(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】動力車両のための投影アセンブリ及び前記投影アセンブリを調整するための方法
(51)【国際特許分類】
F21S 41/29 20180101AFI20240115BHJP
F21S 41/141 20180101ALI20240115BHJP
F21S 41/25 20180101ALI20240115BHJP
F21S 41/63 20180101ALI20240115BHJP
F21V 14/06 20060101ALI20240115BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20240115BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240115BHJP
F21W 102/135 20180101ALN20240115BHJP
【FI】
F21S41/29
F21S41/141
F21S41/25
F21S41/63
F21V14/06
F21V5/00 320
F21Y115:10
F21W102:135
(21)【出願番号】P 2021578053
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(86)【国際出願番号】 EP2020068164
(87)【国際公開番号】W WO2021001283
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-02-22
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒマ、ニジャエ
(72)【発明者】
【氏名】パスカル、ガリン
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン、オーベル
(72)【発明者】
【氏名】クレマン、オルチェビスキー
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-185971(JP,A)
【文献】実開平02-014603(JP,U)
【文献】特開2014-175102(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0288696(US,A1)
【文献】特開平06-325603(JP,A)
【文献】特開2016-018112(JP,A)
【文献】特開昭56-002526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 1/00- 8/00
F21V 9/00-15/04
F21Y 115/10
F21W 102/135
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸(I)に沿って光のビームを投影する投影アセンブリ(1)であって、
- 第1サブアセンブリ(11)と呼ばれる、光線を生成するためのサブアセンブリ(11)と、
- 第2サブアセンブリ(12)と呼ばれる、収束レンズ(120)を含むサブアセンブリ(12)と、を備え、
前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)は、前記第1サブアセンブリ(11)から発せられる前記光線が前記収束レンズ(120)に向かって送られ、前記収束レンズ(120)を出る前記光線が前記光のビームを形成するように、互いに対して配置され、
前記投影アセンブリ(1)は、前記第1サブアセンブリ(11)を前記第2サブアセンブリ(12)に接続する少なくとも1つの接続システム(13)であって、少なくとも前記光軸(I)に平行な第1方向(X)への前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)の一方の他方に対する並進移動を許容する少なくとも1つの接続システム(13)を備え、
前記接続システム(13)は、前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)が互いに対して不動である第1位置と、前記並進移動を許容する第2位置との間で移動することができるロック部材(133)を備え、
2つの接続システム(13)を備え、当該2つの接続システム(13)は、同一であり、前記光軸(I)の両側に1つずつ、特に前記光軸(I)に関して対称的に、配置されることを特徴とする、投影アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記接続システム(13)は、前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)のいずれか一方に作られる穴(131)と、前記第1方向(X)に細長い形状を持ち且つ前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)のうちの他方に作られるオリフィス(132)とを含み、前記穴(131)及び前記オリフィス(132)は互いに向き合って配置されており、前記ロック部材はネジ(133)を含み、当該ネジ(133)は、前記穴(131)及び前記オリフィス(132)に挿入され、前記第1位置と前記第2位置との間で動くことができ、前記第1位置において、前記ネジ(133)は前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)を互いに対してクランプしてそれらを互いに対して不動にするようにし、前記第2位置において、前記ネジ(133)は緩められて前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)の互いに対する相対的な移動を許容するようにすることを特徴とする請求項1に記載の投影アセンブリ(1)。
【請求項3】
前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)の互いに対する前記第1方向(X)への並進移動の大きさを制限するエンドストップ部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の投影アセンブリ(1)。
【請求項4】
前記第1方向(X)を横切る第2方向(Y)への前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)の互いに対する前記並進移動を阻止するように配置される少なくとも1つの並進案内システム(14)を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の投影アセンブリ(1)。
【請求項5】
前記並進案内システム(14)は、前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)のいずれか一方に作られるスタッド(141)と、前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)の他方に作られるスロット(142)と、を含み、前記スロット(142)は、前記第1方向(X)に延び、前記第2方向(Y)に測定される前記スロット(142)の幅が、同様に前記第2方向(Y)に測定される前記スタッド(141)の横方向寸法と実質的に等しくなるように配置され、前記スロット(142)は、前記スタッド(141)が前記スロット(142)において前記第1方向(X)にスライドすることを許容するように配置されることを特徴とする請求項4に記載の投影アセンブリ(1)。
【請求項6】
前記第1方向(X)を横切る軸(J)を中心とした前記第2サブアセンブリ(12)に対する前記第1サブアセンブリ(11)の回転を阻止するように配置される少なくとも1つの回転防止案内システム(15)を備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の投影アセンブリ(1)。
