(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】製材設備及び製材用材料を製材する方法
(51)【国際特許分類】
B27B 29/08 20060101AFI20240115BHJP
B23D 53/06 20060101ALI20240115BHJP
B23D 55/04 20060101ALI20240115BHJP
B27B 33/06 20060101ALI20240115BHJP
B27B 31/08 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
B27B29/08 K
B23D53/06
B23D55/04 E
B27B33/06
B27B31/08 B
(21)【出願番号】P 2022547826
(86)(22)【出願日】2021-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2021050886
(87)【国際公開番号】W WO2021156042
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】102020103192.0
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】202020104273.4
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512229481
【氏名又は名称】ゲブリューダー リンク マシーネンファブリーク “ガッターリンク” ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コッホ, マティアス
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03457978(US,A)
【文献】実用新案登録第2562737(JP,Y2)
【文献】欧州特許出願公開第963822(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27B 29/08
B23D 53/06
B23D 55/04
B27B 33/06
B27B 31/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製材設備であって、
長手方向(14)を規定するレールガイド(12)と、
レールガイド(12)に配置された鋸(10)と、
第1の製材用丸太の供給装置(16)と、
第2の製材用丸太の供給装置(18)と、
第1の製材用丸太の支持装置(22)と第1の台車の駆動部(24)を備えた第1の台車(20)と、
第2の製材用丸太の支持装置(34)と第2の台車の駆動部(36)を備えた第2の台車(32)とを備え、
第1の製材用丸太の供給装置(16)は、第1の製材用丸太(28)を第1の製材用丸太の支持装置(22)上に運搬するように構成され、
第2の製材用丸太の供給装置(18)は、第2の製材用丸太(38)を第2の製材用丸太の支持装置(32)上に運搬するように構成され、
第1の台車の駆動部(24)は、第1の製材用丸太(28)を長手方向(14)に沿って製材するために、レールガイド(12)上の第1の製材用丸太(28)とともに第1の台車(20)を長手方向(14)に沿って鋸(10)を越えて移動するように構成され、
第2の台車の駆動部(38)は、第2の製材用丸太(38)を長手方向(14)に沿って製材するために、レールガイド(12)上の第2の製材用丸太(38)とともに第2の台車(32)を長手方向(14)に沿って鋸(10)を越えて移動するように構成さ
れ、
製材設備は長手方向(14)に沿って見て第1の供給領域(50)、第1の供給領域(50)に隣接する作業領域(52)、及び作業領域(52)に隣接する第2の供給領域(54)を規定し、第1の製材用丸太の供給装置(16)は、第1の供給領域(50)に配置され、鋸(10)は作業領域(52)の実質的に中央に配置され、第2の製材用丸太の供給装置(18)は、第2の供給領域(54)に配置される、製材設備。
【請求項2】
前記第1の製材用丸太の供給装置(16)は、長手方向(14)を横切るように規定された横断方向(40)に第1の製材用丸太(28)を第1の支持装置(22)上に運搬するように構成される、請求項1に記載の製材設備。
【請求項3】
前記第1の供給領域及び/又は第2の供給領域(50、54)は作業領域(52)に隣接しているが、作業領域に重なら
ない、請求項1又は2に記載の製材設備。
【請求項4】
前記第1の供給領域(50)は、長手方向(14)に沿って鋸(10)の上流に位置し、前記第2の供給領域(54)は、長手方向(14)に沿って鋸(10)の下流に位置する、請求項
1乃至3の何れかに記載の製材設備。
【請求項5】
製材設備(100)は、第1の製材品の排出装置(44)と第2の製材品の排出装置(46)とをさらに有し、
第1の製材品の排出装置及び前記第2の製材品の排出装置(44、46)は、前記第1の製材用丸太又は前記第2の製材用丸太(28、38)を長手方向(14)に沿って製材することにより形成された各製材品(48)を排出するように構成される、請求項1乃至
4の何れかに記載の製材設備。
【請求項6】
前記第1の製材品の排出装置(44)は、製材品(48)を長手方向(14)に対し横断する方向に排出するように構成される、請求項
5に記載の製材設備。
【請求項7】
