(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】界面活性剤組成物及び洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 1/06 20060101AFI20240115BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20240115BHJP
C11D 1/722 20060101ALI20240115BHJP
C11D 1/83 20060101ALI20240115BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20240115BHJP
C09K 23/44 20220101ALI20240115BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240115BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240115BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240115BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20240115BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240115BHJP
A61K 8/365 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
C11D1/06
C11D1/72
C11D1/722
C11D1/83
C11D3/20
C09K23/44
A61Q19/10
A61Q5/02
A61K8/34
A61K8/39
A61K8/86
A61K8/365
(21)【出願番号】P 2022092294
(22)【出願日】2022-06-07
【審査請求日】2022-12-26
(31)【優先権主張番号】P 2021135451
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】末永 えりか
【審査官】小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-164815(JP,A)
【文献】特開2002-226889(JP,A)
【文献】特開平09-302381(JP,A)
【文献】特開2010-235523(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01739161(EP,A1)
【文献】特開2014-129263(JP,A)
【文献】特開2003-119500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00 - 19/00
A61K 8/00 - 8/99
A61Q 1/00 - 99/00
B01F 17/00 - 17/56
C07B 31/00 - 63/04
C07C 1/00 - 409/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(塩)(A)と、下記一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物(B)と、下記一般式(3)で表されるアルコール(C)と、前記エーテルカルボン酸(塩)(A)以外の炭素数2~18の有機酸(塩)(D)と、水とを含有し、
前記エーテルカルボン酸(塩)(A)、前記アルキレンオキサイド付加物(B)、前記アルコール(C)、前記有機酸(塩)(D)及び水の合計重量に基づいて、
前記エーテルカルボン酸(塩)(A)の合計重量割合が17~32重量%であり、
前記アルキレンオキサイド付加物(B)と前記アルコール(C)との合計重量割合が0.5~5重量%であり、
前記有機酸(塩)(D)の合計重量割合が0.3~5重量%であり、
水の含有量が58~82.2重量%である界面活性剤組成物。
[R
1O-(A
1O)m-R
2-COO]qM (1)
[一般式(1)中、R
1は炭素数8~22の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基であり、R
2は炭素数1~3のアルキレン基、mは0~20の整数であり、A
1は炭素数2~4のアルキレン基であり、mが2~20である場合にm個あるA
1Oはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレンオキシ基であり、qは1又は2であり、qが1の場合のMは水素原子、アルカリ金属原子、又はアンモニウムであり、qが2の場合のMはアルカリ土類金属原子である。]
R
3O-(A
2O)n-H (2)
[一般式(2)中、R
3は炭素数8~22の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基であり、nは1~20の整数であり、A
2は炭素数2~4のアルキレン基であり、nが2~20である場合にn個あるA
2Oはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレンオキシ基である。]
R
4O-H (3)
[一般式(3)中、R
4は炭素数8~22の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基である。]
【請求項2】
前記有機酸(塩)(D)が、1~3個の水酸基と1~3個のカルボキシル基とを有するヒドロキシカルボン酸(塩)である請求項1に記載の界面活性剤組成物。
【請求項3】
前記有機酸(塩)(D)が、グリコール酸(塩)、乳酸(塩)、リンゴ酸(塩)、クエン酸(塩)、p-ヒドロキシ安息香酸(塩)、m-ヒドロキシ安息香酸(塩)、及びo-ヒドロキシ安息香酸(塩)からなる群より選ばれる少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸(塩)である請求項
1に記載の界面活性剤組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の界面活性剤組成物を含む洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面活性剤組成物及び洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄剤に配合した際に洗浄剤に適度な粘度を与えることができ、外観安定性や泡質(起泡性及び泡安定性)に優れた洗浄剤組成物が得られる界面活性剤組成物として、特定のエーテルカルボン酸(塩)とアルキレンオキサイド付加物とアルコールとを含む界面活性剤組成物が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の界面活性剤組成物は、低温で保管した場合に濁りや分離等が発生し、そのまま洗浄剤の製造に用いると洗浄剤品質のバラつきが生じる等の課題があった。
本発明は泡質(起泡性及び泡安定性)に優れた洗浄剤組成物を得ることができ、かつ低温で保管した場合でも濁りや分離等の外観変化が起こらない界面活性剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(塩)(A)と、下記一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物(B)と、下記一般式(3)で表されるアルコール(C)と、前記エーテルカルボン酸(塩)(A)以外の炭素数2~18の有機酸(塩)(D)と、水とを含有し、前記エーテルカルボン酸(塩)(A)、前記アルキレンオキサイド付加物(B)、前記アルコール(C)、前記有機酸(塩)(D)及び水の合計重量に基づいて、前記エーテルカルボン酸(塩)(A)の合計重量割合が17~32重量%であり、前記アルキレンオキサイド付加物(B)と前記アルコール(C)との合計重量割合が0.5~5重量%であり、前記有機酸(塩)(D)の合計重量割合が0.3~5重量%であり、水の含有量が58~82.2重量%である界面活性剤組成物、及び前記の界面活性剤組成物を含む洗浄剤組成物である。