【請求項7】
光軸(I)に沿って光のビームを投影する投影アセンブリ(1)であって、
- 第1サブアセンブリ(11)と呼ばれる、光線を生成するためのサブアセンブリ(11)と、
- 第2サブアセンブリ(12)と呼ばれる、収束レンズ(120)を含むサブアセンブリ(12)と、を備え、
前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)は、前記第1サブアセンブリ(11)から発せられる前記光線が前記収束レンズ(120)に向かって送られ、前記収束レンズ(120)を出る前記光線が前記光のビームを形成するように、互いに対して配置され、
前記投影アセンブリ(1)は、前記第1サブアセンブリ(11)を前記第2サブアセンブリ(12)に接続する少なくとも1つの接続システム(13)であって、少なくとも前記光軸(I)に平行な第1方向(X)への前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)の一方の他方に対する並進移動を許容する少なくとも1つの接続システム(13)を備え、
前記接続システム(13)は、前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)が互いに対して不動である第1位置と、前記並進移動を許容する第2位置との間で移動することができるロック部材(133)を備え、
前記第1方向(X)を横切る
横軸(J)を中心とした前記第2サブアセンブリ(12)に対する前記第1サブアセンブリ(11)の回転を阻止するように配置される少なくとも1つの回転防止案内システム(15)を備え、
前記回転防止案内システム(15)は、前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)のいずれか一方によって支持されるフィンガー(151)と、前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)の他方に配置されるベアリング面(152)とを含み、前記ベアリング面(152)は、前記第1方向(X)に延びており、前記ベアリング面(152)が、前記第1方向(X)に垂直で且つ前記横軸(J)に直交する第3方向(Z)の一意的な前記フィンガーの動きを阻止するように、前記フィンガー(151)は前記ベアリング面(152)に対してもたれることを特徴とする投影アセンブリ(1)。
【請求項8】
前記回転防止案内システム(15)は、前記第3方向(Z)に前記フィンガー(151)の両側に1つずつ配置される2つの前記ベアリング面を含むことを特徴とする請求項7に記載の投影アセンブリ(1)。
【請求項9】
前記回転防止案内システム(15)は溝(150)を有し、当該溝(150)は、前記第1方向(X)に平行な且つ前記第3方向(Z)に平行な第1平面において延びる底部(153)と、前記底部(153)から前記第1平面に垂直な第2平面において延びる2つの側部(152)とを含み、前記ベアリング面は前記側部(152)にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項8に記載の投影アセンブリ(1)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれ一項に記載の投影アセンブリを備える車両ヘッドランプ。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか一項に記載の投影アセンブリ(1)を調整する方法であって、
- 前記投影アセンブリ(1)によって発せられる光のビームを、前記投影アセンブリ(1)から離れた面に投影し、前記第1サブアセンブリは、前記第2サブアセンブリに対する移動に関して阻止される、ステップと、
- 前記光のビームの投影の視覚的外観を評価するステップと、
- 前記光のビームが不適合である場合、前記第2サブアセンブリ(12)に対する前記第1サブアセンブリ(11)の阻止を解除するステップと、
- 前記第1方向(X)に並進的に、前記第1サブアセンブリ(11)を前記第2サブアセンブリ(12)に対して移動させる及び/又は前記第2サブアセンブリ(12)を前記第1サブアセンブリ(11)に対して移動させるステップと、
- 前記
面に投影される前記光のビームの視覚的外観を再度評価するステップと、
- 前記光のビームが不適合である場合、前記第1方向(X)に並進的に、前記第1サブアセンブリ(11)を前記第2サブアセンブリ(12)に対して移動させる及び/又は前記第2サブアセンブリ(12)を前記第1サブアセンブリ(11)に対して移動させる
並進移動ステップを繰り返すステップと、
- 前記光のビームが適合である場合、前記第2サブアセンブリ(12)に対して前記第1サブアセンブリ(11)を阻止するステップと、
によって特徴付けられる方法。
【請求項12】
前記第2サブアセンブリ(12)に対する前記第1サブアセンブリ(11)の阻止を解く前記ステップは、前記ロック部材(133)を前記第2位置に調整することを含み、前記第2サブアセンブリ(12)に対して前記第1サブアセンブリ(11)を阻止する前記ステップは、前記ロック部材(133)を前記第1位置に調整することを含むことを特徴とする請求項11に記載の調整方法。
【請求項13】
前記並進移動ステップの間、第2方向(Y)及び第3方向(Z)である方向のうちの少なくとも1つにおいて、前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)の互いに対する前記並進移動が阻止され、前記第2方向(Y)は前記第1方向(X)を横切り、前記第3方向(Z)は前記第1方向(X)及び前記第2方向(Y)に対して横切ることを特徴とする請求項11又は12に記載の調整方法。
【請求項14】
前記並進移動ステップの間、前記第1方向(X)を横切る軸(J)を中心とした前記第2サブアセンブリ(12)に対する前記第1サブアセンブリ(11)の回転が阻止されることを特徴とする請求項11~13のいずれか1項に記載の調整方法。
【請求項15】
請求項1~9のいずれか一項に記載の投影アセンブリ(1)を調整するための請求項11~14のいずれか一項に記載の調整方法を実施するための調整装置であって、前記投影アセンブリ(1)の前記第1サブアセンブリ(11)を受け入れることを意図された第1支持部と、前記投影アセンブリ(1)の前記第2サブアセンブリ(12)を受け入れることを意図された第2支持部と、を備え、前記第1支持部及び前記第2支持部は、前記第1方向(X)へ互いに対し並進的に移動することができ且つ前記第1サブアセンブリ(11)と前記第2サブアセンブリ(12)との間の接続を維持することができるように、配置されていることを特徴とする調整装置。
【請求項16】
前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)の前記第1方向(X)における互いに対する前記並進移動の大きさを制限するエンドストップ部を備えることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記投影アセンブリ(1)が前記装置に配置される場合に、前記第1サブアセンブリ(11)及び前記第2サブアセンブリ(12)の互いに対する前記並進移動が、第2方向(Y)及び第3方向(Z)である方向のうちの少なくとも1つにおいて阻止され、前記第2方向(Y)は前記第1方向(X)に対して横切り、前記第3方向(Z)は前記第1方向(X)及び前記第2方向(Y)に対して横切るように配置される並進阻止部材を備えることを特徴とする請求項15又は16に記載の装置。
【請求項18】