前記第1の製材品の排出装置(44)は、長手方向(14)に沿って鋸(10)の上流に配置され、第2の製材品の排出装置(46)は、鋸(10)の下流に配置される、請求項
5又は6に記載の製材設備。
【請求項8】
前記鋸(10)は製材中に、製材方向(79)を規定する帯鋸刃(68)を備え、該製材方向(79)は長手方向(14)を横断するように向けられている、請求項1乃至
7の何れかに記載の製材設備。
【請求項9】
前記帯鋸刃(68)は長手方向(14)に見たときに、両側に鋸歯を有する、請求項
8に記載の製材設備。
【請求項10】
第1の地下廃棄シュート(58)が長手方向(14)に見て鋸(10)の上流に配置されている、請求項1乃至
9の何れかに記載の製材設備。
【請求項11】
前記第1の地下廃棄シュート(58)は、第1の製材用丸太及び/又は第2の製材用丸太(28、38)の製材中に生成されるスラブを受け入れるように構成されている、請求項
10に記載の製材設備。
【請求項12】
コンベヤ(64)がさらに鋸(10)上に配置され、該コンベヤ(64)は長手方向(14)軸に平行な回転軸(66)の周りに傾斜するように構成されている、請求項1乃至
11の何れかに記載の製材設備。
【請求項13】
第1の台車及び第2の台車(20、32)は、結合されたときにレールガイド(12)上を同時に移動するように互いに結合されるように構成されている、請求項1乃至
12の何れかに記載の製材設備。
【請求項14】
鋸(10)と、第1の製材用丸太の支持装置(22)を備える第1の台車(20)と、第2の製材用丸太の支持装置(34)を備える第2の台車(32)とを備える製材設備
であり、
該製材設備は長手方向(14)に沿って見て第1の供給領域(50)、第1の供給領域(50)に隣接する作業領域(52)、及び作業領域(52)に隣接する第2の供給領域(54)を規定し、第1の製材用丸太の供給装置(16)は、第1の供給領域(50)に配置され、鋸(10)は作業領域(52)の実質的に中央に配置され、第2の製材用丸太の供給装置(18)は、第2の供給領域(54)に配置される、製材設備を用いる製材方法であって、
第1の製材用丸太(28)を第1の製材用丸太の支持装置(22)に運搬する工程と、
第1の台車(20)を長手方向(14)に沿って移動させて、第1の製材用丸太(28)を鋸(10)を越えて移動させ、第1の製材用丸太(28)を長手方向(14)に沿って製材する工程と、
第1の製材用丸太(28)を製材しつつ、第2の製材用丸太(38)を第2の製材用丸太の支持装置(34)に運搬する工程と、
第1の製材用丸太(28)の製材が中断され及び/又は完了した時に、第2の台車(32)を長手方向(14)に沿って移動させて、第2の製材用丸太(38)を鋸(10)を越えて移動させ、第2の製材用丸太(38)を長手方向(14)に沿って製材する工程とを備える、
製材方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製材設備及び鋸によって製材用丸太を製材する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロック帯鋸を有する製材設備と呼ばれる製材設備は従来技術から公知であり、例えば一般的に1つまたは2つの帯鋸列を有し、互いの帯鋸列の位置決めは所定の方法で固定されるか(例えば、隣同士に位置する)、可変である(少なくとも1つの方向に沿って互いに移動可能である)。更に、公知の製材設備は長手方向を規定するレールガイド上の駆動部によって前後に(又は内外に)動かされる台車を有する。
【0003】
一例として、丸太を板材又は板に切断するシステムはヨーロッパ特許公開公報0963822号に開示され、該システムは丸太を輸送する前後に移動可能な台車と帯鋸を有する。更に、2つの帯鋸を備えた帯鋸を有する製材設備は中国特許公開公報103978267号から公知である。
【0004】
台車は、丸太(例えば、木の幹)の支持体として機能し、この丸太は、幾つかのクランプフックによって、製材前に台車上の予め定められた位置に固定され、且つ台車は、帯鋸の鋸刃に対して特定の位置決めをした状態で、前進または後退の移動中に帯鋸列を通って製材用丸太を輸送する。鋸刃の構成により、製材品(例えば板)は、鋸刃の前方または後方の移動の間のみ、あるいは両方の移動の間(鋸刃が両側に歯がある場合)、製材用丸太から切り離される。結果として得られる製材品の厚さ(例えば板厚)は、製材前の製材用丸太と鋸刃との間の距離によって決まり、この距離は、例えば、台車の支持体が横断方向(長手方向と直交する方向)に移動されることによって設定される。
【0005】
帯鋸の場合、帯鋸の鋸刃は通常は帯鋸列上に取り付けられた2つの帯鋸ローラ間にクランプされ、調節可能な製材速度で帯鋸ローラの周りを走行する。帯鋸の鋸刃の製材方向は、通常は長手方向に直交している。
【0006】
実際の製材工程は、さらなる処理工程の前及び/又は後になされる。例えば、製材用丸太は、最初に(例えば光学的な)測定システムによって測定される。更に、所謂スラブ(さらなる加工に適さない切断される丸太の最初の部分)は、このスラブを鋸で切断する代わりに、チッピングユニットによってチップ化される。更に、製材用丸太は、例えば、分離・切断用丸鋸によって、その横断方向に分離または切断される。これらの前処理は、基本的に製材用丸太を真っすぐにするのに役立つ。
【0007】
従って、先行技術から知られている製材設備の正確な処理順序は、以下のように要約される。
【0008】
