(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】データ伝送及び制御システムで使用するためのモジュールスイッチ
(51)【国際特許分類】
G05B 19/05 20060101AFI20240115BHJP
【FI】
G05B19/05 L
(21)【出願番号】P 2021560962
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2020061230
(87)【国際公開番号】W WO2020216796
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-10-14
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】594070612
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Phoenix Contact GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Flachsmarktstrasse 8, D-32825 Blomberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, マルティン
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-73418(JP,A)
【文献】特開2016-81391(JP,A)
【文献】特開2006-314098(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102018122371(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ伝送及び制御システム(10)で使用するためのモジュールスイッチ(30)であって、
イーサネット(登録商標)・ベースの通信をサポートする第1のバスセグメント(120)と、イーサネット・データパケットを送受信するための少なくとも1つの第1のインターフェース(40-42)とを備える第1のモジュール(31)であって、前記少なくとも1つの第1のインターフェース(40-42)は前記第1のバスセグメント(120)と電気的に接続されている、第1のモジュール(31)と、
イーサネット・ベースの通信をサポートする第2のバスセグメント(121)と、イーサネット・データパケットを伝送するために、2線ケーブル(100,101)を介して2線インターフェース(91,111)によって外部のイーサネット適合デバイス(90,110)が接続可能な複数の第2のインターフェース(50-52)とを備える第2のモジュール(32)であって、前記第2のインターフェース(50-52)は、電気的に前記第2のバスセグメント(121)と接続されている、第2のモジュール(32)と、
前記インターフェース(40-44;50-52)との間の前記バスセグメント(120,121)を介したイーサネット・データパケットの伝送を制御するように設計された内部制御ユニット(48)と、を含み、
前記第1のモジュール(31)及び前記第2のモジュール(32)は、それぞれ独立したハウジング内に配置されており、それぞれ前記第1のバスセグメント(120)及び前記第2のバスセグメント(121)を電気的に連結するためのインターフェース(47,53)を備える、ことを特徴とするモジュールスイッチ。
【請求項2】
前記第1のモジュール(31)は、光導波路を接続するための少なくとも1つの光学的インターフェース(43,44)を備え、前記光学的インターフェース(43,44)は、電気光学的変換器(45,46)を介して前記第1のバスセグメント(120)と接続されている、及び/又は、前記少なくとも1つの第1のインターフェース(40-42)は、2線又は4線又は8線のケーブル(22)を接続するために設計されている、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュールスイッチ。
【請求項3】
複数の第3のインターフェース(60,63)と、イーサネット・ベースの通信をサポートする第3のバスセグメント(122)とを備える第3のモジュール(33)を備え、前記第3のインターフェース(60,63)は、それぞれ、外部のIO-Linkデバイスを接続するためのIO-Linkインターフェースとして設計され、それぞれ、ゲートウェイ(61,62)を介して前記第3のバスセグメント(122)と接続されており、前記第3のモジュール(33)は独立したハウジング内に配置され、前記第3のバスセグメント(122)を前記第1のバスセグメント(120)又は前記第2のバスセグメント(121)と電気的に連結するための少なくとも1つのインターフェース(64,65)を備える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のモジュールスイッチ。