【0006】
[R1O-(A1O)m-R2-COO]qM (1)
[一般式(1)中、R1は炭素数8~22の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基であり、R2は炭素数1~3のアルキレン基、mは0~20の整数であり、A1は炭素数2~4のアルキレン基であり、mが2~20である場合にm個あるA1Oはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレンオキシ基であり、qは1又は2であり、qが1の場合のMは水素原子、アルカリ金属原子、又はアンモニウムであり、qが2の場合のMはアルカリ土類金属原子である。]
【0007】
R3O-(A2O)n-H (2)
[一般式(2)中、R3は炭素数8~22の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基であり、nは1~20の整数であり、A2は炭素数2~4のアルキレン基であり、nが2~20である場合にn個あるA2Oはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレンオキシ基である。]
【0008】
R4O-H (3)
[一般式(3)中、R4は炭素数8~22の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基である。]
【発明の効果】
【0009】
本発明の界面活性剤組成物及びそれを含む洗浄剤組成物は、泡質(起泡性及び泡安定性)に優れた洗浄剤組成物を得ることができ、かつ低温で保管しても濁りや分離等が生じない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第一の本願発明である界面活性剤組成物は、エーテルカルボン酸(塩)と、アルキレンオキサイド付加物と、アルコールと、前記エーテルカルボン酸(塩)以外の炭素数2~18の有機酸(塩)と、水とを含有する界面活性剤組成物である。
なお、本明細書において、エーテルカルボン酸(塩)はエーテルカルボン酸及び/又はエーテルカルボン酸塩を意味し、有機酸(塩)は有機酸及び/又は有機酸塩を意味する。
【0011】
本発明の界面活性剤組成物は、エーテルカルボン酸(塩)を含有する。
エーテルカルボン酸(塩)は、下記一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(塩)である。
【0012】
[R1O-(A1O)m-R2-COO]qM (1)
【0013】
上記一般式(1)中、R1は炭素数8~22の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基である。
炭素数8~22の直鎖の脂肪族炭化水素基は、直鎖の飽和脂肪族炭化水素基であっても直鎖の不飽和炭化水素基であっても良く、炭素数8~22の直鎖の脂肪族炭化水素基としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、セチル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、オクタジエニル基、ノナジエニル基、デカジエニル基、ウンデカジエニル基、ドデカジエニル基、トリデカジエニル基、テトラデカジエニル基、ペンタデカジエニル基、ヘキサデカジエニル基、ヘプタデカジエニル基、オクタデカジエニル基、ノナデカジエニル基、イコサジエニル基、ヘンイコサジエニル基、ドコサジエニル基、オクタデカトリエニル基、イコサトリエニル基、イコサテトラエニル基、イコサペンタエニル基、及びドコサヘキサエニル基等が挙げられる。
炭素数8~22の分岐の脂肪族炭化水素基は、分岐を有する飽和脂肪族炭化水素基であっても分岐を有する不飽和炭化水素基であっても良く、炭素数8~22の分岐の脂肪族炭化水素基としては、2-エチルヘキシル基、イソノニル基、2-ヘキシルデシル基、イソステアリル基及びテトラメチルヘキサデセニル基(フィチル基)等が挙げられる。
【0014】
R1としては、本発明の界面活性剤組成物を含む洗浄剤組成物の起泡性の観点等から、炭素数10~16の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基が好ましく、更に好ましくはデシル基、ラウリル基及びミリスチル基である。
【0015】
上記一般式(1)中、R2は炭素数1~3のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、及び1,2-又は1,3-プロピレン基等が挙げられる。
R2としては、洗浄剤組成物の粘度の観点等から、メチレン基が好ましい。
【0016】
上記一般式(1)中、A1は炭素数2~4のアルキレン基であり、エチレン基、1,2-又は1,3-プロピレン基、及び1,2-又は1,4-ブチレン基等が挙げられる。
A1としては、洗浄剤組成物の起泡性の観点等から、エチレン基が好ましい。
【0017】
上記一般式(1)中、mは0~20の整数を表し、洗浄剤組成物の起泡性の観点から、1~5の整数であることが好ましい。
【0018】
上記一般式(1)中、mは炭素数2~4のアルキレンオキシ基であるA1Oの繰り返し数を表し、mが2~20である場合にm個あるA1Oはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレンオキシ基を表す。
A1Oとしては、エチレンオキシ基(以下、EOと略記)、1,2-プロピレンオキシ基(以下、POと略記)及び1,2-ブチレンオキシ基(以下、BOと略記)等が挙げられ、A1Oとしては、洗浄剤組成物の起泡性の観点から、EO及びPOが好ましく、EOが更に好ましい。
一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(A)が、A1Oとして、2種以上のアルキレンオキシ基を有する場合、アルキレンオキシ基の結合順序に制限はない。
【0019】
一般式(1)中、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はアンモニウムである。
qは1又は2であり、Mが水素原子、アルカリ金属原子、又は1価のアンモニウムの場合にはqは1であり、Mがアルカリ土類金属原子である場合にはqは2である。
【0020】
エーテルカルボン酸塩を構成するアルカリ金属原子として好ましいものとしては、ナトリウム及びカリウム等が挙げられる。
エーテルカルボン酸塩を構成するアルカリ土類金属原子として好ましいものとしては、マグネシウム及びカルシウム等が挙げられる。
エーテルカルボン酸塩を構成するアンモニウムとしては、アンモニアに1個の水素原子を付加したアンモニウム、第1級アミン(モノエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミン等)に1個の水素原子を付加したアンモニウム、第2級アミン(ジエタノールアミン等)に1個の水素原子を付加したアンモニウム、第3級アミン(トリエタノールアミン等)に1個の水素原子を付加したアンモニウム、及び第4級アンモニウム(テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム及びテトラブチルアンモニウム等)が挙げられる。
洗浄剤組成物の起泡性の観点から、エーテルカルボン酸塩としては、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸のアルカリ金属塩及び一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸のアンモニウム塩(一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸とアンモニアとの塩)が好ましく、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸のアルカリ金属塩が更に好ましい。
【0021】