前記投影アセンブリ(1)が前記装置に配置される場合に、前記第1方向(X)に対して横切る軸(J)を中心とした前記第2サブアセンブリ(12)に対する前記第1サブアセンブリ(11)の回転が阻止されるように、配置される回転阻止部材を備えることを特徴とする請求項15~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記ロック部材(133)を前記第1位置に又は前記第2位置に調整することが意図される調整部材を備えることを特徴とする請求項15~18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記投影アセンブリ(1)によって発せられる前記光のビームを視覚的にチェックするためのビジュアルチェックシステムと、前記第1支持部、前記第2支持部、及び前記ビジュアルチェックシステムに接続される中央制御ユニットとを備え、前記中央制御ユニットは、前記ビジュアルチェックシステムから
の信号に応じて、前記第1支持部及び前記第2支持部の相対的な移動を指令することを特徴とする請求項15~19のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力車両照明の分野に関する。特に、発明は、照明機能を、例えばヘッドランプロービーム機能を、実行する光のビームを投影する投影アセンブリに関する。また発明は、前記アセンブリによって発せられる光のビームの視覚的外観を改善するために、前記投影アセンブリを調整するための方法に関する。発明は、最後に、前記方法を実施する調整装置に関する。
【発明の概要】
【0002】
自動車照明の分野において、特にヘッドランプロービーム、又はパッシングビーム、又はヘッドランプハイビームを放射するように設計された、光投影モジュールとしても知られている、光のビームを投影するためのアセンブリが知られている。
【0003】
投影アセンブリは、光のビームの所望の目的に応じて、多様で様々な光学素子を含んでいてもよい。
【0004】
一例として、ロービームの「パッシング」機能を実行する光のビームを得るために、投影アセンブリは、光のビームにカットオフ(cut-off)を形成するために、1つ以上の光源、1つ以上のリフレクタ及び1つ以上のシールドを含んでいてもよい。
【0005】
別の既知の例は、ロービームとハイビームを生成することができるデュアル機能投影アセンブリである。例えば、投影アセンブリは取り外し可能なシールドを含んでいてもよく、当該シールドは、シールドがアセンブリの光源によって生成されたビームを隠さない第1位置から、光源によって生成された放射ビームの一部を隠す第2位置へと通過できる。
【0006】
前述の両例では、ロービーム用のビームカットオフの形状は、光源で生成されたビームの一部を遮断するシールドの形状に対応している。ロービームで気付かれるカットオフラインは、カットオフエッジとして知られるシールドの一エッジのイメージである。
【0007】
ロービームは、投影アセンブリの一部を構成する収束レンズによって道路上に投影される。
【0008】
投影アセンブリにおけるロービームのカットオフラインに沿った色収差の問題が知られている。色収差は一般的に、波長に応じたレンズの屈折率の変化によるものであり、それは「青」焦点としても知られる「青」の波長の焦点が、「赤焦点」としても知られる「赤」の波長の焦点から光軸に沿ってオフセットされるという結果としてもたらされる効果を有する。
【0009】
その結果、収束レンズの上流で、カットオフエッジが「青」焦点の近くに位置する場合、ロービームカットオフラインは青に近い色を示しうる。同様に、カットオフエッジが「赤」焦点に近い位置にある場合、カットオフラインは赤に近い色になる。
【0010】
そのような色収差の問題は、光のビームの視覚的品質を低下させる。また、このビームは、投影アセンブリが適合しなければならない規制に適合しないおそれがある。具体的には、赤という色は多くの規定で受け入れられない色であることが多い。特に、赤は、理論的には車両後方の信号灯に確保される。したがって、カットオフエッジが赤焦点に近すぎる位置にあると、投影アセンブリの承認(ホモロゲーション)の際にロービームが拒絶されるリスクがある。
【0011】
青色は、青色の強度が上限値未満のままであることを条件に、規定で認められている。そのため、青色の強度がこの上限値を超えると、光のビームがそのために規制に適合しなくなる。また、青色は光のビームの視覚的な心地よさを損ない、したがってドライバーに嫌われる。
【0012】
したがって発明の1つの目的は、色収差又はフリンジの問題を是正することができる投影アセンブリを提案することである。
【0013】
この目的のために、発明の第1の主題は、光軸に沿って光のビームを投影する投影アセンブリであって、この投影アセンブリは、:
- 第1サブアセンブリと呼ばれる、光線を発生させるためのサブアセンブリ、及び
- 第2サブアセンブリと呼ばれる、収束レンズを含むサブアセンブリ、
を備え、
第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリは、第1サブアセンブリから発せられる光線が収束レンズに向かって送られて前記収束レンズから出た光線が光のビームを形成するように、互いに対して相対的に配置されている。
【0014】
発明によれば、投影アセンブリは、第1サブアセンブリを第2サブアセンブリに接続し、少なくとも第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリの一方の他方に対する光軸に平行な第1方向への並進移動を許容する少なくとも1つの接続システムを備え、接続システムは、第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリが互いに対して相対的に不動である第1位置と、前記並進移動を許容する第2位置との間で移動可能なロック部材を備える。
【0015】
このように、接続システムによって、2つのサブアセンブリ間の第1方向に測定された距離は、得られるものが色収差を、たとえあったとしても、ほとんど示さない光のビームになるまで調整されることができ、それによって前記ビームの視覚的外観を改善することができる。さらに、接続システムは、動きの自由度を制限し、この調整を容易にすることができる。
【0016】
カットオフを有するビームを生成する投影アセンブリの例では、シールドのカットオフエッジが規制で認められた色に関する焦点に近くなるまで、2つのサブアセンブリ間の距離が変更される。このようにして形成された光のビームは、フリンジが非常に小さく且つ許容される色のカットオフラインを含む。そのため、光のビームは規制の測色基準を満たす。
【0017】
さらに、発明により提案される解決策は、シンプルなカットオフエッジを有するシールドを含む、あらゆるタイプのシールドに適している。その提案される解決策は、高性能ではあるものの、高度で高価なシールドを必要としなくすることを可能にする。
【0018】
発明による投影アセンブリは、任意に、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでいてもよい:
- 接続システムは、第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリのいずれか一方に作られた穴と、第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリの他方に作られた第1方向に細長いオリフィスとを含み、穴とオリフィスは互いに向き合って配置され;さらに、ロック部材は、穴及びオリフィスに挿入され且つ第1位置と第2位置との間で移動できるネジを含み、第1位置では、ネジが第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリを互いに固定してそれらを互いに対して不動にするようにし、第2位置では、ネジが緩められて第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリの互いに対する相対的な移動を許容し;それによって、ネジの位置に関わらず、第1サブアセンブリと第2サブアセンブリは互いに接続されたままであり;言い換えれば、これら2つのサブアセンブリの完全な分離が、それらの間の距離を調整する間、回避され;これにより、前記調整後に2つのサブアセンブリを素早く動かなくさせる際の時間を節約することが可能となる;
