(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-12
(45)【発行日】2024-01-22
(54)【発明の名称】輪位置特定システム、及び輪位置特定装置
(51)【国際特許分類】
B60C 23/04 20060101AFI20240115BHJP
【FI】
B60C23/04 140D
(21)【出願番号】P 2022549713
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(86)【国際出願番号】 JP2021031438
(87)【国際公開番号】W WO2023026453
(87)【国際公開日】2023-03-02
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000204033
【氏名又は名称】太平洋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】尾畑 孝仁
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-052794(JP,A)
【文献】特開2008-074223(JP,A)
【文献】特開2012-040925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のホイールアセンブリセットが備える2つのホイールアセンブリのそれぞれに設けられるように構成された送信機と、
前記送信機の各々が前記2つのホイールアセンブリのうち外輪アセンブリに設けられているか内輪アセンブリに設けられているかを特定するように構成された輪位置特定装置と、を備えた輪位置特定システムであって、
前記送信機の各々は、
加速度を検出するように構成された加速度センサと、
識別情報を記憶するように構成された送信機用記憶部と、
前記輪位置特定装置に前記識別情報を含む無線信号を送信するように構成された送信回路と、
前記加速度センサの検出結果から、前記送信機が前記ホイールアセンブリの回転方向における特定位置に位置していることを検知したときに前記送信回路から前記無線信号を送信させるように構成された送信機用制御装置と、を備え、
前記外輪アセンブリに設けられた前記送信機が前記特定位置を検知したときに送信する前記無線信号は第1無線信号であり、前記内輪アセンブリに設けられた前記送信機が前記特定位置を検知したときに送信する前記無線信号は第2無線信号であり、
前記第1無線信号が送信されてから前記第2無線信号が送信されるまでの時間と、前記第2無線信号が送信されてから前記第1無線信号が送信されるまでの時間とが異なるように、前記送信機の各々は前記ホイールアセンブリセットに設けられており、
前記輪位置特定装置は、
前記無線信号を受信するように構成された受信回路と、
受信機用制御装置と、を備え、
前記受信機用制御装置は、前記第1無線信号と前記第2無線信号の受信間隔から前記送信機の各々が前記外輪アセンブリに設けられているか前記内輪アセンブリに設けられているかを特定するように構成された、輪位置特定システム。
【請求項2】
車両のホイールアセンブリセットが備える2つのホイールアセンブリのそれぞれに設けられた送信機の各々が、前記2つのホイールアセンブリのうち外輪アセンブリに設けられているか内輪アセンブリに設けられているかを特定するように構成された輪位置特定装置であって、
前記外輪アセンブリに設けられた前記送信機が前記ホイールアセンブリの回転方向における特定位置を検知したときに送信する無線信号は第1無線信号であり、前記内輪アセンブリに設けられた前記送信機が前記特定位置を検知したときに送信する前記無線信号は第2無線信号であり、
前記第1無線信号が送信されてから前記第2無線信号が送信されるまでの時間と、前記第2無線信号が送信されてから前記第1無線信号が送信されるまでの時間とが異なるように、前記送信機の各々は前記ホイールアセンブリセットに設けられており、
前記輪位置特定装置は、
前記無線信号を受信するように構成された受信回路と、
受信機用制御装置と、を備え、
前記受信機用制御装置は、前記第1無線信号と前記第2無線信号の受信間隔から前記送信機の各々が前記外輪アセンブリに設けられているか前記内輪アセンブリに設けられているかを特定するように構成された、輪位置特定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、輪位置特定システム、及び輪位置特定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の車両は、輪位置特定システムを備える。車両は、複数のホイールアセンブリと、回転角度検出装置と、を備える。各ホイールアセンブリは、車輪と、車輪に設けられたタイヤと、を備える。回転角度検出装置は、ホイールアセンブリの回転角度を検出する。輪位置特定システムは、送信機と、受信機と、を備える。送信機は、ホイールアセンブリに1つずつ設けられている。各送信機は、送信機がホイールアセンブリの回転方向における特定位置に位置したときに無線信号を送信する。受信機は、無線信号を受信すると、回転角度検出装置の検出結果を取得する。