本発明によるボート2を送出する方法はまた、ボート2を含むか又は含まない送出及び回収プラットフォーム1を引っ掛けるステップ220を含む。
【0135】
本発明による方法は、フレーム10内に、送出及び回収プラットフォーム1を吊り上げるステップ240の前に、ボート2を固定するステップ230を含んでいてよい。具体的には、この固定するステップ230は、特に、フレーム10のドッキング構造内にボート2の船首を埋め込むことを含んでいてよい。
【0136】
さらに、固定するステップ230は、フレーム10とボート2との間の接続を確立する関節アームを作動させることを含んでいてよい。これらの関節アームは、ボート2又はフレーム10上に配置することができる。それらは、好ましくはフレーム10上、特に固定システム3内に配置される。それにも拘らず、固定するステップ230は、好ましくは、フレーム10とボート2との間の接続を確立するボート2上に配置された関節アームを作動させることを含んでいてよい。より好ましくは、固定するステップは、好ましくは、ボート2の船体に組み込まれたシリンダーを、ストライカーとして機能するロッキング要素302-2にロックすることを伴ってよい。
【0137】
有利には、本発明によるプラットフォーム1の案内アーム302は、ばね効果で可撓性であるか、又はレバー効果を引き起こすボートの船首上のストップを圧迫することによって作動されるであろう。案内アーム302は、好ましくは、フレーム10上又はボート2上に配置された、好ましくはボート2上に配置された、専用のハウジング又はレールに適合するように構成されるであろう。
【0138】
ボート2を支持しているか又はしていない送出及び回収プラットフォーム1を吊り上げるステップ240は、クレーン等の吊上手段によって実行されてよい。
【0139】
本発明による方法は、送出する特定のステップ250を含む。古典的に、送出するステップ250は、クレーン等の吊上手段によるか、又は傾斜面上、ランプ上、若しくは引上船台上で原動機付ハブを有するウインチ又はホイールを用いてスライド若しくは転動することによって、実行されてよい。
【0140】
古典的に、この送出ステップは、送出及び回収プラットフォーム1の水外位置から水上位置への移行を伴う。
【0141】
最後に、本発明による方法は、ボート2を解放するステップ260を含んでいてよい。固定するステップ230とは反対に、解放するステップ260は、フレーム10とボートとの間の接続を確立する案内アーム302等の関節アームを作動させることを含んでいてよい。好ましくは、案内アーム302は、ボート2が送出及び回収プラットフォーム1を出ることができるように、専用のハウジング又はレールから外れるように構成されるであろう。
【0142】
それにも拘らず、有利には、水外位置ではフローティングフロア30は支持フロア11上に載る一方で、水上位置ではフローティングフロア30は水面S1上に浮かぶ。
【0143】
これらの2つの位置において、ボート2は、好ましくは、少なくとも部分的にフローティングフロア30上に載り、より好ましくは、ボート2は完全にフローティングフロア30上に載らないであろう。
【0144】
さらにより好ましくは、水外位置において、ボート2は、フレーム10によって形成されたクレードルに関連する複数のスキッド208上に載っている。説明したように、クレードルは、支持フロア又は下部ベースによって形成されることができる。
【0145】
別の態様によれば、本発明は、ボート2を水から移動させる方法400に関する。
【0146】
ボート2を水から移動させる方法400は、図11に示され、それは、好ましくは、本発明による送出及び回収プラットフォーム1を使用する。
【0147】
水から移動させる方法400は、送出及び回収プラットフォーム1のフローティングフロア30上にボート2を配置するステップ410を含んでいてよい。好ましくは、当該送出及び回収プラットフォーム1は、本発明によるプラットフォーム1に対応する。
【0148】
配置するステップは、フレーム10のエンクロージャへの入口に係合するようにボート2を動かすことを含んでいてよい。これは、案内手段61の存在によって容易にされてよい。
【0149】
ボートを水から移動させる方法400はまた、フレーム10内にボート2を固定するステップ420を含んでいてよい。特に、この固定は、フレーム10のドッキング構造にボート2の船首を埋め込むことを含んでいてよい。
【0150】
さらに、固定するステップは、フレーム10とボート2との間の接続を確立する案内アーム302等の関節アームを作動させることを含んでいてよい。これらの関節アームは、ボート2又はフレーム10上に配置することができる。好ましくは、これらは、フレーム10上、より具体的には固定システム3内に配置されている。
【0151】
案内アーム302は、好ましくは、フレーム10又はボート2、好ましくはボート2上に配置された専用のハウジング又はレールに適合するように構成されるであろう。
【0152】
好ましくは、固定するステップは、船体2に組み込まれたシリンダーを、ストライカーとして機能するロッキング要素302-2にロックすることを伴ってよい。
【0153】
本発明による水から移動させる方法400は、回収手段に引っ掛けるステップ430をさらに含み、当該送出及び回収プラットフォーム1はボート2を備える。回収手段は、クレーン等の吊上手段であってよいが、例えばランプに関連付けられた原動機又はウインチ、傾斜面上の原動機ハブを有するホイール、又は引上船台等、水からプラットフォームを取り出すことができる任意の手段であってもよい。
【0154】
引っ掛けるステップ430の後には、ボート2を備える前記送出及び回収プラットフォーム1を水から移動させるステップ440が続いてよい。このステップは、回収手段によって実施することができる。回収は吊り上げによって行うことができるが、スライド又は転動によっても行うことができる。水から移動させるこのステップ440は、フローティングフロア30が水面S1に浮かぶ水上位置から、フローティングフロア30が支持フロア11上に載る水外位置への移行をもたらすであろう。
【0155】
さらに、この水から移動させるステップ440は、ボートが少なくとも部分的にフローティングフロア30上に載る、従って好ましくは実質的に水平であるか又は船首を上げた状態の水上位置から、ボートの船尾を上げた状態でボートがフローティングフロア上又はクレードル上に載り、特に特定のメンテナンス作業を容易にする、位置への移行を引き起こすであろう。
【0156】
従って、本発明は、操作者のリスクなしに簡単に操作することができ、特に荒海で効果的である、ボートを送出及び受け入れるための解決策を提供する。さらに、このようなソリューションは、ボートのその後のメンテナンス操作を容易にする。
【0157】
様々な実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的で提示されてきた。それは、網羅的であること、又は記載された通りの形態に本発明を限定することを意図しておらず、もちろん、上記の教示に照らして多くの修正及び変形が可能である。上記のような例示的な実施形態は、期待される特定の使用に適切な様々な実施形態及び様々な修正を伴って本発明を当業者が最もよく利用できるように、本発明の原理及びその実用化を最もよく説明するように選択され、説明されている。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されることが意図されている。
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