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特許7419518画像データを管理するための方法、および自動車用照明装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】画像データを管理するための方法、および自動車用照明装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/14 20060101AFI20240115BHJP
   B60Q 1/04 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
B60Q1/14 H
B60Q1/04 E
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022523976
(86)(22)【出願日】2020-10-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(86)【国際出願番号】 EP2020080085
(87)【国際公開番号】W WO2021079007
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2022-06-20
(31)【優先権主張番号】1911966
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ヤセール、アルメイオ
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102013016904(DE,A1)
【文献】特開2004-210128(JP,A)
【文献】特開平06-284412(JP,A)
【文献】特開2011-087727(JP,A)
【文献】特開2019-077204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-複数の画素(11)を備える第1画像パターン(1)を提供するステップであって、各画素は当該画素(11)の光度に関する値により特徴付けられるステップと、
-前記第1画像パターンを光モジュールに送信するステップと、
-複数の画素(21)を備える第2画像パターン(2)を提供するステップであって、各画素は当該画素(21)の光度に関する値により特徴付けられるステップと、
-差分パターン(20)を生成するステップであって、前記差分パターン(20)は、前記第2画像パターンを前記第1画像パターンから減算することにより得られるステップと、
-前記差分パターン(20)を前記光モジュール(4)に送信するステップであって、これにより、前記光モジュール(4)は、前記第1画像パターン(1)および前記差分パターン(20)のデータから、前記第2画像パターン(2)を再構成することができるステップと、
-前記差分パターンの画素のうちの少なくとも数個に補償値を加算することにより前記差分パターンを正規化するステップであって、これにより前記正規化された差分パターンの低い値がゼロ以上になるステップと、
-前記補償値を前記光モジュールに送信するステップと、
-前記補償値を前記正規化された差分パターンから減算することにより前記差分パターンを回復させるステップと、
を備える、自動車用照明装置(10)において画像データを管理するための方法。
【請求項2】
前記第1画像パターン(1)の前記画素(11)は、グレースケール画素であり、
より具体的には、各画素(11)の前記光度は、0~255までのスケールに従った数字により特徴付けられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1画像パターン(1)を前記光モジュールにバッファ記憶させるステップをさらに備える、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
-絶対値関数ABSを前記差分パターンに適用することにより変更された差分パターンを生成するステップと、
-前記変更された差分パターンを前記光モジュールに送信するステップと、
-前記第1画像パターンおよび前記変更された差分パターンから前記第2画像パターンを再構成した後、前記絶対値関数ABSを前記第2画像パターンに適用するステップと、
をさらに備える請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
-前記差分パターンの少なくとも一部を前記光モジュールに送信する前に圧縮することにより、圧縮データを作成するステップと、
-前記圧縮データを前記光モジュールにより解凍するステップと、
をさらに備える請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記差分パターンの少なくとも一部を圧縮する前記ステップは、前記差分パターンの20%よりも小さい前記差分パターンのゾーンに作用する、
請求項に記載の方法。
【請求項7】
-複数の光源(5)を備える光モジュール(4)と、
-請求項1~のいずれか一項に記載の方法の前記ステップを実施する制御ユニット(6)と、
を備える自動車用照明装置(10)。
【請求項8】
前記光モジュール(4)は、処理ユニット(7)をさらに備え、
前記処理ユニット(7)は、圧縮データを解凍するように構成される、
請求項に記載の自動車用照明装置(10)。
【請求項9】
前記制御ユニット(6)および処理ユニット(7)の両方が、前記第1画像パターン(1)を保持する画像バッファ記憶装置を備える、
