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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】リッジシール式セグメント型バルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 3/22 20060101AFI20240115BHJP
【FI】
F16K3/22 A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022524180
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 US2019057975
(87)【国際公開番号】W WO2021080594
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】505194077
【氏名又は名称】アイティーティー マニュファクチャーリング エンタープライジズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】キム、スティーブ・イー.
(72)【発明者】
【氏名】ドンヤナバード、モスタファ
【審査官】篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-021049(JP,A)
【文献】特開2000-161505(JP,A)
【文献】特開2011-144861(JP,A)
【文献】特表2013-527393(JP,A)
【文献】国際公開第2016/093271(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0059052(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 5/06
F16K 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブアセンブリであって、
内壁、前記内壁の第一の部分、および前記内壁の第二の部分を有するバルブ本体であって、
前記内壁の前記第一の部分が、前記バルブ本体の第一のポートを画定し、
前記内壁の前記第二の部分が、前記バルブ本体の第二のポートを画定し、
前記内壁、前記第一のポート、および前記第二のポートが、前記内壁に沿って前記バルブ本体の前記第一のポートと前記第二のポートとの間に延在する制御可能な流路を画定する、バルブ本体と、
前記バルブ本体の前記第一のポートの周りに配置された第一の成形ガスケットであって、前記第一の成形ガスケットの内側表面から突出するリップ部分を備える第一の成形ガスケットと、
前記バルブ本体の前記制御可能な流路内に配置された回転可能部材であって、前記回転可能部材が、シールリッジの側面全体が前記第一の成形ガスケットの内側表面全体に接触するのではなく、前記シールリッジが移行動作中に第一の成形ガスケットの前記リップ部分のみに接触するように、外表面部分の周辺付近に形成されたシールリッジを有する外表面部分を含み、それによって前記シールリッジと前記第一の成形ガスケットの間の摩擦を低減する、回転可能部材と、
前記回転可能部材に結合されたシャフト部材であって、前記シールリッジが前記第一の成形ガスケットと選択的に係合するように、前記回転可能部材の位置を動かすように構成される、シャフト部材と、を備える、バルブアセンブリ。
【請求項2】
前記バルブ本体の前記第二のポートの周りに配置され、別のリップ部分を備える第二の成形ガスケットをさらに、備え、前記シャフト部材が、前記シールリッジが前記第一の成形ガスケットまたは前記第二の成形ガスケットのいずれかと選択的に係合するように、前記回転可能部材の位置を動かすようにさらに構成される、請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項3】
前記第一の成形ガスケットおよび前記第二の成形ガスケットが、実質的に環状であり、かつ閉位置において前記回転可能部材を取り囲むように構成される、請求項2に記載のバルブアセンブリ。
【請求項4】
前記リップ部分および前記別のリップ部分は、前記シールリッジと係合するようにばね付勢式である、請求項2に記載のバルブアセンブリ。
【請求項5】
前記回転可能部材が、内側表面部分と、前記外表面部分と前記内側表面部分との間のテーパ状のエッジ部分とをさらに含む、請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項6】
前記回転可能部材の前記外表面部分が実質的に平坦である、請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項7】
前記シールリッジが、4mm~9mmの範囲の高さを有し、かつ
前記シールリッジが、4mm~9mmの範囲の幅を有する、請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項8】
前記第一の成形ガスケットが、金属、プラスチック、ポリマー、ゴム引き材料、または複合材料を含むリストからの材料で構成され、
前記回転可能部材が、金属、プラスチック、ポリマー、または複合材料を含むリストからの材料で構成され、かつ
前記シールリッジが、金属、プラスチック、ポリマー、ゴム引き材料、または複合材料を含むリストからの材料で構成される、請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項9】
前記回転可能部材が、ずれた様態で前記シャフト部材に結合されて、前記回転可能部材の開位置にある前記第一のポートと前記第二のポートとの間の流体またはガスの流れを促進する、請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項10】
前記シールリッジが、前記回転可能部材が動作可能に閉じる時に、約16度の入射角で前記第一の成形ガスケットの前記リップ部分と係合するように構成される、請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項11】
ャフト部材、および内側表面から突出するリップ部分を備える第一の成形ガスケットを有するバルブアセンブリの第一のポートと前記バルブアセンブリの第二のポートとの間の流路を有する、バルブアセンブリ内のボールバルブのための回転可能部材であって、
シャフト連結器部分、実質的に平坦な表面部分、内表面部分、およびその間のテーパ状のエッジ部分を含む本体と、
前記実質的に平坦な表面部分の周辺付近に形成されるシールリッジであって、
前記本体が、前記バルブアセンブリの前記第一のポートと前記第二のポートとの間の前記流路内に配置されるように構成され、