受信機は、無線信号を受信した時点での各ホイールアセンブリの回転角度のばらつきから、各送信機が、いずれのホイールアセンブリに設けられているかを特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両は、ホイールアセンブリセットを備える場合がある。ホイールアセンブリセットは、2つのホイールアセンブリを備える。ホイールアセンブリセットが備える2つのホイールアセンブリは、車軸の両端の各々に取り付けられる。この場合、各送信機が、ホイールアセンブリセットが備える2つのホイールアセンブリのいずれに設けられたものかを特定することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第一の態様によれば、車両のホイールアセンブリセットが備える2つのホイールアセンブリのそれぞれに設けられるように構成された送信機と、前記送信機の各々が前記2つのホイールアセンブリのうち外輪アセンブリに設けられているか内輪アセンブリに設けられているかを特定するように構成された輪位置特定装置と、を備えた輪位置特定システムが提供される。前記送信機の各々は、加速度を検出するように構成された加速度センサと、識別情報を記憶するように構成された送信機用記憶部と、前記輪位置特定装置に前記識別情報を含む無線信号を送信するように構成された送信回路と、前記加速度センサの検出結果から、前記送信機が前記ホイールアセンブリの回転方向における特定位置に位置していることを検知したときに前記送信回路から前記無線信号を送信させるように構成された送信機用制御装置と、を備える。前記外輪アセンブリに設けられた前記送信機が前記特定位置を検知したときに送信する前記無線信号は第1無線信号であり、前記内輪アセンブリに設けられた前記送信機が前記特定位置を検知したときに送信する前記無線信号は第2無線信号である。前記第1無線信号が送信されてから前記第2無線信号が送信されるまでの時間と、前記第2無線信号が送信されてから前記第1無線信号が送信されるまでの時間とが異なるように、前記送信機の各々は前記ホイールアセンブリセットに設けられている。前記輪位置特定装置は、前記無線信号を受信するように構成された受信回路と、受信機用制御装置と、を備える。前記受信機用制御装置は、前記第1無線信号と前記第2無線信号の受信間隔から前記送信機の各々が前記外輪アセンブリに設けられているか前記内輪アセンブリに設けられているかを特定するように構成されている。
【0006】
第1無線信号を受信してから第2無線信号を受信するまでの受信間隔と、第2無線信号を受信してから第1受信信号を受信するまでの受信間隔とは異なる。これらの受信間隔のうち、いずれが長くなるかは、ホイールアセンブリセットに対する送信機の配置位置から予め把握することができる。従って、受信機用制御装置は、第1無線信号と第2無線信号の受信間隔から、送信機の各々が外輪アセンブリに設けられているか、内輪アセンブリに設けられているかを特定できる。
【0007】
本開示の第二の態様によれば、車両のホイールアセンブリセットが備える2つのホイールアセンブリのそれぞれに設けられた送信機の各々が、前記2つのホイールアセンブリのうち外輪アセンブリに設けられているか内輪アセンブリに設けられているかを特定するように構成された輪位置特定装置が提供される。前記外輪アセンブリに設けられた前記送信機が前記ホイールアセンブリの回転方向における特定位置を検知したときに送信する前記無線信号は第1無線信号であり、前記内輪アセンブリに設けられた前記送信機が前記特定位置を検知したときに送信する前記無線信号は第2無線信号である。前記第1無線信号が送信されてから前記第2無線信号が送信されるまでの時間と、前記第2無線信号が送信されてから前記第1無線信号が送信されるまでの時間とが異なるように、前記ホイールアセンブリセットに前記送信機の各々は設けられている。前記輪位置特定装置は、前記無線信号を受信するように構成された受信回路と、受信機用制御装置と、を備える。前記受信機用制御装置は、前記第1無線信号と前記第2無線信号の受信間隔から前記送信機の各々が前記外輪アセンブリに設けられているか前記内輪アセンブリに設けられているかを特定するように構成されている。
【0008】
第1無線信号を受信してから第2無線信号を受信するまでの受信間隔と、第2無線信号を受信してから第1受信信号を受信するまでの受信間隔とは異なる。これらの受信間隔のうち、いずれが長くなるかは、ホイールアセンブリセットに対する送信機の配置位置から予め把握することができる。従って、受信機用制御装置は、第1無線信号と第2無線信号の受信間隔から、送信機の各々が外輪アセンブリに設けられているか、内輪アセンブリに設けられているかを特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図1のホイールアセンブリに設けられた送信機の概略構成図である。
【
図3】
図1のホイールアセンブリセットに設けられた2つの送信機の位置関係を模式的に示す図である。
【
図4】