第1の工程にて、製材用丸太は横断方向の移動によって運搬位置にて台車の支持体に運搬されて、この支持体上で手動(例えば作業者による遠隔操作)または自動(例えばカメラシステム)で所定の位置に回転される。製材用丸太が所定の位置に到達すると、この位置はクランプ機構(例えばクランプフックを介して)により支持体上に固定される。
【0009】
続く工程にて、帯鋸列に対して支持体を横断方向に移動させることにより、製材用丸太は移動され、切断される丸太と鋸刃の間に所定の突出距離を作り、この突出距離によって製材品の所望の厚さを規定することができる。或いは又はこれに加えて、帯鋸列は横断方向に移動される。
【0010】
製材用丸太の所定の配列、固定及び相対移動の後に、製材用丸太は台車によって長手方向に沿って鋸刃を越えて移動し、製材用丸太から(第1の)製材品が切り取られる。製材品が鋸刃を離れるとすぐに、製材品は、次の製材工程で所望の厚さを有する次の製材品を製造するために、鋸刃に対して横断方向に所定の量だけ再び移動される。
【0011】
場合によっては、加工中または既に行われた加工後に、所望の切断パターンのためにクランプでブロックされた台車上で製材用丸太を再配置または回転させる必要があり、これは通常、いわゆる丸太ターナーまたは材料ターナーによって可能になる。この丸太ターナーにより、台車上に横たわる製材品を製材品の長手方向軸を中心に回転させ、所望の位置に配置することが可能である。
【0012】
一旦、丸太の加工が終了すると、台車はその積込み位置に戻り、上記の工程が再び開始する。
【0013】
台車への積込みと、台車の支持体上での製材用丸太の回転または位置決めの両方に、材料が加工できない時間が必要である。従って、この積込みの時間や位置決めの時間中に、製材設備の生産と性能の損失が発生し、経済的に不利な結果を有する。その時間損失は、丸太1件あたり10秒以上に及ぶこともある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記の問題に鑑みて、従って、製材設備の生産性を向上させることができるように、製材設備を改良することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的は、長手方向を規定するレールガイドと、レールガイドに配置された鋸と、第1の製材用丸太の供給装置と、第2の製材用丸太の供給装置と、第1の台車と、第2の台車を備えた製材設備によって達成され、第1の台車は第1の製材用丸太の支持装置と第1の台車の駆動部を備え、第2の台車は第2の製材用丸太の支持装置と第2の台車の駆動部を備えている。第1の製材用丸太の供給装置は、第1の製材用丸太を第1の製材用丸太の支持装置上に供給するように構成されている。第2の製材用丸太の供給装置は、第2の製材用丸太を第2の製材用丸太の支持装置上に供給するように構成されている。第1の台車の駆動部は、第1の製材用丸太を長手方向に沿って製材するために、レールガイド上の第1の製材用丸太とともに第1の台車を長手方向に沿って鋸を越えて移動するように構成されている。第2の台車の駆動部は、第2の製材用丸太を長手方向に沿って製材するために、レールガイド上の第2の製材用丸太とともに第2の台車を長手方向に沿って鋸を越えて移動するように構成されている。
【0016】
更に及び本発明に従って、目的は鋸と、第1の製材用丸太の支持装置を備える第1の台車と、第2の製材用丸太の支持装置を備える第2の台車とを備える製材設備を用いる製材方法によって達成される。方法は、第1の製材用丸太を第1の製材用丸太の支持装置に運搬する工程と、第1の台車を長手方向に沿って移動させて、第1の製材用丸太を鋸を越えて移動させ、第1の製材用丸太を長手方向に沿って製材する工程と、第1の製材用丸太を製材しつつ、第2の製材用丸太を第2の製材用丸太の支持装置に転送する工程と、第1の製材用丸太の製材が中断され及び/又は完了した時に、第2の台車を長手方向に沿って移動させて、第2の製材用丸太を鋸を越えて移動させ、第2の製材用丸太を長手方向に沿って製材する工程とを備える。
【0017】
従来技術と比較した新規性のある製材設備及び方法の主たる相違点の1つは、各々が別個に駆動される2つの台車が製材用丸太の加工のためにレールガイド上に配置されていることである。このようにして、一般的な設定とは相違して、製材設備は2つの台車と協働する1つの鋸を有する。
【0018】
この実施の重要な利点は、例えば台車に製材用丸太が供給され又は搭載されたときに、及び/又は台車の製材用丸太の支持装置上の製材用丸太の配置故に生じる上記の時間的損失が軽減され又は最小化されることである。これにより、製材設備の生産性のある製材時間を増加させ、これによるその結果の製材品の出力を増加させることができる。これは製材設備の経済的に最適化された動作に繋がる。
【0019】
今般の文脈にて、「鋸」の語は、特にモータ駆動される帯鋸、モータ駆動される円形鋸を意味すると理解されるが、他のタイプの鋸もまた考えられる。
【0020】
好ましい例示的な実施形態にて、第1の台車及び第2の台車は互いに別個にレールガイド上を前後に移動する。これは、例えば第1の台車がレールガイド上を前後に移動している間に、第2の台車が静止していて(同時に)、製材用丸太が積載される。
【0021】
2つの台車を使うことにより、例えば非生産的な積載及び/又は操作作業が第1の台車で実行されるが、一方、(同時に)第2の台車に既に位置決めされている(つまり、回転して配列されている)第2の丸太は、鋸を通過することによって製材される。
【0022】