【請求項4】
複数の第4のインターフェース(70,73)と、イーサネット・ベースの通信をサポートする第4のバスセグメント(123)とを備える第4のモジュール(34)を備え、前記第4のインターフェース(70,73)は、それぞれ、外部のワイヤレス・デバイスを接続するためのワイヤレス・インターフェースとして設計され、それぞれ、ゲートウェイ(71,72)を介して前記第4のバスセグメント(123)と接続されており、前記第4のモジュール(34)は独立したハウジング内に配置され、前記第4のバスセグメント(123)を前記バスセグメント(120-122)のうちの1つと電気的に連結するための少なくとも1つのインターフェース(74,75)を備える、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のモジュールスイッチ。
【請求項5】
前記モジュールの前記ハウジングは、サイド・バイ・サイド配置で互いに隣り合って並置可能である、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のモジュールスイッチ。
【請求項6】
前記モジュールの前記ハウジングは、支持レール上にラッチ可能である、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のモジュールスイッチ。
【請求項7】
前記内部制御ユニット(48)は、前記インターフェース(
50-52;60,63;70,73)との間の前記バスセグメント(
121-123)を介したイーサネット・データパケットの伝送を制御す
る、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のモジュールスイッチ。
【請求項8】
前記内部制御ユニット(48)は、前記第1のモジュール(31)内に実装されている、ことを特徴とする請求項7に記載のモジュールスイッチ。
【請求項9】
少なくとも1つの、請求項1~8のいずれか1項に記載のモジュールスイッチと、2線又は4線又は8線のケーブル(22)を介して前記第1のモジュール(31)の前記第1のインターフェース(40)のうちの1つに接続された制御装置(20)と、イーサネット・データパケットを伝送するために2線ケーブル(100,101)を介して前記第2のモジュール(32)の前記第2のインターフェース(51,52)のうちの1つに接続された、2線インターフェース(91,111)を備える少なくとも1つのイーサネット適合デバイス(90,110)と、を含むデータ伝送及び制御システム(10)。
【請求項10】
前記イーサネット適合デバイス(90,110)は、イーサネット適合I/Oデバイスである、ことを特徴とする請求項9に記載のデータ伝送及び制御システム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、例えば自動化システムのようなデータ伝送及び制御システムにおいて使用することができるモジュールスイッチ、並びに、そのようなモジュールスイッチを備えるデータ伝送及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ごく一般的に、自動化システムは、複数のセンサ及びアクチュエータが、伝送媒体を介して、上位の制御装置とデータを交換することができるという点で際立っている。自動化システムの設置を構造化し単純化するために、いわゆるI/Oモジュールを設けることができ、当該I/Oモジュールは、伝送媒体を介して上位の制御装置と接続され、その際、各I/Oモジュールには、複数のセンサ及びアクチュエータを接続することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の根底にある課題は、データ伝送及び制御システムの容易なスケーリング、並びに、異なる伝送媒体及び種々の通信プロトコルへのデータ伝送及び制御システムの柔軟な適合を可能とする、データ伝送及び制御システムで使用するためのモジュールスイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の核となる着想は、モジュールから柔軟に構築可能なスイッチを創作する点に見ることができ、当該スイッチにおいては、内部の通信、すなわちモジュール間の、特にモジュールのインターフェース又は接続ポート間の、及び好ましくは、モジュールスイッチに接続された外部の制御装置へのイーサネット(登録商標)通信プロトコルに従った通信が行われ、その一方で、モジュールのインターフェース間の、及び、これらのインターフェースに接続された電子又は電気デバイス間の通信は、異なる伝送媒体を介して行われ得る。