図2の送信機が特定位置送信処理を行う際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図4の特定位置送信処理によって第1送信機から送信される第1無線信号と第2送信機から送信される第2無線信号との送信間隔を示す図である。
【
図6】
図1の受信機用制御装置が行う輪位置特定処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図6の内外輪位置特定を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、輪位置特定システム、及び輪位置特定装置の一実施形態について説明する。
【0011】
図1に示すように、車両10は、複数の車軸11,14と、複数のホイールアセンブリ21と、複数のホイールアセンブリセット31と、ABS40と、表示部80と、を備える。以下の説明において、「前」、「後」、「右」、「左」等の用語で表される向きは、車両10を基準として定義される。
【0012】
車軸11,14は、2つ設けられている。2つの車軸11,14は、前後方向に並んで設けられている。2つの車軸11,14をそれぞれ、第1車軸11、第2車軸14とする。第1車軸11は、第2車軸14よりも前方に設けられている。第1車軸11の両端の位置をそれぞれ第1位置12、第2位置13とする。第2車軸14の両端の位置をそれぞれ第3位置15、第4位置16とする。第3位置15は、第2車軸14の右端の位置である。第4位置16は第2車軸14の左端の位置である。
【0013】
各ホイールアセンブリ21は、車輪22と、車輪22に装着されたタイヤ23と、を備える。ホイールアセンブリ21は、第1位置12及び第2位置13のそれぞれに1つずつ取り付けられている。ホイールアセンブリ21は、シングルタイヤ構造である。シングルタイヤ構造とは、第1車軸11の両端の各々に対して、1つのホイールアセンブリ21が取り付けられる構造である。
【0014】
各ホイールアセンブリセット31は、2つのホイールアセンブリ32,35を備える。2つのホイールアセンブリ32,35は、外輪アセンブリ32と、内輪アセンブリ35と、を含む。外輪アセンブリ32は、内輪アセンブリ35よりも車幅方向の外側に設けられている。外輪アセンブリ32は、車輪33と、車輪33に装着されたタイヤ34と、を備える。内輪アセンブリ35は、車輪36と、車輪36に装着されたタイヤ37と、を備える。ホイールアセンブリセット31は、第3位置15及び第4位置16のそれぞれに1つずつ取り付けられている。ホイールアセンブリセット31は、ダブルタイヤ構造である。ダブルタイヤ構造とは、車軸11,14の両端の各々に対して、2つのホイールアセンブリ32,35が取り付けられる構造である。
【0015】
ABS40は、アンチロック・ブレーキシステムである。ABS40は、回転角度検出部41と、ABSコントローラ42と、を備える。回転角度検出部41は、第1位置12~第4位置16に対応して1つずつ設けられている。回転角度検出部41は、ホイールアセンブリ21、及びホイールアセンブリセット31のそれぞれに対応して1つずつ設けられているともいえる。回転角度検出部41は、ホイールアセンブリ21及びホイールアセンブリセット31と一体回転するように設けられた歯車に向かい合って配置されている。歯車が回転することで、回転角度検出部41にはパルスが生じる。ホイールアセンブリ21及びホイールアセンブリセット31が1回転することで、回転角度検出部41には歯車の歯数に応じたパルスが生じる。
【0016】
ABSコントローラ42は、例えば、マイクロコンピュータ等からなる。ABSコントローラ42は、各回転角度検出部41のパルスをカウントする。ABSコントローラ42は、パルスの立ち上がりと立ち下がりをカウントする。ABSコントローラ42は、カウントされたパルスのカウント数を歯車の1回転分のパルスのカウント数で除算したときの余りを、パルスカウント値として算出する。歯車が1回転することで発生するパルス数で360度を除算することで、パルスカウント値1につき歯車が何度回転したかを把握することもできる。これらによって、パルスカウント値から、ホイールアセンブリ21及びホイールアセンブリセット31の回転角度を求めることができる。パルスカウント値は、ホイールアセンブリ21及びホイールアセンブリセット31の回転角度を示す情報である。ホイールアセンブリ21及びホイールアセンブリセット31の回転角度は、車輪22,33,36の回転角度ともいえる。同一のホイールアセンブリセット31では車輪33と車輪36の回転角度は同一である。本実施形態のパルスカウント値は0~95である。
【0017】
車両10は、輪位置特定システム50を備える。輪位置特定システム50は、送信機51と、受信機71と、を備える。送信機51は、各ホイールアセンブリ21,32,35に1つずつ設けられている。送信機51は、例えば、タイヤバルブに一体に設けられることによって各車輪22,33,36に設けられている。車輪33に設けられた送信機51は、外輪アセンブリ32に設けられているといえる。車輪36に設けられた送信機51は、内輪アセンブリ35に設けられているといえる。
【0018】