一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(塩)は、公知の方法で製造することができ、例えば以下の工程(1)~(3)及び必要により行う工程(4)を順に行う公知の製造方法で製造することができる。
【0022】
工程(1):一般式(1)においてR1で表されるアルキル基に水酸基が付加した構造を有するアルコール(a1)1モルに対して1~20モルの炭素数2~4のアルキレンオキサイドを付加して、アルコール(a1)のアルキレンオキサイド付加物(a2)を得る工程。
【0023】
工程(2):前記アルキレンオキサイド付加物(a2)をアルカリ金属の水酸化物の存在下でハロゲン化カルボン酸アルカリ金属塩(モノクロル酢酸ナトリウム、モノクロルプロピオン酸ナトリウム、モノクロル酪酸ナトリウム、モノクロル酢酸カリウム、モノブロム酢酸ナトリウム及びモノブロム酢酸カリウム等)等によりカルボキシアルキル化する工程。
【0024】
工程(3):工程(2)を終えた反応系内を酸性にした後に水洗・分液し、工程(2)において副生したハロゲン化アルカリ金属塩を除去して、カルボキシル基を有するエーテルカルボン酸を得る工程。
【0025】
工程(4):工程(3)で得られたエーテルカルボン酸をアルカリ性物質で中和し、エーテルカルボン酸塩を得る工程。
【0026】
本発明の界面活性剤組成物は、上記一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸及びエーテルカルボン酸塩のいずれか一方、または両方を含む。中でも、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸塩を含むことが好ましい。
【0027】
洗浄剤組成物の起泡性の観点から、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(塩)のうち、好ましいものとしては、ポリオキシエチレン(EO3)ラウリルエーテル酢酸、ポリオキシエチレン(EO3)ラウリルエーテル酢酸カリウム、ポリオキシエチレン(EO3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EO5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EO4)トリデシルエーテル酢酸、ポリオキシエチレン(EO3)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EO7)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EO11)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EO3)デシルエーテル酢酸ナトリウム及びポリオキシエチレン(EO3)ミリスチルエーテル酢酸ナトリウム等が挙げられ、ポリオキシエチレン(EO3)ラウリルエーテル酢酸カリウム、ポリオキシエチレン(EO3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EO3)デシルエーテル酢酸ナトリウム及びポリオキシエチレン(EO3)ミリスチルエーテル酢酸ナトリウムが更に好ましい。
なお、本段落における括弧の中は、エーテルカルボン酸(塩)1モルに含まれるアルキレンオキシ基の数を表し、例えば(EO3)は3個のエチレンオキシ基が連続して結合した構造を有することを意味する。
【0028】
本発明の界面活性剤組成物はアルキレンオキサイド付加物を含有する。
前記アルキレンオキサイド付加物は、下記一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物である。
【0029】
R3O-(A2O)n-H (2)
【0030】
一般式(2)中、R3は炭素数8~22の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基であり、一般式(1)におけるR1として例示した炭素数8~22の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基と同じものを例示することができる。
R3としては、洗浄剤組成物の起泡性の観点から、炭素数10~16の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数12~14の不飽和脂肪族炭化水素基が更に好ましく、ラウリル基及びミリスチリル基が特に好ましい。
【0031】
上記一般式(2)中、nは1~20の整数を表し、配合時の粘度の観点等から、好ましくは1~5の整数である。
【0032】
上記一般式(2)中、A2は炭素数2~4のアルキレン基であり、一般式(1)におけるA1として例示した炭素数2~4のアルキレン基と同じものを例示することができ、好ましいものも同じである。
【0033】
上記一般式(2)中、nは炭素数2~4のアルキレンオキシ基であるA2Oの繰り返し数を表し、nが2~20である場合にn個あるA2Oはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレンオキシ基を表す。
A2Oとしては、一般式(1)におけるA1として例示した炭素数2~4のアルキレンオキシ基と同じものを例示することができ、好ましいものも同じである。
【0034】
一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物は、炭素数8~22の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基に水酸基が付加したアルコール(a2)1モルに対して1~20モルの炭素数2~4のアルキレンオキサイドを付加する公知の方法で製造することができる。
【0035】
洗浄剤組成物の起泡性の観点等から、一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物として好ましいものとしては、ポリオキシエチレン(EO3)オクチルエーテル、ポリオキシエチレン(EO3)デシルエーテル、ポリオキシエチレン(EO3)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(EO3)トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(EO:3)ミリスチルエーテル、ポリオキシエチレン(EO3)ペンタデシルエーテル、ポリオキシエチレン(EO3)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(EO3)ヘプタデシルエーテル、ポリオキシエチレン(EO3)オクタデシルエーテル及びポリオキシエチレン(EO3)イソステアリルエーテル等が挙げられ、ポリオキシエチレン(EO3)デシルエーテル、ポリオキシエチレン(EO3)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(EO3)ミリスチルエーテル及びポリオキシエチレン(EO3)セチルエーテルが更に好ましい。
なお、本段落における括弧の中は、アルキレンオキサイド付加物1モルに含まれるアルキレンオキシ基の数を表し、例えば(EO3)は3個のエチレンオキシ基が連続して結合した構造を有することを意味する。
【0036】
本発明の界面活性剤組成物はアルコールを含有する。前記アルコールは、下記一般式(3)で表されるアルコールである。
【0037】
R4O-H (3)
【0038】
一般式(3)中のR4は炭素数8~22の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基であり、一般式(1)におけるR1で例示した炭素数8~22の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基と同じものを用いることができる。
R4としては、洗浄剤組成物の起泡性の観点から、炭素数10~16の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数12~14の不飽和脂肪族炭化水素基が更に好ましく、ラウリル基及びミリスチリル基が特に好ましい。