第2の製材用丸太の操作(例えば、再調整)が第2の台車で実行されるか、または第2の製材用丸太の加工が完了するとすぐに、すなわち、第2の台車に再び積載しなければならず、第2の台車は積載及び操作領域に戻る。同時に、十分に積載された第1の台車は、鋸の方向に進み、第1の丸太の製材を開始する。一方の製材作業の終了から他方の製材作業の開始までの間に、最小限のデッドタイム(その間、材料の製材が行われない)しか発生しないことが有利である。
【0023】
製材工程の完了または中断後に第1の台車に再積載しなければならないと直ぐに、または第1の製材用丸太の再調整または操作を実行しなければならないと直ぐに、第1の台車は積載及び操作位置に移動し、第2の台車は鋸に移動して、新たに供給され又は再配列された第2の製材用丸太を製材する。
【0024】
したがって、第1及び第2の台車は、加工されるべき第1の材料または第2の材料の何れかを交互に低い「デッドタイム」で製材されることを可能にする。
【0025】
「レールガイド」の語は、レールガイドによって誘導された台車のスライドまたは移動を確実にすることができる任意のタイプのガイドレールを意味すると理解される。有利なことに、レールガイドは公知のレールウエイ軌道の形態であり得る。
【0026】
「長手方向」の語は、レールガイドがその長さに沿って横たわる方向を意味すると理解される。レールガイドは、好ましくは、鋸の上流に規定された開始位置から、長手方向に沿って鋸の下流に規定された終了位置まで、直線に延びる。
【0027】
第1の台車及び第2の台車は、夫々自身の台車駆動部を有する。夫々の台車駆動部により、2つの台車を長手方向に沿って前後または上流と下流に移動させることができる。
【0028】
「鋸はレールガイド上に配置された」の語句は、鋸がレールガイドに隣接して配置され、即ち、好ましくはレールガイドのトラック幅の方向に配置されていることを表す。
【0029】
「通過」の語句は、製材用丸太が鋸刃を所定の突出量を通過し(長手方向に横断してと規定される)、製材品の切断/製材が生じる。切断される製材品の厚さは、鋸刃の厚さによって規定される切り口の幅を考慮に入れて、突出量から生じる。
【0030】
1つの改良例にて、第1の製材用丸太の供給装置は、長手方向を横切るように規定された横断方向に第1の製材用丸太を第1の支持装置上に運搬するように構成される。更に、第2の製材用丸太の供給装置は、長手方向を横切るように規定された横断方向に第2の製材用丸太を第2の支持装置上に運搬するように構成される。
【0031】
この改良例は、長手方向における製材設備の全長が最小化される点で有利である。更に、製材用丸太を長手方向を横切るように供給することにより、夫々他の台車で進行中の製材工程に介入/中断するリスクが軽減される。
【0032】
「横断方向」の語は、必ずしも垂直または直交を意味するとは理解されないが、0°に等しくない角度での任意の供給を意味する。しかし、好ましくは、供給は長手方向に対して実質的に垂直又はは直交(つまり、90°±10%の角度)である。
【0033】
他の改良例において、製材設備は長手方向に沿って見て第1の供給領域、第1の供給領域に隣接する作業領域、及び作業領域に隣接する第2の供給領域を規定する。第1の製材用丸太の供給装置は、第1の供給領域に配置され、鋸は作業領域の実質的に中央に配置され、第2の製材用丸太の供給装置は、第2の供給領域に配置される。
【0034】
換言すれば、レールガイドの開始(上流)は、第1の台車の第1の供給領域(または第1の積載及び操作領域)である。長手方向に見て、レールガイドの中央領域は作業領域であり、長手方向に見て、鋸の両側に延びる。鋸は作業領域の実質的に中央(±10%)に配置されるのが好ましい。
【0035】
作業領域にて、鋸による丸太の加工が行われる。更に、作業領域にて製材品が生産され、排出される。レールガイドの下流側端部にて、第2の台車の第2の供給領域(または第2の積載及び操作領域)が配置される。2つの供給領域の夫々において、夫々の台車に製材用丸太の積載、及び好ましくは、夫々の製材用丸太の支持装置上の製材用丸太の位置合わせが行われる。
【0036】
製材設備を第1の供給領域、作業領域、及び第2の供給領域に編成することにより、製材設備のトラブルのない動作を確実にすることができる、何故なら丸太の積載と操作は供給領域でのみ行われ、作業領域では行われないからである。これにより、高効率の製材工程が可能となる。
【0037】
更なる改良例において、第1の供給領域及び/又は第2の供給領域は作業領域に隣接しているが、作業領域に重ならないのが好ましい。
【0038】
この改良例は、供給領域で行われる装填及び操作動作が、作業領域での加工工程(製材用丸太の製材)に悪影響を及ぼさないことを明確にするのに役立つ。従って、積載と操作に必要な時間は、製材工程に悪影響を及ぼさない。第1の供給領域及び/又は第2の供給領域は、作業領域と重ならないか、または部分的にのみ重なるのが好ましい。
【0039】
更なる改良例において、第1の供給領域は、長手方向に沿って鋸の上流に位置し、第2の供給領域は、長手方向に沿って鋸の下流に位置する。
【0040】
この改良例は、製材設備内の夫々の領域の位置を明確にする。長手方向に見たときに、作業領域は鋸の上流と下流の両方に延び、然るに第1の供給領域は、作業領域と重ならずにさらに上流側に位置し、第2の供給領域は、作業領域と重ならずにさらに下流側に位置している。
【0041】