請求項またはに記載の自動車用照明装置(10)。
【請求項10】
前記光源(5)は、固体光源である、
請求項のいずれか一項に記載の自動車用照明装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用照明装置の分野に関し、より詳細には、照明源の制御に由来する電子データの管理に関する。
【背景技術】
【0002】
現行の照明装置では、アダプティブ・ライティング(適応照明)機能を提供するために制御すべき光源の個数が増加している。
【0003】
このような多くの光源は、制御ユニットが管理すべき膨大なデータを含んでいる。PCMと光モジュールとの間でのデータ転送には、CANプロトコルが、そのバリエーションの一部で(CAN-FDは最もよく使用されるものの1つである)多く使用されている。しかしながら、一部の自動車メーカーは、CANプロトコルの帯域幅を制限することを決定しており、通常約5Mbpsを必要とする管理の実施に影響を与えている。
【0004】
実際に、システムが動画を扱う場合、データサイズを減少させるという課題は、データ伝送速度、ひいては画像投影速度に影響するため、極めて重要である。
【0005】
この課題に対する解決策が模索されている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、請求項1に記載の画像データ管理方法および請求項8に記載の自動車用照明装置によって、これらの課題に対する解決策を提供する。本発明の好適な実施形態は、従属請求項に規定される。
【0007】
別段の定めがない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、当該技術分野における慣用のものとして解釈される。さらに、一般的に使用される用語も、本明細書で明示的に定めない限り、関連する技術分野における慣用のものとして解釈されるべきであり、理想化されるべきでない、または過度に形式的なものとされるべきでないこともさらに理解される。
【0008】
本テキストにおいて、用語「備える(comprise)」およびその派生語(「備えている(comprising)」等)」は、排他的な意味において理解されるべきではない。すなわち、これらの用語は、記載され定義されたものがさらなる要素、ステップ等を含む可能性を排除するものとして解釈されるべきではない。
【0009】
第1発明態様において、本発明は、
-複数の画素を備える第1画像パターンを提供するステップであって、各画素は当該画素の光度に関する値により特徴付けられるステップと、
-前記第1画像パターンを光モジュールに送信するステップと、
-複数の画素を備える第2画像パターンを提供するステップであって、各画素は当該画素の光度に関する値により特徴付けられるステップと、
-差分パターンを生成するステップであって、前記差分パターンは、前記第2画像パターンを前記第1画像パターンマイナス減算することにより得られるステップと、
-前記差分パターンを前記光モジュールに送信するステップであって、これにより、前記光モジュールは、前記第1画像パターンおよび前記差分パターンのデータから、前記第2画像パターンを再構成することができるステップと、
を備える、自動車用照明装置において画像データを管理するための方法を提供する。
【0010】
本方法は、制御ユニットと光モジュールとの間で交換される画像データを管理することを目的とする。制御ユニットは、差分パターンの計算を担当し、必ずしも照明装置の内部に物理的に配置されなくてもよく、自動車の任意の位置に配置され得る。照明モジュールは、照明用または信号伝達用の光パターンを提供することを目的としており、照明装置の内部に配置される。
【0011】
本方法の主たる利点は、光モジュールに送信されるデータセットのサイズを小さくできることであり、これは、ADB(アダプティブ・ドライビング・ビーム(Adaptive Driving Beam))やDBL(ダイナミック・ベンディング・ライト(Dynamic Bending Light))等のあるフレームと次のフレームとの差が小さい場合に非常に有用である。場合により、データサイズが十分に小さく圧縮せずに伝送できるために、画像を圧縮する必要がないこともある。
【0012】
特定の実施形態において、前記画像パターンの前記光画素は、グレースケール画素であり、より具体的には、各画素の前記光度は、0~255までのスケールに従う。
【0013】
光モジュールは、通常、光度を0~255に等級分けするグレースケールで、光パターンを定義する。これは、光パターンを数値化することで、これを光データに変換し、車両の制御ユニットにより伝送および管理可能とするための方法である。
【0014】
特定の実施形態において、本方法は、前記第1画像を前記光モジュールにバッファ記憶させるステップをさらに備える。
【0015】
第1イメージがバッファ記憶される場合、提供される差分パターンに基づいて、次の画像を準備することが容易になる。
【0016】
特定の実施形態において、本方法は、
-前記差分パターンの前記画素のうちの少なくとも数個に補償値を加算することにより前記差分パターンを正規化するステップであって、これにより前記正規化された差分パターンの低い値がゼロ以上になるステップと、
-前記補償値を前記光モジュールに送信するステップと、
-前記補償値を前記正規化された差分パターンから減算することにより前記差分パターンを回復させるステップと、
をさらに備える。
【0017】
