(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】結晶化速度を低下させたコポリアミド組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 77/06 20060101AFI20240115BHJP
C08G 69/36 20060101ALI20240115BHJP
C08G 69/26 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
C08L77/06
C08G69/36
C08G69/26
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022117003
(22)【出願日】2022-07-22
(62)【分割の表示】P 2018536084の分割
【原出願日】2016-09-28
【審査請求日】2022-08-22
(32)【優先日】2015-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509354042
【氏名又は名称】アセンド・パフォーマンス・マテリアルズ・オペレーションズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ASCEND PERFORMANCE MATERIALS OPERATIONS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ジェイコブ ジー.
(72)【発明者】
【氏名】リストポロス,ティファニー
(72)【発明者】
【氏名】マンニング,スティーブン シー.
(72)【発明者】
【氏名】オウェイムリーン,タリク エス.
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ,スコット イー.
(72)【発明者】
【氏名】センユルト,アスキム
【審査官】藤井 明子
(56)【参考文献】
【文献】特表平05-507954(JP,A)
【文献】特開2011-080056(JP,A)
【文献】特開2000-038445(JP,A)
【文献】特表平05-504385(JP,A)
【文献】国際公開第2013/099522(WO,A1)
【文献】特開2000-191904(JP,A)
【文献】特開平11-335553(JP,A)
【文献】特開2000-038444(JP,A)
【文献】米国特許第05194578(US,A)
【文献】特開平03-239755(JP,A)
【文献】特開2006-348057(JP,A)
【文献】特表2013-518940(JP,A)
【文献】米国特許第04702875(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00-3/18
C08G 69/00-69/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
75~99重量%の繰り返しジアミンおよびジカルボン酸単位と、1~25重量%の繰り返しラクタムまたは
異なる二酸およびジアミン単位とを含むコポリアミド組成物であって、
コポリアミド組成物が18,000g/molより大きい数平均分子量Mn、60~350のASTM D789(9.34)に準拠した相対粘度、および220℃より高い融点を有
し、コポリアミド組成物が式(1)または式(2)または式(3)
【化1】
(式(1)において、
a=2~16、
b=2~16、
c=75~99重量%、
d=2~16、および
e=1~25重量%である)
【化2】
(式(2)において、
a=2~16、
b=2~16、
c=75~99重量%、
f=2~16、
g=2~16、および
h=1~25重量%であり、
aおよびfは同一であることができず、またはbおよびgは同一であることができない)
【化3】
(式(3)において、
c=70~99重量%、
d=2~16、
e=1~30重量%である)
を有する、コポリアミド組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ナイロン6,6は、射出成形、繊維、押し出し異形材およびフィルムの用途に広く用
いられる。多くの用途について、他のエンジニアリング樹脂(例えば、PETおよびナイ
ロン6)に対してその急速な結晶化速度および高い温度性能によって、著しい長所がもた
らされる。ナイロン6,6の高い融点、靭性、貫入抵抗および酸素バリア性によって、そ
れは、ナイロン6などの、フィルムにおいて用いられる他の熱可塑性物質が達成すること
ができない特別な性能プロフィールを得る。しかし、フィルムの汎用性および融通性に関
して、ナイロン6,6の著しい短所は、その急速な結晶化速度である(すなわち、200
~220℃における半結晶化時間は約10秒未満であり、前記半結晶化時間は約100℃
まで維持される)。(1)ブローアップ比、(2)配向能力、および(3)熱成形能力に
影響を及ぼすこの急速な結晶化時間の結果、フィルムの製造業者は、ナイロン6,6を用
いる場合に制限を受ける。
【背景技術】
【0002】
ナイロン6,6のフィルムの加工に関連付けられた上記の困難を考慮に入れて、加工性
が向上した(すなわち、結晶性がより遅い)押し出し品を製造すると共に、所望の用途に
必要な高融点を達成するために、製造者は、ナイロン6,6およびナイロン6のペレット
配合物を押し出すことが多い。しかし、最終的なフィルムを溶融し、製造するために使用
される一軸押出機において、ナイロン6,6およびナイロン6のそれらの間のハイブリッ
ド特性を有する均質材料を製造することは困難である。この困難については、文献に充分
に記載されているが、ここで、一軸押出機におけるペレットの配合および融解によって、
意図された単一の融点ではなく、2つの融点の形で、最終的な押し出し品における不均質
性が、望ましくなく生じる(M. Kohan, Nylon Plastics Handbook, 1995;K. Marchildon
, Macromol. React. Eng. 5, 22-54, 2011)。
【0003】
劣った混合および不均質性によって、フィルムの清澄性が損なわれ、機械的特性が望ま
しくなくなり、低融点ポリマーを含む領域内における溶落ちの潜在性が生じる。この後者
の点は、
図3において示され、それによって、フィルムの領域内において認められるホッ
トスポットおよび溶落ちが、融点が220℃のナイロン6内において多くあることが確認
された。
【0004】
より高い熱性能を除く、ナイロン6に対するナイロン6,6の長所は、その清浄度であ
るが、それに対して、ナイロン6をフィルム内に組み込むことによって、熱可逆性を得る
ことが可能であり、それによって大量のカプロラクタムモノマーが形成される(M. Kohan
, Nylon Plastics Handbook, 1995)。抽出可能なモノマーのレベルが、食品と接触する
用途に対する安全性および認可を不利に損なうことが知られているため、この結果は望ま
しくない(Food and Drug Administration, HHS, 21 CFR Ch. I, 4-1-02 Edition, 2002
)。典型的なナイロン6加工温度において、ナイロン6の重量に対するカプロラクタム形
成は7~8重量%であるが、それに対して、本発明のコポリマーは、約1.5重量%の著
しくより低い最大コモノマー形成を示す。
【0005】
上述のように、ナイロン6,6は、一般に、より高い熱的性能と向上した強度とが必要
とされるフィルム用途におけるナイロン6の代用として用いられる。しかし、ナイロン6
およびナイロン6が多く含まれるコポリアミドは、主にそれらの加工の容易さ(すなわち
、延伸および熱成形の能力を向上させるより遅い結晶化速度)と多層押し出しを生じる際
に用いられる他の熱可塑性物質に対する熱的および流体力学的な相溶性とにより、約80
0,000,000ポンドのナイロン市場の大部分をカバーする。本発明以前において、
ナイロン6よりも熱的性能が大きい多層フィルムまたは単層フィルムが必要とする機能の
全てを達成することは可能でなかった。
【0006】
フィルムは、結晶化挙動がより遅くなることによって可能となる上述の長所に基づいて
有益性が認められる主要な標的用途領域である。主要な領域は、単層パッケージまたは多
層パッケージを必要とする工業用途または食物用途を含む。単層フィルムが用いられる例
としては、複合構造物(すなわち、風エネルギーのための風車ブレード)を硬化するため
の真空バギング/保護フィルム、クッキングバッグ、およびコーヒーパッケージングやレ
トルトパウチなどのアイテムのための多層ラミネート構造体内に現れる二軸配向ナイロン
が挙げられる。多層ブローフィルムが用いられる例としては、肉およびチーズパッケージ
ングならびに直立パウチ、ならびに骨付き肉のための収縮フィルムが挙げられる。加えて
、結晶化挙動がより遅いことによって、光沢、清澄性および靭性が高まり、モノフィラメ
ント(すなわち、釣り糸)、繊維、および充填された射出成形品のための向上した表面仕
上げ/光沢における有益性が見出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
とりわけ本発明の目的をキャストフィルムやブローフィルムなどの用途とする場合、本
発明は、ナイロン6、ナイロン6,6またはナイロン6が多く含まれるコポリアミド溶液
およびそれらの溶融配合物を用いることによって達成することができない熱的特性、機械
的特性および結晶化特性の予想外に固有の組合せを示すコポリアミドに対するアクセスを
提供することによって、満たされていない市販の必要性に対処するものである。重要な属
性としては、高融点(>220℃)、高靭性、ナイロン6,6に対して低下した結晶化速
度、ならびにフィルムの用途に必要とされる溶融強度を達成する相対粘度(>60)およ
び/または分子量(Mn>18,000g/mol)が挙げられる。他の有利な機械的特
性および熱的特性が結び付けられた本発明のコポリアミドの結晶化速度を低下させたこと
によって、フィルムの透明性が高くなり、ブローアップ比がより高くなり、熱成形性が増
加し、一軸配向または二軸配向する能力が生じる。本発明のナイロン6,6が多く含まれ
るコポリマーは、フィルム用途のためのより大きな機能性および融通性も可能にする一方
で、ナイロン6に対して向上した清浄度と共に向上した熱的性能(220℃以上)を示す
ことが認められる。その上、これらの長所は、例えば、加工における更により大きな融通
性を可能にする約12~15重量%のコモノマーの組み込みにおいて、ナイロン6に対し
てより遅い結晶化速度によって更に補われる。
【0008】
また、本発明は、特にそれが潜在的な抽出可能モノマーに関するので、単一の融点を有
する均質フィルムに対するルートも提供するものである。加えて、低温でナイロンを加工
する能力によって、潜在的なモノマー浸出がより低くなる(M. Kohan, Nylon Plastics H
andbook, 1995)。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ラクタムとの反応から生じるコモノマー、または、代替的に、異なる二酸お
よびジアミンから調製されるコモノマー(本明細書において「AA-BBコモノマー」と
称される)を組み込んだ、ジカルボン酸(二酸)およびジアミン出発材料から調製される
統計的コポリアミド熱可塑性組成物に関する。例示的な実施形態において、ジアミンおよ
び二酸出発材料は、PA66を提供するためのヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸
である。別の例示的な実施形態において、ジアミンおよび二酸出発材料は、PA69を提
供するためのヘキサメチレンジアミンおよびアゼライン酸である。例示的な実施形態にお
いて、ラクタムコモノマーは、ポリアミド組成物内へのPA6の組み込みを可能にするカ
プロラクタムである。したがって、特定の実施形態において、コポリアミド生成物は、P
A66-s-6である統計的コポリマーにおけるPA66単位とPA6単位との組合せで
あるか、またはPA69-s-6である統計的コポリマーにおけるPA69単位とPA6
単位との組合せである。本発明の他の例示的な実施形態において、AA-BBコモノマー
は、別々に、PA6,9、PA6,10、またはPA6,I(I=イソフタル酸)であり
、特定の実施形態において、コポリアミド生成物が、PA66-s-6,9である統計的
コポリマーにおけるPA66単位とPA69単位との組合せ、PA66-s-6,10で
ある統計的コポリマーにおけるPA66単位とPA6,10単位との組合せ、PA6,6
-s-6,Iである統計的コポリマーにおけるPA66単位とPA6,I単位との組合せ
、PA6,9-s-6,10である統計的コポリマーにおけるPA6,9単位とPA6,
10単位との組合せ、またはそれぞれPA6,9-s-PA6,IもしくはPA6,10
-s-6,Iである統計的コポリマーにおけるPA6,9もしくはPA6,10単位とP