- 投影アセンブリは、第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリの互いに対する第1方向への並進移動の大きさを制限するエンドストップ部を含み、したがって、エンドストップ部は、2つのサブアセンブリの第1方向への並進移動が、前記サブアセンブリ間の接続が切断されるリスクがある限界を超えないようにすることを保証する安全対策となっている;
- 例として、第1サブアセンブリと第2サブアセンブリの第1方向への相対的な並進移動が最大の大きさに達したときに、穴がオリフィスの取り囲み部分に留まるようにエンドストップ部が配置されているので、2つのサブアセンブリ間のどのような距離に関しても、ネジは常に穴とオリフィスの両方に挿入されたままである;
-投影アセンブリは2つの接続システムを備え、当該2つの接続システムは、同一であり、光軸の両側に1つずつ、特に光軸に対して対称に、配置されており;それによって2つの接続システムは、2つのサブアセンブリ間の接続を強化する;
- 投影アセンブリは、第1方向に対して横切る、特に実質的に垂直な、第2方向への第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリの互いに対する並進移動を阻止するように配置された少なくとも1つの並進案内システムを備え;したがって、並進案内システムは、2つのサブアセンブリの横方向の相対的な移動を阻止するが、これは、ある例において、光のビームの色収差の問題を修正するために、前記横方向の移動が必要ではないためである;
- 前パラグラフによれば、並進案内システムは、第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリの一方に作られたスタッドと、第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリの他方に作られたスロットとを備え、前記スロットは、第1方向に延び、第2方向に測定されたスロットの幅が、同様に第2方向に測定されたスタッドの横方向の寸法と実質的に等しくなるように配置され、スロットは、スタッドがスロットにおいて第1方向へスライドすることを許容するように配置され;そしてこれは、シンプルでありながら、効果的で安価な、並進案内システムの実施形態である;
- 投影アセンブリは少なくとも1つの回転防止案内システムを備え、当該少なくとも1つの回転防止案内システムは、第1方向に対して横切る、特に実質的にチョックする軸を中心とした第2サブアセンブリに対する第1サブアセンブリの回転を阻止するように配置され;ある例では、第1サブアセンブリによって支持される光源と第2サブアセンブリによって支持されるレンズとの間の回転は、投影アセンブリから出る光線の経路の変更につながるため、光のビームがその形状及び/又はその明るさを失うリスクがあり;したがって、前記回転を阻止することが必要である;
- 前パラグラフによれば、回転防止案内システムは、第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリのいずれか一方によって支持されるフィンガーと、第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリの他方に配置されるベアリング面とを備え、ベアリング面は第1方向に延び、フィンガーはベアリング面にもたれて、ベアリング面が第1方向に垂直で且つ横軸に直交する第3方向の一意的なフィンガーの動きを阻止するようになっており;これは、シンプルでありながら効果的な回転防止案内システムの例示的な一実施形態である;
- 前パラグラフによれば、回転防止案内システムは、第3方向にフィンガーの両側に1つずつ配置される2つの前記ベアリング面を含み;このようにして作られた回転防止案内システムは、2つのサブアセンブリの横軸を中心とした回転だけでなく、前記サブアセンブリの第3方向への、特に垂直方向への、移動も防止し;したがってこの案内システムは、2つの異なる阻止機能を果たす;
- 前パラグラフによれば、回転防止案内システムは、第1方向に平行な及び第3方向に平行な第1平面において延びる底部と、底部から第1平面に垂直な第2平面において延びる2つの側部とを含む溝を有し、前記側部にベアリング面がそれぞれ配置されており;そしてこれは、シンプルではあるが、効果的な回転防止案内システムの実施形態となっている。
【0019】
発明の別の主題は、発明による投影アセンブリを含む車両ヘッドランプに関する。このように、発明によるヘッドランプは、色収差の問題がない良好な視覚品質の光ビームを生成する。
【0020】
発明の別の主題は、発明による投影アセンブリを調整するための方法に関する。前記方法は、以下のステップを含む:
- 前記投影アセンブリによって発せられる光のビームを、前記投影アセンブリから離れた表面に投影し、第1サブアセンブリは、第2サブアセンブリに対する移動に関して阻止される;
- 光のビームの投影の視覚的外観を評価する;
- 光のビームが不適合である場合、第2サブアセンブリに対する前記第1サブアセンブリの阻止を解く;
- 第1サブアセンブリを第2サブアセンブリに対して移動させ及び/又は第2サブアセンブリを第1サブアセンブリに対して第1方向に並進的に移動させる;
- スクリーンに投影される光のビームの視覚的外観を再度評価する;
- 光のビームが不適合である場合、第1方向に並進的に、第1サブアセンブリを第2サブアセンブリに対して移動させる及び/又は第2サブアセンブリを第1サブアセンブリに対して移動させるステップを繰り返す;
- 光のビームが適合である場合、第2サブアセンブリに対して第1サブアセンブリを阻止する。
【0021】
このように、調整方法の終了時には、光のビームが色収差によってもたらされる欠陥をたしかに示さない。その調整方法は、光のビームの視覚的外観が満足できない限り、特にカットオフラインがまだフリンジ状のままであったり、まだ禁止された色であったりする限り、続いてもよい。
【0022】
発明による調整方法は、以下の特徴のうちの1つ以上を任意に含んでもよい:
- 第2サブアセンブリに対する第1サブアセンブリの阻止を解く前記ステップは、ロック部材を第2位置に調整することを含み;さらに第2サブアセンブリに対する第1サブアセンブリを阻止する前記ステップは、ロック部材を第1位置に調整することを含み;例として、調整部材がネジを含む場合、前記部材の調整は、ねじの締め付け又は緩めを含む;
- 前記並進移動ステップの間に、第2方向及び第3方向である方向のうちの少なくとも1つにおいて、第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリの互いに対する並進移動が阻止され、前記第2方向は、第1方向に対し横切り、特に実質的に垂直であり、前記第3方向は、第1方向及び第2方向に対して横切り、特に実質的に垂直であり;言い換えれば、2つのサブアセンブリを光軸に沿って移動させるステップの間、横方向移動と呼ばれる前記光軸に対して横切る方向の他の2つの方向への移動が防がれ;これにより、光のビームの形成において、第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリの互いに対する横方向移動によって持たされるエラーを回避することが可能となり;横方向移動の阻止は、投影アセンブリ自体によって行われてもよいし、外部の手段によって行われてもよい;