これらのステップは、DBLのように、強度の増減を伴う変化がある場合に有用である。
【0018】
特定の実施形態において、本方法は、
-絶対値関数ABSを前記差分パターンに適用することにより変更された差分パターンを生成するステップと、
-前記変更された差分パターンを前記光モジュールに送信するステップと、
-前記第1画像パターンおよび前記変更された差分パターンから前記第2画像パターンを再構成した後、前記絶対値関数ABSを前記第2画像パターンに適用するステップと、
をさらに備える。
【0019】
これらのステップは、ADBのように、ブラックゾーンの動きを伴う変化がある場合に有用である。
【0020】
特定の実施形態において、本方法は、
-前記差分パターンの少なくとも一部を前記光モジュールに送信する前に圧縮することにより、圧縮データを作成するステップと、
-前記圧縮データを前記光モジュールにより解凍するステップと、
をさらに備える。
【0021】
強度値のうちの数個がゼロであるために、差分パターン全体を圧縮する必要がない場合もある。この結果、意味のある値のみが圧縮される。
【0022】
特定の実施形態において、前記差分パターンの少なくとも一部を圧縮する前記ステップは、前記差分パターンの20%よりも小さい前記差分パターンのゾーンに作用する。
【0023】
このような場合、代表値がブラックゾーンの輪郭に位置するため、より大きい部分を圧縮する必要はない。
【0024】
この切り取りステップ(cropping step)は、画像の大部分が完全に暗い場合に有用であり、圧縮ステージは、代表値を含む部分のみにフォーカスされる。
【0025】
第2発明態様において、本発明は、
-複数の光源を備える光モジュールと、
-第1発明態様による前記ステップを実施する制御ユニットと、
を備える自動車用照明装置を提供する。
【0026】
この照明装置は、従来のものより低い帯域幅で動作可能である。
【0027】
特定の実施形態において、前記光モジュールは、処理ユニットをさらに備え、前記処理ユニットは、圧縮データを解凍するように構成される。
【0028】
適切な光モジュールに解凍ステージがあるため、帯域幅は、モジュールそれ自体まで狭められる。
【0029】
特定の実施形態において、前記制御ユニットおよび処理ユニットの両方が、前記第1画像を保持する画像バッファ記憶装置(image buffer)を備える。
【0030】
特定の実施形態において、前記光源は、LED等の固体光源である。
【0031】
「固体」という用語は、半導体を使用して電気を光に変換する固体エレクトロルミネセンスにより発光される光を指す。白熱照明に比較して、固体照明は、発熱やエネルギー散逸の少ない可視光線を生成する。固体電子照明装置の典型的に小さい質量により、脆弱なガラス管/電球、細いフィラメント線に比較して、衝撃や振動に対する大きな抵抗力が提供される。また、フィラメントの蒸発がないため、照明装置の寿命が長くなることもある。このようなタイプの照明の例には、電気フィラメント、プラズマ、ガスではなく、半導体発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、高分子発光ダイオード(PLED)を照明源とするものが含まれる。
【0032】
説明を完全にして本発明のより良い理解を提供するために、図面のセットが提供される。前記図面は、本明細書の不可欠な一部を形成し、本発明の実施形態を説示するものである。図面は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、単に本発明を実施可能とする方法の例として解釈されるべきである。本図面は、以下の図から構成される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明による自動車用照明装置により投影されたハイビームモジュールの測光の第1画像を示す。
図2図2は、図1の測光を表す画素マトリクスの一部を示す。
図3図3は、本発明による方法の第1実施形態の第2画像に対応する第2画素マトリクスの一部を示す。
図4図4は、本発明による方法の第1実施形態の中間画像に対応する差分マトリクスの一部を示す。
図5図5は、本発明による方法の第1実施形態の中間画像に対応する暫定マトリクスの一部を示す。
図6図6は、本発明による方法の第2実施形態の中間画像に対応する正規化された差分マトリクスの一部を示す。
図7図7は、本発明による自動車用照明装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
例示的な実施形態の要素には、必要に応じて、図面および詳細な説明を通じて一貫して同一の参照符号を付す。
1 第1画像パターン
11 第1画像パターンの画素
2 第2画像パターン
21 第2画像パターンの画素
3 ブラックゾーン
4 光モジュール
5 LED
6 制御ユニット
7 処理ユニット
10 自動車用照明装置
20 差分マトリクス
100 自動車
【0035】
例示的な実施形態は、当業者が本明細書に記載されたシステムおよびプロセスを具現化および実施できるように十分詳細に記載されている。実施形態は多くの代替形態において提供され得るとともに、本明細書に記載された例に限定して解釈されるべきでないことを理解することが重要である。
【0036】
したがって、実施形態は種々の態様で変更され得るとともに種々の代替形態を取り得る一方で、その特定の実施形態が、例として図面に示され以下に詳細に説明される。開示された特定の形態に限定する意図はない。逆に、添付の特許請求の範囲内にあるすべての変更点、等価点、代替点が含まれるべきである。