A6,I単位との組合せを含むようなものとする。本発明のコポリアミドの他の特定の実
施形態としては、PA66-s-6,12、PA66-s-6,18、PA66-s-9
,6、PA66-s-10,6、PA69-s-6,12、PA69-s-6,18、P
A69-s-9,6、およびPA69-10,6が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。例示的な実施形態において、コポリアミド生成物は、75~99重量%(例
えば80~95重量%、例えば80~90重量%、例えば85~90重量%)のジアミン
/二酸繰り返し単位と、1~25重量%(例えば1~20重量%、例えば1~15重量%
、例えば1~10重量%、例えば5~15重量%、例えば10~15重量%)のラクタム
またはAA-BB繰り返し単位とを含む。別の例示的な実施形態において、コポリアミド
生成物は、66~99mol%(例えば70~95mol%、例えば75~90mol%
、例えば80~90mol%)のジアミン/二酸繰り返し単位と、1~34mol%(例
えば1~30mol%、例えば5~25mol%、例えば5~20mol%、例えば10
~20mol%)のラクタムまたはAA-BB繰り返し単位とを含む。
【0010】
ラクタムまたはAA-BBコモノマーの組み込みによって、例えば、(1)高融点(2
20℃以上)、(2)PA6溶液およびPA6-s-66溶液に対してより低い潜在的プ
レートアウト、(3)低い酸素透過、(4)高い引張り強さ、(5)貫入抵抗/引裂き抵
抗、および(6)より高い光沢など、PA66溶液の著しい有益性が維持されると共に、
PA66溶液の結晶化速度が著しく低下する(すなわち、結晶化時間がより長くなる)。
PA66溶液に関連付けられた所望の質と、より簡単な加工(より遅い結晶性)および清
浄度(例えば、例えばPA6およびPA6-s-66と比較して低い潜在的浸出)とを組
み合わせることによって、例えば1~25重量%のラクタムまたはAA-BBコモノマー
(例えば、カプロラクタムおよびPA69)を含む本発明のコポリマー組成物は、例えば
フィルムなどの各種用途に用いるための固有で、所望の材料を提供する。
【0011】
典型的には、PA66は、PA6の約10倍の結晶化速度を有する。主鎖内におけるカ
プロラクタムまたは1つもしくは複数の他のコモノマーの低い統計的組み込みによって、
結晶化速度は、著しく低下し、フィルムとして適用される場合に融通性および生産性を増
大させる、(1)より高い潜在的ブローアップ比、(2)熱成形の潜在性、および(3)
フィルムを一軸配向または二軸配向する能力などの属性を有するポリアミドに、例えば、
約10~25重量%、例えば10~15重量%、例えば12~15重量%の、ラクタムや
AA-BBコモノマーなどのコモノマーが組み込まれる場合、更にPA6よりも遅くなる
。潜在的配向および熱成形延伸の程度は、PA6よりも優れた熱的性能特性および機械的
特性を維持しつつ、ポリアミドコポリマーに組み込まれたラクタムまたはAA-BBコモ
ノマーの量と共に増大する。更に、そのようなコポリアミドは、PA66およびPA6ペ
レット配合物の使用と比較して、固有で、区別された溶液を提供する。加工の観点から、
PA66を溶融させるために275℃より高い温度でPA66およびPA6の配合物を加
工する必要があり、それによって、PA6の熱的可逆性のためにカプロラクタム浸出もよ
り大きくなる。しかし、例えば、230~265℃、例えば235~260℃、例えば2
35~255℃、例えば240~255℃で、PA66-s-6コポリマーを、例えば加
工することができる(コモノマー組み込みの機能)。更に、PA66-s-6などのコポ
リアミドの結晶化速度を低下させることによって、PA66およびPA6ペレット配合物
よりも大きな融通性(すなわち、記載された通りの配向および熱成形の潜在性)がもたら
される。性能に関して、PA66-s-6などのコポリアミドによって、ペレット配合物
に対して、単一の融点を有するより均質で、非常に向上したフィルムがもたらされる。単
一の融点を有する均質なフィルムの重要性は、(1)溶落ちの潜在性の低下(フィルム内
のPA6が多く含まれる領域を有する配合物内で生じる)、(2)フィルムの清澄性/透
明性の向上、および(3)靭性の向上である。
【0012】
本発明の一態様は、75~99重量%の繰り返しジアミンおよびジカルボン酸単位と、
1~25重量%の繰り返しラクタムまたはAA-BB単位とを含むコポリアミド組成物で
あって、60~350のASTM D789(9.34)に準拠した相対粘度、および2
20℃より高い融点を有する、コポリアミド組成物である。
【0013】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、以下に示される通りの式(1)、
式(2)または式(3)のものである。
【0014】
【化1】
式中、a=2~16、b=2~16、c=75~99重量%、d=2~16、およびe
=1~25重量%であり、
【0015】
【化2】
式中、a=2~16、b=2~16、c=75~99重量%、f=2~16、g=2~
16、およびh=1~25重量%であり、
aおよびfは同一であることができず、またはbおよびgは同一であることができず、(
a)、(b)、(f)および(g)の各々のメチレン基の1つまたは複数が、例えばアル
キルおよび/または芳香族置換基によって置換されていてもよく、
【0016】
【化3】
式中、c=70~99重量%、g=2~16、およびe=1~30重量%であり、
式(1)について、変数「a」、「b」および「d」の各々についての「2~16」の範
囲としては、独立して、例えば、2~14、2~12、2~10、2~8、2~6、2~
4、3~16、3~14、3~12、3~10、3~8、3~6、3~4、4~16、4
~14、4~12、4~10、4~8、4~6、5~16、5~14、5~12、5~1
0、5~8、6~16、6~14、6~12、6~10、6~8、7~16、7~14、
7~12、7~10、7~8、8~16、8~14、8~12、8~10、9~16、9
~14、9~12、9~10、10~16、10~14、10~12、12~16、12
~14および14~16などの間の全ての範囲が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではなく、変数「c」についての「75~99重量%」の範囲としては、例えば、75~
97重量%、75~95重量%、75~93重量%、75~90重量%、75~87重量
%、75~85重量%、75~83重量%、75~80重量%、78~97重量%、78
~95重量%、78~93重量%、78~90重量%、78~87重量%、78~85重
量%、78~83重量%、82~99重量%、82~97重量%、82~95重量%、8
2~93重量%、82~91重量%、82~89重量%、82~87重量%、82~85
重量%、85~99重量%、85~95重量%、85~90重量%、87~99重量%、
87~96重量%、87~93重量%、87~90重量%、90~99重量%、90~9
5重量%および95~99重量%などの間の全ての範囲が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではなく、変数「e」についての「1~25重量%」の範囲としては、例えば、
1~20重量%、1~17重量%、1~15重量%、1~13重量%、1~10重量%、
1~8重量%、1~5重量%、2~22重量%、2~20重量%、2~18重量%、2~
16重量%、2~14重量%、2~12重量%、2~10重量%、2~8重量%、2~6
重量%、2~4重量%、4~23重量%、4~20重量%、4~18重量%、4~16重
量%、4~14重量%、4~12重量%、4~10重量%、4~8重量%、4~6重量%
、6~25重量%、6~23重量%、6~20重量%、6~18重量%、6~16重量%
、6~14重量%、6~12重量%、6~10重量%、6~8重量%、8~25重量%、
8~23重量%、8~20重量%、8~18重量%、8~16重量%、8~14重量%、
8~12重量%、8~10重量%、10~25重量%、10~23重量%、10~20重
量%、10~18重量%、10~16重量%、10~14重量%、10~12重量%、1
2~25重量%、12~23重量%、12~20重量%、12~18重量%、12~16
重量%、12~14重量%、14~25重量%、14~23重量%、14~20重量%、
14~18重量%、14~16重量%、16~25重量%、16~23重量%、16~2
0重量%および16~18重量%などの間の全ての範囲が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではなく、
式(2)について、変数「a」、「b」、「f」および「g」の各々についての「2~1
6」の範囲としては、独立して、例えば、2~14、2~12、2~10、2~8、2~
6、2~4、3~16、3~14、3~12、3~10、3~8、3~6、3~4、4~
16、4~14、4~12、4~10、4~8、4~6、5~16、5~14、5~12
、5~10、5~8、6~16、6~14、6~12、6~10、6~8、7~16、7
~14、7~12、7~10、7~8、8~16、8~14、8~12、8~10、9~
16、9~14、9~12、9~10、10~16、10~14、10~12、12~1
6、12~14および14~16などの間の全ての範囲が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではなく、変数「c」についての「75~99重量%」の範囲としては、例えば
、75~97重量%、75~95重量%、75~93重量%、75~90重量%、75~
87重量%、75~85重量%、75~83重量%、75~80重量%、78~97重量
%、78~95重量%、78~93重量%、78~90重量%、78~87重量%、78
~85重量%、78~83重量%、82~99重量%、82~97重量%、82~95重
量%、82~93重量%、82~91重量%、82~89重量%、82~87重量%、8
2~85重量%、85~99重量%、85~95重量%、85~90重量%、87~99
重量%、87~96重量%、87~93重量%、87~90重量%、90~99重量%、
90~95重量%および95~99重量%などの間の全ての範囲が挙げられるが、これら
に限定されるものではなく、変数「h」についての「1~25重量%」の範囲としては、
例えば、1~20重量%、1~17重量%、1~15重量%、1~13重量%、1~10
重量%、1~8重量%、1~5重量%、2~22重量%、2~20重量%、2~18重量
%、2~16重量%、2~14重量%、2~12重量%、2~10重量%、2~8重量%
、2~6重量%、2~4重量%、4~23重量%、4~20重量%、4~18重量%、4
~16重量%、4~14重量%、4~12重量%、4~10重量%、4~8重量%、4~
6重量%、6~25重量%、6~23重量%、6~20重量%、6~18重量%、6~1
6重量%、6~14重量%、6~12重量%、6~10重量%、6~8重量%、8~25
重量%、8~23重量%、8~20重量%、8~18重量%、8~16重量%、8~14
重量%、8~12重量%、8~10重量%、10~25重量%、10~23重量%、10
~20重量%、10~18重量%、10~16重量%、10~14重量%、10~12重
量%、12~25重量%、12~23重量%、12~20重量%、12~18重量%、1
2~16重量%、12~14重量%、14~25重量%、14~23重量%、14~20
重量%、14~18重量%、14~16重量%、16~25重量%、16~23重量%、
16~20重量%および16~18重量%などの間の全ての範囲が挙げられるが、これら
に限定されるものではなく、
式(3)について、変数「g」につての「2~16」の範囲としては、例えば、2~14
、2~12、2~10、2~8、2~6、2~4、3~16、3~14、3~12、3~
10、3~8、3~6、3~4、4~16、4~14、4~12、4~10、4~8、4
~6、5~16、5~14、5~12、5~10、5~8、6~16、6~14、6~1
2、6~10、6~8、7~16、7~14、7~12、7~10、7~8、8~16、
8~14、8~12、8~10、9~16、9~14、9~12、9~10、10~16
、10~14、10~12、12~16、12~14および14~16などの間の全ての
範囲が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、変数「c」についての「70~
99重量%」の範囲としては、例えば、72~99重量%、72~97重量%、72~9
5重量%、72~93重量%、72~91重量%、72~89重量%、72~87重量%
、72~85重量%、75~99重量%、75~95重量%、75~90重量%、77~
99重量%、79~96重量%、79~93重量%、77~90重量%、70~99重量