更なる改良例において、製材設備は、第1の製材品の排出装置と第2の製材品の排出装置とをさらに有する。第1の製材品の排出装置及び前記第2の製材品の排出装置は、前記第1の製材用丸太又は前記第2の製材用丸太を長手方向に沿って製材することにより形成された製材品を排出するように構成される。
【0042】
この改良例は、製材設備の通常の構成と比較してさらなる違いを提供する。従来の製材設備において、製材品は台車の前方及び後方の両方の移動にて生産され、製材品は帯鋸の上流と下流の両方に蓄積し、次のように当該技術の現在の状態では排出される。
【0043】
帯鋸から下流に蓄積する製材品は、コンベヤ(例えば、ローラコンベヤ又はコンベヤベルト)上に長手方向に排出される。上流の製材品は、鋸刃と帯鋸の列構造体(帯鋸列)との間に配置されたさらなるコンベヤによって帯鋸列を通って長手方向下流に位置するコンベヤシステム上に運ばれ、コンベヤシステムから長手方向に排出される。
【0044】
従って、上流で生じる製材品が帯鋸列を通過した後、製材品は、下流で生じる鋸製品に使用されるのと同じコンベヤシステムによって排出される。特に高速切断の順番の場合、下流の輸送システムは、上流(帯鋸列の前)に蓄積された製材品によってまだ占有されている可能性がある、何故ならこの製材品は、より長い距離を移動する必要があるからである(帯鋸列を通って)。これを避けるべく、従来技術では、鋸の上流及び下流の搬送システムは、非常に速い供給速度で操作されている(製材品の高速排出)。これにより、製材設備からさらなる処理への製材品の排出を確実に制御することが困難になる。
【0045】
特に、この改良例では、上流に蓄積された製材品を帯鋸列を通して輸送する必要がないことが有利である。なぜなら、この製材品は、第1の製材品の排出装置によって排出できるからである。従って、従来技術とは対照的に、下流側の排出装置はここではもはや使用されず、これにより、第1と第2の製材用丸太の排出装置の両方をより低い供給速度で構成でき、前述の制御に正の効果がある。
【0046】
更なる改良例において、第1の製材品の排出装置は、製材品を長手方向に対し横断する方向に排出するように構成される。さらに、第2の製材品の排出装置は、製材品を長手方向に対し横断する方向に排出するように構成されることが好ましい。
【0047】
この改良例により、問題のある排出状況を回避することが有利に可能になる。製材品は、上流と下流の両方で、何れの場合も長手方向に対し横断する方向に排出される。これは、上流と下流での製材品の除去が互いに干渉しないことを意味する。
【0048】
更なる改良例において、第1の製材品の排出装置は、長手方向に沿って鋸の上流に配置され、第2の製材品の排出装置は、鋸の下流に配置される。
【0049】
第1の製材品の排出装置及び第2の製材品の排出装置の両方が、製材設備の作業領域に配置され、従って、夫々第1の製材用丸太の供給装置及び第2の製材用丸太の供給装置の領域との相互作用を回避することが好ましい。
【0050】
更なる改良例において、鋸は製材中に、製材方向を規定する帯鋸刃を備え、該製材方向は長手方向を横断するように向けられている。
【0051】
製材方向は、2つの好ましくは既存の帯鋸ロールの周りの帯鋸刃の回転方向を指し、帯鋸ロールの間に帯鋸刃がクランプされ、帯鋸ロールの周りに帯鋸刃が製材中に移動する。製材方向は、帯鋸ロールの2つの中心間の仮想接続線に平行であるのが好ましい。
【0052】
他の改良例において、帯鋸刃は長手方向に見たときに、両側に鋸歯を有する。
【0053】
両側のこの鋸歯は、第1の台車又は第2の台車が上流から下流へ、及び下流から上流へ移動するときの両方で製材用丸太の製材が行われることを効率的に保証する。
【0054】
更なる改良例において、第1の地下廃棄シュートが長手方向に見て鋸の上流に配置されている。更に、第2の地下廃棄シュートが鋸の下流に配置されている。
【0055】
特に、地下廃棄シュートが両側に配置されている場合、本発明による製材設備による製材工程にとって有利である。
【0056】
従来の製材設備において、第1の加工工程は台車を下流に移動して、製材用丸太に第1の使用可能な表面を作成する。これは通常、それ以上の加工に使用できないカットオフピース、いわゆるスラブになる。このスラブは、以降の工程から排出する必要がある。通常は、スラブは鋸の下流に蓄積し、スラブは、コンベヤシステム(すなわち、鋸の下流のローラーテーブルまたはコンベヤベルト)の横方向の変位によって、底部の開口部、いわゆる地下排出部に残材処理の方向に排出される。分離されたスラブは、通常、丸太から分離された後、直接この地下廃棄シュートに落下し、さらなる加工工程から直接排出されることができる。
【0057】
2つの地下廃棄シュート(有利には鋸の上流と下流)により、新規性のある製材設備において、第2の台車が鋸を上流方向に通過している間に、第2の製材用丸太の第1の加工工程で生じた上流側のスラブを簡易な方法で排出することが可能である。このように、スラブの分離は上流側の移動中に既に行われているため、第2の台車の非生産的な空走(加工なし)を回避することができる。従来技術と対照的に、このようにして分離されたスラブは、第1の地下廃棄シュートから排出される。
【0058】
更なる改良例において、第1の地下廃棄シュートは、第1の製材用丸太及び/又は第2の製材用丸太の製材中に生成されるスラブを受け入れるように構成されている。更なる有利な改良例において、第2の地下廃棄シュートは、第1の製材用丸太及び/又は第2の製材用丸太の製材中に生成されるスラブを受け入れるように構成されている。
【0059】