前記シールリッジの側面全体が前記第一の成形ガスケットの内側表面全体に接触するのではなく、前記シールリッジが移行動作中に第一の成形ガスケットの前記リップ部分のみに接触するように、外表面部分の周辺付近に形成されたシールリッジを有する外表面部分を含み、それによって前記シールリッジと前記第一の成形ガスケットの間の摩擦を低減し、
前記本体の前記シャフト連結器部分が、前記回転可能部材の位置を効果的に動かすために、前記バルブアセンブリの前記シャフト部材に結合されるように構成され、前記シールリッジが前記バルブアセンブリの前記第一のポートにおいて前記第一の成形ガスケットと選択的に係合する、回転可能部材。
【請求項12】
前記本体が、前記回転可能部材の開位置において、前記バルブアセンブリの前記第一のポートと前記第二のポートとの間の流体またはガスの流れを効果的に促進するために、前記バルブアセンブリの前記シャフト部材にずれた様態で結合されるように構成される、請求項11に記載の回転可能部材。
【請求項13】
前記シャフト連結器部分の上部が、前記シャフト部材の第一の部分に結合するように構成され、かつ前記シャフト連結器部分の下部が、前記シャフト部材の第二の部分に結合するように構成される、請求項11に記載の回転可能部材。
【請求項14】
前記シールリッジが湾曲した横断形状を有する、請求項11に記載の回転可能部材。
【請求項15】
前記シールリッジが、4mm~9mmの範囲の高さを有し、かつ
前記シールリッジが、4mm~9mmの範囲の幅を有する、請求項14に記載の回転可能部材。
【請求項16】
バルブ装置を製造する方法であって、
内壁、前記内壁の第一の部分、および前記内壁の第二の部分を有するバルブ本体を形成することであって、これにより
前記内壁の前記第一の部分が、前記バルブ本体の入口ポートを画定し、
前記内壁の第二の部分が、前記バルブ本体の出口ポートを画定し、
前記内壁、前記入口ポート、および前記出口ポートが、前記内壁に沿って前記バルブ本体の前記入口ポートと前記出口ポートとの間に延在する制御可能な流路を画定する、バルブ本体を形成することと、
前記バルブ本体の前記入口ポートの周りに入口ガスケットを配置することと、ここにおいて、前記入口ガスケットは前記入口ガスケットの内側表面から突出するリップ部分を備え、
前記バルブ本体の前記出口ポートの周りに出口ガスケットを配置することと、ここにおいて、前記出口ガスケットは前記出口ガスケットの内側表面から突出する別のリップ部分を備え、
実質的に平坦な表面部分、内表面部分、およびその間にあるテーパ状のエッジ部分を含むように、回転可能部材を形成することと、
シールリッジの側面全体が前記入口ガスケットまたは前記出口ガスケットの内側表面全体に接触するのではなく、前記シールリッジが移行動作中に前記入口ガスケットの前記リップ部分または前記出口ガスケットの前記別のリップ部分のみに接触し、それによって前記シールリッジと前記入口ガスケットおよび前記出口ガスケットの間の摩擦を低減するように、回転可能本体の前記実質的に平坦な表面部分の周辺付近にシールリッジを形成することと、
前記回転可能部材を前記バルブ本体の前記制御可能な流路内に配置することと、
第一の部分および第二の部分を含むようにシャフト部材を形成することと、ここにおいて、前記シールリッジが前記入口ガスケットまたは前記出口ガスケットのいずれかと選択的に係合するように、前記シャフト部材が前記回転可能部材の位置を効果的に動かし、
前記シャフト部材の前記第一の部分を前記回転可能本体の上部に結合し、かつ前記シャフト部材の前記第二の部分を前記回転可能本体の下部に、ずれた様態で結合することによって、前記シャフト部材を前記回転可能部材に結合することと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記入口ガスケットおよび前記出口ガスケットを実質的に環状に、かつ前記入口ガスケットおよび前記出口ガスケットが、前記回転可能部材の閉位置において少なくとも前記回転可能本体の前記テーパ状のエッジ部分を効果的に取り囲むように、形成することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記リップ部分および前記別のリップ部分はばね付勢式である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記回転可能本体を形成することが、
金属、プラスチック、ポリマー、または複合材料を含むリストからの材料で前記回転可能本体を形成することを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書に別段の表示がない限り、本セクションに記載した材料は、本出願の特許請求の範囲の先行技術ではなく、本セクションに含めることでは先行技術として認められない。
【0002】
流体およびガス流の用途で使用されるボールバルブは、入口、出口、およびボールバルブ部材を受けるための中央空洞を有するバルブ本体を含みうる。ボールバルブ部材は、入口と出口との間の流路内のゲートとして機能する。一部の例では、ボールバルブ部材は、半球形状であってもよい。他の例では、ボールバルブ部材は、ボールバルブ部材の対向する側から概して流路に対して横断する線に沿って延在するシャフトに対応し、かつこれと結合する穴を有してもよい。したがって、ボールバルブ部材が、ボールバルブ部材が、流路が遮られていない開位置と、流路が遮蔽される閉位置との間で回転するように、バルブ本体の中央空洞内に回転可能に取り付けられてもよい。閉位置での密封のために、ボールバルブ部材の表面は、バルブ本体の対応する入口または出口と密着して位置付けられる。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、概して、バルブの寿命を延ばすためのシールリッジを有する回転可能部材を備えるバルブアセンブリについて記述する。
【0004】
一部の実施例により、バルブアセンブリが説明される。バルブアセンブリは、内壁、バルブ本体の第一のポートを画定する内壁の第一の部分、バルブ本体の第二のポートを画定する内壁の第二の部分、および内壁に沿ってバルブ本体の第一のポートと第二のポートとの間に延在する制御可能な流路を有するバルブ本体を含みうる。バルブアセンブリはまた、バルブ本体の第一のポートの周りに配置された第一の成形ガスケット、およびバルブ本体の制御可能な流路内に配置された回転可能部材を含んでもよく、ここで、回転可能部材は、外表面部分の周辺付近に形成されたシールリッジを有する外表面部分を含む。バルブアセンブリは、回転可能部材に結合されたシャフト部材をさらに含み、シャフト部材は、シールリッジが第一の成形ガスケットと選択的に係合されるように、回転可能部材の位置を動かすように構成される。
【0005】