- 前記並進移動ステップの間、第1方向に対して横切る、特に実質的に直交する、軸を中心とした第2サブアセンブリに対する第1サブアセンブリの回転が阻止される。
【0023】
発明の別の主題は、発明による投影アセンブリを調整するための、発明による調整方法を実施するための調整装置に関する。この調整装置は、投影アセンブリの第1サブアセンブリを受け入れることを意図された第1支持部と、投影アセンブリの第2サブアセンブリを受け入れることを意図された第2支持部と、を備え、第1支持部及び第2支持部は、第1方向へ互いに対し並進的に移動することができ、前記第1サブアセンブリと前記第2サブアセンブリとの間の接続を維持することができるように、配置されている。
【0024】
このように、投影アセンブリが調整装置に配置されると、前記投影アセンブリの第1サブアセンブリと第2サブアセンブリとの間の距離の調整は、前記調整装置の第1支持部と第2支持部との相対的な移動によって行われる。調整中、第1サブアセンブリは第2サブアセンブリに接続されたままである。
【0025】
発明による調整装置は、以下の特徴のうち1つ以上を任意に含んでもよい:
- 調整装置は、第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリの第1方向における互いに対する並進移動の大きさを制限するエンドストップ部を備え;したがって、調整装置は、投影アセンブリのサブアセンブリの並進移動に制限を課して、これらのサブアセンブリ間の接続を切断することを回避するようにしている;
- 調整装置は、投影アセンブリが前記装置に配置される場合に、第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリの互いに対する並進移動が、第2方向及び第3方向である方向のうちの少なくとも1つにおいて阻止され、前記第2方向は第1方向に対して横切り、第3方向は第1方向及び第2方向に対して横切るように配置される並進阻止部材を備え;言い換えれば、投影アセンブリが調整装置に取り付けられると、2つのサブアセンブリの光軸に沿った相対的な並進移動のみが許容され;他の移動が阻止されるので、光のビームの調整が簡素化され;また、並進阻止部材が調整装置に配置されるため、横方向移動を阻止する別の手段を投影アセンブリに装備する必要がなく、それによって前記投影アセンブリの構造が簡素化される;
- 調整装置は、投影アセンブリが前記装置に配置される場合に、第1方向に対して横切る、特に実質的に直交する、軸を中心とした第2サブアセンブリに対する第1サブアセンブリの回転が阻止されるように配置される回転阻止部材を備え;したがって、調整装置は、光のビームに不規則性が現れるのを防止するために、サブアセンブリ間の回転を阻止する;
- 調整装置は、ロック部材を第1位置に又は第2位置に調整することが意図される調整部材を備え;例えば、調整部材は、ねじであるロック部材と協働できるスクリュードライバーヘッドを含む;
- 調整装置は、投影アセンブリによって発せられる光のビームを視覚的にチェックするためのビジュアルチェックシステムと、第1支持部、第2支持部、及びビジュアルチェックシステムに接続される中央制御ユニットとを備え、前記中央制御ユニットは、ビジュアルチェックシステムからの信号に応じて、第1支持部及び第2支持部の相対的な移動を指令し;したがって調整装置は、調整方法をより自動化及び高速化する。
【0026】
特に断りのない限り、「前」、「後」、「下」、「最上」、「底」、「横」、「縦」、「水平」、及びそれらのジェンダーや数の変化形は、照明モジュールからの光の放出の方向に言及する。特に断りのない限り、「上流」及び「下流」という用語は、投影アセンブリの内部の光の伝搬の方向に言及する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
発明のさらなる特徴及び利点は、以下の非限定的な例の詳細な説明を読めば明らかになるが、当該説明は、添付の図面を参照してよりよく理解され、当該図面において:
【
図1】
図1は、発明による投影アセンブリの例示的な一実施形態の斜視図である。
【
図2】
図2は、投影アセンブリの接続システムを示す、
図1の詳細図である。
【
図3】
図3は、
図1の投影アセンブリの第2サブアセンブリの斜視図であり、前記第2サブアセンブリは収束レンズを含む。
【
図4】
図4は、
図3の第1サブアセンブリのレンズホルダを上から見た図である。
【
図5】は、
図1の投影アセンブリを下から見た図であり、第1サブアセンブリ及び第2サブアセンブリの相対的な並進移動を案内するための並進案内システムを示す。
【
図6】
図6は、第1サブアセンブリの下部シャシーを下から見た図であり、並進案内システムの一部を構成するスタッドを示す。
【
図7】
図7は、第2サブアセンブリのレンズホルダの背面図であり、並進案内システムの一部を構成するスロットを示す。
【
図8】
図8は、並進案内システムを通過する水平面での断面図である。
【
図9】
図9は、レンズホルダ及び下側シャシーの側面図であり、前記図は第1サブアセンブリと第2サブアセンブリの相対的な回転移動を防止する回転防止案内システムを示す。
【
図10】
図10は、下側シャシーの斜視及び正面図であり、前記図は、回転防止案内システムの一部を構成するフィンガーを示す。
【
図11】
図11は、回転防止案内システムの一部を構成する溝を示すレンズホルダの背面図である。
【
図12】
図12は、回転防止案内システムを通過する水平面での断面図であり;これは、
図12における矢印により示されるように上から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図示の例において、投影アセンブリ1は、前記アセンブリの上流から下流の方向に延びる光軸Iを有する。図に示すように、光軸Iは、縦方向Xとしても知られている第1方向Xに平行である。
【0029】
他の方向も図に描かれている。これらの方向のうちの1つは第2方向Yであり、当該第2方向Yは、縦方向Xを、特に実質的に垂直に、横切る。第3方向Zは、縦方向X及び横方向Yを、特に実質的に垂直に、横切る。ここでの第3方向Zは、図面の下から最上部に向かって延びる。
【0030】
図示の例では、投影アセンブリ1は、縦方向Xが前記アセンブリを搭載する車両(図示せず)の縦軸と実質的に平行になるように、配置されている。さらに、投影アセンブリ1のこの配置によって、縦方向X及び横方向軸Yは水平面に属する。他の2つに対して垂直な第3方向Zは、垂直を表す。
【0031】
ここで、「水平」及び「垂直」という用語は、動力車両における投影アセンブリの動作の状態の下で定義される。「水平」は水平線の平面に平行な方向を指し、「垂直」は水平線の平面に垂直な方向を指す。
【0032】
図1に示すように、投影アセンブリ1は、光線を生成する第1サブアセンブリ11と、前記第1サブアセンブリ11の下流側に配置された第2サブアセンブリ12とを備える。
【0033】
第2サブアセンブリ12は収束レンズ120を備え、当該収束レンズ120は、光学的機能を果たす光のビームを形成するように、第1サブアセンブリ11から来る光線を前方に投影する。レンズホルダ121は、レンズ120のための支持体として働く。
【0034】
第1サブアセンブリ11は、その一部に関して、光線を収束レンズ120に向けて送るように配置された、光源、ライトガイド、コリメータなどの光学素子を備える。ここでは、下側シャシー112と上側シャシー111の2つの部品で構成されるシャシー110によって、光学素子が保護されている。第1サブアセンブリ11の詳細な構成については、本明細書において後述する。
【0035】
図示の例では、第1サブアセンブリ11と第2サブアセンブリ12は、光軸Iの各側に1つ配置された2つの同一の接続システム13によって、互いに接続されている。ここで、2つの接続システム13は、光軸Iを中心に対称となっている。