【0005】
上述した技術的な課題は、一方では、請求項1の特徴によって解決される。
【0006】
それによれば、データ伝送及び制御システムで使用するためのモジュールスイッチが提供され、当該モジュールスイッチは以下の特徴を含む:
イーサネット・ベースの通信をサポートする第1のバスセグメントと、イーサネット・データパケットを送受信するための少なくとも1つの第1のインターフェースと、を備え、少なくとも1つの第1のインターフェースが第1のバスセグメントと電気的に接続されている、第1のモジュール、
イーサネット・ベースの通信をサポートする第2のバスセグメントと、イーサネット・データパケットを伝送するために、2線ケーブルを介して2線インターフェースによって外部のイーサネット適合デバイスが接続可能な複数の第2のインターフェースと、を備える第2のモジュール
【0007】
このようにして、第2のバスセグメントと、それぞれの外部のイーサネット適合デバイスとの間でのイーサネット通信が可能となり得る。第2のインターフェースは、第2のバスセグメントと電気的に接続されており、第1のモジュール及び第2のモジュールは、それぞれ独立したハウジング内に配置され、それぞれ第1及び第2のバスセグメントを電気的に連結するためのインターフェースを備える。第2のモジュールの第2のインターフェース及びイーサネット適合デバイスの2線インターフェースは、それぞれ例えば、シングルペア・イーサネット・インターフェースであることができ、2線ケーブルは、シングルペア・イーサネット・ケーブルとして設計することができる。
【0008】
データ伝送及び制御システムは、例えば、産業用自動化システム又は建築用自動化システムであることができ、外部のイーサネット適合デバイスは、例えばセンサ又はアクチュエータのようなイーサネット適合I/Oデバイスであることができる点に留意されたい。
【0009】
第1のモジュールは、光導波路を接続するための少なくとも1つの光学的インターフェースを備え、光学的インターフェースは、電気光学的変換器を介して第1のバスセグメントと接続されている、及び/又は、少なくとも1つの第1のインターフェースは、2線又は4線又は8線のケーブルを接続するために設計することができる。
【0010】
有利な発展形態によれば、モジュールスイッチは、第3のモジュールによって拡張することができ、当該第3のモジュールは、複数の第3のインターフェースと、イーサネット・ベースの通信をサポートする第3のバスセグメントとを備え、第3のインターフェースは、それぞれ、外部のIO-Linkデバイスを接続するためのIO-Linkインターフェースとして設計され、それぞれ、ゲートウェイを介して第3のバスセグメントと接続されており、第3のモジュールは独立したハウジング内に配置されており、第3のバスセグメントを第1又は第2のバスセグメントと電気的に連結するための少なくとも1つのインターフェースを備える。
【0011】
有利な発展形態によれば、モジュールスイッチは、任意に又は付加的に、第4のモジュールによって拡張することができ、当該第4のモジュールは、複数の第4のインターフェースと、イーサネット・ベースの通信をサポートする第4のバスセグメントとを備え、第4のインターフェースは、それぞれ、外部のワイヤレス・デバイスを接続するためのワイヤレス・インターフェースとして設計され、それぞれ、ゲートウェイを介して第4のバスセグメントと接続されており、第4のモジュールは独立したハウジング内に配置されており、第4のバスセグメントをバスセグメントのうちの1つと電気的に連結するための少なくとも1つのインターフェースを備える。
【0012】
コンパクトな設計を可能とするために、モジュールのハウジングは、サイド・バイ・サイド配置で互いに直接的に隣り合って並置可能であることができる。モジュールのハウジングは、例えば、モジュールの機械的な組み立てを容易にする機械的なラッチ要素を備えることができる。
【0013】
有利な発展形態によれば、モジュールのハウジングは、ラッチ要素を備えることができ、当該ラッチ要素によって、ハウジングは、支持レールにラッチされ得る。
【0014】
有利な発展形態によれば、モジュールスイッチは、インターフェースへの又はインターフェースからのバスセグメントを介したイーサネット・データパケットの伝送を制御するように設計された、内部の制御ユニットを備える。好ましくは、内部の制御ユニットは、第1のモジュール内に実装されている。内部の制御ユニットが、独立したモジュール、又は、モジュールスイッチの第2~第4のモジュールのうちの1つに実装されることも考えられる。
【0015】