他の実施例によれば、バルブアセンブリは、バルブ本体の第二のポートの周りに配置された第二の成形ガスケットをさらに含み、シャフト部材は、シールリッジが第一の成形ガスケットまたは第二の成形ガスケットのいずれかと選択的に係合するように、回転可能部材の位置を動かすように構成されうる。第一の成形ガスケットおよび第二の成形ガスケットは、閉位置において回転可能部材を取り囲むように構成されうる。第一の成形ガスケットおよび第二の成形ガスケットは、実質的に環状であってもよい。第一の成形ガスケットおよび第二の成形ガスケットの各々は、少なくともシールリッジと係合するように構成されたリップ部分を含みうる。リップ部分は、ばね付勢式でもよい。回転可能部材は、内側表面部分と、外表面部分と内側表面部分との間の、テーパ状のエッジ部分とをさらに含みうる。回転可能部材の外表面部分は、実質的に平坦であってもよい。シールリッジは、4mm~9mmの範囲の高さおよび4mm~9mmの範囲の幅を有しうる。
【0006】
さらなる実施例によれば、第一の成形ガスケットおよび第二の成形ガスケットは、金属、プラスチック、ポリマー、ゴム引き材料、または複合材料を含むリストからの材料で構成されてもよい。回転可能部材は、金属、プラスチック、ポリマー、または複合材料を含むリストからの材料で構成されてもよい。シールリッジは、金属、プラスチック、ポリマー、ゴム引き材料、または複合材料を含むリストからの材料で構成されてもよい。回転可能部材は、ずれた様態でシャフト部材に結合されて、回転可能部材の開位置において第一のポートと第二のポートとの間の流体またはガスの流れを容易にする場合がある。回転可能部材は、実質的に平坦な表面部分、内表面部分、およびテーパ状のエッジ部分を有する半球体として実質的に成形されてもよい。シャフト部材は、回転可能部材の上部に結合された第一の部分と、回転可能部材の下部に結合された第二の部分とを含みうる。シールリッジは、回転可能部材が動作可能に閉じる時に、第一の成形ガスケットまたは第二の成形ガスケットに約16度の入射角で係合するように構成されうる。
【0007】
一部の実施例によれば、シャフト部材と、第一の成形ガスケットを有するバルブアセンブリの第一のポートと、バルブアセンブリの第二のポートとの間の流路を有する、バルブアセンブリ内のボールバルブの回転可能部材について説明されている。回転可能部材は、シャフト連結器部分、実質的に平坦な表面部分、内表面部分、およびその間のテーパ状のエッジ部分を含む本体と、実質的に平坦な表面部分の周辺付近に形成されるシールリッジとを含みうる。本体は、バルブアセンブリの第一のポートと第二のポートとの間の流路内に配置されるように構成されてもよく、本体のシャフト連結器部分は、シールリッジがバルブアセンブリの第一のポートにおいて第一の成形ガスケットと選択的に係合するように、回転可能部材の位置を動かすために効果的なバルブアセンブリのシャフト部材に結合されるように構成されてもよい。
【0008】
他の実施例によれば、シールリッジは、回転可能部材の閉位置において、バルブアセンブリの第一の成形ガスケットまたは第二の成形ガスケットのばね付勢式リップ部分に接触するように構成されうる。シールリッジは、4mm~9mmの範囲の高さおよび4mm~9mmの範囲の幅を有しうる。本体は、金属、プラスチック、ポリマー、または複合材料を含むリストからの材料で構成されてもよい。シールリッジは、金属、プラスチック、ポリマー、ゴム引き材料、または複合材料を含むリストからの材料で構成されてもよい。本体は、回転可能部材の開位置においてバルブアセンブリの第一のポートと第二のポートとの間の流れを可能にするために効果的な、変位した様態でバルブアセンブリのシャフト部材に結合されるように構成されうる。シャフト連結器部分の上部は、シャフト部材の第一の部分に結合されるように構成されてもよく、シャフト連結器部分の下部は、シャフト部材の第二の部分に結合されるように構成されてもよい。シールリッジは、回転可能部材が閉じる時に、バルブアセンブリの第一の成形ガスケットまたは第二の成形ガスケットと約16度の入射角で係合するように構成されうる。
【0009】
一部の実施例によれば、バルブ装置を製造する方法が説明されている。方法は、内壁、内壁の第一の部分、および内壁の第二の部分を有するバルブ本体を形成することを含んでもよく、その結果、内壁の第一の部分は、バルブ本体の入口ポートを画定し、内壁の第二の部分は、バルブ本体の出口ポートを画定し、内壁、入口ポート、および出口ポートは、バルブ本体の入口ポートと出口ポートとの間の内壁に沿って延在する制御可能な流路を画定する。方法はまた、バルブ本体の入口ポートの周りに入口ガスケットを配置することと、バルブ本体の出口ポートの周りに出口ガスケットを配置することと、実質的に平坦な表面部分、内表面部分、およびその間にあるテーパ状のエッジ部分を含むように、回転可能部材を形成することと、回転可能本体の実質的に平坦な表面部分の周辺付近にシールリッジを形成することと、回転可能部材をバルブ本体の制御可能な流路内に配置することと、第一の部分および第二の部分を含むようにシャフト部材を形成することであって、シールリッジが入口ガスケットまたは出口ガスケットのいずれかと選択的に係合するように、シャフト部材が回転可能部材の位置を動かすために効果的であることと、シャフト部材の第一の部分を回転可能本体の上部に結合し、かつシャフト部材の第二の部分を回転可能本体の下部にずれた様態で結合することによって、シャフト部材を回転可能部材に結合することと、を含んでもよい。
【0010】
他の実施例によれば、方法は、入口ガスケットおよび出口ガスケットを、実質的に環状形状に、かつ入口ガスケットおよび出口ガスケットが、少なくとも回転可能部材の閉位置において、回転可能本体のテーパ状のエッジ部分を囲むのに効果的であるように形成することをさらに含んでもよい。入口ガスケットおよび出口ガスケットを形成することは、入口ガスケットおよび出口ガスケットの各々の周りに、少なくとも回転可能部材を閉じる間にシールリッジと係合するために効果的な、リップ部分を形成することを含みうる。リップ部分を形成することは、リップ部分をばね付勢式に形成することを含みうる。回転可能本体を形成することは、金属、プラスチック、ポリマー、または複合材料を含むリストからの材料を用いて回転可能本体を形成することを含みうる。
【0011】
前述の要約は例示に過ぎず、何らか方法で限定することが意図されるものではない。上述の例示的態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴は、図面および以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【0012】