【0039】
一般式(3)で表されるアルコールとしては、洗浄剤組成物の起泡性の観点等から、オクタノール、デカノール、ウンデカノール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール、オレイルアルコール及びイソステアリルアルコール等が好ましく、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール及びセチルアルコールが更に好ましい。
【0040】
本発明の界面活性剤組成物は、前記のエーテルカルボン酸(塩)以外の炭素数2~18の有機酸(塩)を含有する。有機酸(塩)の炭素数である2~18には、有機酸(塩)が有するカルボニル基にある炭素原子を含む。
エーテルカルボン酸(塩)以外の炭素数2~18の有機酸(塩)としては、炭素数2~18の飽和脂肪族モノカルボン酸(塩)、炭素数3~18の不飽和脂肪族モノカルボン酸(塩)、炭素数2~18の飽和脂肪族ポリカルボン酸(塩)、炭素数2~18の飽和脂肪族ポリカルボン酸(塩)、炭素数4~18の不飽和脂肪族ポリカルボン酸(塩)、及び炭素数2~18のヒドロキシカルボン酸(塩)等があげられる。
なお、本明細書において、カルボン酸(塩)はカルボン酸及び/又はカルボン酸塩を意味し、例えば飽和脂肪族モノカルボン酸(塩)は飽和脂肪族モノカルボン酸及び/又は飽和脂肪族モノカルボン酸塩を意味する。
【0041】
炭素数2~18の飽和脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、オクタン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸及びステアリン酸等があげられる。
炭素数3~18の不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、リノール酸及びリノレン酸等があげられる。
炭素数2~18の飽和脂肪族ポリカルボン酸としては、炭素数2~18の飽和脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸及びセバシン酸等)等があげられる。
炭素数4~18の不飽和脂肪族ポリカルボン酸としては、炭素数4~18の不飽和脂肪族ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イソプロピリデンコハク酸及びドデセニルコハク酸等)等があげられる。
【0042】
炭素数2~18のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸(炭素数が2、水酸基数が1、カルボキシル基数が1)、乳酸(炭素数が3、水酸基数が1、カルボキシル基数が1)、ヒドロキシマロン酸(炭素数が3、水酸基数が1、カルボキシル基数が2)、グリセリン酸(炭素数が3、水酸基数が2、カルボキシル基数が1)、ヒドロキシ酪酸(炭素数が4、水酸基数が1、カルボキシル基数が1)、リンゴ酸(炭素数が4、水酸基数が1、カルボキシル基数が2)、酒石酸(炭素数が4、水酸基数が2、カルボキシル基数が2)、クエン酸(炭素数が6、水酸基数が1、カルボキシル基数が3)、メバロン酸(炭素数が6、水酸基数が2、カルボキシル基数が1)、リシノール酸(炭素数が18、水酸基数が1、カルボキシル基数が1)、シキミ酸(炭素数が7、水酸基数が3、カルボキシル基数が1)、o-、p-又はm-ヒドロキシ安息香酸(炭素数が7、水酸基数が1、カルボキシル基数が1)、バニリン酸(炭素数が8、水酸基数が1、カルボキシル基数が1)、プロトカテク酸(炭素数が7、水酸基数が2、カルボキシル基数が1)、3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸(炭素数が7、水酸基数が3、カルボキシル基数が1)、ジフェニルヒドロキシ酢酸(炭素数が14、水酸基数が1、カルボキシル基数が1)、2-ヒドロキシ-2-フェニル酢酸(炭素数が8、水酸基数が1、カルボキシル基数が1)及びフロレト酸(炭素数が9、水酸基数が1、カルボキシル基数が1)等があげられる。
【0043】
有機酸としては、洗浄剤組成物の起泡性の観点から、炭素数2~18のヒドロキシカルボン酸が好ましく、なかでも1~3個の水酸基と1~3個のカルボキシル基とを有する有機酸が更に好ましく、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、p-ヒドロキシ安息香酸、m-ヒドロキシ安息香酸、及びo-ヒドロキシ安息香酸が特に好ましい。
有機酸としては、炭素数7~18の芳香族モノカルボン酸、炭素数8~18の芳香族ポリカルボン酸、及び炭素数3~10のアミノ酸を用いることもできる。
【0044】
有機酸塩として好ましいものとしては、前記有機酸のアルカリ金属塩(更に好ましくはナトリウム塩及びカリウム塩)、前記有機酸とアンモニアとの塩、前記有機酸と第1級~第3級アミンとの塩、及び前記有機酸と第4級アンモニウムとの塩等があげられる。
中でも、有機酸塩としては、洗浄剤組成物の起泡性の観点から、アルカリ金属塩及び前記有機酸とアンモニアとの塩が好ましく、アルカリ金属塩が更に好ましい。
【0045】
本発明の界面活性剤組成物は、有機酸及び有機酸塩のいずれか一方、または両方を含む。中でも、有機酸塩を含むことが好ましい。
【0046】
本発明の界面活性剤組成物は、水を含有する。
本発明の界面活性剤組成物に含まれる水の種類に限定はなく、水道水、精製水(イオン交換水及びRO水等)、及び天然水(井戸水及び湧き水等)を用いることができる。
【0047】
界面活性剤組成物に含まれる一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(塩)の合計含有重量割合は、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(塩)、一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物、一般式(3)で表されるアルコール、前記エーテルカルボン酸(塩)以外の炭素数2~18の有機酸(塩)及び水の合計重量に基づいて、17~32重量%であり、界面活性剤組成物を含む洗浄剤組成物を製造するときの取り扱い性等の観点から、好ましくは20~29重量%である。
エーテルカルボン酸(塩)の合計含有重量割合が17~32重量%の範囲にあることで、起泡性が良好となる。
なお、本出願において、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(塩)、一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物、一般式(3)で表されるアルコール、前記エーテルカルボン酸(塩)以外の炭素数2~18の有機酸(塩)及び水の合計重量は、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸及び一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸塩、一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物、一般式(3)で表されるアルコール、前記エーテルカルボン酸以外の炭素数2~18の有機酸及び前記エーテルカルボン酸塩以外の炭素数2~18の有機酸塩及び水の合計重量を意味し、エーテルカルボン酸(塩)の合計含有重量はエーテルカルボン酸とエーテルカルボン酸塩の合計含有重量を意味する。
【0048】
界面活性剤組成物に含まれる一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物及び一般式(3)で表されるアルコールの合計含有重量割合は、前記エーテルカルボン酸(塩)、前記アルキレンオキサイド付加物、前記アルコール、前記有機酸(塩)及び水の合計重量に基づいて、0.5~5重量%であり、泡質等の観点から、好ましくは0.7~4重量%である。