実用的な発展形態によれば、第1のモジュールは、それぞれ光導波路を接続するための複数の光学的インターフェースを備えることができ、光学的インターフェースは、それぞれ、電気光学的変換器を介して、第1のバスセグメントと接続されている。付加的に又は任意に、それぞれの光導波路を接続するための光学的インターフェースを、第2の及び/又は第3の及び/又は第4の及び/又は更なるモジュール内に実装することができ、その際、各光学的インターフェースは、次いで、電気光学的変換器、すなわち媒体変換器を介して、対応するバスセグメントと接続される。
【0016】
上述した技術的な課題は、他方では、請求項9の特徴によって解決される。
【0017】
それによれば、先行する請求項1~8のうちの1つによるモジュールスイッチを少なくとも1つ含むデータ伝送及び制御システムが提供される。更に、データ伝送及び制御システムは、2線又は4線又は8線のケーブルを介して第1のモジュールの第1のインターフェースのうちの1つに接続された制御装置と、イーサネット・データパケットを伝送するために2線ケーブルを介して第2のモジュールの第2のインターフェースのうちの1つに接続された、2線インターフェースを備える少なくとも1つのイーサネット適合デバイス、特にイーサネット適合I/Oデバイスと、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明が、以下において、単一の図面と関連する実施例に基づいて、詳細に説明される。
【0019】
図面には、例示的なデータ伝送及び制御システム10が示されており、これは例えば産業用自動化システムであり得る。例示的な自動化システム10は、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)として設計され得る、上位のイーサネット適合制御装置20を含む。更に、例示的な自動化システム10は、少なくとも1つのモジュールスイッチ30を備えることができる。「イーサネット適合」という表現は、好ましくは、通信のための装置が、標準イーサネット通信プロトコルに従って設計されていることを意味すると解釈されるべきである。
【0020】
モジュールスイッチ30は第1のモジュール31を備え、当該第1のモジュールは、第1のバスセグメント120と、少なくとも1つの第1のイーサネット・ベースのインターフェース、好ましくは複数の第1のイーサネット・ベースのインターフェース40~42とを備え、これらには、それぞれ、外部の電子デバイスを接続するための2線又は4線又は8線のケーブル22が接続可能である。第1のインターフェース40~42は、第1のバスセグメント120と電気的に接続されている。第1のバスセグメント120及び2線又は4線又は8線のケーブルを介して、好ましくはイーサネット・データパケットを、標準イーサネット通信プロトコルに従って伝送することができる。3つの第1のインターフェース40~42は、例えばRJ45ソケットとして設計され得る。制御装置20は、イーサネット・ベースのインターフェース21を備える。したがって、例えば、2線又は4線又は8線のケーブル22を介してイーサネット・データパケットを送受信するための制御装置20は、第1のモジュール31の第1のインターフェース40と電気的に接続され得る。
【0021】
図示された実施例では、第1のモジュール31は、それぞれ光導波路を接続するための光学的インターフェース43及び44をも備えることができる。2つの光学的インターフェース43及び44は、それぞれ、電気光学的変換器45又は46を介して第1のバスセグメント120と接続されている。電気光学的変換器は、ここでは媒体変換器として機能する。
【0022】
モジュールスイッチ30は第2のモジュール32を含み、当該第2のモジュールは、第2のバスセグメント121と、複数の第2のインターフェース50~52とを備え、これらには、それぞれ、外部のイーサネット適合デバイス、特にイーサネット適合I/Oデバイスが、2線ケーブルを介して2線インターフェースによって接続可能である。第2のインターフェース50~52は、それぞれ第2のバスセグメント121と接続されており、2線ケーブルを介して受信されたイーサネット・データパケットを、4線又は8線ケーブルを介して伝送するために、及び、その逆の目的のために変換するという、2線式変換器の機能を実行することができる。
【0023】