【0036】
ここでは、これらの接続システムの相互類似性を考慮して、ただ1つのシステムを可視化し、図に完全に示す。以下の説明は、図では完全には見えない他の接続システムにも、同様に適用される。
【0037】
ここで接続システム13は、第1サブアセンブリ11に作られた穴131を含む。具体的には、穴131は、上側シャシー111に作られた第1穴131aと、下側シャシー112に作られた第2穴131bとを含む。第1穴131a及び第2穴131bは、それぞれ上側穴131a及び下側穴131bとも呼ばれる。これらの2つの穴にはタップ加工が施されており、同じ直径を有する。
【0038】
ここでは、第1穴131aは、上側シャシー111の一方の横側に位置するラグ134に作られている。第2穴131bは、下側シャシー112のポスト135に作られている。このポスト135は、例えば、
図13において見られる。
【0039】
図2を参照すると、接続システム13は、第2サブアセンブリ12に、具体的にはレンズホルダ121に、作られたオリフィス132をさらに備える。
図3及び
図4からわかるように、オリフィス132は縦方向Xに細長い形状をしている。つまり、オリフィス132は、幅よりも長い細長い形状を有する。接続システム13内では、オリフィス132は、上側穴131aと下側穴131bとの間に介在している。
【0040】
ここでは、オリフィス132は、レンズホルダ121の一方の横側に後方に延びるタブ123に作られている。
【0041】
さらに、接続システム13は、この例ではネジ133であるロック部材133を含む。第1サブアセンブリ11を第2サブアセンブリ12に接続するために、ネジ133は、上側穴131a内に挿入され、オリフィス132内に挿入され、その後、下側穴131b内に挿入される。
【0042】
図示された例では、ネジ133は、それ自体を回転させることによって、垂直方向Zに並進移動することができる。これを行うために、ネジ133はネジ山を有するのに対し、上下の穴131a,131bにはタップ加工が施されている。
【0043】
このように、ネジ133は、第1サブアセンブリ11と第2サブアセンブリ12とが互いに対してクランプされる第1位置と、これらの2つのサブアセンブリが緩んでいる第2位置との間で、下降及び上昇させられることができる。
【0044】
具体的には、ネジ133が第1位置にあるとき、ネジ133は、第1穴131aを有するラグ134を、オリフィス132を有するタブ123に対して押し付けており、当該オリフィス132を有するタブ123は、第2穴131bを有するポスト135にもたれる。別の表現をすると、タブ123はラグ134とポスト135との間に挟まれている。この押し付け合いにより、第1サブアセンブリ11と第2サブアセンブリ12が互いに対してクランプされることを可能にし、それによってこれらの2つのサブアセンブリが互いに対して固定化される。
【0045】
ネジ133が第2位置にあるとき、ラグ134はもはやタブ123に押し付けられていない。そのため、後者は、上方のラグ134と下方のポスト135との間のクランプから解放される。したがって、オリフィス132の細長い形状のおかげで、タブ123を支持するレンズホルダ121は、ラグ134とポスト135を支持するシャシー110に対して、
図4の両頭矢印Hで示すように、前方又は後方に自由に移動する。逆に、さらにオリフィス132の細長い形状のおかげで、シャシー110はレンズホルダ121に対して両頭の矢印Hに従って前進又は後退することができる。
【0046】
シャシー110とレンズホルダ121が双頭矢印Hの方向に一方が他方に対して相対的に移動すると、ネジ133はオリフィス132において縦方向Xにスライドする。そのため、後者は、第1サブアセンブリ11と第2サブアセンブリ12の間の相対的な動きのためのガイドとして働く。しかし、ネジ133とオリフィス132の前縁135又は後縁136との間の接触のために、この動きは制限される。このように、オリフィス132は、サブアセンブリ11及び12の縦方向Xへの並進移動の大きさの範囲を定めるエンドストップ部としても働く。
【0047】
図示の例では、第1位置から第2位置に通過するために、ネジ133は、自身で回転しながら上方に移動する。その結果、第1位置はネジダウンロック位置とも呼ばれうるものであり、第2位置はネジアップロック解除位置とも呼ばれうる。
【0048】
縦方向Xにおける第1サブアセンブリ11と第2サブアセンブリ12の相対的な移動を支援するために、投影アセンブリは、並進案内システム14を含む。
【0049】
図5に示されるように、前記案内システム14は、投影アセンブリの下面S2に位置する。
【0050】
図6及び
図7において、案内システム14は、スタッド141と、当該スタッド141が係合するスロット142とを備える。
【0051】
図示の例では、スタッド141は、第1サブアセンブリ11の下側シャシー112に作られている。この例では、スタッド141は、下側シャシー112の下面113から突出し、下方に延びる。この例では、スタッド141は、実質的に長方形の断面を有する。
【0052】
スロット142は、レンズホルダ121の下側壁122に作られている。スロット142は、後面開口部125を形成するようにレンズホルダ121の後面123に開口しており、後面開口部125を介してスタッド141がスロット142に入る。
【0053】
図8に示されるように、横方向Yで測定されたスロット142の幅は、同様に方向Yで測定されたスタッド141の幅と実質的に等しい。したがって、スタッド141の2つの側部は、スロット142の2つの横方向のエッジにそれぞれ接触し、それによって、レンズホルダ121に対する下側シャシー112の、したがって第2サブアセンブリ12に対する第1サブアセンブリ11の、横方向Yへのいかなる相対的な移動も防止する。
【0054】
さらに、主に縦方向Xに延びるスロット142は、スタッド141の長さよりも大きい長さを有する。その結果、スタッド141はスロット142において縦方向Xにスライドできる。
【0055】
第1サブアセンブリ11が第2サブアセンブリ12に接続されると、スタッド141がスロット142に係合する。スタッド141は、第1サブアセンブリ11と第2サブアセンブリ12が縦方向Xに互いに対して相対的に移動するのと同時に、スロット142においてスライドする。この動きの間、スタッド141のスロット142における係合のおかげで、2つのサブアセンブリ11及び12の横方向Yへのあらゆる相対的な動きが防がれる。言い換えれば、並進案内システム14は、光軸Iに沿った2つのサブアセンブリ11及び12の互いに対する相対的な移動のみが可能であることを保証する。
【0056】
図示の例では、投影アセンブリ1は2つの回転防止案内システム15をさらに備え、当該2つの回転防止案内システム15は、同一であり、投影アセンブリ1の両側に1つずつ配置される。さらに、2つの回転防止案内システム15は、この例では、光軸Iに関して対称的に配置されている。2つのシステムの間の類似性を考慮して、以下では一方の回転防止案内システム15についてのみ説明し、この説明は他方のシステムにも同じように適用される。
【0057】
図9~
図12を参照すると、回転防止案内システム15は、フィンガー151と溝152とを含む。フィンガー151は、ここでは第1サブアセンブリ11の下側シャシー112が支持し、溝150はレンズホルダ121に作られている。
【0058】
フィンガー151は、接続システム13のポスト135の前方に位置する部分から前方に延びる。フィンガー151は上面154及び下面155を有し、当該上面154及び下面155は比較的平面的である。
【0059】