図2に示すように、各送信機51は、圧力センサ52と、温度センサ53と、加速度センサ54と、送信機用制御装置57と、送信回路60と、送信アンテナ61と、を備える。
【0019】
圧力センサ52は、対応するタイヤ23,34,37の圧力を検出する。温度センサ53は、対応するタイヤ23,34,37内の温度を検出する。
【0020】
図3に示すように、加速度センサ54は、検出軸55を備える。加速度センサ54は、検出軸55に沿う方向への加速度を検出する。本実施形態の加速度センサ54は、1軸の加速度センサである。加速度センサ54は、遠心加速度を検出できるように配置されている。本実施形態では、送信機51が各ホイールアセンブリ21,32,35の最下位置にある場合に、加速度センサ54の検出軸55が鉛直下方向を向くように加速度センサ54が設けられている。
【0021】
図2に示すように、送信機用制御装置57は、プロセッサ58と、送信機用記憶部59と、を備える。プロセッサ58としては、例えば、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、及びDSP(Digital Signal Processor)を挙げることができる。送信機用記憶部59は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。送信機用記憶部59は、処理をプロセッサ58に実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。送信機用制御装置57は、ASICやFPGA等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である送信機用制御装置57は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。ROM及びRAMすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。送信機用記憶部59は、対応する送信機51の固有の識別情報を示すIDコードを記憶している。
【0022】
送信機用制御装置57は、送信データを生成する。送信データは、デジタルデータであり2進数のデータである。送信データは、圧力データ、温度データ、及びIDコードを含む。圧力データは、圧力センサ52によって検出された圧力を示すデータである。温度データは、温度センサ53によって検出された温度を示すデータである。送信機用制御装置57は、送信データを送信回路60に入力する。
【0023】
送信回路60は、送信機用制御装置57から入力された送信データに応じた変調を行った無線信号を送信アンテナ61から送信する。これにより、送信回路60からIDコードを含む無線信号が送信される。無線信号は、所定の周波数帯の信号である。周波数帯としては、例えば、LF帯、MF帯、HF帯、VHF帯、UHF帯、及び2.4GHz帯を挙げることができる。送信機用制御装置57は、定常送信処理と、特定位置送信処理と、を行う。定常送信処理では、所定の送信間隔毎に送信回路60から無線信号が送信される。
【0024】
特定位置送信処理は、例えば、所定時間以上に亘って車両10が停止された以降に、車両10の走行が開始された場合に行われる。所定時間は、例えば、数十分~数時間である。車両10が走行しているか否かの判定は、加速度センサ54によって検出される加速度から判定することができる。車速が高くなるにつれて、加速度センサ54に作用する遠心加速度は大きくなる。加速度センサ54によって検出された加速度が走行判定用閾値以上であれば、送信機用制御装置57は、車両10が走行していると判定する。加速度センサ54によって検出された加速度が走行判定用閾値未満であれば、送信機用制御装置57は、車両10が停止していると判定する。走行判定用閾値は、公差などを考慮して、車両10が停止しているときに加速度センサ54によって検出される加速度よりも大きい値に設定される。以下、特定位置送信処理を行う際に送信機用制御装置57によって行われる処理について説明する。
【0025】
図4に示すように、ステップS1において、送信機用制御装置57は、送信機51が車輪22,33,36の回転方向における特定位置に位置していることの検知を行う。詳細に説明すれば、送信機用制御装置57は、1回前の無線信号の送信から予め定められた時間が経過しており、かつ、送信機51が特定位置に位置していることを検知する。車輪22,33,36の回転方向は、ホイールアセンブリ21,32,35の回転方向ともいえる。送信機51が特定位置に位置していることは、加速度センサ54によって検出される加速度によって検知可能である。検出軸55には遠心加速度、及び重力加速度が作用する。重力加速度のみを考慮すると、重力加速度は、常に、鉛直下方向に作用する。車輪22,33,36の回転に伴い検出軸55の向きは変化する。このため、加速度センサ54によって検出される重力加速度成分は車輪22,33,36の回転に伴い変化する。車両10が急加速や急停止しない限り、車輪22,33,36が1回転する間に変化する遠心加速度は極僅かである。従って、車輪22,33,36が1回転する間に加速度センサ54によって検出される加速度の変化は、実質的に、検出軸55の向きが変わることによる重力加速度成分の変化とみなすことができる。