図示されているのは、それぞれが2線インターフェース91又は111を備える2つの外部のイーサネット適合I/Oデバイス90,110である。2線インターフェース91及び111は、RJ45ソケットとして設計されることができ、インターフェース91は2線ケーブル100を介してI/Oデバイス90と、インターフェース111は2線ケーブル101を介してI/Oデバイス110と、それぞれ接続され得る。イーサネット適合I/Oデバイス90は、温度センサであることができ、イーサネット適合I/Oデバイス110は、例えばアクチュエータであることができる。第2のバスセグメント121並びに2線ケーブル100及び101を介して、イーサネット・データパケットが伝送され得る。第2のモジュール32の第2のインターフェース50~52及びイーサネット適合デバイス90又は110の2線インターフェース91及び111は、それぞれ例えば、シングルペア・イーサネット・インターフェースであることができ、2線ケーブル100及び101は、シングルペア・イーサネット・ケーブルとして設計され得る。
【0024】
第1のモジュール31及び第2のモジュール32は、それぞれ独立したハウジング内に配置されており、それぞれ、第1のバスセグメントを第2のバスセグメントと電気的に連結するためのインターフェース47又は53を備えている。第1のバスセグメント120はインターフェース47で終端し、第2のバスセグメント121はインターフェース53で終端している。インターフェース47及び53は、モジュール31及び32のハウジングが、サイド・バイ・サイド配置で互いに直接的に隣り合うように並置可能であり、2つのバスセグメント120及び121が、組み立てられた状態において電気的に互いに接続されるように、対向するハウジング側面に配置されている。第2のバスセグメント121は、その第2の端部において、ハウジングの反対側の側面に配置され、更なるモジュールのバスセグメントとの電気的な連結のために設計された、更なるインターフェース54と接続されている。
【0025】
モジュールスイッチ10は、例えば第2のモジュール32と、しかしながら第1のモジュール31とも接続され得る、第3のモジュール33によって、拡張することができる。第3のモジュール33は、複数の第3のインターフェース60,63及び第3のバスセグメント122を備え、当該第3のバスセグメントを介して、好ましくは、イーサネット・データパケットが、標準イーサネット通信プロトコルに従って伝送され得る。第3のインターフェース60,63は、それぞれ、外部のIO-Linkデバイスが接続され得るIO-Linkインターフェースとして設計されている。IO-Linkデバイスは、上位の制御装置20と通信することができるインテリジェント・センサ又はアクチュエータであることができる。IO-Linkインターフェース60は、ゲートウェイ61を介して第3のバスセグメントと電気的に接続されており、他方のIO-Linkインターフェース63は、ゲートウェイ62を介して第3のバスセグメント122と電気的に接続されている。IO-Linkインターフェース60及びゲートウェイ61、又は、IO-Linkインターフェース63及びゲートウェイ62が、それぞれ単一のアセンブリを構成することも考えられる。言うまでもなく、第3のモジュール33は、2つより多くのIO-Linkインターフェースを備えることもできる。ゲートウェイ61及び62は、特に、IO-Link通信プロトコルをイーサネット通信プロトコルに及びその逆に変換するプロトコル変換器として機能し、その結果、IO-Linkデバイスは、モジュールスイッチ30を介して、上位のイーサネット適合制御装置20と、データを交換することができる。
【0026】
第3のモジュール33は、これまた同様に独立したハウジング内に配置されており、例えば第2のモジュール32の第2のバスセグメント121との電気的な連結のための、第3のバスセグメント122を終端させるインターフェース64を備えている。インターフェース64及び54は、モジュール32及び33のハウジングが、サイド・バイ・サイド配置で互いに直接的に隣り合うように並置可能であり、2つのバスセグメント121及び122が、組み立てられた状態において電気的に互いに接続されるように、対向するハウジング側面に配置されている。第3のバスセグメント122は、その第2の端部において、ハウジングの反対側の側面に配置され、更なるモジュールのバスセグメントとの電気的な連結のために設計された、更なるインターフェース65と接続されている。
【0027】
図示された実施例では、モジュールスイッチ30は、例えば第3のモジュール33と接続され得る第4のモジュール34によって、拡張することができる。第4のモジュール34は、複数の第4のインターフェース70,73及び第4のバスセグメント123を備えている。第4のインターフェース70,73は、それそれ外部の無線デバイスが接続され得る、ワイヤレス・インターフェースとして設計され得る。ワイヤレス・インターフェース70及び73は、ゲートウェイ71又はゲートウェイ72を介して、第4のバスセグメント123と電気的に接続され得る。ワイヤレス・インターフェース70及びゲートウェイ71、又は、ワイヤレス・インターフェース73及びゲートウェイ72が、それぞれ単一のアセンブリを構成することも考えられる。言うまでもなく、第4のモジュール34は、2つより多くのワイヤレス・インターフェースを備えることもできる。ゲートウェイ71及び72は、特に、これまた同様にワイヤレス又は無線通信プロトコルをイーサネット通信プロトコルに及びその逆に変換するプロトコル変換器として機能し、その結果、ワイヤレス・デバイスは、モジュールスイッチ30を介して、上位のイーサネット適合制御装置20と、データを交換することができる。