本開示の前述およびその他の特徴は、添付図面と併せて、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかとなるであろう。これらの図面は、本開示に従っていくつかの実施形態のみを示し、したがって、その範囲を限定するとはみなされないことを理解しつつ、本開示は、添付図面の使用を通して追加の特異性および詳細とともに記載される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A図1Aは、シールリッジを有する回転可能部材を備える例示的なバルブアセンブリの水平断面図を示す。
図1B図1Bは、シールリッジを有する回転可能部材を備える別の例示的なバルブアセンブリの切り取り図を示す。
図2A図2Aは、シールリッジを有する回転可能部材の垂直断面図を示す。
図2B図2Bは、シールリッジを有する回転可能部材の水平断面図を示す。
図2C図2Cは、シールリッジを有する回転可能部材の二次元正面図を示す。
図3図3は、閉位置にあるバルブアセンブリのガスケットと接触するシールリッジを有する回転可能部材の分解断面図を示す。
図4図4は、バルブアセンブリのガスケットと最小接触位置にあるシールリッジを有する回転可能部材の分解断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
すべては、本明細書に記載される少なくともいくつかの実施形態に従って配置されている。
【0015】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照する。図面では、文脈上別段の指示がない限り、類似の記号は、典型的に類似の構成要素を識別する。発明を実施するための形態、図面、および特許請求の範囲に記載される例証的実施形態は、限定することを意図するものではない。本明細書に提示される主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、その他の実施形態が利用されてもよく、その他の変更が行われてもよい。本開示の態様は、概して本明細書に記載され、図に例証されるように、多種多様な異なる構成で配置、置換、組合せ、分離、および設計することができ、それらすべては本明細書で明示的に意図されている。
【0016】
本開示は概して、特に、バルブ寿命を向上させるためのシールリッジを有する回転可能部材を備えたバルブアセンブリに関連する方法、装置、システム、および/または機器に関する。
【0017】
簡潔に述べると、技術は、その内壁が二つのポートを画定するバルブ本体と、バルブ本体の二つのポートの間の内壁に沿って延在する制御可能な流路とを含むバルブアセンブリについて一般的に説明される。各ポートには、対応するガスケットが取り付けられてもよい。バルブ本体の制御可能な流路内に配置された回転可能部材は、実質的に平坦なディスク形状の表面部分を有する半球形状の本体、および実質的に平坦なディスク形状の表面部分の周辺付近で形成されるシールリッジを含みうる。開閉動作中、シールリッジは、閉じる動作中にガスケットのいずれか一方と選択的に係合されてもよく、初期接触表面を低減させ、それによって回転可能部材とガスケットとの間の摩擦を低減させる。
【0018】
本明細書では、実質的に平坦な接触面上にシールリッジを含む、回転可能部材を備えるバルブアセンブリが開示されている。実質的に平坦な表面部分および実質的に平坦な表面部分の周辺付近に形成されたシールリッジを有する回転可能部材の半球形状の本体は、シール接触面積を低減することによって、バルブアセンブリの動作寿命を向上させうる。バルブ本体のガスケットによって囲まれた回転可能部材のその他の領域は、任意の所与の位置における接触領域を除いて、閉位置から開位置への、またはその逆への移行の間、ガスケットと接触しない場合がある。従来のバルブアセンブリに見られるような線状接触部ではなく、移行動作中の接触領域でシールリッジによって提供される接触の結果、開閉動作中に必要とされる摩擦が低減され、トルクが低減されて、バルブアセンブリ寿命の延長がもたらされうる。二つの湾曲した部分が当接する平坦な部分を有する第一の側面を備える、くり抜かれた部分球(または半球)形状を有する回転可能部材は、回転可能部材の質量を減少させ、またそれによってバルブアセンブリの質量を減少させうる。
【0019】
バルブアセンブリの動作寿命は、50,000~100,000サイクル程度の動作でありうる。開閉動作中に発生する摩擦は、ボールバルブ部材、入口、または出口を劣化させることがあり、これは、バルブ本体の入口および出口にあるボールバルブ部材および/または様々なシールの交換を必要とする。
【0020】
図1Aは、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って配置される、シールリッジを有する回転可能部材を備える例示的なバルブアセンブリの水平断面図を示す。
【0021】
図1Aに図示されているように、例示的なバルブアセンブリ100Aは、内壁115、バルブ本体110の第一のポート130を画定する内壁115の第一の部分、バルブ本体110の第二のポート140を画定する内壁の第二の部分、およびバルブ本体110の第一のポート130と第二のポート140との間の内壁に沿って延在する制御可能な流路112を有するバルブ本体110を含みうる。バルブアセンブリ100Aはまた、バルブ本体110の第一のポート130の周りに配置された第一の成形ガスケット135、およびバルブ本体110の制御可能な流路112内に配置された回転可能部材150も含んでもよく、回転可能部材150は、実質的に平坦な表面部分180の周囲に形成されたシールリッジ160を有する実質的に平坦な表面部分180を含む。バルブアセンブリ100Aは、回転可能部材150に結合されたシャフト部材105をさらに含みうる。
【0022】
一部の実施例では、回転可能部材150は、部分球形状または半球形状を有してもよい。例えば、回転可能部材150の半球形状は、球体の半分として形成されてもよい。様々な実施例では、回転可能部材150の半球形状は、球体の一方の側で中央部分がくり抜かれた球体の半分として形成されてもよい。なおさらなる実施例では、回転可能部材150の上部は、ずれた様態でシャフト部材105の第一の部分に結合されてもよい。同様に、回転可能部材150の下部は、ずれた様態でシャフト部材105の第二の部分に結合されてもよい。回転可能部材150の形状およびシャフト部材105への結合のずれた位置は、制御可能な流路112を通る流体またはガスの流量の改善を促進しうる。
【0023】
回転可能部材150の実質的に平坦な表面部分180は、バルブアセンブリ100Aの閉位置において第一のポート130を封止するように適合されうる。例えば、実質的に平坦な表面部分180は、第一の成形ガスケット135と係合して、ポートに対するシールまたはブロックに影響を与えるように位置付けられてもよい。実質的に平坦な表面部分180の周辺付近に成形されるシールリッジ160は、第一の成形ガスケット135(例えば、リップ部分)のいずれかの接触面と係合し、閉じる動作中に回転可能部材とガスケットとの間の係合面積を減少させることによって摩擦の低減を提供しうる。回転可能部材の作動中の摩擦の低減は、回転可能部材および対応するガスケットの摩耗の減少をもたらしうる。動作時に、シャフト部材105は、シールリッジ160が第一の成形ガスケット135のうちの一つと選択的に係合するように、回転可能部材150の位置を作動させてもよい。