【0026】
重力加速度のみを考慮した場合、加速度センサ54によって検出される重力加速度成分は、車輪22,33,36が1回転する間に、+1[G]~-1[G]の間で変化する。検出軸55が鉛直下方向を向く場合に検出される重力加速度成分が+1[G]である。検出軸55が鉛直下方向の反対方向である鉛直上方向を向く場合に検出される重力加速度成分が-1[G]である。車輪22,33,36の回転によって検出軸55が鉛直上方向を向く位置を跨ぐように加速度センサ54の位置が変化すると、加速度センサ54によって検出される加速度が減少から増加に転じる。詳細にいえば、検出軸55が鉛直下方向を向いている位置から、検出軸55が鉛直上方向を向いている位置に向けて加速度センサ54の位置が変化していると、加速度センサ54により検出される加速度は減少していく。これに対し、検出軸55が鉛直上方向を向いている位置から、検出軸55が鉛直下方向を向いている位置に向けて加速度センサ54の位置が変化していると、加速度センサ54により検出される加速度は増加していく。送信機用制御装置57は、加速度センサ54の検出結果を所定間隔で取得する。送信機用制御装置57は、加速度センサ54の検出結果を取得する度に前回値との比較を行う。加速度センサ54の検出結果が前回値よりも増加していた場合を増加、加速度センサ54の検出結果が前回値よりも減少していた場合を減少とする。送信機用制御装置57は、減少と増加とのパターンが規定のパターンになったときに送信機51が車輪22,33,36の特定位置に位置していると判断する。例えば、送信機用制御装置57は、加速度センサ54の検出結果が減少から増加に転じた場合に、送信機51が特定位置に位置していると判断する。これにより、送信機用制御装置57は、送信機51が特定位置に位置していることを検知する。車輪22,33,36の回転方向における特定位置とは、ホイールアセンブリ21,32,35の回転方向の特定位置ともいえる。
【0027】
次に、ステップS2において、送信機用制御装置57は、送信回路60から無線信号を送信する。このように、加速度センサ54を用いることで、送信機用制御装置57は、送信機51が車輪22,33,36の特定位置に位置していることを検知したときに送信回路60から無線信号を送信することが可能である。本実施形態の特定位置は、検出軸55が鉛直上方向を向く位置である。特定位置は、誤差を許容する所定の範囲である。種々の要因によって送信機用制御装置57が特定位置を検知したときの送信機51の位置には、誤差が生じる。種々の要因には、送信機用制御装置57が加速度センサ54の検出結果を取得する頻度、及び加速度センサ54の検出誤差を含む。「特定位置」は、これらの誤差を許容するものである。特定位置は、誤差を許容する許容範囲を含む特定範囲ともいえる。
【0028】
図3に示すように、外輪アセンブリ32に設けられた送信機51を第1送信機51A、内輪アセンブリ35に設けられた送信機51を第2送信機51Bとする。第1送信機51Aが特定位置を検知したときに送信する無線信号を第1無線信号、第2送信機51Bが特定位置を検知したときに送信する無線信号を第2無線信号とする。第1無線信号が送信されてから第2無線信号が送信されるまでの時間と、第2無線信号が送信されてから第1無線信号が送信されるまでの時間とが異なるように、送信機51の各々はホイールアセンブリセット31に設けられている。第1送信機51Aと第2送信機51Bとは、ホイールアセンブリセット31の回転方向に互いに離れて設けられている。第1送信機51Aと第2送信機51Bとは、ホイールアセンブリセット31の回転方向に互いに180°以外の角度で離れている。本実施形態において、第1送信機51Aと第2送信機51Bとは、ホイールアセンブリセット31の回転方向に互いに90°離れて設けられている。第1送信機51Aが外輪アセンブリ32の最上位置にあるときには、第2送信機51Bが内輪アセンブリ35の前側位置にある。
【0029】
図5に示すように、第1送信機51Aが最上位置に位置してから第2送信機51Bが最上位置に位置するまでの時間を第1時間T1とする。第2送信機51Bが最上位置に位置してから第1送信機51Aが最上位置に位置するまでの時間を第2時間T2とする。説明の便宜上、車両10は一定速度で前進しているとする。第1時間T1は、第2時間T2よりも短い。第1時間T1は、第1無線信号が送信されてから第2無線信号が送信されるまでの時間ともいえる。第2時間T2は、第2無線信号が送信されてから第1無線信号が送信されるまでの時間ともいえる。
【0030】
図1に示すように、受信機71は、受信機用制御装置72と、受信アンテナ76と、受信回路77と、を備える。受信機71は、車両10に搭載されている。
【0031】