更なる改良例において、コンベヤがさらに鋸上に配置され、長手方向軸に平行な回転軸の周りに傾斜するように構成されている。
【0060】
コンベヤは鋸刃と帯鋸列の間の領域に配置されるのが好ましい。さらに、第1の製材品の排出装置は、コンベヤに直接接続してコンベヤの上流に配置されることが好ましい。更に、第2の製材品の排出装置は、コンベヤに直接接続してコンベヤの下流に配置されることが好ましい。この配置により、鋸の上流と下流の両方で蓄積する製材品のスムーズな除去を確実にすることが可能になる。
【0061】
第2の製材用丸太の第1の加工中に上流に蓄積するスラブを可能な限りスムーズに排出するために、従来技術とは異なり、コンベヤは回転軸を中心に傾けることができ(特に、上向きに折りたたむことができる)、スラブが上流に排出されるとき、第1の製材品の排出装置(この目的のために装備されたコンベヤ)の一部のみが長手方向を横断する方向に移動して、第1の地下廃棄シュートを開く。
【0062】
更なる改良例において、第1の台車及び第2の台車は、結合されたときにレールガイド上を同時に移動するために互いに結合されるように構成されている。
【0063】
結合は、純粋に機械的に(例えば、キャッチフックを介して)及び/又は(電気)磁気的に及び/又は仮想的に(第1及び第2の台車の駆動部の制御された結合によって)実施される。第1の台車及び第2の台車が結合された状態において、第1の製材用丸太及び第2の製材用丸太の供給装置は、長すぎる製材用丸太を2つの結合された台車上に移送するように設定されるのが好ましい。
【0064】
第1の台車及び第2の台車の有利な結合により、各々が有利にそれ自身の駆動部を有する2つのより小さな寸法の、より軽い、したがってより動的な台車をそれらの移動度に関して使用することができ、大きな寸法の丸太(たとえば、長い丸太や長い木の幹)を加工することも可能である。第1の台車及び第2の台車の比較的軽い重量により、何れの場合も高い加速度値を達成することは可能であるが、これは、長い丸太を加工するために通常必要とされる、より長く、したがってより重い台車では達成するのが困難である。2つの台車を結合することにより、2つの製材用丸太の支持装置を相互に統合し、それによって、製材用丸太を製材用丸太の支持装置に固定するために使用される望ましく利用可能なクランピングブロックの数を増やすことができる、特に大きな寸法の製材用丸太の処理に使用することができる。このように、長い製材用丸太を下降するときでも、各台車の高い動的性能を確保することができる。
【0065】
本発明に従った更なる改良例において、第1の台車及び第2の台車は、実質的に交互の順序で長手方向に沿って移動され、第1の製材用丸太及び/又は第2の製材用丸太を製材する。
【0066】
この改良例は再び、第1の製材用丸太及び第2の製材用丸太の加工は、交互の順序で行われることが好ましいことを明らかにする、即ち、例えば、第1の台車に第1の製材用丸太が積載されるか、または第1の製材用丸太が製材用丸太の支持装置上に配置される一方、第2の台車を前後に移動させることにより、第2の製材用丸太の加工が行われる。
第2の製材用丸太の加工が完了し、または製材用丸太の支持装置上の第2の製材用丸太の再位置決めにより製材加工を中断しなければならない場合、及び第1の台車の積載と、第1の製材用丸太の支持装置上の第1の製材用丸太の位置決めが完了した場合、第2の製材用丸太の処理が終了した後、第1の製材用丸太の加工を可能な限り直ぐに行うことができる。
【0067】
上記の特徴及び以下に説明する特徴は、本発明の範囲を離れることなく、それぞれ示された組み合わせだけでなく、互いに自由に組み合わせることができることが理解される。さらに、製材設備に関して、言及された改良はまた、別個に言及されることなく、本発明による加工及びその改良例と同等の形態で言及されることが理解される。同じことが、製材設備に関する加工の改良にも適用される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
本発明の例示的な実施形態は図面に示され、以下の記載にてより詳細に説明される、
【
図1】第1の加工位置における製材設備の例示的な実施形態の図である。
【
図2】第2の加工位置における製材設備の例示的な実施形態の図である。
【
図3】第3の加工位置における製材設備の例示的な実施形態の図である。
【
図4】製材用丸太の供給装置の概略的な側面図である。
【
図5】製材用丸太の排出装置の概略的な側面図である。
【
図6】製材設備の第2の例示的な実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1は、本発明に従った製材設備の第1の例示的な実施形態を示す。製材設備は全体的に符号100で示される。本場合では、製材設備100が帯鋸機であり、帯鋸10を含む。更に、帯鋸を有する製材設備100はレールガイド12を有し、該レールガイドによって長手方向が規定される。長手方向14に沿って見た場合、帯鋸10はレールガイド12の横断方向に隣接する中央領域、すなわち、中央領域の外側に配置されている。示されない実施形態では、製材設備100は例えば循環型の製材設備である。
【0070】
帯鋸を有する製材設備100はさらに、帯鋸10の上流(
図1では左側)にレールガイドの横断方向に隣接してレールガイドの外側に配置された第1の製材用丸太の供給装置16を備える。更に、帯鋸を有する製材設備100は、帯鋸10の下流側(
図1では右側)にレールガイド12の横断方向に隣接してレールガイド12の外側に配置された第2の製材用丸太の供給装置18を備える。