前記アルキレンオキサイド付加物及び前記アルコールの合計含有重量割合が0.5~5重量%の範囲にあることで、泡安定性が良好となり、優れた泡質を達成することができる。
【0049】
界面活性剤組成物に含まれる、前記エーテルカルボン酸(塩)以外の炭素数2~18の有機酸(塩)の合計含有重量割合は、前記エーテルカルボン酸(塩)、前記アルキレンオキサイド付加物、前記アルコール、前記有機酸(塩)及び水の合計重量に基づいて、0.3~5重量%であり、保存安定性等の観点から、好ましくは0.5~4重量%である。
前記有機酸(塩)の合計含有重量割合が0.3~5重量%の範囲にあることで、界面活性剤組成物の低温での保存安定性が良好となる。
なお、本出願において、有機酸(塩)の合計含有重量は有機酸と有機酸塩の合計含有重量を意味する。
【0050】
界面活性剤組成物に含まれる水の含有重量割合は、前記エーテルカルボン酸(塩)、前記アルキレンオキサイド付加物、前記アルコール、前記有機酸(塩)及び水の合計重量に基づいて、58~82.2重量%であり、界面活性剤組成物を含む洗浄剤組成物を製造するときの取り扱い性等の観点から、好ましくは65~75重量%である。
【0051】
一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物と一般式(3)で表されるアルコールとの合計重量に対する前記アルキレンオキサイド付加物の重量割合は、泡質等の観点から、好ましくは30~99重量%であり、更に好ましくは40~90重量%である。
【0052】
本発明の界面活性剤組成物は、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(塩)と、一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物と、一般式(3)で表されるアルコールと、前記エーテルカルボン酸(塩)以外の炭素数2~18の有機酸(塩)と、水とを公知の方法で混合することで得ることが出来る。
前記エーテルカルボン酸(塩)と前記アルキレンオキサイド付加物と前記アルコールと前記有機酸(塩)と水との混合順序に制限は無く、例えば、エーテルカルボン酸(塩)とアルキレンオキサイド付加物とアルコールと水とを含む混合物を作製し、その混合物に有機酸(塩)を混合する方法等があげられる。
また、一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物と一般式(3)で表されるアルコールとは、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(塩)を製造した後の反応混合物中に、前記のエーテルカルボン酸(塩)と共に含まれている場合がある。そのため、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(塩)を製造する際に用いる原料(アルコール及びハロゲン化カルボン酸アルカリ金属塩等)の使用量を調整することにより、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(塩)と一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物と一般式(3)で表されるアルコールとを含む混合物を作製し、その混合物に前記エーテルカルボン酸(塩)以外の炭素数2~18の有機酸(塩)を混合することでも得ることが出来る。
【0053】
本発明の界面活性剤組成物は、泡質(起泡性及び泡安定性)に優れ、かつ保存安定性(特に低温での保存安定性)にも優れるため、泡質(起泡性及び泡安定性)と保存安定性に優れた洗浄剤組成物を得ることができ、洗浄剤組成物用の界面活性剤組成物として好ましく用いることができる。
【0054】
第二の本願発明である洗浄剤組成物は、前記の界面活性剤組成物を含む洗浄剤組成物である。
【0055】
本発明の洗浄剤組成物に含まれる、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(塩)と、一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物と、一般式(3)で表されるアルコールと、前記エーテルカルボン酸(塩)以外の炭素数2~18の有機酸(塩)との合計重量割合は、洗浄剤組成物の合計重量に基づいて、泡立ち、洗浄力等の観点から、好ましくは1~40重量%であり、更に好ましくは2~30重量%である。
【0056】
本発明の洗浄剤組成物は水を含む。
本発明の洗浄剤組成物が含む水には、前記の界面活性剤組成物に由来する水も含まれる。
洗浄剤組成物に含まれる水の含有量は、洗浄剤組成物の泡安定性の観点から、洗浄剤組成物の合計重量に基づいて、好ましくは50~95重量%であり、更に好ましくは60~90重量%である。
【0057】
本発明の洗浄剤組成物は、炭素数1~6のアルコール、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(塩)以外のアニオン性界面活性剤、一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物以外のノニオン界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤、薬効剤、抗炎症剤、抗菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、コンディショニング剤、エモリエント剤、シリコーン、パール化剤、キレート剤、pH調整剤、色素及び香料等の公知の化粧料用原料及び洗浄剤原料を含有することができ、これら公知の化粧料用原料及び洗浄剤原料の含有量は洗浄剤組成物の洗浄対象及び使用態様等に応じて調整することができる。
【0058】
本発明の洗浄剤組成物が炭素数1~6のアルコールを含む場合、炭素数1~6のアルコールの含有量は、好ましくは0.2~15重量%であり、更に好ましくは0.5~10重量%である。
本発明の洗浄剤組成物が両性界面活性剤を含む場合、両性界面活性剤の含有量は、好ましくは1~7重量%であり、更に好ましくは2~6重量%である。
【0059】
本発明の洗浄剤組成物におけるカチオン性界面活性剤の含有量は、好ましくは0~3重量%であり、更に好ましくは0~2重量%である。
【0060】
発明の洗浄剤組成物における前記エーテルカルボン酸以外のアニオン性界面活性剤の含有量は、好ましくは0~15重量%であり、更に好ましくは0~10重量%である。
【0061】
本発明の洗浄剤組成物が前記アルキレンオキサイド付加物以外のノニオン界面活性剤を含む場合、前記アルキレンオキサイド付加物以外のノニオン界面活性剤の含有量は、好ましくは0.1~10重量%であり、更に好ましくは0.3~5重量%である。
【0062】
本発明の洗浄剤組成物における増粘剤、ゲル化剤、薬効剤、抗炎症剤、抗菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、コンディショニング剤、エモリエント剤、シリコーン、パール化剤、キレート剤、pH調整剤、色素及び香料の含有量は、それぞれ好ましくは0~3重量%であり、更に好ましくは0~2重量%である。
【0063】
炭素数1~6のアルコールとしては、エタノール、イソプロパノール、1,2-プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール及びジプロピレングリコール等が挙げられる。
【0064】
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤、カルボベタイン型両性界面活性剤及びスルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
【0065】
アミノ酸型両性界面活性剤としては、アルキルアミノプロピオン酸塩(ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等)が挙げられる。