%、70~95重量%および95~99重量%などの間の全ての範囲が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではなく、変数「e」についての「1~30重量%」の範囲として
は、例えば、1~27重量%、1~25重量%、1~20重量%、1~18重量%、1~
16重量%、1~14重量%、1~12重量%、1~10重量%、1~8重量%、1~6
重量%、1~4重量%、2~27重量%、2~25重量%、2~20重量%、2~18重
量%、2~16重量%、2~14重量%、2~12重量%、2~10重量%、2~8重量
%、2~6重量%、2~4重量%、4~27重量%、4~25重量%、4~20重量%、
4~18重量%、4~16重量%、4~14重量%、4~12重量%、4~10重量%、
4~8重量%、4~6重量%、6~27重量%、6~25重量%、6~20重量%、6~
18重量%、6~16重量%、6~14重量%、6~12重量%、6~10重量%、6~
8重量%、8~27重量%、8~25重量%、8~20重量%、8~18重量%、8~1
6重量%、8~14重量%、8~12重量%、8~10重量%、10~27重量%、10
~25重量%、10~20重量%、10~18重量%、10~16重量%、10~14重
量%、10~12重量%、12~27重量%、12~25重量%、12~20重量%、1
2~18重量%、12~16重量%、12~14重量%、14~27重量%、14~25
重量%、14~20重量%、14~18重量%、14~16重量%、16~27重量%、
16~25重量%、16~20重量%および16~18重量%などの間の全ての範囲が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
例示的な実施形態において、式(1)のコポリアミド組成物は、式(4)を有する。
【0018】
【化4】
式中、c=75~99重量%、d=4~12、およびe=1~25重量%であり、
式(4)について、変数「d」についての「4~12」の範囲としては、例えば、4~1
0、4~9、4~8、4~7、4~6、4~5、5~12、5~11、5~10、5~9
、5~8、5~7、6~12、6~11、6~10、6~9、6~8、7~12、7~1
1、7~10、7~9、7~8、8~12、8~11、8~10、8~9、9~12、9
~11、9~10および10~12などの間の全ての範囲が挙げられるが、これらに限定
されるものではなく、変数「c」についての「75~99重量%」の範囲としては、例え
ば、75~97重量%、75~95重量%、75~93重量%、75~90重量%、75
~87重量%、75~85重量%、75~80重量%、78~99重量%、78~97重
量%、78~95重量%、78~93重量%、78~90重量%、78~87重量%、7
8~85重量%、78~80重量%、82~99重量%、82~97重量%、82~95
重量%、82~93重量%、82~91重量%、82~89重量%、82~87重量%、
82~85重量%、85~99重量%、85~95重量%、85~90重量%、87~9
9重量%、87~96重量%、87~93重量%、87~90重量%、90~99重量%
、90~95重量%および95~99重量%などの間の全ての範囲が挙げられるが、これ
らに限定されるものではなく、変数「e」についての「1~25重量%」の範囲としては
、例えば、1~23重量%、1~20w%、1~18重量%、1~16重量%、1~14
重量%、1~12重量%、1~10重量%、1~8重量%、1~6重量%、1~4重量%
、2~20重量%、2~18重量%、2~16重量%、2~14重量%、2~12重量%
、2~10重量%、2~8重量%、2~6重量%、2~4重量%、4~20重量%、4~
18重量%、4~16重量%、4~14重量%、4~12重量%、4~10重量%、4~
8重量%、4~6重量%、6~20重量%、6~18重量%、6~16重量%、6~14
重量%、6~12重量%、6~10重量%、6~8重量%、8~20重量%、8~18重
量%、8~16重量%、8~14重量%、8~12重量%、8~10重量%、10~20
重量%、10~18重量%、10~16重量%、10~14重量%、10~12重量%、
12~20重量%、12~18重量%、12~16重量%、12~14重量%、14~2
0重量%、14~18重量%、14~16重量%、16~20重量%および16~18重
量%などの間の全ての範囲が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
例示的な実施形態において、式(2)のコポリアミド組成物は、式(5)のものである
。
【0020】
【化5】
式中、c=75~99重量%、f=2~16、g=2~16、およびh=1~25重量
%であり、fは4であることができず、またはgは6であることができず、
式(5)について、変数「f」および「g」の各々についての「2~16」の範囲として
は、独立して、例えば、2~14、2~12、2~10、2~8、2~6、2~4、3~
16、3~14、3~12、3~10、3~8、3~6、3~4、4~16、4~14、
4~12、4~10、4~8、4~6、5~16、5~14、5~12、5~10、5~
8、6~16、6~14、6~12、6~10、6~8、7~16、7~14、7~12
、7~10、7~8、8~16、8~14、8~12、8~10、9~16、9~14、
9~12、9~10、10~16、10~14、10~12、12~16、12~14お
よび14~16などの間の全ての範囲が挙げられるが、これらに限定されるものではなく
、変数「c」についての「75~99重量%」の範囲としては、例えば、75~97重量
%、75~95重量%、75~93重量%、75~90重量%、75~87重量%、75
~85重量%、75~80重量%、78~99重量%、78~97重量%、78~95重
量%、78~93重量%、78~90重量%、78~87重量%、78~85重量%、7
8~80重量%、82~99重量%、82~97重量%、82~95重量%、82~93
重量%、82~91重量%、82~89重量%、82~87重量%、82~85重量%、
85~99重量%、85~95重量%、85~90重量%、87~99重量%、87~9
6重量%、87~93重量%、87~90重量%、90~99重量%、90~95重量%
および95~99重量%などの間の全ての範囲が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではなく、変数「h」についての「1~25重量%」の範囲としては、例えば、1~23
重量%、1~20w%、1~18重量%、1~16重量%、1~14重量%、1~12重
量%、1~10重量%、1~8重量%、1~6重量%、1~4重量%、2~20重量%、
2~18重量%、2~16重量%、2~14重量%、2~12重量%、2~10重量%、
2~8重量%、2~6重量%、2~4重量%、4~20重量%、4~18重量%、4~1
6重量%、4~14重量%、4~12重量%、4~10重量%、4~8重量%、4~6重
量%、6~20重量%、6~18重量%、6~16重量%、6~14重量%、6~12重
量%、6~10重量%、6~8重量%、8~20重量%、8~18重量%、8~16重量
%、8~14重量%、8~12重量%、8~10重量%、10~20重量%、10~18
重量%、10~16重量%、10~14重量%、10~12重量%、12~20重量%、
12~18重量%、12~16重量%、12~14重量%、14~20重量%、14~1
8重量%、14~16重量%、16~20重量%および16~18重量%などの間の全て
の範囲が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、PA66-s-6またはPA66
-s-6,9である。
【0022】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、60ppm超500ppm未満、
例えば80超300ppm未満、例えば80超200ppm未満の最終銅濃度を更に含む
。特定の実施形態において、銅は、1:4から1:10の間、例えば1:5、例えば1:
6、例えば1:7、例えば1:8の比のヨウ化銅:ヨウ化カリウムの形である。
【0023】
コポリアミド組成物は、潤滑剤を含んでもよい。例示的な実施形態において、コポリア
ミド組成物は、250から5,000ppmの間、例えば250から3,000ppmの
間、例えば250から2,000ppmの間、例えば500から1,000ppmの間、
例えば500~800ppmの間の濃度の、ジステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸
亜鉛およびステアリン酸カルシウムからなる群から選択される潤滑剤を更に含む。
【0024】
コポリアミド組成物は、粘着防止剤を含んでもよい。例示的な実施形態において、コポ
リアミド組成物は、200から5,000ppmの間、例えば200から3,000pp
mの間、例えば250から2,000ppmの間、例えば1,000から2,000pp
mの間、例えば1,000から1,500ppmの間の濃度のN,N’-エチレンビス-
ステアルアミド(N,N'-ethylene bis-steramide)およびステアリルエルカミドからなる
群から選択される粘着防止剤を更に含む。
【0025】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、10から1,000ppmの間、
例えば10から500ppmの間、例えば20から800ppmの間、例えば50から5
00ppmの間、例えば100から300ppmの間の濃度の粘着防止剤として珪藻土(
例えば、タルク、炭酸カルシウムまたは二酸化ケイ素など)を更に含む。
【0026】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、cが90であり、eが10である
、式(1)または式(4)のものであって、コポリアミド組成物の相対粘度が、90~2
30、例えば100~200、例えば100~150、例えば90~150であるもので
ある。
【0027】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、cが90であり、hが10である
、式(2)または式(5)のものであって、90~230、例えば100~200、例え
ば100~150、例えば90~150の相対粘度を有する。
【0028】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、cが90であり、eが10である
、式(3)のものであって、90~230、例えば100~200、例えば100~15
0、例えば90~150の相対粘度を有する。
【0029】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、60ppm超500ppm未満の
最終銅濃度と、250から5,000ppmの間、例えば250から3,000ppmの
間、例えば250から2,000ppmの間の濃度の、ジステアリン酸アルミニウム、ス
テアリン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウムからなる群から選択される潤滑剤とを含む
。
【0030】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、200℃以下においてPA66ホ
モポリマーより少なくとも10倍遅い、例えば20倍遅い、例えば30倍遅い、例えば4
0倍遅い、例えば50倍遅い結晶化速度、およびナイロン6と実質的に同様の全体的等温
結晶化挙動を有する。
【0031】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、ナイロン6より少なくとも15℃
高い、例えばナイロン6より少なくとも16℃高い、例えばナイロン6より少なくとも1
7℃高い、例えばナイロン6より少なくとも18℃高い、例えばナイロン6より少なくと
も19℃高いが、例示的な実施形態において、ナイロン6より20℃未満または最高20
℃高い融点を有する一方で、ナイロン6より小さい半結晶化速度を有する。
【0032】
例示的な実施形態において、PA66-s-6は、ナイロン6ならびにナイロン6,6
およびナイロン6の配合物と比較して、フィルム加工におけるカプロラクタム浸出の減少
を示す。
【0033】
本発明の一態様は、80~99重量%のポリアミド(PA66またはPA69など)、
および1~25重量%のラクタム(カプロラクタムなど)、または1~30重量%のAA
-BBコモノマー単位(6,Iまたは6,9など)を含むコポリアミド組成物であって、
220℃以上の融解温度を有する、コポリアミド組成物である。
【0034】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、ASTM D789(9.34)
に準拠した相対粘度、60~350、例えば80~300、例えば85~250、例えば