【0024】
図1Bは、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って配置されたシールリッジを有する回転可能部材を備える、別の例示的なバルブアセンブリの切り取り図を示す。
【0025】
図1Bは、例示的なバルブアセンブリ100Bを示し、ここで、回転可能部材150は、交互の閉位置で第一の成形ガスケット135および第二の成形ガスケット145を選択的に係合するように構成されうる。バルブアセンブリ100Bは、図1Aの例示的なバルブアセンブリ100Aと類似した部品および構成を含む。異なる構成のため、バルブ本体は、図1Bでは参照番号111で示されている。バルブアセンブリ100Bは、バルブ本体111の第二のポート145の周りに配置された第二の成形ガスケット145を含み、第二のポート140は、バルブ本体111の内壁115の第二の部分によって画定される。回転可能部材150は、バルブ本体111の制御可能な流路112内に配置される。回転可能部材150の実質的に平坦な表面部分180は、図1Bでは、シールリッジ160が完全に閉じる前に第二の成形ガスケット145の周辺とどのように整列するかを視覚的に示す半ば閉じた位置で図示されている。
【0026】
第一の成形ガスケット135および第二の成形ガスケット145は、環状形状であってもよい。環状形状の断面は、実質的に円形、楕円形、または不規則形を含む類似の形状であってもよい。回転可能部材との密封のために、成形ガスケットの断面形状およびサイズは、回転可能部材150の断面形状およびサイズ、特に、成形ガスケットによって囲まれた回転可能本体の部分と合致しうる。バルブアセンブリのバルブ本体111(または図1Aに示すバルブ本体110)は、金属、プラスチック、ポリマー、または複合材料を含むリストからの材料で構成されてもよい。第一の成形ガスケットおよび第二の成形ガスケットは、金属、プラスチック、ポリマー、ゴム引き材料、または複合材料を含むリストからの材料で構成されてもよい。
【0027】
図1Aおよび図1Bに示すバルブアセンブリは、流体、ガス、または類似の流れの用途で使用されてもよく、他の隆起、取付フランジまたは基部、取付支柱、シールリングなどの他の構成要素を含んでもよい。図示された(および図示されていない)構成要素の形状および構成は、本明細書に説明される原理から逸脱することなく、実施および材料に応じて変化しうる。
【0028】
図2Aは、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って配置されるシールリッジを有する回転可能部材の垂直断面図を示す。
【0029】
図1Aおよび図1Bに関連して考察したように、図2Aでは回転可能部材250は、部分球形状または半球形状を有してもよく、すなわち、回転可能部材250は、中心部分がくり抜かれたボールから切り取られたかのように形成されてもよい。平坦な表面部分と、当接するテーパ状のエッジ部分とは一緒に、実質的にディスク形状になってもよく、また閉位置でバルブアセンブリの成形ガスケットへと嵌合してもよい。回転可能部材250の上部は、シャフト部材205の第一の部分220に結合されてもよく、また回転可能部材250の下部は、ずれた様態でシャフト部材205の第二の部分225に結合されてもよい。回転可能部材250の形状およびずれた結合は、バルブアセンブリの制御可能な流路を通る流体またはガスの流量の改善を促進しうる。
【0030】
回転可能部材250の「本体」252は、シャフト部材の第一の部分220とシャフト部材の第二の部分225との間の回転可能部材250の一部分として画定されうる。本体252は、外表面部分280、内表面部分290、およびその間のテーパ状のエッジ部分270を含みうる。外表面部分280および当接するテーパ状のエッジ部分270は一緒にディスク様の形状を形成しうる。本体252はまた、実質的に平坦な表面部分180の周辺付近で形成されるシールリッジ260も含んでもよい。シールリッジ260は、湾曲した横断形状を有してもよく、すなわち、シールリッジ260の断面は、部分円、楕円、または類似の曲線であってもよい。回転可能部材250は、金属、プラスチック、ポリマー、または複合材料を含むリストからの材料で構成されうる。シールリッジ260は、金属、プラスチック、ポリマー、ゴム引き材料、または複合材料を含むリストからの材料で構成されうる。
【0031】
図2Bは、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って配置されるシールリッジを有する回転可能部材の水平断面図を示す。
【0032】
図2Bに示すように、一部の実施例によるバルブアセンブリの回転可能部材の本体252は、実質的に平坦な表面部分280および隣接するテーパ状のエッジ部分270を含んでもよく、ここで、本体252の上部は、バルブアセンブリのシャフト部材の第一の部分220に結合される。同様に、本体252の下部(図示せず)は、ずれた様態でバルブアセンブリのシャフト部材の第二の部分に結合されてもよい。回転可能部材の本体252はまた、実質的に平坦な表面部分280の周辺付近に形成されうるシールリッジ260も含んでもよい。シールリッジ260は、湾曲した横断形状を有してもよい。一部の実施例では、シールリッジは、4mm~9mmの範囲の高さおよび4mm~9mmの範囲の幅を有してもよい。
【0033】
他の実施例では、実質的に環状のガスケット(バルブアセンブリの入口ガスケットまたは出口ガスケット)は、バルブアセンブリの閉位置で、テーパ状のエッジ部分270の少なくとも一部分および回転可能部材のシールリッジ260を囲むように構成されてもよい。回転可能本体は、図1Aに示すように、バルブアセンブリの一つのポート(例えば、入口ポートまたは出口ポート)を開閉するように構成されてもよい。別の方法として、回転可能本体は、バルブアセンブリのポートのいずれか一つを開閉するように構成されてもよく、すなわち、回転可能本体は、図1Bに示すように入口ポートまたは出口ポートの対応するガスケットと係合することによって、どちらかのポートを閉じうる。ガスケットは、回転可能部材の閉じる動作中に少なくともシールリッジ260と係合するように構成されたリップ部分を含んでもよい。リップ部分は、ばね付勢式でもよい。シールリッジ260は、閉じる動作(および開く動作)中にリップ部分と最初に(および最後に)係合することによって、ガスケットと回転可能部材との間の摩擦の低減を可能にし、それによって、バルブアセンブリ構成要素の摩耗を低減して、バルブアセンブリの動作寿命を延長しうる。