カルボベタイン型両性界面活性剤としては、アルキルジメチル酢酸ベタイン(ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン及びラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等)、アルキルアミド酢酸ベタイン{ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン及びラウリン酸アミドプロピルベタイン等}及びアルキルジヒドロキシアルキルベタイン(ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等)等が挙げられる。
スルホベタイン型両性界面活性剤としては、アルキルジメチルヒドロキシスルホベタイン(ラウリルジメチルヒドロキシスルホベタイン等)、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン(ラウリルアミドプロピルヒドロキシスルホベタイン等)等が挙げられる。
【0066】
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型及びアミン塩型などが挙げられる。
【0067】
一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸(塩)以外のアニオン性界面活性剤としては、炭素数23以上の脂肪族炭化水素基を有するエーテルカルボン酸塩、エーテル基を有さない脂肪族カルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩、硫酸化油、アルキルスルホコハク酸塩、硫酸化オレフィン、アルキルスルホン酸塩及びアルキルリン酸エステル塩などが挙げられる。
【0068】
一般式(2)で表されるアルキレンオキサイド付加物以外のノニオン界面活性剤としては、アルキレンオキサイド付加型非イオン界面活性剤[炭素数23以上の脂肪族アルコール、高級脂肪酸、アルキルフェノール又は高級アルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物、ポリオキシアルキレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、ポリオールと高級脂肪酸との部分エステルにアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、高級脂肪酸アミドのアルキレンオキサイド付加物、多価アルコールの部分アルキルエーテルのアルキレンオキサイド付加物及び前記のアルキレンオキサイド付加物のアルキルエーテル化物]、多価アルコール型非イオン界面活性剤[多価アルコール脂肪酸エステル(ソルビタン脂肪酸エステル等)及び多価アルコールアルキルエーテル等]、脂肪酸アルカノールアミド(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、及びヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等)等が挙げられる。
【0069】
増粘剤、ゲル化剤、薬効剤、抗炎症剤、抗菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び香料としては、「香粧品科学」田村健夫著 社団法人日本毛髪科学協会1976年発行のp204~211に記載のゲル化剤としての高分子化合物、p185~196に記載の殺菌剤と防腐剤、p177~183に記載の紫外線吸収剤、p199~203に記載の酸化防止剤、p145~148に記載の着色料、およびp150~176に記載の香料などが挙げられる。
エモリエント剤としては、カルナウバ蝋、蜜蝋、鉱油、扁桃油、ヒマシ油、ゴマ油、水素化ポリイソブテン、及びジカプリル酸ジカプリン酸ブチレングリコール[Sasol社からMyglyol(登録商標)として市販されている]、及びこれらの混合物が挙げられる。
コンディショニング剤としては、重量平均分子量500~500万のカチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、シリコーン類、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、タンパク質誘導体、セラミド類、擬似セラミド類、炭素数16~40の脂肪酸及びパンテノール等が挙げられる。
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ポリリン酸、ピロリン酸、グルコン酸、アスコルビン酸及びこれらの塩等が挙げられる。
pH調整剤としては、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、乳酸、コハク酸及びクエン酸等が挙げられる。
色素としては、青色1号、青色2号、緑色3号及び赤色1号等が挙げられる。
【0070】
本発明の洗浄剤組成物の性状は特に限定されないが、液体状及びペースト状が挙げられる。これらのうち、取り扱い易さの観点から好ましくは液体状である。
【0071】
本発明の洗浄剤組成物は、本発明の界面活性剤組成物と、必要により添加する界面活性剤及び水とを混合容器に量り取って、加温(好ましくは室温~70℃)し、撹拌装置(撹拌棒をセットしたスリーワンモーター等)で混合したあと、その他の成分を添加し混合すること等により得ることが出来る。
【0072】
本発明の洗浄剤組成物は、低温で保管しても濁りや分離等の外観変化が生じないだけでなく、泡立ちがよく刺激性も低いため、シャンプー、ボディーソープ及び洗顔料に用いる洗浄剤として好ましく用いることができる。
【実施例】
【0073】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0074】
<製造例1>(界面活性剤組成物(Y1)の製造)
撹拌及び温度調節機能の付いたステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコールを186重量部(1モル)及び三フッ化ホウ素0.2重量部を仕込み、混合した後に系内の気相を窒素で置換した。続いて、オートクレーブ内を撹拌しながら80℃に昇温し、エチレンオキサイド132重量部(3モル)を、オートクレーブの内の圧力がゲージ圧で0.1~0.3MPaとなるように徐々に導入してエチレンオキサイドの付加反応を行った。エチレンオキサイドの付加反応に要した合計時間は5時間であった。
その後、50℃まで冷却し、水酸化ナトリウム48重量%水溶液0.25重量部を加えて混合し、前記一般式(2)においてR3がラウリル基であり、A2Oがエチレンオキシ基であり、nが1から20までの範囲内にあるラウリルアルコールのエチレンオキサイド付加物を合計して93重量%含み、ラウリルアルコールを6.96重量%含み、水を0.04重量%含有する界面活性剤組成物(Y1)を得た。なお、界面活性剤組成物(Y1)の組成は、ガスクロマトグラフとカールフィッシャー水分計とを用いて分析することにより確認した。実施例2~3における界面活性剤組成物の組成も同様の方法で確認した。
【0075】
<製造例2>(界面活性剤組成物(Y2)の製造)
製造例1において、ラウリルアルコール186重量部(1モル)をミリスチルアルコール214重量部(1モル)に変更したこと以外は製造例1と同様にして、前記一般式(2)においてR3がミリスチル基であり、A2Oがエチレンオキシ基であり、nが1から20までの範囲内にあるミリスチルアルコールのエチレンオキサイド付加物を合計して93重量%含み、ミリスチルアルコールを6.96重量%含み、水を0.04重量%含有する界面活性剤組成物(Y2)を得た。
【0076】
<製造例3>(界面活性剤組成物(Y3)の製造)
製造例1において、ラウリルアルコール186重量部(1モル)をセチルアルコール242重量部(1モル)に変更したこと以外は製造例1と同様にして、前記一般式(2)においてR3がセチル基であり、A2Oがエチレンオキシ基であり、nが1から20までの範囲内にあるセチルアルコールのエチレンオキサイド付加物を合計して93重量%含み、セチルアルコールを6.96重量%含み、水を0.04重量%含有する界面活性剤組成物(Y3)を得た。
【0077】