溝150は、縦方向X及び垂直方向Zに平行な垂直面において延びる底部153を有する。また、溝150は、底部153から横方向Yの外側に向かって延びる2つの側部152を有する。言い換えれば、それらの側部152は、垂直面に垂直な水平面に延びる。
【0060】
ここでは、2つの側部152が互いに向き合って配置されている。前記側部152間の垂直方向Zで測定された距離dは、フィンガー151の厚さと実質的に等しく、フィンガー151が溝150に挿入されたときに、フィンガー151の上面154及び下面155が各々対応する側部152にもたれるようになっている。
【0061】
フィンガー151の最上部及び底部からのそのような圧力は、縦方向Xに対して横切る軸J、この例では実質的に縦方向Xに対して直交する軸Jを中心とした、レンズホルダ121に対する下側シャシー112の回転を阻止する。つまり、フィンガー151が溝150に挿入された回転防止案内システム15は、第1サブアセンブリ11が第2サブアセンブリ12に対して横軸Jを中心に回転することを防止する。
図11及び
図12に描かれている前記横軸Jは、横方向Yに平行である。
【0062】
さらに、フィンガー151の最上部及び底部からの圧力は、第1サブアセンブリ11及び第2サブアセンブリ12の垂直方向Zへの互いに対する相対的な移動を阻止する。
【0063】
図12に見られうるように、フィンガー151が溝150内に挿入されると、フィンガー151はまた溝150の底部153にもたれる。この例では、それは、底部153にもたれるフィンガー151の右側横面156である。投影アセンブリ1の他方側において、及び他の回転防止案内システムにおいて、溝の底部にもたれるフィンガーによって同じ圧力がかけられている。このように、フィンガー151のレンズホルダ121の両側に対する圧力は、第1サブアセンブリ11と第2サブアセンブリ12との間の正しい保持を確保する。また、フィンガー151の存在は、2つのサブアセンブリ11、12が垂直方向Zを中心に互いに対して相対的に回転するのを防ぐ役割を果たしている。
【0064】
さらに、ここでは、回転防止案内システム15は、フィンガー151が溝150において縦方向Xにスライドすることを許容するように、したがって第1サブアセンブリ11と第2サブアセンブリ12との間の方向Xへのスライド路移動を許容するように、配置されている。第1サブアセンブリ11と第2サブアセンブリ12の間の距離がどれだけであっても、フィンガー151は溝150に係合したままであることに留意されるべきである。言い換えれば、第1サブアセンブリ11及び第2サブアセンブリ12の縦方向Xへの移動中、フィンガー151は溝150に係合したままである。
【0065】
要するに、図示されているような投影アセンブリ1では、第1サブアセンブリ11は、接続システム13によって第2サブアセンブリ12に接続されている。このようにして接続された2つのサブアセンブリ11、12は、縦方向Xに、すなわち光軸Iに沿って、互いに対して相対的に移動することができる。この動きは、ネジ133が第1位置にあるときに、この例では接続システム13に属するネジ133であるロック部材133によって、止められてもよい。
【0066】
さらに、投影アセンブリ1は、並進案内システム14と、回転防止案内システム15とが装備されている。先に説明したように、並進案内システム14は、2つのサブアセンブリ11及び12の横方向の動きを阻止する。同時に、回転防止案内システム15は、これらのサブアセンブリ間の軸Jを中心とした相対的な回転と、垂直方向Zへの互いに対するその相対的な並進移動とを、阻止する。
【0067】
それにもかかわらず、並進案内システム14及び回転防止案内システム15は、2つのサブアセンブリ11及び12の縦方向Xにおける相対的な並進移動を許容するように設計されている。
【0068】
従って、図示されている投影アセンブリ1の例では、好ましい動きは、光軸Iに沿って互いに近づく又は遠ざかる第1サブアセンブリ11の動き及び第2サブアセンブリ12の動きである。この動きの目的は、2つのサブアセンブリ11及び12間の距離、特に第1サブアセンブリ11の光学素子と第2サブアセンブリ12のレンズ120との間の距離、を調整することである。
【0069】
サブアセンブリ11及び12間の距離を調整することの利点をよりよく説明するために、第1サブアセンブリ11の構成要素と、それらがレンズ120に対してどのように配置されているかが以下に説明される。
【0070】
発明によれば、そして
図13に示されるように、第1サブアセンブリ11は、光線を発生させる第1部材2と、光線を発生させる第2部材3とを備えており、これらは以下でそれぞれ第1部材2及び第2部材3と呼ばれる。第1部材2は、第2部材3の上方に位置する。
【0071】
第1サブアセンブリ11は、2つの部材2,3間に配置された反射部材4をさらに備える。つまり、反射部材4の一方の側に第1部材2が配置され、他方の側に第2部材3が配置されている。ここで反射部材4は、下流側エッジ40と、上向きの反射面41とを含む薄い金属板の形態をしている。
【0072】
この例では、第1部材2は、ヘッドランプロービームの機能を果たすカットオフを有するビームを形成することができる。
【0073】
第1部材2は、この例では、光源、特に発光ダイオード(LED)と、当該光源の前に配置されたコリメータ21とを備える。第1部材2及び反射部材4は、前記反射部材4が第1部材2から発せられる光線のビームベンダ(beam-bender)を形成するように、互いに対して相対的に配置されている。
【0074】
具体的には、第1部材2から発せられた光線の一部は、反射部材4の下流側エッジ40と同じ高さで通過する。その部分における光線は、収束レンズ120を出た時点で光軸Iと平行であり、ヘッドランプロービームのカットオフラインを形成する。
【0075】
下流側のエッジ40は、カットオフエッジ40とも呼ばれる。また、前記カットオフエッジ40が第1部材2に接続されていることに鑑み、以下、それは第1カットオフエッジ40と称する。
【0076】
同時に、第1部材2から発せられた光線の他の部分は、反射部材4の反射面41によって、収束レンズ120に向けて反射される。前記他の部分の光線は、光軸Iを有する軸割線に沿ってレンズ120を出て、第1カットオフラインの下方に投影される。
【0077】
第2部材3に関しては、これは、第2部材2によって生成されたロービームを補完するビームを形成することができ、それによって前記補完ビームとロービームとの組み合わせがハイビームを形成する。
【0078】
ここで第2部材3は、複数のライトガイド(
図14では見えない)を含む。各ライトガイドは、入口ジオプター(inlet diopter)と出口とを含む。光源は各入口ジオプターに向けて配置される。
【0079】
ライトガイドは、光源から発せられた光線が全内部反射によってガイド内部を上流から下流へ、すなわち入口ジオプターから出口へ向かう方向へ、縦方向Xに伝搬するように、配置されている。
【0080】
第2部材3は、ライトガイドの出口の下流側に位置する共通出口31をさらに備える。この場合、共通出口31は、第2部材3の前面を形成し、当該面を通して光線が前記部材3から出てくる。共通出口31は、上方エッジ30によって最上部で範囲が定められる。
【0081】
第2部材3では、光線の一部が上方エッジ30を介して通過し、収束レンズ120の光軸Iと平行に出てくる。前記部分の光線は、第2部材3によって生成される光のビームのカットオフラインを形成する。上方エッジ30を介して通過しない他の光線は、カットオフラインの上方に投影される。以下、上方エッジ30は第2カットオフエッジ30と呼ばれる。
【0082】
ここで反射部材4は第2部材3とエッジ対エッジ接触しており、第1カットオフエッジ40が全長にわたって第2カットオフエッジ30に接するようになっている。また、反射部材4の厚さは非常に小さい。外側から見ると、第1カットオフエッジ40及び第2カットオフエッジ30は、1つの単一のカットオフエッジを形成するように見える。