【0034】
図2Cは、本明細書に記載の少なくとも一部の実施形態に従って配置されたシールリッジを有する回転可能部材の二次元正面図を示す。
【0035】
図2Cに示すように、バルブアセンブリの回転可能部材250は、シャフト部材205の上部220および下部225を通して、バルブアセンブリのシャフト部材205に結合された本体252を含みうる。シャフト部材205は回転して、バルブアセンブリ内の回転可能部材250による閉じる動作または開く動作に影響を与えうる。回転可能部材250の本体252の正面図は、一部の例では実質的に平坦であってもよい外表面280、テーパ状のエッジ部分270、およびシールリッジ260を含みうる。上記で考察したように、シールリッジ260は、閉じる動作(および開く動作)の間、最初に(および最後に)バルブアセンブリのガスケットのリップ部分に係合し、ガスケットと回転可能部材との間の摩擦の低減を可能にしうる。
【0036】
図3は、本明細書に記載の少なくとも一部の実施形態に従って配置される、閉位置にあるバルブアセンブリのガスケットと接触するシールリッジを有する回転可能部材の分解断面図を示す。
【0037】
図3の図の断面図300は、バルブアセンブリの本体310、ガスケット345の一部分、および閉位置にあるバルブアセンブリの回転可能部材350の一部分を含む。ガスケット345は、一部の実施例ではばね344によって付勢されうるリップ部分342を含む。回転可能部材350は、実質的に平坦な表面部分380、実質的に平坦な表面部分380の周辺付近に形成されたシールリッジ360、およびテーパ状のエッジ部分370を含む。角度302によって画定される回転可能部材350のシール表面は、リップ部分342によって囲まれ、かつガスケット345の内側表面を閉位置のまま保ちうる。
【0038】
従来のボールバルブが、閉じる動作中にガスケットと線または表面で接触するのに対し、一部の実施例によるバルブアセンブリでは、シールリッジ360は、従来のボールバルブアセンブリの線状接触とは対照的に回転可能部材が閉じる際に、二つの接触領域でリップ部分342と係合しうる。したがって、リップ部分342は、閉じる動作中に回転可能部材350の表面から押しのけられ、その結果、ガスケットおよび回転可能部材350の表面上での摩擦が減少し、それによって、バルブアセンブリの構成要素上の摩耗が低減されうる。さらに、摩擦の低減はまた、回転可能部材350の閉じる(および開く)動作のために必要なトルクの低減をもたらしうる。
【0039】
図4は、本明細書に記載の少なくとも一部の実施形態に従って配置される、バルブアセンブリのガスケットと最小接触位置にあるシールリッジを有する回転可能部材の分解断面図を示す。
【0040】
図4の図の断面図400は、回転可能部材450が閉位置から開位置へと移行する際の、バルブアセンブリのガスケット445および回転可能部材450を含む。ガスケット445は、バルブアセンブリのポート440の周りに形成され、またリップ部分442を含んでもよく、一部の例では、これはばね440により付勢されてもよい。ガスケット445および回転可能部材450の断面を図400に示すが、ガスケット445は実質的に環状であってもよい。ガスケット445はまた、実施の具体的内容に応じて、多数の隆起部、溝、およびその他の要素を含んでもよい。
【0041】
回転可能部材450は、実質的に平坦な表面部分480、実質的に平坦な表面部分480の周辺付近に形成されたシールリッジ460、およびテーパ状のエッジ部分470を含む。閉位置から開位置へ(またはその逆)の移行の間、ガスケット445と回転可能部材450との間の最小接触は、約16度の角度404で達成されうる。したがって、一部の実施例によるバルブアセンブリは、シールを破るための角度が45度以上である場合がある従来のボールバルブシステムと比較して、シールを破る(閉位置から開位置への移行)ためにより小さい角度を提供しうる。
【0042】
閉位置から開位置へ(またはその逆)の移行中、ガスケット445と回転可能部材450との間の最小接触点(約16度の角度)を過ぎると、シールリッジ460/テーパ状のエッジ部分470とガスケット445のリップ部分442との間の間隔が増大して、バルブアセンブリのポート間を通して流体またはガスを流すことができる場合がある。回転可能部材450が完全な開位置(ガスケット445の平面に対して約90度)に達すると、全流が達成されうる。回転可能部材450のくり抜かれた実質的に半球形状に起因して、従来のボールバルブのサイズおよび形状と比較して、流れの改善が達成される場合があり、ここで、回転可能部材の形状は、バルブアセンブリの流路を妨害する場合がある。
【0043】
本開示のバルブアセンブリ装置の利点は多数ある。例えば、本明細書に開示されるバルブアセンブリは、ガスケット(そのリップ部分)によるシールリッジの係合、および結果としてもたらされるより小さい初期接触面積を通して、バルブアセンブリ寿命の延長、および開閉動作中に必要とされるトルクの低減を可能にしうる。例示的なバルブアセンブリはまた、回転可能部材の質量を低減させ、くり抜かれた部分球形状を通る流れも改善させうる。
【0044】
本開示は、本出願に記載される特定の実施形態に関して限定されるものではなく、これらは様々な態様の例証として意図される。その精神および範囲から逸脱することなく、多くの修正および変形を行うことができる。本明細書に列挙されるものに加えて、本開示の範囲内の機能的に同等の方法および装置が、前述の記載から可能である。こうした修正および変形は、添付の特許請求の範囲内に収まることが意図される。本開示は、添付の特許請求の範囲の条件に加えて、かかる特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲によってのみ限定される。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記述する目的のみのためのものであり、限定することを意図するものではない。
【0045】