90~230、例えば95~230、例えば100~230、例えば100~200を有
する。
【0035】
例示的な実施形態において、ナイロン6,6は、アジピン酸とヘキサメチレンジアミン
との水性塩から調製される。
【0036】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、80~99重量%のヘキサメチレ
ンジアミンおよびアジピン酸由来の単位と、1~20重量%のラクタムまたはAA-BB
コモノマー由来の単位とを含み、80~300、例えば85~250、例えば90~23
0、例えば95~230、例えば100~230、例えば100~200のASTM D
789(9.34)に準拠した相対粘度を有する。
【0037】
例示的な実施形態において、ラクタム繰り返し単位は、脂肪族環状ラクタム、例えば、
限定されるものではないが、ブチロラクタム、バレロラクタム、ε-カプロラクタム、エ
ナンチオラクタム、カプリルラクタムラウロラクタム(capryllactam laurolactam)、1
2-アミノドデカノラクタム(12-aminodoecanolactam)、2-アザシクロノナン(2-aza
cyclononone)および1-アザ-2-シクロオクタノンからなる群から選択される。
【0038】
特定の実施形態において、ラクタム繰り返し単位は、ε-カプロラクタムまたはラウロ
ラクタムである。
【0039】
例示的な実施形態において、AA-BB繰り返し単位は、ジカルボン酸とジアミンとか
ら調製される生成物から選択され、AA-BB繰り返し単位としては、PA6,9、PA
6,10、PA6,12、PA6,18、PA9,6およびPA10,6が挙げられるが
、これらに限定されるものではない。
【0040】
例示的な実施形態において、ジカルボン酸(二酸)は、2,2-ジメチル-グルタル酸
(HOOC-C(CH3)2-COOH)、2,4,4-トリメチル-アジピン酸(HOO
C-CH(CH3)-CH2-C(CH3)2-COOH)、ピメリン酸(HOOC-(CH
2)5-COOH)、スベリン酸(HOOC-(CH2)6-COOH)、アゼライン酸(H
OOC-(CH2)7-COOH)、セバシン酸(HOOC-(CH2)8-COOH)、ウ
ンデカン二酸(HOOC-(CH2)9-COOH)、ドデカン二酸(HOOC-(CH2
)10-COOH)、ブラシル酸(HOOC-(CH2)11-COOH)、テトラデカン二
酸(HOOC-(CH2)12-COOH)、ヘキサデカン二酸(HOOC-(CH2)14-
COOH)、オクタデカン二酸(HOOC-(CH2)16-COOH)、1-3-シクロ
ヘキサンジカルボン酸からなる群から選択される脂肪族ジカルボン酸であり、上述のジカ
ルボン酸の内のいずれかの無水物を含む。
【0041】
例示的な実施形態において、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸
およびテトラデカン二酸が好ましいジカルボン酸である。
【0042】
例示的な実施形態において、ジカルボン酸またはジカルボン酸無水物は、イソフタル酸
、オルトフタル酸、無水フタル酸および非直鎖状ナフタレンジカルボン酸(例えば、2,
7-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジ
カルボン酸および1,8-ナフタレンジカルボン酸など)からなる群から選択される芳香
族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸無水物である。
【0043】
例示的な実施形態において、イソフタル酸が好ましい芳香族ジカルボン酸である。
【0044】
例示的な実施形態において、ジアミンは、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、2
,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジアミン、1-8-ジアミノオクタン、
2-メチル-1,8-ジアミノオクタン、1,9-ノナンジアミン、5-メチル-1,9
-ノナンジアミン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,1
2-ジアミノドデカン、1,13-ジアミノトリデカン、1,14-ジアミノテトラデカ
ン、1,16-ジアミノヘキサデカンおよび1,18-ジアミノオクタデカンからなる群
から選択される。
【0045】
例示的な実施形態において、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、1,9-ノナン
ジアミンおよび1,11-ジアミノウンデカンが好ましいジアミンである。
【0046】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、PA66-s-6統計的コポリマ
ー内において90重量%のPA66単位と10重量%のPA6単位とを含み、ここで、6
,6単位および6単位が共に統計的に反応し、直鎖状脂肪族コポリアミドの主鎖内に分布
し、相対粘度が60~365、例えば100~200であり、最大結晶化温度が185℃
である。特定の実施形態において、コポリアミド組成物は、1:8の重量比で、ヨウ化銅
:ヨウ化カリウムの形における60ppm超の最終銅濃度と、250から5,000pp
mの間の濃度および約245℃の融点のジステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛
およびステアリン酸カルシウムからなる群から選択される潤滑剤とを更に含む。
【0047】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、60ppm超500ppm未満の
最終銅濃度と、250から5,000ppmの間の濃度のジステアリン酸アルミニウム、
ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウムからなる群から選択される潤滑剤とを含
む。
【0048】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、200℃以下においてPA66ホ
モポリマーより少なくとも10倍遅い結晶化速度、およびナイロン6と実質的に同様の全
体的等温結晶化挙動を有する。
【0049】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、200℃以下においてPA66ホ
モポリマーより少なくとも20倍遅い結晶化速度を有する。
【0050】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、ナイロン6より少なくとも15℃
高い融点を有する一方で、ナイロン6より小さい半結晶化速度を有する。
【0051】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、ナイロン6ならびにナイロン6,
6およびナイロン6の配合物と比較して、フィルム加工におけるカプロラクタム浸出の減
少を示す。
【0052】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、ナイロン6よりも少なくとも25
%大きな延伸能力(3.4×3.4対4.3×4.3)、高い融点および最高で40%大
きな貫入抵抗を可能にする二軸配向を示す。
【0053】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、多層ブローフィルム内において以
下の特性を示す。1.高い凍結線(PA6の2倍で、PA6-s-6685と同じであるが
25℃高い融点を有する)、(2)高い光沢(PA6の2倍超)、および(3)ポリエチ
レン系材料(すなわち、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン
(LDPE)およびマレイン化エチレン-ヘキセンコポリマー接合樹脂)に基づく他の層
を有する2つの層内に35%のポリアミドを含む7層のフィルム構造内における高い貫入
抵抗(PA6の2倍超)。
【0054】
本発明の一態様は、記載されたコポリアミド組成物の1つまたは複数を含むキャストフ
ィルムまたはブローフィルムである。例示的な実施形態において、キャストフィルムおよ
びブローフィルムの一方または両方は二軸配向である。例示的な実施形態において、ブロ
ーフィルムは、二重バブルフィルムまたは三重バブルフィルムである。
【0055】
例示的な実施形態において、キャストフィルムまたはブローフィルムは、PA66-s
-6、PA66-s-6,9、PA66-s-6,10、PA66-6,12、PA66
-s-9,6、PA66-s-10,6、PA69-s-6、PA69-s-6,10お
よびPA69-s-6,12からなる群から選択されるコポリアミドを含む、から得られ
る、かつ/または、から調製される。
【0056】
例示的な実施形態において、キャストフィルムは、100MPa超、例えば150MP
a超、例えば200MPa超、例えば250MPa超、例えば300MPa超で、典型的
には約325MPa以下の極限引張り強さを有する。
【0057】
例示的な実施形態において、キャストフィルムは、350%超、例えば400%超、例
えば450%超で、典型的には約500%未満の破断伸びを有する。
【0058】
例示的な実施形態において、キャストフィルムは、ASTM D1922に準拠した引
裂き強さ、縦方向(MD)に50グラム超、例えば60グラム超、例えば70グラム超、
例えば80グラム超、例えば100グラム超で、約150グラム以下、横方向(TD)に
100グラム超、例えば150グラム超、例えば200グラム超、例えば250グラム超
で、約300グラム以下を有する。
【0059】
例示的な実施形態において、キャストフィルムは、100MPa超140MPa未満、
例えば110MPa超140MPa未満、例えば120MPa超140MPa未満の極限
引張り強さ、350%超600%未満、例えば400%超600%未満、例えば450%
超600%未満の破断伸び、50グラム超150グラム未満、例えば75グラム超150
グラム未満、例えば80グラム超150グラム未満、例えば90グラム超150グラム未
満のASTM D1922に準拠したの引裂き強さ、2,000グラム超、例えば2,5
00グラム超で、約3,000グラム未満のASTM D1709に準拠し、試験された
試料の厚さが1.5ミルまたは38ミクロンであった落槍貫入抵抗(Dart drop puncture
resistance)、および1.5cm3/100in2-日-atm以下、例えば1.0cm3
/100in2-日-atm以下、例えば0.5cm3/100in2-日-atm以下の
酸素透過率を有する。
【0060】
例示的な実施形態において、キャストフィルムは、100MPa超140MPa未満の
極限引張り強さ、350%超600%未満の破断伸び、50グラム超150グラム未満の
ASTM D1922に準拠したの裂き強さ、2,000グラム超のASTM D170
9に準拠した落槍貫入抵抗、および1.5cm3/100in2-日-atm以下を有する
。
【0061】
本発明の一態様において、本発明のコポリアミド組成物は、ナイロン6より大きな延伸
能力(すなわち、縦方向および横方向により大きな伸張性)、より高い融点(すなわち、
より高い最終用途温度)および/または最高でより大きな貫入抵抗を達成するために充分
な二軸配向を示す。例示的な実施形態において、延伸能力は、少なくとも25%大きく、
融点は、最高で少なくとも30℃高く、かつ/または貫入抵抗は、最高で少なくとも40
%大きい。
【0062】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、60~365の相対粘度、約23
5℃の融点、および170℃の最大結晶化温度を有するPA66-s-6統計的コポリマ
ー内において、85重量%のPA66単位と15重量%のPA6単位とを含む。
【0063】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、60~365の相対粘度、約24
5℃の融点、および185℃の最大結晶化温度を有するPA66-s-6統計的コポリマ
ー内において、90重量%のPA66単位と10重量%のPA6単位とを含む。
【0064】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、60~365の相対粘度を有する
PA66-s-6,9統計的コポリマー内において、85重量%のPA66単位と15重
量%のPA69単位とを含む。
【0065】
例示的な実施形態において、コポリアミド組成物は、60~365の相対粘度を有する
PA66-s-6,9統計的コポリマー内において、90重量%のPA66単位と10重
量%のPA69単位とを含む。
【0066】
以下の図は、単に本発明の特定の実施形態の典型を示すだけであって、それ以外の場合