<製造例4>(界面活性剤組成物(Y4)の製造)
撹拌及び温度調節機能の付いたステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール186重量部(1モル)及びナトリウムメチラート28%メタノール溶液0.5重量部を仕込み、混合した後、系内の気相を窒素で置換した。その後、減圧下(2.6KPa)に、120℃にて2時間脱メタノールを行った。続いて、オートクレーブ内を撹拌しながら150℃に昇温し、エチレンオキサイド132重量部(3モル)を、オートクレーブの内の圧力がゲージ圧で0.1~0.3MPaとなるように徐々に導入してエチレンオキサイドの付加反応を行い、前記一般式(2)においてnが1から20までの範囲内にあるラウリルアルコールのエチレンオキサイド付加物とラウリルアルコールとの混合物を318重量部得た。エチレンオキサイドの付加反応に要した合計時間は3時間であった。
続いて、前記のエチレンオキサイドの付加反応で得られたラウリルアルコールのエチレンオキサイド付加物とラウリルアルコールとの混合物238.5重量部(ラウリルアルコールのEO3モル付加物に換算した場合のモル数:0.75モル)とモノクロル酢酸ナトリウム174.8重量部(1.5モル)とを撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製反応容器に仕込み、温度を50℃に保ちながら10KPaまで徐々に減圧しながら脱水を行い、次いで、同圧力で顆粒状の水酸化ナトリウム67.8重量部(1.7モル)を3時間かけて仕込んだ後、更に4時間攪拌を続けて反応を行った。反応後に、水350重量部を加え、さらに35%の塩酸133重量部を加えて30分間撹拌した後、3時間静置することで分液した。副生塩を含有する下液を廃棄して残った上層を70℃に加熱し、水667重量部を加え、更に48.5%の水酸化ナトリウム水溶液64重量部(0.79モル)を徐々に加えて中和し、界面活性剤組成物(Y4)を得た。
界面活性剤組成物(Y4)は、前記一般式(1)においてR1がラウリル基でありA1Oがエチレンオキシ基であり、R2がメチレン基であり、mが0から20までの範囲内にあるエーテルカルボン酸ナトリウムを合計して29重量%含み、前記一般式(2)においてR3がラウリル基であり、A2Oがエチレンオキシ基であり、nが1~20であるラウリルアルコールのエチレンオキサイド付加物を合計して0.1重量%含み、ラウリルアルコールを0.1重量%含み、水を70.8重量%含む界面活性剤組成物であった。
【0078】
<実施例1>(界面活性剤組成物(X1)の製造)
撹拌及び温度調節機能の付いたステンレス製オートクレーブに、デカノール158重量部(1モル)及びナトリウムメチラート28%メタノール溶液0.5重量部を仕込み、混合した後、オートクレーブ内の気相を窒素で置換した。その後、オートクレーブ内を120℃、2.6KPa(絶対圧)まで加熱減圧し、メタノールを留去する操作を2時間行った。続いて、オートクレーブ内を撹拌しながら150℃に昇温し、エチレンオキサイド132部(3モル)をオートクレーブの圧力が0.1~0.3MPa(ゲージ圧)の範囲を維持するように徐々に導入してエチレンオキサイドの付加反応を行い、前記一般式(2)においてnが1から20までの範囲内にあるデカノールのエチレンオキサイド付加物とデカノールとの混合物を290重量部得た。エチレンオキサイドの付加反応に要した合計時間は3時間であった。
続いて、前記のエチレンオキサイドの付加反応で得られたデカノールのエチレンオキサイド付加物とデカノールとの混合物217.5重量部(デカノールのEO3モル付加物に換算した場合のモル数:0.75モル)とモノクロル酢酸ナトリウム116.5重量部(1.0モル)とを撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製反応容器に仕込み、温度を50℃に保ちながら10KPaまで徐々に減圧しながら脱水を行い、次いで、同圧力で顆粒状の水酸化ナトリウム45.2重量部(1.13モル)を3時間かけて仕込んだ後、更に4時間攪拌を続けて反応を行った。反応後に、水350重量部を加え、さらに35%の塩酸133重量部を加えて30分間撹拌した後に3時間静置することで分液した。副生塩を含有する下液を廃棄して残った上層を70℃に加熱し、水600重量部とクエン酸2重量部とを加え、更に48.5%の水酸化ナトリウム水溶液59重量部(0.72モル)を徐々に加え、前記一般式(1)においてR1がデシル基であり、A1OがEOであり、R2がメチレン基であり、mが0から20までの範囲内にあるエーテルカルボン酸ナトリウム(エーテルカルボン酸塩(A1))を合計して29重量%含み、前記一般式(2)においてR3がデシル基でありA2Oがエチレンオキシ基でありnが1から20までの範囲内にあるデカノールのエチレンオキサイド付加物(アルキレンオキサイド付加物(B1))を合計して0.6重量%含み、デカノール(アルコール(C1))を0.5重量%含み、クエン酸三ナトリウム(有機酸塩(D1))を0.3重量%含み、水を69.6重量%含有する本発明の界面活性剤組成物(X1)を得た。
界面活性剤組成物(X1)の組成のうち、デカノールのエチレンオキサイド付加物とデカノールの濃度は高速液体クロマトグラフを用いて定量した。
界面活性剤組成物(X1)を105℃で60分加熱して減少した重量を水の重量として界面活性剤組成物(X1)の水の濃度を計算し、クエン酸三ナトリウムの濃度は、原料に用いたクエン酸の重量から計算した。
また、エーテルカルボン酸ナトリウムの濃度は、界面活性剤組成物(X1)からデカノールのエチレンオキサイド付加物とデカノールとクエン酸三ナトリウムと水とを除いた残分がエーテルカルボン酸ナトリウムであるものとして計算した。
実施例2、3及び比較例1における界面活性剤組成物の組成も同様の方法で計算した。
【0079】
<実施例2>(界面活性剤組成物(X2)の製造)
実施例1において、デカノール158重量部(1モル)をラウリルアルコール186重量部(1モル)に変更したこと以外は実施例1と同様にしてラウリルアルコールのEO3モル付加物を含み、前記一般式(2)においてnが1から20までの範囲内にあるラウリルアルコールのエチレンオキサイド付加物とラウリルアルコールとの混合物を318重量部得た。
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製反応容器に仕込んだデカノールのエチレンオキサイド付加物とデカノールとの混合物217.5重量部を前記のエチレンオキサイドの付加反応で得られたラウリルアルコールのエチレンオキサイド付加物とラウリルアルコールとの混合物238.5重量部(ラウリルアルコールのEO3モル付加物に換算した場合のモル数:0.75モル)に変更し、分液後の上層に加える水600重量部を638重量部に変更し、クエン酸2重量部を8重量部に変更し、48.5%の水酸化ナトリウム水溶液59重量部(0.72モル)を64重量部(0.79モル)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、本発明の界面活性剤組成物(X2)を得た。
界面活性剤組成物(X2)の組成は、前記一般式(1)においてR1がラウリル基であり、A1OがEOであり、R2がメチレン基であり、mが0から20までの範囲内にあるエーテルカルボン酸ナトリウム(エーテルカルボン酸塩(A2))を合計して29重量%含み、前記一般式(2)においてR3がラウリル基でありA2Oがエチレンオキシ基でありnが1から20までの範囲内にあるラウリルアルコールのエチレンオキサイド付加物(アルキレンオキサイド付加物(B2))を合計して0.6重量%含み、ラウリルアルコールアルコール(C2)を0.5重量%含み、クエン酸三ナトリウム(有機酸塩(D1))を1.1重量%含み、水を68.8重量%含む界面活性剤組成物であった。
【0080】
<実施例3>(界面活性剤組成物(X3)の製造)
実施例1において、デカノール158重量部(1モル)をミリスチルアルコール214重量部(1モル)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、前記一般式(2)においてnが1から20までの範囲内にあるミリスチルアルコールのエチレンオキサイド付加物とミリスチルアルコールとの混合物を346重量部得た。