【0028】
第4のモジュール34は、これまた同様に独立したハウジング内に配置されており、例えば第3のモジュール33の第3のバスセグメント122との電気的な連結のための、第4のバスセグメント123を終端させるインターフェース74を備えている。インターフェース74及び65は、モジュール33及び34のハウジングが、サイド・バイ・サイド配置で互いに直接的に隣り合うように並置可能であり、2つのバスセグメント122及び123が、組み立てられた状態において電気的に互いに接続されるように、対向するハウジング側面に配置されている。第4のバスセグメント123は、その第2の端部において、ハウジングの反対側の側面に配置され、更なるモジュールのバスセグメントとの電気的な連結のために設計された、更なるインターフェース75と接続されている。
【0029】
モジュール31~34及びそれらの電気及び/又は電子部品にエネルギーを供給することを可能とするために、例えばモジュール34と連結され得る更なるモジュール35が設けられ得る。モジュール35は、更なるバスセグメント124に加えて、例えば外部の24V直流電源が接続され得る2つの接続部を備えている。効率的な実施では、バスセグメント120~124を介して供給電圧がそれぞれのモジュールに伝送され得ることが、意図されている。この場合、2つの接続部80及び81は、バスセグメント124と電気的に接続されている。バスセグメント124は、隣接するモジュールのバスセグメントと電気的に接続されることを可能とするために、両端において、それぞれインターフェース83又は82と接続され得る。
【0030】
モジュール31~35のハウジングは、ラッチ要素を備えることができ、その結果、モジュールのハウジングは、機械的にも互いに連結可能である。モジュール31~35が組み立てられた状態において、バスセグメント120~124は、イーサネット・データパケットを伝送するための、あるいは、エネルギーを伝送するための、バスを形成する。
【0031】
実用的には、モジュール31~35のハウジングは、支持レール(図示せず)上にラッチするためのラッチ手段を備えることができる。この場合、バスセグメント120~124は、支持レールの長手方向軸に対して平行に延びる。
【0032】
上位の制御装置20と、第1のインターフェース40~42、及び/又は、光学的インターフェース43及び44、及び/又は、第2のインターフェース50~52、及び/又は、第3のインターフェース60,63、及び/又は、第4のインターフェース70,73に接続されたI/Oデバイスとの間で、データを交換することを可能とするために、バスセグメント120~123を介して伝送されたイーサネット・データパケットの、対応するインターフェース又は対応するゲートウェイへの転送を制御するように設計された、スイッチ内制御ユニット48が設けられている。好ましくは、内部制御ユニット48は、第1のモジュール31内に配置されている。
【0033】
このように、例示的に図示されたデータ伝送及び制御システム10は、例えば、モジュールスイッチ30と、4線又は8線のケーブル22を介してモジュールスイッチ20のインターフェース40と接続されたイーサネット適合制御装置20と、2線ケーブル100,101を介して第2のモジュール32のインターフェース51,52とそれぞれ接続された2つのイーサネット適合I/Oデバイス90,110と、を備えている。
【0034】
既に述べたように、イーサネット適合I/Oデバイス90は、例えばマイクロコントローラとして設計され得る制御ユニット92の制御下で、デジタル測定値をイーサネット・データパケットにパックし、2線イーサネット・インターフェース91、2線ケーブル100、第2のインターフェース51及び2つのバスセグメント121及び120を介して、並びに、第1のインターフェース40を介して、上位の制御装置20に伝送することができる、温度センサであることができる。
【0035】
モジュール式に構築されたスイッチ30によって、データ伝送及び制御システム10は、使用可能な伝送媒体及び適用可能な通信プロトコルに関する高い柔軟性、並びに、高度のスケーラビリティを具備している。更に、モジュールスイッチ30によって、データ伝送及び制御システム10、したがって特に産業用自動化システムは、通常はI/Oフィールドデバイスが接続されるI/Oモジュールを使用することなく、設置され得る。