本明細書に記述される主題は、異なる他の構成要素内に含まれる、またはそれらと関連がある、異なる構成要素を例証する場合がある。こうした図示されたアーキテクチャは単なる実施例であり、実際には、同じ機能を達成する多くの他のアーキテクチャが実施されてもよい。概念的意味で、同じ機能性を達成するための構成要素の任意の配設は、事実上「関連性」があり、これにより所望の機能性が達成される。したがって、特定の機能性を達成するために本明細書に組み合わせられた任意の二つの構成要素は、互いに「関連性がある」とみなされる場合があり、これによりアーキテクチャまたは中間構成要素に関係なく、所望の機能性が達成される。同様に、そのように関連付けられる任意の二つの構成要素は、所望の機能性を達成するために、互いに「動作可能に接続される」、または「動作可能に結合される」とみなされる場合もあり、そのように関連付けられることができる任意の二つの構成要素も、所望の機能性を達成するために、互いに「動作可能に結合可能である」とみなされる場合がある。動作可能に結合可能である具体的な例には、物理的に接続可能な構成要素および/もしくは物理的に相互作用する構成要素、ならびに/または無線で相互作用可能な構成要素および/もしくは無線で相互作用する構成要素、ならびにまたは論理的に相互作用する構成要素および/もしくは論理的に相互作用可能な構成要素が含まれるが、これらに限定されない。
【0046】
本明細書における実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に翻訳することができる。様々な単数形/複数形の順列は、明確にするために本明細書に明示的に記載されうる。
【0047】
一般に、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、一般的に、「制約のない」用語として意図される(例えば、「含む」という用語は、「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は、「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきなど)。特定の数の導入される特許請求の範囲が意図される場合、そのような意図は特許請求の範囲に明示的に列挙され、そのような列挙がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解の補助として、以下の添付の特許請求の範囲は、特許請求の範囲の列挙を導入するための、導入句「少なくとも一つ」および「一つ以上」の使用を含みうる。しかし、こうした語句の使用は、前記不定冠詞「a」または「an」による請求項の列挙の導入が、そのような導入された請求項の列挙を含む任意の特定の請求項を、そのような列挙を一つのみ含む実施形態に限定することを暗示するものとして解釈されるべきではなく、同じ請求項が、「一つ以上」または「少なくとも一つ」という導入句、および「a」または「an」などの不定冠詞(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも一つ」または「一つ以上」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合でさえもそのように解釈されるべきではなく、請求項の列挙を導入するために使用される定冠詞の使用についても同様である。さらに、導入される請求項の列挙の特定の数が明示的に列挙されている場合でさえも、当業者は、このような列挙は、少なくとも列挙された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語のない単なる「二つの列挙」という列挙は、少なくとも二つの列挙、または二つ以上の列挙を意味する)。
【0048】
さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも一つ」に類似した規則が使用されている例では、一般に、こうした構文は、当業者であれば、その規則を理解することが意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも一つを有するシステム」であれば、A単独、B単独、C単独、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、ならびに/またはA、B、およびCを一緒に有するシステムを含むことになるが、これらに限定されない)。明細書、特許請求の範囲、または図面のいずれにおいても、二つ以上の代替的用語を提示する実質的に任意の離散的な用語および/または語句は、当該用語のうちの一つ、当該用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図するために理解されるべきであることが、当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、「AまたはB」という語句は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解されることになる。
【0049】
書面による説明を提供することに関してなど、ありとあらゆる目的のために、本明細書に開示されるすべての範囲はまた、ありとあらゆる可能な部分範囲およびそれらの部分範囲の組み合わせも包含する。列挙された任意の範囲は、その同じ範囲が少なくとも等しい二分の一、三分の一、四分の一、五分の一、十分の一などに分割されることを十分に説明し、可能にするものとして容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で考察した各範囲は、下の三分の一、中央の三分の一、および上の三分の一などに容易に分解することができる。また、当業者であれば理解するように、例えば、「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」などのすべての文言は、列挙された数を含み、上記で考察したように、その後サブ範囲へと分割することができる範囲を指す。最後に、範囲は、各個々の要素を含む。したがって、例えば、1~3個のセルを有する群は、1個、2個、または3個のセルを有する群を指す。同様に、1~5個のセルを有する群は、1個、2個、3個、4個、または5個のセルを有する群を指す、などとなる。
【0050】
様々な態様および実施形態が本明細書に開示されてきたが、他の態様および実施形態が可能である。本明細書に開示される様々な態様および実施形態は、例示を目的としており、限定することを意図するものではなく、真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] バルブアセンブリであって、
内壁、前記内壁の第一の部分、および前記内壁の第二の部分を有するバルブ本体であって、
前記内壁の前記第一の部分が、前記バルブ本体の第一のポートを画定し、
前記内壁の第二の部分が、前記バルブ本体の第二のポートを画定し、
前記内壁、前記第一のポート、および前記第二のポートが、前記内壁に沿って前記バルブ本体の前記第一のポートと前記第二のポートとの間に延在する制御可能な流路を画定する、バルブ本体と、
前記バルブ本体の前記第一のポートの周りに配置された第一の成形ガスケットと、