撹拌及び温度調節機能の付いたガラス製反応容器に仕込んだデカノールのエチレンオキサイド付加物とデカノールとの混合物217.5重量部を前記のエチレンオキサイドの付加反応で得られたミリスチルアルコールのエチレンオキサイド付加物とミリスチルアルコールとの混合物259.5重量部(ミリスチルアルコールのEO3モル付加物に換算した場合のモル数:0.75モル)に変更し、分液後の上層に加える水600重量部を700部に変更したこと以外は実施例1と同様にし、本発明の界面活性剤組成物(X3)を得た。
界面活性剤組成物(X3)の組成は、前記一般式(1)においてR1がミリスチル基であり、A1Oがとミリスチルアルコールとの混合物であり、R2がメチレン基であり、mが0から20までの範囲内にあるエーテルカルボン酸ナトリウム(エーテルカルボン酸塩(A3))を合計して29重量%含み、前記一般式(2)においてR3がミリスチル基でありA2Oがエチレンオキシ基でありnが1から20までの範囲内にあるミリスチルアルコールのエチレンオキサイド付加物(アルキレンオキサイド付加物(B3))を合計して0.6重量%含み、ミリスチルアルコール(アルコール(C3))を0.5重量%含み、クエン酸三ナトリウム(有機酸塩(D1))を1.0重量%含み、水を68.9重量%含む界面活性剤組成物であった。
【0081】
<実施例4~11、比較例1~4>
製造例1~4で得られた界面活性剤組成物(Y1)~(Y4)、実施例1~3で得られた界面活性剤組成物(X1)~(X3)、アルコール、有機酸(塩)及び水を表1に記載した重量部で混合し、実施例4~15にかかる本発明の界面活性剤組成物(X4)~(X11)及び比較例1~4にかかる比較用の界面活性剤組成物(X12)~(X15)を作製した。
表1の組成の列に記載した略称は、それぞれ表3に記載の化合物を意味する。
なお、製造例1~4及び実施例1~3で用いた化合物は富士フィルム和光純薬(株)製の試薬を用いた。実施例4~11及び比較例1~4で用いた有機酸塩のうち、DL-りんご酸二ナトリウムはナカライテスク(株)製の試薬を用い、アルコール及び他の有機酸塩は、富士フィルム和光純薬(株)製の試薬をそれぞれ用いた。
【0082】
【0083】
実施例1~3にかかる界面活性剤組成物(X1)~(X3)、実施例4~11にかかる界面活性剤組成物(X4)~(X11)、比較例1~4にかかる比較用の界面活性剤組成物(X12)~(X15)の組成を表2に記載した。
界面活性剤組成物(X1)~(X15)をそのまま洗浄剤組成物として用い、起泡性及び泡安定性、並びに低温(5℃)での外観安定性を下記の方法で評価し、その評価結果を表2に記載した。
それぞれの評価は後述の方法を用いた。
なお、表2で記載した略称は、それぞれ表3に記載の化合物を意味する。
【0084】
【0085】
表2において、(A)、(B)、(C)、(D)がそれぞれエーテルカルボン酸(塩)、アルキレンオキサイド付加物、アルコール及び有機酸(塩)を示し、(A)/[(A)+(B)+(C)+(D)+水]はエーテルカルボン酸(塩)、アルキレンオキサイド付加物、アルコール、有機酸(塩)及び水の合計重量に基づく前記エーテルカルボン酸及び前記エーテルカルボン酸塩の合計含有重量割合を意味する。
表2において、[(B)+(C)]/[(A)+(B)+(C)+(D)+水]は、エーテルカルボン酸、エーテルカルボン酸塩、アルキレンオキサイド付加物、アルコール、有機酸、有機酸塩及び水の合計重量に基づく前記アルキレンオキサイド付加物及び前記アルコールの塩の合計含有重量割合を意味する。
表2において、(D)/[(A)+(B)+(C)+(D)+水]は、エーテルカルボン酸、エーテルカルボン酸塩、アルキレンオキサイド付加物、アルコール、有機酸、有機酸塩及び水の合計重量に基づく前記有機酸及び前記有機酸塩の合計含有重量割合を意味する。
単位はそれぞれ重量%である。
【0086】
【0087】
<起泡性>
界面活性剤組成物を水道水で100倍に希釈し、pHが7.0になるように水酸化ナトリウムを加えた。得られた水溶液200mLを25℃に温調し、東芝(株)製、ジュースミキサー(MX-390GM)を用いて30秒間撹拌した直後の泡高さ(mm)を読みとり、読み取った泡の高さを起泡性として結果を表2に記載した。数値が大きいほど泡の高さが高く、起泡性に優れることを意味する。
【0088】
<泡安定性>
上記起泡性の試験と同様の方法で調整した水溶液200mLを25℃に温調し、東芝(株)製、ジュースミキサー(MX-390GM)を用いて30秒間撹拌した後、撹拌を停止した。
直ぐに泡の高さ(mm)を読み取り、更に撹拌停止から5分間静置した後の泡高さ(mm)を読み取った。
撹拌停止から5分間静置した後の泡高さと撹拌停止後すぐの泡の高さとの差を計算し、その値を泡安定性として表2に記載した。値が小さいほど静置中の泡高さの減少がないこと、すなわち泡安定性が高いことを意味する。
【0089】
<低温(5℃)での外観安定性>
界面活性剤組成物を高さ41mm、直径90mmの円筒型ガラス製容器に入れて密閉し、5℃の恒温槽内で静置保管し、1日おきに外観変化を観察し、白濁又は分離が確認されるまでの日数を低温での外観安定性として表2に記載した。
表2に記載した白濁又は分離が確認されるまでの日数の値が大きいほど、外観安定性が良好であることを意味し、「>30」は、静置保管を開始してから30日目の時点でも白濁も分離も生じなかったことを意味し、「<1」は、静置保管を開始してから1日目(保管開始の翌日)には白濁及び/又は分離が発生していたことを意味する。
【0090】
<実施例12~22>(洗浄剤組成物(W1)~(W11)の作製)
実施例1~11にかかる界面活性剤組成物(X1)~(X11)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン[三洋化成工業(株)製、レボンHC-30W]、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド[三洋化成工業(株)製、プロファンAB-20]、ポリオキシエチレン(60)セトステアリルヒドロキシミリスチレンエーテル[ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、エルファコスGT 282S]、クエン酸、水酸化ナトリウム、p-安息香酸メチル及び水を含む洗浄剤組成物を以下の方法で作製し、実施例12~22にかかる洗浄剤組成物(W1)~(W11)を得た。
得られた洗浄剤組成物(W1)~(W11)について、起泡性、及び泡安定性を実施例1と同様に評価し、その評価結果を表4に記載した。また、洗浄剤組成物を製造してから24時間後の25℃におけるB型粘度計(単位:mPa・s)を測定し、洗浄剤組成物の粘度として表4に記載した。
なお、クエン酸、水酸化ナトリウム、及びp-安息香酸メチルは、富士フィルム和光純薬(株)製の試薬を用いた。
【0091】
<洗浄剤組成物の作製方法>
表4に記載された重量部の界面活性剤組成物(X1)~(X11)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン(60)セトステアリルヒドロキシミリスチレンエーテル、p-安息香酸メチル及び水の順に混合容器に入れ、60℃に加熱しながら撹拌して均一にした。均一になった混合物を40℃に冷却した後、pHが7.0になるように水酸化ナトリウム酸を加え、更に25℃まで冷却して洗浄剤組成物(W1)~(W11)を作製した。
【0092】
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の界面活性剤組成物は起泡性及び泡安定性に優れた洗浄剤組成物を得ることができるだけでなく、低温での保存安定性にも優れているため、頭髪用洗浄用又は皮膚用等に用いる洗浄剤組成物の原料として好適である。
また、本発明の界面活性剤組成物は、家庭用洗浄剤(衣料用洗剤及び食器用洗剤等)及び工業用洗浄剤(金属及び精密部品等の洗浄剤等)としても使用できる。