、本明細書に記載される通りの本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【化6】
、ナイロン6,6-s-6(90重量%のコポリアミドが6,6構造単位に由来し、10
重量%が6構造単位に由来し、RV=45である)
【化7】
、ナイロン6,6-s-6(90重量%のコポリアミドが6,6構造単位に由来し、10
重量%が6構造単位に由来し、RV=180である)(*)、ナイロン6
【化8】
、ナイロン6,6-s-6(77重量%のコポリアミドが6,6構造単位に由来し、23
重量%が6構造単位に由来する)
【化9】
および、ナイロン6-s-6,6(85重量%のコポリアミドが6構造単位に由来し、1
5重量%が6構造単位に由来する)
【化10】
についての、温度(℃)に対する半結晶化時間(秒)のグラフを示す。
【
図2】ナイロン6,6およびナイロン6の配合物から構成されるフィルムからの溶落ちの例を示す。フィルム均質性が劣ることによって、ナイロン6が多く含まれる領域が生じ、それによって、より高い熱的性能を必要とする用途において溶落ちが起きる。
【
図3A】融解温度(T
m)および結晶化温度(T
c)に対するカプロラクタムの組み込みの効果を示す。T
m-T
cギャップは、カプロラクタムの組み込みが増加するにつれて広がる。この挙動は、より広い加工窓によってフィルム加工を向上させ、結晶化速度を低下させると共に、ナイロン6,6に基づいた熱可塑性物質にとって望ましい高融点の保持を可能にする。
【
図3B】ナイロン6,6/6,IコポリマーのT
mおよびT
cに対する6,Iの組み込みの同様の効果効果(similar effect effect)を示す。6,Iの変更の有用性は、その非直鎖性において結合されたイソフタル酸分子の剛性が、PA6,6に基づいた系の融点に対する低い効果を生じるが、PA6の変更に対する同様のまたはより積極的な仕方で結晶化温度も低下させることである。約30%超の6,Iの変更の量によって、非晶質ポリマーが生じる。
【
図4】ナイロン6,6、ナイロン6、ナイロン6,6/ナイロン6配合物およびナイロン6,6-s-6
10(10重量%のナイロン6)の極限引張り強さの比較を示す。ナイロン6,6-s-6
10によって、ホモポリマーまたは配合物に対して、より高い極限引張り強さが生じる。
【
図5】Vydyne 66B、ナイロン6,6(10重量%のナイロン6)、ナイロン6/ナイロン66(25/75)、ナイロン6,6(23重量%のナイロン6)およびナイロン6の間の最大における引張り(psi)の比較を示す。
【
図6】ナイロン6,6、ナイロン6、ナイロン6,6/ナイロン6配合物およびナイロン6,6-s-6
10(10重量%のナイロン6)についてのブローフィルム試料の破断伸びの比較を示す。ナイロン6,6-s-6
10ブローフィルムは、ホモポリマーまたは配合物に対して、より高い破断伸びを生じる。
【
図7】ナイロン6,6、ナイロン6、25/75ナイロン6,6/ナイロン6配合物、ナイロン6,6-s-6
10(10重量%のナイロン6ナイロン6-s-66(15重量%6)およびナイロン66-s-6(23重量%6))についてのブローフィルム試料の清澄性(%)およびヘイズ(%)を示す。ナイロン6,6-s-6
10、ナイロン6-s-66(15重量%6)およびナイロン66-s-6(23重量%6)のブローフィルムは、より高い熱性能を必要とする用途において典型的には用いられるナイロン6,6/ナイロン6配合物と対比して大きい向上をもたらす一方で、ナイロン6と同等の清澄性を生じる。高い清澄性は、(1)より遅い結晶性、(2)より小さい球晶の大きさ(具体的には、ナイロン6,6およびナイロン6,6/ナイロン6配合物に対して)、および(3)フィルムの均質性(ナイロン6,6/ナイロン6配合物)に起因すると考えることができる。ナイロン6,6フィルム試料に現れるヘイズの実質的低減は、ナイロン6,6-s-6
10、ナイロン6-s-66(15重量%6)およびナイロン66-s-6(23重量%6)ブローフィルムにおいて顕著である。
【
図8A】ナイロン6,6-s-6
10(8A)、ナイロン6,6およびナイロン6の75/25配合物(8B)ならびにナイロン6,6およびナイロン6の50/50配合物(8C)のブローフィルム試料における示差走査熱量測定データを示す。ナイロン6,6-s-6
10コポリマーは、カプロラクタムの組み込みの量によって調整され得る単一の融点をもたらし、それによって、ペレット配合物は、フィルムの清澄性および熱的性能を損なう二重の融解挙動を伴うフィルムを生じる。
【
図8B】ナイロン6,6-s-6
10(8A)、ナイロン6,6およびナイロン6の75/25配合物(8B)ならびにナイロン6,6およびナイロン6の50/50配合物(8C)のブローフィルム試料における示差走査熱量測定データを示す。ナイロン6,6-s-6
10コポリマーは、カプロラクタムの組み込みの量によって調整され得る単一の融点をもたらし、それによって、ペレット配合物は、フィルムの清澄性および熱的性能を損なう二重の融解挙動を伴うフィルムを生じる。
【
図8C】ナイロン6,6-s-6
10(8A)、ナイロン6,6およびナイロン6の75/25配合物(8B)ならびにナイロン6,6およびナイロン6の50/50配合物(8C)のブローフィルム試料における示差走査熱量測定データを示す。ナイロン6,6-s-6
10コポリマーは、カプロラクタムの組み込みの量によって調整され得る単一の融点をもたらし、それによって、ペレット配合物は、フィルムの清澄性および熱的性能を損なう二重の融解挙動を伴うフィルムを生じる。
【
図9】PA6、PA66/6(23重量%6)およびPA66/6(10重量%6)についての、160℃における乾燥および湿潤最大延伸の結果を示し、ここで両方のコポリマーは、PA6に対して長所を示す。23重量%のコポリマーは、ポリプロピレンを有する多層フィルムにおける延伸についての潜在的値を示す乾燥状態における19%の向上を示す(すなわち、ポリプロピレン(PP)が、低温および乾燥条件下で配向する)。
【
図10】同時の仕方における、PA6、PA66/6(23重量%6)およびPA66/6(10重量%6)についての、200℃における乾燥および湿潤延伸結果を示す。PA66/6コポリマーは、規定された水和延伸条件下において、PA6よりも最高で25%大きな延伸能力を示す。
【
図11】200℃の延伸温度における、ナイロンテープ(PA6)と比較したPA66/6(23重量%6)およびPA66/6(10重量%6)についての貫入抵抗結果を示す。
【
図12】160℃の延伸温度における、ナイロンテープ(PA6)と比較したPA66/6(23重量%6)およびPA66/6(10重量%6)についての貫入抵抗結果を示す。
【
図13】160℃、200℃および220℃のアニール温度に対する収縮を示す。
【
図14】160℃および200℃のアニール温度に対する収縮を示す。
【
図15】PA66-s-6
10についての延伸比に対する貫入抵抗を示す。
【
図16】PA66-s-6
23についての延伸比に対する貫入抵抗を示す。3×3から4×4延伸になると、27%の貫入抵抗の著しい向上が認められる。
【
図17】PA6(3×3 MD×TD延伸、American Biaxis,Inc.の市販のフィルム)、PA6,6
90-s-6
10(3.2×4.3 MD×TD延伸、15%緩和、400°Fアニール)およびPA6,6
77-s-6
23(2.9×4 MD×TD延伸、10%緩和、395°Fアニール)の逐次配向試料についての貫入抵抗を示す。PA6,6コポリマーは、市販の配向ナイロン(PA6系)よりも最高で45%高い貫入抵抗をもたらしたが、それは同時に延伸されたフィルムについて生じるデータに一致する。
【
図18】縦方向および横方向における最大逐次延伸比を示す。このデータは、同時に配向されたプロセスから生じたデータとほとんど一致している。厚さが一定であると仮定した場合、延伸比がより高くなることによって、収率を上昇させることが可能であり、ナイロンフィルムラインが生成することができる最大スループットを高めることが可能である。
【
図19】凍結線上の結晶化速度の間の、またはブローフィルムライン上に設定される材料を視覚化することができる関係を示す。認められるように、PA6より遅い結晶化速度によって、より安定したプロセスと、増加したブローアップ比のための潜在性とを可能にする、凍結線上における著しい長所がもたらされる。
【
図20】PA/タイ/LDPE/タイ/PA/タイ/PE構造におけるPA6およびPA66-s-6(23重量%6)についての貫入抵抗を示す。PA66-s-6コポリマーを用いる場合、多層フィルムは、PA6の使用に対して、2.2倍の貫入力の増加を示す。
【
図21】PA/タイ/LDPE/タイ/PA/タイ/PE構造におけるPA6およびPA66-s-6(23重量%6)についての光沢度を示す。PA66-s-6コポリマーは、(食物パッケージングライン上のヒートシーリングにとって重要な)温度性能を維持すると共に、パッケージの美しさについての著しい値をもたらす1.9倍の光沢の増加を示す。
【
図22】ナイロン6,6またはナイロン6,6およびナイロン6ペレット配合物からナイロン6,6/6コポリマーになる際の著しい清澄性上昇/ヘイズ低減を示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
開示されたコポリアミドを合成するためのプロセス
例示的な実施形態において、本発明のコポリアミドは、カプロラクタム(PA6)など
のラクタム由来またはPA69などのAA-BB単位由来の繰り返し単位と組み合わせら
れた繰り返し1:1アジピン酸-ヘキサメチレンジアミン単位(PA66)を含む。他の
例示的な実施形態において、本発明のポリアミドは、カプロラクタム(PA6)などのラ
クタム由来またはPA6,10などのAA-BB単位由来の繰り返し単位と組み合わせら
れたアゼライン酸-ヘキサメチレンジアミン(PA69)などの他の直鎖状脂肪族ジカル
ボン酸/ジアミンの繰り返し単位を含む。
【0069】
リン含有触媒は、最初の重合ステップの前に添加される。適切なリン触媒としては、亜
リン酸、ホスホン酸、アルキルおよびアリール置換ホスホン酸、次亜リン酸、アルキル、
アリールおよびアルキル/アリール置換ホスフィン酸、ならびにリン酸が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。これらのリン含有酸のエステルおよび塩も添加のため
に許容し得るものであり、エステルおよび塩としては、アルキル、アリールおよびアルキ
ル/アリールエステル、金属塩、アンモニウム塩、ならびにアンモニウムアルキル塩が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0070】
本発明のコポリアミドの重合は、ナイロン6,6などのポリアミドの重合で知られてい
る従来の連続的またはバッチ式操作条件に従って行ってもよい(M. Kohan, Nylon Plasti
cs Handbook, 1995;G. Odian, Principles of Polymerization, 4th Edition, 2004)。
【0071】
そのような重合プロセスは、(a)撹拌しながら配合物を加熱することと、(b)適切
な装置によって水蒸気を除去しながら、所定の時間、適切な圧力および温度で配合物を保
持することと、その後(c)形成される水副生成物の除去によって、しかるに重合を続け
るために、窒素下または真空下で、配合物の融点を上回る温度で、所定の時間、減圧およ
び保持を行うこととを含んでもよい。
【0072】
重合プロセスの終了時に、典型的には水によってポリマーを冷却し、典型的には棒の形
で押し出す。ペレットを製造するために、続いてこれらの棒を切断する。
【0073】
次いで、ペレットを不活性雰囲気および高温で固相重合(SSP)に供する。SSPの
ための適切な温度としては、ポリマーのガラス転移温度を上回る温度や、ポリマーの融解
温度を下回る温度が挙げられる。固相重合のための適切な温度範囲は、約160から22
0℃の間、例えば約180から200℃の間である。重合が完了した後、期待される使用
に応じて、各種添加剤をポリアミドペレットに添加してもよい。パッケージングおよび輸
送の前に、ペレットに、添加剤または添加剤を含むポリアミドペレットも配合してもよい
。
【0074】
潤滑剤
開示されたコポリアミド組成物は、通常の潤滑剤の形の加工助剤を含んでもよい。潤滑
剤の非限定的な例としては、ステアリン酸塩(例えば、ジステアリン酸アルミニウム、ス
テアリン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウム)、N,N’エチレンビス-ステアルアミ
ド、およびステアリルエルカミドが挙げられる。ジステアリン酸アルミニウムおよびN,
N’エチレンビスステアルアミドが、好ましい潤滑剤の例である。
【0075】
粘着防止剤
本コポリアミド発明は、ロール上にしっかりと巻き取られる場合にフィルムがフィルム
粘着することを防ぐためにフィルムへの製造のための粘着防止剤も含んでもよい。典型的