【0071】
更に、帯鋸を有する製材設備100は第1の台車20を備える。該第1の台車20は、第1の製材用丸太の支持装置22と、第1の台車の駆動部24とを含む。第1の台車の駆動部24は第1の台車20と一体化され、任意のタイプのモータ駆動部として構成される。他の有利な例示的な実施形態において、第1の台車の駆動部24は、レールガイド12の下方、またはレールガイド12の上流端部もしくは下流端部に配置され、引きケーブルを介して第1の台車を移動させる。第1の台車20は、好ましくは、互いに間隔をあけて、レールガイド12に対して垂直に配列された複数(例えば、2つ)の車輪軸(図示せず)を有し、各車輪軸は台車上の張力ジャッキの数に対応する2対の走行車輪26を有する。一対の走行車輪26によって、第1の台車20は、レールガイド12上を案内される。
【0072】
第1の製材用丸太の支持装置22は、第1の製材用丸太28を受け入れるように構成される。第1の製材用丸太28は、例えば木の幹の形の丸太である。
図1では、第1の製材用丸太28は既に第1の製材用丸太の支持装置22上に横たわり、2つの有用なクランプブロック30の補助により第1の製材用丸太の支持装置22上に固定される。
【0073】
第1の製材用丸太の支持装置22上の第1の製材用丸太28の位置を変えるために、例えば第1の製材用丸太28を長手方向14の周りに回転させ、又は傾けるために、第1の台車20は、例えば丸太ターナーの形態の旋回及び回転機構を備えるのが好ましく、これは、長手方向の周りの両回転方向への迅速な回転を可能にする。
【0074】
帯鋸を有する製材設備100は更に第2の台車32を備え、該第2の台車は第2の製材用丸太の支持装置34と、第2の台車の駆動部36とを含む。第2の製材用丸太の支持装置34は、第2の製材用丸太38を受け入れ、好ましくはクランプブロック30を介して、第2の製材用丸太の支持装置上の所定の位置に第2の製材用丸太38を固定するように構成される。第1の台車20に関して説明された残りの特徴は、冗長な説明なしに、類似の方法で第2の台車32に適用される。
【0075】
図1にて、第2の製材用丸太の供給装置18は、第2の製材用丸太38を第2の製材用丸太の支持装置34に運搬するように構成される。
図1の場合にて、第2の製材用丸太38は、依然として第2の製材用丸太の供給装置18上に配置されている、すなわち、それはまだ第2の製材用丸太の支持装置34に移されていない。
【0076】
第1の製材用丸太の供給装置及び第2の製材用丸太の供給装置16、18の両方は、1又は複数の運搬技術手段(例えば、ローラコンベヤ、コンベヤベルト又は交差鎖コンベヤ)を有するのが好ましく、該運搬技術手段によって夫々の製材用丸太28、38は長手方向14及び長手方向14に直交して延びる横断方向40の両方に輸送され、このようにして夫々の製材用丸太の支持装置22、34に供給される。
図1にて、交差鎖コンベヤ42が例によって示され、交差鎖コンベヤ42によって各製材用丸太28、38が横断方向40に運ばれる。
【0077】
更に、
図1に従った帯鋸を有する製材設備100は、第1の製材品の排出装置44を備え、該排出装置44は帯鋸10から見て帯鋸の上流(
図1では左側)に配置される。更に、帯鋸を有する製材設備100は、第2の製材品の排出装置46を備え、該排出装置46は帯鋸10から見て帯鋸10の下流(
図1では右側)に配置される。
【0078】
第1の製材品の排出装置44と第2の製材品の排出装置46の両方は、横断方向40に沿って製材品を排出するように構成され、製材品は、第1の製材用丸太及び/又は第2の製材用丸太28、38を鋸引きすることによって形成される。しかし、製材品48は、横断方向40に沿って送り方向と反対方向に、すなわちレールガイド12から離れるように排出される。第2の製材品の排出装置による製材品48の例示的な排出を、
図2に示す。生産された製材品48は例えば、第1及び/又は第2の切断材から製材された板である。
【0079】
長手方向に見たときに、帯鋸を有する製材設備100は、3つの区別できる領域に分割される。帯鋸10の上流にて(
図1の左側外側領域)、第1の供給領域50が配置され、その中に第1の製材用丸太の供給装置16が配置される。第1の供給領域50は、第1の製材用丸太の供給装置の寸法が要求する範囲内で、長手方向に沿って下流方向に延在している。
【0080】
第1の供給領域50に隣接しているが、好ましくは重なっていないのが、作業領域52である。作業領域52は、好ましくは、帯鋸10の上流と下流の両方に延び、帯鋸10は、作業領域52の実質的に中央に配置される。帯鋸10の左右(上流と下流)には、同じく作業領域52内に第1の製材品の排出装置及び第2の製材品の排出装置44,46が配置されている。
図1の右側に示すように、第2の供給領域54が作業領域52の下流側端部に隣接し、該第2の供給領域54に第2の製材用丸太の供給装置18が配置される。
【0081】
図2に示す場合にて、帯鋸を有する製材設備100が第2の加工位置にて示され、第1の台車20は、レールガイド12上に第1の製材用丸太28を載せた状態で第1の台車の駆動部24によって帯鋸10を長手方向14に沿って既に通過しており、この通過中に第1の製材用丸太28が長手方向14に沿って既に製材されている。この製材中に、製材品48は、第1の製材用丸太28から分離されているので、第2の製材品の排出装置46を介して横断方向40に排出される。