受信機用制御装置72は、プロセッサ73と、記憶部74と、を備える。プロセッサ73としては、例えば、MPU、CPU、及びDSPを挙げることができる。記憶部74は、ROM、RAM、及び書き換え可能な不揮発性記憶媒体を含む。記憶部74は、処理をプロセッサ73に実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。受信機用制御装置72は、ASICやFPGA等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である受信機用制御装置72は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。ROM及びRAMすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。受信機用制御装置72は、ABSコントローラ42からパルスカウント値を取得可能に構成されている。
【0032】
受信アンテナ76は、各送信機51から送信された無線信号を受信する。受信回路77は、受信アンテナ76を介して受信された無線信号を復調して、送信データを得る。受信回路77は、送信データを受信機用制御装置72に出力する。これにより、受信機用制御装置72は、圧力データ、温度データ、及びIDコードを取得する。受信機用制御装置72は、タイヤ23,34,37に異常が生じている場合に、表示部80による報知を行う。表示部80は、例えば、車両10の搭乗者の視認可能な位置に配置される。
【0033】
受信機用制御装置72は、輪位置特定処理を行う。輪位置特定処理とは、各車輪22,33,36と各送信機51のIDコードとの対応付けを行うことである。各車輪22,33,36と各送信機51のIDコードとの対応付けは、各ホイールアセンブリ21,32,35と各送信機51のIDコードとの対応付けともいえる。各車輪22,33,36と各送信機51のIDコードとの対応付けとは、6つの送信機51のそれぞれが6つの車輪22,33,36のうちいずれの車輪22,33,36に設けられているかを特定することともいえる。各車輪22,33,36と各送信機51のIDコードとの対応付けとを行うことで、受信機用制御装置72は、タイヤ23,34,37の圧力を車輪22,33,36の位置に対応付けて表示部80に表示することができる。また、受信機用制御装置72は、タイヤ23,34,37に異常が生じた場合に、異常が生じたタイヤ23,34,37の位置を表示部80に表示することができる。輪位置特定処理は、例えば、スタートスイッチの操作により車両10が停止状態から起動状態にされたときに行われる。スタートスイッチとは、イグニッションスイッチとも呼ばれる。以下の説明において、無線信号は、特定位置送信処理によって送信されているとする。
【0034】
図6に示すように、ステップS11において、受信機用制御装置72は、受信回路77が無線信号を受信すると、無線信号を受信する度に各回転角度検出部41のパルスカウント値をABSコントローラ42から取得する。これにより、6つの送信機51からの無線信号を受信する度に、4つの回転角度検出部41のパルスカウント値が取得される。
【0035】
次に、ステップS12において、受信機用制御装置72は、位置特定を行う。位置特定は、6つの送信機51のそれぞれが、第1位置12~第4位置16のうちいずれに設けられているかを特定する処理である。言い換えれば、6つの送信機51のそれぞれが2つのホイールアセンブリ21、及び2つのホイールアセンブリセット31のうちいずれに取り付けられているかを判定する処理である。
【0036】
位置特定は、無線信号を受信する度にパルスカウント値を取得することで行われる。各ホイールアセンブリ21、及び各ホイールアセンブリセット31の回転速度は、デファレンシャルギアなどの影響によって異なる。このため、送信機51同士の相対位置は、車両10の走行に伴い変化する。各送信機51が特定位置で無線信号を送信した場合、無線信号の受信を契機としてパルスカウント値を取得すると、各送信機51に対応して、パルスカウント値のばらつきが少ない回転角度検出部41が1つ存在する。こうして、無線信号を取得する度に収集したパルスカウント値のばらつきから、6つの送信機51のそれぞれが第1位置12~第4位置16のうちいずれに設けられているかを特定できる。言い換えれば、6つの送信機51のIDコードを第1位置12~第4位置16に対応付けることができる。
【0037】
次に、ステップS13において、受信機用制御装置72は、内外輪位置特定を行う。位置特定では、各送信機51が第1位置12~第4位置16のうちいずれの位置に設けられているかを特定できる。第1位置12及び第2位置13には、シングルタイヤ構造のホイールアセンブリ21が取り付けられているため、第1位置12及び第2位置13には、それぞれ、1つずつIDコードが対応付けられる。第3位置15及び第4位置16には、ダブルタイヤ構造のホイールアセンブリセット31が取り付けられている。各ホイールアセンブリセット31には、2つの送信機51が設けられる。この結果、第3位置15及び第4位置16の各々には、2つのIDコードが対応付けられることになる。受信機用制御装置72は、内外輪位置特定によって各ホイールアセンブリセット31に対応付けられた2つのIDコードの各々を車輪33又は車輪36に対応付ける。内外輪位置特定は、第1無線信号と第2無線信号の受信間隔によって行われる。
【0038】