には、前記剤は、表面エネルギーを低くするために、またはフィルム表面の摩擦係数を低
下させるナノレベルのバンプを生じさせるために、添加される。通常は珪藻土の形の無機
固体は、開示されたコポリアミド組成物に添加され得る材料の1つのクラスを表す。非限
定的な例としては、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ナトリ
ウム、ケイ酸アルミニウム、およびケイ酸アルミニウムカリウムが挙げられる。多くの低
表面エネルギー有機材料を用いることもできる。非限定的な例としては、N,N’-エチ
レンビス-ステアルアミド、ステアリルエルカミド、グリセロールモノステアレート、ス
テアリン酸亜鉛、ジステアリン酸アルミニウム、およびステアリン酸カルシウムが挙げら
れる。N,N’-エチレンビス-ステアルアミドおよび二酸化ケイ素が、好ましい粘着防
止剤の例である。
【0076】
成核剤
開示されたコポリアミド組成物は、清澄性および酸素バリアを更に向上させ、かつ酸素
バリアを高めるために、成核剤も含んでもよい。典型的には、これらの剤は、クリスタラ
イトの開始のための表面を提供する、不溶で、高い融点の種類である。成核剤を組み込む
ことによって、より多くの結晶が開始され、それらの性質はより小さいものである。より
多くのクリスタライトまたはより高い結晶性(%)は、より多くの強化/より高い引張り
強さと、酸素流動(増加したバリア)のためのより湾曲した経路とに相関し、より小さい
クリスタライトによって、向上した清澄性に相関する光散乱が減少する。非限定的な例と
しては、フッ化カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、およびナイロン2,2が挙げられ
る。
【0077】
抗酸化剤および熱安定剤
本発明に係る組成物は、限定されるものではないが、Irganox1010、Irg
anox1076およびIrganox1098などのヒンダードフェノール、限定され
るものではないが、Irgafos168およびUltranox626などの有機ホス
ファイト、芳香族アミン、周期表のIB族、IIB族、III族およびIV族の金属塩、
ならびにアルカリ金属およびアルカリ土類金属の金属ハロゲン化物の形の有機抗酸化剤を
更に含むことができる。ヨウ化銅(CuI)およびヨウ化カリウム(KI)は、好ましい
熱安定剤であり、例示的な実施形態において、1/8の比率で存在する。
【0078】
ナイロン6,6が多く含まれるコポリアミドなどの本発明のコポリアミドは、幅広い範
囲のフィルム用途のための有用な特性を示す。ナイロンは、その高い強度、貫入抵抗、匂
いバリアおよび良好な酸素バリア性のため、フィルムにおけるその使用でよく知られてい
る。肉およびチーズのパッケージングにおいて、ナイロンは、上述の特性をもたらすため
に多層フィルムにおける成分として用いられる。多層フィルムにおいて、ナイロンは、そ
の高い融点および強度が維持される場合、熱成形のための主要な材料でもある(とりわけ
、三次元形状にフィルムを延伸する際にパッケージが薄くなる主要なもの)。従来技術に
おいて、PA6,6系材料は、それらの急速な結晶化のため、熱成形の用途に利用されな
い。したがって、ナイロン6,6系コポリアミドの低下させた結晶化速度の有用性は、新
規であり、有利である。ナイロン6,6系ポリアミドの高融点によって、ボイルインバッ
グの用途(すなわち、鳥肉、リブなど)における使用が可能になる。更に、ソーセージケ
ーシングについて、ナイロン6,6系コポリアミドの高融点によって、バッグ内でソーセ
ージを料理し得る状況におけるフィルム寸法安定性が可能になる。加えて、水分に対する
低バリアは、ソーセージが乾燥することを防止するのに重要である。
【0079】
工業用フィルムの用途としては、主に、高温に供することが可能な構造的成分のために
使用されるフィルムが挙げられる。例えば、複合材料は、多くの場合、オートクレーブの
内部でナイロンバッグ内で硬化される。更に、滅菌の用途において、ナイロン6,6系材
料によってもたらされるより高い融点によって、フィルムの弛みが阻止される(すなわち
、高温での寸法安定性が維持される)。例示的な実施形態において、ナイロン成分は、高
温における、その高い融解温度/寸法安定性のための主要なものである。基板との密接な
接触を可能にし、酸素のバブルをなくし、硬化部分に滑らかな表面を生じさせる、フィル
ム軟度の増加が生じる場合、ナイロン6,6系材料などの本発明のコポリアミドは、本出
願に価値をもたらす。二軸配向ポリアミド(BOPA)は、その引張り強さが高く、酸素
バリアが加えられる場合、非常に有用な材料でもある。これらの材料は、多くの場合、レ
トルトパウチまたは直立パウチや、蓋閉めに用いられる("The Opportunity for Polyami
de in Film." PCI Films Consulting Limited, 2015)。ナイロン6,6は、最初のフィ
ルム形成の際の延伸を阻止するその急速な結晶化速度のために二軸配向する能力を備えて
いない。したがって、開示されたナイロン6,6系コポリアミドは、BOPA市場への参
入に非常に適切である。
【実施例】
【0080】
PA6690-s-610、25重量%のナイロン6および75重量%のナイロン6,6の
ペレット配合物、ならびに50重量%のナイロン6および50重量%のナイロン6,6の
ペレット配合物から調製される例示的なフィルム。以下の実施例に鑑みて、本発明のコポ
リアミド組成物を調製し、分析することができる。
【実施例1】
【0081】
PA6690-s-610の調製
溶液から塩が出てくることを防ぐために溶液温度を維持するために60℃に設定された
加熱プレートの上の、撹拌子を入れた2,000mLのガラスビーカーに、水中に56%
の濃度の等モル量のヘキサメチレンジアミン(HMD)とジカルボン酸(ナイロン6,6
のためのアジピン酸)とを含む1,656gのPA66塩を注いだ。加熱された塩溶液に
、80gの固体のカプロラクタム(最終ポリマー内において10重量%のカプロラクタム
-カプロラクタムの量は、1から25重量%の間など、必要に応じて調整され得る)を添
加した。全ての固体が溶解するまで溶液を撹拌した。必要に応じて消泡剤、触媒および/
または更なるHMDを添加し、完全に溶解するまで撹拌した。加熱ジャケットを備えたオ
ートクレーブ(容量2L)内に溶液を降ろした。1回目のサイクルが塩溶液を濃縮する水
の沸騰温度を超えて溶液を加熱する蒸発サイクルである5回のサイクルで、重合を行った
。2回目のサイクルにおいて、圧力を265psigに増加し、温度を243℃に上昇さ
せた。3回目のサイクルにおいて、40分間の時間にわたって圧力を徐々に低下させた。
融点を上回る温度で、4回目のサイクルにおいて、35分間、重合を続けた。5回目のサ
イクルにおいて、溶融ナイロンを、反応器の底部からストランドとして押し出し、水浴中
で急冷し、次いで、回転チョッパブレードを有するペレタイザを用いてペレット化した。
次いで、ナイロンペレット試料(約800グラム)に対して固相重合(SSP)の手法を
行った。オーブンの内側のガラスジャー内のペレット上でSSPを行った。窒素ワンド(
nitrogen wand)と、蓋からペレットに下って延びた熱電対とをジャー装着し、次いで窒
素が出ることを可能にするより短い管があった。3.62SCFMの30%の窒素流によ
って、180℃で、3時間、SSP反応を行った。
【0082】
融解温度および結晶化温度の決定。
空の基準パンに対して、1分間当たり20℃の加熱速度および冷却速度を用いて、示差
走査熱量測定によって、融解および結晶化挙動を決定した。5~10mgの試料を1分間
当たり20℃で300℃に加熱し、その後0℃に冷却した。融解温度を加熱中の吸熱ピー
クの中間から決定し(すなわち、ピークが、200から270℃の間に出現し、コポリマ
ー組成物に依存した)、結晶化温度を冷却中の発熱ピークの中間から決定した(すなわち
、ピークが、140から230℃の間に出現し、コポリマー組成物に依存した)。
【0083】
半結晶化時間の決定。
融点を上回るように加熱することによってポリアミド(PA66およびPA6)および
コポリアミド(PA66-s-6)ペレットの最初の熱履歴を消去した後、特定の温度に
(例えば、限定されるものではないが、100~240℃の範囲)急冷(200℃/分を
超える)する等温示差走査熱量測定によって、温度に対する半結晶化時間を行った。各特
定の温度におけるピーク結晶化発熱転移を達成するために必要な時間として半結晶化時間
を記録した。半結晶化時間が減少するにつれて結晶化速度が増加したことが認められた。
この手法は、各種の熱可塑性物質についての温度に対して結晶化時間または結晶化速度の
体系的比較を提供するのに有効であることが分かった。本明細書に記載されるように、具
体的には、ポリアミドおよびコポリアミドの半結晶化時間を比較するためにそれを用いた
。
【0084】
-90Cの動作が可能な機械冷凍装置を備えたPerkin-ElmerモデルPyr
is One DSCなど、試料および対照標準のための別々の低質量炉を有する、電力
補償設計の示差走査熱量計を用いて、等温結晶化試験を行った。試料は、重量が約20m
gのTAインスツルメント圧着アルミニウムパン内に封入された、重量が3~5mgのも
のか、または重量が約8mgのPerkin-Elmer HyperDSC(商標)ア
ルミニウムパン内に封入された、重量が1~2mgのものであった。カミソリの刃を用い
て試料をペレットから切断して、薄いフラット片を提供した。パージガスは、乾燥窒素で
あった。試験プログラムは、25℃から305℃に試料を加熱することと、305℃で5
分間保持することと、標的等温度に200℃/分で冷却することと、再結晶化発熱線が完
了するまでそこに保持することとからなった。
【0085】
加工におけるモノマー浸出の定量。
ガスクロマトグラフィー(GC)または液体クロマトグラフィー質量分析(LC MS
)による高温昇華手法を用いて時間に対するモノマー形成のプロットを作成することによ
って、加工条件下のモノマー浸出の相関関係が示された。典型的な加工温度に類似した一
定の温度でポリアミドおよびコポリアミドの試料を加熱し、時間に対するモノマーの発生
および蓄積を測定して、モノマー形成の重量/時間を決定した。
【0086】
末端基。
本発明のコポリアミド組成物は、典型的には、1~50マイクロ当量/グラム、例えば
5~30マイクロ当量/グラム、例えば5~15マイクロ当量/グラム)のデルタ末端基
(すなわち、カルボン酸末端-アミン末端またはアミン末端-カルボン酸末端)の値を示
す。アミン末端基は、5から79マイクロ当量/グラム、例えば10から45マイクロ当
量/グラムから、例えば15から35マイクロ当量/グラムから)変動することが認めら
れた。
【実施例2】
【0087】
フィルムの調製
250℃から300℃の間の温度で一軸押出機による融解によって、ポリアミド、コポ
リアミド、およびポリアミド(PA66およびPA6)のペレット配合物のフィルムを調
製した。スリップダイによる押し出しと、巻き取りによるチルドロール上への圧延とによ
ってキャストフィルムを調製した。巻き速度を調整し、ダイギャップを調整することによ
ってフィルム厚さを調整した。円形のダイによる押し出しと、空冷環への吹き込みと、最
終ロールへの巻き取りとによって、ブローフィルムを調製した。ダイギャップを調整し、
気流速度を制御することによって、フィルム厚さを制御した。
【0088】
構造を変化させた本発明のポリアミド樹脂を有するフィルムを特徴付けるために、単一
の(単)層と7層ラインとを用いて、多層ブローフィルムを調製した。例示的な実施形態
において、共押出ブローフィルムラインの構成要素は、樹脂供給システムと、押出機と、
共押出ダイと、空冷環と、気泡径を調整するための内部圧力制御器と、案内板と、縦方向
の延伸を設定する巻取または引取ロールと、処理システムと、巻取機とを含んだ。
【0089】
競争価格における質の良いフィルムを製造する際に重要な設計上の特徴としては、効率
的で、適切に寸法決めされた樹脂の取り扱いおよび供給システム、均一で、効率的な温度
制御、安定な圧力、高い速度で質の良い溶融物を提供する効率的なスクリュー設計、良好
な層制御および厚さの均一性を提供する最適化されたダイであって、維持および耐久性の
容易さのために設計されるダイ、優れた冷却制御および均一性を提供する空冷環、向上し
た効率性および経時的な変化の減少のための自動ウェブ取り扱いシステム、生成物切替え
のためのモジュール設計上の特徴、ならびに直観的で、操作者に使いやすく、プロセスパ
ラメータを目標値に保持する総合制御システムが挙げられる。詳細なマルチブローフィル
ムプロセスについては、例えば、H.F. Giles Jr. et al., Extrusion: The Definitive P
rocessing Guide and Handbook, William Andrew Inc., Norwich, NY, (2005)、およびJ.