図2に示す第1の台車20の位置にて、第1の製材用丸太28が再び帯鋸10を通過する際に、第1の製材用丸太28を長手方向に沿って再び製材するために、第1の台車の駆動部24によって台車が再び上流方向に移動されようとしている。
【0082】
図3にて、帯鋸を有する製材設備100が第3の加工位置にて示され、第2の台車32には第2の製材用丸太の供給装置18を介して第2の製材用丸太38が積載され、このようにして製材用丸太38が第2の製材用丸太の支持装置34上に置かれ、2つのクランプブロック30を介してその上に固定されるのが好ましい。
【0083】
第1の製材用丸太及び第2の製材用丸太28、38の第1の加工工程の間、通常、スラブ(経済的に使用することができない一片の木材)を切り落とすのが通例である。第1の製材用丸太または第2の製材用丸太28、38が最初に鋸で挽かれたかどうかに応じて、スラブは帯鋸10の上流または下流のいずれかに蓄積し、これらの夫々の地点でさらなる工程から廃棄される。
【0084】
製材品を排出すべく、第1の製材品の排出装置に属する第1のコンベヤ56は、好ましくは、横断方向40に移動するように構成され、得られたスラブは、廃棄するために地下開口部(
図3の場合はシート面内)に落下することができ、地下開口部はここでは第1の地下廃棄シュート58(
図4参照)と呼ばれている。更に、帯鋸10の下流では、第2の製材品の排出装置46に属する第2のコンベヤ60が、横断方向40にも移動できるように構成されて、下流に生じたスラブを第2のコンベヤ60の下方に配置された開口部である第2の地下廃棄シュート62(
図4参照)に落下させる。
【0085】
スラブを上流側及び下流側の夫々第1の地下廃棄シュート又は第2の地下廃棄シュート58、62に確実に排出するために、コンベヤ64は長手方向14軸と平行な回転軸66を中心に(上方に、即ちシート平面から)傾動可能である。コンベヤ64は、例えば、長手方向に沿って見た場合に、第1の製材品の排出装置及び第2の製材品の排出装置44,46の間、より具体的には第1のコンベヤ手段及び第2のコンベヤ手段56、60の間に配置されたローラコンベヤ又は他のコンベヤである。横断方向から見て、コンベヤ64は、帯鋸刃68(
図5参照)と帯鋸列70との間に配置されている。
図3において、コンベヤ64は、ローラコンベヤである。
【0086】
図4は、第1の製材用丸太の供給装置及び第2の製材用丸太の供給装置16、18の概略図を示す。見られるように、第1の製材用丸太又は第2の製材用丸太28、38は、製材用丸太の供給装置16、18によって、第1の製材用丸太又は第2の製材用丸太の支持装置22、34の上に段階的に搬送される。
図4に示す場合にて、製材用丸太28、38は既に製材用丸太の支持装置22、34の上にある。更に、製材用丸太の供給装置16、18によって、様々な幅寸法を有する製材用丸太をこの製材用丸太の支持装置22、34上に搬送することができることが
図4に概略的に示される。
【0087】
図4にて、製材用丸太28、38の供給が好ましくは測定技術によって監視及び/又は制御されることが更に示されており、
図4において、光学センサシステム72が製材用丸太の支持装置22、34の上方に配置されている。光学センサシステム72は、好ましくは、カメラ72によって捕捉された画像を介して製材用丸太28、38の供給を制御できるように、コントローラ(図示せず)と通信するカメラの形態とすることができる。更に、
図4は第1の地下廃棄シュート及び第2の地下廃棄シュート58、62を夫々概略的に示している。
【0088】
図5は、第1の製材品の排出装置及び第2の製材品の排出装置44,46を夫々概略的に示している。帯鋸を有する製材設備100の外乱や故障をできるだけ早く検出するために、製材工程と製材用丸太の供給と排出の両方が、運転台76に座っている作業者74によって(音声的)視覚的に監視されることが好ましい。
図5にて、帯鋸10または帯鋸刃68と第1の製材用丸太の支持装置及び第2の製材用丸太の支持装置22,34の両方が、それぞれ垂直方向78に対して角度α=17°だけ傾いていることが好ましいことが分かる、何故ならこの角度は従来技術において特に有利であることが証明されているからである。帯鋸刃68はさらに、間隔を置いた2つの帯鋸ローラ(図示せず)の間に挟まれ、帯鋸ローラを中心に回転し、それによって製材方向79が規定される。
【0089】
図6は、帯鋸を有する製材設備100の第2の例示的な実施形態を示している。この例示的な実施形態にて、第1の台車及び第2の台車20、32は、連結具80を介して互いに結合され、第1の製材用丸太の支持装置及び第2の製材用丸太の支持装置22、34が、連結具80を介して互いに結合されるのが好ましく、より大きな寸法の台車を代用として用いることなく非常に長い製材用丸太82を支持するために相乗的に用いられる。第1の台車及び第2の台車20、32間の連結具80は機械的(キャッチフックを介して)、(電子的)磁気的又は仮想であるのが好ましい。
【0090】
例示によって、仮想結合の場合、第1の台車及び第2の台車の駆動部24、36が、互いに協調されて、第1の台車及び第2の台車20、32が予め定められた距離で互いの真後ろに移動することが可能であり、それによってこのような制御には、例えばマスター・スレーブ原理が適している。ここで例えば、マスタとしての第2の台車32は、2つの駆動部の制御の結合を介して第1の台車20の移動を制御することができる。
【0091】
図6に示される場合、非常に長い製材用丸太82の寸法に合わせて、製材用丸太の供給装置、製材品の排出装置ともに寸法を大きく構成した。