図7に示すように、ステップS21において、受信機用制御装置72は、車両10が前進しているか後進しているかを判定する。受信機用制御装置72は、車両10に搭載された電子制御ユニットから、車両10の進行方向を示す情報を取得することで、車両10が前進しているか後進しているかを判定する。例えば、回転角度検出部41がホイールアセンブリ21、及びホイールアセンブリセット31の回転方向を検出している場合には、回転角度検出部41の検出結果から前進と後進とを判別することができる。このため、受信機用制御装置72は、電子制御ユニットであるABSコントローラ42からホイールアセンブリ21、及びホイールアセンブリセット31の回転方向に関する情報を取得することで、車両10が前進しているか後進しているかを判定してもよい。ステップS21の判定結果が前進の場合、受信機用制御装置72は、ステップS22の処理を行う。ステップS21の判定結果が後進の場合、受信機用制御装置72は、ステップS23の処理を行う。
【0039】
ステップS22において、受信機用制御装置72は、第1無線信号と第2無線信号の受信間隔から送信機51の各々が外輪アセンブリ32に設けられているか、内輪アセンブリ35に設けられているかを特定する。車両10が前進している場合に、ホイールアセンブリセット31の2つの送信機51の無線信号を交互に受信したとする。この場合、第1無線信号を受信してから、第2無線信号を受信するまでの受信間隔は、第1時間T1に一致、又は略一致する。第2無線信号を受信してから、第1無線信号を受信するまでの受信間隔は、第2時間T2に一致、又は略一致する。2つのIDコードを含む無線信号の受信間隔を導出すると、互いに時間が異なる2つの受信間隔が交互に現れることになる。受信間隔を導出する度に、受信間隔の前回値との比較を行うと、前回値よりも短い受信間隔と、前回値よりも長い受信間隔とが交互に現れるといえる。受信機用制御装置72は、1回前の無線信号の受信からの受信間隔が長いほうの無線信号に含まれるIDコードを外輪アセンブリ32に対応付ける。受信機用制御装置72は、1回前の無線信号の受信からの受信間隔が短いほうの無線信号に含まれるIDコードを内輪アセンブリ35に対応付ける。受信機用制御装置72は、無線信号を取得する度に、無線信号に含まれるIDコードが第1送信機51Aのものか、第2送信機51Bのものかを判定してもよい。そして、受信機用制御装置72は、複数回の判定結果が一致している場合に、IDコードを外輪アセンブリ32又は内輪アセンブリ35に対応付けてもよい。
【0040】
ステップS23において、受信機用制御装置72は、第1無線信号と第2無線信号の受信間隔から送信機51の各々が外輪アセンブリ32に設けられているか、内輪アセンブリ35に設けられているかを特定する。車両10が後進している場合に、ホイールアセンブリセット31の2つの送信機51の無線信号を交互に受信したとする。この場合、第1無線信号を受信してから、第2無線信号を受信するまでの受信間隔は、第2時間T2に一致、又は略一致する。第2無線信号を受信してから、第1無線信号を受信するまでの受信間隔は、第1時間T1に一致、又は略一致する。即ち、車両10が前進している場合と、車両10が後進している場合とで、受信間隔の長さの関係が逆になる。受信機用制御装置72は、1回前の無線信号の受信からの受信間隔が短いほうの無線信号に含まれるIDコードを外輪アセンブリ32に対応付ける。受信機用制御装置72は、1回前の無線信号の受信からの受信間隔が長いほうの無線信号に含まれるIDコードを内輪アセンブリ35に対応付ける。受信機用制御装置72は、無線信号を取得する度に、無線信号に含まれるIDコードが第1送信機51Aのものか、第2送信機51Bのものかを判定してもよい。そして、受信機用制御装置72は、複数回の判定結果が一致している場合に、IDコードを外輪アセンブリ32又は内輪アセンブリ35に対応付けてもよい。
【0041】
図6に示すように、次に、ステップS14において、受信機用制御装置72は、位置特定と内外輪位置特定の結果から車輪22,33,36とIDコードとの対応付けを行う。位置特定により車輪22とIDコードとは対応付けられている。位置特定により各ホイールアセンブリセット31に2つのIDコードが対応付けられている。内外輪位置特定により、ホイールアセンブリセット31に対応付けられた2つのIDコードの各々を車輪33又は車輪36に対応付けることができる。
【0042】
次に、ステップS15において、受信機用制御装置72は、全てのIDコードと全ての車輪22,33,36との対応付けがされたか否かを判定する。受信機用制御装置72は、ステップS15の判定結果が肯定の場合、ステップS16の処理を行う。受信機用制御装置72は、ステップS15の判定結果が否定の場合、ステップS11の処理に戻る。即ち、輪位置特定処理は、全てのIDコードと全ての車輪22,33,36との対応付けがされるまで繰り返し実行される。
【0043】
ステップS16において、受信機用制御装置72は、IDコードと車輪22,33,36との対応関係を記憶部74に記憶する。ステップS16の処理を終えると、受信機用制御装置72は、輪位置特定処理を終了する。上記したように、輪位置特定処理を行う受信機71が輪位置特定装置である。受信機用制御装置72が輪位置特定処理を行うことで、輪位置特定方法が受信機用制御装置72に実行される。