前記バルブ本体の前記制御可能な流路内に配置された回転可能部材であって、外表面部分の周辺付近に形成されたシールリッジを有する外表面部分を含む、回転可能部材と、 前記回転可能部材に結合されたシャフト部材であって、前記シールリッジが前記第一の成形ガスケットと選択的に係合するように、前記回転可能部材の位置を動かすように構成される、シャフト部材と、を備える、バルブアセンブリ。
[2] 前記バルブ本体の前記第二のポートの周りに配置された第二の成形ガスケットであって、前記シャフト部材が、前記シールリッジが前記第一の成形ガスケットまたは前記第二の成形ガスケットのいずれかと選択的に係合するように、前記回転可能部材の位置を動かすようにさらに構成される、第二の成形ガスケットと、をさらに備える、[1]に記載のバルブアセンブリ。
[3] 前記第一の成形ガスケットおよび前記第二の成形ガスケットが、実質的に環状であり、かつ閉位置において前記回転可能部材を取り囲むように構成される、[2]に記載のバルブアセンブリ。
[4] 前記第一の成形ガスケットおよび前記第二の成形ガスケットの各々が、少なくとも前記シールリッジと係合するように構成されたばね付勢式リップ部分を含む、[2]に記載のバルブアセンブリ。
[5] 前記回転可能部材が、内側表面部分と、前記外表面部分と前記内側表面部分との間の改変されたエッジ部分とをさらに含む、[1]に記載のバルブアセンブリ。
[6] 前記回転可能部材の前記外表面部分が実質的に平坦である、[1]に記載のバルブアセンブリ。
[7] 前記シールリッジが、4mm~9mmの範囲の高さを有し、かつ
前記シールリッジが、4mm~9mmの範囲の幅を有する、[1]に記載のバルブアセンブリ。
[8] 前記第一の成形ガスケットが、金属、プラスチック、ポリマー、ゴム引き材料、または複合材料を含むリストからの材料で構成され、
前記回転可能部材が、金属、プラスチック、ポリマー、または複合材料を含むリストからの材料で構成され、かつ
前記シールリッジが、金属、プラスチック、ポリマー、ゴム引き材料、または複合材料を含むリストからの材料で構成される、[1]に記載のバルブアセンブリ。
[9] 前記回転可能部材が、ずれた様態で前記シャフト部材に結合されて、前記回転可能部材の開位置にある前記第一のポートと前記第二のポートとの間の流体またはガスの流れを促進する、[1]に記載のバルブアセンブリ。
[10] 前記シールリッジが、前記回転可能部材が動作可能に閉じる時に、約16度の入射角で前記第一の成形ガスケットと係合するように構成される、[1]に記載のバルブアセンブリ。
[11] バルブアセンブリであって、シャフト部材、および第一の成形ガスケットを有する前記バルブアセンブリの第一のポートと前記バルブアセンブリの第二のポートとの間の流路を有する、バルブアセンブリ内のボールバルブのための回転可能部材であって、 シャフト連結器部分、実質的に平坦な表面部分、内表面部分、およびその間の改変されたエッジ部分を含む本体と、
前記実質的に平坦な表面部分の周辺付近に形成されるシールリッジであって、
前記本体が、前記バルブアセンブリの前記第一のポートと前記第二のポートとの間の前記流路内に配置されるように構成され、かつ
前記本体の前記シャフト連結器部分が、前記回転可能部材の位置を動かすために効果的である、前記バルブアセンブリの前記シャフト部材に結合されるように構成される、シールリッジであって、これにより前記バルブアセンブリの前記第一のポートにおいて前記第一の成形ガスケットと選択的に係合する、シールリッジと、を備える、回転可能部材。 [12] 前記本体が、前記回転可能部材の開位置において、前記バルブアセンブリの前記第一のポートと前記第二のポートとの間の流体またはガスの流れを促進するために効果的に、前記バルブアセンブリの前記シャフト部材にずれた様態で結合されるように構成される、[11]に記載の回転可能部材。
[13] 前記シャフト連結器部分の上部が、前記シャフト部材の第一の部分に結合するように構成され、かつ前記シャフト連結器部分の下部が、前記シャフト部材の第二の部分に結合するように構成される、[11]に記載の回転可能部材。
[14] 前記シールリッジが湾曲した横断形状を有する、[11]に記載の回転可能部材。
[15] 前記シールリッジが、4mm~9mmの範囲の高さを有し、かつ
前記シールリッジが、4mm~9mmの範囲の幅を有する、[14]に記載の回転可能部材。
[16] バルブ装置を製造する方法であって、
内壁、前記内壁の第一の部分、および前記内壁の第二の部分を有するバルブ本体を形成することであって、これにより
前記内壁の前記第一の部分が、前記バルブ本体の入口ポートを画定し、
前記内壁の第二の部分が、前記バルブ本体の出口ポートを画定し、
前記内壁、前記入口ポート、および前記出口ポートが、前記内壁に沿って前記バルブ本体の前記入口ポートと前記出口ポートとの間に延在する制御可能な流路を画定する、バルブ本体を形成することと、
前記バルブ本体の前記入口ポートの周りに入口ガスケットを配置することと、
前記バルブ本体の前記出口ポートの周りに出口ガスケットを配置することと、
実質的に平坦な表面部分、内表面部分、およびその間にある改変されたエッジ部分を含むように、回転可能部材を形成することと、
回転可能本体の前記実質的に平坦な表面部分の周辺付近にシールリッジを形成することと、
前記回転可能部材を前記バルブ本体の前記制御可能な流路内に配置することと、
第一の部分および第二の部分を含むようにシャフト部材を形成することであって、前記シールリッジが前記入口ガスケットまたは前記出口ガスケットのいずれかと選択的に係合するように、前記シャフト部材が前記回転可能部材の位置を動かすために効果的である、形成することと、
前記シャフト部材の前記第一の部分を前記回転可能本体の上部に結合し、かつ前記シャフト部材の前記第二の部分を前記回転可能本体の下部に、ずれた様態で結合することによって、前記シャフト部材を前記回転可能部材に結合することと、を含む方法。
[17] 前記入口ガスケットおよび前記出口ガスケットを実質的に環状に、かつ前記入口ガスケットおよび前記出口ガスケットが、前記回転可能部材の閉位置において少なくとも前記回転可能本体の前記改変されたエッジ部分を取り囲むために効果的であるように、形成することをさらに含む、[16]に記載の方法。
[18] 前記入口ガスケットおよび前記出口ガスケットを形成することが、
前記回転可能部材の閉鎖中に少なくとも前記シールリッジと係合するために効果的に、前記入口ガスケットおよび前記出口ガスケットの各々の周りにリップ部分を形成することを含む、[17]に記載の方法。
[19] 前記リップ部分を形成することが、
前記リップ部分がばね付勢式となるように形成することを含む、[18]に記載の方法。
[20] 前記回転可能本体を形成することが、
金属、プラスチック、ポリマー、または複合材料を含むリストからの材料で前記回転可能本体を形成することを含む、[16]に記載の方法。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4