【0037】
図1は、本発明による自動車用照明装置により投影され得るハイビームモジュールの測光の第1画像を示す。
【0038】
第1画像は、画素に分割され得る。各画素は、その光度により、黒に相当し得る0から白に相当し得る255までのスケールにおいて特徴付けられ得る。
【0039】
この画像は、アダプティブ・ドライビング・ビーム(Adaptive Driving Beam(ADB))の画像に対応する。ADBの画像は、対向車線を走行する車両にハイビームが届かないように画像の中を通り移動するブラックゾーン3を備えている。
【0040】
この第1画像は、照明モジュールに送信されてバッファ記憶される。こうして、残りの後続の画像は、先行するものから再構成される。
【0041】
図2は、画像パターン1と呼ばれるこのような画素マトリクスの一部を示す。この画像パターン1の各画素11は、上述のスケールに応じた数字によって特徴付けられている。
【0042】
本例において、明瞭性を期してこのブラックゾーン3は4つの画素のみで表されている。これは現実のアプローチとは対応していないが、実際の画像にそのまま対応している。
【0043】
図3は、ADBの第2画像に対応する、画素21を有する第2画素マトリクスの一部を示す。この画像に見られるように、ブラックゾーン3は左に移動したため、ブラックゾーンは、今は異なる画素に作用している。一方で、元の光パターンに対応する異なる光量値が、今はブラックゾーン3の右側に見える。
【0044】
図4は、第2画像パターンを第1画像パターンから減算した結果である差分マトリクス20の一部を示す。第1画像パターンと第2画像パターンとの違いは、ブラックゾーンの左右の境界のみであるため、この差分マトリクスには多くのゼロが存在することになる。
【0045】
次のステップは、変更された差分マトリクスを光モジュールに伝送し、バッファ記憶された第1画像と伝送された変更差分マトリクスとから第2画像を再構成することであり得る。
【0046】
変更された差分マトリクスは、差分マトリクスにABS関数を適用することにより得られるマトリクスである。この操作により、変更された差分マトリクスのすべての値が正となり、伝送が容易となる。
【0047】
伝送は圧縮された態様でもよいし、圧縮なしでもよい。
【0048】
図5は、変更された差分マトリクスをバッファ記憶された第1画像から減算することにより、光モジュールにおいて得られる暫定マトリクスの一部を示す。この暫定マトリクスは、第2パターンと略同一であるが、負の値を数個有している。
【0049】
ABS関数をこの暫定マトリクスに適用することにより、最終的な第2画像パターンが復元されるため、これを光モジュールにより投影することができる。
【0050】
本発明による方法の第2実施形態が存在する。図1図4のステップは同じであり得るとともに、差分マトリクスが計算される。
【0051】
しかしながら、この第2実施形態においては、ABS関数を差分マトリクスに適用しない。代わりに、この差分マトリクスにおいてゼロとは異なるすべての値に補償値を加算することで、図6に示す正規化(normalized)された差分マトリクスを得る。この正規化された差分マトリクスにおいて、すべての値がゼロより大きいかゼロに等しいが、これは本方法の先行する実施形態とは異なる方法により得られたものである。
【0052】
補償値は、元の差分マトリクスの最小値のABS値に1を加算することにより選択されている。本例において、最小値は-60であった。ABS値は60であり、補償値は61である(意味のある値を有する画素にゼロ値を残さないようにするため)。
【0053】
この第2実施形態を、先行する実施形態と共通するいくつかのステップにて示したが、この第2実施形態は、符号情報が重要であるダイナミック・ベンディング・ライト(Dynamic Bending Light(DBL))等の他の用途において特に有利である。これは、画像に沿って動くブラックゾーンがなく、画像プロファイル自体を左または右に動かすためである。ただし、便宜上、この第2実施形態を図1図4のADB構造を用いて説明する。
【0054】
この第2実施形態に従い、正規化された差分マトリクスおよび補償値は、圧縮状態または非圧縮状態で光モジュールに送信される。光モジュールにおいて、第2画像は、補償値を正規化された差分マトリクスから減算することにより、および差分マトリクスを第1画像から減算することにより復元される。
【0055】
最終結果は同じである。各実施形態は、光の機能に応じて選択される。
【0056】
本方法のデータ伝送速度は、他の方法よりも顕著に遅い。実際に、データは、圧縮状態でも非圧縮状態でも伝送され得る。いずれの場合でも、データ伝送速度は、十分に一部の自動車メーカーの要請を満たすため、このデータは、帯域幅に制約を課された光モジュールに送信され得る。
【0057】
図7は、本発明による自動車用照明装置を示す。この照明装置は、
-複数のLED5を備える光モジュール4と、
-先行する図面において説明した圧縮ステップを実行して圧縮データを生成する制御ユニット6と、
-前記圧縮データを解凍するように構成された処理ユニット7であって、前記光モジュール4に配置された処理ユニットと、
を備えている。
【0058】
制御ユニット6および処理ユニット7の両者が、先行する画像を記憶するバッファ記憶装置を備えるため、この先行する画像が後続の画像の復元に使用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7