【0044】
本実施形態の作用について説明する。
【0045】
第1無線信号を受信してから第2無線信号を受信するまでの受信間隔と、第2無線信号を受信してから第1受信信号を受信するまでの受信間隔とは異なる。これらの受信間隔のうち、いずれが長くなるかは、ホイールアセンブリセット31に対する送信機51の配置位置から予め把握することができる。本実施形態では、車両10が前進している場合、第1無線信号を受信してから第2無線信号を受信するまでの受信間隔は、第2無線信号を受信してから第1無線信号を受信するまでの受信間隔よりも短い。この受信間隔の長さは、車両10が後進している場合には、逆になる。受信機用制御装置72は、第1無線信号と第2無線信号の受信間隔から内外輪位置特定を行うことができる。
【0046】
本実施形態の効果について説明する。
【0047】
(1)受信機用制御装置72は、第1無線信号と第2無線信号の受信間隔から、送信機51の各々が外輪アセンブリ32に設けられているか、内輪アセンブリ35に設けられているかを特定できる。従って、車両10がホイールアセンブリセット31を備えている場合であっても、各送信機51と各ホイールアセンブリ32,35との対応付けを行うことができる。
【0048】
(2)加速度センサ54として1軸の加速度センサを用いている。2軸の加速度センサや、3軸の加速度センサを用いる場合に比べて、製造コストの低減を図ることができる。
【0049】
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0050】
・各送信機51が第1位置12~第4位置16のうちいずれに設けられているかが既知であれば、受信機用制御装置72は、位置特定を行うことなく内外輪位置特定を行ってもよい。
【0051】
・位置特定は、第1位置12~第4位置16に対応して設けられたイニシエータを用いて行われてもよい。この場合、イニシエータから各送信機51に無線信号が送信される。送信機51は、イニシエータからの無線信号に応答して受信機71に応答信号を送信する。受信機71は、応答信号から6つの送信機51のそれぞれを、第1位置12~第4位置16に対応付ける。イニシエータとしては、車両10に1つ設けられていてもよい。この場合、送信機51は、イニシエータから送信された無線信号の受信強度を含む無線信号を受信機71に送信する。受信機71は、受信強度から6つの送信機51のそれぞれを、第1位置12~第4位置16に対応付ける。
【0052】
・輪位置特定処理は、車両10が前進している場合にのみ行われるようにしてもよい。この場合、受信機用制御装置72は、ステップS23の処理を行わない。
【0053】
・第1位置12及び第2位置13にもホイールアセンブリセット31が取り付けられていてもよい。この場合であっても、実施形態と同様の手法により、受信機用制御装置72は、各送信機51が外輪アセンブリ32に設けられているか内輪アセンブリ35に設けられているかを特定することができる。
【0054】
・加速度センサ54として、2軸の加速度センサを用いてもよいし、3軸の加速度センサを用いてもよい。
【0055】
・送信機51は、タイヤ23,34,37に貼り付けられていてもよい。この場合、タイヤ34に貼り付けられている送信機51は、外輪アセンブリ32に設けられているといえる。タイヤ37に貼り付けられている送信機51は、内輪アセンブリ35に設けられているといえる。
【0056】
・特定位置は、検出軸55が鉛直下方向を向く位置であってもよい。この場合、送信機用制御装置57は、加速度センサ54の検出結果が増加から減少に転じた場合に送信機51が特定位置に位置していると判断すればよい。
【0057】
・受信機用制御装置72は、車両10の速度変化が少ない場合に、内外輪位置特定を行ってもよい。第1無線信号と第2無線信号の受信間隔は、車両10の速度によって変化する。受信機用制御装置72は、車両10の速度による影響を低減するため、車両10の速度変化が許容範囲内のときに取得された第1無線信号と第2無線信号から内外輪位置特定を行ってもよい。車両10の速度を示す情報は、例えば、ABSコントローラ42から取得することができる。
【0058】
・識別情報は、プロトコルであってもよい。送信機51毎にプロトコルが異なる場合には、送信データからプロトコルを把握することで、送信機51の識別を行うことができる。識別情報は、送信データに含まれるデータであってIDコードを導出することができるデータであってもよい。例えば、送信データに含まれる誤り検出符号を、IDコードを用いて演算している場合、誤り検出符号からIDコードを導出することができる。このように、識別情報は、IDコードを間接的に示す情報であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
10…車両、31…ホイールアセンブリセット、32…外輪アセンブリ、35…内輪アセンブリ、50…輪位置特定システム、51…送信機、54…加速度センサ、57…送信機用制御装置、59…送信機用記憶部、60…送信回路、71…輪位置特定装置としての受信機、72…受信機用制御装置、77…受信回路。