【0083】
このように、第1部材2で発生した光のビームのカットオフラインは、第2部材3で発生した光のビームのカットオフラインと同一である。また、第1部材2と第2部材3が同時に照射される場合、前記カットオフラインが投影上で一致し、これは前記部材から発生するビームのより良好な遭遇を良好に可能にする。
【0084】
第1カットオフエッジ40を介して通過した光線及び第2カットオフエッジ30を通過した光線がレンズ120の光軸Iと平行に出射するために、前記レンズ120は、第1カットオフエッジ40及び第2カットオフエッジ30の近傍に位置する焦点面Fを有する。
【0085】
しかし、レンズ120は依然として色収差を示すことがありうる。この問題は、ここでは、第1カットオフエッジ40及び第2カットオフエッジ30が「赤」焦点面F’に位置している事実によって示されている。この結果は、光ビームのカットオフラインが赤に近い色のものになり、それは前記ビームの質を損なって、車両照明の分野の規制に適合しなくなる。
【0086】
同様に、第1カットオフエッジ40及び第2カットオフエッジ30が「青」焦点面(それは
図13には示されていない)に位置する場合、光のビームのためのカットオフラインは青に近い色を有しうる。これは、青色が光のビームの視覚的な快適さを損なって、規制に適合しないリスクがあるため、望ましくない。
【0087】
投影アセンブリ1は、この問題を克服することができる。実際、接続システム13と案内システム14、15によって、第1サブアセンブリ11を第2サブアセンブリ12に対して縦方向Xに移動させて、それによりカットオフエッジ30、40を最適な焦点面Fに近づけることができ、カットオフラインの色を大きく弱めることを可能にし、或いはこの色を消失させることを可能にする。
【0088】
前記移動は、両頭矢印Hで表され、良好な視覚的品質の光のビームであって色収差によりもたらされる不規則性のない光のビームを得るために、投影アセンブリ1を調整する方法のステップの対象となりうる。
【0089】
その調整方法は、まず、第1ステップを含みうるものであり、当該第1ステップの間、投影アセンブリ1によって発せられる光のビームは、前記アセンブリ1からある距離にある表面に投影される。前記表面は、投影アセンブリ1の前に配置されたスクリーンの表面であってもよい。スクリーンと投影アセンブリの間の距離は、1m~2mで構成されうる。
【0090】
投影アセンブリ1によって放出されるビームは、第1部材2によって生成されるロービーム、第2部材3によって生成される相補的なビーム、又は前記ロービームと前記相補的なビームを組み合わせて得られるビームであってもよいことに留意される。1つの例示的な実施形態によれば、その調整方法の間、投影アセンブリ1によって放出されるビームは、第1部材2によって生成されるロービームである。
【0091】
この第1ステップの間、第1サブアセンブリ11は、特にネジ133がねじ下げロック位置にあるときに、第2サブアセンブリ12に対する相対的なその動きが阻止される。
【0092】
次に、その方法の第2ステップがあり、当該ステップの間、光のビームの投影の視覚的外観が評価される。この評価は、特に投影上の色の検出を含む。その検出は、特に当業者に知られている光学センサを備えたビジュアルチェックシステムによって行われうる。
【0093】
光のビームの投影上で、許可されていない色のリストの中の色で、禁止された色と呼ばれるものが検出された場合、そのビームは非適合であると考えられる。そしてその方法は、第2サブアセンブリ12に対する第1サブアセンブリ11の阻止を解く第3ステップに移行する。この例では、第3ステップは、ネジ133を緩めて、それがねじ上げロック解除位置にすることを伴う。
【0094】
その後、第4ステップの間、第1サブアセンブリ11が第2サブアセンブリ12に対して並進移動され、及び/又は、第2サブアセンブリ12が第1サブアセンブリ11に対して縦方向Xに並進移動される。その移動は、サブアセンブリ11及び12をともに近づけるように移動させたり、さらに遠ざけるように移動させたりすることを伴いうる。
【0095】
第5ステップでは、光のビームの視覚的外観がもう一度評価される。この第5ステップでは、第2ステップにおけるのと同じ評価操作が繰り返される。
【0096】
この新しい評価の終わりに、光のビームがまだ色収差を示している場合、その方法は第6ステップに移り、当該第6ステップの間、2つのサブアセンブリ11及び12が再び互いに対して相対的に移動される。
【0097】
対照的に、評価ステップの後、センサによって禁止された色が検出されない場合、ネジ133をそれがねじ下げロック位置に達するまで締め直すことによって、第1サブアセンブリ11と第2サブアセンブリ12の相対的な動きが阻止されて遮断される。
【0098】
図示の例では、第4ステップ及び第6ステップの間、つまり光軸Iに沿ったサブアセンブリ11及び12の移動の間、第1サブアセンブリ11及び第2サブアセンブリ12の横方向Y及び垂直方向Zへの互いに対する相対的な並進移動が阻止される。さらに、これらのステップの間、第2サブアセンブリ12に対する第1サブアセンブリ11の横軸Jを中心とした回転は、同様に阻止される。
【0099】
上で説明したように、回転運動及び並進移動を阻止する作用は、並進案内システム14及び回転防止案内システム15によって実現される。
【0100】
別の例では、並進案内システム14及び回転防止案内システム15は、上記された調整方法を実施するのに適した調整装置に移されてもよい。これにより、投影アセンブリ1の構造を簡素化することが可能になる。例えば、調整装置は、前記システム14、15と同じ機能を果たす並進阻止部材と回転阻止部材を含んでもよい。
【0101】
さらに、一例として、調整装置は、第1支持部と第2支持部とを含んでいてもよい。第1支持部と第2支持部は、縦方向Xに一方が他方に対して相対的に移動可能である必要がある。例えば、2つの前記支持体が縦方向Xに延びるスライド路に取り付けられていてもよい。そのため、支持体はスライド路においてスライドしてもよい。
【0102】
さらに、投影アセンブリが調整装置に配置されると、第1サブアセンブリ11は第1支持部に取り付けられ、第2サブアセンブリ12は第2支持部に取り付けられる。調整装置の第1支持部及び第2支持部は、第1サブアセンブリ11と第2サブアセンブリ12との間の接続を維持することができるように、すなわち、ネジ133を穴131及びオリフィス132の両方に係合させておくように、お互いに対して相対的に配置される。
【0103】
調整装置は、ネジ133を操作するための調整部材をさらに備えていてもよい。調整部材は、特に、ネジ133のヘッドと互換性のあるスクリュードライバーヘッドを具備するアームであってもよい。したがって、前記調整部材は、第2サブアセンブリ12に対して第1サブアセンブリ11を阻止するステップ及び/又は阻止を解くステップで役割を果たすことができる。
【0104】
一例では、調整装置は自動化されていてもよい。特に、第1支持部に、第2支持部に、及び調整部材に接続された中央制御ユニットを備える。また、調整装置は、説明した方法において視覚的外観を評価するステップを実行するビジュアルチェックシステムを含んでいてもよい。その場合、ビジュアルチェックシステムも中央制御ユニットに接続される。
【0105】
このように、中央制御ユニットは、調整方法のステップの間に、操作のいくつかを指示することができる。例えば、中央制御ユニットは、ビジュアルチェックシステムからの情報を受け取り、この情報に基づいて、中央ユニットは調整部材を作動させて、それがネジ133を緩めるようにする。また、中央ユニットは、第1支持部と第2支持部の互いに対する相対的な移動を指令しうる。
【0106】
これにより、そのような調整装置は、迅速かつ信頼性の高い調整方法の創出を可能にする。