R. Wagner, Jr., Multilayer Flexible Packaging, Elsevier, (2010)に記載されている
。
【0090】
製造されるフィルムの重要な特徴を決定するため、いくつかの重要なプロセスパラメー
タを収集し、試験および観察を行った。1つの主要なパラメータは、ブローアップ比およ
び延伸比である。縦方向(MD)の延伸比は、それがダイを出る際のポリマーメルト速度
で割った引取速度であると定義される引抜き比(DDR)を特徴とする。ブローアップ比
(BUR)は、横方向(TD)または輪寸法の延伸比を特徴付ける。BURは、ダイ直径
で割った最終的な気泡径であると定義される。加えて、凍結線高さおよびプロセス時間も
重要なパラメータである。ブローフィルムプロセスにおけるプロセス時間は、それがダイ
を出た際にポリマーが凍結し始めるのにかかる時間であると定義される。それは、凍結線
高さに比例し、引取速度に反比例する。構造を変化させると共にフィルムを調製する場合
のバブルを安定化することの鍵は、利用される制御システムの中で別々に制御される内部
バブル安定性または制御である。
【0091】
2~3層のポリアミド層を含んだ7層(すなわち、7つの異なるポリマー層)フィルム
試験について、対称的なもの(すなわち、中心からの左側および右側が平衡している)か
ら非対称的なもの(すなわち、中心から左側および右側が不均衡)の範囲で多重構造を試
験した。モニタされるプロセスパラメータを示す以下の表1に、異なる構造の選択例を示
す。
【0092】
【0093】
内部バブル安定性は、誘発された内部気流速度がバブルの安定を維持するために最小限
に抑えられた構造内における制御に影響されることを見出した。凍結線は、(ポリマーの
結晶化により)バブルが完全に透明なものからわずかに曇ったものまで変わる高さである
と定義される。多層構造の例を上記の表1に示す。
【0094】
いずれのバブル不安定性や製造問題なしでコ-ポリアミド樹脂の結晶性閾値の決定を構
造に組み込むことを可能にした、他の主要な特性の中で、清澄性、バリア、カールなどの
フィルム特性を理解し、特徴付けるために、フィルムの多重構造を観察した。効率的にP
A66-s-Xコポリマー(ここで、Xは、PA6、PA6,9、PA6,Iなどである
ことができる)を加工するためにラクタムまたは他のAA-BBモノマー(すなわち、6
,I)の形の10%のコモノマーが必要とされたことを決定した。効率的な加工は、多層
ブローフィルムの断続しない、連続的な製造を可能にする、安定したバブルに基づいた。
10重量%未満のコモノマーを有するPA66系コポリマーは、バブルの安定化がより困
難であったが、このことは、多層構造内の異なる成分が溶融状態から固体へ転移する温度
および速度の差異(%)がより高くなることに基本的に関連している。
【0095】
相対粘度の決定。
ギ酸(Brookfield Rheometry)中において10重量%の濃度で、
ASTM D789(9.34)に従って、相対粘度を行った。相対粘度は、溶媒と比較
したポリマーからの粘度の増大の測度である。溶解された溶液を、測定前の少なくとも1
時間、25℃で、温度浴中に配置した。秤量前に、ポリマー試料を、93℃±4℃で、2
0分間乾燥して、微量の水分を除去し、デシケータ内で冷却した。自動装置は、乾燥試料
の重量に基づいて、ギ酸の補正重量を分けた。ガラス毛管粘度計および自動試験装置を用
いた。レオメーターは、特定の速度で溶液中でスピンドルを回転するために必要な力を測
定することによって粘度を決定する。
【0096】
フィルム試験。
引張り強さ、弾性係数および破断伸び(%)、エルメンドルフ引裂き抵抗、ならびに貫
入抵抗特性を示す落槍を提供するために引張試験によって機械的特性を評価した。Byk
Gardner、Haze-Guard Plus機器を用いて、STM D1003
に従って、フィルムの清澄性を定量した。電量測定検出器を用いて、ASTM D398
5によって、酸素透過率を決定した。従来の試験手法および用いられるASTM方法の一
覧を下記に示す。
【0097】
【0098】
二軸配向フィルム。
表1~3において以下に提供されたデータは、Karo IV lab延伸機上におい
て同時プロセスで延伸された二軸配向フィルムを表す。最初の未配向キャストフィルムの
厚さは150ミクロンであり、最終的な延伸温度に基づいて7.5~20ミクロンに延伸
された。200%/秒の延伸速度、5秒間の予熱、および3秒間のアニール/緩和時間を
用いて、160~220℃の範囲の温度でポリアミドを延伸した。緩和は3%に設定した
。機械的特性(すなわち、引張り強さ、破断伸び、弾性係数および貫入抵抗)および熱収
縮(すなわち、160℃の熱風および沸騰水、両方とも5分間)について、フィルムを試
験した。従来から二軸配向ナイロン(BON)はナイロン6から製造されているが、以下
の結果は、PA66/6(10重量%6)コポリマーによって示された著しい長所を示し
ており、それは、ナイロン6よりも25%大きな延伸能力、最高で40%高い貫入抵抗、
および+25℃の融点を提供した。収縮は、二軸配向フィルムについての主要な特性であ
る。目的は、収縮を最小限に抑えることであるが、その理由は、それが他の成分(すなわ
ち、ポリプロピレンフィルム、二軸配向PET、アルミニウム)と共に積層される場合、
その後、次いでそれを熱水や熱風などの滅菌のための加熱ステップに供するためである。
パッケージの統合性および形状を維持するために、各ポリマー層の収縮を最小限に抑える
ことが重要である。
【0099】
表2は、同時延伸プロセス(すなわち、同時に縦方向および横方向に延伸)中に200
℃で二軸配向されたポリアミドフィルムの間の特性比較を示す。
【0100】
【0101】
全てのフィルムについては、強く、延性がある、貫入抵抗性のフィルムが記載される。
しかし、PA66-s-6(10重量%6)は、約40%高い貫入抵抗を示したが、それ
は著しいものである。この結果は、同じレベルの貫入抵抗をもたらす一方で、最終的なパ
ッケージ(すなわち、コーヒーパッケージまたは直立パウチ)内においてポリアミド層を
ダウンゲージする潜在性を示す。
【0102】
表3は、220℃の延伸温度と、3秒間のアニール時間と、3%の緩和時間とを使用し
た延伸比に対するPA66-s-6(10重量%6)についての特性比較を示す。
【0103】
【0104】
興味深いことには、10%のコポリマーについての貫入抵抗は、23%の6コポリマー
について認められるように、3×3から4×4に著しく高くはならなかった。このことは
、10%のコポリマー(23%の6コポリマーについて25%の結晶性に対して35%の
結晶性)について、より高い結晶性(%)およびより高い程度の結果であると思われる。
効果的には、PA66-s-610コポリマーには、二軸配向ナイロンの形のPA6を超え
る3つの主要な長所:(1)25%高い延伸比(より高い収率、潜在的スループットが7
5%増大)を可能にすること、(2)25℃高い融点、および(3)30~40%高い貫
入抵抗がある。
【0105】
表4は、200℃の延伸温度と、3秒間のアニール時間と、3%の緩和時間とを使用し
た延伸比に対するPA66-s-6(23重量%6)についての特性比較を示す。示され
るように、フィルムをより大きな程度まで延伸することができるので、PA66-s-6
コポリマーは、高められた特性を示す。MDおよびTDにおける25%大きな比へのこの
延伸能力によってライン速度が高められ、加えられた貫入抵抗によってフィルムの潜在的
なダウンゲージが可能になる。
【0106】
【0107】
この表の結果の重要性は、より高いレベルの配向によって、23重量%6コポリマーに
ついての貫入抵抗の主要特性が高まることである。4×4において、このコポリマーは、
従来の二軸配向ポリアミドより高い貫入抵抗を有する。前の通り、従来のポリアミドは、
3×3により近い、より低い延伸比に限定される。
【0108】
表5は、同時に延伸されたフィルムについて、PA66/6コポリマーをPA6と比較
した延伸比を示す。200℃の好ましい延伸温度で、コポリマーは、縦方向および横方向
に25%超大きな延伸を示す。このより高い延伸率は、市販のBOPAライン上の向上し
た収率およびスループット潜在性に等しい。
【0109】
【0110】
この表の結果の重要性は、PA66-s-6コポリマーが、PA6よりも実質的に遠く
に延伸する固有の能力を示したことである。このより高い延伸率は、(1)エッジスクラ
ップを減少させることによって収率を増加させることが可能であり、(2)フィルムの製
造者において潜在的スループットを高めることが可能である(すなわち、4×4について
の16倍の薄層化に対する3×3についての9倍の薄層化は、特定の厚さを維持するため
に16/9=1.75を必要とする)。ポイントナンバー2に関して、biaxナイロン
製造業者は、10Mlbから17.5Mlb/年へ機械1台につき製造するそれらの潜在
的lbを高めることができる。これによって、フィルムライン1つ当たりの金額がより大
きくなるか、または同じ量のフィルムに必要な休止時間がより多くなる/延伸機器がより
小さくなる能力につながる。
【0111】
逐次延伸フィルム。
Woonsocket、RIのParkinson Technologiesにおけ
るパイロットライン上にPA66-s-6フィルムを逐次配向した。典型的な加工条件は
、約260~280℃の一軸押出温度、約260~280℃のダイ温度、約25~40℃
のキャストロール温度、約50~70℃の縦方向延伸温度、約90~120℃の横方向ま
たは横断方向延伸温度、および約180~210℃のアニール温度を含んだ。
【0112】
縦方向に3倍の延伸比と、横方向に4~4.3倍延伸比とを用いて、製造されるフィル
ム厚さは10~25ミクロンであった。続いて、引張り強さ(ASTM D882)、貫
入抵抗(ASTM F1307)、45度の光沢(ASTM D523)、およびヘイズ
/清澄性測定値(%)(ASTM D1003)について、それらを試験した。
【0113】
以下の表6は、逐次延伸された、縦方向の後、横方向における、PA66-s-6コポ
リマーから作製されたフィルムについての特性を示す(10%6および23%6の含有率
)。この表の重要性は、強く、透明で、光沢がある、貫入抵抗性のフィルムを製造するた
めにPA66-s-6コポリマーを延伸することができるということである。上記の同時
延伸の結果に加えて、逐次延伸が可能であることによって、市場に出る機会が開け、一部
の会社は、逐次方法で延伸する機器を有し、一部は、同時方法で延伸する機器を有する。
【0114】
逐次延伸から集められた更に興味深い情報は、10%および23%6含有率のレベルが
同等の特性(引張および貫入)を示し、このことは、結晶アライメントが同様であること
を示唆している。両材料は、高い引張り強さ(約250MPa)および貫入抵抗(約18
00~2600N/mm)を示す。これらの値は、同時延伸フィルムにおいて報告された
値のおおよそ2倍であり、これは、わずかに異なる貫入試験の結果である可能性がある。
表6において列挙された、識別されたASTM方法は、1.6mmの穿刺プローブ半径を
用い、それは、同時延伸フィルムについて1mmに対して用いられる。Bruckner
の社内において同時延伸フィルムを試験し、それらは、ピンホールを介して分析するため
のより小さい穿刺プローブ半径を採用した。
【0115】
図18に示されるように、高められた収率の片は、用いられるがスクラップにされない
フィルムのより高い割合に関連する(収率(%)または使用可能なフィルム=[(全幅-
エッジスクラップ)/全幅]*100。全幅が3フィートまたは4フィートであるかどう
かにかかわらず、ある種の長さは、スクラップにされる状態になり、一定の状態を維持す
ることになる。したがって、総スクラップが4インチであると仮定して、最初のキャスト
フィルムが1フィートであり、最終的な延伸物が3フィートである、ナイロン6プロセス
において、収率は、[(36-4)/36]*100=88.9%の収率である。総スク
ラップが4インチであると仮定して、最初のキャストフィルムが1フィートであり、最終
的な延伸フィルムが4フィートである、PA66コポリマープロセスにおいて、収率は、
[(48-4)/48]*100=91.7%の収率である。これによって、総収率が約
2.8%増加する。増加した潜在的スループットは、フィルムラインによって加工され得
るポンドの数字に関する限定はないという仮定に基づく。したがって、15ミクロンの標
的フィルム厚さが作製され、PA6フィルム(3×3)は、PA66-s-6コポリマー
フィルム(4×4)に対して延伸されており、ここで最初のキャスト幅が一定であるとい
う仮定がある場合、約16/9=1.78すなわち78%より多くの材料をPA66-s
-6コポリマーについて加工することができる。体積に関して、この結果により、現在1
つのラインにつき10Mlb/年を製造する二軸ナイロンフィルムの製造者が、ここで1
つのラインにつき17.8Mlb/年を製造することが可能になった。更に、それは、単
位時間当たりの所望の体積のフィルムを達成するために、休止時間についての融通性を加
える。
【0116】
【0117】
表7は、それぞれ25/10/10/10/10/10/25の分布(%))の7層ブ
ローフィルムの構築(PA/タイ/LDPE/タイ/PA/タイ/LLDPE)における
PA6およびPA66/6(23重量%6)(両方とも約220℃の融点を有する)の間
の比較を示す。PA66/6は、PA6として2.2倍の貫入抵抗と、外側のPA層とし
て1.9倍の光沢とを提供する。これらの結果は、見た目がより良い、より堅いパッケー
ジを作製する際の潜在的有益性を有する。現在では、より高い光沢を必要とする一部の構
築において、靭性や、より高い温度でパッケージを熱融着する能力を犠牲にする可能性が
あるPAの使用を避ける傾向にある。その結果、食物の包装者は、その包装者のラインが
稼働し得る速度によって制限される。したがって、外層上のポリアミドの使用によって、
より高い熱融着温度が可能になり、より高い熱融着=より速い融着=より速い走行ライン
、である。
【0118】
【0119】
表7の結果の重要性は、PA66-s-6コポリマーは、清澄性/ヘイズの低減、光沢
(39.4対73.5)貫入抵抗(6.5対14.6lb/ミル)および引張り伸びの性
能が増大したナイロン6の同じ温度性能を有する多層フィルム構築を提供する。全体とし
て、PA66-s-6コポリマーは、多層フィルム構造の機械的なものおよび美的なもの
を高める。より高い貫入抵抗によって、パッケージの製造者が、コストを節約するために
ナイロン層をダウンゲージすることが可能になる。
【0120】
PA66-s-6などの、1~25重量%のラクタムまたはAA-BB繰り返し単位を
含む本発明のコポリアミドは、PA66およびPA6の従来の配合物についての2つの融
点に対して、単一の融点の利益を有する。最終的フィルム物品に製造する場合、二重の融
点は、結果として不均質性になり、それによって性能が犠牲になる。例えば、ナイロン6
6-s-6コポリマーから調製されたフィルムは、均一な熱的性能を有するが、ナイロン
6,6およびナイロン6の配合物から調製されたフィルムは、不均質性を示し、結果とし
て、ナイロン6,6(より高い融点=260℃を有する)およびナイロン6(より低い融
点=220℃を有する)が多く含まれるポケットが得られる。
図2において認められる画
像から、顕微鏡検査法および分光法の組合せによって、220℃を超える加熱を行ったフ
ィルムが結果として溶落ち挙動を示すことが示され、溶落ち領域が、ナイロン6が多く含
まれる領域を含むことが示された。それに対して、高い均質性を示す本発明のPA66-
s-6フィルムは、PA66およびPA6の配合物から調製されたフィルムに対して、向
上した清澄性、靭性、強度および貫入抵抗を示す。
【0121】
結果および考察
75~99重量%のナイロン6,6繰り返し単位を含むPA66-s-6コポリアミド
の結晶化速度は、とりわけブローフィルムまたはキャストフィルムに適用されるように、
ナイロン6,6や、更に(より限定された重量百分率の)ナイロン6のそれぞれの結晶化
速度と比較して優れていたことが予想外にも認められた。
図1において、ナイロン6,6
(正方形)は急激に結晶化したことが示され、ここで、240℃から210℃に温度が低
下すると、約750秒から10秒未満になる、急速な速度で結晶化時間が減少した。それ
をフィルム用途に適用する際、この急速な結晶化挙動によって、ブローフィルムのブロー
アップ比が望ましくなく限定され、熱成形および配向する能力が阻止され、望ましくない
乳光(不透明性)を有するフィルムが得られる。
【0122】
統計的コポリアミドへのカプロラクタムなどの低レベルのラクタムの組み込みによって
、結晶化速度が著しく減少することが認められ、フィルム用途に関して区別された溶液に
なる。一例として、PA66主鎖への少量のカプロラクタムの統計的組み込みによって、
融点と比較してより著しく急激に結晶化温度が低下したことが認められ(
図3)、それに
よって、フィルム形成、ブローフィルムによる延伸(ブローアップ比)、配向および熱成
形のためのより大きいプロセス窓になるより大きいT
m-T
c値が生じる。例えば、PA6
6
90-s-6
10は、ナイロン6により近く似ている約55℃のT
m-T
c値を有する。T
m
およびT
cの間のこの広がったギャップは、ナイロン6,6に対して著しく低下した結晶
化速度になる。例えば、10重量%のカプロラクタムを有する統計的コポリマーは、ナイ
ロン6に沿った温度特性に対する結晶化時間にシフトする。加えて、速度は、実際にナイ
ロン6と同等になり、続いて、温度が100℃に近づくにつれて更により遅くなる。とり
わけ100から160℃の間の温度で、約12~15重量%のカプロラクタムで、結晶化
速度がナイロン6より遅くなる場合、結果は、(1)フィルムの清澄性を向上させ(
図6
)、(2)PA66の極限引張り強さを犠牲にすることなく軟度を増加させ、(3)キャ
ストフィルムおよびブローフィルムに関して最終的生成物が熱成形および配向する能力を
向上させる、より低い全体的結晶性(%)および最終的生成物(例えば、フィルム)内に
おける球晶の大きさの低減となり、開示されたコポリマーは、PA66およびPA6ホモ
ポリマーと比較して、更に上昇した極限引張り強さを有することができる(
図5)。
【0123】
例示的な実施形態において、c=90、d=5およびe=10のコポリアミドを試験し
、接触清澄性が42%から94%に増大した一方で、23℃および50%RHにおいて、
75%ナイロン6,6/25%ナイロン6配合物と比較して、ヘイズ(%)が31から1
4%に低下したことが分かったが、引張り強さは、101MPaから118MPaに増大
した。
【0124】
例示的な実施形態において、c=90、d=5およびe=10のコポリマーを試験し、
20~25℃高い融点(245℃対220℃)、より高い極限引張り強さ(23℃および
50%RHで118MPa対60MPa)、およびより高い破断伸び(23℃および50
%RHで420%対350%)がもたらされた一方で、ナイロン6と同等の清澄性(94
%の清澄性)が示されたことが分かった。
【0125】
図4、5および6から、ナイロン6,6への10重量%のカプロラクタムの組み込みに
よって、その高い融点(245℃)を増大させる魅力的な特性を示すPA66-s-6コ
ポリマーが得られることが明らかであり、それによって、それがフィルム用途の観点から
固有の溶液となる。主要な特性は、例えば、PA66系樹脂をフィルム製造業者のために
魅力的な溶液にする高い貫入抵抗(ナイロン6,6に対して向上した、落槍試験における
破断に必要な約2000g/インチ)、引裂き強さ、および引張り強さ(ナイロン6,6
に対して同様で、ナイロン6についての約80~90MPaに対してとりわけ向上した1
00~120MPa)を維持すると共に、フィルム係数および破断前の高い伸びである。
減少した係数(ナイロン6,6についての1000~1100MPaに対する550~6
00MPa)から生じる材料軟度は、多層フィルム(例えば、ポリエチレンおよびポリプ
ロピレン)において典型的には使用される、望ましくないフィルムカールを減らすことが
できる、より柔らかい材料に適合する向上した係数を提供する。カールは、結晶化速度の
低減によってでも向上する。更に、より高い熱的性能を有するポリアミドフィルムの全て
の所望の特色を生じるために、製造業者は、多くの場合、ナイロン6とナイロン6,6と
の配合物をペレット化する。しかし、このことを行う場合、フィルムの清澄性(
図7参照
)および熱的均質性(
図8参照)が損なわれる。開示されたコポリアミドは、カプロラク
タムモノマーまたは加工助剤(すなわち、Acrawax)からのプレートアウトの低減
につながる可能性がある結晶化速度の低下および減少した加工温度に関して、加工を向上
させると共に、ペレット配合が損なわれることを緩和する。
【0126】
開示されたPA66-s-6コポリアミドの上記の優れた加工挙動および機械的特性に
加えて、潜在的清浄度も、ナイロン6、ナイロン6系コポリアミド、ならびにナイロン6
,6およびナイロン6の配合物に対して向上する。前述したように、カプロラクタムは、
300℃で約10重量%の平衡状態モノマー濃度に近づく210℃超の温度で熱的に可逆
的であり得る。したがって、PA66が多く含まれるコポリマーは、ナイロン6系溶液(
ナイロン6ならびにナイロン6,6およびナイロン6の配合物)と比較して、著しい長所
を有するが、その理由は、それらが、減少した量のカプロラクタム(具体的には、100
%カプロラクタム系のナイロン6に関する)を含み、ナイロン6,6およびナイロン6の
配合物よりとりわけ低い温度(250~270℃対280~300℃)で加工され得るか
らである。
【0127】
本明細書に引用された全ての特許/刊行物は、それらの全体が参照により組み込まれる。
本発明は以下の実施態様を含む。
[1]75~99重量%の繰り返しジアミンおよびジカルボン酸単位と、1~25重量%の繰り返しラクタムまたはAA-BB単位とを含むコポリアミド組成物であって、60~350のASTM D789(9.34)に準拠した相対粘度、および220℃より高い融点を有する、コポリアミド組成物。
[2]式(1)または式(2)または式(3)
【化11】
(式(1)において、
a=2~16、
b=2~16、
c=75~99重量%、
d=2~16、および
e=1~25重量%である)
【化12】
(式(2)において、
a=2~16、
b=2~16、
c=75~99重量%、
f=2~16、
g=2~16、および
h=1~25重量%であり、
aおよびfは同一であることができず、またはbおよびgは同一であることができない)
【化13】
(式(3)において、
c=70~99重量%、
d=2~16、
e=1~30重量%である)
を有する、請求項1に記載のコポリアミド組成物。
[3]式(4)
【化14】
(式中、
c=75~99重量%、
d=4~12、および
e=1~25重量%である)
を有する、請求項2に記載の式(1)のコポリアミド組成物。
[4]PA66-s-6である、請求項1から3のいずれか一項に記載のコポリアミド組成物。
[5]式(5)
【化15】
(式中、
c=75~99重量%、
f=2~16、
g=2~16、および
h=1~25重量%であり、
fは4であることができず、またはgは6であることができない)
を有する、請求項2に記載の式(2)のコポリアミド組成物。
[6]PA66-s-6,9である、請求項1、2および5のいずれか一項に記載のコポリアミド組成物。
[7]60ppm超500ppm未満の最終銅濃度を更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のコポリアミド組成物。
[8]ジステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウムからなる群から選択される潤滑剤を更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のコポリアミド組成物。
[9]前記潤滑剤が500から1,000ppmの間の濃度である、請求項8に記載のコポリアミド組成物。
[10]N,N’-エチレンビス-ステアルアミドおよびステアリルエルカミドからなる群から選択される粘着防止剤を更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のコポリアミド組成物。
[11]前記粘着防止剤が1,000から2,000ppmの間の濃度である、請求項10に記載のコポリアミド組成物。
[12]珪藻土である粘着防止剤を更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のコポリアミド組成物。
[13]cが90であり、eが10であり、相対粘度が90~230である、請求項2または請求項3に記載のコポリアミド組成物。
[14]前記相対粘度が100~200である、請求項13に記載のコポリアミド組成物。
[15]cが90であり、hが10である、請求項2または請求項5に記載のコポリアミド組成物であって、前記コポリアミド組成物の相対粘度が90~230である、コポリアミド組成物。
[16]前記相対粘度が100~200である、請求項15に記載のコポリアミド組成物。
[17]60ppm超500ppm未満の最終銅濃度と、250から5,000ppmの間の濃度の、ジステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウムからなる群から選択される潤滑剤とを更に含む、請求項4または請求項6に記載のコポリアミド組成物。
[18]請求項1から6のいずれか一項に記載のコポリアミド組成物を含むキャストフィルム。
[19]100MPa超140MPa未満の極限引張り強さ、350%超600%未満の破断伸び、50グラム超150グラム未満のASTM D1922に準拠した引裂き強さ、2,000グラム超のASTM D1709に準拠した落槍貫入抵抗、および1.5cm
3
/100in
2
-日-atm以下の酸素透過率を有する、請求項18に記載のキャストフィルム。
[20]200℃以下においてPA66ホモポリマーより少なくとも10倍遅い結晶化速度、およびナイロン6と実質的に同様の全体的等温結晶化挙動を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のコポリアミド組成物。
[21]200℃以下においてPA66ホモポリマーより少なくとも20倍遅い結晶化速度を有する、請求項19に記載のコポリアミド組成物。
[22]ナイロン6より少なくとも15℃高い融点を有する一方で、ナイロン6より小さい半結晶化速度を有する、請求項20に記載のコポリアミド組成物。
[23]ナイロン6ならびにナイロン6,6およびナイロン6の配合物と比較して、フィルム加工におけるカプロラクタム浸出の減少を示す、請求項4に記載のコポリアミド組成物。
[24]ナイロン6よりも少なくとも25%大きな延伸能力、より高い融点および最高で40%大きな貫入抵抗を可能にする二軸配向を示す、請求項1に記載のコポリアミド組成物。
[25]請求項1から6のいずれか一項に記載のコポリアミド組成物を含むブローフィルム。
[26]請求項1から6のいずれか一項に記載のコポリアミド組成物を含む二軸配向フィルム。
[27]ナイロン6より大きな延伸能力、高い融点、および大きな貫入抵抗を生じるために充分な二軸配向を有する、請求項1に記載のコポリアミド組成物。